(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】医薬の製造又は処理時に乾燥粉末を溶媒と混合するための封じ込めシステム
(51)【国際特許分類】
B01L 1/00 20060101AFI20240911BHJP
A61G 10/00 20060101ALI20240911BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B01L1/00 C
A61G10/00 K
A61J3/00 310C
A61J3/00 310B
(21)【出願番号】P 2021574931
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(86)【国際出願番号】 US2020037734
(87)【国際公開番号】W WO2020257102
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-12-14
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】ローサ,ジョン・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ダレッサンドロ,アラン・エス
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シェンク,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】スタノッチ,ティモシー
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0247204(US,A1)
【文献】特表2013-514897(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0298701(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0367304(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0091713(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00 - 1/02
B25H 1/20
B25J 21/02
B08B 15/02
B01F 23/50 - 23/57
B01F 27/80 - 27/96
B01F 35/22 - 35/222
A61J 3/00
A61G 10/00
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく溶媒を当該乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムであって、前記乾燥粉末を、密閉接続部を有する乾燥粉末容器内の封じ込めシステムに供給し、当該封じ込めシステムが、
(a)前記乾燥粉末容器から前記乾燥粉末を
取り出すためのデュアルコンパートメントアイソレータであって、
第1のコンパートメント
であって、前記乾燥粉末容器の外表面から乾燥粉末粒子又は液体を除去しながら、前記乾燥粉末容器を前記周囲大気から隔離するためのコンパートメント、
第2のコンパートメント、
前記
第1のコンパートメントに接続された原材料投入口であって、前記乾燥粉末容器を前記第1のコンパートメントに移動させ
るように構成された原材料投入口、
前記
第1のコンパートメントを前記
第2のコンパートメントから分離する仕切り、
前記乾燥粉末を前記周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器が前記
第1のコンパートメントから出て、前記
第2のコンパートメントに移動できるようにする前記仕切りにおける再封可能開口部、
前記
第2のコンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記
第1のコンパートメント
内及び前記
第2のコンパートメント
内で陰圧を
生じさせるカスケード陰圧制御装置
を含むデュアルコンパートメントアイソレータ;ならびに
(b)前記乾燥粉末を前記溶媒と混合するための混合容器であって、
混合チャンバ、
前記乾燥粉末を前記周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末が前記乾燥粉末容器から出て、前記封じ込めバルブを通り、前記混合チャンバに入ることができるようにするために、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記
第2のコンパートメント内の前記封じ込めバルブに前記混合チャンバを流体的に接続する固体投入口、
前記溶媒を前記混合チャンバに入れるための溶媒注入口;ならびに
前記混合チャンバ内で前記溶媒及び前記乾燥粉末を一緒に混合して溶媒と乾燥粉末の混合物を生成するための攪拌機、及び
前記混合チャンバから前記溶媒及び乾燥粉末混合物を排出するための排出口バルブを含む
混合容器
を含む封じ込めシステム。
【請求項2】
前記混合チャンバから前記排出口バルブを介し
て前記乾燥粉末混合物
を排出
するための排出装置をさらに含む、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項3】
前記排出装置が、ポンプ、陽圧源、又は陰圧源を含む、請求項2に記載の封じ込めシステム。
【請求項4】
前記
第2のコンパートメントにおける前記封じ込めバルブが、分割バタフライバルブ
(Split butterfly valve:SBV)を含む、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項5】
前記溶媒注入口によって前記混合チャンバに流体的に接続されている溶媒タンクをさらに含む、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項6】
前記混合チャンバ中に導入される逆溶媒を保持するための逆溶媒タンクをさらに含む、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項7】
第2の溶媒を前記混合チャンバに入れるように構成された前記混合容器上の第2の溶媒注入口をさらに含む、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項8】
前記第2の溶媒が逆溶媒である、請求項7に記載の封じ込めシステム。
【請求項9】
前記混合容器が、スチール、又はポリマー、又はホウケイ酸塩、又はそれらの1以上の組み合わせ製である、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項10】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記
第1のコンパートメントに不活性ガスを充填するように構成されている、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項11】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記
第2のコンパートメントに不活性ガスを充填するように構成されている、請求項1に記載の封じ込めシステム。
【請求項12】
前記不活性ガスが窒素又はアルゴンである、請求項10又は11に記載の封じ込めシステム。
【請求項13】
乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく溶媒を当該乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムであって、前記乾燥粉末を、密閉接続部を有する乾燥粉末容器内の封じ込めシステムに供給し、当該封じ込めシステムが、
a)前記乾燥粉末容器から前記乾燥粉末を安全に取り出すためのデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータであって、
上部及び下部であって、当該上部と当該下部が1以上の側壁によって互いに連結されていて内部部分を形成しており、前記内部部分が、前記側壁に密閉的に接続され、前記内部部分を第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントに分離する内壁を含む上部及び下部、
前記側壁の少なくとも一方に形成された少なくとも一つのグローブであって、前記少なくとも一つのグローブが、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記内部部分に延在しているグローブ;及び
乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメント内に配置できるようにするために、前記側壁の一方に形成された第1の密閉可能開口部;
前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器を前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントに移動させることを可能にするために前記内壁に形成された第2の密閉可能開口部;
前記第2のコンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を
生じさせるカスケード陰圧制御装置
を含むデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ;ならびに
b)前記乾燥粉末を前記溶媒と混合するための混合容器であって、
混合チャンバ、
前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末が前記乾燥粉末容器から出て、前記封じ込めバルブを通り、前記混合チャンバに入ることができるようにするために、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第2のコンパートメント内の前記封じ込めバルブに前記混合チャンバを流体的に接続する固体投入口、
前記溶媒を前記混合チャンバに入れるための溶媒注入口;
前記混合チャンバ内で前記溶媒及び前記乾燥粉末を一緒に混合して溶媒と乾燥粉末の混合物を生成するための攪拌機、及び
前記混合チャンバから前記溶媒及び乾燥粉末混合物を排出するための排出口バルブを含む
混合容器
を含む封じ込めシステム。
【請求項14】
前記第2のコンパートメントにおける前記封じ込めバルブが分割バタフライバルブ
(Split butterfly valve:SBV)を含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項15】
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータが四つの側壁を含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項16】
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記側壁が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、又はポリスチレン製である、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項17】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側
と比較した第1の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱、及び前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第1コンパートメントの内側
と比較した第2の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱を提供する、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項18】
