IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハンファ アズデル インコーポレイテッドの特許一覧

特許7554196二成分繊維を含む軽量強化熱可塑性複合物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】二成分繊維を含む軽量強化熱可塑性複合物品
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/32 20060101AFI20240911BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20240911BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20240911BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20240911BHJP
   D01F 8/04 20060101ALI20240911BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20240911BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
C08J9/32 CER
C08J9/32 CES
B32B5/24
B32B5/28
B32B3/24
D01F8/04 B
B29C70/06
C08J5/04 CEZ
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021544584
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 US2020016036
(87)【国際公開番号】W WO2020160362
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】62/800,307
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/874,036
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルオミャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ホンユ
【審査官】加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-107350(JP,A)
【文献】特開2015-080899(JP,A)
【文献】特開2013-221217(JP,A)
【文献】国際公開第2018/111781(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/32
B32B 5/24
B32B 5/28
B32B 3/24
D01F 8/04
B29C 70/06
C08J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機強化繊維、有機二成分繊維、膨張可能な微小球を含むロフト剤、およびポリオレフィンの熱可塑性材料から形成されたウェブを含むロフトコア層を含む、成形された多孔質複合物品であって、前記ウェブが、約20%~約80%の多孔度を含み、前記有機二成分繊維が、コアシェル配置を含み、前記コアシェル配置のコアのコア材料が、前記ウェブの前記熱可塑性材料の前記融点よりも少なくとも摂氏20度高い融点を含み、前記有機二成分繊維のシェルが、ポリオレフィンを含み、前記成形された多孔質複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、機械方向および横断方向の両方において約2mm~約4mmの成形された厚さで、前記機械方向において10N~約40Nのピーク荷重および前記横断方向において約6N~約30Nのピーク荷重を含む、成形された多孔質複合物品。
【請求項2】
前記有機二成分繊維が、ポリアミドを含むコアを含む、請求項1に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項3】
前記有機二成分繊維が、ポリエステルを含むコアを含む、請求項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項4】
前記ウェブの前記熱可塑性材料がポリプロピレンを含み、前記無機強化繊維がガラス繊維を含み、前記有機二成分繊維が前記コア内にポリエステルまたはポリアミドを含み、前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度と、約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率と、約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率と、をさらに含む、請求項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項5】
前記ウェブの前記熱可塑性材料がポリプロピレンを含み、前記無機強化繊維がガラス繊維を含み、前記有機二成分繊維が前記コア内にポリエステルまたはポリアミドを含み、前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの前記機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの前記横断方向における剛性をさらに含み、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの前記横断方向における曲げ強度をさらに含み、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率をさらに含む、請求項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項6】
前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項7】
前記ポリアミドが、ナイロンを含む、請求項2に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項8】
前記ウェブの前記熱可塑性材料が、ポリプロピレンであり、前記無機強化繊維が、ガラス繊維であり、前記コアシェル配置の前記シェルの前記ポリオレフィンが、線状低密度ポリエチレンを含み、前記コアの前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項9】
前記ウェブの前記熱可塑性材料が、ポリプロピレンであり、前記無機強化繊維が、ガラス繊維であり、前記コアシェル配置の前記シェルの前記ポリオレフィンが、線状低密度ポリエチレンを含み、前記コアの前記ポリアミドが、ナイロンを含む、請求項2に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項10】
前記ウェブの前記熱可塑性材料が、ポリプロピレンを含み、前記無機強化繊維が、ガラス繊維を含み、前記有機二成分繊維が、前記コア中にポリエステルまたはポリアミドを含み、前記コア中の前記ポリエステルまたはポリアミドの融点が、前記ウェブの前記ポリオレフィンの前記熱可塑性材料のポリプロピレンの融点よりも少なくとも摂氏20度高、請求項1に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項11】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの前記機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの前記横断方向における剛性をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項12】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの前記横断方向における曲げ強度をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項13】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項14】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの前記機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの前記横断方向における剛性、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの前記横断方向における曲げ強度をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項15】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの前記機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの前記横断方向における剛性、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項16】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度、ならびに約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項17】
前記成形された複合物品が、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの前記機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの前記横断方向における剛性、SAE J949_200904よって試験された際、約6MPa~約17MPaの前記機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの前記横断方向における曲げ強度、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの前記機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの前記横断方向における曲げ弾性率をさらに含む、請求項10に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項18】
前記物品が、自動車のヘッドライナとして構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項19】
前記物品が、自動車の内装構成要素として構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の成形された多孔質複合物品。
【請求項20】
前記物品が、キュービクルパネル(cubicle panel)または家具パネルとして構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の成形された多孔質複合物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権出願)
