(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/278 20220101AFI20240911BHJP
【FI】
H02K1/278
(21)【出願番号】P 2022539062
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(86)【国際出願番号】 KR2020017364
(87)【国際公開番号】W WO2021132919
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】10-2019-0173169
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョンジュ
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-067057(JP,A)
【文献】特表2003-530055(JP,A)
【文献】実開昭59-099686(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0316233(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/278
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング;
前記ハウジング内に配置されるステータ;
前記ステータ内に配置されるシャフト;
前記シャフトの外周面と接触するガイド部;および
前記ガイド部と結合するマグネットを含み、
前記ガイド部は前記シャフトの側面に配置される第1ガイドと前記第1ガイドから軸方向に延びた第2ガイドを含み、
前記第1ガイドは、前記第1ガイドの内周面から内側に突出する複数の突起を含み、
前記シャフトは、外周面に配置された複数のホールを含み、
前記突起は前記ホールに挿入されて配置され
、
前記第1ガイドは両終端の間にギャップGが形成される、モータ。
【請求項2】
前記第1ガイドは前記マグネットの一面に配置され、前記第2ガイドは前記マグネットの側面に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記マグネットは第1単位マグネットと第2単位マグネットを含み、
前記第2ガイドは前記第1単位マグネットと前記第2単位マグネットの間に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記第2ガイドの長さは前記マグネットの長さより短い、請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
前記第2ガイドは前記マグネットの外側面の
半径方向における一部と接触する延長部を含む、請求項1に記載のモータ。
【請求項6】
前記第2ガイドはボディと前記ボディから延びた延長部を含み、
前記マグネットの一部は前記延長部と前記シャフトの間に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項7】
前記マグネットは第1単位マグネットと第2単位マグネットを含み、
前記ボディは前記第1単位マグネットと前記第2単位マグネットの間に配置される、請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記延長部は前記第1単位マグネットの外側面の
半径方向における一部と接触する第1延長部と前記第2単位マグネットの外側面の
半径方向における一部と接触する第2延長部を含む、請求項7に記載のモータ
。
【請求項9】
前記第1ガイドは前記シャフトの外周の形状と対応する形状を有する、請求項1に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はモータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換させて回転力を得る装置であり、車両、家庭用電化製品、産業用機器などに広範囲に使われる。
【0003】
特に、前記モータが使われる電子式パワーステアリングシステム(Electronic Power Steering System以下、EPSという。)は、運行条件に応じて電子制御装置(Electronic Control Unit)でモータを駆動して旋回安定性を保障し迅速な復原力を提供する。それにより、車両の運転者は安全な走行をすることができる。
【0004】
モータはシャフトとステータを含む。シャフトは中空型であり得る。マグネットはシャフトの外周面に付着され得る。この時、中空型シャフトの場合、マグネットの位置を整列し難い問題点がある。中空型シャフトの加工過程を考慮する時、マグネットを整列するためのガイドを形成し難いためである。シャフトにマグネットを整列させるガイドがない場合、マグネットをオーバーモールディング(overmolding)する時、マグネットがずれる問題が発生する可能性がある。または缶または接着部材でマグネットを囲む時、マグネットが流動する危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、実施例は前記のような問題点を解決するためのものであり、中空型シャフトの外周面に配置されるマグネットを整列させて固定させることができるモータを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための実施例は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置されるステータと、前記ステータ内に配置されるシャフトと、前記シャフトと結合するガイド部および前記ガイド部と結合するマグネットを含み、前記ガイド部は前記シャフトの側面に配置される第1ガイドと前記第1ガイドから軸方向に延びた第2ガイドを含むモータを提供することができる。
