(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】非類似の材料や部品を接合する固体状態方法及びタガントの特徴をその場で発生させるコーティングと部品の固体状態付加製造
(51)【国際特許分類】
B29C 64/205 20170101AFI20240911BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20240911BHJP
B29C 64/141 20170101ALI20240911BHJP
B29C 64/194 20170101ALI20240911BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20240911BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240911BHJP
B33Y 40/00 20200101ALI20240911BHJP
B33Y 70/10 20200101ALI20240911BHJP
【FI】
B29C64/205
B29C64/106
B29C64/141
B29C64/194
B29C64/268
B33Y10/00
B33Y40/00
B33Y70/10
(21)【出願番号】P 2020570926
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 US2019037968
(87)【国際公開番号】W WO2019246251
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-20
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520352791
【氏名又は名称】メルド マニュファクチュアリング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ブローチ アニータ ティー
(72)【発明者】
【氏名】コックス チェイス
(72)【発明者】
【氏名】ガルギロ クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ハードウィック ナンシー
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0175981(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165546(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/16
B23K 20/12
B29C 64/10,64/106,64/141,64/147,
64/194,64/20,64/205,64/268,
64/30,64/40,65/06
B33Y 10/00,30/00,40/00,50/00,70/00,
70/10,80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる材料を固体状態付加製造機で接合するプロセスであって、
第1の固体フィラー材料を、固体状態付加製造機の中空器具を介して供給することと、
前記中空器具を前記第1の固体フィラー材料と共に回転させて、前記第1の固体フィラー材料とは異なる第2の固体材料の上に前記第1の固体フィラー材料を堆積させることにより、前記第1の固体フィラー材料を前記第2の固体材料に接合することと、を含み、
前記中空器具は、前記第2の固体材料の表面に対して配置されるショルダーを備え、前記回転する中空器具の前記ショルダーと前記第2の固体材料の表面との間に法線力、せん断力、及び/または摩擦力を加えることにより、前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料の塑性変形を生成し、
前記法線力、せん断力、及び/または摩擦力を加えることにより、前記第1の固体フィラー材料と前記第2の固体材料とを接合する1又は2以上の中間層を形成し、
前記形成される1又は2以上の中間層は、前記回転する中空器具の前記ショルダーと前記第2の固体材料との間の界面領域において、可鍛性及び/または粘弾性状態で形成される、
プロセス。
【請求項2】
前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料が2つの異なるポリマーである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料が2つの異なる金属、MMCまたは金属合金である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の固体フィラー材料がポリマーであり、前記第2の固体材料が金属である、または、
前記第1の固体フィラー材料が金属であり、前記第2の固体材料がポリマーである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ポリマーが前記金属の表面領域の粒子の間に浸透する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記第1の固体フィラー材料がポリマーであり、前記第2の固体材料が複合材料である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の固体フィラー材料が金属であり、前記第2の固体材料が複合材料である、または、
前記第1の固体フィラー材料が複合材料であり、前記第2の固体材料が固体金属である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料が一緒に溶接できない材料である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の固体フィラー材料が複合材料であり、前記第2の固体材料がポリマーである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記形成される1又は2以上の中間層は、前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料の混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の固体フィラー材料が液晶ポリマーであり、前記第2の固体材料の表面の上に堆積すると、異方性特性を生成するように配向される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1の固体フィラー材料は、前記第2の固体材料の表面の上に堆積すると、前記第2の固体材料と反応する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1の固体フィラー材料と前記第2の固体材料との反応を促進するために、開始剤が付加される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第1の固体フィラー材料と前記第2の固体材料との反応を促進するために、熱、光、または電子ビームが適用される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記第1の固体フィラー材料及び前記第2の固体材料の一方または両方が、ドーパント及び/または強化粒子でドープされている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記ドーパント及び/または前記強化粒子がミクロンサイズまたはナノサイズの繊維である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記ドーパント及び/または前記強化粒子がカーボンナノチューブ(CNT)である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項18】
前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、複数のタイプの材料の混合物である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項19】
前記ドーパントが、開始剤、プライマー、及び/または接着促進剤で充填されたマイクロカプセルである、請求項15に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、米国仮出願第62/686,949号(2018年6月19日出願)及び62/729,147号(2018年9月10日出願)の出願日の優先権と利益を主張する。この出願の各々の開示は、本明細書に参照によってその全体が組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、非類似の材料や部品を接合する固体状態付加製造プロセスを提供し、光、熱、及び電場などの外部刺激に応答することが可能な堆積された材料に含まれる1つまたは複数のタガントを用いて製造された製品を含む、このようなプロセスを用いて製造された製品を含む。
【0003】
非類似の材料や部品の接合
特に航空宇宙及び自動車業界において、軽量な部品及び構造へ焦点が当てられたことで、部品/構造の機能を依然達成しながら軽量な金属及び非金属(例えば、ポリマー、複合)材料の関心が高まり、開発が促された。金属‐ポリマーまたは金属‐複合材の構造は、金属の強度と延性を、ポリマーの化学物質への耐性、軽量、高比強度、及び弾性と組み合わせる。金属は高い剛性と強度が求められる部分に存在するが、ポリマーまたは複合材料は化学物質への耐性と軽量性が必要な場合に利用され、成形プロセスで複雑な形状の形成も可能にする。
【0004】
非類似の材料及び部品の接合方法として当技術分野で現在公知であるものには、機械的固定、接着剤による結合、及び溶接がある。
【0005】
機械的固定により、通常はリベット接合で、金属とポリマーを接合するとき信頼性の高い接合と良好な接合抵抗が可能になるが、部品の数や操作手順の数の増加が必要になる。ジョイントの形状と位置が通常機械的に固定され、製造速度が比較的遅いため、ジョイントの設計という観点から、柔軟性が低く、そのためにプロセス自体に限界がある。
【0006】
接着剤による結合は、設計の柔軟性を備えた比較的簡便な方法である。しかし、この種の接合には、比較的低い機械的抵抗、制限された動作温度範囲、化学反応性環境での低い抵抗、長期耐久性の限界、及び広範な表面処理要件など、いくつかの欠点がある。多数の異なるタイプのハイブリッド構造の検証により、接着剤層がハイブリッド構造の最も脆弱な部分であることが証明されている。
【0007】
摩擦スポット及び超音波溶接は、接合界面で金属とプラスチックのワークピースを混合することにより、固体状態で実行される。ただし、これらの接合方法は低融点金属(マグネシウムとアルミニウム)にのみ成功裏に適用されており、スポット溶接は厚い金属片には適用できないようである。
【0008】
金属のポリマーへのレーザー溶接を利用して、金属とポリマー/ハイブリッド成分の間の安定した金属の結合、化学結合、及び共有結合を実現できる。ただし、結合は溶融状態-プラスチックと金属の間の固体の界面(この接合プロセスでは金属が溶融しないため)で発生する。プロセスを行う間の急速な膨張(高圧による)により、気泡が形成され、それにより界面が弱まる。このプロセスの利点は、溶接時間が短く、入熱が少ないことであるが、プロセスの限界は、厳密な制御が必要な多数のプロセスパラメータ(移動速度、溶接力)があることと、レーザービームの効果的な吸収が必要なため、主に重ね継手へ適用可能性があることである。
【0009】
非類似の材料や構造を接合するための現在知られている方法には、深刻な限界がある。したがって、様々な非類似の材料や部品を接合し、それらを機械的に強く、様々なエンジニアリングの用途に適したものにするための効率的な接合方法が必要である。
【0010】
偽造防止機能
オリジナルの材料、部品、製品にタグを付け、追跡し、位置特定することは、多くの商業、セキュリティ、及び軍事用途にとって非常に重要である。埋め込まれたタガントまたは偽造防止機能の主要な目的は、偽の製品(「コピー」)からの製造業者及びエンドユーザーによるオリジナルの材料(オリジナルの製品)の認証を可能にすることである。タガントまたは偽造防止機能の第2の機能は、材料/製品の偽造を検討している人物に対する抑止力として機能することである。しかし、タガントまたは偽造防止機能は、材料/製品が混合されて質が低下しないことを保証するものではなく、また偽造の試みを減少させることはできないが、オリジナルの材料または製品と偽の材料または製品間で簡単に検出し、必要であれば、起訴(侵害)されている事件において真正性を証明するように設計されている旨を言及することには価値がある。
【0011】
タガント(偽造防止機能)には、光‐化学的効果など、複数の異なる効果、例えば、ある波長でエネルギーを吸収して別の波長でエネルギーを放出する、またはパルスのエネルギーで照らされたとき、特定の波長でエネルギーを吸収し、特定の色の一時的な効果、熱、または電場または磁場に対する特定の応答を示す、様々な角度で見たときに様々な色を示すことなど、が含まれ得る。
【0012】
製造業者が利用できる多くのタガント(偽造防止)の技術は、簡便だが効果的なものから、より洗練されたもの、極度に安全なものまである。一般に、タガント/偽造防止技術は次のように分類できる:
-顕在的または可視の特徴、及び
-秘匿または隠されたマーカー。
顕在的なセキュリティの特徴は、エンドユーザーが材料/製品の真正性を検証できるようにすることを意図している。このような特徴は通常可視である。顕在的な特徴が使用されている場合は常に、偽造者がオリジナルの材料/部品を模倣した単純な複製を適用することがよくあり、これは、平均的な使用者を混乱させるのに十分である。顕在的な特徴(タガント)は、再利用または除去すると、必ず部品を傷つけたり部品に損傷を与えたりするように適用するべきである。既存の識別技術(シリアル番号、光学的バーコード、凹版機能、マイクロスケールの機能、及び無線周波数デバイス)は、顕在的なラベリングで広く使用されている。いくつかの顕在性の適用のため、例えばわずかな温度の変化で、または様々な角度で見たとき、またはUV光またはIR光で照らされたとき、色が変化する材料の適用などのため、タガントの効果は容易に見て取れる。カラーシフトインク、真珠光沢インク、可視のホログラム、透かしなどは、認証者にもすぐにわかるもののほんの数例である。
【0013】
サーモクロミックインク、フォトクロミックインク、化学マーカー、マイクロ印刷などの半顕在的な安全性の用途はまた、より高い安全性のレベルに向かう可能性がある。秘匿の適用の場合、タガントは容易には見えないが、トリガー(例えば、照明)源及び/またはタガント(複数可)の存在を検出するための洗練されたアルゴリズムと連動して動作する特別な検知システムが必要である。秘匿の特徴の目的は、製造業者(ブランドの製品の所有者)が偽造された材料または製品を識別できるようにすることである。通常、一般大衆は秘匿の特徴の存在に気づかず、それを検証する手段もない。秘匿の特徴は、「専門家」の知識がなければ簡単に検出またはコピーされるべきでなく、また機能の細部を管理し、特定の関係者に限定するべきである。UV及び/またはIR応答性材料、磁気インク、DNAベースのタガント、特定の機械可読タガントなどの秘匿のタガントは、最も先進的な秘匿の解決策である。
【0014】
上記のタガントのほとんどは、主に包装業界向けに開発されており、薬物、ワクチン、インクなどの高額な製品を認証する。これらのタガントは、ほとんどのプラスチック材料、紙、その他の材料で「簡単に」使用できる。言及されたタガントのいくつかは、金属の処理または金属由来の構造の構築(3D印刷)に必要な温度や時間などの、より高い処理温度またはより長い処理時間に耐えることができない。MELD(商標)タイプのプロセスなどの固体状態付加製造プロセスは、堆積のために材料を溶融しないため、処理温度が低く、処理時間が短いという利点をもたらす。固体状態付加製造プロセスを行う間に、材料は様々な激しい摩擦やその他の力によって塑性変形し、材料のいわゆる「可鍛性」の状態に至り、その結果、3D部品またはコーティングに簡単に堆積できる。それでも、固体状態付加製造プロセスで金属、金属合金、またはMMCを堆積させるために、固体状態付加製造機で材料を0.8Tm(Tmは材料の融点)まで加熱することができるのであるが、この温度はすでに開発されたタガントの一部にとっては高い場合がある。したがって、新規または公知の秘匿及び顕在のタガントを金属材料及び金属部品に付加する方法を見つける必要があり、可能であれば、さらなる「タグ付け」工程を導入する必要なしに、金属製造工程中にタガントを付加する。