本出願は、2019年2月1日に出願された米国仮特許出願第62/800,314号、および2019年7月15日に出願された米国仮特許出願第62/874,036号に関し、それらに対する優先権および利益を主張するものであり、これらの各々の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
特定の実施形態は、二成分繊維を含む熱可塑性複合物品に関する。いくつかの場合では、二成分繊維を有する熱可塑性複合物品は、二成分繊維を欠く熱可塑性複合物品よりも改善された性能を提供し得る。
【背景技術】
【0003】
特定の自動車および建築用途は、多くの場合、従来の鋼または金属物品の代わりに、熱可塑性系材料を使用する。熱可塑性系材料の使用は、鉄鋼または金属物品では発生しない固有の考慮事項が生じる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
特定の態様は、二成分繊維を有する熱可塑性複合物品のいくつかの構成を例解するために、本明細書に記載される。本開示の利点を考えると、二成分繊維を含む熱可塑性複合物品の他の構成を生成することは、当業者の能力の範囲内である。
【0005】
一態様では、成形された多孔質複合物品は、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料から形成されたウェブを含むロフトコア層を含み、ウェブは、約20%~約80%の多孔度を含み、二成分繊維は、コアシェル配置を含み、コアシェル配置のシェルのシェル材料は、熱可塑性材料の融点と実質的に同様の融点を含み、コアシェル配置のコアのコア材料は、熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い融点を含み、成形された多孔質複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、機械方向および横断方向の両方において約2mm~約4mmの成形された厚さで、機械方向において10N~約40Nのピーク荷重および横断方向において約6N~約30Nのピーク荷重を含む。
【0006】
特定の実施形態では、二成分繊維は、ポリオレフィンを含むシェルと、ポリエステルまたはポリアミドを含むコアと、を含む。他の例では、二成分繊維は、ポリオレフィンを含むシェルと、ポリエステルを含むコアと、を含む。いくつかの例では、ポリオレフィンは、ポリエチレンを含む。他の例では、ポリエチレンは、線状低密度ポリエチレンである。いくつかの実施形態において、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートを含む。他の例では、ポリアミドは、ナイロンを含む。
【0007】
いくつかの場合では、熱可塑性材料は、ポリプロピレンであり、シェルのポリオレフィンは、線状低密度ポリエチレンを含み、ロフト剤は、膨張可能な微小球を含み、コアのポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートを含む。
【0008】
他の場合では、熱可塑性材料は、ポリプロピレンであり、シェルのポリオレフィンは、線状低密度ポリエチレンを含み、ロフト剤は、膨張可能な微小球を含み、コアのポリアミドは、ナイロンを含む。
【0009】
特定の例では、熱可塑性材料は、ポリプロピレンを含み、強化繊維は、ガラス繊維を含み、二成分繊維は、シェル中に線状低密度ポリエチレンを含み、コア中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高く、ロフト剤は、膨張可能な微小球を含む。
【0010】
いくつかの例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの横断方向における剛性をさらに含む。
【0011】
他の例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度をさらに含む。
【0012】
さらなる例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0013】
特定の場合では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの横断方向における剛性、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの横断方向における剛性、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0015】
特定の例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度、ならびに約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0016】
いくつかの例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの横断方向における剛性、ならびにSAE J949_200904よって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0017】
特定の実施形態では、物品は、自動車のヘッドライナ、自動車の内装構成要素として、キュービクルパネル(cubicle panel)または家具パネルとして構成されている。
【0018】
別の態様では、成形された多孔質複合物品は、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料から形成されたウェブを含むロフトコア層を含み、ウェブは、約20%~約80%の多孔度を含み、二成分繊維は、コアシェル配置を含み、コアシェル配置のシェルのシェル材料は、熱可塑性材料の融点と実質的に同様の融点を含み、コアシェル配置のコアのコア材料は、熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い融点を含み、成形された多孔質複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約10N/cm~約50N/cmの機械方向における剛性および約7N/cm~約30N/cmの横断方向における剛性を含む。
【0019】
いくつかの例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度をさらに含む。
【0020】
他の例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0021】
追加の例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度、ならびにSAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0022】
別の態様では、成形された多孔質複合物品は、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料から形成されたウェブを含むロフトコア層を含み、ウェブは、約20%~約80%の多孔度を含み、二成分繊維は、コアシェル配置を含み、コアシェル配置のシェルのシェル材料は、熱可塑性材料の融点と実質的に同様の融点を含み、コアシェル配置のコアのコア材料は、熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い融点を含み、成形された多孔質複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約6MPa~約17MPaの機械方向における曲げ強度および約4MPa~約11MPaの横断方向における曲げ強度を含む。
【0023】
特定の例では、成形された複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率をさらに含む。
【0024】
追加の態様では、成形された多孔質複合物品は、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料から形成されたウェブを含むロフトコア層を含み、ウェブは、約20%~約80%の多孔度を含み、二成分繊維は、コアシェル配置を含み、コアシェル配置のシェルのシェル材料は、熱可塑性材料の融点と実質的に同様の融点を含み、コアシェル配置のコアのコア材料は、熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い融点を含み、成形された多孔質複合物品は、SAE J949_200904によって試験された際、約800MPa~約2000MPaの機械方向における曲げ弾性率および約500MPa~約1300MPaの横断方向における曲げ弾性率を含む。
【0025】
追加の態様、例、実施形態、および構成は、以下でより詳細に記載される。
【0026】
特定の態様、実施形態、および例は、以下の添付の図を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】いくつかの例による、コアシェル繊維配置の例解である。
図2】特定の実施形態による、並列繊維配置の例解である。
図3A】いくつかの例による、シェルを有する並列繊維配置の各々の例解である。
図3B】いくつかの例による、シェルを有する並列繊維配置の各々の例解である。
図4】いくつかの例による、コア層の例解である。
図5】いくつかの例による、コア層を生成するために使用することができるプロセスを示す。
図6】特定の例による、コア層を生成するために使用することができる別のプロセスを示す。
図7】いくつかの例による、コア層およびスキン層を含む物品の例解である。
図8】いくつかの例による、コア層および2つのスキン層を含む物品の例解である。
図9】いくつかの例による、コア層、スキン層、および装飾層を含む物品の例解である。
図10】いくつかの例による、自動車のヘッドライナの例解である。
図11】いくつかの例による、自動車のリアトリムピースの例解である。
図12】いくつかの実施形態による、家具物品の例解である。
図13】いくつかの実施形態による、家具物品の別の例解である。
図14】いくつかの実施形態による、家具物品の別の例解である。
図15】いくつかの実施形態による、家具物品の別の例解である。
図16】ハイブリッド軽量強化熱可塑性シートを使用して生成された成形部品の写真を示す。
図17】いくつかの試料について、機械方向(MD)および横断方向(CD)において測定された引張弾性率を示すグラフである。
図18】いくつかの試料について、機械方向(MD)および横断方向(CD)において測定された引張強度を示すグラフである。
図19A】様々な試料について機械方向におけるピーク荷重を比較するグラフである。
図19B】様々な試料について横断方向におけるピーク荷重を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図中の描写および層は、単に例解目的で提供されていることが当業者によって認識されるであろう。固有の厚さ、材料、寸法などは、その固有の例解に関連して本明細書の説明に明確に記載されない限り、暗示または要求されることを意図するものではない。
【0029】
改善された特性を提供するために熱可塑性材料と異なる繊維の組み合わせを含む複合物品の特定の例が、本明細書に記載される。いくつかの例では、ピーク荷重、剛性、曲げ強度、および曲げ弾性率のうちの1つ以上が、改善され得る。
【0030】
特定の実施形態では、本明細書で生成される物品は、特定の場合において、軽量強化熱可塑性(LWRT)物品として記載される。概して、物品は、熱可塑性材料、強化繊維、二成分繊維、および任意選択的にロフト剤から形成されたウェブを含むコア層を含む。組み合わされた材料の存在は、強化された特性を支援することができる。
