(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】袋体の製造方法、及び、製造装置
(51)【国際特許分類】
B31B 70/64 20170101AFI20240912BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20240912BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240912BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20240912BHJP
【FI】
B31B70/64
B65D30/10 Y
B32B27/00 H
B32B7/023
(21)【出願番号】P 2024034433
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2020105652の分割
【原出願日】2020-06-18
【審査請求日】2024-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591064564
【氏名又は名称】ニッコーグラビア印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【氏名又は名称】堀家 和博
(74)【代理人】
【識別番号】100081891
【氏名又は名称】千葉 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】保田 久
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-030765(JP,A)
【文献】特開2018-002282(JP,A)
【文献】特開2001-287752(JP,A)
【文献】特開2011-011788(JP,A)
【文献】実開平06-035141(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/60 - 70/99
B65D 30/10
B32B 27/00
B32B 7/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物(2)の端部を固着して袋状に形成された袋体の製造方法であって、
前記袋体のシート状物(2)を構成する長尺状のシート状物(12)を、複数の長尺状のフィルム(13)で形成する形成工程(S)を有し、
前記複数の長尺状のフィルム(13)は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム(13a)と、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム(13b)を含み、
前記長尺状のシート状物(12)に、前記長尺状の透明性フィルム(13a)のみで形成された長尺状の透明領域(14)と、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)を重ねて形成された長尺状の非透明領域(15)を有し、
前記長尺状のシート状物(12)における前記長尺状の透明領域(14)と前記長尺状の非透明領域(15)の境界は、前記長尺状のシート状物(12)の長さ方向と略平行であり、
前記形成工程(S)では、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)を重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)の幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部(16)を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)の幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部(17)を形成し、
前記長尺状の非貼合部(17)は、前記長尺状の透明領域(14)と前記長尺状の非透明領域(15)の境界に沿
い、
当該製造方法は、前記形成工程(S)で形成された長尺状のシート状物(12)を、幅方向の所定位置において、長さ方向に沿って前記形成された長尺状のシート状物(12)を切り分ける切分工程を有する、又は、
前記切分工程と、当該切分工程で切り分けられた長尺状のシート状物(12)から、製造される袋体における一方面(1a)と他方面(1b)を少なくとも切断し、切断された前記一方面(1a)と前記他方面(1b)の端部を固着して袋状に形成する製袋工程が1つとなった切分・製袋工程を有し、
前記切分工程又は前記切分・製袋工程で、前記長尺状のシート状物(12)から、前記長尺状の非貼合部(17)を切り落とすことで、
製造される袋体においては、前記長尺状の透明性フィルム(13a)が切り分けられてなる透明性フィルム(3a)と、前記長尺状の非透明性フィルム(13b)が切り分けられてなる非透明性フィルム(3b)が重なっているが貼り合わされていない非貼合部(7)を有していないことを特徴とする袋体の製造方法。
【請求項2】
製造される袋体においては、
当該袋体の一方面側に、前記透明性フィルム(3a)のみで形成された透明領域(4)を少なくとも有し、
当該袋体の他方面側に、前記透明性フィルム(3a)と前記非透明性フィルム(3b)を重ねて形成された非透明領域(5)を少なくとも有し、
当該袋体の一方面側に、前記透明領域(4)のみを有し、
当該袋体の他方面側に、前記非透明領域(5)のみを有していることを特徴とする請求項1に記載の袋体の製造方法。
【請求項3】
シート状物(2)の端部を固着して袋状に形成された袋体の製造装置であって、
前記袋体のシート状物(2)を構成する長尺状のシート状物(12)を、複数の長尺状のフィルム(13)で形成する形成部(60)を有し、
前記複数の長尺状のフィルム(13)は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム(13a)と、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム(13b)を含み、
前記長尺状のシート状物(12)に、前記長尺状の透明性フィルム(13a)のみで形成された長尺状の透明領域(14)と、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)を重ねて形成された長尺状の非透明領域(15)を有し、
前記長尺状のシート状物(12)における前記長尺状の透明領域(14)と前記長尺状の非透明領域(15)の境界は、前記長尺状のシート状物(12)の長さ方向と略平行であり、
前記形成部(60)では、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)を重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)の幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部(16)を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム(13a)と前記長尺状の非透明性フィルム(13b)の幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部(17)を形成し、
前記長尺状の非貼合部(17)は、前記長尺状の透明領域(14)と前記長尺状の非透明領域(15)の境界に沿
い、
当該製造装置は、前記形成部(60)で形成された長尺状のシート状物(12)を、幅方向の所定位置において、長さ方向に沿って前記形成された長尺状のシート状物(12)を切り分ける切分部を有する、又は、
前記切分部と、当該切分部で切り分けられた長尺状のシート状物(12)から、製造される袋体における一方面(1a)と他方面(1b)を少なくとも切断し、切断された前記一方面(1a)と前記他方面(1b)の端部を固着して袋状に形成する製袋部が1つとなった切分・製袋部を有し、
前記切分部又は前記切分・製袋部で、前記長尺状のシート状物(12)から、前記長尺状の非貼合部(17)を切り落とすことで、
製造される袋体においては、前記長尺状の透明性フィルム(13a)が切り分けられてなる透明性フィルム(3a)と、前記長尺状の非透明性フィルム(13b)が切り分けられてなる非透明性フィルム(3b)が重なっているが貼り合わされていない非貼合部(7)を有していないことを特徴とする袋体の製造装置。
【請求項4】
製造される袋体においては、
当該袋体の一方面側に、前記透明性フィルム(3a)のみで形成された透明領域(4)を少なくとも有し、
当該袋体の他方面側に、前記透明性フィルム(3a)と前記非透明性フィルム(3b)を重ねて形成された非透明領域(5)を少なくとも有し、
当該袋体の一方面側に、前記透明領域(4)のみを有し、
当該袋体の他方面側に、前記非透明領域(5)のみを有していることを特徴とする請求項3に記載の袋体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状物の端部を固着して袋状に形成された袋体の製造方法、及び、製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来、包装袋などに適用されるラミネートフィルムの製造方法が知られている(特許文献2参照)。
このラミネートフィルムの製造方法は、2軸延伸のエチレンとビニルアルコール共重合体でかつ配向結晶化を高めたフィルム基材を蒸着処理してフィルム基材の一面全体にアルミニウム蒸着面を形成し、このフィルム基材のアルミニウム蒸着面に印刷処理してアルミニウム蒸着面の上に印刷部分を形成し、フィルム基材を水酸化ナトリウム水溶液中に通してアルミニウム蒸着面の印刷部分を除く部分を溶解し、フィルム基材の印刷部分を設けた側の面にドライラミネート手段により2軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートするとともに、フィルム基材の他面に押し出しラミネート手段によりポリエチレンフィルムをラミネートする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-019563号公報
【文献】特開平8-112881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に対しては、当該特許文献2に記載されたラミネートフィルムの製造方法は、アルミニウム蒸着面の上に印刷部分を形成した後、当該印刷部分以外を溶解する薬品処理(水酸化ナトリウム水溶液での処理)を行うことが必須であるため、包装袋などの製造工程が増え、製造効率が下がる。
又、特許文献2のラミネートフィルムの製造方法は、包装袋などの製造設備の面でも、薬品処理をするため、設備の大型化やコスト高を招くと共に、薬品処理を行った後の廃液処理の問題がある。
