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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-10
(45)【発行日】2024-09-19
(54)【発明の名称】ペットフード組成物
(51)【国際特許分類】
   A23K 20/142 20160101AFI20240911BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20240911BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20240911BHJP
   A23K 20/158 20160101ALI20240911BHJP
【FI】
A23K20/142
A23K10/30
A23K50/40
A23K20/158
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023514461
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021048353
(87)【国際公開番号】W WO2022051248
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】63/073,130
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502329223
【氏名又は名称】ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ジュエル、デニス
(72)【発明者】
【氏名】モーガン、ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】パニッカー、キラン
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0239941(US,A1)
【文献】特開2011-068588(JP,A)
【文献】特開2012-207015(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0093763(US,A1)
【文献】特開2018-138574(JP,A)
【文献】特開2013-226140(JP,A)
【文献】特表2020-501502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 20/142
A23K 10/30
A23K 50/40
A23K 20/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベタインと、
カルニチンと、
中鎖トリグリセリド源と、を含む、ペットフード組成物であって、
ベタインと前記中鎖トリグリセリド源との重量比が約1:4.6であり、かつ、
前記組成物はイヌ科動物の除脂肪体重を増加させ、体脂肪を減少させる、ペットフード組成物
【請求項2】
前記中鎖トリグリセリド源が、ココナッツ油と、パーム核油と、パーム油と、中鎖トリグリセリドの構造化脂質と、それらの組み合わせと、から選択される、請求項1に記載のペットフード組成物。
【請求項3】
前記中鎖トリグリセリド源が、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、およびドデカン酸から選択される少なくとも一つの中鎖トリグリセリドを提供する、請求項1または請求項2に記載のペットフード組成物。
【請求項4】
前記中鎖トリグリセリド源がココナッツ油を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項5】
前記ベタインが、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.03%~約1%、約0.2%~約0.95%、または約0.3%~約0.85%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項6】
前記カルニチンが、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.01%~約0.06%、約0.015%~約0.055%、または約0.015%~約0.05%の量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項7】
前記中鎖トリグリセリド源が、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約4%、約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項8】
ベタインとカルニチンとの重量比が、約13:1~約20:1、約14:1~約19:1、または約15:1~約18:1である、請求項1~7のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項9】
カルニチンと前記中鎖トリグリセリド源との重量比が、約1:60~約1:90、約1:65~約1:85、または約1:70~約1:80である、請求項1~のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項10】
ベタインとカルニチンとの重量比が約16.66:1であり、またはカルニチンと前記中鎖トリグリセリド源との重量比が約1:76.66である、請求項1~のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項11】
前記ベタインおよび前記カルニチンが、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.3%~約1%、約0.4%~約0.8%、または約0.4%~約0.6%の量で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項12】