前記第1の密閉可能開口部が、ジップロックシール、又はクランプ、又は圧着シール、又はツイストシールを含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項19】
前記第2の密閉可能開口部が、ジップロックシール、又はクランプ、又は圧着シール、又はツイストシールを含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項20】
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを別の装置に接続するための追加のポートをさらに含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項21】
前記追加のポートが、(i)真空源及び(ii)不活性ガス源に選択的に接続され得ることで、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ内の空気を不活性ガスによって置き換えることができる、請求項20に記載の封じ込めシステム。
【請求項22】
前記溶媒注入口によって前記混合容器に流体的に接続されている溶媒タンクをさらに含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項23】
前記混合チャンバに導入される逆溶媒を保持するための逆溶媒タンクをさらに含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項24】
第2の溶媒を前記混合チャンバに入れるように構成された前記混合容器上の第2の溶媒注入口をさらに含む、請求項13に記載の封じ込めシステム。
【請求項25】
前記第2の溶媒が逆溶媒である、請求項24に記載の封じ込めシステム。
【請求項26】
上部及び下部であって、当該上部と当該下部が1以上の側壁によって互いに連結されていて内部部分を形成しており、前記内部部分が、前記側壁に密閉的に接続され、前記内部部分を第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントに分離する内壁を含む上部及び下部、
前記側壁の少なくとも一方に形成された少なくとも一つのグローブであって、前記少なくとも一つのグローブが、
デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記内部部分に延在しているグローブ;及び
乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメント内に配置できるようにするために、前記側壁の一方に形成された第1の密閉可能開口部;
前記乾燥粉末材料容器中の乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントに移動させることを可能にするために前記内壁に形成された第2の密閉可能開口部;
前記第2のコンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末材料容器の密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を生じさせるカスケード陰圧制御装置
を含む、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
【請求項27】
前記第2のコンパートメント中の前記封じ込めバルブが分割
バタフライバルブ
(Split butterfly valve:SBV)を含む、請求項26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
【請求項28】
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを別の装置に接続するためのポートをさらに含む、請求項26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
【請求項29】
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータが四つの側壁を含む、請求項26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
【請求項30】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側
と比較した第1の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱、及び前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第1コンパートメントの内側
と比較した第2の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱を生じさせる、請求項26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
【請求項31】
a)乾燥粉末容器の密閉接続部、及び混合容器の固体投入口への接続部を受け入れるように構成されている結合部品を有する封じ込めバルブを含む一次封じ込めサブシステム;及び
b)
前記混合容器、
デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータであって、
第1のコンパートメント
であって、前記乾燥粉末容器の外表面から乾燥粉末粒子又は液体を除去しながら、前記乾燥粉末容器を周
囲大気から隔離するように構成されたコンパートメント、
第2のコンパートメント、
前記
第1のコンパートメントに接続された原材料投入口であって、前記乾燥粉末容器を前記第1のコンパートメントに移動させ
るように構成された原材料投入口、
前記
第1のコンパートメントを前記
第2のコンパートメントから分離する仕切り、及び
乾燥粉末を前記周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器が前記
第1のコンパートメントから出て、前記
第2のコンパートメントに移動できるようにする前記仕切りにおける再封可能開口部、
を含むデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ、及び
前記第1のコンパートメント内及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を生じさせるカスケード陰圧制御装置を含む
二次封じ込めサブシステムを含む封じ込めシステム
を含む、前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、溶媒を乾燥粉末と混合するための封じ込めシステム。
【請求項32】
陰圧室、又は下降流ブース、又はガス排出管、又は溶媒排出管、又は保護フローリング、又は単回使用保護カーテン、又はそれらの1以上の組み合わせを含む三次封じ込めサブシステムをさらに含む、請求項31に記載の封じ込めシステム。
【請求項33】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記
第1のコンパートメント、前記
第2のコンパートメント、又は前記
第1のコンパートメントと前記
第2のコンパートメントの両方に不活性ガスを充填するように構成されている、請求項
32に記載の封じ込めシステム。
【請求項34】
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記
第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と比較した第1の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱、及び前記
第1のコンパートメントと前記投入コンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記
第1のコンパートメントの内側
と比較した第2の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱を生じさせる、請求項
33に記載の封じ込めシステム。
【請求項35】
乾燥粉末及び溶媒からスラリー又は溶液を製造する方法であって、
デュアルコンパートメントアイソレータであって、
第1のコンパートメント、前記
第1のコンパートメントに接続された原材料投入口、
第2のコンパートメント、前記
第2のコンパートメントに配置された封じ込めバルブ、及び前記
第1のコンパートメントと前記
第2のコンパートメントの間の仕切りを含むデュアルコンパートメントアイソレータを提供すること;
第1のコンパートメント内及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を生じさせるカスケード陰圧制御装置を前記デュアルコンパートメントアイソレータに接続すること;
溶媒注入口、混合チャンバ、及び前記混合チャンバに流体的に接続された固体投入口を含む混合容器を提供すること;
前記乾燥粉末を含む乾燥粉末容器であって密閉接続部を有する乾燥粉末容器を受け入れること;
前記カスケード陰圧制御装置を作動させて、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記
第1のコンパートメントと前記
第2のコンパートメントの両方で陰圧を生成すること;
前記乾燥粉末容器を、前記原材料投入口を介して前記
第1のコンパートメントに入れること;
前記乾燥粉末容器を前記仕切りの再封可能開口部に通すことにより、前記乾燥粉末容器を前記
第1のコンパートメントから前記
第2のコンパートメントに移すこと;
前記仕切りにおける前記再封可能開口部を閉じること;
前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部を、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記
第2のコンパートメントにおける前記封じ込めバルブの一端にある結合部品に接続すること;
前記混合容器の前記固体投入口を前記封じ込めバルブの反対側の端に接続すること;
前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部、及び前記封じ込めバルブの前記結合部品を開くことで、前記乾燥粉末がデュアルコンパートメントアイソレータの
第2のコンパートメント内の前記乾燥粉末容器から出て、前記密閉接続部、ならびに前記結合部品及び前記固体投入口を通り、前記混合容器の前記混合チャンバへ入るようにすること;
前記溶媒注入口を介して前記混合容器の前記混合チャンバに前記溶媒を導入すること;及び
前記混合チャンバ内で前記乾燥粉末と前記溶媒を攪拌して、前記スラリー又は溶液を生成すること
を含む方法。
【請求項36】
前記混合チャンバに逆溶媒を導入することでスラリーを生成することをさらに含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項37】
前記混合容器の前記混合チャンバに導入された前記溶媒が前記乾燥粉末を溶解して溶液を生成する、請求項
35に記載の方法。
【請求項38】
請求項
35に記載の方法であって、
前記混合容器がさらに第2の溶媒注入口を含み;
当該方法がさらに、
(i)前記第2の溶媒注入口を介して前記混合容器の前記混合チャンバに逆溶媒を導入すること、及び
(ii)前記混合チャンバ中で前記乾燥粉末と前記逆溶媒を攪拌して前記スラリーを生成すること
を含む方法。
【請求項39】
前記カスケード陰圧制御装置を動作させて、前記デュアルコンパートメントアイソレータの外側と前記
第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントアイソレータの外側
と比較した第1の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱、及び前記