【0007】
本発明は、上述したような点に鑑み、長尺状の透明性フィルムと長尺状の非透明性フィルムの幅方向における端部のみを貼り合さない等によって、「製造工程数の低減」などを実現できる袋体の製造方法や、製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
袋体1は、シート状物2の端部を固着して袋状に形成された袋体であって、前記シート状物2は、複数のフィルム3で形成され、これらの複数のフィルム3は、透明性を有した透明性フィルム3aと、透明性を有さない非透明性フィルム3bを含み、当該袋体の一方面側に、前記透明性フィルム3aのみで形成された透明領域4を少なくとも有し、当該袋体の他方面側に、前記透明性フィルム3aと前記非透明性フィルム3bを重ねて形成された非透明領域5を少なくとも有し、当該袋体の一方面側に、前記透明領域4のみを有し、当該袋体の他方面側に、前記非透明領域5のみを有していても良い。
【0009】
その他、袋体1は、前記透明性フィルム3aと前記非透明性フィルム3bが重なって貼り合わされた貼合部6と、この貼合部6の端に沿って、前記透明性フィルム3aと前記非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない非貼合部7を有していても良
い。
【0010】
その他、袋体1は、前記非貼合部7における非透明性フィルム3b側は、別の透明性フィルム3a’に覆われていても良い。
【0011】
その他、袋体1は、当該袋体の一方面側に、前記透明領域4と前記非透明領域5を有し、当該袋体の他方面側に、前記非透明領域5のみを有していても良い。
【0013】
その他、袋体1は、前記非透明領域5のみを有する当該袋体の他方面側の全体に、前記貼合部6が設けられていても良い。
【0014】
これらの特徴により、袋体1の一方面1a側に透明性フィルム3aのみの透明領域4を設け、袋体1の他方面1b側に透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを重ねた非透明領域5を設けることによって、透明性フィルム3aに対して非透明性フィルム3bを重ねるか否かで、袋体1における透明領域4と非透明領域5を区分け出来、袋体1内の商品などに応じた位置に透明領域4と非透明領域5を設けることが可能となる。
従って、特許文献1とは異なり、袋体1の背面側の状況に因らず、袋体1の他方面1b側に非透明性フィルム3b(銀色や白色等)が存在している分だけ、袋体1内の商品などをより目立たせることが出来、袋体1内の商品等と袋体1全体としての「意匠性の向上」が図れる。
【0015】
又、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なって貼り合わされた貼合部6と、この貼合部6の端に沿って透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない非貼合部7を有することによって、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bの貼合時において、仮に、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを貼り合せる接着剤等が、貼合部6からはみ出ても、非貼合部7内に留まる等により、非透明性フィルム3b外に接着剤等がはみ出し難くなる。
従って、袋体1同士や袋体1の内部が貼り付くこと等が低減されるため、特許文献2のように、アルミニウム蒸着面の上に印刷部分を形成したり、当該印刷部分以外を溶解する薬品処理を行わずとも、非透明性フィルム3bの貼合せ位置の自由度が上がり、袋体1の製造工程が減り(「製造工程数の低減」)、製造効率が上がる(「製造効率の向上」)と共に、特許文献2とは異なり、袋体1の製造設備の小型化やコスト低減が図れ、薬品処理を行った後の廃液処理の問題等がなくなる(「製造設備の小型化」、「コスト低減」及び「廃液処理問題の解消」の実現する)とも言える。
【0016】
更に、非貼合部7の非透明性フィルム3b側を、別の透明性フィルム3a’で覆うことによって、非貼合部7を、少なくとも2枚の透明性フィルム3a、3a’で挟むこととなり、非貼合部7において、非透明性フィルム3bが捲れる等を抑制できる。
【0017】
そして、袋体1の一方面1a側に透明領域4と非透明領域5を設け、袋体1の他方面1b側に非透明領域5のみを設けることによって、袋体1の一方面1a側の一部のみに透明領域4を設け、袋体1内の商品などを見せる窓等とすると同時に、袋体1の他方面1b側の非透明性フィルム3bによって、袋体1内の商品などを目立たせることが出来ると言え、袋体1内の商品等と袋体1全体として、更なる「意匠性の向上」が図れる。
【0018】
そして、袋体1の一方面1a側に透明性フィルム3aのみの透明領域4を設け、袋体1の他方面1b側に透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを重ねた非透明領域5を設けたり、非透明領域5のみを有する当該袋体の他方面側の全体に、貼合部6を設けることによって、袋体1内の商品などをより広い範囲に亘って見せると同時に、袋体1の他方面1b側の非透明性フィルム3bによって、袋体1内の商品などを目立たせることが出来ると言え、袋体1内の商品等と袋体1全体として、このような「意匠性の向上」も図れる。
【0019】
本発明に係る袋体の製造方法は、シート状物2の端部を固着して袋状に形成された袋体の製造方法であって、前記袋体のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する形成工程Sを有し、前記複数の長尺状のフィルム13は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム13aと、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム13bを含み、前記長尺状のシート状物12に、前記長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された長尺状の透明領域14と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された長尺状の非透明領域15を有し、前記長尺状のシート状物12における前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界は、前記長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行であり、前記形成工程Sでは、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部16を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部17を形成し、前記長尺状の非貼合部17は、前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界に沿い、当該製造方法は、前記形成工程Sで形成された長尺状のシート状物12を、幅方向の所定位置において、長さ方向に沿って前記形成された長尺状のシート状物12を切り分ける切分工程を有する、又は、前記切分工程と、当該切分工程で切り分けられた長尺状のシート状物12から、製造される袋体における一方面1aと他方面1bを少なくとも切断し、切断された前記一方面1aと前記他方面1bの端部を固着して袋状に形成する製袋工程が1つとなった切分・製袋工程を有し、前記切分工程又は前記切分・製袋工程で、前記長尺状のシート状物12から、前記長尺状の非貼合部17を切り落とすことで、製造される袋体においては、前記長尺状の透明性フィルム13aが切り分けられてなる透明性フィルム3aと、前記長尺状の非透明性フィルム13bが切り分けられてなる非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない非貼合部7を有していないことを第1の特徴とする。
本発明に係る袋体の製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、製造される袋体においては、当該袋体の一方面側に、前記透明性フィルム3aのみで形成された透明領域4を少なくとも有し、当該袋体の他方面側に、前記透明性フィルム3aと前記非透明性フィルム3bを重ねて形成された非透明領域5を少なくとも有し、当該袋体の一方面側に、前記透明領域4のみを有し、当該袋体の他方面側に、前記非透明領域5のみを有している点にある。
その他、長尺状のシート状物の製造方法は、長尺状のシート状物12の製造方法であって、前記長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する形成工程Sを有し、前記複数の長尺状のフィルム13は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム13aと、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム13bを含み、前記長尺状のシート状物12に、前記長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された長尺状の透明領域14と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された長尺状の非透明領域15を有し、前記長尺状のシート状物12における前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界は、前記長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行であり、前記形成工程Sでは、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部16を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部17を形成し、前記長尺状の非貼合部17は、前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界に沿っていても良い。
その他、長尺状のシート状物12は、上記の長尺状のシート状物12の製造方法によって製造された長尺状のシート状物12であって、前記長尺状の非貼合部17における長尺状の非透明性フィルム13b側は、別の長尺状の透明性フィルムに覆われ、前記別の長尺状の透明性フィルムは、前記長尺状の非透明性フィルム13bの全面に亘って貼り合わされていても良い。
