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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】階段昇降機用折り畳みシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 9/08 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
B66B9/08 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022571756
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2021063103
(87)【国際公開番号】W WO2021239506
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】20177317.3
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522454149
【氏名又は名称】テーカー ホーム ソリューションズ ベスローテン ヴェンノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】TK Home Solutions B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】カスベルゲン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ダーベルド,マールテン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセ,シアーク
(72)【発明者】
【氏名】リベル,マット
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/011884(WO,A1)
【文献】特開2005-213011(JP,A)
【文献】特開昭57-004874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 9/00-9/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段昇降機(1)であって、
レール(2)と、
椅子(8)およびキャリア(7)を有する階段昇降機ユニット(6)であって、前記キャリア(7)は前記レール(2)に沿って駆動するように構成され、前記椅子(8)は前記キャリア(7)によって支持され、前記椅子(8)は複数の折り畳み可能な部分を含む、階段昇降機ユニット(6)と、
を含み、前記折り畳み可能な部分は、
シートジョイント(31)によってベース本体(20)に折り畳み可能に固定されたシート本体(30)であって、前記ベース本体(20)が前記キャリア(7)に固定されている、シート本体(30)と、
脚ジョイント(41)によって前記シート本体(30)に折り畳み可能に固定された脚本体(40)と、
フットレストジョイント(51)によって前記脚本体(40)に折り畳み可能に固定されたフットレスト本体(50)と、
背もたれ本体(10)に折り畳み可能に固定されたアームレスト本体(60)と、
を含み、
前記シート本体(30)、前記脚本体(40)及び前記フットレスト本体(50)は、それぞれ、
前記シート本体(30)、前記脚本体(40)、前記フットレスト本体(50)のうちの少なくとも1つを折り畳み且つ展開するように構成された折り畳みシステム(100)を備え、
各折り畳みシステム(100)は、割り当てられたモータ(M1、M2)を介して制御されるように構成され、
各モータ(M1、M2)は、加速および減速の少なくとも一方を含んでスピードが変化する可変のスピードプロファイルに従って対応する前記折り畳みシステム(100)を制御するように構成され、
前記階段昇降機ユニット(6)が、可動ベーン(101)および複数の光結合器(103a、103b、103c、104d)有する制御ユニット(C1)を備え、前記可動ベーン(101)が各光結合器(103a、103b、103c、104d)を遮断したときに、少なくとも1つのモータのスピードプロファイルが変化するように構成されていることを特徴とする階段昇降機。
【請求項2】
請求項1に記載の階段昇降機(1)を制御するための方法であって、
a.第1のモータ(M1)及び第2のモータ(M2)の少なくとも一方を作動させるステップと、
b.少なくとも1つのモータ(M1、M2)で、
b1.第1のスピードプロファイル(s1)、
b2.第2のスピードプロファイル(s2)、
b3.第3のスピードプロファイル(s3)、
を開始するステップと、
を含み、
少なくとも前記第1および前記第3のスピードプロファイル(s1、s3)は、スピードの加速または減速を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
