(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】セリン413においてリン酸化されたタウを標的化する高親和性抗体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240911BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240911BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240911BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240911BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240911BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20240911BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240911BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240911BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240911BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240911BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240911BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
C12N15/13
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P25/28
A61P43/00 121
C07K16/18 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/63 Z
C12P21/08
(21)【出願番号】P 2022579801
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(86)【国際出願番号】 US2021038591
(87)【国際公開番号】W WO2021262791
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-10
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,ジャンヌ・イー
(72)【発明者】
【氏名】パーメンティアー・バトゥール,ソフィー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ミン-タン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,アラン・シー
(72)【発明者】
【氏名】シェイ,チュン-ミン
(72)【発明者】
【氏名】ミエチコフスキー,カール
(72)【発明者】
【氏名】スオン,ソクレーヌ
【審査官】長谷川 強
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-508666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/13
A61K 39/395
A61K 45/00
A61P 25/28
A61P 43/00
C07K 16/18
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
C12N 15/63
C12P 21/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(k)配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(l)配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(m)配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(n)配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(o)配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(p)配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(q)配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(r)配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(s)配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(t)配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(x)配列番号86のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号87のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号88のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号83のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号84のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号85のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(y)配列番号92のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号93のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号94のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、なら
びに
配列番号89のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号91のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(z)配列番号98のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号99のアミノ酸配
列を含むVH-CDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、な
らびに
配列番号95のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号96のアミノ酸配列を
含むVL-CDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(aa)配列番号104のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号105のアミ
ノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号106のアミノ酸配列を含むVH-CDR
3、ならびに
配列番号101のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号102のアミノ酸配
列を含むVL-CDR2および配列番号103のアミノ酸配列を含むVL-CDR3;
(ll)配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(mm)配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(nn)配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(оо)配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(pp)配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(qq)配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(rr)配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(ss)配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;
(tt)配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3;または
(uu)配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2お
よびVH-CDR3、ならびに
配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびV
L-CDR3
を含む、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項2】
(k)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(l)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(m)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(n)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(o)配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(p)配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(q)配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(r)配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;
(s)配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL;または
(t)配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を
有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配
列同一性を有するVL
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項3】
(k)配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列
を有するVL;
(l)配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列
を有するVL;
(m)配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列
を有するVL;
(n)配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列
を有するVL;
(o)配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列
を有するVL;
(p)配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列
を有するVL;
(q)配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列
を有するVL;
(r)配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列
を有するVL;
(s)配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列
を有するVL;または
(t)配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列
を有するVL
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項4】
(a)配列番号59、60、61、62、63、64、65、66、67または68の
アミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および
(b)配列番号57または58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域
を更に含む、請求項3に記載の抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項5】
配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含
むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに
配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含
むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含む、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項6】
配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH
-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-
CDR2およびVL-CDR3を含む、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原
結合性フラグメント。
【請求項7】
配列番号56のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号36のアミノ酸配列を含むVL
を含む、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項8】
(a)配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号72のアミノ酸配列を含
む重鎖、
(b)配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号74のアミノ酸配列を含
む重鎖、または
(c)配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号76のアミノ酸配列を含
む重鎖
を含む、請求項5に記載の抗体。
【請求項9】
配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖および配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖
を含む、請求項5に記載の抗体。
【請求項10】
タウ-pS413に対して1×10
-8M以下の平衡解離定数(KD)を有する、請求
項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項11】
タウ-pS413に対して2×10
-9M以下のKDを有する、請求項10に記載の抗
体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項12】
KDが、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用するBiacor
eにより測定される、請求項11に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
【請求項13】
(c)
請求項3に記載の抗体もしくはその抗原結合性フラグメントのVHおよびVL、または
(f)
請求項8に記載の抗体の重鎖および軽鎖
をコードする単離された核酸。
【請求項14】
請求項13に記載の単離された核酸を含む発現ベクター。
【請求項15】
請求項14に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項16】
(a)抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下、請求項15に記載
の宿主細胞を培養すること、および
(b)前記抗体またはその抗原結合性フラグメントを収集すること
を含む、抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法。
【請求項17】
請求項1に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントと、薬学的に許容される担体
とを含む組成物。
【請求項18】
対象におけるタウオパチーの治療方法に用いる医薬の製造のための請求項1~12のい
ずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用であって、前記治療方
法が前記抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、
前記使用。
【請求項19】
タウオパチーが、アルツハイマー病、皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ピック病、
嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、初老性認知症を伴う多系統タウオパチー(MSTD)
、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、
神経原線維変化型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)、グリア
細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(WMT-GGI)、タウ病態を伴う前頭側頭葉
変性症(FTLD-タウ)、エコノモ脳炎続発症、亜急性硬化性全脳炎、またはボクサー
脳症である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
タウオパチーがアルツハイマー病である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
対象の脳内のタウ-pS413の量を減少させる方法に用いる医薬の製造のための請求
項1~12のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用であっ
て、前記方法が前記抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を、それを要する対
象に投与することを含む、前記使用。
【請求項22】
前記方法が追加的な作用因子を対象に投与することを更に含む、請求項19に記載の使
用。
【請求項23】
追加的な作用因子が、コリンエステラーゼインヒビター、ドネペジル、ガランタミン、
ロバスチグミン、タクリン、NMDA受容体アンタゴニスト、メマンチン、アミロイドベ
ータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成
長因子(NGF)模倣体もしくはNGF遺伝子治療
剤、PPARyアゴニスト、HMS-
CoAレダクターゼインヒビター、スタチン、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカ
ー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静
脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免
疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビ
ター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモ
ン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニュー
ロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)、ニューロトロフィン(NT)-
3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)
、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖
因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様
体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、
血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフ
ィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺
激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-
1、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質
(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)もしくは異なる
抗タウ抗体またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
対象におけるタウオパチーの治療用の医薬の製造のための、請求項1~12のいずれか
1項に記載の抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用。
【請求項25】
タウオパチーが、アルツハイマー病、皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ピック病、
嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、初老性認知症を伴う多系統タウオパチー(MSTD)
、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、
神経原線維変化型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)、グリア
細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(WMT-GGI)、タウ病態を伴う前頭側頭葉
変性症(FTLD-タウ)、エコノモ脳炎続発症、亜急性硬化性全脳炎、またはボクサー
脳症である、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
タウオパチーがアルツハイマー病である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
請求項7に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む組成物。
【請求項28】
対象におけるタウオパチーの治療方法に用いる医薬の製造のための請求項7に記載の抗
体の使用であって、前記治療方法が前記抗体の有効量を対象に投与することを含み、前記
タウオパチーがアルツハイマー病である、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2020年6月25日付出願の米国仮特許出願第63/044,291号(その開示の全体を参照により本明細書に組み入れることとする)に基づく優先権の利益を主張するものである。
【0002】
分野
本発明は、タウ(tau)-pS413(例えば、セリン413においてリン酸化されている配列番号1のアミノ酸配列を有するヒト・タウ)に特異的に結合する高親和性(高アフィニティ)抗体またはその抗原結合性フラグメントに関する。本発明はまた、本明細書に開示されている高親和性抗体または抗原結合性フラグメントを含む組成物、キット、方法および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
タウは、ヒトゲノムにおける17番染色体(17q21)に位置するMAPT遺伝子によりコードされるタンパク質である。タウタンパク質は、中枢神経系において豊富に発現される微小管結合性タンパク質の1つである。タウは、最も顕著な神経変性疾患の1つであるアルツハイマー病(AD)における神経原線維変化(NFT)を形成するペアードヘリカルフィラメント(対らせん状細線維)および直線フィラメントにおける主要構成タンパク質であることが判明しており、その細胞内蓄積は種々の神経病理学的状態において実証されている。タウのそのような細胞内蓄積により引き起こされる疾患は「タウオパチー」と総称される(Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。タウオパチーには、神経変性疾患、例えばAD、皮質基底核変性症(CBD)または皮質基底核症候群(CBS)、進行性核上麻痺、ピック病、嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、認知症を伴う多系統タウオパチー(multiple system tauopathy with dementia)(MSTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(chromosome 17-linked frontotemporal dementia with Parkinsonism)(FTDP-17)、神経原線維変化型認知症(neurofibrillary tangle dementia)、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillaty tangles with calcification)(DNTC)、グリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(white matter tauopathy with globular glial inclusions)(WMT-GGI)、タウ陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration with tau-positive inclusions)(FTLD-タウ)が含まれる。タウオパチーには、以下のものを含む非神経変性疾患も含まれる:感染症、例えばエコノモ脳炎続発症(Economo’s encephalitis sequela)および亜急性硬化性全脳炎;ならびに外傷誘発性病態、例えばボクサー脳症(Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。
【0004】
タウは多数のアミノ酸残基においてリン酸化される可能性があり、リン酸化されたタウはタウオパチーにおける病的タウ種であると考えられている。タウにおける多数の公知リン酸化部位、および種々の特異性を有する抗タウ抗体(例えば、全タウ、非リン酸化タウまたは種々のアミノ酸残基においてリン酸化されたタウを標的化するもの)が当技術分野に存在するが、どのリン酸化タウ種がタウオパチー治療用の最良の標的であるのかは尚も明らかでない。公知の抗タウ抗体のなかには、病的タウ種(例えば、AD患者の脳内のタウ)と正常タウ(例えば、健康なヒトの脳内のタウ)とを識別しないものもあれば、十分に高い親和性を有さないため脳内に有効量を送達させるために非常に高い用量の投与を要するものもある。したがって、病的タウ種(例えば、タウ-pS413)を特異的に標的化する高親和性抗タウ抗体を製造する必要性は未だ満たされていない。
【発明の概要】
【0005】
発明の概括
本開示は、ヒトタウ-pS413(例えば、セリン413においてリン酸化された配列番号1のアミノ酸配列を有するタウ)に結合する高親和性抗体またはその抗原結合性フラグメントを提供する。また、そのような高親和性抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸およびベクター、そのような単離された核酸またはベクターを含む細胞(例えば、宿主細胞)、そのような高親和性抗体または抗原結合性フラグメントを含む組成物またはキット、そのような高親和性抗体またはその抗原結合性フラグメントを含む方法または使用も本明細書において提供する。
【0006】
1つの態様においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントを本明細書において提供する。
【0007】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域相補性決定領域1(VH-CDR1)、配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域相補性決定領域2(VH-CDR2)および配列番号43のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域相補性決定領域3(VH-CDR3)、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域相補性決定領域1(VL-CDR1)、配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域相補性決定領域2(VL-CDR2)および配列番号31のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域相補性決定領域3(VL-CDR3)を含む。
