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特許7554261マルチ波長調節可能半径方向モードファイバレーザ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】マルチ波長調節可能半径方向モードファイバレーザ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/37 20060101AFI20240911BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20240911BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20240911BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240911BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
G02F1/37
H01S3/067
H01S3/10 D
G02B6/42
G02B6/036
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022514520
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020045661
(87)【国際公開番号】W WO2021045871
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】16/562,365
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518049072
【氏名又は名称】ニューファーン
【氏名又は名称原語表記】Nufern
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アハマディ, ペイマン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンタール, ピーター アンドリュー
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-530251(JP,A)
【文献】特表2018-524174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0226287(US,A1)
【文献】特表2011-518041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0088343(US,A1)
【文献】特開2015-087729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-7/00
H01S 3/00-3/30
JSTPlus/JSTChina/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバレーザであって、
基本波長を有する基本ビームを提供するシードレーザと、
前記基本ビームを受容および増幅するように配列されるファイバ増幅器であって、前記増幅された基本ビームは、線形に偏光されている、ファイバ増幅器と、
前記増幅された基本ビームを受容し、かつ前記増幅された基本ビームを前記基本波長の高調波に対応する高調波波長を有する高調波ビームに部分的に変換するように配列される高調波発生器であって、前記部分的変換は、残留基本ビームを前記基本波長を有しているままにする、高調波発生器と、
前記残留基本ビームおよび前記高調波ビームを傍受し、かつ空間的に分離するように配列されるダイクロイックミラーと、
前記残留基本ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される第1の偏光変調器および第1の偏光子と、
前記高調波ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される第2の偏光変調器および第2の偏光子と、
中心コアおよび環状コアを有する出力光ファイバと、
前記調整された基本ビームおよび前記調整された高調波ビームを受容するように配列されるファイバ結合器であって、前記ファイバ結合器は、前記調整された基本ビームの少なくとも一部を前記中心コアまたは環状コアのうちの第1のものの中に結合し、かつ前記調整された高調波ビームの少なくとも一部を前記中心コアまたは環状コアのうちの第2のものの中に結合するように構成される、ファイバ結合器と
を備える、ファイバレーザ。
【請求項2】
前記調整された基本ビームは、前記中心コアの中にのみ結合され、前記調整された高調波ビームは、前記環状コアの中にのみ結合される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項3】
前記調整された高調波ビームは、前記中心コアの中にのみ結合され、前記調整された基本ビームは、前記環状コアの中にのみ結合される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項4】
