(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】第1要素を第2要素と電気的に接続するブラシ装置、電気機械、および駆動装置
(51)【国際特許分類】
H01R 39/24 20060101AFI20240911BHJP
H02K 13/00 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H01R39/24
H02K13/00 Q
(21)【出願番号】P 2021547886
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2019077032
(87)【国際公開番号】W WO2020088889
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】102018218530.1
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ヴャチェスラフ ブルシュキフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ヤヌシェヴスキ
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-072066(JP,U)
【文献】特表2014-533082(JP,A)
【文献】特開2012-110149(JP,A)
【文献】特開2018-107853(JP,A)
【文献】特開2008-136270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 39/24
H02K 13/00
H02K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の第1要素(2A)を、前記第1要素(2A)に対して回転軸(L)を中心に回転可能な
環状の第2要素(2B)と電気的に接続するブラシ装置(1)であって、
前記ブラシ装置(1)は、前記第2要素(2B)と
全周方向位置において電気的に接触するための接触領域(1A)において、前記回転軸(L)に沿って螺旋状に延びる構造(1B、1B’、1B”)を備え、
前記構造(1B、1B’、1B”)は、前記接触領域(1A)に対して突出するブラシであることを特徴とする、ブラシ装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシ装置(1)であって、前記構造(1B、1B’、1B”)は、前記接触領域(1A)に対して突出する複数の導電性フィラメントによって構成され、前記導電性フィラメントは、前記回転軸(L)に対して螺旋状に配置されている、ブラシ装置(1)。
【請求項3】
請求項1に記載のブラシ装置(1)であって、前記構造(1B、1B’、1B”)は、前記接触領域(1A)に対して突出する少なくとも1つの固体電気導体によって構成され、前記
固体電気導体は、前記接触領域において、前記回転軸(L)に対して螺旋状に延びる表面構造を備える、ブラシ装置(1)。
【請求項4】
請求項1に記載のブラシ装置(1)であつて、前記構造(1B、1B’、1B”)は、前記接触領域(1A)に対して突出し、前記回転軸(L)に対して螺旋状に配置された少なくとも1つのリップ形状の電気導体によって構成される、ブラシ装置(1)。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のブラシ装置(1)であって、螺旋状に延びる前記構造(1B、1B’、1B”)は、単条に、または多条に構成されている、ブラシ装置(1)。
【請求項6】
回転軸(L)を中心に回転可能なロータシャフト(2B)と、前記ロータシャフト(2B)を基準電位(2A)に電気的に接続するブラシ装置(1)と、を備える電気機械(2)であって、
前記ブラシ装置(1)は、請求項1~5の何れか一項にしたがって構成されていることを特徴とする、電気機械(2)。
【請求項7】
請求項6に記載の電気機械(2)であって、前記ロータシャフト(2B)と接続されたロータが回転可能に配置されている内部空間を備え、
前記ロータシャフト(2B)は、シャフトシール(2C)において前記内部空間から突出し、
前記ブラシ装置(1)は、前記内部空間の外側で前記シャフトシール(2C)に隣接して配置されている、電気機械(2)。
【請求項8】
自動車を電気的に駆動する駆動装置であって、前記駆動装置に駆動力を供給する電気機械(2)を備え、前記電気機械(2)は、請求項6または7にしたがって構成されていることを特徴とする、駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方では、第1要素を、それに対して回転可能な第2要素と電気的に接続するブラシ装置に関する。他方では、本発明はまた、ロータシャフトを基準電位に接続するこのようなブラシ装置を備える電気機械に関する。さらに本発明は、このような電気機械を備える自動車を電気的に駆動する駆動装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受は、転がり軸受に印加される電圧によって破損する可能性があることが知られている。したがって、例えば米国特許出願公開第2010/0001602A1号(この場合、接地リングと称する)のように、ブラシ装置を用いて、回転可能に支承された部分を基準電位と接続する、特にそれらを接地することが知られている。
