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特許7554304配線基板、電子装置および電子モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】配線基板、電子装置および電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240911BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240911BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20240911BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20240911BHJP
   H05K 1/09 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/18 J
H05K1/11 F
H05K3/40 D
H05K1/09 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023036918
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2021123460の分割
【原出願日】2017-11-28
(65)【公開番号】P2023071984
(43)【公開日】2023-05-23
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2016230215
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】海野 英久
(72)【発明者】
【氏名】森山 陽介
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/119729(WO,A1)
【文献】特開2015-159139(JP,A)
【文献】国際公開第2013/015327(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/18
H05K 1/11
H05K 3/40
H05K 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール用基板に対して電気的かつ熱的にはんだを介した接続が可能であり、電子部品が搭載される配線基板であって、
絶縁基板を有しており、
前記絶縁基板は、
前記絶縁基板の側面に位置した内面電極と、
前記絶縁基板の主面に位置した外部電極とを含んでおり、
前記絶縁基板は主面及び側面に開口する切欠き部を有しており、前記内面電極は前記切欠き部の内面に位置しており、
前記内面電極と前記外部電極とが接続された接続部を有しており、
前記接続部の厚みは、前記内面電極の厚みおよび前記外部電極の厚みより大きく、
前記配線基板は、前記モジュール用基板に形成された接続パッドと、はんだとを介して接続しており、
前記接続部は前記配線基板の平面方向と直交する方向に対する前記はんだとの係止部を有する配線基板。
【請求項2】
前記内面電極の厚みT1、前記外部電極の厚みT2および前記接続部の厚みT3が下記一般式(1)および一般式(2)を満たす、請求項1に記載の配線基板。
1.1T1≦T3≦3T1 …(1)
1.1T2≦T3≦3T2 …(2)
(ここで、内面電極の厚みT1とは、切欠き部の内面から内面電極の表面までの厚みである。外部電極の厚みT2とは、絶縁基板の主面から外部電極の表面までの厚みである。接続部の厚みT3とは、内面電極または外部電極が形成された面に対して直交する方向の厚みで、接続部の凸曲面状表面が形成されている切欠き部の内面または絶縁基板の主面から接続部の凸曲面状表面の先端までの厚みである。)
【請求項3】
前記接続部は、前記切欠き部における前記主面側の開口に沿って位置している、請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記接続部は、前記切欠き部の内面に沿った方向における、前記内面電極の幅と同等の長さを有している、請求項3に記載の配線基板。
【請求項5】
前記接続部は、前記主面に沿った方向において、厚みが大きくなっている、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】
前記接続部は、凸面形状である、請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項7】
前記接続部は、前記絶縁基板の相対する2辺に、互いに相対するように位置している、請求項1乃至3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線基板と、
該配線基板に搭載された電子部品とを有する、電子装置。
【請求項9】
前記電子部品が発光素子である、請求項に記載の電子装置。
【請求項10】
接続パッドを有するモジュール用基板と、
前記接続パッドにはんだを介して接続された請求項に記載の電子装置とを有する、電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、電子装置および電子モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主面および側面に開口する切欠き部を有している絶縁基板と、切欠き部の内面に位置した内面電極と、絶縁基板の主面に位置した外部電極とを含んでいる配線基板が知られている。配線基板を含む電子装置をはんだ等の接合材によって例えばモジュール用基板に接合する場合、この内面電極および外部電極がはんだ等の接合材を介し外部回路基板に接合される(特開2002-158509号公報参照)。
【発明の概要】
【0003】
本開示の配線基板は、モジュール用基板に対して電気的かつ熱的にはんだを介した接続が可能であり、電子部品が搭載される配線基板であって、絶縁基板を有しており、前記絶縁基板は、前記絶縁基板の側面に位置した内面電極と、前記絶縁基板の主面に位置した外部電極とを含んでおり、前記絶縁基板は主面及び側面に開口する切欠き部を有しており、前記内面電極は前記切欠き部の内面に位置しており、前記内面電極と前記外部電極とが接続された接続部を有しており、前記接続部の厚みは、前記内面電極の厚みおよび前記外部電極の厚みより大きく、前記配線基板は、前記モジュール用基板に形成された接続パッドと、はんだとを介して接続しており、前記接続部は前記配線基板の平面方向と直交する方向に対する前記はんだとの係止部を有する。