前記残留基本ビームの相補的部分は、前記中心コアまたは環状コアのうちの前記第2のものの中に結合される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項5】
前記第1の偏光子と前記ファイバ結合器との間に位置する第3の偏光変調器および第3の偏光子は、前記中心コアまたは環状コアのうちの前記第2のものの中に結合される、前記残留基本ビームの相補的部分の前記電力を調整するように配列される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項6】
前記高調波ビームの相補的部分は、前記中心コアまたは環状コアのうちの前記第1のものの中に結合される、請求項1に記載の前記ファイバレーザ。
【請求項7】
前記第2の偏光子と前記ファイバ結合器との間に位置する第3の偏光変調器および第3の偏光子は、前記中心コアまたは環状コアのうちの前記第1のものの中に結合される、前記高調波ビームの相補的部分の前記電力を調整するように配列される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項8】
第3の偏光変調器が、前記シードレーザと前記ファイバ増幅器との間に位置し、前記第3の偏光変調器は、前記増幅された基本ビームの形偏光を確立および維持するように構成される、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項9】
前記増幅された基本ビームのほんの一部を第3の偏光子上に指向する部分的反射ミラーをさらに含み、前記第3の偏光子は、選択された偏光を有する前記指向される基本ビームの一部を、光検出器上に通過させ、前記光検出器は、前記第3の偏光変調器に電気的に接続される、請求項8に記載のファイバレーザ。
【請求項10】
前記光検出器からの電気信号は、前記基本ビームが前記第3の偏光変調器を通るときに、偏光における変化を調整する電気制御信号に条件付けられる、請求項9に記載のファイバレーザ。
【請求項11】
前記部分的反射ミラーと前記第3の偏光子との間に位置する半波プレートをさらに含む、請求項9に記載のファイバレーザ。
【請求項12】
前記増幅された基本ビームのほんの一部をフォトダイオード上に指向する偏光選択的反射を有する部分的反射ミラーをさらに含み、前記フォトダイオードは、前記第3の偏光変調器に電気的に接続される、請求項8に記載のファイバレーザ。
【請求項13】
前記フォトダイオードからの電気信号は、前記基本ビームが前記第3の偏光変調器を通るときに、偏光における変化を調整する電気制御信号に条件付けられる、請求項12に記載のファイバレーザ。
【請求項14】
前記高調波ビームは、第二次高調波ビームであり、前記高調波波長は、前記基本波長の半分である、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項15】
前記第二次高調波ビームは、1,000ワットを上回る電力を有する、請求項14に記載のファイバレーザ。
【請求項16】
前記残留基本ビームは、1,000ワットを上回る電力を有する、請求項15に記載のファイバレーザ。
【請求項17】
前記基本波長は、約1,064ナノメートルであり、かつ前記高調波波長は、約532ナノメートルである、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項18】
前記高調波発生器は、前記増幅された基本ビームを前記高調波ビームに部分的に変換するために、三ホウ酸リチウム(LBO)から作製される結晶を含む、請求項1に記載のファイバレーザ。
【請求項19】
出力光ファイバを通して送達されるレーザ放射線を印加することによって、ワークピースをレーザ処理する方法であって、前記出力光ファイバは、中心コアと、環状コアとを有し、
基本波長を有する基本ビームを発生させるステップと、
前記基本ビームを増幅るステップであって、前記増幅された基本ビームは、線形に偏光されている、ステップと、
前記増幅された基本ビームの一部を、前記基本波長の高調波に対応する波長を有する高調波ビームに変換するステップであって、残留基本ビームを前記基本波長を有しているままにする、ステップと、
前記残留基本ビームと前記高調波ビームとを分離するステップと、
前記残留基本ビームを前記中心コアまたは環状コアのうちの一方の中に結合するステップと、
前記高調波ビームを前記中心コアまたは環状コアのうちの他方の中に結合するステップと、
前記出力光ファイバに結合される前記残留基本ビームの電力を調整し、かつ独立して、前記出力光ファイバの中に結合される前記高調波ビームの電力を調整するステップと
を含み、
各ビームの前記電力は、偏光変調器、続いて偏光子を通して前記ビームを伝搬することによって調整される、方法。
【請求項20】
