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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】漏電検出装置、車両用電源システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20240911BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240911BHJP
【FI】
G01R31/52
B60L3/00 S
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021528229
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2020023448
(87)【国際公開番号】W WO2020262084
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2019121505
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】中山 正人
(72)【発明者】
【氏名】濱田 泰輔
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073031(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/074394(WO,A1)
【文献】特開2004-104923(JP,A)
【文献】特開2007-163291(JP,A)
【文献】特開2016-166770(JP,A)
【文献】特開2005-233822(JP,A)
【文献】特開2009-287983(JP,A)
【文献】特開2010-249766(JP,A)
【文献】特開2013-140074(JP,A)
【文献】特開2002-209331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/50
G01R 31/36
G01R 27/02
G01R 31/00
H01M 10/42
H02H 3/16
B60L 3/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アースと絶縁された状態で、負荷に接続されている蓄電部の電流経路に一端が接続されるカップリングコンデンサと、
周期的に変化する周期電圧を生成して、前記カップリングコンデンサの他端にインピーダンス素子を介して印加する電圧出力部と、
前記カップリングコンデンサと前記インピーダンス素子との間の接続点の電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部により測定された電圧波形のピークピーク値をもとに、前記蓄電部の電流経路と前記アース間の漏電の有無を判定する漏電判定部と、を備え、
前記漏電判定部は、前記ピークピーク値を算出すべき時刻の仮想上側ピーク値と仮想下側ピーク値を推定し、前記電圧波形の上側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して前記仮想上側ピーク値を算出するとともに、前記電圧波形の下側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して、前記仮想上側ピーク値と時間軸が揃っている前記仮想下側ピーク値を算出し、前記仮想上側ピーク値と前記仮想下側ピーク値との間のピークピーク値を算出することを特徴とする漏電検出装置。
【請求項2】
アースと絶縁された状態で、負荷に接続されている蓄電部の電流経路に一端が接続されるカップリングコンデンサと、
周期的に変化する周期電圧を生成して、前記カップリングコンデンサの他端にインピーダンス素子を介して印加する電圧出力部と、
前記カップリングコンデンサと前記インピーダンス素子との間の接続点の電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部により測定された電圧波形のピークピーク値をもとに、前記蓄電部の電流経路と前記アース間の漏電の有無を判定する漏電判定部と、を備え、
前記漏電判定部は、前記ピークピーク値を算出すべき時刻の仮想上側ピーク値と仮想下側ピーク値の少なくとも一方を推定し、前記仮想上側ピーク値あるいは前記ピークピーク値を算出すべき時刻に測定された前記電圧波形の上側ピーク値と、前記仮想下側ピーク値あるいは前記ピークピーク値を算出すべき時刻に測定された前記電圧波形の下側ピーク値と、の間の前記ピークピーク値を算出し、
前記漏電判定部は、隣接する2つの前記ピークピーク値を比較して、前記蓄電部の電流経路の漏電判定の信頼性を評価することを特徴とする漏電検出装置。
【請求項3】
