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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ステータアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240912BHJP
   H02K 3/34 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/34 D
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022036212
(22)【出願日】2022-03-09
(62)【分割の表示】P 2020084796の分割
【原出願日】2020-05-13
(65)【公開番号】P2022091796
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】16/453,029
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー メイヤー
(72)【発明者】
【氏名】エマド ドララ
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171245(JP,A)
【文献】特開2008-187875(JP,A)
【文献】特開2000-134851(JP,A)
【文献】特開2008-125170(JP,A)
【文献】特開平09-238440(JP,A)
【文献】特開2010-011627(JP,A)
【文献】国際公開第2016/117513(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータのステータアセンブリであって、
ステータであって、前記ステータの周囲に円周方向分配された複数の巻線を有し、前記複数の巻線が複数の巻線終端で終端する、ステータと、
前記ステータに取り付ける前に製造され、前記複数の巻線終端を介して前記ステータに取り付けられたプレハブコネクタであって、
前記ステータの軸方向に重ねられた複数のバスバーであって、それぞれが円環の少なくとも一部の形状を有する、複数のバスバーと、
第1の複数の終端連結部材群に分割された第1の複数の終端連結部材であって、前記第1の複数の終端連結部材群のうちの各終端連結部材群のうちの各終端連結部材は、前記複数の巻線終端の異なる巻線終端に機械的に、かつ、導電的に連結されるように構成され、各終端連結部材群が前記複数のバスバーのうちの1つの内側に機械的に、かつ、導電的に連結される、第1の複数の終端連結部材と、
前記複数のバスバーを互いから分離することで、前記第1の複数の終端結合部材が誤ったバスバーに短絡するのを防ぐように構成された電気絶縁部分であり、前記第1の複数の終端結合部材を電気絶縁性プラスチック材料でオーバーモールドすることによって形成される、電気絶縁部分と、
を含んで製造される、プレハブコネクタと、
を備えるステータアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の複数の終端連結部材群のうちの各終端連結部材群のうちの各終端連結部材が、前記プレハブコネクタを前記ステータに取り付ける間に、前記複数の巻線終端の前記異なる巻線終端に(i)レーザ溶接、(ii)タングステン不活性ガス(TIG)溶接、(iii)抵抗溶接、又は(iv)ろう付けされる、請求項1に記載のステータアセンブリ。
【請求項3】
前記電気絶縁部分は、さらに、複数の電気絶縁連結部材オーバーレイを備え、前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイは、前記第1の複数の終端連結部材の間の接触を防止するように構成される、請求項1又は2に記載のステータアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイのそれぞれは、前記複数の巻線終端のうちの対応する巻線終端を部分的に囲むように構成されたU字型部分をさらに有する、請求項3に記載のステータアセンブリ。
【請求項5】
各U字型部分は、前記プレハブコネクタを前記ステータに取り付ける間に、前記対応する巻線終端に圧着されている、請求項4に記載のステータアセンブリ。
【請求項6】