前記高調波ビームは、第二次高調波ビームであり、前記基本ビームは、前記中心コアの中に結合され、かつ前記第二次高調波ビームは、前記環状コアの中に結合される、請求項19に記載のレーザ処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、その開示がその全体として本明細書に組み込まれる、2019年9月5日に出願された、米国特許出願第16/562,365号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、ファイバレーザ共振器および増幅器に関する。本発明は、特に、調節可能半径方向モードを有するレーザビームを送達する高出力ファイバレーザに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術の議論)
レーザ放射線のビームは、金属、ガラス、およびポリマーを含む、広範囲の材料から作製されるワークピースを、切断、穿孔、マーキング、およびスクライビングするためにますます使用されている。従来の機械的処理は、処理されるワークピースが応力をかけられるとき、微小亀裂が伝搬し得る等の望ましくない瑕疵を生産し、それによって、処理されるワークピースを劣化および弱化させる。レーザ処理は、そのような望ましくない瑕疵を最小限にし、概して、よりクリーンであり、より小さい熱影響域を生じさせる。レーザ処理は、高品質の縁および壁を有する、精密な切断および孔を生産するために、集束レーザビームを使用しながら、望ましくない瑕疵の形成を最小限にする。レーザ溶接において、集束レーザビームは、各溶接スポットまたはシームを精密に位置付け、最小限の付帯的な加熱を伴って均一溶接を生産する。
【0004】
ファイバレーザは、高出力および高ビーム品質の両方を要求する、産業レーザ処理用途において、広範囲に使用される。例えば、金属および金属合金のレーザ切断およびレーザ溶接においてである。ファイバレーザにおいて、利得媒体は、ネオジム(Nd3+)またはイッテルビウム(Yb3+)等の光学的に活性イオンでドープされるコアを有する、光ファイバである。光学的に活性イオンの発光波長におけるレーザビームは、コア内で増幅および誘導される。ネオジムおよびイッテルビウムイオンは、約950ナノメートル(nm)~1,100nmの電磁スペクトルの近赤外領域内の発光波長を有する。コアは、典型的には、複数のダイオードレーザによって提供されるより短い波長ポンプ放射で通電される。ダイオードレーザは、効率的に、電力を利得ファイバの中に指向され得る光パワーに変換する。
【0005】
近赤外レーザビームは、レーザ処理に関して標的化された一般的な産業材料の全てではないが、多くによって吸収される。例えば、合金鋼は、近赤外波長において非常に吸収性である。対照的に、銅の吸収率は、約1桁分低い。比較的に高熱伝導率と組み合わせられた、本低吸収は、銅および銅合金を近赤外レーザビームを使用して溶接することを難しくする。実施例として、銅の鍵穴シーム溶接は、仕上げられたシームにおいてスパッタおよび変則を受けやすい。材料組成およびレーザ処理パラメータの厳格な制御が、容認可能品質を有する、均一シームを生産するために要求される。
【0006】
銅は、より短い波長においてよりはるかに吸収性であり、約500nm未満の鋼鉄に匹敵する吸収率を有する。したがって、より少ない電力が、可視波長を有するレーザを使用して銅を融解および溶接するために要求され、溶接の品質が、改良される。近赤外レーザビームは、光学的に非線形結晶における高調波発生によって可視レーザビームに変換されてもよい。上記の実施例を使用して、950nm~1,100nmの波長を有する近赤外「基本」ビームは、475nm~550nmの対応する可視波長を有する第二次高調波ビームに、部分的に変換されるであろう。付加的電力が、第二次高調波発生における損失を克服するために、基本ビームにおいて要求され、これは、現在まで、可視波長レーザの電力を限定しており、したがって、銅溶接に関する可視波長レーザの採用を限定している。
【0007】
銅、青銅、他の銅合金、および従来のファイバレーザの基本波長より短い波長においてより高い吸収を有する他の材料から作製される、ワークピースを処理するために十分な電力を提供するファイバレーザ源に関する必要性が、存在する。好ましくは、ファイバレーザ源は、これらの材料から作製される厚いワークピースの高品質および高速の処理を可能にするためにスケーラブルな電力であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要約)
一側面では、本発明によるファイバレーザは、基本波長を有するレーザビームを提供するシードレーザと、基本ビームを受容および増幅させるように配列されるファイバ増幅器とを備える。増幅された基本ビームは、線形に偏光される。高調波発生器は、増幅された基本ビームを受容するように配列され、部分的に、増幅された基本ビームを基本波長の高調波に対応する高調波波長を有するレーザビームに変換する。部分的変換は、残留レーザビームを基本波長を有しているままにする。ダイクロイックミラーが、残留基本ビームおよび高調波ビームを傍受し、かつ空間的に分離するように配列される。第1の偏光変調器および第1の偏光子が、残留基本ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される。第2の偏光変調器および第2の偏光子が、高調波ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される。出力光ファイバが、中心コアと、環状コアとを有するように提供される。ファイバ結合器が、調整された基本ビームおよび調整された高調波ビームを受容するように配列される。ファイバ結合器は、調整された基本ビームの少なくとも一部を出力光ファイバのコアのうちの第1のものの中に結合し、かつ調整された高調波ビーム少なくとも一部を出力光ファイバのコアのうちの第2のものの中に結合するように構成される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ファイバレーザであって、
