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特許7554410STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)のモジュレーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)のモジュレーター
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240912BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/437 20060101ALN20240912BHJP
   A61K 31/519 20060101ALN20240912BHJP
   A61P 35/00 20060101ALN20240912BHJP
   A61P 35/02 20060101ALN20240912BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
C07D471/04 106H
C07D487/04 143
A61K31/437
A61K31/519
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P43/00 121
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023556477
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 IB2022052300
(87)【国際公開番号】W WO2022195462
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】63/162,640
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/165,459
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】キタン サティシュ ガジワラ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウー フー
(72)【発明者】
【氏名】メーラン ジャライエ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ロイド パットマン
(72)【発明者】
【氏名】ユージン ユアンジン ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジアンミン サン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ジェイムズ ワイセス
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/075790(WO,A1)
【文献】特表2019-510802(JP,A)
【文献】特表2020-524719(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03597642(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/134705(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/010092(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0040009(US,A1)
【文献】国際公開第2019/195124(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/165032(WO,A1)
【文献】RAMANJULU, J. M. et al.,Design of amidobenzimidazole STING receptor agonists with systemic activity,Nature,2018年11月07日,Vol.564,pp.439-443
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
C07D 487/04
A61K 31/437
A61K 31/519
A61P 43/00
A61P 35/00
A61P 35/02
A61K 45/00
A61K 38/21
A61K 39/395
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容できる塩[式中、
【化2】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、およびC~Cアルキレン-(シクロブチル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、またはC~Cアルキレン-(シクロブチル)は、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
、ZおよびZは、
がCであり、ZがNRであり、かつZがCRであるか、または
がNであり、ZがCRであり、かつZがCRであるか、または
がCであり、ZがCRであり、かつZがNRである
ように選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、ハロ、ヒドロキシ、-CN、-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、その-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、-CN、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい]。
【請求項2】
式(I)の化合物が、式(II):
【化3】
で表される化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
式(I)の化合物が、式(III):
【化4】
で表される化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
が、C~Cアルキルであり、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
が、-CHおよび-CHCHからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
が、C~CアルキルおよびC~Cアルキレン-(シクロプロピル)からなる群から選択され、ここで、そのC~CアルキルまたはC~Cアルキレン-(シクロプロピル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよい、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
が、-CH、-CHCH、-(CHCH、-CHCF、-(CHCF、-(CHOH、-(CHOCH、-(CHOCHおよび-CH(シクロプロピル)からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
が、C~Cアルキルであり、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよい、請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
が、HおよびC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
が、Hおよび-CHからなる群から選択される、請求項9に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項11】
が、H、ハロおよびヒドロキシからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項12】
が、H、クロロおよびヒドロキシからなる群から選択される、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
が、C~Cアルキルおよびシクロプロピルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキルまたはシクロプロピルは、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項14】
が、-CH、-CHCH、-CHCHF、-CH(CH、およびシクロプロピルからなる群から選択される、請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項15】
【化5-1】

【化5-2】
から選択される化合物、またはそのいずれかの薬学的に許容できる塩。
【請求項16】
【化6-1】

【化6-2】

【化6-3】
から選択される化合物、またはそのいずれかの薬学的に許容できる塩。
【請求項17】
下式
【化7】
を有する化合物。
【請求項18】
下式
【化8】
を有する化合物。
【請求項19】
下式
【化9】
を有する化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、または(IX)の化合物およびそれらの薬学的に許容できる塩、そのような化合物またはその塩を含む医薬組成物、ならびに医薬として使用するためのその化合物に関する。本発明の化合物、塩および組成物は、炎症性疾患および状態、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症、がんを含む異常な細胞増殖などの疾患または状態を処置または改善するのに、かつワクチンアジュバントとして有用である。
【背景技術】
【0002】
自然免疫系は、病原体由来のリガンド、さらには損傷関連分子パターンを検出するとパターン認識受容体(PRR)により開始される防御の第一線である。ますます多くの数のこれらの受容体が同定されており、それらには、二本鎖DNAおよび環式ジヌクレオチド(CDN)と呼ばれる特有の核酸のセンサーが含まれる。PRRの活性化は、病原体複製を抑制して、適応免疫を促進する1型インターフェロン(IFNまたはINFとしても公知)、炎症誘発性サイトカインおよびケモカインを含む炎症応答に関係する遺伝子の上方調節につながる。
【0003】
TMEM173としても公知のアダプタータンパク質STINGは、サイトゾル核酸に応じた自然免疫センシング経路における中心的なシグナル伝達分子として同定されている。STINGは、病原体に由来するか、または宿主由来のサイトゾルDNAに対して応答するために重要である。サイトゾルDNAに応答して生じる、CDNによるSTINGの活性化は、インターフェロンベータ(INF-β)および他のサイトカインの誘導につながるIRF3およびNFκB経路の上方調節をもたらす。G.N.Barber、“Sting:infection,inflammation and cancer,”Nat.Rev.Immun.、2015、15、pp760。
【0004】
CDNは、初めは原核細胞において多数の応答の制御を担う細菌性メッセンジャーとして同定された。c-ジ-GMPなどの細菌性CDNは、2つの3’,5’ホスホジエステル結合により特徴づけられる対称な分子である。細菌性CDNによるSTINGの直接的な活性化が最近、X線結晶学を介して確認されている(Burdette D.L. and Vance R.E.、Nature Immunology、2013:14 19~26)。その結果、細菌性CDNは、有望なワクチンアジュバントとしての関心を集めている(Libanova R.ら、Microbial Biotechnology 2012:5、168~176)。さらに最近では、サイトゾルDNAに対する応答は、環式グアニンアデニンシンターゼ(cGAS)と呼ばれる酵素による内因性CDNの生成を伴い、STINGに結合してそれを活性化する環式グアニンアデニンモノリン酸(cGAMP)として同定されている新規の哺乳動物CDNシグナル伝達分子を産生することが示されている。cGAMPとSTINGとの相互作用は、X線結晶学によっても実証されている。細菌性CDNとは異なり、cGAMPは、その混合した2’,5’および3’,5’ホスホジエステル結合により特徴づけられる非対称分子である。細菌性CDNと同様に、cGAMPはSTINGを活性化して、1型インターフェロン(1型INF)の誘導につながる。侵入病原体に応答しての1型INFの役割は十分に立証されている。組換えインターフェロンアルファ(IFNα)は、最初に承認された生物学的治療法であり、ウイルス感染症およびがんにおける重要な治療となっている。INFは、免疫系の細胞で作用する、免疫応答の強力なモジュレーターであることも公知である。
【0005】
1型INFおよび他のサイトカインの活性化を含む自然免疫応答を刺激し得る低分子化合物の投与は、ウイルス感染症およびがんを含むヒト疾患を処置および予防するための重要な戦略になり得るであろう。この種の免疫調節戦略は、炎症性疾患および状態、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症、がんを含む異常な細胞増殖などの疾患および状態を処置するのに、かつワクチンアジュバントとして有用であり得る化合物を同定する可能性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
様々な生物学的プロセスの調節におけるその役割を考慮すると、STINGは、低分子で調節するための魅力的な標的であり続けている。STINGに結合するさらなる化合物を同定することが依然として必要とされている。STINGを活性化するさらなる化合物を同定することが依然として必要とされている。適切な細胞透過性を有するさらなる化合物を同定することが依然として必要とされている。さらに、STINGに結合し、および/またはそれを活性化し、かつ治療剤として有用であり得る化合物が依然として必要とされている。
【0007】
例えば、治療剤のヒト経口生物学的利用能を含む治療剤のヒト生物学的利用能は、治療剤の吸収、分布、代謝、および排出特性などの因子により決定される。STINGに結合する、および/またはSTINGを活性化し、かつ生物学的に利用可能である化合物を同定することが依然として必要とされている。STINGに結合する、および/またはSTINGを活性化し、かつ経口で生物学的に利用可能である化合物を同定することが依然として必要とされている。したがって、STINGに結合する、および/またはSTINGを活性化し、かつこれに限定されないが、溶解性、透過性、吸収、薬物動態などの適切な特性を有する化合物を同定することが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一部では、新規化合物およびその薬学的に許容できる塩を提供する。そのような化合物は、STINGに結合し、STINGを活性化し、および/またはヒト樹状細胞(DC)とのインキュベーションで1型INFおよび/または他のサイトカインおよび/または共刺激因子を誘導し、それにより、炎症性疾患および状態、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症、がんを含む異常な細胞増殖などの疾患または状態を処置または改善するのに、かつワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0009】
本発明の化合物または塩を単独で、または他の治療剤または緩和剤と組み合わせて含む医薬組成物および医薬も提供する。本発明はまた、一部では、新規化合物、その塩および組成物を調製するための方法、ならびに上述のものを使用する方法を提供する。
【0010】
一態様では、本発明は、式(I)の化合物:
【0011】
【化1】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0012】
【化2】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、およびC~Cアルキレン-(シクロブチル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、またはC~Cアルキレン-(シクロブチル)は、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
、ZおよびZは、
がCであり、ZがNRであり、かつZがCRであるか、または
がNであり、ZがCRであり、かつZがCRであるか、または
がCであり、ZがCRであり、かつZがNRである
ように選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、ハロ、ヒドロキシ、-CN、-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、その-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、-CN、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい]。
【0013】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、医薬として使用するための、本明細書に記載の式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0015】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む、治療方法および使用を提供する。
【0016】
哺乳動物において異常な細胞増殖を処置するための方法であって、哺乳動物に、治療有効量の本明細書に記載の式のいずれか1つの化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法も、本発明において具体化される。
【0017】
さらにまた、本発明の実施形態は、哺乳動物においてSTINGの活性を上方調節する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法;および/または哺乳動物においてインターフェロン-ベータレベルを上昇させる方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法を提供する実施形態を含む。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0018】
本発明のまたさらなる実施形態は、哺乳動物においてSTINGを活性化する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の化合物または塩を投与するステップを含む方法を提供する実施形態を含む。哺乳動物において自然免疫応答を刺激する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の化合物または塩を投与するステップを含む方法も提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
別段に述べられていない限り、本明細書および請求項において使用される次の用語は、下記で論述する意味を有する。R、X、nなどのこのセクションにおいて定義される変項は、このセクションの範囲内でのみ参照するためのものであって、この定義セクション外で使用され得る意味と同じ意味を有することを意味したものではない。さらに、本明細書において定義される基の多くは、置換されていてもよい。典型的な置換基のこの定義セクションにおける列挙は、例示であって、本明細書および請求項における他の箇所で定義される置換基を限定することを意図したものではない。
【0020】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段に示されていない限り、複数形の言及も含む。例えば、「a」置換基には、1つまたは複数の置換基が含まれる。
【0021】
「アルコキシ」は、アルキルが、別段に定義されていない限り、好ましくはC~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~C、C~CまたはCアルキルである-O-アルキルを指し、例えば、-OC~Cアルキルとして表されることもある。
【0022】
「アルキル」は、別段に定義されていない限り、1~20個の炭素原子(「(C~C20)アルキル」)、好ましくは1~12個の炭素原子(「(C~C12)アルキル」)、より好ましくは1~8個の炭素原子(「(C~C)アルキル」)、または1~6個の炭素原子(「(C~C)アルキル」)、または1~4個の炭素原子(「(C~C)アルキル」)の直鎖および分枝鎖基を含む飽和一価脂肪族炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル(2-プロピルとしても公知)、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチルなどが含まれる。アルキルは、置換されていてもよいし、または非置換であってもよい。特に、別段に指定されていない限り、典型的な置換基には、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、オキソ、チオキソ、アミノおよび-NRが含まれ、RおよびRは例えば、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、カルボニル、アセチル、スルホニル、トリフルオロメタンスルホニルおよび、組み合わせて5または6員のヘテロ脂環式環である。「ハロアルキル」は、1個または複数のハロ置換基を有するアルキルを指す。一部の実施形態では、ハロアルキルは、1、2、3、4、5、または6個のハロ置換基を有する。一部の実施形態では、ハロアルキルは、1、2、または3個のハロ置換基を有する。一部の実施形態では、ハロアルキルはフルオロアルキルである。
【0023】
「アルキレン」は、2個の他の基を一緒に結合させ得る指定の数の炭素原子を有する二価ヒドロカルビル基を指す。一部の実施形態では、アルキレンは-(CH-であり、nは1~8である。一部の実施形態では、nは1~4である。一部の実施形態では、nは1~2である。指定されている場合、アルキレンは他の基により置換されていてもよい。典型的な置換基には、アルキルについて好適と本明細書に記載されているのと同じ基が含まれる。アルキレンの空いている価は、鎖の反対の末端にある必要はない。アルキレン基が置換されていてもよいと記載されている場合、置換基には、本明細書に記載の通りのアルキル基上に典型的に存在するものが含まれる。例えば、「C~Cアルキレン」は、-CH-、-CHCH-、または-CH(CH)-を指し、そのアルキレンは、本明細書で定義されている通り、置換されていてもよいし、または非置換であってもよい。
【0024】
「アミノ」は、-NH基を指す。
【0025】
「シアノ」は、-C≡N基を指す。シアノは、-CNとして表されることもある。
【0026】
本明細書において互換的に使用される場合の「シクロアルキル」、または「炭素環式」という用語は、ある特定の実施形態では、3~10個の炭素原子を含有する非芳香族、単環式、縮合または架橋二環式または三環式炭素環式環基を指す。本明細書で使用される場合、シクロアルキル基は、1つまたは2つの二重結合を含有してもよい。「シクロアルキル」という用語は、単一の原子により結合された多環系を含むスピロ環式炭素環式基も含む。「C~C10シクロアルキル」、「C~Cシクロアルキル」、「C~Cシクロアルキル」、「C~Cシクロアルキル」、「C~Cシクロアルキル」、および「C~Cシクロアルキル」という用語はそれぞれ、3~10個、3~7個、3~6個、3~5個、3~4個、および5~7個の炭素原子を含有する。シクロアルキル基には、これに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[5.2.0]ノナニル、アダマンタニル、シクロヘキサジエニル、アダマンタニル、シクロヘプタニル、シクロヘプタトリエニルなどが含まれる。シクロアルキル基は置換されていてもよいし、または非置換であってもよい。典型的な置換基には、アルキルについて好適と本明細書に記載されているのと同じ基が含まれる。
【0027】
「ハロゲン」または接頭辞「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。一部の実施形態では、ハロゲンまたはハロは、フルオロまたはクロロを指す。一部の実施形態では、ハロゲンまたはハロはフルオロを指す。
【0028】
「ヘテロシクリル」、「複素環式」または「ヘテロ脂環式」という用語は、ある特定の実施形態では、合計で3~10個の環原子、3~7個の環原子、または4~6個の環原子を含有し、そのうち、1個、1~2個、1~3個、または1~4個の環原子がヘテロ原子である非芳香族、単環式、飽和もしくは部分不飽和、縮合もしくは架橋二環式もしくは三環式、またはスピロ環式環基を指すために本明細書において互換的に使用され得る。前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択され、硫黄原子は1または2個の酸素原子で酸化していてもよく、残りの環原子は炭素であるが、ただし、そのような環系は、2個の隣接する酸素原子または2個の隣接する硫黄原子を含有し得ないことを条件とする。複素環は、任意の利用可能な炭素原子でオキソ(=O)基により置換されていてもよい。環は、1つまたは複数の二重結合を有してもよい。複素環式環は、1つまたは複数の他の複素環式または炭素環式環に縮合していてもよく、その縮合環は、飽和、部分的不飽和または芳香族であってよい。さらに、そのような基は、可能ならば、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかを介して本明細書に開示される実施形態の化合物の残りの部分に結合していてよい。複素環基の例には、これに限定されないが:
【0029】
【化3】
が含まれる。
【0030】
ヘテロシクリル基は置換されていてもよい。典型的な置換基には、アルキル、アリールまたはヘテロアリールについて好適と本明細書に記載のものが含まれる。加えて、環N原子は、アミンについて好適な基、例えば、アルキル、アシル、カルバモイル、スルホニル置換基により置換されていてもよい。
【0031】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OH基を指す。
【0032】
「オキソ」は、=O基を指す。
【0033】
「チオキソ」は、=S基を指す。
【0034】
「アリール」または「芳香族」は、芳香族性の周知の特徴を有し、少なくとも1つの環が完全共役パイ電子系を含有する、置換されていてもよい単環式、ビアリールまたは縮合二環式もしくは多環式環系を指す。典型的には、アリール基は、環員として6~20個の炭素原子(「C~C20アリール」)、好ましくは6~14個の炭素原子(「C~C14アリール」)またはより好ましくは6~12個の炭素原子(「C~C12アリール」)を含有する。縮合アリール基には、別のアリール環に縮合しているか、または飽和もしくは部分不飽和炭素環式もしくは複素環式環に縮合しているアリール環(例えば、フェニル環)が含まれ得る。そのような縮合アリール環系上の塩基分子への結合点は、環系の芳香族部分のC原子または非芳香族部分のCもしくはN原子であり得る。限定ではないが、アリール基の例には、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、およびテトラヒドロナフチルが含まれる。アリール基は、本明細書にさらに記載されている通り非置換であってもよいし、または置換されていてもよい。
【0035】
同様に、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、指定数の環原子を含有し、かつN、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を環員として芳香族環中に含む、芳香族性の周知の特徴を有する単環式、ヘテロビアリールまたは縮合二環式もしくは多環式環系を指す。ヘテロ原子を含むことで、5員環、さらには6員環における芳香族性が可能となる。典型的には、ヘテロアリール基は、5~20個の環原子(「5~20員ヘテロアリール」)、好ましくは5~14個の環原子(「5~14員ヘテロアリール」)、より好ましくは5~12個の環原子(「5~12員ヘテロアリール」)を含有する。ヘテロアリール環は、芳香族性が維持されるように、ヘテロ芳香環の環原子を介して塩基分子に結合する。したがって、6員ヘテロアリール環は、環C原子を介して塩基分子に結合し得るが、5員ヘテロアリール環は、環CまたはN原子を介して塩基分子に結合し得る。非置換ヘテロアリール基の例には多くの場合に、これに限定されないが、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアジン、ナフチリジンおよびカルバゾールが含まれる。一部の実施形態では、5または6員ヘテロアリール基は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびピリダジニル環からなる群から選択される。ヘテロアリール基は、本明細書にさらに記載されている通り非置換であってもよいし、または置換されていてもよい。
【0036】
単環式ヘテロアリール基の実例には、これに限定されないが:
【0037】
【化4】
が含まれる。
【0038】
縮合環ヘテロアリール基の実例には、これに限定されないが:
【0039】
【化5-1】
【0040】
【化5-2】
が含まれる。
【0041】
置換されていてもよいと本明細書に記載のアリールおよびヘテロアリール部分は、別段に示されていない限り独立に選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよい。そのような置換が化学的意味を成し、かつ芳香族性がアリールおよびヘテロアリール環において維持される限り、置換基の総数は、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル部分上の水素原子の総数と等しくてよい。置換されていてもよいアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は典型的には、1から5個の任意選択の置換基、一部の実施形態では、1~4個の任意選択の置換基、一部の実施形態では、1~3個の任意選択の置換基、一部の他の実施形態では、1~2個の任意選択の置換基を含有する。典型的な置換基には、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、C-カルボキシ、O-カルボキシ、O-カルバミル、N-カルバミル、C-アミド、N-アミド、ニトロ、オキソ、チオキソ、およびアミノが含まれる。
【0042】
「任意選択の」または「任意選択で」は、その後に記述されている事象または状況が起こってもよいが、必ずしも起こらないことを意味し、その記述は、事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含む。
【0043】
用語「置換されていてもよい(optionally substituted)」および「置換または非置換」は、記述されている特定の基が非水素置換基を有し得ないこと(すなわち、非置換)、またはその基が1個もしくは複数の非水素置換基を有し得ること(すなわち、置換)を示すために互換的に使用され得る。別段に指定されていない限り、存在し得る置換基の総数は、そのような置換が化学的意味を成す限りにおいて、記載されている基の非置換形態上に存在しているH原子の数と等しい。オキソ(=O)置換基など、任意選択の置換基が二重結合を介して結合している場合、その基が2つの利用可能な原子価を占有するため、含まれ得る他の置換基の総数は2つ低減される。任意選択の置換基が代替物のリストから独立に選択される場合、選択される基は同じであっても、または異なっていてもよい。例えば、「アルキル基で置換されていてもよい複素環基」は、そのアルキルが存在してもよいが、必ずしも存在しないことを意味し、その記述は、その複素環基がアルキル基で置換されている状況、およびその複素環基がアルキル基で置換されていない状況を含む。一部の実施形態では、特定の基は、1~6個の非水素置換基で置換されている。一部の実施形態では、特定の基は、1~4個の非水素置換基で置換されている。一部の実施形態では、特定の基は、1~2個の非水素置換基で置換されている。一部の実施形態では、任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、=O、-NH(CH)、-N(CH、-NH(シクロプロピル)、-CH、-CHCH、-CF、-OCH、および-OCFから独立に選択される。
【0044】
一態様では、本発明は、式(A)の化合物:
【0045】
【化6】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0046】
【化7】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、およびC~Cアルキレン-(シクロブチル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、またはC~Cアルキレン-(シクロブチル)は、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
、ZおよびZは、
がCであり、ZがNRであり、かつZがCRであるか、または
がNであり、ZがCRであり、かつZがCRであるか、または
がCであり、ZがCRであり、かつZがNRである
ように選択され、
は、NまたはNRであり、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、-CN、-OC~Cアルキル、および-OC~Cハロアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、-CN、-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、その-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、-CN、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、HまたはC~Cアルキルであり、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい]。
【0047】
一部の実施形態では、Zは、Nである。一部の実施形態では、Zは、NRである。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHFである。一部の実施形態では、Rは、-CHCFである。
【0048】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物:
【0049】
【化8】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0050】
【化9】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、CHおよびNからなる群から選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、およびC~Cアルキレン-(シクロブチル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、またはC~Cアルキレン-(シクロブチル)は、ハロ、ヒドロキシ、および-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
、ZおよびZは、
がCであり、ZがNRであり、かつZがCRであるか、または
がNであり、ZがCRであり、かつZがCRであるか、または
がCであり、ZがCRであり、かつZがNRである
ように選択され、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、ハロ、ヒドロキシ、-CN、-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、その-OC~Cアルキル、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、H、ハロ、ヒドロキシ、-CN、C~Cアルキル、および-OC~Cアルキルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、または-OC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、C~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、およびC~Cアルキレン-(オキセタニル)からなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、C~Cアルキレン-(シクロブチル)、またはC~Cアルキレン-(オキセタニル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい]。
【0051】
一実施形態では、本発明は、式(II)の化合物:
【0052】
【化10】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0053】
【化11】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、
、Z、Z、Z、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0054】
一実施形態では、本発明は、式(III)の化合物:
【0055】
【化12】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0056】
一実施形態では、本発明は、式(IV)の化合物:
【0057】
【化13】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0058】
一実施形態では、本発明は、式(V)の化合物:
【0059】
【化14】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0060】
一実施形態では、本発明は、式(VI)の化合物:
【0061】
【化15】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0062】
【化16】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、R、Z、Z、Z、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0063】
一実施形態では、本発明は、式(VII)の化合物:
【0064】
【化17】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0065】
一実施形態では、本発明は、式(VIII)の化合物:
【0066】
【化18】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
【0067】
【化19】