【0015】
付加製造
付加製造(AM)は、3D部品(通常は層ごと)を作成するプロセスとして定義され、複雑な部品を作成することができる。ただし、界面と非界面の微細構造の間に違いが存在する可能性があり、特定の部品の場所と方向に沿って不均一な特性に至る。このような場合、製造された部品は、バルク材料と比較して劣った特性を示す。特に、溶融ベースのAMのプロセスは、脆い鋳造構造、高温割れ、多孔性などの溶融及び凝固に関連する問題を引き起こすことが多く、機械的性能の低下につながっている。さらに、フレームスプレー、高速酸素燃料(HVOF)、デトネーションガン(DーGun)、ワイヤーアーク、プラズマ蒸着などのコーティング技術により、考慮すべき多孔性、相当の酸化物含有量、別個の界面をコーティングと基板の間に備える層またはコーティングが生成される。通常、これらのコーティングプロセスは比較的高温で動作し、基板に堆積するときに材料を溶融及び酸化する。このような技術は、比較的高い処理温度に起因する粒子の増殖及び強度の損失のために、ナノ結晶材料などの多くのタイプの基板及びコーティング金属の処理には適していない。コールドスプレータイプの堆積として知られる代替の堆積プロセスでさえ、通常、粒子が超音速ノズルを通して加速される比較的低温のスプレープロセスを含み、比較的高額であり、一般に高いアスペクト比の粒子を処理することができない。
【0016】
上記の金属AM及びコーティング技術の欠点を克服するために、MELD(商標)タイプの製造などの固体状態付加製造技術が開発された。MELD(商標)タイプの付加製造は、開放された雰囲気で動作し、高い堆積速度を生み出すことができる、拡張性の高い技術を備えた環境に優しいシステムである。固体状態付加製造プロセス(複数可)は、高次の力、主に摩擦である力、及び摩擦加熱の独自の組み合わせを利用する固体状態熱機械プロセスであり、材料を加熱して塑性変形させ、液体のように自由に流れるようにする。ただし、材料は液体の状態ではなく、融点未満の固体の可鍛性状態にある。したがって、それは非溶融付加製造プロセスとみなされ、競合する技術によって製造された部品よりも、酸化が少なく、エネルギー消費が少なく、最終的に構築された部品の機械的特性が同じか、それよりはるかに優れているという利点がある。さらに、固体状態付加製造プロセスは、通常レーザーベースの3D印刷プロセスに関連する、真空レベルや不活性ガス環境、またはスペースを制限する粉末材料ベッドを必要としない。
【0017】
固体状態付加製造プロセスは、実際には、塑性変形または軟化した金属を一緒に、または下の層に「攪拌」する。特に、摩擦力と材料の塑性変形により、堆積層とその下の層に独特の精製された粒子構造が作成され、これは、堆積部品の機械的強度にとって重要である。そのため、固体状態付加製造プロセスで製造された製品は、使用されている母材よりも「精製」されているか、粒径が小さくなっている。金属では、一般に、金属の粒径が小さくなるほど、強度、耐食性、耐摩耗性が向上することが期待される。さらに、固体状態付加製造プロセスは、堆積された材料と基板の間、及び後続の堆積層の間の冶金学的結合をもたらす。
【0018】
MELD(商標)タイプの固体状態付加製造プロセス(複数可)は、幅広い材料のタイプと材料の形態を使用する柔軟性も提供し、ニアネットシェイプの3D構造にニア鍛造微細構造を生成する。複数の材料を供給材料として使用して、複数の材料の部品または機能的グレード付き部品を製造することもできる。これまでのところ、金属、金属合金、及び金属マトリックス複合材料(MMC)は、様々な固体状態付加製造プロセスで正常に使用されている。プロセスの固体状態の性質により、通常、堆積部品に発生する残留応力は、競合する3D印刷技術、金属鋳造、または溶融と凝固を伴うその他の製造プロセスの間に発生する残留応力と比較して、はるかに少ない(またはまったくない)。知られているように、金属を溶融することは問題を引き起こす。固体状態付加製造プロセスを行う間は溶融が発生しないため、固体状態付加製造プロセスで構築された部品と構造は、競合する技術で製造されたものと比較して強力である。固体状態付加製造プロセスで製造された製品は、すでに完全に高密度である、つまり堆積した材料に空隙はない。溶融ベースのプロセスでは、付加的に製造された部品には通常、スポンジのような、材料のない小さなポケット(細孔)が含まれている。次に、部品は圧縮される第2のプロセスを経る必要がある。最後に、準備態勢ができているとみなされるより前に、最後の処理工程の準備態勢になっている。一方、MELD(商標)タイプの技術は、この技術によって製造された部品の焼結や後処理を必要とせず、これらの費用と時間のかかる手順を省く。
【発明の概要】
【0019】
本発明の開示において、固体状態付加製造プロセスは、非類似の材料及び部品を接合するために提案されている。さらに、付加的な「タギング」の工程を適用する必要なしに、堆積(3D印刷)中にタガントを金属、MMC、及びその他の材料に埋め込むための固体状態付加製造技術が提案されている。以下の実施形態は、競合技術と比較して簡便な方法で軽量な構造を構築する方法として、非類似の材料/部品を接合し、大規模で複雑な3Dハイブリッド構造を構築する固体状態付加製造システムの能力の単なる例である。実施形態のいくつかはまた、堆積層へのタガントの組み込みを含む。
【0020】
本発明の実施形態の態様は以下を含む。
【0021】
態様1.非類似の材料を固体状態付加製造機で接合するためのプロセスであって、固体状態付加製造機の中空器具を介して、第1の材料を第2の材料の表面に供給すること;前記第1及び前記第2の材料が界面領域で可鍛性及び/または粘弾性状態になるように、前記中空器具の回転ショルダーを介して法線力、せん断力、及び摩擦力を加えることにより、前記第1及び前記第2の材料の塑性変形を生成すること;及び前記界面領域で前記第1及び前記第2の材料を混合及び接合すること
を含む、前記プロセス。
【0022】
態様2.前記第1及び前記第2の材料が2つの異なるポリマーである、態様1のプロセス。
【0023】
態様3.前記第1及び前記第2の材料が2つの異なる金属、MMCまたは金属合金である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0024】
態様4.前記第1の材料がポリマーであり、前記第2の材料が金属である、または前記第1の材料が金属であり、前記第2の材料がポリマーである、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0025】
態様5.前記ポリマーが前記金属の表面領域の粒子の間に浸透する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0026】
態様6.前記第1の材料がポリマーで前記第2の材料が複合材料である、または前記第1の材料が複合材料で前記第2の材料が金属である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0027】
態様7.前記第1の材料が金属であり、前記第2の材料が複合材料である、または前記第1の材料が複合材料であり、前記第2の材料が金属である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0028】
態様8.前記第1及び第前記2の材料が溶接不可能な材料(互いに溶接できない材料)である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0029】
態様9.前記第1及び前記第2の材料が非常に低い表面エネルギーである、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0030】
態様10.前記第1及び前記第2の材料が、1つまたは複数の中間層を形成することによって接合される、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0031】
態様11.前記第1の材料が液晶ポリマー(オリゴマー)であり、前記第2の材料の表面の上に堆積すると優先的に配向される、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0032】
態様12.前記第1の材料は、前記第2の材料の上部に堆積すると反応を受ける反応性材料である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0033】
態様13.前記第1の材料が、開始剤の補助のもと反応を受ける、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0034】
態様14.前記第1の材料が、熱、光、または電子ビームの補助のもと反応する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0035】
態様15.前記第1及び前記第2の材料の一方または両方が、ドーパント及び/または強化粒子でドープされている、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0036】
態様16.前記ドーパント及び/または前記強化粒子がミクロンオンナノサイズである、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0037】
態様17.前記ドーパント及び/または前記強化粒子がミクロンサイズまたはナノサイズの繊維である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0038】
態様18.前記ドーパント及び/または前記強化粒子がカーボンナノチューブ(CNT)である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0039】
態様19.前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、複数のタイプの材料の混合物である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0040】
態様20.前記ドーパントが、前記開始剤、プライマー、及び/または接着促進剤で充填されたマイクロカプセルである、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0041】
態様21.前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、堆積された最後の層の上部セクションに配置される、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0042】
態様22.堆積された前記最後の層の上部セクションに存在する前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、前記表面の標的化された機能性を付与する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0043】
態様23.前記ドーパントがCuまたはAg粒子、あるいはその両方であり、抗菌機能を付与する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0044】
態様24.前記ドーパントが防食機能を付与する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0045】
態様25.前記ドーパントが耐摩耗機能を付与する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0046】
態様26.前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、前記界面領域においてのみ、前記第1及び前記第2の材料の一方または両方に付加される、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0047】
態様27.前記第1及び前記第2の材料が、前記界面領域に未処理の表面を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0048】
態様28.前記第1及び前記第2の材料が、前記界面領域に粗い表面を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0049】
態様29.前記第1及び前記第2の材料が、前記界面領域に、処理された表面を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0050】
態様30.1つまたは複数の表面が、プラズマ、コロナ、フレーム、またはオゾン処理、レーザーまたは反応性イオンエッチング、または表面の機能化で処理される、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0051】
態様31.前記処理された表面が、未処理の表面と比較して表面の粗さが増している、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0052】
態様32.前記界面領域がインターロックを含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0053】
態様33.前記インターロックが、正方形、長方形、半円、台形、三角形、またはダブテール型の形状を含む任意の断面の形状を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0054】
態様34.前記インターロックがドーパントまたは強化粒子で充填されている、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0055】
態様35.前記インターロックが、開始剤、プライマー、及び/または接着促進剤を含むマイクロカプセルで充填されている、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0056】
態様36.前記プロセスが、層の数を増加させる方向に機能的グレード付き中間層をその場で形成することを伴う、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0057】
態様37.前記中間層が、前記第1及び前記第2の材料と同じ材料を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0058】
態様38.前記中間層が、前記第1及び前記第2の材料とは異なる材料を含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0059】
態様39.前記中間層が、1つまたは複数のポリマー、複合材、またはプリプレグを含む、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0060】
態様40.前記第2の材料の前記表面が1つまたは複数の溝を含み、前記第1の材料が前記1つまたは複数の溝を充填することによってインターロックを形成する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0061】
態様41.前記溝がダブテール型の形状である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0062】
態様42.前記溝が台形の形状である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0063】
態様43.前記溝が前記第2の材料の前記表面でサイズ及び周期性が多様である、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0064】
態様44.連続する中間層が1つまたは複数の材料のグラジエント組成を形成する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0065】
態様45.単一の層が単一の平面内にグラジエント組成を形成する、先行する任意の態様のプロセス。
【0066】
態様46.前記中間層のうちの1つ以上がコーティングされる、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0067】