基本波長を有するレーザビームを提供する、シードレーザと、
前記基本ビームを受容および増幅するように配列される、ファイバ増幅器であって、前記増幅された基本ビームは、線形に偏光されている、ファイバ増幅器と、
前記増幅された基本ビームを受容し、かつ前記増幅された基本ビームを前記基本波長の高調波に対応する高調波波長を有するレーザビームに部分的に変換するように配列される、高調波発生器であって、前記部分的変換は、残留レーザビームを前記基本波長を有しているままにする、高調波発生器と、
前記残留基本ビームおよび前記高調波ビームを傍受し、かつ空間的に分離するように配列される、ダイクロイックミラーと、
前記残留基本ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される、第1の偏光変調器および第1の偏光子と、
前記高調波ビームを受容し、かつ少なくともその一部を通過させることによって電力を調整するように配列される、第2の偏光変調器および第2の偏光子と、
中心コアおよび環状コアを有する出力光ファイバと、
前記調整された基本ビームおよび前記調整された高調波ビームを受容するように配列される、ファイバ結合器であって、前記ファイバ結合器は、前記調整された基本ビームの少なくとも一部を前記出力光ファイバの前記コアのうちの第1のものの中に結合し、かつ前記調整された高調波ビームの少なくとも一部を前記出力光ファイバの前記コアのうちの第2のものの中に結合するように構成される、ファイバ結合器と
を備える、ファイバレーザ。
(項目2)
前記調整された基本ビームは、前記中心コアの中にのみ結合され、前記調整された高調波ビームは、前記環状コアの中にのみ結合される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目3)
前記調整された高調波ビームは、前記中心コアの中にのみ結合され、前記調整された基本ビームは、前記環状コアの中にのみ結合される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目4)
前記残留基本ビームの相補的部分は、前記出力光ファイバの前記第2のコアの中に結合される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目5)
前記第1の偏光子と前記ファイバ結合器との間に位置する第3の偏光変調器および第3の偏光子は、前記出力光ファイバの前記第2のコアの中に結合される、前記残留基本ビームの相補的部分の前記電力を調整するように配列される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目6)
前記高調波ビームの相補的部分は、前記出力光ファイバの前記第1のコアの中に結合される、項目1に記載の前記ファイバレーザ。
(項目7)
前記第2の偏光子と前記ファイバ結合器との間に位置する第4の偏光変調器および第4の偏光子は、前記出力光ファイバの前記第1のコアの中に結合される、前記高調波ビームの相補的部分の前記電力を調整するように配列される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目8)
第5の偏光変調器が、前記シードレーザと前記ファイバ増幅器との間に位置し、前記第5の偏光変調器は、前記増幅された基本ビームの前記線形偏光を確立および維持するように構成される、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目9)
前記増幅された基本ビームのほんの一部を第5の偏光子上に指向する、部分的反射ミラーをさらに含み、前記第5の偏光子は、選択された偏光を有する、前記指向される基本ビームの一部を、光検出器上に通過させ、前記光検出器は、前記第5の偏光変調器に電気的に接続される、項目8に記載のファイバレーザ。
(項目10)
前記光検出器からの電気信号は、前記基本ビームが前記第5の偏光変調器を通して遷移するにつれて、偏光における変化を調整する電気制御信号に条件付けられる、項目9に記載のファイバレーザ。
(項目11)
前記部分的反射ミラーと前記第5の偏光子との間に位置する、半波プレートをさらに含む、項目9に記載のファイバレーザ。
(項目12)
前記増幅された基本ビームのほんの一部をフォトダイオード上に指向する、偏光選択的反射を有する、部分的反射ミラーをさらに含み、前記フォトダイオードは、前記第5の偏光変調器に電気的に接続される、項目8に記載のファイバレーザ。
(項目13)
前記光検出器からの電気信号は、前記基本ビームが前記第5の偏光変調器を通して遷移するにつれて、偏光における変化を調整する電気制御信号に条件付けられる、項目12に記載のファイバレーザ。
(項目14)