製造された前記プレハブコネクタは、第2の複数の終端連結部材群に分割された第2の複数の終端連結部材であって、前記第2の複数の終端連結部材群の各終端連結部材群のうちの各終端連結部材は前記複数の巻線終端の異なる巻線終端に機械的に、かつ、導電的に連結されるように構成され、前記第2の複数の終端連結部材群のうちの各終端連結部材群が複数のラグのないバスバーのうちの1つに機械的に、かつ、導電的に連結され、前記電気絶縁部分は前記複数のラグのないバスバーの間の接触を防止するように構成され、前記電気絶縁部分は前記複数のバスバーと前記複数のラグのないバスバーとの間の接触を防止するように構成される、第2の複数の終端連結部材をさらに備える、請求項1又は2に記載のステータアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の複数の終端連結部材群のうちのうちの各終端連結部材群のうちのうちの各終端連結部材が、前記プレハブコネクタを前記ステータに取り付ける間に、前記複数の巻線終端の前記異なる巻線終端に(i)レーザ溶接、(ii)タングステン不活性ガス(TIG)溶接、(iii)抵抗溶接、又は(iv)ろう付けされ、前記第2の複数の終端連結部材群のうちの各終端連結部材群のうちの各終端連結部材が、前記プレハブコネクタを前記ステータに取り付ける間に、前記複数の巻線終端の前記異なる巻線終端にレーザ溶接される、請求項6に記載のステータアセンブリ。
【請求項8】
前記電気絶縁部分は、さらに、複数の電気絶縁連結部材オーバーレイを備え、前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイは、前記第1の複数の終端連結部材の間の接触を防止するように構成され、前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイは、前記第2の複数の終端連結部材の間の接触を防止するように構成され、前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイは、前記第1の複数の終端連結部材と前記第2の複数の終端連結部材との間の接触を防止するように構成される、請求項6に記載のステータアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の電気絶縁連結部材オーバーレイのそれぞれは、前記複数の巻線終端のうちの対応する巻線終端を部分的に囲むように構成されたU字型部分をさらに有する、請求項8に記載のステータアセンブリ。
【請求項10】
各U字型部分は、前記プレハブコネクタを前記ステータに取り付ける間に、前記対応する巻線終端に圧着されている、請求項9に記載のステータアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の複数の終端連結部材のそれぞれは、銅材料から製造され、前記複数のバスバーのそれぞれは、前記銅材料から製造される、請求項1から10のいずれか一項に記載のステータアセンブリ。
【請求項12】
前記電気絶縁性プラスチック材料は、熱硬化性ポリエステル材料又は人工熱可塑性プラスチックのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のステータアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の巻線は、円形又は長方形の断面を有する銅線でできている、請求項1から12のいずれか一項に記載のステータアセンブリ。
【請求項14】
前記複数のバスバーのうちの各バスバーは、前記電気モータの相に対応する、請求項1から13のいずれか一項に記載のステータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電気モータに関し、より具体的には、モータのステータ巻線に接続するプロセスを簡単にする電気モータの設計に関する。
【背景技術】
【0002】
高騰し続ける燃料価格及び地球温暖化の悲惨な結果の両方に突き動かされた消費者の要求に応答して、自動車産業は、超低排出、高効率の自動車に対する必要性を徐々に受け入れ始めている。産業界内の一部は、より効率的な内燃エンジンを設計することによってこれらの目的を実現することを試みているが、その他は、ハイブリッド又は完全電力式の動力伝達装置を車両ラインアップに組み込んでいる。しかしながら、消費者の期待を満たすべく、自動車産業は、より環境に優しい動力伝達装置を実現しなければならないだけでなく、性能、走行距離、信頼性、安全性及びコストの適正なレベルを維持しつつ、そのようにしなければならない。
