(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】乗客コンベアおよび乗客コンベアの運転方法
(51)【国際特許分類】
B66B 31/02 20060101AFI20240911BHJP
B66B 31/00 20060101ALN20240911BHJP
【FI】
B66B31/02 A
B66B31/00 A
(21)【出願番号】P 2022026013
(22)【出願日】2022-02-22
【審査請求日】2022-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敬仁
【合議体】
【審判長】中屋 裕一郎
【審判官】小川 恭司
【審判官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-31253(JP,A)
【文献】特開平9-208173(JP,A)
【文献】特許第6412231(JP,B1)
【文献】特開2019-52021(JP,A)
【文献】特開2012-82051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00 - 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアであって、
複数の踏段と、
前記踏段を循環移動させる踏段駆動装置と、
前記踏段と共に循環移動する手摺ベルトと、
前記手摺ベルトに対して除菌処理を行うON状態と除菌処理を停止するOFF状態とに切り替え可能な手摺除菌装置と、
前記踏段駆動装置および前記手摺除菌装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、乗客の有無を検出
しながら前記踏段を停止させる待機運転工程を行い、乗客を検出した後、前記手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる通常運転工程を行い、乗客を最後に検出してから所定時間が経過した後、前記手摺除菌装置をONにしながら、前記第1移動速度よりも低い第2移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる低速運転工程を行うように、前記踏段駆動装置および前記手摺除菌装置を制御する、乗客コンベア。
【請求項2】
乗客コンベアであって、
複数の踏段と、
前記踏段を循環移動させる踏段駆動装置と、
前記踏段と共に循環移動する手摺ベルトと、
前記手摺ベルトに対して除菌処理を行うON状態と除菌処理を停止するOFF状態とに切り替え可能な手摺除菌装置と、
前記踏段駆動装置および前記手摺除菌装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、乗客の有無に関わることなく、前記手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる通常運転工程を行い、前記乗客コンベアの運転と運転停止とを切り替えるためのキースイッチにより前記踏段の停止操作が行われた後、前記手摺除菌装置をONにしながら、前記第1移動速度よりも低い第2移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる低速運転工程を行い、前記低速運転工程を開始してから所定時間が経過した後、前記踏段の循環移動を停止するように、前記踏段駆動装置および前記手摺除菌装置を制御する、乗客コンベア。
【請求項3】
前記制御部は、前記低速運転工程を開始してから所定時間が経過した後、前記手摺除菌装置をOFFにする、請求項1または2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記制御部は、前記低速運転工程を開始してから所定時間が経過した後、前記踏段の循環移動を停止する、請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
報知部を更に備え、
前記制御部は、前記手摺除菌装置がONになっている間、前記報知部に除菌中である旨を報知させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記制御部は、前記低速運転工程における前記報知部の報知態様を、前記通常運転工程における前記報知部の報知態様と異ならせる、請求項5に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記低速運転工程の有効化および無効化を選択する選択部を更に備えた、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
踏段と共に手摺ベルトを循環移動させる踏段駆動装置と、前記手摺ベルトに対して除菌処理を行う手摺除菌装置と、を備えた乗客コンベアの運転を制御する運転方法であって、
乗客の有無を検出
しながら前記踏段を停止させる待機運転工程と、
乗客を検出した後、前記手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる通常運転工程と、
