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特許7554296通信システム、グローバルコントローラ、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】通信システム、グローバルコントローラ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/40 20220101AFI20240911BHJP
【FI】
H04L41/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023007515
(22)【出願日】2023-01-20
(62)【分割の表示】P 2021166295の分割
【原出願日】2021-10-08
(65)【公開番号】P2023057080
(43)【公開日】2023-04-20
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 聡
(72)【発明者】
【氏名】堀場 勝広
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/226979(WO,A2)
【文献】特開2021-072454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0177550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルネットワークとインターネットとの間に配置されたSRv6ネットワークに接続され、コントローラ及び複数のエッジホストを有するMECサイトと、
複数の前記MECサイトを管理するGC(Global Controller)と
を備え、
前記コントローラは、
前記GCから割り当てられたIPv6のプレフィックスから、前記複数のエッジホストのそれぞれにプレフィックスを割り当てる割当部と、
前記割当部による割当結果を前記GCに報告する報告部と
を有し、
前記複数のエッジホストのそれぞれは、
前記割当部によって割り当てられたプレフィックスを前記SRv6ネットワークに広告する仮想スイッチ部と、
BGPスピーカ部と
を有し、
前記GCは、
SRv6スライスと、前記SRv6スライスに対応する複数のIPv6プレフィックスと、前記SRv6スライスに対応する仮想ネットワークとが登録されたスライス対応情報を格納する対応情報格納部と、
複数の仮想ネットワークからポッド用に選択された仮想ネットワークに対応する前記SRv6スライスを前記スライス対応情報に基づいて特定するスライス特定部と、
前記仮想ネットワーク用のMECサイトを特定するサイト特定部と、
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトのコントローラに、前記MECサイトに含まれる複数のエッジホストに、デプロイされた前記ポッドに対応するコンテナを起動させるコンテナ制御部と、
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトの前記コントローラに、VRFオブジェクトによって指定された前記仮想ネットワークのインスタンスのオブジェクトを設定する設定部と
を有し、
前記サイト特定部は、前記ポッド用に選択された仮想ネットワークのために設定することが必要となる前記MECサイトを特定する、通信システム。
【請求項2】
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトは、予め定義されたアドレス割当ポリシに従って、前記ポッドのVIP(Virtual IP)用のIPアドレスを割り当て、前記設定部によって設定されたVRFのルートとして収容する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトの前記BGPスピーカ部は、前記VIP用のIPアドレスのためのVPNルートをピアに広告し、前記ピアからVPNルートを受信する、
請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記GCは、
オペレータが前記MECサイトに割り当てる前記IPv6のプレフィックスを取得する取得部
を有し、
前記設定部は、前記GCの前記取得部が取得した前記IPv6のプレフィックスを前記MECサイトに割り当て、
前記コントローラは、オペレータが前記MECサイトに割り当てる、前記設定部によって割り当てられた前記IPv6のプレフィックスを取得する取得部を有し、
前記割当部は、前記コントローラの前記取得部が取得した前記IPv6のプレフィックスから、前記複数のエッジホストのそれぞれにプレフィックスを割り当て、
前記報告部は、前記複数のエッジホストのそれぞれに割り当てられたプレフィックスを前記GCに報告する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記GCは、
オペレータが前記MECサイトに割り当てる前記IPv6のプレフィックスを取得する取得部
を有し、