前記ベタインおよび前記中鎖トリグリセリド源が、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4.5%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項13】
前記カルニチンおよび前記中鎖トリグリセリド源が、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%の量で存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項14】
前記ベタイン、カルニチン、および前記中鎖トリグリセリド源が、前記ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載のペットフード組成物。
【請求項15】
イヌ科動物の除脂肪体重を増加させるための方法であって、前記方法が請求項1~14のいずれか一項に記載のペットフード組成物を動物に給餌することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年9月1日に出願された米国特許仮出願第63/073,130号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
家畜の幸福は、その摂食と密接に関係している。正しい給餌は、ペットが元気で健康であることにつながるはずである。正しい給餌を達成するために、動物に有益な効果をもたらす特定の原料およびそれら原料の濃度を利用し得る。こうした有益な効果には、体重の維持、除脂肪量の増加および/または体脂肪の減少が含まれ得る。
【0003】
したがって、体重の維持、除脂肪量の増加および/または体脂肪の減少のうちの一つ以上に影響を与え得るペットフード組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、本開示の一つ以上の実施のいくつかの態様の簡略化された概要を単に紹介することを意図するものである。本開示が適用可能であるさらなる領域は、本明細書で以下に提供される発明を実施するための形態から明らかになるであろう。この概要は、広範な概観ではなく、本教示の重要なまたは決定的な要素を特定することも意図しておらず、本開示の範囲を説明することも意図されていない。むしろ、その目的は、以下の詳細な説明の前置きとして、一つ以上の概念を簡略化された形式で提示することに過ぎない。
【0005】
出願人は、ペットフード内の特定の原料の利用が、効果的な健康上の利益をもたらすことを発見した。一態様では、健康上の利益は、動物の除脂肪体重を増加させることであってもよい。別の態様では、健康上の利益は、動物の体脂肪を減少させることであってもよい。したがって、一部の実施形態では、本発明は、ベタインと、カルニチンと、中鎖トリグリセリド源とを含む、ペットフード組成物を提供する。その他の実施形態では、本発明は、イヌ科動物の除脂肪体重を増加させるための方法であって、ベタインと、カルニチンと、中鎖トリグリセリド源とを含むペットフード組成物を動物に給餌することを含む、方法を提供する。
【0006】
本発明が適用可能であるさらなる領域は、以下に提供される発明を実施するための形態から明らかになるであろう。発明を実施するための形態および特定の実施例は、本発明の典型的な実施形態を示しているものの、例示の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していないと理解されるべきである。
【0007】
本開示が適用可能であるさらなる領域は、本明細書で以下に提供される発明を実施するための形態から明らかになるであろう。発明を実施するための形態および特定の実施例は、本開示の好ましい実施形態を示しているものの、例示の目的のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していないと理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示の目的のために、本発明の原理は、その様々な例示的な実施形態を参照することによって記述される。本発明の特定の実施形態が本明細書に具体的に記述されているが、当業者は、同じ原理が他の用途および方法に等しく適用可能であり、かつ採用され得ることを容易に認識するであろう。本発明はその用途において、示された任意の特定の実施形態の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、記述の目的のためのものであり、本発明、その用途、または使用を限定すべきではない。
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別様を規定しない限り、複数の参照を含む。原料の任意のクラスの単数形は、そのクラス内の一つの化学種だけでなく、それらの化学種の混合物も指す。「a」(または「an」)、「一つ以上」、および「少なくとも一つ」という用語は、本明細書では互換的に使用される場合がある。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」、および「有する(having)」という用語は、互換的に使用される場合がある。「を含む(が挙げられる)(include)」という用語は、「を含む(が挙げられる)がこれらに限定されない(include, but are not limited to)」と解釈されるべきである。「を含む(が挙げられる)(including)」という用語は、「を含む(が挙げられる)がこれらに限定されない(including, but are not limited to)」と解釈されるべきである。
【0010】
