(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】信号対雑音比が高い光電脈波センサ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/02 20060101AFI20240911BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
A61B5/02 310B
A61B5/02 310C
A61B5/022 400F
(21)【出願番号】P 2021556457
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2019052552
(87)【国際公開番号】W WO2020194036
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-03-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521080439
【氏名又は名称】アクティーア・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】デ・マルコ・バスチアン
(72)【発明者】
【氏名】シャピュイ・ヴァランタン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィボルノヴァ・アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ファレ・シビル
(72)【発明者】
【氏名】グロサンバシェ・オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】シウトリク・ナデージュ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェーロ・エリーザ
(72)【発明者】
【氏名】ベアチ・マッティア
(72)【発明者】
【氏名】ソラ・イ・カーロス・ジョセプ・マリア
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0311856(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108606801(CN,A)
【文献】国際公開第2015/030832(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0058300(US,A1)
【文献】特開2009-082627(JP,A)
【文献】特開2014-180290(JP,A)
【文献】特表2017-510390(JP,A)
【文献】特開2007-163971(JP,A)
【文献】特開2009-211061(JP,A)
【文献】特表2013-525865(JP,A)
【文献】特開2016-147052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの身体に向けて放出光を放出するように構成された発光部と、PPG信号を提供するように前記ユーザの身体の組織から反射又は散乱された検出光を検出する光学検出部とを備える検知部と、
前記検知部とユーザの身体との間に構成される境界部であって、前記発光部から身体に向かって前記放出光が透過し、前記身体から前記光学検出部に向かって前記検出光が透過する透明な境界要素を備える前記境界部において、前記透明な境界要素が境界透過率を持つ、前記境界部と
を備えて、
前記境界部が、間隙を前記検知部と前記透明な境界要素との間に備え、前記透明な境界要素が第1屈折率を持ち、前記間隙が第2屈折率を持ち、前記第1屈折率が第2屈折率より少なくとも10%大きい、
前記ユーザの身体に接触するように構成された光電脈波(PPG)センサにおいて、
前記透明な境界要素が、
反射防止境界を備える前記透明な境界要素の反射防止境界透過率が少なくとも99%であるように構成された前記反射防止境界を備え、
前記透明な境界要素が10mmと100mmとの間の曲率半径を持ち、
前記反射防止境界が0.025μmと0.40μmの粗さRaを持つテクスチャー付与面を備え、
前記検知部が、前記発光部と前記光学検出部とが設けられてい
る基部を備え、
前記基部は、可撓性であり、
前記検知部と前記透明な境界要素との間に前記間隙を画定するように前記基部と前記透明な境界要素との間に延在している境界構造を、前記境界部が備え、
圧力が前記基部又は前記透明な境界要素の一方又は両方に加えられたときに前記基部と前記透明な境界要素との間の距離を変えられるように、前記境界構造は柔軟である、
光電脈波センサ。
【請求項2】
前記第1屈折率は、前記第2屈折率よりも20%又は30%大きい、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項3】
前記反射防止境界は、インデックスマッチングコーティングと、単層干渉コーティングと、複層干渉コーティングとのうちいずれか1つで構成されている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項4】
