(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/34 20060101AFI20240912BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240912BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240912BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240912BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240912BHJP
G06Q 20/14 20120101ALI20240912BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04N1/34 200
B41J29/38 201
B41J29/42 F
G03G21/00 388
G03G21/00 386
G06F3/12 303
G06F3/12 367
G06F3/12 373
G06Q20/14 300
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2020064940
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南川 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】出浦 祐視
(72)【発明者】
【氏名】奥野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】堀田 彩加
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155849(JP,A)
【文献】特開2011-233032(JP,A)
【文献】特開2019-160162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/34
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/12
G06Q 20/14
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷ジョブを蓄積したジョブ蓄積部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部で選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定部と、
前記合計料金決定部により決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理部と、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示部と、
前記合計料金決定部により前記合計額が決定されたことを契機に、当該合計額に係わる前記複数の対象ジョブにそれぞれ対応付けられたジョブ識別情報に対し、1つのグループ識別情報を生成して対応付ける、識別情報生成部と、
を有し、
前記選択受付部は、
前記表示部に一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記決済関連処理部は、
前記決済関連処理として、前記識別情報生成部により生成された前記グループ識別情報、及び、前記合計料金決定部により決定され当該グループ識別情報に対応した前記合計額を、取引サーバへ送信し、
前記印刷部は、
前記取引サーバにおいて、前記決済関連処理部により送信された前記合計額及び前記グループ識別情報に対応する決済が完了したことを契機に、前記複数の対象ジョブに基づく印刷を行う
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
複数の印刷ジョブを蓄積したジョブ蓄積部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部で選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定部と、
前記合計料金決定部により決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理部と、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示部と、
前記選択受付部は、
前記表示部に一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記合計料金決定部は、
前記選択受付部により前記対象ジョブが新たに選択される都度、当該新たに選択された前記対象ジョブを実行するために課される料金を決定する第2料金決定部と、
前記第2料金決定部により決定された前記新たに選択された対象ジョブの前記料金を、それ以前に選択済の前記対象ジョブに係わる前記料金の合計額に追加して合算する第3料金合算部と、
を有し、
前記合計額の決定を指示する第3合計金額決定指示の入力を契機に、その時点で前記第3料金合算部により合算済の合算結果に基づき、前記合計額を決定する
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
複数の印刷ジョブを蓄積したジョブ蓄積部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部で選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定部と、
前記合計料金決定部により決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理部と、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示部と、
外部装置から送信された前記印刷ジョブを受信する、印刷ジョブ受信部と、 を有し、
前記選択受付部は、
前記表示部に一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記ジョブ蓄積部は、
前記印刷ジョブ受信部によりそれぞれ受信された、複数の前記印刷ジョブを蓄積し、
前記印刷ジョブ受信部は、
前記外部装置から送信された、前記印刷ジョブ及び当該印刷ジョブに対応するPINコードを受信し、
前記選択受付部は、
前記複数の対象ジョブの選択及び前記PINコードの入力を受け付ける
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
前記印刷システムは、
被印刷媒体を搬送する搬送機構を有し、前記搬送機構により搬送される前記被印刷媒体に印刷を行う印刷装置と、
データ処理サーバと、
を有し、
前記印刷部は、
前記印刷装置に設けられている
ことを特徴とする請求項1
乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項5】
前記合計料金決定部及び前記決済関連処理部は、
前記データ処理サーバに設けられている
ことを特徴とする
請求項4記載の印刷システム。
【請求項6】
前記ジョブ蓄積部は、
前記データ処理サーバに設けられており、
前記選択受付部は、
前記印刷装置に設けられており、前記データ処理サーバの前記ジョブ蓄積部に蓄積されている前記複数の対象ジョブの選択を受け付けて、当該受け付けた前記対象ジョブの選択結果に対応するジョブ選択情報を前記データ処理サーバへ送信し、
前記合計料金決定部は、
前記印刷装置の前記選択受付部から送信された前記ジョブ選択情報に基づき、前記合計額を決定する
ことを特徴とする
請求項5記載の印刷システム。
【請求項7】
前記合計料金決定部は、
前記複数の印刷ジョブのそれぞれが前記ジョブ蓄積部に順次蓄積される都度、各印刷ジョブを実行するために課される各料金を決定する第1料金決定部と、
前記合計額の決定を指示する第1合計金額決定指示の入力を契機に、前記第1料金決定部により決定済の前記複数の対象ジョブそれぞれの前記各料金を合算する第1料金合算部と、
を有し、
前記第1料金合算部での合算結果に基づき、前記合計額を決定する
ことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項8】
前記表示部は、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブと、前記第1料金決定部により決定された当該複数の印刷ジョブそれぞれの前記各料金と、を表示する
ことを特徴とする請求項7記載の印刷システム。
【請求項9】
前記合計料金決定部は、
前記合計額の決定を指示する第2合計金額決定指示の入力を契機に、前記ジョブ蓄積部に蓄積されている前記複数の対象ジョブのそれぞれを実行するために課される各料金を合算する第2料金合算部を有し、
前記第2料金合算部による合算結果に基づき、前記合計額を決定する
ことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項10】
前記表示部は、
前記選択受付部により選択を受け付け済の前記複数の対象ジョブと、前記合計料金決定部により決定された前記合計額と、を表示する
ことを特徴とする
請求項2記載の印刷システム。
【請求項11】
前記印刷システムは、
外部装置から送信された前記印刷ジョブを受信する、印刷ジョブ受信部をさらに有し、
前記ジョブ蓄積部は、
前記印刷ジョブ受信部によりそれぞれ受信された、複数の前記印刷ジョブを蓄積する
ことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項12】
前記印刷ジョブ受信部は、
前記外部装置から送信された、前記印刷ジョブ及び当該印刷ジョブに対応するユーザ識別情報を受信し、
前記ジョブ蓄積部は、
前記印刷ジョブ受信部によりそれぞれ受信された複数の前記印刷ジョブを、それぞれに対応する前記ユーザ識別情報と対応付けて蓄積し、