【0031】
特定の構成では、コア層の二成分繊維は、多くの異なる方法で配置することができる2つ以上の異なる材料を含み得る。例えば、二成分繊維は、コアシェル配置、並列配置、またはシェルが繊維の並列配置を取り囲む状態のこれらの配置の組み合わせとして構成することができる。異なる繊維は、繊維を生成するために使用されるものと同様の方式で、押出、共押出、延伸、または生成することができる。いくつかの例では、生成された繊維は、別の材料でコーティングして、コア繊維の周りにシェルを提供することができる。シェル中に複数の繊維が存在する場合、繊維は、同軸であり得、例えば、ねじられないままであるか、または所望の際に交差またはねじられてもよい。
【0032】
図1を参照すると、二成分繊維のコアシェル配置を通る断面を示す例解が、示される。二成分繊維100は、シェル材料120によって囲まれたコア材料110を含む。構成要素110、120の各々は、真の意味で繊維ではないかもしれないが、コア110およびシェル120の材料が共に繊維を形成する。代替的に、材料110、120の各々は、繊維と見なすことができる。シェル材料120は、コア材料110を完全に取り囲むか、または対称である必要はない。何らかの固有の理論に拘束されることを望むものではないが、シェル材料120は、コア層を生成するために使用される熱可塑性材料、例えば、熱可塑性樹脂と互換性があるように選択される。例えば、シェル材料120の融点は、コア層の熱可塑性材料の融点とほぼ同じであるか、または同じであり得る。いくつかの例では、シェル材料120および熱可塑性材料の融点は、摂氏約1度~約10度異なる場合があり、材料は、依然として適合性があると見なすことができる。
【0033】
特定の実施形態では、コア材料110は、典型的には、シェル材料120および熱可塑性材料よりも高い融点を含む。例えば、コア層が形成される際、シェル材料120および熱可塑性材料は、コア層のウェブを形成するために溶融され、または軟化される場合がある。コア材料110は、典型的には固体のままであり、コア層を形成するための材料の処理中に、任意の実質的な程度まで溶融して軟化することはない。
【0034】
特定の例では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏15度高い。いくつかの例では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い。他の例では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏25度高い。他の例では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏30度高い。特定の例では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏35度高い。特定の実施形態では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏40度高い。他の実施形態では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏45度高い。他の実施形態では、コア材料110の融点は、シェル材料120の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏50度高い。
【0035】
特定の構成では、シェル120およびコア110中に存在する材料は、同じ材料ではない。例えば、シェル材料120は、ポリオレフィンを含み得、コア材料110は、シェル材料120のポリオレフィンの融点よりも高い融点を有する材料を含み得る。他の場合では、コア材料110は、ポリエステル、ポリアミド、またはコポリアミドを含み得、シェル材料120は、コア材料110中のポリエステル、ポリアミド、またはコポリアミドの融点よりも低い融点を有する材料を含み得る。追加の例では、シェル材料120は、ポリオレフィンを含み得、コア材料110は、ポリエステル、ポリアミドまたはコポリアミドを含み得る。いくつかの例では、シェル材料120は、ポリオレフィンを含み、コア材料110は、ポリエステルを含む。他の例では、シェル材料120は、ポリオレフィンを含み、コア材料110は、ポリアミドを含む。いくつかの例では、シェル材料120は、ポリオレフィンを含み、コア材料は、コポリアミドを含む。
【0036】
いくつかの例では、シェル材料120のポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または他のオレフィン系ポリマーおよびコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、シェル120のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリオレフィンと見なされてもよい。例えば、シェル120のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であり得る。正確な材料特性は変動し得るが、線状低密度ポリエチレンは、約0.91g/cm3~約0.94g/cm3の密度を含み得る。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏15度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏20度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEのうち、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏25度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏30度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏35度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏40度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏45度低い場合がある。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏50度低い場合がある。
【0037】
他の例では、コア材料110は、テレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルを含み得る。例えば、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはポリナフタレンテレフタレートであり得る。特定の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、コア材料110中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、コア材料110は、ポリアミドまたはコポリアミドを含み得る。例えば、コア材料110は、ナイロン、ナイロン66、アラミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、または他のポリアミド含有コポリマーを含み得る。特定の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、コア材料110中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、シェル材料120中の材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0039】
特定の例では、シェル材料120は、ポリエチレン、例えば、LLDPEを含み得、コア材料110は、ポリエステルまたはポリアミドを含み得る。例えば、コア材料110は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、またはそれらの組み合わせを含み得る。特定の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、コア材料110中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料120中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0040】
他の場合では、LWRT物品に存在する二成分繊維は、左右の繊維配置を含み得る。図2を参照すると、二成分繊維の並列繊維配置を通る断面を示す例解が、示される。二成分繊維200は、第2の繊維220の側面に配置された第1の繊維210を含む。繊維210、220は、互いの周りでねじることができるか、またはねじられていないままであり、繊維200全体にわたって互いにほぼ同軸に走ってもよい。何らかの固有の理論に拘束されることを望むものではないが、繊維210、220のうちの一方の材料の融点は、典型的には、コア層の熱可塑性材料の融点とほぼ同じであるか、または同じである。いくつかの例では、繊維210、220および熱可塑性材料のうちの1つの融点は、摂氏約1度~約10度異なる場合があり、材料は、依然として適合性があると見なすことができる。
【0041】
特定の実施形態では、繊維210は、典型的には、他の繊維220および熱可塑性材料よりも高い融点を含む。例えば、コア層が形成される際、繊維220および熱可塑性材料は、コア層のウェブを形成するために溶融され、または軟化される場合がある。繊維210は、典型的には、固体のままであり、コア層を形成するための材料の処理中に、任意の実質的な程度まで溶融して軟化することはない。特定の例では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏15度高い。いくつかの例では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏20度高い。他の例では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏25度高い。他の例では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏30度高い。特定の例では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏35度高い。特定の実施形態では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏40度高い。他の実施形態では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏45度高い。他の実施形態では、繊維210の融点は、繊維220の融点または熱可塑性材料の融点よりも少なくとも摂氏50度高い。
【0042】