第1のコンパートメントと前記
第2のコンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記
第1のコンパートメントの内側
と比較した第2の陰圧差)
0.01~
0.5インチ水柱を提供させることをさらに含む、請求項
35に記載
の方法。
【請求項40】
前記乾燥粉末容器が前記
第1のコンパートメント内にある間にステージング手順を実行することをさらに含み、前記ステージング手順が前記乾燥粉末容器をクリーニングすることを含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項41】
前記封じ込めバルブがバタフライバルブを含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項42】
(i)移送装置を前記混合容器に取り付けること;及び
(ii)前記移送装置を作動させて、前記スラリー又は溶液を前記混合容器から排出するのを容易にすること
をさらに含む、請求項
35に記載の方法。
【請求項43】
前記移送装置が、ポンプ、陽圧源又は陰圧源を含む、請求項
42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封じ込められた環境において原薬又は医薬製品を処理するためのシステム、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品の生産は過去20年間で大幅に進歩し、非常に強力な成分、製品及び物質が、がんなどの多くの病気との闘いにおいてますます中心的な役割を果たしている。そのような強力な医薬成分、製品及び物質の製造及び処理時には、人間のオペレータが自身の手(又は手動の工具及び器具)を使って、強力な医薬成分、製品及び物質の容器を取り扱う必要があったり、及び/又はそれがより効率的である場合が多い。そのような状況では、強力な医薬成分、製品、及び物質のいずれも周囲の外気によって汚染されないこと、強力な医薬成分、製品及び物質のいずれも周囲の環境中に放出されないこと、そして強力な医薬成、製品及び物質のいずれも人間と直接物理的に接触しないことが不可欠である。医薬製品及び成分は微粉化されることがある。そのような状況では、人間による粉塵の吸入が主な懸念事項である。しかし、液体の医薬製品や成分、及び液体の医薬品の副産物も、オペレータや環境に非常に深刻な危険をもたらす可能性がある。したがって、医薬有効成分の合成から完成医薬製品の流通に至るまでの医薬品製造の全プロセス中において、医薬品を取り扱う人間のオペレータが、医薬製品及び成分との直接接触から保護されなければならず、しかも医薬製品又は成分が、周囲の環境や人の接触による汚染から保護されなければならない。
【0003】
多くの医薬製品、成分、及び物質は、「クリーンルーム」内で製造及び/又は処理される。クリーンルーム(又は「クリーン・ルーム」)は、医薬品の製造を含む、特殊な工業生産又は科学研究の一環として通常使用される実験施設である。クリーンルームは、ほこり、空気中の有機体、又は気化した粒子など、粒子レベルを極めて低く維持するように設計されている。クリーンルームは代表的には、所定の分子尺度で1立方メートルあたりの粒子数によって定量される清浄度レベルを有している。代表的な都市部の周囲の外気には、1立方メートルあたり3500万個の粒子が含まれており、各粒子の粒径範囲は少なくとも0.5μmである。この清浄度レベルは、ISO9クリーンルームと同等である。比較すると、ISO 1クリーンルームでは、その粒径範囲の粒子は全く許可されず、1立方メートルあたり12個の粒子しか許可されておらず、各粒子の粒径範囲は0.3μm以下である。外部からクリーンルームに入る空気は、代表的には濾過することでほこりを排除し、内部の空気は、内部で生成された汚染物質を除去するために、高効率粒子空気(HEPA)フィルター及び/又は超低粒子空気(ULPA)フィルターを通って常に再循環される。スタッフはエアロック(エアシャワーステージを含むこともある)を通って出入りし、フード、フェイスマスク、グローブ、ブーツ及びカバーオール等の防護衣を着用しなければならない。クリーンルーム内部の設備は、発生する空気汚染が最小になるように設計される。特殊なモップ及びバケツのみが使用される。クリーンルームの家具も発生する粒子量が最小になるように設計され、清掃及び除染し易くなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
場合によっては、「グレードC」のスペースに分類されるスペースで医薬品(原薬及び医薬製品)を製造又は処理することが必要又は望ましい。グレードCスペースは、スペースが「稼働中」の場合(つまり、スペースが使用中の時)にISO8の国際標準化機構(ISO)クリーンルーム分類に適合し、スペースが非使用時(すなわち、スペースが使用されていない時)にはISO7のクリーンルーム分類に適合するスペースである。したがって、動作時には、グレードCスペースは、≧0.5ミクロンの粒子の場合は1立方メートルあたり粒子数3,520,000の最大濃度、≧1ミクロンの粒子の場合は1立方メートルあたり粒子数832,200の最大濃度、及び≧5ミクロンの粒子の場合は1立方メートルあたり粒子数29,300の最大濃度を有するスペースである(ISO8に一致)。非使用時、グレードCスペースは、≧0.5ミクロンの粒子の場合は1立方メートルあたり粒子352,000の最大濃度、≧1ミクロンの粒子の場合は1立方メートルあたり粒子83,200の最大濃度、≧5ミクロン以上の粒子の場合は1立方メートルあたり粒子2,930の最大濃度を有する(ISO7と一致)。これらすべての要件があるため、従来のグレードCに分類されたクリーンルームは非常に高価であり(代表的には、建設、保守及び運転に数百万ドルの費用がかかる)、膨大なスペースを占有するものである。
【0005】
したがって、製薬業界では、医薬品を処理及び製造するための、そして医薬品の処理又は製造施設で占める「フットプリント」が比較的小さく、従来のクリーンルームよりも構築、保守、使用にかかる費用及び時間がはるかに少ない医薬品の副産物を取り扱うための封じ込めシステムが非常に必要とされている。重要な点として、そのような封じ込めシステムは、三重の保護、すなわち(1)医薬製品の汚染の防止、(2)周囲の大気の汚染の防止、及び(3)医薬製品、成分、及び副産物が製造及び処理時に人間のオペレータと直接接触するようになることの防止を提供する能力において、強力な薬物、薬物成分、及び薬物副産物を、クリーンルームなどの従来の封じ込めシステムと同程度に安全な、好ましくはそれよりさらに安全な方法で取り扱えるものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、製品、周囲環境及び人間のオペレータのための改善された三重保護を提供及びサポートもしながら、著しく少ないスペースを使用し、建設、使用及び維持に必要な時間及び経費がかなり少ない固体投入封じ込め装置、システム、及び方法を提供する。本発明の実施形態は、そのような三重の保護を提供しながら、原材料、例えば医薬品有効成分(API)及び医薬製品の乾燥粉末組成物からのスラリー又は溶液の製造において有利に使用され得る。一部の実施形態では、本発明は、医薬品(原薬及び医薬製品など)の製造及び処理のための、より小さく、携帯可能で、はるかに安価なグレードC分類のスペースを提供することで、従来のグレードCに分類されたスペースを建設、維持及び運転するのに必要な時間、費用及び労力を回避することができる。
【0007】
一般に、本発明の封じ込めシステムは、デュアルコンパートメント間の差圧がカスケード化されたデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを含む。そのデュアルコンパートメントは、本明細書においては、第1及び第2のコンパートメントと称される場合がある。原材料が周囲の環境に漏れ出さないようにするため、陰圧カスケードがシステム内で維持される。陰圧は、二つのコンパートメント間の交差汚染を防ぐためにも使用される。これにより、(1)第1コンパートメント内の浮遊粒子が第1コンパートメントを出て周囲環境に移動する機会、及び(2)第2コンパートメント内の浮遊粒子が第2のコンパートメントから出て第1のコンパートメント中に移動する機会を大幅に低減及び排除する陰圧制御装置を提供することにより、陰圧差が保証される。
【0008】
1態様において、本発明の実施形態は、乾燥粉末を周囲の雰囲気にさらすことなく、溶媒を乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムを提供する。乾燥粉末は、密閉接続部を有する乾燥粉末容器でシステムに供給される。その封じ込めシステムは、(a)乾燥粉末容器から乾燥粉末を安全に取り出すためのデュアルコンパートメントアイソレータ、及び(b)混合容器を含む。そのデュアルコンパートメントアイソレータは、ステージングコンパートメント、原材料コンパートメント、ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口を含み、原材料投入口は、乾燥粉末容器をステージングコンパートメントに移しながら、乾燥粉末容器を周囲大気から隔離するように構成される。仕切りが、ステージングコンパートメントを投入コンパートメントから分離している。仕切りにおける再密閉可能開口部により、乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、乾燥粉末容器をステージングコンパートメントから出して、投入コンパートメントに移し入れることができる。
【0009】
投入コンパートメント内に配置された封じ込めバルブには、乾燥粉末容器の密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する。カスケード陰圧制御装置は、ステージングコンパートメント及び投入コンパートメントの両方で陰圧を生じさせる。封じ込めバルブにより、人間のオペレータが乾燥粉末容器を混合容器に連結させることができる。封じ込めバルブの本体はまた、封じ込めバルブ自体、混合容器及び/又は乾燥粉末容器への連結部から逃げ出す粒子に対する追加の保護を提供するために、その本体の周囲にシールドを有し得る。封じ込めバルブは、乾燥粉末を乾燥粉末容器から混合容器に運ぶための気密導管を提供する。封じ込めバルブは、バタフライバルブ又はドライロックバルブを含み得る。
【0010】
必要というわけではないが、ガラス、スチール、ポリマー又はホウケイ酸でできていても良い混合容器は、混合チャンバ、デュアルコンパートメントアイソレータのコンパートメント中の封じ込めバルブに混合チャンバを流体的に接続する固体投入口を含む。固体投入口によって、乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、乾燥粉末は封じ込めバルブから出て、混合チャンバに入ることができる。混合容器は、代表的には、混合チャンバに溶媒を入れるための溶媒投入口を含み、一部の実施形態では、必ずしもすべての実施形態においてではないが、混合容器は、混合チャンバ内で溶媒及び乾燥粉末を一緒に混合するための攪拌機を含む。そのシステムを用いて、混合チャンバ内で溶媒と乾燥粉末の混合物を製造することができ、その混合物は、例えば、スラリー又は溶液を含む。混合容器はまた、混合チャンバから溶媒及び乾燥粉末混合物(スラリー又は溶液など)を排出するための排出口バルブを含み得る。本発明の一部の実施形態では、封じ込めシステムは、排出口バルブを介した混合チャンバからの混合物の排出を容易にするための排出装置をさらに含む。排出装置は、例えば、ポンプ、陽圧源、又は真空などの陰圧源を含み得る。
【0011】