【0008】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0009】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0010】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0011】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0012】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0013】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0014】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0015】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0016】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0017】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0018】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0019】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0020】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0021】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0022】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0023】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0024】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0025】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0026】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0027】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0028】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0029】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0030】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号86のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号87のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号88のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号83のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号84のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号85のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0031】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号92のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号94のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号89のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号91のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0032】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号98のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号95のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0033】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号104のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号105のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号106のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号101のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号102のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号103のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0034】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)のVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)のVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0035】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0036】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0037】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0038】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0039】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0040】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0041】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0042】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0043】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0044】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0045】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0046】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0047】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0048】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0049】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0050】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0051】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0052】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0053】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0054】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0055】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0056】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0057】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0058】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0059】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0060】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0061】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0062】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0063】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0064】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0065】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0066】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0067】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0068】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0069】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0070】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0071】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0072】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0073】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0074】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0075】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0076】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0077】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0078】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0079】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0080】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0081】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0082】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0083】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0084】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0085】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0086】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0087】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0088】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0089】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0090】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0091】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0092】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0093】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0094】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0095】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0096】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0097】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0098】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0099】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0100】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0101】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0102】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0103】
本明細書に開示されているタウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントの種々の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59、60、61、62、63、64、65、66、67または68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号61のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号62のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号64のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号65のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。
【0104】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号57または58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号57のアミノ酸配列を有する定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。
【0105】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59、60、61、62、63、64、65、66、67または68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57または58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。
【0106】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0107】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0108】
他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0109】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。
【0110】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。
【0111】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。
【0112】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。
【0113】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。
【0114】
他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。
【0115】
本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの種々の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して1×10-8M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して9×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して8×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して7×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して6×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して5×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して4×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して3×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して2×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用する表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイにより測定される。1つの実施形態においては、KDはBiacore(ビアコア)により測定される。もう1つの実施形態においては、KDはKinExAにより測定される。
【0116】
もう1つの態様においては、本明細書に開示されている種々のポリペプチドをコードする単離された核酸を提供する。
【0117】
特定の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントのVHをコードする。幾つかの実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントのVLをコードする。他の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントのVHおよびVLをコードする。
【0118】
特定の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントの重鎖をコードする。幾つかの実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントの軽鎖をコードする。他の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体またはその抗原結合性フラグメントの重鎖および軽鎖をコードする。
【0119】
更にもう1つの態様においては、本明細書に開示されている種々の単離された核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0120】
更にもう1つの態様においては、本明細書に開示されている種々の単離された核酸の1以上または種々の発現ベクターの1以上を含む宿主細胞を提供する。幾つかの実施形態においては、宿主細胞は、本明細書に開示されている種々の単離された核酸の1以上を含む。他の実施形態においては、宿主細胞は、本明細書に開示されている種々の発現ベクターの1以上を含む。
【0121】
更にもう1つの態様においては、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法を提供する。特定の実施形態においては、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法は、抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下で、本明細書に記載される単離された核酸を発現させることを含む。幾つかの実施形態においては、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法は、抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下で、本明細書に記載される発現ベクターを発現させることを含む。他の実施形態においては、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法は、抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下で、本明細書に記載されている単離された核酸または発現ベクターを含む宿主細胞を培養することを含む。
【0122】
もう1つの態様においては、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントと薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。
【0123】
幾つかの実施形態においては、組成物は追加的な作用因子を更に含む。
【0124】
特定の実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントが治療に使用されるのと同じまたは異なる障害を治療するのに有効な作用因子である。幾つかの実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの副作用の1以上を緩和するのに有効な作用因子である。例示的な追加的な作用因子には以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、ガランタミン、ロバスチグミンおよびタクリン)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、アミロイドベータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成長因子(NGF)模倣体またはNGF遺伝子治療、PPARγアゴニスト、HMS-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および他のFGF、ニューロトロフィン(NT)-3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)または異なる抗タウ抗体。
【0125】
更にもう1つの態様においては、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントを含むキットを提供する。
【0126】
更にもう1つの態様においては、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供する。
【0127】
幾つかの実施形態においては、該方法は、追加的な作用因子を対象に投与することを更に含む。
【0128】
特定の実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントが治療に使用されるのと同じまたは異なる障害を治療するのに有効な作用因子である。幾つかの実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの副作用の1以上を緩和するのに有効な作用因子である。例示的な追加的な作用因子には以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、ガランタミン、ロバスチグミンおよびタクリン)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、アミロイドベータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成長因子(NGF)模倣体またはNGF遺伝子治療、PPARyアゴニスト、HMS-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および他のFGF、ニューロトロフィン(NT)-3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)または異なる抗タウ抗体。
【0129】
該方法の幾つかの実施形態においては、タウオパチーは、神経変性疾患、例えば(以下のものを含むが、それらに限定されるものではない)、アルツハイマー病(AD)、皮質基底核変性症(CBD)または皮質基底核症候群(CBS)、進行性核上麻痺、ピック病、嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、初老性認知症を伴う多系統タウオパチー(multiple system tauopathy with presenile dementia)(MSTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia and parkinsonism linked to chromosome 17)(FTDP-17)、神経原線維変化型認知症(dementia with neurofibrillary tangles)、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillary tangle with calcification)(DNTC)、グリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(white matter tauopathy with globular glial inclusions)(WMT-GGI)、またはタウ陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration with tau-positive inclusions)(FTLD-タウ)である。1つの実施形態においては、タウオパチーはADである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはCBDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは進行性核上麻痺である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはピック病である。1つの実施形態においては、タウオパチーは嗜銀顆粒性認知症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはMSTDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTDP-17である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは神経原線維変化型認知症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはDNTCである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはWMT-GGIである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTLD-タウである。
【0130】
該方法の他の実施形態においては、タウオパチーは非神経変性疾患、例えば(以下のものを含むが、それらに限定されるものではない)、感染症、例えば、エコノモ脳炎続発症(Economo’s encephalitis sequela)および亜急性硬化性全脳炎、ならびに外傷誘発性病態、例えばボクサー脳症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはエコノモ脳炎続発症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーは亜急性硬化性全脳炎である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはボクサー脳症である。
【0131】
更にもう1つの態様においては、対象の脳内のタウ-pS413の量を減少させる方法であって、本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を、それを要する対象に投与することを含む方法を提供する。
【0132】
幾つかの実施形態においては、該方法は、追加的な作用因子を対象に投与することを更に含む。
【0133】
特定の実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントが治療に使用されるのと同じまたは異なる障害を治療するのに有効な作用因子である。幾つかの実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの副作用の1以上を緩和するのに有効な作用因子である。例示的な追加的な作用因子には以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、ガランタミン、ロバスチグミンおよびタクリン)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、アミロイドベータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成長因子(NGF)模倣体またはNGF遺伝子治療、PPARyアゴニスト、HMS-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および他のFGF、ニューロトロフィン(NT)-3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)または異なる抗タウ抗体。
【0134】
更に追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーを治療するための、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0135】
更に追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療のための、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0136】
更に追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療用の医薬の製造のための、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0137】
本明細書に記載されている種々の使用の幾つかの実施形態においては、タウオパチーは、アルツハイマー病、皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ピック病、嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、初老性認知症を伴う多系統タウオパチー(MSTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、神経原線維変化型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)、グリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(WMT-GGI)、タウ病変を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration with tau pathology)(FTLD-タウ)、エコノモ脳炎続発症、亜急性硬化性全脳炎またはボクサー脳症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはADである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはCBDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは進行性核上麻痺である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはピック病である。1つの実施形態においては、タウオパチーは嗜銀顆粒性認知症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはMSTDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTDP-17である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは、神経原線維変化型認知症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはDNTCである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはWMT-GGIである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTLD-タウである。1つの実施形態においては、タウオパチーはエコノモ脳炎続発症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーは亜急性硬化性全脳炎である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはボクサー脳症である。
【0138】
更にもう1つの実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【0139】
更に追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの診断方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【
図1A】