【0004】
本開示の電子装置は、上記構成の配線基板と、該配線基板に搭載された電子部品とを有している。
【0005】
本開示の電子モジュールは、接続パッドを有するモジュール用基板と、前記接続パッドにはんだを介して接続された上記構成の電子装置とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(a)は第1の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
図2図1(a)に示した電子装置のA-A線における縦断面図である。
図3】(a)は、図1(b)のA部における要部拡大下面図であり、(b)は、(a)のA-A線における要部拡大縦断面図である。
図4図1(a)のA方向における側面図である。
図5】(a)~(e)は、第1の実施形態の配線基板における内面電極、外部電極、接続部、配線導体の第1の製造方法を示す断面図である。
図6図1における電子装置を用いたモジュール用基板に実装した電子モジュールを示す縦断面図である。
図7】(a)は第2の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
図8図7(a)に示した電子装置のA-A線における縦断面図である。
図9】(a)は、図7(b)のA部における要部拡大下面図であり、(b)は、(a)のA-A線における要部拡大縦断面図である。
図10図7(a)のA方向における側面図である。
図11】(a)~(e)は、第2の実施形態の配線基板における内面電極、外部電極、接続部、配線導体の第2の製造方法を示す断面図である。
図12】(a)は第3の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
図13図12(a)に示した電子装置のA-A線における縦断面図である。
図14】(a)は、図12(b)のA部における要部拡大下面図であり、(b)は、(a)のA-A線における要部拡大縦断面図である。
図15図12(a)のA方向における側面図である。
図16】(a)~(e)は、第3の実施形態の配線基板における内面電極、外部電極、接続部、配線導体の第3の製造方法を示す断面図である。
図17】(a)は第4の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
図18図17(a)に示した電子装置のA-A線における縦断面図である。
図19】(a)は第5の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
図20図19(a)に示した電子装置のA-A線における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態における電子装置は、図1図6に示された例のように、配線基板1と、配線基板1の上面に設けられた電子部品2とを含んでいる。電子装置は、図6に示された例のように、例えば電子モジュールを構成するモジュール用基板5上の接続パッド51にはんだ6を用いて接続される。
【0009】
本実施形態における配線基板1は、主面および側面に開口する切欠き部12を有している絶縁基板11と、切欠き部12の内面に位置した内面電極13と、絶縁基板11の主面に位置した外部電極14とを有している。また、絶縁基板11の表面および内部には、配線導体16が位置している。配線基板1は、内面電極13と外部電極14とが接続された接続部15を有している。接続部15の厚みは、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きくなっている。図1図6において、電子装置は仮想のxyz空間におけるxy平面に実装されている。図1図6において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板1等が使用される際の上下を限定するものではない。
【0010】
なお、図1(b)および図3(a)に示す例において、内面電極13の側面が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。
【0011】
絶縁基板11は、一方主面(図1図6では下面)および他方主面(図1図6では上面)と、側面とを有している。絶縁基板11は、複数の絶縁層11aからなり、主面および側面に開口する切欠き部12を有している。絶縁基板11は電子部品2を支持するための支持体として機能し、絶縁基板11の主面に、電子部品2がはんだバンプ、金バンプまたは導電性樹脂(異方性導電樹脂等)、樹脂等の接続部材を介して接着されて固定される。
【0012】
絶縁基板11は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを用いることができる。絶縁基板111は、例えば酸化アルミニウム質焼結体である場合であれば、酸化アルミニウム(Al),酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿物を作製する。この泥漿物を、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等を採用してシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、セラミックグリーンシートを必要に応じて複数枚積層して生成形体を形成し、この生成形体を高温(約1600℃)で焼成することによって複数の絶縁層11aからなる絶縁基板11が製作される。
【0013】
絶縁基板11は、図1図6に示す例において、2層の絶縁層11aから形成されている。切欠き部12は、絶縁基板11の2層の絶縁層11aのうち、一方主面側の絶縁層11aに形成されている。切欠き部12は、絶縁基板11の主面および側面に開口している。切欠き部12は、図1図4に示す例において、絶縁基板11の一方主面と側面とに開口しており、平面視において、角部が円弧状で矩形状に形成された柱状を分断した形状をしている。切欠き部12は、内面に内面電極13が形成されている。切欠き部12は、平面視において半円形状、半楕円形状または半長円形状、あるいは複数の大きさの切欠きが重なった柱状を分断した形状であっても構わない。切欠き部12は、図1に示す例において、絶縁基板11の対向する2つの側面に開口してそれぞれ設けられており、切欠き部12が相対している。
【0014】