本発明の追加の実施形態では、カスケード陰圧制御装置は、ステージングコンパートメントの内部及び/又は投入コンパートメントの内部を、例えば、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスで満たすように構成される。カスケード陰圧制御装置は、代表的には、デュアルコンパートメントアイソレータの外側とステージングコンパートメントの間での約0.01~約0.5インチの水柱の陰圧差(デュアルコンパートメントアイソレータの外側からの基準の陰圧)と、ステージングコンパートメントと投入コンパートメントの間での約0.010~約0.500インチの水柱の第2の陰圧差(デュアルコンパートメントアイソレータのステージングコンパートメントの内側からの基準の陰圧)を提供する。(アイソレータの外側と比較して)ステージングコンパートメント内の陰圧の代表的な操作範囲は、好ましくは約0.005~0.125インチの水、より好ましくは約0.010~0.100インチの水、そして最も好ましくは約0.015~0.075インチの水である。(ステージングコンパートメントの内部と比較して)投入コンパートメント内の陰圧の代表的な操作範囲は、好ましくは約0.010~0.125インチの水、より好ましくは約0.015~0.100インチの水、そして最も好ましくは約0.020~0.075インチの水である。
【0012】
陰圧は、アイソレータの各チャンバに入ることができるガスの量よりも大量のガスをアイソレータの各チャンバから絶えず除去する換気システムによって生成及び維持され得る。入口ガスと換気装置への排気流の両方を適切にろ過することができる(たとえば、HEPAフィルター又はカートリッジを使用)。外部環境とアイソレータ内部の作業容量との間の差圧(ΔP)は、デュアルチャンバフレキシブルアイソレータの物理的バリアにおける漏れを介して乾燥粉末粒子が外部環境に逃げるのを防ぐのに役立つ。実際、隙間からの可能な漏れが、乾燥粉末粒子の拡散を防ぐアイソレータに流れ込む。デュアルコンパートメントアイソレータ内の陰圧は、アイソレータのドア又はポートが偶発的に開いた場合、又はグローブが誤って裂けたり破裂した場合に、アイソレータ内の乾燥粉末を維持するのにも役立つ。一部の実施形態では、フレキシブルアイソレータは、始動することでアイソレータ内の酸素(O)のほとんど又はすべてを窒素(N2)又はアルゴン(Ar)などの不活性ガスで置き換えることにより、原薬又は医薬製品の分解が最小限となり、可燃性又は爆発性の可能性のある材料の取り扱い又は処理にアイソレータを使用する方が安全となる換気システムを含むことができる。
【0013】
デュアルコンパートメントアイソレータ、カスケード陰圧制御装置、及び混合容器も含む本発明の別の実施では、デュアルコンパートメントアイソレータは上部及び下部を含み、その上部及び下部は1以上の側壁によって一緒に連結されて、内壁を有する内部部分を形成しており、その内壁は内部部分を第1のコンパートメントと第2のコンパートメントに分けている。1以上の側壁に形成されたグローブを終端とする1以上のスリーブが、アイソレータの内部部分の一方又は両方のコンパートメントに延在する。前記1以上のスリーブ及びグローブは、人間のオペレータがアイソレータ内の乾燥粉末容器を取り扱う間、人間のオペレータの手、手首及び腕を受け入れて保護するように構成されている。
【0014】
第1のコンパートメントの側壁の一方に形成された第1の密閉可能開口部によって、密閉された乾燥粉末容器をアイソレータの外側から第1のコンパートメント内側に移動させることが可能となる。代表的には、乾燥粉末容器を、第1のコンパートメント内でクリーニング、衛生化及び/又は消毒して、密封された乾燥粉末容器の外表面から乾燥粉末粒子その他の望ましくない埃粒子又は液体のほとんど又はすべてを除去する。第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の内壁に形成された第2の密封可能な開口部により、密封された乾燥粉末容器を、乾燥粉末容器を周囲大気にさらすことなく、第1のコンパートメントから第2のコンパートメントに移すことが可能となる。
【0015】
第2のコンパートメント内にある封じ込めバルブは、乾燥粉末容器の密閉接続部と嵌合するように好適に構成された結合部品を有する。カスケード陰圧制御装置は、第1のコンパートメント及び第2のコンパートメント内に十分な陰圧を生じさせるように動作可能であることで、(1)第1のコンパートメント内の浮遊粒子が第1のコンパートメントから出て、第1のコンパートメントにある第1の密閉可能開口部を通って周囲環境に入るのを防ぎ、(2)第2のコンパートメント内の浮遊粒子が第2のコンパートメントから出て、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間の内壁に形成された第2の密閉可能開口部を通って第1のコンパートメントに入るのを防ぐ。
【0016】
混合容器は、混合チャンバと、混合チャンバをデュアルコンパートメントアイソレータの第1のコンパートメント内の封じ込めバルブに流体的に接続する固体投入口とを含む。乾燥粉末容器の封じ込めバルブへの接続、及び封じ込めバルブの混合容器の固体投入口への接続により、乾燥粉末は、封じ込めバルブを通って乾燥粉末容器を出て、乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、混合チャンバに出て行くことができる。混合容器にある溶媒入口を用いて溶媒を混合チャンバに入れ、そこで、好ましくは混合チャンバ内に配置された攪拌機の始動によって、それが乾燥粉末と混合される。混合容器内の攪拌機で溶媒と乾燥粉末を混合することで、溶媒と乾燥粉末の混合物、例えばスラリー又は溶液が生成される。混合容器にある出口バルブにより、混合チャンバから溶媒及び乾燥粉末の混合物を排出することができる。
【0017】
本発明の一部の実施形態において、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータは、実質的に矩形である内部部分を画定する(すなわち、「ボックス」又は「キューブ」のような形状の内部部分を形成する)ように配置された四つの側壁を含む。他の実施形態では、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータは、円形又は楕円形の上部及び下部、ならびにその円形若しくは楕円形上部及び下部に密封的に接続された単一の円筒形の側壁を含むことで、上部、下部及び単一の側壁が一緒になって、実質的に円筒形状の内部部分を画定することができる。さらに他の実施形態では、上部、下部、及び側壁はまた、実質的に三角錐又はピラミッドの形状である内部部分を画定するように配置及び接続されていることができる。デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの内部の形状に関係なく、特許請求される発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、第1及び第2のコンパートメントが互いに隣接して(すなわち、水平配置又は「並列」配置で)配置されているか、回転することでそれらのコンパートメントの一方が他方のコンパートメントの上又は下に位置する(すなわち、垂直構成で)ようにできることは、当業者には理解されよう。デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの側壁は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、又はポリスチレンなどの任意の適切にフレキシブルの材料から形成することができる。本発明の一部の実施形態は、オペレータの手、手首及び腕を乾燥粉末、スラリー若しくは溶液、又は薬物副産物との直接接触から保護するために、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの両方のコンパートメントの側壁に形成された1以上のグローブ及びスリーブの組み合わせを含むことができる。本発明の一部の実施形態では、第1の密閉可能開口部及び/又は第2の密閉可能開口部は、ジップロックシール、又はクランプ、又は圧着シール、又はツイストシールを含むが、特許請求された発明の範囲から逸脱しない限り、他のタイプのシールを用いることができる。
【0018】
本発明の一部の実施形態では、封じ込めシステムはさらに、フレキシブルアイソレータを別のシステム、プロセス、又は機器に接続するためのさらに別のポートを含む。その追加ポートは、例えば、(i)真空源及び(ii)不活性ガス源に選択的に接続されることで、封入物内の空気を不活性ガスによって置き換えることができる。
【0019】
本発明の各種実施形態において、封じ込めシステムは、溶媒注入口を介して混合容器に流体的に接続された溶媒タンクをさらに含む。
【0020】
本発明の追加の実施形態では、封じ込めシステムはさらに、第2の溶媒を混合チャンバに入れるように構成されている、混合容器の第2の溶媒注入口を含む。本発明の一部の実施形態では、第2の溶媒注入口を使用して、混合容器に逆溶媒を入れることができる。本発明のそのような実施形態では、封じ込めシステムはさらに、混合チャンバ内で生成された混合物に逆溶媒を提供するための逆溶媒タンクを含む。
【0021】
別の実施では、本発明の実施形態は、(i)上部及び下部、(ii)少なくとも一つのグローブ、(iii)第1の密閉可能開口部、(iv)第2の密閉可能開口部、(v)封じ込めバルブ、及び(vi)カスケード陰圧制御装置を含むデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを提供する。前記上部及び下部は1以上の側壁によって互いに連結されて、1以上の側壁に密閉的に接続され、内部部分を第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントに分離する内壁を含む内部部分を形成している。前記少なくとも一つのグローブは、側壁の少なくとも一つに形成され、フレキシブルアイソレータの内部に延在可能であるように構成される。第1の密閉可能開口部は、側壁の一つに形成され、それにより、乾燥粉末材料容器を第1のコンパートメント内に配置することができる。第2の密閉可能開口部は、内壁に形成され、それによって、乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、乾燥粉末容器を第1のコンパートメントから第2のコンパートメントに移動させることができる。第2のコンパートメント内にある封じ込めバルブは、乾燥粉末容器の密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する。カスケード陰圧制御装置は、第1のコンパートメント及び第2のコンパートメント内に陰圧を生成して、浮遊粒子が第2のコンパートメントから出て第1のコンパートメントに入る可能性、又は第1のコンパートメントから出て周囲環境に入る可能性を実質的に低下又は無くす。
【0022】
さらに、又はグローブの代替として、本発明の実施形態は、オペレータが隔離空間(すなわち、隔離コンパートメント)内のアイテムを操作することを可能にする他の装置を備えてもよい。このような機器には、延在スリーブ及びロボットアームなどがあるが、それらに限定されない。アイソレータはまた、側壁を介して隔離空間へのアクセスを可能にして、加圧ガス、流水、電力などの様々な製品、物質及び材料の投入又は取り出しを容易にする1以上の投入口及び排出口を有し得る。
【0023】
フレキシブルアイソレータは、特定の種類のプローブ又はセンサーに限定されることなく、1以上のプローブ及び/又はセンサーをさらに含み得る。センサーには、例えば、温度、圧力、p(O2)、又はp(N2)センサー、又は警報装置などがあり得る。センサー又はプローブは、コンピューターシステムに接続されるか、又はそれによって制御され得る。センサー及び/又はプローブによって収集された情報は、コンピュータシステムに送信及び/又は保存され得る。圧力センサーを使用してアイソレータ内の圧力を継続的に監視することは、アイソレータに穴や漏れが形成されているか否かを判断するのに使用できる一つのアプローチである。
【0024】