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトの前記コントローラは、デプロイされた前記ポッドに送受信されるパケットを転送できるように前記仮想スイッチ部を設定し、
前記設定部は、前記GCの前記取得部が取得した前記IPv6のプレフィックスを前記MECサイトに割り当て、
前記コントローラは、オペレータが前記MECサイトに割り当てる、前記設定部によって割り当てられた前記IPv6のプレフィックスを取得する取得部を有し、
前記割当部は、前記コントローラの前記取得部が取得した前記IPv6のプレフィックスから、前記複数のエッジホストのそれぞれにプレフィックスを割り当て、
前記報告部は、前記複数のエッジホストのそれぞれに割り当てられたプレフィックスを前記GCに報告する、
請求項3に記載の通信システム。
【請求項6】
前記サイト特定部は、イングレスゲートウェイが生成された後、前記イングレスゲートウェイのOriginPool属性から、前記仮想ネットワークのために設定することが必要となる前記MECサイトを特定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトの前記コントローラは、デプロイされた前記ポッドに送受信されるパケットを転送できるように前記仮想スイッチ部を設定し、
前記サイト特定部は、イングレスゲートウェイが生成された後、前記イングレスゲートウェイのOriginPool属性から、前記仮想ネットワークのために設定することが必要となる前記MECサイトを特定する、
請求項3に記載の通信システム。
【請求項8】
複数のMECサイトを管理するグローバルコントローラであって、
SRv6スライスと、前記SRv6スライスに対応する複数のIPv6プレフィックスと、前記SRv6スライスに対応する仮想ネットワークとが登録されたスライス対応情報を格納する対応情報格納部と、
複数の仮想ネットワークからポッド用に選択された仮想ネットワークに対応する前記SRv6スライスを前記スライス対応情報に基づいて特定するスライス特定部と、
前記仮想ネットワーク用のMECサイトを特定するサイト特定部と、
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトのコントローラに、前記MECサイトに含まれる複数のエッジホストに、デプロイされた前記ポッドに対応するコンテナを起動させるコンテナ制御部と、
前記サイト特定部によって特定された前記MECサイトの前記コントローラに、VRFオブジェクトによって指定された前記仮想ネットワークのインスタンスのオブジェクトを設定する設定部と
を備え
前記サイト特定部は、前記ポッド用に選択された仮想ネットワークのために設定することが必要となる前記MECサイトを特定する、グローバルコントローラ。
【請求項9】
前記サイト特定部は、イングレスゲートウェイが生成された後、前記イングレスゲートウェイのOriginPool属性から、前記仮想ネットワークのために設定することが必要となる前記MECサイトを特定する、
請求項8に記載のグローバルコントローラ。
【請求項10】
コンピュータを、請求項8又は9に記載のグローバルコントローラとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、5G(5th Generation)に準拠するモバイルネットワークにおけるスライシングについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2019-176384号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、通信システムが提供される。通信システムは、モバイルネットワークとインターネットとの間に配置されたSRv6(Segment Routing IPv6)ネットワークに配置され、コントローラ及び複数のエッジホストを有するMEC(Mobile Edge Computing)サイトを備えてよい。通信システムは、複数のMECサイトを管理するGC(Global Controller)を備えてよい。コントローラは、GCから割り当てられたIPv6のプレフィックスから、複数のエッジホストのそれぞれにプレフィックスを割り当てる割当部を有してよい。コントローラは、割当部による割当結果をGCに報告する報告部を有してよい。複数のエッジホストのそれぞれは、割当部によって割り当てられたプレフィックスをSRv6ネットワークに広告する仮想スイッチ部と、BGP(Border Gateway Protocol)スピーカ部とを有してよい。GCは、SRv6スライスと、SRv6スライスに対応する複数のIPv6プレフィックスと、SRv6スライスに対応する仮想ネットワークとが登録されたスライス対応情報を格納するスライス対応情報格納部を有してよい。GCは、複数の仮想ネットワークからポッド用に選択された仮想ネットワークに対応するSRv6スライスをスライス対応情報に基づいて特定するスライス特定部を有してよい。GCは、仮想ネットワーク用のMECサイトを特定するサイト特定部を有してよい。GCは、サイト特定部によって特定されたMECサイトのコントローラに、MECサイトに含まれる複数のエッジホストに、デプロイされたポッドに対応するコンテナを起動させるコンテナ制御部を有してよい。