第1のモータ(M1)は、前記シート本体(30)に含まれる折り畳みシステム(100)および前記脚本体(40)に含まれる折り畳みシステム(100)を制御するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の方法において、
第2のモータ(M2)は、前記フットレスト本体(50)に含まれる折り畳みシステム(100)を制御するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載の方法において、
各モータ(M1、M2)は、少なくとも、
第1のスピードプロファイル(s1)、
第2のスピードプロファイル(s2)、
第3のスピードプロファイル(s3)、
を実装するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記第1のスピードプロファイル(s1)および前記第3のスピードプロファイル(s3)はスピードの加速または減速を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法において、
前記第2のスピードプロファイル(s2)は、一定または可変のスピードプロファイルであることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか一項に記載の方法において、
前記第1のスピードプロファイル(s1)には、スピードの加速が含まれることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか一項に記載の方法において、
前記第2のスピードプロファイル(s2)には、一定スピードまたは可変スピードが含まれることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項2~9のいずれか一項に記載の方法において、
前記第3のスピードプロファイル(s3)には、スピードの減速が含まれることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項2~10のいずれか一項に記載の方法において、
少なくとも1つのモータ(M1、M2)が、
リモート制御デバイス、
前記階段昇降機ユニット(6)の制御パネル、
を介して作動されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項2または請求項2を引用する請求項3~11のいずれか一項に記載の方法において、
前記b1、前記b2、前記b3の順序でステップを実行すると、折り畳み操作または展開操作が行われることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲または直線レールを有する階段昇降機であって、レールと、階段昇降機ユニットを含み、前記階段昇降機ユニットは、椅子およびキャリアを備え、キャリアはレールに沿って駆動するように構成され、椅子は、キャリアによって支持され、椅子は複数の折り畳み可能な部品を含み、前記折り畳み可能な部分は、シート本体と、脚本体と、フットレスト本体と、アームレスト本体とを含み、シート本体、脚本体、フットレスト本体、アームレスト本体のそれぞれが、折り畳みおよび展開するように構成された折り畳みシステムを含み、各折り畳みシステムは、割り当てられたモータを介して制御されるように構成され、各モータは、可変スピードプロファイルに従って、対応する折り畳みシステムを制御するように構成されている。また本発明は、階段昇降機を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
階段昇降機は、通常、身体の不自由な人が階段を上ったり下ったりするのをサポートしながら、自分で階段を上ることができる人のために階段の機能を維持することを目的とした製品である。階段昇降機は、個人の家に設置されることが多く、典型的には、階段の1つまたは複数の段にまたはそれに沿って取り付けられたレールに沿って、椅子または車椅子のプラットフォームなどのユーザのキャリアを駆動するように構成された駆動ユニットを備えている。
【0003】
EP3428104A1は、シートおよび/または椅子の脚および/またはフットレストおよび/またはアームレストの折り畳みが自動または手動で折り畳み/展開される階段昇降機を開示している。これは、階段昇降機の設置に関するスペースを節約するように設計されている。
【0004】
DE19513920A1は、入力されたスピードプロファイルデータに従って動きが調整される階段昇降機を開示している。しかながら、この動きはリフトモータ自体を指し、折り畳み機構を指すものではない。
【0005】
WO2019/197841は、シート本体、背もたれ、および一対のアームレストを有する折り畳み椅子を開示しており、前記椅子は、前記シート本体と前記アームレストとを接続するリンク機構をさらに含み、リンク機構は、実質的に水平な使用中位置と、後端が背もたれに対して持ち上げられた折り畳み位置との間で、前記シート本体の変位を調節するように構成されている。
【0006】