車両のシャーシアースと絶縁された状態で搭載され、前記車両内の負荷に電力を供給する蓄電部と、
請求項1または2に記載の漏電検出装置と、
を備えることを特徴とする車両用電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アースから絶縁された負荷の漏電を検出する漏電検出装置、車両用電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)が普及してきている。これらの電動車両には、補機電池(一般的に12V出力の鉛電池)と別に高電圧の駆動用電池(トラクションバッテリ)が搭載される。感電を防止するために、高電圧の駆動用電池、インバータ、走行用モータを含む強電回路と、車両のボディ(シャーシアース)間は絶縁される。
【0003】
強電回路の車両側のプラス配線とシャーシアース間、及び強電回路の車両側のマイナス配線とシャーシアース間には、それぞれYコンデンサが挿入され、高電圧の駆動用電池から車両側の負荷に供給される電源が安定化されている。強電回路とシャーシアース間の絶縁抵抗を監視して漏電を検出する漏電検出装置が搭載される。
【0004】
AC方式の漏電検出装置では、駆動用電池の正極端子または負極端子に、抵抗とカップリングコンデンサを介してパルス電圧を印加し、当該抵抗と当該カップリングコンデンサとの接続点の電圧を測定し、漏電の有無を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-178422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
AC方式における上記構成では、電池側と車両側の間に接続されるメインリレー(コンタクタ)の開閉時などの漏電状態の急変時に、上記測定点の電圧が測定レンジから外れることがある。上記測定点の電圧が測定レンジに戻る過程では、上記測定点の電圧波形が一定速度で上昇/下降する期間が発生する。この期間には、上記測定点の電圧波形の上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値が、ノイズの影響と無関係に伸縮し、安定した漏電検出が難しくなる。
【0007】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、漏電検出装置において、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合でも、高精度な漏電検出を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の漏電検出装置は、アースと絶縁された状態で、負荷に接続されている蓄電部の電流経路に一端が接続されるカップリングコンデンサと、周期的に変化する周期電圧を生成して、前記カップリングコンデンサの他端にインピーダンス素子を介して印加する電圧出力部と、前記カップリングコンデンサと前記インピーダンス素子との間の接続点の電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部により測定された電圧波形の上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値をもとに、前記蓄電部の電流経路と前記アース間の漏電の有無を判定する漏電判定部と、を備える。前記漏電判定部は、ある時刻の上側ピーク値と下側ピーク値の少なくとも一方を推定して、時間軸が仮想的に揃っている上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値を算出する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、漏電検出装置において、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合でも、高精度な漏電検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る漏電検出装置を備える電源システムの構成を説明するための図である。
図2図2(a)-(b)は、比較例と制御例1における、測定電圧波形のピークピーク値の算出方法の違いを説明するための図である。
図3】メインリレーがオンしたときの測定電圧波形の一例を示す図である。
図4図4(a)-(b)は、比較例と制御例1における、測定電圧波形が一定速度で上昇している際のピークピーク値の挙動を説明するための図である。
図5図5(a)-(b)は、隣接する2つのピークピーク値を使用した漏電判定の信頼性評価の具体例を説明するための図である。
図6図6(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧波形のピークピーク値の算出方法の違いを説明するための図である。
図7図7(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧の周波数に対するピークピーク値の一例を示した波形図である。