図1Aおよび1Bは、本明細書に記載されている代表的な抗体のVH(
図1A)およびVL(
図1B)のアミノ酸配列アライメントを示す。これらの図に示されているCDRはKabat番号付け系により定義されている。
【
図1B】
図1Aおよび1Bは、本明細書に記載されている代表的な抗体のVH(
図1A)およびVL(
図1B)のアミノ酸配列アライメントを示す。これらの図に示されているCDRはKabat番号付け系により定義されている。
【
図2A】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図2B】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図2C】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図2D】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図2E】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図2F】
図2A~2Fは、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFMおよびV5-AFMがタウ-pS413ペプチドに特異的に結合することを示している。V8-AFM(例えば、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V8-AFM-hIgG1-LALA、V8-AFM-hIgG4-S228P)およびV5-AFM(例えば、V5-AFM-hIgG4-S228P)は、リン酸化されたセリン413を有するペプチドには結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチドには結合せず(
図2B)、また、タウタンパク質における他の位置においてリン酸化されているペプチドにも結合しない(
図2C~2F)。
【
図3】
図3Aおよび3Bは、AD患者の脳ホモジネートへの種々の例示的抗タウ-pS413抗体の結合を示す競合タウpS413イムノアッセイを示す。
図3Aは、読み取り値としてOD450nmを使用しアイソタイプ対照としてhIgGを使用した場合の曲線フィットの代表的グラフを示す。
図3Bは、読み取り値として占有率(%)を使用した場合の曲線フィットの代表的グラフを示す。
【
図4A】
図4A~4Eは、種々の例示的抗タウ-pS413抗体を使用したAD脳ホモジネートのP2抽出物の免疫枯渇がhiPSCニューロンにおけるタウ病態の誘発を予防することを示している。
図4Aは中和プロトコルの概要図を示す。
図4Bおよび4Cは、それぞれ、タウ-pS413および総タウの枯渇の成功を確認するために使用されたAlphaLISA(登録商標)データを表す。
図4Dは、P2画分で処理されたニューロンにおける病的MC1タウ(赤色斑点)を示す代表的イメージ(右パネル)を、無処理対照(左パネル)と比較して示している。
図4Eは、種々の濃度の例示的抗タウ-pS413抗体またはIgG対照を含有する免疫枯渇AD脳由来P2画分を播種してから5日後のhiPSCニューロンにおけるMC1タウ病態のハイコンテントイメージ分析を表す。
【
図4B】
図4A~4Eは、種々の例示的抗タウ-pS413抗体を使用したAD脳ホモジネートのP2抽出物の免疫枯渇がhiPSCニューロンにおけるタウ病態の誘発を予防することを示している。
図4Aは中和プロトコルの概要図を示す。
図4Bおよび4Cは、それぞれ、タウ-pS413および総タウの枯渇の成功を確認するために使用されたAlphaLISA(登録商標)データを表す。
図4Dは、P2画分で処理されたニューロンにおける病的MC1タウ(赤色斑点)を示す代表的イメージ(右パネル)を、無処理対照(左パネル)と比較して示している。
図4Eは、種々の濃度の例示的抗タウ-pS413抗体またはIgG対照を含有する免疫枯渇AD脳由来P2画分を播種してから5日後のhiPSCニューロンにおけるMC1タウ病態のハイコンテントイメージ分析を表す。
【
図4C】
図4A~4Eは、種々の例示的抗タウ-pS413抗体を使用したAD脳ホモジネートのP2抽出物の免疫枯渇がhiPSCニューロンにおけるタウ病態の誘発を予防することを示している。
図4Aは中和プロトコルの概要図を示す。
図4Bおよび4Cは、それぞれ、タウ-pS413および総タウの枯渇の成功を確認するために使用されたAlphaLISA(登録商標)データを表す。
図4Dは、P2画分で処理されたニューロンにおける病的MC1タウ(赤色斑点)を示す代表的イメージ(右パネル)を、無処理対照(左パネル)と比較して示している。
図4Eは、種々の濃度の例示的抗タウ-pS413抗体またはIgG対照を含有する免疫枯渇AD脳由来P2画分を播種してから5日後のhiPSCニューロンにおけるMC1タウ病態のハイコンテントイメージ分析を表す。
【
図4D】
図4A~4Eは、種々の例示的抗タウ-pS413抗体を使用したAD脳ホモジネートのP2抽出物の免疫枯渇がhiPSCニューロンにおけるタウ病態の誘発を予防することを示している。
図4Aは中和プロトコルの概要図を示す。
図4Bおよび4Cは、それぞれ、タウ-pS413および総タウの枯渇の成功を確認するために使用されたAlphaLISA(登録商標)データを表す。
図4Dは、P2画分で処理されたニューロンにおける病的MC1タウ(赤色斑点)を示す代表的イメージ(右パネル)を、無処理対照(左パネル)と比較して示している。
図4Eは、種々の濃度の例示的抗タウ-pS413抗体またはIgG対照を含有する免疫枯渇AD脳由来P2画分を播種してから5日後のhiPSCニューロンにおけるMC1タウ病態のハイコンテントイメージ分析を表す。
【
図4E】
図4A~4Eは、種々の例示的抗タウ-pS413抗体を使用したAD脳ホモジネートのP2抽出物の免疫枯渇がhiPSCニューロンにおけるタウ病態の誘発を予防することを示している。
図4Aは中和プロトコルの概要図を示す。
図4Bおよび4Cは、それぞれ、タウ-pS413および総タウの枯渇の成功を確認するために使用されたAlphaLISA(登録商標)データを表す。
図4Dは、P2画分で処理されたニューロンにおける病的MC1タウ(赤色斑点)を示す代表的イメージ(右パネル)を、無処理対照(左パネル)と比較して示している。
図4Eは、種々の濃度の例示的抗タウ-pS413抗体またはIgG対照を含有する免疫枯渇AD脳由来P2画分を播種してから5日後のhiPSCニューロンにおけるMC1タウ病態のハイコンテントイメージ分析を表す。
【
図5】
図5は、例示的な高親和性抗タウ-pS413抗体V8-AFM-mIgG1の投与の際の、タウ病理の低減に対する用量応答を、マウス親抗タウ-pS413抗体pTa1505-mIgG1の投与の場合と比較して示す。
【
図6】
図6は、VHにK54E突然変異を含むV6-AFM-hIgG1-LALA-YTEが、VHにK54E突然変異を含まないV1-AFM-hIgG1-LALA-YTEと比較して、抗体分子の産生を改善したことを示す。
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、AD患者または非ADヒトからのCSFサンプルにおけるV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEによるエクスビボ(ex vivo)標的関与を示す。
図7Aは、増加した濃度のV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの存在下のAD患者または非ADヒトからのCSFサンプルに関するタウ-pS413 MSDアッセイにおけるAU測定値を示す。
図7Bは、AD患者または非ADヒトからのCSFサンプルにおける遊離タウ-pS413(V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEに結合していないもの)の減少率(%)を示す。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは、AD患者または非ADヒトからのCSFサンプルにおけるV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEによるエクスビボ(ex vivo)標的関与を示す。
図7Aは、増加した濃度のV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの存在下のAD患者または非ADヒトからのCSFサンプルに関するタウ-pS413 MSDアッセイにおけるAU測定値を示す。
図7Bは、AD患者または非ADヒトからのCSFサンプルにおける遊離タウ-pS413(V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEに結合していないもの)の減少率(%)を示す。
【0141】
詳細な説明
略語
本発明の詳細な説明および実施例の全体において、以下の略語を用いる。
【0142】
ADCC: 抗体依存性細胞傷害
CDC: 補体依存性細胞傷害
CDR: 免疫グロブリン可変領域における相補性決定領域
CHO: チャイニーズハムスター卵巣
EC50: 50%の有効性または結合をもたらす濃度
ELISA: 酵素結合免疫吸着測定法
FR: 抗体フレームワーク領域:CDR領域を除く免疫グロブリン可変領域
IC50: 50%の阻害をもたらす濃度
IgG: 免疫グロブリンG
Kabat: Elvin A.Kabat((1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)によって創始された免疫グロブリンアラインメントおよび番号付け系(ナンバリングシステム)
mAb: モノクローナル抗体
PK: 薬物動態
V領域: 異なる抗体間で配列が可変性であるIg鎖のセグメント。それは軽鎖のKabat残基109および重鎖の113へと伸長する。
【0143】
VH: 免疫グロブリン重鎖可変領域
VK: 免疫グロブリン軽鎖可変領域
定義
本発明がより容易に理解されうるように、幾つかの科学技術用語を以下に具体的に定義する。本明細書中の他の箇所で特に定義されていない限り、本明細書中で用いる全ての他の科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味を有する。
【0144】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書において用いる単数形の語は、文脈に明らかに矛盾しない限り、その対応複数対象物を含む。同様に、複数形の語は、文脈に明らかに矛盾しない限り、その対応単数対象物を含む。
【0145】
ヒト種の文脈で用いられている場合の「タウタンパク質」なる語は、配列番号1~6において定義されるアミノ酸配列を有するヒトタウタンパク質の6つのアイソフォーム、すなわち、4R2N(配列番号1において定義されているもの)、4R1N(配列番号2において定義されているもの)、4R0N(配列番号3において定義されているもの)、3R2N(配列番号4において定義されているもの)、3R1N(配列番号5において定義されているもの)および3R0N(配列番号6において定義されているもの)ならびにそれらの遺伝子変異体を意味する。また、本発明によるタウタンパク質は、BLAST法(NCBIにより提供されるPBLASTのデフォルト条件を用いるもの)に従い、配列番号1において定義されるヒトタウタンパク質のアミノ酸配列に対して80%以上の類似性または同一性を有するタンパク質、およびそれらのアイソフォームをも含む。そのようなタウタンパク質には、非ヒト種、例えばチンパンジー、マカク、ウマ、ブタ、イヌ、マウス、ウサギおよびラットに由来するタウも含まれる。そのような非ヒト動物由来のタウに標的化された治療用または予防用物質を、対象動物の認知機能の改善を目的として製造することが可能である。
【0146】
本明細書中で用いる「タウペプチド」なる語は、タウタンパク質のアミノ酸配列の一部を含むペプチドを意味する。タウタンパク質由来のタウペプチドの位置は限定されるべきではない。タウペプチドの長さも限定されるべきではないが、好ましくは、4以上、特に6以上、より好ましくは8以上のアミノ酸長を有するべきである。
【0147】
本明細書中で用いる「タウ」なる語はタウタンパク質またはタウペプチドを一括して意味する。
【0148】
本発明の文脈においては、タウタンパク質またはタウペプチドにおけるアミノ酸残基の位置は、明確化のために、配列番号1において定義されるアミノ酸配列に基づいて特定されるアミノ酸番号により示される。例えば、「セリン413」、「Ser413」または「S413」は、配列番号1のSer413に対応するアミノ酸残基を意味し、配列番号1(4R2N)のアミノ酸位置413(アミノ酸413位)のセリン残基、配列番号2(4R1N)のアミノ酸位置384、配列番号3(4R0N)のアミノ酸位置355、配列番号4(3R2N)のアミノ酸位置382、配列番号5(3R1N)のアミノ酸位置353、または配列番号6(3R0N)のアミノ酸位置324を包含する。タウアイソフォーム間のアミノ酸残基の位置の対応を以下の表1に示す。
【0149】
【0150】
表1は、配列番号1において定義されるアミノ酸配列の410位~421位に対応する列挙アイソフォームのアミノ酸残基の位置を示すが、他の領域におけるアミノ酸残基の位置の対応は、例えばWO 2018/254390(その開示の全体を参照により本明細書に組み入れることとする)の
図1Aおよび1Bに基づいて、容易に認識されうる。アイソフォームまたはホモログ(相同体)におけるアミノ酸の対応位置を知るために、当業者は、ペアワイズ配列アライメント、例えばNeedleman-Wunsch法もしくはSmith-Waterman法、または多配列アライメント、例えばClustalWもしくはPRRP法を用いて、分析を行うことが可能であろう。対応位置の分析の一例として、WO 2018/254390の
図1Aおよび1Bは、ClustalWに基づく6つのヒトアイソフォームのアミノ酸配列(1文字コードで示されている)のアライメントを示す。これらの図は、配列番号1において定義されるアミノ酸配列のSer413に対応するアミノ酸残基の周囲の構造が6つのアイソフォームの間で保存されていることを示しており、互いに対応するアミノ酸を特定するのにも役立つ。
【0151】
本明細書中で用いる、アミノ酸残基が「リン酸化された」(「リン酸化されている」、「リン酸化」)なる表現は、ホスファート基がアミノ酸残基の側鎖にエステル結合していることを意味する。リン酸化されうる典型的なアミノ酸残基には、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)およびチロシン(Tyr)が含まれる。
【0152】
本明細書中で用いる「タウ-pS413」、「タウ-PS413」、「タウ-pSer413」、「pS413-タウ」、「PS413-タウ」または「pSer413-タウ」なる語は、配列番号1のSer413に対応するアミノ酸残基においてリン酸化されているタウタンパク質またはペプチドを意味し、配列番号1のSer413に対応するアミノ酸残基には、配列番号1(4R2N)のアミノ酸位置413、配列番号2(4R1N)のアミノ酸位置384、配列番号3(4R0N)のアミノ酸位置355、配列番号4(3R2N)のアミノ酸位置382、配列番号5(3R1N)のアミノ酸位置353または配列番号6(3R0N)のアミノ酸位置324のセリン残基が含まれる。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413はS413のみにおいてリン酸化されている。特定の実施形態においては、タウ-pS413はS413および1以上の追加的なアミノ酸残基においてリン酸化されている。
【0153】
本明細書中で用いる「抗タウ-pS413抗体」は、タウ-pS413タンパク質またはタウ-pS413ペプチドに特異的に結合する抗体を意味する。
【0154】
本明細書中で用いる「V1-AFM」、「V2-AFM」、「V3-AFM」、「V4-AFM」、「V5-AFM」、「V6-AFM」、「V7-AFM」または「V8-AFM」なる語のそれぞれは、表4に記載されている定められたVHおよびVL(表5および6に開示されている配列番号)を含む、本明細書に記載されているHmzTa1505-hIgG4-S228Pの親和性成熟変異体を意味する。各用語は、公知重鎖定常領域(例えば、IgG1、IgG1-LALA、IgG1-LALA-YTE、IgG2、IgG3、IgG4、IgG4-S228Pなど)またはその変異体のいずれかと、公知軽鎖定常領域(例えば、ラムダまたはカッパ)またはその変異体のいずれかとを含有する抗体を含む。
【0155】
「結合する」または「結合」なる語は、例えば複合体を形成することを含む、分子間の相互作用を意味する。相互作用は、例えば、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用および/またはファンデルワールス相互作用を含む非共有結合相互作用でありうる。複合体は、共有結合または非共有結合、相互作用または力により結合した2以上の分子の結合も含みうる。抗体上の単一の抗原結合部位とタウのような標的分子の単一エピトープとの間の全非共有相互作用の強度はそのエピトープまたは標的に対する抗体または機能的フラグメントの「親和性」(「アフィニティ」)である。特に示されていない限り、本明細書中で用いる「結合親和性」は、結合ペアのメンバー(例えば、抗体および抗原)間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を意味する。1価抗原に対する抗体の結合速度(kon)に対する解離速度(koff)の比(koff/kon)は「解離定数」(または互換的に用いられる「平衡解離定数」)KDであり、これは親和性と逆相関する。KD値が低ければ低いほど、抗体の親和性は高くなる。KDの値は抗体と抗原との複合体によって異なり、konとkoffとの両方に依存する。本明細書において提供される抗体の解離定数KDは、本明細書において提供される任意の方法または当業者に周知の任意の他の方法、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイ、例えばBiacoreおよびKinExA(これらに限定されるものではない)を使用して決定されうる。1つの結合部位における親和性は抗体と抗原との間の相互作用の真の強度を常に反映しているわけではない。多価抗原のような複数の反復抗原決定基を含有する複合抗原が、複数の結合部位を含有する抗体と接触すると、1つの部位における抗体と抗原との相互作用が第2の部位における反応の可能性が増大させる。多価抗体と抗原との間のそのような多重相互作用の強度は「アビディティ」と称される。抗体のアビディティは、その個々の結合部位の親和性(アフィニティ)より良好な、その結合能の尺度でありうる。例えば、IgGより低い親和性(アフィニティ)を有しうる五量体IgM抗体で時々見られるように、IgMのその多価性から生じる高いアビディティは、それが抗原に有効に結合することを可能にし、高いアビディティは、低い親和性(アフィニティ)を補いうる。特に示されていない限り、本明細書中で用いる「親和性」または「結合親和性」なる語は抗タウ-pS413抗体とタウ-pS413タンパク質またはペプチドとの間の1価(1:1)相互作用を意味する。KDは、固定化された抗タウ-pS413抗体またはタウ-pS413を使用するSPRを用いて測定されうる。本明細書に開示されているKD値は、固定化された抗タウ-pS413抗体を使用して測定される。
【0156】
「タウ-pS413に特異的に結合する抗体」、「タウ-pS413タンパク質またはペプチドに特異的に結合する抗体」なる語および類似用語は本明細書において互換的に用いられ、タウ-pS413ポリペプチド、例えばタウ-pS413タンパク質またはペプチド(例えば、ヒトタウ-pS413、例えば、ヒトタウ-pS413タンパク質またはペプチド)に特異的に結合する抗体を意味する。タウ-pS413(例えば、ヒトタウ-pS413)に特異的に結合する抗体は、別の種に由来するタウ-pS413(例えば、カニクイザルタウ-pS413)と交差反応しうる。特定の実施形態においては、タウ-pS413に特異的に結合する抗体は、他の[タウ]タンパク質またはペプチド、例えば、S413においてリン酸化されていないタウタンパク質もしくはペプチド、またはS413以外の別のアミノ酸残基においてリン酸化されているタウタンパク質もしくはペプチドとは交差反応しない。タウ-pS413に特異的に結合する抗体は、例えば、イムノアッセイ、Biacoreまたは当業者に公知の他の技術により特定されうる。抗体がタウ-pS413に特異的に結合すると言えるのは、ラジオイムノアッセイ(MA)および酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)のような実験技術を用いて決定される、いずれの交差反応性タンパク質またはペプチドよりも高い親和性で、それがタウ-pS413に結合する場合である。典型的には、特異的反応はバックグラウンドシグナルまたはノイズの少なくとも2倍であり、バックグラウンドの10倍を超えることもある。抗体特異性に関する考察については、例えば、Fundamental Immunology 332-36(Paul編,2d ed.1989)を参照されたい。標的分子への抗体の結合に関する、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープ「への特異的結合」、「に特異的に結合する」または「に特異的である」なる語は、非特異的な相互作用とは測定において異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、一般に結合活性を有さない類似構造の分子である対照分子の結合と比較して分子の結合を決定することにより、測定されうる。例えば、標的への特異的結合は、標的に類似する対照分子、例えば過剰の非標識標的との競合により決定されうる。この場合、プローブへの標識標的の結合が過剰非標識標的により競合的に阻害されたら、特異的結合が示される。
【0157】
動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官または生物学的流体に適用される「投与する」または「投与」は、動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官または生物学的流体との外因性医薬、治療用物質、診断剤または組成物の接触を意味する。
【0158】
「対象」なる語は、任意の生物、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、イヌ、ネコまたはウサギ)を含む。好ましい実施形態においては、「対象」なる語はヒトを意味する。
【0159】
「抗体」、「免疫グロブリン」または「Ig」なる語は本明細書においては互換的に用いられ、最も広い意味で用いられ、特に、例えば、個々のモノクローナル抗体(中和抗体、完全長または無傷モノクローナル抗体を含む)、ポリエピトープ特性またはモノエピトープ特異性を有する抗体組成物、ポリクローナルまたは1価抗体、多価抗体、少なくとも2つの無傷抗体から形成される多重特異性抗体(例えば、所望の生物活性を示す限り、二重特異性抗体)、単鎖抗体、および該抗体のフラグメント(後記のとおり)を含む。抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体および/または親和性成熟抗体、ならびに他の種、例えばマウスおよびウサギなどからの抗体でありうる。抗体にはまた、合成抗体、組換え製造抗体、ラクダ化抗体、細胞内抗体、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および前記のいずれかのものの機能的フラグメント(例えば、それらの抗原結合性フラグメント)(これは、フラグメントが由来する抗体の結合活性の一部または全部を保有する抗体重鎖または軽鎖ポリペプチドの一部分を意味する)が含まれるが、これらに限定されるものではない。機能的フラグメント(例えば、その抗原結合性フラグメント)の非限定的な例には、単鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性、二重特異性などを含む)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、F(ab)2フラグメント、F(ab’)2フラグメント、ジスルフィド結合Fv(dsFv)、Fdフラグメント、Fvフラグメント、ジアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびミニボディが含まれる。特に、本明細書において提供される抗体には、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、例えば、抗原結合性ドメイン、またはタウ-pS413タンパク質もしくはペプチドに結合する抗原結合性部位(例えば、抗タウ-pS413抗体のCDRの1以上)を含有する分子が含まれる。そのような抗体フラグメントは、例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual(1989);Mol.Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference(Myers編,1995);Hustonら,1993,Cell Biophysics 22:189-224;PluckthunおよびSkerra,1989,Meth.Enzymol.178:497-515;ならびにDay,Advanced Immunochemistry(2d ed.1990)に見出されうる。本明細書において提供される抗体は免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)または任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)のものでありうる。
【0160】
「Fabフラグメント」は1個の軽鎖ならびに1個の重鎖の可変領域およびCH1から構成される。Fab分子の重鎖は別の重鎖分子とはジスルフィド結合を形成し得ない。「Fabフラグメント」は抗体のパパイン切断の産物でありうる。
【0161】
「Fc」領域は、抗体のCH1およびCH2ドメインを含む2個の重鎖フラグメントを含有する。それらの2個の重鎖フラグメントは2以上のジスルフィド結合により、およびCH3ドメインの疎水性相互作用により結合している。
【0162】
「Fab’フラグメント」は1個の軽鎖、ならびにVHドメインおよびCH1ドメインを含有する1個の重鎖の部分またはフラグメント、そしてまた、CH1およびCH2ドメイン間の領域を含有し、その結果、2個のFab’フラグメントの、2個の重鎖間で、鎖間ジスルフィド結合が形成されて、F(ab’)2分子を形成しうる。
【0163】
「F(ab’)2フラグメント」は、2個の軽鎖、ならびにCH1およびCH2ドメイン間の定常領域の部分を含有する2個の重鎖を含有し、その結果、それらの2個の重鎖の間で鎖間ジスルフィド結合が形成される。したがって、F(ab’)2フラグメントは、それらの2個の重鎖の間のジスルフィド結合により連結された2個のFab’フラグメントから構成される。「F(ab’)2フラグメント」は抗体のペプシン切断の産物でありうる。
【0164】
「Fvフラグメント」または「Fv領域」は重鎖および軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠いている。
【0165】
本明細書中で用いる「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団を意味し、すなわち、該集団を構成する抗体分子は、少量で存在しうる可能な天然で生じる突然変異の場合を除き、アミノ酸配列において同一である。対照的に、通常の(ポリクローナル)抗体調製物は、典型的には、異なるエピトープにしばしば特異的である可変ドメインにおける異なるアミノ酸配列を有する多数の異なる抗体を含む。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られるという該抗体の特性を示しており、いずれかの特定の方法による該抗体の製造を要すると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従い使用されるモノクローナル抗体は、Kohlerら,Nature 256:495(1975)に最初に記載されたハイブリドーマ法により製造可能であり、あるいは組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)により製造可能である。また、「モノクローナル抗体」は、例えば、Clacksonら(1991)Nature 352:624-628およびMarksら(1991)J.Mol.Biol.222:581-597に記載されている技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーから単離されうる。Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731も参照されたい。
【0166】
本明細書中で用いる「ヒト化抗体」は、ヒト抗体および非ヒト(例えば、マウス、ラット)抗体の両方からの配列を含有する抗体の形態を意味する。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全部を含み、ここで、超可変ループの全部または実質的に全部は非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、フレームワーク(FR)領域の全部または実質的に全部はヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、所望により、ヒト免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を含みうる。
【0167】
一般に、基本的な抗体構造単位は四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の、2つの同一ペアを含み、各ペアは1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識をもたらす約100~110個またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。重鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主にもたらす定常領域を定めうる。
【0168】
「エフェクター機能」は、抗体イソタイプによって様々である、抗体のFc領域に起因する生物活性を意味する。抗体エフェクター機能の例には、Clq結合および補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション;ならびにB細胞活性化が含まれる。
【0169】
典型的には、ヒト軽鎖はカッパおよびラムダ軽鎖として分類される。更に、ヒト重鎖は、典型的には、ミュー、デルタ、ガンマ、アルファまたはイプシロンとして分類され、それぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEとしての、抗体のアイソタイプを定める。軽鎖および重鎖においては、可変領域および定常領域は約12個以上のアミノ酸の「J」領域により連結されており、重鎖は約10個以上のアミノ酸の「D」領域をも含む。全般的には、Fundamental Immunology Ch.7(Paul,W.編,2nd ed.Raven Press,N.Y.(1989))を参照されたい。
【0170】
本明細書中で用いる「可変領域」、「可変ドメイン」または「V領域」または「V鎖」は、異なる抗体間で配列において可変性であるIgG鎖のセグメントを意味する。抗体の「可変領域」は、単独で又は組合されて、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域を意味する。重鎖の可変領域は「VH」と称されうる。軽鎖の可変領域は「VL」と称されうる。典型的には、重鎖および軽鎖の両方の可変領域は、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する、相補性決定領域(CDR)とも称される3つの超可変領域を含む。CDRは、通常、特異的エピトープへの結合が可能になるように、フレームワーク領域により整列されている。一般に、N末端からC末端方向に、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの両方はFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の帰属は、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest,Kabatら;National Institutes of Health,Bethesda,Md.;5th ed.;NIH Publ.No.91-3242(1991)(「Kabat 1」);Kabat(1978)Adv.Prot.Chem.32:1-75(「Kabat 2」);Kabatら,(1977)J.Biol.Chem.252:6609-6616(「Kabat 3」);Chothiaら,(1987)J Mol.Biol.196:901-917(「Chothia 1」)またはChothiaら,(1989)Nature 342:878-883(「Chothia 2」)の定義に準拠している。
