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特許7554429発熱体用の歯車を有するクリーニングツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】発熱体用の歯車を有するクリーニングツール
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/85 20200101AFI20240912BHJP
【FI】
A24F40/85
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020571446
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019069207
(87)【国際公開番号】W WO2020016281
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-12-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】18183882.2
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】サイギリ アリ ムラト
(72)【発明者】
【氏名】デュック ファビアン
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】石黒 雄一
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513750(JP,A)
【文献】特開2007-159630(JP,A)
【文献】中国実用新案公告第207429084(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106828432(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1185217(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1700577(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第103658129(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置の発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールであって、
機械的アクチュエータ要素と、
一つ以上のクリーニング要素と、
前記機械的アクチュエータ要素から前記クリーニング要素に機械的駆動力を伝達するように構成された駆動要素と、を備え、
前記駆動要素が一つ以上の歯車を備え、前記クリーニング要素が平歯車を備え、前記駆動要素備える一つ以上の歯車が、前記クリーニング要素の前記平歯車と係合する平歯車を含む
クリーニングツール。
【請求項2】
前記クリーニング要素が前記クリーニング要素の長軸方向軸の周りに回転可能なように構成されている、請求項1記載のクリーニングツール。
【請求項3】
前記機械的アクチュエータ要素が傘歯車を備え、前記駆動要素が少なくとも一つの傘歯車および少なくとも一つの平歯車を備える、請求項1または請求項2に記載のクリーニングツール。
【請求項4】
エアロゾル発生装置の発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールであって、
機械的アクチュエータ要素と、
一つ以上のクリーニング要素と、を備え、
前記クリーニング要素が平歯車を備え、前記機械的アクチュエータ要素が前記クリーニング要素の前記平歯車と係合する平歯車を備える、
クリーニングツール。
【請求項5】
エアロゾル発生装置の発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールであって、
機械的アクチュエータ要素と、
一つ以上のクリーニング要素と、を備え、
前記機械的アクチュエータ要素が前記クリーニング要素の平歯車として機能する平歯車を備える、
クリーニングツール。
【請求項6】
記クリーニング要素が前記クリーニング要素の軸方向軸の周りに回転可能なように構成され、前記クリーニング要素の前記軸方向軸が前記発熱体軸方向軸に対してオフセットされている、請求項4または請求項5に記載のクリーニングツール。
【請求項7】
前記クリーニング要素が細長い円筒形状を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のクリーニングツール。
【請求項8】
前記機械的アクチュエータ要素が細長い円筒形状を有する、請求項7に記載のクリーニングツール。
【請求項9】
エアロゾル発生装置の発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールであって、
機械的アクチュエータ要素と、
一つ以上のクリーニング要素と、
前記機械的アクチュエータ要素から前記クリーニング要素に機械的駆動力を伝達するように構成された駆動要素と、を備え、
前記駆動要素が一つ以上の歯車を備え、前記クリーニング要素が傘歯車を備え、前記駆動要素が備える一つ以上の歯車が、前記クリーニング要素の前記傘歯車と係合する傘歯車を含む、
クリーニングツール。
【請求項10】
前記機械的アクチュエータ要素が、前記クリーニングツールの長軸方向の長さに沿って、前記クリーニング要素に対して直線的に移動するように構成されている、請求項に記載のクリーニングツール。