前記表示部は、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、前記印刷ジョブ受信部により受信された前記ユーザ識別情報に対応する印刷ジョブを、一覧表示する
ことを特徴とする
請求項11記載の印刷システム。
【請求項13】
前記印刷ジョブ受信部は、
前記外部装置から送信された、前記印刷ジョブ及び当該印刷ジョブに対応するユーザ識別情報を受信し、
前記ジョブ蓄積部は、
前記印刷ジョブ受信部によりそれぞれ受信された複数の前記印刷ジョブを、それぞれに対応する前記ユーザ識別情報と対応付けて蓄積し、
前記表示部は、
前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、前記印刷ジョブ受信部により受信された前記ユーザ識別情報に対応する印刷ジョブを、一覧表示する
ことを特徴とする
請求項3記載の印刷システム。
【請求項14】
前記印刷システムは、
読取り対象物を読み取って対応する画像データを生成する読取部をさらに有し、
前記ジョブ蓄積部は、
前記読取部により生成された少なくとも1つの前記画像データをそれぞれ含む、複数の前記印刷ジョブを蓄積する
ことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷システム。
【請求項15】
被印刷媒体に印刷を行う印刷システムが実行する印刷方法であって、
複数の印刷ジョブを蓄積するジョブ蓄積ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップで選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定ステップと、
前記合計料金決定ステップで決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理ステップと、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を前記被印刷媒体に行う印刷ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示ステップと、
前記合計料金決定ステップで前記合計額が決定されたことを契機に、当該合計額に係わる前記複数の対象ジョブにそれぞれ対応付けられたジョブ識別情報に対し、1つのグループ識別情報を生成して対応付ける、識別情報生成ステップと、
を有し、
前記選択受付ステップでは、
前記表示ステップで一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記決済関連処理ステップでは、
前記決済関連処理として、前記識別情報生成ステップで生成された前記グループ識別情報、及び、前記合計料金決定ステップにより決定され当該グループ識別情報に対応した前記合計額を、取引サーバへ送信し、
前記印刷ステップでは、
前記取引サーバにおいて、前記決済関連処理ステップで送信された前記合計額及び前記グループ識別情報に対応する決済が完了したことを契機に、前記複数の対象ジョブに基づく印刷を行う
ことを特徴とする印刷方法。
【請求項16】
被印刷媒体に印刷を行う印刷システムが実行する印刷方法であって、
複数の印刷ジョブを蓄積するジョブ蓄積ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップで選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定ステップと、
前記合計料金決定ステップで決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理ステップと、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を前記被印刷媒体に行う印刷ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示ステップと、
を有し、
前記選択受付ステップでは、
前記表示ステップで一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記合計料金決定ステップは、
前記選択受付ステップで前記対象ジョブが新たに選択される都度、当該新たに選択された前記対象ジョブを実行するために課される料金を決定する第2料金決定ステップと、
前記第2料金決定ステップで決定された前記新たに選択された対象ジョブの前記料金を、それ以前に選択済の前記対象ジョブに係わる前記料金の合計額に追加して合算する第3料金合算ステップと、
を有し、
前記合計額の決定を指示する第3合計金額決定指示の入力を契機に、その時点で前記第3料金合算ステップで合算済の合算結果に基づき、前記合計額を決定することを特徴とする印刷方法。
【請求項17】
被印刷媒体に印刷を行う印刷システムが実行する印刷方法であって、
複数の印刷ジョブを蓄積するジョブ蓄積ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付ステップと、
前記選択受付ステップで選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定ステップと、
前記合計料金決定ステップで決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理ステップと、
前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を前記被印刷媒体に行う印刷ステップと、
前記ジョブ蓄積ステップで蓄積された前記複数の印刷ジョブに関する情報を一覧表示する表示ステップと、
外部装置から送信された前記印刷ジョブを受信する、印刷ジョブ受信ステップと、
を有し、
前記選択受付ステップでは、
前記表示ステップで一覧表示された前記複数の印刷ジョブの中から、前記印刷対象とする前記複数の対象ジョブの選択を受け付け、
前記ジョブ蓄積ステップでは、
前記印刷ジョブ受信ステップによりそれぞれ受信された、複数の前記印刷ジョブを蓄積し、
前記印刷ジョブ受信ステップでは、
前記外部装置から送信された、前記印刷ジョブ及び当該印刷ジョブに対応するPINコードを受信し、
前記選択受付ステップでは、
前記複数の対象ジョブの選択及び前記PINコードの入力を受け付ける
ことを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ジョブを実行可能な印刷システム、印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、利用者がMFPに記憶された1つの印刷データを選択することでその印刷データがコンピュータに送信されて当該印刷データの料金が計算され、決済後にMFPが印刷するドキュメント印刷システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のドキュメント印刷システムでは、蓄積された複数の印刷データを印刷したい場合、利用者は、二次元コードの読み取り、利用者IDの送信、銀行口座パスワードの入力等の支払操作を、印刷データごとに毎回行う必要があり、使い勝手が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、蓄積された複数の印刷ジョブを実行する際の支払操作を一括して行え、使い勝手を向上できる印刷システム、印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、複数の印刷ジョブを蓄積したジョブ蓄積部と、前記ジョブ蓄積部に蓄積された前記複数の印刷ジョブのうち、印刷対象とする複数の対象ジョブの選択を受け付ける選択受付部と、前記選択受付部で選択を受け付けた前記複数の対象ジョブを印刷するために課される料金の合計額を決定する合計料金決定部と、前記合計料金決定部により決定された前記合計額の料金を決済するための、決済関連処理を行う決済関連処理部と、前記決済が完了したことを契機に、当該複数の対象ジョブに基づく印刷を行う印刷部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願発明の印刷システムにおいては、ジョブ蓄積部に蓄積された複数の印刷ジョブのうち、ユーザが印刷対象としたい所望の複数の対象ジョブを選択すると、その選択が選択受付部によって受け付けられる。そして、その選択された複数の対象ジョブを実行する際に課される料金の合計額が、合計料金決定部によって決定される。その後、決済関連処理部により、決定されたその合計額の料金を決済するための、決済関連処理が行われる。これにより、その決済関連処理に応じてそれら複数の対象ジョブの料金の決済が行われた後、印刷部によりそれら複数の対象ジョブに基づく印刷が行われる。
以上のように、本願発明によれば、ユーザが選択した複数の対象ジョブの実行に必要な料金合計額が決定され、それに応じて複数の対象ジョブの合計額の料金が一括決済される。これにより、それら複数の対象ジョブを実行するための支払操作を一括して行うことが可能となり、ユーザにとっての使い勝手を向上することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄積された複数の印刷ジョブを実行する際の支払操作を一括して行え、使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による印刷システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
【
図2】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図3】複合機の表示部に表示されるユーザID入力画面の例を表す説明図である。
【
図4】複合機の表示部に表示される登録ジョブリスト表示画面の例を表す説明図である。
【
図5】複合機の表示部に表示されるPINコード入力画面の例を表す説明図である。
【
図6】複合機の表示部に表示されるファイル情報表示画面の例を表す説明図である。