【0171】
「CDR」は、抗体VHβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(H1、H2またはH3)の1つ、または抗体VLβシートフレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(L1、L2またはL3)の1つを意味する。したがって、CDRは、フレームワーク領域配列内に散在する可変領域配列である。CDR領域は当業者によく知られており、例えば、抗体可変ドメイン内の最も超可変性の領域として、Kabat(カバット)によって定義されている(Kabat 1~3,前掲を参照されたい)。また、保存されたβシートフレームワークの一部ではなく、したがって、異なるコンホメーションに適応可能である残基として、CDR領域配列はChothia(チョチア)によって構造的に定義されている(Chothia 1~2,前掲を参照されたい)。抗体可変領域内のCDR配列を定義するためのKabatおよびChothiaの方式は共に、当技術分野で十分に認識されている。CDR領域配列はAbM、ContactおよびIMGTによっても定義されている。標準(カノニカル)抗体可変領域内のCDRの位置は多数の構造の比較により決定されている(Al-Lazikaniら,1997,J.Mol.Biol.273:927-48;Moreaら,2000,Methods 20:267-79)。超可変領域内の残基数は抗体によって異なるため、標準位置に対する追加的残基には、通常、標準可変領域番号付け法における残基番号の隣にa、b、cなどの符号が付けられる(Al-Lazikaniら,前掲)。そのような命名法も同様に当業者によく知られている。例えば、Kabat番号付けおよびIMGT固有番号付け系を含む番号付け系の間の対応は当業者によく知られており、以下の表2に示されている。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、当業者に公知のいずれかの番号付け系により定義されているとおりである。
【0172】
【0173】
「保存的に修飾された変異体」または「保存的置換」は、タンパク質におけるアミノ酸が、類似特性(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、バックボーンコンホメーションおよび剛性など)を有する他のアミノ酸で置換されて、該変化が、しばしば、該タンパク質の生物活性を変化させることなく行われうることを意味する。一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換は生物活性を実質的に変化させない、と当業者は認識している(例えば、Watsonら(1987)Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.)を参照されたい)。また、構造的または機能的に類似したアミノ酸の置換は、生物活性を損なう可能性が低い。典型的な保存的置換を表3に示す。
【0174】
【0175】
本明細書中で用いる「エピトープ」なる語は抗体(Ab)のような「抗原結合性分子」とその対応「抗原」(Ag)との間の分子相互作用の文脈において定義される。一般に、「エピトープ」は、Abが特異的に結合する、Ag上の領域または範囲、すなわち、Abと物理的に接触する領域または範囲を意味する。物理的接触はAbおよびAg分子における原子に関する距離基準(例えば、4オングストロームの距離カットオフ)により定義されうる。エピトープは線状エピトープまたはコンフォメーションエピトープでありうる。線形エピトープはタンパク質におけるアミノ酸の連続的配列により形成される。コンフォメーションエピトープは、タンパク質配列において不連続であるが三次元構造へのタンパク質のフォールディングに際して一緒になるアミノ酸から形成される。誘導性(induced)エピトープは、タンパク質の三次元構造が、変化したコンホメーション状態にある場合(例えば、別のタンパク質またはリガンドの結合または活性化の後)に形成される。
【0176】
「単離された核酸」は、該単離ポリヌクレオチドが天然で見出される場合のポリヌクレオチドの全部または一部を伴っておらず、あるいはそれが天然で連結していないポリヌクレオチドに連結している、ゲノム、mRNA、cDNAもしくは合成由来またはそれらの何らかの組合せのDNAまたはRNAポリヌクレオチドを意味する。特定されている核酸配列を「含む」単離されたポリヌクレオチドは、特定されている配列に加えて、10個まで又は更には20個まで又はそれ以上の他のタンパク質またはその一部もしくは断片のコード配列を含むことが可能であり、あるいは、挙げられている核酸配列のコード領域の発現を制御する機能的に連結された調節配列を含むことが可能であり、および/あるいは、ベクター配列または非コード配列を含むことが可能である。
【0177】
「制御配列」なる語は、特定の宿主生物における機能的に連結されたコード配列の発現に必要なDNA配列を意味する。原核生物に適した制御配列には、例えば、プロモーター、所望により、オペレーター配列、およびリボソーム結合部位が含まれる。真核細胞はプロモーター、ポリアデニル化シグナルおよびエンハンサーを用いることが公知である。
【0178】
核酸が「機能的に連結」されていると言えるのは、それが別の核酸配列に対して機能的な関係で配置されている場合である。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAがポリペプチドのDNAに機能的に連結されていると言えるのは、それが、該ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合であり、プロモーターまたはエンハンサーがコード配列に機能的に連結されていると言えるのは、それが該配列の転写に影響を及ぼす場合であり、あるいはリボソーム結合部位がコード配列に機能的に連結されていると言えるのは、翻訳を促進するようにそれが位置している場合である。一般に、「機能的に連結(されている)」は、連結されているそれらのDNA配列が連続的であり、分泌リーダーの場合には、連続的であり、かつ、リーディングフェーズにおけるものであることを意味する。しかし、エンハンサーは連続的である必要はない。連結は簡便な制限部位における連結により達成される。そのような部位が存在しない場合には、通常の慣例に従って合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが使用される。
【0179】
本明細書中で用いる「細胞」、「宿主細胞」、「細胞系」および「細胞培養」なる表現は互換的に用いられ、全てのそのような表示は後代を含む。
【0180】
「治療する」または「治療」は、本発明の抗体または抗原結合性フラグメントのいずれかを含有する組成物のような作用因子を、該作用因子が治療活性を示す1以上の疾患症状を有する又は該疾患を有する疑いのある対象または患者に内的または外的に投与することを意味する。典型的には、作用因子は、いずれかの臨床的に測定可能な度合によるそのような症状の退縮の誘導またはそのような症状の進行の抑制、遅延または減速により、治療対象または集団における1以上の疾患症状を軽減するのに有効な量で投与される。いずれかの特定の疾患症状を軽減するのに有効な作用因子の量は患者の病態、年齢および体重、ならびに対象において所望の応答を惹起する薬物の能力のような要因によって変動しうる。疾患症状が軽減したかどうかは、その症状の重症度または進行状態を評価するために医師または他の熟練した医療提供者によって典型的に用いられるいずれかの臨床的尺度により評価されうる。この語は更に、障害に関連した症状の発生の遅延および/またはそのような障害の症状の重症度の軽減を含む。この語は更に、既存の無制御の又は望ましくない症状の改善、追加的な症状の予防、およびそのような症状の根本原因の改善または予防を含む。したがって、この語は、障害、疾患もしくは症状を有する脊椎動物対象、またはそのような障害、疾患もしくは症状を発生する可能性を有する脊椎動物対象に、有益な結果がもたらされていることを示す。
【0181】
タウ-pS413
タウは、ヒトゲノムにおける17番染色体(17q21)に位置するMAPT遺伝子によりコードされるタンパク質である。タウタンパク質は、中枢神経系において豊富に発現される微小管結合性タンパク質の1つである。タウタンパク質は、最も顕著な神経変性疾患の1つであるADにおけるNFTを形成するペアードヘリカルフィラメント(対らせん状細線維)および直線フィラメントにおける主要構成タンパク質であることが判明しており、その細胞内蓄積は種々の神経病理学的状態において実証されている。タウのそのような細胞内蓄積により引き起こされる疾患は「タウオパチー」と総称される(Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。タウオパチーには、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病(AD)、皮質基底核変性症(CBD)または皮質基底核症候群(CBS)、進行性核上麻痺、ピック病、嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、認知症を伴う多系統タウオパチー(multiple system tauopathy with dementia)(MSTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(chromosome 17-linked frontotemporal dementia with Parkinsonism)(FTDP-17)、神経原線維変化型認知症(neurofibrillary tangle dementia)、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillaty tangles with calcification)(DNTC)、グリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(white matter tauopathy with globular glial inclusions)(WMT-GGI)、タウ陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration with tau-positive inclusions)(FTLD-タウ)が含まれる。タウオパチーには、以下のものを含む非神経変性疾患も含まれる:感染症、例えばエコノモ脳炎続発症(Economo’s encephalitis sequela)および亜急性硬化性全脳炎;ならびに外傷誘発性病態、例えばボクサー脳症(Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。
【0182】
MAPT遺伝子は、選択的スプライシングによって複数の異なるタンパク質アイソフォームとして発現されうる、ゲノム上に配置された13個のエキソンからなるものとして特定されている(Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。タウの構造は、エキソン2およびエキソン3の選択的スプライシングに基づく29アミノ酸の0~2個の反復配列(N)を含むN末端酸性ドメイン(N0-N2)、プロリンに富む中間ドメイン、および微小管結合に寄与する3個(3R)または4個(4R)の反復配列(R)を含むC末端微小管結合性ドメイン(エクソン9~12によりコードされる)を含む(Alistair Burnsら(編),Dementia,3rd Edition,2005,CRC Press,pp.408-464;Tetsuaki Arai,“Shinkei Naika”(Japanese document),Vol.72,special number,(Suppl.6),2010,pp.46-51)。したがって、ヒトタウは、それが含有する29アミノ酸反復配列(N)および微小管結合性反復配列(R)の数に応じて、以下の6つの代表的アイソフォームを有する:3R0N(352アミノ酸)、3R1N(381アミノ酸)、3R2N(410アミノ酸)、4R0N(383アミノ酸)、4R1N(412アミノ酸)および4R2N(441アミノ酸)。これらのタウアイソフォームのいずれかにおけるアミノ酸残基の位置を明確に特定するために、最も長いアイソフォーム、すなわち4R2N(配列番号1において定義される)のアミノ酸番号(1~441)を、本明細書における基準体として用いる。例えば、「Ser413」は、4R2N(配列番号1において定義される)の413番目のアミノ酸位置のセリン残基を意味し、これは、4R1N(配列番号2において定義される)の384番目のアミノ酸位置のセリン、4R0N(配列番号3において定義される)の355番目のアミノ酸位置、3R2N(配列番号4において定義される)の382番目のアミノ酸位置、3R1N(配列番号5において定義される)の353番目のアミノ酸位置、および3R0N(配列番号6において定義される)の324番目のアミノ酸位置に対応する。
【0183】
また、神経変性疾患において蓄積するタウは、リン酸化により高度に修飾されていることにより特徴づけられる。軽度認知障害を示す患者においては、脊髄液中のリン酸化タウのレベルと下垂体萎縮の程度との間に相関性が認められ、このことは、リン酸化タウがタウオパチー患者における神経変性の高信頼性バイオマーカーであることを示唆している(Wendy Nobleら,Expert Opinion on Drug Discovery,2011,Vol.6,No.8,pp.797-810)。しかし、タウにおいてリン酸化されうる多数の部位が存在するが、どのリン酸化部位に関するどの抗体がタウオパチーの治療に有効であるかについての情報はほとんど存在しない。
【0184】
更に、治療剤または予防剤のための活性化合物として抗体を使用する場合、副作用を回避し、免疫原性、製造能力および医療費のような問題を最小限に抑えるために、患者に投与する抗体の量を考慮する必要がある。これは慢性疾患または遺伝性疾患の場合の用量に関して特に重要である。また、ADのような認知障害においては、脳が、治療される標的臓器であるが、血液脳関門の存在ゆえに、静脈内または皮下経路による全身投与は血液から脳への低い抗体移行率をもたらすと一般に考えられている。したがって、認知障害の治療に使用される抗体は、他の臓器に関わる疾患の治療に比べて高用量を要すると予想されるという重大な問題がある。したがって、これらの難題を背景に、非病的タウに影響を及ぼしたり非常に高用量の投与を要することなく十分な治療効果を達成しうる高親和性抗タウ-pS413抗体を本発明者らが創製したことは、特に予想外で驚くべきことである。
【0185】
高親和性抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメント
抗タウ-pS413抗体の先行開示には、WO 2013/180238およびWO 2018/254390(それらの開示の全体を参照により本明細書に組み入れることとする)が含まれる。本発明は、先行開示とは異なり、より高い親和性の抗タウ-pS413抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを提供する。これらの高親和性抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントは、組換えタウ-pS413タンパク質またはペプチド、タウトランスジェニックマウスの脳、AD患者の脳ホモジネートおよびAD患者のCSFサンプルに対する、先行開示されている抗タウ-pS413抗体と比較して増強した結合能(例えば、少なくとも10倍~40倍の増強)を示す。そのような高親和性抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントは、AD脳ホモジネートの播種により誘発されるhu-iPSCニューロンにおけるタウ病態の発生を有効に予防しうる。
【0186】
本開示においては、効力を改善するための親和性成熟により、またはpI(等電点)を低下させ親和性を改善し抗体分子の製造を増加させる1以上のアミノ酸突然変異(例えば、K54EまたはK54D)を特定するための、構造に基づくモデリングにより、先行開示されている抗タウ-pS413抗体の最適化形態(例えば、より高い親和性の形態)を得た。幾つかの実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体は親和性成熟により得られうる。特定の実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体は、pIを低下させ親和性を改善し抗体分子の製造を増加させる1以上のアミノ酸突然変異(例えば、K54EまたはK54D)を特定するための、構造に基づくモデリングにより得られうる。他の実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体は、親和性成熟、およびpIを低下させ親和性を改善し抗体分子の製造を増加させる1以上のアミノ酸突然変異(例えば、K54EまたはK54D)を特定するための、構造に基づくモデリングにより得られうる。追加的な実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体の重鎖定常領域は、低下したFcエフェクター機能を維持する一方でコロイド安定性を改善し粘度を低下させるためにIgG4-S228PアイソタイプからIgG1-LALAへと切り替えられる(スイッチされる)。更に他の実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体の半減期を増加させるために、半減期延長YTE突然変異がFc領域内に組み込まれる。更に他の実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体の重鎖定常領域はIgG4-S228PアイソタイプからIgG1-LALAへと切り替えられ、半減期延長YTE突然変異がFc領域内に組み込まれる。好ましい実施形態においては、最適化された(例えば、より高い親和性の)抗タウ-pS413抗体(例えば、V1-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V2-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V3-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V4-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V5-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V6-AFM-hIgG1-LALA-YTE、V7-AFM-hIgG1-LALA-YTEまたはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTE)は、1)親和性成熟、2)pIを低下させ親和性を改善し抗体分子の製造を増加させる突然変異(例えば、K54EまたはK54D)を特定するための、構造に基づくモデリング、3)低下したFcエフェクター機能を維持する一方でコロイドの安定性を改善し粘度を低下させるための、IgG1-LALAへのアイソタイプの切り替え、および4)半減期を延長させるための、Fc領域内へのYTE突然変異の組み込みにより得られる。
【0187】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0188】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0189】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0190】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0191】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0192】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0193】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0194】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0195】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0196】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0197】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0198】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0199】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0200】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0201】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0202】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0203】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0204】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0205】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0206】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0207】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0208】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0209】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0210】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号86のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号87のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号88のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号83のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号84のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号85のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0211】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号92のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号94のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号89のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号91のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0212】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号98のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号95のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0213】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号104のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号105のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号106のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号101のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号102のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号103のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0214】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0215】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0216】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0217】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0218】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0219】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0220】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0221】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0222】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0223】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0224】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0225】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0226】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0227】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0228】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0229】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0230】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0231】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0232】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0233】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0234】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0235】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0236】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。幾つかの実施形態においては、CDRは、Kabat番号付け系により定義されているとおりである。他の実施形態においては、CDRは、IMGT番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、AbM番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Chothia番号付け系により定義されているとおりである。更に他の実施形態においては、CDRは、Contact番号付け系により定義されているとおりである。
【0237】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0238】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0239】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0240】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0241】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0242】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0243】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0244】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0245】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0246】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0247】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0248】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0249】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0250】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0251】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0252】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0253】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0254】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0255】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0256】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0257】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0258】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0259】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するVLを含む。
