(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240912BHJP
A61N 7/00 20060101ALI20240912BHJP
A61B 90/50 20160101ALI20240912BHJP
B25J 19/00 20060101ALN20240912BHJP
B25J 9/06 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A61B17/00 700
A61N7/00
A61B90/50
B25J19/00 C
B25J9/06 D
(21)【出願番号】P 2023122496
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0011192
(32)【優先日】2023-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516270991
【氏名又は名称】アイエムジーティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ハン,キュ フン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヨン ボク
(72)【発明者】
【氏名】ソン,コン ホ
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-519327(JP,A)
【文献】特開2012-005646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61N 7/00
A61B 90/50
B25J 19/00
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側下端に第1ジョイントが備えられ、
前記第1ジョイントの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、他側上端に第2ジョイントが備えられた第1リンクと、
前記第2ジョイントを基準に
前記第1リンクと連結され、
前記第2ジョイントの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、
前記第2ジョイントの水平軸を中心に上下にティルティング可能な第2リンクと、
前記第1リンクに備えられて、
前記第1リンク及び
前記第2リンクの回転動作を同時に固定させるか、
前記第1リンク及び
前記第2リンクの少なくとも1つの回転動作のために固定を解除する第1機械メカニズムと、
前記第2リンクの一端に備えられて超音波ヘッドと連結されるヘッド連結部と、
を含み、
前記第1機械メカニズムは、
第1レバーと、
前記第1レバーの回転によって水平方向に回転するウォームギアと、
前記ウォームギアを基準に両端に連結されて前記ウォームギアの水平方向の回転によって垂直方向に回転する第1ウォームホイール及び第2ウォームホイールと、
前記各ウォームホイールに連結されて、前記各ウォームホイールの回転によって同じ方向に回転する第1シャフト及び第2シャフトと、
前記各シャフトの回転によって、各シャフトホルダーを締めるか、締め付け解除する第1締め金及び第2締め金と、
前記各シャフトホルダーのホールに挿入され、前記各ジョイントにそれぞれ固定されて、前記各シャフトホルダーの締め付けまたは解除によって同時に固定されるか、固定解除される第1回転軸及び第2回転軸と、
を含むことを特徴とする超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置。
【請求項2】
前記超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置は、
前記第2リンクに備えられて、
前記第2リンクのティルティング動作を固定させるか、解除する第2機械メカニズムをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置。
【請求項3】
前記第2機械メカニズムは、
ネジが備えられた第2レバーと、
前記第2レバーの回転時に、
前記第2レバーのネジによって締めるか、締め付け解除される第3シャフトホルダーと、
前記第3シャフトホルダーのホールに挿入されて、
前記第3シャフトホルダーの締め付けまたは解除によって固定または解除される第3回転軸と、
を含むことを特徴とする請求項
2に記載の超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置。
【請求項4】
前記第2機械メカニズムは、
回転時に、上または下に移動するネジが備えられた第2レバーと、
前記第2レバーの回転によって
前記第2レバーが下に移動すれば、
前記ネジと接触し、
前記第2レバーが上に移動すれば、
前記ネジと接触が解除される第3シャフトホルダーと、
前記第3シャフトホルダーのホールに挿入されて、
前記第3シャフトホルダーの接触または解除によって固定または解除される第3回転軸と、