図8図8(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧の周波数に対するゲイン特性の一例を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施の形態に係る漏電検出装置10を備える電源システム5の構成を説明するための図である。電源システム5は電動車両に搭載される。電源システム5は電動車両内において、補機電池(通常、12V出力の鉛電池が使用される)と別に設けられる。電源システム5は、高電圧の蓄電部20、及び漏電検出装置10を含む。蓄電部20は、直列接続された複数のセルE1-Enを含む。セルには、リチウムイオン電池セル、ニッケル水素電池セル、鉛電池セル、電気二重層キャパシタセル、リチウムイオンキャパシタセル等を用いることができる。以下、本明細書ではリチウムイオン電池セル(公称電圧:3.6-3.7V)を使用する例を想定する。
【0012】
電動車両は高電圧の負荷として、インバータ2及びモータ3を備える。蓄電部20の正極とインバータ2の一端がプラス配線Lpで接続され、蓄電部20の負極とインバータ2の他端がマイナス配線Lmで接続される。プラス配線Lpに正側メインリレーMRpが挿入され、マイナス配線Lmに負側メインリレーMRmが挿入される。正側メインリレーMRpと負側メインリレーMRmは、蓄電部20と電動車両内の高電圧の負荷との間の導通/遮断を制御するコンタクタとして機能する。なおリレーの代わりに、高耐圧・高絶縁の半導体スイッチを使用することも可能である。
【0013】
インバータ2は、蓄電部20とモータ3の間に接続される双方向インバータである。インバータ2は力行時、蓄電部20から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給する。回生時、モータ3から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電部20に供給する。モータ3には例えば、三相交流モータが使用される。モータ3は力行時、インバータ2から供給される交流電力に応じて回転する。回生時、減速による回転エネルギーを交流電力に変換してインバータ2に供給する。
【0014】
蓄電部20は、電動車両のシャーシアースと絶縁された状態で電動車両に搭載される。補機電池は、負極がシャーシアースと導通した状態で電動車両に搭載される。なお、正側メインリレーMRpよりインバータ2側のプラス配線Lpとシャーシアース間が正側YコンデンサCpを介して接続される。また、負側メインリレーMRmよりインバータ2側のマイナス配線Lmとシャーシアース間が負側YコンデンサCmを介して接続される。正側YコンデンサCp及び負側YコンデンサCmは、プラス配線Lpとシャーシアース間、及びマイナス配線Lmとシャーシアース間をそれぞれ直流的に絶縁するとともに、プラス配線Lp及びマイナス配線Lmの電圧を安定化させる作用を有する。
【0015】
蓄電部20がシャーシアースから理想的に絶縁されている場合、蓄電部20の中間電位がシャーシアースの電位近辺に維持される。例えば、蓄電部20の両端電圧が250Vの場合、蓄電部20の正極電位が+125V近辺、負極電位が-125V近辺に維持される。高電圧の蓄電部20とシャーシアース間が導通した状態で、人間が電動車両の露出した導電部に触れると感電する危険がある。そこで高電圧の蓄電部20を搭載した電動車両では、漏電検出装置10を搭載して、高電圧の車両負荷に接続されている蓄電部20の電流経路とシャーシアース間の絶縁状態を監視する必要がある。図1では、プラス配線Lpとシャーシアース間の絶縁状態を正側漏電抵抗Rlp、マイナス配線Lmとシャーシアース間の絶縁状態を負側漏電抵抗Rlmと表している。
【0016】
漏電検出装置10は、カップリングコンデンサCc、第1抵抗R1、ANDゲートG1、第1ツェナーダイオードZD1、第2抵抗R2、第1オペアンプOP1、第2ツェナーダイオードZD2及び制御部11を含む。制御部11は、発振部11a、電圧測定部11b及び漏電判定部11cを含む。制御部11は例えば、マイクロコンピュータ及び不揮発メモリ(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)により構成することができる。
【0017】
カップリングコンデンサCcは、蓄電部20の電流経路に一端が接続される。図1に示す例では蓄電部20の負極にカップリングコンデンサCcの一端が接続されている。なお、カップリングコンデンサCcの一端は、蓄電部20の正極に接続されてもよいし、蓄電部20内の複数のセルE1-Enのいずれかのノードに接続されてもよい。カップリングコンデンサCcの他端は、第1抵抗R1を介して電圧出力部の出力端に接続される。カップリングコンデンサCcの他端と第1抵抗R1との間の接続点が測定点Aとなる。なお、第1抵抗R1の代わりに他のインピーダンス素子を使用してもよい。