全体を通して使用されている通り、範囲は、その範囲内にあるありとあらゆる値を記述するための省略表現として使用される。範囲内の任意の値を、その範囲の末端として選択することができる。
【0011】
特に断らない限り、本明細書内および本明細書の他の箇所で表現される割合および量はすべて、全組成物のうちの重量パーセントを指すものと理解されるべきである。「重量%」に存在する分子、または複数の分子への言及は、組成物の総重量に基づいて、組成物中に存在するその分子、または複数の分子の量を指す。
【0012】
本出願によれば、数値と併せて「約」という用語を使用することは、その数字の+/-5%であり得る値を指す。本明細書で使用される場合、「実質的に無い(substantially free)」という用語は、組成物の約5.0重量%未満、3.0重量%未満、1.0重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、より好ましくは約0.25重量%未満の量を意味することを意図する。
【0013】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で引用または参照されるすべての特許、特許出願、刊行物、および他の参考文献は、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。本開示における定義と、引用された参照文献における定義に矛盾がある場合、本開示が支配する。
【0014】
本開示は、ペットフード組成物、およびこのようなペットフード組成物を家庭用ペットの治療のために使用する方法を対象とする。特定の実施形態では、ペットはイヌである。他の実施形態では、ペットはネコである。
【0015】
本発明者らは、驚くべきことに、また予想外にも、ベタイン、カルニチン、およびココナッツ油を含むペットフード食餌を動物に提供することが、動物の健康上の利益の向上をもたらすことを発見した。こうした健康上の利益の向上は、多数の態様によって例示されうる。第一の態様では、健康上の利益の向上は、ペットの除脂肪量の増加のための相乗効果である。別の態様では、健康上の利益の向上は、ペットの体脂肪の減少のための相乗効果である。
【0016】
したがって、一態様では、本開示は、ベタイン、カルニチン、およびココナッツ油を含むペットフード組成物を提供する。特定の実施形態では、ペットフードは乾燥形態である。特定の実施形態では、ペットフードは湿潤形態である。
【0017】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物はベタインを含む。ベタインは、三つのメチル基を有するグリシンから成る修飾アミノ酸であり、いくつかの代謝経路においてメチルドナーとしての役割を果たす。ベタインは、様々な量または濃度で存在し得る。一実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約2%の量で存在し得る。例えば、ベタインは、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.08重量%、約0.1重量%、約0.15重量%、約0.2重量%、約0.25重量%、約0.3重量%、約0.35重量%、約0.4重量%、約0.45重量%、約0.5重量%、約0.55重量%、約0.6重量%、約0.65重量%、約0.7重量%、約0.75重量%、約0.8重量%、約0.85重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、または約2重量%の量で存在し得る。別の実施例では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.2%~約1%、約0.2%~約0.8%、または約0.4%~約0.6%の量で存在し得る。別の実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.02%~約1.8%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.1%~約1.5%の量で存在し得る。別の実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.03%~約1.2%、約0.03%~約1%、約0.07%~約0.8%、約0.1%~約0.7%、または約0.2%~約0.7%の量で存在し得る。別の実施例では、ベタインは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.03重量%~約1重量%、約0.07重量%~約0.9重量%、約0.1重量%~約0.9重量%、約0.2重量%~約0.9重量%、約0.3重量%~約0.8重量%、約0.35重量%~約0.75重量%、または約0.35重量%~約0.7重量%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.03%~約1%、約0.2%~約0.95%、または約0.3%~約0.85%の量で存在する。典型的な実施では、ペットフード組成物中に存在するベタインの量は、約0.2重量%~約0.6重量%、より典型的には約0.5重量%であり得る。