例えば、フットレスト、椅のシート、椅子の脚といった階段昇降機の構成部品を折り畳む動きは、電気モータによって達成することもでき、各電気モータは特定の構成部品に割り当てられる。しかながら、モータのスイッチをオンまたはオフにすると、折り畳み動作はかさばり、洗練されておらず、非効率的である。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、階段昇降機における構成部品の折り畳みおよび展開の品質を改善することである。
【0008】
この目的は、請求項1に記載の階段昇降機および請求項7に記載の方法によって解決され、さらに好ましい実施形態は従属請求項および以下の説明に詳述されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、湾曲レールまたは直線レールを有する階段昇降機に関するものであり、階段昇降機は、
レールと、
椅子およびキャリアを有する階段昇降機ユニットであって、前記キャリアは前記レールに沿って駆動するように構成され、前記椅子は前記キャリアによって支持され、前記椅子は複数の折り畳み可能な部分を含む、階段昇降機ユニットと、
を含み、前記折り畳み可能な部分は、
シートジョイントによってベース本体に折り畳み可能に固定されたシート本体であって、前記ベース本体が前記キャリアに固定されている、シート本体と、
脚ジョイントによって前記シート本体に折り畳み可能に固定された脚本体と、
フットレストジョイントによって前記脚本体に折り畳み可能に固定されたフットレスト本体と、
背もたれ本体に折り畳み可能に固定されたアームレスト本体と、
を含み、
前記シート本体、前記脚本体及び任意選択的に前記フットレスト本体は、それぞれ、
前記シート本体、前記脚本体、前記フットレスト本体のうちの少なくとも1つを折り畳み且つ展開するように、好適には自動的に折り畳み且つ展開するように構成された折り畳みシステムを備え、
各折り畳みシステムは、割り当てられたモータを介して制御されるように構成され、
各モータは、可変のスピードプロファイルに従って対応する前記折り畳みシステムを制御するように構成され、可変のスピードプロファイルは、可変のスピードプロファイル、または可変のスピードプロファイルと一定のスピードプロファイルとの組み合わせを含む。
【0010】
これにより、移動中の乗客を歓迎するために1又は複数の可動部分を折りたたんだり広げたりすることによって簡単に構成できるとともに、乗客が目的地に到着したら階段昇降機を迅速かつ効率的に保管し得る階段昇降機を有利に提供する。
【0011】
「折り畳み」という用語は、好ましくは、第1の位置から第2の位置への1つの本体、例えばシート本体の移動を指し、前記位置は異なる。例えば、折り畳みとは、前方位置(図2の方向矢印を参照)から上方位置へのシート本体の移動を指し、前方位置と上方位置は、必ずしも互いに厳密に垂直であるとは限らない。
【0012】
本発明の一実施形態では、第1のモータは、前記シート本体に含まれる折り畳みシステムおよび前記脚本体に含まれる折り畳みシステムを制御するように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態では、第2のモータは、前記フットレスト本体に含まれる折り畳みシステムを制御するように構成される。
【0014】
本発明の一実施形態では、第3のモータは、前記アームレスト本体に含まれる第3の折り畳みシステムを制御するように構成される。
【0015】
階段昇降機の各可動部分に独自の折り畳みシステムを提供することで、顧客の希望に合わせて階段昇降機の折り畳みと展開をカスタマイズするためのオプションが増える。
【0016】
本発明の一実施形態では、各モータは、少なくとも、
第1のスピードプロファイル、
第2のスピードプロファイル、
第3のスピードプロファイル、
を実装するように構成される。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記第1のスピードプロファイルおよび前記第3のスピードプロファイルは可変のスピードプロファイルであり、前記可変のスピードプロファイルは必ずしも同じではない。
【0018】
本発明の一実施形態では、前記第2のスピードプロファイルは、一定または可変のスピードプロファイルである。
【0019】
可変のスピードと一定のスピードを組み込むことで、階段昇降機の使用準備や保管準備の時間を節約できる。これは、乗客の満足度を有利に高める。
【0020】
また、本発明は、上で概説したような階段昇降機を制御するための方法であって、
a.第1のモータ
第2のモータ
第3のモータ
の少なくとも1つを作動させるステップを含む方法に関する。
【0021】
任意選択的に、アームレスト、又はリモート制御デバイス、又は制御パネルのボタンであって、第1および/または第2のモータ、例えばシート/脚折り畳みモータおよび/またはフットレスト本体モータおよび/またはアームレスト本体モータを作動させるボタンを押すことで起動できる。
b.少なくとも1つのモータで、
b1.第1のスピードプロファイル、
b2.第2のスピードプロファイル、
b3.第3のスピードプロファイル、
を開始し、
少なくとも第1および第3のスピードプロファイルは可変のスピードプロファイルであり、可変のスピードプロファイルは必ずしも同じではない。