【0003】
近年では、電気自動車が環境に優しいだけでなく、超えない場合でも、性能に関する消費者の要求及び期待を満たすことができるものであることがわかってきた。車両を駆動するのに要求される速度及びトルクの可変レベルを実現すべく、初期の電気自動車は直流モータを使用していたが、直接トルク制御を利用する現代のモータ制御システムの出現は、小さいサイズであること、低コストであること、高信頼性であること、及び維持するのにあまり手のかからないことを含む、交流モータに関連した多くの利益を提供しつつ、交流モータが同レベルの性能を提供することを可能にした。
【0004】
交流モータにおいて、回転磁場がモータのステータアセンブリ内で生成され、モータのロータアセンブリの回転をもたらす。回転磁場が、複数の円周方向に分配されたステータスロット及び歯に取り付けられた複数の円周方向に分配された巻線によって生成される。円形又は長方形の配線でできていてよい巻線がコイル群に分割され、そのそれぞれが、単相の単極を表す。コイル巻線の各相が、通常、ラグと称されるコネクタに終端し、これは、コイル巻線を交流電源に連結するのに用いられる。したがって、例えば、典型的な3相ステータアセンブリにおいて、ステータ巻線を3相の交流インバータに接続する3つの巻線ラグが存在する。
【0005】
典型的なステータ製造プロセスにおいて、巻線をステータアセンブリ内で分配することは、自動CNC(コンピュータ数値制御)巻線機械を利用する急速なプロセスである。一旦ステータ巻線が完成すると、それらは、ステータラグに連結されなければならない。ステータ製造プロセスのこの部分の間に、配線束が配線され、絶縁スリーブが加えられ、ラグが配線束に抵抗溶接される。プロセスのこの部分が手動で実行されるので、それは非常に遅く、ステータアセンブリに相当な費用を追加する。したがって、必要とされることは、巻線をラグに連結することに関連した最終段階を手動で実行する必要性を最小化又は除外するステータ製造プロセスであり、それにより、よりコスト効率の高いステータアセンブリを提供する。本発明は、トルク及び電力要件の多様性を満たすように構成され得るより多用途なステータアセンブリも提供しつつ、これらの目的を実現するシステム及び製造プロセスを提供する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、(i)ステータであって、ステータの周囲に円周方向に分配された複数の巻線を有し、複数の巻線終端で終端する、ステータと、(ii)複数の巻線終端を介してステータに取り付けたプレハブコネクタであって、プレハブコネクタはステータに取り付ける前に製造される、プレハブコネクタとを含む電気モータのステータアセンブリを提供する。プレハブコネクタは、(i)第1の複数の終端連結部材群に分割された第1の複数の終端連結部材であって、第1の複数の終端連結部材群の各終端連結部材群の各終端連結部材は複数の巻線終端の異なる巻線終端に機械的に、かつ、導電的に連結されるように構成され、各終端連結部材群が複数のバスバーのうちの1つに機械的に、かつ、導電的に連結され、複数のバスバーの各バスバーは独立したラグを含む、第1の複数の終端連結部材と、(ii)複数のバスバーの一部を覆い、複数のバスバーの間の電気接触又は部分放電を防止するように構成される電気絶縁材料とを含む。
【0007】
1つの態様において、各終端連結部材群の各終端連結部材が、プレハブコネクタをステータに取り付ける間に、複数の巻線終端の異なる巻線終端に(i)レーザ溶接、(ii)TIG溶接、(iii)抵抗溶接、及び/又は(iv)ろう付けされ得る。
【0008】
他の態様において、アセンブリは、第1の複数の終端連結部材の間の電気接触又は部分放電を防止するように構成される複数の電気絶縁連結部材オーバーレイをさらに含み得る。複数の電気絶縁連結部材オーバーレイのそれぞれは、対応する巻線終端を部分的に囲むように構成され、プレハブコネクタをステータに取り付ける間に、対応する巻線終端に圧着され得るU字型の端部を含み得る。
【0009】