【0018】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物は、カルニチンを含む。カルニチンは、大半の哺乳類、植物、および一部の細菌における代謝に伴う第四級アンモニウム化合物である。カルニチンは、後続のβ酸化のためのミトコンドリア内膜にわたる長鎖脂肪酸の輸送に必須であることが示されている。カルニチンは、様々な量または濃度で存在し得る。一実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約1%の量で存在し得る。例えば、カルニチンは、約0.01重量%、約0.015重量%、約0.02重量%、約0.025重量%、約0.03重量%、約0.035重量%、約0.04重量%、約0.045重量%、約0.05重量%、約0.055重量%、約0.06重量%、約0.065重量%、約0.07重量%、約0.075重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.095重量%、約0.1重量%、約0.15重量%、約0.2重量%、約0.25重量%、約0.3重量%、約0.35重量%、約0.4重量%、約0.45重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、または約1重量%の量で存在し得る。別の実施例では、カルニチンは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約0.9%、0.015%~約0.85%、約0.02%~約0.8%、0.025%~約0.075%、または約0.025%~約0.06%の量で存在し得る。別の実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約0.09%、約0.015%~約0.08%、約0.015%~約0.07%、約0.015%~約0.06%、または約0.015%~約0.04%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.01%~約0.5%の量で存在し得る。別の実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.02%~約0.06%、約0.025%~約0.055%、約0.025%~約0.06%、約0.025%~約0.055%、または約0.25%~約0.05%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.01%~約0.6%、約0.015%~約0.055%、または約0.015%~約0.05%の量で存在する。典型的な実施では、ペットフード組成物中に存在するカルニチンの量は、約0.01重量%~約0.06重量%、より典型的には約0.03重量%であり得る。
【0019】
少なくとも一つの実施では、ペットフード組成物はココナッツ油を含む。ココナッツ油は、様々な量または濃度で存在し得る。一実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約5%の量で存在し得る。例えば、ココナッツ油は、約1重量%、約1.2重量%、約1.4重量%、約1.6重量%、約1.8重量%、約2重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3重量%、約3.2重量%、約3.4重量%、約3.6重量%、約3.8重量%、約4重量%、約4.2重量%、約4.4重量%、約4.6重量%、約4.8重量%、または約5重量%の量で存在し得る。別の実施例では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約4%、1.2%~約3.8%、約1.4%~約3.6%、1.6%~約3.4%、約1.8%~約3.2%、約2%~約3%の量で存在し得る。別の実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1%~約3.5%、約1.2%~約3.3%、約1.4%~約3.1%、約1.5%~約3%、または約1.6%~約2.9%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.05%~約3.5%の量で存在し得る。別の実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約0.07%~約3.5%、約0.1%~約3.5%、約0.25%~約3.5%、約0.35%~約3.5%、または約0.5%~約3.5%の量で存在し得る。さらなる実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約4%、約1.5%~約3.5%、または約1.5%~約3%の量で存在する。典型的な実施では、ペットフード組成物中に存在するココナッツ油の量は、約1.5重量%~約3.5重量%、より典型的には約2.3重量%であり得る。
【0020】
ベタインとカルニチンとの質量比は、様々であり得る。特定の実施形態では、ベタインとカルニチンとの比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約8:1~約25:1である。例えば、ベタインとカルニチンとの比は、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、または約25:1であり得る。特定の実施形態では、ベタインとカルニチンとの比は、約10:1~約20:1である。特定の実施形態では、ベタインとカルニチンとの比は、約12:1~約18:1である。さらなる実施形態では、ベタインとカルニチンとの比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約13:1~約20:1、約14:1~約19:1、または約15:1~約18:1である。さらなる実施形態では、ベタインとカルニチンとの比は約16.66:1である。
【0021】