切欠き部12は、例えば、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートのいくつかにレーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって、切欠き部12となる貫通孔をそれぞれのセラミックグリーンシートに形成しておくことにより形成できる。図1図4に示す例のように、絶縁基板11の一方主面および側面に開口している切欠き部12は、上記セラミックグリーンシートと、貫通孔を形成していない他のセラミックグリーンシートとを積層することで形成できる。
【0015】
絶縁基板11の表面および内部には、内面電極13と、外部電極14と、接続部15と、配線導体16とが設けられている。内面電極13は、切欠き部12の内面に位置している。外部電極14は、絶縁基板11の一方主面に位置している。内面電極13と外部電極14とは、切欠き部12の開口に位置している接続部15にて接続している。接続部15は、内面電極13の下面と外部電極14の側面端面とを覆うように位置している。配線導体16は、絶縁基板11の表面および内部に設けられており、絶縁層11aの表面に設けられた配線層と、絶縁層11aの厚み方向(図1図6ではz方向)に設けられた貫通導体とを有している。配線導体16の一端部は、図1および図2に示す例において、絶縁基板11の他方主面に導出しており、配線導体16の他端部は、切欠き部12の奥底部にて内面電極13に接続している。内面電極13と、外部電極14と、接続部15と、配線導体16とは、電子部品2とモジュール用基板5とを電気的に接続するためのものである。
【0016】
接続部15の厚みT3は、内面電極13の厚みT1および外部電極14の厚みT2より大きくなっている(T3>T1、T3>T2)。なお、内面電極13の厚みT1とは、切欠き部12の内面から内面電極13の表面までの厚みである。外部電極14の厚みT2とは、絶縁基板11の主面から外部電極14の表面までの厚みである。接続部15の厚みT3とは、切欠き部12の内面または絶縁基板11の主面から接続部15の表面までの厚みである。接続部15の厚みT3は、1.1T1≦T3≦3T1、かつ1.1T2≦T3≦3T2程度に形成される。
【0017】
内面電極13、外部電極14、接続部15、配線導体16は、例えばタングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等を主成分とする金属粉末メタライズである。例えば、絶縁基板11が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、W,MoまたはMn等の高融点金属粉末に適当な有機バインダーおよび溶媒等を添加混合して得たメタライズペーストを、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに予めスクリーン印刷法等によって所定のパターンに印刷塗布して、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、絶縁基板11の所定位置に被着形成される。内面電極13および接続部15は、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに形成された切欠き部12用の貫通孔の内面に、内面電極13用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって印刷塗布し、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。外部電極14、接続部15、配線導体16の配線層は、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートの表面に、外部電極14、接続部15、配線導体16の配線層用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって印刷塗布し、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。配線導体16が貫通導体である場合、貫通導体は、例えば、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザー加工等の加工方法によって貫通導体用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストを上記印刷手段によって充填しておき、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。メタライズペーストは、上述の金属粉末に適当な溶剤およびバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、絶縁基板11との接合強度を高めるために、ガラス粉末、セラミック粉末を含んでいても構わない。
【0018】
内面電極13、外部電極14、接続部15、配線導体16の絶縁基板11から露出する表面には、電気めっき法または無電解めっき法によって金属めっき層が被着される。金属めっき層は、ニッケル,銅,金または銀等の耐食性および接続部材3との接続性に優れる金属から成るものであり、例えば厚さ0.5~5μm程度のニッケルめっき層と0.1~3μm程度の金めっき層とが順次被着される。これによって、内面電極13、外部電極14、接続部15、配線導体16が腐食することを効果的に抑制できるとともに、配線導体16と電子部品2との接合、配線導体16とボンディングワイヤ等の接続部材3との接合、ならびに内面電極13、外部電極14、接続部15とモジュール用基板5に形成された接続用の接続パッド51との接合を強固にできる。
【0019】
また、金属めっき層は、ニッケルめっき層/金めっき層に限られるものではなく、ニッケルめっき層/パラジウムめっき層/金めっき層等を含むその他の金属めっき層であっても構わない。
【0020】
配線基板1の搭載部に電子部品2を搭載し、電子装置を作製できる。配線基板1に搭載される電子部品2は、ICチップまたはLSIチップ等の半導体素子,発光素子,水晶振動子または圧電振動子等の圧電素子および各種センサ等である。例えば、電子部品2がワイヤボンディング型の半導体素子である場合には、半導体素子は、低融点ろう材または導電性樹脂等の接合部材によって、搭載部上に固定された後、ボンディングワイヤ等の接続部材3を介して半導体素子の電極と配線導体16とが電気的に接続されることによって配線基板1に搭載される。これにより、電子部品2は配線導体16に電気的に接続される。また、例えば電子部品2がフリップチップ型の半導体素子である場合には、半導体素子は、は
