(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240911BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20240911BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20240911BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/51
A24F40/57
(21)【出願番号】P 2022504306
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2020074928
(87)【国際公開番号】W WO2021048047
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-07-04
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンティコネ, ピア パオロ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1039837(KR,B1)
【文献】国際公開第2019/115475(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0038183(KR,A)
【文献】特表2014-518095(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109123797(CN,A)
【文献】国際公開第2019/115464(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110307667(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/51
A24F 40/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイスであって、
消費可能なエアロゾル生成基材を受け入れるように構成される加熱チャンバと、
前記加熱チャンバへ向けて熱を伝達するように構成される熱放出面を含む熱電セルと
を含み、
当該エアロゾル生成デバイスは、前記熱電セルに電力を供給するように構成されており、前記熱電セルは、前記熱電セルに電力が供給されると、熱が前記熱電セルによって前記
熱放出面を通じて前記加熱チャンバに伝達されるように配置される、
エアロゾル生成デバイス。
【請求項2】
前記熱電セルは、熱受容面
をさらに含み、前記熱電セルに電力が供給されると、前記熱受容面から前記熱放出面に熱が伝達される、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項3】
前記熱放出面は、前記加熱チャンバの壁に接触して配置され又は前記加熱チャンバの壁の少なくとも一部を形成する、請求項
1又は2に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項4】
前記熱放出面は、前記加熱チャンバの少なくとも1つの壁
の表面レリーフに適合する、請求項
1~3のいずれか1項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項5】
前記加熱チャンバは円筒状であり、前記熱放出面は、前記加熱チャンバの周りに周方向に延びる、請求項
1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項6】
前記加熱チャンバに熱を供給するように構成されたヒータをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項7】
前記熱電セルは、前記加熱チャンバを包囲し、
前記ヒータは、前記熱電セルと前記加熱チャンバとの間に設けられる、
請求項6に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項8】
前記加熱チャンバの内部温度を制御するために、前記熱電セルによって伝達され
る前記熱を規制するように構成された制御ユニットをさらに含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記加熱チャンバの前記内部温度を、摂氏150~350度の範囲内
に維持するように構成される、請求項
8に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記加熱チャンバの前記内部温度を制御するために、前記
加熱チャンバに熱を供給するように構成されたヒータによって前記加熱チャンバに供給される前記熱を規制するように構成される、請求項
8又は9に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項11】
1つ以上の温度センサをさらに含み、各温度センサは、前記加熱チャンバの前記内部温度、前記熱電セルの表面の温度、及び/又は前記