【0007】
好ましくは、前記第1ガイドは前記マグネットの一面に配置され、前記第2ガイドは前記マグネットの側面に配置され得る。
【0008】
好ましくは、前記マグネットは第1単位マグネットと第2単位マグネットを含み、前記第2ガイドは前記第1単位マグネットと前記第2単位マグネットの間に配置され得る。
【0009】
好ましくは、前記第2ガイドの長さは前記マグネットの長さより短くてもよい。
【0010】
好ましくは、前記第2ガイドは前記マグネットの外側面の一部と接触する延長部を含むことができる。
【0011】
実施例は、ハウジングと、前記ハウジング内に配置されるステータと、前記ステータ内に配置されるシャフトと、前記シャフトと結合するガイド部および前記ガイド部と結合するマグネットを含み、前記ガイド部は前記マグネットの一側に配置される第1ガイドと前記第1ガイドから延びた第2ガイドを含み、前記第2ガイドはボディと前記ボディから延びた延長部を含み、前記マグネットの一部は前記延長部と前記シャフトの間に配置されるモータを提供することができる。
【0012】
好ましくは、前記マグネットは第1単位マグネットと第2単位マグネットを含み、前記ボディは前記第1単位マグネットと前記第2単位マグネットの間に配置され得る。
【0013】
好ましくは、前記延長部は前記第1単位マグネットの外側面の一部と接触する第1延長部と前記第2単位マグネットの外側面の一部と接触する第2延長部を含むことができる。
【0014】
好ましくは、前記ガイド部は突起を含み、前記シャフトはホールを含み、前記ガイド部の突起は前記シャフトのホールに挿入され得る。
【0015】
好ましくは、前記第1ガイドは前記シャフトの外周の形状と対応する形状を有することができる。
【0016】
好ましくは、前記ガイド部は前記マグネットの他側に配置された第3ガイドを含むことができる。
【0017】
好ましくは、前記ガイド部は第1ガイド部と第2ガイド部を含み、前記第1ガイド部は前記シャフトの外周面の一部と結合し、前記第2ガイド部は前記シャフトの外周面の他の一部と結合することができる。
【0018】
好ましくは、第1ガイド部と第2ガイド部は半円状を有することができる。
【0019】
好ましくは、前記マグネットは前記第2ガイドの前記延長部によって前記シャフトの外側面に固定され得る。
【発明の効果】
【0020】
実施例によると、中空型シャフトの外周面に配置されるマグネットを容易に整列させる有利な効果を提供する。
【0021】
実施例によると、組立時にマグネットがずれることを防止する利点がある。
【0022】
実施例によると、接着剤を使わずにマグネットをシャフトに固定できる利点がある。
【0023】
実施例によると、プラスチック材質のガイド部を使って磁束の漏洩を防止することによって、モータの性能が増加する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】第1実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図3】
図2で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図4】ガイド部の第2ガイドを図示した図面である。
【
図5】第1単位マグネットと第2単位マグネットの間に配置される第2ガイドを図示した図面である。
【
図6】第2実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図7】
図6で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図8】第3実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図9】
図8で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図10】第4実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図11】
図10で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図12】
図10で図示したガイド部の第2ガイドが第1単位マグネットと第2単位マグネットの間に配置される状態を図示した図面である。
【
図13】第5実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図14】
図13で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図15】第6実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図である。