その他、長尺状のシート状物12は、長尺状のシート状物12であって、前記長尺状のシート状物12は、複数の長尺状のフィルム13で形成され、前記複数の長尺状のフィルム13は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム13aと、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム13bを含み、前記長尺状のシート状物12は、前記長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された長尺状の透明領域14と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された長尺状の非透明領域15を有し、前記長尺状のシート状物12における前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界は、前記長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行であり、前記長尺状のシート状物12は、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bが重なって前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合わされた長尺状の貼合部16と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bが重なっているが前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合されていない長尺状の非貼合部17を有し、前記長尺状の非貼合部17は、前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界に沿い、前記長尺状の非貼合部17における長尺状の非透明性フィルム13b側は、別の長尺状の透明性フィルムに覆われ、前記別の長尺状の透明性フィルムは、前記長尺状の非透明性フィルム13bの全面に亘って貼り合わされていても良い。
【0020】
これらの特徴により、形成工程Sで、長尺状の透明性フィルム13aに対して、長尺状の非透明性フィルム13bにおける幅方向端部以外は貼り合し且つ幅方向端部は貼り合さないことによって、形成工程Sにおいて、仮に、長尺状の透明性フィルム13aと非透明性フィルム13bを貼り合せる接着剤等が、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを貼り合した幅方向端部以外の部分からはみ出ても、貼り合わせていない長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向端部の間に、接着剤等が留まる等により、又、長尺状の透明性フィルム13aに対する長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向位置が多少ずれても、長尺状の非透明性フィルム13b外に接着剤等がはみ出し難くなる。
従って、形成工程Sで形成した長尺状のシート状物12を巻き取る時や圧着ロールによって圧着される時などに、接着剤等が長尺状のシート状物12の幅方向の端からはみ出て、当該長尺状のシート状物12同士が貼り付くこと等もないため、特許文献2のように、アルミニウム蒸着面の上に印刷部分を形成したり、当該印刷部分以外を溶解する薬品処理を行わずとも、長尺状の非透明性フィルム13bの貼合せ位置の自由度が上がり、「製造工程数の低減」や「製造効率の向上」と共に、特許文献2とは異なり、「製造設備の小型化」、「コスト低減」及び「廃液処理問題の解消」の実現が図れる。
【0021】
本発明に係る袋体の製造装置50は、シート状物2の端部を固着して袋状に形成された袋体の製造装置であって、前記袋体のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する形成部60を有し、前記複数の長尺状のフィルム13は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム13aと、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム13bを含み、前記長尺状のシート状物12に、前記長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された長尺状の透明領域14と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された長尺状の非透明領域15を有し、前記長尺状のシート状物12における前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界は、前記長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行であり、前記形成部60では、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部16を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部17を形成し、前記長尺状の非貼合部17は、前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界に沿い、当該製造装置は、前記形成部60で形成された長尺状のシート状物12を、幅方向の所定位置において、長さ方向に沿って前記形成された長尺状のシート状物12を切り分ける切分部を有する、又は、前記切分部と、当該切分部で切り分けられた長尺状のシート状物12から、製造される袋体における一方面1aと他方面1bを少なくとも切断し、切断された前記一方面1aと前記他方面1bの端部を固着して袋状に形成する製袋部が1つとなった切分・製袋部を有し、前記切分部又は前記切分・製袋部で、前記長尺状のシート状物12から、前記長尺状の非貼合部17を切り落とすことで、製造される袋体においては、前記長尺状の透明性フィルム13aが切り分けられてなる透明性フィルム3aと、前記長尺状の非透明性フィルム13bが切り分けられてなる非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない非貼合部7を有していないことを第1の特徴とする。
本発明に係る袋体の製造装置の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、製造される袋体においては、当該袋体の一方面側に、前記透明性フィルム3aのみで形成された透明領域4を少なくとも有し、当該袋体の他方面側に、前記透明性フィルム3aと前記非透明性フィルム3bを重ねて形成された非透明領域5を少なくとも有し、当該袋体の一方面側に、前記透明領域4のみを有し、当該袋体の他方面側に、前記非透明領域5のみを有している点にある。
その他、長尺状のシート状物の製造装置は、長尺状のシート状物12の製造装置であって、前記長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する形成部60を有し、前記複数の長尺状のフィルム13は、透明性を有した長尺状の透明性フィルム13aと、透明性を有さない長尺状の非透明性フィルム13bを含み、前記長尺状のシート状物12に、前記長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された長尺状の透明領域14と、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された長尺状の非透明領域15を有し、前記長尺状のシート状物12における前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界は、前記長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行であり、前記形成部60では、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合して長尺状の貼合部16を形成し、且つ、前記長尺状の透明性フィルム13aと前記長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さずに長尺状の非貼合部17を形成し、前記長尺状の非貼合部17は、前記長尺状の透明領域14と前記長尺状の非透明領域15の境界に沿っていても良い。
【0022】
これらの特徴により、形成部60で、長尺状の透明性フィルム13aに対して、長尺状の非透明性フィルム13bにおける幅方向端部以外は貼り合し且つ幅方向端部は貼り合さないことによって、形成部60において、仮に、長尺状の透明性フィルム13aと非透明性フィルム13bを貼り合せる接着剤等が、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを貼り合した幅方向端部以外の部分からはみ出ても、貼り合わせていない長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向端部の間に、接着剤等が留まる等により、又、長尺状の透明性フィルム13aに対する長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向位置が多少ずれても、長尺状の非透明性フィルム13b外に接着剤等がはみ出し難くなる。
従って、形成部60で形成した長尺状のシート状物12の巻き取る時や圧着ロールによって圧着される時などに、接着剤等が長尺状のシート状物12の幅方向の端からはみ出て、当該長尺状のシート状物12同士が貼り付くこと等が低減されるため、特許文献2のように、アルミニウム蒸着面の上に印刷部分を形成したり、当該印刷部分以外を溶解する薬品処理を行わずとも、長尺状の非透明性フィルム13bの貼合せ位置の自由度が上がり、「製造工程数の低減」や「製造効率の向上」と共に、特許文献2とは異なり、「製造設備の小型化」、「コスト低減」及び「廃液処理問題の解消」の実現が図れる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る袋体の製造方法や、製造装置によると、長尺状の透明性フィルムと長尺状の非透明性フィルムの幅方向における端部のみを貼り合せない等によって、「製造工程数の低減」などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る袋体を例示する図面代用写真であって、(a)は前面斜視図を示し、(b)は後面斜視図を示す。
【
図2】第1実施形態に係る袋体における一方面側と他方面側を示す断面図であって、(a)は
図1(a)中のA矢視断面図を示し、(b)は
図1(a)中のB矢視断面図を示す。
【
図3】第1実施形態に係る袋体における一方面側と他方面側を示す
図1(a)中のC矢視断面図である。
【
図4】端部を固着する前のシート状物2における貼合部と非貼合部(非透明性フィルム側が別の透明性フィルムに覆われていない場合)を例示する図面代用写真である。
【
図5】第2実施形態に係る袋体を例示する図面代用写真であって、(a)は前面斜視図を示し、(b)は後面斜視図を示す。
【