加熱チャンバに熱を供給するように構成されたヒータの温度のうちの1つを測定するように構成される、請求項
8~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記1つ以上の温度センサのうちの温度センサから温度測定値を受け取るように構成され、前記温度測定値に基づいて前記加熱チャンバの前記内部温度を規制するようにさらに構成される
、請求項11に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記熱電セルに電力を供給するように構成される電源をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスにおける使用に好適な制御ユニットであって、当該制御ユニットは、前記加熱チャンバの内部温度を規制するために、前記熱電セルによって伝達され
る前記熱を制御するように構成される、制御ユニット。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスを制御する方法であって、
前記加熱チャンバの内部温度を規制するために、前記熱電セルを通じて伝達され
る前記熱を制御する工程、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生デバイスに関する。本開示は、自立型且つ低温であり得る携帯型エアロゾル発生デバイスに適用可能である。このようなデバイスは、タバコ又は他の好適なエアロゾル基材材料を、燃焼させるのではなく伝導、対流、及び/又は放射により加熱して、吸入用のエアロゾルを発生させることができる。本発明に係るデバイスは、より安全であり、より信頼性が高く、且つよりコンパクトである。
【背景技術】
【0002】
(気化器としても知られる)リスク低減デバイス又はリスク修正デバイスの人気と使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及び巻きタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼させるのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々なデバイス及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減デバイス又はリスク修正デバイスは、基材加熱式エアロゾル発生デバイス又は加熱非燃焼式(heat-not-burn)デバイスである。このタイプのデバイスは、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に含むエアロゾル基材を、典型的には150℃~350℃の範囲の温度に加熱することによってエアロゾル又は蒸気を発生する。エアロゾル基材を燃焼させたり、又は燃やしたりするのではなく加熱することにより、使用者が求める成分は含むが、燃焼及び燃やすことによる毒性及び発癌性のある副生成物は含まないエアロゾルが放出される。さらには、タバコ又は他のエアロゾル化可能材料を加熱することにより生成されるエアロゾルは、使用者にとって不快となり得る、燃焼及び燃やすことに起因する焦げた味又は苦味を典型的には含まない。したがって、基材は、煙及び/又は蒸気を使用者にとってより口当たりの良いものにするためにそのような材料に典型的に添加される糖及び他の添加物を必要としない。
【0004】
既知のエアロゾル生成デバイスは、典型的には、消費可能なエアロゾル生成基材を受け入れるための加熱チャンバと、電源と、電源から加熱チャンバへの電力供給を制御するための制御回路とを含む。このようなデバイスの既知の課題の1つは、デバイス内における電源及び制御回路と加熱チャンバとの近接が避けられないことにより、電源及び電子回路の望ましくない加熱が生じるおそれがあることである。この加熱により、これらの熱に敏感な電子構成要素が破損する可能性があり、且つ熱老化により性能が低下するおそれがある。さらに、極端な場合では、加熱されるように設計されていない構成要素が高温になりすぎた場合に発火又は破裂のリスクがある。
【0005】
また、よりコンパクトで使いやすいエアロゾル生成デバイスを提供する動機が高まっている。しかしながら、このようなデバイスのサイズを低減すると、必然的に繊細な電子構成要素が熱源と近接することになり、上述の熱管理問題を悪化させる。従来、加熱チャンバからの熱の散逸を制限するために、これらデバイスの加熱チャンバの周りに断熱層が設けられる。実際、デバイスを安全に取り扱えるように、使用者がデバイスを把持する可能性のある全ての表面を適切な温度に維持することが確実になるように、十分な断熱が提供されなければならない。さらに、加熱チャンバから散逸する際に失われる熱が減少するため、断熱層が厚いほどデバイスの効率が増すように思われる。したがって、より厚い断熱層を提供する動機が存在する。しかしながら、デバイス及びそれらの使用者を保護するために必要な厚い絶縁層は、エアロゾル生成デバイスの体積に制約をもたらし、そのようなデバイスを小型化できる程度を制限する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上記の課題に対処すること、並びに、安全性及び/又は信頼性を向上させたコンパクトなエアロゾル生成デバイスを提供することである。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、加熱チャンバと、加熱チャンバと、熱電セルとを備えるエアロゾル生成デバイスが提供され、上記エアロゾル生成デバイスは、上記熱電セルに電力を供給するように構成され、上記熱電セルは、上記熱電セルに電力が供給されると、熱が上記熱電セルによって上記熱電セルを通じて上記加熱チャンバに伝達されるように配置される。