は、5員ヘテロアリール環中の2つの共役二重結合を表し、R、Z、Z、Z、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0068】
一実施形態では、本発明は、式(IX)の化合物:
【0069】
【化20】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、R、R、R、R、およびRは、式(I)についてと同様に定義される]。
【0070】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-CHまたは-CHCHである。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、-CHおよび-CHCHからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。
【0071】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~CアルキルおよびC~Cアルキレン-(シクロプロピル)からなる群から選択され、ここで、そのC~CアルキルまたはC~Cアルキレン-(シクロプロピル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよい。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-CH、-CHCH、または-(CHCHであり、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよく、例えば、-CHCF、-(CHCF、-(CHOH、-(CHOCH、または-(CHOCHを形成している。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~Cアルキレン-(シクロプロピル)、例えば、-CH(シクロプロピル)であり、ここで、そのC~Cアルキレン-(シクロプロピル)は、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよい。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-(CHCH、-CHCF、-(CHCF、-(CHOH、-(CHOCH、-(CHOCHおよび-CH(シクロプロピル)からなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-(CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCFである。一部の実施形態では、Rは、-(CHCFである。一部の実施形態では、Rは、-(CHOHである。一部の実施形態では、Rは、-(CHOCHである。一部の実施形態では、Rは、-(CHOCHである。一部の実施形態では、Rは、-CH(シクロプロピル)である。
【0072】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-CHCHであり、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、3、4、5または6個の置換基により置換されていてもよい。
【0073】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、HおよびC~Cアルキル、例えば、-CHからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキルは、ハロおよびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよい。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、Hおよび-CHからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。
【0074】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、H、ハロ、例えば、フルオロまたはクロロ、およびヒドロキシからなる群から選択される。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、H、クロロおよびヒドロキシからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、クロロである。一部の実施形態では、Rは、ヒドロキシである。
【0075】
式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-CH、-CHCH、または-CH(CH、およびシクロプロピルからなる群から選択され、ここで、そのC~Cアルキルまたはシクロプロピルは、ハロ、例えば、フルオロからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2または3個の置換基により置換されていて、例えば、-CHCHF、ヒドロキシ、-CNおよび-OC~Cアルキルを形成していてもよい。式(A)、(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の一実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-CHCHF、-CH(CH、およびシクロプロピルからなる群から選択される。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHFである。一部の実施形態では、Rは、-CH(CHである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0076】
別の態様では、本発明は、式(III-A)の化合物:
【0077】
【化21】
またはその薬学的に許容できる塩を提供する[式中、
は、C~CアルキルまたはC~Cフルオロアルキルであり、
は、C~Cアルキルまたは(C~Cアルキレン)-OC~Cアルキルあり、ここで、そのC~Cアルキルまたは(C~Cアルキレン)-OC~Cアルキルは、ハロ、オキソ、およびヒドロキシからなる群からそれぞれ独立に選択される1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
は、C~Cアルキルであり、
は、Hであり、
は、C~Cアルキルである]。
【0078】
式(III-A)の化合物の一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cフルオロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cフルオロアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-CHF、-CHF、-CF、-CHFCH、-CFCH、-CHCHF、-CHCHF、または-CHCFである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、または-CHFである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHFである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、(C~Cアルキレン)-OC~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-(CHOCH、-(CHOCH、-(CHOCHCH、または-(CHOCHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-(CHOCH、または-(CHOCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-(CHOCHである。一部の実施形態では、Rは、-(CHOCHである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、または-CH(CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHまたは-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、C~Cアルキルである。一部の実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、または-CH(CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHまたは-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。
【0079】
本発明のさらなる実施形態には、
【0080】
【化22-1】
【0081】
【化22-2】
から選択される化合物またはそのいずれかの薬学的に許容できる塩が含まれる。
【0082】
本発明のさらなる実施形態には、
【0083】
【化23-1】
【0084】
【化23-2】
【0085】
【化23-3】
から選択される化合物またはそのいずれかの薬学的に許容できる塩が含まれる。
【0086】
本発明の化合物を合成するための一般スキームは、本明細書の実施例セクションにおいて見い出すことができる。
【0087】
別段に示されていない限り、本発明の化合物に対する本明細書における言及はすべて、その互変異性体、多形、立体異性体、および同位体標識バージョンを含む、その塩、溶媒和物、水和物および複合体、ならびにその塩の溶媒和物、水和物および複合体に対する言及を包含する。
【0088】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる塩」という用語は、本明細書で使用される場合、別段に示されていない限り、本明細書に開示される式の化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を含む。
【0089】
例えば、もともと塩基性である本発明の化合物は、様々な無機および有機酸と共に広範囲の様々な塩を形成することができる。そのような塩は、動物に投与するために薬学的に許容できなければならないが、実際問題として、反応混合物から本発明の化合物を薬学的に許容できない塩として初めは単離し、次いで、それを、アルカリ試薬で処理することにより遊離塩基化合物へ単純に戻し変換し、続いて、その遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが多くの場合に望ましい。水性溶媒媒体中、またはメタノールもしくはエタノールなどの適切な有機溶媒中で、塩基化合物を実質的に等量の選択された無機または有機酸で処理することにより、本発明の塩基化合物の酸付加塩を調製することができる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。また、適切な無機または有機酸を溶液に添加することにより、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、所望の酸塩を沈殿させることもできる。
【0090】
そのような塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用することができる酸は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート)]塩など、非毒性酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものである。
【0091】
塩の例には、これに限定されないが、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、およびメトキシ安息香酸塩など)、炭酸水素塩、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン-1,4-二酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、二塩酸塩、二水素リン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩(edislyate)、エストル酸塩、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘプタン酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタン-スルホン酸塩、メチル硫酸塩、一水素リン酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩(phospate)/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエトヨウ化物(triethiodode)および吉草酸塩が含まれる。
【0092】
好適な塩の実例には、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級、および第三級アミン、ならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環式アミンから誘導される有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導される無機塩が含まれる。
【0093】
アミノ基などの塩基性部分を含む本発明の化合物は、上述の酸に加えて、様々なアミノ酸と共に薬学的に許容できる塩を形成し得る。
【0094】
もともと酸性である本発明の化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと共に塩基塩を形成し得る。そのような塩の例には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、ナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。これらの塩はすべて、従来の技術により調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用される化学塩基は、本明細書の酸性化合物と非毒性の塩基塩を形成するものである。任意の好適な方法により、例えば、遊離酸をアミン(第一級、第二級、または第三級)、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属水酸化、または同様のものなどの無機または有機塩基で処理することにより、これらの塩を調製することができる。また、対応する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、得られた溶液を好ましくは、減圧下で蒸発乾固させることにより、これらの塩を調製することもできる。別法では、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、前記と同じ手法で、得られた溶液を蒸発乾固させることにより、これらを調製することもできる。一部の実施形態では、化学量論的量の試薬を使用して、反応の完了および所望の最終生成物の最大収率を確実にする。
【0095】
もともと酸性である本発明の化合物の薬学的に許容できる塩基塩を調製するために試薬として使用することができる化学的塩基は、そのような化合物と共に非毒性塩基塩を形成するものである。そのような非毒性塩基塩には、これに限定されないが、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)など、そのような薬理学的に許容できるカチオンから誘導されるもの、N-メチルグルカミン-(メグルミン)、および低級アルカノールアンモニウムなどのアンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、ならびに薬学的に許容できる有機アミンの他の塩基塩が含まれる。
【0096】
酸および塩基の半塩、例えば、半硫酸塩および半カルシウム塩も、形成され得る。
【0097】
好適な塩の総説については、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use by Stahl and Wermuth(Wiley VCH,2002)を参照されたい。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を作製するための方法は、当業者に公知である。
【0098】
本発明の塩は、当業者に公知の方法により調製することができる。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、化合物の溶液および所望の酸または塩基を適切に一緒に混合することにより容易に調製することができる。塩を溶液から沈殿させ、濾取してもよいし、または溶媒の蒸発により回収してもよい。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで様々であってよい。
【0099】
化学量論的過剰の適切な酸で処理することにより、塩基性官能基を有する遊離塩基の形態の本発明の化合物を酸付加塩に変換することができることは、当業者に理解されるであろう。典型的には水性溶媒の存在下で、約0℃~100℃の室温で化学量論的過剰の炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの好適な塩基で処理することにより、本発明の化合物の酸付加塩を、対応する遊離塩基に再変換することができる。有機溶媒での抽出などの慣用の手段で、遊離塩基の形態を単離することができる。加えて、本発明の化合物の酸付加塩を、塩の差次的溶解度、揮発性もしくは酸の酸性度を利用することにより、または適切に装填されたイオン交換樹脂で処理することにより相互変換することができる。例えば、本発明の化合物の塩を、やや化学量論的過剰の、出発塩の酸性成分よりも低いpKの酸と反応させることにより、相互変換に影響を及ぼすことができる。この変換を典型的には、約0℃から、手順のための媒体として使用される溶媒の沸点の温度までの間で実施する。塩基付加塩を用いる、典型的には、遊離塩基の形態の中間体を介する、同様の変換が可能である。
【0100】
本発明の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在し得る。溶媒または水が緊密に結合していると、複合体は、湿度とは独立に、十分に定義される化学量論組成を有するはずである。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物においてのように、溶媒または水の結合が弱い場合、水/溶媒含有率は、湿度および乾燥状態に左右される。そのようなケースでは、非化学量論が存在し得る。「溶媒和物」という用語は本明細書では、本発明の化合物と、1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えば、エタノールとを含む分子複合体を記載するために使用される。溶媒が水である場合、「水和物」という用語は、「溶媒和物」という用語と互換的に使用されてもよい。本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、水和物および溶媒和物が含まれ、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよく、例えば、DO、d-アセトン、d-DMSOであってもよい。
【0101】
上述の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストが化学量論的または非化学量論的量で存在するクラスレート、薬物-ホスト包接錯体などの複合体も、本発明の範囲内に含まれる。化学量論的または非化学量論的量で存在してよい2つまたはそれ以上の有機および/または無機成分を含有する薬物の複合体も含まれる。得られた複合体は、イオン化、部分イオン化、または非イオン化されていてもよい。そのような複合体の総説については、その開示が全体で参照により本明細書に援用されるJ Pharm Sci、64(8)、1269~1288、Haleblian(1975年8月)を参照されたい。
【0102】
本発明の化合物の多形、プロドラッグおよび異性体(光学、幾何および互変異性体を含む)も、本発明の範囲内である。
【0103】
それ自体は薬理活性をほとんど有さないか、または有さなくてもよい本発明の化合物の誘導体は、対象または患者に投与されると、例えば加水分解による切断により変換されて、本発明の化合物になり得る。そのような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、その開示内容が全体で参照により本明細書に援用される「Pro-drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E.B.Roche編、American Pharmaceutical Association)において見い出され得る。
【0104】
例えば、本発明の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、その開示が全体で参照により本明細書に援用されるH Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されている通りの「プロ部分」として当業者に公知のある特定の部分に置き換えることにより、本発明によるプロドラッグを生成することができる。
【0105】
プロドラッグのいくつかの非限定的例には:
(i)化合物がカルボン酸官能基-(COOH)を含有する場合、そのエステル、例えば、(C~C)アルキルでの水素の置き換え;
(ii)化合物がアルコール官能基(-OH)を含有する場合、そのエーテル、例えば、(C~C)アルカノイルオキシメチルでの水素の置き換え;および
(iii)化合物が第一級または第二級アミノ官能基(-NHまたは-NHR、ここで、R≠H)を含有する場合、そのアミド、例えば、アミド、カルバメート、尿素、ホスホネート、スルホネートなどの好適に代謝不安定性な基での一方または両方の水素の置き換え
が含まれる。
【0106】
上述の例による置換基のさらなる例および他のプロドラッグ種の例は、上述の参照文献において見い出すことができる。
【0107】
最後に、ある特定の本発明の化合物は、それ自体が、本発明の化合物の他のもののプロドラッグとして作用し得る。
【0108】
1個または複数の不斉炭素および/またはリン原子を含有する本発明の化合物は、2つまたはそれ以上の立体異性体として存在し得る。本発明の化合物の炭素-炭素結合は本明細書において、実線、中実のくさび型、または破線のくさび型を使用して示されていることがある。不斉炭素原子への結合を示すための実線の使用は、その炭素原子で可能な立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)のすべてが含まれることを示すことが意味されている。不斉炭素原子への結合を示すための中実または破線くさび型のいずれかの使用は、示されている立体異性体のみが含まれることを意味することを示すことが意味されている。本発明の化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有することも可能である。したがって、本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは鏡像異性体として存在し得る。加えて、化合物が2つまたはそれ以上のキラル中心を有する場合、それらは、ジアステレオマーとして存在し得る。
【0109】
キラル中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体、またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。
【0110】
1つよりも多い種類の異性を示す化合物、およびその1つまたは複数の混合物を含めて、本発明の化合物の立体異性体、幾何異性体および互変異性型はすべて、本発明の範囲内に含まれる。本明細書における式の化合物の立体異性体には、1つよりも多い種類の異性を示す化合物;およびその混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対など)を含めて、本発明の化合物のシスおよびトランス(またはZ/E)異性体、(R)および(S)鏡像異性体などの光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、配座異性体、および互変異性体が含まれ得る。対イオンが光学的に活性である酸付加または塩基塩、例えば、D-乳酸塩もしくはL-リシン、またはラセミの、例えば、DL-酒石酸塩またはDL-アルギニンも含まれる。
【0111】
ラセミ体が結晶化すると、2種の異なる種類の結晶が可能である。第1の種類は、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1種の均一な形態の結晶が生じる、上で言及したラセミ化合物(真のラセミ化合物)である。第2の種類は、それぞれ単一の鏡像異性体を含む2種の形態の結晶が等モル量で生じるラセミ混合物または集合体である。
【0112】
本発明の化合物は、互変異性および構造異性の現象を示し得る。例えば、化合物は、エノールおよびイミンの形態や、ケトおよびエナミンの形態を含む複数の互変異性型ならびに幾何異性体、ならびにそれらの混合物で存在し得る。そのような互変異性型のすべてが、本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性セットの混合物として存在する。固体形態では、通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることがあるとしても、本発明は、提供されている式の化合物の互変異性体のすべてを含む。
【0113】
加えて、本発明の化合物の一部は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)を形成し得る。アトロプ異性体は、分子の他の部分との立体的相互作用の結果として、分子中で単結合の周囲の回転が阻止されるか、または著しく減速され、かつその単結合の両端にある置換基が非対称である場合に起こる立体配座異性体である。アトロプ異性体の相互変換は、所定の条件下での分離および単離を可能にするのに十分にゆっくりである。熱的ラセミ化に対するエネルギー障壁は、キラル軸を形成する1つまたは複数の結合の自由回転に対する立体障害により決定され得る。
【0114】
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化により分離することができる。
【0115】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術には、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を使用してのラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
【0116】
別法では、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を好適な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には、酒石酸もしくは1-フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させることができる。得られたジアステレオマーの混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化により分離し、そのジアステレオマーの一方または両方を、当業者に周知の手段により、対応する純粋な鏡像異性体に変換することもできる。
【0117】
立体異性体の集合体は、当業者に公知の従来の技術により分離することができる;例えば、その開示が全体で参照により本明細書に援用されるE.L.Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994)を参照されたい。
【0118】
本発明は、提供されている式の1つにおいて列挙されたものと同一であるが、1個または複数の原子が、天然に通常見い出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられているという事実のある本発明の同位体標識化合物も含む。
【0119】
本発明の同位体標識化合物は一般に、当業者に公知の慣用の技術により、または本明細書に記載のプロセスと類似のプロセスにより、そうでなければ使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
【0120】
本発明の化合物中に包含されるために好適な同位体の例には、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリン、ならびに35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。ある特定の本発明の同位体標識化合物、例えば、放射性同位体を導入されているものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわちHおよび炭素-14、14Cは、導入の容易さおよび検出の迅速な手段である点において、この目的のために特に有用である。ジュウテリウム、Hなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の増大または投薬量要求の低減から生じるある特定の治療上の利点をもたらし得るので、場合によっては好ましいことがある。11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影法(PET)研究において有用であり得る。
【0121】
医薬的使用のために意図されている本発明の化合物は、結晶性もしくは非結晶性生成物、またはその混合物として投与することができる。それらは、沈殿、結晶化、フリーズドライ、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法により、例えば、固体プラグ、粉末、またはフィルムとして得ることができる。この目的のために、マイクロ波または高周波乾燥を使用することができる。
【0122】
医薬組成物および投与経路
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0123】
「薬学的に許容できる賦形剤」は、化合物の投与をさらに促進するために医薬組成物に添加される不活性な物質を指す。賦形剤の例には、限定ではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および複数種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールが含まれる。賦形剤の選択は、特定の投与様式、溶解性および安定性に対する賦形剤の作用、ならびに剤形の性質などの因子に大きく依存することとなる。
【0124】
「医薬組成物」は、本明細書に記載の化合物、またはその生理学的/薬学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグの1種または複数と、生理学的/薬学的に許容できる薬学的に許容できる担体および賦形剤などの他の化学的成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生体への化合物の投与を促進することである。
【0125】
本明細書で使用される場合、「生理学的/薬学的に許容できる担体」は、生体に著しい刺激をもたらさず、かつ投与される化合物の生物学的活性および特性を排除しない担体または希釈剤を指す。
【0126】
本発明の化合物を送達するために好適な医薬組成物、およびそれらを調製する方法は、当業者には容易に分かるであろう。そのような組成物およびそれらを調製するための方法は、例えば、その開示が全体で、参照により本明細書に援用される「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)において見い出すことができる。
【0127】
薬学的に許容できる担体は、任意の従来の薬学的担体または賦形剤を含み得る。担体および/または賦形剤の選択は、特定の投与様式、溶解性および安定性に対する賦形剤の作用、ならびに剤形の性質などの因子に大きく依存することとなる。
【0128】
好適な薬学的担体には、不活性な希釈剤または充填剤、水、および様々な有機溶媒(水和物および溶媒和物など)が含まれる。医薬組成物は、所望の場合には、香味剤、結合剤、賦形剤などの追加の成分を含有し得る。したがって、経口投与では、クエン酸などの様々な賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸およびある特定の複雑ケイ酸塩などの様々な崩壊剤、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの結合剤と一緒に使用することができる。限定ではないが、賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびデンプン種、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールが含まれる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤が多くの場合に、製錠の目的のために有用である。同様の種類の固体組成物を、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤において使用することもできる。したがって、物質の非限定的例には、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。経口投与のために水性懸濁剤またはエリキシル剤が望ましい場合、その中の活性化合物を、様々な甘味剤または香味剤、着色剤または色素および、所望の場合には、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に合わせることができる。
【0129】
一態様では、本発明は、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物は、2種またはそれ以上の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤を含む。任意選択で、そのような組成物は、抗体-薬物コンジュゲートの成分である本明細書に記載の通りの化合物または塩を含んでよく;および/または粒子ベースの送達系の成分である本明細書に記載の通りの化合物を含んでよい。
【0130】
一実施形態では、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、または(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るような嚥下を伴ってもよいし、または化合物が口から直接、血流に入る頬側もしくは舌下投与を使用してもよい。したがって、医薬組成物は、例えば、経口投与では錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤もしくは懸濁剤として適した形態であり得る。
【0131】
経口投与に好適な製剤には、錠剤などの固体製剤、微粒子、液体、または粉末を含有するカプセル剤、ロゼンジ剤(液体充填を含む)、チューイング剤、マルチおよびナノ微粒子、ゲル剤、固溶体、リポソーム、フィルム剤(粘膜粘着剤を含む)、卵形剤、噴霧剤ならびに液体製剤が含まれる。
【0132】
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟質または硬質カプセル剤中の充填剤として使用することもでき、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または好適なオイル、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、固体の再構成により、例えばサシェから調製することもできる。
【0133】
本発明の化合物はまた、その開示がその全体で参照により本明細書に援用されるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981~986、LiangおよびChen(2001)に記載されているものなどの急速溶解、急速分解剤形で使用することができる。
【0134】
錠剤剤形では、活性薬剤は、剤形の1重量%~80重量%、より典型的には剤形の5重量%~60重量%を構成していてよい。活性薬剤に加えて、錠剤は一般に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%~25重量%、一部の実施形態では、5重量%~20重量%を構成し得る。
【0135】
結合剤を一般に使用して、錠剤製剤に粘着性を付与する。好適な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン、および二塩基性リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してよい。
【0136】
錠剤はまた任意選択で、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでよい。存在する場合には、界面活性剤は典型的には、錠剤の0.2重量%~5重量%の量であり、流動促進剤は、典型的には、錠剤の0.2重量%~1重量%の量である。
【0137】
錠剤はまた一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤を含有する。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%~10重量%、一部の実施形態では、0.5重量%~3重量%の量で存在する。
【0138】
他の従来の成分には、抗酸化剤、着色剤、香味剤、防腐剤、および矯味剤が含まれる。
【0139】
例示的な錠剤は、活性薬剤最大約80%まで、結合剤約10重量%~約90重量%、希釈剤約0重量%~約85重量%、崩壊剤約2重量%~約10重量%、および滑沢剤約0.25重量%~約10重量%を含有し得る。
【0140】
錠剤ブレンドを、直接か、ローラーにより圧縮して、錠剤を形成することができる。別法では、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部を湿式、乾式、もしくは溶融造粒するか、溶融凝固させるか、または押し出し、その後に錠剤化することができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされていてもよいし、もしくはコーティングされていなくてもよく;またはカプセル封入されていてもよい。
【0141】
錠剤の製剤化は、その開示が全体で参照により本明細書に援用される「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、H.LiebermanおよびL.Lachman、Marcel Dekker,N.Y.、N.Y.1980(ISBN 0-8247-6918-X)において詳細に論じられている。
【0142】