【0003】
ドイツ実用新案第202007008490U1号は、電気モータの軸を接地する、ねじ構造を開示する。電気モータは、回転可能な軸が取り付けられたハウジングを備える。この場合、軸の一端の周面上には、少なくとも1つの細いねじ構造が配置されている。ブラシ装置は、接地するために、細いねじ構造の側面に取り付けられている。ブラシ装置は、ブラシ、ブラシを受容する中空の位置決め体、中空の位置決め体内部に配置されたばね、から構成される。この場合、ブラシは、その前面が細いねじ構造にしっかりと当接するように、ばねによって押圧される。このようにして、軸と細いねじ構造が回転すると、搬送効果をもたらすことができる。それによって、ブラシ表面が清浄に保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2010/0001602A1号
【文献】ドイツ実用新案第202007008490U1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術を発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、主請求項の特徴によって解決される。好適な実施形態は、従属請求項において理解することができる。
【0007】
したがって、冒頭に説明したように、第1要素を、それに対して回転可能な第2要素と電気的に接続するブラシ装置が提案される。さらに、回転軸を中心に回転可能なロータシャフトと、ロータシャフトを基準電位に接続するこのようなブラシ装置と、を備える電気機械が提案される。さらに、自動車を電気的に駆動する駆動装置であって、この駆動装置に駆動力を供給するこのような電気機械を備える駆動装置が提案される。このような電気機械は、電気エネルギーを機械的な回転運動に変換する。電気機械は、特に、同期機械または非同期機械である。電気機械は、発電機および/またはモータとすることができる。
【0008】
ブラシ装置は、第1要素の第2要素との電気的な接続を確立するように機能する。第2要素は、第1要素に対して回転軸を中心に回転可能であるように構成されている。したがって、第2要素は、特に、回転可能なシャフトとすることができる。第1要素は、特に、シャフトがその中に回転可能に支承されたハウジング、またはそのようなハウジングと電気的に接続された別の構成部分とすることができる。ブラシ装置は接触領域を有する。この接触領域は、第2要素と電気的に接触するように機能する。したがって、接触領域は、第2要素への実際の電気的な接続を確立し、同時に、第2要素が回転することを可能にする。接触領域は、第2要素との摺動接触を構成する。
【0009】
提案されるブラシ装置の接触領域は、回転軸に対して螺旋状に延びる構造を備える。したがって、構造は、第2要素の回転軸に沿うねじの少なくとも1つの部分を構成する。ブラシ装置における別の接触領域は、第1要素への電気的な接続を確立するように機能することができる。
【0010】
螺旋状に延びる構造は、第2要素との接触領域に入る粒子の搬送装置としての目的を果たす。第2接触要素が回転すると、粒子を、軸方向に、すなわち回転軸に沿った方向に、接触領域から搬送することができる。したがって、ブラシ装置自体によって搬送効果がもたらされる。ドイツ実用新案第202007008490U1号の教示と比較すると、第2要素の表面も滑らかに構成することができる。したがって、第2要素を、より単純に構成し、その結果より費用対効果に優れて製造することができる。
【0011】
粒子は、ブラシ装置自体からの摩耗、または他の汚れ粒子であり得る。例えば、ブラシ装置の近傍に配置されたシールから漏れる潤滑剤であり得る。したがって、提案されるブラシ装置で、接触領域を、このような粒子をほとんど含まない状態に保つことができる。
【0012】
第2要素が好適な回転方向を有する場合、粒子が搬送されるべき方向は、螺旋状に延びる構造の回転方向によって決定することができる。したがって、粒子のための排出開口の方向を目指して粒子を搬送することができる。
【0013】
ブラシ装置は、上述の構造を構成するために、接触領域に対して突出する複数の導電性フィラメントを備えることができる。これらは、ブラシ装置の実際のブラシを構成する。したがって、ブラシ装置を意図したとおりに使用すると、これらは、2つの要素の間に実際の電気的な接続を確立する。これらのフィラメントは、回転軸に対して螺旋状に配置されている。特に、フィラメントは、この目的のために、1つまたは複数のフィラメントの列を構成する。列は、それぞれ、回転軸に対して螺旋状に配置されている。1つまたは複数の列を第2要素の全周に亘って(螺旋状に)配置することは、可能ではあるが、必ずしも必要ではない。
【0014】
導電性フィラメントを備える接地リング自体は、既知である。これらは、提案されるブラシ装置では、少なくとも1つの部分において、回転軸の周りに螺旋状に配置されており、上述の粒子に対する搬送効果を達成する。このようにして、それ自体が既知のフィラメントを用いて、回転軸に対して螺旋状に延びる構造を、単純かつ費用対効果に優れて構成することができる。