ベタインとココナッツ油との質量比は、様々であり得る。特定の実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1:2~約1:10である。例えば、ベタインとココナッツ油との比は、約1:2、約1:3、約1:3.2、約1:3.4、約1:3.6、約1:3.8、約1:4、約1:4.2、約1:4.4、約1:4.6、約1:4.8、約1:5、約1:5.2、約1:5.4、約1:5.6、約1:5.8、約1:6、約1:6.5、約1:7、約1:7.5、約1:8、約1:8.5、約1:9、約1:9.5、または約1:10であり得る。特定の実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は、約1:3~約1:9である。特定の実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は、約1:3~約1:8である。さらなる実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1:3~約1:7、約1:3~約1:6、または約1:3.5~約1:5.5である。さらなる実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は、約1:3~約1:7、約1:3.3~約1:6、または約1:3.6~約1:5.2である。さらなる実施形態では、ベタインとココナッツ油との比は約1:4.6である。
【0022】
カルニチンとココナッツ油との質量比は、様々であり得る。特定の実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1:50~約1:100である。例えば、カルニチンとココナッツ油との比は、約1:50、約1:55、約1:60、約1:62、約1:64、約1:66、約1:68、約1:70、約1:72、約1:74、約1:76、約1:78、約1:80、約1:82、約1:84、約1:86、約1:88、約1:90、約1:92、約1:94、約1:96、約1:98、または約1:100であり得る。特定の実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は、約1:60~約1:90である。特定の実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は、約1:65~約1:85である。さらなる実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は、ペットフード組成物の総重量に基づいて、約1:60~約1:95、約1:65~約1:90、または約1:65~約1:85である。さらなる実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は、約1:60~約1:90、約1:65~約1:85、または約1:70~約1:80である。さらなる実施形態では、カルニチンとココナッツ油との比は約1:76.66である。
【0023】
ベタイン、カルニチン、および/またはココナッツ油の合わせた全質量の量は、様々であり得る。特定の実施形態では、ベタインおよびカルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.2%~約1.5%、約0.3%~約1.2%、または約0.4%~約1%の量で存在する。特定の実施形態では、ベタインおよびカルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.3%~約1%、約0.4%~約0.8%、または約0.4%~約0.6%の量で存在する。
【0024】
特定の実施形態では、組成物中に存在するベタインおよびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.5%~約6%、約1%~約5%、または約1.5%~約4.5%の量である。特定の実施形態では、組成物中に存在するベタインおよびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4.5%、または約1.8%~約3.8%の量である。
【0025】
特定の実施形態では、組成物中に存在するカルニチンおよびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.5%~約7%、約1%~約6%、または約1%~約4%の量である。特定の実施形態では、組成物中に存在するカルニチンおよびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%の量である。
【0026】
特定の実施形態では、組成物中に存在するベタイン、カルニチン、およびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.6%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、または約1%~約5%の量である。特定の実施形態では、組成物中に存在するベタイン、カルニチン、およびココナッツ油の総量は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.8%~約3.8%の量である。
【0027】
本発明の組成物は、任意的に、ペットフード組成物での使用に適した追加の原料を含んでもよい。こうした原料の例としては、炭水化物、食物繊維、アミノ酸、ミネラル、微量元素、ビタミン、添加剤が挙げられるがこれに限定されない。
【0028】
炭水化物は、オート麦繊維、セルロース、落花生殻、ビートパルプ、パーボイルド米、コーンスターチ、コーングルテンミール、およびこれら源の任意の組み合わせを含む、当業者に知られている任意の種々の源より供給できる。炭水化物を供給する穀物は、小麦、トウモロコシ、大麦、およびコメを含むことができるが、これらに限定されない。フード中の炭水化物の含有量は、当業者に知られている任意の数の方法により決定することができる。通常、炭水化物の割合は、可溶無窒素物(「NFE」)として計算することができ、これは以下のように計算することができる: NFE=100%-水分%-タンパク質%-脂肪%-灰分%-粗繊維%。
【0029】