を含むことを特徴とする請求項
2に記載の超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用した診断及び治療技術に係り、より詳細には、映像誘導下治療(Image Guide Therapy)のための集束超音波(Focused Ultrasound:以下、FUSと称する)を利用したイメージスキャニング及び治療技術に関する。
【背景技術】
【0002】
癌、腫瘍、病変のような生体組織の治療に超音波信号を利用できる。超音波を利用した治療は、超音波信号を人体の病変に照射して病変を治療する方式である。一般的な外科手術や化学的な治療(Chemotherapy)方式などに比べて、超音波治療は、相対的に患者の外傷に対する損傷が少なく、非侵襲的治療(Non-invasive treatment)を実現することができる。その適用例としては、肝癌(Liver cancer)、骨肉腫(Bone sarcoma)、乳癌(Breast cancer)、膵臓癌(Pancreas cancer)、腎臓癌(Kidney cancer)、軟組織の腫瘍(Soft tissue tumor)及び骨盤腫瘍(Pelvic tumor)など多様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0121277号公報
【文献】韓国公開特許第10-2022-0097177号公報
【文献】韓国公開特許第10-2006-0113930号公報
【文献】特開2012-005646号公報
【文献】特開2015-077418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態によって、超音波ヘッドを移動するに当たって、移動距離による高さ変化なしに一定に移動が可能であり、小型化及び軽量化が可能であり、強い固定力及び簡単な操作性を提供する超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置は、一側下端に第1ジョイントが備えられ、第1ジョイントの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、他側上端に第2ジョイントが備えられた第1リンク;第2ジョイントを基準に第1リンクと連結され、第2ジョイントの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、第2ジョイントの水平軸を中心に上下にティルティング可能な第2リンク;第1リンクに備えられて、第1リンク及び第2リンクの回転動作を同時に固定させるか、第1リンク及び第2リンクの少なくとも1つの回転動作のために固定を解除する第1機械メカニズム;及び第2リンクの一端に備えられて超音波ヘッドと連結されるヘッド連結部;を含む。
【0006】
第1機械メカニズムは、ギアまたはプーリーまたは摩擦力を生成することができる機構物を用いて第1リンク及び第2リンクの回転を同時に固定または固定解除することができる。
【0007】
第1機械メカニズムは、第1レバー;第1レバーの回転によって水平方向に回転するウォームギア;ウォームギアを基準に両端に連結されてウォームギアの水平方向の回転によって垂直方向に回転する第1ウォームホイール及び第2ウォームホイール;各ウォームホイールに連結されて、各ウォームホイールの回転によって同じ方向に回転する第1シャフト及び第2シャフト;各シャフトの回転によって、各シャフトホルダーを締めるか、締め付け解除する第1締め金及び第2締め金;及び各シャフトホルダーのホールに挿入され、各ジョイントにそれぞれ固定されて、各シャフトホルダーの締め付けまたは解除によって同時に固定または解除される第1回転軸及び第2回転軸;を含みうる。
【0008】
超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置は、第2リンクに備えられて、第2リンクのティルティング動作を固定させるか、解除する第2機械メカニズムをさらに含みうる。
【0009】
第2機械メカニズムは、ネジが備えられた第2レバー;第2レバーの回転時に、第2レバーのネジによって締めるか、締め付け解除される第3シャフトホルダー;第3シャフトホルダーのホールに挿入されて、第3シャフトホルダーの締め付けまたは解除によって固定または解除される第3回転軸;を含みうる。
【0010】
第2機械メカニズムは、回転時に、上または下に移動するネジが備えられた第2レバー;第2レバーの回転によって第2レバーが下に移動すれば、ネジと接触し、第2レバーが上に移動すれば、ネジとの接触が解除される第3シャフトホルダー;第3シャフトホルダーのホールに挿入されて、第3シャフトホルダーの接触または解除によって固定または解除される第3回転軸;を含みうる。
【発明の効果】
【0011】
一実施形態による超音波ヘッド用ポジショニングアーム装置は、超音波ヘッドを移動するに当たって、2箇所の回転と1箇所のティルティングとを通じて、移動距離による高さ変化なしに一定に移動が可能である。
【0012】