乗客を最後に検出してから所定時間が経過した後、前記手摺除菌装置をONにしながら、前記第1移動速度よりも低い第2移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる低速運転工程と、を備えた、乗客コンベアの運転方法。
【請求項9】
踏段と共に手摺ベルトを循環移動させる踏段駆動装置と、前記手摺ベルトに対して除菌処理を行う手摺除菌装置と、を備えた乗客コンベアの運転を制御する運転方法であって、
乗客の有無に関わることなく、前記手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる通常運転工程と、
前記乗客コンベアの運転と運転停止とを切り替えるためのキースイッチにより前記踏段の停止操作が行われた後、前記手摺除菌装置をONにしながら、前記第1移動速度よりも低い第2移動速度で前記手摺ベルトと共に前記踏段を循環移動させる低速運転工程と、
前記低速運転工程を開始してから所定時間が経過した後、前記踏段の循環移動を停止する踏段移動停止工程と、を備えた、乗客コンベアの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、乗客コンベアおよび乗客コンベアの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UV(紫外線)光を照射すること等により手摺ベルトに対して除菌処理を行う機能を備えた乗客コンベアが知られている。除菌処理は、手摺ベルトの循環移動と連動して運転中に行われる。しかしながら、乗客コンベアの運転を停止した場合には踏段が停止し、手摺ベルトへの除菌処理も終了する。
【0003】
乗り口に設けられたセンサが乗客を検出することにより踏段を自動的に循環移動させる自動運転機能を付加した乗客コンベアが存在する。この種の乗客コンベアにおいては、乗客が降車すると、あまり時間をおかずに踏段は自動的に停止する。このことにより、手摺ベルトへの除菌処理が不十分な状態で除菌処理が終了するという問題がある。この場合、運転の再開時には除菌処理が不十分な状態の手摺ベルトに乗客の手が触れる可能性が考えられる。
【0004】
自動運転機能が付加されていない乗客コンベアであっても、運転の停止操作後に踏段が停止して除菌処理が終了する。この場合であっても、手摺ベルトの除菌処理が不十分な状態で運転が停止する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6412231号公報
【文献】特開2002-128452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施の形態は、手摺ベルトの除菌レベルを向上させることができる乗客コンベアおよび乗客コンベアの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態は、複数の踏段と、踏段を循環移動させる踏段駆動装置と、踏段と共に循環移動する手摺ベルトと、手摺ベルトに対して除菌処理を行うON状態と除菌処理を停止するOFF状態とに切り替え可能な手摺除菌装置と、踏段駆動装置および手摺除菌装置を制御する制御部と、を備えている。制御部は、手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で手摺ベルトと共に踏段を循環移動させる通常運転工程を行った後、手摺除菌装置をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルトと共に踏段を循環移動させる低速運転工程を行うように、踏段駆動装置および手摺除菌装置を制御する。
【0008】
実施の形態は、踏段と共に手摺ベルトを循環移動させる踏段駆動装置と、手摺ベルトに対して除菌処理を行う手摺除菌装置と、を備えた乗客コンベアの運転を制御する運転方法である。この運転方法は、手摺除菌装置をONにしながら第1移動速度で手摺ベルトと共に踏段を循環移動させる通常運転工程と、通常運転工程の後、手摺除菌装置をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルトと共に踏段を循環移動させる低速運転工程と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による乗客コンベアの全体概略構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の運転制御システムを示す概略構成図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態による乗客コンベアの運転方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2の実施の形態による乗客コンベアの運転方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本実施の形態による乗客コンベアおよび乗客コンベアの運転方法について説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