経口投与するための固体製剤を、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
【0143】
好適な調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散液および浸透性コーティングされた粒子などの他の好適な放出技術の詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On-line、(25)2:1~14(2001)において見い出すことができる。制御放出を達成するためにチューインガムを使用することは、WO00/35298に記載されている。これらの参照文献の開示は、それらの全体で参照により本明細書に援用される。
【0144】
本発明の化合物を、血流、筋肉、または内臓に直接投与してもよい。非経口投与のための好適な手段には、静脈内、動脈内、血管周囲、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、膀胱内(例えば、膀胱)、皮下および腫瘍内が含まれる。非経口投与のための好適なデバイスには、針(微細針を包含する)注射器、無針注射器、および点滴技術が含まれる。非経口投与のための好適な製剤には、これに限定されないが、滅菌液剤、懸濁剤または乳剤が含まれる。
【0145】
一実施形態では、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、もしくは(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を静脈内に投与することができる。
【0146】
一実施形態では、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、もしくは(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を膀胱内に投与することができる。
【0147】
非経口製剤は典型的には、塩、炭水化物、および緩衝剤(例えば、pH3~9)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、一部の用途では、それらは、滅菌非水性溶液として、または滅菌、発熱物質不含の水などの好適なビヒクルと併せて用いられるべき乾燥形態としてより好適に製剤化され得る。
【0148】
例えば、凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な薬学的技法を使用して容易に達成することができる。
【0149】
非経口液剤を調製する際に使用される本発明の化合物の溶解度を潜在的に、溶解度増強剤の導入などの適切な製剤技法の使用により、上昇させることができる。
【0150】
非経口投与のための製剤は、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。したがって本発明の化合物を潜在的に、活性化合物の調節放出をもたらす移植デポー剤として投与するための固体、半固体、またはチキソトロピー液として製剤化することができる。そのような製剤の例には、薬物コーティングされたステントおよびPGLAマイクロスフェアが含まれる。
【0151】
例示的な非経口投与形態には、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液が含まれる。そのような剤形は、所望の場合には、好適に緩衝されていてよい。
【0152】
本発明の化合物は潜在的に、皮膚または粘膜に局所で、すなわち、皮膚に、または経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚貼付剤、ウェハ剤、インプラント剤、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルション剤が含まれる。リポソームを使用することもできる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。透過促進剤を導入することもできる。例えば、FinninおよびMorganによるJ.Pharm.Sci、88(10)、955~958(1999年10月)を参照されたい。局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン泳動法、音波泳動法、ソノフォレーシス、および微細針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。これらの参照文献の開示は、それらの全体で参照により本明細書に援用される。
【0153】
局所投与のための製剤は、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
【0154】
本発明の化合物は潜在的に、鼻腔内で、または吸入により、典型的には乾燥粉末の形態(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドで、または混合成分粒子として、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合して)で、乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾル噴霧剤として、加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、電磁流体力学を用いて微細な霧を生成する噴霧器)、またはネブライザから、1,1,1,2-テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴射剤を使用して、もしくは使用せずに投与することもできる。鼻腔内での使用では、散剤は、生体用粘着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
【0155】
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器、またはネブライザは、例えば、エタノール、エタノール水溶液、または活性物質の分散、可溶化、もしくはその放出の延長に好適な代替薬剤、溶媒としての噴射剤、およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、もしくはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有し得る。
【0156】
乾燥粉末または懸濁液製剤で使用する前に、化合物を、吸入による送達に好適なサイズ(典型的には5ミクロン未満)まで超微粉砕することができる。これは、スパイラルジェット粉砕、流動床ジェット粉砕、ナノ粒子を形成するための臨界流体加工、高圧均一化、または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法により達成することができる。
【0157】
吸入器または注入器で使用するためのカプセル剤(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)、ブリスター、およびカートリッジを、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤、およびl-ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であってもよいし、または一水和物の形態であってもよいが、後者が好ましい。他の好適な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが含まれる。
【0158】
電磁流体力学を用いて微細な霧を生成する噴霧器で使用するために好適な溶液製剤は、動作1回当たり本発明の化合物1μg~20mgを含有してよく、その動作体積は、1μl~100μlまで変動してよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0159】
メントールおよびレボメントールなどの好適な香味剤、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味剤を、吸入/鼻腔内投与を意図されている本発明の製剤に加えることができる。
【0160】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えば、ポリ(DL-乳酸-コグリコール酸(PGLA)を使用して、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
【0161】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投薬単位は、計測量を送達するバルブにより決定される。本発明による単位は典型的には、所望の量の本発明の化合物を含有する計測用量または「パフ」を投与するように設計される。全一日用量を単回用量で、またはより通常は、一日を通して分割用量として投与することができる。
【0162】
本発明の化合物は潜在的に、例えば、坐剤、膣坐剤、または浣腸剤の形態で直腸または膣投与することができる。カカオバターが慣用的な坐剤基剤であるが、様々な代替物を適宜使用することができる。
【0163】
直腸/膣投与のための製剤は、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出が含まれる。
【0164】
本発明の化合物は潜在的に、典型的には等張性pH調節滅菌生理食塩水中の超微粉砕された懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与することもできる。眼および耳投与に好適な他の製剤には、軟膏剤、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウェハ、レンズ、ならびに微粒子またはニオソームもしくはリポソームなどの小胞系が含まれ得る。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランゴムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に導入することができる。そのような製剤をイオン泳動法により送達することもできる。
【0165】
眼/耳投与のための製剤は、即時および/または調節放出であるように製剤化することができる。調節放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的、およびプログラム放出が含まれる。
【0166】
前述の投与方式のいずれかでの使用について、それらの溶解性、溶解速度、矯味、生物学的利用能および/または安定性を向上させるために、本発明の化合物を、シクロデキストリンおよびその好適な誘導体などの溶解性高分子成分またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせることができる。
【0167】
薬物-シクロデキストリン複合体は例えば、種々の剤形および投与経路に一般に有用であり得る。包接および非包接複合体の両方を潜在的に使用することができる。薬物との直接的な複合体形成の代わりに、シクロデキストリンを補助的添加剤、すなわち、担体、希釈剤、または溶解剤として使用することができる。これらの目的のために最も一般に使用されるのは、アルファ-、ベータ-、およびガンマ-シクロデキストリンであり、その例は、その開示が全体で参照により本明細書に援用されるPCT公報WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148において見い出すことができる。
【0168】
ナノ粒子も、多くの投与経路に好適な薬物送達系である。長年にわたって、ナノ粒子を調製するために様々な天然および合成ポリマーが探求されており、そのうち、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、およびそれらのコポリマー(PLGA)が、それらの生体親和性および生分解性により広く調査されている。ナノ粒子および他のナノ担体は、抗がん剤、抗高血圧症剤、免疫調節薬、およびホルモン;ならびに核酸、タンパク質、ペプチド、および抗体などの高分子などのいくつかのクラスの薬物のための有望な担体として作用する。例えば、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.21:387~422、2004;Nanomedicine:Nanotechnology,Biology and Medicine I:22~30、2005を参照されたい。
【0169】
本発明の化合物および組成物は、抗体-薬物コンジュゲートまたは他の標的送達モダリティの成分として投与することができる。
【0170】
医薬組成物は、正確な量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。
【0171】
治療方法および使用
本発明はさらに、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、もしくは(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を単独で、または1種もしくは複数の治療剤もしくは緩和剤と組み合わせて含む治療方法および使用を提供する。
【0172】
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置すること」および「処置」という用語は、細胞障害および/またはその付随症状を緩和または排除する方法を指す。特にがんに関して、これらの用語は、がんに罹患した個体の平均余命を増加させること、または疾患の症状の1つまたは複数を軽減することを単に意味する。
【0173】
「in vitro」は、例えば、限定ではないが、試験管または培養培地中などの人工環境中で行われる手順を指す。
【0174】
「in vivo」は、限定ではないが、マウス、ラット、ウサギおよび/またはヒトなどの生体内で行われる手順を指す。
【0175】
「生体」は、少なくとも1個の細胞からなる任意の生体を指す。生体は、単純には、例えば、単一の真核細胞、または複雑には、ヒトを含む哺乳動物であってよい。
【0176】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒトまたは動物対象を指す。ある特定の好ましい実施形態では、対象はヒトである。
【0177】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、治療を必要としている「対象」を指す。ある特定の好ましい実施形態では、患者はヒトである。
【0178】
「異常な細胞増殖」および「過剰増殖性障害」という用語は互換的に使用される。「異常な細胞増殖」は、別段に示されていない限り、正常な制御機構(例えば、接触阻害の喪失)とは独立している細胞増殖を指す。異常な細胞増殖は、良性(非がん性)であっても、または悪性(がん性)であってもよい。
【0179】
本明細書において使用される場合、「がん」は、異常な細胞増殖に起因する何らかの悪性および/または侵襲性増殖または腫瘍を指す。本明細書で使用される場合、「がん」は、当初にそれらを形成する細胞の種類で名付けられる固形腫瘍、血液、骨髄、またはリンパ系のがんを指す。固形腫瘍の例には、これに限定されないが、肉腫および癌腫が含まれる。血液のがんの例には、これに限定されないが、白血病、リンパ腫および骨髄腫が含まれる。「がん」という用語は、これに限定されないが、身体の特異的な部位に由来する原発性がん、始まった場所から身体の他の部分へと転移している転移性がん、寛解後の元の原発性がんからの再発、および後のものとは異なる種類の先行がんの病歴を有する人における新たな原発性がんである二次原発性がんを含む。特に、本発明の化合物は、悪性または良性の異常な細胞増殖などの様々なヒト過剰増殖性障害の予防および処置において有用であり得る。
【0180】
インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質は、サイトゾルDNAセンサーおよび1型インターフェロンシグナル伝達におけるアダプタータンパク質の両方として機能する。「STING」および「インターフェロン遺伝子刺激因子」という用語は、STINGタンパク質の任意の形態、さらにはSTINGの活性の少なくとも一部を保持するバリアント、アイソフォーム、および種ホモログを指す。ヒトSTINGに対する具体的な言及などにより、異なって示されていない限り、STINGは、天然配列STINGのすべての哺乳動物種、例えば、ヒト、サル、およびマウスを含む。
【0181】
本明細書で使用される場合、「STING活性化因子」または「STINGアゴニスト」という用語は、結合すると、(1)STINGを刺激する、もしくは活性化して、STING機能と関連する分子の活性化により特徴づけられる下流シグナル伝達を誘導する;(2)STINGの活性、機能、もしくは存在を増強する、増加させる、促進する、誘導する、もしくは延長する、または(3)STINGの発現を増強する、増加させる、促進する、または誘導する化合物を指す。そのような作用には、これに限定されないが、STING、IRF3および/またはNF-κBの直接的なリン酸化が含まれ、STAT6も含まれ得るであろう。STING経路の活性化は、例えば、1型インターフェロン(主にIFN-αおよびIFN-β)の産生およびインターフェロン刺激遺伝子の発現の増加をもたらす(Chen H,ら、“Activation of STAT6 by STING is Critical for Antiviral Innate Immunity”. Cell,2011,vol 14:433~446;およびLiu S-Y.ら、“Systematic identification of type I and type II interferon-induced antiviral factors”. Proc.Natl.Acad.Sci.2012:vol 109 4239~4244)。
【0182】
本明細書で使用される場合、「STING調節される」という用語は、これに限定されないが、炎症性疾患および状態、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症、がんを含む異常な細胞増殖を含む、直接的に、またはSTING経路を介してSTINGにより影響を受ける状態、およびワクチンアジュバントに関する。
【0183】
一実施形態では、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩はSTINGに結合する。
【0184】
一実施形態では、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩は、例えば、インターフェロン-β誘導の調節、IRF3のリン酸化などにより決定される場合を含めて、STINGを活性化する。
【0185】
一態様では、本発明は、医薬として使用するための、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を提供する。
【0186】
一態様では、本発明は、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む治療方法および使用を提供する。
【0187】
一態様では、本発明は、哺乳動物において炎症性疾患および状態、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症、ならびに異常な細胞増殖を処置するための方法であって、哺乳動物に、治療有効量の式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法である。この方法は、抗体-薬物コンジュゲートの成分として、または粒子ベースの送達系の成分として、本明細書に記載の通りの化合物または塩を使用してもよい。本発明の一実施形態は、哺乳動物において炎症性疾患および状態を処置するための方法である。本発明の一実施形態は、哺乳動物においてアレルギー性疾患を処置するための方法である。本発明の一実施形態は、哺乳動物において自己免疫疾患を処置するための方法である。本発明の一実施形態は、哺乳動物において感染症を処置するための方法である。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0188】
一態様では、本発明は、哺乳動物において異常な細胞増殖を処置するための方法であって、哺乳動物に、治療有効量の式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法である。
【0189】
別の態様では、本発明は、哺乳動物において異常な細胞増殖を処置するための方法であって、哺乳動物に、異常な細胞増殖の処置において有効である量の式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する。
【0190】
このような実施形態では、異常な細胞増殖はがんであってよい。異常な細胞増殖ががんであるならば、処置されるべきがんは、肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭頚部がん、皮膚または眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、結腸がん、乳がん、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟部組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓もしくは尿管がん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹膠腫、または下垂体腺腫であってよい。一実施形態では、がんは膀胱がんである。一実施形態では、膀胱がんは尿路上皮癌である。一実施形態では、膀胱がんは非筋肉侵襲性膀胱がん(NMIBC)である。一実施形態では、膀胱がんは筋肉侵襲性膀胱がん(MIBC)である。一実施形態では、膀胱がんは非転移性尿路上皮癌である。一実施形態では、膀胱がんは転移性尿路上皮癌である。一実施形態では、膀胱がんは非尿路上皮癌である。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は処置を必要とするヒトである。
【0191】
さらに別の実施形態では、本発明は、対象においてがん細胞増殖を阻害する方法であって、対象に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を、がん細胞増殖を阻害するために有効な量で投与することを含む方法を提供する。
【0192】
本明細書に記載のこれらの本発明の方法は、抗体-薬物コンジュゲートの成分として、または粒子ベースの送達系の成分として、本明細書に記載の通りの化合物または塩を使用してもよい。
【0193】
哺乳動物において異常な細胞増殖の処置において使用するための式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩も、本発明において具体化される。このような実施形態では、異常な細胞増殖はがんであってよい。このような実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0194】
哺乳動物における異常な細胞増殖の処置において有用な医薬を調製するための式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩の使用も、本発明において具体化される。このような実施形態では、異常な細胞増殖はがんであり得る。このような実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0195】
さらにまた、本発明の実施形態は、哺乳動物においてSTINGの活性を上方調節する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法;および/または哺乳動物においてインターフェロン-ベータレベルを上昇させる方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法を提供するものを含む。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0196】
またさらに、本発明の実施形態は、哺乳動物においてSTINGを活性化する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法を提供するものを含む。哺乳動物において自然免疫応答を刺激する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の本明細書に記載の通りの化合物または塩を投与するステップを含む方法も提供する。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。このような実施形態では、哺乳動物は、処置を必要とするヒトである。
【0197】
投薬レジメン
投与される活性化合物の量は、処置される対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の性質および処方医の裁量に依存することとなる。
【0198】
投与レジメンを、最適な所望の応答が得られるように調節することができる。例えば、単一のボーラス剤を投与することもできるし、複数回に分割された用量を経時的に投与することもできるし、または用量を、治療状況の急迫により示される通りに比例して減少または増加させることもできる。本明細書で使用される場合の「投薬単位形態」は、処置される哺乳動物対象のための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体に関連して所望の治療効果が生じるように計算された所定の量の活性化合物を含有する。
【0199】
当業者は、本明細書において提供される本開示に基づき、用量および投与レジメンが治療分野で周知の方法に従って調節されることを認めるであろう。すなわち、最大許容用量を容易に確立することができ、各薬剤を投与して患者に検出可能な治療効果を与えるための一時的な要求であり得るように、患者に検出可能な治療効果を与える有効量を決定することもできる。
【0200】
緩和される状態の種類および重症度と共に投薬量の値は変動し得て、単一または複数の用量を含み得ることに注意されたい。さらに、任意の特定の対象について、具体的な投与レジメンを、個々の必要性、および組成物を投与するか、または投与を管理する人の専門的判断に従って、経時的に調節すべきであること、ならびに本明細書に記載の投薬量範囲は例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲および実行を制限することを意図したものではないことは理解されるべきである。例えば、用量を、毒性作用および/または臨床検査値などの臨床作用を含み得る薬物動態または薬力学的パラメーターに基づき調節することができる。したがって、本発明は、当業者により決定される通りの患者内用量漸増を包含する。化学療法剤を投与するための適切な投薬量およびレジメンの決定は、関連分野において周知であり、本明細書に開示される教示をいったん提供されれば、当業者により達成されることが理解されるであろう。
【0201】
可能な投薬量の1つは、毎日、1日おき、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、1週間に1回、隔週、3週ごと、1カ月に1回、または他の投薬スケジュールで投与される、体重1kgあたり約0.001~約100mgの範囲内である。一部の事例では、上記の範囲の下限未満の投薬量レベルが適正を超えることもあるし、他の事例では、何らかの有害な副作用を惹起することなく、さらに多い用量を使用することができるが、そのような多い用量は典型的には、1日を通じて投与するために複数の小さな用量に分割される。
【0202】
一実施形態では、本明細書に記載の組成物を対象に、単独で、または薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて、適切な免疫応答を誘導する、改変する、刺激するために十分な量で投与する。免疫応答は、限定ではないが、特異的免疫応答、非特異的免疫応答、特異的および非特異的応答の両方、自然応答、一次免疫応答、適応免疫、二次免疫応答、記憶免疫応答、免疫細胞活性化、免疫細胞増殖、免疫細胞分化、およびサイトカイン発現を含み得る。
【0203】
併用治療
本明細書で使用される場合、「併用治療」という用語は、式(A)、(I)、(II)、(III)、(III-A)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、および(IX)のものを含む本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、抗がん剤)または治療と一緒に、連続的に、または同時に投与することを指す。
【0204】
一実施形態では、追加の治療剤または治療を、本発明の化合物の投与前に哺乳動物(例えば、ヒト)に投与する。別の実施形態では、追加の治療剤または治療を哺乳動物(例えば、ヒト)に、本発明の化合物の投与後に投与する。別の実施形態では、追加の治療剤または治療を哺乳動物(例えば、ヒト)に、本発明の化合物の投与と同時に投与する。
【0205】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳動物において、がんを含む異常な細胞増殖を処置するための医薬組成物であって、上記で定義した通りの本発明の化合物の量を、1種または複数(好ましくは、1、2または3種)の追加の治療剤、および薬学的に許容される担体と組み合わせて含み、活性薬剤および追加の治療剤の量が、全体として服用された場合に、前記異常な細胞増殖を処置するために治療上有効である医薬組成物に関する。
【0206】
本発明の化合物、およびその組成物を、当初処置として、または従来の治療に対して非応答であるがんを処置するために投与することができる。加えて、本発明の化合物、およびその組成物を、他の治療(例えば、外科的切除、放射線、追加の抗がん薬など)と組み合わせて使用して、それにより、相加的または強化された治療効果を誘発する、および/または一部の抗がん剤の細胞傷害性を低下させることができる。本発明の化合物、およびその組成物を、追加の薬剤と同時投与もしくは同時製剤化してもよいし、または任意の順序での追加の薬剤との連続投与のために製剤化してもよい。併用治療では、化合物を、意図された治療の実施のために好適な任意の時間枠の範囲内で投与する。したがって、単一の薬剤を実質的に同時に(すなわち、単一の製剤として、または数分もしくは数時間以内に)、または任意の順序で連続して投与することができる。例えば、単一の薬剤処置を、相互に約1年以内に、例えば、約10、8、6、4、もしくは2カ月以内に、または4、3、2もしくは1週間以内に、または約5、4、3、2もしくは1日以内に投与することができる。
【0207】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法はさらに、対象に、その量が前記異常な細胞増殖の処置または改善において一緒に有効であり得る量の抗がん治療剤または緩和剤、特に、特定のがんに適切な標準治療剤を投与することを含む。
【0208】
一実施形態では、追加の治療剤は、緩和剤の1種または複数である。
【0209】
一実施形態では、追加の治療剤は、抗がん治療剤の1種または複数である。一部の実施形態では、1種または複数の抗がん治療剤は、その量が前記異常な細胞増殖の処置において一緒に有効であり得る抗腫瘍剤、抗血管新生剤、シグナル伝達阻害剤、および抗増殖剤から選択される。
【0210】
本発明の一態様では、本明細書に記載の方法はさらに、追加の形態の治療で、対象を処置するステップを含む。一態様では、追加の形態の治療は、これに限定されないが、化学治療、放射線、外科手術、ホルモン治療、および/または追加の免疫治療を含む追加の抗がん治療である。
【0211】
ある特定の実施形態では、本発明の化合物、およびその組成物を、1種または複数の所定の抗原またはアジュバントに対する免疫応答を刺激することが意図されたワクチンを含む1種または複数の追加の組成物と併せて投与する。
【0212】
本発明の化合物およびその組成物を、これに限定されないが、治療用抗体、抗体薬物複合体(ADC)、免疫調節剤、細胞毒性剤、および細胞増殖抑制剤を含む、他の治療剤と組み合わせて使用することができる。細胞毒性作用は、標的細胞(すなわち、腫瘍細胞)の枯渇、除去および/または死滅を指す。細胞毒性剤は、細胞に対して細胞毒性および/または細胞増殖抑制性作用を有する薬剤を指す。細胞増殖抑制性作用は、細胞増殖の阻害を指す。細胞増殖抑制剤は、細胞に対して細胞増殖抑制作用を有し、それにより、細胞(すなわち、腫瘍細胞)の特異的サブセットの増殖および/または増大を阻害する薬剤を指す。免疫調節剤は、直接的に、または別の薬剤がさらに有効になるようにすることにより間接的に、サイトカインおよび/または抗体の産生および/またはT細胞機能の調節を介して免疫応答を刺激し、それにより、細胞(すなわち、腫瘍細胞)のサブセットの増殖を阻害するまたは減少させる薬剤を指す。本発明の化合物、および1種または複数の他の治療剤は、当業者に公知の標準的な薬務に従って、同じか、または別の剤形の一部として、同じか、または異なる投与経路で、かつ同じか、または異なる投与スケジュールで投与することができる。
【0213】
本発明の化合物およびその組成物は、これに限定されないが、B7共刺激分子、インターロイキン-2、インターフェロン、インターフェロン-7、GM-CSF、CTLA-4アンタゴニスト、PD-1経路アンタゴニスト、抗41BB抗体、OX-40/OX-40リガンド、CD40/CD40リガンド、サルグラモスチム、レバミゾール、ワクシニアウイルス、Bacille Calmette-Guerin(BCG)、リポソーム、ミョウバン、フロイント完全または不完全アジュバント、無毒化内毒素、鉱油、リポレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルまたは炭化水素乳剤などの界面活性剤、アジュバント、脂質、二重層間架橋多重ラメラベシクル、生分解性ポリ(D、L-乳酸-コ-グリコール酸)[PLGA]ベースまたはポリ無水物ベースのナノ粒子またはマイクロ粒子、およびリポソームなどのナノ多孔性粒子支持脂質二層、自然免疫を誘導する不活性化細菌、(例えば、不活性化または弱毒化listeria monocytogenes)、Toll様受容体(TLR)、(NOD)様受容体(NLR)、レチノイン酸誘導遺伝子ベース(RIG)-I-様受容体(RLR)、C型レクチン受容体(CLR)を介して自然免疫活性化を媒介する組成物、病原体関連分子パターン(「PAMP」)、化学療法剤などを含む他の治療剤と組み合わせて使用することもできる。抗体応答よりも細胞溶解性T細胞応答を優先的に刺激する、T細胞免疫応答を誘導するための担体が好ましいが、両方の種類の応答を刺激するものも使用することができる。薬剤がポリペプチドである場合、ポリペプチド自体、またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを投与することができる。担体は、抗原提示細胞(APC)または樹状細胞などの細胞であり得る。抗原提示細胞には、マクロファージ、樹状細胞およびB細胞などの細胞型が含まれる。他のプロフェッショナル抗原提示細胞には、単球、辺縁体クッパー細胞、小グリア細胞、ランゲルハンス細胞、指状突起樹状細胞、濾胞樹状細胞、およびT細胞が含まれる。任意の抗原提示細胞も使用することができる。任意の抗原提示細胞の例には、星状細胞、濾胞細胞、内皮および線維芽細胞が含まれる。担体は、ポリペプチドを発現するように、またはワクチン接種された個体の細胞で後で発現されるポリヌクレオチドを送達するように形質転換されている細菌細胞であり得る。水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムなどのアジュバントを添加して、ワクチンが免疫応答を引き起こす、増強する、または延長させる可能性を上昇させることができる。記載された組成物と別々に、またはそれと組み合わせて使用される、サイトカイン、ケモカイン、およびCpGのような細菌核酸配列、toll様受容体(TLR)9アゴニスト、さらには、リポタンパク質、LPS、モノホスホリルリピドA、リポテイコ酸、イミキモド、レシキモドを含むTLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9のための追加のアゴニスト、加えて、ポリI:Cなどのレチノイン酸誘導遺伝子I(RIG-I)アゴニストなどの追加の物質も、有望なアジュバントである。アジュバントの他の代表的な例には、キラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria)およびコリネバクテリウム・パルバム(CoIynebacterium parvum)の樹皮から精製された均一なサポニンを含む合成アジュバントQS-21が含まれる(McCuneら、Cancer、1979;43:1619)。アジュバントが最適化を受けることは理解されるであろう。言い換えると、当業者は、使用するために最良のアジュバントを決定するために、ルーチン的な実験を行えばよい。
【0214】
一実施形態では、他の治療剤はインターフェロンである。「インターフェロン」または「IFN」または「INF」という用語は、それぞれ互換的に使用され得て、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答をモジュレートする高度相同種間タンパク質(highly homologous species-species proteins)のファミリーのいずれかのメンバーを指す。例えば、ヒトインターフェロンは、インターフェロン-アルファ、インターフェロン-ベータ、およびインターフェロン-オメガが含まれるI型;インターフェロン-ガンマが含まれるII型、ならびにインターフェロン-ラムダが含まれるIII型の3つのクラスがあるグループである。開発され市販されているインターフェロンの組換え型は、本明細書で使用される場合の「インターフェロン」という用語に包含される。化学的に修飾された、または変異したインターフェロンなどのインターフェロンのサブタイプも、本明細書で使用される場合の「インターフェロン」という用語に包含される。化学的に修飾されたインターフェロンには、ペグ化インターフェロンおよびグリコシル化インターフェロンが含まれ得る。インターフェロンの例には、これに限定されないが、インターフェロン-アルファ-2a、インターフェロン-アルファ-2b、インターフェロン-アルファ-n1、インターフェロン-ベータ-1a、インターフェロン-ベータ-1b、インターフェロン-ラムダ-1、インターフェロン-ラムダ-2、およびインターフェロン-ラムダ-3も含まれる。ペグ化インターフェロンの例には、ペグ化インターフェロン-アルファ-2aおよびペグ化インターフェロン-アルファ-2bが含まれる。
【0215】
一実施形態では、他の治療剤はCTLA-4経路アンタゴニストである。
【0216】