【請求項11】
前記機械的アクチュエータ要素の前記直線移動が、トルクを前記クリーニング要素に伝達するための往復直線移動である、請求項9または請求項10に記載のクリーニングツール。
【請求項12】
前記機械的アクチュエータ要素がウォーム歯車を備え、前記駆動要素が少なくとも一つの平歯車を備える、請求項~11のいずれか一項に記載のクリーニングツール。
【請求項13】
前記クリーニング要素が、ブラシ、マイクロファイバー布および発泡体のうちのいずれか一つ以上を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のクリーニングツール。
【請求項14】
前記クリーニングツールがハウジングをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のクリーニングツール。
【請求項15】
前記駆動要素および前記クリーニング要素が実質的に前記ハウジング内に配設されている、請求項14に記載のクリーニングツール。
【請求項16】
前記ハウジングが、前記ハウジングの長軸方向軸に平行に延び、かつ前記ハウジングの外表面上に配設された溝の形状を有するアラインメント要素を備える、請求項14または15に記載のクリーニングツール。
【請求項17】
前記クリーニングツールが10mm~50mmの長軸方向の長さを有し、前記クリーニングツールが5mm~20mmの直径を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のクリーニングツール。
【請求項18】
エアロゾル発生装置と、
請求項1~17のいずれか一項に記載のクリーニングツールと、を備え、
前記エアロゾル発生装置が加熱チャンバーおよび発熱体を備え、前記発熱体が前記加熱チャンバーの中に配設され、前記クリーニングツールが前記加熱チャンバーに挿入されるように構成され、かつ前記機械的アクチュエータ要素を作動させることによって少なくとも前記発熱体を掃除するように構成されている、システム。
【請求項19】
クリーニングツールによってエアロゾル発生装置の発熱体を掃除するための方法であって、
i) 機械的アクチュエータ要素と、一つ以上のクリーニング要素と、前記機械的アクチュエータ要素から前記クリーニング要素に機械的駆動力を伝達するように構成された駆動要素と、を備えるクリーニングツールを提供する工程であって、前記駆動要素が一つ以上の歯車を備え、前記クリーニング要素が平歯車を備え、前記駆動要素備える一つ以上の歯車が、前記クリーニング要素の前記平歯車と係合する平歯車を含む、工程と、
ii) 前記エアロゾル発生装置の加熱チャンバーに前記クリーニングツールを挿入する工程と、
iii) 前記加熱チャンバー中の前記発熱体を掃除するために、前記機械的アクチュエータ要素を作動させる工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置の発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールに関する。たばこなどのエアロゾル形成基体を加熱するが燃焼しないエアロゾル発生装置が知られている。これらの装置は、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを生成するために十分に高い温度までエアロゾル形成基体を加熱する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は典型的に加熱チャンバーを備え、発熱体が加熱チャンバー内に配設されている。エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、加熱チャンバーに挿入され、発熱体によって加熱されうる。典型的には、エアロゾル発生物品が枯渇した後、エアロゾル発生物品は加熱チャンバーから取り外されて、未使用のエアロゾル発生物品が挿入される。一部のシステムでは、エアロゾル発生物品は発熱体に押し付けられ、そして結果として発熱体はエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に貫通する。エアロゾル発生物品の取り外しおよび挿入中に、望ましくない残留物が加熱チャンバーの中に残留し、発熱体に付着する場合がある。
【0003】
結果として、エアロゾル発生装置の少なくとも発熱体から望ましくない残留物を除去する必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、エアロゾル発生装置の細長い発熱体などの発熱体を掃除するように構成されたクリーニングツールを提案する。クリーニングツールは、機械的アクチュエータ要素と、一つ以上のクリーニング要素と、駆動要素とを備える。駆動要素は、アクチュエータ要素からクリーニング要素に機械的駆動力を伝達するように構成されている。さらに、駆動要素は、一つ以上の歯車を備える。
【0005】