【0012】
まず、
図1を参照して、本実施の形態による乗客コンベア1について説明する。ここでは、乗客コンベア1として、エスカレータを例にとって説明するが、本実施の形態による乗客コンベア1は、動く歩道であってもよい。
【0013】
図1に示すように、乗客コンベア1は、複数の踏段2と、踏段駆動装置3と、一対の欄干4と、手摺ベルト5と、手摺除菌装置30と、報知部31と、運転制御システム40と、を備えている。
【0014】
踏段2は、無端状の踏段チェーン6によって連結されている。踏段2は、案内レール7によって案内されながら乗り口8と降り口9との間で循環移動する。乗り口8は、下階側の乗降口であってもよい。降り口9は上階側の乗降口であってもよい。しかしながら、乗り口8は上階側の乗降口であって、降り口9は、下階側の乗降口であってもよい。踏段2の移動方向Dは、乗車した乗客が乗り口8から降り口9に向かう方向としている。
【0015】
踏段駆動装置3は、手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる。踏段駆動装置3は、図示しない駆動モータ及び減速機を含んでいてもよい。
【0016】
踏段2を循環移動させる構成についてより具体的に説明する。
図1に示すように、建物の床下にトラス10が設置されている。トラス10の上階側には、上機械室11が設けられ、上機械室11に、踏段駆動装置3と共に駆動スプロケット12が収容されている。踏段駆動装置3の回転は、駆動チェーン13によって駆動スプロケット12に伝達される。トラス10の下階側には、下機械室14が設けられ、下機械室14に従動スプロケット15が収容されている。駆動スプロケット12と従動スプロケット15に、上述した踏段チェーン6が掛け渡されている。踏段駆動装置3が駆動されると、駆動スプロケット12が回転し、踏段チェーン6が循環移動する。このようにして、踏段2は、乗り口8と降り口9との間を循環移動し、乗客を搬送する。
【0017】
欄干4は、踏段2の左右両側に垂直に設けられている。欄干4は、踏段2の移動方向Dに、乗り口8から降り口9まで延びている。欄干4の下部にスカートガード構造体16が設けられている。スカートガード構造体16は、欄干4の下部を覆っており、欄干4と同様に踏段2の移動方向Dに延びている。
図2に示すように、スカートガード構造体16は、踏段2の側方に垂直に設けられたスカートガード17を含んでいる。
【0018】
図1に示すように、手摺ベルト5は、欄干4の外周部に設けられている。手摺ベルト5は、踏段2と同期して踏段2と循環移動する。手摺ベルト5は、欄干4の上部に設けられた手摺レール18に案内されながら移動方向Dに移動する。手摺ベルト5は、降り口9において、スカートガード構造体16内に進入して、トラス10内に設けられた手摺ベルトシーブ19に掛け渡されている。手摺ベルトシーブ19は、駆動スプロケット12と同期して回転するように構成されており、手摺ベルト5は、押圧ローラ群20によって、手摺ベルトシーブ19に押圧されている。このようにして、手摺ベルトシーブ19の回転によって手摺ベルト5は循環移動する。手摺ベルトシーブ19の前後において、手摺ベルト5は案内ローラ群21に案内されている。そして、手摺ベルト5は、手摺ベルトシーブ19からスカートガード構造体16内を通って乗り口8まで進む。そして、手摺ベルト5は、乗り口8においてスカートガード構造体16の外部に進出し、手摺レール18に案内されて移動方向Dに移動する。
【0019】
手摺除菌装置30は、手摺ベルト5に対して除菌処理を行う。手摺除菌装置30は、手摺ベルト5に対して除菌処理を行うON状態と、手摺ベルト5に対する除菌処理を停止するOFF状態とに切り替え可能に構成されている。手摺除菌装置30は、例えば、UV(紫外線)光を手摺ベルト5に照射することにより、手摺ベルト5を除菌処理するように構成されていてもよい。例えば、手摺除菌装置30は、紫外線ランプを含んでいてもよい。紫外線ランプは、深紫外線LEDモジュールで構成されていてもよい。手摺除菌装置30は、スカートガード構造体16内またはトラス10内に配置されていてもよい。手摺除菌装置30の個数は任意である。一例として、
図1に示す例においては、1つの手摺ベルト5に対して2つの手摺除菌装置30が設けられている。一方の手摺除菌装置30は、乗り口8に近い位置に配置されていてもよく、他方の手摺除菌装置30は、降り口9に近い位置に配置されていてもよい。しかしながら、2つの手摺除菌装置30の位置は任意である。2つの手摺除菌装置30は隣接させてもよい。
【0020】
報知部31は、手摺除菌装置30がONになっている間、除菌中である旨の報知を行うように構成されている。
図1および
図2に示すように、報知部31は、表示器32と、スピーカ33と、を含んでいてもよい。報知部31は、表示器32およびスピーカ33の両方を含んでいることに限られることはなく、表示器32およびスピーカ33のいずれか一方を含んでいなくてもよい。
【0021】