前記反射防止境界が、前記透明な境界要素の複数の側部の中の一側部に備えられている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項5】
前記反射防止境界は、前記透明な境界要素の複数の前記側部の中で、前記検知部に比較的近い一側部に備えられている、請求項4に記載の光電脈波センサ。
【請求項6】
前記反射防止境界は、前記透明な境界要素の複数の前記側部の中で、前記検知部に対して比較的遠い一側部に備えられている、請求項4に記載の光電脈波センサ。
【請求項7】
前記反射防止境界は、前記透明な境界要素の両側に備えられている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項8】
接触型PPGセンサ又は非接触型PPGセンサを備える、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項9】
前記境界構造は、
前記発光部及び前記光学検出部の間にある中間壁と、
前記発光部及び前記光学検出部を囲む側壁と
を備える、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項10】
前記境界構造は、前記間隙が外部環境から密閉されるように構成されている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項11】
前記境界構造は、前記放出光が、前記透明な境界要素及び前記ユーザの身体を通過せずに前記光学検出部に到達することを防止するようにさらに構成されている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【請求項12】
前記境界構造は、周囲光が前記光学検出部に到達するのを防ぐようにさらに構成されている、請求項11に記載の光電脈波センサ。
【請求項13】
腕バンド、手首、指先、耳のいずれか1つを含むユーザの身体の場所に装着されるべく構成されているか、あるいは、
ヘッドバンド、足首ブレスレット、チョーカー、リング、ヘルメット、耳栓、補聴器、ヘッドフォン、眼鏡、シャツ、ブラ、衣服、手袋、下着のパンツ、ソケット、靴、装着可能なセンサ、ユーザの皮膚に貼るパッチ、脈動信号センサのいずれかを含む装着可能装置に組み込まれるように構成されているか、あるいは、
ベッドセンサ、椅子センサ、トイレセンサ、テーブルセンサ、自動車センサ、コンピュータのマウスセンサのいずれかを含むユーザの身体(300)に接触することに決まっている装置に組み込まれるように構成されている、
請求項1から12のいずれか一項に記載の光電脈波センサ。
【請求項14】
手首に装着されて前記PPG信号からの血圧決定用に構成されている、請求項1に記載の光電脈波センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い信号対雑音比を有する光電脈波(PPG)信号を測定するためにユーザの身体に装着されるフォトプレチスモグラフィー(光電脈波、PPG)センサに関する。より具体的には、本発明は、発光部及び光学検出部を備える検知部を備えるPPGセンサに関する。ここで、検知部は、外部環境から遮蔽され、PPGセンサは、良好な組立公差で容易に製造可能である。
【背景技術】
【0002】
世界保健機関(WHO)によると、成人の3人に1人が世界中で高血圧に苦しんでいる。高血圧は、脳卒中や心不全などの重篤な合併症を引き起こすおそれがある。毎年、この病気は世界中で750万人の早死をもたらす。高血圧のパラドックスは、この状態に苦しんでいるほとんどの人が高血圧をわからないことである。
【0003】
さらに、非侵襲的血圧(BP)測定の現在の「最も標準的手法(ゴールドスタンダード)」は、腕の周りにカフを配置して実行されている。この110年前の技術はわずらわしく、自己監視を処方された患者には従いきれない。その結果、医療専門家が、この病気の診断と治療のための完全で高品質のデータを得られないことになっている。
【0004】
血圧モニタリングに最適な技術は、非侵襲的(人体への刺し込みを要しない)、非閉塞的(人体の一部周辺に圧力をかけなくてよい)、ビートツービート(心拍ごとの血圧値を測定可能)、いつでも、毎日(24時間又は7日通して)家庭環境(監視された臨床環境だけでなく、クリニックの外の実生活環境でも血圧を測定可能)で、快適(その技術のユーザになんらわずらわしさを生じないこと)であるべきである。
【0005】
このような最適BP技術の探求において、PPGをパルス波解析(PWA)技術に組み合わせることが、最近、研究機関や業界の関心事となってきている。フォトプレチスモグラフィー(PPG)は、家庭環境で24時間又は7日通して使用でき、動脈の拍動性(動脈圧パルスの到着によって生じる動脈の直径の変化)を快適に測定できる計測技術であり、PWAは、動脈の拍動パターン(心拍数や血圧など)から心臓血管の詳細な観察情報を抽出可能にする信号処理ツールである。これら2つの技術の組み合わせは、光学的血圧モニタリング(OBPM)として知られている。例えば、非特許文献1(DOI:10.1109/M PUL.2018.2856960)を参照。
【0006】