【0008】
「熱電セル(thermoelectrical cell)」は、電圧が供給されるとペルチェ効果によって熱を伝達するように構成されたデバイスである。このような熱電セルは、デバイスの相異なる表面がゼーベック効果下で異なる温度にあるときに電圧を発生させることもでき、但しその作用は、以下で議論される利点を実現するために必要というわけではない。熱電セルは、熱電対(電気接合点に形成される2つの異なる電気伝導体)又は2つの半導体(一方がn形半導体、もう一方がp形半導体)のピラーを含み得る。ピラーは、電気的に並列に配置される。本発明での使用に好適な熱電セルとしては、テルル化ビスマス、テルル化鉛、シリコンゲルマニウム、及びビスマスアンチモン(Bi-Sb)を含むものが挙げられる。
【0009】
本発明に係るデバイスの熱電セルは、エアロゾル生成デバイスの加熱チャンバからの熱の散逸を能動的に相殺し、加熱チャンバからの熱の正味の流れを低減するよう熱を伝達するものと理解され得る。特許請求の範囲に記載される「能動的な」デバイスは、従来のデバイスに存在する、断熱材がその低い熱伝導率によって熱の通過を単に制限する断熱材の「受動」機能とは対照的であり得る。
【0010】
エアロゾル生成デバイス、特に、本発明に係る加熱非燃焼式デバイスは、顕著な利点を提供する。
【0011】
第1に、熱電セルは、加熱チャンバ(一般に、オーブンとも称される)に熱を供給するように構成される。したがって、熱電セルは、加熱チャンバへの熱の正味の流れを増加させることができると共に、使用中、即ち、加熱チャンバ内のエアロゾル基材がエアロゾルを放出するように加熱されるとき、加熱チャンバからの熱の散逸又は流れを相殺し及び/又は阻止することができる。使用中に加熱チャンバからの熱の正味の流れを低減し又は阻止することによって、エアロゾル生成デバイスの安全性及び信頼性が高まる。特に、エアロゾル生成デバイスの他の構成要素に達する熱が減少し、これら構成要素に対する熱老化の影響が大幅に減少し得る。
【0012】
加えて、従来のエアロゾル生成デバイス内の断熱層の代わりに又はこれに加えて、熱電セルが使用され得る。したがって、理解されるであろうこととして、断熱層を使用した熱の受動管理は、熱電セルによって提供される「能動的な」断熱に取って代わられてもよく、又はこれにより補われてもよい。換言すると、従来のデバイスと異なり、本発明に係るエアロゾル生成デバイスは断熱層を含まなくてもよい。断熱層を避けること又はそのような層のサイズを低減することによって、エアロゾル生成デバイスをよりコンパクトにすることができる。
【0013】
そのうえ、熱電セルは加熱チャンバに熱を供給することから、エアロゾル生成デバイス内のヒータの代わりに熱電セルが使用されてもよく、又は熱電セルによってエアロゾル生成デバイス内のヒータの要件が低減されてもよい。これにより、ヒータのサイズを低減すること及びエアロゾル生成デバイスのサイズを低減することを可能にし得る。さらに、任意のヒータの寿命及び信頼性を増すことができる。
【0014】
同様に、熱がエアロゾルデバイス内の加熱チャンバから散逸することを能動的に阻止するため、デバイスは特に省エネルギーになり得る。電源の要件は低下し得る。例えば、バッテリーなどの電源は、より小さく設計されてもよく、及び/又はより長い寿命を提供してもよい。
【0015】
したがって、本発明に係るエアロゾル生成デバイスは、より安全であり、より信頼性が高く、より省エネルギーであり、且つよりコンパクトである。
【0016】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生デバイスは、「加熱式タバコデバイス」、「加熱非燃焼式タバコデバイス」、「タバコ製品気化用デバイス」などと呼ぶことができ、これらの効果を実現するのに好適なデバイスとして解釈される。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル基材を気化させるように設計されたデバイスに等しく適用可能である。
【0017】
本明細書で議論されるような加熱チャンバは、エアロゾル基材を受け入れるように構成され、エアロゾル基材がエアロゾルを放出し又は生成する温度まで加熱されるように構成される。例えば、加熱チャンバは、事前にパッケージ化された基材担体内のエアロゾル基材を受け入れるように構成され得る。基材担体は、適切な手法で配置されたエアロゾル基材を有する管状領域を有する紙巻きタバコに概ね類似し得る。一部の設計には、フィルタ、蒸気収集領域、冷却領域、及びその他の構造も含まれる場合がある。例えば、エアロゾル基材を所定の位置に保持するための紙の外層又は他の箔など可撓性の平坦な材料も提供し、紙巻きタバコなどとの類似性をさらに高めてもよい。基材担体は、加熱チャンバ内に収まってもよく、又は基材担体が加熱チャンバ内に取り付けられているときにはエアロゾル生成デバイスから突出するように、加熱チャンバよりも長くてもよい。このような実施形態においては、エアロゾルは、エアロゾル生成デバイスのマウスピースとしての役割を果たす基材担体から直接供給されてもよい。