【0018】
図1ではカップリングコンデンサCcに、比較的安価に大容量化することができるアルミ電解コンデンサが使用されている。アルミ電解コンデンサは極性を有しており、図1ではアルミ電解コンデンサの正極が測定点Aに接続され、アルミ電解コンデンサの負極が蓄電部20の負極に接続されている。カップリングコンデンサCcは、複数のアルミ電解コンデンサが直列に接続されて構成されていてもよい。この場合、1つのコンデンサがショート故障しても、残りのコンデンサにより直流的な絶縁を維持することができる。
【0019】
上記の電圧出力部は、周期的に変化する周期電圧を生成して、生成した周期電圧をカップリングコンデンサCcの他端に第1抵抗R1を介して印加する。以下、本明細書では周期電圧として矩形波電圧を使用する例を想定する。
【0020】
電圧出力部は、発振部11a及びANDゲートG1を含む。発振部11aは、マルチバイブレータや局部発振器を含み、予め設定された周波数の矩形波を発生させる。発振部11aにより生成された矩形波電圧は、ANDゲートG1の第1入力端子に入力される。ANDゲートG1の第2入力端子は、電源電位Vccに接続される。ANDゲートG1は、第1入力端子に入力される矩形波電圧がハイレベルのとき、ハイレベル(電源電位Vcc)を出力し、第1入力端子に入力される矩形波電圧がローレベルのとき、ローレベル(グラウンド電位)を出力する。グラウンド電位は、シャーシアースに接続されている。以下、電源電位Vccが5V、グラウンド電位が0Vの例を想定する。
【0021】
ANDゲートG1は、制御部11と測定点Aを分離するバッファとして機能する。ANDゲートG1はバッファの一例である。例えば、ANDゲートの代わりに、ORゲートやボルテージフォロワを使用してもよい。ORゲートを使用する場合、ORゲートの第2入力端子にはグラウンド電位が接続される。
【0022】
ANDゲートG1の出力端子と第1抵抗R1との間の接続点と、シャーシアース間に第1ツェナーダイオードZD1が接続される。
【0023】
測定点Aは、第2抵抗R2を介して第1オペアンプOP1の非反転入力端子に接続される。第1オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子が接続される。第1オペアンプOP1は、増幅率が1倍でインピーダンス変換だけを行うボルテージフォロアとして機能する。第1オペアンプOP1は、測定点Aの電圧を電圧測定部11bに出力する。第1オペアンプOP1の非反転入力端子と第2抵抗R2との間の接続点と、シャーシアース間に第2ツェナーダイオードZD2が接続される。
【0024】
上述した第1ツェナーダイオードZD1又は第2ツェナーダイオードZD2は、メインリレーMRp、MRmの開閉や電源システム5の負荷変動に起因して、ANDゲートG1又は第1オペアンプOP11に過電圧が印加されることを防止する。
【0025】
電圧測定部11bは測定点Aの電圧を測定する。電圧測定部11bはA/Dコンバータを含み、当該A/Dコンバータは、発振部11aにより生成される矩形波電圧の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジのタイミングに同期したタイミングで、測定点Aのアナログ電圧をサンプリングし、サンプリングしたアナログ電圧をデジタル値に変換する。矩形波電圧の立ち上がりエッジのタイミングでサンプリングされた電圧は、測定された電圧波形の下側ピーク値に相当し、矩形波電圧の立ち下がりエッジのタイミングでサンプリングされた電圧は、測定された電圧波形の上側ピーク値に相当する。なお、矩形波電圧の鈍りを考慮して、下側ピーク値をサンプリングすべきタイミングと、上側ピーク値をサンプリングすべきタイミングが調整されていてもよい。当該A/Dコンバータは、測定点Aのアナログ電圧を変換したデジタル値を漏電判定部11cに出力する。
【0026】
漏電判定部11cは、電圧測定部11bにより測定された測定点Aの電圧をもとに、蓄電部20の電流経路とシャーシアース間の漏電の有無を判定する。漏電判定部11cは、上側ピーク値と下側ピーク値との差分で示されるピークピーク値が、設定値より小さい場合、蓄電部20の電流経路とシャーシアース間に漏電が発生していると判定する。当該設定値は、設計者による実験やシミュレーションにより予め導出された漏電発生時の測定電圧波形のピークピーク値をもとに決定される。蓄電部20の電流経路とシャーシアース間に漏電が発生している場合、ANDゲートG1から、検出抵抗として作用している第1抵抗R1を介してカップリングコンデンサCcに交流電流が流れる。第1抵抗R1に電流が流れると、電圧降下により測定点Aの電圧振幅が縮小する。
【0027】