態様47.前記ドーパント及び/または前記強化粒子が、連続する中間層にわたる濃度のグラジエントで存在する、先行する態様のいずれかのプロセス。
【0068】
態様48.非類似の部品を固体状態付加製造機で接合するためのプロセスであって、前記固体状態付加製造機の中空器具を介して、接合される第1及び第2の部品の間の接合部にフィラー材料を供給すること、前記表面領域が界面領域において可鍛性及び/または粘弾性状態になるように、前記中空器具の回転ショルダーを介して強い法線力、せん断力、及び摩擦力を加えることにより、接合される前記第1及び前記第2の部品の前記表面領域に塑性変形を生成すること、及び前記フィラー材料を、前記界面領域で接合される前記第1及び前記第2の部品の前記表面領域と混合及び接合すること
を含む、前記プロセス。
【0069】
態様49.接合される前記第1及び前記第2の部品が異なる材料を含む、態様48のプロセス。
【0070】
態様50.接合される前記第1及び前記第2の部品が同じ材料を含む、態様48~49のいずれかのプロセス。
【0071】
態様51.接合される前記第1及び前記第2の部品が、金属、ポリマー、または複合材を含む、態様48~50のいずれかのプロセス。
【0072】
態様52.非類似の部品を固体状態付加製造機で接合するためのプロセスであって、前記固体状態付加製造機の中空器具を介して、接合される前記第1及び前記第2の部品の上部にフィラー材料を供給すること、前記表面領域が界面領域において可鍛性及び/または粘弾性状態になるように、前記中空器具の回転ショルダーを介して強い法線力、せん断力、及び摩擦力を加えることにより、接合される前記第1及び前記第2の部品の前記表面領域に塑性変形を生成すること、及び上部の堆積層にある前記フィラー材料を、前記界面領域で接合される前記第1及び前記第2の部品の前記表面領域と混合及び接合すること
を含む、前記プロセス。
【0073】
態様53.固体状態付加製造機を使用してサンドイッチパネル構造を作成するプロセスであって、第1のパネルの上部に前記固体状態付加製造機を備えた第2のパネルを付加すること、前記第2のパネルの上部に前記固体状態付加製造機を備えた第3のパネルを付加すること、前記サンドイッチパネル構造が完成するまで付加的なパネルを付加すること
を含む、前記プロセス。
【0074】
態様54.エネルギー放出源に独自に応答する少なくとも1つのタガントを含む固体3D印刷層または造形物を製造する方法であって、前記少なくとも1つのタガントを前記固体3D印刷層または前記造形物に組み込むことが可能な固体状態付加製造プロセスに、1つまたは複数の薬剤を付加することを含む、前記方法。
【0075】
態様55.前記固体状態付加製造プロセスが、前記固体状態付加製造機の中空スピンドルまたは器具を介して第1の材料を供給すること、前記第1の材料を第2の材料に堆積させることであって、前記第1の材料は、堆積中にその融点(Tm)を下回る、前記堆積させること、及び前記中空器具の回転ショルダーを介して法線力、せん断力、及び/または摩擦力を加えることにより、前記第1の材料の塑性変形を生成し、前記第1及び前記第2の材料が界面で可鍛性及び/または粘弾性状態になるようにし、それにより、前記組み込まれた少なくとも1つのタガントが、前記結果として得られる固体3D印刷層または造形物を生成することを含む、態様54の方法。
【0076】
態様56.前記1つまたは複数の薬剤は、前記タガント(複数可)を前記第1の材料と連続的に混合することによって付加されるタガント(複数可)である、態様54または55の方法。
【0077】
態様57.前記1つまたは複数の薬剤は、別個の期間に前記第1の材料に付加されるタガント(複数可)である、態様54~56のいずれかの方法。
【0078】
態様58.1つまたは複数の薬剤が、別個のバッチで第1の材料に付加されるタガント(複数可)である、態様54~57のいずれかの方法。
【0079】
態様59.1つまたは複数の薬剤が、堆積中にその場で少なくとも1つのタガントを生成する、態様54~58のいずれかの方法。
【0080】
態様60.前記少なくとも1つのタガントが、前記薬剤の物理的結合または複合体形成によって生成される、態様54~59のいずれかの方法。
【0081】
態様61.前記少なくとも1つのタガントが、前記薬剤間の化学反応によって生成される、態様54~60のいずれかの方法。
【0082】
態様62.前記エネルギー放出源が光発生源である、態様54~61のいずれかに記載の方法。
【0083】
態様63.前記エネルギー放出源が熱発生源である、態様54~62のいずれかに記載の方法。
【0084】
態様64.前記エネルギー放出源が電場発生源である、態様54~63のいずれかに記載の方法。
【0085】
態様65.前記エネルギー放出源が磁場発生源である、態様54~64のいずれかに記載の方法。
【0086】
態様66.前記固体状態3D印刷層または前記造形物の独創性を、前記層または前記造形物を前記エネルギー放出源から出るエネルギーにさらすこと、及び前記エネルギーの吸収または前記エネルギーからの励起の結果として前記少なくとも1つのタガントから放出される1つまたは複数のスペクトルを検出することによって、前記層または前記造形物の少なくとも1つのタガントを検出することによって検証することをさらに含む、態様54~65のいずれかの方法。
【0087】
態様67.顕微鏡による検出によって前記3D印刷層または前記造形物の独創性を検証することをさらに含む、態様54~66のいずれかの方法。
【0088】
態様68.前記少なくとも1つのタガントが、外部デバイスによって活性化することができる不活性タガントを含む、態様54~67のいずれかの方法。
【0089】
態様69.前記少なくとも1つのタガントが、外部化学物質(複数可)を適用することによって活性化することができる不活性タガントを含む、態様54~68のいずれかの方法。
【0090】
態様70.前記少なくとも1つのタガントが、前記堆積層または前記造形物に沿って特定の順序で配置された2つ以上のタガントを含む、態様54~69のいずれかに記載の方法。
【0091】
態様71.前記少なくとも1つのタガントが、別個の層に存在し、互いに結合/協調してのみ活性化される2つ以上のタガントを含む、態様54~70のいずれかの方法。
【0092】
態様72.前記少なくとも1つのタガントが複数のレベルの安全性を有する、態様54~71のいずれかの方法。
【0093】
態様73.前記少なくとも1つのタガントが、隠された情報を明示する複数のリーダー(検出器)に応答することができる単一のタガントを含む、態様54~72のいずれかの方法。
【0094】
態様74.前記少なくとも1つのタガントは、単一のリーダーによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する2つ以上のタガントを含む、態様54~73のいずれかの方法。
【0095】
態様75.前記少なくとも1つのタガントは、2つ以上の読み取りデバイスによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する2つ以上のタガントを含む、態様54~75のいずれかの方法。
【0096】
態様76.前記少なくとも1つのタガントが、蛍光体式のタガントを含む、態様54~75のいずれかの方法。
【0097】
態様77.少なくとも1つのタガントが、希土類金属でドープされたアルミン酸ストロンチウムを含む、態様54~76のいずれかの方法。
【0098】
態様78.前記少なくとも1つのタガントがアップコンバート蛍光体(複数可)を含む、態様54~77のいずれかの方法。
【0099】
態様79.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に青色光を放出する、態様54~78のいずれかの方法。
【0100】
態様80.少なくとも1つのタガントが励起時に緑色光を放出する、態様54~79のいずれかの方法。
【0101】
態様81.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に赤色光を放出する、態様54~80のいずれかの方法。
【0102】
態様82.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に白色光を放出する、態様54~81のいずれかの方法。
【0103】
態様83.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に黄色光を放出する、態様54~82のいずれかに記載の方法。
【0104】
態様84.前記少なくとも1つのタガントが、励起時にオレンジ色の光を放出する、態様54~83のいずれかに記載の方法。
【0105】
態様85.前記少なくとも1つのタガントが、励起時にインディゴ(紫色)の光を放出する、態様54~84のいずれかに記載の方法。
【0106】
態様86.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に複数の色の光を放出する、態様54~85のいずれかの方法。
【0107】
態様87.前記少なくとも1つのタガントが、光励起時に特定のパターンで色を放出する分散されたタガントを含む、態様54~86のいずれかの方法。
【0108】
態様88.前記少なくとも1つのタガントが、特定の色のパターンを明示する他の層のタガント(複数可)と協調して作用するタガント(複数可)を含む、態様54~87のいずれかの方法。
【0109】
態様89.前記少なくとも1つのタガントがフォトクロミックタガント(複数可)を含む、態様54~88のいずれかの方法。
【0110】
態様90.前記少なくとも1つのタガントがサーモクロミックタガント(複数可)を含む、態様54~89のいずれかに記載の方法。
【0111】
態様91.前記少なくとも1つのタガントがエレクトロクロミックタガント(複数可)を含む、態様54~90のいずれかの方法。
【0112】
態様92.前記少なくとも1つのタガントが、同じまたは異なる効果、あるいはその両方であるかどうかにかかわらず、特定のトリガー作用時に反応して特別な効果を示す2つ以上のタガントを含む、態様54~91のいずれかの方法。
【0113】
態様93.先行する態様のいずれかの方法で生成された3D印刷層または造形物。
【0114】
態様94.層/造形物が、エネルギー放出源に独自に応答する少なくとも1つのタガントを含む、3D印刷層または造形物。
【0115】
態様95.前記固体状態付加製造機の中空スピンドルまたは器具を介して第1の材料を供給すること、前記第1の材料を第2の材料に堆積させることであって、前記第1の材料は、堆積中にその融点(Tm)を下回る、前記堆積させること、及び前記中空器具の回転ショルダーを介して法線力、せん断力、及び/または摩擦力を加えることにより、前記第1の材料の塑性変形を生成し、前記第1及び前記第2の材料が界面で可鍛性及び/または粘弾性状態になるようにし、それにより、前記少なくとも1つの組み込まれたタガントが、前記結果として得られる印刷層または造形物を生成することを含む固体状態付加製造プロセスによって製造される、態様93または94の3D印刷層または造形物。
【0116】
態様96.前記1つまたは複数のタガントが、前記タガント(複数可)を前記第1の材料と連続的に混合することによって付加される、態様93~95のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0117】
態様97.前記1つまたは複数の薬剤は、別個の期間に前記第1の材料に付加されるタガント(複数可)である、態様93~96のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0118】
態様98.前記1つまたは複数の薬剤が、別個のバッチで前記第1の材料に付加されるタガント(複数可)である、態様93~97のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0119】
態様99.前記1つまたは複数の薬剤が、堆積中にその場で前記少なくとも1つのタガントを生成する、態様93~98のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0120】
態様100.前記少なくとも1つのタガントが、前記薬剤の物理的結合または複合体形成によって生成される、態様93~99のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0121】
態様101.前記少なくとも1つのタガントが、前記薬剤間の化学反応によって生成される、態様93~100のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0122】
態様102.前記エネルギー放出源が光発生源である、態様93~101のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0123】
態様103.前記エネルギー放出源が熱発生源である、態様93~102のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0124】
態様104.前記エネルギー放出源が電場発生源である、態様93~103のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0125】
態様105.前記エネルギー放出源が磁場発生源である、態様93~104のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0126】
態様106.前記層または前記造形物を前記エネルギー放出源から出たエネルギーにさらすこと、及び前記エネルギーの吸収または前記エネルギーからの励起の結果として前記少なくとも1つのタガントから放出される1つまたは複数のスペクトルを検出することによって、前記層または前記造形物内の前記少なくとも1つのタガントを検出することを含む方法によってその独創性を検証することができる、態様93~105のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0127】
態様107.顕微鏡で前記少なくとも1つのタガントを検出することによってその独創性を検証することができる、態様93~106のいずれかの3D印刷された層または造形物。
【0128】
態様108.前記少なくとも1つのタガントが、外部デバイスによって活性化することができる不活性タガントを含む、態様93~107のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0129】
態様109.前記少なくとも1つのタガントが、外部化学物質(複数可)を適用することによって活性化することができる不活性タガントを含む、態様93~108のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0130】
態様110.前記少なくとも1つのタガントが、前記堆積層または前記造形物に沿って特定の順序で配置された2つ以上のタガントを含む、態様93~109のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0131】
態様111.前記少なくとも1つのタガントが、別個の層に存在し、互いに結合/協調してのみ活性化される2つ以上のタガントを含む、態様93~110のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0132】
態様112.前記少なくとも1つのタガントが複数のレベルの安全性を有する、態様93~111のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0133】
態様113.前記少なくとも1つのタガントが、隠された情報を明示する複数のリーダー(検出器)に応答することができる単一のタガントを含む、態様93~112のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0134】
態様114.前記少なくとも1つのタガントが、単一のリーダーによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する2つ以上のタガントを含む、態様93~113のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0135】