特定の構成では、繊維210、220中に存在する材料は、同じ材料ではない。例えば、繊維220は、ポリオレフィンを含み得、繊維210は、シェル材料120のポリオレフィンの融点よりも高い融点を有する材料を含み得る。他の場合では、繊維210は、ポリエステル、ポリアミド、またはコポリアミドを含み得、繊維220は、繊維210中のポリエステル、ポリアミド、またはコポリアミドの融点よりも低い融点を有する材料を含み得る。追加の例では、繊維220は、ポリオレフィンを含み得、繊維210は、ポリエステル、ポリアミド、またはコポリアミドを含み得る。いくつかの例では、繊維220は、ポリオレフィンを含み、繊維210は、ポリエステルを含む。他の例では、繊維220は、ポリオレフィンを含み、繊維210は、ポリアミドを含む。いくつかの例では、繊維220は、ポリオレフィンを含み、繊維210は、コポリアミドを含む。
【0043】
いくつかの例では、繊維220のポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または他のオレフィン系ポリマーおよびコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、繊維220のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリオレフィンと見なされてもよい。例えば、繊維220のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であり得る。正確な材料特性は変動し得るが、線状低密度ポリエチレンは、約0.91g/cm3~約0.94g/cm3の密度を含み得る。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏15度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏20度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏25度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、コア材料110の融点よりも少なくとも摂氏30度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏35度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏40度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏45度低い場合がある。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維210の融点よりも少なくとも摂氏50度低い場合がある。
【0044】
他の例では、繊維210は、テレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルを含み得る。例えば、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはポリナフタレンテレフタレートであり得る。特定の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、繊維210中にテレフタレートのモノマー単位を含むポリエステルの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、繊維210は、ポリアミドまたはコポリアミドを含み得る。例えば、繊維210は、ナイロン、ナイロン66、アラミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、または他のポリアミド含有コポリマーを含み得る。特定の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、繊維210中のポリアミドまたはコポリアミドの融点は、繊維220中の材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0046】
特定の例では、繊維220は、ポリエチレン、例えば、LLDPEを含み得、繊維210は、ポリエステルまたはポリアミドを含み得る。例えば、繊維210は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、またはそれらの組み合わせを含み得る。特定の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、コア繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、繊維210中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、繊維220中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0047】
図3Aを参照すると、シェルが二成分繊維の並列繊維配置を取り囲む状態の、並列繊維配置を通る断面を示す例解が示される。例えば、繊維300は、2つの繊維310、315を取り囲むシェル320を含む。図3Aでは、繊維310、315は、同じまたは同様の組成物を含み得る。例えば、繊維310、315の各々は、図1のコア材料110と関連して記載されたものと同じ材料を独立して含み得、例えば、繊維310、315の各々は、ポリアミド、ポリエステル、または他のポリマーを独立して含み得る。
【0048】
特定の実施形態では、シェル材料320は、ポリオレフィンを含み得る。いくつかの例では、シェル材料320のポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または他のオレフィン系ポリマー、およびコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、シェル320のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリオレフィンと見なされてもよい。例えば、シェル320のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であり得る。正確な材料特性は変動し得るが、線状低密度ポリエチレンは、約0.91g/cm3~約0.94g/cm3の密度を含み得る。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏15度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏20度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEのうち、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏25度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏30度低くい場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏35度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏40度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏45度低い場合がある。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維310、315の融点よりも少なくとも摂氏50度低い場合がある。
【0049】
特定の例では、繊維310、315は、ポリエステルまたはポリアミドを独立して含み得る。いくつかの場合では、繊維310、315は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、またはそれらの組み合わせを独立して含み得る。特定の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、繊維310、315中のポリエステルまたはポリアミドの融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0050】
図3Aは、同じ組成物を含み得る、2つの並列繊維を示しているが、この構成は必要ではない。例えば、図3Bを参照すると、シェル370によって囲まれた繊維360、365の並列配置が示される。繊維360、365は、互いに同じ組成物を有する必要はないが、繊維360、365の各々の融点は、典型的には、繊維配置350におけるシェル370の融点よりも高い。一構成では、繊維360、365のうちの一方は、以下に述べる強化繊維、例えば、ガラス繊維、グラファイト繊維、炭素繊維などの無機繊維であり、繊維360、365のうちの他方は、例えば、1つ以上の共有結合した炭素水素基を含む、有機繊維である。無機繊維および有機繊維をシェルにパッケージ化することにより、コア層を形成するための材料の処理中の繊維追加が、簡素化され得る。他の例では、繊維360、365は、各々異なる組成物を有する有機繊維であり得る。
【0051】
特定の実施形態では、シェル材料370は、ポリオレフィンを含み得る。いくつかの例では、シェル材料370のポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、または他のオレフィン系ポリマー、およびコポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、シェル370のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリオレフィンと見なされてもよい。例えば、シェル370のポリオレフィン材料は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)または低密度ポリエチレン(LDPE)であり得る。正確な材料特性は変動し得るが、線状低密度ポリエチレンは、約0.91g/cm3~約0.94g/cm3の密度を含み得る。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏15度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏20度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEのうち、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏25度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏30度低くい場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏35度低い場合がある。特定の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏40度低い場合がある。他の例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏45度低い場合がある。いくつかの例では、LLDPEまたはLDPEの融点は、繊維360、365の融点よりも少なくとも摂氏50度低い場合がある。
【0052】