他の態様において、製造されたプレハブコネクタは、第2の複数の終端連結部材群に分割された第2の複数の終端連結部材であって、第2の複数の終端連結部材群の各終端連結部材群の各終端連結部材は複数の巻線終端の異なる巻線終端に機械的に、かつ、導電的に連結されるように構成され、第2の複数の終端連結部材群の各終端連結部材群が複数のラグのないバスバーのうちの1つに機械的に、かつ、導電的に連結され、電気絶縁材料は複数のラグのないバスバーの間の電気接触又は部分放電を防止し、複数のバスバーと複数のラグのないバスバーとの間の電気接触又は部分放電を防止するように構成される、第2の複数の終端連結部材をさらに含み得る。各終端連結部材群の各終端連結部材が、プレハブコネクタをステータに取り付ける間に、複数の巻線終端の異なる巻線終端に(i)レーザ溶接、(ii)TIG溶接、(iii)抵抗溶接、及び/又は(iv)ろう付けされ得る。アセンブリは、第1の複数の終端連結部材の間、第2の複数の終端連結部材の間、及び第1の複数の終端連結部材と第2の複数の終端連結部材との間の電気接触又は部分放電を防止するように構成される複数の電気絶縁連結部材オーバーレイをさらに含み得る。複数の電気絶縁連結部材オーバーレイのそれぞれは、対応する巻線終端を部分的に囲むように構成され、プレハブコネクタをステータに取り付ける間に対応する巻線終端に圧着され得るU字型の端部を含み得る。
【0010】
他の態様において、第1の複数の終端連結部材及び複数のバスバーが銅材料から製造され得る。
【0011】
他の態様において、複数のバスバーの少なくとも一部が、電気絶縁材料(例えば、プラスチック)でオーバーモールドされてプレハブコネクタを形成し得る。
【0012】
他の態様において、複数の巻線が、(i)円形の断面を有する銅線、又は(ii)長方形の断面を有する銅線でできていてよい。
【0013】
他の態様において、複数のバスバーの各バスバーは、電気モータの相に対応し得る。
【0014】
本発明の性質及び利点のさらなる理解が、本明細書の残りの部分及び図面を参照することによって、実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は、本発明の範囲を限定するのではなく、例示することのみを意図しており、縮尺通りであると見なされるべきでないことが理解されるべきである。さらに、異なる図面の同一の参照番号は、同一の構成要素又は同様の機能の構成要素を指すことが理解されるべきである。
【0016】
図1】ステータの斜視図を提供する。この図は、ステータ巻線終端を強調する。
【0017】
図2図1に示すステータ部分の詳細斜視図を提供する。
【0018】
図3】本発明に従って設計されたコネクタの斜視図を提供する。
【0019】
図4図3に示されるコネクタの導電性のコネクタ部分の斜視図を提供する。
【0020】
図5図3に示されるコネクタの導電性の部分の後面斜視図を提供する。
【0021】
図6図3に示されるコネクタの電気絶縁性の部分の斜視図を提供する。
【0022】
図7図3に示されるコネクタに等しく適用可能な代替の電気絶縁性の部分の斜視図を提供す
【0023】
図8図1に示されるステータ及び図3に示されるコネクタを利用するステータアセンブリの斜視図を提供する。
【0024】
図9図8に示されるステータアセンブリの一部の詳細斜視図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で用いられるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」は、本明細書で用いられるとき、記載された特徴、整数、段階、動作、要素、及び/又は構成要素を特定するが、1又は複数の他の特徴、整数、段階、動作、要素、構成要素、及び/又はその群の存在又は追加を除外しない。本明細書で用いられるとき、用語「及び/又は(and/or)」及び記号「/」は、1又は複数の関連付けられて列挙された事項の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含むことが意図されている。さらに、第1の、第2の等の用語が、様々な段階又は計算を説明するのに本明細書で用いられ得るが、これらの段階又は計算はこれらの用語によって限定されるべきでなく、むしろ、これらの用語は1つの段階又は計算を他の段階又は計算から区別することにのみ用いられる。例えば、本開示の範囲から全く逸脱することなく、第1の計算が第2の計算と称されてよく、同様に、第1の段階が第2の段階と称されてよく、同様に、第1の構成要素が第2の構成要素と称されてよい。