図6】第2実施形態に係る袋体における一方面側と他方面側を示す
図5(a)中のD矢視断面図である。
【
図7】第3実施形態に係る袋体を例示する図面代用写真であって、(a)は前面斜視図を示し、(b)は後面斜視図を示し、(c)は開口側からの斜視図を示す。
【
図8】第3実施形態に係る袋体における一方面側と他方面側を示す
図7(a)中のE矢視断面図である。
【
図9】本発明に係る袋体の製造方法を示すフローチャートである。
【
図10】本発明に係る袋体の製造方法、及び、製造装置を示す概要図である。
【
図11】袋体の製造方法における形成工程、及び、製造装置における形成部を示す斜視概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態の袋体1>
図1~4には、本発明の第1実施形態に係る袋体1が示されている。
この袋体1は、シート状物2の端部を固着して袋状に形成されたものである。
【0026】
袋体1は、その一方面1a側に後述する透明領域4を少なくとも有し、その他方面1b側に後述する非透明領域5を少なくとも有している。又、袋体1は、後述する貼合部6や非貼合部7を有していても良い。
特に、第1実施形態に係る袋体1では、その一方面(袋体1における一方の面を構成するシート状物とも言える)1a側に透明領域4と非透明領域5を有し、その他方面(袋体1における他方の面を構成するシート状物とも言える)1b側に非透明領域5のみを有すると共に、貼合部6や非貼合部7も有しており、以下、この第1実施形態に係る袋体1について、まず述べる。
【0027】
袋体1は、シート状物2の端部を固着して袋状に形成されていれば、1つの袋体1を形成するシート状物2の枚数は問わず、例えば、1枚のシート状物2で袋状に形成(例えば、1枚のシート状物2で、袋体1の一方面1aと他方面1bや、後述する側方マチ1d等を形成)されていたり、2枚のシート状物2で袋状に形成(例えば、2枚のシート状物2のうち、1枚のシート状物2で袋体1の一方面1aを形成し、もう1枚のシート状物2で袋体1の他方面1bを形成等)されていたり、3枚のシート状物2で袋状に形成(例えば、3枚のシート状物2のうち、1枚のシート状物2で袋体1の一方面1aを形成し、他の1枚のシート状物2で袋体1の他方面1bを形成し、更に他の1枚のシート状物2で袋体1の後述する底マチ1cを形成等)されていたり、4枚以上のシート状物2で袋状に形成されていても良い。
以下、第1実施形態に係る袋体1におけるシート状物2の枚数は、主に3枚であるとして述べる。
【0028】
ここで、本発明における「固着する」とは、シート状物2自体を溶融させて、ヒートシール(熱接着とも言う)の他、シート状物2とは別の接着剤や、粘着テープ等の固着手段による固着も含む。
又、本発明における「シート状物2の端部を固着する」とは、シート状部2における下方側(底側)の端部同士、側方側の端部、上方側の端部の少なくとも何れか1つを固着していることを意味する他、1枚のシート状物2を背貼りする(ピロー形状(合掌式)とする、又は、他方面1b側の左右方向略中央部を固着する)等であっても良い。
【0029】
袋体1は、封をしていない状態(開口部を有する状態)であったり、袋体1内に商品などの中身が入った状態で封をした状態(開口部を有さない状態)である等、何れの状態でも良い。
尚、袋体1における開口部は、袋体1内に中身を入れた後に、上述したヒートシール等によって、固着されても良い。
【0030】
袋体1の形状も、特に限定はないが、例えば、正面視において、略矩形状や略正方形状であったり、略楕円形状や略円形状、略三角形状、略五角形状などの略多角形状であっても良く、その他、略ビン状など、何かの容器や物品などを模した形状であっても構わない。
以下、第1実施形態に係る袋体1の正面視における形状は、主に略矩形状であるとして述べる。
正面視で略矩形状等の袋体1における角部も、特に限定はないが、例えば、丸かったり、角が略直線状に切られていたり、角部を略直線状に切られて出来た角を更に丸くしたものであっても良い。
【0031】
正面視で略矩形状等の袋体1の大きさも、特に限定はないが、例えば、正面視における形状が略矩形状であるならば、長手方向長さが5.0cm以上50.0cm以下、好ましくは8.0cm以上40.0cm以下、更に好ましくは10.0cm以上35.0cm以下であったり、短手方向長さが1.0cm以上30.0cm以下、好ましくは3.0cm以上25.0cm以下、更に好ましくは5.0cm以上20.0cm以下(約18.5cm×約9.0cmであったり、約21.0cm×約9.5cmや、約19.0cm×約10.0cm、約13.0cm×約12.0cm、約15.0cm×約7.0cm、約16.0cm×約9.5cm、約29.0cm×約10.0cm、約24.5cm×約13.0cm、約17.0cm×約10.5cm、約29.0cm×約15.0cm、約17.0cm×約8.5cm、約19.5cm×約12.0cm、約20.5cm×約18.0cm、約28.0cm×約18.0cmなど)であっても良い。
【0032】
袋体1の厚さ(中身を入れていない袋体1の側面視における幅とも言え、後述する側方マチ1dを有する袋体1の場合は、当該側方マチ1dも含み且つ中身を入れていない袋体1の側面視における幅とも言える)も、特に限定はないが、例えば、0.01mm以上3.00mm以下(10μm以上3000μm以下)、好ましくは0.02mm以上2.00mm以下(20μm以上2000μm以下)、更に好ましくは0.03mm以上1.00mm以下(30μm以上1000μm以下)であっても良く、約0.20mm(約200μm)や、約0.10mm(約100μm)であったり、約0.05mm(約50μm)などであっても構わない。
【0033】
その他、袋体1の構成も、特に限定はないが、例えば、袋体1は、下方マチ(底マチ)1c、側方マチ(横マチ)1d、上方マチ(図示せず)などを有する構成であったり、横方向(袋体1の短手方向)に開封するための切欠(ノッチ(謂わば、横ノッチ))1eや、吊下孔1f、開閉可能とするチャック(図示せず)、口栓及びその蓋(図示せず)などを有する構成であっても構わない。尚、袋体1が底マチ1cを有することで、当該袋体1はスタンド式(自立可能)となるとも言え、底マチ1cは、スタンド用のマチであるとも言える。
袋体1は、所望により、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、香料等を添加した素材を用いても良い。
【0034】
袋体1の色彩についても、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、色調の数や、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
袋体1に表示された文字、図柄も、その有無や、色彩、数、デザインなど特に限定はなく、何れであっても良い。
【0035】
<シート状物2>
図1~4に示したように、シート状物2は、その端部を固着して袋状にして、上述した袋体1を形成するものである。
シート状物2は、後述する複数のフィルム3で形成されている。
【0036】
シート状物2が1枚で1つの袋体1を構成している場合、袋体1が正面視で略矩形状であれば、当該シート状物2が筒状となるように、ある端部と当該端部に正対する端部を固着し、その固着部分を挟んだ筒側面の周方向における所定距離部分が袋体1の他方面1bとなり、その他方面1bの周方向端部に隣接している2つの所定距離部分が袋体1の一対の側方マチ1dとなり、それら一対の側方マチ1dに挟まれた部分が袋体1の一方面1aとなるとも言える。
尚、一対の側方マチ1dがなく、固着部分を挟んだ筒側面の周方向における所定距離部分が袋体1の他方面1bとなり、その他方面1b以外の部分が袋体1の一方面1aとなっても良い。その他、1枚のシート状物2を筒状とせず、当該シート状物2を略2等分する折り目に沿って2つ折りにして、1枚のシート状物2の半分を袋体1の一方面1aとし、もう半分を袋体1の他方面1bとして、折り目以外の3方向の端部(開口部を有する場合は、2方向の端部)を固着させても良い。
【0037】
シート状物2が2枚で1つの袋体1を構成している場合、袋体1が正面視で略矩形状であれば、略同じ形状・大きさの2枚のシート状物2を重ね合わせて袋体1の一方面1aと他方面1bを形成し、4方向の端部(開口部を有する場合は、3方向の端部)を固着させても良い。
シート状物2が2枚で1つの袋体1を構成している場合、袋体1が正面視で略矩形状以外であっても、略同じ形状・大きさの2枚のシート状物2を重ね合わせて袋体1の一方面1aと他方面1bを形成し、周端部を固着させても良い。
【0038】
シート状物2が3枚で1つの袋体1を構成している場合、袋体1が正面視で略矩形状であれば、3枚のシート状物2のうち、略同じ形状・大きさの2枚のシート状物2を重ね合わせて袋体1の一方面1aと他方面1bを形成し、重ね合わせた2枚のシート状物2の下方側(底側)に残り1枚のシート状物2を2つ折りにして挟み込み、挟み込んだ1枚のシート状物2が袋体1の底マチ1cを形成するように、これら3枚のシート状物2の4方向の端部(開口部を有する場合は、3方向の端部)を固着させても良い。
シート状物2が4枚以上で1つの袋体1を構成している場合、袋体1が正面視で略矩形状であれば、例えば、4枚以上のシート状物2のうち、3枚のシート状物2で、上述したように、袋体1の一方面1aや他方面1b、底マチ1cを形成し、その他のシート状物2で袋体1の側方マチ1dや上方マチ等を形成しても良い。
【0039】
シート状物2の厚さは、特に限定はないが、上述した袋体1の厚さの略半分であるとも言え、例えば、0.005mm以上1.500mm以下(5μm以上1500μm以下)、好ましくは0.010mm以上1.000mm以下(10μm以上1000μm以下)、更に好ましくは0.015mm以上0.500mm以下(15μm以上500μm以下)であっても良く、約0.10mm(約100μm)や、約0.05mm(約50μm)であったり、約0.025mm(約25μm)などであっても構わない。
【0040】
シート状物2は、その最も他方面2b側(袋体1に形成した際、袋体1外に露出しない側(裏面側)であり、シート状物2を形成する複数のフィルム3のうち、最も袋体1外に露出しない側)に、融着し易いフィルムを貼り合せていても良く、これは、シート状物2における「シール材(裏基材)」であるとも言える。
尚、シート状物2は、融着し易いフィルムではなく、当該シート状物2の他方面2b側における端部のみに、別途、接着剤等を付着させても良い。
【0041】
一方、シート状物2は、その最も一方面2a側(袋体1に形成した際、袋体1外に露出する面側(表面側)であり、シート状物2を形成する複数のフィルム3のうち、最も袋体1外に露出する側)には、上述した「シール材」とは異なる素材のフィルムを有していても良く、これは、シート状物2における「表基材」であるとも言える。
又、シート状物2において、これら「表基材」と「シール材」に挟まれたフィルムを有していても良く、これは「中間材」であるとも言える。