さらに別の態様では、本発明は、乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく溶媒を乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムであって、当該封じ込めシステムが、a)乾燥粉末容器の密閉接続部、及び混合容器の固体投入口への接続部を受け入れるように構成されている結合部品を有する分割バタフライバルブSBVを含む一次封じ込めサブシステム;及びb)混合容器、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ、及びカスケード陰圧制御装置を含む二次封じ込めサブシステムを含む封じ込めシステムを提供する。一部の実施形態では、本発明の封じ込めシステムはさらに、陰圧室、又は下降流ブース、又はガス排出管、又は溶媒排出管、又は保護床、又は単回使用保護カーテン、又はそれらの1以上の組み合わせを含む三次封じ込めサブシステムをさらに含む。
【0025】
本発明の一部の実施形態では、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータは、ステージングコンパートメント、投入コンパートメント、ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口(原材料投入口は、乾燥粉末容器をステージングコンパートメントに移動させる際に乾燥粉末容器を周囲から隔離するように構成されている。)、ステージングコンパートメントを投入コンパートメントから分離する仕切り、及び乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく乾燥粉末容器がステージングコンパートメントから出て投入コンパートメントに入ることを可能にする仕切りの再封可能開口部を含む。
【0026】
さらに別の態様では、本発明は、乾燥粉末及び溶媒からスラリー又は溶液を製造する方法を提供する。その方法は、
(a)デュアルコンパートメントアイソレータであって、ステージングコンパートメント、前記ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口、投入コンパートメント、前記投入コンパートメントに配置された封じ込めバルブ、及び前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメントの間の仕切りを含むデュアルコンパートメントアイソレータを提供する段階;
(b)カスケード陰圧制御装置を前記デュアルコンパートメントアイソレータに接続する段階;
(c)溶媒注入口、混合チャンバ、及び前記混合チャンバに流体的に接続された固体投入口を含む混合容器を提供する段階;
(d)前記乾燥粉末を含む乾燥粉末容器であって密閉接続部を有する乾燥粉末容器を受け入れる段階;
(e)前記カスケード陰圧制御装置を作動させて、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメントの両方で陰圧を生成する段階;
(f)前記乾燥粉末容器を、前記原材料投入口を介して前記ステージングコンパートメントに入れる段階;
(g)前記乾燥粉末容器を前記仕切りの再封可能開口部に通すことにより、前記乾燥粉末容器を前記ステージングコンパートメントから前記投入コンパートメントに移す段階;
(h)前記仕切りにおける前記再封可能開口部を閉じる段階;
(i)前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部を、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記投入コンパートメントにおける前記封じ込めバルブの一端にある結合部品に接続する段階;
(j)前記混合容器の前記固体投入口を前記封じ込めバルブの反対側の端に接続する段階;
(k)前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部、前記封じ込めバルブの前記結合部品、及び前記混合容器の前記固体投入口を開くことで、前記乾燥粉末がデュアルコンパートメントアイソレータの投入コンパートメント内の前記乾燥粉末容器から出て、前記密閉接続部、前記結合部品、前記固体投入口を通り、前記混合容器の前記混合チャンバへ入るようにする段階;
(l)前記溶媒注入口を介して前記混合容器の前記混合チャンバに前記溶媒を導入する段階;及び
(m)前記混合チャンバ内で前記乾燥粉末と前記溶媒を攪拌して、前記スラリー又は溶液を生成する段階
を含む。
【0027】
本発明の一部の実施形態では、当該方法は、混合容器の混合チャンバ内で形成された組成物に逆溶媒を添加してスラリーを形成することをさらに含む。本発明の他の実施形態では、混合チャンバに導入される溶媒は、乾燥粉末を溶解して溶液を生成するものである。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、混合容器はさらに、第2の溶媒注入口を含み、この方法はさらに、(i)第2の溶媒注入口を介して混合容器の混合チャンバに逆溶媒を導入すること、及び(ii)混合チャンバ内で乾燥粉末と逆溶媒を攪拌してスラリーを生成することを含む。
【0029】
本発明のさらに他の実施形態では、当該方法はさらに、乾燥粉末容器がステージングコンパートメント内にある間にステージング手順を行うことをさらに含み、ステージング手順が乾燥粉末容器をクリーニングすることを含む。乾燥粉末容器は、水及びアルコールなどの適切な溶液でクリーニングすることができる。好適なアルコールには、イソプロパノール又はメタノールなどがあるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明のさらなる実施形態では、当該方法は、移送装置を混合容器に取り付けること、並びに当該移送装置を作動させて、スラリー又は溶液の混合容器からの排出を容易にすることをさらに含む。当該移送装置は、ポンプ、陽圧源、又は真空若しくは吸引装置などの陰圧源を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の例示的な封じ込めシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の例示的な封じ込めシステムの斜視図である。
【
図3B】本発明の例示的な封じ込めシステムの追加の斜視図である。
【
図4B】両図が一緒になって、本発明による封じ込めシステムの操作のプロセスを示すフローチャートである。
【
図5】本発明の封じ込めシステムの1実施形態の例示的なデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの原材料投入口の実施形態の斜視図である。
【
図6】本発明の封じ込めシステムの例示的なデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータのオペレータスリーブの斜視図である。
【
図7】本発明による封じ込めシステムに関連する固体投入口の1実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明の封じ込めシステムの1実施形態で使用される例示的な封じ込めバルブの斜視図である。
【
図9】乾燥粉末を供給するために本発明の実施形態とともに使用可能な乾燥粉末容器の1例を示す図である。
【
図10】本発明の封じ込めシステムの例示的な実施形態による、例示的なデュアルコンパートメントアイソレータに取り付けられた混合容器の斜視図である。
【
図11A】本発明の実施形態とともに使用されて、封じ込めシステムで生成された混合物、溶液又はスラリー中の粒子を均一な粒径に低減して、乾燥時間をより速くし、乾燥粉末の品質をより高くすることができる例示的な任意の湿式粉砕装置を示す図である。
【
図11B】本発明の実施形態に従って動作するように構成された封じ込めシステムの特定の実施形態で使用することができる例示的な湿式ミルの斜視図である。
【
図12】本発明の例示的なデュアルコンパートメントアイソレータに関連する逆溶媒容器の斜視図である。
【
図13】本発明の封じ込めシステムの実施形態による、例示的なデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータに関連する空気圧ポンプを示す模式的斜視図である。
【
図14】本発明の封じ込めシステムの各種実施形態に従って使用される溶媒タンクの斜視図である。
【
図15】本発明の封じ込めシステムの各種実施形態に従って使用される例示的な溶媒供給ラインの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
概要として、本発明の例示的な実施形態は、原材料を溶媒と混合してスラリー又は溶液を生成している間に、医薬物質又は医薬製品などの原材料の適正製造基準(GMP)レベルの封じ込めを可能にするシステム、装置及び方法を提供する。有利な点として、本発明の実施形態は、小さくコンパクトなスペース(無菌医薬品製造で使用される従来のクリーンルームに必要なスペースと比較して)で使用可能であり、フレキシブルであり、使いやすく、使用後に容易に廃棄できる。
【0033】
図1は、本発明の例示的な封じ込めシステム100を示す図である。
図1に示されるように、封じ込めシステム100は、デュアルコンパートメントアイソレータ105及び混合容器140を含むように構成される。乾燥粉末容器125からの乾燥粉末124の安全な取り出しを容易にするデュアルコンパートメントアイソレータ105は、ステージングコンパートメント110、投入コンパートメント115、及びステージングコンパートメント110に接続された原材料投入口130を有する。原材料投入口130は、乾燥粉末容器125をステージングコンパートメント110に移動させながら、乾燥粉末容器125を周囲大気から隔離するように構成されている。仕切り120は、ステージングコンパートメント110を投入コンパートメント115から分離している。仕切り120は、乾燥粉末124を周囲大気190にさらすことなく、乾燥粉末容器125がステージングコンパートメント110から出て、投入コンパートメント115に入ることを可能にする再封可能開口部122を有する。
【0034】
封じ込めシステム100はまた、投入コンパートメント115の内側に配置された封じ込めバルブ135を含む。封じ込めバルブ135は、乾燥粉末容器125の密閉接続部と嵌合するように構成された結合部品(
図1には示されていない)を有する。封じ込めシステム100はまた、ステージングコンパートメント110及び投入コンパートメント115の両方で陰圧を発生させるためのカスケード陰圧制御装置185を含む。
【0035】
封じ込めシステム100はまた、溶媒容器155からの溶媒150と乾燥粉末を混合するための混合容器140を含む。混合容器140は、混合チャンバ145、混合チャンバ145を封じ込めバルブに流体接続する固体投入口160を含み、その固体投入口160によって、乾燥粉末124は、乾燥粉末容器125を出て、封じ込めバルブ135を通り、混合チャンバ145に入ることができ、その間、乾燥粉末124は周囲大気190にさらされることはない。
【0036】
混合容器140はまた、溶媒150を混合チャンバ145に入れるための溶媒注入口165を含む。好ましくは、混合チャンバ145の内部170内で吊り下げられた攪拌機(
図1では不図示)を作動させて、混合チャンバ145中で溶媒150及び乾燥粉末124を一緒に混和して、溶媒及び乾燥粉末混合物175を生成することができる。混合容器140はまた、溶媒及び乾燥粉末混合物175を混合チャンバ145から排出するための排出口180を含む。溶媒及び乾燥粉末混合物は、スラリー又は溶液を含み得る。
【0037】
混合容器140の蓋は、好ましくは、次のポート:浸漬管、窒素供給管、浸漬管を介したサンプルポート、排出口浸漬管、固体充填用のバタフライバルブ及び通気孔を含む溶媒注入口165を有する。好ましくは、サンプルポート及び関連する浸漬管は、デュアルコンパートメントアイソレータ105の投入コンパートメント115に進み、グレードC環境での密閉サンプリングを容易にする。バタフライバルブは、任意の好適なサイズであり得る。しかし、そのバルブは好ましくは直径2~6インチである。
【0038】