【0018】
熱電セルは、熱受容面及び熱放出面を含んでもよく、熱電セルに電力が供給されると、熱受容面から熱放出面へ熱が伝達される。熱電セルは、熱放出面が熱受容面と加熱チャンバとの間に設けられるように配置されることが好ましい。したがって、熱電セルによって伝達される熱は、熱電セルによって加熱チャンバに向かって運ばれる。
【0019】
上で述べたように、エネルギーの供給に応じた、熱電セルを介した熱の能動的な伝達は、使用中に高温である加熱チャンバからの熱のいかなる拡散又は散逸とも相反する。換言すると、熱電セルは、熱放出面から熱受容面への熱の正味の流れを低減すると見られてもよい。特に好ましい例では、熱電セルは、正味の流れ若しくは熱、又は熱受容面から熱放出面及び加熱チャンバへの熱の正味の流れがないように、使用中、熱電セルを介した熱の散逸を完全に相殺するよう十分な熱を伝達することができる。
【0020】
好ましくは、熱放出面は、加熱チャンバの壁に接触して配置され又は加熱チャンバの壁の少なくとも一部を形成する。換言すると、熱放出面は、加熱チャンバに隣接して形成されてもよく、又は加熱チャンバの境界部を画定してもよい。したがって、熱は、熱電セルから加熱チャンバに効率的に伝達され得る。
【0021】
好ましくは、熱放出面は、加熱チャンバの少なくとも1つの壁の表面レリーフに適合する。このことも同じく、熱電セルから加熱チャンバに熱が効率的に伝達されることを可能にする。好ましくは、熱電セルは、加熱チャンバを包囲するように構成される。
【0022】
いくつかの例では、熱電セルは、熱電セルがエアロゾル生成デバイスの組み立て中に少なくとも1つの壁の形状に適合するように作成され得るように、可撓性であってもよい。或いは、熱電セルは、熱電セルの所望の形態に合致し又は対応するように製造され得る。
【0023】
好ましくは、加熱チャンバは円筒状であり、熱放出面は、加熱チャンバの周りに周方向に延びる。例えば、熱電セルは、加熱チャンバの周囲全体の周りに(即ち、熱電セルは円筒状であり、加熱チャンバを同心円状に包囲する)又は加熱チャンバの周囲の一部分にのみ(例えば、熱電セルが半円形断面を有する場合)延びてもよい。
【0024】
上述の例(熱電セルが加熱チャンバとの境界部に若しくは加熱チャンバに近接して設けられる場合及び/又は熱電セルが加熱チャンバの少なくとも一部を包囲するように構成される場合)によって提供されるさらなる利点は、使用中に熱プロファイル及び加熱チャンバ内の熱分布が向上することである。例えば、加熱チャンバ内の温度をより一定にすることができる。したがって、例えば、エアロゾル基材の加熱をより一定にすることによって、エアロゾル基材に印加される熱も向上し得る。これにより、エアロゾル生成デバイスによって生成されるエアロゾルの濃度及び風味を向上させることができると共に、各消費可能なエアロゾル基材から生成されるエアロゾルの量を最大化することができ、それによって所与の消費可能なエアロゾル基材の寿命を増大させる。
【0025】
さらなる例では、エアロゾル生成デバイスは、それぞれ上述した特徴のいずれかを含み、対応する利点を提供する複数の熱電セルを含み得る。
【0026】
好ましくは、加熱チャンバは、消費可能なエアロゾル生成基材を受け入れるように構成される。例えば、加熱チャンバは、タバコスティックなどの固体の消費可能なエアロゾル生成基材(即ちエアロゾル基材)を受け入れ、加熱するように構成され得る。好ましくは、加熱チャンバの形状は、それが受け入れるように構成されたエアロゾル基材に対応するように構成される。これにより、加熱チャンバの壁と円筒状のエアロゾル基材との間の間隔が最小限になり、加熱チャンバからエアロゾル基材への熱伝達が向上する。上述の円筒状の加熱チャンバは、タバコスティックなどの円筒状のエアロゾル基材を受け入れ、加熱するのに特に適している。しかしながら、これは必須ではなく、加熱チャンバ及び消耗品は、その他の形態をとってもよい。例えば、消耗品はSIMカード若しくはポッドの形態であってもよく、及び/又は加熱チャンバは断面が実質的に矩形であってもよい。
【0027】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、加熱チャンバの内部温度を制御するために、熱電セルによって伝達される熱を規制するように構成された制御ユニットを含む。いくつかの例では、制御ユニットは、閉ループ制御法を適用するように構成される。このような方法を使用することで、制御ユニットは、加熱チャンバの内部温度を所定の温度に維持することができる。しかしながら、特に好ましい例では、制御ユニットは加熱チャンバの内部温度を、内部温度が経時的に及び/又は使用中に変化するように制御することができる。例えば、制御ユニットは、所与のエアロゾル基材が使用される際に加熱チャンバの内部温度を上昇させるように構成され得る。これにより、使用中のエアロゾル基材の風味の減少を補償することができる。したがって、デバイスによって生成されるエアロゾルをより一定にすることができる。制御ユニットは、加熱チャンバの内部温度の調整を補助するために、熱電セルに供給される電力又は熱電セルの動作パラメータを制御することができる。