【0042】
その他、シート状物2としては、透明性や平面性、インキ付着性、耐熱性、耐摩耗性、ガスバリア性(ガス遮断性)、防湿性を有していたり、水蒸気バリア性や遮光性、耐薬品性を有していたり、低温HS(ヒートシール)性、耐寒性、夾雑物シール性を有していても良く、その他、衛生性・安全性、耐衝撃性、耐ピンホール性、スリップ性、耐ブロッキング性、帯電防止性、耐油性、保香性、ホットタック性、耐水性、耐候性、開封性、イージーピールオープン性(易開封性)などを有していても構わない。
このような透明性等は、後述する複数のフィルム3のうち、少なくとも何れか1枚のフィルム3が有していることとなる。
【0043】
<複数のフィルム3>
図1~4に示したように、複数のフィルム3は、上述したシート状物2を形成するものである。
複数のフィルム3は、後述する透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを含んでいる。
【0044】
複数のフィルム3は、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3b以外に、何れのフィルムを有していても良いが、例えば、上述したように、袋体1の最も内側(シート状物2の最も他方面2b側)に、融着し易いフィルム(例えば、透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bより融点が低いフィルム)を含んでいても良い。
その他、複数のフィルム3は、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3b以外に、上述したガスバリア性などを有したフィルムを含んでいても良い。
【0045】
複数のフィルム3の枚数は、特に限定はないが、例えば、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを1枚ずつの合計2枚であったり、透明性フィルム3aが2枚で非透明性フィルム3bが1枚の合計3枚であったり、透明性フィルム3aが3枚以上で非透明性フィルム3bが1枚の合計4枚以上である他、透明性フィルム3aが2枚以上であるだけでなく非透明性フィルム3bも2枚以上であるなどでも良い。
又、複数のフィルム3の枚数は、例えば、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bがそれぞれ1枚以上であると同時に、透明性フィルム3aや非透明性フィルム3b以外のフィルムが1枚、又は、2枚以上であっても良い。
【0046】
複数のフィルム3は、各フィルム3が重ねられている(少なくとも一部は貼り合せたり、積層されている)とも言える。
又、複数のフィルム3の厚さは、上述したシート状物2の厚さと同様であるとも言える。
【0047】
複数のフィルム3における各フィルム3の素材は、特に限定はないが、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂などのポリオレフィン樹脂であったり、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂などのポリエステル樹脂であったり、ポリアミド樹脂(ナイロン6(ONy)樹脂など)であったり、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂などであったり、普通セロハン(PT)樹脂や、防湿セロハン(MST)樹脂などのセロハン樹脂であっても良く、その他、アルミニウム(AL)などであったり、クラフト紙、上質紙、薄葉紙、レーヨン紙、化繊紙、奉書紙などの紙類であっても構わない。
又、複数のフィルム3における各フィルム3は、その引張強度(引張強伸度)や、熱収縮率、フィルム強度、衝撃強度などが、所定の値であっても良い。
【0048】
<透明性フィルム3a>
図1~4に示したように、透明性フィルム3aは、透明性を有したフィルムである。
透明性フィルム3aは、上述したシート状物2においては、透明性を有した「表基材」や「シール材」のフィルムであるとも言える。
【0049】
尚、本発明における「透明性を有する」こととは、JIS-K-7361-1:1997に準じる全光線透過率が、0%より大きく100%以下であることを意味する。
又、本発明における「JIS-K-7361-1:1997に準じる全光線透過率」の値には、JIS-K-7361-1:1997に規定された通りに測定した全光線透過率を含むのは勿論のこと、JIS-K-7361-1:1997を準用して測定した全光線透過率も含む。
【0050】
透明性フィルム3aは、透明性を有しているため、当該透明性フィルム3aの向こう側(背面側)にある物(例えば、袋体1の中身)が視認できると言える。
透明性フィルム3aは、無色透明であっても良いが、その他、透明性を有していれば、ピンクがかっていたり、黄色みが赤み、白みなど、上述した赤色系などの色調がかっていても良い。
【0051】
透明性フィルム3aは、少なくとも透明性を有していれば、その他の特性については、その有無や種類は、特に限定はないが、シート状物2における表基材としての透明性フィルム3aであれば、透明性以外に、例えば、上述したように、平面性やインキ付着性、耐熱性、耐摩耗性、ガスバリア性、防湿性などを有していても良い。
シート状物2におけるシール材としての透明性フィルム3aであれば、透明性以外に、上述したように、例えば、低温HS性、耐寒性、耐熱性、耐摩耗性、夾雑物シール性などを有していても良い。
その他、シート状物2における中間材としての透明性フィルム3aであれば、透明性以外に、上述したように、例えば、ガスバリア性や水蒸気バリア性、耐薬品性などを有していても良い。
【0052】
透明性フィルム3aの厚さ(1枚の厚さ)は、特に限定はないが、当該透明性フィルム3aを含む複数のフィルム3の厚さ(上述したシート状物2の厚さ)より薄いとも言え、例えば、0.001mm以上1.200mm以下(1μm以上1200μm以下)、好ましくは0.005mm以上0.800mm以下(5μm以上800μm以下)、更に好ましくは0.010mm以上0.400mm以下(10μm以上400μm以下)であっても良く、約0.020mm(約20μm)や約0.015mm(約15μm)であったり、約0.100mm(約100μm)や、約0.150mm(約150μm)、約0.188mm(約188μm)、約0.200mm(約200μm)などであっても構わない。
【0053】
透明性フィルム3aの素材も、特に限定はないが、透明性フィルム3aが表基材としてであれば、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂であったり、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂などのポリエステル樹脂であったり、ポリアミド樹脂(ナイロン6(Ny)樹脂など)であったり、普通セロハン(PT)樹脂や、防湿セロハン(MST)樹脂などのセロハン樹脂であっても良い。
又、表基材としての透明性フィルム3aは、上述した素材を、2軸延伸したフィルムであっても良く、例えば、ポリプロピレン樹脂であれば、OPP(Oriented Poly Propylene)フィルムとなり、ポリアミド樹脂であれば、ONy(Oriented Nylon)フィルムとなる。
【0054】
更に、表基材としての透明性フィルム3aは、上述した素材に、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂やポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂をコーティングしたフィルムであっても良く、例えば、OPPフィルムやONyフィルム、PETフィルムに、ポリビニルアルコール樹脂等がコーティングされて、コートOPPフィルムや、コートONyフィルム、コートPETフィルムとなる。
表基材としての透明性フィルム3aは、上述した素材を、Tダイ法(無延伸)やインフレーション法、カレンダー法にて製造されたり、溶液流延法や共押出法、ラミネート法などにて、製造されていても良い。
【0055】
透明性フィルム3aがシール材としてであっても、その素材は特に限定はないが、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂であったり、ポリエチレン(PE)樹脂であったり、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂などであっても良く、特に、ポリエチレン樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE、Low Density Poly Ethylene)や、リニアポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、L-LDPE、Linear Low Density Poly Ethylene)であっても構わない。
又、シール材としての透明性フィルム3aは、上述した素材を、無延伸で製造したフィルムであっても良く、例えば、ポリプロピレン樹脂であれば、CPP(Cast Poly Propylene)フィルムとなる。
【0056】
更に、シール材としての透明性フィルム3aは、上述した素材に、アルミニウム(AL)などを蒸着したフィルムであっても良く、例えば、CPPフィルムに、アルミニウムがコーティングされて、蒸着CPPフィルムとなる。
シール材としての透明性フィルム3aも、上述した素材を、Tダイ法(無延伸)やインフレーション法、カレンダー法にて製造されたり、溶液流延法や共押出法、ラミネート法などにて、製造されていても良い。
【0057】
透明性フィルム3aが中間材としてであっても、その素材は特に限定はないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂などであっても良い。
中間材としての透明性フィルム3aも、上述した素材を、Tダイ法(無延伸)やインフレーション法、カレンダー法にて製造されたり、溶液流延法や共押出法、ラミネート法などにて、製造されていても良い。
【0058】
<非透明性フィルム3b>
図1~4に示したように、非透明性フィルム3bは、透明性を有さないフィルム(又は、遮光性を有するフィルム)である。
非透明性フィルム3bは、上述したシート状物2においては、遮光性を有した「中間材」のフィルムであるとも言える。
【0059】
尚、本発明における「透明性を有さない」こととは、JIS-K-7361-1:1997に準じる全光線透過率が、0%であることを意味する。又、本発明における「遮光性を有する」ことも、JIS-K-7361-1:1997に準じる全光線透過率が、0%であることを意味する。
非透明性フィルム3bは、透明性を有していないため、当該非透明性フィルム3bの向こう側(背面側)にある物(例えば、袋体1の中身)が視認できないと言える。