また、一実施形態によるポジショニングアーム装置は、2箇所の回転動作を同時に固定または解除することができ、ワームメカニズムを用いて小さな力で操作が可能である。
【0013】
また、一実施形態によるポジショニングアーム装置は、機構メカニズムのみで動作するために、小型化及び軽量化が可能である。例えば、従来、超音波ヘッドを固定させるために電子機器(ソレノイドまたはモータ)を使用した。超音波ヘッドの固定を確実にするためには、強い固定力が必要であり、それは、電子機器(ソレノイドまたはモータ)の大型化に繋がる。これは、機器の大型化及び重量の増加に繋がり、結局、移動型ではない、固定型機器にしかならない。一実施形態によるポジショニングアーム装置は、従来の電子機器を排除し、純粋機械部品を使用して構造の単純化及び小型化、軽量化が可能である。
【0014】
さらに、一実施形態によるポジショニングアーム装置は、強い固定力及び簡単な操作性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による超音波システムの構成を示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態によるポジショニングアーム装置の構成を示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態による第1機械メカニズムの構成を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による第2機械メカニズムの構成を示す図面である。
【
図5】本発明の他の実施形態による第2機械メカニズムの構成を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを果たす方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態として具現可能であり、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義される。明細書の全体に亘って同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。
【0017】
本発明の実施形態を説明するに当って、公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略し、後述する用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0018】
添付のブロック図の各ブロックとフローチャートとの各段階の組み合わせは、コンピュータプログラムインストラクション(実行エンジン)によって行われてもよく、これらのコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサに搭載され、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置のプロセッサを通じて行われるそのインストラクションがブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行う手段を生成する。
【0019】
これらのコンピュータプログラムインストラクションは、特定の方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を指向することができるコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されることも可能なので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み取り可能メモリに保存されたインストラクションは、ブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各段階で説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。
【0020】
そして、コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上に搭載されることも可能なので、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置上で一連の動作段階が行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成してコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装置を行うインストラクションは、ブロック図の各ブロック及びフローチャートの各段階で説明される機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0021】