【
図7】複合機の表示部に表示される全選択ジョブ確認画面の例を表す説明図である。
【
図8】複合機の表示部に表示される最終確認画面の例を表す説明図である。
【
図9】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図10】複合機の表示部に表示される支払画面の例を表す説明図である。
【
図11】複合機の表示部に表示される未決済確認画面の例を表す説明図である。
【
図12】PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図13】印刷ジョブそれぞれの個別計算を行わない変形例において、PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図14】複合機の表示部に表示されるファイル情報表示画面の例を表す説明図である。
【
図15】印刷ジョブを選択する都度、それまでの合計金額を算出する変形例において、PC端末、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図16】複合機の表示部に表示されるファイル情報表示画面の例を表す説明図である。
【
図17】複合機の表示部に表示される現状確認画面の例を表す説明図である。
【
図18】複合機で原稿をスキャンしコピーする変形例において、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図19】複合機で原稿をスキャンしコピーする変形例において、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【
図20】複合機で原稿をスキャンしコピーする変形例において、モバイル端末、複合機、データ処理サーバ、取引サーバにより実行される処理を表すシーケンスフローである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る印刷システムを
図1に示す。本実施形態は、顧客であるユーザが料金を支払って複合機200の印刷機能を使用するプリントサービスが提供される、印刷システム1の実施形態である。
【0011】
<印刷システムの概要>
図1において、この印刷システム1は、データ処理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、取引サーバ400と、PC端末500と、を含んでいる。なお、PC端末500が外部装置の一例である。これらデータ処理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、取引サーバ400、及びPC端末500は、ネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。
【0012】
<データ処理サーバ>
データ処理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及びインタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0013】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。
揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、JOBID記憶領域121と、マシンID記憶領域122と、取引ID記憶領域123と、印刷設定記憶領域124と、データ記憶領域125と、を有している。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、料金テーブル記憶領域132と、を有している。なお、それぞれの記憶内容については後に詳述する。
【0014】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ110は、プログラム記憶領域131に格納されたプログラムを実行することによって、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、取引サーバ400に対するデータ通信を含む、後述の
図2、
図9、
図12等に示す各種の処理を実行する。
【0015】
インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0016】
<取引サーバ400>
取引サーバ400は、例えばネット決済を行うための各種オンラインサービスを行う会社に設置されており、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0017】
<複合機>
複合機200は、例えば、上記印刷サービスを提供する事業者によって保有されている。なお、複合機200は印刷装置の一例である。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、ユーザが操作可能な操作部250と、通信インタフェース270と、を有している。なお、スキャナ部280は読取部の一例であり、プロセッサ210は制御部の一例である。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0018】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230とを、含んでいる。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、画像データを記憶可能なデータ保存領域222を備えている。不揮発性記憶装置230は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置230は、プログラム記憶領域232を備えている。プログラム記憶領域232に格納された各種プログラムのうち、後述の
図2、
図9、
図12等のシーケンスフローの実行に係わる本実施形態の印刷プログラムは、例えば、ファームウェアとして不揮発性記憶装置230に予め格納されている。
【0019】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された上記印刷プログラムを実行し、本実施形態の印刷システム1による印刷方法をプロセッサ210と協働して実行する。これによって、プロセッサ210は、PC端末500から送信された画像データに基づき、印刷部290に画像を印刷させることができる。またプロセッサ210は、後述の変形例(3)において詳細に説明するように、スキャナ部280で原稿を読み取ったスキャンデータに従って印刷部290に画像を印刷させる、いわゆるコピー機能を実現することもできる。
【0020】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0021】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。
【0022】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。以下は、インクジェット方式で印刷が行われる場合を例にとって説明する。なお、用紙が被印刷媒体の一例である。
【0023】
<モバイル端末>
モバイル端末300は、この例ではユーザの所有するスマートフォン等のモバイル端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。なお、モバイル端末300に代えて、例えばパソコンやタブレットコンピュータ、等の他の情報端末を用いてもよい。
【0024】
<PC端末>
PC端末500は、この例ではユーザのオフィス又は自宅に設置されており、無線通信又は有線通信を介してネットワークNTに接続される。PC端末500は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するためのインタフェースと、を有している(図示省略)。
【0025】
<実施形態の特徴>
上記構成の印刷システム1において、本実施形態の特徴は、PC端末500から送信されデータ処理サーバ100に蓄積された印刷ジョブのうち、ユーザが選択した複数の印刷ジョブを複合機で印刷するときの、一括決済処理にある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0026】
<処理の流れ>
本実施形態において、複合機200のプロセッサ210と、データ処理サーバ100のプロセッサ110と、取引サーバ400のプロセッサと、モバイル端末300のプロセッサと、PC端末500のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を、
図2、
図9、
図12により説明する。なお、以下、
図2、
図9、
図12に関する説明においては、各プロセッサの記述を省略し、「複合機200のプロセッサにおいて」「複合機200のプロセッサにより」等、を単に「複合機200において」「複合機200により」等で記載する。
【0027】
<印刷ジョブの送受信>
図2において、まず、ユーザがPC端末500に備えられた操作部を適宜に操作することで、PC端末500に対し、ユーザが印刷するために予め用意した画像データを含む印刷ジョブの送信を指示する(S11)。このとき併せて、ユーザは、PC端末500に対し、自らのユーザIDと、上記印刷ジョブのセキュリティ確保のためのPINコードと、をPC端末500に入力する。この操作は、例えばPC端末にインストールされたプリンタドライバやアプリケーションを介して実行可能である。なお、本願明細書では、印刷ジョブには、印刷対象となる上記画像データ等の印刷データと、その印刷データの印刷を複合機200に指令するための印刷指令と、が含まれる。以下、印刷ジョブに含まれる印刷データを被印刷媒体に印刷することを単に「印刷ジョブを実行する」「印刷ジョブを印刷する」と称する場合がある。
【0028】