【0015】
ブラシ装置は、上述の構造を構成するために、接触領域に対して突出する少なくとも1つの固体電気導体を備えることができる。固体導体は、この場合、実際のブラシを構成する。したがって、ブラシ装置を意図したとおりに使用すると、固体導体は、2つの要素の間に実際の電気的な接続を確立する。導体は、特にグラファイトから構成される。この場合、導体は、接触領域において、回転軸に対して螺旋状に延びる表面構造を備える。特に、さらに、回転軸に対して螺旋状に延びる1つまたは複数の溝を、第2要素に対して整列された固体導体の(正面)側に設けることができる。例えば、固体導体は、この目的のために、ねじ部分を備えることができる。1つまたは複数の溝を第2要素の全周に亘って(螺旋状に)配置することは、可能ではあるが、必ずしも必要ではない。固体導体は、さらに、接触領域において回転軸に対して螺旋状に延びる突出部を備えることができる。
【0016】
固体電気導体を備える接地リング自体は、既知である。これは、提案されるブラシ装置では、少なくとも1つの部分において、回転軸の周りに螺旋状に延びる表面構造を備えて構成されており、上述の粒子に対する搬送効果を達成する。このようにして、固定導体を用いて、回転軸に対して螺旋状に延びる構造を、単純かつ費用対効果に優れて構成することができる。
【0017】
ブラシ装置は、上述の構造を構成するために、接触領域に対して突出し、回転軸に対して螺旋状に配置された少なくとも1つのリップ形状の電気導体を備えることができる。リップ形状の導体は、この場合、実際のブラシを構成する。したがって、ブラシ装置を意図した通りに使用すると、リップ形状の導体は、2つの要素の間に実際の電気的な接続を確立する。特に、第2要素に平坦に当接し、それによって電気的な接続を構成し、少なくとも1つの部分において、回転軸に対して螺旋状に配置されて、上述の粒子に対する搬送効果を達成する柔軟なリップによって、導体が構成される。このようにしても、回転軸に対して螺旋状に延びる構造を、単純かつ費用対効果に優れて構成することができる。
【0018】
螺旋状に延びる構造は、単条に、または多条に構成することができる。単条の構造では、例えば、導電性フィラメントの単一の列のみ、または単一の溝のみが、固体導体に、または回転軸の周りに螺旋状に延びる単一の導電性リップのみに設けられる。これは、1つのねじ山のみを備えるねじに相当する。多条の構造では、例えば、導電性フィラメントの複数の列、または複数の溝が、固体導体に、または相互に隣接して回転軸の周りに螺旋状に延びる複数の導電性リップに設けられる。これは、2つ以上のねじ山を備えるねじに相当する。このようにして、ブラシ装置の高い導電性と良好な搬送効果の両方を達成することができる。
【0019】
提案される電気機械は、回転軸を中心に回転可能なロータシャフトを備える。ロータシャフトは、特に、電気機械のロータと接続されており、ロータとロータシャフトの一体設計をも含む。ロータは、およびそれと共にロータシャフトも、特に、ハウジングに固定された電気機械のステータを用いて回転可能である。電気機械は、ロータシャフトを基準電位に接続するブラシ装置を備える。この基準電位は、特に、電気的グランドまたは接地である。提案される電気機械のブラシ装置は、提案されるブラシ装置によって構成されている。したがって、単純にロータシャフトを、電気的に接地させる、またはグランドと接続させることができる。この場合、ブラシ装置で扱われる第2要素は、ロータシャフトによって構成される。ブラシ装置で扱われる第1要素は、接地またはグランドによって、またはそれらと電気的に接続され、ブラシ装置が導電的に取り付けられている他の構成部分によって、構成される。これは、特に、電気機械のハウジングである。
【0020】
好適には、電気機械は、ロータシャフトと接続されたロータが回転可能に配置されている内部空間を備える。この場合、ロータシャフトは、シャフトシールにおいて内部空間から外へと向く。シャフトシールは、電気機械の内部空間を、すなわちロータシャフトにおいて外部に対してシールする。シャフトシールは、特に、ラジアルシャフトシールリングまたはラビリンスシールとして構成されている。ブラシ装置は、内部空間の外側でシャフトシールに隣接して配置されている。したがって、ブラシ装置は、電気機械のシールされた内部空間の外側で、シャフトシールから比較的短く離間して配置されている。したがって、ブラシ装置を、外側から簡単に、電気機械およびロータシャフトに取り付けることができる。
【0021】
提案される駆動装置は、自動車を電気的に駆動するように機能する。したがって、駆動装置は、自動車に駆動力を供給する電気機械を備える。駆動装置は、特に、駆動モジュールとして構成されてよく、例えば、自動車の駆動軸上に配置されるように構成されてよい。提案される駆動装置の電気機械は、提案される電気機械によって構成されており、すなわち、提案されるブラシ装置を備える。
【0022】
以下において、本発明は、本発明の更なる好適な実施形態および特徴が理解できる図面を参照して、より詳細に説明される。この場合、図は概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】ブラシ装置を備える、提案される電気機械の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面において、同一、または少なくとも機能的に同一の構成部分または要素には、同一の参照符号が付されている。