OBPM解決策のさまざまな実装の中で、セットアップが特に重要である。手首にOBPMがある。PPGセンサを手首装置(例えば、ブレスレット、スマートバンド、又は時計)に組み込み、測定された信号にPWA分析手法を適用することで、ユーザの生活に簡単に統合可能なBPモニターを構築できる。よって、このような解決策が、歩行及び臨床状態におけるBPの初めてのカフなしでビートツービートのモニタリングへの扉を開き、臨床医にBP規制に関する新しい洞察を提供し、革新的な予防及び治療案を提供する。例えば、特許文献1(US20170360314A1)を参照。
【0007】
手首でOBPM解決策を使用するには、特別なモダリティ(医療機器の種類やタイプ)のフォトプレチスモグラフィー、つまり(透過型フォトプレチスモグラフィーとは対照的な)反射型フォトプレチスモグラフィーの使用が必要である。例えば、非特許文献2(ISBN-13:978-0750304672)を参照。
【0008】
反射型PPGセンサは、既製のLEDを使用して皮膚の一部を照らして、既製のフォトダイオードを使用して組織を伝搬した光の一部を取得する。皮膚内の細動脈やその他の灌流構造の存在ゆえ、回収される光の部分の振幅は血流によって変調され、圧力パルスが照射された部分に到達するたびに局所的にその構造は変わる。検索された光変調の分析は、心拍数、心拍変動、血液成分、血圧、その他の心臓血管変数などユーザからの心臓血管情報の特定に関連することが知られている。例えば、非特許文献3(DOI:10.1088/0967-3334/28/3/R01)を参照。
【0009】
特許文献2(EP3057138)は、反射型光センサモジュール、光検知アクセサリ、及び光検知装置を開示している。反射型光センサモジュールは、光源と第1封止材と、光検出器と第2封止材と、基板とを備える。光源は、電力を放射エネルギーに変換し、物体表面に光を照射するように構成されている。光検出器は,物体表面からの光を受け取り,放射エネルギーを電流又は電圧に変換するように構成されている。光源と光検出器との間には、仕切りが配置されていて、封止材の少なくとも1つの内側表面は、傾斜面又はレンズであってもよい光指向性部品を形成する。光方向性部材は、光の取り出し効率と光の受け取り効率をそれぞれ向上させる。
【0010】
特許文献3(US2017311856)は、物体から反射した光を検出する装置及び方法を開示している。この装置は、入射光を物体に向けるように構成された回折構造を含む導光素子と、前記物体から反射した光を検出するように構成された光検出素子とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許出願公開第2017/0360314号明細書
【文献】欧州特許第3057138号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/311856号明細書
【非特許文献】
【0012】
【文献】DOI:10.1109/M PUL.2018.2856960
【文献】Design of Pulse Oximeters (Series in Medical Physics and Biomedical Engineering)、ISBN-13: 9780750304672
【文献】DOI:10.1088/0967-3334/28/3/R01
【文献】oai:dspace、Iboro.ac.uk、2134/22188(英国ルフバラ大学)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
残念ながら、現在の最先端のPPGセンサにはいくつかの欠点がある。電気及びオプトエレクトロニクス部品を外部侵襲(湿度、ほこりなど)から保護するために、反射型PPGセンサは、PPGセンサと身体の間に「透明層の境界」を統合する。この層は、実際に身体に注入させてから身体から収集される光エネルギーの量に重要な損失をもたらし、センサの全体的な実行性能を低下させている。
【0014】
このような「透明層の境界」の統合を避けるために、一部の製造者は、PPGセンサと身体の間に直接接触を作る手段を提供している。この取り組みは、安全性(生体適合性、電気的安全性など)、使いやすさの問題(清浄度と消毒)、及び装置の組み立ての問題に関連してくる。
【0015】
最後に、反射型PPGセンサの大量生産(例えば、消費者向け製品)は、複数の光学的及び機械的要素による組立体の許容誤差の問題に関連する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示は、光電脈波(PPG)センサに関し、このPPGセンサは、
ユーザの身体に向けて放出光を放出するように構成された発光部と、PPG信号を提供するように組織から反射又は散乱された検出光を検出する光検出部とを備える検知部と、
検知部とユーザの身体との間に構成される境界部であって、発光部から身体に向かって出射光が透過し、身体から光検出部に向かって検出光が透過する透明な境界要素を備える境界部において、透明な境界要素が境界透過率を持つ、境界部と
を備え、
透明境界要素は、反射防止境界を備え、反射防止境界が、反射防止境界を備える透明境界要素の反射防止境界透過率が、境界透過率よりも少なくとも4%大きくなるように構成されている。
【0017】
一実施形態では、PPGセンサは、手首に装着されて血圧測定用に構成されている。
【0018】