表示器32は、所望の色のランプを点灯または点滅させることにより、除菌中である旨を乗客に報知してもよい。あるいは、表示器32は、例えば、「除菌中」といった文字を表示するようにしてもよい。
図2に示すように、表示器32は、乗り口8および降り口9においてスカートガード構造体16に設けられていてもよいが、任意である。
【0022】
スピーカ33は、例えば、「除菌中」といった音声を発するようにしてもよい。
図2に示すように、スピーカ33は、乗り口8および降り口9においてスカートガード構造体16に設けられていてもよいが、任意である。
【0023】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施の形態による運転制御システム40について説明する。運転制御システム40は、上述した踏段駆動装置3および手摺除菌装置30を備えた乗客コンベア1の運転を制御するためのシステムである。本実施の形態による運転制御システム40は、乗客の有無を検出して自動運転を行うように構成されている。
【0024】
図3に示すように、運転制御システム40は、制御部41と、乗客センサ44と、タイマー45と、選択キースイッチ46と、を含んでいる。
【0025】
本実施の形態による制御部41は、待機運転工程S1と通常運転工程S2と低速運転工程S3とを行うように、踏段駆動装置3および手摺除菌装置30を制御する。待機運転工程S1においては、乗客の有無が検出される。通常運転工程S2は、待機運転工程S1において乗客が検出された後に行われる。通常運転工程S2において、制御部41は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度(通常速度)で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる。通常運転は、乗客を搬送することを目的とした運転を意味する。低速運転工程S3は、通常運転工程S2を開始してから所定時間が経過した後に行われる。低速運転工程S3において、制御部41は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる。低速運転は、乗客を搬送することなく手摺ベルト5の除菌処理を行うことを目的とした運転を意味する。
【0026】
図1および
図3に示すように、制御部41は、踏段駆動制御部42と、除菌制御部43と、を含んでいてもよい。踏段駆動制御部42と除菌制御部43は、別体の装置として構成されていてもよく、1つの装置として構成されていてもよい。制御部41は、通常運転工程S2と低速運転工程S3とを行うことができれば、任意の構成とすることができる。
【0027】
踏段駆動制御部42は、踏段2を循環移動させるように踏段駆動装置3を制御する。本実施の形態による踏段駆動制御部42は、自動運転機能を実行するために、乗客センサ44により乗客が検出された場合、踏段2を循環移動させる。
【0028】
より具体的には、踏段駆動制御部42は、後述する乗客センサ44の信号を取得し、乗客が検出されたか否かを判断する。踏段駆動制御部42は、自動運転を開始してから乗客が検出されるまでの間、待機運転として踏段2を停止させる。
【0029】
乗客が検出された後、踏段駆動制御部42は、踏段2を第1移動速度で循環移動させる。第1移動速度は、乗客コンベア1の定格速度であってもよい。第1移動速度での踏段2の循環移動を開始すると、踏段駆動制御部42は、第1移動時間をタイマー45にカウントさせる。踏段駆動制御部42は、通常運転工程S2を開始してから所定時間(第1移動基準時間)が経過するまで、通常運転工程S2を継続する。第1移動時間が第1移動基準時間に達するまで、第1移動速度での踏段2の循環移動が継続する。第1移動基準時間は、乗り口8に入り込んだ乗客が、乗客コンベア1から降車するまでの時間として設定されていてもよい。第1移動基準時間は、踏段駆動制御部42または記憶部(図示せず)に予め記憶されていてもよい。あるいは、第1移動時間をカウントすることなく、降り口9に設けられた乗客センサ44で乗客が検出されるまで、第1移動速度での踏段2の循環移動が継続されてもよい。
【0030】
踏段駆動制御部42は、通常運転工程S2を開始してから所定時間(第1移動基準時間)が経過した後、低速運転工程S3を行う。第2移動速度は、第1移動速度よりも小さく、例えば、第1移動速度の半分または1/3程度の速度であってもよく、任意である。
【0031】
踏段駆動制御部42は、低速運転工程S3を開始してから所定時間(第2移動基準時間)が経過した後、踏段2の循環移動を停止させる。第2移動速度での踏段2の循環移動を開始すると、踏段駆動制御部42は、第2移動時間を後述するタイマー45にカウントさせる。第2移動時間が、第2移動基準時間に達するまで、第2移動速度での踏段2の循環移動が継続する。第2移動基準時間は、手摺ベルト5が全範囲にわたって所望の除菌レベルに達するまでの時間として設定されてもよい。例えば、手摺除菌装置30の除菌能力、第2移動速度、手摺ベルト5の全長などに基づいて、第2移動基準時間が算出されてもよい。手摺ベルト5の全長は、乗客コンベア1が設置された階高情報に基づいて算出されてもよい。第2移動基準時間は、踏段駆動制御部42または記憶部(図示せず)に予め記憶されていてもよい。あるいは、第2移動基準時間を算出するために用いられる除菌能力などの情報が、踏段駆動制御部42または記憶部に予め記憶されて、踏段駆動制御部42で第2移動基準時間を算出するようにしてもよい。