一実施形態では、他の治療剤は抗4-1BB抗体である。本明細書で使用される場合の「4-1BB抗体」という用語は、ヒト4-1BB受容体に結合し得る、本明細書で定義されている通りの抗体(本明細書では「抗4-1BB抗体」とも称される)を意味する。「4-1BB」および「4-1BB受容体」という用語は本出願において互換的に使用され、4-1BB受容体のいずれかの形態、さらには、4-1BB受容体の活性の少なくとも一部を保持するそのバリアント、アイソフォーム、および種ホモログを指す。したがって、本明細書において定義および開示されている通りの結合分子は、ヒト以外の種からの4-1BBにも結合し得る。他のケースでは、結合分子は、ヒト4-1BBについて完全に特異的であってよく、種または他の種類の交差反応性を示し得ない。ヒト4-1BBに対する特異的言及などにより、別に示されていない限り、4-1BBには、天然配列4-1BBのすべての哺乳動物種、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマおよびウシが含まれる。例示的なヒト4-1BBの1つは、255アミノ酸タンパク質(受託番号NM_001561;NP_001552)である。4-1BBは、シグナル配列(アミノ酸残基1~17)、続いて、細胞外ドメイン(169アミノ酸)、膜貫通領域(27アミノ酸)、および細胞内ドメイン(42アミノ酸)を含む(Cheuk ATCら、2004 Cancer Gene Therapy 11:215~226)。この受容体は、単量体および二量体形態で細胞表面上に発現されて、おそらく、シグナル伝達のために4-1BBリガンドと三量体形成する。本明細書で使用される場合の「4-1BBアゴニスト」は、本明細書で定義されている通りのいずれかの化学化合物または生物学的分子を意味し、これは、4-1BBと結合すると、(1)4-1BBを刺激する、もしくは活性化する、(2)4-1BBの活性、機能、もしくは存在を増強する、上昇させる、促進する、誘導する、もしくは延長する、または(3)4-1BBの発現を増強する、増加させる、促進する、もしくは誘導する。本発明の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用な4-1BBアゴニストには、4-1BBに特異的に結合するモノクローナル抗体(mAb)、またはその抗原結合断片が含まれる。4-1BBの別名または同義語には、CD137およびTNFRSF9が含まれる。ヒト個体が処置されている本発明の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて、4-1BBアゴニストは、4-1BB媒介応答を増大させる。本発明の処置方法、医薬および使用の一部の実施形態では、4-1BBアゴニストは細胞傷害性T細胞応答を顕著に増強して、いくつかのモデルにおいて抗腫瘍活性をもたらす。ヒト4-1BBは、シグナル配列(アミノ酸残基1~17)、続いて、細胞外ドメイン(169アミノ酸)、膜貫通領域(27アミノ酸)、および細胞内ドメイン(42アミノ酸)を含む(Cheuk ATCら、2004 Cancer Gene Therapy 11:215~226)。この受容体は、単量体および二量体形態で細胞表面上に発現されて、おそらく、シグナル伝達のために4-1BBリガンドと三量体形成する。ヒト4-1BBに結合し、本発明の処置方法、医薬および使用において有用であるmAbの例は、US8,337,850およびUS20130078240に記載されている。一部の実施形態では、抗4-1BB抗体は、WO2017/130076の配列番号17において示されている通りのVHおよび配列番号18において示されている通りのVLを有する。
【0217】
一実施形態では、他の治療剤は、PD-1経路アンタゴニストである。一実施形態では、他の治療剤は抗PD-1抗体である。一実施形態では、他の治療剤は抗PD-L1抗体である。プログラム死1(PD-1)受容体ならびにPD-1リガンド1および2(それぞれPD-L1およびPD-L2)は免疫調節において不可欠な役割を果たす。活性化T細胞上に発現すると、PD-1は、ストローマ細胞、腫瘍細胞、またはその両方により発現されるPD-L1(B7-H1としても公知)およびPD-L2により活性化されて、T細胞死および局所免疫抑制を開始して(Dongら、Nat Med 1999;5:1365~69;Freemanら、J Exp Med 2000;192:1027~34)、腫瘍発生および増殖のための免疫寛容環境をもたらす可能性がある。逆に、この相互作用の阻害は、非臨床動物モデルにおいて局所T細胞応答を増強して、抗腫瘍活性を媒介し得る(Iwai Yら、Proc Natl Acad Sci USA 2002;99:12293~97)。本発明の処置方法、医薬および使用において有用である抗PD-1抗体の例には、BCD-100、カムレリズマブ、セミプリマブ、ゲノリムズマブ(genolimzumab)(CBT-501)、MEDI0680、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、RN888(WO2016/092419を参照されたい)、シンチリマブ、スパルタリズマブ、STI-A1110、チスレリズマブ、およびTSR-042が含まれる。一部の実施形態では、抗PD-1抗体は、US10155037の配列番号4に示されている通りのVHおよび配列番号8に示されている通りのVLを有する。本発明の処置方法、医薬および使用において有用である抗PD-L1抗体の例には、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、BMS-936559(MDX-1105)、およびLY3300054が含まれる。
【0218】
開示されている併用治療は、相乗的治療効果、すなわち、それらの個々の効果または治療成績の合計よりも高い効果を誘発し得る。例えば、相乗的治療効果は、単一の薬剤により誘発される治療効果、または所与の組合せの単一の薬剤により誘発される治療効果の合計よりも少なくとも約2倍高い、または少なくとも約5倍高い、または少なくとも約10倍高い、または少なくとも約20倍高い、または少なくとも約50倍高い、または少なくとも約100倍高い効果であり得る。相乗的治療効果は、単一の薬剤により誘発される治療効果、または所与の組合せの単一の薬剤により誘発される治療効果の合計と比較して少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも100%、またはそれ以上の治療効果の上昇としても観察され得る。相乗効果は、それらが組み合わせて使用された場合に、1種または複数の治療剤の投薬の減少を可能にする作用でもある。
【0219】
キットオブパーツ
例えば、特定の疾患または状態を処置する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望まれ得る限りは、そのうちの少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種またはそれ以上の医薬組成物を、それらの組成物の同時投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせることができることは本発明の範囲内である。したがって、本発明のキットは、そのうちの少なくとも1種が本発明の化合物を含有する2種またはそれ以上の別個の医薬組成物、および前記組成物を別々に保持するための容器、分割ボトル、または分割ホイルパケットなどの手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などを包装するために使用される熟知されているブリスターパックである。
【0220】
本発明のキットは、異なる剤形を例えば経口および非経口で投与するために、異なる投与間隔で別個の組成物を投与するために、または相互に別個の組成物を用量決定するために特に好適である。服薬遵守を助けるために、キットは典型的には、投与指示書を含み、メモリーエイドを装備していてよい。
【実施例
【0221】
一般方法
合成実験手順:
特に酸素または水分感受性の試薬または中間体を使用した場合には、実験を一般に、不活性な雰囲気(窒素またはアルゴン)下で実施した。市販の溶媒および試薬を一般的に、さらに精製せずに、分子ふるい上で乾燥して使用した(一般に、Aldrich Chemical Company、Milwaukee、WisconsinからのSure-Seal(商標)製品)。質量分析データは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)、大気圧化学イオン化(APCI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)または液体クロマトグラフィー-飛行時間型(LC-TOF)法から報告される。核磁気共鳴(NMR)データでの化学シフトは、使用される重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm)で表される。
【0222】
他の実施例または方法における手順を参照する合成では、反応プロトコル(反応期間および温度)は変動し得る。一般に、反応には、薄層クロマトグラフィー、LC-MSまたはHPLCが続き、適切な場合には後処理に掛けられた。精製は実験によって変動し得て:適切な保持時間を得るために、一般に、溶離液/勾配のために使用される溶媒および溶媒比は選択された。別段に指定されていない限り、逆相HPLC画分を凍結乾燥/フリーズドライにより濃縮した。中間体および最終化合物を(0℃)または室温で、密閉バイアルまたはフラスコ内で、窒素下で貯蔵した。化合物名はChemdrawまたはACD Labsソフトウェアで作成された。
【0223】
溶媒および/または試薬についての略語は、American Chemical Societyのガイドラインに基づくものであり、下に特記する:
Ac=アセチル;AcOH=酢酸;AcO=無水酢酸;Ad=アダマンチル;Bipy=2,2’-ビピリジン=2,2’-ジピリジン=2,2’-ジピリジル;Bn=ベンジル;Bu=ブチル;CataCXium A=ジ-(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン;CataXCium A-Pd-G3=[(ジ(1-アダマンチル)-ブチルホスフィン)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート;CO=一酸化炭素;DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート;DBU=1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;DCE=1,2-ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;DMA=ジメチルアセトアミド;DMB=2,4-ジメトキシベンジル;DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;DMF・DMA=N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール;DMSO=ジメチルスルホキシド;dppf=1,1’-フェロセンジイル-ビス(ジフェニルホスフィン);dtbbpy=4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル;Et=エチル;EtOAc=酢酸エチル;h=hr=時;HFIP=1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;[Ir(cod)OMe]=ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジ-μ-メトキシジイリジウム(I)=[Ir(OMe)(1,5-cod)]=(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体;KOAc=酢酸カリウム;LC=液体クロマトグラフィー;LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析法;m-CPBA=3-クロロペルオキシ安息香酸=メタ-クロロ過安息香酸=mCPBA;Me=メチル;MeOH=メタノール;MeCN=ACN=アセトニトリル;MsOH=メタンスルホン酸;n-Bu=n-ブチル;n-BuLi=n-ブチルリチウム;NCS=N-クロロスクシンイミド;Pin=ピナコール=2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール=テトラメチルエチレングリコール;Pd(OAc)=酢酸パラジウム(II);Pd(dppf)Cl=[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]-ジクロロパラジウム(II);Phen=1,10-フェナントロリン;Ph=フェニル;PMB=p-メトキシベンジル;PhMe=Tol=トルエン;PivOH=ピバル酸;rt=室温;TEA=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;TfO=トリフルオロメタンスルホン酸無水物;THF=テトラヒドロフラン;TMS=トリメチルシリル;Ts=トシル=トルエンスルホニル;T3P=2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスホリナン-2,4,6-トリオキシド;キサントホス=4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン。
【0224】
【化24】
【0225】
一般スキームIに例示されている通り、GS1a型の化合物を、好適な活性化剤(ジ-イソプロピルアゾジカルボキシレートなど)およびトリアルキル/トリアリールホスフィン(トリ-n-ブチルホスフィンまたはトリフェニルホスフィンなど)を使用する光延アルキル化条件下で、適切な溶媒(THF、PhMe、または同様の溶媒など)中で、-20℃から室温の範囲の温度で、アルコール(HO-R)でアルキル化すると、GS1bなどの化合物を得ることができる。GS1bなどの化合物を、適切な塩基(MOH、ここで、M=Li、Na、K、またはCs)を使用するアルカリ条件下で、好適な溶媒(THF、MeOH、水または同様の溶媒など)中で加水分解し、続いて、好適な溶媒(THF、PhMe、DCM、DCE、またはDMFなど)中で好適な塩素化剤(二塩化オキサリルまたは塩化チオニルなど)で塩素化すると、GS1cなどの化合物を得ることができる。GS1cなどの化合物を、好適な溶媒(ジエチルエーテル、THF、MeCN、または同様の溶媒など)中でジアゾメタンまたはその同等物(トリメチルシリルジアゾメタンなど)でアルキル化して、続いて、好適な溶媒(AcOH、DCM、ジエチルエーテル、MeCN、EtOAc、または同様の溶媒など)中で好適な臭素化剤(HBr、臭化鉄(III)、または同様の試薬など)で臭素化すると、GS1dなどの化合物を得ることができる。GS1dなどの化合物を無溶媒ホルムアミド中で、典型的には140℃超の温度で凝縮すると、GS1eなどの化合物を得ることができる。GS1eなどの化合物を適切な塩基(CsCO、MHなど、ここで、M=Na、Kまたは同様の塩基)を用いて、適切な溶媒(DMF、DMSO、THFまたは同様の溶媒)中で、好適な脱離基(LG)(Cl、Br、OTsまたは同様の脱離基など)を持つアルキル基(R-LG)でアルキル化すると、GS1fなどの化合物を得ることができる。GS1f型の化合物は、好適な触媒系(Pd(dppf)ClまたはPd(OAc)または同様の触媒など)の存在下で、時には銅助触媒(CuCl、CuBr、CuI、Cu(キサントホス)Cl、Cu(MeCN)PF、Cu(Phen)PPhBrまたは同様の触媒など)の存在下で、時には追加のホスフィンリガンド(PPh、cataCXium A、キサントホス、PCy・HBF、または同様のホスフィンリガンドなど)の存在下で、好適な塩基(CsOPiv、CsOAc、KCO+PivOH、TMPMgCl・LiCl、またはTMPZnCl・LiCl、DBU、n-BuLi+ZnCl、または同様の塩基/組合せなど)を用いて、適切な溶媒(PhMe、ジオキサン、MeCN、TFE、t-アミルアルコールまたは同様の溶媒など)中で、室温から150℃の範囲の温度で、C-H活性化を介してGS1g型の化合物にクロスカップリングさせると(SynLett.2020、31、1015~1021;)、GS1hなどの化合物を得ることができる。GS1hなどの化合物は、酸に不安定な保護基を含有し得て、それをこの段階で、当技術分野で公知の条件(TFA/DCMまたはMsOH/HFIPなど)を使用して除去すると(Protective Groups in Organic Synthesis、A.Wiley-Interscience Publication、1981またはProtecting Groups、10 Georg Thieme Verlag、1994)、GS1iなどの化合物を得ることができる。各ステップの化合物をカラムクロマトグラフィー、結晶化、または逆相SFCまたはHPLCなどの標準的な技術により精製することができる。必要な場合には、合成シークエンスにおけるいずれかの生成物の位置異性体または立体異性体の分離をキラルSFCまたはHPLCなどの当技術分野で公知の標準的な方法で実施すると、単一の位置-または立体異性体を得ることができる。PG、LG、およびR~Rなどの変項は、本明細書の実施形態、スキーム、実施例、および特許請求の範囲において定義されている、および/または示されている通りである。
【0226】
ヘッド基(HG)中間体の調製:
スキームHG-1による4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)の調製。
【0227】
【化25】
【0228】
ステップ1:エチル1-メチル-5-{[(4Z)-2-メチル-5-オキソ-1,3-オキサゾール-4-イリデン]メチル}ピラゾール-4-カルボキシレート(HG-1a)の合成
室温の無水酢酸(15mL、4M)中のエチル5-ホルミル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(10.7g、58.6mmol)およびN-アセチルグリシン(10.3g、88.0mmol、1.5当量)の溶液に、酢酸カリウム(9.09g、88.0mmol、1.5当量)を添加し、このスラリーに、追加のAcO5mLを添加して、撹拌を再誘導した。次いで、これをFindenserの上に乗せ、100℃に加熱した。加熱中に、白色の混濁した懸濁液が透明な黄色の溶液になり、10分後に、茶色の溶液になった。1時間後に、反応物を室温に冷却した。TLC分析(2:1のヘプタン/EtOAc、KMnO4染色)は、出発物質(Rf=0.61)の消費を、生成物(Rf=0.29)の形成を随伴して示した。次いで、反応物を100mLビーカーに移し、反応バイアルをDCMですすぎ、発泡が止まるまで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を磁気撹拌しながら滴下添加した。この後、このビーカーの内容物を分離漏斗に移し、有機層を分離した。続いて、水層を4×3:1のDCM/iPrOH100mLおよび2×DCM150mLで抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた暗茶色の残渣をDCM約5mLに溶解した。これに、MTBE(約5mL)を滴下添加し、続いて、この混合物を、ヘプタン200mLを含有するフラスコに注ぎ入れた。音波処理で、黄色の固体が溶液から沈殿し、それを減圧下で濾別した。次いで、母液を0℃で2時間放置し、その後すぐに、生成物の別の収量が生じ、減圧下で再び濾過した。これら2つのバッチを合わせて、標題化合物エチル1-メチル-5-{[(4Z)-2-メチル-5-オキソ-1,3-オキサゾール-4-イリデン]メチル}ピラゾール-4-カルボキシレート(HG-1a)を薄黄色の固体(15.2g、98%)として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.93 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.29 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.98 (s, 3H),
1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0229】
ステップ2:1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1b)の合成
メタノール(57.8mL、1M)中のエチル1-メチル-5-{[(4Z)-2-メチル-5-オキソ-1,3-オキサゾール-4-イリデン]メチル}ピラゾール-4-カルボキシレート(HG-1a)(15.2g、57.8mmol)に、炭酸カリウム(16.8g、116mmol、2当量)を添加し、続いて、容器のキャップを締め、70℃に加熱した。16時間撹拌した後に、以前は濃茶色の混濁溶液が黄褐色から茶色に薄くなった。LCMSに基づくと、すべての出発物質が消費されたので、冷却された混合物を減圧下で濾過し、濾過ケーキをMeOHおよびMTBEで洗浄した。得られた濾液にMTBEを添加すると、追加の固体が沈殿し、それを同じ装置を使用して再濾過した。次いで、固体の濾過ケーキをHOに懸濁し、濃HClを添加してpH1に酸性化した。黄褐色の固体が沈殿し、それを減圧下で濾別し、その後、濾液を1:1のMeOH/MTBEで希釈し、減圧下で再び濾過した。これら2つのバッチを合わせ、標題化合物1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1b)を黄褐色の固体(10.46g、収率94%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.56 (s, 1H), 8.11 (d, J = 0.9 Hz, 1H),
7.40 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.03 (s, 3H).
【0230】
ステップ3:メチル1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1c)の合成
メタノール(40mL、1.4M)中の1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1b)(10.46g、54.17mmol)に、濃硫酸(90mmol、5mL、2当量)を滴下添加した。これは、液滴の添加ごとに発熱をもたらした。得られた黄色のスラリーを70℃に加熱した。17時間後に、反応物を室温に冷却し、その時点で、出発物質は消費されたと考えられ、白色の微結晶性固体が溶液から沈殿し始めた。反応混合物を減圧下で濾過し、濾過ケーキを水で洗浄した。この第1のバッチを収集し、その後、濾液をACN5mL、MTBE5mLおよびEtOH10mLで希釈し、その後、0℃で撹拌した。2時間後に、溶液から沈殿した白色の微結晶を真空濾過により収集し、先のバッチと合わせて、標題化合物メチル1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1c)を白色の固体(11.1g、99.0%)として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.20 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.12 (s, 3H),
4.04 (s, 3H).
【0231】
ステップ4:メチル4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1d)の合成
アセトニトリル(53.9mL、1.0M)中の1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1c)(11.1g)に、ピリジン(6.51mL、80.8mmol、1.5当量)を一度に、続いて、TfO無水物(13.6mL、80.8mmol、1.5当量)をおよそ1mLポーションで少量ずつ添加した。6mLの添加の後に、溶液は黄色から赤色に変化し(ただし、混濁は残った)、残りのトリフルオロメタンスルホン酸無水物の添加の後に、反応物は再び黄色になり、透明になり始めた。45分後に、LCMSは、出発物質の消費をトリフレートの清澄な形成と共に示した。次いで、反応混合物に、臭化リチウム(23.4g、269mmol、5当量)およびトリフルオロ酢酸(5.23mL、59.3mmol、1.1当量)を添加して、オレンジ色の懸濁液を生成した。この時点から1時間後に、LCM分析は、トリフレートの消失および臭化物への変換を示した。次いで、反応混合物を磁気撹拌しながら、飽和NaHCO200mLを含有するエルレンマイヤーフラスコにゆっくり注いだ。気体発生が止んだら、二相を、EtOAc800mLを含有する分離漏斗に移し、震盪し、水層を廃棄した。次いで、有機層をチオ硫酸ナトリウムで1回洗浄して脱色し、2つの層を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた茶色の油状物をDCM10mLに溶解し、これに、MeCN10mLおよびアセトン10mLを添加した。この濁った溶液を0℃で終夜放置し、その後、生成物が沈殿し、それを真空濾過により収集して、標題化合物メチル4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1d)を黄褐色の固体(11.77g、81%)として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.23 (1H, d, J = 1 Hz), 8.14 (1H, d, J = 1.0 Hz), 4.16 (3H, s),
4.05 (3H, s).
【0232】
ステップ5:4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1e)の合成
4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1d)(1333mg、4.935mmol)を、テトラヒドロフラン5mLおよびHO2mLを含有するフラスコに添加した。この溶液に、水酸化リチウム(177mg、7.40mmol、1.5当量)を室温で添加し、撹拌した。2時間後に、LCMS分析は、出発物質の消費を生成物形成を随伴して示した。反応混合物を濃HClでpH1に酸性化し、その時点で、これは濁った。得られた酸性懸濁液を0℃で1時間放置し、その後、生成物が沈殿したことが観察された。この固体を、真空濾過を使用して収集して、標題化合物4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1e)を白色の半結晶性固体(1.15g、90%)として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.43 (1H, br s), 8.49 (1H, d, J = 0.8
Hz), 8.32 (1H, d, J = 0.8 Hz), 4.18 (3H, s)
【0233】
ステップ6:4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)の合成
DMF(2mL)中の4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボン酸(HG-1e)(1.90g、9.79mmol)の懸濁液に、初めにトリエチルアミン(4.13mL、29.4mmol)を、次いでジメトキシベンジルアミン(1.64g、9.79mmol)を添加し、後者は、透明な溶液をもたらした。溶液に、TP(8.60mL、EtOAc中50%、14.7mmol)を添加し、その後、溶液は黄色になり、著しく加温した。30分後に、混濁した黄色の懸濁液のLCMS分析は、出発物質の消費および生成物の形成を示した。これを磁気撹拌しながら、EtOAc5mLで希釈し、次いで、減圧下で濾過した。固体をEtOAcで洗浄し、乾燥させて、標題化合物4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)を白色の固体(3.18g、81%)として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.53-8.38 (1H, m), 8.26 (1H, d, J = 1 Hz), 8.09 (1H, d, J = 1.0
Hz), 7.28 (1H, s), 6.50 (2H, dd, J = 8.2, 2.4 Hz), 6.45 (2H, dd, J = 8.2, 2.4
Hz), 4.63 (2H, d, J = 6.1 Hz), 4.13 (3H, s), 3.90 (3H, s), 3.80 (3H, s).
【0234】
スキームHG-2による4,6-ジクロロ-1-エチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-2)の調製。
【0235】
【化26】
【0236】
ステップ1:4,6-ジクロロ-1-エチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-2)の合成
4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-2a)(1000mg、5.35mmol)をTHF(16mL)中の溶液として含有する反応フラスコを氷水浴内で0℃に冷却し、NaH(鉱油中60重量%、428mg、10.7mmol)を少しずつ装入した。反応混合物を10分間撹拌し、その時点で、茶色の溶液が得られた。反応混合物に、ヨウ化エチル(917mg、5.88mmol)を添加し、続いて、0℃でさらに30分間撹拌した。この段階で、氷浴を取り外し、反応物を室温に徐々に加温し、さらに16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質がまだ存在することを示したので、反応物を50℃に加熱し、さらに2時間撹拌した。追加のアリコットのヨウ化エチル(415mg、2.66mmol)を添加し、反応物を室温で17時間撹拌した。反応物をMeOH(5mL)でクエンチし、溶液を真空下で濃縮して、黄色の油状物を得た。粗製の残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Isco、0~20% EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物4,6-ジクロロ-1-エチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-2)(482.3mg、42%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 215.9実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 8.12 (d, J =
0.8 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 4.39 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.54 (t, J =
7.3 Hz, 4H).
【0237】
下の表内の中間体を、スキームHG-2により4,6-ジクロロ-1-エチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-2)を合成するためのステップ1で使用された方法に従って、市販の4,6-ジクロロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジンを出発物質として使用し、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0238】
【表1】
【0239】
スキームHG-3による4-クロロ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(Int-HG-3)の調製。
【0240】
【化27】
【0241】
ステップ1:エチル1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキシレート(HG-3b)の合成
5-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(HG-3a)(1.5g、10.70mmol)を含有する反応フラスコに、エタン二酸ジエチル(25mL)を添加した。反応物を終夜185℃で加熱した。フラスコを加熱から外し、室温に徐々に冷却すると、灰色の固体が沈殿した。灰色の固体を濾過し、石油エーテルで洗浄した。固体を収集して、標題化合物エチル1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキシレート(HG-3b)(582mg、25%)を灰色の固体として得た。GC/MS m/z 222.1 [M]. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.68-12.41 (m, 1H), 8.27-7.99 (m, 1H),
4.52-4.27 (m, 2H), 4.03-3.82 (m, 3H), 1.44-1.18 (m, 3H).
【0242】
ステップ2:4-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボン酸(HG-3c)の合成
エチル1-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキシレート(HG-3b)(300.0mg、1.35mmol)を含有する反応フラスコに、THF(12mL)および水(3mL)中の水酸化リチウム(80.8mg、3.38mmol)の溶液を添加した。反応物を25℃で終夜撹拌し、次いで、2時間、50℃で加熱した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。溶液を減圧下で濃縮した。こうして得られた水溶液を、pH=2~3が達成されるまでHCl(1N)の滴下添加により酸性化した。溶液を水で希釈し、分離漏斗に移した。水相を2ポーションのDCM/IPA(3:1、それぞれ60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。こうして得られた残渣を高真空下で終夜さらに乾燥して、標題化合物4-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボン酸(HG-3c)(240mg、91%)を黄色の固体として得た。LC/MS m/z 195.1 [M+1]. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.37 - 12.16 (m, 1H), 8.23 - 8.03 (m,
1H), 4.09 - 3.83 (m, 3H).
【0243】
ステップ3:4-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボニルクロリド(HG-3d)の合成
4-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボン酸(HG-3c)(300mg、1.55mmol)を含有する反応フラスコに、オキシ塩化リン(4.74g、30.9mmol、2.88ml)を添加した。フラスコに還流凝縮器を装備し、反応物を4時間、90℃で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、PhMeと共に2回、共沸蒸留して、標題化合物4-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボニルクロリド(HG-3d)(357mg、98%)を茶色の固体として得た。LC/MS m/z 227 [M-1](メチルエステル)
【0244】
ステップ4:4-クロロ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(Int-HG-3)の合成
4-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボニルクロリド(HG-3d)(357mg、1.55mmol)を含有する反応フラスコに、DCM(8mL)を添加した。溶液を0℃に冷却し、続いて、トリエチルアミン(938mg、9.27mmol、1.29ml)を添加した。この混合物に、1-(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(775mg、4.64mmol、0.696ml)を添加した。反応物を0℃で3時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g SiO、Isco、3%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物4-クロロ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(Int-HG-3)(224mg、40%)を薄黄色の固体として得た。LC/MS m/z 362 [M+1]. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 9.22-9.13 (m, 1H), 8.59-8.54 (m, 1H),
7.17-7.10 (m, 1H), 6.61-6.56 (m, 1H), 6.52-6.46 (m, 1H), 4.48-4.41 (m, 2H),
4.18-4.11 (m, 3H), 3.87-3.82 (m, 3H), 3.77-3.74 (m, 3H).
【0245】
スキームHG-4によるメチル4,6-ジクロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-4)の調製。
【0246】
【化28】
【0247】
ステップ1:2,4,6-トリクロロピリジン-3-カルボアルデヒド(HG-4b)の合成。
無水THF中の2,4,6-トリクロロピリジン(HG-4a)(9.00g、49.3mmol)の溶液をNの雰囲気下で-68℃(内部温度)に冷却し、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、20.7mL、51.8mmol)を、反応温度を-63℃(内部温度)未満に維持しながら滴下添加した。混合物を-68℃(内部温度)で30分間撹拌した。ギ酸エチル(4.75g、64.1mmol)を、反応温度を-63℃(内部温度)未満に維持しながら滴下添加した。混合物を-68℃(内部温度)で1時間撹拌した。TLC分析は、出発物質の消費を示した。混合物を氷および飽和NHCl水溶液(100mL)の1:1混合物に注ぎ入れた。混合物を10分間撹拌し、次いで、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80g SiO、0~5%EtOAc/石油エーテル)により精製した。混合画分を、フラッシュクロマトグラフィー(20g SiO、0~5%EtOAc/石油エーテル)により再精製した。生成物バッチを合わせて、標題化合物2,4,6-トリクロロピリジン-3-カルボアルデヒド(HG-4b)(8.62g、収率83%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.42 (s, 1H), 7.46 (s, 1H).