【0260】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0261】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0262】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0263】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0264】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0265】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0266】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0267】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0268】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0269】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0270】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0271】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0272】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0273】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0274】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0275】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0276】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0277】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0278】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0279】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0280】
1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0281】
もう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0282】
更にもう1つの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0283】
本明細書に開示されているタウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントの種々の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59、60、61、62、63、64、65、66、67または68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号61のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号62のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号64のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号65のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域を更に含む。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0284】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号57または58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号57のアミノ酸配列を有する定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。
【0285】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59、60、61、62、63、64、65、66、67または68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57または58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号61のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号62のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号64のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号65のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号57のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号61のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号62のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号64のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号65のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖定常領域、および配列番号58のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を更に含む。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0286】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0287】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0288】
他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0289】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0290】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0291】
更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列を含む2つの軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列を含む2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0292】
特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号72のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0293】
幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号74のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0294】
他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列からなる2つの軽鎖、および配列番号76のアミノ酸配列からなる2つの重鎖からなる。特定の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在する。他の実施形態においては、重鎖定常領域のC末端におけるリジン残基が存在しない。
【0295】
本明細書に記載されている抗体またはその抗原結合性フラグメントの種々の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して1×10-8M以下、9×10-9M以下、8×10-9M以下、7×10-9M以下、6×10-9M以下、5×10-9M以下、4×10-9M以下、3×10-9M以下または2×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して1×10-8M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して9×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して8×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。特定の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して7×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して6×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して5×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して4×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して3×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。更に他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントはタウ-pS413に対して2×10-9M以下の平衡解離定数(KD)を有する。幾つかの実施形態においては、KDは表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイにより測定される。特定の実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用する表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイにより測定される。他の実施形態においては、KDは、固定化された抗原を使用する表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイにより測定される。1つの実施形態においては、KDはBiacore(ビアコア)により測定される。もう1つの実施形態においては、KDはKinExAにより測定される。1つの特定の実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用するBiacoreにより測定される。
【0296】
特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して1×10-8M以下のKDを有する。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して9×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して8×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して7×10-9M以下のKDを有する。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して6×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して5×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して4×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して3×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して2×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用するBiacoreにより測定される。
【0297】
幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して1×10-8M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して9×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して8×10-9M以下のKDを有する。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して7×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して6×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して5×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して4×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して3×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み、タウ-pS413に対して2×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用するBiacoreにより測定される。
【0298】
特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して1×10-8M以下のKDを有する。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して9×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して8×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して7×10-9M以下のKDを有する。幾つかの実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して6×10-9M以下のKDを有する。他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して5×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して4×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して3×10-9M以下のKDを有する。更に他の実施形態においては、タウ-pS413に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVHと、配列番号36のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を含むVLとを含み、タウ-pS413に対して2×10-9M以下のKDを有する。特定の実施形態においては、KDは、固定化された抗体またはその抗原結合性フラグメントを使用するBiacoreにより測定される。
【0299】
本開示は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体の機能的フラグメントを更に含む。機能的フラグメント(例えば、抗原結合性フラグメント、例えば、タウ-pS413結合性フラグメント)の非限定的な例には、単鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性、二重特異性などを含む)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、F(ab)2フラグメント、F(ab’)2フラグメント、ジスルフィド結合Fv(dsFv)、Fdフラグメント、Fvフラグメント、ジアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびミニボディが含まれる。特に、本明細書において提供される抗体には、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、例えば、抗原結合性ドメイン、またはタウ-pS413抗原に結合する抗原結合性部位(例えば、抗タウ-pS413抗体のCDRの1以上)を含有する分子が含まれる。そのような抗体フラグメントは、例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual(1989);Mol.Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference(Myers編,1995);Hustonら,1993,Cell Biophysics 22:189-224;PluckthunおよびSkerra,1989,Meth.Enzymol.178:497-515;Day,Advanced Immunochemistry(2d ed.1990);Hudsonら,2003,Nature Med.9:129-34に見出されうる。
【0300】
免疫グロブリンは、それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、種々のクラスに帰属されうる。免疫グロブリンの、少なくとも5つの主要クラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMが存在し、これらの幾つかは更に、サブクラス(サブタイプ)、例えばIgG-1、IgG-2、IgG-3およびIgG-4;IgA-1およびIgA-2に分類されうる。本発明は抗体のこれらのクラスまたはサブクラスのいずれかの抗体および抗原結合性フラグメントを含む。
【0301】
1つの実施形態においては、抗体または抗原結合性フラグメントは重鎖定常領域、例えばヒト定常領域、例えばγ1、γ2、γ3もしくはγ4ヒト重鎖定常領域またはそれらの変異体を含む。もう1つの実施形態においては、抗体または抗原結合性フラグメントは、軽鎖定常領域、例えばヒト軽鎖定常領域、例えばラムダもしくはカッパヒト軽鎖領域またはそれらの変異体を含む。
【0302】
Fc領域の抗体操作
本明細書に開示されている抗体はまた、Fc領域内の修飾を含むように、典型的には、抗体の機能的特性の1以上、例えば血清半減期、補体固定、Fc受容体結合および/またはエフェクター機能(例えば、抗原依存性細胞傷害性)の1以上を変化させるために操作(改変)されうる。更に、本明細書に開示されている抗体およびその抗原結合性フラグメントは化学的に修飾可能であり(例えば、1以上の化学的部分が抗体に結合可能である)、あるいは、再び抗体の機能的特性の1以上を改変するために、そのグリコシル化を改変するように修飾されうる。これらの実施形態のそれぞれは後記に更に詳細に記載されている。Fc領域内の残基の番号付けはKabatのEUインデックスのものである。
【0303】
本明細書に開示されている抗体はまた、改変されたエフェクター機能をもたらすための修飾(または遮断)されたFc領域を有する抗体をも含む。例えば、米国特許第5,624,821号;WO2003/086310;WO2005/120571;WO2006/0057702を参照されたい。そのような修飾は、診断および療法における可能な有益な効果を伴って、免疫系の種々の反応を増強または抑制するために用いられうる。Fc領域の改変には、アミノ酸変化(置換、欠失および挿入)、グリコシル化または脱グリコシル化および複数のFcの付加が含まれる。Fcに対する変化はまた、治療用抗体における抗体の半減期を改変することが可能であり、投与回数の減少ならびにそれによる便利さの向上および物資の使用の減少を可能にする。Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731,p.734-35を参照されたい。
【0304】
1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、エフェクター機能を低減/除去する2つのアミノ酸置換、すなわち、L234AおよびL235A(「LALA」突然変異と称されることもある)で修飾される。もう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、エフェクター機能を低減/除去する3つのアミノ酸置換、すなわち、L234A、L235AおよびD265Sで修飾される。更にもう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、血清中の抗体の半減期を増加させる3つのアミノ酸置換、すなわち、M252Y、S254TおよびT256Eで修飾される。更にもう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、エフェクター機能を低減/除去し血清中の抗体の半減期を増加させる5つのアミノ酸置換、すなわち、L234A、L235A、M252Y、S254TおよびT256Eで修飾される。更にもう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、エフェクター機能を低減/除去し血清中の抗体の半減期を増加させる6つのアミノ酸置換、すなわち、L234A、L235A、D265S、M252Y、S254TおよびT256Eで修飾される。もう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、グリコシル化部位を除去しエフェクター機能を低減/除去するアミノ酸置換N297Aで修飾される。更にもう1つの実施形態においては、ヒト野生型IgG1の定常ドメイン(CH1-ヒンジ-CH2-CH3)が、グリコシル化部位を除去しエフェクター機能を低減/除去するアミノ酸置換N297Qで修飾される。
【0305】
1つの実施形態においては、抗体は、重鎖定常領域のヒンジ領域内の228位に対応するアミノ酸位置におけるセリンからプロリンへの突然変異(S228P;EUインデックス)を含むIgG4アイソタイプ抗体である。この突然変異はヒンジ領域内の重鎖間ジスルフィド架橋の不均一性を排除することが報告されている(Angalら,前掲;241位はKabat番号付け系に基づく)。
【0306】
1つの実施形態においては、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域内のシステイン残基の数が増加または減少するように修飾される。このアプローチは米国特許第5,677,425号に更に詳細に記載されている。CH1のヒンジ領域内のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖および重鎖の集合を促進させるために、または抗体の安定性を増強もしくは低減するために改変される。
【0307】
もう1つの実施形態においては、抗体は、その生物学的半減期を増加させるために修飾される。種々のアプローチが可能である。例えば、米国特許6,277,375号に記載されているとおり、以下の突然変異の1以上が導入されうる:T252L、T254S、T256F。あるいは、米国特許第5,869,046号および第6,121,022号に記載されているとおり、生物学的半減期を増加させるために、抗体は、IgGのFc領域のCH2ドメインの2つのループから取られたサルベージ(salvage)受容体結合性エピトープを含有するようにCH1またはCL領域内で改変されうる。
【0308】
更に他の実施形態においては、抗体のエフェクター機能を改変するために、少なくとも1つのアミノ酸残基を別のアミノ酸残基で置換することにより、Fc領域を改変する。例えば、抗体がエフェクターリガンドに対する改変された親和性(アフィニティ)を有し、親抗体の抗原結合能を保有するように、234、235、236、237、297、318、320および322位のアミノ酸残基から選択される1以上のアミノ酸が別のアミノ酸残基で置換されうる。親和性が改変されるエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分でありうる。このアプローチは米国特許第5,624,821号および第5,648,260号に更に詳細に記載されている。
【0309】
もう1つの実施形態においては、抗体がC1q結合の変化および/または補体依存性細胞傷害性(CDC)の低減もしくは消失を示すように、329、331および332位のアミノ酸残基から選択される1以上のアミノ酸が別のアミノ酸残基で置換されうる。このアプローチは米国特許第6,194,551号に詳細に記載されている。
【0310】
もう1つの実施形態においては、アミノ酸231位および239位における1以上のアミノ酸残基を改変し、それにより、補体を固定する該抗体の能力を改変する。このアプローチはPCT公開WO94/29351に更に詳細に記載されている。
【0311】
更にもう1つの例においては、抗体が抗体依存性細胞傷害性(ADCC)をもたらす能力を増強もしくは低減するために、および/またはFcγ受容体に対する抗体の親和性を低減するために、以下の位置の1以上のアミノ酸を修飾することにより、Fc領域を修飾する:238、239、243、248、249、252、254、255、256、258、264、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438または439位。このアプローチはPCT公開WO 00/42072に更に詳細に記載されている。更に、FcγRI、FcγRII、FcγRIIIおよびFcRnに対するヒトIgG1上の結合部位が位置決定されており、改善した結合を示す変異体が記載されている(Shieldsら(2001)J.Biol.Chem.276:6591-6604を参照されたい)。256、290、298、333、334および339位における特定の突然変異はFcγRIIIへの結合を改善することが示された。また、以下の組合せ突然変異体はFcγRIII結合を改善することが示された:T256A/S298A、S298A/E333A、S298A/K224AおよびS298A/E333A/K334A。
【0312】
1つの実施形態においては、抗体がエフェクター機能をもたらす能力を低減するために、および/または抗炎症特性を増強するために、243および264位のアミノ酸残基を修飾することにより、Fc領域を修飾する。1つの実施形態においては、243および264位のアミノ酸残基をアラニンへと変化させることにより、抗体のFc領域を修飾する。1つの実施形態においては、抗体がエフェクター機能をもたらす能力を低減するために、および/または抗炎症特性を増強するために、243、264、267および328位のアミノ酸残基を修飾することにより、Fc領域を修飾する。
【0313】
更にもう1つの実施形態においては、抗体は特定のグリコシル化パターンを含む。例えば、非グリコシル化抗体が製造されうる(すなわち、抗体はグリコシル化を欠く)。抗体のグリコシル化パターンは、例えば、抗原に対する抗体のアフィニティまたはアビディティを増強するように改変されうる。そのような修飾は、例えば、抗体配列内のグリコシル化部位の1以上を改変することにより達成されうる。例えば、可変領域フレームワークグリコシル化部位の1以上の除去をもたらし、それによりその部位におけるグリコシル化を排除する1以上のアミノ酸置換が施されうる。そのような非グリコシル化は抗原に対する抗体のアフィニティまたはアビディティを増強しうる。例えば、米国特許第5,714,350号および第6,350,861号を参照されたい。
【0314】
グリコシル化パターンが低フコシル化(hypofucosylated)または非フコシル化グリカンを含む抗体も製造されうる。例えば、低フコシル化抗体または非フコシル化抗体は、低減した量のフコシル化残基をグリカン上に有する。抗体は、増加した量の二分岐GlcNac構造を有するグリカンをも含みうる。そのような改変されたグリコシル化パターンは抗体のADCC能を増強することが実証されている。そのような修飾は、例えば、特定のグリコシル化パターンを有する糖タンパク質を産生するようにグリコシル化経路が遺伝的に操作された宿主細胞において抗体を発現させることにより達成されうる。これらの細胞は当技術分野において記載されており、本発明の組換え抗体を発現させて、改変されたグリコシル化を有する抗体を産生させるための宿主細胞として使用されうる。例えば、細胞系Ms704、Ms705およびMs709はフコシルトランスフェラーゼ遺伝子FUT8(α(1,6)-フコシルトランスフェラーゼ)を欠いており、その結果、Ms704、Ms705およびMs709細胞系において発現される抗体はそれらの炭水化物上にフコースを欠いている。Ms704、Ms705およびMs709 FUT8-/-細胞系は、2つの置換ベクターを使用するCHO/DG44細胞におけるFUT8遺伝子の標的化破壊により作製された(米国特許公開第20040110704号およびYamane-Ohnukiら(2004)Biotechnol Bioeng 87:614-22を参照されたい)。もう1つの例としては、EP 1176195は、フコシルトランスフェラーゼをコードする機能的に破壊されたFUT8遺伝子を有する細胞系を記載しており、そのような細胞系において発現される抗体は、α-1,6結合関連酵素を低減または除去することにより、低フコシル化を示す。EP 1,176,195はまた、抗体のFc領域に結合するN-アセチルグルコサミンにフコースを付加するための低い酵素活性を有する、または該酵素活性有さない細胞系、例えば、ラット黒色腫細胞系YB2/0(ATCC CRL 1662)を記載している。PCT公開WO 03/035835は変異体CHO細胞系、Lec13細胞を記載しており、これは、Asn(297)結合炭水化物にフコースを結合させる能力を低減し、また、その宿主細胞において発現される抗体の低フコシル化をもたらした(Shieldsら(2002)J.Biol.Chem.277:26733-26740も参照されたい)。修飾されたグリコシル化プロファイルを有する抗体は、PCT公開WO 06/089231に記載されているとおり、鶏卵内でも製造されうる。あるいは、修飾されたグリコシル化プロファイルを有する抗体は、植物細胞、例えばアオウキクサ(Lemna)において製造されうる(米国特許第7,632,983号)。植物系における抗体の製造方法は米国特許第6,998,267号および第7,388,081号に開示されている。PCT公開WO 99/54342は、糖タンパク質修飾グリコシルトランスフェラーゼ(例えば、β(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnTIII))を発現するように操作された細胞系を記載しており、該操作細胞系において発現される抗体は、抗体のADCC活性の増強をもたらす増加した二分岐GlcNac構造を示す(Umanaら(1999)Nat.Biotech.17:176-180も参照されたい)。
【0315】
あるいは、抗体のフコース残基は、フコシダーゼ酵素を使用して切断除去されうる。例えば、フコシダーゼであるα-L-フコシダーゼはフコシル残基を抗体から除去する(Tarentinoら(1975)Biochem.14:5516-23)。
【0316】
本明細書に開示されている抗体は更に、下等真核宿主細胞、特に真菌宿主細胞、例えば酵母および糸状菌において産生されるものを含み、該細胞は、哺乳類またはヒト様グリコシル化パターンを有する糖タンパク質を産生するように遺伝的に操作されている(例えば、Choiら(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.100:5022-5027;Hamiltonら(2003)Science 301:1244-1246;Hamiltonら(2006)Science 313:1441-1443を参照されたい)。現在使用されている哺乳類細胞系と比較した場合の、これらの遺伝的に修飾された宿主細胞の格別の利点は、該細胞内で製造される糖タンパク質のグリコシル化プロファイルの制御が可能なことであり、その結果、特定のN-グリカン構造が優勢な糖タンパク質の組成物が製造されうる(例えば、米国特許第7,029,872号および米国特許第7,449,308号を参照されたい)。これらの遺伝的に修飾された宿主細胞は、特定のN-グリカン構造を主に有する抗体を製造するために使用されている(例えば、Liら(2006)Nat.Biotechnol.24:210-215を参照されたい)。
【0317】
抗体コンジュゲート
本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントは1以上の作用因子(例えば、ペプチドまたは化学的部分)にコンジュゲート化(結合)されることも可能である。化学的部分は、とりわけ、重合体(ポリマー)、放射性核種または治療用もしくは予防用作用因子でありうる。特定の実施形態においては、化学的部分は、対象の体内の抗体の半減期を増加させる重合体である。適切な重合体には、ポリエチレングリコール(PEG)(例えば、2kDa、5kDa、10kDa、12kDa、20kDa、30kDaまたは40kDaの分子量を有するPEG)、デキストランおよびモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)(これらに限定されるものではない)を包含する親水性重合体が含まれるが、これらに限定されるものではない。Leeら(1999)(Bioconj.Chem.10:973-981)はPEGコンジュゲート化一本鎖抗体を開示している。Wenら,(2001)(Bioconj.Chem.12:545-553)は、放射性金属キレーター(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA))に結合したPEGで抗体をコンジュゲート化することを開示している。