【0028】
特に好ましい例では、制御ユニットは、加熱チャンバの内部温度を、摂氏150~350度の範囲内に、より好ましくは、摂氏190~310度の範囲内に、より好ましくはさらに、摂氏230~260度の範囲内に維持するように構成される。これらの数値は、各種エアロゾル基材と共に使用するのに好適であり、タバコ(例えば、湿った葉タバコ)を含むエアロゾル基材からエアロゾル又は蒸気を生成するのに特に好適である。
【0029】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、加熱チャンバに熱を供給するように構成されたヒータを含む。ヒータ(例えば、薄膜ヒータ及び/又は抵抗ヒータ)は、エアロゾル生成デバイスによって供給される電力を受け取り、その電力を熱に変換することができる。
【0030】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、加熱チャンバの内部温度を制御するために、ヒータによって加熱チャンバに供給される熱を規制するように構成された制御ユニット(即ち制御部)を含む。特に好ましい例では、制御ユニットは、加熱チャンバ内の適切な温度を維持するために、ヒータ及び熱電セルの両方によって供給される熱を(例えば、上記構成要素に供給される電力及び/又は上記構成要素の動作パラメータを変化させることによって)調整することができる。
【0031】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、1つ以上の温度センサをさらに含み、各温度センサは、加熱チャンバの内部温度、熱電セルの表面の温度、及び/又はヒータの温度のうちの1つを測定するように構成される。温度センサは、熱電セルの熱放出面及び/又は熱受容面の温度を測定するように構成されてもよい。温度センサは、例えば、熱電対又はサーミスタを含み得る。
【0032】
好ましくは、制御ユニットは、1つ以上の温度センサのうちのある温度センサから温度測定値を受け取るように構成され、さらに、その温度測定値に基づいて加熱チャンバの内部温度を規制するように構成される。したがって、加熱チャンバの内部温度は、性能、安全性及び信頼性を高めるように正確に制御され得る。或いは、制御ユニットは、熱電セル及び/又はヒータを、経験的に決定された値などの事前に決定された値に基づいて制御するように構成され得る。
【0033】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、熱電セルに電力を供給するように構成される電源を含む。また、電源は、ヒータ及び/又は制御ユニットを含む(がこれに限定されない)エアロゾル生成デバイスの任意のさらなる構成要素に電力を供給してもよい。好ましくは、エアロゾルは、バッテリーなどの内部電源を含む。しかしながら、代替的に、電源はコネクタであってもよく、エアロゾルは、コネクタを介して外部源から電力を受け取ってもよい。
【0034】
好ましくは、エアロゾル生成デバイスは、内部フレームを含み、内部フレームは、加熱チャンバ、熱電セル、ヒータ、及び制御ユニットのうちの少なくとも1つをフレーム内に保持するように配置される。このようにして、デバイスの構成要素は、デバイスのハウジング内の所定の位置に確実に保持され得る。さらに、フレームを設けることで、構成要素が正確で再現可能な位置に保持されることを可能にし、これにより、バッテリーなどの敏感な電子構成要素への熱伝達を低減する位置に構成要素が正確に保持されることを可能にすることによって熱管理を支援する。
【0035】
本発明のさらなる態様によれば、上述した本発明の第1の態様によるエアロゾル生成デバイスにおける使用に好適な制御ユニットが提供され、上記制御ユニットは、加熱チャンバの内部温度を規制するために、熱電セルによって伝達された熱を制御するように構成される。上記制御ユニットは、本発明の第1の態様を参照して上述した制御ユニットの任意の特徴のいずれかを含んでもよく、対応する利点を提供し得る。
【0036】
例えば、制御ユニットは、加熱チャンバの内部温度を、摂氏150~350度の範囲内に、より好ましくは、摂氏190~310度の範囲内に、より好ましくはさらに、摂氏230~260度の範囲内に維持するように構成されてもよい。
【0037】
任意選択的に、制御ユニットは、さらに、加熱チャンバの内部温度を制御するために、ヒータによって加熱チャンバに供給される熱を規制するように構成される。
【0038】
任意選択的に、制御ユニットは、1つ以上の温度センサから温度測定値を受け取るように構成され、さらに、その温度測定値に基づいて加熱チャンバの内部温度を制御するように構成される。温度センサは、加熱チャンバの内部温度、熱電セルの表面の温度、及び/又はヒータの温度のうちの1つを測定するように構成され得る。