駆動要素は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー中に配設された発熱体を掃除するために、駆動力をクリーニング要素に伝達するために提供される。駆動力は、ユーザーによって、手によって、または例えば、電気モーターによって提供されてもよい。クリーニング要素は、定義された方法で発熱体を掃除しうる。従来のクリーニングツールと比較して、発熱体への損傷が防止される。従来のクリーニングツールは、典型的にはユーザーによって手動で操作される。典型的には、ユーザーは、従来のクリーニングツールを加熱チャンバーに直接挿入し、手でクリーニングツールを手動で駆動または移動させて、発熱体を掃除する。従来のクリーニングツールでは、ユーザーは加熱チャンバー内のツールを、希望に応じて手動で操作しうる。例えば、ユーザーは、任意の方向(回転、横方向、またはそれらの組み合わせなど)に、希望するだけ大きな力または少ない力をかけて、加熱チャンバー内でツールを移動させうる。従来のクリーニングツールのクリーニング要素が、ユーザーによって定義される方法は、従って、ユーザーによって変化しうる。よって、ユーザーは、従来のクリーニングツールを用いた掃除作動中に発熱体を損傷しうる。本発明は、掃除作用がアクチュエータ要素を作動させることによって定義されるという事実により、発熱体の安全かつ確実な掃除を容易にする。言い換えれば、クリーニングツールの要素は、アクチュエータ要素が作動された時に、発熱体の安全かつ確実な掃除が容易になるように構成されている。
【0006】
クリーニングツールの作動は、機械的であってもよい。クリーニングツールの作動は、まったく機械的であってもよい。アクチュエータ要素は、機械的であることが好ましい。クリーニングツールは、電子アクチュエータ要素を含まないことが好ましい。クリーニングツールは、クリーニングツールを操作することと関連した電気的構成要素を含まないことが好ましい。クリーニングツールは、電子構成要素を含まないことが好ましい。クリーニング要素を起動するための駆動力は、まったく機械的であることが好ましい。
【0007】
ユーザーがアクチュエータ要素を作動させてもよい。アクチュエータ要素は、クリーニングツールの長軸方向軸に沿った横方向の動きのために構成されうる。アクチュエータ要素は、クリーニングツールの長軸方向軸の周りの回転運動のために構成されうる。ユーザーは、アクチュエータ要素にトルクを加えてもよい。アクチュエータ要素および駆動要素は、トルクをクリーニング要素に向かって伝達するように構成されうる。伝達されたトルクは、クリーニング要素の動きを駆動しうる。クリーニング要素は、クリーニングツールの長軸方向軸の周りまたはクリーニングツールの長軸方向軸に直角を成す軸の周りを回転しうる。クリーニング要素は、クリーニングツールの長軸方向軸と平行であるが、それからオフセットされている長軸方向軸の周りを回転してもよい。アクチュエータ要素の横方向の動きまたは回転運動は、クリーニング要素の回転運動を駆動しうる。アクチュエータ、駆動要素、およびクリーニング要素のうちの一つ以上は、平歯車、傘歯車、およびウォーム歯車(複数可)のうちの一つ以上を備えてもよい。歯車は、トルクを伝達するために相互に一致するように構成されうる。
【0008】
クリーニング要素は、ブラシ、発泡体、マイクロファイバー布のうちの一つ以上を含んでもよい。ブラシ、発泡体、またはマイクロファイバー布は、発熱体から望ましくない残留物を取り除くことを可能にする。クリーニング要素は、マイクロファイバー布または発泡体、またはその両方で形成されたヘッドを含みうる。ヘッドは、追加的にまたは代替的に、一つ以上のブラシを含んでもよい。
【0009】
クリーニングツールは、加熱チャンバーの内壁および基部のうちの一つ以上を追加的に掃除するように構成されてもよい。このために、クリーニング要素は、発熱体を掃除するだけでなく、クリーニングツールの作動中に加熱チャンバーの内壁および基部も掃除するように構成されうる。加熱チャンバーの内壁または基部の掃除を容易にするために、クリーニング要素は、アクチュエータ要素が作動する時、クリーニング要素が加熱チャンバーの内壁または基部に接触するような形状を有しうる。
【0010】
クリーニング要素は、クリーニング要素の長軸方向軸の周りを回転可能なように構成されうる。クリーニング要素の長軸方向軸は、クリーニング要素の放射軸に対して直角を成す。クリーニング要素は対称形状を有してもよい。クリーニング要素は、クリーニング要素の長軸方向軸に関して非対称であってもよい。
【0011】
クリーニング要素は、丸いプレート様または平らな円筒形状を有しうる。クリーニング要素は、クリーニングツールがエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入された時、発熱体の方を向いている第一の端を有してもよい。したがって、クリーニング要素の長軸方向軸は、この実施形態では、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入された時に、発熱体の長軸方向軸と直角を成すことが好ましい。クリーニング要素は、第一の端と反対側の第二の端を有してもよい。クリーニング要素は、放射状表面を有してもよい。ブラシは、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入された時に、発熱体の方を向いているクリーニング要素の第一の端に配設されることが好ましい。この配設は、クリーニング要素がプレート形状要素として配設される場合に有益である。クリーニング要素は、発熱体の掃除中に回転することが好ましい。同時に、クリーニング要素の回転がブラシによる発熱体からの残留物の掻き落しを促進するように、ブラシは発熱体に接触するように構成されることが好ましい。
【0012】