んだバンプ、金バンプまたは導電性樹脂(異方性導電樹脂等)等の接続部材3を介して、半導体素子の電極と配線導体16とが電気的および機械的に接続されることによって配線基板1に搭載される。また、配線基板1には、複数の電子部品2を搭載してもよいし、必要に応じて、抵抗素子または容量素子等の小型の電子部品を搭載してもよい。また、電子部品2は必要に応じて、樹脂またはガラス等からなる封止材4を用いて、樹脂、ガラス、セラミックスまたは金属等からなる蓋体等により封止される。
【0021】
本実施形態の電子装置の外部電極14が、例えば、図6に示すように、モジュール用基板5の接続パッド51にはんだ6を介して接続されて、電子モジュールとなる。電子装置は、例えば、図6に示すように、配線基板1の上面側に位置した外部電極14が、モジュール用基板5の接続パッド51に接続されている。
【0022】
本実施形態の配線基板1は、主面および側面に開口する切欠き部12を有している絶縁基板11と、切欠き部12の内面に位置した内面電極13と、絶縁基板11の主面に位置した外部電極14とを含んでおり、内面電極13と外部電極14とが接続された接続部15を有しており、接続部1の厚みは、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きくなっていると、配線基板1とモジュール用基板5とを接合した際に、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において肉厚にすることで、配線基板1の平面方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において放熱しやすくすることができる。
【0023】
電子部品2として発光素子を用いる場合、配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高めるとともに、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において放熱しやすくし、輝度に優れた発光装置用の配線基板1とすることができる。
【0024】
また、接続部15は、図1および図2に示す例のように、絶縁基板11の相対する2辺に、互いに相対するように位置していると、配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を良好に高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第2~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0025】
また、接続部15は、図1図4に示す例のように、切欠き部12における主面側の開口に沿って位置していると、配線基板1の平面方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を切欠き部12の開口に沿って有する構成となりより良好に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高め、切欠き部12の開口に沿って内面電極13と外部電極14との境界の接続部15においてより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第2~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0026】
さらに、接続部15は、切欠き部12の内面に沿った方向における、内面電極13の幅と同等の長さを有していると、配線基板1の平面方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を内面電極13の幅全体にわたって有する構成となりより良好に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高め、内面電極13の幅全体にわたって内面電極13と外部電極14との境界の接続部15においてより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第2~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0027】
なお、接続部15は、図2に示す例のように、絶縁基板11の主面に沿った方向において、厚みが大きくなっていると、配線基板1の平面方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となりより良好に接続信頼性を高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第2~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0028】
また、図2および図3(b)に示す例のように、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向に厚くなり、切欠き部12に露出した側面が凸曲面状であると、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたってはんだ6を濡れ広がらせて接着しやすくし、配線基板1の平面方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より良好に接続信頼性を高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第2~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。なお、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向に厚くなり、切欠き部12に露出した側面が、切欠き部12における主面側の開口に沿って凸曲面状であると、切欠き部12の開口に沿って内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたって濡れ広がらせて接着しやすくすることができる。
【0029】
第1の実施形態における配線基板1は、例えば、以下の製造方法により製作することができる。
【0030】