食物繊維は、動物の消化酵素による消化に耐性を有する植物の構成要素を指す。食物繊維としては、可溶性繊維および不溶性繊維が挙げられる。可溶性繊維は、小腸での消化および吸収に対して耐性があり、かつ、大腸で完全にまたは部分的に発酵されるものであり、例えばビートパルプ、グアーガム、チコリー根、オオバコ、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、オート麦、マメ、柑橘類、大麦、またはエンドウである。不溶性繊維は、例えばセルロース、全粒小麦製品、小麦オート麦(wheat oat)、コーンブラン、亜麻仁、ブドウ、セロリ、サヤインゲン、カリフラワー、ジャガイモの皮、果物の皮、野菜の皮、落花生殻、および大豆繊維を含む、任意の種々の源より供給できる。粗繊維としては、例えばコメ、トウモロコシ、およびマメ等の穀物の殻である、穀物等の植物の細胞壁および細胞含有物に含有される消化されにくい成分が挙げられる。本開示の組成物中の典型的な繊維量は、約0~10%、または約1%~約5%とすることができる。
【0030】
必須アミノ酸を含むアミノ酸が、遊離アミノ酸として本開示の組成物に添加されるか、または、例えば粗タンパク質である任意の数の源によって本開示の組成物に供給されることが可能である。必須アミノ酸は、生命体により新規に合成できない、または不十分な量しか合成できないため、食餌で供給しなければならないアミノ酸である。必須アミノ酸は、生命体の代謝に依存し、種間において異なる。例えば、イヌおよびネコ(ならびにヒト)の必須アミノ酸はフェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、リシン、イソロイシン、バリン、トレオニン、トリプトファン、ヒスチジン、およびアルギニンであることが通常理解されている。さらに、専門的にはアミノ酸ではないがシステインの誘導体であるタウリンは、ネコの必須栄養素である。
【0031】
本発明の組成物は、任意的に脂肪を含んでもよい。脂肪は、肉、食肉処理副産物、魚油、および植物を含む、当業者に知られている任意の種々の源より供給できる。植物性脂肪源としては、小麦、亜麻仁、ライ麦、大麦、米、モロコシ、トウモロコシ、オート麦、粟、コムギ胚芽、トウモロコシ胚芽、大豆、落花生、および綿実、ならびにこれらおよび他の植物性脂肪源由来の油が挙げられる。本開示の組成物は、少なくとも約9%(または約9%~約35%、もしくは約10%~約25%、もしくは約15%~約22%)の総脂肪を含有し得る。
【0032】
一部の実施形態では、本発明は、オメガ-6多価不飽和脂肪酸サプリメントを含むペットフード組成物を提供する。特定の実施形態では、組成物は、一つ以上のオメガ-3多価不飽和脂肪酸を含む。一部の実施形態では、オメガ-6多価不飽和脂肪酸サプリメントは、アラキドン酸(AA)を含む。一部の実施形態では、オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(EPA)および/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含む。一部の実施形態では、本発明は、アラキドン酸(AA)、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含むペットフード組成物を提供し、AA:(EPA+DHA)の比は、約0.4:1~約0.6:1であり、合計オメガ-6脂肪酸と合計オメガ-3脂肪酸との比(n6:n3)は、約4:1~約7:1の範囲である。
【0033】
特定の実施形態では、ペットフード組成物は、アルファ-リノレン酸(ALA)を含んでもよい。アルファ-リノレン酸は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.3%~約1%の量で存在し得る。例えば、ペットフード組成物中に存在するアルファ-リノレン酸の量は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、または約1重量%であり得る。別の実施形態では、ペットフード組成物中に存在するアルファ-リノレン酸の量は、約0.1重量%~約0.9重量%、約0.1重量%~約0.8重量%、約0.1重量%~約0.7重量%、約0.1重量%~約0.6重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%であり得る。典型的な実施では、ペットフード組成物中に存在するアルファ-リノレン酸の量は、約0.2重量%~約0.6重量%、より典型的には約0.55重量%であり得る。
【0034】
本開示の組成物はまた、欠乏を防ぎ、健康を維持するために必要な量で、例えば塩化物、ヨウ化物、フッ化物、硫化物または酸化物等の対イオンを有する、例えばカルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、クロム、モリブデン、セレン、または鉄塩類である一つ以上のミネラルおよび/または微量元素を含有することもできる。これらの量は、例えばOfficial Publication of the Associate of American Feed Control Officials, Inc. (”AAFCO”), Nutrient Requirements of Dogs and Cats, 2006で提供されているように、当業者に知られている。典型的なミネラルの量は、約0.1%~約4%、または約1%~約2%である。
【0035】
本発明の組成物はまた、欠乏を防ぎ、健康を維持するために必要な量のビタミンを含むこともできる。これらの量、および測定方法は当業者に知られている。例えば、Official Publication of the Associate of American Feed Control Officials, Inc. (”AAFCO”), Nutrient Requirements of Dogs and Cats, 2006において、イヌおよびネコのためのかかる原料の推奨量を提供している。本明細書で意図される通り、ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンH(ビオチン)、ビタミンK、葉酸、コリン、イノシトール、ナイアシン、およびパントテン酸を含むことができるがこれらに限定されない。本発明の組成物における典型的なビタミンの量は、約0~約3%、または約1%~約2%である。