特定の例では、繊維360、365は、ポリエステルまたはポリアミドを独立して含み得るか、または繊維360、365のうちの一方は、無機強化繊維であってもよい。いくつかの場合では、繊維360、365は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、またはそれらの組み合わせを独立して含み得る。特定の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも15度高くてもよい。いくつかの例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも20度高くてもよい。特定の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも25度高くてもよい。他の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも30度高くてもよい。特定の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料320中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも35度高くてもよい。いくつかの例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも40度高くてもよい。他の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも45度高くてもよい。追加の例では、繊維360、365中の材料の融点は、シェル材料370中のポリエチレン材料の融点よりも少なくとも50度高くてもよい。
【0053】
特定の実施形態では、図4を参照すると、熱可塑性材料、強化繊維、二成分繊維、およびロフト剤を含むコア層410が示される。以下でさらに考察されるように、これらの材料の組み合わせは、改善された機械的特性を提供することができる。すべての構成に当てはまるわけではないが、ロフト剤は、典型的に、コア層410の空隙または細孔内に閉じ込められる。コア層410は、第1に、概してコア層410に対する前駆体であり、必ずしも完全に形成されるとは限らないプリプレグとして形成され得る。例解を容易にするために、コア層は、以下に記載されるが、コア層の特性もまた、プリプレグと同じであり得る。コア層410は、ガスがコア層を通って流れることを可能にする多孔質構造を含む。例えば、コア層は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%、またはこれらの例示的な範囲内の任意の例示的な値の空隙含有率または多孔率を含み得る。いくつかの場合では、コア層410は、0%を超える、例えば完全に固結していない最大約95%の多孔率または空隙含有率を含む。別様に指示がない限り、特定の空隙含有率または多孔率を含むコア層への言及は、コア層の総体積に基づくものであり、また、必ずしもコア層に、コア層に結合された任意の他の材料または層を加えた総体積とは限らない。
【0054】
特定の実施形態では、コア層410にポリマー二成分繊維を含めることにより、改善された機械的特性が、達成され得る。例えば、コア層410中の強化繊維の量を増加させることは、多くの場合、特定の機械的特性を低下させる可能性がある。コア層における二成分繊維の包含は、例えば、選択された成形厚さに関するピーク荷重値、剛性値、曲げ強度値、および曲げ弾性率値のうちの1つ以上を改善することができる。これらの値は、例えば、2009年4月付けのSAEJ949(SAEJ949_200904とも呼ばれる)を使用して測定することができる。簡単に言うと、使用したSAEJ949プロトコルは、試料を3点曲げ試験にかけ、様々な性能値を測定する。
【0055】
特定の実施形態では、コア層410の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、およびポリ塩化ビニル、可塑化および無可塑化の両方、ならびにこれらの材料の互いとの配合物または他のポリマー材料との配合物、のうちの1つ以上を、少なくとも部分的に含み得る。他の好適な熱可塑性としては、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、およびシリコーン、ならびにこれらの材料の互いとの合金および配合物または他のポリマー材料が挙げられるが、これらに限定されない。コア層を形成するために使用される未使用の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態、または他の好適な形態で使用され得る。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が、本明細書に記載されているが、例えば米国特許出願公開第2013/0244528号および同第2012/0065283号にも記載されている。コア層410中に存在する熱可塑性材料の厳密な量は、変動し得、例示的な量は、約20重量%~約80重量%の範囲である。本明細書に記載のように、コア層410の材料は、その融点が二成分繊維中の材料のうちの1つとほぼ同じであり、二成分繊維中の別の材料の融点未満であるように選択することができる。熱可塑性材料に関する例示的な融点範囲は、限定されるものではないが、摂氏約120度~摂氏約260度を含む。所望の場合、摂氏100度~摂氏315度で溶融する熱可塑性材料をまた、使用することができる。
【0056】
特定の例では、本明細書に記載されるコア層の強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、例えば、パラアラミド繊維およびメタアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、もしくは繊維としての使用に好適である任意の高メルトフローインデックス樹脂などの特に高弾性率の有機繊維、麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ、およびセルロース系繊維などの天然繊維、玄武岩、ミネラルウール(例えば、ロックウールもしくはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、もしくはこれらの混合物などの鉱物繊維、金属繊維、金属化天然繊維ならびに/もしくは合成繊維、セラミック繊維、糸繊維、またはこれらの混合物を含むことができる。いくつかの場合において、1タイプの強化繊維が、例えば、溶融鉱物を紡糸または延伸することによって形成された繊維などの鉱物繊維と共に使用され得る。例示的な鉱物繊維としては、鉱物ウール繊維、グラスウール繊維、ストーンウール繊維、およびセラミックウール繊維が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの例では、強化繊維は、無機繊維、例えば、共有結合した炭素-水素基を含まない繊維であるように選択することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、前述の強化繊維のうちのいずれかは、繊維に所望の官能基を提供するために、もしくは他の物理的特性を付与するために、使用前に化学的に処理され得る。コア層中の総繊維含有率は(強化繊維+二成分繊維)は、コア層の約20重量%~約90重量%、より具体的には、コア層の約30重量%~約70重量%であり得る。典型的に、コア層を含む複合物品の総繊維含有率は、複合体の約20重量%~約90重量%、より具体的には、約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%で変動する。使用される強化繊維の固有のサイズおよび/または配向は、使用されるポリマー材料および/または得られたコア層の所望の特性に少なくとも部分的に依存し得る。好適な追加の繊維のタイプ、繊維のサイズ、および量は、本開示の利益を踏まえて、当業者によって容易に選択されるであろう。非限定的な例解では、コア層を提供するための熱可塑性材料中に分散された強化繊維は、概して、約5マイクロメートルよりも大きい、より具体的には、約5マイクロメートル~約22マイクロメートルの直径、および約5mm~約200mmの長さを有する。より具体的には、強化繊維の直径は、約5マイクロメートル~約22マイクロメートルであり得、繊維の長さは、約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成では、難燃性材料は、繊維形態で存在し得る。例えば、コア層は、熱可塑性材料、強化繊維、二成分繊維、および難燃性材料を含む繊維を含み得る。
【0058】
いくつかの構成では、コア層410は、特定の用途のための有害物質の要件に関する規制に適合するために、実質的にハロゲンを含まない、またはハロゲンを含まない層であり得る。他の場合では、コア層410は、(難燃性材料中に存在し得るか、または追加で難燃性材料に添加され得る)ハロゲン化難燃剤、例えば、F、Cl、Br、I、およびAtのうちの1つ以上、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネート、またはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-、もしくはテトラハロ-ポリカーボネートを含む、ハロゲン化難燃剤などを含み得る。いくつかの場合では、コア層410中で使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤の追加を伴うことなくある程度の難燃性を付与するために、1つ以上のハロゲンを含み得る。例えば、熱可塑性材料は、難燃性材料が存在することに加えて、ハロゲン化され得るか、または未使用の熱可塑性材料は、ハロゲン化されてそれ自体で使用され得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量パーセント~約40重量パーセント、より具体的には、約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約15重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2つの異なるハロゲン化難燃剤が、コア層410に添加されてもよい。他の場合では、例えばN、P、As、Sb、Bi、S、Se、およびTeのうちの1つ以上を含む難燃剤などの、非ハロゲン化難燃剤を添加することができる。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得、そのためコア層410は、より環境に優しいものにすることができる。非ハロゲン化難燃剤または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は、望ましくは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在する。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(プリプレグの重量に基づいて)約0.1重量パーセント~約40重量パーセント、より具体的には、コア層の重量に基づいて、約5重量パーセント~約40重量パーセント、例えば約5重量パーセント~約15重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2つの異なる実質的にハロゲンを含まない難燃剤が、コア層410に添加され得る。特定の場合では、本明細書に記載されるコア層410は、1つ以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて、1つ以上のハロゲン化難燃剤を含み得る。2つの異なる難燃剤が存在する場合、2つの難燃剤の組み合わせは、存在する他の構成要素に応じて変動し得る難燃剤の量で存在することができる。例えば、存在する難燃剤の総重量は、(プリプレグまたはコアの重量に基づいて)約0.1重量パーセント~約40重量パーセント、より具体的には、コア層の重量に基づいて、約5重量パーセント~約40重量パーセント、例えば、約2重量パーセント~約14重量パーセントであり得る。本明細書に記載されるコア層中で使用される難燃剤は、(ワイヤスクリーン上もしくは他の処理構成要素上への混合物の配置の前に)熱可塑性材料、二成分繊維、および強化繊維を含む混合物に添加され得るか、またはコア層410が形成された後に添加され得る。