【0248】
ステップ2:4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-4c)の合成。
EtOH(100mL)中の2,4,6-トリクロロピリジン-3-カルボアルデヒド(HG-4b)(4.00g、19.0mmol)およびDIPEA(7.62g、58.9mmol)の溶液をNの雰囲気下で-20℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(3.81g、76.0mmol)を滴下添加した。混合物を-20℃で24時間、次いで、30℃で16時間撹拌した。LCMS分析は所望の生成物塊の形成を示した。溶液を濃縮乾固した。得られた固体を1:2のEtOAc/石油エーテル(300mL)で30分間スラリーにした。固体を濾取した。濾過ケーキをフラッシュクロマトグラフィー(40g SiO、8~50%EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-4c)(1.6g、収率45%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 14.06 (br s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.78 (d, J
= 1.0 Hz, 1H).
【0249】
ステップ3:4,6-ジクロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-4)の合成。
0℃の無水THF中の4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-4c)(1.25g、6.65mmol)の溶液に、NaH(鉱油中60%分散液、500mg、12.5mmol)を添加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、ヨードメタン(1.89g、13.3mmol)を同じ温度で滴下添加した。混合物を0℃で1時間、次いで、16時間25℃で撹拌した。TLC分析(2:1のEtOAc/石油エーテル)は出発物質の完全な消費を示した。反応物を飽和NHCl水溶液(20mL)の添加によりクエンチし、次いで、濃縮してTHFを除去した。水性混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40g SiO、5~30%EtOAc/石油エーテル)により精製して、標題化合物4,6-ジクロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-4)(510mg、収率38%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 0.9
Hz, 1H), 4.12 (s, 3H).
【0250】
スキームHG-5による4-(4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-5)の調製。
【0251】
【化29】
【0252】
ステップ1:4-(4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-5)の合成
PhMe(130mL)中の4-ブロモ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(7.23g、17.8mmol)、ブロモ-1-メチル-イミダゾール(HG-5a)(2.34g、14.5mmol)、Pd(OAc)(320mg、1.43mmol)、CuIキサントホス(3.29g、4.27mmol)、dppf(397mg、0.717mmol)、およびCsCO(14.0g、42.9mmol)の濃厚な薄茶色の懸濁液をNで5サイクルでパージし、撹拌しながら17時間、125℃に加熱した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。懸濁液をセライトのパッド上で濾過し、濾過ケーキをDCM(100mL)およびEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(330g SiO、Isco、0~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、少量の不純物で汚染された所望の生成物を得た。この物質を、分取HPLC(YMC Triart C18 250×50mm×7umカラム、0.05%NHOHを含む36~76%MeCN/HO、60mL/分)によりさらに精製した。生成物含有画分を真空下で濃縮し、MeOHで1時間摩砕した。懸濁液を濾過し、固体を収集した。単離された物質を真空下でさらに乾燥して、標題化合物4-(4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-5)(2,47g、31%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 486.1実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 8.88 (d, J =
1.0 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H),
6.50 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.47 (dd, J = 2.4, 8.3 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.65
(d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.16 (s, 3H), 4.13 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.81 (s, 3H).
【0253】
スキームHG-7による4,6-ジクロロ-1-シクロプロピル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-7)の調製。
【0254】
【化30】
【0255】
ステップ1:4,6-ジクロロ-1-シクロプロピル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-7)の合成
1,2-ジクロロエタン(2.5mL)中に4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-2a)(150mg、0.798mmol)、シクロプロピルボロン酸(129mg、1.50mmol)、NaCO(159mg、1.50mmol)、Cu(OAc)(136mg、0.749mmol)、および2,2’-ビピリジン(117mg、0.749mmol)を含有する反応容器を70℃に加熱し、3時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、水(20mL)、CHCl(20mL)で希釈し、セライトパッドで濾過した。相を分離し、水相をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g SiO、Combi-flash、5~30%EtOAc/pet.エーテル)により精製して、標題化合物を得て、標題化合物4,6-ジクロロ-1-シクロプロピル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-7)(132mg、72%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 227.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.06 (s, 1H),
7.46 (s, 1H), 3.57-3.63 (m, 1H), 1.21-1.26 (m, 4H).
【0256】
スキームHG-8による4,6-ジクロロ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-8)の調製
【0257】
【化31】
【0258】
ステップ1:4,6-ジクロロ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-8)の合成
MeCN(10mL)中の4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-2a)(300mg、1.60mmol)およびKF(275mg、4.73mmol)の溶液に、ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホネート(HG-8a)(511mg、1.91mmol)を室温(30℃)で添加し、18時間撹拌した。次いで、反応物を真空下で濃縮し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、5~20%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物4,6-ジクロロ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-8)(120mg、32%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 237.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.24 (s, 1H),
7.67 (s, 1H), 7.46 (t, J=59.0 Hz, 1H).
【0259】
スキームHG-9による4,6-ジクロロ-1-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-9)の調製
【0260】
【化32】
【0261】
ステップ1:4,6-ジクロロ-1-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-9)の合成
無水DMF(3mL)中の4,6-ジクロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(HG-2a)(150mg、0.798mmol)およびCsCO(520mg、1.60mmol)の黄色の懸濁液に、フルオロ(ヨード)メタン(162.3mg、1.015mmol)を添加した。得られた暗灰色の混合物を室温(27℃)で1.5時間撹拌した。TLC(石油エーテル:EtOAc=2:1、UVおよびI)は、反応が完了したことを示した。得られた混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(10mL×3)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル=0%~12%、12gシリカゲルカラム)により精製して、標題化合物4,6-ジクロロ-1-(フルオロメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-9)(131mg、74.6%)を薄黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 8.24 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.30 (d, J = 53.8 Hz, 2H).
【0262】
スキームHG-11によるメチル6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボキシレート(Int-HG-11)の調製
【0263】
【化33】
【0264】
ステップ1:2,6-ジクロロ-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11b)の合成
MeCN(30mL)中の2,6-ジクロロ-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11a)(2.00g、9.61mmol)およびKCO(2.66g、19.2mmol)を含有する反応容器に、ヨードメタン(0.921mL、14.8mmol)を室温で添加した。混合物を5時間、90℃に加熱し、次いで、追加のヨードメタン(0.898mL、14.4mmol)を添加し、90℃で5時間撹拌した。次いで、反応物に、追加のヨードメタン(1.20mL、19.2mmol)を添加し、反応物を90℃で8時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、5~20%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物2,6-ジクロロ-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11b)(960mg、45%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 221.8実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 6.80 (br s,
1H), 6.68 (s, 1H), 3.02 (d, J = 5.0 Hz, 3H).
【0265】
ステップ2:2-クロロ-6-エテニル-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11c)の合成
1,4-ジオキサン(10.6mL)およびHO(5.3mL)中の2,6-ジクロロ-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11b)(1.06g、4.77mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(882mg、5.73mmol)、CsF(2.18g、14.3mmol)、Pd(PPhCl(335mg、0.477mmol)の溶液をNで3回脱気し、90℃に加熱し、16時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、NaSO上で乾燥し、セライトパッドで濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、3~15%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物2-クロロ-6-エテニル-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11c)(385mg、38%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 213.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 6.96-7.08 (m,
2H), 6.60 (s, 1H), 6.53 (dd, J = 16.6, 1.8 Hz, 1H), 5.68 (dd, J = 10.5, 1.7 Hz,
1H), 2.99 (d, J = 5.1 Hz, 3H).
【0266】
ステップ3:6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボン酸(HG-11d)の合成
27℃のアセトン(9mL)中の2-クロロ-6-エテニル-N-メチル-3-ニトロピリジン-4-アミン(HG-11c)(340mg、1.59mmol)を含有する反応容器に、NaHCO(67mg、0.80mmol)およびKMnO(755mg、4.77mmol、30分かけて少しずつ添加)を添加した。次いで、溶液を4時間撹拌し、MeOH(3mL)、HO(3mL)で希釈し、NaOH(2N)でpH10に塩基性にした。相を分離し、水相をEtOAc(10mL×3)で抽出した。次いで、得られた水層をHCl(2N)でpH1~2に酸性化し、濾過して、沈殿物を除去した。濾液をEtOAc(20mL×3)で抽出し、合わせた有機相をNaCO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗製の標題化合物6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボン酸(HG-11d)(208mg、56%)を黄色の固体として得、それをさらに精製せずに使用した。
【0267】
ステップ4:メチル6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボキシレート(Int-HG-11)の合成
DMF(1.8mL)中の6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボン酸(HG-11d)(178mg、0.769mmol)を含有する反応容器に、KCO(212mg、1.54mmol)およびヨードメタン(0.057mL、0.922mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、その後、HO(5mL)で希釈した。相を分離し、水相をEtOAc(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(15mL×3)で洗浄した。有機相をNaCO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、5~30%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物メチル6-クロロ-4-(メチルアミノ)-5-ニトロピリジン-2-カルボキシレート(Int-HG-11)(108mg、3つのバッチを合わせて43%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 245.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.07 (br s,
1H), 6.81 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.08 (d, J = 5.0 Hz, 3H).
【0268】
テール基(TG)中間体の調製:
スキームTG-1による1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)の調製。
【0269】
【化34】
【0270】
ステップ1:2-ブロモ-1-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エタン-1-オン(TG-1b)の合成
無水DCM(100mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-1a)(3g、19.4mmol)の黄色の懸濁液に、DMF(0.1mL)を添加し、続いて、(COCl)(3.0mL、35mmol)をゆっくり添加した。反応物を0.5時間、室温で撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をDCM(それぞれ50mL)で2回同時蒸発させた。生成物をさらに精製せずに次の反応で使用した。生成物をMeCN(100mL)に溶解し、氷水浴内で冷却し、TMSCHN(4890mg、42.8mmol)を0℃で添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで、HBr(AcOH中33%溶液、8.3mL、50mmol)を、内部温度を30℃未満に維持する速度で、溶液に添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)および水(100mL)で希釈し、分離漏斗に移した。相を分離し、水層をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(それぞれ50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(220g SiO、Combi-flash、85~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物2-ブロモ-1-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エタン-1-オン(TG-1b)(2.65g、59%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 6.68 (s, 1H), 4.52 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.29 (s, 2H), 2.31 (s,
3H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0271】
ステップ2:1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)の合成
ホルムアミド(14.0mL)中の2-ブロモ-1-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エタン-1-オン(TG-1b)(3.20g、13.8mmol)の薄黄色の混合物を140℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物をDCM(40mL)で希釈し、分離漏斗に移した。相を分離し、ホルムアミド相を3ポーションのDCM(それぞれ30mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、0~100%EtOAc/Pet.エーテル、次いで、0~5%MeOH/EtOAc)により精製して、残留ホルムアミドを含有する所望の生成物を得た。混合物をEtOAcに溶解し、1N HCl水溶液(4mL)で希釈し、分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ30mL)で抽出した。次いで、水相のpHを2N NaOH水溶液でpH=約10まで調節した。水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ50mL)で抽出した。この段階から合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、0~5%MeOH/EtOAc)により精製して、標題化合物1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)(790mg、32%)を、約2当量のホルムアミドで汚染された黄色の固体として得た。こうして得られた物質をさらに精製せずに使用した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.71 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 6.16 (s, 1H),
4.39 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0272】
下の表内の中間体を、1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)を合成するためにステップ1~2で使用された方法に従って、市販の1-エチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸を出発物質として使用して、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0273】
【表2】
【0274】
スキームTG-2による2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-1,4’-ビイミダゾール(Int-TG-2)の調製。
【0275】
【化35】
【0276】
ステップ1:2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-1,4’-ビイミダゾール(Int-TG-2)の合成
無水DMF(10mL)中の4-ヨード-1-メチルイミダゾール(TG-2a)(500mg、2.40mmol)および2-エチル-5-メチル-1H-イミダゾール(TG-2b)(530mg、4.81mmol)の混合物に、CsCO(3.13g、9.62mmol)、CuI(458mg、2.40mmol)、L-プロリン(332mg、2.88mmol)を添加した。得られた混合物をNで2分間フラッシュし、密封し、120℃(加熱ブロック)に加熱し、40時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ20mL)で抽出した。水相をブラインで飽和させ、追加の3ポーションのEtOAc(それぞれ20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(それぞれ15mL)で洗浄した。合わせた水性ブライン洗浄液を3ポーションのEtOAc(それぞれ10mL)で逆抽出した。有機抽出物を再び合わせ、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、0~10%MeOH/DCM)により精製して、所望の生成物を、残留DMFで汚染された黄色の油状物として得た。油状物をDCM/MeOH(10:1、20mL)で希釈し、分離漏斗に移した。溶液を3ポーションのブライン(それぞれ15mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-1,4’-ビイミダゾール(Int-TG-2)(140mg、30%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.36 (s, 1H), 6.83 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 3.74 (s,
3H), 2.77 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.24 (d, J = 0.8 Hz, 3H), 1.28 (t, J = 7.5 Hz,
3H).
【0277】
スキームTG-3による1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)の調製。
【0278】
【化36】
【0279】
ステップ1:エチル1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-3b)の合成
THF(300mL)中のエチル3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-3a)(11.5g、74.6mmol)および3-(ベンジルオキシ)プロパン-1-オール(13.0g、78.3mmol)の溶液を氷水浴内で冷却し、続いて、内部反応温度を10℃未満に維持しながら、P(n-Bu)(33.2g、164mmol)およびDIAD(31.7g、157mmol)を滴下添加した。氷浴を除去し、無色の反応溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、こうして得られた粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(330g SiO、Combi-flash、0~15%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物エチル1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-3b)(21.4g、94%)を無色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 302.8実測値; 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.43 - 7.25 (m, 5H), 6.64 (s, 1H), 4.50 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.44
(s, 2H), 4.26 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.41 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.06
- 1.95 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0280】
ステップ2:1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-3c)の合成
MeOH(70mL)中のエチル1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-3b)(21.4g、70.8mmol)の溶液に、THF(350mL)およびLiOH(4.45g、106mmol)を1N水溶液(106mL)として添加した。反応物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、揮発溶媒を除去した。こうして得られた水性懸濁液をEtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相をEtOAc(50mL)で抽出した。次いで、水相のpHを1N HCl水溶液でpH=約1に調節し、2ポーションのEtOAc(それぞれ150mL)で抽出した。これらの有機抽出物を合わせ、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-3c)(18.3g、94%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 274.8実測値; 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 13.20 (br s, 1H), 7.39 - 7.23 (m, 5H), 6.59 (s, 1H), 4.50 (t, J =
7.2 Hz, 2H), 4.44 (s, 2H), 3.41 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.00 (五重線, J = 6.7 Hz, 2H).
【0281】
ステップ3:1-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-2-ブロモエタン-1-オン(TG-3d)の合成
反応を、それぞれ出発物質6.6gを用いる2つのバッチのセットとして行った。DCM(2000mL)中の1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-3c)(6.60g、24.1mmol)の無色の溶液に、DMF(0.3mL)を添加し、続いて、(COCl)(3.66mL、43.3mmol)を滴下添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮した。粗製の残渣をDCM(それぞれ100mL)と共にさらに3回同時蒸発させた。生成物をさらに精製せずに次のステップで使用した。粗生成物をMeCN(200mL)に溶解し、溶液を氷水浴内で冷却し、続いて、TMSCHN(ヘキサン中2M溶液、26.5mL、52.9mmol)を0℃で、不活性な雰囲気下で滴下添加した。反応物を室温で18時間撹拌した。この段階で、HBr(AcOH中33%溶液、10.3mL、62.6mmol)を、内部温度を維持する速度で添加した。反応物を室温で1.5時間撹拌した。2つの反応バッチを合わせ、水(100mL)でクエンチし、EtOAc(200mL)と共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1ポーションのブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(330g SiO、Biotage、0~19%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-2-ブロモエタン-1-オン(TG-3d)(11.3g、66%)を薄黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 351.8実測値; 1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.37 - 7.34
(m, 4H), 7.33 - 7.29 (m, 1H), 6.68 (s, 1H), 4.63 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.51 (s,
2H), 4.27 (s, 2H), 3.53 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.16 - 2.09 (m, 2H).
【0282】
ステップ4:1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)の合成
反応を、それぞれ出発物質1.13gを用いる10バッチのセットとして行った。ホルムアミド(2.0mL)中の1-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-2-ブロモエタン-1-オン(TG-3d)の溶液を140℃に加熱し、16時間撹拌した。すべてのバッチを24時間かけて室温に冷却し、次いで、合わせた。合わせた溶液をDCMで希釈し、分離漏斗に移した。相を分離し、ホルムアミド相をDCM(30mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を水(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー[220g SiO、Biotage、0~7%MeOH/(EtOAc/DCM 1:1)]により精製して、放置して標題化合物1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)(5.4g、47%)を茶色固体として得た。LCMS [M+H] = 297.0実測値; 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.31 (br s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.38 - 7.25 (m,
5H), 6.16 (s, 1H), 4.46 (br t, J=6.9 Hz, 2H), 4.41 (s, 2H), 3.42 (t, J=6.2 Hz,
2H), 2.14 (s, 3H), 2.04 - 1.95 (m, 2H).
【0283】
下の表内の中間体を、1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0284】
【表3-1】
【0285】
【表3-2】
【0286】
下の表内の中間体を、1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)を合成するためにステップ2~4で使用された方法に従って、エチル3-メチル-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(PCT国際出願2017198341、2017年11月23日)を出発物質として使用して、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0287】
【表4】
【0288】
下の表内の中間体を、1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0289】
【表5】
【0290】
下の表内の中間体を、1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0291】
【表6】
【0292】
スキームTG-10による1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-10)の調製。
【0293】
【化37】
【0294】
ステップ1:1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-10a)の合成
1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボアルデヒド(1.0g、7.24mmol)を含有する100mLフラスコに、DCMおよびm-クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)(3.24g、純度77%、14.5mmol)を添加した。溶液を1時間、40℃に加熱した。反応物を室温に冷却し、DCMで希釈し、飽和NaSO水溶液、2ポーションの飽和NaCO水溶液、ブラインの混合物で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イルホルメート(1g)を得て、これをさらに精製せずに使用した。1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イルホルメート(1g、6.49mmol)を含有する100mLフラスコに、MeOHおよびEtN(0.9mL、6.48mmol)を添加した。溶液を室温で30分間撹拌した。溶液を真空中で濃縮して、1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-オールをピンク色の油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。DMF(8.5mL)中の1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-オール(546mg、4.33mmol)およびPMBCl(749mg、4.78mmol)の溶液に、KCO(660mg、4.77mmol)を添加した。反応物を25℃で16時間撹拌した。反応物をHO(25mL)でクエンチし、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、60~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-10a)(903mg、84%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 247.0実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.33 (d, J =
8.8 Hz, 2H), 6.96 (s, 1H), 6.91 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.81 (s, 2H), 4.00 (q, J =
7.3 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.41 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【0295】
ステップ2:1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(TG-10b)の合成
無水THF(3.7mL)中の1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-10a)(186mg、0.756mmol)の無色の溶液に、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(18.0mg、0.027mmol)、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(203mg、0.756mmol)および4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]-ジオキサボララン(dioxaboralane)(246mg、1.92mmol)をN雰囲気下で添加した。反応混合物を60℃に加熱し、不活性な雰囲気下で18時間撹拌した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。溶液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、5~30%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(TG-10b)(108mg、38%)を無色の油状物として得た。実測LCMS[M+H]=373.2。
【0296】
ステップ3:1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-10)の合成
DMF(2.0mL)/HO(0.50mL)中の1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(TG-10b)(108mg、0.291mmol)および4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール(89.3mg、0.429mmol)の混合物に、KPO(185mg、0.874mmol)およびcataCXium A-Pd-G3(10.6mg、0.015mmol)を添加した。反応物をNで2分間フラッシュし、密封し、80℃に加熱し、不活性な雰囲気下で16時間撹拌した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。溶液をHO(5mL)で希釈し、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(それぞれ15mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、0~7.5%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-10)(45.6mg、48%)を薄黄色のゴム状物として得た。LCMS [M+H] = 327.2実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.58 (br s,
1H), 7.26 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz,
2H), 4.75 (s, 2H), 4.51 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 2.14
(s, 3H), 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0297】
スキームTG-11による4-クロロ-1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-11)の調製。
【0298】
【化38】
【0299】
ステップ1:4-クロロ-1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-11)の合成
無水DMF(3.5mL)中の1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)(100mg、0.526mmol)の黄色の懸濁液に、NCS(105mg、0.788mmol)を添加した。反応物を室温で10時間撹拌した。反応物をHO(5mL)でクエンチし、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を真空下で濃縮し、粗製の残渣を分取薄層クロマトグラフィー(SiO、10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物4-クロロ-1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-11)(101mg、85%)をオレンジ色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 225.0実測値; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ =
8.31 (s, 1H), 7.69 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 4.25 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.90 (s, 3H),
2.24 (s, 3H), 1.32 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0300】
スキームTG-15による5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-15)の調製。
【0301】
【化39】
【0302】
ステップ1:1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-15a)の合成
THF(25mL)中の1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)(900mg、3.04mmol)の暗黄色の部分的に溶解した溶液に、NaH(鉱油60重量%)(364mg、9.11mmol)を0℃でN下で添加した。反応物を0℃で15分間を撹拌し、その時間中に、気体発生が観察され、暗黄色の懸濁液が形成した。この段階で、THF(2mL)中のヨードエタン(616mg、3.95mmol)の溶液を添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、その時点で、氷浴を取り外した。反応物を25℃に加温し、16時間撹拌した。反応物を氷水浴(0℃)内で冷却し、HO(20mL)の滴下添加によりクエンチした。反応混合物をEtOAcと共に分離漏斗に移し、相を分離した。水相を3ポーションのEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1ポーションのブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-15a)(858mg、87%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 325.1実測値; 1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.50 (s,
1H), 7.38 - 7.30 (m, 5H), 7.18 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 4.54 - 4.46 (m, 4H), 3.89
- 3.80 (m, 2H), 3.55 (t, J=6.0 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.24 - 2.16 (m, 2H), 1.39
(t, J=7.3 Hz, 3H).
【0303】
ステップ2:3-[5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]プロパン-1-オール(TG-15b)の合成
DCM(25mL)中の1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-15a)(859mg、2.65mmol)の黄色の溶液に、BCl(931mg、7.94mmol)を0℃で、N下で滴下添加した。得られた黄色の懸濁液を室温(22℃)に加温し、16時間撹拌した。反応物を氷水浴(0℃)内で冷却し、MeOH(5mL)でクエンチした。溶液を、NH/MeOH(7M)の添加によりpH約7に中和した。溶液を氷浴から取り出し、撹拌しながら30分かけて徐々に室温に加温した。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SIO、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物3-[5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]プロパン-1-オール(TG-15b)(180mg、29%)を黄色の固体として得た。実測LCMS[M+H]=235.2。
【0304】
ステップ3:5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-15)の合成
THF(2mL)中の3-[5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]プロパン-1-オール(TG-15b)(180mg、0.768mmol)の溶液に、NaH(鉱油60重量%)(76.8mg、1.92mmol)を0℃でN下で添加した。反応物を0℃で15分間撹拌し、その時間の間に、気体発生が観察され、暗黄色の懸濁液が形成した。この段階で、THF(1mL)中のヨードメタン(164mg、1.15mmol)の溶液を添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、その時点で、氷浴を取り外した。反応物を25℃に加温し、1時間撹拌した。反応物を氷水浴(0℃)内で冷却し、HO(15mL)の滴下添加によりクエンチした。反応混合物をEtOAcと共に分離漏斗に移し、相を分離した。水相を3ポーションのEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1ポーションのブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4g SiO、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-15)(148mg、77%)を茶色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 249.0実測値; 1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.65 (s,
1H), 7.23 (s, 1H), 6.27 (s, 1H), 4.47 (t, J=7.1 Hz, 2H), 4.07 (q, J=7.3 Hz,
2H), 3.41 (t, J=6.1 Hz, 2H), 3.31 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.14 (五重線, J=6.6 Hz, 2H), 1.54 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0305】
スキームTG-16による4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-16)の調製。
【0306】
【化40】
【0307】
ステップ1:tert-ブチル2-アリルヒドラジン-1-カルボキシレート(TG-16a)の合成
室温(15℃)のDMSO(150mL)中の臭化アリル(35.8mL、413mmol)およびtert-ブチルヒドラジンカルボキシレート(65.5g、496mmol)の溶液に、NEt(72.0mL、413mmol)を添加した。混合物を50℃に加熱し、15時間撹拌した。次いで、反応物をEtOAc(400mL)で希釈し、NaHCO水溶液でpH8~9に塩基性にした。相を分離し、水相をEtOAc(400mL)で抽出した。有機抽出物をブライン(100mL×2)、水(100mL)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(220g×2および80g SiOカラム、Combi-flash、0~30%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物tert-ブチル2-アリルヒドラジン-1-カルボキシレート(TG-16a)(31g、44%)を無色の油状物として得、それは放置すると固化した。1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.16 (br s, 1H), 5.71-5.83 (m, 1H), 5.14
(dq, J = 17.3, 1.7 Hz, 1H), 5.01-5.08 (m, 1H), 4.41-4.49 (m, J = 4.8 Hz, 1H),
3.27-3.32 (m, 2H), 1.38 (s, 9H).