【0032】
除菌制御部43は、手摺除菌装置30のON/OFFを制御する。除菌制御部43は、通常運転工程S2において手摺除菌装置30をONにするとともに、低速運転工程S3において手摺除菌装置30をONにする。除菌制御部43は、低速運転工程S3を開始してから所定時間(第2移動基準時間)が経過した後、手摺除菌装置30をOFFにする。例えば、除菌制御部43は、踏段駆動制御部42から踏段2の移動速度を取得する。踏段駆動制御部42から取得した踏段2の移動速度が第1移動速度および第2移動速度である場合、除菌制御部43は、手摺除菌装置30をONにする。踏段2が停止した場合、除菌制御部43は、手摺除菌装置30をOFFにする。
【0033】
除菌制御部43は、手摺除菌装置30がONになっている間、上述した報知部31に除菌中である旨を報知させる。例えば、除菌制御部43の制御によって、
図2に示す報知部31の表示器32を点滅または点灯させてもよく、報知部31のスピーカ33に除菌中である旨を音声として発するようにしてもよい。例えば、除菌制御部43は、踏段2の移動速度が第1移動速度である間、手摺除菌装置30の表示器32を点滅させてもよい。踏段2の移動速度が第2移動速度である間、手摺除菌装置30の表示器32を点滅させるとともにスピーカ33に音声を発するようにしてもよい。このように、除菌制御部43は、低速運転工程S3における報知部31の報知態様を、通常運転工程S2における報知部31の報知態様と異ならせてもよい。報知態様を異ならせる場合、通常運転工程S2における報知態様と、低速運転工程S3における報知態様は任意である。あるいは、通常運転工程S2における報知態様と低速運転工程S3における報知態様を同じにしてもよい。
【0034】
図3に示すように、タイマー45は、上述した第1移動時間および第2移動時間をカウントする。タイマー45は、第1移動速度での踏段2の循環移動が開始すると、第1移動時間のカウントを開始する。第1移動時間のカウントは、第1移動基準時間に達するまで継続する。また、タイマー45は、第2移動速度での踏段2の循環移動が開始すると、第2移動時間のカウントを開始する。第2移動時間のカウントは、第2移動基準時間に達するまで継続する。
【0035】
乗客センサ44は、乗客を検出するためのセンサである。乗客センサ44は、乗り口8に設けられていてもよい。このことにより、乗り口8に入り込んだ乗客を検出することができる。乗客センサ44の信号は、踏段駆動制御部42に取得されて、踏段駆動制御部42が、乗り口8で乗客が検出されたか否かを判断してもよい。乗客センサ44は、降り口9にも設けられていてもよい。
【0036】
選択キースイッチ46は、低速運転工程S3の有効化および無効化を選択するように構成されている。選択キースイッチ46は、選択部の一例である。低速運転工程S3の有効化を選択した場合、踏段駆動制御部42が、選択キースイッチ46から低速運転工程S3が有効化されている情報を取得し、通常運転工程S2の後に低速運転工程S3を行うように踏段駆動装置3を制御してもよい。一方、低速運転工程S3の無効化を選択した場合、踏段駆動制御部42が、選択キースイッチ46から低速運転工程S3が無効化されている情報を取得し、通常運転工程S2の後に低速運転工程S3を行わないように踏段駆動装置3を制御してもよい。
図2に示すように、選択キースイッチ46は、乗り口8および降り口9においてスカートガード17に設けられていてもよい。選択部は、同様の機能を有することができれば、キースイッチではなく、ボタン等で構成されていてもよく、任意である。
【0037】
図2に示すように、乗り口8または降り口9においてスカートガード17に2つのキースイッチ47、48が設けられていてもよい。キースイッチ47は、乗客コンベア1の上昇運転と下降運転を切り替えるスイッチである。キースイッチ48は、乗客コンベア1の運転と運転停止とを切り替えるスイッチである。乗客コンベア1の運転を開始操作する際に操作され、乗客コンベア1の運転を停止操作する際に操作される。なお、キースイッチ47、48は、同様の機能を有することができれば、ボタン等で構成されていてもよく、任意である。
【0038】
次に、このような構成からなる本実施の形態による乗客コンベアの運転方法について
図4を用いて説明する。ここでは、運転制御システム40が、乗客の有無を検出して自動運転を行うように構成されている。
【0039】
本実施の形態による乗客コンベアの運転方法は、待機運転工程S1と通常運転工程S2と低速運転工程S3とを含んでいる。以下では、
図4に示すフローチャートを例にとって詳細な説明を行うが、各工程のステップの構成は、これに限られることはない。
【0040】
待機運転工程S1が行われる。待機運転工程S1は、乗客コンベア1の自動運転を開始しながら、乗り口8で乗客が検出されるまで踏段2を停止する工程である。待機運転工程S1は、ステップS11~S12を含んでいる。