発熱体はまた細長い円筒形状を有してもよく、発熱体の長軸方向軸は、クリーニングツールがエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入された時に、発熱体の長軸方向軸と本質的に平行である。この実施形態では、ブラシは、クリーニング要素の第一の端ではなく、放射状表面上に配設されることが好ましい。この実施形態では、第一の端は発熱体の方を向いていない。むしろ、クリーニング要素の放射状表面は、この実施形態では、発熱体の方を向いている。クリーニングツールが作動される時、クリーニング要素は、発熱体の放射状表面上に配設されたブラシが発熱体の残留物を掻き落とすように回転されることが好ましい。この実施形態は、自動洗車ブラシと比較して類似した形状のクリーニング要素を利用している。この実施形態では、クリーニング要素の第一の端は加熱チャンバーの基部の方を向いている。さらなるブラシは、加熱チャンバーの基部がクリーニングツールの作動中に掃除されるように第一の端に配設されうる。発熱体は、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入された時に、ブラシの先端が発熱体ならびに加熱チャンバーの内壁に接触するような直径を有しうる。よって、クリーニング要素の回転は、ブラシの先端が加熱チャンバーの内壁ならびに発熱体と接触し、それによって加熱チャンバーの内壁ならびに発熱体を同時に掃除することにつながりうる。
【0013】
単一のクリーニング要素は、発熱体の掃除作用を促進するために利用されうる。しかし、本発明によるクリーニングツールには、少なくとも二つのクリーニング要素が使用されることが好ましい。三つ以上のクリーニング要素、好ましくは四つのクリーニング要素が利用されうる。発熱体の両方の側面がクリーニングツールの作動中に同時に掃除されるように、クリーニング要素は、発熱体の両側に配設されることが好ましい。
【0014】
クリーニングツールは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内で回転するように構成されうる。この実施形態は、発熱体が加熱用ピンなどの対称形状を有する場合に有益である。そして、クリーニングツールの回転は、発熱体のすべての側面の均一な掃除を容易にしうる。発熱体が、加熱用ブレードなどの本質的に平坦な要素として提供される場合、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内でのクリーニングツールの回転は禁止されうる。発熱体が平坦な要素である時、クリーニングツールの回転は発熱体を損傷する可能性があるため、禁じられることが好ましい。この点に関して、以下により詳細に記述されるように、ピンまたはアラインメント要素またはアラインメントキーなどの要素が利用されうる。
【0015】
クリーニング要素は、クリーニングツールの作動中に発熱体の長さ全体を掃除するように構成されうる。しかし、有益である場合、クリーニング要素は、発熱体を部分的にのみ掃除するように構成されてもよい。クリーニング要素は、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入された時に、発熱体の一部のみを覆う形状を有しうる。クリーニング要素は、発熱体の一部が、クリーニングツールを加熱チャンバーに挿入する間に掃除されるように構成されうる。クリーニングツールは、加熱チャンバーへの挿入後、または加熱チャンバーへの挿入中に作動されうる。
【0016】
加熱ツールはハウジングをさらに備えてもよく、駆動要素およびクリーニング要素はハウジング内に配設されている。ハウジングは、駆動要素およびクリーニング要素を損傷から保護しうる。ハウジングは、駆動要素およびクリーニング要素などの作業要素がハウジングの内側に隠されているため、クリーニングツールの見た目を良くするという結果をもたらしうる。加熱ツールは、まず加熱チャンバーに挿入されるハウジング部分を閉じるためのキャップを備えてもよい。キャップは、クリーニングツールを使用していない時に、ハウジング内部の要素が損傷したり、汚染されたりするのを防ぎうる。クリーニングツールを使用する前に、キャップが取り外される。ハウジングは、残留物収集器として構成されうる。この態様では、ハウジングは、クリーニング要素によってほぐされたまたは掻き落とされた望ましくない残留物がハウジングによって集められるか、またはハウジングの中に落下しうるように構成されうる。これらの残留物は、次いで、クリーニングツールと共に加熱チャンバーから抜き取られうる。ハウジングは、残留物がクリーニング要素によってほぐされた後に加熱チャンバーの中に再び落下しないようにするためのリップまたは突出部を備えてもよい。ハウジングは、残留物を収集するための少なくとも一つの残留物チャンバーを備えてもよい。ハウジングがリップまたは突出部を備えるとき、これらは、ほぐされた残留物を残留物チャンバー中に誘導するように構成されうる。少なくとも一つの残留物チャンバーは、ユーザーによって容易に掃除可能に構成されてもよい。残留物チャンバーは、ユーザーが、加熱チャンバーからクリーニングツールを抜き取った後に、残留物チャンバーを開けて掃除できるように構成されうる、閉鎖可能な開口部を備えてもよい。別の方法としてまたは追加的に、ハウジング/残留物チャンバーは、ユーザーによって振られたとき、または逆さまにされたときに残留物を放出するように構成されうる。
【0017】