【
図16】
図15で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【
図17】プラスチック素材のガイド部を含む実施例に係るモータの磁束とスチール(steel)素材のガイド部を含む比較例に係るモータの磁束を比較した図である。
【
図18】他の実施例に係るモータのカバーが配置されたシャフトを図示した図面である。
【
図19】マグネットがシャフトの外周面に配置された状態で、カバーが囲む状態を図示した図面である。
【
図20】シャフトとマグネットとカバーの側断面図である。
【
図21】シャフトとマグネットとカバーの平断面図である。
【
図22】カバーの第2領域と第3領域を図示したシャフトとマグネットの平断面図である。
【
図23】第2領域でカバーの一側エッジを図示した図面である。
【
図24】突起を含むシャフトとマグネットの平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
シャフトの長さ方向(上下方向)に平行な方向を軸方向といい、シャフトを中心に軸方向と垂直な方向を半径方向といい、シャフトを中心に半径方向の半径を有する円に沿っていく方向を円周方向という。
【0026】
図1は、実施例に係るモータを図示した図面である。
図1を参照すると、実施例に係るモータは、シャフト100とマグネット200とステータ300とガイド部400とハウジング500とバスバー600を含むことができる。以下、内側とは、モータの半径方向を基準としてシャフト100に向かって配置される方向を意味し、外側とは、内側と反対となる方向を意味するそして、以下、円周方向および半径方向はモータの軸中心を基準とする。
【0027】
シャフト100は一側が開放された中空形の部材であり得る。軸方向に、シャフト100の両端はそれぞれベアリングによって回転可能に支持され得る。シャフト100は外径が異なる部分が軸方向に沿って区分されて配置され得る。
【0028】
マグネット200はシャフト100の外周面に接触する。マグネット200はシャフト100の回転に連動して回転する。マグネット200は複数個であり得る。
【0029】
ステータ300はシャフト100とマグネット200の外側に配置される。ステータ300はステータコア310と、ステータコア310に装着されるインシュレーター320と、インシュレーター320に巻線されるコイル330を含むことができる。コイル330は磁界を形成する。ステータコア310は一つの部材であるか分割された複数のコアが組み合わせられたものであり得る。また、ステータコア310は薄い鋼板の形態の複数個のプレートが互いに積層された形態で形成され得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、ステータコア310は一つの単品で形成されてもよい。
【0030】
ガイド部(
図2の400)はマグネット200をシャフト100に固定する。ガイド部400がマグネット200を固定した状態で、オーバーモールディングされるか別途の缶あるいは接触部材がガイド部400とマグネット200を囲むことができる。
【0031】
ハウジング500はステータ300の外側に配置され得る。ハウジング500は上部が開放された円筒形の部材であり得る。ハウジング500は内側にシャフト100とマグネット200とステータ300を収容する。そして、ハウジング500はシャフト100を支持するベアリングを収容することができる。
【0032】
バスバー600はステータ300の上側に配置される。バスバー600はステータ300コアに巻かれたコイル330を連結する。
【0033】
図2は第1実施例に係るガイド部が配置されたシャフトとマグネットを図示した斜視図であり、
図3は
図2で図示したガイド部とシャフトを図示した斜視図である。
【0034】
図2および
図3を参照すると、ガイド部400はマグネット200をシャフト100に固定させる。ガイド部400が先にシャフト100に固定され、マグネット200がガイド部400に沿ってシャフト100に固定され得る。シャフト1000とガイド部400は材質が互いに異なる。
【0035】
ガイド部400は第1ガイド410と第2ガイド420を含むことができる。第1ガイド410はシャフト100の側面に配置され得る。第2ガイド420は第1ガイド410で軸方向に延長され得る。第2ガイド420は複数個が配置され得る。
【0036】
第1ガイド410は環状部材であり得る。第1ガイド410の内周面はシャフト100の外周面と接触することができる。第1ガイド410の内周面とシャフト100の外周面間に接着剤が塗布され得る。シャフト100は軸方向に区分されて外径が異なる一領域と他領域を含むことができ、第1ガイドは外径が相対的に小さい一領域の外周面に配置され得る。
【0037】
複数個の第2ガイド420は第1ガイド410の円周方向に沿って一定の間隔ごとに配置され得る。一方、マグネット200は複数個の単位マグネット200A、200Bからなり得る。第2ガイド420の個数は単位マグネット200A、200Bの個数と同一であり得る。
【0038】
第1ガイド410は一つ以上の複数の突起401を含むことができる。突起401は第1ガイド410の内周面で内側に突出する。突起401は円筒形の部材であり得る。
【0039】