前記高調波ビームは、第二次高調波ビームであり、前記高調波波長は、前記基本波長の半分である、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目15)
前記第二次高調波ビームは、1,000ワットを上回る電力を有する、項目14に記載のファイバレーザ。
(項目16)
前記残留基本ビームは、1,000ワットを上回る電力を有する、項目15に記載のファイバレーザ。
(項目17)
前記基本波長は、約1,064ナノメートルであり、かつ前記高調波波長は、約532ナノメートルである、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目18)
前記高調波発生器は、前記増幅された基本ビームを前記高調波ビームに部分的に変換するために、三ホウ酸リチウム(LBO)から作製される結晶を含む、項目1に記載のファイバレーザ。
(項目19)
出力光ファイバを通して送達されるレーザ放射線を印加することによって、ワークピースをレーザ処理する方法であって、前記出力光ファイバは、中心コアと、環状コアとを有し、
基本波長を有する基本ビームを発生させるステップと、
前記基本ビームを増幅させるステップであって、増幅された基本ビームは、線形に偏光されている、ステップと、
前記増幅された基本ビームの一部を、前記基本波長の高調波に対応する波長を有する、高調波ビームに変換するステップであって、残留レーザビームを前記基本波長を有しているままにする、ステップと、
前記残留基本ビームと前記高調波ビームとを分離するステップと、
前記残留基本ビームを前記出力光ファイバの前記コアのうちの1つに結合するステップと、
前記高調波ビームを前記出力光ファイバの他のコアに結合するステップと、
前記出力光ファイバに結合される前記残留基本ビームの電力を調整し、かつ独立して、前記出力光ファイバの中に結合される前記高調波ビームの電力を調整するステップと
を含み、
各ビームの前記電力は、偏光変調器、続いて偏光子を通して前記ビームを伝搬することによって調整される、方法。
(項目20)
前記高調波ビームは、第二次高調波ビームであり、前記基本ビームは、前記中心コアに結合され、かつ前記第二次高調波ビームは、前記環状コアの中に結合される、項目19に記載のレーザ処理する方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する付随の図面は、本発明の原理を解説する役割を果たす、上記に与えられる概要および下記に与えられる好ましい実施形態の詳細な説明とともに、本発明の好ましい実施形態を図式的に図示する。
【0010】
図1A図1Aは、シードレーザと、偏光維持光ファイバから作製されるファイバ増幅器と、高調波発生器と、基本ビームと第二次高調波ビームとを分離するためのダイクロイックミラーと、ファイバ結合器と、出力光ファイバとを含む、本発明によるファイバレーザのある好ましい実施形態を図式的に図示する。
【0011】
図1B図1Bは、図1Aの出力光ファイバの詳細を図式的に図示する断面図であり、これは、中心コアと、環状コアとを有し、図1Aのファイバレーザは、基本ビームを1つのコアの中に、かつ第二次高調波ビームを他のコアの中に選択的に結合するように配列される。
【0012】
図2図2は、図1Aの実施形態に類似する、本発明によるファイバレーザの別の好ましい実施形態を図式的に図示するが、基本ビームおよび第二次高調波ビームを出力光ファイバの両方のコアの中に選択的に結合するように配列される。
【0013】
図3図3は、図1Aの実施形態に類似する、本発明によるファイバレーザのさらに別の好ましい実施形態を図式的に図示するが、偏光維持光ファイバを伴わずに作製されるファイバ増幅器を有し、シードレーザとファイバ増幅器との間に位置する付加的偏光変調器を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
ここで、同様の構成要素が、同様の番号によって指定される、図面を参照すると、図1Aおよび1Bは、本発明による、ファイバレーザ10のある好ましい実施形態を図式的に図示する。ファイバレーザ10は、出力光ファイバ12を通して、レーザ光線の少なくとも2つのビームを送達する。出力光ファイバ12は、レーザ光線の中心ビームを誘導するための中心コア14を含む。中心コア14は、低屈折率クラッディング16を有する。出力光ファイバ12はさらに、レーザ光線の環状ビームを誘導するための環状コア18を含む。環状コア18は、低屈折率クラッディング16と低屈折率クラッディング20との間に同心状に位置する。
【0015】
シードレーザ22が、基本波長を有するレーザビームを提供する。基本ビームは、単一の矢印Fによって、図1Aに示される。基本ビームFは、連続波(CW)またはパルス状であってもよい。溶接用途は、CWレーザビームを最も多く使用し、CW動作が、説明の利便性のために、本明細書では仮定される。しかしながら、本発明のファイバレーザはまた、パルス状レーザビームに関しても機能する。約100ピコ秒未満の超短パルス持続時間を有する超高速パルス状レーザビームが、モード同期によって生産されてもよい。約1ナノ秒より長いパルス持続時間を有するパルス状レーザビームが、Q-スイッチングによって生産されてもよい。