これに対応して、PC端末500から、上記印刷ジョブ、PINコード、ユーザIDが、送信される(S13)。送信された印刷ジョブ等は、複合機200において受信される(S14)。なお、このS14を実行するプロセッサ210の機能が、印刷ジョブ受信部の一例である。
【0029】
複合機200では、上記S14で受信した印刷ジョブに、当該複合機200の識別情報の一例であるマシンID、及び、S14で受信されたユーザIDも併せてデータ処理サーバ100へ送信される(S33)。なお、このS33が印刷ジョブ送信ステップの一例であり、S33で実行する処理が印刷ジョブ送信処理の一例である。
【0030】
データ処理サーバ100では、上記S33で複合機200から送信された印刷ジョブ及びマシンID、ユーザIDが受信される(S35)。その後、データ処理サーバ100では、JOBIDを生成する(S40)。JOBIDは、複合機200が実行するこのコピーのジョブを識別するため、言い換えれば画像データを識別するための情報である。
なお、S35で受信した印刷ジョブ、マシンID、及びユーザIDと、上記生成されたJOBIDとは、後述のS45で紐づけられデータ記憶領域125に記憶される。
【0031】
その後、データ処理サーバ100では、S43で、上記S35で受信した印刷ジョブが実行される場合、すなわち当該印刷ジョブに含まれる画像データの印刷が行われる場合、にユーザに課されるべき料金が計算される。なお、このS43を実行するプロセッサ110の機能が、第1料金決定部の一例である。この計算の際には、例えば、揮発性記憶装置120の上記料金テーブル記憶領域132に記憶された所定の料金テーブルに基づき、料金が計算される。またその際には、印刷ジョブの送信の際にPC端末500から印刷ジョブとともに送信されデータ処理サーバ100の印刷設定記憶領域124に記憶される印刷設定を加味して、計算を行ってもよい。
【0032】
その後、データ処理サーバ100では、S44において、S35で受信した当該印刷ジョブを印刷するサービスの実行に対する、商品IDが発行される。すなわちこの商品IDは、1つの印刷ジョブごとに個別に生成される。その後、S45で、上記印刷ジョブと、上記S35で受信したマシンIDと、上記S44で生成された商品IDとが、互いに対応付けられる。この結果、印刷ジョブ、JOBID、及び、マシンID、が、互いに対応付けられた態様で、それぞれ、揮発性記憶装置120のデータ記憶領域125、JOBID記憶領域121、及びマシンID記憶領域122に記憶され、登録される(S45)。なお、このとき、これら印刷ジョブ、JOBID、及び、マシンID、はS35で受信されたユーザIDに対しても対応付けた形で記憶される。
【0033】
そして、データ処理サーバ100では、S47において、上記S45において登録が完了したことを表す登録完了通知が送信され(S47)、複合機200において受信される(S49)。
【0034】
以上のS11~S49までの手順は、S11においてPC端末500から印刷ジョブが送信される都度実行される。そして、その際、印刷ジョブがS35で受信される都度、それら印刷ジョブがデータ記憶領域125に順次格納され、蓄積される。したがって、データ記憶領域125がジョブ蓄積部の一例であり、S35がジョブ蓄積ステップの一例である。
【0035】
複合機200は、上記S49の後、後述の登録ジョブリストの表示指示が受信されるまで待機する(S53)。複数の印刷ジョブがデータ記憶領域125に蓄積された状態で、ユーザが複合機200の操作部250を適宜に操作し、データ処理サーバ100に登録済の印刷ジョブのリストを表示する指示を行うと、対応する表示指示が複合機200で受信される(S51)。その結果、上記S53がYes判定されて、登録ジョブリスト要求が複合機200からデータ処理サーバ100へと送信される(S55)。
【0036】
データ処理サーバ100では、上記登録ジョブリスト要求が受信されると、これに対応して、要求した複合機のマシンIDに基づいて、前述のようにデータ記憶領域125に蓄積され登録済の複数の印刷ジョブを一覧表示する登録ジョブリストが作成される(S57)。作成された登録ジョブリストはS59で送信されることで、複合機200において受信される(S60)
【0037】
複合機200では、前述の印刷ジョブのリストを表示する指示を受け付けた後、S60での登録ジョブリストの受信に対応して、表示部240において、
図3に示すユーザID入力画面241が表示される。このユーザID入力画面241には、「ユーザIDを入力して下さい。」のメッセージM1と、ユーザID入力欄241aと、が表示されている。このユーザID入力画面241が表示部240に表示された状態で、ユーザが操作部250により適宜の操作を行ってユーザID入力欄241aに自己のユーザIDの入力を行うと(S61)、複合機200においてその操作が受け付けられる。そして、上記のようにデータ処理サーバ100に登録済の印刷ジョブのうち、当該ユーザIDに対応する印刷ジョブのみを含む登録ジョブリストが表示部140に表示される(S63)。
以下適宜、上記のように表示部240に表示された入力欄に対し「操作部250を介した操作により入力が行われる」ことを、単に、表示部240の「入力欄に入力される」等のように称する。同様に、表示部240に表示されたボタン・キー又は表示等に対し「操作部250を介して操作又は選択が行われる」ことを、単に、表示部240の「ボタン・キーが操作される」「ボタン・キーが押される」又は表示された名称に対応する内容が「選択される」等のように称する。
【0038】
なお、上記の際、S60において全ユーザに係わる登録ジョブリストがデータ処理サーバ100から受信された後、複合機200においてS61で入力されたユーザIDに対応するリスト部分のみを抜粋して表示してもよい。あるいは、S61でユーザIDが入力されるまでデータ処理サーバ100からは登録ジョブリストを作成及び送信せず、ユーザIDが入力された段階で、複合機200がマシンID及びユーザIDを送信し、データ処理サーバ100から、当該マシンIDと当該ユーザIDとに対応する登録ジョブリストが送信され、それを複合機200で受信してもよい。また、登録ジョブリストのセキュリティが問題にならない場合には、S61におけるユーザIDの入力を省略し、S60で全ユーザに係わる登録ジョブリストを受信してS63で表示部240に表示してもよい。
【0039】
上記のように表示部140に表示される登録ジョブリストの一例を
図4に示す。
図4において、表示部140に登録ジョブリスト表示画面242が表示されており、この登録ジョブリスト表示画面242に、「登録済のジョブは下記のとおりです。印刷するジョブをお選び下さい。」のメッセージM2と、当該ユーザIDに係わる複数の印刷ジョブの識別情報、この例ではジョブのファイル名が一覧表示されている。なお、この印刷ジョブの識別情報が、印刷ジョブに関する情報の一例である。図示の例では、ファイル名「document.U-eno.doc」「document.D-tec.doc」「document.B-stars.doc」「document.A-Mpf.doc」の4つの印刷ジョブが選択可能に表示されている。
【0040】
上記の登録ジョブリスト表示画面242が表示されている状態で、ユーザがジョブのファイル名の横のチェックボックスにチェックを入れることで所望の印刷ジョブを選択すると(S65)、複合機200においてその選択が受け付けられる(S67)。なお、S65でユーザが選択可能な印刷ジョブは1つであるが、後述のようにこの選択を繰り返し行うことで、結果として複数の印刷ジョブを選択することができる。
【0041】
上記1つの印刷ジョブの選択が行われると、複合機200では、表示部240において、
図5に示すPINコード入力画面243が表示される。このPINコード入力画面243には、「選択したジョブのPINコードを入力して下さい。」のメッセージM3と、PINコード入力欄243aと、テンキー243bと、が表示されている。ユーザは、このPINコード入力画面243のPINコード入力欄243aに、上記S65で選択した印刷ジョブを送信する際にS11で入力したPINコードの再入力を行う(S69)。すると、複合機200において当該PINコードが受け付けられ(S71)、当該印刷ジョブの選択が確定し、選択した印刷ジョブのファイル情報の詳細が表示される(S72)。なお、S71及び前述のS67が選択受付ステップの一例であり、これらS71及びS67で実行する処理が選択受付処理の一例であり、これらS71及びS67を実行するプロセッサ210の機能が、選択受付部の一例である。
【0042】
上記のように表示部140に表示される印刷ジョブのファイル情報の一例を
図6に示す。
図6において、表示部140にファイル情報表示画面244が表示されており、この例では、前述のファイル名「document.U-eno.doc」の印刷ジョブが選択された場合を一例として示している。
図6に示すように、このファイル情報表示画面244において、ファイル情報表示欄244aと、「ファイルの選択を続ける」ボタン244bと、「支払って印刷に進む」ボタン244cと、が設けられている。
【0043】
ファイル情報表示欄244aには、ファイル情報として、ファイル名「document.U-eno.doc」と、当該印刷ジョブのファイルのページ数と、当該印刷ジョブの実行に課される料金と、が表示されている。なおこの料金は、データ処理サーバ100において上記S43において計算した額の情報が上記ジョブリストに含められる形で送信され複合機200において取得されてもよいし、複合機200のプロセッサ210が独自にS43と同様の手法で算出してもよい。また、このような各印刷ジョブの料金を、上記
図4に示した登録ジョブリストにおいて、対応する印刷ジョブのファイル名とともに表示してもよい。
【0044】
ユーザが「ファイルの選択を続ける」ボタン244bを操作するとS72の後のS73がNo判定となり、前述のS65におけるユーザによる印刷ジョブの選択に戻り、その後のS67~S72が繰り返される。このようにしてS67~S72を繰り返すことで、ユーザは複数の印刷ジョブを選択することができる。
【0045】