【0308】
ステップ2:アリルヒドラジン(TG-16b)の合成
15℃のCHCl(100mL)中のtert-ブチル2-アリルヒドラジン-1-カルボキシレート(TG-16a)(28g、163mmol)の溶液に、ジオキサン中のHCl(224mL、894mmol、4M)を添加し、20時間、25~30℃で撹拌した。次いで、混合物に、MeOH(100mL)を添加し、25℃で4時間撹拌した。反応物を体積の3/4まで濃縮し、追加のMeOH(50mL)を、続いて、MeOH中のHCl(200mL、800mmol、4M)およびジオキサン中のHCl(100mL、400mmol、4M)を添加した。混合物を25~30℃でさらに20時間撹拌し、その後、真空下で濃縮して、標題化合物アリルヒドラジン(TG-16b)(24g、100%)を白色の固体として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 5.79-5.93 (m, 1H), 5.25-5.39 (m, 2H),
3.49-3.56 (m, 2H).
【0309】
ステップ3:1-アリル-2-(プロパン-2-イリデン)ヒドラジン(TG-16c)の合成
15℃のCHCl(331mL)中のアリルヒドラジン(TG-16b)(24.0g、165mmol)の溶液に、アセトン(14.0mL、190mmol)およびKCO(80.0g、579mmol)を添加した。反応物を20℃で20時間撹拌し、その後、混合物を濾過し、CHCl(300mL×2)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、標題化合物1-アリル-2-(プロパン-2-イリデン)ヒドラジン(TG-16c)(16.8g、90%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 5.92-6.04 (m,
1H), 5.09-5.24 (m, 2H), 4.45 (br s, 1H), 3.75-3.82 (m, 2H), 1.94 (s, 3H), 1.76
(s, 3H).
【0310】
ステップ4:1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボアルデヒド(TG-16d)の合成
0℃のDMF(100mL)を含有する反応容器に、POCl(37.1mL、406mmol)を滴下添加し、1時間撹拌した。混合物を-20~-30℃に冷却し、DMF(100mL)中の1-アリル-2-(プロパン-2-イリデン)ヒドラジン(TG-16c)(17.9g、159mmol)の溶液を滴下添加した。反応物を-15℃で1.5時間撹拌し、室温に加温し、次いで、5時間80℃に加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、氷水(200mL)にゆっくり注ぎ、30%NaOH水溶液(固体NaOH約70g)でpH9~10に塩基性にした。次いで、相を分離し、水相をCHCl(500mL×1、200mL×2)で抽出し、ブライン(300mL×3)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Combi-flash、4~45%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボアルデヒド(TG-16d)(19g、79%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.81 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 5.95-6.06 (m,
1H), 5.13-5.26 (m, 2H), 4.74 (dt, J = 5.9, 1.4 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H).
【0311】
ステップ5:1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-オール(TG-16f)の合成
10℃のCHCl(316mL)中の1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボアルデヒド(TG-16d)(19.0g、126mmol)の溶液に、3-クロロベンゾペルオキシ酸(25.7g、127mmol)を添加し、25~30℃で40時間撹拌した。次いで、反応物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Combi-flash、0~20%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、化合物1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イルホルメート(TG-16e)(21g)を黄色の半固体として得、これをさらに精製せずに使用した。実測LCMS[M+H]=167.0。15℃のMeOH(150mL)およびHO(20mL)中の1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-イルホルメート(TG-16e)(21g)の溶液に、NaHCO(12.7g、152mmol)を添加し、5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、MeOHで洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、10~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-オール(TG-16f)(11g、2ステップで63%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 138.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.02 (s, 1H),
5.90-6.01 (m, 1H), 5.14-5.26 (m, 2H), 4.51-4.59 (m, 2H), 2.19 (s, 3H).
【0312】
ステップ6:1-アリル-4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16g)の合成
15℃のDMF(186mL)中の1-アリル-3-メチル-1H-ピラゾール-4-オール(TG-16f)(11.1g、80.2mmol)およびKCO(16.6g、120mmol)の溶液に、臭化ベンジル(10.5mL、88.2mmol)を添加した。混合物を50℃に加熱し、20時間、撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却し、氷水(400mL)にゆっくり注ぎ、EtOAc(300mL)で希釈した。次いで、相を分離し、水相をEtOAc(200mL×2)で抽出し、水(200mL×2)、ブライン(200mL×2)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Combi-flash、0~40%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物1-アリル-4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16g)(14.6g、80%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 229.0実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.30-7.43 (m,
5H), 6.97 (s, 1H), 5.91-6.03 (m, 1H), 5.14-5.26 (m, 2H), 4.89 (s, 2H),
4.54-4.59 (m, 2H), 2.21 (s, 3H).
【0313】
ステップ7:4-(ベンジルオキシ)-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16i)の合成
0℃のTHF(110mL)中の1-アリル-4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16g)(4.40g、19.3mmol)の溶液にN下で、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(77.1mL、38.5mmol、THF中0.5M)を滴下添加した。混合物を20~30℃に加熱し、3時間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、NaOH水溶液(4.75mL、71.3mmol、6M)を、続いて、H(7.28mL、71.3mmol)を滴下添加した。混合物を0~15℃で30分間撹拌した。反応物を0~5℃に冷却し、NaSO水溶液(30g、HO150mL)でクエンチし、15分間撹拌した。次いで、相を分離し、水相をMTBE/EtOAc(100mL×2、1:1v/v)で抽出し、合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、10~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、化合物3-(4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(TG-16h)(5.30g)を黄色の油状物として得た。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.31-7.44 (m,
5H), 6.96 (s, 1H), 4.89 (s, 2H), 4.07-4.11 (m, 2H), 3.60 (q, J = 5.5 Hz, 2H),
2.91 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 2.19 (s, 3H), 1.97 (五重線, J = 6.0 Hz, 2H).0℃のCHCl(100mL)中の3-(4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(TG-16h)(5.30g)の溶液に、イミダゾール(2.20g、32.3mmol)およびtert-ブチルクロロジメチルシラン(3.57g、32.7mmol)を添加した。混合物を室温(15~25℃)に加温し、15時間撹拌した。次いで、反応物をHO(100mL)でクエンチし、CHCl(50mL)で希釈した。次いで、相を分離し、水相をCHCl(50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(80g SiO、Combi-flash、0~15%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物4-(ベンジルオキシ)-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16i)(5.2g、75%)を無色の油状物として得た。
【0314】
ステップ8:3-(4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(TG-16j)の合成
室温のTHF(15mL)中の4-(ベンジルオキシ)-1-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16i)(1.49g、4.13mmol)の溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(4.2mL、4.2mmol、THF中1.0M)を添加した。次いで、混合物を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、1:1のEtOAc:CHCl中0~5%MeOH)により精製して、標題化合物3-(4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(TG-16j)(974mg、96%)を黄色の油状物として得、それは放置すると固化した。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.30-7.44 (m,
5H), 6.96 (s, 1H), 4.89 (s, 2H), 4.06-4.14 (m, 2H), 3.60 (t, J = 5.7 Hz, 2H),
2.20 (s, 3H), 1.97 (五重線, J =
6.0 Hz, 2H).
【0315】
ステップ9:4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16k)の合成
0℃のTHF(13mL)中の3-(4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)プロパン-1-オール(TG-16j)(971mg、3.94mmol)の溶液に、NaH(190mg、4.70mmol)を添加した。混合物を20℃に加温し、15分間撹拌した。次いで、反応物に、THF(2mL)中のヨードメタン(655mg、4.62mmol)の溶液を滴下添加し、20℃で1時間撹拌した。反応物をHO(5mL)でクエンチし、相を分離した。水相をEtOAc(5mL×3)で抽出し、有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標題化合物4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16k)(1.03mg、101%)を黄色の油状物として得た。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.30-7.45 (m,
5H), 6.95 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 4.04 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.26-3.31 (m, 5H),
2.22 (s, 3H), 1.98-2.08 (m, 2H).
【0316】
ステップ10:4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-16)の合成
-65℃(内部温度)の無水THF(7.2mL)中の4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-16k)(373mg、1.43mmol)の溶液に、n-BuLi(1.5mL、3.8mmol、ヘキサン中2.5M)を滴下添加して、内部温度-60℃未満に維持し、混合物を1.5時間撹拌した。次いで、反応物に、ホウ酸トリイソプロピル(3.3mL、14mmol)を添加し、反応物を冷浴から取り出し、室温に徐々に加温し、16時間撹拌した。反応物をNHClの飽和水溶液(3mL)、続いて、HOでクエンチした。相を分離し、水相をEtOAc(8mL×3)で抽出し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、化合物(4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸(TG-16l)(529mg)を黄色のゴム状物として得、それをさらに精製せずに使用した。実測LCMS[M+H]=305.1。DMF(8mL)およびHO(2mL)中に(4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸(TG-16l)(529mg)、4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール(325mg、1.56mmol)、KPO(885mg、4.17mmol)、cataCXium A Pd G3(56mg、0.077mmol)を含有する反応容器にNを戻し充填し、80℃に加熱し、22時間撹拌した。次いで、反応物をHO(20mL)で希釈し、相を分離し、水相をEtOAc(20mL×4)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、0~21%EtOAc/Pet.エーテル、次いで、20%MeOH/EtOAc)により精製し、分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH 10:1)により再精製して、標題化合物4-(ベンジルオキシ)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-16)(31mg、2ステップで6.4%)を黄色のゴム状物として得た。LCMS [M+H] = 341.1実測値. 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.47 (s, 1H),
7.30-7.39 (m, 5H), 7.15 (s, 1H), 4.82 (s, 2H), 4.53 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.69
(s, 3H), 3.36 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 2.03-2.11 (m,
2H).
【0317】
スキームTG-17による4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(Int-TG-17)の調製。
【0318】
【化41】
【0319】
ステップ1:4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール(TG-17a)の合成
MeOH(10mL)およびTHF(10mL)中の4-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1-(プロパ-2-エン-1-イル)-1H-ピラゾール(TG-16g)(505mg、2.21mmol)、湿潤Pd/C(10%、230mg、0.22mmol)、NEt(1.0mL、7.2mmol)を含有する反応容器をH(15psi、バルーン)下で、20℃で、2時間撹拌した。次いで、反応物をセライトパッドで濾過し、濾液を真空下で濃縮して、3-メチル-1-(プロパ-2-エン-1-イル)-1H-ピラゾール-4-オールを灰色の油状物(378mg)として得、これをさらに精製せずに使用した。LCMS [M+H] = 140.8実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 6.99 (s, 1H),
3.88 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.79 (六重線, J = 7.3 Hz, 2H), 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H).DMF(5mL)中の3-メチル-1-(プロパ-2-エン-1-イル)-1H-ピラゾール-4-オール(378mg)および1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(390mg、2.49mmol)の溶液に、KCO(342mg、2.48mmol)を添加し、20℃で17時間撹拌した。次いで、反応物を30分間、50℃に加熱し、その後、HO(20mL)で希釈した。相を分離し、水相をEtOAc(20mL×4)で抽出した。有機抽出物をブライン(20mL×3)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g SiO、Combi-flash、0~80%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(12g SiO、Combi-flash、0~60%EtOAc/Pet.エーテル)により再精製して、標題化合物4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール(TG-17a)(419mg、2ステップで73%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 260.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.29-7.35 (m,
2H), 6.88-6.96 (m, 3H), 4.81 (s, 2H), 3.89 (t, J=7.1 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H),
2.18 (s, 3H), 1.80 (六重線, J=7.3
Hz, 2H), 0.89 (t, J=7.4 Hz, 3H).
【0320】
ステップ2:{4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル}ボロン酸(TG-17b)の合成
-65℃(内部温度)の無水THF(6.0mL)中の4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール(TG-17a)(337mg、1.29mmol)の溶液に、n-BuLi(1.4mL、3.5mmol、ヘキサン中2.5M)を滴下添加して、内部温度を-60℃未満に維持し、混合物を1.5時間撹拌した。次いで、反応物に、ホウ酸トリイソプロピル(3.0mL、13mmol)を添加し、反応物を冷浴から取り出し、室温に徐々に加温し、16時間撹拌した。反応物をHO(5mL)でクエンチし、相を分離し、水相をEtOAc(5mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、{4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル}ボロン酸(TG-17b)(564mg)をオフホワイト色の油性固体として得、これをさらに精製せずに使用した。実測LCMS[M+H]=305.0。
【0321】
ステップ3:4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(Int-TG-17)の合成
1,4-ジオキサン(8.8mL)およびHO(2.2mL)中の{4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル}ボロン酸(TG-17b)(564mg)、4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール(299mg、1.44mmol)、KPO(834mg、3.93mmol)、cataCXium A Pd G3(95mg、0.13mmol)を含有する反応容器にNを戻し充填し、80℃に加熱し、22時間撹拌した。次いで、反応物をHO(20mL)で希釈し、相を分離し、水相をEtOAc(20mL×4)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×2)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製の残渣を分取薄層クロマトグラフィー(SiO、EtOAc:MeOH 20:1)により精製して、不純な化合物4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(Int-TG-17)(268mg)を黄色のゴム状物として得、それをさらに精製せずに使用した。LCMS [M+H] = 341.1実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.48 (s, 1H),
7.23-7.26 (m, 2H), 7.12-7.16 (m, 1H), 6.85-6.89 (m, 2H), 4.74 (s, 2H),
4.39-4.43 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.77-1.85 (m, 2H),
0.86 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【0322】
スキームTG-18によるエチル1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(Int-TG-18)の調製
【0323】
【化42】
【0324】
ステップ1:エチル1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(Int-TG-18)の合成
MeCN(150mL)中のエチル1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(13.0g、71.3mmol)の溶液に、Selectfluor(75.8g、214mmol)を添加し、90℃に加熱し、14時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~5%EtOAc/Pet.エーテル)により精製し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0~5%EtOAc/Pet.エーテル)により再精製して、エチル1-エチル-4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(Int-TG-18)(11.5g、80%)を無色の油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。LCMS [M+H] = 201.0実測値. 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 4.35-4.50 (m,
4H), 2.24 (s, 3H), 1.37-1.43 (m, 6H).
【0325】
下の表内の中間体を、1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)を合成するためのスキームTG-3のステップ2~4で使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0326】
【表7】
【0327】
スキームTG-20による1-エチル-4-ヨード-1H-イミダゾール(Int-TG-20)の調製
【0328】
【化43】
【0329】
ステップ1:1-エチル-4,5-ジヨード-1H-イミダゾール(TG-20b)の合成
0℃のTHF(8.0mL)中の4,5-ジヨード-1H-イミダゾール(TG-20a)(1.00g、3.13mmol)の溶液に、NaH(138mg、3.44mmol、鉱油中60%)を少量ずつ添加した。混合物を20℃に加温し、1時間撹拌した。次いで、反応物に臭化エチル(1.56mL、20.9mmol)を添加し、18時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(10mL)に入れ、濾過し、真空下で濃縮した。次いで、残渣をEtOAc:pet.エーテル(1:1、10mL)中で、室温で15分間摩砕し、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物1-エチル-4,5-ジヨード-1H-イミダゾール(TG-20b)(690mg、63%)を無色の固体として得た。LCMS [M+H] = 348.8実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.65 (s, 1H),
4.03 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.42 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
【0330】
ステップ2:1-エチル-4-ヨード-1H-イミダゾール(Int-TG-20)の合成
0℃のTHF(7.0mL)中の1-エチル-4,5-ジヨード-1H-イミダゾール(TG-20b)(690mg、1.98mmol)の溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム(0.992mL、1.98mmol、THF中2.0M)を滴下添加した。混合物を0℃で撹拌し、20分間撹拌した。次いで、反応物にHO(0.5mL)を添加し、20℃に加温し、1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(5mL)に入れ、濾過した。濾液をブライン(10mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(12g SiO、Combi-flash、0~30%MeOH/CHCl)により精製して、標題化合物1-エチル-4-ヨード-1H-イミダゾール(Int-TG-20)(300mg、68%)を無色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 222.9実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.55 (s, 1H),
7.04 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 4.02 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 1.47 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【0331】
下の表内の中間体を、1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-10)を合成するためのスキームTG-10のステップ3で使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0332】
【表8】
【0333】
スキームTG-23による3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(Int-TG-23)の調製
【0334】
【化44】
【0335】
ステップ1:5-ブロモ-3-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c)および3-ブロモ-5-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c’)の合成
ジオキサン(37.5mL)中の5-ブロモ-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-23a)(1500mg、9.317mmol)および(オキセタン-3-イル)メタノール(TG-23b)(1.5mL、19mmol)の溶液に、(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(4500mg、18.6mmol)を室温(19℃)で添加した。茶色の溶液を室温(19℃)で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質がまだ残留していることを示した。この段階で、追加のアリコットの(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(1000mg、4.143mmol)および(オキセタン-3-イル)メタノール(TG-23b)(334μL、4.15mmol)を添加し、反応物を室温(20℃)で19時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、分離漏斗に移した。溶液を3ポーションのブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を逆相分取HPLC(YMC Triart C18 250×50mm×7umカラム、11~51%MeCN/水(0.05%NHOH v/v)、60mL/分)により精製した。生成物含有画分を収集し、2ポーションのEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物5-ブロモ-3-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c)および3-ブロモ-5-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c’)(1.71g、約3:2のr.r.、79%)を黄色の油状物として得た。TG-23c(主生成物)1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 6.06 (s, 1H), 4.82 (br d, J = 4.9 Hz, 2H), 4.57 (t, J = 6.2 Hz,
2H), 4.39 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 3.60 - 3.46 (m, 1H), 2.23 (s, 3H).TG-23c’(副生成物)1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 6.02 (s,
1H), 4.87 - 4.77 (m, 2H), 4.49 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 4.29 (d, J = 7.5 Hz, 2H),
3.61 - 3.43 (m, 1H), 2.29 (s, 3H).位置異性体生成物の混合物(1588mg)を分取SFCによりさらに精製して、所望の主位置異性体5-ブロモ-3-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c)(950mg)を黄色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 6.07 (s, 1H), 4.81 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.79 (d, J = 6.5 Hz, 1H),
4.57 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 4.39 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 3.62 - 3.43 (m, 1H), 2.23
(s, 3H).
【0336】
ステップ2:3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(Int-TG-23)の合成
トルエン(9mL)中の5-ブロモ-3-メチル-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(TG-23c)(325mg、1.41mmol)の溶液に、1-メチル-4-(トリブチルスタニル)-1H-イミダゾール(TG-23d)(650mg、1.4mmol)およびPd(PPh(325mg、0.281mmol)を室温(20℃)で添加した。添加の後に、反応混合物を100℃で、N下で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Isco、0~5%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(Int-TG-23)(199mg、61%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 233.2実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.50 (s, 1H),
7.05 (s, 1H), 6.09 (s, 1H), 4.83 - 4.69 (m, 4H), 4.55 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.74
(s, 3H), 3.65 - 3.51 (m, 1H), 2.25 (s, 3H).
【0337】
下の表内の中間体を、3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-[(オキセタン-3-イル)メチル]-1H-ピラゾール(Int-TG-23)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0338】
【表9】
【0339】
スキームTG-25による1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-25)の調製
【0340】
【化45】
【0341】
ステップ1:1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-25c)の合成
CHCl(40mL)中の3-メチル-1H-ピラゾール(TG-25a)(5.00g、60.9mmol)および1-ブロモ-3-メトキシプロパン(TG-25b)(18.6g、122mmol)の溶液に、CsCO(29.3g、89.9mmol)を添加した。反応物を還流加熱し、14時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濾過ケーキをCHCl(60mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。残留1-ブロモ-3-メトキシプロパン(TG-25b)を蒸留(約0.1MPa、33~36℃)により除去し、残りの粗製の1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-25c)および1-(3-メトキシプロピル)-5-メチル-1H-ピラゾール(TG-25c’)(7.50g)を約3:2の位置異性体混合物として単離し、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=155.1。
【0342】
ステップ2:カリウムトリフルオロ[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]ボレート(TG-25d)の合成
0℃のTHF(43mL)中の1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(TG-25c)および1-(3-メトキシプロピル)-5-メチル-1H-ピラゾール(TG-25c’)(1.65g)の溶液に、n-BuLi(7.4mL、18mmol、ヘキサン中2.5M)を滴下添加した。反応物を10分間撹拌し、その後、2時間、室温に加温した。次いで、反応物を0℃に冷却し、ホウ酸トリイソプロピル(9.9mL、43mmol)を滴下添加した。添加の完了後に、反応物を室温に加温し、2時間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、続いて、KHF(3.35g、42.9mmol)およびHO(3mL)を添加した。反応物を60℃(内部温度=45℃)に加温し、2時間撹拌した。次いで、追加のKHF(2.51g、32.1mmol)およびHO(3mL)を添加し、反応物を80℃(内部温度=60℃)で1時間撹拌した。次いで、粗製物をデカンテーションし、真空下で濃縮して、化合物カリウムトリフルオロ[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]ボレート(TG-25d)(2.20g)を茶色の油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。
【0343】
ステップ3:1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-25)の合成
カリウムトリフルオロ[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]ボレート(TG-25d)(2.20g)、4-ヨード-1-メチル-1H-イミダゾール(1.35g、6.49mmol)、KPO(4.09g、19.3mmol)、cataCXium A-Pd-G3(237mg、0.326mmol)、HO(6.0mL)、および1,4-ジオキサン(30mL)を含有する反応容器に、Nを戻し充填し、80℃(内部温度)で13時間撹拌した。反応物を濾過し、相を分離し、水相をEtOAc(6mL×3)で抽出した。合わせた有機相に、ブライン(20mL)および水(20mL)を添加し、相を分離し、水相をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、0~100%EtOAc/pet.エーテル、次いで、0~20%MeOH/EtOAc)により精製して、標題化合物1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-25)(498mg、3ステップで26%)を茶色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 235.4実測値; 1H NMR (メタノール-d4) δ:
7.73 (s, 1H), 7.41 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 4.37 (t, J = 7.1 Hz, 2H),
3.81 (s, 3H), 3.32-3.36 (m, 2H), 3.26 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 1.97-2.05 (m, 2H).
【0344】
スキームTG-27による[5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(Int-TG-27)の調製
【0345】
【化46】
【0346】
ステップ1:メチル1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-27b)の合成
MeCN(30mL)中のエチル3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-3a)(3.00g、19.5mmol)および2-ブロモアセトニトリル(2.80g、2.34mmol)の溶液に、KCO(5.38g、38.9mmol)を添加し、85℃に加熱し、5時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、0~30%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物メチル1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-27b)(1.75g、46%)をオフホワイト色の固体として得た。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 6.71 (s, 1H),
5.45 (s, 2H), 4.38 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.39 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
【0347】
ステップ2:1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27c)の合成
0℃のTHF(37mL)およびHO(9.25mL)中のメチル1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(TG-27b)(1.85g、9.57mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(442mg、10.5mmol)を添加し、4時間撹拌した。次いで、混合物をHCl水溶液(1N)でpH1に酸性化し、相を分離し、水相をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物を1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27c)(1.55g、98%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 166.0実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 6.73 (s, 1H), 5.60 (s, 2H), 2.20 (s, 4H).
【0348】
ステップ3:1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27d)の合成
無水DMF(23mL)中の1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27c)(1.38g、8.36mmol)およびO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(978mg、10.0mmol)の溶液に、HATU(4.77g、12.5mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、反応物に、N-N-ジイソプロピルエチルアミン(2.98mL、16.7mmol)を添加し、反応物を16時間撹拌した。反応物をHO(20mL)で希釈し、相を分離し、水相をCHCl(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNHClの飽和水溶液(20mL×3)、NaCOの飽和水溶液(20mL×3)、ブライン(20mL×3)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、12.5~75%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27d)(1.91g、3つのバッチを合わせて94%)を、多少の不純物を含有する黄色の固体として得た。この物質をさらに精製せずに使用した。LCMS [M+H] = 209.1実測値. 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 6.70 (s, 1H),
5.47 (s, 2H), 3.71 (s, 3H), 2.31 (s, 3H).
【0349】
ステップ4:(5-ホルミル-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル(TG-27e)の合成
下で-10℃の無水THF(76.8mL)中の1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(TG-27d)(1.60g、7.68mmol)の溶液に、水素化ジブチルアルミニウム(15.4mL、15.4mmol、1M)を滴下添加して、内部温度を-5℃未満に維持した。反応物を-5℃で2時間撹拌し、その後、NHClの飽和水溶液(50mL)でクエンチし、セライトで処理し、室温で15分間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(20mL×5)で洗浄した。相を分離し、水相をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、5~30%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物(5-ホルミル-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル(TG-27e)(465mg、41%)を黄色の固体として得た。1H NMR (クロロホルム-d) δ: 9.81 (s, 1H),
6.78 (s, 1H), 5.43 (s, 2H), 2.34 (s, 3H).
【0350】
ステップ5:N-{(E)-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]メチリデン}-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(TG-27f)の合成
無水THF(7.7mL)中の(5-ホルミル-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)アセトニトリル(TG-27e)(385mg、2.58mmol)の溶液に、2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(375mg、3.10mmol)およびテトラエトキシチタン(1.18g、5.16mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、その後、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、10~50%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物N-{(E)-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]メチリデン}-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(TG-27f)(607mg、93%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS [M+H] = 253.8実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.52 (s, 1H),
6.60 (s, 1H), 5.62 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.33 (s,
3H), 1.31 (s, 9H).