【0026】
本明細書で説明及び図示されるステータアセンブリは、概して、電気モータを利用する車両、例えば、電気自動車(EV)で用いるために設計されるが、他の用途で用いるために設計された電気モータに等しく適用可能であることが理解されるべきである。本明細書で用いられるとき、用語「電気自動車(electric vehicle)」及び「EV」は置き換え可能であり、全電気式車両、プラグインハイブリッド車と称されてよく、PHEV又はハイブリッド車と称されもよく、HEVとも称されてよい。ここで、ハイブリッド車は、電気駆動システムを含む複数の推進力のソースを利用する。
【0027】
本発明のステータアセンブリ製造技術は、ステータの巻線をステータラグに接続するプロセスを簡単にするコネクタを提供する。本発明のコネクタは、好ましくは、ステータ巻線が相対的に少ない数の終端で終端し、好ましくは、これらの巻線終端がお互いに隣接又は近接近しているステータで用いられる。
【0028】
図1は、本発明のコネクタを用い得る例示的なステータ100の斜視図を提供する。示されるように、ステータ100の巻線は、24個の終端101-124で終端する。さらに、好ましいように、巻線終端101-124は、示されるようにお互い直接隣接し、それにより、以下で説明されるコネクタへのそれらの接続を簡単にする。図2は、ステータ100の一部125の詳細斜視図を提供する。
【0029】
図3は、本発明に従って設計されたコネクタ300の斜視図を提供する。コネクタ300は、好ましくは、銅から製造されて、終端連結部材301-324を介して巻線終端101-124に連結する導電性のコネクタ部分から成っている。現在の例示的実施形態において、以下でさらに説明されるように、導電性のコネクタ部分は、ステータ巻線終端の第1のサブセットをラグ325に、ステータ巻線終端の第2のサブセットをラグ326に、ステータ巻線終端の第3のサブセットをラグ327に連結する。さらに、以下でさらに説明されるように、コネクタ300の導電性のコネクタ部分はまた、4セットの巻線回路の中央ノードの機能を実行する。
【0030】
図4は、コネクタ300の導電性のコネクタ部分400の斜視図を提供する。図5は、コネクタ部分400の後面斜視図を提供する。図4及び図5に示されるように、この構成において、7個のバスバー501-507が存在する。バスバー501-503が、ラグ325-327にそれぞれ接続される。本実施形態において、各バスバー501-503が4個の巻線終端に接続される。例えば、示されるように、バスバー503、したがってラグ327が、コネクタがステータ巻線に取り付けられるとき、順に巻線終端101-104に接続される終端連結部材301-304に接続される。したがって、図示されたコネクタのこの態様について、終端連結部材301-304は、ラグ327とステータ巻線終端101-104との間に導電性のリンクを形成する。各バスバー504-507は、ラグがなく(すなわち、接続ラグを含まない)、3個の巻線終端に接続され、したがって、対応する巻線回路の中央ノードの機能を果たす。例えば、図では、バスバー504が、コネクタをステータ巻線に取り付けた後、順に巻線終端105、113及び121に接続される終端連結部材305、313及び321に接続されて示される。
【0031】
導電性の部分400に加えて、コネクタ300は、電気絶縁性の部分を含む。図6は、電気絶縁性の部分600の斜視図を提供する。図3及び図6に示されるように、電気絶縁性の部分600は、バスバー501-507をお互いから分離するように、かつ、終端連結部材301-324が誤ったバスバーに意図せず短絡することを防止するように構成される。好ましくは、絶縁部分600は、導電性のコネクタ部分400をプラスチック射出成形に挿入し、熱硬化性ポリエステル材料又は設計された熱可塑性(例えば、ポリプロピレン)のような適切な電気絶縁プラスチックで部分400をオーバーモールドすることによって形成される。
【0032】
図6に示される電気絶縁性の部分600の実施形態において、終端連結部材301-324に対応し、対応する終端連結部材301-324を部分的に囲む複数の絶縁連結部材オーバーレイ601-624が提供される。各連結部材オーバーレイの略U字型の設計の結果として、電気絶縁隔壁が隣接する終端連結部材間に提供される。さらに、各オーバーレイの少なくとも一部は、対応する巻線終端の側を越えて伸びるように構成されてよく、それにより、ステータ巻線終端に対するコネクタの整列をさらに簡単にする。少なくとも1つの実施形態において、各オーバーレイは、対応する巻線終端に締め付けられ、又は圧着され得るような大きさであり、したがって、コネクタをステータ巻線に取り付けるプロセスの間に、各連結部材をその対応する巻線終端に保持するのに役立つ。