第1の製造方法は、図5(a)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111に配線導体16用の貫通孔112を形成する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に、切欠き部12用の貫通孔212を形成する。そして、図5(b)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の配線導体16用の貫通孔112に配線導体16用の導体ペースト116を充填する。また、セラミックグリーンシート211の切欠き部12となる貫通孔212の内面に、内面電極13用の導体ペースト113をスクリーン印刷法によって塗布印刷する。そして、図5(c)に示す例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の表面に配線導体16用の導体ペースト116を印刷塗布する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に外部電極14用の導体ペースト114と配線導体16用の導体ペースト116とを印刷塗布し、それぞれの導体ペーストと内面電極13用の導体ペースト113とを接続する。この際、外部電極14用の導体ペースト114の端部が内面電極13用の導体ペースト113の表面と重なるように、外部電極14用の導体ペースト114を切欠き部12となる貫通孔212の内面に延出させて印刷塗布する。そして、セラミックグリーンシート111とセラミックグリーンシート211とを積層して加圧することにより、内面電極13用の導体ペースト113と外部電極14用の導体ペースト114との接続部において、内面電極13用の導体ペースト113の厚みが厚い絶縁基板11となるセラミック生積層体を形成し、このセラミック生積層体を焼成することにより、図5(d)に示す例のように、接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい凹部312を有する絶縁基板11を形成する。さらに、図5(e)に示された例のように、凹部312を分断することにより、切欠き部12の内側面に位置し、内面電極13と外部電極14との接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい配線基板1を製作することができる。
【0031】
本開示の電子装置によれば、上記構成の配線基板と、配線基板に搭載された電子部品とを有していることによって、長期信頼性に優れた電子装置とすることができる。
【0032】
本開示の電子モジュールによれば、接続パッドを有するモジュール用基板と、接続パッドにはんだを介して接続された上記構成の電子装置とを有していることによって、長期信頼性に優れたものとすることができる。
【0033】
本実施形態における配線基板1は、小型の電子装置において好適に使用することができる。電子部品2が発光素子である場合、高輝度の発光装置用の配線基板1として好適に使用することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態による電子装置について、図7図11を参照しつつ説明する。
【0035】
第2の実施形態における電子装置において、上述の第1の実施形態の電子装置と異なる点は、接続部15が、絶縁基板11の厚み方向(図7図11ではz方向)において、厚みが大きくなっている点である。なお、第2の実施形態における切欠き部12は、図7に示す例のように、複数の大きさの切欠きが重なった柱状または錐台を分断した形状である。なお、図7(b)および図9(a)に示す例において、内面電極13の側面が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。第2の実施形態の配線基板1の絶縁基板11は、図7図11に示す例において、2層の絶縁層11aから形成されている。切欠き部12は、絶縁基板11の2層の絶縁層11aのうち、一方主面(図7図11では下面)側の絶縁層11aに形成されている。
【0036】
第2の実施形態の配線基板1の接続部15の厚みT3は、第1の実施形態の配線基板1と同様に、内面電極13の厚みT1および外部電極14の厚みT2より大きくなっている(T3>T1、T3>T2)。接続部15の厚みT3は、1.1T1≦T3≦3T1、かつ1.1T2≦T3≦3T2程度に形成される。
【0037】
第2の実施形態における配線基板1は、接続部15が、絶縁基板11の厚み方向において、厚みが大きくなっており、配線基板1の厚み方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より良好に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高める、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0038】
また、配線基板1とモジュール用基板5との間を大きくし、はんだ6を多く配設し、配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高めるとともに、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0039】
また、図8および図9に示す例のように、絶縁基板11の厚み方向において、厚みが大きくなっている接続部15が、絶縁基板11の相対する2辺に、相対するように位置していると、配線基板1とモジュール用基板5との接合する際の傾きを低減し、電子部品2として発光素子を用いる場合、視認性および輝度に優れた発光装置用の配線基板1とすることができる。なお、この構成は後述する第3~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0040】
また、図8および図9(b)に示す例のように、接続部15は、絶縁基板11の厚み方向に厚くなり、接続部15の下面が凸曲面状であると、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたってはんだ6を濡れ広がらせて接着しやすくし、配線基板1の厚み方向と直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より良好に接続信頼性を高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第3~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0041】
なお、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向に厚くなり、接続部15の下面が、切欠き部12における主面側の開口に沿って凸曲面状であると、切欠き部12の開口に沿って内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたって濡れ広がらせて接着しやすくすることができる。
【0042】
第2の実施形態における配線基板1は、例えば、以下の製造方法により製作することができる。
【0043】