【0351】
ステップ6:[5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(Int-TG-27)の合成
-5℃のMeOH(6.8mL)中のN-{(E)-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]メチリデン}-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(TG-27f)(540mg、2.14mmol)の溶液に、1-((イソシアノメチル)スルホニル)-4-メチルベンゼン(460mg、2.35mmol)およびKCO(355mg、2.57mmol)を添加し、30分間撹拌した。反応物をNHClの飽和水溶液(10mL)でクエンチし、相を分離し、水相をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、0~7%MeOH/EtOAc)により精製して、標題化合物[5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(Int-TG-27)(78mg、19%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS [M+H] = 188.0実測値; 1H NMR (メタノール-d4) δ:
7.81 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.33 (s, 1H), 5.55 (s, 2H), 2.26 (s, 3H).
【0352】
実施例の調製:
スキームAによる4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIA01)の調製。
【0353】
【化47】
【0354】
ステップ1:1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)の合成
無水MeCN(8.0mL)中の1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)(790mg、2.9mmol)およびKCO(1.21g、8.74mmol)の黄色の混合物に、MeI(455mg、3.21mmol)を滴下添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、50%EtOAc/DCM)により精製して、ホルムアミドで汚染された所望の生成物を得た。生成物を分取薄層クロマトグラフィー(10%MeOH/DCM)により再精製して、標題化合物 1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)(869mg、55%)を黄色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 191.3実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 7.49 (d, J =
0.7 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 6.13 (s, 1H), 4.45 (q, J = 7.2 Hz, 2H),
3.74 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 1.43 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0355】
ステップ2:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(A-2)の合成
反応容器に、1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)(660mg、3.47mmol)、4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(2.10g、5.17mmol)、Pd(OAc)(236mg、1.09mmol)、CuI(200mg、1.05mmol)、PPh(273mg、1.04mmol)、CsCO(3401.7mg、10.440mmol)、PivOH(385mg、3.77mmol)、およびPhMe(26mL)を装入した。溶液をNで2分間フラッシュし、密封し、27時間、110℃に加熱した。LCMS分析は、出発物質の不完全な変換を示したので、追加のアリコットのPd(OAc)(124mg、0.551mmol)、CuI(101mg、0.529mmol)、PPh(139mg、0.529mmol)、CsCO(1.14g、3.51mmol)、およびPivOH(184mg、1.80mmol)を添加した。反応混合物を再び、Nで2分間フラッシュし、密封し、19時間、110℃に加熱した。反応物をセライトのパッドを通して濾過し、濾過ケーキをDCM(20mL)で、次いで、3ポーションのDCM/MeOH(10:1、それぞれ10mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Isco、0~100%EtOAc/Pet.エーテル、次いで、10%MeOH/EtOAc)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(A-2)(1.15g、65%)を、多少の残留(A-1)出発物質を含有する黄色のゴム状物として得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=515.1。
【0356】
ステップ3:4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIA01)の合成
N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(A-2)(1.15g、1.60mmol)を含有する反応容器に、HFIP(10mL)を添加し、続いて、MsOH(1.50g、15.6mmol)を滴下添加した。反応物を室温で1時間撹拌したが、これは、暗赤色の溶液が徐々に形成することを伴った。反応物を真空下で濃縮し、残渣をDCM(8mL)に溶解した。溶液を7M NH/MeOHで中和して、pHを約8に調節すると、これは固体の沈殿をもたらした。懸濁液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をDCM(20mL)および水(20mL)で希釈した。溶解しなかった固体を、この段階で濾別した。濾液を分離漏斗に移し、相を分離した。水相を3ポーションのDCM(それぞれ10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH/NHOH、20:1:0.1)により精製して、多少の残留物(A-1)で汚染された所望の生成物を得た。こうして得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、Isco、DCM/MeOH、10:1)によるさらなる精製に掛けて、所望の生成物を得たが、これはまだ残留物(A-1)を含有した。こうして得られたベージュ色の固体をDMSOで希釈し、濾過した。濾液を分取HPLC(Boston Prime C18 150×30mm×5umカラム、0.05%NHOHを含む27~57%MeCN/HO、25mL/分)によりさらに精製して、標題化合物4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIA01)(114mg、20%)をふわふわした白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 365.3実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.73 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 8.35 (d, J =
0.6 Hz, 1H), 7.94 (br s, 1H), 7.90 (br s, 1H), 7.86 (s, 1H), 6.32 (s, 1H), 4.55
(q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.24 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.40 (t, J = 7.1
Hz, 3H).
【0357】
下の表内の実施例を、4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIA01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0358】
【表10-1】
【0359】
【表10-2】
【0360】
スキームBによる4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIB01)の調製。
【0361】
【化48】
【0362】
ステップ1:5-(1-シクロプロピル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール(B-1)の合成
1-エチル-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-1)(106mg、0.430mmol)を含有する反応容器に、2,2’-ビピリジル(64.3mg、0.412mmol)、Cu(OAc)(73.3mg、0.404mmol)、シクロプロピルボロン酸(103.6mg、1.21mmol)、NaCO(134.3mg、1.27mmol)およびDCE(1.2mL)を添加した。反応物を70℃に加熱し、3時間撹拌した。反応物を加熱から外し、室温に冷却した。溶液を水(10mL)で希釈し、DCM(10mL)と共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのDCM(それぞれ10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を2ポーションの飽和NHCl水溶液(それぞれ10mL)、1ポーションのブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取薄層クロマトグラフィー(SiO、DCM/MeOH 10:1)により精製して、標題化合物5-(1-シクロプロピル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール(B-1)(45.3mg)を、少量の不純物を含有する暗茶色油状物として得た。物質をさらに精製せずに次で使用した。実測LCMS[M+H]=216.8。
【0363】
ステップ2:4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(B-2)の合成
5-(1-シクロプロピル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール(B-1)(111mg、0.293mmol)を含有する反応容器に、4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(175.4mg、0.433mmol)、Pd(OAc)(6.6mg、0.029mmol)、CuI(キサントホス)(67.1mg、0.087mmol)、dppf(8.8mg、0.016mmol)、CsCO(285mg、0.876mmol)およびPhMe(2.7mL)を添加した。容器をNで5サイクルでパージした。反応混合物を110℃に加熱し、15時間撹拌した。LCMS分析は、この段階で、出発物質が消費されなかったことを示した。追加のアリコットのPd(OAc)(7.8mg、0.035mmol)、4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(60.5mg、0.149mmol)、dppf(10.2mg、0.018mmol)を添加し、反応物を8時間、110℃に加熱した。反応物を加熱から外し、徐々に室温に冷却した。溶液をDCM(10mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾過ケーキを3ポーションのDCM(それぞれ5mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取薄層クロマトグラフィー(SiO、100%EtOAc)により精製して、少量の不純物で汚染された所望の生成物を得た。物質を分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH 10:1)により再精製して、標題化合物4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(B-2)(109mg)を得たが、これは少量の残留物(B-1)を含有した。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=541.2。
【0364】
ステップ3:4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(AIB01)の合成
HFIP(2.0mL)中の4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(B-2)(109mg、0.12mmol)の黄色の溶液に、MsOH(118mg、1.23mmol)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌したが、これは、暗紫色の溶液が徐々に形成することを伴った。溶液を真空下で濃縮し、DCM(それぞれ5mL)と3回、同時蒸発させた。粗製の残渣をDMSOおよびMeOHに懸濁し、続いて、濾過した。濾液を分取HPLC(Boston Prime C18 150×30mm×5umカラム、0.05%NHOHを含む28~58%MeCN/HO、25mL/分)により精製して、標題化合物4-[1-シクロプロピル-4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(AIB01)(10mg、22%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 391.2実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.67 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H),
7.98 (br s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.84 (br d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.35 (s, 1H), 4.55
(q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.48 - 4.40 (m, 1H), 4.19 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 1.39 (t,
J = 7.1 Hz, 3H), 1.08 - 1.00 (m, 2H), 1.00 - 0.93 (m, 2H).
【0365】
スキームCによる1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIC01)の調製。
【0366】
【化49】
【0367】
ステップ1:6-クロロ-1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(C-1)の合成
1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)(196mg、1.03mmol)を含有する反応容器に、THF(5mL)を添加した。溶液をドライアイス/AcMe浴内で-78℃に冷却した。溶液に、n-BuLi(505μL、1.26mmol)を不活性な雰囲気下で滴下添加した。添加の後に、反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。次いで、ZnCl(1.4mL、380mg、2.8mmol)を-78℃で添加し、次いで、氷浴を取り外して、反応物を室温に徐々に加温した。この段階で、4,6-ジクロロ-1-エチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-2)(235mg、1.09mmol)およびPd(PPh(255mg、0.221mmol)を添加し、混合物を60℃に加熱し、不活性な雰囲気下で14時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Isco、100%DCMから1%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物6-クロロ-1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(C-1)(115mg、30%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 370.1実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 8.86 (s,
1H), 7.29 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.67 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.41
(q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.28 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 1.55 (t, J = 7.2 Hz, 6H).
【0368】
ステップ2:1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(C-2)の合成
6-クロロ-1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(C-1)(115mg、0.310mmol)を含有する反応容器に、DMA(5mL)、Zn(CN)(50.0mg、0.426mmol)、Zn粉末(14.4mg、0.220mmol)および(t-BuP)Pd(32.7mg、0.064mmol)を添加した。反応溶液をNで2分間フラッシュし、密封し、120℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。溶液をセライトのパッドで濾過し、濾過ケーキを2ポーションのEtOAc(それぞれ5mL)および2ポーションのHO(それぞれ3mL)で洗浄した。濾液を分離漏斗に移し、相を分離した。水相を3ポーションのEtOAc(5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(それぞれ10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(C-2)(143mg)を得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=361.1。
【0369】
ステップ3:1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIC01)の合成
1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(C-2)(143mg、0.311mmol)を含有する反応容器に、DMSO(2.7mL)、MeOH(5.5mL)、H(243μL、3.11mmol)およびNaOH(HO中2M、777μL、1.55mmol)を添加した。反応物を25℃で16時間撹拌し、次いで、飽和NaSO水溶液(2mL)でクエンチした。溶液を真空下で濃縮し、DMSO懸濁液を濾過した。濾液を分取HPLC(Waters Xbridge BEH C18 100×25mm×5umカラム、21~61%MeCN/HO、25mL/分)により精製して、少量の不純物を含有する所望の生成物を得た。物質をMTBE(2mL)での摩砕によりさらに精製し、室温で10分間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケーキをMTBE(1mL)で洗浄した。固体を収集し、真空下で乾燥して、標題化合物1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIC01)(37mg、31%)を淡黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 379.4実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.75 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.94 (br s,
1H), 7.89 (br s, 1H), 7.85 (s, 1H), 6.30 (s, 1H), 4.60 (q, J = 7.3 Hz, 2H),
4.55 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.24 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.45 (t, J = 7.1 Hz, 3H),
1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0370】
下の表内の実施例を、1-エチル-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIC01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0371】
【表11-1】
【0372】
【表11-2】
【0373】
スキームDによる4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AID01)の調製。
【0374】
【化50】
【0375】
ステップ1:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(D-1)の合成
2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-1,4’-ビイミダゾール(Int-TG-2)(135mg、0.710mmol)を含有する反応容器に、無水THF(5.0mL)を添加し、溶液をドライアイス/AcMe浴内で-78℃に冷却した。溶液に、n-BuLi(0.6mL、1.50mmol)を-78℃で不活性な雰囲気下で滴下添加した。得られた混合物を-78℃で2時間撹拌した。この段階で、ZnCl(Me-THF中2M、0.88mL、1.8mmol)を-78℃で滴下で添加し、反応物を10分間、撹拌し、その時点で、ドライアイス/AcMe浴を取り外して、溶液を30分かけて徐々に室温に加温した。次いで、容器に4-ブロモ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(317mg、0.782mmol)およびPd(PPh(82.0mg、0.071mmol)を装入した。得られた茶色の懸濁液をNで2分間フラッシュし、密封し、撹拌しながら、18時間、80℃で加熱した。反応容器を加熱から外し、徐々に室温に冷却した。溶液をDCM/MeOH(10:1)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、2.5~15%MeOH/DCM)により精製して、少量の不純物で汚染された所望の生成物を得た。この物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、50~100%EtOAc/Pet.エーテル)により再精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(D-1)(162mg、44%)を、少量の不純物を含有する黄色の固体として得た。物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=515.4。
【0376】
ステップ2:4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AID01)の合成
N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(D-1)(160mg、0.311mmol)を含有する反応容器に、HFIP(3mL)およびMsOH(299mg、3.11mmol)を添加した。得られた茶色-赤色の溶液を室温で2時間撹拌すると、紫色の溶液が徐々に形成した。溶液をDCM(20mL)で希釈し、pHをNH(MeOH中7M溶液)の添加により調節して、pH=約8を達成し、続いて、真空下で濃縮した。粗製の固体を撹拌しながら5分間DCM/MeOH(10:1、5mL)で摩砕し、濾過し、固体を3ポーションのDCM/MeOH(それぞれ10:1、2mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、粗製の残渣を分取HPLC(YMC Triart C18 250×50mm×7umカラム、0.05%NHOHを含む16~56%MeCN/HO、60mL/分)により精製して、標題化合物4-(2-エチル-1’,4-ジメチル-1’H-[1,4’-ビイミダゾール]-2’-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AID01)(68mg、61%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 365.1実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.71 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.94 (br s,
1H), 7.88 (br s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.24 (s, 3H), 4.18 (s, 3H),
2.84 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.24 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
【0377】
スキームEによる4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIE01)の調製。
【0378】
【化51】
【0379】
ステップ1:1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(E-1)の合成
1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-3)(4.40g、14.9mmol)を含有する反応容器に、THF(140mL)を添加した。溶液を氷水浴内で0℃に冷却し、続いて、NaH(60重量%鉱油、831mg、20.8mmol)を少量ずつ添加した。反応物を0℃で15分間撹拌すると、暗黄色の懸濁液が形成した。溶液に、MeI(3.08g、21.7mmol)を添加し、反応物を0℃で30分間撹拌し、その時点で、氷浴を取り外した。反応物を1時間かけて徐々に室温に加温した。反応物を水(50mL)を慎重に添加することによりクエンチし、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(それぞれ100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣(3.5g)を別のバッチからの粗材料(1.16g)と合わせ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Biotage、0~10%MeOH/EtOAc)により精製して、少量の不純物で汚染された所望の生成物を得た。物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Combi-flash、0~10%MeOH/EtOAc)により再精製して、標題化合物1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(E-1)(2.82g、52%)を茶色の油状物として得た。LCMS [M+H] = 311.0実測値; 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.66 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.37 - 7.24
(m, 6H), 6.12 (s, 1H), 4.43 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.40 (s, 2H), 3.63 (s, 3H),
3.41 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.03 - 1.95 (m, 2H).
【0380】
ステップ2:4-(4-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-2)の合成
1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(E-1)(1.08g、3.48mmol)を含有する反応容器に、4-ブロモ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(2.82g、6.96mmol)、PhMe(36mL)、CsCO(3.40g、10.4mmol)、Pd(OAc)(391mg、1.74mmol)、PPh(456mg、1.74mmol)、CuI(331mg、1.74mmol)およびPivOH(711mg、6.96mmol)を添加した。得られた混合物をNで3サイクルで脱気し、密封し、撹拌しながら18時間、130℃に加熱した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。溶液をDCM/MeOH(10:1、30mL)で希釈し、セライトを通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(120g SiO、Combi-flash、20~100%EtOAc/Pet.エーテル)により精製して、標題化合物4-(4-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-2)(1.10g、49%)を、いくつかの少量の不純物で汚染された薄黄色の固体として得た。この物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=635.5。
【0381】
ステップ3:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-3)の合成
4-(4-{1-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-2)(1.10g、1.73mmol)を含有する反応容器に、DCM(26mL)を添加し、溶液を氷水浴内で0℃に冷却した。溶液に、BCl(DCM中1M、5.2mL、5.20mmol)を0℃で滴下添加した。氷浴を取り外し、反応物を撹拌しながら21時間、徐々に室温に加温した。溶液を氷水浴内で0℃に冷却し、MeOH(12mL)で慎重にクエンチした。溶液のpHを、NH(MeOH中7M溶液)でpH=約8に調節し、30分間撹拌すると、薄黄色の懸濁液の形成が生じた。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-3)(680mg、72%)をオフホワイト色の固体として得た。実測LCMS[M+H]=545.4。
【0382】
ステップ4:4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIE01)の合成
N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-3)(680mg、1.25mmol)を含有する反応容器に、HFIP(12.5mL)およびMsOH(1.20g、12.5mmol)を添加した。反応物を室温で2.5時間撹拌し、その時点で、暗紫色の溶液が形成した。溶液を真空下で濃縮し、DCM/MeOH(10:1、30mL)で希釈した。次いで、溶液のpHをNH(MeOH中7M溶液)でpH=約8に調節すると、これは、固体の沈殿をもたらした。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを4ポーションのDCM/MeOH(10:1、それぞれ5mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、0~10%MeOH/DCM)により精製した。所望の生成物を含有する画分を収集し、濃縮し、さらに凍結乾燥して、標題化合物4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIE01)(400mg、82%)を薄黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 395.3実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.77 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.35 (d, J =
0.9 Hz, 1H), 7.94 (br s, 1H), 7.87 (br s, 1H), 7.85 (s, 1H), 6.32 (s, 1H), 4.65
- 4.53 (m, 3H), 4.23 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 3.45 (q, J = 6.1 Hz, 2H), 2.18 (s,
3H), 1.97 (五重線, J = 6.7 Hz, 2H).
【0383】
下の表内の実施例を、スキームEにより4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIE01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0384】
【表12-1】
【0385】
【表12-2】
【0386】
スキームFによる1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)の調製。
【0387】
【化52】
【0388】
ステップ1:3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(F-1)の合成
5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール(Int-TG-4)(417mg、1.33mmol)を含有する反応容器に、KCO(461mg、3.34mmol)、MeCN(10mL)を添加した。溶液に、MeI(91.4μL、1.47mmol)を滴下添加し、得られた黄色の懸濁液を25℃で16時間撹拌した。溶液をHO(10mL)で希釈し、EtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を2ポーションのEtOAc(それぞれ10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を真空下で濃縮し、粗製の残渣を分取TLC(SiO2、10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(F-1)(233mg、63%)を、少量の不純物で汚染された黄色の油状物として得た。この物質をさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=205.0。
【0389】
ステップ2:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(F-2)の合成
4-ブロモ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(553mg、1.36mmol)を含有する反応容器に、PhMe(7mL)中の3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-プロピル-1H-ピラゾール(F-1)(233mg、0.91mmol)、CsCO(874mg、2.68mmol)、PivOH(94.3mg、0.923mmol)、PPh(59.2mg、0.226mmol)、CuI(34.3mg、0.180mmol)、およびPd(OAc)(53.1mg、0.237mmol)を添加した。得られた混合物をNで、0.5分間フラッシュし、密封し、110℃に加熱し、16時間、撹拌した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを2ポーションのDCM(それぞれ10mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、Isco、0~3%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(F-2)(435mg、90%)を、少量の不純物で汚染された黄色の油状物として得た。この物質を次のステップでさらに精製せずに使用した。実測LCMS[M+H]=529.3。
【0390】
ステップ3:1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)の合成
N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(F-2)(435mg、0.51mmol)を含有する反応容器に、HFIP(6mL)およびMsOH(490mg、5.10mmol)を添加した。反応物を25℃で、1時間撹拌し、その間に、溶液は徐々に紫色になった。溶液を真空下で濃縮し、分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 80×40mm×3umカラム、0.05%NHOHを含む22~62% MeCN/HO、25mL/分)により精製した。生成物含有画分を凍結乾燥して、標題化合物1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)(86mg、38%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 379.0実測値; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.73 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.93 (br s,
1H), 7.88 (br s, 1H), 7.84 (s, 1H), 6.31 (s, 1H), 4.50 (t, J = 7.3 Hz, 2H),
4.24 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.84 (六重線, J = 7.3 Hz, 2H), 0.89 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
【0391】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0392】
【表13-1】
【0393】
【表13-2】
【0394】
【表13-3】
【0395】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するためにステップ2~3で使用された方法に従って、出発物質として1-エチル-4-[(4-メトキシフェニル)メトキシ]-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-10)を使用して、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0396】
【表14】
【0397】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するためにステップ2~3で使用された方法に従って、出発物質として4-クロロ-1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-11)を使用して、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0398】
【表15】
【0399】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するため使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0400】
【表16】
【0401】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するためにステップ2~3で使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0402】
【表17】
【0403】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0404】
【表18】
【0405】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するためにステップ2~3で使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0406】
【表19】
【0407】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-プロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIF01)を合成するために使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0408】
【表20】
【0409】
スキームGによる4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(実施例AIG01)の調製
【0410】
【化53】
【0411】
ステップ1:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(G-1)の合成
PhMe(3.8mL)中の4-クロロ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(Int-HG-3)(173mg、0.478mmol)および1-エチル-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(A-1)(70mg、0.37mmol)の溶液に、CsCO(360mg、1.10mmol)、Pd(OAc)(25mg、0.110mmol)、PPh(29mg、0.110mmol)、CuI(21mg、0.110mmol)、およびPivOH(78mg、0.736mmol)を添加した。反応混合物を2時間、110℃で加熱した。反応物を加熱から外し、室温に冷却した。溶液をDCM(30mL)で希釈し、セライト上で濾過し、セライトケーキをDCM中10%MeOH(30mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗製の残渣をカラムクロマトグラフィー(12g SiO、MeOH/DCM 1:10)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(G-1)(22mg、12%)を黄色の油状物として得た。LC/MS m/z 516 [M+1].
【0412】
ステップ2:4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(AIG01)の合成
N-(2,4-ジメトキシベンジル)-4-(4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(G-1)(22mg、0.041mmol)を含有する反応フラスコに、TFA(1.0mL)を添加した。反応物を終夜、35℃で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、PhMeと共沸蒸留した。粗製の残渣をDMSO(0.7mL)に溶解し、逆相クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物4-[4-(1-エチル-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-カルボキサミド(AIG01)(2.6mg、17%)を白色の固体として得た。LC/MS m/z 366 [M+1].