【0039】
任意選択的に、制御ユニットは、閉ループ制御を使用して加熱チャンバの内部温度を制御するように構成される。
【0040】
任意選択的に、制御ユニットは、電源から熱電セル及び/若しくはヒータに供給される電力並びに/又は熱電セル及び/若しくはヒータの動作パラメータを調整するように構成される。
【0041】
本発明のさらなる態様によれば、上述した本発明の第1の態様によるエアロゾル生成デバイスを制御する方法が提供され、上記方法は、加熱チャンバの内部温度を規制するために、熱電セルを通じて伝達された熱を制御する工程を含む。上記方法は、本発明の先行する態様のいずれかを参照して説明した制御ユニットによって実施され得る。
【0042】
当該方法は、加熱チャンバの内部温度を、摂氏150~350度の範囲内に、より好ましくは、摂氏190~310度の範囲内に、より好ましくはさらに、摂氏230~260度の範囲内に維持するように、熱電セルを通じて伝達される熱を規制することを含んでもよい。
【0043】
任意選択的に、上記方法は、加熱チャンバの内部温度を制御するために、ヒータによって加熱チャンバに供給される熱を規制することをさらに含んでもよい。
【0044】
任意選択的に、上記方法は、1つ以上の温度センサから温度測定値を受け取ることと、その温度測定値に基づいて加熱チャンバの内部温度を制御することとを含んでもよい(例えば、熱電気デバイスによって加熱チャンバに供給される熱及び/又は温度測定値に基づいて熱を規制することによって)。温度センサは、加熱チャンバの内部温度、熱電セルの表面の温度、及び/又はヒータの温度のうちの1つを測定するように構成され得る。
【0045】
任意選択的に、上記方法は、電源から熱電セル及び/若しくはヒータに供給される電力並びに/又は熱電セル及び/若しくはヒータの動作パラメータを調整すること又は修正することを含んでもよい。
【0046】
任意選択的に、上記方法は、閉ループ制御を使用して加熱チャンバの内部温度を制御することを含む。例えば、上記方法は、温度測定値(例えば、上述の温度センサのうちの1つからの温度測定値)を受け取ることと、温度測定値と所望の温度(例えば、所定の所望の温度)とを比較することと、この比較の結果に基づいて、熱電セルによって加熱チャンバに伝達される熱及び/又はヒータによって加熱チャンバに供給される熱を修正することとを含み得る。例えば、温度センサによって測定された実際の温度が所望の温度を超える場合、熱電セルによって伝達される熱及び/又はヒータによって供給される熱は(例えば、これら構成要素に供給される電力を修正することによって又はそれらの動作パラメータを変更することによって)低減され得る。このような閉ループ制御法は、安全性及び信頼性を向上させることができる。或いは又はさらに、上記方法は、ヒータ及び/又は熱電セルを所定の時間量にわたって及び/又は所定の電力で動作させることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0047】
ここで、以下の図を参照して、本発明の特定の例を説明する。
【0048】
【
図1a】本発明に係るエアロゾル生成デバイスの概略断面図を示す。
【
図1b】本発明に係るエアロゾル生成デバイスの概略断面図を示す。
【
図2】本発明に係るさらなるエアロゾル生成デバイスの概略断面図を示す。
【
図3】本発明に係るさらなるエアロゾル生成デバイスの概略断面図を示す。
【
図4】本発明に係るさらなるエアロゾル生成デバイスの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1a及び
図2は、エアロゾル生成デバイス10、20の2つの例を、各エアロゾル生成デバイス10、20の加熱チャンバ12、22が延びる長手方向に平行な平面に沿った断面において示す。
図1bは、
図1aのエアロゾル生成デバイス10を、加熱チャンバ12が延びる長手方向に垂直な平面を貫通する線A-Aを通るさらなる断面において示す。
【0050】
これらのエアロゾル生成デバイス10、20のそれぞれは、ハウジング11、21を含み、ハウジング11、21によってデバイス10が保持され得る。各ハウジング11、21内に、加熱チャンバ12、22が設けられ、加熱チャンバ12、22は、開放端部12a、22aを通してエアロゾル基材、即ち、タバコスティックなどの、加熱されるとエアロゾルを放出する固体の消費可能なエアロゾル生成基材を受け入れるように構成される。加熱チャンバ12、22は、エアロゾル基材からエアロゾルが生成される温度(例えば、多くのエアロゾル基材においては摂氏150~350度)まで加熱されるように構成される。したがって、加熱チャンバ12、22はオーブンとして機能する。各加熱チャンバ12、22の周りに、円筒状の熱電セル13、23(一般に、ペルチェセル、ペルチェ冷却器、又は熱電気冷却器とも呼ばれる)が設けられる。したがって、各円筒状の熱電セル13、23は、各加熱チャンバ12、22を包囲し、加熱チャンバ12、22の周りに同心円状に設けられる。エアロゾル生成デバイス10、20は、それぞれ、加熱チャンバ12に熱を供給するように構成されたヒータ14、24(例えば、抵抗ヒータ)と、各加熱チャンバ12、22の内部温度を規制するように構成された制御ユニット15、25と、各デバイス10、20の電気構成要素に給電するように構成されたバッテリー16、26とをさらに含む。各エアロゾル生成デバイス10、20の熱電セル13、23とヒータ14、24と制御ユニット15、25とバッテリー16、26とは、