アクチュエータ要素は、回転可能なノブまたは回転可能なリングを備えてもよい。回転可能なノブは、細長い円筒形状を有してもよい。回転可能なノブは、ノブの把持を容易にするためのへこみ、溝または類似の要素を備えてもよい。回転可能なノブは、ユーザーによって把持され、回転されてもよい。回転可能なノブの回転は、駆動要素によってこの動きがクリーニング要素に伝達されることにつながりうる。したがって、ユーザーによって回転可能なノブに加えられる力は、駆動要素によってクリーニング要素に伝達されうる。よって、駆動要素は力伝達要素として機能する。回転可能なノブの回転は、上述のようにクリーニング要素の回転につながりうる。クリーニング要素の回転は、発熱体から、また潜在的には加熱チャンバーの内壁および基部からも望ましくない残留物を除去することを容易にしうる。回転可能なノブは、ユーザーによって把持されて、クリーニングツールをエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入するのを容易にするように構成されうる。回転可能なノブは、加熱チャンバーからクリーニングツールの取り外しを容易にするように構成されてもよい。
【0018】
クリーニング要素は平歯車を含みうる。クリーニング要素の平歯車は、アクチュエータ要素の動きを駆動要素によってクリーニング要素に向かって伝達するために利用されうる。平歯車は、クリーニング要素の第二の端に配設されうる。クリーニング要素の平歯車は、アクチュエータ要素からクリーニング要素への駆動力の伝達を促進するために、アクチュエータ要素の歯車と係合しうる。
【0019】
アクチュエータ要素は平歯車を含みうる。この実施形態は、クリーニング要素が細長い円筒形状を有し、発熱体に平行に配設されている場合に特に有益である。この実施形態では、クリーニング要素の第一の端は、加熱チャンバーの基部の方を向いており、クリーニング要素の放射状表面は発熱体の方を向いており、クリーニング要素の第二の端は平歯車を含み、アクチュエータ要素の方を向いている。アクチュエータ要素はまた、細長い円筒形状を有し、回転可能なノブを備えうることが好ましい。クリーニング要素に面するアクチュエータ要素の部分は、平歯車として構成されうる。アクチュエータ要素の平歯車は、クリーニング要素の平歯車と係合するように構成されうる。アクチュエータ要素の作動動作、好ましくは回転が、アクチュエータ要素の平歯車との係合およびクリーニング要素との係合によって発熱体に伝達される。この実施形態では、二つ以上のクリーニング要素が提供されてもよい。各クリーニング要素は、アクチュエータ要素の平歯車と係合するように構成された平歯車を備えることが好ましい。複数のクリーニング要素の複数の平歯車が、アクチュエータ要素の単一の平歯車と係合してもよい。この実施形態では、アクチュエータ要素の長軸方向軸は、クリーニング要素の長軸方向軸に平行である。
【0020】
アクチュエータ要素は傘歯車を備えてもよく、駆動要素は少なくとも一つの傘歯車および少なくとも一つの平歯車を備える。アクチュエータ要素のこの構成は、クリーニング要素がプレート様の形状を有する場合に有益である。この実施形態のクリーニング要素は、クリーニング要素の第一の端がエアロゾル発生装置の加熱チャンバー中に配設された発熱体の方を向いて配設されていることが好ましい。クリーニング要素の長軸方向軸が発熱体の長軸方向軸と直角を成すように、クリーニング要素の第二の端は発熱体から離れる方に向いている。この実施形態では、駆動要素は傘歯車および平歯車を備え、駆動要素の傘歯車はアクチュエータ要素の傘歯車と係合するように構成され、駆動要素の平歯車はクリーニング要素の平歯車と係合するように構成されている。この配設の効果は、アクチュエータ要素の作動の動き、好ましくは回転が、駆動要素によってクリーニング要素に伝達されることである。クリーニング要素は回転することが好ましい。この実施形態では、アクチュエータ要素の長軸方向軸は、クリーニング要素の長軸方向軸と直角を成す。
【0021】
アクチュエータ要素は、クリーニング要素の方向にアクチュエータ要素の長軸方向軸に沿った直線移動を可能にするように構成されうる。アクチュエータ要素は、加熱チャンバーの開口部と係合するように構成された支持体を備えてもよい。支持体は、加熱チャンバーの開口部に寄りかかって置かれてもよく、一方でユーザーによって作動するアクチュエータ要素のさらなる部分は、アクチュエータ要素の上述の回転運動と比較して、アクチュエータ要素の直線移動を可能にするように構成される。アクチュエータ要素の直線移動は、駆動要素によってクリーニング要素の回転運動に変換されることが好ましい。アクチュエータ要素は、保持作用を発生するように構成されたばねを備えてもよい。保持作用は、アクチュエータ要素のそれぞれの動きの後に、アクチュエータ要素を初期位置に戻しうる。クリーニングツールの掃除作用は、この実施形態では、ばねの保持力に対してアクチュエータ要素を複数回押すことによって実現されることが好ましい。この実施形態では、クリーニングツールは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーの近くまたはその部分的に内部に定置され、次いで、クリーニングツールが、アクチュエータ要素の支持体によって所定位置に保持されている間に、アクチュエータ要素を加熱チャンバーの方向に押すことによって複数回作動させることが好ましい。アクチュエータ要素の各起動の後、ばねはアクチュエータ要素を初期位置に押し戻す。
【0022】
アクチュエータ要素の支持体はウォーム歯車を備えてもよく、移動要素は少なくとも一つの平歯車を備える。アクチュエータ要素が直線移動のために構成されているとき、アクチュエータ要素はウォーム歯車を利用することが好ましい。この実施形態では、アクチュエータ要素の直線移動は、移動要素の平歯車と係合するように構成されたウォーム歯車によって、クリーニング要素の回転運動に転換される。この実施形態による移動要素は、クリーニング要素の傘歯車と係合するように構成された傘歯車を含みうる。