GCは、サイト特定部によって特定されたMECサイトのコントローラに、VRF(Virtual Routing and Forwarding)オブジェクトによって指定された仮想ネットワークのインスタンスのオブジェクトを設定する設定部を有してよい。サイト特定部によって特定されたMECサイトは、予め定義されたアドレス割当ポリシに従って、ポッドのVIP(Virtual IP)用のIPアドレスを割り当て、設定部によって設定されたVRFのルートとして収容してよい。サイト特定部によって特定されたMECサイトのBGPスピーカ部は、VIP用のIPアドレスのためのVPNルートをピアに広告し、ピアからVPNルートを受信してよい。VPNルートは、IPv4またはIPv6ユニキャストルートであってよい。VPNルートは、VPNv4またはVPNv6ユニキャストルートであってよい。サイト特定部によって特定されたMECサイトのコントローラは、デプロイされたポッドに送受信されるパケットを転送するように仮想スイッチ部を設定してよい。
【0004】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】通信システム10の構成の一例を概略的に示す。
図2】MECサイト40の構成の一例を概略的に示す。
図3】コントローラ400及びGC100の機能構成の一例を概略的に示す。
図4】GC100、コントローラ400、又はエッジホスト410として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
モバイルネットワークにおいてネットワークスライスを識別する技術が知られているが、モバイルネットワーク内に閉じていた。IPネットワークも含めてネットワークスライスを管理可能にできる技術を提供することが望ましく、そのような技術の1つとして、IPネットワーク内の仮想ネットワークにおいてスライスを管理する技術が挙げられる。本実施形態に係る通信システム10では、仮想ネットワークにおいてスライスを管理する技術を提供する。
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、通信システム10の構成の一例を概略的に示す。通信システム10は、ネットワーク20とネットワーク50との間に配置されたネットワーク30に接続されたMECサイト40を備える。通信システム10は、複数のMECサイト40を備えてよい。
【0009】
ネットワーク20は、モバイルネットワークであってよい。ネットワーク20は、5G通信システムに準拠してよい。ネットワーク20は、6G(6th Generation)以降の通信システムに準拠してもよい。
【0010】
ネットワーク20は、通信端末80に無線通信サービスを提供する。通信端末80は、無線基地局を介してネットワーク20にアクセスする。通信端末80は、例えば、gNB(gNodeB)を介してネットワーク20にアクセスする。通信端末80は、WiFi(登録商標)のアクセスポイントを介してネットワーク20にアクセスしてもよい。通信端末80は、固定ネットワークのアクセス終端装置でも良い。通信端末80は、例えば、W-AGF(Wireline Access Gateway Function)などを介してネットワーク20にアクセスしてよい。通信端末80は、IoT(Internet of Thing)端末であってよい。通信端末80は、IoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。なお、通信端末80は、スマートフォン等の携帯電話であってもよい。通信端末80は、タブレット端末であってもよい。通信端末80は、PC(Personal Computer)であってもよい。通信端末80は、ウェアラブル端末であってもよい。
【0011】
ネットワーク30は、DN(Data Network)であってよい。ネットワーク30は、SRv6ネットワークであってよい。ネットワーク30には、ネットワーク50との境界に位置するPE(Provider Edge)ルータであるSRPE(Source Routing PE)310が配置される。通信システム10は、SRPE310を備えてもよい。
【0012】
ネットワーク50は、インターネットであってよい。ネットワーク50は、クラウドであってよい。
【0013】
通信システム10は、複数のMECサイト40を管理するGC100を備えてよい。GC100は、任意の位置に配置されてよい。GC100は、例えば、ネットワーク50に接続される。また、GC100は、例えば、ネットワーク30に接続される。また、GC100は、例えば、ネットワーク20に接続される。
【0014】
従来、通信端末80及びMECサイト40等の通信は、UPF210を介すことによって実行されていた。本実施形態に係る通信システム10では、UPF210を介するのではなく、SRGW(Segment Routing Gateway)220を介して、通信端末80及びMECサイト40等の通信が実行される。通信システム10は、SRGW220を備えてもよい。
【0015】