実施の形態では漏電判定部11cは、ある時刻の上側ピーク値と下側ピーク値の少なくとも一方を推定して、時間軸が仮想的に揃っている上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値を算出する。
【0028】
(制御例1)
制御例1では漏電判定部11cは、特定の上側ピーク値より時間的に一つ前に測定されるべき時刻に測定された電圧値と、当該特定の上側ピーク値より時間的に一つ後に測定されるべき時刻に測定された電圧値を平均化して仮想下側ピーク値を算出する。漏電判定部11cは、特定の上側ピーク値と仮想下側ピーク値との間のピークピーク値を算出する。
【0029】
また漏電判定部11cは、特定の下側ピーク値より時間的に一つ前に測定されるべき時刻に測定された電圧値と、特定の下側ピーク値より時間的に一つ後に測定されるべき時刻に測定された電圧値を平均化して仮想上側ピーク値を算出する。漏電判定部11cは、特定の下側ピーク値と仮想上側ピーク値との間のピークピーク値を算出する。
【0030】
図2(a)-(b)は、比較例と制御例1における、測定電圧波形のピークピーク値の算出方法の違いを説明するための図である。図2(a)は、比較例における測定電圧波形のピークピーク値の算出方法を示し、図2(b)は、制御例1における測定電圧波形のピークピーク値の算出方法を示している。図2(a)に示す比較例では、測定された時間的に隣接する2つの上側ピーク値V1と下側ピーク値V2との差分をピークピーク値Vppとしている。図2(b)に示す制御例1では、測定された上側ピーク値V1と、当該上側ピーク値V1を挟んだ2つの下側ピーク値V1と下側ピーク値V2を平均化した下側ピーク平均値Vμとの差分をピークピーク値Vppとしている。前者では上側ピーク値V1と下側ピーク値V2のタイミングが対応していないが、後者では上側ピーク値V1と下側ピーク平均値Vμのタイミングが対応している。
【0031】
図3は、メインリレーMRp、MRmがオンしたときの測定電圧波形の一例を示す図である。メインリレーMRp、MRmがオンすると蓄電部20の電圧が大きく変動し、それに伴い、電圧出力部から第1抵抗R1を介してカップリングコンデンサCcに充電電流が流れる。この場合、測定点Aの電圧が大きく低下し、電圧測定部11bの測定レンジを規定する、第1オペアンプOP1の入力電圧範囲(0~5V)の下に大きく外れる。測定点Aの電圧波形は測定レンジ外から、カップリングコンデンサCcの充電電流の減少に伴って上昇する。はじめは急峻に上昇し、途中から一定速度で緩やかに上昇する。カップリングコンデンサCcの充電が完了すると、測定点Aの中心電圧が測定レンジの中間電位(2.5V)に復帰する。漏電抵抗Rlpが大きい場合、測定点Aの電圧波形の全体が測定レンジ(0~5V)に戻るまでに30秒以上を要する場合もある。
【0032】
なお、測定点Aの電圧が測定レンジの上に外れる場合もある。何らかの要因でカップリングコンデンサCcが充電された状態において、メインリレーMRp、MRmがオン又はオフすると、カップリングコンデンサCcから第1抵抗R1を介して電圧出力部の方向へ放電電流が流れる。この場合、測定点Aの電圧が大きく上昇し、測定レンジの上に大きく外れる。測定点Aの電圧波形は測定レンジ外から、カップリングコンデンサCcの放電電流の減少に伴って下降する。はじめは急峻に下降し、途中から一定速度で緩やかに下降する。カップリングコンデンサCcの放電が完了すると、測定点Aの中心電圧が測定レンジの中間電位(2.5V)に復帰する。
【0033】
図4(a)-(b)は、比較例と制御例1における、測定電圧波形が一定速度で上昇している際のピークピーク値の挙動を説明するための図である。図4(a)は比較例におけるピークピーク値の挙動を示し、図4(b)は制御例1におけるピークピーク値の挙動を示している。
【0034】
比較例では、測定電圧波形の上昇の過程で、ピークピーク値Vppの振幅が拡大したり縮小したりする。図4(a)に示す例では、第1上側ピーク値V1と第1下側ピーク値V1の差分で規定される第1ピークピーク値Vpp1は、第2上側ピーク値V2と第1下側ピーク値V1の差分で規定される第2ピークピーク値Vpp2より小さな値になっている。当該第2ピークピーク値Vpp2は、第2上側ピーク値V2と第2下側ピーク値V2の差分で規定される第3ピークピーク値Vpp3より大きな値になっている。このように比較例では、ピークピーク値Vppの振幅が拡大と縮小を交互に繰り返しながら、測定電圧波形の全体が上昇していく。このピークピーク値Vppの振幅の拡大と縮小は、ノイズの影響と無関係に発生する。
【0035】
制御例1では、測定電圧波形の上昇の過程で、ピークピーク値Vppの振幅は一定に保たれる。図4(b)に示す例では、第1上側ピーク値V1と第1下側ピーク平均値Vμ1の差分で規定される第1ピークピーク値Vpp1、第1上側ピーク平均値Vμ1と第2下側ピーク値V2の差分で規定される第2ピークピーク値Vpp2、及び第2上側ピーク値V2と第2下側ピーク平均値Vμ2の差分で規定される第3ピークピーク値Vpp3の振幅は、実質的に等しい。このように制御例1では、ピークピーク値Vppの振幅が一定に保たれながら、測定電圧波形の全体が上昇していく。
