(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】アキシャル部品供給装置、及び供給方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240911BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H05K13/02 B
H05K13/04 F
(21)【出願番号】P 2022545191
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2020032546
(87)【国際公開番号】W WO2022044247
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】井上 直幸
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 茂雄
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特許第3545035(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対のリードを備えたアキシャル部品を供給位置に向かって持ち上げる持上装置と、
前記持上装置により持ち上げられる前記アキシャル部品の1対のリードに接触して、前記1対のリードを屈曲する1対の屈曲体と、
前記持上装置により持ち上げられる前記アキシャル部品
の部品本体に接触して、前記アキシャル部品
の姿勢を矯正する矯正具と
を備えるアキシャル部品供給装置。
【請求項2】
前記矯正具の上端が、前記供給位置と同じ高さ、若しくは、前記供給位置より下方に位置する請求項1に記載のアキシャル部品供給装置。
【請求項3】
前記矯正具が、前記1対の屈曲体の間に配設された請求項1または請求項2に記載のアキシャル部品供給装置。
【請求項4】
アキシャル部品がキャリアテープにテーピングされたテープ化部品を送り出す送出工程と、
前記キャリアテープから前記アキシャル部品を切り離す切離工程と、
前記切離工程において前記キャリアテープから切り離された前記アキシャル部品を供給位置に向かって持ち上げる持上工程と、
前記持上工程において供給位置に持ち上げられる前記アキシャル部品の1対のリードに1対の屈曲体が接触して、前記1対のリードを屈曲する屈曲工程と、
前記持上工程において供給位置に持ち上げられる前記アキシャル部品
の部品本体に接触して、前記アキシャル部品
の姿勢を矯正する矯正工程と
を実行し、
アキシャル部品供給装置が前記送出工程において前記テープ化部品を送り出す送出高さより高い位置である前記供給位置において前記アキシャル部品を供給する、アキシャル部品の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アキシャル部品を供給するアキシャル部品供給装置、及び供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、アキシャル部品を供給するアキシャル部品供給装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、アキシャル部品を適切に供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、1対のリードを備えたアキシャル部品を供給位置に向かって持ち上げる持上装置と、前記持上装置により持ち上げられる前記アキシャル部品の1対のリードに接触して、前記1対のリードを屈曲する1対の屈曲体と、前記持上装置により持ち上げられる前記アキシャル部品の部品本体に接触して、前記アキシャル部品の姿勢を矯正する矯正具とを備えるアキシャル部品供給装置を開示する。
【0006】
上記課題を解決するために、本明細書は、アキシャル部品がキャリアテープにテーピングされたテープ化部品を送り出す送出工程と、前記キャリアテープから前記アキシャル部品を切り離す切離工程と、前記切離工程において前記キャリアテープから切り離された前記アキシャル部品を供給位置に向かって持ち上げる持上工程と、前記持上工程において供給位置に持ち上げられる前記アキシャル部品の1対のリードに1対の屈曲体が接触して、前記1対のリードを屈曲する屈曲工程と、前記持上工程において供給位置に持ち上げられる前記アキシャル部品の部品本体に接触して、前記アキシャル部品の姿勢を矯正する矯正工程とを実行し、アキシャル部品供給装置が前記送出工程において前記テープ化部品を送り出す送出高さより高い位置である前記供給位置において前記アキシャル部品を供給するアキシャル部品の供給方法を開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、供給位置に持ち上げられるアキシャル部品に矯正具が接触することで、アキシャル部品が矯正される。これにより、アキシャル部品を適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】部品実装装置の部品装着装置を示す斜視図である。
【
図14】回路基材に装着された平行姿勢アキシャル部品を示す図である。
【
図15】平行姿勢アキシャル部品を示す斜視図である。
【
図17】傾斜姿勢アキシャル部品を示す斜視図である。
【
図18】回路基材に装着された傾斜姿勢アキシャル部品を示す図である。
【
図19】回路基材に装着された傾斜姿勢アキシャル部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0010】
図1に、部品実装装置10を示す。部品実装装置10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装装置10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、ばら部品供給装置30、部品供給装置32を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
【0011】