第2の製造方法は、図11(a)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111に配線導体16用の貫通孔112を形成する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に、切欠き部12用の貫通孔212を形成する。そして、図11(b)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の配線導体16用の貫通孔111に配線導体16用の導体ペースト116を充填する。また、セラミックグリーンシート211の切欠き部12となる貫通孔212の内面に、内面電極13用の導体ペースト113をスクリーン印刷法によって塗布印刷する。この際、内面電極13用の導体ペーストの端部を、セラミックグリーンシート211の表面に延出するように印刷塗布する。そして、図11(c)に示す例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の表面に配線導体16用の導体ペースト116を印刷塗布する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に外部電極14用の導体ペースト114と配線導体16用の導体ペースト116とを印刷塗布し、それぞれの導体ペーストと内面電極13用の導体ペースト113とを接続する。この際、外部電極14用の導体ペースト114の端部が、セラミックグリーンシート211の表面に延出した内面電極13用の導体ペースト113の表面と重なるように印刷塗布する。そして、セラミックグリーンシート111とセラミックグリーンシート211とを積層して加圧することにより、内面電極13用の導体ペースト113と外部電極14用の導体ペースト114との接続部において、外部電極14用の導体ペースト114の厚みが厚い絶縁基板11となるセラミック生積層体を形成し、このセラミック生積層体を焼成することにより、図11(d)に示す例のように、接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい凹部312を有する絶縁基板11を形成する。さらに、図11(e)に示された例のように、凹部312を分断することにより、切欠き部12の内側面に位置し、内面電極13と外部電極14との接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい配線基板1を製作することができる。
【0044】
第2の実施形態の配線基板1は、その他においては、上述の第1の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0045】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態による電子装置について、図12図16を参照しつつ説明する。なお、図12(b)に示す例において、内面電極13が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。
【0046】
第3の実施形態における電子装置において、上述の実施形態の電子装置と異なる点は、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向(図12図16ではxy平面方向)および絶縁基板11の厚み方向(図12図16ではz方向)において、厚みが大きくなっている点である。なお、図12(b)および図14(a)に示す例において、内面電極13の側面が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。第3の実施形態の配線基板1の絶縁基板11は、図12図16に示す例において、2層の絶縁層11aから形成されている。切欠き部12は、絶縁基板11の2層の絶縁層11aのうち、一方主面(図12図16では下面)側の絶縁層11aに形成されている。
【0047】
第3の実施形態の配線基板1の接続部15の厚みT3は、上述の実施形態の配線基板1と同様に、内面電極13の厚みT1および外部電極14の厚みT2より大きくなっている(T3>T1、T3>T2)。接続部15の厚みT3は、1.1T1≦T3≦3T1、かつ1.1T2≦T3≦3T2程度に形成される。
【0048】
第3の実施形態における配線基板1は、接続部15が絶縁基板11の主面に沿った方向および絶縁基板11の厚み方向において、厚みが大きくなっていることにより、配線基板1の平面方向および厚み方向のそれぞれに直交する両方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となりより良好に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性をより効果的に高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0049】
なお、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向から絶縁基板11の厚み方向にかけて、厚みが大きくなっていると、配線基板1の平面方向から厚み方向にかけて、直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より効果的に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高めるとともに、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0050】
また、図13および図14(b)に示す例のように、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向および絶縁基板11の厚み方向において厚くなり、接続部15の切欠き部12に露出した側面および下面が凸曲面状であると、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたってはんだ6を濡れ広がらせて接着しやすくし、配線基板1の平面方向および厚み方向のそれぞれに直交する両方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より良好に接続信頼性を高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。なお、この構成は後述する第3~5の実施形態における配線基板1においても適用することができる。
【0051】