また、各ブロックまたは各段階は、特定の論理的機能を実行するための1つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができ、幾つかの代替実施形態では、ブロックまたは段階で言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目しなければならない。例えば、相次いで示されている2つのブロックまたは段階は、実に、実質的に同時に行われることも可能であり、また、そのブロックまたは段階が必要に応じて該当する機能の逆順に行われることも可能である。
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、次に例示する本発明の実施形態は、さまざまな他の形態に変形され、本発明の範囲が、次に詳述する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、当業者に本発明をより完全に説明するために提供される。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による超音波システムの構成を示す図面である。
【0024】
図1を参照すれば、一実施形態による超音波医療装置1は、本体10、ポジショニングアーム装置(Positioning arm apparatus)12及び超音波ヘッド14を含む。
【0025】
本体10の上端にポジショニングアーム装置12が連結される。本体10は、超音波ヘッド14から得た信号を処理する制御部とポジショニングアーム装置12を操作することができる駆動部などが内在することができる。
【0026】
ポジショニングアーム装置12は、超音波ヘッド14を支持する支持構造であって、アーム(arm)構造を成し、ポジショニングアーム装置12は、ユーザの操作によって超音波ヘッド14を水平及び垂直など多様な方向に迅速かつ容易に移動可能にして、超音波ヘッド14を目標となる治療部位の治療に適切な位置に移動させることができる。
【0027】
超音波ヘッド14は、トランスデューサ(transducer)を含む。トランスデューサは、イメージングトランスデューサ及びトリートメントトランスデューサを含むことができ、イメージングトランスデューサ及びトリートメントトランスデューサの位置を物理的に整列した後、それを組み立てた構造体の形態である。
【0028】
トリートメントトランスデューサは、患者の治療のための集束超音波を放射するように構成される。トリートメントトランスデューサは、集束超音波信号(Focused Ultra Sound:FUS)を発生させて治療領域にフォーカシング(Focusing)する。トリートメントトランスデューサは、多数個で構成されたアレイ構造であり、アレイを構成する多数個のトリートメントトランスデューサがランダムな形態に配置される。
【0029】
イメージングトランスデューサは、被検査体に対する診断映像を獲得するためである。施術者は、イメージングトランスデューサによって獲得される診断映像を確認しながら集束超音波治療を施術することができる。イメージングトランスデューサは、超音波信号を被検査体に送信し、被検査体から反射した超音波信号を受信できるように構成することができる。例えば、イメージングトランスデューサは、円筒状のケーシングに圧電素子などが内蔵されて構成することができる。イメージングトランスデューサの下面を通じて超音波が送受信される。イメージングトランスデューサは、トリートメントトランスデューサの集束超音波放射面の中央を貫通して挿入される。このために、トリートメントトランスデューサの集束超音波放射面の中央には、イメージングトランスデューサの挿入のための挿入ホールが形成されうる。
【0030】
被検査体に対する超音波診断映像は、ディスプレイ装置の画面に表示される。ディスプレイ装置は、超音波システム1の動作遂行のためのグラフィックユーザインターフェース画面、ユーザの操作を入力されるためのグラフィックユーザインターフェース画面、進行結果を表示するグラフィックユーザインターフェース画面などを表示することができる。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態によるポジショニングアーム装置の構成を示す図面である。
【0032】
図2において、Rは、左右に回転の方向を示し、Tは、上下にティルティングの方向を示す。
図2は、
図1の超音波ヘッド14がポジショニングアーム装置12に付着されていない状態を示す。
【0033】
図1及び
図2を参照すれば、ポジショニングアーム装置12は、第1リンク22a、第2リンク22b、第1機械メカニズム(
図3の24)、第2機械メカニズム(
図3の26)及びヘッド連結部28を含む。
【0034】
第1リンク22aは、一側下端に第1ジョイント20aが備えられ、第1ジョイント20aの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、他側上端に第2ジョイント20bが備えられる。
【0035】
第2リンク22bは、第2ジョイント20bを基準に第1リンク22aと連結され、第2ジョイント20bの垂直軸を中心に左右に回転自在であり、第2ジョイント20bの水平軸を中心に上下にティルティング可能である。
【0036】