【0036】
制御例1では漏電判定部11cは、隣接する2つのピークピーク値Vpp同士を比較して、漏電判定の信頼性を評価することができる。漏電判定部11cは、隣接する2つのピークピーク値Vppが対応するとき漏電判定を有効とし、隣接する2つのピークピーク値Vppが対応しないとき漏電判定を無効とする。制御例1において、測定点Aの電圧が、ノイズの影響を受けていない理想的な電圧であれば、隣接する2つのピークピーク値Vppは実質的に等しくなるはずである。逆に言えば、隣接する2つのピークピーク値Vppが実質的に一致しない場合、測定点Aの電圧がノイズの影響を大きく受けているといえる。ノイズの影響を大きく受けている測定点Aの電圧に基づく漏電判定は、信頼性が低いといえる。従って、そのような信頼性が低い状態で実行された漏電判定の結果は無効として扱う。または、信頼性が低い状態では漏電判定自体を停止する。
【0037】
図5(a)-(b)は、隣接する2つのピークピーク値Vppを使用した漏電判定の信頼性評価の具体例を説明するための図である。電動車両内のモータ3が回生発電を開始すると、モータ3により発電された電力により、蓄電部20の電圧が瞬間的に上昇する。また、電動車両が加速するとモータ3の回転数が上がり、モータ3に供給される電力上昇により、蓄電部20の電圧が瞬間的に低下する。このような蓄電部20の瞬間的な電圧変動は、車両ノイズとしてカップリングコンデンサCcを通過し、測定点Aの電圧に重畳される。
【0038】
図5(a)は、ノイズが重畳されていない場合の測定電圧波形を示している。図5(a)では、隣接する第1ピークピーク値Vpp1と第2ピークピーク値Vpp2、隣接する第2ピークピーク値Vpp2と第3ピークピーク値Vpp3、及び隣接する第3ピークピーク値Vpp3と第4ピークピーク値Vpp4がそれぞれ実質的に一致している。なお、図4(b)に示したように測定電圧波形の全体が一定速度で変動(即ち、十分に長周期で変動)している場合も、それぞれ一致する。
【0039】
図5(b)は、ノイズが重畳されている場合の測定電圧波形を示している。図5(b)では、第2下側ピーク値V2が測定されたタイミングの近辺で、モータ3による回生発電が発生し、第2下側ピーク値V2がノイズの影響を受けて本来の値より高い値として検出されている。この場合、第2下側ピーク値V2を使用した第2ピークピーク値Vpp2が、隣接する第1ピークピークVpp1又は第3ピークピーク値Vpp3より小さな値になっている。第2ピークピーク値Vpp2を用いた漏電判定では、漏電が発生していないにも関わらず漏電が発生していると誤判定する可能性がある。制御例1では、隣接するピークピークVppが実質的に一致しない場合、漏電判定が無効となるため、誤判定を回避することができる。
【0040】
以上説明したように制御例1によれば、ピークピーク値Vppの一方のピーク値に平均処理なしのピーク値を使用し、他方のピーク値に、当該平均処理なしのピーク値の前後のピーク値を平均処理したピーク値を使用する。これにより、近似的にピークピーク値Vppの一方のピーク値と他方のピーク値を同じ時刻に取得した電圧値とすることができる。この仮想的に同じ時刻に取得した上側ピーク値と下側ピーク値に基づくピークピーク値Vppを使用することにより、測定点Aの電圧波形が全体的に一定速度で上昇/下降している場合でも、安定した漏電検出が可能となる。
【0041】
従って、測定点Aの電圧が測定レンジから外れた後、測定電圧波形の全体が測定レンジに収まる状態に戻り、かつ漏電判定に影響を及ぼさない程度に十分な長周期で変動していれば、測定電圧の中心電位が測定レンジの中間電位(2.5V)に復帰する前の段階から、高精度な漏電判定を行うことができる。よって、漏電判定ができない期間を短くすることができる。
【0042】
また、測定電圧が十分に長周期で変動している場合、隣接する2つのピークピーク値Vppが実質的に一致する。この性質から、隣接する2つのピークピーク値Vppを比較することにより、ノイズの影響の有無を判定することができる。
【0043】
(制御例2)
制御例2では漏電判定部11cは、上側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して仮想上側ピーク値を算出し、下側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して、当該仮想上側ピーク値と時間軸が揃っている仮想下側ピーク値を算出する。漏電判定部11cは、算出した仮想上側ピーク値と下側仮想ピーク値との間のピークピーク値Vppを算出する。
【0044】