本明細書に開示されるPPGセンサは、放出光の透過を増加させ、その結果、PPG信号の高い信号対雑音比をもたらし、電力消費を低減する。また、検知部は外部環境から保護されている。前記PPGセンサは、良好な組立公差で容易に製造可能である。これら及びその他の有利点は、以下の説明から明らかになる。
【0019】
本発明は、例として与えられ、図によって示される実施形態の説明の助けを借りて、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、一実施形態による、発光部、透明な境界要素、及び反射防止境界を備える反射PPGを示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による、発光部によって放出された放出光の透明な境界要素及び反射防止境界を介した透過を表す。
【
図3】
図3は、PPGセンサを示し、光学境界は、反射防止境界を備えていない。
【
図4】
図4は、PPGセンサを示し、光学境界は、反射防止境界を備えている。
【
図5】
図5は、一実施形態による、柔軟な境界構造を備えるPPGセンサを示す。
【
図6】
図6は、境界構造を持つPPGセンサを示す。
【
図7】
図7は、境界構造の別の構成を備えたPPGセンサを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、一実施形態による、ユーザの身体300に装着されるものとされている反射性PPGセンサ100を表している。PPGセンサ100は、放出光201をユーザの身体300の組織に向けて放出するように構成された発光部101と、PPG信号を提供するように組織から反射又は散乱された検出部光202とを検出するための光学検出部102とを備える検知部110を備える。PPGセンサ100は、PPGセンサ100が着用されているときに、検知部110とユーザの身体300との間に含まれる境界部120をさらに備える。境界部120は、放出光201が発光部101から組織に向かって行くときに透過されて、検出部光202が組織から光学検出部102に行くときに透過される、透明な境界要素104を備える。
【0022】
境界部120は、検知部110と透明な境界要素104との間に間隙150を備える。間隙150は媒体で満たされている。好ましくは、その媒体は空気である。
【0023】
一実施形態では、透明な境界要素104は、反射防止境界106を備える。
【0024】
透明な境界要素104は、ポリカーボネートと、アクリルと、シリコーンと、ガラスと、金属酸化物と、セラミックと、放出波長における吸収係数が低く、人間の皮膚の屈折率に近い屈折率を有する他の適切な透明材料とのような透明材料から製造し得るものである。低吸収係数は、緑色の波長範囲(500nmと575nmの間)、赤外線の波長範囲(750nm超)、赤色の波長範囲(650nmと750nmの間)、黄色の波長(575と650の間))、青色の波長(420nmと500nm)、又はユーザの身体300を貫通可能な他の任意の波長(400nmと1500nmの間)の値であり得る。透明な材料は、人間又は動物の組織(皮膚)と生体適合性がある。(反射防止境界106の有無にかかわらず)透明な境界要素104は、70%又は80%を超える光透光性を示すように構成され得るが、好ましくは90%を超える光透過を示すように構成され得る。
【0025】
反射防止境界106は、任意の適切な反射防止手段又は反射防止コーティングを備え得る。 例えば、反射防止境界106は、屈折率整合コーティング、単層干渉コーティング、複層干渉コーティング、テクスチャライズ層、あるいは任意の他のタイプの反射防止コーティングの中で、任意の1つを単独で又は組み合わせて備えてよい。
【0026】
図2に示されるように、放出光201は、発光部101によって放出強度11を持って放出される。放出光201は、透明な境界要素104の表面に入射する。反射強度I3の放出光201の反射部分203が反射され、透過強度I2の放出光201の透過部分207が、透明な境界要素104を介して(ユーザの身体300内に)透過される。
【0027】
放出光201が(表面に垂直に)垂直入射での透明な境界要素104に当たるときの、反射された光の反射強度I3は、反射係数、又は次の数式(1)の反射率Rによって与えられる。
【数1】
ここで、n
1及びn
2は、それぞれ、第1及び第2の媒体、すなわち、透明な境界要素104及び間隙150の屈折率である。
【0028】
吸収を無視する場合、透過率(又は透過係数)Tは1-Rに対応する。空気で満たされていて第2屈折率n2がおよそ1.0である間隙150から、第1屈折率n1がおよそ1.5である透明な境界104に移動する放出光201の場合、Rの値は、単一の反射で0.04、又は4%である。よって、透明な境界要素104は、96%の境界透過率T1を持つ、すなわち、光の最大96%(T=1-R=0.96)が実際に透明な境界要素104に入り、残りがその表面から反射される。
【0029】
境界透過率T1は、放出強度I1に対する透過強度I2の比率に相当する。
T1=I2/I1=96% (2)
【0030】
換言すると、放出強度I1の放出光201が(反射防止境界106のない)透明な境界要素104の表面に入射すると、反射強度I3の反射部分203が反射され、強度I2を持つ透過部分207が、ユーザの身体300に透過される。