図2は、ステージングコンパートメント210、投入コンパートメント215、再封可能開口部220を備えた仕切り217、及び蓋290付きの30リットル(30L)混合容器240を有するデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ205を含む、本発明の1実施形態による封じ込めシステム200を示す図である。
図2に示される例示的な実施形態では、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ205のステージングコンパートメント210及び投入コンパートメント215は、四つのスリーブ及びグローブの組み合わせ(
図2では不図示)をつなぐように構成された4個のオリフィス212a、212b、212c及び212dを含み、そのように構成されていることで、オペレータがステージングコンパートメント210及び投入コンパートメント215に手を入れて、乾燥粉末(power)容器125を操作しながら、それがクリーニングされ、一方のコンパートメントから他方のコンパートメントに移動するようにすることができる。30リットル混合容器240には、ジャケットを付け、空気動力オーバーヘッド攪拌機が備えられていてもよい(攪拌機の1例が
図10に示されており、参照番号1050で示されている)。30リットル容器240の固体投入ポート250は、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ205の投入コンパートメント215に配置された封じ込めバルブ235(例えば、分割型バタフライバルブ)に接続されている。
【0039】
図3A及び3Bは、本発明に従って構成された封じ込めシステムの例示的な実施形態の別の斜視図を示す。
図3Aは、再封可能開口部322を備えた仕切り320によって分離されたステージングコンパートメント310及び投入コンパートメント315を含むデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ305を含む封じ込めシステム300を示す。封じ込めシステム300はまた、蓋390及び混合チャンバ345を備えた30リットル混合容器340を含む。混合容器340は、投入ポート350を有し、これは封じ込めバルブ335に接続され、そしてそれはデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ305の投入コンパートメント315の底部に接続されている。
図3Aに示したように、ステージングコンパートメント310及び投入コンパートメント315はまた、複数のスリーブとグローブの組み合わせ302、302、303及び304を含み得る。封じ込めシステム300はまた、溶媒タンク352を含み得る。溶媒タンク352内に貯蔵された溶媒は、溶媒タンク352を30リットル混合容器340の蓋390に接続するポート及びチューブ(明確にするために
図3には不図示である)の適切な配置を通して溶媒をポンプ送り又は引き込むことによって、30リットル混合容器340の混合チャンバ345に導入することができる。排出口362は、30リットル混合容器340の混合チャンバ345からのスラリー又は溶液を抽出する手段を提供する。
【0040】
図3Bは、スリーブ及びグローブの組み合わせ303及び304を含む、
図3Aに描かれた封じ込めシステムのデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ305の投入コンパートメント315の斜視図である。図面を明確にするために、グローブは示していない。
図3Bはまた、混合チャンバ345と、溶媒注入口365、排出口180及び固体投入口360を含む蓋390とを含む、混合容器340の一部を示す。
【0041】
図4A及び4Bは一緒に、本発明の1実施形態による、乾燥粉末及び溶媒からスラリー又は溶液を生成する方法を示すフローチャートを示している。第1段階405として、デュアルコンパートメントアイソレータ105が提供される。デュアルコンパートメントアイソレータ105は、ステージングコンパートメント110、ステージングコンパートメント110に接続された原材料投入口130、投入コンパートメント115、投入コンパートメント115に配置された封じ込めバルブ135、及びステージングコンパートメント110と投入コンパートメント115との間の仕切り120を含む。段階410は、溶媒注入口165、混合チャンバ145、及び混合チャンバ145に流体的に接続された固体投入口160を含む混合容器140を提供する。
【0042】
段階415で、乾燥粉末124を含む乾燥粉末容器125が受け取られる。乾燥粉末容器は密閉接続部を有する。次に、段階420で、カスケード陰圧制御装置185を始動させて、デュアルコンパートメントアイソレータ105のステージングコンパートメント110及び投入コンパートメント115の両方で陰圧を生じさせる。段階425で、乾燥粉末容器を、原材料投入口130を介してステージングコンパートメントに入れる。ユーザーは、原材料(例えば、原薬又は医薬製品)及び選択した処理装置(例えば、漏斗、スコップなど)を、原材料投入口130を介してステージングコンパートメント110に送ることができる。原材料投入口130は、ポリスリーブであることができる。次に、原材料投入口130を閉じることで、外部環境からコンパートメントを密閉する。
【0043】
段階430は、乾燥粉末容器125を仕切り122の再封可能開口部に通すことにより、乾燥粉末容器125をステージングコンパートメント110から投入コンパートメント115に移動させる。次に、仕切り120の再封可能開口122を、段階435で閉じる。段階440で、乾燥粉末容器125上の密閉接続部を、デュアルコンパートメントアイソレータ105の投入コンパートメント115内の封じ込めバルブ135の一端にある結合部品に接続する。次に、段階445で、混合容器140にある固体投入口160を、封じ込めバルブ135の反対側の端部に接続する。
【0044】
段階450は、a)乾燥粉末容器125にある密閉接続部、b)封じ込めバルブ135にある結合部品及び混合容器140にある固体投入口160を開くことを含み、それによって乾燥粉末124が、デュアルコンパートメントアイソレータ105の投入コンパートメント115内の乾燥粉末容器125から出て、密閉接続部、結合部品及び固体投入口160を通り、混合容器140の混合チャンバ145に入る。混合容器140、例えば、30リットル混合容器には、例えば、ジャケットを設け、関連のフーバーユニットを使用して加熱又は冷却することで、ジャケットの温度を制御することができる。
【0045】
次に、段階455で、溶媒150を、溶媒注入口165を介して、混合容器140の混合チャンバ145に導入する。溶媒150は、好ましくはステンレス製の窒素不活性化容器又はタンク155から、ラインフィルターを通って、混合容器140、例えば30リットル容器に投入される。最後に、段階460で、乾燥粉末124及び溶媒150が混合チャンバ145内で攪拌されて、スラリー又は溶液175を生成する。
【0046】
溶媒と所望の材料との混合物を、混合物を湿式粉砕にかけて薬物の粒径を小さくし、薬物溶解性を改善することによってさらに処理しても良い。ナノ粒子を生成するのに適した任意の種類の粉砕及び粉砕装置を、本発明と併せて使用することができる。例示的な種類の粉砕操作には、湿式粉砕、媒体粉砕、極低温粉砕、及び高圧均質化などがあり得るが、これらに限定されるものではない。
【0047】
図5は、本発明の封じ込めシステムにおいて有用であるデュアルコンパートメントアイソレータの例示的な原材料投入口530を示している。
図5に示されるように、原材料投入口530は、代表的には、乾燥粉末容器125を外部環境から封じ込めシステムのステージングコンパートメントに移送できるようにするのに適切に十分大きい直径を有するフレキシブルな管状プラスチック導管、ダクト又はスリーブを含む。好ましくは、原材料投入口530の開放端は、乾燥粉末容器125が内部に入った後、適切なひも、ロープ、ストラップ、タイ又はクリンプ532でねじって閉じ、結ぶことができ、その結果、空気や浮遊粒子はほぼ、どちらの方向でも開放端を通過できない。
【0048】
図6は、本発明の封じ込めシステムのデュアルコンパートメントアイソレータの壁に密封的につながっているオペレータスリーブ601及び602を示している。オペレータスリーブをオペレータが使用して、本発明のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータのステージングコンパートメント及び投入コンパートメント内にある材料及び品目を操作する。オペレータスリーブ601及び602はまた、廃棄物を除去し、洗浄用品及び消毒剤を導入及び除去するためのステージングコンパートメントとして使用することができる。気化過酸化水素(VHP)などの消毒剤も、デュアルコンパートメントの一方又は両方の衛生接続ポートを介してデュアルコンパートメントアイソレータに導入することができる。
【0049】
図7及び8は、本発明による封じ込めシステムに関連する封じ込めバルブ735及び835それぞれの実施形態の斜視図を提供する。封じ込めバルブ735及び835は分割型バタフライバルブであり、それらはそれぞれ、乾燥粉末容器725及び825の密閉接続部730及び830に接続されている。
図8はまた、分割バタフライバルブ835に嵌合された密閉接続部830を備えた乾燥粉末容器825の1実施形態を示している。
【0050】
図9は、密閉接続部910を有する乾燥粉末容器905の1例を示しており、密閉接続部910はクランプを含む。
図9に示すように、密閉接続部910は、封じ込めバルブ915の上部につながっている。
図9に示した乾燥粉末容器905の例では、乾燥粉末容器905に取り付けられたフラッシュポート920が提供され、これは、乾燥粉末容器905内の乾燥粉末を濡らすことができるように構成されている。
【0051】
図10は、本発明の封じ込めシステムの例示的な実施形態に従って使用することができる混合容器1030、混合チャンバ1045、及び蓋1090の斜視図である。混合容器1030は、混合チャンバ1045内で溶媒、スラリー、及び溶液を混合するための攪拌機1050を含む。好ましくは実質的に平坦でステンレス製の蓋1090は、化学合成を容易にするためにそれを通る複数の容器ポートを有する。別の実施形態では、蓋1090は、ガラス製であることができるか、及び/又はドームの形状を有していてもよい。
【0052】
図11Aは、本発明の各種実施形態とともに用いて、混合物、溶液又はスラリー中の粒子をより小さな粒径に低下させて、乾燥時間をより速くし、乾燥粉末の品質をより高くすることができると考えられる例示的な湿式粉砕装置1100を示している。
図11Aに示されるように、粉砕装置1100は、ナノ結晶沈殿、非晶質沈殿、又は1~5μmの範囲の微粉化結晶材料の沈殿に利用されると考えられる湿式粉砕装置1110を含む。湿式粉砕装置1110は、(
図1の)混合容器140から混合物、スラリー若しくは溶液を入れるための投入口、及び粉砕された混合物、溶液若しくはスラリーを、例えば100リットル容器であることができる沈殿容器1120に排出するための排出口を含む。
【0053】
沈殿容器1120は、湿式粉砕装置1110からの粉砕された混合物、スラリー又は溶液を受け取るための第1の投入口バルブ1130と、逆溶媒容器1160から逆溶媒を受け取るための第2の投入口バルブ1170とを含み、それにより、逆溶媒と粉砕混合物、スラリー又は溶液との混合が容易になる。沈殿容器1120はまた、流量を制御するのに使用される蠕動ポンプ1150の助けを得て、ナノ粒子沈殿混合物、スラリー又は溶液を湿式粉砕装置1110に排出するための再循環ラインバルブ1140を含む。沈殿容器1120はまた、ナノ粒子沈殿混合物、スラリー又は溶液を別の装置に排出するための排出口バルブを含む。第2の蠕動ポンプ1190を用いて、沈殿容器排出口バルブ1180を通して湿式粉砕装置1110に投入を行い、そして流量を維持する。
図11Bは、粉砕装置1110の1例のより詳細な図を示している。