シャフト100は内面と外面を貫通して形成される一個以上の複数個のホール101を含むことができる。突起401はホール101に挿入されて配置され得る。突起401とホール101が結合して、第1ガイド410がシャフト100から離脱したりスリップされることが防止される。
【0040】
図4はガイド部400の第2ガイド420を図示した図面であり、
図5は第1単位マグネット200Aと第2単位マグネット200Bの間に配置される第2ガイド420を図示した図面である。
【0041】
図4は、半径方向を基準として、第2ガイド420を内側から見た図面である。
図4および
図5を参照すると、第2ガイド420はマグネット200の側面202、203に配置される。例えば、円周方向を基準として、第2ガイド420は第1単位マグネット200Aと第2単位マグネット200Bの間に配置され得る。
【0042】
第2ガイド420はボディ421と、ボディ421から延びる延長部422を含むことができる。ボディ421はシャフト100の外周面と接触することができる。延長部422はマグネット200の外側面の一部と接触して半径方向にマグネット200が離脱することを防止する。例えば、延長部422は第1延長部422aと第2延長部422bを含むことができる。円周方向を基準として、第1延長部422aはボディ421の一側面から延びて配置され得る。第2延長部422bはボディ421の他側面から延びて配置され得る。ボディ421はシャフト100と接触する一側からシャフトと接触しない他側に行くほど厚くなり得る。第1延長部422aは第1単位マグネット200Aの一部と接触することができる。そして、第2延長部422bは第2単位マグネット200Bの一部と接触することができる。また、第1延長部422aおよび第2延長部422bの終端はボディから延びる部分より薄くてもよい。その他にも第1延長部422aおよび第2延長部422bはボディから終端に行くほど薄くなり得る。
【0043】
軸方向を基準として、ボディ421の端部421aは終端に向かうほど幅W1が減少するテーパー状を有することができる。端部421aはマグネット200が挿入される入口に該当する。したがって、テーパー状の端部421aはマグネット200が第2ガイド420に沿って容易に挿入されるように誘導する。
【0044】
また、ボディ421は半径方向に延長部422側の幅W2がシャフト100と接触する終端側の幅W3より大きくてもよい。
【0045】
図2を参照すると、軸方向を基準として、第2ガイド420の長さL1はマグネット200の長さL2より短くてもよい。第2ガイド420の長さL1がマグネット200の長さL2より短くてもマグネット200をガイドして定位置に整列させるのに問題がない反面、第2ガイド420の長さL1が相対的に短いので、第2ガイド420の端部421a側でマグネット200の挿入空間を十分に確保できる利点がある。
【0046】
マグネット200が第2ガイド420に沿って挿入されると、マグネット200の一側面202は一側の第2ガイド420と接触し、マグネット200の他側面203は他側の第2ガイド420と接触し、マグネット200の一端面201は第1ガイド410と接触することができる。マグネット200の他端面204はガイド部400と接触しなくてもよい。マグネット200とシャフト100の外周面間には接着剤が塗布され得る。マグネット200は円周方向の幅の中心から外側面に行くほど半径方向の厚さが小さい形状を有することができる。
【0047】
このようなガイド部400は、シャフト100とインサート射出を通じて一体に成形され得る。ガイド部400はプラスチック材質からなり得る。
【0048】
図6は第2実施例に係るガイド部400が配置されたシャフト100とマグネット200を図示した斜視図であり、
図7は
図6で図示したガイド部400とシャフト100を図示した斜視図である。
【0049】
図6および
図7を参照すると、第2実施例に係るガイド部400は下記に記述する構成以外には第1実施例に係るガイド部400と同一である。
【0050】
第2実施例に係るガイド部400は第1実施例に係るガイド部400とは異なり、シャフト100とガイド部400が別個のものであり、ガイド部400はシャフト100に組み立てられ得る。
【0051】
第1ガイド410は環状部材からなって両終端の間にギャップGが形成され得る。第1ガイド410の両終端の付近には第2ガイド420が配置され得る。複数個の第2ガイド420のうち、第1ガイド410の両終端の付近に配置された第2ガイド420の間にもギャップGが形成され得る。マグネット200を固定するために、ギャップGは円周方向に第2ガイド420が位置する領域に形成され得る。
【0052】
第1ガイド410の両終端の付近に配置された第2ガイド420は他の第2ガイド420より大きさが小さく形成され得る。例えば、第1ガイド410の両終端の付近に配置された第2ガイド420は他の第2ガイド420より長さは同一であるが円周方向の幅は小さくてもよい。
【0053】
ガイド部400は弾性変形可能なプラスチック材質からなり得る。ガイド部400はギャップGが広がるように変形されてシャフト100の外周面に組み立てられ得る。組立過程で、第1ガイド410に配置された突起401がシャフト100のホール101に挿入されると、ガイド部400の位置が整列する。
【0054】