【0031】
透明な境界要素104が反射防止境界106を備える場合、後者は、反射防止境界透過率T2、すなわち、放出強度I1に対する透過強度I2の比が少なくとも99%であるように構成され得る。
T2=I2/I1=99% (3)
【0032】
図2には示されていないが、検出部光202の透過部分の反射防止境界透過率もまた、反射防止境界106がない場合よりも高くなるような反射防止境界106を備える透明な境界要素104の表面で、検出部光202は反射可能でもある。
【0033】
より一般的には、反射防止境界106を備える透明な境界要素104が、少なくとも99%の反射防止境界透過率T2を持つように、反射防止境界106は構成されている。
【0034】
一実施形態では、間隙150の第2屈折率n2よりも大きい第1屈折率n1を持つ透明な境界要素104について、反射防止境界106を備える透明な境界要素104が、少なくとも99%の反射防止境界透過率T2を持つように、反射防止境界106は構成されている。
【0035】
換言すると、反射防止境界106を備える透明な境界要素104の反射防止境界透過率T2が、透明な境界要素104の境界透過率T1よりも少なくとも4%大きいか、次の式のとおりであるように、反射防止境界106は構成されている。
T2≧1.04T1 (4)
【0036】
第1屈折率n
1
が第2屈折率n
2
より、少なくとも10%大きい、例えば約20%又は約30%大きいように、少なくとも99%の反射防止境界透過率T2を持つように、反射防止境界106は構成されている。第2屈折率n2は、間隙150を満たす媒体によって決まる。前述のように、媒体は、空気及び、1.05という低い屈折率値を有する高多孔性鏡面SiO2(二酸化シリコン)、あるいは例えば1.2から1.4の間の屈折率値を有する低屈折率ポリマーなどの任意の他の低屈折率材料を含み得る。
【0037】
図3は、PPGセンサ100を表し、ここで、光学境界104は、反射防止境界106を備えていない。この構成では、放出光201の反射部分203は、透明な境界要素104上で反射されて検知部110に戻る。このとき、ユーザの身体300に到達する放出光201の透過部分207の透過強度I2を低下させて、光学検出部102に到達する検出部光202の強度も低下させる。
図3は、放出光201の反射部分203を単一の反射経路として表しているが、複数の反射経路及び複数の反射角度が起こり得る。
【0038】
図4は、反射防止境界106を光学境界104に追加することにより、放出光201の反射部分203がどのように減少し、ユーザの身体300に達する放出光201の透過部分207の透過強度I2と、光学検出部102に達する検出部光202の強度とがどのように増加するかを表している。
【0039】
放出光201の透過が増加すると、PPG信号の信号対雑音比が増加する。PPGセンサ100は、それにより、放出光201の強度が下がることで、そして計測されるPPG信号の同様の振幅を取得することで、消費電力を低減できる(それにより、バッテリ寿命を延ばせる)。
【0040】
上記と同じ理由で、反射防止境界106を備える透明な境界要素104はまた、ユーザの身体300から来て光学検出部102に向かって進む検出部光202の、増加している反射防止境界透過率T2を持っている。反射防止境界106を備える透明な境界要素104を通過するとき、放出光201と検出部光202の両方の反射防止境界透過率T2が増加するため、発光部101によって生成される放出光201の放出強度I1と、検出部の光の強度とは、前記PPG信号と同じ信号対雑音比を得る従来のPPGセンサで可能な強度よりも、低くできる。
【0041】
図1の例に示されるように、検知部110は、発光部101及び光学検出部102が設けられている基部105を備える。基部105は、回路基板、PCB、電子支持部、接着パッチ、テキスタイル、皮膚自体、又は他の任意の支持部を備え得る。基部105は、可撓性又は剛性、あるいは部分的に可撓性及び剛性であるように構成可能である。基部105は、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラ(MCU)と、中央処理装置(CPU)と、メモリと、無線モジュールと、電源と、任意の他の電子部品とのうち少なくとも1種類のような様々な電子部品の支持と、それら電子部品への接続との少なくとも一方をすべく、構成し得る。
【0042】
実施し得る構成では、検知部110は、オスラム(OSRAM)製造のBiofy(登録商標)センサのような単一のチップに統合可能である。検知部110は、以下の製品のような追加の機能と処理との少なくとも一方を備えた完全なモジュールとして提供可能である。
マキシム・インテグレーテッド(Maxim Integrated)製造のMAX30100/1/2又はMAX86160、
アナログ・デバイセズ(Analog Devices)製造のADPD142/4RI、ADPD174/5GGI又はADPD188BI、
ヴァランセル(Valancell)製造のBW1/2/4又はBE2/4、
エーエムエス(AMS)製のAS7000又はAS7024、
シリコン・ラブス(SiLabs, Silicon Labs)製造のSi1143/4又はSi1172/3。