図12は、溶媒注入口1210を介して混合容器1030の混合チャンバ1040に導入され得る溶媒又は反溶媒1205を保持する、本発明の封じ込めシステムの例示的な実施形態に関連する溶媒(逆溶媒)タンク1200の斜視図である。
【0054】
図13は、本発明の封じ込めシステムの1実施形態による、例示的なデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータに関連する空気圧ポンプ1300を示している。
【0055】
図14は、本発明の封じ込めシステムの各種実施形態に従って使用される溶媒タンク1400及び1401の斜視図である。溶媒タンクは、本発明の封じ込めシステムにおける混合容器に提供される溶媒の供給源である。
【0056】
図15は、本発明の封じ込めシステムの各種実施形態に従って使用することができる例示的な溶媒供給ラインパネル1500の斜視図である。
図15に示すように、例示的な溶媒供給ラインパネル1500は、二つの溶媒投入ライン1501及び1502、ならびに一つの溶媒排出ライン1503を含む。バルブに接続されたハンドル(
図15では不図示)をオペレータが操作して、溶媒投入ライン1501及び1502を通って溶媒供給ラインパネル1500に入り、溶媒排出ライン1503を通って溶媒共有ラインパネル1500を出る溶媒の量を制御することができる。溶媒入力ライン1501及び1502は、代表的には、溶媒(又は逆溶媒)タンク(例えば、
図12に示した溶媒(及び逆溶媒)タンク1200及び
図14に示した溶媒タンク1400及び1401)に連結されており、一方、溶媒排出ライン1503が、混合容器にある溶媒投入口によって混合容器に取り付けられている。
図15に示されるように、溶媒供給ラインパネル1500は、接続された溶媒(逆溶媒)タンク及び混合容器の近くに位置する壁1530に好適に取り付けることができる。
【0057】
以上、具体的な例を参照しながら本発明について詳細に説明したが、当業者には、本発明の範囲内で各種変更を行うことができることが明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載の実施例によってではなく、下記で提供される特許請求の範囲によって限定されるべきである。
本発明は一態様において、以下を提供する。
[項目1]
乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく溶媒を当該乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムであって、前記乾燥粉末を、密閉接続部を有する乾燥粉末容器内の封じ込めシステムに供給し、当該封じ込めシステムが、
(a)前記乾燥粉末容器から前記乾燥粉末を安全に取り出すためのデュアルコンパートメントアイソレータであって、
ステージングコンパートメント、
投入コンパートメント、
前記ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口であって、前記乾燥粉末容器を前記ステージングコンパートメントに移動させながら、前記乾燥粉末容器を前記周囲大気から隔離するように構成されている原材料投入口、
前記ステージングコンパートメントを前記投入コンパートメントから分離する仕切り、
前記乾燥粉末を前記周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器が前記ステージングコンパートメントから出て、前記投入コンパートメントに移動できるようにする前記仕切りにおける再封可能開口部、
前記投入コンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記ステージングコンパートメント及び前記投入コンパートメントの両方で陰圧を発生させるためのカスケード陰圧制御装置
を含むデュアルコンパートメントアイソレータ;ならびに
(b)前記乾燥粉末を前記溶媒と混合するための混合容器であって、
混合チャンバ、
前記乾燥粉末を前記周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末が前記乾燥粉末容器から出て、前記封じ込めバルブを通り、前記混合チャンバに入ることができるようにするために、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記投入コンパートメント内の前記封じ込めバルブに前記混合チャンバを流体的に接続する固体投入口、
前記溶媒を前記混合チャンバに入れるための溶媒注入口;ならびに
前記混合チャンバ内で前記溶媒及び前記乾燥粉末を一緒に混合して溶媒と乾燥粉末の混合物を生成するための攪拌機、及び
前記混合チャンバから前記溶媒及び乾燥粉末混合物を排出するための排出口バルブを含む混合容器
を含む封じ込めシステム。
[項目2]
前記混合チャンバから前記排出口バルブを介した前記乾燥粉末混合物の排出を容易にするための排出装置をさらに含む、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目3]
前記排出装置が、ポンプ、陽圧源、又は陰圧源を含む、項目2に記載の封じ込めシステム。
[項目4]
前記投入コンパートメントにおける前記封じ込めバルブが、分割バタフライバルブを含む、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目5]
前記溶媒注入口によって前記混合チャンバに流体的に接続されている溶媒タンクをさらに含む、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目6]
前記混合チャンバ中に導入される逆溶媒を保持するための逆溶媒タンクをさらに含む、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目7]
第2の溶媒を前記混合チャンバに入れるように構成された前記混合容器上の第2の溶媒注入口をさらに含む、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目8]
前記第2の溶媒が逆溶媒である、項目7に記載の封じ込めシステム。
[項目9]
前記混合容器が、スチール、又はポリマー、又はホウケイ酸塩、又はそれらの1以上の組み合わせ製である、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目10]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記ステージングコンパートメントに不活性ガスを充填するように構成されている、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目11]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記投入コンパートメントに不活性ガスを充填するように構成されている、項目1に記載の封じ込めシステム。
[項目12]
前記不活性ガスが窒素又はアルゴンである、項目10又は11に記載の封じ込めシステム。
[項目13]
乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく溶媒を当該乾燥粉末と混合するための封じ込めシステムであって、前記乾燥粉末を、密閉接続部を有する乾燥粉末容器内の封じ込めシステムに供給し、当該封じ込めシステムが、
a)前記乾燥粉末容器から前記乾燥粉末を安全に取り出すためのデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータであって、
上部及び下部であって、当該上部と当該下部が1以上の側壁によって互いに連結されていて内部部分を形成しており、前記内部部分が、前記側壁に密閉的に接続され、前記内部部分を第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントに分離する内壁を含む上部及び下部、
前記側壁の少なくとも一方に形成された少なくとも一つのグローブであって、前記少なくとも一つのグローブが、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記内部部分に延在しているグローブ;及び
乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメント内に配置できるようにするために、前記側壁の一方に形成された第1の密閉可能開口部;
前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器を前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントに移動させることを可能にするために前記内壁に形成された第2の密閉可能開口部;
前記第2のコンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を発生させるためのカスケード陰圧制御装置
を含むデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ;ならびに
b)前記乾燥粉末を前記溶媒と混合するための混合容器であって、
混合チャンバ、
前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末が前記乾燥粉末容器から出て、前記封じ込めバルブを通り、前記混合チャンバに入ることができるようにするために、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第2のコンパートメント内の前記封じ込めバルブに前記混合チャンバを流体的に接続する固体投入口、
前記溶媒を前記混合チャンバに入れるための溶媒注入口;
前記混合チャンバ内で前記溶媒及び前記乾燥粉末を一緒に混合して溶媒と乾燥粉末の混合物を生成するための攪拌機、及び
前記混合チャンバから前記溶媒及び乾燥粉末混合物を排出するための排出口バルブを含む混合容器
を含む封じ込めシステム。
[項目14]
前記第2のコンパートメントにおける前記封じ込めバルブが分割バタフライバルブを含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目15]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータが四つの側壁を含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目16]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記側壁が、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、又はポリスチレン製である、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目17]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側から参照した第1の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱、及び前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第1コンパートメントの内側から参照した第2の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱を提供する、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目18]
前記第1の密閉可能開口部が、ジップロックシール、又はクランプ、又は圧着シール、又はツイストシールを含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目19]