ユーザが「支払って印刷に進む」ボタン244cを操作すると、S73がYes判定となり、直前のS72での選択確定結果に基づき、それ以降の処理が進められる。
【0046】
すなわち、上記「支払って印刷に進む」ボタン244cの操作により、表示部240には、
図7に示す全選択ジョブ確認画面245が表示される。
図7に示すように、この全選択ジョブ確認画面245において、「選択されているジョブは下記のとおりです。」のメッセージM5と、選択ジョブ表示欄245aと、「戻る」ボタン245bと、「確認OK。印刷に進む」ボタン245cと、が設けられている。この例では、選択ジョブ表示欄245aにおいてファイル名「document.B-stars.doc」「document.A-Mpf.doc」の2つの印刷ジョブが選択されている。
【0047】
さらに上記「確認OK。印刷に進む」ボタン245cが操作されると、表示部240において、
図8に示す最終確認画面246が表示される。この最終確認画面246には、料金確認表示欄246aと、「印刷しますか?」のメッセージM6と、「いいえ」ボタン246bと、「はい」ボタン246cと、が設けられている。この例では、上記
図7に対応して、料金確認表示欄246aにおいて、選択された2つのファイル名「document.B-stars.doc」「document.A-Mpf.doc」と、これに対応する合計料金が表示されている。この合計料金は、上記ファイル情報表示画面244でそれぞれ表示可能な「document.B-stars.doc」の印刷ジョブ、「document.A-Mpf.doc」印刷ジョブ、の実行に課される料金の合計額となる。
【0048】
そして、上記最終確認画面246の「はい」ボタン246cをユーザが操作することが、ユーザから複合機200への最終的な印刷実行指示となる(S74)。この操作の結果、その印刷実行指示に対応した印刷要求が、上記複数の印刷ジョブの選択結果及び上記マシンIDとともに、複合機200からデータ処理サーバ100へと送信される(S75)。なお、この印刷要求が、第1合計金額決定指示の一例である。
【0049】
図9に移り、上記に対応し、データ処理サーバ100においては、S76で、上記S75で受信した複数の印刷ジョブの選択結果に基づき、今回の印刷サービス、すなわち上記選択されたすべての印刷ジョブの印刷に対応してユーザに課される料金の合計額が計算される。この計算は、言い替えれば、上記S43で決定した、各印刷ジョブごとに課される料金の合算となる。この際にも、前述同様、例えば所定の料金テーブルに基づき、料金が計算される。なお、このとき、例えば選択された印刷ジョブの数、印刷ジョブに含まれるページ数等に応じて、上記合計額から適宜の割引を行う、この会計とは別に使用可能な割引券又はクーポン等を発行する、ポイント・マイルを別途付与する、その他何らかの優先権を付与する等、ユーザに対する何らかの利益供与を行うようにしてもよい。
なお、このS76を実行するプロセッサ110の機能が第1料金合算部の一例である。そして、このS76と前述のS43とを実行するプロセッサ110の機能が、合計料金決定部の一例であり、それらS76及びS43が合計料金決定ステップの一例である。
【0050】
その後、S77で、データ処理サーバ100において、前述のように選択された複数の印刷ジョブの合計料金を一括して支払うための商品グループIDが発行される。なお、本明細書では、以下適宜、料金を支払うことを単に「決済」と称する。この商品グループIDは、言い換えれば、上記のように選択された複数の印刷ジョブそれぞれに対応付けられた複数の商品IDを1つにグループ化し、その1つのグループに新たに付与されたIDに相当し、グループ識別情報の一例である。この商品グループIDがグループ識別情報の一例であり、S77を実行するプロセッサ110の機能が、識別情報生成部の一例である。
【0051】
その後、S78で、データ処理サーバ100において、上記商品グループIDと、上記選択された印刷ジョブに対し上記S44で発行されていた商品IDとが、互いに対応付けられて登録される(S78)。なお、この際、商品IDの代わりに前述のJOBIDを用いてもよい。このときの商品ID又はJOBIDがジョブ識別情報の一例である。
【0052】
その後、S79で、データ処理サーバ100において、決済予約処理が行われる。具体的には、選択された複数の印刷ジョブに対応付けられた上記1つの商品グループIDと、S76での計算結果であるユーザの支払金額と、取引サーバ400での認証に用いるための認証情報と、決済完了確認用のURL(本実施形態ではデータ処理サーバ100のURL)であるConfirmURLと、が取引サーバ400へ送信される。また、それらの送信に応じて取引サーバ400から送信された、ユーザがアクセスして料金支払いをするためのPaymentURLと、当該料金支払い手続きに係わる取引IDと、が受信される。
【0053】
その後、データ処理サーバ100においては、S76での計算結果である支払金額と、S79で取得した上記取引ID及びPaymentURLと、が前述のJOBIDと対応付けられる(S81)。なお、S79、S81で実行する処理が決済関連処理の一例であり、S79,S81が決済関連処理ステップの一例であり、S79,S81を実行するプロセッサ110の機能が、決済関連処理部の一例である。そして、公知の適宜の手法により、PaymentURLに対応するバーコード、例えばQRコード(登録商標)が生成され(S83)、そのQRコード(登録商標)を含む、支払いに必要なデータが複合機200へと送信される(S85)。
【0054】
支払いに必要なデータには、QRコード(登録商標)のほか、上記PaymentURLと、JOBIDとが含まれ、これらが複合機200において受信される(S87)。それらを受信した複合機200では、表示部240において、少なくとも上記QRコード(登録商標)を含む上記支払いに必要なデータを表示する所定の支払画面が表示される(S89)。この支払画面の一例を、
図10に示す。
図10に示す支払画面249には、QRコード(登録商標)QCと、「下記URLにアクセスして支払いを行って下さい。」のメッセージM7と、そのアクセス先を示すURLを表示するURL表示欄249aと、が表示されている。
なお、このように支払いに必要なデータを表示出力するのではなく、印刷部290により用紙に印字形成、すなわち印刷出力するようにしてもよい。
【0055】
ここで、上記のように表示された支払画面249を見た後、気が変わったユーザが、印刷サービスのキャンセルをするために操作部250を介し適宜のキャンセル操作を行うと(S80)、その操作が複合機200において受け付けられる(S82)。そして、これに対応するキャンセル操作通知が複合機200から送信され、データ処理サーバ100において受信される。さらにデータ処理サーバ100では、その受信に対応してキャンセル通知が取引サーバ400へと送信され、取引サーバ400から上記S79で予約した今回の決済をキャンセルした旨の通知が受信されると、対応する所定のキャンセル処理が実行される(S84)。キャンセル処理が完了すると、キャンセル完了通知が複合機200へと送信され、複合機200の表示部240にキャンセルが完了した旨が表示される。
【0056】
また、上記のように支払画面249が表示された後、ユーザがそのまま何もせずに放置した状態で所定時間が経過すると、複合機200におけるS86がYes判定となり、タイムアウト通知が送信される(S88)。このタイムアウト通知がデータ処理サーバ100において受信されると、データ処理サーバ100では、その受信に対応して取引サーバ400に対し決済状況確認が行われる。取引サーバ400から上記S79での予約に対しまだ決済が行われていない旨の通知が受信されると、対応する未決済通知が複合機200へと送信される。複合機200では、この未決済通知の受信に対応して、未決済確認画面の表示が行われる(S90)。
この未決済確認画面の一例を、
図11に示す。
図11に示す未決済確認画面248には、QRコード(登録商標)QCと、「決済未完了です。キャンセルする場合は「Cancel」キーを押して下さい。」のメッセージM8と、「Cancel」キー248aと、が表示されている。この場合、ユーザが「Cancel」キー248aを操作することで、上述したS82以降の処理が行われ、キャンセル完了通知が複合機200へと送信される。
【0057】
図12に移り、一方、上記のようなキャンセル操作をしない場合は、ユーザは、上記の所定時間が経過する前に、前述の支払画面249に表示されたQRコード(登録商標)QCに対し、ユーザがモバイル端末300に備えられたスキャナまたはカメラによって読取りを行う(S91)。これにより、モバイル端末300に、図示しないPaymentURLの表示画面が表示される。このPaymentURL表示画面に表示されたPaymentURLにアクセスすることで上記計算された料金等を含む料金表示画面が表示され、ユーザは今回の印刷サービスの利用により自分が支払うべき料金を知ることができる。
【0058】
その後、料金を見たユーザが、モバイル端末300に表示された上記料金表示画面において適宜の操作をすることで、前述の決済処理を承認したこと、言い換えれば前述の料金の支払いを承諾したこと、を表す支払承認通知がモバイル端末300から取引サーバ400へと通知される(S105)。
【0059】
その後、上記承認の通知を受信した取引サーバ400から決済予約時(S79)でのPaymentURLに対応するConfirmURLがモバイル端末300へと送信され(S107)、このConfirmURLに基づきモバイル端末300から決済完了要求が送信され、データ処理サーバ100において受信される(S109)。これにより、データ処理サーバ100におけるS111がYes判定されて、決済完了確認処理が行われる(S113)。すなわち、このConfirmURLに対応する前述の認証情報、商品グループID、及び取引IDが取引サーバ400へと送信される。またこれとともに、これに対応して取引サーバ400から送信されたreturncodeがデータ処理サーバ100において受信される。
【0060】