【0033】
コネクタが絶縁連結部材オーバーレイ(例えば、オーバーレイ601-624)を含めることを必要としないことが、理解されるべきである。例えば、図7は、コネクタ300の導電性の部分400に等しく適用可能な代替の電気絶縁性の部分700の斜視図を提供する。示されるように、本実施形態は、お互いからバスバー501-507を電気的に絶縁し、絶縁連結部材オーバーレイを含まない。
【0034】
コネクタ300の製造後、それは、巻線終端(例えば、終端101-124)のそれぞれが、対応する終端連結部材(例えば、連結部材301-324)に合わせられ、対応する終端連結部材と接触するように、ステータアセンブリ100の上部に設置される。図8は、ステータ100に取り付けたコネクタ300の斜視図を提供する。図9は、ステータアセンブリ800の部分801の詳細斜視図を提供する。図8及び図9に図示される実施形態において、コネクタは、絶縁連結部材オーバーレイ601-624を含む、図6に示される絶縁部材を利用することに留意する。前述のとおり、オーバーレイ601-624がコネクタの整列プロセスの間に役に立ち得るが、これらのオーバーレイを要求しない。
【0035】
一旦、コネクタ300及び終端連結部材301-324が、巻線終端101-124に対して適切に配置されると、各巻線終端が、その後、対応する終端連結部材に恒久的に連結される。好ましくは、巻線終端が、レーザ溶接によって対応する終端連結部材に取り付けられる。代替的に、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、抵抗溶接、又はろう付けが、各終端連結部材を対応する巻線終端に取り付けるのに用いられ得る。前述のとおり、少なくとも1つ好ましい実施形態において、コネクタ300は、略U字型の連結部材オーバーレイ(例えば、オーバーレイ601-624)を含む。電気絶縁性の隣接する巻線終端及び隣接する巻線連結部材に加えて、終端連結部材オーバーレイは、コネクタの整列を簡単にし、コネクタ取り付けプロセスの間に役に立ち得る。
【0036】
本発明のコネクタは、モータのステータ巻線を連結ラグに接続する従来の技術に対して多くの利点を提供する。何よりもまず、コネクタが別個の構成要素として製造され、その後、比較的迅速なプロセスを介してステータ巻線に取り付けられるように設計されるので、プロセスを自動化することができ、迅速、かつ、より低コストで結果として得られるステータアセンブリを製造できる。したがって、巻線終端をステータラグに接続する遅くて面倒なプロセスが、自動化され得る迅速な製造プロセスに置き換えられる。第2に、異なる構成で巻線終端をバスバーに連結する異なるコネクタが、ステータ巻線の同一セットに対して異なるモータトルク及び電力特性を実現するのに用いられ得る。同様に、異なるコネクタが、特定ステータ巻線構成の相数を変更する、例えば、3から6に相数を切り換えるのに用いられ得る。第3に、本発明のコネクタは、非常に小型であり、それにより、コネクタアセンブリがステータアセンブリ全体の直径及び長さに対する影響を最小限に抑えることを可能にする。第4に、コネクタは、円形又は長方形の配線から製造された巻線に等しく適用可能である。
【0037】
システム及び方法が、本発明の詳細を理解する助けとして、一般的な用語で説明された。いくつかの例において、本発明の態様を不明瞭にすることを回避すべく、周知の構造、材料、及び/又は動作が、具体的に示されず、又は詳細に説明されなかった。他の例において、本発明の十分な理解を提供すべく、具体的な詳細が与えられた。当業者であれば、本発明の趣旨又は本質的特性から逸脱することなく、例えば、特定のシステム又は装置又は状況又は材料又は構成要素に適応すべく、本発明が他の特定の形式で具体化され得ることを認識するだろう。したがって、本明細書の開示及び説明は、本発明の範囲の例示であって、本発明の範囲を限定するものではないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9