【0023】
クリーニングツールは複数のクリーニング要素を含んでもよく、クリーニング要素はクリーニング要素の共通の長軸方向軸の周りに回転可能なように構成され、クリーニング要素の共通の長軸方向軸は、個々のクリーニング要素の個々の長軸方向軸に対してオフセットされている。クリーニング要素のこの配設によれば、クリーニングツールの作動中に、発熱体の外表面が均一に掃除されるように、クリーニング要素は発熱体の周りを回る。
【0024】
クリーニングツールはハウジングをさらに備えてもよく、ハウジングは、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーへの挿入中にクリーニングツールを正しく整列させるように構成されたアラインメント要素を備える。アラインメント要素は、掃除される発熱体が実質的に平坦な形状を有する場合、特に提供されてもよい。この場合、加熱チャンバーへの挿入中にクリーニングツールを正しく整列させることは、発熱体を掃除するため、および同時に発熱体の損傷を防止するために有益でありうる。アラインメント要素は、ハウジングの長軸方向軸に平行に延び、かつハウジングの外表面上に配設された溝の形状を有してもよい。アラインメント要素は、ハウジングの長軸方向軸に平行に延び、かつハウジングの外表面上に配設されたナットの形状を有してもよい。対応する形状の要素は、クリーニングツールのアラインメント要素と係合するために、加熱チャンバーの内壁上に形成されることが好ましい。クリーニングツールがエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入されると、エアロゾル発生装置の対応する形状の要素と係合されたアラインメント要素は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内でのクリーニングツールの回転を防止する。クリーニングツールの回転を防止することは、発熱体が平坦な形状を有する場合、またはクリーニングツールの回転が別の方法で発熱体を損傷しうる場合に、特に有益である。
【0025】
クリーニングツールは10mm~50mm、好ましくは20mm~40mm、より好ましくは30mmの長軸方向の長さを有しうる。クリーニングツールは5mm~20mm、好ましくは8mm~15mm、より好ましくは12mmの直径を有しうる。
【0026】
アクチュエータ要素は、電池、電動モーター、および起動ボタンを備えてもよい。よって、アクチュエータ要素は、ユーザーが起動ボタンを押した場合に、掃除作用を自動的に促進するために提供されうる。起動ボタンの代わりに、アクチュエータ要素は、アクチュエータ要素がスマートフォンまたはスマートウォッチなどの外部装置によって起動されうるように、通信インターフェースを備えてもよい。
【0027】
本発明はまた、エアロゾル発生装置および上述のクリーニングツールに関する。エアロゾル発生装置は加熱チャンバーおよび発熱体を備え、発熱体はチャンバーの中に配設されている。クリーニングツールは、加熱チャンバーに挿入されるように構成され、かつアクチュエータ要素を作動させることによって少なくとも発熱体を掃除するように構成されている。
【0028】
発熱体は、加熱チャンバーの中央に整列されていてもよい。発熱体は加熱用ピンまたは加熱用ブレードであってもよい。発熱体は抵抗ヒーターであってもよい。加熱チャンバーは円筒形状を有してもよい。
【0029】
本発明はまた、クリーニングツールによってエアロゾル発生装置の発熱体を掃除するための方法に関し、方法は、
i) アクチュエータ要素と、一つ以上のクリーニング要素と、アクチュエータ要素からクリーニング要素に駆動力を伝達するように構成された移動要素と、を備えるクリーニングツールを提供する工程であって、移動要素が一つ以上の歯車を備える工程と、
ii) エアロゾル発生装置の加熱チャンバーにクリーニングツールを挿入する工程と、
iii) 加熱チャンバー中の発熱体を掃除するために、アクチュエータ要素を作動させる工程と、を含む。
【0030】
以下に本発明の実施例を、添付図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1:本発明によるクリーニングツールの取付け要素、アクチュエータ要素、および駆動要素。
図2図2:本発明によるクリーニングツールのクリーニング要素。
図3図3:本発明によるクリーニングツールのハウジング。
図4図4:本発明によるクリーニングツールの動作構成要素を一緒に組み立てる。
図5図5:一実施形態による本発明によるクリーニングツールの構成。
図6図6:一実施形態による本発明によるクリーニングツールの構成。
図7図7:一実施形態による本発明によるクリーニングツールの構成。
図8図8図7の実施形態による本発明によるクリーニングツールのさらなる図解。
【0032】
図1は、本発明によるクリーニングツールの部品を示す。より詳細には、図1は、アクチュエータ要素12および移動要素14を取り付けるための取付け要素10を示す。
【0033】