【0060】
非透明性フィルム3bは、少なくとも透明性を有していなければ(遮光性を有していれば)、その他の特性については、その有無や種類は、特に限定はないが、中間材としての非透明性フィルム3bであれば、遮光性以外に、例えば、上述したように、ガスバリア性や水蒸気バリア性、耐薬品性などを有していても良い。
又、非透明性フィルム3bは、透明性を有していなければ、その色は、特に限定はないが、例えば、銀色や白色などであっても良い。
【0061】
非透明性フィルム3bの厚さ(1枚の厚さ)も、特に限定はないが、当該非透明性フィルム3bを含む複数のフィルム3の厚さ(上述したシート状物2の厚さ)より薄いとも言え、例えば、0.001mm以上1.200mm以下(1μm以上1200μm以下)、好ましくは0.005mm以上0.800mm以下(5μm以上800μm以下)、更に好ましくは0.010mm以上0.400mm以下(10μm以上400μm以下)であっても良く、約0.020mm(約20μm)や約0.015mm(約15μm)であったり、約0.100mm(約100μm)や、約0.150mm(約150μm)、約0.188mm(約188μm)、約0.200mm(約200μm)などであっても構わない。
【0062】
非透明性フィルム3bの素材も、特に限定はないが、例えば、アルミニウム(AL)の箔であったり、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂などのポリエステル樹脂であっても良く、その他、クラフト紙、上質紙、薄葉紙、レーヨン紙、化繊紙、奉書紙などの紙類であっても構わない。
又、非透明性フィルム3bは、上述したPET樹脂フィルムにアルミニウムを蒸着した蒸着PETフィルムであっても良い。
非透明性フィルム3bは、Tダイ法(無延伸)やインフレーション法、カレンダー法にて製造されたり、溶液流延法や共押出法、ラミネート法などにて、製造されていても良い。
【0063】
<透明領域4>
図1~4に示したように、透明領域4は、上述した透明性フィルム3aのみで形成された領域であり、上述した袋体1の一方面1a側に少なくとも存在している。
特に、第1実施形態の袋体1における透明領域4は、上述したように、袋体1の一方面1a側に、後述する非透明領域5と共に、存在している。
【0064】
透明領域4は、袋体1の一方面1a側に、非透明領域5と共に存在しているのであれば、その一方面1a側における割合等は、特に限定はないが、透明領域4の袋体1の一方面1a側における割合は、例えば、0%より大きく100%未満、好ましくは10%以上95%以下、更に好ましくは20%以上90%以下、より更に好ましくは40%以上85%以下であっても良く、その他、透明領域4は、袋体1の一方面1a側において、後述する非透明領域5より大きくても(50%以上85%以下などであっても)構わない。
【0065】
透明領域4の袋体1の一方面1a側における形状等についても、特に限定はないが、例えば、正面視で略矩形状等の袋体1であれば、透明領域4は略矩形状であったり、後述する非透明領域5との境界が袋体1の短手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向(開口方向)と略直交)であっても良く、透明領域4の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の底寄りであったり、開口寄りであっても構わない。
透明領域4は、袋体1の一方面1a側において、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
【0066】
透明領域4を形成する透明性フィルム3aの枚数も、特に限定はないが、例えば、全体として、1枚であったり、2枚や3枚、4枚以上であっても良く、その他、透明領域4において文字や図柄が表示(印刷)されていれば、その表示された色彩の数と同じ数、又は、当該色彩の数に1を足した数などであっても構わない。
又、透明領域4を形成する透明性フィルム3aの枚数を、シート状物2における表基材やシール材等で区別するとすれば、表基材は複数枚でシール材は1枚であったり、逆に、表基材は1枚でシール材は複数枚であったり、表基材もシール材も1枚ずつや複数枚ずつであっても良い。
【0067】
その他、透明領域4を形成する透明性フィルム3aには、シート状物2における中間材が含まれていても良く、この場合、中間材は、上述した非透明性フィルム3bではなく、透明性を有した素材(例えば、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂など)である。
透明領域4を形成する透明性フィルム3aに含まれる中間材の枚数も、特に限定はないが、例えば、1枚や複数枚であっても良い。
以下、透明領域4は、透明性フィルム3aが表基材かシール材か等を問わず、主に、複数枚の透明性フィルム3aで形成されているとして述べる。
【0068】
透明領域4を形成する複数枚の透明性フィルム3aは、全てが互いに貼り合わされていたり、少なくとも一部の透明性フィルム3aのみが貼り合わされていても良い。
又、透明領域4を形成する複数枚の透明性フィルム3aは、互いの全面が貼り合わされていたり、一部だけが貼り合わされていても良い。
【0069】
透明領域4を形成する複数枚の透明性フィルム3aが互いに貼り合わされている部分は、接する透明性フィルム3a同士を溶融させて貼り合せても良いが、接着剤や、ポリエチレン(PE)樹脂などの接着層によって貼り合わされても構わない。
以下、透明領域4における透明性フィルム3aの貼合せは、主に接着剤によるとして述べる。
【0070】
接着剤は、透明性フィルム3aを貼り合せるのであれば、特に限定はないが、例えば、透明性を有していても良い。
接着剤で透明性フィルム3aを貼り合せた際に、層状となった接着剤の厚さ(又は、PE樹脂などの接着層の厚さ)も、特に限定はないが、例えば、0.001mm以上0.500mm以下(1μm以上500μm以下)、好ましくは0.005mm以上0.400mm以下(5μm以上400μm以下)、更に好ましくは0.010mm以上0.300mm以下(10μm以上300μm以下)であっても良い。
接着剤の素材も、特に限定はないが、例えば、2液反応型のポリウレタン系樹脂であったり、ポリエステル系樹脂やポリエーテル系樹脂であったり、ポリエチレン(PE)樹脂であったり、水溶性ビニロン(ポリビニルアルコール(PVA)樹脂)や、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、EVA系樹脂エマルジョンなどであったり、アンカーコード剤(AC剤)であっても良い。尚、AC剤は、ポリエチレンイミン(PEI)樹脂や、ウレタン系樹脂であっても構わない。
【0071】
透明領域4は、透明性フィルム3aで形成されていれば良いが、この透明性フィルム3aに、インキが付着する(印刷される)ことによって透明性を有さない部分があっても良い。
以下、透明領域4における透明性フィルム3aに、インキが印刷される場合について、主に述べる。
インキの色彩も、特に限定はないが、例えば、黒色系、白色系、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系など何れの色調でも良く、色調の数や、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
【0072】
インキの素材も、特に限定はないが、例えば、トルエン型インキやノントルエン型インキの油性インキであったり、水性インキなどであっても良く、各インキの組成は、例えば、トルエン型インキであれば、トルエンケトン系の有機溶剤やアルコール、ウレタン系樹脂等を含んだり、ノントルエン型インキであれば、エステル系やケトン系の有機溶剤、アルコール、ウレタン系樹脂等を含んだり、水性インキであれば、水やアルコール、水性ウレタン樹脂等を含んでいても良い。
【0073】
インキは、透明領域4を形成する複数枚の透明性フィルム3aの間に位置しても(つまり、袋体1外に露出しないようにしても)良いが、透明領域4を形成する複数枚の透明性フィルム3aのうち、袋体1外に露出する側(表面側)に位置しても構わない。
透明領域4におけるインキの印刷方法も、特に限定はないが、例えば、グラビア印刷(凹版印刷)であったり、フレキソ印刷(凸版印刷)やオフセット印刷(平版印刷)、スクリーン印刷(孔版印刷)、無版印刷(インクジェット方式や、電子写真方式)など何れの方法であっても良い。
【0074】
<非透明領域5>
図1~4に示したように、非透明領域5は、上述した透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを重ねて形成された領域であり、上述した袋体1の他方面1b側に少なくとも存在している。
特に、第1実施形態の袋体1における非透明領域5は、上述したように、袋体1の一方面1a側に、上述した透明領域4と共に存在すると同時に、袋体1の他方面1b側の全体に存在している(つまり、袋体1の他方面1b側には、非透明領域5のみが存在している)。
【0075】
非透明領域5は、袋体1の一方面1a側においては、透明領域4と共に存在しているのであれば、その一方面1a側における割合等は、特に限定はないが、非透明領域5の袋体1の一方面1a側における割合は、例えば、0%より大きく100%未満、好ましくは5%より大きく90%未満、更に好ましくは10%より大きく80%未満、より更に好ましくは15%より大きく60%未満であっても良く、その他、非透明領域5は、袋体1の一方面1a側において、上述した透明領域4より小さくても(15%より大きく50%未満などであっても)構わない。
【0076】
非透明領域5の袋体1の一方面1a側における形状等についても、特に限定はないが、例えば、正面視で略矩形状等の袋体1であれば、非透明領域5は略矩形状であったり、上述した透明領域4との境界が袋体1の短手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向(開口方向)と略直交)であっても良く、非透明領域5の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の底寄りであったり、開口寄りであっても構わない。
非透明領域5は、袋体1の一方面1a側において、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
非透明領域5の袋体1の他方面1b側における形状等については、当該他方面1b側に非透明領域5のみが存在していることから、例えば、正面視で略矩形状等の袋体1であれば、当然、非透明領域5は略矩形状となり、非透明領域5は、袋体1の他方面1b側においては、1つだけとなる。
【0077】