基部105、発光部101及び光学検出部102は別個の構成要素としても、提供可能であるか、搭載可能である。
【0043】
発光部101は、単一のLED(オスラム製SFH 4043、LT PWSG、CT DELSS1.12又はCH DELSS1.22として)、又は複数のLED(例えば、オスラム製SFH7013、ヴィシェイ(Vishay)製VSMD66694、オーエスアイ(OSI)・オプトエレクトロニクス製DLED-xxx/xxx-CSL-2/3)、あるいはダイオード、有機ダイオード、ポリマーダイオード、レーザーダイオード、又は他の全ての光源などの他の光源を備えてよい。発光部101によって放出される光の波長は、緑色の波長範囲(500nmと575nmの間)、赤外線の波長範囲(750nm超)、赤色の波長範囲(650nmと750nmの間)、黄色の波長(575と650の間)、青色の波長(420nmと500nmの間)、又はユーザの身体を透過できるその他の波長(400nmと1500nmの間)であり得る。
【0044】
光学検出部102は、フォトダイオード、光検出部、光トランジスタ、光チップセット、カメラ画像化装置、電荷結合装置、又は他の全ての受信機(例えば、オスラム製D5140SFH2200、SFH2440、BPW34S、SFH2201又はSFH 2704、ヴィシェイ(Vishay)製VCNL3036又はVEMD5010X01、ローム(ROHM)製BH179XGLC、アナログ・デバイセズ(Analog Devices)製ADPD221X、シリコン・ラブス(SiLabs)製Si1181/2、オーエスアイ・オプトエレクトロニクス製PIN-0.81-LLS、PIN-4.0-LLS又はPIN-8.0-LLS)を備え得る。光学検出部102は、大きな光スペクトルで、又は発光部101の発光波長に一致するノッチ付きスペクトル窓で光を収集可能である。
【0045】
発光部101及び光学検出部102は、互いに異なる距離(1.33、1.45、2.18、2.12、2.32、2.4、2.51、2.71、2.72、2.8、2.83、2.94、2.95、3.11、3.5及び5.3(左記の数値の単位は全て)mm)であり、ユーザの身体300から(身体に直接接触又は非接触で)異なる距離にあるように構成し得る。発光部101と光学検出部102との間の異なる距離、及び身体300からの異なる距離が、身体300で反射され散乱される放出光201及び検出部光202の、身体300内の異なる進行深さとなることが知られている。
【0046】
他の変形例では、反射防止境界106を備える透明な境界要素104は、平坦であり得るか、又はゼロでない曲率半径を持ち得る。例えば、反射防止境界106を備える透明な境界要素104は、10mmと100mmの間の曲率半径を持ち得る。
【0047】
反射防止境界106を備える透明な境界要素104の形状は、PPGセンサ100と身体との間で起こり得る動きを小さくするために、PPGセンサ100が着用されたときのユーザの身体300との接触圧力を最適化するように、構成され得る。反射防止境界106を備える透明な境界要素104の形状及び粗さは、放出光201の透過部分207の透過強度I2と検出部光の強度とを最大化するために、透明な境界要素104と身体300との間の接触を最適化するように、さらに構成され得る。
【0048】
一実施形態によれば、反射防止境界106は、テクスチャー(微細な凹凸)付き表面を備える。好ましくは、反射防止境界106は、0.025μmと0.40μmの間の表面粗さRaを持つテクスチャー付き表面を備える。このような粗さは、SPI(米国のプラスチック工業協会)金型表面仕上げ規格又はVDI規格(ドイツ技術者協会規格)に準拠したSPI仕上げA-2からC-2に相当する。テクスチャー付き表面は、モールディング、フォーミング、機械加工、又はその他の適切な技術によって製造可能である。
【0049】
図1に示される構成では、反射防止境界106は、透明な境界要素104の一側部に備えられている。
図1の特定の一例では、反射防止境界106は、透明な境界要素104の、検知部110に比較的近いほうの一側部に備えられている。さらに、
図1の特定の一例では、透明な境界要素104の、反射防止境界106のないほうの一側部は、ユーザの身体300の(皮膚のような)組織と直接接触可能である。後者の構成は、空気の屈折率変化によって引き起こされる放出光の反射部分203を低減することと、反射防止境界106を備える透明な境界要素104(すなわち、検知部110から比較的遠い透明の境界要素104)とによって、放出光201の透過を増やせる。
【0050】
境界部120の他の配置(図示せず)は、しかしながら、企図される。例えば、反射防止境界106は、検知部110に比較的遠い透明な境界要素104の側に備えられてもよく、よって、PPGセンサ100が着用されるときにユーザの身体300により近くなるように決められていてもよい。そのような構成は、透明な境界要素104の反射防止境界透過率T2をさらに増加できるようにする。
【0051】
別の可能な構成では、反射防止境界106は、ユーザの身体300の組織(皮膚など)と直接接触可能となっている。さらに別の可能な構成では、境界部120は、PPGセンサが着用されるとき反射防止境界106はユーザの身体300と接触しないように構成されることがある。