MECサイト40は、複数のエッジホストを含む。複数のエッジホストには、ポッドに対応するコンテナが展開されてよく、複数のエッジホストのそれぞれは、コンテナを実行してよい。複数のエッジホストのそれぞれは、ネットワーク30及びネットワーク20を介して、1又は複数の通信端末80と通信する。当該通信は、SRGW220を介して実行されてよい。エッジホストのコンテナが、1又は複数の通信端末80から情報を収集したり、1又は複数の通信端末80に情報を提供したりし得る。例えば、店舗に配置された通信装置がエッジホストとして機能し、エッジホストのコンテナが、店舗に配置されたセンサ等の通信端末80から情報を収集するサーバアプリとして機能する。
【0016】
通信システム10は、Volterraをベースに実現されてもよい。MECサイト40は、Volterraにおけるサイトであってよい。MECサイト40は、1つのKuvernetesクラスタであってよい。エッジホストは、VoltStackが実現される装置であってよい。エッジホストは、ワーカーノードと呼ばれる場合もある。
【0017】
図2は、MECサイト40の構成の一例を概略的に示す。MECサイト40は、コントローラ400と、複数のエッジホスト410とを有してよい。なお、複数のMECサイト40に対して1つのコントローラ400が配置されてもよい。すなわち、コントローラ400は、1つのMECサイト40内の複数のエッジホスト410を制御してよく、複数のMECサイト40のそれぞれの中の複数のエッジホスト410を制御してもよい。
【0018】
エッジホスト410は、仮想スイッチ部412、BGPスピーカ部414、及びコンテナ処理部416を有してよい。仮想スイッチ部412は、ネットワーク30におけるSRPEとして機能してよい。仮想スイッチ部412は、ネットワーク30における経路制御を担ってよく、BGPスピーカ部414は、ネットワーク30においてVPN(Virtual Private Network)で構築される仮想ネットワークにおける経路制御を担ってよい。仮想スイッチ部412は、ネットワーク30のアンダーレイのBGP制御を実行してよく、BGPスピーカ部414は、オーバーレイのBGP制御を実行してよい。複数のエッジホストのオーバーレイのBGP制御は、コントローラ400が代行してまとめて実行してもよい。コンテナ処理部416は、コンテナを実行して、コンテナを用いた処理を実行する。
【0019】
図3は、コントローラ400及びGC100の機能構成の一例を概略的に示す。コントローラ400は、取得部422、割当部424、報告部426、及び設定部428を備える。コントローラ400がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。コントローラ400は、これらの一部のみを備えてもよく、これら以外の構成を備えてもよい。
【0020】
GC100は、取得部102、設定部104、対応情報格納部106、スライス特定部108、サイト特定部110、及びコンテナ制御部112を備える。GC100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。GC100は、これらの一部のみを備えてもよく、これら以外の構成を備えてもよい。
【0021】
取得部102は、各種情報を取得する。取得部102は、例えば、オペレータがMECサイト40に割り当てるIPv6のプレフィックスを取得する。取得部102は、例えば、オペレータが使用する通信端末からIPv6のプレフィックスを受信する。取得部102は、例えば、/54プレフィックスを取得する。
【0022】
設定部104は、各種設定を実行する。設定部104は、例えば、取得部102が取得したIPv6のプレフィックスをMECサイト40に割り当てる。
【0023】
取得部422は、各種情報を取得する。取得部422は、例えば、設定部104によって割り当てられたIPv6プレフィックスを取得する。
【0024】
割当部424は、GC100から割り当てられた、取得部422が取得したIPv6のプレフィックスから、複数のエッジホスト410のそれぞれにプレフィックスを割り当てる。割当部424は、例えば、取得部422が取得した/54プレフィックスから、複数のエッジホスト410のそれぞれに/64プレフィックスを割り当てる。複数のエッジホスト410のそれぞれは、割り当てられたプレフィックスをネットワーク30に広告する。
【0025】
報告部426は、割当部424による割当結果をGC100に報告する。報告部426は、割当部424による割当結果として、複数のエッジホスト410のそれぞれに割り当てられたIPv6のプレフィックスをGC100に報告する。例えば、報告部426は、複数のエッジホスト410のそれぞれに割り当てられた/64プレフィックスをGC100に報告する。
【0026】
取得部102は、オペレータが複数のIPv6のプレフィックスによって定義したSRv6スライスと、システム名前空間の仮想ネットワークとを取得してよい。オペレータは、MECサイト40に割り当てられているプレフィックスから選択した複数のIPv6プレフィックスによって、SRv6スライスを定義してよい。オペレータは、例えば、MECサイト40に割り当てられている/54プレフィックスから複数のIPv6プレフィクスを選択する。
【0027】