図1a及び
図2のこれら構成要素間の線によって概略的に示されるように、電気的に接続される。
【0051】
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成デバイス10は、細長く、ペン又はスティック形である。このデバイス10の加熱チャンバ12は、バッテリー16と実質的に同軸上に(加熱チャンバ12とバッテリー16とが直列に配置されるように)設けられる。この配置により、加熱チャンバ12からエアロゾル生成デバイス10の残りの電気構成要素への熱伝達が低減され、それにより信頼性及び安全性が向上する。これに対し、
図2に示されるエアロゾル生成デバイス20は箱形であり、より大きな縦横比を有する。図示されるように、
図2のエアロゾル生成デバイス20は、デバイス20の総体積を最小限にするために、(加熱チャンバ22とバッテリー26が平行な方向に沿って延び、バッテリー26が加熱チャンバ22に対して側方にオフセットするように)バッテリー26と並列で配置された加熱チャンバ22を含む。
【0052】
これらエアロゾル生成デバイス10、20の両方において、熱電セル13、23は、電力を温度勾配に変換するように構成され、電力が供給されると、2つの対向する表面13aと13b、23aと23bの間で熱を伝達する。具体的には、熱電セル13、23はそれぞれ、動作中に熱を吸収し又は受容する熱受容面13a、23aと、熱を供給し又は放出する熱放出面13b、23bとを含む。熱電セル13、23はそれぞれ、それらの熱放出面13b、23bが円筒状又は管状の熱電セル12、23の内部表面を形成する一方で、熱受容面13a、23aは熱電セルの外部表面に配置されるように配置される。
【0053】
図1a及び
図1bのエアロゾル生成デバイス10において、熱放出面13bは、加熱チャンバ12の境界部を画定する、即ち、熱放出面13bは加熱チャンバ12の円筒状壁を形成する。この第1のエアロゾル生成デバイス10のヒータ14は、加熱チャンバ12の閉鎖端部12bに設けられる。
【0054】
図2のエアロゾル生成デバイス20において、ヒータ24は、円筒状であり、熱電セル23と加熱チャンバ22との間に設けられる。したがって、熱電セル23は、加熱チャンバ22及びヒータ24の両方の周りに同心円状に設けられる。図示されるように、円筒状の熱電セル23は加熱チャンバ22を包囲し、円筒状の加熱チャンバ22の表面のレリーフに適合する。
【0055】
図1a及び
図2に示されるヒータ15、25の配置は、各エアロゾル生成デバイス10、20の形態に本質的に関係ない。ペン形のエアロゾル生成デバイスがその加熱チャンバの周りに同心円状に配置されたヒータを備えてもよい一方で、箱形のエアロゾル生成デバイスがその加熱チャンバの一端にヒータを備えてもよい。同様に、熱電セルは、加熱チャンバの長さの一部分のみに沿って及び/又は加熱チャンバの端部に設けられてもよい。
【0056】
図1a及び
図1b、並びに
図2のエアロゾル生成デバイス10、20は、同様の手法で動作するように意図される。第一に、エアロゾル基材がエアロゾル生成デバイス10、20の加熱チャンバ12、22に挿入される。第二に、エアロゾル生成デバイス10、20は、エアロゾル基材からエアロゾルが放出される温度まで加熱チャンバ12、22を加熱するように構成される。これを達成するために、制御ユニット15、25は、ヒータ14、24に加熱チャンバ12、22を加熱するように指示する。任意選択的に、制御ユニット15、25もまた、熱電セル13、23に、その熱受容面13a、23aからその熱放出面13b、23bに熱を伝達し、それによって(
図2のエアロゾル生成デバイス内のヒータ24を介して)加熱チャンバ12、24に向かって且つ加熱チャンバ12、24内に熱を伝達するように指示してもよい。多くのタイプのエアロゾル基材では、加熱チャンバ12、22の温度は摂氏150度~350度まで上昇する。
【0057】
使用中、加熱チャンバ12、22の内部温度は、エアロゾル生成デバイス10、20によって所定の温度に又は所定の温度範囲内に維持され得る。或いは、内部温度は、変化させることができる。例えば、内部温度を、エアロゾル基材の風味の減少を補償するために使用中又は使用間に上昇させることができる。高温の加熱チャンバ12、22からの熱の散逸又は伝達を、(従来のデバイスにおける断熱層によって提供される熱伝達の受動的制限とは対照的に)熱電セル13、23を使用して能動的に阻止することができ又は抑制することができる。熱電セル13、23を介した加熱チャンバ12、22から外への熱の正味の流れを低減し又は阻止するように、熱電セル13、23は、それ自体を介し、加熱チャンバ12、22に向けて熱を伝達するように動作する。任意選択的に、ヒータ14、24は、加熱チャンバ12、22に熱を供給し、加熱チャンバ12、22から散逸したあらゆる熱を置換するように動作し得る。熱電セル13、23及び/又はヒータ14、24の動作は、制御ユニット15、25によって制御され又は調整される。制御ユニット15、25は、事前に決定された(例えば、経験的な)値に基づいて及び/又は1つ以上の温度センサ(図示せず)によって提供された加熱チャンバ12、24、熱電セル13、23、又はヒータ14、24の温度測定値に基づいて制御されてもよい。