前記第2の密閉可能開口部が、ジップロックシール、又はクランプ、又は圧着シール、又はツイストシールを含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目20]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを別の装置に接続するための追加のポートをさらに含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目21]
前記追加のポートが、(i)真空源及び(ii)不活性ガス源に選択的に接続され得ることで、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ内の空気を不活性ガスによって置き換えることができる、項目20に記載の封じ込めシステム。
[項目22]
前記溶媒注入口によって前記混合容器に流体的に接続されている溶媒タンクをさらに含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目23]
前記混合チャンバに導入される逆溶媒を保持するための逆溶媒タンクをさらに含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目24]
第2の溶媒を前記混合チャンバに入れるように構成された前記混合容器上の第2の溶媒注入口をさらに含む、項目13に記載の封じ込めシステム。
[項目25]
前記第2の溶媒が逆溶媒である、項目24に記載の封じ込めシステム。
[項目26]
上部及び下部であって、当該上部と当該下部が1以上の側壁によって互いに連結されていて内部部分を形成しており、前記内部部分が、前記側壁に密閉的に接続され、前記内部部分を第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントに分離する内壁を含む上部及び下部、
前記側壁の少なくとも一方に形成された少なくとも一つのグローブであって、前記少なくとも一つのグローブが、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記内部部分に延在しているグローブ;及び
乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメント内に配置できるようにするために、前記側壁の一方に形成された第1の密閉可能開口部;
前記乾燥粉末材料容器中の乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末材料容器を前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントに移動させることを可能にするために前記内壁に形成された第2の密閉可能開口部;
前記第2のコンパートメント内に配置された封じ込めバルブであって、前記乾燥粉末材料容器の密閉接続部と嵌合するように適切に構成された結合部品を有する封じ込めバルブ、及び
前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメント内で陰圧を発生させるためのカスケード陰圧制御装置
を含む、デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
[項目27]
前記第2のコンパートメント中の前記封じ込めバルブが分割型バタフライバルブを含む、項目26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
[項目28]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータを別の装置に接続するためのポートをさらに含む、項目26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
[項目29]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータが四つの側壁を含む、項目26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
[項目30]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記第1のコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側から参照した第1の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱、及び前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記第1コンパートメントの内側から参照した第2の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱を生じさせる、項目26に記載のデュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ。
[項目31]
a)乾燥粉末容器の密閉接続部、及び混合容器の固体投入口への接続部を受け入れるように構成されている結合部品を有する封じ込めバルブを含む一次封じ込めサブシステム;及び
b)
前記混合容器、
デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータ、及び
カスケード陰圧制御装置を含む
二次封じ込めサブシステムを含む封じ込めシステム
を含む、前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、溶媒を乾燥粉末と混合するための封じ込めシステム。
[項目32]
陰圧室、又は下降流ブース、又はガス排出管、又は溶媒排出管、又は保護フローリング、又は単回使用保護カーテン、又はそれらの1以上の組み合わせを含む三次封じ込めサブシステムをさらに含む、項目31に記載の封じ込めシステム。
[項目33]
前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータが、
ステージングコンパートメント、
投入コンパートメント、
前記ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口であって、前記乾燥粉末容器を前記ステージングコンパートメントに移動させながら、前記乾燥粉末容器を周囲大気から隔離するように構成されている原材料投入口、
前記ステージングコンパートメントを前記投入コンパートメントから分離する仕切り、及び
前記乾燥粉末を周囲大気にさらすことなく、前記乾燥粉末容器を前記ステージングコンパートメントから出して、前記投入コンパートメントに移動させることを可能とする、前記仕切りにおける再封可能開口部
を含む、項目31に記載の封じ込めシステム。
[項目34]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記ステージングコンパートメント、前記投入コンパートメント、又は前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメントの両方に不活性ガスを充填するように構成されている、項目33に記載の封じ込めシステム。
[項目35]
前記カスケード陰圧制御装置が、前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側と前記ステージングコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの外側から参照した第1の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱、及び前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記ステージングコンパートメントの内側から参照した第2の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱を生じさせる、項目34に記載の封じ込めシステム。
[項目36]
乾燥粉末及び溶媒からスラリー又は溶液を製造する方法であって、
デュアルコンパートメントアイソレータであって、ステージングコンパートメント、前記ステージングコンパートメントに接続された原材料投入口、投入コンパートメント、前記投入コンパートメントに配置された封じ込めバルブ、及び前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメントの間の仕切りを含むデュアルコンパートメントアイソレータを提供すること;
カスケード陰圧制御装置を前記デュアルコンパートメントアイソレータに接続すること;
溶媒注入口、混合チャンバ、及び前記混合チャンバに流体的に接続された固体投入口を含む混合容器を提供すること;
前記乾燥粉末を含む乾燥粉末容器であって密閉接続部を有する乾燥粉末容器を受け入れること;
前記カスケード陰圧制御装置を作動させて、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメントの両方で陰圧を生成すること;
前記乾燥粉末容器を、前記原材料投入口を介して前記ステージングコンパートメントに入れること;
前記乾燥粉末容器を前記仕切りの再封可能開口部に通すことにより、前記乾燥粉末容器を前記ステージングコンパートメントから前記投入コンパートメントに移すこと;
前記仕切りにおける前記再封可能開口部を閉じること;
前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部を、前記デュアルコンパートメントアイソレータの前記投入コンパートメントにおける前記封じ込めバルブの一端にある結合部品に接続すること;
前記混合容器の前記固体投入口を前記封じ込めバルブの反対側の端に接続すること;
前記乾燥粉末容器の前記密閉接続部、及び前記封じ込めバルブの前記結合部品を開くことで、前記乾燥粉末がデュアルコンパートメントアイソレータの投入コンパートメント内の前記乾燥粉末容器から出て、前記密閉接続部、ならびに前記結合部品及び前記固体投入口を通り、前記混合容器の前記混合チャンバへ入るようにすること;
前記溶媒注入口を介して前記混合容器の前記混合チャンバに前記溶媒を導入すること;及び
(m)前記混合チャンバ内で前記乾燥粉末と前記溶媒を攪拌して、前記スラリー又は溶液を生成すること
を含む方法。
[項目37]
前記混合チャンバに逆溶媒を導入することでスラリーを生成することをさらに含む、項目36に記載の方法。
[項目38]
前記混合容器の前記混合チャンバに導入された前記溶媒が前記乾燥粉末を溶解して溶液を生成する、項目36に記載の方法。
[項目39]
項目36に記載の方法であって、
前記混合容器がさらに第2の溶媒注入口を含み;
当該方法がさらに、
(i)前記第2の溶媒注入口を介して前記混合容器の前記混合チャンバに逆溶媒を導入すること、及び
(ii)前記混合チャンバ中で前記乾燥粉末と前記逆溶媒を攪拌して前記スラリーを生成すること
を含む方法。
[項目40]
前記カスケード陰圧制御装置を動作させて、前記デュアルコンパートメントアイソレータの外側と前記ステージングコンパートメント間の第1の陰圧差(前記デュアルコンパートメントアイソレータの外側から参照した第1の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱、及び前記ステージングコンパートメントと前記投入コンパートメント間の第2の陰圧差(前記デュアルコンパートメントフレキシブルアイソレータの前記ステージングコンパートメントの内側から参照した第2の陰圧差)約0.01~約0.5インチ水柱を提供させることをさらに含む、項目36に記載方法。
[項目41]
前記乾燥粉末容器が前記ステージングコンパートメント内にある間にステージング手順を実行することをさらに含み、前記ステージング手順が前記乾燥粉末容器をクリーニングすることを含む、項目36に記載の方法。
[項目42]
前記封じ込めバルブがバタフライバルブを含む、項目36に記載の方法。
[項目43]
(i)移送装置を前記混合容器に取り付けること;及び
(ii)前記移送装置を作動させて、前記スラリー又は溶液を前記混合容器から排出するのを容易にすること
をさらに含む、項目36に記載の方法
[項目44]
前記移送装置が、ポンプ、陽圧源又は陰圧源を含む、項目43に記載の方法。