【0041】
まず、ステップS11として、自動運転を開始する。例えば、乗客コンベア1の乗り口8または降り口9に設けられたキースイッチ48を操作する。このことにより、自動運転が開始する。自動運転開始後、乗り口8で乗客が検出されるまでは、踏段2は停止している。
【0042】
ステップS11の後、ステップS12として、乗り口8で乗客が検出されたか否かが判断される。例えば、乗り口8に設けられた乗客センサ44から取得した信号に基づいて、踏段駆動制御部42が乗客の有無を判断する。乗客が検出されない場合、ステップS12が繰り返され、待機運転工程S1が継続される。乗客が検出された場合、待機運転工程S1を終了し、通常運転工程S2に進む。
【0043】
待機運転工程S1の後、通常運転工程S2が行われる。通常運転工程S2は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる工程である。通常運転工程S2は、ステップS21~S26を含んでいる。
【0044】
まず、ステップS21として、第1移動速度で踏段2の循環移動を開始する。より具体的には、踏段駆動制御部42が踏段駆動装置3を駆動し、手摺ベルト5と共に踏段2の循環移動が開始する。踏段2は、手摺ベルト5とともに第1移動速度で循環移動する。踏段2の循環移動開始に伴って、タイマー45により第1移動時間のカウントが開始される。
【0045】
ステップS21の後、ステップS22として、除菌制御部43が手摺除菌装置30をONにする。この際、除菌制御部43は、踏段駆動制御部42から踏段2の移動速度を取得し、手摺除菌装置30をONにする。このようにして、循環移動する手摺ベルト5に対する除菌処理が開始される。ステップS22において、除菌制御部43は、表示器32の点滅を開始し、除菌中である旨が視覚情報として乗客に報知される。表示器32は、点滅ではなく点灯させてもよい。あるいは、報知部31は、表示器32による点滅の代わりに、除菌中である旨をスピーカ33から音声で報知してもよい。
【0046】
ステップS22の後、ステップS23として、乗り口8で乗客が検出されたか否かが判断される。この判断は、上述したステップS12と同様に行われてもよい。乗客が検出された場合、ステップS24に進み、タイマー45による第1移動時間のカウントがリセットされる。ステップS24において第1移動時間のカウントが再び開始すると、ステップS25に進む。ステップS23において乗客が検出されない場合、第1移動時間のカウントはリセットされることなく、ステップS25に進む。
【0047】
ステップS25として、第1移動時間が、第1移動基準時間を経過したか否かが判断される。第1移動時間が第1移動基準時間を経過していない場合、乗客が乗車中であることから、上述したステップS23に戻り、通常運転が継続される。第1移動時間が第1移動基準時間を経過した場合、乗客が降車したと見なせることから、通常運転工程S2を終了し、低速運転工程S3に進む。ステップS26については後述する。
【0048】
通常運転工程S2の後、低速運転工程S3が行われる。低速運転工程S3は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる工程である。低速運転工程は、後述するステップS31~ステップS36を含んでいる。
【0049】
まず、ステップS31として、踏段2の移動速度を低下させる。より具体的には、踏段駆動制御部42が踏段駆動装置3を制御することにより、踏段2の移動速度が第1移動速度から第2移動速度に低下する。踏段2は、手摺ベルト5と共に第2移動速度で循環移動する。ステップS21において、第2移動時間のカウントが開始される。第2移動時間のカウントは、踏段2の移動速度の低下に伴って、タイマー45により開始される。
【0050】
ステップS31の後、ステップS32として、除菌制御部43は、除菌中である旨をスピーカ33から音声で報知させる。この際、除菌制御部43は、踏段駆動制御部42から踏段2の移動速度を取得し、踏段2が第2移動速度で循環移動していると認識する。このことにより、除菌中である旨が音声として乗客に報知される。表示器32は、依然として点滅を継続していてもよい。
【0051】
ステップS32の後、ステップS33として、乗り口8で乗客が検出されたか否かが判断される。この判断は、上述してステップS12と同様に行われてもよい。乗客が検出されない場合、ステップS34に進む。乗客が検出された場合、低速運転工程S3から通常運転工程S2に移行し、ステップS26に進む。第2移動時間のカウントは停止する。ステップS26において、第1移動速度で踏段2の循環移動を開始する。ステップS26は、上述したステップS21と同様に行われてもよい。
【0052】
ステップS34として、第2移動時間が、踏段駆動制御部42により、第2移動基準時間を経過したか否かが判断される。第2移動時間が第2移動基準時間を経過していない場合、上述したステップS33に戻り、低速運転での除菌処理が継続される。第2移動時間が第2移動基準時間を経過した場合、所望のレベルまでの除菌処理が完了したと見なせることから、ステップS35に進む。