図8は第3実施例に係るガイド部400が配置されたシャフト100とマグネット200を図示した斜視図であり、
図9は
図8で図示したガイド部400とシャフト100を図示した斜視図である。
【0055】
図8および
図9を参照すると、第3実施例に係るガイド部400は下記に記述する構成以外には第1実施例に係るガイド部400と同一である。
【0056】
第3実施例に係るガイド部400は第1実施例に係るガイド部400とは異なり、シャフト100とガイド部400が別個のものであり、ガイド部400はシャフト100に組み立てられ得る。また。第3実施例に係るガイド部400は単品で構成される第2実施例に係るガイド部400とは異なり、複数の部品で構成される。
【0057】
ガイド部400は第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bを含むことができる。第1ガイド部400Aはシャフト100の外周面の一部と結合し、第2ガイド部400Bはシャフト100の外周面の他の一部と結合する。ガイド部400が第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bに区分されるため、組立この容易な利点がある。第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bはそれぞれ第1ガイド410と第2ガイド420を含む。
【0058】
このような第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bはそれぞれ半円状を有することができる。第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bはそれぞれシャフト100に組み立てる。第1ガイド部400Aの突起401と第2ガイド部400Bの突起401はそれぞれシャフト100のホール101に挿入される。第1ガイド部400Aと第2ガイド部400Bがそれぞれシャフト100に組み立てられると、第1ガイド部400Aの第1ガイド410と第2ガイド部400Bの第1ガイド410は円周方向に沿って整列して位置することができ、第1ガイド部400Aの第2ガイド部420と第2ガイド部400Bの第2ガイド420も円周方向に沿って整列して位置することができる。
【0059】
このような第3実施例に係るガイド部400はガイド部400の組立性が良い利点がある。
【0060】
図10は第4実施例に係るガイド部400が配置されたシャフト100とマグネット200を図示した斜視図であり、
図11は
図10で図示したガイド部400とシャフト100を図示した斜視図である。
【0061】
図12は、
図10で図示したガイド部400の第2ガイド420が第1単位マグネット200Aと第2単位マグネット200Bの間に配置される状態を図示した図面である。
【0062】
図10~
図11を参照すると、第4実施例に係るガイド部400は下記に記述する構成以外には第1実施例に係るガイド部400と同一である。
【0063】
第4実施例に係るガイド部400は第1実施例に係るガイド部400とは異なり、第3ガイド430が追加で配置される。第3ガイド430は第1ガイド410および第2ガイド420と別個のもので構成される。第3ガイド430はマグネット200の長さを考慮して、第1ガイド410と軸方向に離隔してシャフト100に組み立てられ得る。マグネット200がシャフト100に固定されると、マグネット200の側面は第2ガイド420と接触し、マグネット200の一端面は第1ガイド410と接触することができる。そして、マグネット200の他端面は第3ガイド430と接触することができる。
【0064】
第3ガイド430は複数個の突出部431が延びて配置され得る。複数個の突出部431は円周方向に沿って一定の間隔をおいて配置される。突出部431は第2ガイド420のように、マグネット200の両側面と接触することができる。
【0065】
第2ガイド420と突出部431はマグネット200の外側面を覆わず、マグネット200の側面のみ支持する。これはマグネット200が半径方向にシャフト100に装着されるためである。半径方向にマグネット200が挿入され得る空間を確保するために、第2ガイド420と突出部431は第1実施例に係るガイド部400の延長部422と対応する構成が省略される。
【0066】
第4実施例に係るガイド部400は第3ガイド430を通じて、マグネット200の他側端を堅固に支持することによって、マグネット200が軸方向に沿って流動してずれることを防止する利点がある。
【0067】
第4実施例に係るガイド部400はシャフト100とインサート射出されて一体に成形され得る。
【0068】
図13は第5実施例に係るガイド部400が配置されたシャフト100とマグネット200を図示した斜視図であり、
図14は
図13で図示したガイド部400とシャフト100を図示した斜視図である。
【0069】
図13および
図14を参照すると、第5実施例に係るガイド部400は下記に記述する構成以外には第4実施例に係るガイド部400と同一である。
【0070】
第5実施例に係るガイド部400は第4実施例に係るガイド部400とは異なり、シャフト100とガイド部400が別個のものであり、ガイド部400はシャフト100に組み立てられ得る。
【0071】