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装装置10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
【0012】
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62の下端面には、
図2に示すように、チャック66が設けられており、チャック66によって部品が把持される。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、スライダ74,76に作業者が工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
【0013】
撮像装置26は、鉛直軸線上において下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動する。これにより、撮像装置26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、
図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置32との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62のチャック66に把持された部品を撮像する。なお、撮像装置26,28は、2次元カメラとされており、2次元画像を撮像する。
【0014】
ばら部品供給装置30は、フレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。
【0015】
部品供給装置32は、フレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置80とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置80は、テープフィーダ82によって部品を供給する装置である。以下に、テープフィーダ82について詳しく説明する。なお、ばら部品供給装置30および、部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
【0016】
テープフィーダ82は、フレーム40の他方側の端部に固定的に設けられたフィーダ保持台86のスロットに、工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして装着されている。テープフィーダ82は、テープ化部品(
図3参照)88からアキシャル部品を切り離し、切り離したアキシャル部品のリードを屈曲させた状態で部品実装装置10の作業ヘッド60,62に供給するテープ化リード部品供給装置である。
【0017】
テープ化部品88は、
図3に示すように、複数のアキシャル部品90と2本のキャリアテープ92とから構成されている。アキシャル部品90は、部品本体96と、2本のリード98とを含む。部品本体96は、四角柱形状をなし、対向する1対の面が正方形とされている。つまり、部品本体96は、正四角柱形状をなしている。また、2本のリード98は、概して直線状をなし、部品本体96の対向する正方形の面に、部品本体96の軸心と同軸的に固定されている。そして、アキシャル部品90が、2本のキャリアテープ92に挟まれた状態で、2本のリード98の先端、つまり、部品本体96と反対側の端において、2本のキャリアテープ92にテーピングされている。なお、複数のアキシャル部品90は、2本のキャリアテープ92に等ピッチでテーピングされている。
【0018】
また、テープフィーダ82は、
図4に示すように、収納ボックス106と、フィーダ本体107とから構成されている。なお、以下の説明において、収納ボックス106からフィーダ本体107に向う方向を前方と記載し、フィーダ本体107から収納ボックス106に向う方向を後方と記載する。フィーダ本体107の前方側の端面には、コネクタ108と2本のピン109が設けられている。そして、テープフィーダ82がフィーダ保持台86に装着された際に、コネクタ108は、フィーダ保持台86に形成されたコネクタ接続部(図示省略)に接続されることで電力が供給され、ピン109は、フィーダ保持台86に形成されたピン穴(図示省略)に嵌合されることでテープフィーダ82が正確に位置決めされる。また、収納ボックス106には、テープ化部品88が折り畳まれた状態で収納されている。そして、収納ボックス106に収納されているテープ化部品88が引き出され、そのテープ化部品88は、フィーダ本体107の上端面に延在される。なお、フィーダ本体107の上端面は水平方向に延びる面である。
【0019】
フィーダ本体107の内部には、
図5および
図6に示すように、送り装置110と切断装置111と屈曲装置112とが配設されている。送り装置110は、ピストン114とリンク機構116と送りアーム118と逆戻り防止アーム120とを含む。ピストン114は、フィーダ本体107内の上端部において、概して水平方向に延びるように配設されている。リンク機構116は、支持ブロック122と2本の支持アーム124とを含み、ピストン114の前方側に配設されている。支持ブロック122は、フィーダ本体107の躯体に固定されている。2本の支持アーム124は、上下方向に延びる姿勢で前後方向に並んで配設されており、下端において支持ブロック122に揺動可能に取り付けられている。また、送りアーム118は、概して水平方向に延びる姿勢で、2本の支持アーム124の上端に、揺動可能に取り付けられている。そして、送りアーム118の後端にピストン114のピストンロッド126が連結されている。これにより、送りアーム118は、ピストン114の作動により、前後方向に移動する。
【0020】
また、送りアーム118の上縁の中央部には、複数の送り歯128が形成されている。そして、それら複数の送り歯128が、フィーダ本体107の上端面に延在しているテープ化部品88のアキシャル部品90のリード98に係合している。なお、複数の送り歯128の形成ピッチは、テープ化部品88でのアキシャル部品90の配設ピッチと同じとなっている。これにより、テープ化部品88は、ピストン114の作動により、送りアーム118が前方に向かって移動した際に、テープフィーダ82の前方側に向かって送り出される。