【0059】
本明細書に記載されるように、コア層410は、コア層の細孔または空隙中に存在するロフト剤を含み得る。ロフト剤は、熱または他の刺激にさらされると体積が増加し得る膨張可能な微小球の形態を取り得る。例えば、コア層410の厚さは、ロフト剤を膨張させることによって増加させることができる。コア層410中に存在するロフト剤の正確な量は、変動し得、例示的な量は、限定されるものではないが、約0.5重量パーセント~約30重量パーセントを含む。
【0060】
特定の実施形態では、本明細書に記載のコア層中の二成分繊維の正確な量は、変動し得る。概して、コア層中の二成分繊維の重量パーセントは、約2重量パーセントから約30重量パーセントまで変動し得る。いくつかの例では、ほぼ同量の二成分繊維および強化繊維が、コア層中に存在する。いくつかの例では、コア層410の全体的な坪量は、約500gsmから約3500gsmまで変動し得る。いくつかの例では、好適な機械的特性を備えたより軽いコア層が、全体の重量を低減するためにより望ましい場合があり、例えば、コア層410の坪量は、約750gsmから約1500gsmまたは約750gsmから約1250gsmまで変動する可能性がある。
【0061】
特定の実施形態では、本明細書に記載のコア層および/または物品は、概して、図5に示されるように、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料を使用して調製することができる。コア層を生成するために、熱可塑性材料、強化繊維、二成分繊維、ロフト剤、および任意選択的に他の材料は、工程510において、インペラが取り付けられたオープントップ混合タンク内に収容された分散発泡体に添加または計量されて、材料の水性分散液を提供することができる。何らかの固有の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体の閉じ込められた空気ポケットの存在は、強化繊維、二成分繊維、熱可塑性材料、ロフト剤、および任意の他の材料の分散に役立ち得る。いくつかの例では、繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料の分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ区分の上に位置付けられたヘッドボックスにポンプ移送され得る。例えば、水性混合物は、工程520において、移動するワイヤスクリーンまたは他の支持要素上に堆積させることができる。次いで、分散した混合物が圧力を使用してワイヤスクリーンなどの移動支持体に提供され、ウェブ中にロフト剤が閉じ込められた状態の均一な繊維状の湿式ウェブを連続的に生成する際に、発泡体、繊維ではなく、ロフト剤、または熱可塑性材料が、除去され得る。湿式ウェブは、工程530においてコア層を提供するために、好適な温度で乾燥機を通過させて、含水量を低減させ、熱可塑性材料および二成分繊維の少なくとも1つの材料を融解または軟化させることができる。熱いウェブが乾燥機を出るとき、例えば、テクスチャ化されたフィルムなどの任意選択的な表面またはスキン層は、強化繊維、二成分繊維、熱可塑性材料、ロフト剤、およびテクスチャ化されたフィルムのウェブを、一式の加熱されたローラのニップを通じて通過させることによってウェブ上に積層され得る。所望の場合、例えば、別のフィルム層、スクリム層などの追加の層はまた、ウェブの一方の側面または両方の側面にテクスチャ化されたフィルムと共に取り付けられて、生成された複合体の取り扱いを容易にし得る。次いで、複合体は、テンションロールを通過し、後で最終複合物品に形成するために、所望のサイズに連続的に切断(裁断)され得る。そのような複合体の調製に関するさらなる情報は、そのような複合体の形成に使用される好適な材料および処理条件も含めて、例えば、米国特許第6,923,494号、同第4,978,489号、同第4,944,843号、同第4,964,935号、同第4,734,321号、同第5,053,449号、同第4,925,615号、同第5,609,966号、ならびに米国特許出願公開第US2005/0082881号、同第US2005/0228108号、同第US2005/0217932号、同第US2005/0215698号、同第US2005/0164023号、および同第US2005/0161865号に記載される。
【0062】
別の構成では、本明細書に記載のコア層および/または物品は、概して、図6に示されるように、強化繊維、二成分繊維、および熱可塑性材料を使用して調製することができる。コア層を生成するために、熱可塑性材料、強化繊維、二成分繊維、および任意選択的に、他の材料は、工程610において、インペラが取り付けられたオープントップ混合タンク内に収容された分散発泡体に添加または計量されて、水性分散液を提供することができる。何らかの固有の理論に拘束されることを望むものではないが、発泡体の閉じ込められた空気ポケットの存在は、強化繊維、二成分繊維、熱可塑性材料、および任意の他の材料の分散に役立ち得る。いくつかの例では、繊維および熱可塑性材料の分散混合物は、分散マニホールドを介して、抄紙機のワイヤ区分の上に位置付けられたヘッドボックスにポンプ移送され得る。例えば、水性混合物は、工程620において、移動するワイヤスクリーンまたは他の支持要素上に堆積させて、湿式ウェブを提供することができる。次いで、分散した混合物が圧力を使用してワイヤスクリーンなどの移動支持体に提供され、均一な繊維状の湿式ウェブを連続的に生成する際に、発泡体、繊維ではなく、または熱可塑性材料が、除去され得る。次いで、ロフト剤は、工程625において湿式ウェブの上部に堆積または噴霧されて、ロフト剤を含む湿式ウェブを提供することができる。堆積したロフト剤を含む湿式ウェブは、工程630においてコア層を提供するために、任意選択的に真空下で、または好適な温度で圧力および熱を加えることによって乾燥機を通過させて、水分含有量を低減し、熱可塑性材料および二成分繊維のうちの少なくとも1つの材料を溶融または軟化させることができる。熱いウェブが乾燥機を出るとき、例えば、テクスチャ化されたフィルムなどの任意選択的な表面またはスキン層は、強化繊維、二成分繊維、熱可塑性材料、ロフト剤、およびテクスチャ化されたフィルムのウェブを、一式の加熱されたローラのニップを通じて通過させることによってウェブ上に積層され得る。所望の場合、例えば、別のフィルム層、スクリム層などの追加の層はまた、ウェブの一方の側面または両方の側面にテクスチャ化されたフィルムと共に取り付けられて、生成された複合体の取り扱いを容易にし得る。次いで、複合体は、テンションロールを通過し、後で最終複合物品に形成するために、所望のサイズに連続的に切断(裁断)され得る。
【0063】
特定の実施形態では、本明細書に記載のコア層は、スキン層と共に使用されて、複合物品を提供することができる。図7を参照すると、スキン層720は、複合物品700を提供するためにコア層410の第1の表面上に配設されているように示される。スキン層720は、例えば、フィルム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、フリム(frim)(フィルム+スクリム)、箔、織布、不織布を含み得るか、またはコア層上に配設された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、層720は、1996年のISO 4589によって測定されたように、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。スキン層720として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。層720として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール類、およびエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。層720として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含有するミネラルを含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。層720として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含み得る。所望の場合、中間層(図示せず)は、コア層とスキン層720との間に存在することができる。例えば、接着剤層または他の材料の層は、コア層410とスキン層720との間に存在することができる。
【0064】
いくつかの例では、複合物品はまた、コア層の別の表面上に配設された第2のスキン層を含んでもよい。図8を参照すると、複合物品800は、コア層410を挟持するスキン層720、820を含んで示される。層820は、層720と同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの場合では、層820は、例えば、フィルム、スクリム(例えば、繊維系スクリム)、フリム(フィルム+スクリム)、箔、織布、不織布を含み得るか、またはコア層上に配設された無機コーティング、有機コーティング、もしくは熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、層820は、1996年のISO 4589によって測定されたように、約22よりも大きい限界酸素指数を含むことができる。層820として(またはその一部として)繊維系スクリムが存在する場合、繊維系スクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、および金属化無機繊維のうちの少なくとも1つを含み得る。層820として(またはその一部として)熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール類、およびエポキシのうちの少なくとも1つを含み得る。層820として(またはその一部として)無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti、およびAlから選択されるカチオンを含有するミネラルを含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム、およびモルタルのうちの少なくとも1つを含み得る。層820として(またはその一部として)不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性結合剤、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維、および金属化合成繊維を含み得る。所望の場合、中間層(図示せず)は、コア層とスキン層820との間に存在することができる。例えば、接着剤層または他の材料の層は、コア層410とスキン層820との間に存在することができる。
【0065】