態様115.前記少なくとも1つのタガントは、2つ以上の読み取りデバイスによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する2つ以上のタガントを含む、態様93~114のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0136】
態様116.前記少なくとも1つのタガントが、蛍光体式のタガントを含む、態様93~115のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0137】
態様117.前記少なくとも1つのタガントが、希土類金属でドープされたアルミン酸ストロンチウムを含む、態様93~116のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0138】
態様118.前記少なくとも1つのタガントがアップコンバート蛍光体(複数可)を含む、態様93~117のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0139】
態様119.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に青色光を放出する、態様93~118のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0140】
態様120.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に緑色光を放出する、態様93~119のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0141】
態様121.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に赤色光を放出する、態様93~120のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0142】
態様122.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に白色光を放出する、態様93~121のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0143】
態様123.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に黄色光を放出する、態様93~122のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0144】
態様124.前記少なくとも1つのタガントが、励起時にオレンジ色の光を放出する、態様93~123のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0145】
態様125.少なくとも1つのタガントが励起時にインディゴ(紫色)光を放出する、態様93~124のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0146】
態様126.前記少なくとも1つのタガントが、励起時に複数の色の光を放出する、態様93~125のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0147】
態様127.前記少なくとも1つのタガントが、光励起時に特定のパターンで色を放出する分散されたタガントを含む、態様93~126のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0148】
態様128.前記少なくとも1つのタガントは、特定の色のパターンを明示する他の層のタガント(複数可)と協調して作用するタガント(複数可)を含む、態様93~127のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0149】
態様129.前記少なくとも1つのタガントがフォトクロミックタガント(複数可)を含む、態様93~128のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0150】
態様130.前記少なくとも1つのタガントがサーモクロミックタガント(複数可)を含む、態様93~129のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0151】
態様131.前記少なくとも1つのタガントがエレクトロクロミックタガント(複数可)を含む、態様93~130のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0152】
態様132.前記少なくとも1つのタガントが、特定のトリガー作用時に反応して特別な効果を示す2つ以上のタガントを含む、態様93~131のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0153】
態様133.MELD(商標)タイプの3D印刷層または造形物である、態様93~132のいずれかの3D印刷層または造形物。
【0154】
添付の図面は、本発明の実施形態の特定の態様を示しており、本発明を限定するために使用されるべきではない。書面による説明と共に、図面は、本発明の特定の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【
図1A】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、プラスチックから金属への接合を示している。
【
図1B】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、金属とプラスチックの接合を示している。
【
図1C】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、非類似のプラスチックが接合していることを示している。
【
図1D】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、非類似の金属(溶接不可能な金属など)の接合を示している。
【
図1E】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、プラスチック-複合材-金属の接合を示す。
【
図1F】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、プラスチック-プリプレグ-金属の接合を示す。
【
図1G】固体状態付加製造プロセスによって接合された異なる材料を示す概略図であり、プラスチック-機能的界面/中間層-金属の接合を示し、機能的界面(中間層)は、固体状態付加製造プロセスによってその場で製造される。
【
図2A】固体状態付加製造接合プロセスで製造された、金属-プラスチック-金属構造を含む、軽量サンドイッチ構造を示す概略図である。
【
図2B】固体状態付加製造接合プロセスで製造された、複数の金属-プラスチック-金属のスタック構造を含む、軽量サンドイッチ構造を示す概略図である。
【
図3A】オーバーコートされた金属層と、金属及びプラスチック部品との固体状態付加製造接合を示す概略図である。
【
図3B】プラスチック層と、金属及びプラスチック部品との固体状態付加製造接合を示す概略図である。
【
図3C】金属、複合材料、及び/またはプラスチック部品と、金属、複合材、またはポリマーの上層との、固体状態付加製造接合を示している。
【
図4A】インターロックを使用して、プラスチックを金属に接合する固体状態付加製造によって製造された構造の断面図を示す概略図である。
【
図4B】インターロックを使用して、金属をプラスチックに接合する固体状態付加製造によって製造された構造の断面図を示す概略図である。
【
図4C】機能的インターロックを介して接合する固体状態付加製造の概略図である。
【
図5A】ダブテール型及び他のインターロックを含む異なるインターロックの形状の断面図を示す概略図である。
【
図5B】ダブテール型及び他のインターロックを含む異なるインターロックの形状の断面図を示す概略図である。
【
図5C】表面に沿ってサイズ及び周期性が変化する台形のインターロックの断面図を示す概略図である。周期的または非周期的(ランダム)なインターロックが可能である。
【
図6】ダブテール型インターロックを介して固体状態付加製造技術によって接合された非類似の材料の多層スタックの断面を示す概略図である。
【
図7A】固体状態付加製造技術によるグラジエント中間層の製造によって2つの非類似の材料(例えば、金属及びプラスチック)を接合する断面を示す概略図である。任意の数のグラジエント中間層が可能である。
【
図7B】1つまたは複数の層の厚さが変化し得る、固体状態付加製造によるグラジエント中間層の製造によって2つの非類似の材料(例えば、金属及びプラスチック)を接合する断面を示す概略図である。
【
図7C】固体状態付加製造技術によるグラジエント中間層の製造によって、ダブテール型インターロックを用いて2つの非類似の材料(例えば、金属及びプラスチック)を接合する断面を示す概略図である。任意の数のグラジエント層間が可能である。それらの厚さは同じでも異なっていても良い。
【
図7D】堆積層の厚みに沿ったグラジエント組成を示す概略図であり、組成は、別個の層としてではなく、単一の層内で滑らかに変化する。
【
図7E】固体状態付加製造プロセスによるフィラー材料堆積の横方向(面内)方向に沿ったグラジエント組成を示す概略図である。
【
図8】金属とポリマー(プラスチック)との間の結合を強化するための潜在的な機能的中間層の例を示す概略図である。
【
図9A】金属基板上のポリマー層の固体状態付加製造コーティングを示す概略図である。固体状態付加製造プロセス中に、粘弾性熱可塑性ポリマーが可鍛性の金属表面と混合する。関与するポリマーと金属の種類に応じて、ポリマー鎖は界面で金属粒子間の空間に入る。
【
図9B】液晶ポリマー(LCP)の固体状態付加製造堆積を示す概略図である。堆積プロセスの最中に、LCP鎖の優先配向が発生し、異方性特性の堆積物が生成される。
【
図9C】オリゴマー(またはモノマーまたはプレポリマー)配合物の固体状態付加製造堆積を示す概略図である。堆積プロセスの最中、外部の熱及び/または光(UV、可視及び/またはIR光)及び/またはeビームを利用して、硬化(架橋)プロセスを促進し、架橋されたサーモスタット構造を生成する。
【
図9D】第2の材料の表面への1つの材料の固体状態付加製造堆積を示す概略図であり、これらの材料は、従来の接合方法では接合するのが難しい。第2の材料の表面は、外的供給源(UVまたは可視光またはIR光、または熱またはeビーム)によって活性化され、次いで、第1の材料がそのような活性化された表面上に堆積される。活性化された種は、2つの材料間の界面での反応及び/または結合を促進する触媒として機能する。
【
図10A】その場で配合され、その結果、固体状態付加製造プロセス(複数可)によって堆積され得るポリマー複合材料を示す概略図である。
【
図10B】固体状態付加製造プロセス(複数可)によってその場で配合及び堆積することができるMMCを示す概略図である。
【
図10C】固体状態付加製造プロセスによって接合された2つの非類似の材料間の界面に付加された強化繊維を示す概略図である。他の強化剤(繊維以外)を付加して、2つの材料間の結合を強化することができる。
【
図10D】インターロック及び固体状態付加製造プロセスによって接合された2つの非類似の材料間の界面領域に付加された強化繊維を示す概略図である。
【
図11A】材料組成グラジエントに加えて、ドーパント(強化剤)濃度のグラジエントが存在する、機能的グレード付けされた固体状態付加製造構造を示す概略図であり、ドーパント/強化粒子のグラジエントを示す。
【
図11B】材料組成グラジエントに加えて、ドーパント(強化剤)濃度のグラジエントが存在する、機能的グレード付けされた固体状態付加製造構造を示す概略図であり、防食、耐摩耗、または抗菌活性などの、堆積層における目的とする特性を付与するドーパント/強化粒子の2つの型のその場での調整を示している。例として、ドーパント/強化剤の1つは、構造の強度を付与することができ、一方、第2のドーパントは、所望の防食または耐摩耗または抗菌機能を付与することができる。
【
図11C】材料組成グラジエントに加えて、ドーパント(強化剤)濃度のグラジエントが存在する、機能的グレード付けされた固体状態付加製造構造を示す概略図であり、マトリックス材料の組成グラジエントに加えて強化繊維のグラジエントを示す。
【
図11D】材料組成グラジエントに加えて、ドーパント(強化剤)濃度のグラジエントが存在する、機能的グレード付けされた固体状態付加製造構造を示す概略図であり、マトリックス材料の組成グラジエントのない強化粒子のグラジエントを示している。
【
図12A】固体状態付加製造によって堆積される後続の層とのより良い接着をもたらすための基板の表面処理を示す概略図である。
【
図12B】
図12Aからの処理された表面の断面を示す概略図であり、粗さが増加したエッチングされた表面が得られる。
【
図12C】エッチングされた表面(プラズマ、コロナ、またはレーザー処理された表面)上に材料(例えば、ポリマー)を付加する固体状態付加製造プロセスを示す概略図である。
【
図13A】1280倍及び4000倍の倍率で撮影された銅(Cu)層とアルミニウム(Al)層との間の界面領域の走査型電子顕微鏡画像である。
【
図13B】正方形タイプのインターロックによって接合された鋼層とアルミニウム(Al)層との間の界面の描画及び走査型電子顕微鏡画像である。
【
図13C】ダブテール型のインターロックを介して接合された鋼層とアルミニウム(Al)層との間の界面の写真、図面、及び走査型電子顕微鏡画像である。
【
図13D】鋼層とアルミニウム(Al)層との間の界面の走査型電子顕微鏡画像である。
【
図13E】鋼層とアルミニウム(Al)層との間の界面(接合)の走査型電子顕微鏡画像であり、接合は金属間層の形成を介して行われる。
【
図13F】鋼層とアルミニウム(Al)層との間の界面(接合)の走査型電子顕微鏡画像であり、接合は機械的混合中間層を介して行われる。
【
図14A】複数のレベルの安全性を示す層に、その場で組み込まれた1つのタイプのタガントを備えた固体状態3D印刷層の概略図であり、埋め込まれたタガント(不可視)を有し、いずれの外部刺激によってもトリガーされない固体状態印刷層の概略図である。
【
図14B】複数のレベルの安全性を示す層に、その場で組み込まれた1つのタイプのタガントを備えた固体状態3D印刷層の概略図であり、特定の波長の光などの外部刺激によってトリガーされたときの、埋め込まれたタガントの効果の概略図である。
【
図14C】複数のレベルの安全性を示す層に、その場で組み込まれた1つのタイプのタガントを備えた固体状態3D印刷層の概略図であり、熱などの別の外部刺激によってトリガーされたときの、埋め込まれたタガントの効果の概略図である。
【
図14D】複数のレベルの安全性を示す層に、その場で組み込まれた1つのタイプのタガントを備えた固体状態3D印刷層の概略図であり、層が2つの外部刺激、例えば光と熱によって同時にトリガーされたときの、埋め込まれたタガントの効果の概略図である。
【
図15A】複数のレベルの安全性を示す、層における2種類の埋め込まれたタガントを有する固体状態3D印刷層の概略図であり、埋め込まれたタガント(不可視)を有し、いずれの外部刺激によってもトリガーされていない固体状態印刷層の概略図である。
【
図15B】複数のレベルの安全性を示す、層における2種類の埋め込まれたタガントを有する固体状態3D印刷層の概略図であり、外部刺激、例えば特定の波長の光によってトリガーされたときの、埋め込まれた第1のタガントの効果の概略図である。
【
図15C】複数のレベルの安全性を示す、層における2種類の埋め込まれたタガントを有する固体状態3D印刷層の概略図であり、熱などの外部刺激によって引き起こされたときの、埋め込まれた第2のタガントの効果の概略図である。
【
図15D】複数のレベルの安全性を示す、層における2種類の埋め込まれたタガントを有する固体状態3D印刷層の概略図であり、層が2つの外部刺激、例えば光と熱により同時にトリガーされるときの、埋め込まれたタガントの効果の両方の概略図である。
【
図15E】複数のレベルの安全性を示す、層における2種類の埋め込まれたタガントを有する固体状態3D印刷層の概略図であり、層が外部刺激によってトリガーされたときの埋め込まれたタガントの効果の両方の概略図である。これは、
図15B~
図15Dのものとは異なっており、例えば両方のタガントが
図15B~
図15Dに提示されたものとは異なる効果で応答する異なる波長の光である。
【