【0016】
シードレーザ22は、レーザ共振器を含み、加えて、1つ以上の前置増幅器を含んでもよい。レーザ共振器は、分散型フィードバックダイオード、またはファイバブラッグ格子によって画定された光学共振器を有するファイバレーザ等のダイオードレーザであってもよい。前置増幅器は、便宜的に、基本ビームFの平均電力を順次増加させる、ファイバ増幅器であってもよい。位相変調器がまた、基本ビームFを分光的に広げるために、シードレーザ22内に含まれてもよく、これは、光ファイバにおける増幅の間、いくつかの非線形プロセスに関する閾値を増加させ、特に、誘導ブリルアン散乱(SBS)に関する閾値を増加させる。
【0017】
ファイバ増幅器24が、基本ビームFを受容および増幅させるように配列される。ファイバ増幅器24は、複数のダイオードレーザによって発生されるポンプ放射によって通電され、ポンプ結合器(図示せず)を通して送達される。高出力動作に関して、前置増幅器およびファイバ増幅器は、基本ビームFを誘導するコアと、ポンプ放射を誘導するクラッディングとを有する、二重クラッド利得ファイバから作製されるであろう。増幅された基本ビームFは、好ましくは、後続高調波変換を可能にするために線形に偏光される。増幅された基本ビームFは、ファイバコリメータ26によってファイバ誘導から自由空間伝搬に伝達され、それによって、高調波発生器28の中に指向される。
【0018】
高調波発生器28は、増幅された基本ビームFを、基本波長の高調波に対応する波長を有する、レーザビームに部分的に変換するように配列される、少なくとも1つの光学的に非線形要素を含む。例えば、第二次高調波ビームまたは第三次高調波ビームである。第三次高調波およびより高次の高調波波長の発生は、概して、1つを上回る光学的に非線形要素を要求する。光学的に非線形要素は、配向結晶または周期的に角のない材料であり得る。高調波発生器28はさらに、増幅された基本ビームFを集束させ、高調波ビームをコリメートする、レンズを含んでもよい。
【0019】
ここでは、第二次高調波発生が、仮定され、第二次高調波ビームは、二重矢印SHによって示される。第二次高調波波長は、基本波長の半分である。部分的変換は、未変換基本レーザ光線の残留ビームを残す。高調波発生は、偏光依存プロセスであり、したがって、残留基本ビームおよび第二次高調波ビームは、偏光されるであろう。
【0020】
シードレーザ22、ファイバ増幅器24、および高調波発生器28の内部構造は、例証を明確にするために、図面から省略されている。レーザエンジニアリングの当業者は、そのようなデバイスの構造を熟知しているであろう。そのさらなる説明は、本発明の原理の理解のために必要ではない。
【0021】
ダイクロイックミラー30は、残留基本ビームFおよび第二次高調波ビームSHを傍受し、かつ空間的に分離するように配列される。描写される配列では、ミラー30は、残留基本ビームFを反射させ、第二次高調波ビームSHを透過させる。残留基本ビームFは、次いで、偏光変調器32、偏光子34、およびファイバ結合器36を通して、伝搬する。ともに、偏光変調器32および偏光子34は、残留基本ビームFの電力を減衰させる。同様に、第二次高調波ビームSHは、偏光変調器38、偏光子40、およびファイバ結合器42を通して、伝搬する。ともに、偏光変調器38および偏光子40は、第二次高調波ビームSHの電力を減衰させる。
【0022】
偏光変調器のある共通タイプは、ポッケルスセルであり、これは、大きい電位を少なくとも1つの光学的に非線形結晶を横断して印加することによって、電気光学効果を使用する。アナログまたはデジタル制御信号は、電位を調整し、それによって、ビームがそれを通して遷移するにつれて、正味偏光変化を調整する。より単純である偏光変調器は、調節可能半波プレートであり、これは、電力の高速変化を要求しないレーザ処理用途に関して十分である。偏光子34および40は、内部偏光選択的表面を有する、立方体プリズム偏光子として描写される。各偏光子は、選択された偏光を有するビームの一部を通過させ、直交偏光を有する相補的部分を拒絶する。偏光子によって通過されたビームの部分は、ファイバ結合器によって、自由空間からファイバ誘導伝搬の中に戻される。本配列で通過された各ビームの部分は、独立して、約100%~約0%に調整されてもよい。
【0023】
調整された基本ビームFおよび調整された第二次高調波ビームSHは、ファイバ結合器44の中に、それによって、出力光ファイバ12の中に誘導される。ファイバ結合器44は、材料処理用途による要求に応じて、これらのビームを中心コア14および環状コア18の中に結合するように構成される。例えば、いくつかの用途は、第二次高調波波長のみを有する中心ビームと、基本波長のみを有する環状ビームとを要求し得る。逆に言えば、他の用途は、基本波長のみを有する中心ビームと、第二次高調波波長のみを有する環状ビームとを要求し得る。好適なファイバ結合器は、国際特許出願PCT/FI2,007/050,690号および第PCT/FI2014/050,790号に説明され、これは、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0024】