図1は、アクチュエータ要素12の歯車を示す。図1に示す実施形態では、アクチュエータ要素12の歯車は傘歯車16として構成されている。図5および6に示す実施形態では、アクチュエータ要素12の歯車は平歯車として構成されている。アクチュエータ要素12の傘歯車16は、駆動要素14の歯車18と係合するように配設され、これは図1に示す実施形態などの一部の実施形態では傘歯車である。図1に示す本発明の実施形態による駆動要素14は、傘歯車18の反対側に平歯車20を備える。図1に示すように、駆動要素14は、相互に反対側の二つの別個の歯車を備え、各歯車は、傘歯車18および平歯車20を備えることが好ましい。図1の右側部分は、アクチュエータ要素12の傘歯車16と係合する駆動要素14の傘歯車18を示す。図1の左側部分では、駆動要素14の平歯車20は、駆動要素14の傘歯車18の反対側に配設されてさらに図示されている。駆動要素14の平歯車20は、駆動要素14の傘歯車18にそれぞれのシャフトで接続されうる。駆動要素14の平歯車20と傘歯車18の間に、取付け要素10上に駆動要素14を取り付けるための間隙が提供されうる。アクチュエータ要素12はまた、取付け要素10上に取り付けられる。図1に示す実施形態では、アクチュエータ要素12の傘歯車16と、アクチュエータ要素12が備えてもよい、図4、5および6に例示的に示される回転可能なノブとの間に間隙が提供されている。アクチュエータ要素12は、この間隙において取付け要素10に取付けられうる。よって、アクチュエータ要素12および駆動要素14は、取付け要素10上に取り付けられる。
【0034】
図2は、一実施形態による四つのクリーニング要素22を示す。取付け要素10は、駆動要素14をクリーニング要素22に接続するためのブラケットとして機能する。駆動要素14の二対の平歯車20および傘歯車18によって、四つのクリーニング要素22はすべて、アクチュエータ要素12を動かすことによって同時に動くことができる。図2に示す実施形態では、各クリーニング要素22は、本質的にプレート様の形状を有し、クリーニングツールがエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入されたときに、発熱体に面するように配設された第一の端24を備える。各クリーニング要素22はまた、放射状表面26および第一の端24の反対側にある第二の端28を備える。第二の端28に、各クリーニング要素22は平歯車30を備える。一部の実施形態では、クリーニング要素22は複数の平歯車30を備える。
【0035】
図2はまた、クリーニング要素22を包含する内側ハウジング32を示す。内側ハウジング32は、クリーニング要素22によって発熱体から掻き落とされた残留物が、平歯車30またはクリーニングツールの他の構成要素を汚染するのを防止するために提供される。内側ハウジング32は、加熱チャンバーからこれらの残留物を抜き取るために、ほぐされた残留物を収集するように構成されうる。内側ハウジング32は、ほぐされた残留物を内側ハウジング32の中に案内するため、および残留物が加熱チャンバーの中に落下するのを防止するために、少なくとも一つの案内要素を備えてもよい。
【0036】
図2に図示するように、各クリーニング要素22は、クリーニングツールが加熱チャンバーに受容されたときに、掃除される発熱体の方に向くように配設されたそれぞれの第一の端24に複数のブラシ34を備える。図2に示す各クリーニング要素22は軸を備える。作動中、ブラシ34は、クリーニング要素22のそれぞれの軸の周りを回転し、その軸は発熱体の長軸方向軸と直角を成す。
【0037】
図3は、動作要素、すなわち、アクチュエータ要素12、移動要素14およびクリーニング要素22を囲むためのクリーニングツールのハウジング36を示す。ハウジング36は、内側ハウジング32の代わりに、またはそれに加えて、掃除動作後に、クリーニングツールと共に残留物を抜き取るために、ほぐされた残留物を保持するように構成されてもよい。一部の実施形態では、ハウジング36は、動作要素12、14、22を部分的にのみ取り囲むか、または動作要素12、14、22の全てを取り囲まなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、クリーニング要素22の一部分は、クリーニング要素22が少なくとも部分的に露出されるように、ハウジング36を越えて突出するかまたは延びうる。一部の実施形態では、例えば、図5および図6に示すものは、アクチュエータ要素14の歯車16の少なくとも一部分がハウジング36の外側に露出されてもよい。ハウジング36は、クリーニングツールの作業要素を損傷から保護するため、またクリーニングツールの審美性を高めるために提供される。ハウジング36は、ハウジング36がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入されうるような外径を有しうる。ハウジング36は、ハウジング36が加熱チャンバーとぴったり適合し、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーへのハウジング36の挿入中に、加熱チャンバーの内壁に付着している望ましくない残留物が加熱チャンバーの内壁から掻き落されるような直径を有することが好ましい。ハウジング36はまた、アラインメント要素38を備えてもよい。アラインメント要素38は、ハウジング36の外表面上に配設されている。クリーニングツールがエアロゾル発生装置の加熱チャンバーに挿入されたとき、クリーニング要素22は、アラインメント要素38によって、掃除される発熱体に対して自動的に正しく整列される。アラインメント要素38は、長軸方向に延びる溝またはナットを備えることが好ましい。
【0038】