【0052】
さらに別の構成では、反射防止境界106は、透明な境界要素104の両側に備えられることがある。この構成は、空気の屈折率の変化及び反射防止境界106を備える透明な境界要素104によって引き起こされる放出光の反射部分203を減らすことによって、放出光201の透過の増加を可能にする。透明な境界要素104の、検知部110から比較的遠いほうの一側部の反射防止境界106は、ユーザの身体300の組織の屈折率の変化と、反射防止境界106を備える透明な境界要素104とによって引き起こされる放出光の反射部分203を減らすことによって、放出光201の透過を増やす。
【0053】
PPGセンサ100は、接触PPGセンサを備えることがあり、透明な境界要素104のいずれかの側又は透明な境界要素104の両側に反射防止境界106を備える透明な境界要素104が、ユーザの身体300と接触する(直接接触の場合がある)。代替的に、PPGセンサ100は、非接触PPGセンサを備えることがあり、透明な境界要素104のいずれかの側又は透明な境界要素104の両側に反射防止境界106を備える透明な境界要素104は、ユーザの身体300と接触しない。非接触PPGセンサ100の例には、光源としての発光レーザー及び光学検出部としての高速PiNフォトダイオードが含まれる(例えば、非特許文献4(参考文献)oai:dspace.Iboro.ac.uk:2134/22188)(英国ルフバラ大学下の一論文等)を参照。)
【0054】
一実施形態では、境界部120は、検知部110と透明な境界要素104との間の間隙150を画定するように、基部105と透明な境界要素104との間に延在する境界構造103を備える。
図1から
図3に示される例では、境界構造103は、発光部101と光学検出部102との間の中間壁130と、発光部101及び光学検出部102を取り囲む側壁131とを備える。
【0055】
境界構造103は、間隙150が基部105、壁130、壁131、及び透明な境界要素104の間で完全に囲まれるように構成されることがある。境界構造103は、間隙150が外部環境から密閉されるように構成されることがある。他の変形例では、境界構造103は、間隙150が外部環境に対して開かれるように構成されることがある。ここで、中間壁130及び側壁131は、開口部を備えることがあり、あるいは柱又は他の任意の開放構造を備えることがある。
【0056】
好ましい実施形態では、基部105と透明な境界要素104との間の距離を変えられるように、これにより、圧力が基部105又は透明な境界要素104の一方あるいはそれら両方に加えられたとき(
図5参照。)に間隙150の高さ(又は体積)を変えられるように、境界構造103は柔軟である。
【0057】
柔軟な境界構造103はさらに、検知部110を形成する異なる光学的及び機械的要素の組立体の欠陥を修正することによる、検知部110の組立体公差の補償を可能にする。
【0058】
柔軟な境界構造103は、(先述のBiofy(登録商標)センサ及び他の市販のセンサのような)市販の検知部110との統合を、設計上の大きな自由度を持って、容易にする。PPGセンサ100の製造がかように容易になる。
【0059】
境界構造103と組み合わせた透明な境界要素104は、検知部110を外部環境からの遮蔽(例えば、検知部110をほこり、水、及び湿気からの保護)を可能にする。反射防止境界106を備えることがある透明な境界要素104は、洗浄可能である。透明な境界要素104はさらに、検知部110をユーザの身体300の組織から絶縁を可能にし、PPGセンサ100がユーザの身体300の組織と接触しているときの生体適合性を提供する。
【0060】
既知のPPGセンサ構成では、発光部101及び光学検出部102は、ユーザの身体300(皮膚など)と直接接触しているか、又は媒体材料を介して接触していて、媒体材料は、透明な境界要素104、あるいはユーザの身体300の屈折率(典型的には約1.4から1.5)に近い屈折率を有する他の材料であり得る。
【0061】
対照的に、本明細書に記載のPPGセンサ100は、発光部101と光学検出部102との間の間隙150と、透明な境界要素104とを備える。先述のように、間隙150は、空気又は別の媒体で満たしてよい。空気の場合、そしておそらく別の媒体の場合、屈折率は1に近いことがあり、その結果、間隙150と透明な境界要素104との間の境界で放出光201の大きな反射部分203が生じ、それにより境界透過率T1が低くなる。
【0062】
反射防止境界106を備える透明な境界要素104は、99%以上の放出強度11に対する透過強度I2の比の取得のため、発光部101と光学検出部102と透明な境界要素104との間に備えられる間隙150の場合、屈折率が1に近づくのを可能にする。換言すると、反射防止境界106は、反射防止境界106を備える透明な境界要素104の反射防止境界透過率T2が、(反射防止境界106なしの)透明な境界要素104の境界透過率T1よりも少なくとも4%大きくなるように構成されることがある。
【0063】
境界構造103は、光学的シャント(回避)を防止するように、すなわち、放出光201が透明な境界要素104及びユーザの身体300の組織を通ることなく光学検出部102に到達するのを防止することと、周囲光206を防止することとの少なくともどちらかをするべく、さらに構成されることがある。換言すると、境界構造103は、光学的マスクとして使用されることがある。ここで、周囲光206は、PPGセンサ100の外部環境から来る光である。