【0021】
また、逆戻り防止アーム120は、フィーダ本体107の上端面に延在しているテープ化部品88の上方に配設されており、逆戻り防止アーム120の先端には、歯132が形成されている。この歯132は、テープ化部品88のアキシャル部品90のリード98に後方側から係合しており、テープ化部品88の後方側への移動、つまり、テープ化部品88の逆戻りを防止している。
【0022】
なお、送りアーム118によってテープ化部品88が送り出されるテープフィーダ82の前方側には、
図7に示すように、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の2本のキャリアテープ92の間から上方に向って延び出すように、1対のストッパ136が立設されている。1対のストッパ136は、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の1対のリード98と対向する位置に立設されている。これにより、送りアーム118によって送り出されたテープ化部品88にテーピングされているアキシャル部品90の1対のリード98が1対のストッパ136に当接し、そのアキシャル部品90が位置決めされる。
【0023】
また、切断装置111は、昇降ブロック140と1対のカッタ142とにより構成されている。昇降ブロック140は、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の上方において、昇降可能にフィーダ本体107によって支持されている。なお、昇降ブロック140は、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88のストッパ136により位置決めされるアキシャル部品90の上方に位置している。また、昇降ブロック140は、ピストン(図示省略)の作動により、制御可能に昇降する。
【0024】
また、切断装置111の1対のカッタ142は、刃先を下方に向けた状態で、昇降ブロック140の下面に固定されている。それら1対のカッタ142の一方の刃先は、昇降ブロック140が上昇している状態において、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98の一方と対向している。また、1対のカッタ142の他方の刃先は、昇降ブロック140が上昇している状態において、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98の他方と対向している。
【0025】
また、屈曲装置112は、
図5及び
図6に示すように、ピストン150とカム機構152とフォーミング機構(
図7及び
図8参照)154とを有している。ピストン150は、フィーダ本体107内の中央部において、概して水平方向に延びるように配設されている。カム機構152は、カム部材160とローラ162と連結ブロック164とを含み、ピストン150の前方側に配設されている。カム部材160は、前方に向かうほど下方に向かう傾斜面166を有しており、前後方向に移動可能とされている。そのカム部材160の後端には、ピストン150のピストンロッド168が連結されている。ローラ162は、カム部材160の傾斜面166に接触した状態で配設されており、カムフォロアとして機能する。また、ローラ162は、連結ブロック164の下端部に回動可能に保持されており、その連結ブロック164は、鉛直方向において昇降可能とされている。これにより、カム部材160が、ピストン150の作動により、前後方向に移動することで、ローラ162が、カム部材160の傾斜面166に沿って移動し、連結ブロック164が鉛直方向に昇降する。
【0026】
また、フォーミング機構154は、
図7乃至
図10に示すように、支持ブロック170と1対の支持部材172と1対のクランプアーム174と1対の屈曲ローラ176とを含む。なお、
図7乃至
図9は、フォーミング機構154の斜視図であり、
図10は、フォーミング機構154の正面図である。
【0027】
支持ブロック170は、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の下方に配設されており、カム機構152の連結ブロック164に連結されている。これにより、支持ブロック170は、連結ブロック164の昇降に伴って、鉛直方向に昇降する。なお、
図7乃至
図10において、連結ブロック164は省略されている。また、支持部材172は、概して板状をなし、上端縁にV字型の溝178が形成されている。そして、1対の支持部材172は、互いに向かい合うように配設されており、支持ブロック170に固定されている。なお、1対の支持部材172は、互いの溝178が、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98の下方に位置するように、支持ブロック170に固定されている。ちなみに、位置決めされたアキシャル部品90のリード98と、支持部材172の上縁との間の距離は非常に短くされている。つまり、支持部材172は、位置決めされたアキシャル部品90のリード98と僅かな距離を隔てて、リード98の下方に位置している。
【0028】
また、1対のクランプアーム174は、概してL字型をなし、下端において支持ブロック170により前後方向に揺動可能に保持されている。1対のクランプアーム174は、1対の支持部材172の前方側において、支持ブロック170からフィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の上方に向って延び出している。そして、1対のクランプアーム174のテープ化部品88の上方に延び出した部分が、後方に向って、つまり、1対の支持部材172の上方に向って、概して90度に屈曲されている。これにより、1対のクランプアーム174の先端は、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の1対のリード98を挟んで、1対の支持部材172の上方に位置している。なお、1対のクランプアーム174は、ピストン(図示省略)の作動により後方に向って揺動可能である。