【0022】
これにより、階段昇降機の折り畳みおよび展開を制御するための簡単な方法が有利に提供され、乗客の使いやすさおよび快適さが向上する。
【0023】
本発明の一実施形態では、前記第1のスピードプロファイルには、スピードの加速が含まれる。
【0024】
本発明の一実施形態では、前記第2のスピードプロファイルには、一定スピードまたは可変スピードが含まれる。
【0025】
本発明の一実施形態では、前記第3のスピードプロファイルには、スピードの減速が含まれる。
【0026】
可変スピードと一定スピードとを組み込むことで、階段昇降機の使用準備や保管準備の時間を節約できる。これは、乗客の満足度を有利に高める。
【0027】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのモータが、
アームレストのボタン、
リモート制御デバイス、
前記階段昇降機ユニットの制御パネル、
を介して作動される。
【0028】
これにより、折り畳み及び展開機能が乗客または介助者によって容易に操作され、複雑さが軽減され、乗客の快適性が向上することが有利に保証される。
【0029】
本発明の一実施形態では、方法ステップをb1-b2-b3の順序で実行することにより、折り畳み操作または展開操作が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、図面の支援により、より詳細に説明される。
【0031】
図1図1a及びbは、一般的な階段昇降機の正面図の概略図を示す。
図2図2は、本発明の階段昇降機の折り畳み機構の側面図の概略図を示す。
図3図3a及び3bは、椅子が広げられた状態(3a)および折り畳まれた状態(3b)の側面図の概略図を示す。
図4図4a及び4bは、モータと階段昇降機のそれぞれの構成部品との間の動作制御の概略図を示す。
図5図5a及び5bは、階段昇降機のシート本体の折り畳みシステムの概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1aおよび1bは、本発明を適用できる一般的な階段昇降機1の例示的な実施形態を示す。階段昇降機1は、第1の乗場エリア4から第2の乗場エリア5へ移動方向Dに沿って移動する階段昇降機ユニット6を備える。移動方向Dは、レール2によって規定され、主に家の既存の階段3のコースによって制限される。階段昇降機ユニット6は、レールで階段昇降機ユニット6を案内する働きをし、駆動エンジン(図示せず)を有するキャリア7を備える。キャリアには、椅子/シート8が取り付けられている。キャリア7は、レール2に沿って転がる図示されていないローラを有する。キャリア7を駆動するために、確動の係合手段(図示せず)がレール2上に設けられ、これは、階段昇降機ユニット6の駆動手段、特に従動ピニオン(図示せず)と協働する。この特定のレール2は、直線から逸脱した湾曲した形状を有しており、これにより、移動方向は、レール2の進行中に少なくとも1回変化する。階段昇降機6にはレベリング機構(図示せず)が設けられており、レール2の傾きが途中で変化しても椅子8を常に水平に保つようになっている。
【0033】
図1bは、キャリア7に取り付けられるベース本体20を備える椅子8を示している。ベース本体20には、背もたれ本体10、シート本体30、およびアームレスト本体60が取り付けられている。使用者は、走行時にシート本体30に座り、アームレスト60に腕を載せる。したがって、シート本体30およびアームレスト本体60は、適切なクッションを備える。
【0034】
また、椅子8は、移動中に使用者が足を載せることができるフットレスト本体50を備える。椅子8の残りの部分にフットレスト本体50を取り付けるために、フットレスト本体50をシート本体30に取り付ける脚本体40が提供される。
【0035】
図2は、シート本体30、脚本体40及びフットレスト本体50の構成部品に関するそれぞれの折り畳み軸S、F、L、Aを示す。シート本体30は、シートジョイント31によってベース本体20に固定されたシート軸Sに沿って折り畳み可能である。シートジョイント31は、シート本体30の後部に位置する。
【0036】
脚本体40は、脚ジョイント41によってシート本体30に固定された脚軸Lに沿って折り畳み可能である。脚ジョイント41は、脚本体40の上部であってシート本体30の前部に位置する。
【0037】
フットレスト本体50は、フットレストジョイント51によって脚本体40に固定されたフットレスト軸Fに沿って折り畳み可能である。フットレストジョイント51は、脚本体40の下部であってフットレスト本体50の後部に位置する。
【0038】
アームレスト本体60は、垂直軸Aに沿って折り畳み可能である。図示の折り畳み式本体30、40、50、60のそれぞれは、折り畳みシステム100(図示せず)を備える。
【0039】
後方、前方、上方、下方という用語は、広げられた椅子8に座っているときの使用者の視点に対するものである。対応する方向「後方r」、「前方f」、「上方u」、および「下方d」を図2に示す。特に脚本体40を参照して分かるように、これらの方向は、厳密な直交方向ではなく、おおよその方向を示している。