第1ガイド410は環状部材からなって両終端の間にギャップGが形成され得る。第1ガイド410の両終端の付近には第2ガイド420が配置され得る。複数個の第2ガイド420のうち、第1ガイド410の両終端の付近に配置された第2ガイド420の間にもギャップGが形成され得る。マグネット200を固定するために、ギャップGは円周方向に第2ガイド420が位置する領域に形成され得る。
【0072】
第3ガイド430も環状部材からなって両終端の間にギャップGが形成され得る。第3ガイド430の両終端の付近には突出部431が配置され得る。第3ガイド430もシャフト100のホール101に挿入される突起401を含むことができる。
【0073】
ガイド部400は弾性変形可能なプラスチック材質からなり得る。ガイド部400はギャップGが広がるように変形されてシャフト100の外周面に組み立てられ得る。組立過程で、突起401がシャフト100のホール101に挿入されると、ガイド部400の位置が整列する。
【0074】
図15は第6実施例に係るガイド部400が配置されたシャフト100とマグネット200を図示した斜視図であり、
図16は
図15で図示したガイド部400とシャフト100を図示した斜視図である。
【0075】
図15および
図16を参照すると、第6実施例に係るガイド部400は下記に記述する構成以外には第4実施例に係るガイド部400と同一である。
【0076】
第6実施例に係るガイド部400は第4実施例に係るガイド部400とは異なり、シャフト100とガイド部400が別個のものであり、ガイド部400はシャフト100に組み立てられ得る。また。第6実施例に係るガイド部400は単品で構成される第5実施例に係るガイド部400とは異なり、複数の部品で構成される。
【0077】
ガイド部400は第1ガイド部400Aと第2ガイド400Bを含むことができる。
【0078】
また、第3ガイド430更には複数の部品からなり得る。例えば、第3ガイド430は第3-1ガイド430A、第3-2ガイド430B、第3-3ガイド430Cおよび第3-4ガイド430Dからなり得る。第3-1ガイド430A、第3-2ガイド430B、第3-3ガイド430Cおよび第3-4ガイド430Dはそれぞれ弧状の部材であり得る。
【0079】
第3-1ガイド430A、第3-2ガイド430B、第3-3ガイド430Cおよび第3-4ガイド430Dはそれぞれシャフト100に組み立てる。このような第3ガイド430の突起401はそれぞれシャフト100のホール101に挿入される。第3-1ガイド430A、第3-2ガイド430B、第3-3ガイド430Cおよび第3-4ガイド430Dがそれぞれシャフト100に組み立てられると、第3-1ガイド430A、第3-2ガイド430B、第3-3ガイド430Cおよび第3-4ガイド430Dは円周方向に沿って整列して位置することができる。
【0080】
このような第6実施例に係るガイド部400はマグネット200の他端面を支持しながらもガイド部400の組立性が良い利点がある。
【0081】
図17は、プラスチック素材のガイド部400を含む実施例に係るモータの磁束とスチール(steel)素材のガイド部400を含む比較例に係るモータの磁束を比較した図である。
【0082】
図17の(a)はスチール素材のガイド部付近の磁束を図示した図であり、
図17の(b)は実施例に係るモータのガイド部400であって、プラスチック素材のガイド部400付近の磁束を図示した図である。
【0083】
図17の(a)で図示した通り、スチール素材のガイド部では磁束が漏洩が発生する。反面、
図17の(b)で図示した通り、プラスチック素材のガイド部400では磁束の漏洩が発生しないものと確認される。最大トルクを測定した結果、比較例の場合、最大トルクが3.36Nmと測定されたし、実施例の場合、最大トルクが3.60Nmと測定されて、相対的に実施例が比較例よりモータの性能が優秀であることが確認された。
【0084】
図18は他の実施例に係るモータのカバー1400が配置されたシャフト1100を図示した図面であり、
図19はマグネット1200がシャフト1100の外周面に配置された状態で、カバーが1400囲む状態を図示した図面である。
【0085】
図18および
図19を参照すると、カバー1400はマグネット1200を囲んでシャフト1100に固定する接着部材であり得る。例えば、カバー1400は強化繊維にマトリックス材(matrix)が含浸された部材であり得る。
【0086】
このようなカバー1400は半硬化状態の部材であって、マグネット1200をシャフト1100に固定させる接着シートとしての役割をする。強化繊維としては主に炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などであり得、マトリックス材としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性樹脂であり得る。炭素繊維は機械的特性として引張強度と引張弾性率が大きい特徴があり、熱的特性として、耐熱性および耐火性が優秀な特徴がある。ガラス繊維は機械的特性として引張強度と引張弾性率が大きい特徴があり、熱的特性として、線膨脹率係数が小さい特徴がある。炭素繊維とガラス繊維はいずれも電気絶縁性が優秀な特徴がある。
【0087】