さらに他の用途では、基本波長と第二次高調波波長とのいくつかの組み合わせが、出力光ファイバ12の一方または両方のコアにおいて要求され得る。図2は、本発明による、ファイバレーザ50の別の好ましい実施形態を図式的に図示する。ファイバレーザ50は、ファイバレーザ10に類似するが、出力光ファイバ12の各コア内の残留基本ビームFと第二次高調波ビームSHとの混合を可能にする。最も単純な配列は、これらのビームの拒絶された部分を光ファイバの中に戻し、かつそれを通してファイバ結合器44の中に結合するであろう。図2において描写される配列は、付加的偏光変調器と、偏光子とを有し、出力光ファイバ12の2つのコアにおける各波長の混合および電力をさらに制御する。
【0025】
ファイバレーザ50では、偏光子34を通して通過される残留基本ビームFのある部分は、基本ビームF1になり、相補的部分は、基本ビームF2になる。偏光変調器52および偏光子54はともに、基本ビームF2を調整し、これは、次いで、ファイバ結合器56によって光ファイバの中に伝達される。同様に、偏光子40を通して通過される第二次高調波ビームSHのある部分は、第二次高調波ビームSH1になり、相補的部分は、第二次高調波ビームSH2になる。偏光変調器58および偏光子60はともに、第二次高調波ビームSH2を調整し、これは、次いで、ファイバ結合器62によって光ファイバの中に伝達される。描写される配列では、基本ビームF1および第二次高調波ビームSH2は、中心コア14の中に結合される一方、基本ビームF2および第二次高調波ビームSH1は、環状コア18の中に結合される。偏光変調器32、38、52、および58は、基本波長における電力と、出力光ファイバ12の各コアにおける第二次高調波波長の電力との所望の混合を達成するために、調節されることができる。各コアにおける各波長の相対的電力の持続的同調が、可能である。これらの偏光変調器はまた、各コアにおける各波長の時間依存電力制御も可能である。
【0026】
高調波発生器28における第二次高調波発生は、偏光依存プロセスである。したがって、効率的動作に関して、ファイバレーザ10および50におけるファイバ増幅器24は、線形に偏光される基本ビームFを生産するために、偏光維持光ファイバから作製されるであろう。偏光維持光ファイバの中に組み込まれる応力ロッドは、偏光選択的線形複屈折を提供する。しかしながら、公称上、単一モード光ファイバにおいてでさえ、これらの応力ロッドは、コアに近い高次モードの電場を向上させ、偏光維持光ファイバにおいて可能である電力スケーリングを最終的に限定する。本発明者らは、約1.5キロワット(kW)が、偏光される単一モードビームの増幅に関する実践的限定であることを見出している。
【0027】
図3は、ファイバレーザ10に類似する、本発明によるファイバレーザ70のさらに別の好ましい実施形態を図式的に図示するが、ファイバ増幅器24は、偏光維持光ファイバを伴わずに作製される。これは、より高い電力の基本ビームFの発生を可能にし、したがって、出力光ファイバ12におけるビームの電力スケーリングを可能にする。しかしながら、基本ビームFは、依然として、効率的高調波発生のために、高調波発生器28における光学的非線形要素に対して正しく配向される、明確に画定された線形偏光を有しなければならない。
【0028】
ファイバレーザ70は、ファイバ増幅器24と高調波発生器28との間に位置する部分的反射ミラー72を含む。ミラー72は、偏光子74上に指向されるべき増幅された基本ビームのごくほんの一部を選別する。選択された偏光を有する指向される基本ビームの一部は、偏光子74によって通過され、光検出器76上に伝搬する。光検出器76は、フォトダイオードとして、図面に象徴的に表される。ミラー72、偏光子74、および光検出器76は、集合的に、増幅された基本ビームFの偏光をサンプリングおよび分析する。光検出器76は、シードレーザ22とファイバ増幅器24との間に位置する偏光変調器78に電気的に接続される。光検出器76からの電気信号は、基本ビームFが偏光変調器78を通して遷移するにつれて、偏光における変化を調整する制御信号に条件付けられる。偏光変調器78は、それによって、基本ビームFがファイバ増幅器24を通して遷移するにつれて、任意の偏光変化を補償する。偏光変調器78は、増幅された基本ビームFの所望の線形偏光を確立および維持する。17デシベル(dB)を上回る偏光消光比が、本配列を用いて達成されることができる。
【0029】
単純部分的反射ミラーは、偏光子74上に指向されるあるフレネル反射を伴って、ガラスから作製される楔である。ミラー72が、偏光選択的反射率を有する場合、偏光子74は、ファイバレーザ70から省かれることができる。偏光選択的反射は、ミラー72の表面上の薄膜光学コーティングの慎重な設計および加工を通して、達成されることができる。別の随意のミラー80が、ミラー72によって反射された増幅された基本ビームFのごくほんの一部を傍受し、かつ再指向するために、描写される配列内に含まれる。随意の半波プレート82がまた、描写される。ミラー72および80が、偏光されない場合、半波プレート82は、増幅された基本ビームFの偏光配向を選択するために調節されてもよい。半波プレート82は、高調波発生器28に対して偏光子74を機械的に配向する必要性を排除する。同一要素および原理は、ファイバレーザ50に類似する偏光維持光ファイバを伴わずに作製される、ファイバ増幅器を有するファイバレーザを作製するために適用され得ることに留意されたい。