【0029】
また、1対のクランプアーム174は、
図9に示すように、前方側の端部において、連結ローラ180により連結されている。そして、その連結ローラ180の上方には、固定テーブル182が、フィーダ本体107の上面に固定されている。なお、
図7には、クランプアーム174等の視認性を確保するために、固定テーブル182は記されておらず、
図8及び
図9には、支持ブロック170等の視認性を確保するために、フィーダ本体107は記されていない。ちなみに、固定テーブル182は、昇降ブロック140の前方に配設されており、上方からの視点において、昇降ブロック140と固定テーブル182との間に、1対のクランプアーム174が位置し、それら1対のクランプアーム174を連結する連結ローラ180のみが、固定テーブル182の下方に位置する。
【0030】
また、1対の屈曲ローラ176は、フィーダ本体107の上面に延在するテープ化部品88の上方に配置されている昇降ブロック140の側面に固定的に配設されている。1対の屈曲ローラ176は、昇降ブロック140の側面において前後方向かつ水平方向に延びる軸線周りに自転可能であり、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98の上方に位置している。また、1対の屈曲ローラ176は、上下方向にズレた位置、つまり、上下方向において異なる高さで昇降ブロックに配設されている。なお、それら1対の屈曲ローラ176を区別する場合には、下方に位置する屈曲ローラ176を第1屈曲ローラ176aと記載し、上方に位置する屈曲ローラ176を第2屈曲ローラ176bと記載する。
【0031】
部品実装装置10では、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12に形成された1対の貫通穴(
図14参照:
図14では1個のみ図示されている)190の位置に関する情報が得られる。また、ばら部品供給装置30若しくは、部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。以下に、部品供給装置32のフィーダ型部品供給装置80による部品の供給について、詳しく説明する。
【0032】
フィーダ型部品供給装置80では、テープフィーダ82において、送り装置110のピストン114の作動により、フィーダ本体107の上端面に延在するテープ化部品88が前方に向かって送り出される。つまり、フィーダ本体107の上端面がテープ化部品88の送出高さである。そして、送出高さにおいて前方に向って送り出されたテープ化部品88のアキシャル部品90のリード98がストッパ136に当接し、位置決めされる。なお、アキシャル部品90がストッパ136により位置決めされた位置を、クランプ位置と記載する。
【0033】
そして、テープ化部品88にテーピングされたアキシャル部品90がストッパ136により位置決めされると、1対のクランプアーム174がピストンの作動により後方、つまり、位置決めされたアキシャル部品90に向って揺動する。これにより、位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98が、1対のクランプアーム174により上方から下方に向って押さえられる。次に、支持ブロック170がピストン150の作動により上昇する。この際、支持ブロック170に固定されている1対の支持部材172も上昇し、位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98が、1対の支持部材172の溝178において下方から支持される。これにより、位置決めされたアキシャル部品90のリード98が、支持部材172とクランプアーム174とによって溝178によって位置決めされた状態でクランプされる。つまり、アキシャル部品90がクランプ位置において、支持部材172とクランプアーム174とによってクランプされる。
【0034】
続いて、位置決めされたアキシャル部品90のリード98が、支持部材172とクランプアーム174とによってクランプされると、切断装置111のピストンの作動により昇降ブロック140が下降する。この際、1対のカッタ142が昇降ブロック140とともに下降し、ストッパ136により位置決めされたアキシャル部品90の1対のリード98が、
図10に示すように、1対のカッタ142によって切断される。これにより、アキシャル部品90がキャリアテープ92から切り離される。つまり、アキシャル部品90は、クランプ位置においてテープ化部品88から切り離される。なお、リード98は支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされているため、リード98はカッタ142により適切に切断される。
【0035】
このように、リード98が切断され、アキシャル部品90がキャリアテープ92から切り離されると、支持ブロック170が更に上昇し、リード98が支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態のアキシャル部品90も上昇する。つまり、テープ化部品88から切り離されたアキシャル部品90が、支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態で持ち上げられる。この際、アキシャル部品90は左右方向に延びる姿勢、つまり、部品本体96の軸線を左右方向に向けた姿勢で持ち上げられる。なお、部品本体96の軸線は、部品本体96からリード98が延び出す方向と同じであるため、左右方向を向いたアキシャル部品90の姿勢を、アキシャル部品90が左右方向に延びる姿勢ということもできる。
【0036】
そして、位置決めされたアキシャル部品90が持ち上げられる際に、アキシャル部品90の1対のリード98の一方のリード98が、1対の屈曲ローラ176の下方に位置するローラ、つまり、第1屈曲ローラ176aに当接する。この際、支持ブロック170の上昇に伴って、第1屈曲ローラ176aに当接したリード98が、