カバー1400は一部がシャフト1100とマグネット1200に接触した状態で、シャフト1100が回転すると、自然にマグネット1200を囲む形態でシャフト1100に巻かれ得、工程が単純で迅速な利点がある。
【0088】
カバー1400は軸方向を基準として区画される第1パート1410と、第2パート1420と、第3パート1430を含むことができる。第2パート1420は第1パート1410の一側から延びる。第3パート1430は第1パート1410の他側から延びる。
【0089】
第1パート1410はマグネット1200を覆う部分であり、第2パート1420と第3パート1430はシャフト1100に接触する部分である。
【0090】
図20は、シャフト1100とマグネット1200とカバー1400の側断面図である。
【0091】
図20を参照すると、マグネット1200の内面はシャフト1100の外面と接触する。そして、マグネット1200の外面は第1パート1410の内面1401と接触する。第2パート1420の内面1402のうち一部はシャフト1100の外面と接触し、第2パート1420の内面402のうち残りはシャフト1100の外面と離隔配置される。シャフト1100の外面とマグネット1200の一端面と第2パート1420の内面1402の間に空間S1が形成される。
【0092】
また、第3パート1430の内面1403のうち一部はシャフト1100の外面と接触し、第3パート1430の内面1403の残りはシャフト1100の外面と離隔配置される。シャフト1100の外面とマグネット1200の他端面と第3パート1430の内面1403の間に空間S2が形成される。
【0093】
図21は、シャフト1100とマグネット1200とカバー1400の平断面図である。
【0094】
図21を参照すると、カバー1400は複数個の第1領域A1を含むことができる。複数個の第1領域A1は軸中心で円周方向に間隔をおいて配置され得る。第1領域A1で、シャフト1100の外面から第1領域A1までの半径方向距離R1は、シャフト1100の外面からマグネット1200の外面までの最短半径方向距離R2より小さい。シャフト1100の外面からマグネット1200の外面までの最短半径方向距離R2はマグネット1200の外面のブレッド(bread)の形状を考慮する時、円周方向にマグネット1200の外面の側端が基準となり得る。
【0095】
第1領域A1は円周方向を基準として第1単位マグネット200Aと第2単位マグネット200Bの間に配置される。また、第1領域A1は軸方向に沿って長く配置される。
【0096】
このような第1領域A1はカバー1400の他の領域と肉眼で区分されるため、カバー1400がマグネット1200を囲んだ状態で、マグネット1200の配置状態を肉眼や映像で確認することができる。したがって、作業者はマグネット1200の配置に問題があるかどうかを容易に点検することができる。
【0097】
図22は、カバー1400の第2領域A2と第3領域A3を図示したシャフト1100とマグネット1200の平断面図である。
【0098】
図22を参照すると、カバー1400は複層をなすようにシャフト1100に巻かれ得る。以下、カバー1400が半径方向を基準として複層をなす領域を第2領域A2とし、軸の中心に半径方向に一領域の厚さt1と異なる厚さt2を有する領域を第3領域A3とする。
【0099】
カバー1400は第2領域A2で、第1層1400Aと第1層1400Aの上に積層される第2層1400Bを含むことができる。図面で第1層1400Aと第2層1400Bを例示したが本発明はこれに限定されず、第3層、第4層など、より多くの層で構成されてもよい。したがって、第2領域A2は3層以上をなす領域であり得る。
【0100】
図22では第2領域A2の位置と第3領域A3の位置が同一に例示されているが、本発明はこれに限定されず、第2領域A2の位置と第3領域A3の位置は異なってもよい。
【0101】
カバー1400の外面は段差領域A4を含むことができる。
図23は、第2領域A2でカバー1400の一側エッジE1、E2を図示した図面である。
【0102】
図23を参照すると、第2領域A2で、いずれか一つの層の一側エッジE2は他の層の一側エッジE1に傾斜して配置され得る。合わせて、第2領域A2で、いずれか一つの層の他側エッジE4は他の層の他側エッジE3に傾斜して配置され得、これはカバー1400をシャフト1100に巻いた後、カバー1400の終端を仕上げて接着させる過程中に自然に導き出される特徴であり得る。.
【0103】
図24は、突起を含むシャフト1100とマグネット1200の平断面図である。
【0104】
図24を参照すると、シャフト1100はマグネット1200と接触する複数の突起1110を含む。複数の突起1110はシャフト1100の外周面に配置される。複数の突起1110はシャフト1100の円周方向に沿って互いに離隔配置され得る。そして、複数の突起1110はシャフト1100の軸方向Xに沿って互いに離隔配置され得る。このような突起1110はシャフト1100の外周面に配置されるマグネット1200を整列して固定する役割をする。突起1110は中空型シャフト1100の内側でなされるエンボシング加工を通じて形成され得る。
【0105】
突起1110はカバー1400がマグネット1200を囲む過程で、マグネット1200がずれないように固定させる役割をする。突起1110はカバー1400と離隔して配置され得る。