【0040】
図3は、折り畳まれた(図3b)および広げられた(図3a)構成にあるときの椅子8を示す。
【0041】
図4aは、本発明の一実施形態によるモータ制御装置M1、M2およびそれらのそれぞれの構成部品30、40、50の概略図を示す。図4aでは、モータM1は、起動されると、シート本体30および脚本体40の折り畳みおよび展開を制御する一方、モータM2は、起動されると、フットレスト本体50の折り畳みおよび展開を制御する。第1のステップとして、第1のスピードプロファイルs1、s3が、モータM1、M2の一方または両方で開始される。このスピードプロファイルは、折り畳み操作が実行されているか、展開操作が実行されているかによって異なる。それが展開操作である場合、第1のスピードプロファイルはプロファイルs1であり、加速に関連する。実行される次のスピードプロファイルは、一定スピードに関連するプロファイルs2であり、最後に、実行される3番目のスピードプロファイルは、減速に関連するプロファイルs3である。モータM1、M2は、異なる時間にまたは同時に作動させることができる。任意選択的に、モータM3によって制御されるアームレスト本体60に折り畳みシステム100を含めることもできる。モータM3は、任意選択的他のモータM1、M2に結合することができるが、ここに示されるモータM3は、モータM1およびM2に結合されていないため、アームレストの折り畳みシステムは、シート本体30、脚本体40およびフットレスト本体50に含まれる折り畳みシステムから独立している。アームレスト本体60はまた、手動で折り畳みおよび展開することができ、したがってモータM3の必要性を排除する。
【0042】
図4bは、本発明の一実施形態によるモータ制御装置M1、M2、M3およびそれらのそれぞれの構成部品30、40、50、60の概略図を示す。図4aでは、モータM1は、起動されると、シート本体30および脚本体40の折り畳みおよび展開を制御し、モータM2は、起動されると、フットレスト本体50の折り畳みおよび展開を制御し、そして、モータM3は、起動されると、アームレスト本体60の折り畳みおよび展開を制御する。第1のステップとして、第1のスピードプロファイルs1、s3が1又はすべてのモータM1、M2、M3で開始される。このスピードプロファイルは、折り畳み操作が実行されているか、展開操作が実行されているかによって異なる。展開操作である場合、第1のスピードプロファイルは、加速に関連するプロファイルs1である。実行される次のスピードプロファイルは、一定スピードに関連するプロファイルs2であり、最後に、実行される第3のスピードプロファイルは、減速に関連するプロファイルs3である。モータM1、M2、M3は、異なる時点または同時に作動させることができる。
【0043】
図5aおよび5bは、本発明の一実施形態による折り畳みシステム100の概略上面図を示す。折り畳みシステム100は、例えば脚本体40をシート本体30と共に折り畳むように一緒に設計された機械部品と電子部品の双方を備える。図5aに示す例では、折り畳みシステム100はシート本体30に含まれる。これは縮尺通りではないことに留意されたい。折り畳みシステム100は、2つの固定部材112の間に配置されたスピンドル110およびロッド111システムに沿って移動可能なベーン101と、ベーン101が移動できるスロット1021を有するPCB102と、およびスロット1021の両側に配置された複数の光カプラ対103a~103dとを備える。光カプラ103a~103dは、遮断されていないときは信号13を、遮断されているときは信号131を発信および受信する。この特定の例では、PCB102は上端と下端の双方がワイヤを介して接続される。
【0044】
この特定の例では、シート本体30の折り畳みシステム100は、脚本体40(図示せず)に含まれる折り畳みシステム100に結合される。シート本体30及び脚本体40の折り畳みシステム100は、同じモータM1によって結合され、制御される。これにより、シートと脚体30、40の双方を同時に折り畳む/展開することが有利に可能になる。折り畳みおよび展開動作の以下の説明は、シート本体30に含まれる折り畳みシステム100に言及するが、同じことが、脚本体40および/またはフットレスト本体50および/またはアームレスト本体60に含まれる折り畳みシステムにも当てはまる。
【0045】
折り畳み運動の間、ベーン101は、PCB102のスロット1021を通って移動する。シート本体30が完全に広げられると、ベーン101は、信号131を生成する第1の光結合器103aを遮断する一方で、他の光結合器103b~103dは、信号13を発信および受信する。シート本体30が完全に折り畳まれると、ベーン101aはさらなる光結合器103dをブロックする。この特定の実施形態では、ベーン101は、一度に1つの光結合器101a、101b、101c、101dのみをブロックする。
【0046】
図5bは、光結合器103cを遮断するときのベーン101の位置を示す。
【0047】
図5aおよび5bを参照すると、以下の表1は、対応する光結合器の論理状態に関して、様々なスピードプロファイルs1、s2、s3の実施を示している。