クリーニングツールの使用中、発熱体の動作が防止されてもよい。エアロゾル発生装置が、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入されたことを検出するように、センサーまたはポカよけなどの検出要素がハウジング36の外表面上に配設されうる。結果として、発熱体の動作は、エアロゾル発生装置のコントローラによって防止されうる。加熱チャンバーの内壁は、クリーニングツールの検出要素と相互作用するための対応する検出要素を備えてもよい。
【0039】
図4は、図1図3に示すクリーニングツールの構成要素を一緒に組み立てたものを示す。一緒に組み立てられるとき、アクチュエータ要素12の傘歯車16は、図1に示すように、駆動要素14の傘歯車18と係合する。アクチュエータ要素12は、回転可能なノブを備える。移動要素14の平歯車20は、クリーニング要素22の平歯車30と係合する。図2および4に示すように、複数のクリーニング要素22が提供される場合、クリーニング要素22の平歯車30は、移動要素14と直接係合していないが、移動要素14の近くに位置付けられたクリーニング要素22の平歯車30と係合する。よって、クリーニング要素22の往復移動が促進され、これがクリーニングツールによる発熱体の掃除をさらに強化しうる。
【0040】
図5は、クリーニング要素22が細長い円筒形状を有する実施形態を示す。この実施形態では、ブラシ34は、クリーニング要素22の放射状表面26上に配設されている。クリーニング要素22の第一の端24は、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入されたとき、加熱チャンバーの基部の方を向く。クリーニング要素22の第二の端28は、アクチュエータ要素12の平歯車16の直接係合のために、平歯車30を備える。図5に示す実施形態では、二つのクリーニング要素22が提供されている。しかしながら、一つのみまたは三つ以上のクリーニング要素22が提供されてもよい。この点に関して、クリーニング要素22は、発熱体がクリーニング要素22の回転によってすべての側面から掃除されるように、発熱体の周りに提供される。クリーニング要素22を回転させるために、回転可能なノブを備えるアクチュエータ要素12が回転される。これは、クリーニング要素22のすべてが、自動洗車ラインのブラシと同じように、同時に回転される効果を有する。図5および6に示す実施形態では、クリーニング要素22は、発熱体の長軸方向軸に平行であるが、長軸方向軸からオフセットされた長軸方向軸の周りを回転する。
【0041】
図6はさらなる実施形態を示し、この実施形態では、アクチュエータ要素12の平歯車16は、同時にクリーニング要素22の平歯車30として機能する。図6に示す実施形態では、二つのクリーニング要素22が提供されており、第一のクリーニング要素22は、クリーニング要素22の第二の端28に第一の平歯車30を備え、第二のクリーニング要素22は第二の平歯車30を備え、第二の平歯車30はアクチュエータ要素12の平歯車16でもある。アクチュエータ要素12および第二のクリーニング要素22の平歯車16、30は、第一のクリーニング要素22の平歯車30と係合し、その結果、アクチュエータ要素12の回転は、クリーニング要素22の両方の回転の効果を有するようになる。
【0042】
図7は、図1~6に示す実施形態に示す回転運動と比較して、アクチュエータ要素12が直線移動のために構成されているさらなる実施形態を示す。図7の実施形態では、ばね40は、アクチュエータ要素12の一部として提供されている。図8に見られるように、ばね40は支持体42と接続される。支持体42は、支持体42がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの開口部に寄りかかって置かれうるような形状を有し、一方でクリーニング要素22は加熱チャンバー内に到達しうる。図7および8に示す実施形態のアクチュエータ要素12は、クリーニングツールの長軸方向軸に沿って、クリーニング要素22および移動要素14に対して摺動するように構成されたシャフト44を有する。支持体42はウォーム歯車46を備え、これは移動要素14の平歯車48に係合する。移動要素14は傘歯車50を備え、これはクリーニング要素22の傘歯車30に係合する。クリーニング要素22は、アクチュエータ要素12の直線移動の結果として回転する複数のブラシ34を備える。図7および図8に示す実施形態では、クリーニング要素22のブラシ34は、クリーニングツールが加熱チャンバーに挿入されたときに発熱体の長軸方向軸と一致するクリーニングツールの長軸方向軸の周りを回転する。したがって、クリーニング要素22のブラシ34は、アクチュエータ要素12の直線移動によって発熱体を掃除するために回転されうる。ばね40は、アクチュエータ要素12の作動後に、アクチュエータ要素12をその初期位置に戻す保持力を作り出すために提供される。図7および8に示すようなクリーニングツールは、加熱チャンバーの開口部に対して位置付けられることが好ましい。その後、アクチュエータ要素12は加熱チャンバーの方向に繰り返し押され、それによってクリーニング要素22のブラシ34の回転を作り出す。発熱体および好ましくはエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの内壁および基部の掃除後、クリーニングツールは取り外される。取り外しの間、ほぐされた残留物は、クリーニングツールと共に加熱チャンバーから抜き取られることが好ましい。ほぐされた残留物は、内側ハウジング32またはハウジング36の中に包含されうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8