上記決済完了確認処理の後、データ処理サーバ100では、決済完了通知が送信され(S115)、複合機200において受信される(S117)。またデータ処理サーバ100から、S35で受信した印刷ジョブのうち、S75でのジョブ選択情報において選択されかつそれぞれの料金の合計金額が上記のように一括決済された複数の印刷ジョブが送信され(S125)、複合機200において受信される(S126)。その後、複合機200では、印刷部290により、S126で受信された複数の印刷ジョブが実行され、用紙への印刷が開始される(S127)。
なお、上述のS125,S126のようにデータ処理サーバ100から複数の印刷ジョブを送信して複合機200で受信し、S127で印刷するのには限られない。すなわち、複合機200において、前述のS14で受信した印刷ジョブを順次保持しておき、それら印刷ジョブの中からS65で選択されたものを、S127で印刷するようにしてもよい。
このS127が印刷ステップの一例であり、S127で実行する処理が印刷処理の一例である。
【0061】
複合機200において、印刷ジョブの実行がすべて完了しS277がYes判定されると、S279において、印刷完了通知がJOBIDとともに送信される。
これに対応して、データ処理サーバ100では、上記送信された印刷完了通知が受信された後(S281)、データ記憶領域125に保持されていた画像データが削除され(S283)、このシーケンスフローを終了する。
【0062】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷システム1においては、データ記憶領域125に蓄積された複数の印刷ジョブのうち、ユーザが印刷対象としたい所望の複数の印刷ジョブを選択すると、その選択が受け付けられる(S67)。そして、その選択された複数の印刷ジョブを実行するのに必要な料金の合計額がS76で決定される。その後、決定されたその合計額に基づきそれら複数の印刷ジョブの料金を一括決済するための処理がS79,S81で行われ、その処理に応じてそれら複数の印刷ジョブの料金の一括決済が行われた後、印刷部290によりそれら複数の印刷ジョブに基づく印刷が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザが選択した複数の印刷ジョブの実行に必要な料金合計額が決定され、その額に応じて複数の印刷ジョブの合計額の料金が一括決済される。これにより、
図8及び
図11等を用いて前述したように、それら選択した複数の印刷ジョブを実行するための支払操作を一括して行うことができるので、ユーザにとっての使い勝手を向上することができる。
【0063】
本実施形態の印刷システム1は、印刷部290を有する複合機200と、データ処理サーバ100と、を有する。これにより、印刷自体を行う複合機200とは別に設けたデータ処理サーバ100において、印刷以外の各種の処理を行うことが可能となる。
【0064】
本実施形態においては、複合機200ではなくデータ処理サーバ100において、複数の選択された印刷ジョブの料金の合計額が決定され(S76,S43)、それら複数の印刷ジョブの合計料金の決済に関連する処理が行われる(S79,S81)。これにより、印刷対象となる複数の印刷ジョブの合計料金の決定、及び、それら複数の印刷ジョブの合計料金を一括決済するための処理、を複合機200外で行うことができる。
【0065】
本実施形態では、複数の印刷ジョブがデータ処理サーバ100のデータ記憶領域125に蓄積されている。そして、それらのうち複数の印刷ジョブが選択されると、その選択が、複合機200において受け付けられ(S67)、対応するジョブ選択情報がデータ処理サーバ100へと送信される(S75)。これにより、データ処理サーバ100において、上記送信されたジョブ選択情報に基づき、複数の印刷ジョブを実行するときの料金の合計額を決定することができる(S76)。
【0066】
本実施形態においては、表示部240において、データ記憶領域125に蓄積された複数の印刷ジョブの識別情報が登録ジョブリストの形で一覧表示される。そして、ユーザが、その表示部240に一覧表示された複数の印刷ジョブの識別情報の中から印刷対象としたい印刷ジョブを選択することで、その選択を複合機200において受け付けることができる。
【0067】
本実施形態では、複数の印刷ジョブの実行のために課される料金の合計額が決定されると、複数の印刷ジョブそれぞれに対応付けられた商品IDを1グループとして、それらに対し、1つの商品グループIDが対応付けられる。そして、上記合計額と当該商品グループIDとが取引サーバ400へと送信される。取引サーバ400でその合計額を用いた決済が完了すると、印刷部290により、上記複数の印刷ジョブに基づく印刷が実行される。
このようにして、複数の印刷ジョブに係わる料金の合計額が決定された後、複数の商品IDを1つのグループとして対応付ける1つの商品グループIDを用いることで、円滑にそれら複数の印刷ジョブの料金の決済及び印刷を行うことができる。
【0068】
本実施形態においては、データ記憶領域125に各印刷ジョブが順次蓄積されるたびに、当該印刷ジョブの実行のために課される料金がデータ処理サーバ100において決定される(S43)。その後、印刷要求が入力されることで、上記のようにして各印刷ジョブに対して決定済の各料金が、データ処理サーバ100において合算される(S76)。この結果、複数の印刷ジョブを実行するために必要な合計額を、円滑に決定することができる。
【0069】
本実施形態においては、上記登録ジョブリストにおいて、データ記憶領域125に蓄積された各印刷ジョブと、それに対応する各料金と、を表示可能である。これにより、ユーザが、各印刷ジョブの実行の要否を検討する際、その表示された料金を参酌することができる。
【0070】
本実施形態においては、PC端末500から印刷ジョブを送信すると、その印刷ジョブが複合機200において受信される。そのようにして受信された複数の印刷ジョブは複合機200からデータ処理サーバ100に送信されてデータ記憶領域125に順次蓄積され、その中から選択された複数の印刷ジョブに対し上述の手法により料金の一括決済がなされた後、印刷が行われる。
以上のように、本実施形態の印刷システム1によれば、システム外のPC端末500から送信された印刷ジョブに基づき印刷が行われる場合において、複数の印刷ジョブを実行する支払操作を一括して行え、ユーザの使い勝手を向上することができる。
【0071】
本実施形態においては、PC端末500から印刷ジョブのみならずそれに対応するPINコードが送信される(S13,S14)。そして、前述の複数の印刷ジョブの選択を受け付ける際に、複合機200において上記PINコードの入力が併せて受け付けられる(S71)。このように、印刷ジョブの選択時にユーザに改めてPINコードの入力を要求することにより、他ユーザの介入を防止し、セキュリティを確保することができる。
【0072】
本実施形態においては、PC端末500から印刷ジョブのみならずそれに対応するユーザIDが送信される(S13,S14)。そして、複数の印刷ジョブが蓄積される際に、データ記憶領域125では、上記ユーザIDを各印刷ジョブに対応付けて蓄積する(S45)。そして蓄積された複数の印刷ジョブを登録ジョブリストとして表示部240において表示する際には、上記ユーザIDに対応する印刷ジョブだけが一覧表示される(S63)。このように、一覧表示時において、ユーザIDに対応する印刷ジョブのみを表示することにより、他ユーザの印刷ジョブの存在を露出せず、セキュリティを確保することができる。
【0073】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0074】
(1)印刷ジョブそれぞれの個別計算を行わない場合
すなわち、上記実施形態の
図2のS43で行っていた、個々の印刷ジョブに対する料金の計算を省略する場合である。本変形例の、複合機200のプロセッサ21と、データ処理サーバ100のプロセッサ110、取引サーバ400のプロセッサ、モバイル端末300のプロセッサ、PC端末500のプロセッサが実行する処理を表す制御手順の要部を、
図2に対応する
図13に示す。
【0075】
図13に示すように、本変形例では、
図2と同様のS11~S35が実行される。すなわち、ユーザ入力に応じてPC端末500から印刷ジョブが複合機200へ送信され、複合機200からデータ処理サーバ100へマシンIDや印刷ジョブ等が送信され、データ処理サーバ100にて受信される(S35)。
【0076】
その後、本変形例では、受信された印刷ジョブに係わる料金は計算されることなく、
図2と同様のS44~S73が実行される。すなわち、データ処理サーバ100から複合機200への登録完了通知の送信後、複合機200では、登録ジョブリストが表示部140に表示され、
図3~
図5を用いて前述したように、ユーザID及びPINが入力されることで各印刷ジョブが順次選択される。なお本変形例では、
図6に対応する
図14に示すように、S72で各印刷ジョブの選択が確定したときに表示されるファイル情報表示画面244′のファイル情報表示欄244a′において、「料金××円」の表示は省略される。
【0077】
そしてファイル情報表示画面244′の「支払って印刷に進む」ボタン244cが操作されS73がYes判定され、その後
図7の全選択ジョブ確認画面245の「確認OK。印刷に進む」ボタン245cが操作されることで、支払金額の算出が指示される(S73a)。この指示を入力した複合機200においては、対応する支払金額計算要求が送信され(S73b)、データ処理サーバ100において受信される。なお、この支払金額計算要求が、第2合計金額決定指示の一例である。
【0078】
これに対応して、データ処理サーバ100では、S43′において、