図11に示すように、第1屈曲ローラ176aにより下方、つまり、部品本体96の軸心に対して直行する方向に向って屈曲される。
【0037】
そして、支持ブロック170が更に上昇すると、支持ブロック170とともに上昇するアキシャル部品90の1対のリード98の屈曲されていないリード、つまり、第1屈曲ローラ176aにより屈曲されたリード98と反対側に延び出しているリード98が、1対の屈曲ローラ176の上方に位置するローラ、つまり、第2屈曲ローラ176bに当接する。そして、支持ブロック170の上昇に伴って、第2屈曲ローラ176bに当接したリード98も、
図12に示すように、第2屈曲ローラ176bにより同様の方向である下方に向って屈曲される。
【0038】
このように、テープフィーダ82の屈曲装置112では、1対の屈曲ローラ176が上下方向にズレた位置に配設されており、それら1対の屈曲ローラ176に1対のリード98が当接するように、アキシャル部品90が上昇する。これにより、アキシャル部品90が上昇する際に、1対のリード98が、同じ方向、つまり、下方に向って、1本ずつ異なるタイミングで屈曲される。なお、リード98は支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされているため、リード98は屈曲ローラ176により適切に屈曲される。
【0039】
また、1対のリード98が1対の屈曲ローラ176により部品本体96の長手方向と直行する方向に屈曲された後も、支持ブロック170とともに、屈曲されていない部品本体側のリード98が支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態のままで、アキシャル部品90が供給位置に向かって上昇する。この際、クランプアーム174の前端部に配設された連結ローラ180が、固定テーブル182に当接し、
図8に示すように、前方、つまり、クランプされたリード98から離れる方向に向かって揺動する。これにより、支持部材172とクランプアーム174とによるリード98のクランプが解除される。つまり、
図13に示すように、アキシャル部品90が、屈曲された1対のリード98において、1対の支持部材172のみにより下方から支持された状態となる。つまり支持部材172の溝178で位置決めされた状態でアキシャル部品90は供給位置において供給される。つまり、テープフィーダ82では、フィーダ本体107の上面においてテープ化部品88が送り出された後に、供給位置に供給されるアキシャル部品90がストッパ136により位置決めされ、その位置決めされた位置において、そのアキシャル部品90のリード98が支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態で切断される。そのキャリアテープ92から切り離されアキシャル部品90が、支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態で持ち上げられる。そして、アキシャル部品90が持ち上げられる際に、1対のリード98が1対のローラ162に接触することで、1対のリード98が屈曲される。更に、リード98が屈曲された後も、アキシャル部品90は持ち上げられつつ、クランプアーム174によるリード98のクランプは解除される。これにより、支持部材172に支持された状態で、1対のリード98が部品本体96の長手方向に対して直交する方向に屈曲されたアキシャル部品90が供給される。つまり、アキシャル部品90が持ち上げられた上端位置が、アキシャル部品90の供給位置となり、テープ化部品88が送り出されるフィーダ本体107の上端面よりも高い位置において、リード98の屈曲したアキシャル部品90が所定の姿勢で供給される。
【0040】
そして、テープフィーダ82の供給位置においてアキシャル部品90が供給されると、作業ヘッド60,62の何れかが、そのアキシャル部品90の上方に移動し、上方に移動して停止した作業ヘッド60が下降して、作業ヘッド60が備えるチャック66が供給位置で位置決めして停止した状態のアキシャル部品90の1対のリード98を保持する。続いて、供給位置のアキシャル部品90を保持した作業ヘッド60,62が上昇したのちに、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、チャック66に保持されたアキシャル部品90が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。続いて、アキシャル部品90を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品の保持姿勢を、回路基材12に形成された貫通穴190の位置,部品の保持位置の誤差に関する情報等に基づいて調整する。この際、回路基材12に形成された1対の貫通穴190の位置と、チャック66に保持されたアキシャル部品90の1対のリード98の先端との位置が上下方向において一致するように、作業ヘッド60,62の移動及び保持姿勢の調整が行われる。そして、作業ヘッド60,62が下降し、チャック66が保持したアキシャル部品90を解放する。これにより、
図14に示すように、1対のリード98が1対の貫通穴190に挿通され、アキシャル部品90が回路基材12に装着される。なお、
図14には、1対のリード98のうちの一方のリード98と、その一方のリード98が挿入される1個の貫通穴190のみが示されている。
【0041】
また、リード98が貫通穴190に挿通されることで、部品本体96の下方を向く面が回路基材12の上面と密着し、その状態において、アキシャル部品90が回路基材12に装着される。これは、アキシャル部品90が回路基材12に装着される際に下方を向く部品本体96の面(以下、「下方面」と記載する)200に対して、リード98が直行する方向に屈曲されているためである。つまり、