対応情報格納部106は、SRv6スライスと、SRv6スライスに対応する複数のIPv6プレフィックスと、SRv6スライスに対応する仮想ネットワークとが登録されたスライス対応情報を格納する。スライス対応情報は、複数のSRv6スライスのそれぞれについて、対応する複数のIPv6プレフィックスと、対応する仮想ネットワークとを含んでよい。SRv6スライスに対応するIPv6プレフィックスをエッジホスト410に割り当てることによって、SRv6スライスと、エッジホスト410と、仮想ネットワークとを関連付けることが可能となる。
【0028】
スライス特定部108は、複数の仮想ネットワークからポッド用に選択された仮想ネットワークに対応するSRv6スライスを、対応情報格納部106に格納されているスライス対応情報に基づいて特定する。ポッド用の仮想ネットワークは、例えば、オペレータの顧客によって、複数の仮想ネットワークのリストから選択される。具体例として、オペレータの顧客は、vk8s(Virtual Kubernetes)の名前空間にデプロイするポッド用のイングレスゲートウェイを生成するときに、ポッドに適切な仮想ネットワークを選択する。
【0029】
サイト特定部110は、選択された仮想ネットワーク用のMECサイト40を特定する。サイト特定部110は、例えば、イングレスゲートウェイが生成された後、イングレスゲートウェイのOriginPool属性から、選択された仮想ネットワークのために設定することが必要となるMECサイト40を特定する。
【0030】
コンテナ制御部112は、サイト特定部110によって特定されたMECサイト40のコントローラ400に、MECサイト40に含まれる複数のエッジホスト410に、デプロイされたポッドに対応するコンテナを起動させる。
【0031】
設定部104は、サイト特定部110によって特定されたMECサイト40のコントローラ400に、VRFオブジェクトによって指定された仮想ネットワークのインスタンスのオブジェクトを設定する。当該オブジェクトは、当該MECサイト40におけるロケータプレフィックスのうちの1つからのSRv6ロケータの属性を含んでよい。当該ロケータプレフィックスは、当該仮想ネットワークに対応するSRv6スライスに対応する複数のIPv6のプレフィックスの範囲内である。
【0032】
MECサイト40のコントローラ400は、設定されたSRv6ロケータからのSRv6のSIDが関連付けられたVRFオブジェクトのためのVRFインスタンスをインスタンス化してよい。MECサイト40は、予め定義されたアドレス割当ポリシに従って、ポッドのVIP(Virtual IP)用のIPアドレスを割り当て、設定部104によって設定されたVRFのルートとして収容してよい。
【0033】
MECサイト40のBGPスピーカ部414は、VIP用のIPアドレスのためのVPNルート(IPv4、IPv6、VPNv4、またはVPNv6ユニキャストルート)をピアに広告してよい。広告された当該ルート用のエクスポートルートターゲット属性値は、仮想ネットワークのSRv6の仕様で定義されている。ピアは、複数のMECサイト40のそれぞれに含まれるBGPスピーカ部414であってよい。また、ピアは、SRPE310であってよい。また、ピアは、ルートリフレクタ(RR)であってよい。また、ピアは、BGP-EPE(Egress Peering Engineering)コントローラXXXであってよい。また、ピアは、N4BGPコントローラYYYであってよい。
【0034】
BGPスピーカ部414は、ピアからVPNルートを受信してよい。BGPスピーカ部414がVRFにインポートするVPNルートは、スライスの接続ポリシに従う。その接続ポリシに対応するインポートルートターゲット属性値は、仮想ネットワークのSRv6の仕様から抽出される。ピアから受信したVPNルートは、Prefix-SID属性を含んでよい。ピアがN4BGPコントローラYYYの場合、VPNルートのPrefix-SID属性が含むSIDは、SRGW220において、GTP4.E、またはGTP6.Eを示してよい。GTP6.Eの場合、VPNルートは、通信端末80を収容する無線基地局のIPアドレスを含んでよい。無線基地局IPアドレスは,VPNルートのMP-NLRI属性中のnext-hopフィールドに含まれてよい。無線基地局IPアドレスは,VPNルートのTunnel-Encap属性に含まれてよい。無線基地局IPアドレスは,VPNルートのNLRIに含まれてよい。SIDのSRv6ロケータ部は、対応するスライスごとに異なっていてよい。ピアがBGP-EPEコントローラXXXの場合、VPNルートのPrefix-SID属性が含むSIDは、SRPE310において、複数のネットワーク50へ接続するピアを識別するEgress Peer Engineering用SIDであってよい。VPNルートのEgress Peer Engineering用SIDは、対応するスライスごとに異なってよい。Egress Peer Engineeri用SIDのSRv6ロケータ部は、対応するスライスごとに異なってよい。
【0035】