図6(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧波形のピークピーク値の算出方法の違いを説明するための図である。図6(a)は、制御例1における測定電圧波形のピークピーク値の算出方法を示し、図6(b)は、制御例2における測定電圧波形のピークピーク値の算出方法を示している。図6(a)に示す制御例1では、上側ピーク値V1は平均処理なしで導出され、下側ピーク値Vμは、上側ピーク値V1を挟んだ2点の平均処理により導出される。
【0045】
図6(b)に示す制御例2では、上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμの時間軸が合うように、それぞれ加重平均して上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμが導出される。例えば漏電判定部11cは、FIR (Finite Impulse Response) フィルタを使用して、仮想的に同じ時刻に取得される上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμを導出する。例えば下記(式1)、(式2)を算出して上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμを導出する。
【0046】
μ=(V1×3/4)+(V2×1/4) ・・・(式1)
μ=(V1×1/4)+(V2×3/4) ・・・(式2)
【0047】
図7(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧の周波数に対するピークピーク値の一例を示した波形図である。図8(a)-(b)は、制御例1と制御例2における、測定電圧の周波数に対するゲイン特性の一例を示したグラフである。図7(a)-(b)において、太点線はノイズが重畳されていない理想的な電圧波形を示している。太実線はノイズが重畳されている実際に測定された電圧波形を示している。図8(a)-(b)において、点線は上側ピーク値のゲイン特性を示し、実線は下側ピーク値のゲイン特性を示している。
【0048】
制御例1では、図7(a)、図8(a)に示すように下側ピーク値Vμは平均処理されているが、上側ピーク値V1は平均処理されていない。下側ピーク値Vμは平均処理されているため、基準周波数の半分の周波数を中心にノイズが低減される。一方、上側ピーク値V1はノイズが低減されない。図8(a)では、点線と実線との上下方向の差異が誤差となる。図7(a)、図8(a)に示す例では周波数が0.5Hzのときの誤差が最大となる。
【0049】
制御例2では、図7(b)、図8(b)に示すように、上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμの両方にFIRフィルタをかけている。従って、上側ピーク値Vμと下側ピーク値Vμとの間で、位相特性に加えて、周波数に対するゲイン特性も合わせることができる。よって、ノイズの影響を低減することができる。図7(a)と図7(b)を比較すると、図7(b)に示す太実線のピークピーク値Vppの方が、理想的な電圧波形のピークピーク値に近いことが分かる。
【0050】
以上説明したように制御例2によれば、ピークピーク値Vppの上側ピーク値と下側ピーク値を、仮想的に同じ時刻に取得したように加重平均して算出する。これにより、周波数に対するゲイン特性も合わせることができ、ノイズ耐性を向上させることができる。なお時間軸を合わせずに、単純にそれぞれ平均処理した上側ピーク値と下側ピーク値に基づくピークピーク値を使用した場合、図4(a)に示したように、測定電圧波形が全体的に一定速度で上昇/下降している場合に、安定した漏電検出ができなくなる。
【0051】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0052】
上述の制御例1、2では、2点のフィルタ処理により上側ピーク値および/または下側ピーク値を算出する例を説明した。この点、3点以上のフィルタ処理により上側ピーク値および/または下側ピーク値を算出してもよい。いずれの場合も、上側ピーク値と下側ピーク値の時間軸が揃っていればよい。なお、2点のフィルタ処理により上側ピーク値および/または下側ピーク値を算出する例が、漏電を最も早く検出することができる。フィルタ処理に使用するサンプル点を多くするほど基本的に信頼性が向上する。
【0053】
上述の実施の形態では、電圧出力部から第1抵抗R1を介してカップリングコンデンサCcに矩形波電圧を印加する例を説明した。この点、正弦波電圧をカップリングコンデンサCcに印加してもよい。この場合も漏電判定部11cは、測定点Aの電圧から基準電位、上側ピーク値、下側ピーク値を特定し、実施の形態と同様に漏電の有無を判定することができる。
【0054】
上述の実施の形態では、漏電検出装置10を電動車両に搭載して使用する例を説明した。この点、実施の形態に係る漏電検出装置10は車載用途以外の用途にも適用できる。蓄電部20、及び蓄電部20から電力供給を受ける負荷がアースから絶縁されている構成であれば、負荷はどのような負荷であってもよい。例えば、鉄道車両内で使用される負荷であってもよい。