図3に示すように、曲がりがないテープ化部品88では、部品本体96の下方面200がキャリアテープ92の延びる方向と概して平行である。そして、テープ化部品88は、フィーダ本体107の上端面において送出される。フィーダ本体107の上端面は、上述したように、水平方向に延びる面であるため、テープ化部品88のキャリアテープ92は、水平方向に送り出され、そのキャリアテープ92にテーピングされているアキシャル部品90の部品本体96の下方面200も、キャリアテープ92と平行に送り出される。そして、アキシャル部品90がクランプ位置において切断装置111によりキャリアテープ92から切り離された後に、支持ブロック170により鉛直方向に持ち上げられる。この際、部品本体96の下方面200はキャリアテープ92と平行であるため、水平方向に延びる面とも平行である。そして、アキシャル部品90が支持ブロック170により鉛直方向に持ち上げられる際に、リード98が屈曲ローラ176に接触することで、
図15に示すように、リード98の先端部が、部品本体96の下方面200に対して直行する方向に屈曲する。
【0042】
しかしながら、
図3に示すように、テープ化部品88において、部品本体96の下方面200がキャリアテープ92と平行となる姿勢(以下、「平行姿勢」と記載する)で、全てのアキシャル部品90がキャリアテープ92にテーピングされていることが望ましいものの、そうではないアキシャル部品がテーピングされている場合がある。つまり、
図16に示すように、テープ化部品88において、部品本体96の下方面200がキャリアテープ92と平行とはならずに、キャリアテープ92に対してさまざまな角度に傾斜した姿勢(以下、「傾斜姿勢」と記載する)のアキシャル部品90がキャリアテープ92にテーピングされている場合がある。なお、
図16に示すテープ化部品88では、平行姿勢でキャリアテープ92にテーピングされたアキシャル部品(以下、「平行姿勢アキシャル部品」と記載する)90aと、傾斜姿勢でキャリアテープ92にテーピングされたアキシャル部品(以下、「傾斜姿勢アキシャル部品」と記載する)90bとが混在している。
【0043】
そして、
図16に示すテープ化部品88がテープフィーダ82にセットされ、そのテープ化部品88がフィーダ本体107の上端面において送り出された際に、クランプ位置において傾斜姿勢アキシャル部品90bがクランプされ、その傾斜姿勢アキシャル部品90bが切断装置111によりキャリアテープ92から切り離される。この際、傾斜姿勢アキシャル部品90bの下方面200は、キャリアテープ92の延びる方向、つまり、水平方向に対して傾斜している。そして、テープ化部品88から切り離された傾斜姿勢アキシャル部品90bが支持ブロック170により鉛直方向に持ち上げられる。この際に、傾斜姿勢アキシャル部品90bのリード98が屈曲ローラ176に接触することで、
図17に示すように、リード98の先端部は鉛直方向には屈曲するものの、部品本体96の下方面200に対しては直行する方向には屈曲せずに、傾斜した方向に屈曲する。
【0044】
そして、このようにリード98の先端部が下方面200に対して傾斜した方向に屈曲した傾斜姿勢アキシャル部品90bが回路基材12に装着されると、
図18に示すように、部品本体96の下方面200は回路基材12の上面に密着することなく、回路基材12の上面から浮き上がる。つまり、リード98の先端部が下方面200に対して傾斜した方向に屈曲した傾斜姿勢アキシャル部品90bは、下方面200が回路基材12の上面から浮き上がった姿勢で、回路基材12に装着される。このように部品本体がさまざまな角度で装着された傾斜姿勢アキシャル部品90bは、取り付けが不安定となり、部品本体96がぐらつく虞がある。また、このような姿勢で回路基材12に装着された傾斜姿勢アキシャル部品90bは、取り付けが不安定であるため、
図19に示すように、回路基材12の上面において部品本体96が倒れる場合がある。このような場合に、傾斜姿勢アキシャル部品90bの装着位置の隣に、先付部品210が装着されていれば、その先付部品210に傾斜姿勢アキシャル部品90bが干渉したり、乗り上げたりする虞がある。
【0045】
このようなことに鑑みて、テープフィーダ82には、
図20に示すように、アキシャル部品90の姿勢を矯正するための矯正壁220が設けられている。詳しくは、固定テーブル182の上面に、ブラケット222が固定されている。ブラケット222は、概してL字型をなし、その一端側が固定テーブル182の上面に固定されている。そして、ブラケット222の後方に向って延び出す他方の端部は下方に向って屈曲している。これにより、ブラケット222の下方に向って屈曲している端部は、固定テーブル182の後方に位置する1対のクランプアーム174の間に向って延び出している。また、矯正壁220は、概して矩形の板形状をなし、鉛直方向に延びるように、ブラケット222の下方に向って屈曲している端部に、後方を向いた状態で固定されている。これにより、矯正壁220は、1対のクランプアーム174の間において鉛直方向に延びるように配設される。なお、
図20では、矯正壁220等の視認性を確保するため、切断装置111の図示を省略している。一方で、
図7には切断装置111を示しており、その切断装置111の昇降ブロック140には、1対の屈曲ローラ176が配設されている。そして、1対の屈曲ローラ176は、1対のクランプアーム174と対向している。ちなみに、
図7は、屈曲ローラ176等の視認性を確保するために、矯正壁220の図示は省略している。このため、
図7及び
図20においては示されていないが、矯正壁220は、1対の屈曲ローラ176の間に位置している。
【0046】
また、
図20に示すように、矯正壁220の後方を向く下端にはテーパ面230が形成されている。テーパ面230は、下端に向うほど前方に向って傾斜する傾斜面となっており、そのテーパ面230の下端は、クランプ位置に位置決めされるアキシャル部品90の部品本体96とクリアランスのある状態で対向している。つまり、テープ化部品88が前方に向って搬送され、キャリアテープ92にテーピングされているアキシャル部品90がストッパ136により位置決めされた際に、そのアキシャル部品90の部品本体96と、テーパ面230の下端とがクリアランスのある状態で対向する。また、矯正壁220の後方を向く面には、テーパ面230だけでなく、テーパ面230の上端から上方に向って延び出す接触面232も形成されている。接触面232は、