非透明領域5を形成する透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bの各枚数も、特に限定はないが、例えば、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bがそれぞれ1枚ずつであったり、透明性フィルム3aが1枚で非透明性フィルム3bが複数枚であったり、透明性フィルム3aが複数枚で非透明性フィルム3bが1枚であったり、透明性フィルム3aも非透明性フィルム3bも複数枚であっても良く、その他、非透明領域5において文字や図柄が表示(印刷)されていれば、その表示された色彩の数と同じ数、又は、当該色彩の数に1や2を足した数などであっても構わない。
【0078】
又、非透明領域5を形成する透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bの各枚数を、シート状物2における表基材やシール材、中間材等で区別するとすれば、表基材としての透明性フィルム3aは複数枚でシール材としての透明性フィルム3aは1枚で中間材としての非透明性フィルム3bは1枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aは1枚でシール材としての透明性フィルム3aは複数枚で中間材としての非透明性フィルム3bは1枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aは1枚でシール材としての透明性フィルム3aは1枚で中間材としての非透明性フィルム3bは複数枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aは複数枚でシール材としての透明性フィルム3aは複数枚で中間材としての非透明性フィルム3bは1枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aは複数枚でシール材としての透明性フィルム3aは1枚で中間材としての非透明性フィルム3bは複数枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aは1枚でシール材としての透明性フィルム3aは複数枚で中間材としての非透明性フィルム3bは複数枚であったり、表基材としての透明性フィルム3aもシール材としての透明性フィルム3aも中間材としての非透明性フィルム3bも1枚ずつや複数枚であっても良い。
以下、非透明領域5は、透明性フィルム3aが表基材かシール材か等を問わず、主に、複数枚の透明性フィルム3aと、1枚の非透明性フィルム3bで形成されている(つまり、袋体1外に露出する側に、表基材として複数枚の透明性フィルム3aが重ねられ、その袋体1内側に、中間材としての1枚の非透明性フィルム3bが重ねられ、更にその袋体1内側に、シール材や中間材としての1枚又は複数枚の透明性フィルム3aが重ねられている)として述べる。
【0079】
非透明領域5を形成する複数枚の透明性フィルム3aと1枚の非透明性フィルム3bは、全てが互いに貼り合わされていたり、少なくとも一部の透明性フィルム3や非透明性フィルム3bのみが貼り合わされていても良い。
又、非透明領域5を形成する複数枚の透明性フィルム3aと1枚の非透明性フィルム3bは、互いの全面が貼り合わされていたり、一部だけが貼り合わされていても良い。
【0080】
非透明領域5を形成する複数枚の透明性フィルム3aと1枚の非透明性フィルム3bが互いに貼り合わされている部分は、接する透明性フィルム3a同士や、接する透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを溶融させて貼り合せても良いが、接着剤や、ポリエチレン(PE)樹脂などの接着層によって貼り合わされても構わない。
以下、非透明領域5における透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bの貼合せは、主に接着剤によるとして述べる。
【0081】
接着剤は、透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bを貼り合せるのであれば、特に限定はないが、例えば、透明性を有していたり、透明性を有していなくとも良い。尚、透明性を有した接着剤は、非透明性フィルム3bより袋体1外に露出する側(表面側)にある透明性フィルム3a同士を貼り合せたり、非透明性フィルム3bにおける袋体1外に露出する側の面と透明性フィルム3aを貼り合せる際に用いられても良い。
又、接着剤で透明性フィルム3aを貼り合せた際における層状となった接着剤の厚さ等や、接着剤の素材は、上述した透明領域4と同様であるとも言える。
【0082】
非透明領域5は、透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bで形成されていれば良いが、これらの透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bに、インキが付着した(印刷された)部分があっても良い。
以下、非透明領域5における透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bに、インキが印刷される場合について、主に述べる。
又、インキの色彩や素材も、上述した透明領域4と同様であるとも言える。
【0083】
インキは、非透明領域5を形成する複数枚の透明性フィルム3a同士の間や、1枚の非透明性フィルム3bに接する透明性フィルム3aとの間に位置しても(つまり、袋体1外に露出しないようにしても)良いが、非透明領域5を形成する複数枚の透明性フィルム3aや1枚の非透明性フィルム3bのうち、袋体1外に露出する側(表面側)に透明性フィルム3aにおける露出する側の面に位置しても構わない。
インキの印刷方法も、上述した透明領域4と同様であるとも言える。
【0084】
このような非透明領域5は、後述する貼合部6や非貼合部7を有している(貼合部6や非貼合部7は、非透明領域5内に存在する)とも言える。
詳解すれば、非透明領域5が上述した透明領域4と共に袋体1の一方面1a側に存在している場合には、当該一方面1a側の非透明領域5は、後述する貼合部6や非貼合部7を有しており、非透明領域5のみが袋体1の他方面1b側に存在している場合には、当該他方面1b側の非透明領域5は、後述する貼合部6のみを有している。
【0085】
<貼合部6>
図1~4に示したように、貼合部6は、上述した透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なって貼り合わされた部分である。
尚、貼合部6は、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なって貼り合わされているため、当然、透明性を有さないことから、非透明貼合部6であるとも言える。
【0086】
貼合部6は、上述した非透明領域5内に存在していると言え、第1実施形態に係る袋体1は、その一方面1a側の一部と他方面1b側の全面に、非透明領域5が存在していることから、貼合部6は、袋体1の一方面1a側だけでなく、他方面1b側に存在しているとも言える。
貼合部6の袋体1の一方面1a側(の非透明領域5)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、正面視で略矩形状等の袋体1(や非透明領域5)であれば、貼合部6も略矩形状であったり、後述する非貼合部7との境界が袋体1の短手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向(開口方向)と略直交)であっても良く、貼合部6の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の底寄りであったり、開口寄りであっても構わない。
【0087】
貼合部6は、袋体1の一方面1a側においては、非透明領域5の数等に応じて、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
一方、貼合部6は、第1実施形態に係る袋体1の他方面1b側においては、非透明領域5が他方面1b側の全面に存在していることから、例えば、正面視で略矩形状等の袋体1であれば、当然、貼合部6は略矩形状となり、貼合部6は、袋体1の他方面1b側においては、1つだけとなる。
【0088】
貼合部6において貼り合せられるフィルムの枚数も、特に限定はないが、例えば、透明性フィルム3aが少なくとも1枚で、非透明性フィルム3bが少なくとも1枚であれば良く、又、表基材としての透明性フィルム3aは1枚又は複数枚で、中間材としての非透明性フィルム3bは1枚で、シール材としての透明性フィルム3aは1枚であっても構わない。
つまり、貼合部6は、複数枚の透明性フィルム3aのうちの何れか1枚の透明性フィルム3aか又は全体で1枚だけの透明性フィルム3a(謂わば、表基材としての透明性フィルム3a)と、1枚の非透明性フィルム3bの何れか一方の面とを貼り合せた部分が、少なくともあれば良く、この場合、当該1枚の非透明性フィルム3bの他方の面に、その他の透明性フィルム3a(謂わば、別のシール材や他の中間材としての透明性フィルム3a)が貼り合せられていても構わない。
【0089】
1枚の透明性フィルム3aと1枚の非透明性フィルム3bが互いに貼り合わされている部分は、接する透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bを溶融させて貼り合せても良いが、接着剤や、ポリエチレン(PE)樹脂などの接着層によって貼り合わされても構わない。
以下、貼合部6における透明性フィルム3aや非透明性フィルム3bの貼合せは、主に接着剤によるとして述べる。
接着剤における透明性や、層状となった接着剤の厚さ、接着剤の素材は、上述した非透明領域5や透明領域4と同様であるとも言える。
【0090】
<非貼合部7>
図1~4に示したように、非貼合部7は、上述した透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない部分である。
つまり、非貼合部7は、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bとの間に存在する部分である。
【0091】
又、非貼合部7は、上述した貼合部6の端に沿って設けられているため、特に、非透明領域5が透明領域4に隣接している(袋体1の一方面1a側に非透明領域5と透明領域4が共に存在している)場合には、当該非貼合部7と貼合部6が共に非透明領域5内に存在している(換言すれば、正面視において、非貼合部7と貼合部6で非透明領域5が占められている)ことから、非貼合部7は、非透明領域5内に存在し且つ当該非透明領域5の端部に位置すると言える。
よって、非貼合部7が当該透明領域4と隣接することとなり、この非貼合部7は、正面視において、当該透明領域4と、非透明領域5内の貼合部6に挟まれることとなる。
尚、非貼合部7は、透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていないため、当然、透明性を有さないことから、非透明非貼合部7であるとも言える。