特定の構成では、複合物品は、コア層の表面またはスキン層上に配設された装飾層を含むことができる。図9を参照すると、物品900は、スキン層720上に配設された装飾層830を含み、示される。図示されていないが、装飾層は、コア層410の反対側の表面上に配設することができ、または図8に示されるスキン層820上に配設することができる。いくつかの例では、装飾層930は、装飾層、テクスチャ化層、着色層などとして構成され得る。例えば、装飾層930は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層930はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成された発泡体コアを含む、多層構造体であってもよい。布地は、天然繊維および合成繊維、ニードルパンチ加工または同類の加工後の有機繊維不織布、起毛織物、ニット商品、フロック布地、または他のそのような材料から作製された織布などの、発泡体コアに接着することができる。布地はまた、感圧接着剤、ならびにポリアミド、改質ポリオレフィン、ウレタン、およびポリオレフィンなどのホットメルト接着剤を含む熱可塑性接着剤で、発泡体コアに結合させることもできる。装飾層930はまた、スパンボンド、熱ボンド、スパンレース、メルトブロー、湿式レイドプロセス、および/または乾式レイドプロセスを使用して生成されてもよい。絶縁層または吸音層はまた、本明細書に記載の物品の1つ以上の表面に結合され得、絶縁層または吸音層は、所望の場合、開口開放されるか、または閉鎖される、例えば、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体であり得る。
【0066】
特定の実施形態では、本明細書に記載のLWRT物品は、具体的な厚さに成形することができる。すべての場合に必ずしも当てはまるわけではないが、成形温度は、ロフト剤の全体積を増加させるために選択することができ、これにより、LWRT物品の厚さを増加させることができる。ロフト剤を伴わないLWRT物品はまた、LWRT物品の形成中に圧縮された場合、成形中にある程度ロフトすることもできる。正確な成形厚さは、所望の際に変動し得、典型的な成形厚さは、他の成形厚さをまた使用することもできるが、機械方向および横断方向において約1cm~約10cmまで変動する。
【0067】
特定の実施形態では、本明細書に記載のように、LWRT物品のコア層における二成分繊維、強化繊維、ロフト剤、および熱可塑性材料の存在は、選択された成形厚さに対して改善された機械的特性を提供することができる。
【0068】
特定の実施形態では、コア層およびスキン層を含むLWRT物品は、機械方向および横断方向において1.5cm~4cmの成形厚さでSAEJ949_200904によって測定された際、機械方向において約10N/cm~約40N/cm、および横断方向において約5N/cm~約30N/cmのピーク荷重値を含み得る。
【0069】
特定の実施形態では、コア層およびスキン層を含むLWRT物品は、機械方向および横断方向において1.5cm~4cmの成形厚さでSAEJ949_200904によって測定された際、機械方向において約6N/cm~約50N/cm、および横断方向において約3N/cm~約30N/cmの剛性値を含み得る。
【0070】
特定の実施形態では、コア層およびスキン層を含むLWRT物品は、機械方向および横断方向において1.5cm~4cmの成形厚さでSAEJ949_200904によって測定された際、機械方向において約6N/m2~約20N/m2、および横断方向において約4N/m2~約12N/m2の曲げ強度値を含み得る。
【0071】
いくつかの例では、コア層およびスキン層を含むLWRT物品は、機械方向および横断方向において1.5cm~4cmの成形厚さでSAEJ949_200904によって測定された際、機械方向において約800N/m2~約1800N/m2、および横断方向において約500N/m2~約1600N/m2の曲げ弾性率を含み得る。
【0072】
特定の実施形態では、本明細書に記載のコア層および物品は、例えば、ヘッドライナ、リアウィンドウトリム、トランクトリム、オフィスパーティションパネル、キャビネットバックパネル、自動車内装パネル、または他の自動車内装物品などの、建築および自動車用途において使用することができる。
【0073】
特定の実施形態では、図10を参照すると、本明細書に記載の物品は、車両のヘッドライナ内存在することができる。例示的な車両は、限定されるものではないが、自動車、トラック、電車、地下鉄、RV車、航空機、船、潜水艦、宇宙船、および人または貨物を輸送することができる他の車両を含む。いくつかの場合では、ヘッドライナは、典型的には、少なくとも1つのプリプレグ、または二成分繊維、強化繊維、熱可塑性材料、ロフト剤、1つ以上の任意選択的なスキン層、およびコア層上、またはスキン層上に配設された装飾布などの装飾層を含むコア層を含む。装飾層はまた、審美的および/または視覚的に心地よいことに加えて、任意選択的に、発泡体、断熱材または他の材料を含み得る。ヘッドライナの上面図の例解が、図10に示される。ヘッドライナ1000は、例えば、サンルーフ、ムーンルーフなどのための、本体1010および開口部1020を備える。ヘッドライナ1010の本体は、本明細書に記載の1つ以上のコア層を使用し、かつ装飾布がコア層の表面上に配置され、所望の型でプレスして、物品を所望の形状のヘッドライナに変換する、成形機を使用して、生成され得る。次いで、開口部1020は、ヘッドライナ1000をトリミングすることによって提供され得る。ヘッドライナの視認不可能な表面、例えば、車両の屋根に対して設置する表面は、所望の際、1つ以上の追加の層または接着剤を含んでもよい。ヘッドライナの全体的な形状および幾何学形状は、ヘッドライナが結合される車両の面積に基づいて、選択され得る。例えば、ヘッドライナの長さは、フロントガラスからリアガラスにまたがるようにサイズ決定および配置することができ、ヘッドライナの幅は、車両の左側から車両の右側にまたがるようにサイズ決定および配置することができる。いくつかの例では、ヘッドライナ1000のコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維および二成分繊維(集合的に)および20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含み得る。他の実施形態では、強化繊維は、ガラス繊維を含み、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含む。二成分繊維は、本明細書に記載されるようなコアシェル配置または他の配置を含み得る。いくつかの例では、自動車のヘッドライナは、コア層に関連して本明細書で論じられるように、ピーク荷重値、剛性値、曲げ強度値、および/または曲げ弾性率値を提供し得る。
【0074】
特定の場合では、コア層を使用して、パネル、トリムピースなどを含む他の自動車の内装構成要素を製造することもできる。リアウィンドウトリム1100(上面図)の例解が、図11に示される。トリム1100は、任意選択的に、スキン層および/または装飾層を備えた、本明細書に記載のコア層のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの例では、トリムピースなどの自動車構成要素のコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維および二成分繊維(集合的に)ならびに20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含み得る。他の実施形態では、強化繊維は、ガラス繊維を含み、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含む。二成分繊維は、本明細書に記載されるようなコアシェル配置または他の配置を含み得る。いくつかの例では、自動車のトリムまたは内装構成要素は、コア層に関連して本明細書で論じられるように、ピーク荷重値、剛性値、曲げ強度値、および/または曲げ弾性率値を提供し得る。
【0075】
他の構成では、本明細書に記載の二成分繊維は、家具などの非自動車物品で使用することができる。例えば、図12を参照すると、上面1110、前面1210に結合された側面1212、1214、および側面1212、1214に結合された背面1220を含む、ディスプレイキャビネット1200が示される。表面1210、1212、1214、および1220は、共にユーザがアクセス可能な内部貯蔵領域を形成する。示されていないが、キャビネット1200は、前面、例えば、キャビネットの内容物を見るためのガラス表面または他の材料を含み得る。代替的に、ドアまたは他のデバイスは、キャビネット1200に取り付けて、キャビネット1200内の内容物を視界から遮蔽することができる。キャビネット1200の1つ以上の表面は、TP材料、強化繊維、および二成分繊維を含むコア層を有する、LWRT物品として構成され得る。いくつかの例では、背面1220は、熱可塑性材料によって共に保持された強化繊維および二成分繊維のウェブを含むコア層を含み得る。物品1200の2つ以上の表面が層中に二成分繊維を含む場合、層は、同じ組成、厚さ、または層の数を有する必要はない。いくつかの例では、家具物品1200のコア層は、20重量%~80重量%の強化繊維および二成分繊維(集合的に)ならびに20重量%~80重量%の熱可塑性材料を含み得る。他の実施形態では、強化繊維は、ガラス繊維を含み、熱可塑性材料は、ポリオレフィンを含む。二成分繊維は、コアシェル配置または他の配置を含み得る。いくつかの例では、家具物品1200またはそのパネルは、コア層に関連して本明細書で論じられるように、ピーク荷重値、剛性値、曲げ強度値、および/または曲げ弾性率値を提供し得る。
【0076】
いくつかの構成では、家具物品は、少なくとも1つの引き出しを受容するように構成することができる。例えば、図13を参照すると、キャビネット1300は、引出し1310および背面1320を備えるように示される。背面1320は、例えば、本明細書に記載されるようなLWRT物品、例えば、二成分繊維を有するものを備え得る。キャビネット1300の他の表面はまた、本明細書に記載されるようなLWRT物品を備え得る。他の構成では、家具物品1300は、少なくとも1つのドアを受容するように構成することができる(またはそれを備えてもよい)。図14を参照すると、キャビネット1400は、ドア1410および背面1420を備える。背面1420は、例えば、本明細書に記載されるようなLWRT物品を備えてもよい。キャビネット1400の他の表面はまた、本明細書に記載のLWRT物品を備えてもよい。所望の場合、ドア1410の外面は、本明細書に記載されるようなLWRTを備えてもよい。キャビネットがドアを備える場合、ドアは、ヒンジ1412、1414によって閉鎖可能である必要はない。代わりに、ドアは、図15のキャビネット1500内に示されるように、引き戸1510として構成することができる。
【0077】
本明細書に記載の技術の態様のいくつかをさらに例解するために、特定の具体的な実施例が記載される。
【0078】
実施例1
いくつかの試料を、二成分繊維を含む複合物品の特性を判定するために、調整し、かつ試験した。試験された試料中で使用された材料、およびそれらの番号付けは、以下の表1に示される。PPは、ポリプロピレンを表す。試験されたポリマー繊維は、シェル中にLLDPEを有し、コア中にポリエチレンテレフタレートを有するコアシェル二成分繊維である。
【表1】
【0079】
実施例2
実施例1の複合物品を、異なる厚さに成形した。以下の表2は、異なる物品に関する異なる厚さのいくつかを列挙する。MDは、機械方向と一致する、試験片の経度方向を表し、CDは、機械横断方向と一致する、試験片の経度方向を表す。