一実施形態によるポジショニングアーム装置12は、2箇所の回転動作及び1箇所のティルティング動作が可能である。例えば、第1リンク22a及び第2リンク22bの回転動作及び第2リンク22bのティルティング動作が可能である。ユーザの操作による2箇所の回転及び1箇所のティルティングを通じて、超音波ヘッドの高さ変化なしに超音波ヘッドの移動が可能である。
【0037】
この際、第1リンク22a及び第2リンク22bの回転動作は、本発明のワーム構造、ギア構造及びリンク構造によって同時に可能である。ワーム構造を用いて小さな力で操作が可能である。
【0038】
第1機械メカニズム(
図3の24)は、第1リンク22aに備えられて、第1リンク22a及び第2リンク22bを同時に固定させるか、第1リンク22a及び第2リンク22bのうち少なくとも1つを回転させるように固定を解除する。第1リンク22a及び第2リンク22bが固定されれば、ロック(locking)処理されて既定の力以下のユーザの操作による回転が不可能であり、固定が解除されれば、自由にユーザの操作による回転が可能である。ユーザの操作によって第1リンク22a及び第2リンク22bのうち少なくとも1つを回転させて超音波ヘッドが所望の位置に到達すれば、第1機械メカニズム(
図3の24)によって第1リンク22a及び第2リンク22bが同時に固定される。第1機械メカニズム(
図3の24)は、ギアまたはプーリーまたは摩擦力を生成することができる機構物を用いて第1リンク及び第2リンクの回転を同時に固定して阻止することができる。摩擦力は、第1リンク及び第2リンクの回転を阻止するための力を増加させる。
【0039】
第2機械メカニズム26は、第2リンク22bに備えられて、第2リンク22bの上下ティルティング動作を固定させるか、解除する。この際、第2リンク22bが固定されれば、ユーザの操作による第2リンク22bのティルティング動作が不可能であり、第2リンク22bの固定が解除されれば、ユーザの操作による第2リンク22bのティルティング動作が可能となる。ユーザの操作によって第2リンク22bをティルティングさせた後、超音波ヘッドが所望の位置に移動すれば、第2機械メカニズム26の固定動作を通じて第2リンク22bを固定させることができる。
【0040】
ヘッド連結部28は、第2リンク22bの一端に備えられて超音波ヘッド14と連結される。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態による第1機械メカニズムの構成を示す図面である。
【0042】
図2及び
図3を参照すれば、第1機械メカニズム24は、第1レバー30、ウォームギア31、第1ウォームホイール32a、第2ウォームホイール32b、第1シャフト33a、第2シャフト33b、第1締め金34a、第2締め金34b、第1回転軸35a及び第2回転軸35bを含む。第1レバー30は、第1リンク22aの外部に位置することができ、ウォームギア31、第1ウォームホイール32a、第2ウォームホイール32b、第1シャフト33a、第2シャフト33b、第1締め金34a、第2締め金34b、第1回転軸35a及び第2回転軸35bは、第1リンク22aの内部に位置しうる。第1ウォームホイール32a、第1シャフト33a、第1締め金34a、第1回転軸35aは、第1機械メカニズム24の右側に位置して第1リンク22aの回転動作のために備えられうる。ユーザの操作によって第1リンク22aが第1回転軸35aを中心に回転することができる。これに比べて、第2ウォームホイール32b、第2シャフト33b、第2締め金34b、第2回転軸35bは、第1機械メカニズム24の左側に位置して第2リンク22bの回転動作のために備えられうる。ユーザの操作によって第2リンク22bが第2回転軸35bを中心に回転することができる。
【0043】
第1レバー30は、第1リンク22aの外部に備えられて、ユーザの操作によって回転する。ユーザが第1レバー30を所定の方向(例えば、時計回り方向)に回転させれば、第1リンク22a及び第2リンク22bを同時に固定させることができ、逆方向(例えば、逆時計回り方向)に回転させれば、第1リンク22a及び第2リンク22bの固定を同時に解除することができる。
図3では、第1レバー30の形態を図示しているが、第1レバー30は、電気信号を印加するスイッチなどに代替可能である。
【0044】
ウォームギア31は、第1ウォームホイール32a及び第2ウォームホイール32bの間に位置し、第1レバー30と連結されて第1レバー30の回転によって水平方向に回転する。
【0045】
第1ウォームホイール32a及び第2ウォームホイール32bは、ウォームギア31を基準に両端に連結されて、ウォームギアの水平方向の回転によって垂直方向に回転する。
【0046】
第1シャフト33aは、第1ウォームホイール32aに連結され、第2シャフト33bは、第2ウォームホイール32bに連結されて、第1シャフト33aは、第1ウォームホイール32aの回転によって同じ方向に回転し、第2シャフト33bは、第2ウォームホイール32bの回転によって同じ方向に回転する。
【0047】