なお、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向および絶縁基板11の厚み方向において厚くなり、接続部15の切欠き部12に露出した側面および下面が、切欠き部12における主面側の開口に沿って凸曲面状であると、切欠き部12の開口に沿って内面電極13と外部電極14との境界の接続部15全体にわたって濡れ広がらせて接着しやすくすることができる。
【0052】
第3の実施形態における配線基板1は、例えば、以下の製造方法により製作することができる。
【0053】
第3の製造方法は、図16(a)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111に配線導体16用の貫通孔112を形成する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に、切欠き部12用の貫通孔212を形成する。そして、図16(b)に示された例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の配線導体16用の貫通孔111に配線導体16用の導体ペースト116を充填する。また、セラミックグリーンシート211の切欠き部12となる貫通孔212の内面に、内面電極13用の導体ペースト113をスクリーン印刷法によって塗布印刷する。この際、内面電極13用の導体ペースト113の端部を、セラミックグリーンシート211の表面に延出するように印刷塗布する。そして、図16(c)に示す例のように、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート111の表面に配線導体16用の導体ペースト116を印刷塗布する。また、絶縁基板11となるセラミックグリーンシート211の表面に外部電極14用の導体ペースト114と配線導体16用の導体ペースト116とを印刷塗布し、それぞれの導体ペーストと内面電極13用の導体ペースト113とを接続する。この際、外部電極14用の導体ペースト114を外部電極14用の導体ペースト114を切欠き部12となる貫通孔212の内面に延出させて印刷塗布することで、セラミックグリーンシート211の表面側と切欠き部12用の貫通孔212の内面とで、内面電極13用の導体ペーストと外部電極14の導体ペーストとをそれぞれ重ねる。そして、セラミックグリーンシート111とセラミックグリーンシート211とを積層して加圧することにより、内面電極13用の導体ペースト113と配線導体16用の導体ペースト114との接続部において、内面電極13用の導体ペースト113および外部電極14用の導体ペースト114の厚みが厚い絶縁基板11となるセラミック生積層体を形成し、このセラミック生積層体を焼成することにより、図15(d)に示す例のように、接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい凹部312を有する絶縁基板11を形成する。さらに、図16(e)に示された例のように、凹部312を分断することにより、切欠き部12の内側面に位置し、内面電極13と外部電極14との接続部15の厚みが、内面電極13の厚みおよび外部電極14の厚みより大きい配線基板1を製作することができる。
【0054】
第3の実施形態の配線基板1は、その他においては、上述の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態による電子装置について、図17および図18を参照しつつ説明する。第4の実施形態における電子装置において、上述の実施形態の電子装置と異なる点は、切欠き部12が、絶縁基板11の両主面および側面に開口している点である。また、絶縁基板11は、他方主面(図17および図18では上面)に、凹部17を有している。なお、図17(b)に示す例において、内面電極13の側面が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。
【0056】
第4の実施形態の配線基板1の接続部15の厚みT3は、上述の実施形態の配線基板1と同様に、内面電極13の厚みT1および外部電極14の厚みT2より大きくなっている(T3>T1、T3>T2)。接続部15の厚みT3は、1.1T1≦T3≦3T1、かつ1.1T2≦T3≦3T2程度に形成される。
【0057】
第4の実施形態における配線基板1は、第3の実施形態の配線基板1と同様に、配線基板1とモジュール用基板5とを接合した際に、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において肉厚にすることで、配線基板1の平面方向および厚み方向のそれぞれに直交する両方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性をより効果的に高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において放熱しやすくすることができる。
【0058】
また、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向から絶縁基板11の厚み方向にかけて、厚みが大きくなっており、配線基板1の平面方向から厚み方向にかけて、直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より効果的に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高めるとともに、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0059】
凹部17は、例えば、底面に電子部品2を搭載するためのものである。凹部17の底面には、電子部品2と電気的に接続するための配線導体16が導出している。凹部17は、平面視において、角部が円弧状の矩形状であり、絶縁基板11の中央部に位置している。図17および図18に示す例において、絶縁基板11は、3層の絶縁層11aから形成されており、凹部17は、一方主面側の1番目~2番目の絶縁層11aに位置している。
【0060】
凹部17は、例えば、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートのいくつかにレーザー加工や金型による打ち抜き加工等によって、凹部17となる貫通孔をそれぞれのセラミックグリーンシートに形成し、このセラミックグリーンシートを、貫通孔を形成していない他のセラミックグリーンシートに積層することで形成できる。
【0061】