図21に示すように、テーパ面230の上端から鉛直方向に延び出す平面であり、テーパ面230から連続した面として後方側に位置している。また、矯正壁220は、上述したように、1対の屈曲ローラ176の間に位置しているが、1対の屈曲ローラ176よりも僅かに前方側に位置している。このため、左右方向からの視点において、矯正壁220の接触面232と屈曲ローラ176とは前後方向において僅かなクリアランスのある状態で対向している。
【0047】
このような構造のテープフィーダ82では、クランプ位置において位置決めされたアキシャル部品90が持ち上げられる際に、矯正壁220によりアキシャル部品90の姿勢が矯正される。詳しくは、テープ化部品88がフィーダ本体107の上端面において送り出され、そのテープ化部品88にテーピングされた傾斜姿勢アキシャル部品90bがクランプ位置で位置決めされると、
図22に示すように、傾斜姿勢アキシャル部品90bのリード98が、支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされる。そして、クランプ位置において支持部材172とクランプアーム174とによりクランプされた状態のリード98が、上述したように、カッタ142により切断されることで、テープ化部品88において、傾斜姿勢アキシャル部品90bがキャリアテープ92から切り離される。この際、傾斜姿勢アキシャル部品90bの部品本体96の下方面200は、テープ化部品88の送り出し方向、つまり、水平方向に対して傾斜している。また、クランプ位置で位置決めされた傾斜姿勢アキシャル部品90bの部品本体96は、矯正壁220のテーパ面230とクリアランスのある状態で対向している。
【0048】
続いて、クランプ位置で位置決めされた傾斜姿勢アキシャル部品90bが、支持部材172とクランプアーム174とによりリードがクランプされた状態で鉛直方向に持ち上げられる。この際、部品本体96の矯正壁220と対向する側面240が、矯正壁220のテーパ面230と接触し、傾斜姿勢アキシャル部品90bの上昇に伴って、テーパ面230の上端を経て、接触面232に接触する。部品本体96の側面240が矯正壁220のテーパ面230と接触し、そのテーパ面230の上端を経て、接触面232に接触することで、クランプされたリードが摺動しつつ、傾斜姿勢アキシャル部品90bが支持部材172に位置決めされたリード98を中心に前方に向って自転する。なお、傾斜姿勢アキシャル部品90bが鉛直方向に持ち上げられる際に、接触面232が部品本体96の側面240の全体が覆われるように、矯正壁220の面は配設されている。このため、鉛直方向に延び出す接触面232が部品本体96の側面240と倣うように接触することで、部品本体96の下方面200が水平方向に延び出す面に矯正される。これにより、クランプ位置で位置決めされた傾斜姿勢アキシャル部品90bが持ち上げられる際に、部品本体96がテーパ面230を経て接触面232に接触することで、傾斜姿勢アキシャル部品90bが前方に向って自転し、平行姿勢となる。つまり、アキシャル部品90の姿勢が傾斜姿勢から平行姿勢に矯正される。つまり、傾斜姿勢アキシャル部品90bが平行姿勢アキシャル部品90a1に矯正される。なお、部品本体96の側面240が矯正壁220の接触面232の下端部において接触している際に、その部品本体96は、屈曲ローラ176の下方に位置している。つまり、接触面232の下端部への接触により姿勢が矯正された平行姿勢アキシャル部品90a1のリード98は、屈曲ローラ176に接触してはおらず、そのリード98は屈曲していない。これにより、リード98が屈曲されていない状態で、アキシャル部品90の姿勢が傾斜姿勢から平行姿勢に矯正される。
【0049】
そして、姿勢が矯正された平行姿勢アキシャル部品90a1が、更に持ち上げられることで、リード98が屈曲ローラ176に接触し、リード98の先端部が屈曲する。この際、平行姿勢アキシャル部品90a1の下方面200は水平方向に延びる面に矯正されているため、平行姿勢アキシャル部品90a1が鉛直方向に持ち上げられることで、
図15に示すように、リード98の先端部が、部品本体96の下方面200に対して直行する方向に屈曲する。そして、リードが直行する方向に完全に屈曲した平行姿勢アキシャル部品90aが更に持ち上げられ、その平行姿勢アキシャル部品90aが供給位置まで上昇する。なお、
図22に示す平行姿勢アキシャル部品90a2の位置が供給位置であり、平行姿勢アキシャル部品90aは供給位置に持ち上げられるまで、部品本体96の側面240の少なくとも一部が矯正壁220の接触面232に接触した状態となる。これにより、供給位置におけるアキシャル部品90の姿勢が担保される。また、供給位置における平行姿勢アキシャル部品90a2の部品本体96の上方を向く面と、矯正壁220の上端面とは同じ高さにされている。つまり、矯正壁220の上端面が、アキシャル部品90の供給位置と同じ高さにされている。これにより、チャック66が供給位置におけるアキシャル部品90を保持する際に、矯正壁220との干渉を適切に回避することができる。
【0050】
このように、傾斜姿勢アキシャル部品90bがテーピングされている場合であっても、テープフィーダは、キャリアテープ92から切り離された傾斜姿勢アキシャル部品90bの姿勢を矯正壁220で平行姿勢に矯正し、姿勢が矯正された平行姿勢アキシャル部品90aのリード98を屈曲し、その部品を供給することが可能である。このようなテープフィーダから作業ヘッドにアキシャル部品を供給することで、作業ヘッドは、
図14に示すように、部品本体96の下方面200を回路基材12の上面と密着させた状態で、アキシャル部品90を回路基材12に装着することが出来、延いては、回路基材に取り付けられたアキシャル部品の部品本体96のぐらつきや,アキシャル部品の部品本体96と先付部品210との干渉や乗り上げ等を防止することが可能となる。特に、キャリアテープ92から切り離されたアキシャル部品90のリード98を屈曲するために、アキシャル部品90が持ち上げられる際に、そのアキシャル部品90が矯正壁220に接触することで、アキシャル部品90の姿勢が矯正される。つまり、アキシャル部品90の姿勢を矯正するための特別な駆動源を設ける必要がなく、従来から存在する駆動源を利用して、アキシャル部品90の姿勢を矯正することが出来る。これにより、新たな駆動源の配設スペース,配設コスト等の増大を抑制することができる。