図16A】蛍光体の吸収(励起)及び発光のスペクトルの例であり、発光(蛍光またはリン光)は、励起の波長よりも高い波長で発生している。
【
図16B】アップコンバート蛍光体のスペクトルの例であり、励起は、発光の波長よりも長い波長である。
【
図16C】強力な熱のクエンチングに起因して4Kで測定された材料(5)を除いて、すべて300Kで測定された、異なるアルミン酸ストロンチウムにおけるEu2+の発光スペクトルの例である。(D. Dutczak et al., Eu2+ luminescence in strontium aluminates, Phys. Chem. Chem. Phys., 2015, 17, 15236ー15249)。
【
図17A】特定の層のみにタガントが分配される場合に、固体状態付加製造/3D印刷層に隠された情報の検出(「読み取り」)を示す概略図である。
【
図17B】特定の層に付加された特定の発光スペクトル(色)の蛍光体など、特定の固体状態相加生成の層に異なるタガントが付加される場合に、固体状態付加製造/3D印刷層に隠された情報の検出(「読み取り」)を示す概略図である。
【
図17C】層の堆積中に特定のゾーンに付加される特定の発光スペクトル(色)の蛍光体など、異なるタガントが固体状態付加製造層に沿って付加される場合に、固体状態付加製造/3D印刷層に隠された情報の検出(「読み取り」)を示す概略図である。
【
図18A】タガントが埋め込まれた固体状態付加製造のアルミニウム片(部分的に表面仕上げされた)の写真である。
【
図18B】
図18Aに由来するアルミニウム片の写真であり、レーザー光ペン(波長405nm、出力<5mW)で数秒間トリガー(照射)されている。
【
図18C】
図18Aに由来する同じアルミニウム片の写真(暗所で撮影)であり、レーザーペンの光を照射し、リン光の効果を示した後のものである。
【
図19】例えば、IR検知デバイスが用いられる戦場での、固体状態付加製造プロセスによって生成された造形物の潜在的な追跡を示す概略図である。IR放出またはIR吸収タガントを含む造形物は、例えば、弾薬(弾丸)、ライフル、ヘルメット、ベスト、軍用車両の構成部品などがあり、IR光によるトリガーによって検出されている。
【発明を実施するための形態】
【0156】
本発明の様々な例示的な実施形態を詳細に言及する。例示的な実施形態に関する以下の本文は、本発明を限定するように意図したものではないことを理解されたい。むしろ、以下の本文は、読者に本発明の特定の態様及び特徴をより詳細に理解させるために提示されている。図を参照して、本発明の好ましい実施形態は、本発明の特定の着想を説明するために、例示の目的で本明細書に記載されており、決して限定するものとしてではない。また、異なる実施形態の任意の組み合わせも使用することができる。例えば、「一次」という言葉は、他の実施形態が最初に記載された実施形態との関係に関して定義され得ることを示唆することのみを意図しており、提示された変形版を優先させることやそれが優位であることを示すことを意図してはいない。本明細書で使用される場合、「コーティング材料」という用語は、「フィラー材料」及び「原材料」と交換可能に使用される。それぞれは、本開示に記載されるように、回転攪拌具のスロートを通して供給される付加的な材料に関する。付加的な材料はまた、交換可能に「消耗し得る」材料と呼ぶことがある。
【0157】
特定の実施形態では、2つの非類似の材料、例えば、ポリマー(プラスチック)102と金属101、または金属101とポリマー(プラスチック)102が、固体状態付加製造プロセス(
図1A及び
図1B)と一緒に接合される。他の実施形態では、2つの非類似ポリマー(プラスチック)102A及び102Bが一緒に結合される(
図1C)。さらに別の実施形態では、2つの非類似の金属(または金属合金またはMMCまたはそれらの任意の組み合わせ)101A及び101B、または一緒に溶接できない金属が一緒に接合される(
図1D)。
【0158】
いくつかの実施形態では、接合プロセスは、基板101と、固体状態付加製造プロセスによって堆積される層102との間で行われるが、他の実施形態では、101と102の両方が、固体状態付加製造プロセスによって堆積される層である。
【0159】
いくつかの実施形態では、プラスチック102が中間層を介して金属101に接合されており、この場合、中間層は複合層103(
図1E)である。複合層103は、(i)例えば、ポリマーマトリックス中に分散された金属繊維または金属粒子の形態のポリマー及び金属の両方の材料、または(ii)ポリマーマトリックスに分散された炭素繊維またはガラス繊維、または(iii)他の非類似の材料の組成物から構成される。
【0160】
他の実施形態では、一緒に接合される金属101とプラスチック102Aとの間に含まれる2つ以上の中間層が存在する(
図1F)。中間層スタックは、プラスチック102B/プリプレグ104/プラスチック102C、またはプラスチック102A/複合材料103/プラスチック102Bから構成され、これらに限定されない。この場合、上部プラスチック材料102A及びプラスチック中間層102B及び102Cは、同じまたは異なるタイプのプラスチックである。
【0161】
いくつかの実施形態では、相間中間層105は、固体状態付加製造プロセスによってその場で形成され、前述の中間層とは異なる(
図1G)。別の実施形態では、界面105は、固体状態付加製造によって接合される必要がある表面(複数可)の表面機能化によって作られる。単に例示として、そのような界面105は、種が材料102の種と接触しているとき、またはそれらが高温及び/または摩擦力にさらされているときに、材料102と結合する必要がある材料101の表面に見出せる化学種のその場での化学反応によって生成される。
【0162】
いくつかの実施形態では、金属201A/プラスチック202/金属201B(
図2A)、または金属201A/プラスチック202A/金属201B/プラスチック202B/金属201C/プラスチック202C/金属201Dの複数のスタック(
図2B)を含むがこれらに限定されないサンドイッチ構造であり、バルク金属構造に取って代わる軽量構造へ向かう方法として、固体状態付加製造プロセスを介して製造される。
【0163】
特定の実施形態では、非類似の部品は、固体状態付加製造プロセスを介して接合される。単に例示として、すでに製造された金属部品(例えば、プレート、シート)301Aとプラスチック部品(プレート、シート)302は、並べて接合されるか、または他のいずれかの方法で配置され、固体状態付加製造プロセスによって上部金属層301Bでオーバーコートされる(
図3A)。別の実施形態では、金属部品301及びプラスチック部品302Aは、
図3Bに示されるように、互いに接近させて、プラスチック上層302Bを固体状態付加製造システムでコーティングすることによって接合される。さらに別の実施形態では、様々な部品、金属部品301A、301B、301C、プラスチック部品302A、302B、302C、及び複合部品303は、固体状態付加製造によって金属層302Dをオーバーコートすることによって一緒に接合される(
図3C)。さらに他の実施形態では、様々な形状及びサイズの複数のプラスチック、複合材、プリプレグ、及び/または金属部品が、固体状態付加製造によって堆積された上層と一緒に接合される。堆積される上層は、金属、プラスチック、または複合層であり得る。
【0164】
一実施形態では、固体状態付加製造接合は、インターロックの存在下で実行される。インターロック406は、固体状態付加接合プロセスにかけられた金属部品401(
図4A)にあり得、プラスチック層402が付加されているか、またはインターロック406は、固体状態付加製造プロセスにより、金属層401でオーバーコートされているプラスチック部品402にあり得る(
図4B)。
【0165】
さらに、いくつかの実施形態では、インターロックは、接合される必要がある2つの材料間のより良い結合をもたらすように、さらに機能化されている。この目的のために、インターロック406は、インターロックの表面を機能化するための処理(化学的または物理的処理、あるいは両方の組み合わせ)を受け、したがって、1つの機能化層405または多層機能化界面405A、405B、405Cを形成し、これは、接合される2つの材料または部品401及び402の間の結合を強化する(
図4C)。
【0166】
いくつかの実施形態では、インターロックは、任意の形状、サイズ、及び周期性であり得、一部が
図5A~
図5Cに示されている。例えば金属基板501で作られたインターロック506A、506B、506C、506D、506E、506Fは、固体状態付加製造によって堆積された上層(金属またはプラスチック)とのより良い結合を可能にし得る(
図5A)。
図5Bに示される、506G、506H、506I、506J、506K、506L及び506Mのようなインターロックは、本発明における好ましい実施形態である。
【0167】
例えば、ダブテール様のインターロック506Gは、接合される必要のある2つの非類似の材料間のより良い接合をもたらすことができるので、本発明において好ましいインターロックである。さらに、いくつかの実施形態では、インターロック506は、非類似オーバーコートされた材料と接合される必要がある層501の表面に沿って、サイズ、形状、及び深さが同じであるか、または異なる可能性がある(
図5C)。別の実施形態では、インターロックは周期的であり、さらに別の実施形態では、インターロックは、層501の表面に沿って非周期的に現れる。
【0168】
一実施形態では、固体状態付加製造プロセスを介してすべて堆積された多層のスタックが製造される。スタックの個々の層は、インターロックなしで接合される。別の実施形態では、個々の層601A、602A、601B、602Bは、インターロック606A、606B、及び606Cを介して接合され、
図6に示されるように、ある層と別の層とで異なっていても、同じであってもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、固体状態付加製造プロセスにより結果として生じる層の堆積は、材料の組成を変更し、したがって、層の数を増やす方向に沿って機能的なグラジエント組成を生成する(
図7A及び
図7B)ことによって行うことができる。例えば、第1の層は、プラスチック702に接合される必要がある金属701である。固体状態付加製造システムの補助のもと、701/702の混合組成の中間層が堆積される。組成は、701/702が70/30vol%、50/50vol%、及び30/70vol%であり得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、701及び702に接合される層、ならびに701/702混合中間層は、同じ厚さ(
図7A)であり得、または他の実施形態では、それらは異なる厚さ(
図7B)であり得る。いくつかの実施形態では、層701、702及び701/702混合中間層の間の接合は、インターロック706A、706B及び706Cの補助のもと行うことができる(
図7C)。接合する必要のある材料間で、機能的グレード付き中間層をいくつでも使用できる。
【0170】
これらの中間層は、以下の組成のいずれか、つまり701/702が99.9/0.1vol%~701/702が0.1/99.9vol%の範囲、好ましくは701/702が99/1vol%~701/702が1/99vol%の範囲、より好ましくは701/702が95/5vol%~701/702が5/99vol%、例えば10/90vol%~90/10vol%、または20/80vol%~80/20vol%、または例えば30/70vol%~70/30vol%、または40/60vol%~60/40vol%、または50/50vol%の範囲であり得、またはこれらの範囲及び/またはエンドポイントの任意の1つ以上または組み合わせ内のいずれかの範囲であり得る。機能的グレード付き中間層は、同じまたは異なる厚さであり得る(
図7A)。
【0171】
特定の実施形態では、機能的グレード付けは、堆積層の厚さに沿って起こるが、組成は、別個の層としてではなく、滑らかに変化する(
図7D)。いくつかの実施形態では、機能的グレード付けは、
図7Eに示されるように、固体状態付加製造堆積の横方向で行うことができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、2つの非類似の材料、金属801とプラスチック802との間を接合する固体状態付加製造は、
図8に提示されているように、前の実施形態で説明されたものとは異なる中間層を介して行われる。例示としてのみであるが、ポリマー層802は、基板801の上に堆積されたZn系コーティング805Aを介して鋼基板801に接合され、次いでCr系コーティング805Bが堆積され、これはその後、例えばオルガノシランプライマー有機シランプライマー805Cなどのハイブリッドコーティングでオーバーコーティングされ、最後にポリマー層802が、固体状態付加製造プロセスによって堆積される。特定の実施形態では、中間層805は、主層801及び802が堆積されるのと同じ固体状態付加製造システムで付加される。他の実施形態では、主層801及び802が固体状態付加製造によって堆積され、一方で中間層805が、当技術分野で知られている他のプロセス、例えば、マグネトロンスパッタリング、熱蒸発、電子ビーム蒸発、スプレーコーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、ディップコーティングなどによって堆積される。
【0173】
いくつかの実施形態では、固体状態付加製造プロセス中にいわゆる粘弾性状態にある、容易に流動するポリマー組成物(またはモノマー、オリゴマー、プレポリマー組成物)902Aは、ポリマー層902Bと接合する必要がある金属部品(基板)901の金属粒子901A間を浸透(拡散)することができる(
図9A)。固体状態付加製造接合プロセスに関与するポリマー(オリゴマー、モノマー)及び金属のタイプに応じて、固体状態プロセス中に固有の金属粒子(格子)または再配列された金属粒子(格子)の間で、ポリマーの拡散901Bが発生する可能性がある。金属はいわゆる可鍛性の状態にあるので、ポリマー(オリゴマー、モノマー)分子は、固体状態付加製造プロセス中に金属粒子間で拡散し、バルクポリマー層902Bを金属層901にオーバーレイするための接着剤として作用することができる(
図9A)。
【0174】
別の実施形態では、液晶ポリマー(LCP)またはLCオリゴマー902Aが使用されており、固体状態付加製造プロセスによって金属基板(または部品)901に堆積されている。LCPの棒状の分子構造は、固体状態付加製造プロセス中にLCP分子の優先的な配向を可能にし、異方性特性、例えば指向性の機械的特性を有する層902Bを生成し得る(
図9B)。
【0175】
いくつかの実施形態では、反応性組成物が、固体状態付加製造プロセスによる堆積に使用される。単に例示として、そのような反応性組成物は、反応性ポリマー、プレポリマー、オリゴマー及び/またはモノマー及び開始剤902Aから構成され得る(
図9C)。反応性組成物は、固体状態付加製造システムにおいて、また摩擦及び生成された摩擦熱に起因して、基板、例えば金属基板901への堆積中に付加され、組成物はさらに架橋して、基板901の上部に、高度の架橋のコーティング(熱硬化性コーティング)902Bを形成する。
【0176】
別の実施形態では、堆積される材料902Aは、外的供給源、例えば、UV光、可視光、IR光及び/または電子ビーム(eビーム)源907で照射されて、基板901Aの表面にある堆積される材料902Aを、架橋層902Bへさらに架橋し得る(
図9D)。さらに別の実施形態では、堆積される反応性組成物902Aは、材料902Aが堆積された基板901Aの表面上に見出される種901Bによって触媒される反応を経る。例えば、表面901Bから出るイオンは、堆積される反応性組成物902Aの触媒として作用し、その場で2つの材料間に結合901Cを形成する。最終的な層902Bは、結合901Cで基板901Aに強く結合されている(
図9D)。
【0177】
さらに別の実施形態では、第2の材料902Aが堆積されている基板901Aの表面は、供給源907から生成された熱、光、またはeビームによって先行して活性化され、表面901Bの活性化された種は、堆積層902Bの触媒として、または2つの層の間の結合として作用する(
図9D)。
【0178】
いくつかの実施形態では、ドーパント、強化粒子及び/または繊維1008A、1008B及び/または1008Cを使用して、非類似の材料に接合する必要があるポリマー1002を強化する(