【0030】
実施例として、シードレーザ22は、約1,064nmの近赤外基本波長を有するビームを提供する。ファイバ増幅器24は、本基本波長を増幅させるために、イッテルビウムドープシリカガラスから作製されるコアを有する。第二次高調波ビームは、約532nmの対応する緑色第二次高調波波長を有するであろう。増幅された単一モードCW基本ビームは、1,000ワット(W)を上回る第二次高調波電力を生産し、かつ1,000Wを上回る残留基本電力を残す、三ホウ酸リチウム(LBO)の結晶における50%を上回る効率で第二次高調波ビームに変換されることができる。第二次高調波ビームは、約1.3未満であり、1.1未満であり得る、ビーム品質係数(M)を有してもよい。残留基本ビームは、約1.5未満であり、1.2未満であり得る、ビーム品質を有してもよい。
【0031】
銅から作製されるワークピースを溶接するために、本発明のファイバレーザは、主として、近赤外基本波長であるコアビームと、主として、緑色第二次高調波波長である環状ビームとを提供するために構成されるであろう。これらのビームは、出力光ファイバ12から出現し、溶接されているワークピース上に集束される。集束されるビームは、緑色の集束される環状ビームによって囲繞される近赤外の集束される中心ビームを伴って、横方向強度分布を有する。
【0032】
溶接の間、緑色の集束される環状ビームは、ワークピースによって吸収され、ワークピースの照射される表面を予熱する。予熱されたワークピースは、ひいては、近赤外の集束される中心ビームを吸収する。おおよそ1,000摂氏温度(℃)である、おおよそ1,300ケルビン(K)の銅に関して、熱伝導率と、1マイクロメートル(μm)光学吸収率との両方において突然の変化が存在することは、公知である。本温度を通して銅を加熱することは、約2倍熱伝導率を低減させ、約3倍光学吸収率を増加させる。緑色の集束される環状ビームを使用して1,300Kを上回ってワークピースを予熱することは、有利なこととして、これらの変化の両方、すなわち、集束される中心ビームを提供されている、融解および溶接に関して要求される近赤外電力を低減させることを利用する。これは、ワークピースに印加される全体的レーザ電力を低減させ、熱影響域を低減させる。赤外線の集束される中心ビームはまた、ワークピースの中により深く透過し、これは、溶接品質をさらに改良する。
【0033】
スポット溶接およびシーム溶接は、例示的プロセスおよび本発明のファイバレーザを使用して、改良されることができる。スポット溶接において、緑色の集束される環状ビームは、ワークピースを予熱するために、近赤外の集束される中心ビームに先立って印加されることができる。集束される環状ビームはまた、高温と、それによって、ワークピースにおいてより強い近赤外吸収率とを持続させるために、集束される中心ビームと同時に印加されることができる。各ビームは、独立して、必要に応じて、溶接速度および品質を最適化するために、電力において逓増または逓減されることができる。
【0034】
シーム溶接において、緑色の集束される環状ビームの区分は、集束されるビームがワークピースの界面に沿って走査されるにつれて、近赤外の集束される中心ビームに先行する。本先行する区分は、ワークピースを予熱する。集束される環状ビームの反対区分は、集束される中心ビームに続く。本続く区分は、溶接されたワークピースを溶接または焼鈍する間、融解位相を長くし得、それによって、溶接品質を改良する。再び、本発明のファイバレーザによって提供される各ビームの独立電力制御は、溶接速度および品質を最適化するために使用されることができる。
【0035】
要するに、中心ビームおよび同心環状ビームを備える横方向モードを有する出力ビームを生産する、ファイバレーザが、開示される。出力ビームは、中心コアおよび環状コアを有する光ファイバを通して送達される。シードレーザによって発生される基本ビームが、ファイバ増幅器によって増幅され、次いで、高調波発生器によって高調波ビームに部分的に変換される。未変換基本ビームおよび高調波ビームは、ダイクロイックミラーによって空間的に分離される。基本ビームおよび高調波ビームは、ファイバ結合器によって出力光ファイバの中心コアおよび環状コアの中に選択的に結合される。偏光変調器および偏光子は、各コアにおける電力を調整するように配列される。付加的偏光変調器および偏光子が、出力光ファイバの各コアにおける基本ビームおよび高調波ビームの相対的電力を制御するように配列されることができる。偏光分析器および偏光変調器が、増幅された基本ビームを好ましい線形偏光に維持し、高調波ビームをキロワットの電力にスケーリングされることを可能にする。高電力出力ビームは、独立して調節可能電力と波長とを有する中心および環状ビームを伴う、調節可能半径方向モードを有する。
【0036】
本発明は、好ましい実施形態および他の実施形態の観点から、上記に説明される。本発明は、しかしながら、本明細書に説明および描写される実施形態に限定されない。むしろ、本発明は、本明細書に添付の請求項のみによって限定される。
図1A
図1B
図2
図3