【0051】
なお、テープフィーダ82は、アキシャル部品供給装置の一例である。テープ化部品88は、テープ化部品の一例である。キャリアテープ92は、キャリアテープの一例である。アキシャル部品90は、アキシャル部品の一例である。リード98は、リードの一例である。屈曲装置112は、持上装置の一例である。屈曲ローラ176は、屈曲体の一例である。矯正壁220は、矯正具の一例である。
【0052】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記実施例では、矯正壁220がアキシャル部品90の部品本体96に接触して、アキシャル部品90の姿勢が矯正されているが、リード98に接触して、アキシャル部品90の姿勢を矯正してもよい。
【0053】
また、上記実施例では、アキシャル部品90の姿勢が矯正されているが、アキシャル部品90の形状などが矯正されてもよい。具体的には、例えば、テープ化部品88にリード98が湾曲しているアキシャル部品90がテーピングされている場合がある。このような場合には、アキシャル部品90がキャリアテープ92から切り離され、その切り離されたアキシャル部品90が供給位置に持ち上げられる際に、矯正壁220が湾曲したリード98に接触することで、湾曲したリード98を直線状に矯正して供給してもよい。
【0054】
また、上記実施例では、リード98が部品本体96の軸心に対して直行する方向に向って屈曲しているが、リード98が部品本体96の軸心に対して直行せずに交差する方向に向って屈曲してもよい。この際、例えば、リード98が90度未満の角度で屈曲したり、1対のリード98の先端部が概して八の字型に屈曲してもよい。
【0055】
また、上記実施例では、リード98が屈曲ローラ176により屈曲され、アキシャル部品90の姿勢が矯正壁220により矯正されているが、リード98の屈曲とアキシャル部品90の姿勢の矯正とが1つの部材により行われてもよい。つまり、例えば、屈曲ローラ176と矯正壁220とが一体的に構成され、その一体的に構成されたもので、リード98を屈曲するとともに姿勢を矯正してもよい。
【0056】
また、上記実施例では、クランプ位置においてリード98が切断されているが、クランプ位置とは別の位置でリード98が切断されてもよい。例えば、テープ化部品88の送り方向においてクランプ位置より上流側でリード98が切断されてもよいし、クランプ位置より上方でリード98が切断されてもよい。つまり、クランプすることなくリード98を切断しても良いし、ストッパ136によって位置決めされた位置でリード部品のリードを切断しなくとも良い。
【0057】
また、上記実施例では、矯正壁220が、クランプ位置で位置決めされるアキシャル部品90の前方側、つまり、テープ化部品88の送り方向における下流側に配設されているが、クランプ位置で位置決めされるアキシャル部品90の後方側、つまり、テープ化部品88の送り方向における上流側に配設されてもよい。
【0058】
また、上記実施例では、矯正壁220の上端面と、供給位置でのアキシャル部品90の部品本体96の上方を向く面とは同じ高さであるが、矯正壁220の上端面を、供給位置でのアキシャル部品90の部品本体96の上方を向く面より低くしてもよい。つまり、上記実施例では、矯正壁220の上端面が、アキシャル部品90の供給位置と同じ高さとされているが、矯正壁220の上端面を、アキシャル部品90の供給位置より低くしてもよい。このようにすれば、チャック66が供給位置におけるアキシャル部品90をより容易に保持することができる。つまり矯正壁220の上端面までの長さは、アキシャル部品90の姿勢を矯正できる距離が確保されれば良い。
【0059】
また、上記実施例では、テープ化部品88を送り出す工程と、キャリアテープ92からアキシャル部品90を切り離す工程と、切り離されたアキシャル部品90を持ち上げる工程と、持ち上げられるアキシャル部品90の姿勢を矯正する工程との全ての工程が、テープフィーダ82において行われているが、それら工程を複数のデバイスに分散して行ってもよい。つまり、例えば、アキシャル部品90を持ち上げる装置と、持ち上げられるアキシャル部品90の姿勢を矯正する矯正具とを備える部品供給装置に、テープ化部品88を送り出す装置と、キャリアテープ92からアキシャル部品90を切り離す装置とを備えるデバイスが着脱可能に装着されてもよいし、各々が独立して装置であって部品実装装置10に着脱可能に取り付けられていても良い。
【0060】
また上記実施例において、1対のクランプアーム174がアキシャル部品90の1対のリード98を1対の支持部材172の溝178に向かって押さえる力は、アキシャル部品90の姿勢を矯正するときに、押さえたリード98が回転する程度の力である。しかしながら、アキシャル部品90の姿勢を矯正するときに、押さえたリード98が回転しないような力で、リード98を押さえても良い。あるいは、アキシャル部品90の姿勢を矯正するときに、リード98を押さえるための1対のクランプアーム174を部品供給装置が備えることは必須ではなく、採用しなくても良い。
【0061】
また、本発明は、テープ化部品88からアキシャル部品90を切り離し、切り離したアキシャル部品90の姿勢を矯正する矯正具に適用しているが、すでにテープ化部品88から切り離されたアキシャル部品90、若しくは、キャリアテープ92にテーピングされていないアキシャル部品90の姿勢を矯正する矯正具に適用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
82:テープフィーダ(アキシャル部品供給装置) 88:テープ化部品 90:アキシャル部品 98:リード 112:屈曲装置(持上装置) 176:屈曲ローラ(屈曲体) 220:矯正壁(矯正具)