図10A)。例えば、ポリマー材料1002は、金属/金属酸化物粒子、セラミック粒子、炭素ベースの粒子などの強化粒子1008Aでドープされている(
図10A)。別の例は、ポリマー材料に、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、または複合繊維(例えば、アラミド、PANなど)などの繊維状強化剤1008Bがドープされている場合である。繊維は、ナノサイズまたはミクロンサイズの寸法の長繊維または短繊維であり得る。さらに別の例では、強化剤はカーボンナノチューブ(CNT)であり、これは、単層の壁、二重壁、または多層の壁のCNTであり得る。一実施形態では、強化剤は、ポリマーで包まれたCNTである。さらに別の実施形態では、官能化繊維は強化剤として機能する。
【0179】
いくつかの実施形態では、ドーパントは、反応性化合物または特定の活性を有する化合物で充填されたマイクロカプセル1008Cである。単に例示として、ドーパントは、ポリマー材料1002の固体状態付加製造で堆積している間に付加の架橋を引き起こすために、熱開始剤を充填させたマイクロカプセル1008Cである。別の例では、ドーパントは、接着促進剤で充填させたマイクロカプセル1008Cであり、ポリマーと接合される金属材料との間のより良い接着をもたらす。さらに別の例では、マイクロカプセル1008Cは、ポリマーと金属材料との間のより良い混合及び適合性をもたらすために、液体の潤滑剤または相溶化剤で充填されている。
【0180】
別の実施形態では、ドーパント/強化剤1008が金属材料1001に付加される(
図10B)。ドーパント/強化剤1008は、マトリックス金属1001(例えば、ステンレス鋼)に付加される他の金属粒子であり得る。例として、粒子1008は、AgまたはCuイオンを放出することができ、したがって、金属層(ステンレス鋼)1001の抗菌機能を生じることができるような粒子である。別の実施形態では、粒子1008は、金属マトリックス1001に補強効果を付与するために付加されたセラミック粒子、例えば、SiCまたはBNである。さらに別の例では、粒子1008は、強化効果及び導電性を付与するための炭素ベースの粒子、例えば、炭素繊維、CNT、カーボンブラックである。別の例では、粒子1008は繊維状のドーパントである。
【0181】
いくつかの実施形態では、繊維状の強化剤1008を使用して、個々の層及び/または2つの連続する非類似層の間の界面を強化する。それが堆積される材料及び付加されたフィラー材料の表面領域は、固体状態付加堆積プロセスの間、いわゆる可鍛性の状態にあり、両方の材料が一緒に混合される。繊維強化剤は、界面領域で両方の材料と混合され、界面をさらに強化する。別の実施形態では、繊維状ドーパント1008は、固体堆積プロセスの間に、2つの非類似の材料、例えば、金属1001とポリマー1002(
図10C)との間の界面にのみ付加されて、界面にさらなる強度を付与する。別の実施形態では、界面はインターロック1006を有し、強化繊維1008がインターロックに付加される(
図10D)。
【0182】
いくつかの実施形態では、堆積層の数が増加する方向での基本的なマトリックス材料の組成の変化、例えば、金属1101、70/30vol%の金属/ポリマーブレンド1101/1102、及び30/70vol%の金属/ポリマーブレンド1101/1102の層、次にポリマー層1102を堆積することに加えて、付加されたドーパント(強化粒子または繊維)1108の濃度もまた、
図11Aに示されるように、変化している。金属/ポリマーブレンドは、5/95vol%~95/5vol%の範囲、例えば10/90vol%~90/10vol%、または20/80vol%~80/20vol%、または例えば30/70vol%~70/30vol%、または40/60vol%~60/40vol%、または50/50vol%の範囲、またはこれらの範囲及び/またはエンドポイントのいずれか1つまたは複数または組み合わせの中の任意の範囲にすることができる。
【0183】
他の実施形態では、ドーパント/強化剤のタイプ及び濃度は、堆積層全体にわたって調整することができる。例示のみとして、2つの異なる機能性ドーパントまたは強化剤1108A及び1108Bが材料に付加され、金属1101及びポリマー1102が、
図11Bに提示されているように、70/30vol%の金属/ポリマーブレンド1101/1102及び30/70vol%の金属/ポリマーブレンド1101/1102を介して結合される。金属/ポリマーブレンドは、5/95vol%~95/5vol%の範囲、例えば10/90vol%~90/10vol%、または20/80vol%~80/20vol%、または例えば30/70vol%~70/30vol%、または40/60vol%~60/40vol%、または50/50vol%の範囲、またはこれらの範囲及び/またはエンドポイントのいずれか1つまたは複数または組み合わせの中の任意の範囲にすることができる。
【0184】
ドーパント/強化粒子1108A及び1108Bの濃度のその場での調整は、固体状態付加製造プロセスによって構築された3D構造の最上層に目的とする特性を付与するために、例えば、防食、耐摩耗、音響保護または抗菌活性を付与するために、固体状態付加製造プロセスの間に行われる。例として、強化剤1108Bは、構造の衝撃強度を付与し、一方、ドーパント1108Aは、構築された構造の表面に所望の防食または耐摩耗または抗菌機能を付与する。
【0185】
別の実施形態では、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ポリマー繊維、複合繊維、CNTなど)のグラジエントは、金属層1101、70/30vol%の金属/ポリマーブレンド層1101/1102及び30/70vol%の金属/ポリマーブレンド層1101/1102、及び上部ポリマー層1002を含む機能的グレード付き層に加えて達成される(
図11C)。金属/ポリマーブレンドは、5/95vol%~95/5vol%の範囲、例えば10/90vol%~90/10vol%、または20/80vol%~80/20vol%、または例えば30/70vol%~70/30vol%、または40/60vol%~60/40vol%、例えば50/50vol%の範囲、またはこれらの範囲及び/またはエンドポイントのいずれか1つまたは複数または組み合わせの中の任意の範囲にすることができる。
【0186】
さらに別の実施形態では、ドーパント/強化剤1108の濃度の変化は、基本的なマトリックス材料に変化がない単一の堆積層1101の内部で発生する(
図11D)。
【0187】
いくつかの実施形態では、ドーパント/強化粒子/繊維の濃度は、付加された層の方向に沿って変化し、正の濃度のグラジエントをもたらす。さらに別の実施形態では、ドーパント/強化粒子/繊維の濃度は、付加された層の方向に沿って変化し、負の濃度のグラジエントをもたらす。
【0188】
いくつかの実施形態では、堆積層の機能は、固体状態付加製造プロセスの前に、または堆積プロセス中にその場で作製された基礎材料を介して達成される。
【0189】
単に例示として、金属粒子は、固体状態付加製造プロセス中にポリマー粉末または粒状材料に付加される。金属の種類と濃度に応じて、堆積したポリマー層には、基礎のポリマー材料とは異なった特定の機能がある。ある場合には、Cu粒子とその場で混合され、その結果、固体状態付加製造プロセスによって堆積されたポリマーでできた層は、ポリマー層の熱伝導率と導電率を高めることに加えて、抗菌活性を示す。別の例では、金属粒子または強化剤を含むポリマー層は、重金属の構造を部分的に置き換えることができ、それでも金属の対応物と同様の特性を有することができる。いくつかの実施形態では、抗菌コーティングは、金属またはポリマー材料をAgまたはCuナノ粒子とその場で混合することによって製造され、基板上に堆積される。この手法は、船舶製造業のように、船の表面がバイオフィルムの形成に耐性を備えなければならない産業で特に関心のあるものである。
【0190】
いくつかの実施形態では、金属の表面の腐食の保護は、導電性ポリマー層の固体状態付加製造堆積によって達成される。さらに別の実施形態では、金属の表面の防食機能は、非導電性ポリマーを堆積させることによって達成される。
【0191】
いくつかの実施形態では、耐擦傷性の最上層は、自動修復ポリマー層を堆積することによって達成される。単に例示として、自動修復ポリマーは通常、光開始剤とモノマーで充填されたマイクロカプセルを含んでいる。自動修復層の表面に擦傷または切り傷がある場合、マイクロカプセル(複数可)が壊れ、開始剤がUV及び/または可視光の下で反応し、モノマーを架橋して、したがって層の擦傷/切り傷にポリマーを充填する。
【0192】
いくつかの実施形態では、耐摩耗層またはコーティングは、固体状態付加製造プロセスによって堆積される。別の実施形態では、衝撃吸収層は、2つの金属層または複合層の間の固体状態付加製造プロセスを介して堆積される。一実施形態では、衝撃吸収層はエラストマーである。
【0193】
一実施形態では、堆積される固体状態付加製造コーティングは、テフロン様コーティングである。フルオロポリマーのコーティング(「ドライフィルム潤滑剤」として知られている)は、優れた耐食性と耐薬品性を備えた硬くて滑らかなコーティングであり、摩擦の耐性と耐摩耗性を大幅に低減する非粘着性コーティングである。
【0194】
いくつかの実施形態では、固体状態プロセス(複数可)によって結合される部品の表面は、先行して処理されてはいない。他の実施形態では、接合する必要のある部品の一方または両方の表面は、供給源1207によって付与される、プラズマエッチング、レーザーエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、コロナ処理、フレーム処理、オゾン処理、グラフト化、化学エッチング(酸エッチング)または機能化などを含むがこれらに限定されない処理(例えば、物理的または化学的なもの)を受け、したがって、接合される部品の未処理の表面1201Aは、
図12Aに示されるように、被処理表面またはコーティング1201Bに変化する。表面の処理は通常、ミクロン及び/またはナノスケールで、表面の粗さを増加させる。
図12Bにおいて概略的に示されるように、処理のタイプに応じて、初期の表面1201Aの表面の粗さが表面にエッチングされて表面1201Bを生じさせるのでも、または表面の処理、例えば表面機能化1201Cが表面の上部に「付加」されるのでもよい。結果として、生成された表面の粗さ1201Bまたは1201Cは、被処理の表面の上部に堆積された非類似の材料1202のより良い結合をもたらす(
図12C)。
【0195】
特定の実施形態では、銅(Cu)層は、固体状態付加製造によってアルミニウム(Al)層に接合されている。最初にAl層が堆積され、必要な厚さが達成されると、Cu層の堆積が行われる。MELD(商標)タイプの堆積層のCuーAl界面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を
図13Aに示す。
【0196】
別の実施形態では、鋼とアルミニウム(Al)は、インターロックを介して接合される。正方形型インターロック周辺の鋼ーAl界面のSEM画像を
図13Bに示す。他の実施形態では、鋼とAlは、
図13Cに示されるようにダブテール型インターロックを介して接合される。
【0197】
いくつかの実施形態では、鋼ーAlの
図13DのSEM画像に示されているように、2つの異なる材料間の接合は「直接」である。他の実施形態では、MELD(商標)タイプの処理条件を調整することにより、2つの材料間の接合は、
図13Eの鋼-AlのSEM画像に示されるように、金属間層の形成を伴う。さらに別の実施形態では、2つの材料間の接合は、
図13Fに与えられた鋼-AlのSEM画像で示されるように、中間層として両材料の機械的な混合を含む。
【0198】
さらに、以下に堆積層へのタガントの取り込みの特定の態様を提供する。ただし、限定的であると解釈されるべきではない。
【0199】
態様1A.層または造形物が、読み取りデバイスの外部トリガーに独自に応答する少なくとも1つのタガントを含み、したがって、層の独創性を検証できる、MELD(商標)タイプの3D印刷層または造形物、またはその製造方法。
【0200】
態様2A.前記層の独創性が、特定の波長の光を生成する光源で検証される、態様1の層、造形物、または方法。
【0201】
態様3A.前記層の独創性が熱発生源で検証される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0202】
態様4A.電場生成デバイスを使用して層の独創性が検証される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0203】
態様5A.前記層の独創性が磁場生成デバイスによって検証される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0204】
態様6A.前記層の独創性が顕微鏡によって検証される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0205】
態様7A.前記層は、前記タガント(複数可)を前記原材料と連続的に混合し、その後に堆積させることにより、連続的な固体状態付加製造プロセスで堆積される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0206】
態様8A.前記層は、特定の期間に前記原材料にタガント(複数可)を付加することにより、連続的な固体状態付加製造プロセスで堆積される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0207】
態様9A.前記層は、特定のバッチのタガント(複数可)を前記原材料に付加することにより、不連続(バッチ)固体状態付加製造方法で堆積される先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0208】
態様10A.前記タガントが固体状態付加製造堆積中にその場で生成される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0209】
態様11A.前記タガントが、前記固体状態付加製造システムで付加された構成要素の物理的結合または複合体形成によって生成される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0210】
態様12A.前記タガントが、前記固体状態付加製造システムで付加された前記構成要素間の化学反応によって生成される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0211】
態様13A.前記層が、外部デバイスによって活性化される不活性タガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0212】
態様14A.前記層が、外的な化学物質(複数可)を適用することによって活性化される不活性タガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0213】
態様15A.前記層が、堆積層に沿って特定の順序で1つ、2つ、またはそれ以上のタガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0214】
態様16A.前記層が1つ、2つ、またはそれより多いタガントで構成され、後続及び/またはその下の層において前記タガント(複数可)と結合して/協調してのみ活性化される、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0215】
態様17A.前記層が、複数のレベルの安全性を備える1つ、2つ、またはそれより多いタガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0216】
態様18A.単一のタガントが複数のリーダー(検出器)に応答して隠された情報を明示する、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0217】
態様19A.2つまたはそれより多いタガントが存在し、単一のリーダーによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0218】
態様20A.2つまたはそれより多いタガントが、2つまたはそれより多い読み取りデバイスによってトリガーされると、複数のレベルの保護された情報を明示する、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0219】