【表2】
【0080】
実施例3
試験試料のピーク荷重値を、SAEJ949_200904を使用して測定した。3点曲げ試験は、試験試料のフィルム側が3点曲げ試験において荷重に向く状態で使用した。試験された試料に関する測定されたピーク荷重値は、以下の表3に示される。
【表3】
【0081】
試験されたすべての試料に関して、成形肉厚が増加する際、機械方向および横断方向におけるピーク荷重値は、概して、増加する。微小球を有する試料(ST-12244およびST-12245)と微小球を伴わない試料(ST-12242およびST-12243)のピーク荷重値を比較すると、ピーク荷重は、概して、同様の厚さの微小球系試料の方がより高い。例えば、厚さ2.6cmにおいて、990gsmのST-12242b試料は、機械方向および横断方向において、それぞれ25.2および17.0のピーク荷重値を有した。厚さ2.5cmにおいて、990gsmのST-12244a試料は、機械方向および横断方向において、それぞれ32.2および21.1のピーク荷重値を有した。同様の結果は、例えば、ST-12245aのMDおよびCDのピーク荷重値が、ST-12243cに関するMDおよびCDのピーク荷重値よりも大きい、790gsmの試料でも観察される。これらの結果は、選択された坪量および成形厚さにおいて改善されたピーク荷重を提供する、熱可塑性材料、強化繊維、ポリマー繊維、および微小球の組み合わせと一致している。
【0082】
実施例4
試験試料の剛性値を、SAEJ949_200904を使用して測定した。3点曲げ試験は、試験試料のフィルム側が3点曲げ試験において荷重に向く状態で使用した。試験された試料に関する測定された剛性値は、以下の表4に示される。
【表4】
【0083】
剛性は、概して、より少ない繊維を含んだ軽い製品ほど低くなった。微小球を有する試料(ST-12244およびST-12245)と微小球を伴わない試料(ST-12242およびST-12243)の剛性値を比較すると、剛性は、同様の厚さの微小球系試料に対して同じであるか、またはより高い。例えば、約2.6cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12242b試料は、機械方向において21.0の剛性値を有した。2.5cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12244a試料は、22.2の剛性値を有した。これらの同じ試料に関して、横断方向における剛性は、微小球の存在下で低下した。790gsmの試料に関して、ST-12245aのMDおよびCD剛性値(10.1および7.6)は、ST-12243cに関するMDおよびCD剛性値(15.1および12.7)未満である。これらの結果は、微小球がない場合と同じまたはより柔軟な物品を提供する二成分繊維および微小球と一致する。
【0084】
実施例5
試験試料の曲げ強度値を、SAEJ949_200904を使用して測定した。3点曲げ試験は、試験試料のフィルム側が3点曲げ試験において荷重に向く状態で使用した。試験された試料に関する測定された曲げ強度値は、以下の表5に示される。
【表5】
【0085】
曲げ強度は、概して、成形の厚さが増加するにつれて低下した。曲げ強度はまた、概して、より少ない繊維を含んだより軽い物品ほどより低くなった。微小球を有する試料(ST-12244およびST-12245)と微小球を伴わない試料(ST-12242およびST-12243)の曲げ強度を比較すると、曲げ強度は、同様の厚さの微小球系試料に対して同じであるか、またはより高い。例えば、約2.6cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12242b試料は、機械方向において11.3の曲げ強度を有した。2.5cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12244a試料は、15.1の曲げ強度を有した。これらの同じ試料に関して、横断方向における曲げ強度は、微小球の存在下でわずかに増加した。
790gsmの試料に関して、ST-12245aのMDおよびCD曲げ強度値(14.5および10.2)は、ST-12243cに関するMDおよびCD曲げ強度値(8.9および6.3)よりもはるかに高かった。これらの結果は、同等またはそれ以上の曲げ強度を提供する二成分繊維および微小球と一致する。
【0086】
実施例6
試験試料の曲げ弾性率値を、SAEJ949_200904を使用して測定した。3点曲げ試験は、試験試料のフィルム側が3点曲げ試験において荷重に向く状態で使用した。試験された試料に関する測定された曲げ弾性率値は、以下の表6に示される。
【表6】
【0087】
曲げ弾性率強度は、概して、成形の厚さが増加するにつれて低下した。微小球を有する試料(ST-12244およびST-12245)と微小球を伴わない試料(ST-12242およびST-12243)の曲げ弾性率を比較すると、曲げ弾性率は、同様の厚さの微小球系試料に対して同じであるか、またはより高い。例えば、約2.6cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12242b試料は、機械方向において1389.6の曲げ弾性率を有した。2.5cmの成形厚さにおいて、990gsmのST-12244a試料は、1582.8の曲げ弾性率を有した。これらの同じ試料に関して、横断方向における曲げ強度は、微小球の存在下で増加した。790gsmの試料に関して、ST-12245aのMDおよびCD曲げ弾性率値(1546.7および1204.8)は、ST-12243cに関するMDおよびCD曲げ弾性率値(1195.5および914.3)よりもはるかに高かった。これらの結果は、同等またはそれ以上の曲げ弾性率を提供する二成分繊維および微小球と一致する。
【0088】
実施例7
ガラス/二成分ポリマー繊維ハイブリッドLWRT(H-LWRT)および標準ガラス繊維LWRT(S-LWRT)シートは、同じ湿式レイドプロセスを使用することにより製造された。H-LWRT用のポリオレフィン樹脂、チョップドガラス繊維、および二成分ポリマー繊維を、水中に分散させた。十分に分散した樹脂および繊維の水性懸濁液を、ウェブ形成区分に移し、膨張剤を、連続ウェブに添加した。得られたウェブを、排水し、加熱し、表面材料(スクリムおよびフィルム)で積層させ、固めて、平らなLWRT複合シートを生成した。製造パラメータを調整することにより、様々な坪量(面密度)の材料を生成することができる。対照試料(S-LWRT)は、650g/m2の坪量を有し、これはHLWRTの坪量568g/m2よりも約14.4%重かった。
【0089】
樹脂の融点を上回り加熱された後、曲げられた繊維ならびに膨張剤/ロフト剤からの残留応力の解放に起因して、材料は、厚さが増加する。したがって、すべての材料は、3.5~7mmの厚さに成形することが可能であり、これは生成時の状態/厚さよりも厚い(表1)。図16は、試料B(H-LWRT)シートから成形された一つの例示的な部品を示す。材料は、金型内の複雑な形状に適応するための優れた成形性を示す。
【0090】
坪量(面密度)、生成時の厚さ、ガラス(灰)含有量を含む分析特性を、標準的な内部試験手順に従って測定した。厚さ3mmの試料の引張特性は、ASTM D790により測定された。厚さ3.5、4、5.5、および7mmの成形試験片の曲げ特性は、ASTM D638により評価された。表7は、S-LWRTおよびH-LWRTの物理的特性を示す。
【表7】
【0091】
対照試料のS-LWRTは、2つのH-LWRT試料よりも82g/m2(14.4%)重かった。S-LWRTは、わずかにより低い厚さを示し、わずかにより高い安定化レベルを示す。試料AおよびB(H-LWRT)は、二成分ポリマー繊維の異なる重量パーセントに起因して、異なるガラス含有量を有する。
【0092】
実施例8
表7に示される試料の引張特性を評価するために、3.5mmの厚さを有する成形プラークを、パンチプレスによってドッグボーン引張試験片に切断した。図17は、引張弾性率を示すグラフであり、図18は、試料A(H-LWRT)、試料B(H-LWRT)、および対照(S-LWRT)の引張強度を示すグラフである。引張弾性率および引張強度の両方に関して、3つの試料はすべて、機械横断方向(CD)におけるものよりも機械方向(MD)において有意に優れた結果を示す。これは、主にヘッドボックス内で発生する、機械方向に有利な繊維配向バイアスに起因する可能性がある。ヘッドボックス内の流れは、せん断および伸長の両方の混在である。複雑な流れは、壁に近いせん断を特徴とし、ドメイン全体で機械方向に向かって伸びる可能性がある。その結果、繊維は、流れ方向に向かって強く整列させることができ、MDにおけるより良い機械的性能につながる。
【0093】
試料B(H-LWRT)は、MDにおいて最高の平均引張弾性率を有するが、対照(SLWRT)は、CDにおける試料AおよびBの両方よりもわずかに大きい平均弾性率のみを示す。引張強度に関して、3つの試料すべてが、MDにおいて非常に同等の性能を示す。CDでは、試料Aは、対照と同様の結果を示し、試料Bは、他の2つよりわずかに低いだけである。特に、対照(S-LWRT)は、両方のH-LWRT試料よりも82g/m2重い。これは、引張特性を犠牲にすることのない最大82g/m2の重量減少は、二成分ポリマー繊維とガラス繊維をハイブリダイズさせることによって達成されることを意味する。特に引張特性に関して、強度は、樹脂と繊維との間の結合に大きく依存する。二成分ポリマー繊維は、マトリックス樹脂よりも融点が低い状態の成分を有する。加熱および安定化段階中、ポリマー繊維中の融点が低い成分は、溶融し、ガラス繊維表面に結合し、これは、ガラス繊維の周囲のより良い樹脂のウェットアウトに寄与すると考えられる。
【0094】
実施例9
曲げ試験を、3.5、4、5.5、および7mmに成形された試験片で実施した。図19Aおよび図19Bは、試料A(H-LWRT)、試料B(HLWRT)、および対照(S-LWRT)の間の、MDおよびCDの両方におけるピーク荷重を比較している。引張特性と同様に、MDにおけるピーク荷重の結果はまた、CDにおけるピーク荷重の結果よりも良い。多孔率の増加により、厚さが増加するにつれて、ピーク荷重は低下する。成形厚さの範囲全体を通して、3つの試料すべてが、非常に同等のピーク荷重結果を示す。これは、曲げピーク荷重を犠牲にすることのない最大82g/m2の重量減少は、二成分ポリマー繊維とガラス繊維をハイブリダイズさせることによって達成されることを示す。
【0095】
本明細書に開示される実施例の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することを意図している。「comprising(備える)」「including(含む)」および「having(有する)」という用語は、オープンエンドであり、列記された要素以外の追加的な要素が存在し得ることを意味することを意図している。当業者は、本開示の利点を考慮して、実施例の様々なコンポーネントが、他の実施例において様々なコンポーネントと交換または置換され得ることを認識する。
【0096】
特定の態様、実施例、および実施形態を上で記載してきたが、当業者は、本開示の利点を考慮して、開示される例示的な態様、構成、実施例、および実施形態の追加、置換、修正、および変更が可能であることを認識する。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B