図2のS43と同様の手法により、上記選択された複数の印刷ジョブを実行するための合計料金が計算される。すなわち、選択された印刷ジョブそれぞれごとに課される料金が計算された後、それらを合算した額が、ユーザが支払うべき支払金額として計算される。なお、このS43′を実行するプロセッサ110の機能が、第2料金合算部の一例である。そして、本変形例では、このS43′とこの後に実行される上記S76とを実行するプロセッサ110の機能が合計料金決定部の一例であり、それらS76及びS43′が合計料金決定ステップの一例である。なおこの計算の際、前述と同様、例えば所定の料金テーブルに基づき料金が計算される。またその際には印刷設定記憶領域124に記憶される印刷設定を加味して計算を行ってもよい。また本変形例では、このS43′において、前述同様、例えば選択された印刷ジョブの数、印刷ジョブに含まれるページ数等に応じて、上記合計額から適宜の割引を行うか、前述の何らかの利益供与を、ユーザに対し行うようにしてもよい。
【0079】
上記S43′でのこの計算結果に応じて、データ処理サーバ100から複合機200へ支払金額が返答される(S73c)。これにより、上記「確認OK。印刷に進む」ボタン245cの操作に応じて表示部240で表示される上記
図8の最終確認画面246において、前述と同様、料金確認表示欄246aにおいて、選択された複数の印刷ジョブに対応する合計料金が表示される。これ以降の処理内容及び表示内容等については上記実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0080】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
すなわち、本変形例においては、印刷対象の複数の印刷ジョブが選択された状態において、データ処理サーバ100において、複合機200からの支払金額計算要求が入力されることで(S73b)、それら複数の印刷ジョブを実行するための各料金が合算される(S43′)。この結果、複数の印刷ジョブを実行するために必要な合計額を、円滑に決定することができる。
【0081】
(2)印刷ジョブを選択する都度、それまでの合計金額を算出する場合
本変形例の、複合機200のプロセッサ21と、データ処理サーバ100のプロセッサ110、取引サーバ400のプロセッサ、モバイル端末300のプロセッサ、PC端末500のプロセッサが実行する処理を表す制御手順の要部を、
図13に対応する
図15に示す。
【0082】
図15に示すように、本変形例では、
図13と同様のS11~S72が実行される。すなわち、ユーザ入力に応じてPC端末500から印刷ジョブが複合機200へ送信され、複合機200からデータ処理サーバ100へ印刷ジョブ及びマシンID等が送信された後、データ処理サーバ100にてJOBIDが生成され、印刷ジョブやマシンID等と紐づけて記憶される。データ処理サーバ100から複合機200への登録完了通知の送信後、複合機200では、ユーザ操作に基づいて、登録ジョブリストが表示部140に表示される。そして、
図3~
図5を用いて前述したように、ユーザID及びPINが入力されることで各印刷ジョブが順次選択される。このとき、本変形例では、上記
図14と同様、
図16に示すように、S72で各印刷ジョブの選択が確定したときに表示されるファイル情報表示画面244″のファイル情報表示欄244a′において、「料金××円」の表示は省略される。そして、本変形例のファイル情報表示画面244″では、上記
図14のファイル情報表示画面244′の「支払って印刷に進む」ボタン244cに代えて、「これまでの合計金額を見る」ボタン244c″が設けられる。
【0083】
この
図16のファイル情報表示画面244″が表示された状態で、「これまでの合計金額を見る」ボタン244c″が操作されることで、この時点でのユーザの支払金額の算出が指示される(S73a)。この指示を入力した複合機200においては、対応する支払金額計算要求が送信され(S73b)、データ処理サーバ100において受信される。なお、この支払金額計算要求が、第3合計金額決定指示の一例である。
【0084】
これに対応して、データ処理サーバ100では、S43a′において、
図2のS43と同様の手法により、直前のS71で選択を受け付けた1つの印刷ジョブを実行するための料金が計算される。なお、このS43a′を実行するプロセッサ110の機能が、第2料金決定部の一例である。
【0085】
その後、データ処理サーバ100では、S43b′において、この時点で選択済のすべての印刷ジョブを実行するための料金の合計金額が計算される。すなわち、
図15に示すように、後述のS73でNo判定されている間は、S65でユーザが新たな印刷ジョブを選択するたびに、S65→S67→S69→S71→S72→S73a→S73b→S43a′→S43b′→S73cの流れが繰り返される。その都度、S43a′では、直前のS71で選択を受け付けた1つの印刷ジョブの料金が計算され、その後のS43b′では、その時点で実行済みの各回のS43a′での料金計算結果が累計される。言い替えれば、このS43b′では、直前のS43a′で決定された、S65で新たに選択された印刷ジョブの料金を、その印刷ジョブが新たに選択される前までの全選択印刷ジョブの料金の合計額に対し、追加して合算することとなる。なお、このS43b′を実行するプロセッサ110の機能が、第3料金合算部の一例である。そして、本変形例では、上記S43a′及びS43b′とこの後に実行される上記S76とを実行するプロセッサ110の機能が合計料金決定部の一例であり、それらS43a′,S43b′,S76が合計料金決定ステップの一例である。なおこれらの計算の際、前述と同様、例えば所定の料金テーブルに基づき料金が計算される。またその際には印刷設定記憶領域124に記憶される印刷設定を加味して計算を行ってもよい。また本変形例では、このS43b′において、前述同様、例えば選択された印刷ジョブの数、印刷ジョブに含まれるページ数等に応じて、上記合計額から適宜の割引を行うか、前述の何らかの利益供与を、ユーザに対し行うようにしてもよい。
【0086】
その後、上記S43b′での計算結果に応じて、データ処理サーバ100から複合機200へ支払金額が返答される(S73c)。これにより複合機200の表示部240では、
図17(a)及び
図16(b)に示す現状確認画面247が表示される。この現状確認画面247には、料金確認表示欄247aと、
図6のボタン244bと同様の「ファイルの選択を続ける」ボタン247bと、
図7のボタン245cと同様の「確認OK。印刷に進む」ボタン247cと、が設けられる。
【0087】
図17(a)に示す例では、この表示の時点で1つの印刷ジョブのみが選択されている場合を示しており、料金確認表示欄247aにおいて1つのファイル名「document.B-stars.doc」と、これに対応する合計料金が表示されている。この場合の合計料金は、上記「document.B-stars.doc」の印刷ジョブ単独の実行に課される金額と等しくなる。
【0088】
図17(b)に示す例では、上記
図17(a)の状態以降に、さらに1つの印刷ジョブの選択が追加され、合計2つの印刷ジョブが選択されている場合を示している。その結果、料金確認表示欄247aにおいて、上記ファイル名「document.B-stars.doc」に加え、追加された印刷ジョブのファイル名「document.A-Mpf.doc」と、これらに対応する合計料金が表示されている。すなわちこの場合の合計料金は、上記「document.B-stars.doc」の印刷ジョブの実行、及び、「document.A-Mpf.doc」の印刷ジョブの実行、に対して課される合計金額となる。
【0089】
本変形例では、上記のようにして順次表示される現状確認画面247において、ユーザが「確認OK。印刷に進む」ボタン247cを操作すると、S73がYes判定となるとともに、その操作が、ユーザから複合機200への最終的な印刷実行指示となる(S74)。この結果、前述と同様、対応する印刷要求が、この時点での上記複数の印刷ジョブの選択結果及び上記マシンIDとともに、複合機200からデータ処理サーバ100へと送信される(S75)。その後は、S76以降において、上記実施形態と同様の処理が行われるため、説明を省略する。
【0090】
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
すなわち、本変形例においては、ユーザの印刷ジョブの選択がS67で新たに受け付けられるたびに、当該印刷ジョブの実行のために課される料金がS43a′で決定される。そして、この新たに決定された料金は、その後のS43b′において、それ以前に選択済の印刷ジョブに係わる料金合計額に追加され、合算される。その際、支払金額計算要求の入力に応じて(S73b)、その時点での上記合算済の結果に基づき、選択済の全印刷ジョブを実行するための合計金額が決定される。この結果、複数の印刷ジョブを実行するために必要な合計額を、円滑に決定することができる。
【0091】
また、本変形例では特に、ユーザの印刷ジョブの選択がS67で新たに受け付けられるたびに、その選択された各印刷ジョブと、それらを実行するための合計額と、が表示部240の現状確認画面247において表示される。これにより、ユーザが、各印刷ジョブの実行の要否を検討する際、その表示された料金を参酌することができる。
【0092】
(3)複合機で原稿をスキャンしコピーする場合
上記実施形態では、PC端末500から、画像データを含む印刷ジョブが複合機200へと送信される場合の例であった。これに対し、本変形例では、複合機200におけるユーザのコピー操作により原稿を読み取り、その読み取り後のスキャンデータを含む印刷ジョブが実行される。以下、そのような変形例を説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
【0093】
<処理の流れ>
本変形例において、複合機200のプロセッサ210と、データ処理サーバ100のプロセッサ110と、取引サーバ400のプロセッサと、モバイル端末300のプロセッサと、により実行される処理を表す制御手順を、上記
図2に対応する
図18及び
図19と、上記
図12に対応する