【0053】
ステップS35として、踏段駆動制御部42が踏段駆動装置3を制御し、踏段2の循環移動を停止する。
【0054】
ステップS35の後、ステップS36として、除菌制御部43が、手摺除菌装置30をOFFにする。この際、除菌制御部43は、踏段駆動制御部42からの踏段2の移動速度を取得し、踏段2が停止していると認識する。このことにより、手摺除菌装置30がOFFになる。
【0055】
ステップS36の後、ステップS12に戻り、低速運転工程S3から待機運転工程S1に移行する。乗り口8で乗客が検出されるまで、待機運転工程S1が継続される。
【0056】
このように本実施の形態によれば、通常運転工程S2として、手摺除菌装置30をONにしながら手摺ベルト5と共に踏段2が第1移動速度で循環移動した後、低速運転工程S3として、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2が循環移動する。このことにより、乗客が降車した後に、踏段2および手摺ベルト5を循環移動させながら、手摺ベルト5の除菌処理を継続することができる。このため、乗客が降車した後に手摺ベルト5の除菌処理を行うことができ、手摺ベルト5の除菌レベルを向上させることができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、低速運転工程S3を開始してから第2移動基準時間が経過した後、手摺除菌装置30がOFFになる。このことにより、第2移動基準時間が経過するまで、循環移動する手摺ベルト5に対して除菌処理を行うことができる。このため、手摺ベルト5の全範囲にわたって、手摺ベルト5の除菌レベルを向上させることができる。また、第2移動基準時間が経過した後、手摺除菌装置30をOFFにすることができる。このため、手摺除菌装置30の長寿命化を図ることができるとともに、消費電力の増大を抑制することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、低速運転工程S3を開始してから所定の第2移動基準時間が経過した後、踏段2の循環移動を停止する。このことにより、踏段2の循環移動を停止することができ、消費電力の増大を抑制することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、手摺除菌装置30がONになっている間、報知部31は、除菌中である旨を報知する。このことにより、手摺ベルト5の除菌中であることを乗客に報知することができ、手摺ベルト5が清潔であることを乗客に認識させることができる。このため、乗客に、手摺ベルト5を掴むように促すことができ、乗客の安全性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、低速運転工程S3における報知部31の報知態様が、通常運転工程S2における報知部31の報知態様と異なっている。このことにより、乗客に、低速運転が通常運転とは異なった運転であることを認識させることができる。
【0061】
また、本実施の形態によれば、低速運転工程S3の有効化および無効化が、選択キースイッチ46により選択される。このことにより、運転状況や環境状況、感染症の流行状況など種々の状況を加味して、低速運転工程S3を行うか否かを選択することができる。このため、過度な低速運転工程S3を不要にすることができ、手摺除菌装置30の長寿命化を図ることができるとともに、消費電力の増大を抑制することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、乗客が検出された後、通常運転工程S2が行われ、通常運転工程S2を開始してから第1移動基準時間が経過した後、低速運転工程S3が行われる。このことにより、乗客が降車した後に、手摺ベルト5を循環移動させながら手摺ベルト5に除菌処理を行うことができる。このため、乗客の有無を検出して自動運転を行う乗客コンベア1であっても、手摺ベルト5の除菌レベルを向上させることができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
次に、
図5を用いて、第2の実施の形態による乗客コンベアおよび乗客コンベアの運転方法について説明する。
【0064】
図5に示す第2の実施の形態においては、乗客コンベアが、乗客の有無に関わることなく通常運転を行い、踏段の停止操作が行われた後、低速運転を行う点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図5において、
図1~
図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施の形態による乗客コンベア1の運転方法について
図5を用いて説明する。ここでは、本実施の形態による運転制御システム40は、乗客の有無に関わることなく、連続運転を行うように構成されている。より具体的には、本実施の形態による制御部41は、通常運転工程S4と低速運転工程S5とを行うように、踏段駆動装置3および手摺除菌装置30を制御する。通常運転工程S4は、乗客の有無に関わることなく行われる。低速運転工程S5は、踏段2の停止操作が行われた後に行われる。