【0318】
本明細書に開示されている抗体および抗原結合性フラグメントは、例えば、その生物学的(例えば、血清)半減期を増加させるために、ペグ化(pegylate)されうる。抗体をペグ化するためには、典型的には、1以上のPEG基が抗体または抗体フラグメントに結合する条件下、抗体またはそのフラグメントを、反応性形態のポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体と反応させる。特定の実施形態においては、ペグ化は、反応性PEG分子(または類似反応性水溶性重合体)とのアルキル化反応またはアシル化反応により行われる。本明細書中で用いる「ポリエチレングリコール」なる語は、他のタンパク質を誘導体化するために使用されているPEGの形態のいずれか、例えばモノ(C1-C10)アルコキシ-またはアリールオキシ-ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール-マレイミドを含むと意図される。特定の実施形態においては、ペグ化されるべき抗体は非グリコシル化抗体である。タンパク質をペグ化するための方法は当技術分野で公知であり、本発明の抗体に適用されうる。例えば、EP 0 154 316およびEP 0 401 384を参照されたい。
【0319】
本明細書に開示されている抗体および抗原結合性フラグメントはまた、以下のものにコンジュゲート化されうる:検出可能な物質、例えば(以下のものを含むが、それらに限定されるものではない)、種々の酵素、例えば(以下のものに限定されるものではない)、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼ;補欠分子族、例えば(以下のものに限定されるものではない)、ストレプトアビジン/ビオチンまたはアビジン/ビオチン;蛍光物質、例えば(以下のものに限定されるものではない)、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリン;発光物質、例えば(以下のものに限定されるものではない)、ルミノール;生物発光物質、例えば(以下のものに限定されるものではない)、ルシフェラーゼ、ルシフェリンまたはエクオリン;化学発光物質、例えば(以下のものに限定されるものではない)、アクリジニウムに基づく化合物またはHALOTAG;放射性物質、例えば(以下のものに限定されるものではない)、ヨウ素(131I、125I、123Iおよび121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112Inおよび111In)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、ガリウム(68Gaおよび67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Snまたは117Sn;種々の陽電子放出断層撮影法を用いる陽電子放出金属;および非放射性常磁性金属イオン。
【0320】
他の実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、融合タンパク質を得るために、異種タンパク質またはポリペプチド(またはその断片、例えば、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100アミノ酸のポリペプチド)に組換え法により融合されること、あるいは化学的にコンジュゲート化(共有結合または非共有結合コンジュゲート化)されることが可能である。特に、本明細書において提供される抗体の抗原結合性フラグメント(例えば、Fabフラグメント、Fcフラグメント、Fvフラグメント、F(ab)2フラグメント、VHドメイン、VH CDR、VLドメインまたはVL CDR)と異種タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドとを含む融合タンパク質を、本明細書において提供する。1つの実施形態においては、抗体が融合される異種タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、例えばニューロン細胞のような特定の細胞型に抗体を標的化するのに有用である。例えば、特定のニューロン細胞型により発現される細胞表面受容体に結合する抗体は、本明細書において提供される修飾抗体に融合またはコンジュゲート化されうる。
【0321】
抗体分子を種々の部分にコンジュゲート化するための当技術分野で公知のいずれかの方法が利用可能であり、それらの方法には、Hunterら(1962)Nature 144:945;Davidら(1974)Biochemistry 13:1014;Painら(1981)J.Immunol.Meth.40:219;およびNygren,J.(1982)Histochem.and Cytochem.30:407に記載されている方法が含まれる。
【0322】
高親和性抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用方法
本開示はまた、本明細書に記載されている高親和性抗タウ-pS413抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用方法を含む。これらの抗体は、タウオパチーの治療、診断もしくはその進行のモニタリング、またはタウオパチーを有する対象の脳内のタウ-pS413の量の低減に使用されうる。
【0323】
1つの態様においては、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供する。
【0324】
更にもう1つの態様においては、タウオパチーを有する対象の脳内のタウ-pS413の量を減少させる方法であって、それを要する対象に、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの有効量を投与することを含む前記方法を提供する。
【0325】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーを治療するための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0326】
更なる追加的な実施形態においては、タウオパチーを有する対象の脳内のタウ-pS413の量を減少させるための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0327】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0328】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療用の医薬の製造のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0329】
更にもう1つの実施形態においては、対象におけるタウオパチーの治療方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【0330】
更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーを有する対象の脳内のタウ-pS413の量を減少させる方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【0331】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0332】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0333】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0334】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0335】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号41のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号42のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号43のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0336】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0337】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0338】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0339】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0340】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号45のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号47のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0341】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0342】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0343】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0344】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0345】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号49のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号50のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号51のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0346】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0347】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0348】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0349】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号25のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号27のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0350】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号55のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号17のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号18のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号19のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0351】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号29のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号30のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号31のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0352】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号33のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号34のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号35のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0353】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号22のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号23のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号37のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号38のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号39のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0354】
もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号86のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号87のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号88のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号83のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号84のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号85のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0355】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号92のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号94のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号89のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号90のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号91のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0356】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号98のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号99のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号100のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号95のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号97のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0357】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号104のアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号105のアミノ酸配列を含むVH-CDR2および配列番号106のアミノ酸配列を含むVH-CDR3、ならびに配列番号101のアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号102のアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号103のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0358】
もう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0359】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0360】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0361】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0362】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0363】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0364】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0365】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0366】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0367】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0368】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0369】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0370】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0371】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0372】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0373】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0374】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0375】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0376】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号28のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0377】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号20のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0378】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号32のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0379】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号36のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0380】
1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を含むVHのVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3、ならびに配列番号40のアミノ酸配列を含むVLのVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含む。
【0381】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0382】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0383】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0384】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0385】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号44のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0386】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0387】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0388】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0389】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0390】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号48のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0391】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0392】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0393】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0394】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0395】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号52のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0396】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0397】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0398】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0399】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号28のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0400】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号56のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号20のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0401】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号32のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0402】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号36のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0403】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号24のアミノ酸配列を有するVH、および配列番号40のアミノ酸配列を有するVLを含む。
【0404】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
【0405】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
【0406】
更にもう1つの実施形態においては、抗体またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与することを含む、対象におけるタウオパチーの治療方法を提供し、ここで、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
【0407】
幾つかの実施形態においては、該方法は、追加的な作用因子を対象に投与することを更に含む。
【0408】
特定の実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントが治療に使用されるのと同じまたは異なる障害を治療するのに有効な作用因子である。幾つかの実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの副作用の1以上を緩和するのに有効な作用因子である。例示的な追加的な作用因子には以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、ガランタミン、ロバスチグミンおよびタクリン)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、アミロイドベータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成長因子(NGF)模倣体またはNGF遺伝子治療、PPARyアゴニスト、HMS-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および他のFGF、ニューロトロフィン(NT)-3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)または異なる抗タウ抗体。
【0409】
前記のそのような併用療法(組合せ療法)は併用投与(この場合、2以上の作用因子が、同一または別個の製剤中に含まれる)および別々の投与を包含し、この場合、抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの投与は、追加的な作用因子および/またはアジュバントの投与の前、それと同時および/またはその後で行われうる。また、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントは、他の介入療法、例えば(以下のものに限定されるものではない)、放射線療法、行動療法、または治療もしくは予防されるべき神経障害に適しており当技術分野で公知である他の療法(例えば、正常な脳機能を回復または確立するための遺伝子治療、遺伝子修飾細胞治療、細胞治療および組織工学を含むバイオテクノロジーを用いる再生医療アプローチ)と組合せて使用されうる。
【0410】
抗タウ-pS413抗体またはそのフラグメントは、タウ-pS413に関する診断アッセイ、例えば、特定のニューロン細胞、脳組織、CSFまたは間質液(ISF)におけるその存在の検出にも有用でありうる。そのような診断方法は種々の疾患の診断または疾患の進行のモニタリングに有用でありうる。
【0411】
例えば、特定の実施形態は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの使用を含むELISAアッセイを含む。
【0412】
例示的な方法は以下の工程を含む:
(a)一次抗体またはその抗原結合性フラグメントで基体(例えば、マイクロタイタープレートウェル、例えばプラスチックプレートの表面)をコーティングすること;
(b)タウ-pS413の存在に関して試験されるべきサンプルを基体に適用すること;
(c)プレートを洗浄して、サンプル中の未結合物質を除去すること;
(d)検出可能な様態で標識された二次抗体(例えば、酵素結合抗体)を適用すること;
(e)基体を洗浄して、未結合標識二次抗体を除去すること;
(f)標識二次抗体が酵素結合体である場合には、蛍光シグナルへと酵素により変換される化学物質を適用すること;および
(g)標識二次抗体の存在を検出すること。
【0413】
本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体は前記の例示的な方法における一次抗体または二次抗体、または一次抗体と二次抗体の両方でありうる。1つの実施形態においては、本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体は一次抗体であり、二次抗体は、タウまたはリン酸化タウに特異的な異なる抗体である。もう1つの実施形態においては、本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体は二次抗体であり、一次抗体は、タウまたはリン酸化タウに特異的な異なる抗体である。
【0414】
もう1つの実施形態においては、標識された抗タウ-pS413抗体はペルオキシダーゼで標識され、これはABTS(例えば、2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸))または3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジンと反応して、検出可能な変色をもたらす。あるいは、標識された抗タウ-pS413抗体は、検出可能な放射性同位体(例えば、3H)で標識され、これは、シンチラントの存在下、シンチレーションカウンターにより検出されうる。
【0415】
本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体はウエスタンブロットまたは免疫-タンパク質ブロット法において使用されうる。
【0416】
例示的な方法は以下の工程を含む:
(1)タウ-pS413またはその断片の存在に関して試験すべき膜または他の固体基体を、本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体またはフラグメントと接触させること;
(2)膜を1回以上洗浄して、未結合抗タウ-pS413抗体またはフラグメントおよび他の未結合物質を除去すること;ならびに
(3)結合した抗タウ-pS413抗体またはフラグメントを検出すること。
【0417】
そのような膜は、例えば、非変性PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動)ゲルまたはSDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動)ゲルにおいてタウ-pS413の存在に関して試験すべきタンパク質が(例えば、該ゲルにおける電気泳動分離の後で)トランスファー(転移)されたニトロセルロースまたはビニル系(例えば、ポリビニリデンフルオリド(PVDF))膜の形態をとりうる。膜を抗タウ-pS413抗体またはフラグメントと接触させる前に、所望により、膜上の非特異的タンパク質結合部位をブロッキング(遮断)するために、膜を例えば脱脂乾燥乳などでブロッキングしてもよい。
【0418】
結合抗体またはフラグメントの検出は、検出可能な様態で標識された二次抗体(抗免疫グロブリン抗体)に該抗体またはフラグメントを結合させ、二次抗体の存在を検出することによるものでありうる。
【0419】