MECサイト40のコントローラ400は、デプロイされたポットに送受信されるパケットを転送できるように仮想スイッチ部412を設定する。仮想スイッチ部412における転送ルールは、インスタンス化されたVRFと、当該VRFにおけるルートとに従う。転送ルールは,宛先IPアドレスベースであってよい。転送ルールは、5タプル(宛先・送信元IPアドレス、宛先・送信元ポート番号、ToS値)などの組み合わせによる,より細かいフローベースであってよい。
【0036】
仮想スイッチ部412は、NATによって外部との通信が可能になったポッドからのパケットを、IPv6ヘッダでカプセル化する。当該IPv6ヘッダは、受信したVPNルートのSR-Policyに応じて、宛先アドレスまたはSRH(SR Header)のSIDリストにPrefix-SIDの値が設定され、当該IPv6ヘッダは、ソースアドレスに、仮想スイッチ部412のIPアドレスが設定されてよい。仮想スイッチ部412は、カプセル化したパケットをネットワーク30に送信する。ポッドからのパケットの宛先が通信端末80であるとき,カプセル化パケットは 、SIDのSRv6ロケータに対応するスライス上で SRGW220へと転送される。GTP6.Eの場合、SRH(SR Header)の最終SIDは、通信端末80を収容する無線基地局のIPアドレスを設定してよい。ポッドからのパケットの宛先がネットワーク50上の端末またはアプリケーションサーバーであるとき、カプセル化パケットはSIDのSRv6ロケータに対応するスライス上でSRPE310へと転送される。SRPE310は、SIDに対応するネットワーク50接続ピアに、パケットを転送してよい。
【0037】
仮想スイッチ部412は、ネットワーク30からパケットを受信し、外部IPv6ヘッダの宛先アドレスを参照する。パケットが、外部IPv6ヘッダの宛先アドレスがVRFのSRv6のSIDであるという経路にマッチした場合、仮想スイッチ部412は、その受信したパケットをデカプセル化して、VRFコンテキストの内部IPヘッダを参照する。当該VRFのSRv6 SIDは,End.DT4 Behaviorであってよい。当該VRFのSRv6 SIDは,End.DT6 Behaviorであってよい。当該VRFのSRv6 SIDは,End.DT46 Behaviorであってよい。当該VRFのSRv6 SIDは,End.DX4 Behaviorであってよい。当該VRFのSRv6 SIDは,End.DX6 Behaviorであってよい。仮想スイッチ部412は、その宛先のための転送ルールが存在する場合、その宛先に内部パケットを転送する。それ以外の場合、仮想スイッチ部412は、そのパケットをドロップする。
【0038】
図4は、GC100、コントローラ400、又はエッジホスト410として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0039】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0040】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0041】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0042】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0043】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0044】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0045】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0046】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0047】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0048】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0049】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0050】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0051】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0053】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0054】
10 システム、20 ネットワーク、30 ネットワーク、40 MECサイト、50 ネットワーク、80 通信端末、100 GC、102 取得部、104 設定部、106 対応情報格納部、108 スライス特定部、110 サイト特定部、112 コンテナ制御部、210 UPF、220 SRGW、310 SRPE、400 コントローラ、410 エッジホスト、412 仮想スイッチ部、414 BGPスピーカ部、416 コンテナ処理部、422 取得部、424 割当部、426 報告部、428 設定部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4