図20により説明する。なお、上記実施形態と同様、以下の説明においては、各プロセッサの記述を省略して記載する。また、以下において、上記実施形態と同等の内容として詳細な処理内容の説明を省略又は簡略化している各手順では、上記実施形態の説明における「画像データ」は、「スキャンデータ」と読み替えて適用するものとする。
【0094】
<印刷ジョブの送受信、料金計算、印刷>
まず、
図18において、ユーザが複合機200に原稿をセット後、操作部250の「COPY START」ボタンを押してコピーの開始指示を行うと(S15)、その指示が複合機200において受け付けられる(S17)。その際、操作部250の適宜の操作又は別途の手段を介し、ユーザIDの入力も受け付けられる。
【0095】
上記S17の受け付けに応じて、複合機200からデータ処理サーバ100に対し、JOBID生成依頼が送信される(S19)。JOBID生成依頼は、JOBIDを生成して送信するよう、データ処理サーバ100へ要求するものである。なお、上記JOBID生成依頼及び印刷設定の送信の際には、マシンID、及び、ユーザIDも併せて送信される。
上記JOBID生成依頼は、データ処理サーバ100において上記マシンIDとともに受信され(S21)、これに応じてデータ処理サーバ100により新たなJOBIDが生成される(S23)。そして、S21で受信したマシンID及びユーザIDがS23で生成したJOBIDと紐づけられ、データ記憶領域125に記憶された後(S25)、JOBIDが、データ処理サーバ100から送信され(S27)、複合機200において受信される(S29)。
【0096】
<原稿読取り及びカバレッジの算出>
複合機200では、S29の後、セットされた原稿の1ページに対して読取りが行われる(S145)、その読み取られたページのスキャンデータが揮発性記憶装置220のデータ保存領域222に記憶され保存される(S147)。なお、上記原稿が読取り対象物の一例であり、スキャンデータが画像データの一例である。なお、スキャンデータは、上記スキャナ部280が読み取った画像そのままでもよいし、画像処理が施してあるデータや印刷データとして変換してあるデータでもよい。
【0097】
その後、S151で、S147でデータ保存領域222に保存したスキャンデータに対しS29で受信したJOBIDが対応付けられた後、それらスキャンデータ及びJOBIDがデータ処理サーバ100へ送信される(S153)。そして、データ保存領域222から当該スキャンデータが削除される(S155)。その後のS157で、ユーザがコピーしたい原稿の処理がすべて終わらないうちはNo判定されてS145~S155が繰り返され、ユーザがコピーしたい原稿の処理がすべて終わったらS157がYes判定されて、後述のS49へ移行する。
【0098】
一方、データ処理サーバ100では、前述のS27の後、S161に移行し、前述のS153で複合機200から送信されたスキャンデータ及びJOBIDが受信される。その後、すべてのスキャンデータの受信が完了するまではS163がNo判定となってS161での受信が継続される。すべてのスキャンデータの受信が完了したらS163がYes判定となってS165へ移行し、受信した全スキャンデータを含む印刷ジョブとS40で生成したJOBIDとが対応付けられて、データ記憶領域125に記憶される。その後、上記印刷ジョブに含まれるスキャンデータのカバレッジが計算され(S167)、後述のS43へ移行する。
【0099】
その後、
図19に示すように、複合機200及びデータ処理サーバ100において、上記
図2と同様のS43~S75が実行される。すなわち、データ処理サーバ100でS61で受信されたスキャンデータを含む印刷ジョブを実行するための料金計算がS43で行われた後、印刷ジョブの登録完了通知がデータ処理サーバ100から複合機200へ送信される(S47,S49)。
なお、上記実施形態と同様、以上のS15~S49までの手順は、S15においてユーザが原稿をセットして「COPY START」ボタンを操作する都度、実行される。そして、その際、スキャンデータの受信がS161,S163で完了して印刷ジョブが生成される都度、その印刷ジョブがデータ記憶領域125に順次格納され、蓄積される。したがって、本変形例においてはデータ記憶領域125がジョブ蓄積部の一例であり、S165がジョブ蓄積ステップの一例である。
【0100】
その後、複合機200からの要求で作成された登録ジョブリストがデータ処理サーバ100から送信され複合機200において表示され、その表示された登録ジョブリストに基づき、印刷対象とする複数の印刷ジョブが選択される(S65)。選択確定後、ユーザの印刷指示に対応した印刷要求が複合機200からデータ処理サーバ100へと送信される(S75)。
【0101】
上記S75の後は、モバイル端末300、複合機200、データ処理サーバ100、取引サーバ400において、上記
図9と同様のS76~S90が実行される。したがって、それらの各手順の内容については説明を省略する。
【0102】
上記S90の後は、
図20において、モバイル端末300、複合機200、データ処理サーバ100、取引サーバ400において、上記
図12と同様のS91~S117が実行される。すなわち、印刷対象の複数の印刷ジョブについての一括決済が取引サーバ400により完了したのに対応して、決済完了通知がデータ処理サーバ100から送信され、複合機200において受信される(S117)。
【0103】
その後、データ処理サーバ100では、S271で、データ記憶領域125に保持されていたスキャンデータを含む印刷ジョブが、対応する上記JOBIDとともに送信される。これに対応して複合機200では、S273で、S271で送信された印刷ジョブ及びJOBIDが受信され、取得される。
【0104】
上記S273より後は、モバイル端末300、複合機200、データ処理サーバ100、取引サーバ400において、上記
図12と同様のS127~S283が実行される。したがって、それらの各手順の内容については説明を省略する。
【0105】
以上のように構成した本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。
すなわち、原稿をスキャナ部280が読み取ることで対応するスキャンデータが生成され、その生成されたスキャンデータを含む複数の印刷ジョブが、データ記憶領域125に順次蓄積される。そして、その中から選択された複数の印刷ジョブに対し上記実施形態と同様の手法により料金の一括決済がなされた後、印刷が行われる。
以上のように、本変形例の印刷システム1によれば、原稿のスキャンデータを含む印刷ジョブに基づき印刷が行われる場合において、複数の印刷ジョブを実行するための支払操作を一括して行え、ユーザの使い勝手を向上することができる。
【0106】
なお、以上は、原稿をスキャナ部380で読み取ったスキャンデータを印刷する複合機200のコピー機能を、上記実施形態に適用した場合を例にとって説明したが、上記変形例(1)又は変形例(2)に適用してもよい。これらの場合も、各変形例と同様の効果を得る。
【0107】
(4)その他
なお、以上においては、複合機200からデータ処理サーバ100へ印刷ジョブを送信した後に、複合機200において印刷対象とする印刷ジョブの選択を受け付けたが、これに限られない。すなわち、複合機200において先に印刷ジョブの選択を受け付けた後に、印刷ジョブをデータ処理サーバ100へ送信してもよい。要は、選択された複数の印刷ジョブに対し、一括決済を行えるような構成とすれば足り、それによって前述と同様の効果を得ることができる。
【0108】
また、以上では、印刷に係わる料金について、「計算」による算出を例にとって説明しているが、料金を決定する手法はこれに限られない。すなわち、前述の料金テーブルにおいて、例えば印刷ジョブでの印刷ページ数、カバレッジ等の種々のパラメータの複数の区分範囲それぞれに対し個別に料金金額が対応付けられており、そのテーブルを参照し、特に演算をすることなく料金を決定してもよい。
すなわち、印刷ページの例でいうと、1つのテーブルに、例えば印刷ページ数が〇ページ~△ページの場合××円、印刷ページ数が△ページ~□ページの場合××円、・・・・のように記録されている。そして印刷ジョブのページ数が取得されたら、当該テーブルを参照することで、前述のような計算による算出を行わなくても、直接料金を決定することができる。
【0109】
また、以上では、印刷ジョブを蓄積する機能、それらのうち印刷対象とする複数の選択を受け付ける機能、それら印刷ジョブを実行する料金合計額を決定する機能、その合計額を一括決済する関連処理を行う機能、及び印刷機能が、各構成要素に分散配置されていた。しかしながらこれに限られず、上記すべての機能を1つのプリンタに設けてもよい。この場合は、当該プリンタが、本願発明の印刷システムを構成することとなる。
【0110】
さらに、以上は、複合機200がインクジェット方式で印刷を行う場合に本発明を適用した例で説明したがこれに限られない。すなわち、複合機200がレーザ方式で印刷を行う場合にも本発明は適用でき、上記同様の効果を得る。さらにはインクジェット方式やレーザ方式にも限られず、熱転写方式等の他の公知の方式で印刷を行う印刷装置に対しても適用可能である。
【0111】
また、以上において、
図2、
図9、
図12、
図13、
図15、
図18、
図19、
図20等に示すシーケンスフローは本発明を当該フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0112】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0113】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0114】
1 印刷システム
100 データ処理サーバ
125 データ記憶領域(ジョブ蓄積部の一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(制御部の一例)
240 表示部
280 スキャナ部(読取部の一例)
300 モバイル端末
400 取引サーバ
500 PC端末(外部装置の一例)