【0036】
本開示の組成物は、当業者によく知られている量および配合で、嗜好性増強剤および安定剤等の、他の添加剤を追加的に含むことができる。安定化物質としては、例えば、組成物の貯蔵寿命を増加させる傾向にある物質が挙げられる。本発明の組成物中に含めるのに潜在的に好適な、かかる他の添加剤の他の例としては、例えば、防腐剤、着色剤、酸化防止剤、風味剤、相乗剤および封鎖剤、包装ガス、安定剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、ならびに湿潤剤が挙げられる。乳化剤および/または増粘剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロースエーテル、デンプン、デンプンエステル、デンプンエーテル、および加工デンプンが挙げられる。組成物中のかかる添加剤の濃度は典型的には、最大約5重量%とすることができる。一部の実施形態では、かかる添加剤の濃度(特に、かかる添加剤が主にビタミンおよびミネラル等の栄養バランス剤である場合)は、約0重量%~約2.0重量%である。一部の実施形態では、かかる添加剤の濃度(ここでも特に、かかる添加剤が主に栄養バランス剤である場合)は約0重量%~約1.0重量%である。
【0037】
任意の堅さまたは含水量のフードが意図されており、例えば、本発明の組成物は例えば、乾燥、湿性または半湿性の動物フード組成物とすることができる。一部の実施形態では、含水量は組成物の総重量の約3%~約90%である。「半湿性」は、約25~約35%の水分を含有するフード組成物を指す。「湿性」フードは、約60~90%以上の含水量を有するフード組成物を指す。「乾燥」フードは、約3~約11%の含水量を有するフード組成物を指し、多くの場合、小片またはキブルの形態で製造される。
【0038】
特定の態様では、本出願は、本開示の組成物のいずれかを作製する方法をさらに開示する。湿潤形態または缶詰形態で本発明の組成物を調製する際、任意の原料(例えば、ベタイン、カルニチン、ココナッツ油)は通常、例えば組成物の他の成分の混合中および/または混合後等、配合物の加工中に組成物に組み込むことができる。これらの成分の組成物への分配は、従来の手段により達成することができる。一部の実施形態では、すりつぶした動物および家禽のタンパク質組織を、魚油、穀粒、他の栄養バランス原料、特別目的の添加剤(例えば、ビタミンとミネラルとの混合物、無機塩類、セルロースおよびビートパルプ、充填剤等)を含む他の原料と混合し、加工に十分な量の水も加える。これらの原料は、成分をブレンドしながら加熱に好適な容器中で混合することができる。例えば、直接の蒸気注入による、または熱交換器を備えた容器を使用することによる等の、任意の好適な方法を使用して、混合物の加熱を行うことができる。最後の原料を加えた後、混合物を約50°F(10℃)~約212°F(100℃)の温度範囲まで加熱することができる。一部の例では、混合物を約70°F(21℃)~約140°F(60℃)の温度範囲まで加熱することができる。これらの範囲外の温度は概して許容可能であるが、他の加工助剤を使用しなければ、商業的に非実用的となる場合がある。適切な温度に加熱されると、材料は典型的に、濃厚液の形態になるであろう。この濃厚液を、缶に詰めることができる。缶に詰められると、蓋が付けられ、容器は密封封止される。次いで、封止した缶を、内容物を滅菌するために設計された従来の機器の中に定置する。これは通常、約230°F(110℃)を超える温度まで、適切な時間加熱することにより達成され、この時間は例えば、使用する温度および組成物に依存する。
【0039】
あるいは、従来のプロセスを使用して、乾燥形態のペットフード組成物を調製することができる。典型的には、例えば、動物性タンパク質、植物性タンパク質、穀物等を含む乾燥原料を粉砕して、共に混合する。次に、脂肪、油、動物性タンパク質、水等を含む湿性または液体の原料を加え、乾燥混合物と混合する。次に、混合物をキブルまたは類似の乾燥片へと加工する。キブルは多くの場合、乾燥原料と湿潤原料との混合物が高圧および高温で機械的加工に供され、小さな開口部から押し出され、回転ナイフでキブルに切断される、押出プロセスを使用して形成される。次に、湿潤キブルを乾燥させて、任意的に、例えばフレーバー、脂肪、油類、粉末等を含んでよい、一つ以上の局所コーティング材でコーティングする。キブルはまた、押出成形ではなくベーキング法を用いてドウより作製することができ、この方法では、ドウをモールド内に配置した後、乾燥加熱プロセスを行う。
【0040】
別の態様では、本開示は、動物の除脂肪体重を増加させるために有効な量で、ベタイン、カルニチンおよびココナッツ油を含むペットフード組成物を動物に給餌することを含む、イヌ科動物またはネコ科動物の除脂肪体重を増加させるための方法を提供する。好ましい実施形態では、除脂肪体重のこうした増加は、指定された原料のうちの一つ以上が存在しない条件下で起きるであろうものよりも大きい。特定の実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.03%~約1%の量で存在する。特定の実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.01%~約0.06%の量で存在する。特定の実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1.5%~約3%の量で存在する。ベタインとカルニチンとの比は、約13:1~約20:1、約14:1~約19:1、または約15:1~約18:1であり得る。ベタインとココナッツ油との比は、約1:3~約1:6、約1:3.3~約1:5.5、または約1:3.6~約1:5.2であり得る。