【0055】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0056】
[項目1]
アースと絶縁された状態で、負荷(2)に接続されている蓄電部(20)の電流経路に一端が接続されるカップリングコンデンサ(Cc)と、
周期的に変化する周期電圧を生成して、前記カップリングコンデンサ(Cc)の他端にインピーダンス素子(R1)を介して印加する電圧出力部(11a、G1)と、
前記カップリングコンデンサ(Cc)と前記インピーダンス素子(R1)との間の接続点の電圧を測定する電圧測定部(11b)と、
前記電圧測定部(11b)により測定された電圧波形の上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値をもとに、前記蓄電部(20)の電流経路と前記アース間の漏電の有無を判定する漏電判定部(11c)と、を備え、
前記漏電判定部(11c)は、ある時刻の上側ピーク値と下側ピーク値の少なくとも一方を推定して、時間軸が仮想的に揃っている上側ピーク値と下側ピーク値との間のピークピーク値を算出することを特徴とする漏電検出装置(10)。
これによれば、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合でも、高精度な漏電検出が可能となる。
[項目2]
前記漏電判定部(11c)は、特定の上側ピーク値より時間的に一つ前に測定されるべき時刻に測定された電圧値と、前記特定の上側ピーク値より時間的に一つ後に測定されるべき時刻に測定された電圧値を平均化して仮想下側ピーク値を算出し、前記特定の上側ピーク値と前記仮想下側ピーク値との間のピークピーク値を算出することを特徴とする項目1に記載の漏電検出装置(10)。
これによれば、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合において、低遅延な漏電検出が可能となる。
[項目3]
前記漏電判定部(11c)は、特定の下側ピーク値より時間的に一つ前に測定されるべき時刻に測定された電圧値と、前記特定の下側ピーク値より時間的に一つ後に測定されるべき時刻に測定された電圧値とを平均化して仮想上側ピーク値を算出し、前記特定の下側ピーク値と前記仮想上側ピーク値との間のピークピーク値を算出することを特徴とする項目1に記載の漏電検出装置(10)。
これによれば、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合において、低遅延な漏電検出が可能となる。
[項目4]
前記漏電判定部(11c)は、上側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して仮想上側ピーク値を算出するとともに、下側ピーク値が測定されるべき複数の時刻に測定された複数の電圧値を加重平均して、前記仮想上側ピーク値と時間軸が揃っている仮想下側ピーク値を算出し、前記仮想上側ピーク値と前記仮想下側ピーク値との間のピークピーク値を算出することを特徴とする項目1に記載の漏電検出装置(10)。
これによれば、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合において、ノイズ耐性が高い漏電検出が可能となる。
[項目5]
前記漏電判定部(11c)は、隣接する2つのピークピーク値を比較して、前記蓄電部(20)の電流経路の漏電判定の信頼性を評価することを特徴とする項目1から4のいずれか1項に記載の漏電検出装置(10)。
これによれば、ノイズの影響を確認することができる。
[項目6]
車両のシャーシアースと絶縁された状態で搭載され、前記車両内の負荷(2)に電力を供給する蓄電部(20)と、
項目1から5のいずれか1項に記載の漏電検出装置(10)と、
を備えることを特徴とする車両用電源システム(5)。
これによれば、測定点の電圧波形が全体的に上昇/下降している場合でも、高精度な漏電検出が可能漏電検出装置(10)を備える車両用電源システム(5)を実現することができる。
【符号の説明】
【0057】
2 インバータ、 3 モータ、 Lp プラス配線、 Lm マイナス配線、 Cp 正側Yコンデンサ、 Cm 負側Yコンデンサ、 Rlp 正側漏電抵抗、 Rlm 負側漏電抵抗、 5 電源システム、 20 蓄電部、 E1~En セル、 10 漏電検出装置、 11 制御部、 11a 発振部、 11b 電圧測定部、 11c 漏電判定部、 Cc カップリングコンデンサ、 R1 第1抵抗、 R2 第2抵抗、 OP1 第1オペアンプ、 G1 ANDゲート、 ZD1 第1ツェナーダイオード、 ZD2 第2ツェナーダイオード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8