本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体およびその抗原結合性フラグメントは免疫組織化学的方法にも使用されうる。そのような方法は本開示の一部を構成し、例えば、(1)タウ-pS413の存在に関して試験すべき細胞または組織を、本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントと接触させ、(2)該細胞または組織の表面上または内部の抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントを検出することを含む。抗タウ-pS413抗体またはフラグメント自体が検出可能な様態で標識されている場合、それは直接的に検出されうる。あるいは、抗タウ-pS413抗体またはフラグメントは、検出可能な様態で標識された二次抗体に結合可能であり、それを検出する。
【0420】
本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体およびその抗原結合性フラグメントはインビボイメージングにも使用されうる。そのような方法は、放射能標識された抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントを、タウ-pS413の存在に関連したタウオパチーの存在に関して試験すべき患者の体内に注射し、ついで該患者の身体の核イメージングを行って、例えば、脳内のタウ-pS413に結合した高濃度の抗タウ-pS413抗体またはフラグメントを含む部位において、標識された抗タウ-pS413抗体またはフラグメントの存在を検出することを含みうる。
【0421】
イメージング技術には、SPECTイメージング(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)またはPETイメージング(陽電子放出断層撮影)が含まれる。標識には、例えばヨウ素-123(123I)およびテクネチウム-99m(99mTc)(例えば、SPECTイメージングと組合されるもの)、または11C、13N、15Oまたは18F(例えば、PETイメージングと組合されるもの)、またはインジウム-111が含まれる(例えば、Gordonら(2005)International Rev.Neurobiol.67:385-440を参照されたい)。
【0422】
したがって、追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーを診断するための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0423】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの進行をモニターするための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0424】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの診断のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0425】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの進行のモニターのための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの使用を提供する。
【0426】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーを診断するための方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【0427】
更なる追加的な実施形態においては、対象におけるタウオパチーの進行をモニターするための方法における使用のための、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを提供する。
【0428】
幾つかの実施形態においては、対象におけるタウオパチーを診断する方法は、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与し、対象の脳をイメージングすることを含む。
【0429】
他の実施形態においては、対象におけるタウオパチーを診断する方法は、対象からCSFまたはISFのサンプルを得、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを使用する免疫診断アッセイ(例えば、ELISA)を行い、対象がタウオパチーを有するかどうかを決定することを含む。
【0430】
特定の実施形態においては、対象におけるタウオパチーの進行をモニターする方法は、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの有効量を対象に投与し、対象の脳をイメージングすることを含む。
【0431】
他の実施形態においては、対象におけるタウオパチーの進行をモニターする方法は、対象からCSFまたはISFのサンプルを得、本明細書に記載されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントを使用する免疫診断アッセイ(例えば、ELISA)を行い、対象におけるタウオパチーの進行を決定することを含む。
【0432】
本明細書に記載されている種々の方法および使用の幾つかの実施形態においては、タウオパチーは、神経変性疾患、例えば(以下のものを含むが、それらに限定されるものではない)、アルツハイマー病(AD)、皮質基底核変性症(CBD)または皮質基底核症候群(CBS)、進行性核上麻痺、ピック病、嗜銀顆粒性認知症(嗜銀顆粒症)、初老性認知症を伴う多系統タウオパチー(MSTD)、17番染色体に連鎖しパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、神経原線維変化型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)、グリア細胞球状封入体を伴う白質タウオパチー(WMT-GGI)、またはタウ陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(FTLD-タウ)である。1つの実施形態においては、タウオパチーはADである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはCBDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは進行性核上麻痺である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはピック病である。1つの実施形態においては、タウオパチーは嗜銀顆粒性認知症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはMSTDである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTDP-17である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーは神経原線維変化型認知症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはDNTCである。もう1つの実施形態においては、タウオパチーはWMT-GGIである。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはFTLD-タウである。
【0433】
本明細書に記載されている種々の方法および使用の他の実施形態においては、タウオパチーは非神経変性疾患、例えば(以下のものを含むが、それらに限定されるものではない)、感染症、例えば、エコノモ脳炎続発症および亜急性硬化性全脳炎、ならびに外傷誘発性病態、例えばボクサー脳症である。1つの実施形態においては、タウオパチーはエコノモ脳炎続発症である。もう1つの実施形態においては、タウオパチーは亜急性硬化性全脳炎である。更にもう1つの実施形態においては、タウオパチーはボクサー脳症である。
【0434】
核酸、発現ベクター、細胞、および抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの製造方法
また、本明細書に開示されているそのような高親和性抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離された核酸およびベクター、そのような単離された核酸またはベクターを含む細胞(例えば、宿主細胞)およびそのような高親和性抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの製造方法を本明細書において提供する。
【0435】
1つの態様においては、本明細書に開示されている種々のポリペプチドをコードする単離された核酸を提供する。
【0436】
特定の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントのVH(例えば、配列番号44、48、52、56または24)をコードする。幾つかの実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントのVL(例えば、配列番号32、36、40、28または20)をコードする。他の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントのVH(例えば、配列番号44、48、52、56または24)およびVL(例えば、配列番号32、36、40、28または20)をコードする。
【0437】
特定の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの重鎖(例えば、配列番号72、74または76)をコードする。幾つかの実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの軽鎖(例えば、配列番号71、73または75)をコードする。他の実施形態においては、単離された核酸は、本明細書に開示されている種々の抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの重鎖(例えば、配列番号72、74または76)および軽鎖(例えば、配列番号71、73または75)をコードする。
【0438】
1つの実施形態においては、単離された核酸は、表5に開示されているVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3を含むVHドメインをコードする。
【0439】
もう1つの実施形態においては、単離された核酸は、表6に開示されているVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含むVLドメインをコードする。
【0440】
更にもう1つの実施形態においては、単離された核酸は、表5に開示されているVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3を含むVHドメインと、表6に開示されているVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含むVLドメインとをコードする。
【0441】
特定の実施形態においては、単離された核酸は、配列番号107に示されるヌクレオチド配列を含む。もう1つの特定の実施形態においては、単離された核酸は、配列番号108に示されるヌクレオチド配列を含む。
【0442】
更にもう1つの実施形態においては、核酸はシグナル配列を更にコードする。
【0443】
もう1つの態様においては、本明細書に開示されている種々の単離された核酸の1以上を含む発現ベクターを提供し、ここで、核酸は、宿主細胞が発現ベクターでトランスフェクトされた際に宿主細胞により認識される制御配列に機能的に連結されている。
【0444】
更にもう1つの態様においては、本明細書に開示されている種々の単離された核酸または種々の発現ベクターの1以上を含む宿主細胞を提供する。幾つかの実施形態においては、宿主細胞は、本明細書に開示されている種々の単離された核酸の1以上を含む。他の実施形態においては、宿主細胞は、本明細書に開示されている種々の発現ベクターの1以上を含む。
【0445】
更にもう1つの態様においては、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの製造方法であって、該抗体またはその抗原結合性フラグメントをコードする発現ベクターを含む宿主細胞を、該抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下、培地内で培養することを含む前記製造方法を提供する。
【0446】
また、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの製造方法であって、本明細書に開示されている1以上の単離された核酸を含む発現ベクターを、該抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下で発現させることを含む前記製造方法を提供する。
【0447】
更に、本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの製造方法であって、本明細書に開示されている1以上の単離された核酸を、該抗体またはその抗原結合性フラグメントが発現される条件下で発現させることを含む前記製造方法を提供する。
【0448】
本明細書に開示されている抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントの種々の製造方法の特定の実施形態においては、該方法は、該抗原またはその抗原結合性フラグメントを宿主細胞または培地またはインビトロ発現系から単離することを更に含む。
【0449】
本明細書に開示されている抗体またはフラグメントの発現のための宿主として利用可能な哺乳類細胞系は当技術分野でよく知られており、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多数の不死化細胞系を包含する。これらは、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、3T3細胞、HEK-293細胞および多数の他の細胞系を包含する。使用されうる他の細胞系としては、昆虫細胞、例えばSf9細胞、両生類細胞、細菌細胞、植物細胞および真菌細胞が挙げられる。宿主細胞の所望の特性および/または発現される抗体もしくはその抗原結合性フラグメントの所望の特性を達成するために、これらの細胞系のゲノム内に種々の修飾(例えば、グルタミンシンテターゼノックアウト、栄養要求性突然変異など)が導入されうる。
【0450】
重鎖もしくはその抗原結合部分および/または軽鎖もしくはその抗原結合性フラグメントをコードする組換え発現ベクターを哺乳類宿主細胞内に導入する場合、該宿主細胞における該抗体またはその抗原結合性フラグメントの発現、あるいはより好ましくは、該宿主細胞が培養される培地内への該抗体またはその抗原結合性フラグメントの分泌を可能にするのに十分な時間にわたって該宿主細胞を培養することにより、該抗体またはその抗原結合性タンパク質を製造する。
【0451】
抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて培地から回収されうる。
【0452】
一般に、個々の細胞系またはトランスジェニック動物において産生される糖タンパク質は、該細胞系またはトランスジェニック動物において産生される糖タンパク質に特徴的なグリコシル化パターンを有するであろう。したがって、抗体の個々のグリコシル化パターンは、該抗体を製造するために使用される個々の細胞系またはトランスジェニック動物に左右されるであろう。しかし、本明細書において提供される核酸分子によりコードされる、または本明細書において提供されるアミノ酸配列を含む全ての抗体が、該抗体が有しうるグリコシル化パターンに無関係に、本発明を構成する。同様に、特定の実施形態においては、非フコシル化N-グリカンのみを含むグリコシル化パターンを有する抗体が有利でありうる。なぜなら、これらの抗体は、インビトロおよびインビボの両方において、それらのフコシル化対応物より高い効力を典型的に示すことが示されているからである(例えば、Shinkawaら,J.Biol.Chem.278:3466-3473(2003);米国特許第6,946,292号および第7,214,775号を参照されたい)。非フコシル化N-グリカンを有するこれらの抗体は免疫原性でない可能性がある。なぜなら、それらの炭水化物構造は、ヒト血清IgGにおいて存在する集団の正常成分であるからである。
【0453】
医薬組成物および投与
もう1つの態様においては、本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体(例えば、V1-AFM、V2-AFM、V3-AFM、V4-AFM、V5-AFM、V6-AFM、V7-AFMまたはV8-AFMの種々のアイソタイプ)またはその抗原結合性フラグメントと薬学的に許容される担体とを含む組成物を提供する。
【0454】
幾つかの実施形態においては、組成物は追加的な作用因子を更に含む。
【0455】
特定の実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントが治療に使用されるのと同じまたは異なる障害を治療するのに有効な作用因子である。幾つかの実施形態においては、追加的な作用因子は、本明細書に開示されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの副作用の1以上を緩和するのに有効な作用因子である。例示的な追加的な作用因子には以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:コリンエステラーゼインヒビター(例えば、ドネペジル、ガランタミン、ロバスチグミンおよびタクリン)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン)、アミロイドベータペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、ガンマセクレターゼモジュレーター、神経成長因子(NGF)模倣体またはNGF遺伝子治療、PPARγアゴニスト、HMS-CoAレダクターゼインヒビター(スタチン)、アンパキン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体アンタゴニスト、グリコーゲンシンターゼキナーゼインヒビター、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体アゴニスト、ニコチン受容体モジュレーター、免疫化用の能動的または受動的アミロイドベータペプチド、ホスホジエステラーゼインヒビター、セロトニン受容体アンタゴニスト、抗アミロイドベータペプチド抗体、成長ホルモン、神経栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子(NGF)、ニューロトロフィン-4/5、線維芽細胞増殖因子(FGF)-2および他のFGF、ニューロトロフィン(NT)-3、エリスロポエチン(EPO)、肝細胞増殖因子(HGF)、表皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-アルファ、TGF-ベータ、血管内皮増殖因子(VEGF)、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニュールツリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、ヘレグリン、ニューレグリン、アルテミン、パーセフィン、インターロイキン、グリア細胞株由来神経栄養因子(GFR)、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)、顆粒球マクロファージ-CSF、ネトリン、カーディオトロフィン-1、ヘッジホッグ、白血病抑制因子(LIF)、ミッドカイン、プレイオトロフィン、骨形成タンパク質(BMP)、ネトリン、サポシン、セマフォリン、幹細胞因子(SCF)または異なる抗タウ抗体。
【0456】
本明細書に記載されている抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントの医薬組成物または無菌組成物を製造するために、該抗体またはその抗原結合性フラグメントを薬学的に許容される担体または賦形剤と混合する。例えば、Remington’s Pharmaceutical SciencesおよびU.S.Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参照されたい。
【0457】
治療用および診断用物質の製剤は、例えば凍結乾燥粉末、スラリー、水性の溶液または懸濁液の形態で、許容される担体、賦形剤または安定剤と混合することにより製造されうる(例えば、Hardmanら(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill,New York,NY;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,WilliamsおよびWilkins,New York,NY;Avisら(編)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;WeinerおよびKotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,NYを参照されたい)。
【0458】
単独で又は別の作用因子と組合せて投与される抗体組成物の毒性および治療効力は、例えばLD50(集団の50%に致死的である用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効である用量)を決定するための、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手法により決定されうる。毒性効果と治療効果との用量比は治療係数(LD50/ED50)である。特定の態様においては、高い治療係数を示す抗体が望ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投与量の範囲の決定において使用されうる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性をほとんど又は全く伴わないED50を含む循環濃度の範囲内である。該投与量は、使用される剤形および投与経路に応じて、この範囲内で変動しうる。
【0459】
もう1つの実施形態においては、本明細書に開示されている抗体または抗体フラグメントを、Physicians’Desk Reference 2003(Thomson Healthcare;57th edition(2002年11月1日))に従い、対象に投与する。
【0460】
投与様式は様々でありうる。適切な投与経路には、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口、筋肉内、皮下、皮内、髄内、髄腔内、直接心室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼内、吸入、吹送、局所、皮膚、経皮または動脈内が含まれる。
【0461】
特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントは例えば注射のような侵襲的経路により投与されうる(前記を参照されたい)。本発明の追加的な実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は静脈内、皮下、髄腔内、筋肉内または脳内に投与される。1つの特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は静脈内に投与される。もう1つの特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は皮下に投与される。更にもう1つの特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は髄腔内に投与される。更にもう1つの特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は筋肉内に投与される。更にもう1つの特定の実施形態においては、抗タウ-pS413抗体もしくはその抗原結合性フラグメントまたはその医薬組成物は脳内に投与される。
【0462】
組成物は、当技術分野で公知の医療装置を使用して投与されうる。例えば、本発明の医薬組成物は、例えば予充填(プレフィルド)シリンジまたは自動注射器を含む皮下注射針を使用する注射により投与されうる。
【0463】
本明細書に開示されている医薬組成物は注入によっても投与されうる。
【0464】
投与レジメンは、治療用抗体の血清または組織代謝回転速度、血液脳関門を通過する治療用抗体の割合、症状の程度、治療用抗体の免疫原性、および生物学的マトリックスにおける標的細胞の接近可能性を含む幾つかの要因に左右される。好ましくは、投与レジメンは、望ましくない副作用を最小にすると同時に標的病態の改善をもたらす十分な治療用抗体を運搬する。したがって、運搬される生物学的物質の量は、部分的には、個々の治療用抗体および治療される状態の重症度に左右される。治療用抗体の適切な用量を選択する際の指針が利用可能である(例えば、Wawrzynczak(1996)Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK;Kresina(編)(1991)Monoclonal Antibodies,Cytokines and Arthritis,Marcel Dekker,New York,NY;Bach(編)(1993)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases,Marcel Dekker,New York,NY;Baertら(2003)New Engl.J.Med.348:601-608;Milgromら(1999)New Engl.J.Med.341:1966-1973;Slamonら(2001)New Engl.J.Med.344:783-792;Beniaminovitzら(2000)New Engl.J.Med.342:613-619;Ghoshら(2003)New Engl.J.Med.348:24-32;Lipskyら(2000)New Engl.J.Med.343:1594-1602を参照されたい)。
【0465】
適切な用量の決定は、例えば、治療に影響を及ぼすことが当技術分野で知られている又は疑われているパラメータまたは因子を用いて、臨床家によりなされる。一般に、用量は最適用量より幾分少ない量から開始し、ついで、負の副作用と比較して所望または最適効果が得られるまで、それを少しずつ増量する。一般に、使用される生物学的物質は、治療のために標的化される動物と同じ種に由来し、それにより、薬剤に対する免疫応答が最小となることが望ましい。ヒト対象の場合には、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト抗体が望ましいかもしれない。
【0466】
既に記載されているとおり、抗タウ-pS413抗体またはその抗原結合性フラグメントは1以上の追加的な作用因子と共投与されうる。抗体は(免疫複合体として)作用因子に連結されることが可能であり、あるいは作用因子(一定用量)とは別に投与されうる。後者(別々の投与)の場合、抗体は作用因子の前、後またはそれと同時に投与されることが可能であり、あるいは他の公知療法と共投与されうる。
【0467】
キット
また、適切なパッケージング材(包装梱包材)内にパッケージングされた本明細書において提供される抗体(例えば、抗タウ-pS413抗体)またはその組成物(例えば、医薬組成物)を含むキットを本明細書において提供する。キットは、所望により、成分の記載、またはそれにおける成分のインビトロ、インビボもしくはエクスビボでの使用のための説明を含むラベルまたはパッケージング・インサート(添付文書)を含んでいてもよい。
【0468】
「パッケージング材」なる語は、キットの成分を収容する物理的構造を意味する。パッケージング材は成分を無菌状態に保つことが可能であり、そのような目的に一般に使用される材料(例えば、紙、段ボール、ガラス、プラスチック、ホイル、アンプル、バイアル、チューブなど)から構成されうる。
【0469】
本明細書において提供されるキットはラベルまたはインサートを含みうる。ラベルまたはインサートには、「印刷物」、例えば紙またはボール紙が含まれ、これは、別個であるか、または成分、キットもしくはパッケージング材(例えば、箱)に添付されており、あるいは、例えば、キット成分を含有するアンプル、チューブまたはバイアルに付属している。ラベルまたはインサートには更に、コンピュータ可読媒体、例えば、ディスク(例えば、ハードディスク、カード、メモリディスク)、光学ディスク、例えばCD-もしくはDVD-ROM/RAM、DVD、MP3、磁気テープ、または電気的記憶媒体、例えばRAMおよびROM、またはこれらのハイブリッド、例えば磁気/光学記憶媒体、FLASH(フラッシュ)メディアまたはメモリ式カードが含まれうる。ラベルまたはインサートは製造者の情報、ロット番号、製造者の所在地および日付を特定する情報を含みうる。
【0470】
本明細書において提供されるキットは他の成分を更に含みうる。キットの各成分は個別の容器内に封入されることが可能であり、種々の容器の全てが単一パッケージ内に配置されうる。また、キットは冷蔵保管用に設計されうる。キットは更に、本明細書において提供される抗体を含有するように、または本明細書において提供される抗体をコードする核酸を含む細胞を含有するように設計されうる。キット内の細胞は、使用準備が整うまで適切な保管条件下で維持されうる。
【0471】
一般的方法
分子生物学における標準的な方法は、Sambrook,FritschおよびManiatis(1982 & 1989 2nd Edition,2001 3rd Edition)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning,3rded,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Wu(1993)Recombinant DNA,Vol.217,Academic Press,San Diego,CA.に記載されている。標準的な方法は、Ausbelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology,VoIs.1-4,John Wiley and Sons,Inc.New York,NYにも記載されており、これは、細菌細胞におけるクローニングおよびDNA突然変異誘発(Vol.1)、哺乳類細胞および酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質およびタンパク質発現(Vol.3)、ならびにバイオインフォマティクス(Vol.4)を記載している。
【0472】
免疫沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離および結晶化を含むタンパク質精製のための方法が記載されている(Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York)。化学分析、化学修飾、翻訳後修飾、融合タンパク質の製造、タンパク質のグリコシル化が記載されている(例えば、Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.2,John Wiley and Sons,Inc.,New York;Ausubelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.3,John Wiley and Sons,Inc.,NY,NY,pp.16.0.5-16.22.17;Sigma-Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research,St.Louis,MO;pp.45-89;Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory,Piscataway,N.J.,pp.384-391を参照されたい)。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の製造、精製およびフラグメント化が記載されている(Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York;HarlowおよびLane(1999)Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;HarlowおよびLane,前掲)。リガンド/受容体相互作用を特徴づけるための標準的な技術が利用可能である(例えば、Coliganら(2001)Current Protcols in Immunology,Vol.4,John Wiley,Inc.,New Yorkを参照されたい)。