カルニチンとココナッツ油との比は、約1:70~約1:90、約1:65~約1:85、または約1:70~約1:80である。特定の実施形態では、ベタインおよびカルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.3%~約1%、約0.4%~約0.8%、または約0.4%~約0.6%の量で存在する。特定の実施形態では、ベタインおよびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4.5%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する。特定の実施形態では、カルニチンおよびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%の量で存在する。特定の実施形態では、ベタイン、カルニチン、およびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する。
【0041】
別の態様では、本開示は、動物の体脂肪を減少させるために有効な量で、ベタイン、カルニチン、およびココナッツ油を含むペットフード組成物を動物に給餌することを含む、イヌ科動物またはネコ科動物の体脂肪を減少させるための方法を提供する。好ましい実施形態では、体脂肪のこうした減少は、指定された原料(すなわち、ベタイン、カルニチン、ココナッツ油)のうちの一つ以上が存在しない条件下で起きるであろうものよりも大きい。特定の実施形態では、ベタインは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.03%~約1%の量で存在する。特定の実施形態では、カルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.01%~約0.06%の量で存在する。特定の実施形態では、ココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1.5%~約3%の量で存在する。ベタインとカルニチンとの比の比は、約13:1~約20:1、約14:1~約19:1、または約15:1~約18:1であり得る。ベタインとココナッツ油との比は、約1:3~約1:6、約1:3.3~約1:5.5、または約1:3.6~約1:5.2であり得る。カルニチンとココナッツ油との比は、約1:70~約1:90、約1:65~約1:85、または約1:70~約1:80である。特定の実施形態では、ベタインおよびカルニチンは、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約0.3%~約1%、約0.4%~約0.8%、または約0.4%~約0.6%の量で存在する。特定の実施形態では、ベタインおよびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4.5%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する。特定の実施形態では、カルニチンおよびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.5%~約3.5%の量で存在する。特定の実施形態では、ベタイン、カルニチン、およびココナッツ油は、ペットフード組成物の乾燥重量に基づいて、約1%~約5%、約1.5%~約4%、または約1.8%~約3.8%の量で存在する。
【実施例
【0042】
本明細書に記載される実施例および他の実施は、例示的であり、本開示の組成物および方法の全範囲の説明を限定するものであることを意図しない。特定の実施、材料、組成物、および方法の同等の変更、修正および変形は、実質的に類似した結果を伴って、本開示の範囲内で行われてもよい。
【0043】
[実施例1]
32匹のイヌを、四つの治療のうちの一つで90日間給餌した。第一の治療群に、2.3%の中鎖トリグリセリド源(例えば、ココナッツ油)を含有するフードを与えた(治療1)。第二の治療群に、300ppmカルニチンおよび2.3%の中鎖トリグリセリド源(例えば、ココナッツ油)を含有するフードを与えた(治療2)。第三の治療群に、5000ppmベタインおよび2.3%の中鎖トリグリセリド源(例えば、ココナッツ油)を含有するフードを与えた(治療3)。第四の治療群に、5000ppmベタイン、300ppmカルニチンおよび2.3%の中鎖トリグリセリド源(例えば、ココナッツ油)を含有するフードを与えた(治療4)。二重エネルギーX線吸収技術を使用して、体組成について初期および調査終了時の値を測定した。結果を表1(以下)に示す。
【表1】
【0044】
各治療群は動物の除脂肪量の増加を示したが、治療4(本発明の例示的な組み合わせを含有した)は、驚くべきことに相乗的な肯定的効果を示した。意義深いことに、除脂肪量の増加は、全重量が治療群1、2、4で減少したのと同時に観察されたが、一方で治療群3(ベタインおよびココナッツ油を給餌された)は重量の増加を示した。
【0045】
フード中のカルニチンまたはベタインの添加に起因する個別の効果は、体脂肪の減少をもたらした。驚くべきことに、また予想外にも、これらの原料をペットフード内で組み合わせた場合、脂肪の減少において強相乗効果の向上が観察された(治療4を参照のこと)。
【0046】
本発明は、本発明の完全な開示を行う目的でかなり詳細に説明されているいくつかの実施形態を参照して説明されているが、こうした実施形態は単に例示的であり、本発明のすべての態様の網羅的な列挙を限定または表すことを意図していない。本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲から決定されるべきである。さらに、本発明の精神および原理から逸脱することなく、こうした詳細において数多くの変更がなされ得ることが当業者に明白であろう。