【0066】
本実施の形態による乗客コンベアの運転方法は、通常運転工程S4と低速運転工程S5とを含んでいる。
図4に示す待機運転工程S1は行われない。以下では、
図5に示すフローチャートを例にとって詳細な説明を行うが、各工程のステップの構成は、これに限られることはない。
【0067】
まず、通常運転工程S4が行われる。通常運転工程S4は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる工程である。本実施の形態による通常運転工程S4は、ステップS41~S44を含んでいる。
【0068】
まず、ステップS41として、連続運転を開始する。例えば、乗客コンベア1の乗り口8または降り口9に設けられたキースイッチ48を操作する。
【0069】
ステップS41の後、ステップS42として、第1移動速度で踏段2の循環移動を開始する。ステップS42は、
図4に示すステップS21と同様に行われてもよい。ステップS42においては、タイマー45による第1移動時間のカウントは開始されない。
【0070】
ステップS42の後、ステップS43として、除菌制御部43が手摺除菌装置30をONにする。ステップS42は、
図4に示すステップS22と同様に行われてもよい。
【0071】
ステップS43 の後、ステップS44として、運転停止操作が行われたか否かが判断される。より具体的には、乗客コンベア1の乗り口8または降り口9に設けられたキースイッチ48による運転停止操作が行われたか否かを、踏段駆動制御部42が判断する。運転停止操作が行われていない場合、ステップS44が繰り返され、通常運転工程S4が継続される。運転停止操作が行われた場合、通常運転工程S4を終了し、低速運転工程S5に進む。
【0072】
通常運転工程S4の後、低速運転工程S5が行われる。低速運転工程S5は、手摺除菌装置30をONにしながら、第1移動速度よりも低い第2移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2を循環移動させる工程である。低速運転工程S5は、後述するステップS51~ステップS55を含んでいる。
【0073】
まず、ステップS51として、踏段2の移動速度を低下させる。ステップS51は、
図4に示すステップS31と同様に行われてもよい。タイマー45による第2移動時間のカウントが開始される。
【0074】
ステップS51の後、ステップS52として、除菌制御部43は、除菌中である旨をスピーカ33から音声で報知させる。ステップS52は、
図4に示すステップS32と同様に行われてもよい。
【0075】
ステップS52の後、ステップS53として、第2移動時間が、踏段駆動制御部42により、第2移動基準時間を経過したか否かが判断される。第2移動時間が第2移動基準時間を経過していない場合、ステップS53が繰り返され、低速運転での除菌処理が継続される。第2移動時間が第2移動基準時間を経過した場合、所望のレベルまでの除菌処理が完了したと見なせることから、ステップS54に進む。
【0076】
ステップS54として、踏段駆動制御部42が踏段駆動装置3を制御し、踏段2の循環移動を停止する。
【0077】
ステップS54の後、ステップS55として、除菌制御部43が、手摺除菌装置30をOFFにする。ステップS55は、
図4に示すステップS36と同様に行われてもよい。
【0078】
ステップS55の後、乗客コンベア1の運転が停止する。
【0079】
このように本実施の形態によれば、通常運転工程S4として、手摺除菌装置30をONにしながら手摺ベルト5と共に踏段2が第1移動速度で循環移動した後、低速運転工程S5として、手摺除菌装置30をONにしながら、第2移動速度で手摺ベルト5と共に踏段2が循環移動する。このことにより、乗客が降車した後に、踏段2および手摺ベルト5を循環移動させながら、手摺ベルト5の除菌処理を継続することができる。このため、乗客が降車した後に手摺ベルト5の除菌処理を行うことができ、手摺ベルト5の除菌レベルを向上させることができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、乗客の有無に関わることなく通常運転工程S4が行われ、踏段2の停止操作が行われた後、低速運転工程S5が行われる。このことにより、踏段2の停止操作が行われた後に、手摺ベルト5を循環移動させながら手摺ベルト5に除菌処理を行うことができる。このため、乗客の有無に関わることなく連続運転を行う乗客コンベア1であっても、手摺ベルト5の除菌レベルを向上させることができる。
【0081】
以上述べた実施の形態によれば、手摺ベルトの除菌レベルを向上させることができる。
【0082】
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1:乗客コンベア、2:踏段、3:踏段駆動装置、5:手摺ベルト、30:手摺除菌装置、31:報知部、41:制御部、46:選択キースイッチ