【0473】
モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体およびヒト化抗体は製造可能である(例えば、SheperdおよびDean(編)(2000)Monoclonal Antibodies,Oxford Univ.Press,New York,NY;KontermannおよびDubel(編)(2001)Antibody Engineering,Springer-Verlag,New York;HarlowおよびLane(1988)Antibodies A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,pp.139-243;Carpenterら(2000)J.Immunol.165:6205;Heら(1998)J.Immunol.160:1029;Tangら(1999)J.Biol.Chem.274:27371-27378;Bacaら(1997)J.Biol.Chem.272:10678-10684;Chothiaら(1989)Nature 342:877-883;FooteおよびWinter(1992)J.Mol.Biol.224:487-499;米国特許第6,329,511号を参照されたい)。
【0474】
ヒト化に代わる手段は、ファージ上で提示されるヒト抗体ライブラリー、またはトランスジェニックマウスにおけるヒト抗体ライブラリーを使用することである(Vaughanら(1996)Nature Biotechnol.14:309-314;Barbas(1995)Nature Medicine 1:837-839;Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146-156;HoogenboomおよびChames(2000)Immunol.Today 21:371-377;Barbasら(2001)Phage Display:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Kayら(1996)Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual,Academic Press,San Diego,CA;de Bruinら(1999)Nature Biotechnol.17:397-399)。
【0475】
蛍光標識細胞分取検出系(FACS)を含むフローサイトメトリーのための方法が利用可能である(例えば、Owensら(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,NJ;Givan(2001)Flow Cytometry,2nd ed.;Wiley-Liss,Hoboken,NJ;Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,NJを参照されたい)。例えば診断試薬としての使用のための、核酸プライマーおよびプローブを含む核酸、ポリペプチドならびに抗体を修飾するのに適した蛍光試薬が利用可能である(Molecular Probes(2003)Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR;Sigma-Aldrich(2003)Catalogue,St.Louis,MO)。
【0476】
免疫系の標準的な組織学的方法が記載されている(例えば、Muller-Harmelink(編)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology,Springer Verlag,New York,NY;Hiattら(2000)Color Atlas of Histology,Lippincott,Williams,and Wilkins,Phila,PA;Louisら(2002)Basic Histology:Text and Atlas,McGraw-Hill,New York,NYを参照されたい)。
【0477】
例えば抗原フラグメント、リーダー配列、タンパク質フォールディング、機能的ドメイン、グリコシル化部位および配列アライメントを決定するためのソフトウェアパッケージおよびデータベースが利用可能である(例えば、GenBank,Vector NTI(登録商標)Suite(Informax,Inc,Bethesda,MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc.,San Diego,CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.,Crystal Bay,Nevada);Menneら(2000)Bioinformatics 16:741-742;Menneら(2000)Bioinformatics Applications Note 16:741-742;Wrenら(2002)Comput.Methods Programs Biomed.68:177-181;von Heijne(1983)Eur.J.Biochem.133:17-21;von Heijne(1986)Nucleic Acids Res.14:4683-4690を参照されたい)。
【0478】
実施例1.親和性成熟および点突然変異
HmzTa1505-hIgG4-S228Pは、マウス親抗体Ta1505-mIgG2aから作製されたヒト化抗体であり、その詳細はWO 2018/254390に記載されている。
【0479】
HmzTa1505-hIgG4-S228Pの親和性成熟を、構造に基づいて設計された親和性成熟ライブラリーの酵母ディスプレイスクリーニングにより行った。溶媒露出重鎖および軽鎖CDR残基に対するDNAレベルでの79:7:7:7の非等モルの(ドープされた)部分的にランダムな突然変異の導入を伴うapo Ta1505 Fab結晶構造により、ライブラリーの設計を誘導した。3つの初期ライブラリーを作製し、スクリーニングした。ライブラリーはCDR-H1/H2(合計9残基)、CDR-H3(合計8残基)およびCDR-VL(合計12残基)における突然変異からなるものであった。ビオチン化タウ-pS413ペプチドおよび抗カッパ軽鎖で標識された酵母細胞のFACSソーティングを用いて、ホスホ特異性を維持する一方で親和性の増強を示すリード(lead)を単離した。ついで、初期ライブラリーからのFACSソート出力を、相乗的改善のための最終的な組合せVH/VL酵母ディスプレイライブラリーを得るために組合せ、同様にスクリーニングした。組合されたライブラリーからの30個のヒットをhIgG4-S228Pアイソタイプに対してリフォーマット(reformat)し、組換え製造し、ついでBiacoreおよびタンパク質分析に付した。最高のヒットの1つはV1-AFM-hIgG4-S228Pであり、これは、HmzTa1505-hIgG4-S228Pと比較して、AD患者の脳脊髄液(CSF)におけるリン酸化タウへの結合における40倍を超える改善および1価親和性における10倍の改善を示した(表8を参照されたい)。
【0480】
親和性成熟の最高ヒットからのVHまたはVLを切り替えて(スイッチして)、別の最高ヒットのVLまたはVHとマッチさせて、より多くの抗体変異体を作製した。
【0481】
親和性を維持または改善する一方で等電点(pI)を低下させる突然変異を特定することを目的として、種々のVHにおける追加的な突然変異(K54EまたはK54D)を、構造に基づく設計により特定した。該設計は、タウ-pS413ペプチドに結合したTa1505 Fabの共結晶計算(computational)飽和突然変異誘発により誘導した。
【0482】
例えば、V1-AFMのVHへのK54Eの付加はV6-AFMを与えた。V6-AFM-hIgG1-LALA-YTEは、V1-AFM-hIgG1-LALA-YTE(pI=8.87)と比較して低いpI(8.54)を示した。V1-AFMと比較して、V6-AFMは、試験した3つ全てのアイソタイプ(hIgG1-LALA、hIgG1-LALA-YTEおよびhIgG4-S228P)に関して、タウ-pS413に対する1価親和性の改善を示した(表8を参照されたい)。驚くべきことに、V6-AFMは、V1-AFMと比較して、IgG1-LALAアイソタイプ(データ非表示)およびIgG1-LALA-YTEアイソタイプ(
図6)に関して、抗体分子の産生の改善さえも示した。
【0483】
もう1つの実施形態においては、V2-AFMのVHにおけるK54E突然変異をK54Dで置換した。V2-AFMのVHの54位にKを有する参照抗体(pI=8.28)と比較して、54位のE突然変異とD突然変異との両方はpIを7.58へと低下させた。また、K54E突然変異およびK54D突然変異は参照抗体のKDをそれぞれ1.9倍および1.4倍増加させた。
【0484】
最後に、異なる重鎖アイソタイプ定常領域(例えば、IgG1、IgG1-LALA、IgG1-LALA-YTE、IgG4、IgG4-S228P)を種々の例示的抗体のVHに付加した。
【0485】
作製した例示的抗体を表4に記載する。種々のVHおよびVH-CDR(Kabat番号付け系により定義される)の対応配列番号を表5に示し、種々のVLおよびVL-CDR(Kabat番号付け系により定義される)の配列番号を表4に示す。異なるCDR番号付け系が抗体におけるCDRの配列にどのような影響を及ぼすのかを説明するために、一般的に用いられる番号付け系により定義されたV8-AFMのCDRを表7に示す。
【表4】
【0486】
【0487】
【0488】
【0489】
例示的VH間の配列アライメントを
図1Aに示し、例示的VL間の配列アライメントを
図1Bに示す。
【0490】
実施例2.表面プラズモン共鳴(SPR)によるタウ-pS413ペプチドに対する結合親和性の決定
SPRアッセイを用いて、タウ-pS413ペプチド(配列番号109)に対するmAbの1価結合親和性を決定した。抗体をそれぞれ約1000RUでCM5センサーチップにアミンカップリングさせた。3mM EDTAおよび0.05% Tween-20(pH7.4)を含有するHBS-EPランニングバッファーを使用して、結合アッセイを行った。滴定濃度(HmzTa1505-hIgG4-S228Pでは200nM上限、他の全てのmAbでは80nM上限、6点、2.5倍希釈系列および2つのゼロ)のタウ-pS413ペプチドを固定化mAb上に注入した。各注射ごとに、タウ-pS413ペプチドを180秒間会合させ、ついで900秒間解離させた。各サンプル注入後、20mM 酢酸ナトリウム(pH3.5)を60秒間注入して、後続注入のために表面を再生させた。全てのアッセイはBiacore T200および/または4000装置(GE Healthcare)において行い、データは、Biaevaluationソフトウェアを使用して1:1結合モデルにフィットさせた。結合速度定数および解離速度定数から、KD=koff/konとして、親和性を計算した。
【0491】
全てのmAbがタウ-pS413ペプチドに結合した(表8)。全ての親和性成熟抗体変異体(V1-AFM~V8-AFM)が、HmzTa1505-hIgG4-S228Pと比較して約2倍から約30倍の親和性増強を示した。
【0492】
【0493】
実施例3.高親和性抗タウ-pS413抗体は、セリン413においてリン酸化されたタウペプチドに特異的に結合する
本明細書に記載されている高親和性抗体の結合特異性をペプチド被覆ELISAにより種々のタウペプチドで評価した。PBS溶液中の50μlの1μg/ml ペプチド69AXY、70AXY、74AXY、84AWK、25AWFまたは24AWFでプレートを4℃で一晩コーティングした。翌日、プレートを3回洗浄し、200μlのスーパーブロックで室温で1時間ブロッキングし、ついで再び3回洗浄した。10μg/mlから開始する、ELISAバッファー中の1:5系列希釈で、抗体を希釈した。プレートを50μlの系列希釈抗体と共に室温で1時間インキュベートし、3回洗浄した。ついで、ELISAバッファー中で1:3000希釈された50μlのヤギ抗マウスIgG-HRP(Southern Biotech,cat#1030-05)またはヤギ抗ヒトIgG-HRP(Jackson Immunologics,cat#109-036-0980)と共に、プレートを室温で45分間インキュベートし、5回洗浄し、ついでABTSで室温で5分間発色させ、OD 405nMで読み取った。
【0494】
例示的な抗体(V8-AFM-IgG1-LALA、V8-AFM-IgG1-LALA-YTE、V8-AFM-IgG4-S228P、V5-AFM-IgG4-S228P)の結合を
図2A~2Fに示す。例えば、それらは全て、リン酸化セリン413を有するタウペプチド[PD17(p)PS413(24AWF)、配列番号77]には特異的に結合するが(
図2A)、リン酸化セリン413を有さない同じペプチド[PD17(25AWF)、配列番号78]には結合しない(
図2B)。また、それらは、セリン413以外の位置でリン酸化されたペプチド、例えばpS396/400/404GC(84AWK、配列番号79)、pT212/pS214GC(69AXY、配列番号80)、T-pT217GC(70AXY、配列番号82)またはpSer412Cys(74AXY、配列番号81)には結合しない(
図2C~2F)。対照抗体である、RSVに対するヒト化抗体は、試験されたペプチドのいずれにも結合しない(
図2A~2F)。
【0495】
実施例4.pH6およびpH7.4におけるFcRnに対する高親和性抗タウ-pS413抗体の結合親和性
SPRアッセイを用いて、pH6.0および7.4におけるヒトFcRnおよびカニクイザル(cyno)FcRnに対する本明細書に記載されている高親和性抗体の結合親和性を決定した。抗ヒトカッパ抗体をCM5チップにアミンカップリングさせた。各抗体を200~300RUに捕捉した。pH6.0または7.4に調整された0.05% Tween-20を含有するPBSランニングバッファーを使用して、結合アッセイを行った。また、アッセイ用の対応pHバッファーを使用して、滴定サンプルを調製した。滴定濃度(1200nM上限、6点、3倍希釈系列および2つのゼロ)のヒトFcRnまたはカニクイザルFcRnを捕捉mAb上に注入した。各サンプル注入後、10mM グリシン(pH1.5)の2回の30秒間の注入、および10mM NaOHの12秒間の注入を行って、後続の抗体捕捉および注入のために表面を再生させた。全てのアッセイはBiacoreT200および/または4000装置(GE Healthcare)において行い、データは、Biaevaluationソフトウェアを使用して定常状態近似モデルにフィットさせた。pH6.0における親和性を、定常状態近似における半最大結合シグナルの濃度に相当するものとして計算した(表9)。予想どおり、pH7.4においては結合は検出不可能であった(データ非表示)。
【0496】
pH6.0における高親和性抗タウ-pS413抗体に対する親和性はFcRnに関する典型的な範囲内であった。YTE突然変異により、V8-AFM-IgG1-LALA-YTEはヒトFcRnおよびカニクイザルFcRnに対してそれぞれ約6.5倍および約11倍高い親和性を示した(表9)。
【0497】
【0498】
実施例5.競合ELISAによるAD患者および前臨床モデルからの脳ホモジネートおよびCSFサンプルに対する高親和性抗タウ-pS413抗体の結合親和性
内因性タウ種に対する本明細書に記載されている種々の抗タウ-pS413抗体の結合親和性をAD患者および前臨床モデルからの脳ホモジネートおよびCSFサンプルにおいて決定した。簡潔に説明すると、サンプルを種々の濃度の種々の抗タウ-pS413抗体またはそれぞれのアイソタイプ対照と共にプレインキュベートした。1時間のプレインキュベーション時間の後、抗原-抗体(Ag-Ab)混合物を、全タウ捕捉抗体(Innotest ELISAキット)でプレコートされたプレートに加えた。ついで脳ホモジネートまたはCSFサンプル中の非結合(「遊離」)タウ-pS413をビオチン化Ta1505-mIgG2a抗体により検出した。
【0499】
P2抽出物(画分)を以下のとおりに調製した。10グラムの前頭前皮質組織(ABS Inc)を、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビター(Pierce)の存在下、人工CSFバッファー(aCSF:119mM NaCl、2.5mM KCl、1mM NaH2PO4、1.3mM MgSO4、2.5mM CaCl2、26mM NaHCO3、11mM グルコース、10mM HEPES、pH7.4および滅菌水)に、組織/バッファー 1:5(w/v)の希釈度で浸した。組織をGentleMACS Dissociatorによりホモジナイズした。細胞溶解した組織を4℃、3000gで20分間遠心分離した。上清をポリカーボネート50ml遠心管に移し、4℃、27,000gで20分間遠心した。上清を集め(S1画分)、更に、4℃、150,000gで20分間遠心分離した。ペレットを、プロテアーゼおよびホスファターゼインヒビターを含有するaCSFバッファーにP2画分として再懸濁させ、プローブソニケーターを使用して数秒間超音波処理した。P2画分の濃度をBCAタンパク質アッセイ(Pierce)により測定し、P2画分をアリコート化(分注)し、-80℃で保存した。
【0500】
図3Aは、mAbの濃度の増加によるAD脳ホモジネートのP2抽出物中の「遊離」非結合抗原レベルの減少を示す生データを示しているが、アイソタイプ対照の場合にはそのような減少は示されない。
図3Bは、プロファイリングされたmAbの占有EC50を計算するためにアイソタイプ対照hIgG OD値(「合計」)の吸光度(OD)値(「合計」)を試験mAb(「遊離」)から差し引いて正規化した変換データを示す(表10)。これらの研究は、代表的な高親和性抗タウ-pS413抗体が、HmzTa1505-hIgG4-S228Pよりも有意に高い親和性で、AD脳ホモジネートに同等に結合することを示している。
【0501】
【0502】
本明細書に記載されている高親和性抗タウ-pS413抗体はまた、突然変異タウマウスからの脳ホモジネートにおける(rTg(tauP301L)4510)(Ramsden Mら,2005,J.Neurosci.25(46)10637-10647)、ならびに死後AD患者およびアフリカミドリザルからのCSFにおけるタウ種にも結合する。タウを含む不溶性タンパク質を富化するために、幾つかの高速遠心分離工程により、1% サルコシルバッファーを使用して組織ホモジネートを調製した。タウ突然変異マウスのCSFにおいては、体積が限られていたため、結合尺度を評価することができなかった。種々の生物学的試料における内因性タウに対するHmzTa1505-hIgG4-S228PおよびV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの「有効」な結合効力は、標準体として使用される組換えリン酸化タウタンパク質単量体に対するそれぞれの効力より約2倍~約10倍高い(表11)。これらの結果は、抗タウ-pS413抗体が標的タウ種に対するアビディティ成分と結合することを示唆している。これらの生物学的タウ種に対するV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの結合能もHmzTa1505-hIgG4-S228Pのものより約30~約200倍高い(表11)。
【0503】
【0504】
実施例6.hu-iPSCニューロンにおける播種アッセイの中和のインビトロ細胞効力
疾患細胞系におけるHmzTa1505-hIgG4-S228Pならびに代表的な高親和性抗体V1-AFM-hIgG4-S228PおよびV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの活性を評価し比較するために、AD患者の脳ホモジネートからの(P2)抽出物を使用して、タウ病理播種のモデルをヒトiPSC由来ニューロンにおいて開発した。この中和アッセイは、hu-iPSCニューロン培養においてP2抽出物を播種する前に、タウ抗体またはアイソタイプ対照を使用して、P2 AD脳ホモジネートからタウ種を免疫枯渇させることからなるものであった。P2抽出物の全タンパク質4μgを、タウ抗体またはアイソタイプ対照の種々の濃度のmAbまたは対応アイソタイプ対照(3nM~3pM)と共に4時間プレインキュベーションした後、DynabeadsプロテインGを使用して免疫枯渇を行った。処置の5日後、病的タウコンフォメーションに特異的なタウmAbであるMC1抗体(Department of Pathology,Albert Einstein College of MedicineのPeter Davies博士により提供された)でニューロンを免疫染色した。MC1抗体の免疫染色に基づくハイコンテントイメージ分析でタウ病理を定量した(
図4Dにおける代表的イメージ)。この中和アッセイは、hiPSCニューロンにおいてP2抽出物を播種する前に、HmzTa1505-hIgG4-S228P、V1-AFM-hIgG4-S228P、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEまたは対応アイソタイプ対照を使用して、P2抽出物からタウ種を免疫枯渇させることからなる(
図4Aの概要図に記載されているとおり)。
【0505】
HmzTa1505-hIgG4-S228P、V1-AFM-hIgG4-S228PまたはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEでの全タウ(Tau5/HT7抗体ペア、
図4C)またはタウ-pS413種(pTa1505 IgG2a/HT7抗体ペア、
図4B)の免疫枯渇の成功を確認するために、免疫枯渇サンプルをAlphaLISA(登録商標)アッセイにおいて試験した。簡潔に説明すると、免疫枯渇サンプルをHT7(Thermofisher)アクセプター・ビーズ(最終濃度20μg/mL)およびタウ(Tau)5(Thermofisher)またはTa1505ビオチン化抗体(0.6μg/mL)と共にイムノアッセイバッファー中で室温で2時間インキュベートした。ついでストレプトアビジン・ドナー・ビーズ(最終濃度40μg/mL)をプレートに加え、穏やかに振盪しながら室温で更に1時間インキュベートし、ついでプレートをEnvisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で読み取った。結果は、3nMのHmzTa1505-hIgG4-S228Pと比較した場合の0.1nMの高親和性変異体V1-AFM-hIgG4-S228PまたはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEで得られたタウ-pS413種の70~90%および全タウ種の50%の有効なプルダウン(引き落とし;低減)を示した(
図4Bおよび4C)。
【0506】
処置の5日後、ニューロンをMC1抗体で免疫染色した。ハイコンテントイメージ分析は、HmzTa1505-hIgG4-S228P、V1-AFM-hIgG4-S228PまたはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEでの中和がニューロンにおけるMC1タウ病態を有意に低減することを示した。しかし、3nMのHmzTa1505-hIgG4-S228Pの場合と比較して、0.1nMの高親和性変異体V1-AFM-hIgG4-S228PまたはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEでは、タウ病態の約70~90%の最大抑制が観察された(
図4E)。これらの結果は、抗タウ-pS413 mAbが、AD患者の脳に見られる毒性タウ種を有効に認識しうることを示している。また、高親和性変異体V1-AFM-hIgG4-S228PおよびV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEは、ヒト神経細胞モデルにおけるタウ病態の誘発における毒性タウ種の効果を中和するのにHmzTa1505-hIgG4-S228Pよりも30倍強力である。
【0507】
実施例7.タウトランスジェニックマウスを使用したAD由来タウ海馬注射モデルにおける抗タウ-pS413抗体の有効性
先行研究は、Ta1505-mIgG2aの投与後のタウ病態の有意な低減を、用量増加に伴う病態の低減傾向と共に示した(WO 2018/254390を参照されたい)。この研究の目的は、AD P2脳抽出物に対する40倍の結合効力の増強を示した(AFM-mIgG1に関しては0.013nM、一方、pTa1505に関しては0.51nM;データ非表示)マウス化高親和性抗タウ-pS413抗体(例えば、V8-AFM-mIgG1)が、親抗体より低い用量でタウ病態を低減しうるかどうかを決定することであった。インビボ播種モデルを使用して、タウ病態の発生に対するTa1505-mIgG1(40mg/kg、10mg/kg、5mg/kg)、V8-AFM-mIgG1(40mg/kg、10mg/kg、5mg/kg、1mg/kg)またはmIgG1アイソタイプ対照(40mg/kg)の効果を評価した。抗体処置後、rTg(tauP301L)4510マウス(Car:Car)からのサルコシル不溶性(SI)タウ調製物をTg4510マウス(WT:Car)マウスの海馬内に注射して、注射部位周辺のタウ病態の伝播および他の脳領域への広がりを誘発した。ついでマウスを抗体注射で毎週処置した。初回投与の30日後、動物を剖検し、アミノ酸位置S202およびT205において過リン酸化されたタウに関して脳組織を染色した(1:1500希釈度のAT-8が発色染色で示された)。海馬の注入領域においてタウ病態を評価した。各動物の海馬の7つの断片を、面積当たりの陽性染色の割合(%)に関して、Haloソフトウェアにより定量した。
【0508】
図5は、高用量のV8-AFM-mIgG1およびTa1505-mIgG1の両方による病態の低減、ならびに同側海馬におけるタウ病態の用量応答低減の傾向を示した。V8-AFM-mIgG1の投与はタウ病態の有意に良好な低減を示さなかったが、V8-AFM-mIgG1群では、薬物曝露が予想外に低かった。特に、各用量レベルに関して、V8-AFM-mIgG1群はTa1505-mIgG1群より20倍低いPKレベルを示した(表12)。結果として、有効用量を直接比較することはできなかった。しかし、40mg/kgの用量で、V8-AFM-mIgG1群に関しては、約300nMの血漿レベルで、35%の病態低減が観察されたが、Ta1505-mIgG1に関しては、20倍高い血漿曝露で、45%の低減が観察された(表13)。このことは高親和性変異体V8-AFM-mIgG1の効力の増強を示唆している。
【0509】
【0510】
【0511】
実施例8.健常ボランティアおよびAD患者からのCSFサンプルにおける抗タウ-pS413抗体による標的関与のエクスビボ検出
Meso Scale Discovery S-Plexプラットフォームでの超高感度電気化学発光(ECL)アッセイは、ヒトCSF中のタウ-pS413のベースラインレベルと、タウ-pS413特異的抗体の存在下の遊離(すなわち、結合していない)タウ-pS413とを測定するために開発された。抗タウ-pS413抗体による標的関与を遊離タウ-pS413シグナルの減少として示すために、該方法が使用されうる。このサンドイッチイムノアッセイにおいては、ビオチン化マウスモノクローナル抗タウ-pS413抗体Ta1505をMSD96ウェルS-PLEX SECTORプレート(Mesoscale Discovery、カタログ番号L45SA)上に1×S-PLEXコーティング試薬C1(Mesoscale Discoveryカタログ番号C20H0)で1μg/mLでコーティングした。CSFサンプルを、0.12mg/mLのHeterophilic Sブロッキング試薬1(Scantibodiesカタログ番号3KC534-075)を含有するDiluent100(Mesoscale Discoveryカタログ番号R50AA)中で1:2で希釈した。コーティングされたプレートを1×PBSTで洗浄した後、1×S-PLEXブロッキング試薬S1(Mesoscale Discoveryカタログ番号R93AG)を含有する75μLのDiluent 100と共に、ウェル当たり75μLのサンプルをローディングした。サンプルをオービタルシェーカー(700rpm)で4℃で一晩インキュベートした。洗浄工程後、検出抗体であるTurbo Boostタグ付きTa1505を、MSD Diluent1 01(Mesoscale Discoveryカタログ番号R51AD)中、0.2μg/mLで各ウェルに加え、オービタルシェーカー(700rpm)で室温で1時間インキュベートした。MSD S-PLEXプロトコールに従い、色強化および発色の工程を行った。MESO SECTOR(商標)S600装置で電気化学発光シグナル(AU)に関してプレートを読み取った。
【0512】
タウ-pS413 MSD S-PLEXアッセイを用いて、滴定濃度(0.085fM~50nM)のV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEと共にヒト非ADまたはAD CSFサンプルをインキュベートした後、タウ-pS413を定量することにより、抗タウ-pS413抗体のエクスビボ結合を評価した。アッセイシグナルはV8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの濃度の増加と共に減少した(
図7A)。抗体は約1.85nM~約50nMの濃度で100%の標的占有率に達した。遊離タウ-pS413(V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEに結合していないもの)レベルの減少率を、V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの非存在下で生じた最大シグナルと50nM V8-AFM-hIgG1-LALA-YTEの非存在下で生じた最小シグナルとに基づいて計算した(最大レベルと最小レベルの両方からCSFサンプル無しでバッファーのみのバックグラウンドレベルを差し引いた)。濃度-減少率の非線形回帰は、AD患者からのCSFにおけるV8-AFM-hIgG1-LALA-YTE,IC
50=0.0169nM(95%信頼度0.0141~0.0204nM)のエクスビボ効力の決定を可能にする(
図7B)。非AD CSFサンプルにおける低いタウ-pS413ベースラインシグナルおよび狭い減少ウィンドウゆえに、非AD患者からのCSFにおけるIC
50=0.101nMは、より大きな95%信頼範囲を示した(0.045~0.243nM)。
【0513】
本明細書中に引用されている全ての参考文献を、各個の刊行物、データベースエントリー(例えば、GenBank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許が参照により本明細書に組み入れられると具体的かつ個別に示されている場合と同様に、参照により本明細書に組み入れることとする。参照により組み入れるというこの陳述は、そのような引用が、参照により組み入れるという宣誓陳述の直前直後にない場合であっても、37 C.F.R.§1.57(b)(1)に従い、各個の刊行物、データベースエントリー(例えば、Genbank配列またはGeneIDエントリー)、特許出願または特許[それらのそれぞれは37 C.F.R.§1.57(b)(2)に従い明らかに特定されるものである]に関連づけることを出願人が意図しているものである。参照により組み入れるという宣誓陳述が本明細書中に含まれている場合、それは、参照により組み入れるというこの一般的(general)陳述を何ら弱めるものではない。本明細書における参考文献の引用は、該参考文献が関連先行技術であると自認するものではなく、また、それは、これらの刊行物または文書の内容または日付に関して何ら自認するものでもない。
【0514】
本発明は、本明細書に記載されている特定の実施形態により範囲において限定されるものではない。実際、本明細書に記載されているものに加えて、本発明の種々の修飾が前記説明および添付図面から当業者に明らかとなるであろう。そのような修飾は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると意図される。
【0515】
前記の明細書は、当業者が本発明を実施しうるのに十分なものであるとみなされる。本明細書に示され記載されているものに加えて、本発明の種々の修飾が前記説明から当業者に明らかとなり、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
【0516】
配列表
本明細書は配列表のコンピュータ可読形式(CRF)のコピーと共に出願されている。2021年5月13日付で作成され、113,797バイトのサイズを有する24996WOPCT-SEQTXT-13MAY2021-ST25.txtなるタイトルのCRFは配列表の紙コピーと同一であり、その全体を参照により本明細書に組み入れることとする。以下の表14は、本明細書に開示されている全ての配列を要約したものである。
【0517】
【配列表】