第1締め金34aは、第1シャフト33aの回転によって第1シャフトホルダー35aを締めるか、締め付け解除する。同様に、第2締め金34bは、第2シャフト33bの回転によって第2シャフトホルダー35bを締めるか、締め付け解除する。
【0048】
第1回転軸35aは、第1シャフトホルダー35aのホール(hole)に挿入され、第1ジョイント20aに固定されて、第1シャフトホルダー35aの締め付けまたは解除によって固定または解除される。同様に、第2回転軸35bは、第2シャフトホルダー35bのホールに挿入され、第2ジョイント20bに固定されて、第2シャフトホルダー35bの締め付けまたは解除によって固定または解除される。この際、第1回転軸35a及び第2回転軸35bが同時に固定されれば、ユーザの操作による第1リンク22a及び第2リンク22bの移動が不可能である。
【0049】
前述した構造に基づいて、以下、第1リンク22a及び第2リンク22bを同時に固定させるプロセスについて後述する。ユーザの操作によって第1レバー30が所定の方向(例えば、時計回り方向)に回転すれば、第1レバー30と連結されたウォームギア31が同じ方向に回転し、ウォームギア31と連結された第1ウォームホイール32a及び第2ウォームホイール32bがウォームギア31とは垂直方向に回転し、第1ウォームホイール32a及び第2ウォームホイール32bと連結されたシャフト33a、33bが第1ウォームホイール32a及び第2ウォームホイール32bと同じ方向に回転し、各シャフト33a、33bの回転によって、各締め金34a、34bが動作し、各締め金34a、34bの動作によって、各シャフトホルダー35a、35bが締められ、各シャフトホルダー35a、35bの締めによって、各シャフトホルダー35a、35bのホールに挿入された各回転軸36a、36bが同時に固定される。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態による第2機械メカニズムの構成を示す図面である。
【0051】
図2及び
図4を参照すれば、第2機械メカニズム26は、第2レバー40、第3シャフトホルダー42及び第3回転軸44を含む。
【0052】
第2レバー40は、ユーザの取っ手の役割を行う構造が第2リンク22bの外部に位置し、ネジの少なくとも一部が第2リンク22bの内部に備えられる。
【0053】
第3シャフトホルダー42は、第2レバー40の回転時に、第2レバー40のネジによって締めるか、締め付け解除される。
【0054】
第3回転軸44は、第3シャフトホルダー42のホールに挿入されて、第3シャフトホルダー42の締め付けまたは解除によって固定または解除される。第3シャフトホルダー42は、第3回転軸44を取り囲んでいる。
【0055】
前述した構造に基づいて、以下、第2リンク22bのティルティング固定プロセスについて後述する。ユーザの操作によって第2レバー40が所定の方向(例えば、時計回り方向)に回転すれば、第2レバー40のネジ部分が回転し、回転するネジによって第3シャフトホルダー42が締められ、第3シャフトホルダー42の締めによって第3シャフトホルダー42の隙間部分が狭くなりながら第3シャフトホルダー42のホールに挿入された第3回転軸44を締め、第3シャフトホルダー42と第3回転軸44との摩擦力によって第3回転軸44が固定される。第3回転軸44が固定されれば、第2リンク22bのティルティング動作が不可能である。
【0056】
図5は、本発明の他の実施形態による第2機械メカニズムの構成を示す図面である。
【0057】
図2及び
図5を参照すれば、第2機械メカニズム26は、第2レバー40、第3シャフトホルダー42及び第3回転軸44を含む。
【0058】
第2レバー40は、ユーザの取っ手の役割を行い、同時に回転するネジ構造が第2リンク22bの外部に位置する。
【0059】
第3シャフトホルダー42は、第2レバー40の回転時に、第2レバー40のネジによって押圧されるか、押圧解除される。
【0060】
第3回転軸44は、第3シャフトホルダー42のホールに挿入されて、第3シャフトホルダー42の押圧または押圧解除によって固定または解除される。第3シャフトホルダー42は、第3回転軸44を取り囲んでいる。
【0061】
前述した構造に基づいて、以下、第2リンク22bのティルティング固定プロセスについて後述する。ユーザの操作によって第2レバー40が所定の方向(例えば、時計回り方向)に回転すれば、第2レバー40のネジ部分が回転しながら下に移動し、下に移動するネジによって第3シャフトホルダー42を押し、第3シャフトホルダー42の押えによって第3シャフトホルダー42のホールに挿入された第3回転軸44を締め、第3シャフトホルダー42と第3回転軸44との摩擦力によって第3回転軸44が固定される。第3回転軸44が固定されれば、第2リンク22bのティルティング動作が不可能である。
【0062】
以上、本発明について、その実施形態を中心に説明した。当業者ならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたと解釈しなければならない。