【0058】
制御ユニット15、25は、温度センサによる継続的な又は周期的な温度測定に基づく閉ループ制御方式を適用してもよい。したがって、制御ユニット15、25は、測定された温度と事前に決定された所望の温度とを比較し、この比較の結果に基づいて加熱チャンバ12、22の温度を修正するように、熱電セル13、23によって伝達される熱及び/又はヒータ15、25によって供給される熱を調整することができる。
【0059】
任意選択的に、エアロゾル生成デバイス10、20は、それぞれキャップ(図示せず)を含み、キャップは、各加熱チャンバ12、22の開放端部12a、22aを選択的に開閉するように構成される。このようなキャップは、加熱チャンバ12、22内に熱を保持するように及び/又は非使用時に加熱チャンバ12、22に異物が入るのを阻止するように構成され得る。
【0060】
ここで、
図3及び
図4を参照して、例示的なエアロゾル生成デバイスのさらなる特徴を説明する。これらの図は、2つのさらなるエアロゾル生成デバイス30、40を、それらの加熱チャンバ32、42が延びる方向に垂直に延びる平面に沿った概略断面図において示す。これらのエアロゾル生成デバイス30、40は、複数の熱電セルを含むデバイスの例である。
【0061】
図3は、矩形断面を有するハウジング41を備えるエアロゾル生成デバイス30を示す。エアロゾル生成デバイス30は、円形断面を有する加熱チャンバ32を含み、加熱チャンバ32は円形の外壁32aを含む。エアロゾル生成デバイス30は、2つの熱電セル33、37をさらに含む。熱電セル33、37は、加熱チャンバ32の対向する両側に配置され、そのそれぞれは、加熱チャンバ32の一部分の周りに周方向に延びる。各熱電セル33、37は、熱受容面33a、37aと、反対にある熱放出面33b、37bとを含む。各熱電セル33、37は、当該熱電セル33、37が電力を受け取ると、熱受容面33a、37aから熱放出面33b、37bへ及び加熱チャンバ32内へ熱を伝達するように構成される。各熱電セル33、37の熱放出面33b、37bは、各熱電セル33、37から加熱チャンバ32への熱伝達を最大限にするために、加熱チャンバの外壁32aに接触して形成され、この外壁32aの円形の形状に適合する。
【0062】
図4は、同じく矩形断面を有するさらなるエアロゾル生成デバイス40を示す。エアロゾル生成デバイス40は、矩形断面を有する加熱チャンバ42を含む。したがって、加熱チャンバ42は、SIMカードの形態のエアロゾル基材などの矩形断面を有するエアロゾル基材を受け入れるのに非常に適している。エアロゾル生成デバイス40は、加熱チャンバ42の対向する両側に配置された2つの熱電セル43、47をさらに含む。各熱電セル43、47は、熱受容面43a、47aと、反対にある熱放出面43b、47bとを含む。図示されるように、熱電セル43、47の熱放出面43b、47bは、加熱チャンバ42の対向する壁を形成する(即ち、熱放出面43b、47bはそれぞれ、加熱チャンバ42の境界部を画定する)。各熱電セル43、47は、当該熱電セル43、47が電力を受け取ると、熱受容面43a、47aから熱放出面43b、47bへ及び加熱チャンバ42内へ熱を伝達するように構成される。したがって、熱電セル43、47を介して伝達された熱は、エアロゾル生成デバイス40の加熱チャンバ42に直接入る。
【0063】
図3及び
図4に示されるエアロゾル生成デバイス30、40はさらに、
図1a、
図1b及び
図2のデバイス10、20を参照して説明した構成要素、特徴、機能、及び利点のいずれかを共有してもよい。例えば、好適な実装形態では、エアロゾル生成デバイス30、40は、少なくとも、熱電セル33、37、43、47に電力を供給するように構成されたバッテリーと、熱電セル33、37、43、47の動作を制御するように構成された制御ユニットとをさらに含む。
【0064】
図3及び
図4に示されるエアロゾル生成デバイス30、40は、それぞれ、各加熱チャンバ32、42の概ね対向する側に配置された2つの熱電セル33及び37、43及び47を含む。しかしながら、これは必須ではなく、さらなるエアロゾル生成デバイスは、デバイスの加熱チャンバの長さに沿って異なる位置に配置され又は加熱チャンバの外周部の異なる位置にある、複数の熱電セルを含んでもよい。
【0065】
図1~
図4から理解されるように、各エアロゾル生成デバイス10、20、30、40は断熱層を含まない。その代わりに、上述したように、それからの熱の散逸が熱電セル13、23、33、37、43、47によって能動的に制限される。そのため、上で議論したエアロゾル生成デバイス10、20、30、40は、特にコンパクトに作られる。