態様21A.前記層が、蛍光体タイプのタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0220】
態様22A.前記層が、希土類金属でドープされたアルミン酸ストロンチウムを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0221】
態様23A.前記層が、アップコンバート蛍光体(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0222】
態様24A.前記層が、光励起時に青色発光を伴うタガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0223】
態様25A.前記層が、光励起時に緑色発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0224】
態様26A.前記層が、光励起時に赤色発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0225】
態様27A.前記層が、光励起時に白色発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0226】
態様28A.前記層が、光励起時に黄色発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0227】
態様29A.前記層が、光励起時にオレンジ色の発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0228】
態様30A.前記層が、光励起時にインディゴ(紫色)の発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0229】
態様31A.前記層が、光励起時に複数の色の発光を伴うタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0230】
態様32A.前記層が、光励起時に特定のパターンで色を放出する、制御された方法で分散されたタガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0231】
態様33A.前記層が、特定の色のパターンを明示する他の層と協調して機能するタガント(複数可)を含む、先行する態様に記載の層、造形物、または方法。
【0232】
態様34A.前記層が、フォトクロミックタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0233】
態様35A.前記層が、サーモクロミックタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0234】
態様36A.前記層が、エレクトロクロミックタガント(複数可)を含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0235】
態様37A.前記層が、特定のトリガー作用時に反応して特別な効果を示す2つ以上のタガントを含む、先行する態様のいずれかに記載の層、造形物、または方法。
【0236】
特定の実施形態では、1つのタイプのタガントのみが、固体状態付加製造によって構築された最終的な部品の特定のセクション(層)で、または固体状態付加製造プロセスによって構築された造形物全体(部品)で使用される。
【0237】
他の実施形態では、2つ以上のタガントが、固体状態付加製造プロセスによって構築された部品で使用される。タガントは一緒に混合して特定の堆積層全体に分散させることができ、または部品全体に分散させることができる。
【0238】
いくつかの実施形態では、単一のタガントの使用または単一の安全性適用レベルの欠点を克服するために、複数のレベルの安全性という解決策及び/または複数のタガントが使用される。例えば、一実施形態では、外部トリガー/検出作用が存在しない場合、タガントは、堆積層1401において「不可視」である(
図14A)。タガントは、光源1408Aによってトリガーされる特定の波長の光にさらされると(
図14B)、特定の方法1401Aで応答し、熱源1408Bによって供給される熱(高温)にさらされると(
図14C)、異なる方法1401Bで応答し、さらに、光源1408Aによって供給される特定の波長の光及び熱源1408Bによって供給される熱に同時にさらされると(
図14D)、第3の方法1401Cで応答する。また、複数のタイプのタガントを使用して、選択した刺激に対する所望の応答をもたらすこともできる。
【0239】
別の実施形態では、トリガー作用が存在しない場合、堆積層1501では「不可視の」2つのタガントが使用される(
図15A)。トリガーが発生した場合、例えば、光源1508Aによる特定の光への曝露により、1つのタガントのみがその効果1501Aを示す(
図15B)。異なるトリガー作用の下で、例えば、熱源1508Bによって供給される高温で、第2のタガントは、その効果1501Bを示し(
図15C)、供給源1508Aと1508Bによって供給されるトリガー作用両方が存在している場合(光+熱)、両方のタガントは、それらの効果1501Aと1501Bを示す(
図15D)。両方のタガントは、極めて異なるトリガー作用1508Cの下で、先行して示されたものとは非常に異なる効果1501Cを示すか、または一緒に反応して効果1501Cを示すことができる(
図15E)。
【0240】
タガントをトリガーするために使用される光源は、ランプ(UVランプ、可視のランプ、または赤外線ランプなど)、発光ダイオード、またはレーザーであり得る。UVランプは、UVーA、UVーB、またはUVーC帯域で発光できる。レーザーは、紫外線から赤外線のスペクトル範囲まで、1つまたは複数の波長をどこかで放射するように選択できる。
【0241】
レーザー供給源の非限定的なカテゴリーには、固体レーザー、ガスレーザー、エキシマレーザー、色素レーザー、及び半導体レーザーが含まれる。エキシマレーザーは、紫外線周波数で発光するレーザーの非限定的な例であり、一方、CO2レーザーは、赤外線周波数で発光するレーザーの非限定的な例である。レーザーの選択は、放出される光の特定の波長と、タガント(複数可)によるその相対的な吸収に依存する。一実施形態では、レーザーは、出力波長の調整を可能にする波長可変レーザーである。様々なレーザー源の説明は、参照により本明細書に組み込まれるThyagarajan, K., Ghatak, Ajoy, Lasers: Fundamentals and Applications, Springer US, 2011, ISBNー13:9781441964410、及びThe Encyclopedia of Laser Physics and Technology (https://www.rpphotonics.com/encyclopedia.htmlからオンラインで入手可能)を含む当技術分野で入手可能である。
【0242】
タガント(複数可)をトリガーするために使用される熱源は、赤外線ランプ、電気加熱要素、炎、燃焼材料、廃熱源など、熱を生成または放射する任意の造形物であり得る。
【0243】
特定の実施形態では、蛍光体材料または2つ以上の蛍光体の組み合わせがタガントとして使用される。蛍光体は、一般に発光を示す材料であり、この用語はリン光と蛍光の両方を網羅する(
図16A)。蛍光体は、多くの場合、マトリックス(ホスト)材のドーパントとして使用される遷移金属化合物または希土類化合物からなる。
【0244】
他の実施形態では、アップコンバート蛍光体がタガントとして使用される。アップコンバート蛍光体は、不可視の赤外光の波長を可視の色の光に変換する微細なセラミック粉末である(
図16B)。例えば、アップコンバート蛍光体は、赤外光(IRレーザーペンなど)でトリガーされると、可視の緑、赤、オレンジ、または青の色を発光することができる。発光のピークを赤外線励起ピークから分離するアンチストークスシフトがある。基本的に、これらのタガントは赤外光が当たると点灯する。他のタガントのテクノロジーと組み合わせて、それらを複数のレベルの安全性の解決策のステップとして利用できる。アップコンバート蛍光体の背後にあるメカニズムは、いわゆるアップコンバージョンであり、それにおいては2つ以上の光子を順次吸収すると、励起波長よりも短い波長で発光する。これはまた、アンチストークス発光として知られており、そのため、材料はアンチストークス蛍光体として知られている。例としては、IR光による励起と可視スペクトル範囲での発光がある。ランタニドドープ材料、例えばフッ化物NaYF4、NaGdF4、LiYF4、YF3、CaF2、または酸化物、例えばGd2O3には、一定量のランタニドイオンがドープされている。光子のアップコンバージョンで使用される最も一般的なランタニドイオンは、エルビウムーイッテルビウム(Er3+、Yb3+)またはツリウムーイッテルビウム(Tm3+、Yb3+)のペアである。通常、イッテルビウムイオンは、980nm付近の光を吸収し、それをアップコンバーターイオンに移送するために付加される。アップコンバーターイオンがエルビウムの場合、特徴的な緑と赤の発光が観察されるが、アップコンバーターイオンがツリウムの場合、発光には近紫外線、青、赤の光が含まれる。
【0245】
蛍光体材料の例はアルミン酸ストロンチウム(SrAl2O4)であり、これは適切なドーパント、例えばユーロピウム(SrAl2O4:Eu)で「活性化」でき、その後、リン光が長く持続する蛍光体として機能し得る。アルミン酸ストロンチウムに加えて、他のアルミン酸を希土類または遷移金属ドーパントのホストマトリックスとして使用することができる。マトリックス(及びドーパント)は、ドーパントイオンの発光波長に影響を与える。一般に、アルミン酸ストロンチウム蛍光体は、200~450nmの範囲の励起波長で緑と青の発光を生成する。緑の発光の波長は520nm、水または青緑の発光は505nm、青のバージョンは490nmである。ユーロピウムージスプロシウムをドープしたアルミン酸の場合、ピーク発光波長は、SrAl2O4で520nm、SrAl4O7で480nm、SrAl12O19で400nmである。セリウム及びマンガンをドープしたアルミン酸ストロンチウム(SrAl12O19:Ce、Mn)は、紫外線で励起すると、515nmで強い狭帯域のリン光を示す。
【0246】
いくつかの実施形態では、様々なアルミン酸ストロンチウムが使用され、より具体的には、EuがドープされたSrのアルミン酸が使用される。Euがドープされたアルミン酸ストロンチウムのいくつかの発光スペクトルが
図16Cに提示されており、放出された可視の色は紫、青、緑、オレンジから赤の範囲である。
【0247】
他の実施形態では、他のタイプの蛍光体が、以下のような、しかしこれらに限定されない、固体状態付加堆積物のタガントとして使用される。
YAlO3:Ce(YAP)、青色発光(370nm)
Y2SiO5:Ce(P47)、青色発光(400nm)
CdWO4、青色発光(475nm)
ZnO:Zn(P15)、青色発光(495nm)
CdS:In、緑色発光(525nm)
Y3Al5O12:Ce(YAG)、緑色発光(550nm)
Zn(0.5)Cd(0.4)S:Ag(HS)、緑色発光(560nm)
LiF/ZnS:Cu、Al、Au(NDg)、緑色発光(565nm)
Gd2O2S:Eu、赤色発光(627nm)
Zn(0.4)Cd(0.6)S:Ag(HSr)、赤色発光(630nm)
MgWO4、白色発光(500nm)
Y2O2S:Pr、白色発光(513nm)など。
【0248】
いくつかの実施形態では、特に軍事用途の場合、異なるタガント材料及びデバイスの中で、赤外線(IR)領域で発光するか、またはIR光で識別されるものは、特に重要なクラスの秘匿タガントである。赤外(IR)光は、0.75μm~1000μmという範囲の波長の電磁放射の一部である。軍事用途の場合、IR波長は通常15μmに制限されている。
【0249】
特定の材料は、化学発光、フォトルミネッセンス、またはエレクトロルミネッセンスを介してIR光を放出できる。IR発光材料には、有機IR発光色素、ランタニドIRエミッター、及び半導体IRエミッターという3つの一般的なグループがある。多くの有機色素は、特にNIR二分子イメージング用に開発されており、一般的な有機NIRフルオロフォアには、シアニン、オキサジン、ローダミン色素が含まれる。これらの色素の発光/蛍光のピークは700~850nmである。金属イオンの錯体を形成することにより、蛍光極大がはるか近くのIRから短波IRにまで及ぶ有機色素を実現できる。イオンが狭帯域の赤外線放射が可能である金属の最も注目すべきグループは、原子番号57~71(ランタンからルテチウム)のランタニド系列である。ランタニド赤外蛍光体はまた、無機のマトリックスでホストすることができる。これらの無機のホスト材料には、NaYF、SiO2-Al2O3-NaF-YF3などのフッ化物及びオキシフッ化物光学ガラス、及びSiO2、ZrO2、Y2O3、Y3Al5O12(イットリウムアルミニウムガーネット;YAG)などの酸化物ガラス/セラミックが含まれる。これらの無機のホスト材料は、特にIRスペクトル領域では、一般に光学的に透過である。ランタニドの赤外線放射は、多くの場合、フォトルミネッセンスによって達成される。周知のランタニドイオンから得るIR発光波長は、一般に1~3μmの領域にあるが、3~5μmのスペクトル領域での可能な発光の遷移がある3価のランタニドイオンもいくつか知られている。
【0250】
特定の実施形態では、MELD(商標)タイプの固体状態付加堆積物は、IR光に関する材料または造形物を夜間に探索するのに特に有用なアップコンバート蛍光体を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、マイクロファイバー、例えば炭素繊維、または短マイクロファイバーは、固体状態付加製造プロセスによって生成され、タガントとして使用される造形物に織り込まれ、それにおいて特定の繊維の形態は、より洗練された検出器、例えば顕微鏡を用いて区別することができる。
【0252】
特定の実施形態では、フォトクロミックタガント(複数可)は、MELD(商標)タイプの堆積層または部品に組み込まれる。タガントは、特定の波長の光にさらされると、色または色の外観を変更することによって応答する。
【0253】
別の実施形態では、サーモクロミックタガント(複数可)は、MELD(商標)タイプの堆積層または部品に組み込まれる。タガントは、熱にさらされると色の出現または色の変化によって反応する。
【0254】
さらに別の実施形態では、エレクトロクロミックタガント(複数可)は、MELD(商標)タイプの堆積層または部品に組み込まれる。タガントは、電場が層/部品に印加されると、色の出現や色の変化によって反応し、導電性部品に非常に有用である。
【0255】
いくつかの実施形態では、タガントは、固体状態付加製造堆積中に特定の層(複数可)にのみ付加される(
図17A)。他の実施形態では、タガントは、固体状態付加製造プロセスによって生成された造形物を構成するすべての層に付加される。
【0256】
さらに別の実施形態では、各タガントは、特定の順序で構造の異なる層に適用される。認証(チェック)のステップでは、認証(読み出しまたはリーダー)デバイスを使用して、タガントの分布の特定のシーケンスを検証する。そのデバイスは、フォトクロミックタガントを使用する場合はレーザー光励起デバイス、または熱クロミックタガントの場合は熱を生成するデバイス、またはより高度な検出デバイスを必要とするそれらの組み合わせであり得る。
図17Bでは、複数の層は、固体状態付加製造プロセスによって堆積されており、それにおいて各層には異なる蛍光体が含まれており、IRレーザーペンで励起すると、堆積層の特定のシーケンスで、特定の可視色を放出する。
【0257】
別の実施形態では、異なるタガントが、限られた人数に知られている特定のプロセスで、固体状態付加製造プロセスによって堆積された1つの層内に付加される(
図17C)。タガントは、リーダーで層をスキャンすることによって、検出される。例えば、異なる蛍光体またはアップコンバート蛍光体は、層(部品)の上に露出するシーケンスで層に分布され、これらの蛍光体/アップコンバート蛍光体が応答する励起波長で励起される。
【0258】
特定の実施形態では、フォトルミネッセンスタガント(PL顔料MHB-5BA、Zhejiang Minhui L&T社)が、固体堆積アルミニウム層に付加される(