【0413】
スキームHによる実施例AIH01~AIH19の調製。
【0414】
【化54】
【0415】
ステップ1:鈴木クロスカップリングの一般手順
各反応バイアルに、適切な市販のヘテロアリールボロン酸エステル(120μM、1.2当量)を添加し、続いて、4-(4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-5)(ジオキサン中0.125M溶液100μmol、1.0当量)、KPO(水中1.5M溶液300μmol、3.0当量)およびPd(dppf)Cl(5μmol、0.05当量)を不活性な雰囲気下で添加した。バイアルのキャップを締め、100℃に加熱し、16時間撹拌した。反応溶液をSpeedvacにより濃縮し、バイアルをHO(それぞれ1mL)で希釈した。水溶液を3ポーションのEtOAc(それぞれ1mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を収集し、Speedvacにより濃縮した。
【0416】
ステップ2:アミド脱保護の一般手順
ステップ1からの特有の中間体を含有する各反応バイアルに、TFA/HO(10:1)の溶液を添加した。バイアルのキャップを締め、80℃に加熱し、16時間撹拌した。反応溶液をSpeedvacにより濃縮し、粗製の残渣を分取HPLCにより精製して、実施例AIH01~AIH19を得た。
【0417】
【表21-1】
【0418】
【表21-2】
【0419】
【表21-3】
【0420】
【表21-4】
【0421】
【表21-5】
【0422】
スキームJによる1-エチル-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIJ01)の調製。
【0423】
【化55】
【0424】
ステップ1:1-エチル-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIJ01)の合成
氷水浴で冷却されたDCM(6mL)中の1-エチル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(AIC03)(120mg、0.284mmol)の黄色の溶液に、BCl(99.8mg、0.852mmol)をN下で滴下添加した。得られた黄色の懸濁液を撹拌しながら48時間、室温(20℃)に徐々に加温した。LCMS分析は、反応が完了していないことを示したので、溶液を氷水バッチ内で冷却し、追加のアリコットのBCl3(99.8mg、0.852mmol)をN下で滴下で添加した。氷浴を取り外し、得られた黄色の懸濁液を撹拌しながら21時間、室温(20℃)に徐々に加温した。LCMS分析は、反応が完了していないことを示したので、溶液を氷水バッチ内で冷却し、追加のアリコットのBCl3(166mg、1.42mmol)をN下で滴下で添加した。氷浴を取り外し、得られた黄色の懸濁液を撹拌しながら21時間、室温(20℃)に徐々に加温した。反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(2mL)でクエンチし、NH/MeOH(7M)でpH7~8に塩基性にし、次いで、室温に加温し、30分間撹拌した。得られた溶液を真空下で濃縮した。粗製の残渣を水(5mL)で希釈し、分離漏斗に移した。溶液を2ポーションのDCM/MeOH(10:1、5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(5mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗生成物を黄色の固体として得た。粗製の残渣を分取TLC(シリカゲル、DCM:MeOH=10:1、Rf約0.3)により精製して、薄黄色の固体を得、これを16時間、さらに凍結乾燥して、標題化合物1-エチル-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIJ01)(15.78mg、14%)を薄黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 409.2実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.80 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.84-8.01 (m, 3H), 6.32 (s, 1H),
4.55-4.68 (m, 4H), 4.23 (s, 3H), 3.46 (q, J = 5.3 Hz, 2H), 2.19 (s, 3H),
1.93-2.03 (m, 2H), 1.45 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
【0425】
下の表内の実施例を、1-エチル-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIJ01)を合成するためにスキームCのステップ1~3で使用された方法、続いて、スキームJにおいて使用された手順に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0426】
【表22】
【0427】
スキームKによる4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIK01)の調製。
【0428】
【化56】
【0429】
ステップ1:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(K-1)の合成
無水トルエン(16mL)中の5-(1-エチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール(Int-TG-15)(510mg、2.05mmol)および4-ブロモ-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(916mg、2.26mmol)の溶液に、Pd(OAc)(46mg、0.205mmol)、dppf(228mg、0.411mmol)、((チオフェン-2-カルボニル)オキシ)銅(157mg、0.823mmol)、およびピバル酸セシウム(961mg、4.11mmol)を添加した。混合物をNで2分間フラッシュし、密封し、100℃に加熱し、16時間撹拌した。次いで、反応物を濾過し、真空下で濃縮し、CHClで希釈し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、20~80%CHCl/EtOAc)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(K-1)(1.067g、91%)を茶色のゴム状物として得た。LCMS [M+H] = 573.2実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.92 (s, 1H),
8.24 (s, 1H), 8.09 (br t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.23 (s, 1H),
6.42-6.48 (m, 2H), 6.22 (s, 1H), 4.54-4.68 (m, 6H), 4.13 (s, 3H), 3.82 (s, 3H),
3.78 (s, 3H), 3.40 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.11-2.23
(m, 2H), 1.40 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0430】
ステップ2:4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIK01)の合成
HFIP(15mL)中のN-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(K-1)(1.067g、1.86mmol)の溶液に、メタンスルホン酸(895mg、9.32mmol)を室温で添加し、1時間撹拌した。次いで、反応物をNH/MeOHでpH=8に塩基性にし、真空下で濃縮し、CHClで希釈し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、97~100%CHCl/MeOH)により精製し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、97~100%CHCl/MeOH)により再精製した。次いで、物質を凍結乾燥により乾燥し、MTBE(50mL)で3時間、摩砕し、固体を濾取した。物質を再び、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、Combi-flash、99~100%EtOAc/MeOH)により精製して、化合物4-{1-エチル-4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIK01)(559mg、56%))を灰色の固体として得た。LCMS [M+H] = 423.3実測値. 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.80 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.89-7.93 (m,
2H), 7.75 (br s, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.75 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 4.62 (t, J = 7.3
Hz, 2H), 4.19 (s, 3H), 3.36 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 3.19 (s, 3H), 2.18 (s, 3H),
2.01-2.09 (m, 2H), 1.45 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0431】
スキームLによる4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIL01)の調製。
【0432】
【化57】
【0433】
ステップ1:4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(L-1)の合成。
CHCl(0.4mL)中のN-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-3)(195mg、0.358mmolの溶液に、HO(0.4mL)中の(ブロモジフルオロメチル)トリメチルシラン(73mg、0.36mmol)およびKOAc(70mg、0.72mmol)を添加し、18℃で16時間撹拌した。次いで、反応物にMeOHを添加し、真空下で濃縮した。残渣をCHCl(15mL)およびHO(25mL)に入れ、相を分離した。水相を収集し、真空下で濃縮して、4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(L-1)(170mg)を茶色の固体として得、それをさらに精製せずに使用した。実測LCMS[M+H]=595.4。
【0434】
ステップ2:4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミドギ酸塩(実施例AIL01)の合成。
HFIP(2.5mL)中の4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(L-1)(250mg)の溶液に、メタンスルホン酸(402mg、4.18mmol)を室温(18℃)で添加し、1.5時間撹拌した。粗製の混合物を分取HPLC(Boston Prime C18 150×30mm×5umカラム、ギ酸(0.225%)を含む2~42%MeCN/HO、25mL/分)により精製して、4-(4-{1-[3-(ジフルオロメトキシ)プロピル]-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミドギ酸塩(AIL01)(38mg、2バッチで17%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 445.4実測値. 1H NMR (メタノール-d4) δ:
8.80 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.42 (br s, 2H), 8.22 (t, J = 54.0 Hz, 1H), 7.26
(s, 1H), 5.48 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 4.37 (s, 3H), 4.23 (s, 3H), 3.66 (t, J = 5.8
Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.14-2.26 (m, 2H); 19F NMR (メタノール-d4) δ: -97.73 (s, 1F).
【0435】
スキームMによる1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIM01)の調製。
【0436】
【化58】
【0437】
ステップ1:(Rac)-メチル1-メチル-4-(1-メチル-4-{3-メチル-1-[(オキセタン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-5-イル}-1H-イミダゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-1)の合成
反応容器に、(Rac)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-[(オキセタン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール(Int-TG-24)(297.8mg、1.28mmol)、メチル4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(HG-1d)(519mg、1.92mmol)、Pd(OAc)(57.6mg、0.256mmol)、CuI(48.8mg、0.256mmol)、PPh(67.3mg、0.256mmol)、CsCO(1250mg、3.85mmol)、PivOH(157mg、1.54mmol)、およびPhMe(8mL)を装入した。溶液をNで2分間フラッシュし、密封し、20時間、110℃に加熱した。反応物を加熱から外し、室温に徐々に冷却した。懸濁液を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取HPLC(Boston Prime C18150×30mm×5μmカラム、20~60%MeCN/HO(0.05%NHOH v/v)、25mL/分)により精製して、標題化合物(Rac)-メチル1-メチル-4-(1-メチル-4-{3-メチル-1-[(オキセタン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-5-イル}-1H-イミダゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-1)(80mg、15%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 422.3実測値; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ =
8.76 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 5.27 (五重線, J = 6.4 Hz, 1H), 5.00 (dd, J = 6.2,
14.1 Hz, 1H), 4.83 - 4.80 (m, 1H), 4.68 - 4.62 (m, 1H), 4.55 - 4.48 (m, 1H),
4.30 (s, 3H), 4.15 (s, 3H), 4.01 (s, 3H), 2.77 - 2.60 (m, 2H), 2.27 (s, 3H).
【0438】
ステップ2:メチル1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-2)およびメチル1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2S)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-3)の合成
(Rac)-メチル1-メチル-4-(1-メチル-4-{3-メチル-1-[(オキセタン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾール-5-イル}-1H-イミダゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-1)(90mg、0.214mmol)のラセミ混合物をキラル分取SFC(Daicel Chiralpak IC 250mm×30mm、10μmカラム、50%EtOH(0.1%NHOH)/CO、80mL/分)により精製して、標題化合物メチル1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-2)(40mg、44%)、実測LCMS[M+H]=422.3およびメチル1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2S)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-3)(50mg、56%)、実測LCMS[M+H]=422.3をそれぞれ白色の固体として得た。鏡像異性体の絶対立体化学を任意に指定した(第1に溶離するピーク(R)および第2に溶離するピーク(S))。
【0439】
ステップ3:1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIM01)の合成
メチル1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキシレート(M-2)(40.0mg、0.0949mmol)を含有する反応物容器をNH(MeOH中7M溶液)(5mL、30mmol)に添加した。反応物を20℃で18時間撹拌し、次いで、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取HPLC(Phenomenex Gemini-NX 80×40mm×3μmカラム、13~53%MeCN/HO(0.05%NHOH v/v)、25mL/分)により精製して、標題化合物1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIM01)(28mg、73%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 407.4実測値; 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ =
8.80 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.31 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 6.38 (s, 1H),
5.28 (五重線, J = 6.3 Hz, 1H),
5.00 (dd, J = 6.3, 14.3 Hz, 1H), 4.85 - 4.79 (m, 1H), 4.68 - 4.62 (m, 1H), 4.50
(td, J = 6.0, 9.0 Hz, 1H), 4.27 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 2.78 - 2.58 (m, 2H),
2.28 (s, 3H).
【0440】
下の表内の実施例を、1-メチル-4-[1-メチル-4-(3-メチル-1-{[(2R)-オキセタン-2-イル]メチル}-1H-ピラゾール-5-イル)-1H-イミダゾール-2-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIM01)を合成するためにスキームMのステップ3において使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0441】
【表23】
【0442】
スキームNによる1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIN01)の調製
【0443】
【化59】
【0444】
ステップ1:6-クロロ-1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(N-1)の合成
無水トルエン(3mL)中の4,6-ジクロロ-1-シクロプロピル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(Int-HG-7)(129.4mg、0.567mmol)および1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール(Int-TG-25)(160mg、0.681mmol)の黄色の溶液に、Pd(OAc)(25.5mg、0.113mmol)、dppf(62.9mg、0.113mmol)、銅(I)チオフェン-2-カルボキシレート(CuTC)(43.3mg、0.227mmol)およびCsOPiv(266mg、1.13mmol)を添加した。得られた混合物をNで2分間フラッシュし、密封し、16時間、100℃に加熱した(加熱ブロック)。反応物を加熱ブロックから取り外し、室温に徐々に冷却した。溶液を10%MeOH/DCMで希釈し、セライトのパッドを通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、12~75%EtOAc/Petエーテル)により精製して、標題化合物6-クロロ-1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(N-1)(160mg、66%)を黄色のゴム状物として得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 8.84 (s, 1H), 7.44 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.24 (s,
1H), 4.69 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 4.25 (s, 3H), 3.64 - 3.55 (m, 1H), 3.43 (t, J =
6.1 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.24 - 2.15 (m, 2H), 1.25 - 1.21 (m,
4H).
【0445】
ステップ2:1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(N-2)の合成
DMA(2mL)中の6-クロロ-1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(N-1)(160mg、0.376mmol)およびZn粉末(21.1mg、0.323mmol)、(t-BuP)Pd(38.4mg、0.0751mmol)の溶液に、Zn(CN)(90.0mg、0.766mmol)を添加した。得られた混合物をNで2分間フラッシュし、密封し、120℃に加熱し、18時間撹拌した。反応物を加熱ブロックから取り外し、室温に徐々に冷却した。溶液をEtOAc(5mL)で希釈し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液をEtOAcと共に分離漏斗に移し、HO(5mL)で希釈した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮して、粗製の1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(N-2)(150mg)を黄色の固体として得、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。実測LCMS[M+H]=417.3。
【0446】
ステップ3:1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIN01)の合成
DMSO(1.2mL)/MeOH(3.6mL)中の粗製の1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボニトリル(N-2)(150mg、0.360mmol)の薄黄色の懸濁液に、NaOH(72mg、1.80mmol、HO中2M)を5℃で滴下添加して、内部温度を10℃未満に維持した。添加が完了したら、H(408mg、3.60mmol、30%溶液)。この段階で、氷浴を取り外し、反応物を撹拌しながら3時間、室温(27℃)に徐々に加温した。反応物を氷冷飽和NaSO(10mL)を含有するフラスコに逆クエンチした。溶液をEtOAcと共に分離漏斗に移し、相を分離した。水相を3ポーションのEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を3ポーションのブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取HPLC(YMC-Triart Prep C18 150×40mm×7μmカラム、21~61MeCN/HO(0.05%NHOH v/v)、60mL/分)により精製して、標題化合物1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIN01)(85mg、2ステップで52%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 435.2実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ:
8.75 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.89-7.99 (m, 2H), 7.84 (s, 1H), 6.30 (s, 1H), 4.61
(t, J = 7.3 Hz, 2H), 4.22 (s, 3H), 3.95-4.00 (m, 1H), 3.34-3.37 (m, 2H), 3.19
(s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.00-2.08 (m, 2H), 1.16-1.24 (m, 4H).
【0447】
下の表内の実施例を、1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIN01)を合成するためにスキームNのステップ1~3で使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0448】
【表24】
【0449】
下の表内の実施例を、1-シクロプロピル-4-{4-[1-(3-メトキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIN01)を合成するためにスキームNのステップ1~3に使用された方法、続いて、スキームBのステップ3で使用された手順に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0450】
【表25】
【0451】
スキームPによる4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP01)および4-{4-[1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP02)の調製
【0452】
【化60】
【0453】
ステップ1:[3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(P-1)の合成
無水DMF(2.0mL)中の[5-(1H-イミダゾール-4-イル)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(Int-TG-27)(70mg、0.37mmol)の溶液に、KCO(129mg、0.935mmol)、続いて、ヨードメタン(66mg、0.47mmol)を滴下添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。次いで、混合物をブライン(5mL)で希釈し、相を分離し、水相をEtOAc(5mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(5mL×3)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、標題化合物[3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(P-1)(68mg、91%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 202.1実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.51 (s, 1H),
7.14 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 6.16 (s, 1H), 5.65 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.28 (s,
3H).
【0454】
ステップ2:4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(P-2)の合成
無水トルエン(5.0mL)中の[3-メチル-5-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセトニトリル(P-1)(65mg、0.32mmol)および4-ブロモ-N-(2,4-ジメトキシベンジル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Int-HG-1)(144mg、0.355mmol)の溶液に、Pd(OAc)(27mg、0.12mmol)、dppf(36mg、0.065mmol)、((チオフェン-2-カルボニル)オキシ)銅(25mg、0.129mmol)、およびピバル酸セシウム(151mg、0.646mmol)を添加した。混合物をNで2分間フラッシュし、密封し、100℃に加熱し、40時間撹拌した。次いで、反応物をセライトパッドで濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(20g SiO、Combi-flash、20~100%EtOAc/pet.エーテル)により精製して、標題化合物4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(P-2)(30mg、18%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 526.4実測値; 1H NMR (クロロホルム-d) δ: 8.85 (s, 1H),
8.26-8.34 (m, 2H), 7.28-7.35 (m, 2H), 6.43-6.53 (m, 2H), 6.26 (s, 1H), 5.72 (s,
2H), 4.62-4.71 (m, 2H), 4.17-4.22 (m, 6H), 3.89 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 2.32 (s,
3H).
【0455】
ステップ3:4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP01)および4-{4-[1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP02)の合成
HFIP(1.0mL)中の4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(P-2)(32mg、0.061mmol)の溶液に、メタンスルホン酸(58mg、0.61mmol)を添加し、2時間撹拌した。次いで、反応物を真空下で濃縮し、CHCl/MeOH(10:1 v:v、5mL)で希釈し、MeOH中のNH(7M)でpH7~8に塩基性にし、濾過し、濾過ケーキをCHCl/MeOH(10:1 v:v、1mL×3)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。粗製の混合物を分取薄層クロマトグラフィー(CHCl/MeOH、10:1 v:v)により精製して、標題化合物4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP01)(9mg、39%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 376.2実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.84 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.85-8.02 (m, 3H), 6.46 (s, 1H), 5.81
(s, 2H), 4.17-4.29 (m, 6H), 2.22 (s, 3H).加えて、標題化合物4-{4-[1-(2-アミノ-2-オキソエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP02)(4mg、17%)を白色の固体として単離した。LCMS [M+H] = 394.4実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.76 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.95 (br s,
1H), 7.83-7.90 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.18 (br s, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.24 (s,
2H), 4.22 (s, 3H), 4.19 (s, 3H), 2.19 (s, 3H).
【0456】
下の表内の実施例を、4-{4-[1-(シアノメチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIP01)を合成するためにスキームPのステップ1~3に使用された方法に従って、当業者が了解し得るであろう重要でない変化または置換を例示された手順に対して加えて調製した。
【0457】
【表26-1】
【0458】
【表26-2】
【0459】
スキームQによる4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIQ01)の調製
【0460】
【化61】
【0461】
ステップ1:N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-{1-メチル-4-[3-メチル-1-(3-オキソプロピル)-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-1)の合成
DCM(20mL)中のN-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-4-{4-[1-(3-ヒドロキシプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(E-3)(600mg、0.83mmol)のオレンジ色の溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(526mg、1.24mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。得られた黄色の懸濁液をDCM(20mL)で希釈し、セライトのパッド上で濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(40g SiO、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-{1-メチル-4-[3-メチル-1-(3-オキソプロピル)-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-1)(500mg、83%)を黄色の固体として得た。LCMS [M+H] = 543.1実測値; 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ = 9.86 (t, J =
1.2 Hz, 1H), 8.80 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.31 (br t, J = 6.4 Hz, 1H), 8.28 (d, J
= 0.9 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.27 (br s, 1H), 6.51 (d, J = 2.3 Hz,
1H), 6.48 (dd, J = 2.4, 8.3 Hz, 1H), 6.21 (s, 1H), 4.98 (t, J = 7.0 Hz, 2H),
4.67 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.20 (s, 3H), 4.17 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.82 (s,
3H), 3.14 (dt, J = 1.3, 7.0 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H).
【0462】
ステップ2:3-{5-[2-(6-{[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]カルバモイル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル]-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル}プロパン酸(Q-2)の合成
THF(10mL)中のN-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-4-{1-メチル-4-[3-メチル-1-(3-オキソプロピル)-1H-ピラゾール-5-イル]-1H-イミダゾール-2-イル}-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-1)(420mg、0.774mmol)の無色の混合物に、t-BuOH(5mL)および2-メチル-2-ブテン(1630mg、23.2mmol)を添加した。得られた溶液を氷水浴(0℃)内で冷却し、続いて、NaClO(700mg、7.74mmol)およびNaHPO(929mg、7.74mmol)をHO(5mL)中の溶液としてゆっくり添加した。添加が完了した後に、氷浴を取り外し、反応物を室温(20℃)で16時間撹拌した。反応物をNa水溶液(3mL)でクエンチし、pHを飽和NaHSO水溶液の添加により約3~4に調節し、溶液をEtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(15mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、Isco、0~10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物3-{5-[2-(6-{[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]カルバモイル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル]-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル}プロパン酸(Q-2)(355mg、82%)を白色の固体として得た。実測LCMS[M+H]=559.1。
【0463】
ステップ3:4-{4-[1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-3)の合成
DMF(10mL)中の3-{5-[2-(6-{[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]カルバモイル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-4-イル)-1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル]-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル}プロパン酸(Q-2)(355mg、0.636mmol)の溶液を氷水浴内で0℃に冷却した。溶液に、DIPEA(246mg、1.91mmol)、HATU(290mg、0.763mmol)を添加し、反応物を15分間、0℃で撹拌した。この段階で、NHCl(170mg、3.18mmol)を添加し、反応物を20℃で16時間撹拌した。反応物を氷水(5mL)を含有するフラスコに戻しクエンチし、溶液をEtOAcと共に分離漏斗に移した。相を分離し、水相を3ポーションのEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を1ポーションのNHCl水溶液、1ポーションのブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取TLC(SiO、10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物4-{4-[1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-3)(280mg、79%)を黄色の固体として得た。実測LCMS[M+H]=558.1。
【0464】
ステップ4:4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-4)の合成
DCM(20mL)中の4-{4-[1-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-3)(280mg、0.502mmol)の撹拌懸濁液に、メチルN-(トリエチルアンモニオスルホニル)カルバメート(Burgess試薬)(359mg、1.51mmol)を添加し、反応物をN下で、25℃で16時間撹拌した。反応物をHO(10mL)で希釈し、分離漏斗にDCMと共に移した。相を分離し、水相を3ポーションのDCM(10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を分取TLC(SiO、10%MeOH/DCM)により精製して、標題化合物4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-4)(160mg、59%)を黄色の固体として得た。実測LCMS[M+H]=540.1。
【0465】
ステップ5:4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIQ01)の合成
HFIP(5mL)中の4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-N-[(2,4-ジメトキシフェニル)メチル]-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(Q-4)(160mg、0.297mmol)の薄黄色の溶液に、MeSOH(214mg、2.22mmol)を添加した。反応物の色が紫色に変化し、室温(20℃)で1時間撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、粗製の残渣を分取HPLC(Boston Prime C18 150×30mm×5μmカラム、15~45MeCN/HO(0.05%NHOH v/v)、30mL/分)により精製した。生成物含有画分を収集し、凍結乾燥して、標題化合物4-{4-[1-(2-シアノエチル)-3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル]-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル}-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-カルボキサミド(実施例AIQ01)(18mg、31%)を白色の固体として得た。LCMS [M+H] = 390.3実測値; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.74 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.85-8.00 (m, 3H), 6.37 (s, 1H), 4.86
(t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.16-4.28 (m, J = 15.4 Hz, 6H), 3.12 (t, J = 6.5 Hz, 2H),
2.20 (s, 3H).
【0466】
生物学的実施例
生化学アッセイ方法
シンチレーション近接アッセイ(SPA)競合結合
化合物相互作用が天然STINGリガンドのトリチウム標識バージョン、H-環式グアニン(2’,5’)一リン酸アデニン(3’,5’)一リン酸(H-cGAMP)と競合するか否かを決定するために、放射性リガンド結合アッセイを開発した。STING構築物(WTおよびH232R)は、NおよびC末端が両方とも短縮化されている残基155~341からなり;N末端の膜貫通ドメイン(1~154)、さらにはC末端テール(342~379)は除去された。高度特異的N末端ビオチン化は、酵素的にE.coliビオチンリガーゼ(BirA)および高親和性ビオチン化ペプチドAviTag(商標)の包含で達成された。100nM STINGタンパク質を150mM NaCl、25mM Hepes(pH7.5)、0.1mM EDTA、1mM DTT、0.005%(v/v)Tween-20、1%(v/v)DMSO中で、ストレプトアビジンポリビニルトルエン(SA-PVT)ビーズ20μg上に固定化した。100nM H-cGAMPおよび化合物を添加し、室温(20分)で平衡化させた。化合物を100μM出発濃度から3倍希釈列で試験し、H-cGAMP結合を完全にブロックした陽性対照化合物および陰性対照DMSOに対して正規化した。競合結合についてのKをIC50から、Cheng-Prusoff式(Cheng & Prusoff、Biochemical Pharmacology、22(1973)、pp.3099~3108)で決定した。Cheng-Prusoff式で使用されたH-cGAMPについてのK値は、WT STINGについては1nM、およびR232H STINGについては750nMであると経験的に決定された。SPA競合結合データを表1に提示する。
【0467】
【表27】
【0468】
IRF3のリン酸化:THP-1細胞ELISA
STING活性化は、TBK1の動員およびIRF3転写因子のリン酸化をもたらし、その後、I型インターフェロンを誘導する。THP-1細胞(InvivoGen)を2mM L-グルタミン、10%ウシ胎児血清、および0.5%Pen-Strepを含むRPMI培地中で増殖させた。10の細胞を96ウェルプレートに播種し、終夜、37℃、5%COでインキュベートした。培地中の化合物連続希釈化合物(最終0.5%DMSO)を細胞に添加し、さらに3時間インキュベートした。インキュベーションの後に、プレートを2000rpmで5分間、遠心した。次いで、細胞をRIPAバッファー100μlに溶解し、30分間、室温でボルテックス処理した。次いで、溶解産物25μlを、マウス抗ヒトIRF-3捕捉抗体(BD Pharmigen)で先にコーティングしておいた透明なポリスチレン製High Bindプレートに移し、4℃で16時間インキュベートした。次いで、プレートを洗浄し、ウサギ抗ホスホIRF3検出抗体(Cell Signaling Technologies)と共に1.5時間、室温でインキュベートした。最後に、HRP結合二次抗体(Cell Signaling Technologies)を30分間添加し、その後、Glo Substrate Reagent(R&D Systems)を使用して、発光シグナルを生成した。Perkin-Elmer Envisionマイクロプレートリーダーを使用して、シグナルを測定した。リン酸化IRF3シグナルを最大化することが既知であった陽性対照STINGアゴニストおよびDMSOであった陰性対照を用いて、データを「効果%」に正規化した。IRF3リン酸化データを表2に提示する。
【0469】
【表28】
【0470】
インターフェロン-β誘導:THP-1 ISGレポーター細胞系
THP-1 Lucia(商標)ISG細胞(InvivoGen)は、5つのインターフェロン応答エレメントからなるIRF誘導性コンポジットプロモーターの制御下で、分泌ルシフェラーゼ「Lucia」レポーター遺伝子を発現する。THP-1 Lucia(商標)ISG細胞を、2mM L-グルタミン、10%ウシ胎児血清、および0.5%Pen-Strepを含むRPMI培地中で増殖させた。安定なトランスフェクションを維持するために、ハイグロマイシンBおよびZeocinが存在した。10の細胞を96ウェルプレートに播種し、終夜、37℃、5%COでインキュベートした。培地中で連続希釈された化合物50μL(最終0.5%DMSO)を添加し、さらに24時間インキュベートした。インキュベーションの後に、プレートを2000rpmで10分間遠心した。各ウェルの細胞培養上清50μlを白色不透明の96ウェルプレートに移した。1パウチのQUANTI-Luc(商標)(InvivoGen)粉末を内毒素非含有水25mL中で調製し、調製された温QUANTI-Luc溶液100μLを、上清を含有する各ウェルに添加した。Perkin-Elmer Envisionマイクロプレートリーダーを使用して、ルミネセンスシグナルを測定した。ルシフェラーゼシグナルを最大化することが既知であった陽性対照STINGアゴニストおよび陰性対照DMSOを用いて、データを、「効果%」に正規化した。インターフェロン-β誘導データを表3に提示する。
【0471】
【表29】
【0472】
これらの実施例は、例示の目的で提供されているにすぎず、本明細書において提供される特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲の趣旨または範囲を逸脱することなく、本明細書に対してある特定の変化および変更を成すことができることは当業者には明らかであろう。
【0473】
本明細書で引用されたすべての刊行物および特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。