表1

ロジックキー:
1=可動ベーン101は、この特定の光結合器を遮断している
0=可動ベーン101は、この特定の光結合器を遮断していない。
【0048】
これらの論理状態は説明のための例として提供されており、いかなる方法でも限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0049】
制御ユニット(C1)は、階段昇降機1の駆動ユニットに含まれ、折り畳みプロセスを制御するように構成されている。折り畳み動作を開始するために、第1のスピードプロファイルs1がモータM1によって開始される(図4a、4bを参照)。第1の光結合器103aは、図5aに示すように、ベーン101によって遮断されている。折り畳みは、ベーン101が第2の光結合器103bを遮断するまで、徐々に加速するスピードで始まる。この段階で、第2のスピードプロファイルs2が同じモータM1によって開始され、ベーン101が第3の光結合器103cを遮断するまで、実質的に一定のスピードで折り畳みが続く。ここで、モータM1で第3のスピードプロファイルs3が開始され、ベーン101が第4の光結合器103dを遮断するまで、スピードを落としながら折り畳み動作が続く。これは、折り畳み動作の完了を表す。
【0050】
展開プロセスは、同じ順序に従うが、逆になり、すなわち、第1のスピードプロファイルs1がモータM1で開始され、ベーン101が第4の光結合器103dから離れて遮断を解除すると、スピードが加速する。次いで、第2のスピードプロファイルs2が開始され、ベーン101が第3の光結合器103cを遮断しなくなるまで、展開が一定のスピードで継続する。第3のスピードプロファイルs3が開始され、第2の光結合器103bの遮断が解除されるまで展開が減速しつつで進行する。第1の光結合器103aが遮断されたままである唯一の光結合器である場合、展開プロセスは完了したとみなされる。
【0051】
図示されていない本発明の実施形態では、フットレスト本体50を折り畳むための折り畳みシステム100は、シート本体30および脚本体40を折り畳むために既に結合されている折り畳みシステムに結合されており、フットレスト本体50が下方位置にあり、シート本体30および脚本体40が折り畳まれると、フットレスト本体50も折り畳まれるようになっている。フットレスト本体50はモータM2により制御される。必要な制御信号がそれぞれのモータM1、M2に与えられる場合、フットレスト本体50がシート本体30および脚本体40と同時に折り畳まれることもあり得る。フットレスト本体50の折り畳みが、脚本体40の折り畳みシステムだけでなくシート本体30の折り畳みシステムにも接続されると、制御ユニットC1は、モータM1およびモータM2に制御信号を送る。(図4a、4b参照)。フットレスト本体50の折り畳みシステム100は、図5a~5bでシート本体30について説明したものと同じである。フットレスト50の折り畳みおよび展開は、同じプロセスに従い、すなわち、前の図に示された実施形態のいずれか1つで概説したように、同じスピードプロファイルs1、s2、s3を実施する。
【0052】
図示されていない本発明の実施形態では、アームレスト本体60用の折り畳みシステム100は、アームレスト60内に含まれ、ベーン101、PCB102、および複数の光結合器103を備える。アームレスト本体60は、モータM3によって制御される。アームレスト60の折り畳みおよび展開は、同じプロセスに従い、すなわち、前の図に示された実施形態のいずれか1つで概説されたのと同じスピード度プロファイルs1、s2、s3を実施する。
【0053】
上述の様々な実施形態の態様は、本開示の範囲内にありながら、他の実施形態の態様と組み合わせることができることを留意されたい。したがって、前述の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。以上説明した本開示の構成は、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内にあるすべての変更は、その範囲内に含まれるものである。
【0054】
符号一覧
1 階段昇降機
2 レール
3 階段
4 第1の乗場エリア
5 第2の乗場エリア
6 階段昇降機ユニット
7 キャリア
8 椅子
9 折り畳み機構
10 背もたれ本体
13 信号
131 信号
20 ベース本体
30 シート本体
31 シートジョイント
40 脚本体(フットレスト本体とシート本体を連結)
41 脚ジョイント
50 フットレスト本体
51 フットレストジョイント
60 アームレスト本体

100 折り畳みシステム
101 ベーン
102 PCB
1021 スロット
103a-d 光結合器
110 スピンドル
111 ロッド
112 固定部材

D 移動経路
S シート軸
L 脚軸
F フットレスト軸
A アームレスト軸
C1 制御ユニット

M1 モータ
M2 モータ
M3 モータ

s1 第1のスピードプロファイル
s2 第2のスピードプロファイル
s3 第3のスピードプロファイル
図1a)】
図1b)】
図2
図3a)】
図3b)】
図4a
図4b
図5a
図5b