図18A)。レーザーペン(波長405nm、出力<5mW)によって供給される青色光で層または層の特定のゾーンを数秒間露光した後(
図18B)、及び露光を停止した後、層、すなわち層の照射ゾーンは、フォトルミネセンス効果により、緑色光を放出する(
図18C)。
【0259】
いくつかの実施形態では、固体状態付加製造プロセスによって製造された軍用部品における埋め込まれたタガントは、IR検知デバイスで検知することができる。単に例示として、例えば弾薬、弾丸、ヘルメット、軍用車両などの構成要素である固体堆積造形物は、空中から追跡及び検出することができ、敵に対して残されないようにすることができる(
図19)。
【0260】
実施形態によれば、固体状態付加製造機、器具、及びプロセスは、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国出願公開第2008/0041921,2010/0285207、2012/0009339、2012/0279441、2012/0279442、2014/0130736、2014/0134325、2014/0174344、2015/0165546、2016/0074958、2016/0107262、2016/0175981、2016/0175982、2017/0043429、2017/0057204、2017/0216962、2018/0085849、2018/0361501、及び国際公開第WO2013/002869及びWO2019/089764のいずれか1つまたは複数または組み合わせで説明または描写されている任意の機械、器具、またはプロセスであるか、それらを含むことができる。一実施形態によれば、固体状態付加製造機は、摩擦ベースの製造器具を含み、この製造器具は、摩擦加熱及び圧縮荷重を受けたときに変形に耐えることができる材料から形成された消耗し得ない本体、及びスロートを含み、スロートは本体を縦方向に通る通路を規定し、本体の回転中にスロートの材料に垂直の力を及ぼすような形状である。
【0261】
別の実施形態によれば、固体状態付加製造機は、本体及びスロートを有する消耗し得ない部材を備え、それにおいてスロートは、基板に対してコーティング材料の摩擦加熱を課すのに十分な速度で回転したときに、本体からコーティング材料に回転を与えるためにその中に配置された消耗し得る材料に垂直の力を及ぼすように形作られ、本体は、消耗し得る材料をスロートから基板に分配及び圧縮荷重するための下向きの力アクチュエータと、基板に対して本体を回転及び並進させるための1つまたは複数のアクチュエータまたはモーターと動作可能に接続され、本体は、基板に装填された消耗し得る材料を本体と基板との間の容積部に閉じ込め、基板上のコーティングの表面を形成及び剪断するための表面を含む。
【0262】
他の特定の実施形態は、(a)基板に堆積する前にその中に配置された消耗し得るコーティングまたはフィラー材料を収容するための中空内部を含むスピンドル部材であって、内部は、スピンドルの回転中に、消耗し得る材料を回転させるために、その中に配置された消耗し得る材料に垂直の力を及ぼすように形作られている、スピンドル;(b)下向きの力のアクチュエータであって、スピンドルから基板への消耗し得る材料の分配及び圧縮荷重のための、及び基板に対してスピンドルを回転及び並進させるための1つまたは複数のモーターまたはアクチュエータと動作可能につながる、下向きの力のアクチュエータ、を含む摩擦ベースの製造器具を含む。この場合、スピンドルは、平面の幾何学形状、または装填された消耗し得る材料の機械的攪拌を強化するための構造を備えた面の幾何学形状を有するショルダー面を含み、そのショルダー面は、ショルダーと基板との間の容積部に装填された消耗し得る材料を閉じ込めるように、また基板上のコーティングの表面を形成及び剪断するように、動作可能に構成される。
【0263】
いくつかの実施形態では、スロートは非円形の断面の形状を有する。さらに、任意のフィラー材料を消耗し得る材料として使用することができ、例えば消耗し得る固体、粉末、または粉末充填のチューブ型のコーティング材料が挙げられる。粉末型のコーティング材料の場合、粉末は器具の内部スロート内に緩くまたは密に詰めることができ、通常の力が、密に詰められた粉末フィラー材料に、いっそう効率良く加えられる。粉末充填材を詰めることは、コーティングプロセスの前または最中に成すことができる。さらに提供されるのは、消耗し得るフィラー材料の部材と組み合わされる、本願に記載の任意の構成、または本明細書に記載の本発明による方法を実施するために必要な任意の構成を含むツーリング構成である。したがって、本発明のツーリングの実施形態は、消耗し得ない部分(熱及び圧力下での変形に抵抗する)を単独で、または消耗し得るコーティング材料または消耗し得るフィラー材料(例えば、そのような消耗し得る材料は、消耗し得ない部分がさらされる熱と圧力の量の下では、変形、溶融、または可塑化するものを含む)と一緒に含む。
【0264】
本発明の別の態様は、基板に表面層を形成する方法を提供するものであり、例えば、傷ついた表面を修復する、異なる厚さの基板を得るよう表面を構築する、2つ以上の基板を一緒に接合する、または基板の表面にある穴を埋めることがある。そのような方法は、本願に記載のツーリングを用いて基板にコーティング材料またはフィラー材料を堆積すること、及び任意選択で、堆積されたコーティング材料を摩擦攪拌することを含めることができ、例えば堆積されたコーティング材料を基板の材料と組み合わせてより均質なコーティング-基板の界面を形成するための機械的手段が挙げられる。堆積及び攪拌は、同時に、または連続して実行することができ、その間の期間はあってもなくてもよい。堆積及び攪拌は、単一の器具を使用して、または同じまたは異なるまたは別個の器具を使用して実行することもできる。特定の方法は、基板に対するコーティング材料の摩擦加熱及び圧縮負荷を使用して基板にコーティングを堆積することを含み、それにより、器具は、摩擦加熱及び圧縮負荷中にコーティング材料を支え、コーティングの表面を形成及び剪断するように動作可能に構成される。
【0265】
実施形態では、器具及び消耗し得る材料は、好ましくは、基板に対して回転する。器具は、消耗し得る材料に取り付けることができ、任意選択で、コーティング材料上で器具を再配置できるようにする方法で取り付けることができる。そのような実施形態は、使用中にコーティング材料と器具との間で回転速度に差がないように構成することができる。あるいは、消耗し得る材料及び器具は、器具のスロートを介した消耗し得る材料の連続的または半連続的な供給または堆積を可能にするよう取り付けることができない。このような設計では、使用している最中に、堆積中の消耗し得る材料と器具の間での回転速度における差が存在している可能性がある。同様に、実施形態は、器具とは独立してまたは依存して回転される消耗し得る材料を提供する。
【0266】
好ましくは、消耗し得る材料は、器具のスロートを通して、任意選択で、消耗し得る材料をスロートを通して引っ張るまたは押すことによって、送達される。実施形態では、消耗し得る材料が外面を有し、器具が内面を有していて、外面及び内面は、キー及びロックタイプの適合を可能にするよう相補的である。任意選択で、器具のスロートと消耗し得る材料は、縦方向にスライド可能な係合が可能である。
【0267】
またさらに、器具のスロートは内径を有することができ、消耗し得る材料は、内径と同心の円筒形のロッドであり得る。さらに、器具は、内面を備えたスロートを有することができ、消耗し得る材料は、表面が係合またはインターロックして、器具から消耗し得る材料に回転速度を付与することができる外面を有することができる。好ましい実施形態では、消耗し得るフィラー材料またはコーティング材料は、連続的または半連続的に供給され、及び/または器具のスロート内に及び/または器具のスロートを通して送達される。基板の新しい表面を形成するための堆積された任意の消耗し得る材料の剪断は、好ましくは、基板のいずれかの酸化物バリアコーティングを分散させる方法で行われる。
【0268】
本発明のさらに別の態様は、基板に表面層を形成する方法を提供することであり、これは、基板の穴を埋めることを含む。この方法は、充填材料の粉末を穴(複数可)に配置すること、摩擦加熱及び圧縮荷重を穴の中の充填材料粉末に適用して、充填材料を固めることを含む。さらに別の実施形態では、MELD(商標)タイプの機械は、本明細書または付録に記載されている器具を含むことに加えて、基板を含む。消耗し得るフィラー材料または基板(複数可)として機能することができる材料には、金属及び金属材料、ポリマー及びポリマー材料、セラミック及び他の強化材料、ならびにこれらの材料の組み合わせが含まれ得る。実施形態では、フィラー材料は、基板の材料(複数可)と類似したまたは非類似の材料であり得る。フィラー材料及び基板(複数可)は、ポリマー材料または金属材料を含むことができ、金属‐金属の組み合わせ、金属マトリックス複合体、ポリマー、ポリマーマトリックス複合体、ポリマー‐ポリマーの組み合わせ、金属‐ポリマーの組み合わせ、金属‐セラミックの組み合わせ、及びポリマー‐セラミックの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0269】
1つの特定の実施形態では、基板(複数可)及び/またはフィラー材料は、金属である、または金属製である。フィラー材料、または基板(複数可)は、例えば、Al、Ni、Cr、Cu、Co、Au、Ag、Mg、Cd、Pb、Pt、Ti、Zn、またはFe、Nb、Ta、Mo、W、またはこれらの金属の1つまたは複数を含む合金を含む任意の金属から独立して選択することができる。実施形態では、基板(複数可)及び/またはフィラー材料はポリマー材料である。フィラー材料として有用なポリマー材料の非限定的な例には、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ビニル、ポリビニル、アクリル、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタンなどが含まれる。さらに別の実施形態では、フィラー材料は、少なくとも1つの金属材料及び少なくとも1つのポリマー材料を含む複合材料である。他の実施形態では、複数の材料の組み合わせを使用して、界面で複合材料を製造することができる。
【0270】
フィラー材料は、1)単一組成の金属粉末またはロッド;2)マトリックス金属と強化粉末を混合して、供給材料として使用できる;または3)マトリックスの固体ロッドを穴あけして(例えば、チューブまたは他の中空シリンダータイプの構造を作成するために)、強化粉末、または金属マトリックス複合材料と強化材料の混合物を充填することができること、を含むがこれらに限定されない、いくつかの形態であり得る。後者では、マトリックスと強化剤の混合は、製造プロセス中にさらに生じる可能性がある。実施形態では、フィラー材料は、中実の金属棒であり得る。一実施形態では、フィラー材料はアルミニウムである。
【0271】
実施形態によれば、フィラー材料及び/または基板(複数可)は、プラスチック、ホモポリマー、コポリマー、またはポリエステル、ナイロン、ポリビニル、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリル、ポリエチレンテレフタレート(PETまたはPETE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ナイロン(Ny6、Ny66)、ポリラクチド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、エンジニアリングポリマー、例えばポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリオキシメチレンプラスチック(POM)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアリールアミド(PARA)、及び/またはポリオレフィン、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリプロピレンを含むポリマー材料、複合材料、混合物、強化剤、あるいは金属マトリックスとセラミック相を含む金属マトリックス複合材料から独立して選択され、この場合、金属マトリックスは、金属、金属合金、または金属間のうちの1つ以上を含み、セラミック相は、セラミックを含み、金属材料、金属マトリックス複合材料(MMC)、セラミック、セラミック材料、例えばSiC、TiB2及び/またはAl2O3、鋼、Al、Ni、Cr、Cu、Co、Au、Ag、Mg、Cd、Pb、Pt、Ti、Zn、Fe、Nb、Ta、Mo、Wを含む金属、またはこれらの金属の1つまたは複数を含む合金、ならびにこれらの材料のいずれかの組み合わせから独立して選択される。
【0272】
一実施形態によれば、本明細書に記載のタガント(複数可)のいずれかは、器具を介して供給される上記のフィラー(本明細書では原料としても知られる)材料のいずれかに付加または混合される。別の実施形態によれば、タガント(複数可)は、基板の上部にフィラー材料を堆積させる前に、基板の上部に積層される。どちらの場合も、固体状態付加製造機の回転器具は、堆積中にタガント(複数可)を混合し、固体状態付加製造プロセスによって層の塑性変形が堆積される。
【0273】
一実施形態によれば、層は、タガント(複数可)を原材料と連続的に混合し、その後それらを堆積することによる、連続した固体状態付加製造プロセスで堆積される。
【0274】
別の実施形態によれば、層は、特定の時間周期で原材料にタガント(複数可)を付加することによって、連続的な固体状態付加製造プロセスで堆積される。
【0275】
別の実施形態によれば、層は、特定のバッチでタガント(複数可)を原材料に付加することによって、不連続の(バッチの)固体状態付加製造プロセスで堆積される。
【0276】
別の実施形態によれば、タガントは、固体状態付加製造堆積の間にその場で生成される。
【0277】
別の実施形態によれば、タガントは、固体状態付加製造システムに付加される成分の物理的結合または複合体形成によって生成された。
【0278】
別の実施形態によれば、タガントは、固体状態付加製造システムに付加された成分間の化学反応によって生成される。
【0279】
本発明は、様々な特徴を有する特定の実施形態を参照して説明されてきた。上掲の開示を鑑みると、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明を実践する際に様々な修正及び変形が行えることは当業者にとって明らかである。当業者は、開示された特徴が、所与の用途または設計の要件及び仕様に基づいて、単独で、任意の組み合わせで、または省かれて使用され得ることを認識する。実施形態が特定の特徴を「含む(comprise)」ことに言及する場合、実施形態は、代替的に、特徴の任意の1つまたは複数「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ことが可能であるということを理解されたい。本明細書に開示される方法のいずれも、本明細書に開示される組成物のいずれかまたは他の任意の組成物と共に使用することができる。同様に、開示された組成物のいずれも、本明細書に開示された方法のいずれか、または他の任意の方法で使用することができる。本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮及び本発明の実践から、当業者に明らかとなる。
【0280】
特に、本明細書において値の範囲が提示されている場合、その範囲の上限と下限との間の、開示される単位の10分の1までの各値もまた具体的に開示されることに留意されたい。開示されている範囲内の、または開示されている他のエンドポイントから導き出すことができる、より小さな範囲も、それ自体が具体的に開示されている。開示された範囲の上限及び下限は、独立して、同様に範囲に含まれ得るか、または除外され得る。文脈による明確な別段の定めがない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」には複数の指示対象が含まれる。明細書及び例は、本質的に例示的なものとみなされ、本発明の本質から逸脱しない変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本開示で引用されるすべての参考文献は、それぞれ個別に参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、したがって、当技術分野のレベルを詳述する背景を提供すると共に、本発明の開示を可能にすることを補足する効率的な方法を提供することを意図している。