【0025】
図1によるブラシ装置1は、図示されていないハウジングなどの第1要素を、それに対して回転可能である、回転可能な軸などの第2要素と電気的に接続するように機能する。第2要素の回転軸Lは、ブラシ装置1の中心を通る。ブラシ装置は、例えば、電気機械のロータシャフトを電気機械のハウジングと電気的に接続し、それによってロータシャフトのためのグランド接続または接地を確立するために、電気機械の内部または電気機械に配置されるように構成されている。これを、例示的に
図2に示す。
【0026】
図1によれば、ブラシ装置1は、径方向内側の接触領域1Aに、回転軸に対して螺旋状に延びる構造を備える。この構造は、螺旋状の線1B、1B’、1B”によって示されている。図示のように、構造は多条(線1B、1B’、1B”)を備えることができる。しかしながら、構造は、単条(線1B、1B’、1B”のうちの1つのみ)の構造でもよい。構造は、1回または複数回、回転軸Lを完全に周回することができる。しかしながら、構造を、螺旋状の部分のみによって構成することもできる。
【0027】
構造1B、1B’、1B”は、第2要素との摺動接触を構成するように機能する。ブラシ装置1が第2要素上に取り付けられており、第1要素が接触領域1Bにおいて構造1B、1B’、1B”と電気的に接触すると、第1要素と第2要素との間に電気的接続が確立される。
【0028】
少なくとも1つの部分において、
図1に示す線1B、1B’または1B”に沿って、接触領域1Aに対して突出する一連の導電性フィラメントをブラシとして設けることによって、構造を構成することができる。代替的に、少なくとも1つの部分において、
図1に示す線1B、1B’または1B”に沿って延びる特に1つまたは複数の溝などの表面構造を備えるブラシとして、接触領域1Aに対して突出する1つまたは複数の固体電気導体を設けることによって、構造を構成することができる。代替的に、少なくとも1つの部分において、
図1に示す線1B、1B’または1B”に沿って、接触領域1Aに対して突出するリップ形状の電気導体をブラシとして設けることによって、構造を構成することができる。
【0029】
次に、第2要素は、構造に対して表面で当接する。この表面は、滑らかに構成することができる。回転すると、構造体の螺旋形状によって、接触領域1Aの粒子をブラシ装置から離れるように運ぶ搬送効果がもたらされる(線1B、1B’、1B”の経過を参照)。第2要素の回転方向および構造の回転方向に応じて、粒子は、
図1においてブラシ装置1から前方または後方のいずれかに搬送される。
【0030】
図2は、電気機械2の縦断面の一部を示す。電気機械2のハウジング2Aの一部と、ハウジング内に回転可能に支承された電気機械のロータシャフト2Bの一部と、を見ることができる。また、ロータシャフト2Bの領域で、電気機械2の内部を外部に対してシールするシャフトシール2Cも見ることができる。シャフトシール2Cは、ハウジング2A内に固定されている。ロータシャフト2Bは、電気機械2のロータと接続されており、したがって回転駆動可能である。
【0031】
シャフトシール2Cに隣接して、電気機械2の外部に、ブラシ装置1が配置されている。これは、実際のブラシとして、ロータシャフトの回転軸Lに対して螺旋状に延びる構造(符号1B、1B’)を備える。この構造は、
図2において例示的に、2つの導電性リップ、または2列の導電性フィラメントによって構成されている。
図2から分かるように、これらの構造はブラシ装置1のホルダ1Cの径方向外側領域に当接し、そこに固定されている。そこから、これらは、ブラシ装置1の接触領域1Aに対して径方向内側に突出し、そこでロータシャフト2Bに当接する。ブラシ装置1のホルダ1Cも、導電性である。例えば、これは薄鉄板から構成される。したがって、電気的な接続がロータシャフト2Bとハウジング2Aとの間に存在する。これによって、これらの間に等電位化が確立される。対応して、ロータシャフト2Bの、電気的グランドまたは電気的接地との接続を構成することができる。
【0032】
ブラシ装置1がロータシャフトの回転軸Lに対して螺旋状に延びる構造によって、ロータシャフト2Bが回転すると、接触領域1Aから粒子が効果的に搬送される。このような粒子は、接触領域1A自体の摩耗であり得る、または隣接するシャフトシール2Cでの漏れからの潤滑剤でもあり得る。
【0033】
ブラシ装置1の軸方向前方および/または後方の領域において、ロータシャフト2B上にティアオフエッジを設けることができる。これによって、粒子が接触領域1Aから搬送された後に、ロータシャフト2Bからの粒子の排出が容易になる。同様に、ブラシ装置1の軸方向前方および/または後方の領域において、ハウジング2Aに排出開口を設けることができる。これによって、このような粒子を完全に排出することが容易になる。
【符号の説明】
【0034】
1 ブラシ装置
1A 接触領域
1B 線、構造
1B’ 線、構造
1B” 線、構造
1C ホルダ
2 電気機械
2A ハウジング
2B ロータシャフト
2C シャフトシール