第4の実施形態の配線基板1は、上述の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0062】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態による電子装置について、図19および図20を参照しつつ説明する。第5の実施形態における電子装置において、上記した第1の実施形態の電子装置と異なる点は、絶縁基板11の内部に、絶縁基板11の厚み方向に沿って形成された外部電極14と配線導体16とを接続するビア18を有する点である。なお、図19(b)に示す例において、内面電極13の側面が、平面透視において、接続部15と重なる領域を破線にて示している。また、図19(b)に示す例において、ビア18の側面が、平面透視において、外部電極14と重なる領域を破線にて示している。
【0063】
第5の実施形態の配線基板1の接続部15の厚みT3は、上述の実施形態の配線基板1と同様に、内面電極13の厚みT1および外部電極14の厚みT2より大きくなっている(T3>T1、T3>T2)。接続部15の厚みT3は、1.1T1≦T3≦3T1、かつ1.1T2≦T3≦3T2程度に形成される。
【0064】
第5の実施形態における配線基板1は、第3の実施形態の配線基板1と同様に、配線基板1とモジュール用基板5とを接合した際に、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において肉厚にすることで、配線基板1の平面方向および厚み方向の直交する両方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性をより効果的に高め、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15において放熱しやすくすることができる。
【0065】
また、接続部15は、絶縁基板11の主面に沿った方向から絶縁基板11の厚み方向にかけて、厚みが大きくなっており、配線基板1の平面方向から厚み方向にかけて、直交する方向に対するはんだ6との係止部を有する構成となり、より効果的に配線基板1とモジュール用基板5との接続信頼性を高めるとともに、内面電極13と外部電極14との境界の接続部15におけるより良好に放熱しやすくすることができる。
【0066】
また、図19および図20に示す例において、1つの外部電極14に1つのビア18が接続されているが、1つの外部電極14に複数のビア18が接続されている配線基板1であっても構わない。
【0067】
ビア18は、配線導体16の貫通導体と同様の製造方法により製作することができる。
【0068】
第5の実施形態の配線基板1は、上述の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0069】
本開示は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、絶縁基板11は、平面視において、側面または角部に切欠き部や面取り部を有している矩形状であっても構わない。
【0070】
また、上述の実施形態の配線基板1において、絶縁基板11の下面側に、外部電極14が形成しているが、絶縁基板11の上面側、すなわち、電子部品2の搭載部と同じ主面側にて、外部電極14を有するものであっても構わない。
【0071】
また、第1~第5の実施形態の配線基板1の構成を組み合わせても構わない。例えば、第1の実施形態の配線基板1または第3~第5の実施形態の配線基板1において、配線基板1が、凹部17を有しているものであって構わない。また、第1~第4の実施形態の配線基板1において、ビア18を備えていても構わない。
【0072】
また、上述の実施形態において、切欠き部12、内面電極13、外部電極14、接続部15は、絶縁基板11の相対する2辺に位置しているが、例えば、絶縁基板11が矩形状の場合、絶縁基板11の4辺に、互いに位置していても構わない。
【0073】
また、接続部15が絶縁基板11の厚み方向において、厚みが大きくなっている配線基板1において、外部電極14の表面に、接続部15と同等の大きさ(≒T3)に周囲の領域よりも部分的に厚くなる領域を有しておいても良い。これにより、配線基板1とモジュール用基板5との接合する際の傾きをより低減し、電子部品2として発光素子を用いる場合、視認性および輝度に優れた発光装置用の配線基板1とすることができる。例えば、第5の実施形態の配線基板1において、平面視にてビア18と重なる外部電極14の表面を、周囲の外部電極14よりも厚くなるようにしておくとよい。
【0074】
上述の実施形態において、絶縁基板11は、2層または3層の絶縁層11aにより構成している例を示しているが、絶縁基板11は、4層以上の絶縁層11aにより構成していても構わない。
【0075】
また、配線基板1は、多数個取り配線基板の形態で製作されていてもよい。
【0076】
本開示に係る配線基板は、以下の態様(1)~(6)で実施可能である。
【0077】
(1)主面および側面に開口する切欠き部を有している絶縁基板と、
前記切欠き部の内面に位置した内面電極と、
前記絶縁基板の主面に位置した外部電極とを含んでおり、
前記内面電極と前記外部電極とが接続された接続部を有しており、
該接続部の厚みは、前記内面電極の厚みおよび前記外部電極の厚みより大きいことを特徴とする配線基板。
【0078】
(2)前記接続部は、前記切欠き部における前記主面側の開口に沿って位置していることを特徴とする上記態様(1)に記載の配線基板。
【0079】
(3)前記接続部は、前記切欠き部の内面に沿った方向における、前記内面電極の幅と同等の長さを有していることを特徴とする上記態様(2)に記載の配線基板。
【0080】
(4)前記接続部は、前記主面に沿った方向において、厚みが大きくなっていることを特徴とする上記態様(1)~(3)のいずれかに記載の配線基板。
【0081】
(5)前記接続部は、前記絶縁基板の厚み方向において、厚みが大きくなっていることを特徴とする上記態様(1)~(4)のいずれかに記載の配線基板。
【0082】
(6)前記接続部は、凸曲面状であることを特徴とする上記態様(1)~(5)のいずれかに記載の配線基板。
【0083】
本開示に係る電子装置は、以下の態様(7)で実施可能である。
【0084】
(7)上記態様(1)~(6)のいずれかに記載の配線基板と、
該配線基板に搭載された電子部品とを有することを特徴とする電子装置。
【0085】
本開示に係る電子モジュールは、以下の態様(8)で実施可能である。
【0086】
(8)接続パッドを有するモジュール用基板と、
前記接続パッドにはんだを介して接続された上記態様(7)に記載の電子装置とを有することを特徴とする電子モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20