【0064】
図1から
図3に示されるように、中間壁130は、発光部101を光学検出部102から光学的に遮蔽し、透明な境界要素104及びユーザの身体300の組織を通って移動することなく放出光201が光学検出部102に到達するのを防ぐ。側壁311は、周囲光206が光学検出部102に到達するのを防ぐように構成されることがある。
【0065】
そのために、境界構造103は、遮光材料と光反射材料との少なくとも一方から作製されることがある。境界構造103は、暗い又は明るい色と、暗い又は明るい表面仕上げとの少なくとも一方を備えることがある。境界構造103は、光を吸収しない材料から作製されることがある。
【0066】
図6は、PPGセンサ100の変形例を示し、この例では境界構造103は、中間壁を備えず、放出光201のシャント部204は、透明な境界要素104及びユーザの身体300 を通過することなく、光学検出部102に向かって移動する。
【0067】
図7は、境界構造103の最適な寸法を示し、中間壁130は、基部105と透明な境界要素104との間に延在し、それがユーザの身体300を通ることなく光学検出部102から光学検出部に移動するのを防ぐことによって、境界反射部分205を低減する。境界構造103の寸法はまた、放出光201が、検知部110から比較的遠い透明な境界要素104の表面で反射し、それ以上移動しない、すなわち、ユーザの身体300を通らないように構成される。境界構造103の寸法は、放出光201及び検出部光202の反射角及び屈折角に基づいている。
【0068】
改善された光学性能を有するPPGセンサ100は、異なる用途に適合された新しい構成の探索を可能にする。例えば、PPGセンサ100は、(例えば、空間的に4mmから10mm離されている発光部101及び光学検出部102を持つPPGセンサ100のような)小型、又は(空間的に10mm超で離されている発光部101及び光学検出部102を持つPPGセンサ100など)大型であり得る。代替的には、又は組み合わせで、発光部101の波長又は波長範囲が選択されることがあり、また、組織内の放出光201の表面的又は深い侵入深さのいずれかを可能にして、ユーザの身体300組織の異なる層の動脈拍動を測定するための光学検出部102のフィルタリング構成を選択することがある。
【0069】
PPGセンサ100は、腕バンド、手首、指先、又は耳のうちのいずれか1つを含む、ユーザの身体300の任意の位置で着用されるように構成され得る。
【0070】
PPGセンサ100は、ヘッドバンド、足首ブレスレット、チョーカー、リング、ヘルメット、イヤプラグ、補聴器、ヘッドフォン、眼鏡、シャツ、ブラ、衣服、手袋、下着のパンツ、靴下、靴、ウェアラブルセンサ、ユーザの皮膚に付着するパッチ、拍動信号センサのいずれかを含む装着可能装置に統合されるように構成され得る。
【0071】
PPGセンサ100は、ベッドセンサ、椅子センサ、トイレセンサ、テーブルセンサ、自動車センサ、コンピュータマウスセンサ、又は拍動信号の測定が決められている任意の他の構成のいずれか1つを備える、ユーザの身体300と接触するように決められた装置に統合されるようにさらに構成し得る。
【0072】
放出光201の透過の増加及びPPG信号の信号対雑音比の増加により、PPGセンサ100は、局所的な動脈拍動性の測定を容易にする。実際、PPG信号の信号対雑音比が増加すると、血圧などの心臓血管変数を決定するために使用される局所動脈拍動の時系列の分析など、信号処理アルゴリズムのパフォーマンスが向上する。
【0073】
PPGセンサ100は、血圧、脈圧、中心脈波速度、末梢脈波速度、動脈硬化、大動脈パルス通過時間、増大指数、ストローク量、ストローク量変動、脈圧変動、心臓出力、全身血管抵抗、静脈圧、全身血行力学的変数、肺血行力学的変数、脳血行力学的変数、心拍数、心拍数変動、心拍間隔、不整脈の検出、排出期間、SpO2(血中酸素飽和度)、SpHb(経皮的連続的トータルヘモグロビン)、SpMet(メトヘモグロビン濃度)、SpCO(カルボキシヘモグロビン濃度)、呼吸数、呼吸量、無呼吸の検出、睡眠の質、睡眠スコア、睡眠分析、就寝時間、睡眠時間、レム睡眠時間、浅い睡眠時間、深い睡眠時間、起床時間、睡眠時間、睡眠効率、覚醒時間入眠後、いびきの持続時間、ストレス指数、並びに一般的な心血管及び健康指数(複数)の決定に使用可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 光電脈波(PPG)センサ
101 発光部
102 光学検出部
103 境界構造
104 透明な境界要素
105 基部
106 反射防止境界
110 検知部
120 境界部
130 中壁
131 側壁
150 間隙
201 放出光
202 検知部光
203 放出光の反射光の部分
204 放出光のシャント(回避)部分
205 放出光の境界反射部分
206 周囲光
207 放出光の透過光の部分
300 ユーザの身体
l1 放出強度
I2 透過強度
I3 反射強度
n、n1、n2 屈折率
T1 境界の透過率
T2 反射防止境界の透過率