【0092】
つまり、非貼合部7は、透明領域4に隣接している場合の非透明領域5の端部に存在していると言え、第1実施形態に係る袋体1は、その一方面1a側には、非透明領域5が、透明領域4と共に存在していることから、非貼合部7は、袋体1の一方面1a側には存在することとなる。
非貼合部7の袋体1の一方面1a側(の非透明領域5)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、袋体1(や非透明領域5)の正面視における形状によらず、非貼合部7は、上述した貼合部6との境界や、上述した透明領域4との境界に沿った略帯状であり、この略帯状の非貼合部7は、袋体1の短手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向(開口方向)と略直交)であっても良く、非貼合部7の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の底寄りであったり、開口寄りであっても構わない。
略帯状の非貼合部7の幅は、特に限定はないが、例えば、0mmより大きく20mm以下、好ましくは0mmより大きく15mm以下、更に好ましくは1mm以上10mm以下(1mmや5mm、9mmなど)であっても良い。
【0093】
非貼合部7も、袋体1の一方面1a側においては、非透明領域5の数等に応じて、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
一方、非貼合部7も、第1実施形態に係る袋体1の他方面1b側においては、非透明領域5が他方面1b側の全面に存在しているため、この非透明領域5の端部に、非貼合部7が存在していても良いし、袋体1の他方面1b側に非貼合部7は存在していなくとも良い。
【0094】
非貼合部7において重ねられるが貼り合せられていないフィルムの枚数は、透明性フィルム3aが1枚で、非透明性フィルム3bが1枚であれば良く、又、表基材としての透明性フィルム3aは1枚で、中間材としての非透明性フィルム3bは1枚であっても構わない。
つまり、非貼合部7は、複数枚の透明性フィルム3aのうちの何れか1枚の透明性フィルム3aか又は全体で1枚だけの透明性フィルム3a(謂わば、表基材としての透明性フィルム3a)と、1枚の非透明性フィルム3bとを重ねているが、当該1枚の透明性フィルム3aの何れか一方の面と当該1枚の非透明性フィルム3bと何れか一方の面は貼り合せていない部分が、少なくともあれば良く、この場合、当該1枚の非透明性フィルム3bの他方の面に、その他の透明性フィルム3a(謂わば、他の表基材やシール材、他の中間材としての透明性フィルム3a)が貼り合せられていても構わない。
【0095】
尚、非貼合部7における透明性フィルム3aは、上述した透明領域4から、当該非貼合部7を越え、非透明領域5の貼合部6にまで亘っていても良く、この亘っている透明性フィルム3aは、非透明性フィルム3bより大きい(亘っている透明性フィルム3aは、非透明性フィルム3bより非透明領域5から透明領域4に向かって広い)とも言える。
このような非貼合部7は、当該非貼合部7における非透明性フィルム3b側が、別の透明性フィルム3a’に覆われていても良い(
図3参照)。
【0096】
ここで、本発明における「非貼合部7における非透明性フィルム3b側が、別の透明性フィルム3a’に覆われている」とは、非貼合部7を構成する非透明性フィルム3bが、非貼合部7を構成する透明性フィルム3aと、別の透明性フィルム3a’との間に挟まれていることを意味する。
よって、非貼合部7における非透明性フィルム3bは、その一方の面が透明性フィルム3aと重なっている(接している)が貼り合わされておらず、その他方の面が別の透明性フィルム3a’と重なっている(接している)状態となる。
【0097】
尚、非貼合部7における非透明性フィルム3b側が別の透明性フィルム3a’に覆われている場合、その別の透明性フィルム3a’は、上述した透明領域4から、当該非貼合部7を越え、非透明領域5の貼合部6にまで亘っていても良く、この亘っている別の透明性フィルム3a’は、非透明性フィルム3bより大きい(亘っている別の透明性フィルム3a’は、非透明性フィルム3bより非透明領域5から透明領域4に向かって広い)とも言える。
又、非貼合部7における非透明性フィルム3bの他方の面と、別の透明性フィルム3a’とは、貼り合わされていなくとも良いが、非貼合部7(透明性フィルム3aと非透明性フィルム3bが重なっているが貼り合わされていない部分)が維持できるのであれば、貼り合わされていても構わない。
非貼合部7における非透明性フィルム3bの他方の面が別の透明性フィルム3a’と貼り合わされている場合、非貼合部7(接しているが貼り合わされていない非透明性フィルム3bの一方の面と透明性フィルム3aとの間)に、貼合部6とは反対側から非貼合部7における非透明性フィルム3bの他方の面と別の透明性フィルム3a’とを貼り合わすための接着剤等が入ってくることもあるが、非透明性フィルム3bの一方の面と透明性フィルム3aとの間で接しているが貼り合わされていない範囲が若干小さくなっても、貼り合わされていない部分が残っていれば、当該残った部分が非貼合部7となる。
【0098】
<第2実施形態の袋体1>
図5、6は、本発明の第2実施形態に係る袋体1を示している。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、袋体1の一方面1a側には上述した透明領域4のみを有し、袋体1の他方面1b側には非透明領域5のみを有する点である。
【0099】
更に、第2実施形態では、袋体1における一方面1a側にも、他方面1b側にも、非貼合部7が存在していない点も、第1実施形態と異なっている。
詳解すれば、第2実施形態では、非透明領域5のみを有する袋体1の他方面1b側の全体に、上述した貼合部6が設けられており、当然、非貼合部7は設けられていない。
【0100】
又、透明領域4のみを有する袋体1の一方面1a側には、当然、非透明領域5を有さないため、非透明領域5内の非貼合部7も、存在しない。
このように、袋体1の一方面1a側及び他方面1b側に非貼合部7が存在していないのは、後述する長尺状のシート状物12においては、後述する長尺状の非貼合部17が存在していたものの、製袋工程において、長尺状のシート状物12から長尺状の非貼合部17が切り落とされて、袋体1が製造されるためとも言える。
【0101】
その他の袋体1の構成、作用効果や使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0102】
<第3実施形態の袋体1>
図7、8は、本発明の第3実施形態に係る袋体1を示している。
この第3実施形態において第1、2実施形態と最も異なるのは、袋体1を形成するシート状物2が1枚であり、この1枚のシート状物2を背貼りしたピロー形状である点である。
【0103】
又、第3実施形態では、底マチ1cを有さないものの、横マチ1dを有する点や、横ノッチ1eではなく、縦方向(袋体1の長手方向)に開封するための切欠(ノッチ(謂わば、縦ノッチ))1e’を有する点、吊下孔1fを有さない点も、第1、2実施形態と異なっている。
尚、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、袋体1の一方面1a側に透明領域4と非透明領域5を有し、その他方面1b側に非透明領域5のみを有すると共に、貼合部6や非貼合部7も有しているものの、袋体1の一方面1a側における透明領域4や非透明領域5、貼合部6、非貼合部7の形状等が異なる。
【0104】
詳解すれば、正面視で略矩形状等の袋体1の一方面1a側において、透明領域4は略矩形状で且つ非透明領域5との境界が袋体1の長手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向)であり、透明領域4の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の短手方向の略中央位置である。
透明領域4は、袋体1の一方面1a側において、1つだけであり、後述する2つの非透明領域5に挟まれている。
一方、透明領域4は、正面視で略矩形状等の袋体1の他方面1b側においては、上述したように、存在しない。
尚、透明領域4は、正面視で略矩形状等の袋体1の一対の横マチ1dにおいても存在しない。
【0105】
又、正面視で略矩形状等の袋体1の一方面1a側において、非透明領域5も略矩形状で且つ透明領域4との境界が袋体1の長手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向)であり、非透明領域5の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の短手方向の両端位置である。
非透明領域5は、袋体1の一方面1a側において、2つであり、上述した1つの透明領域4の両端部側にある。
一方、非透明領域5は、正面視で略矩形状等の袋体1の他方面1b側においては、その全面に存在しているため、当然、非透明領域5は略矩形状となり、非透明領域5は、袋体1の他方面1b側においては、1つだけとなる。
尚、非透明領域5は、正面視で略矩形状等の袋体1の一対の横マチ1dにおいては、その全面に存在しており、非透明領域5は略矩形状となり、非透明領域5は、袋体1の各横マチ1dにおいては、1つだけとなる。
【0106】
更に、正面視で略矩形状等の袋体1の一方面1a側(の非透明領域5)において、貼合部6は略矩形状で且つ非貼合部7との境界が袋体1の長手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向)であり、貼合部6の袋体1の一方面1a側における位置は、袋体1の短手方向の両端位置である。
貼合部6も、袋体1の一方面1a側において、非透明領域5と同様に2つであり、上述した1つの透明領域4の両端部側にある。
一方、貼合部6も、正面視で略矩形状等の袋体1の他方面1b側においては、非透明領域5と同様に、貼合部6が他方面1b側の全面に存在しているため、当然、貼合部6は略矩形状となり、貼合部6は、袋体1の他方面1b側においては、1つだけとなる。
尚、貼合部6も、正面視で略矩形状等の袋体1の一対の横マチ1dにおいては、その全面に存在しており、貼合部6は略矩形状となり、貼合部6は、袋体1の各横マチ1dにおいては、1つだけとなる。
【0107】
そして、正面視で略矩形状等の袋体1の一方面1a側(の非透明領域5)において、非貼合部7は、貼合部6の端に沿って設けられ、且つ、非貼合部7と貼合部6が共に非透明領域5内に存在していることから、非貼合部7は、非透明領域5の端部に位置し、且つ、透明領域4と隣接しており、非貼合部7は、正面視において、当該透明領域4と、非透明領域5内の貼合部6に挟まれている。
非貼合部7は、袋体1(や非透明領域5)の正面視における形状によらず、貼合部6との境界や、透明領域4との境界に沿った略帯状であり、この略帯状の非貼合部7は、袋体1の長手方向と略平行(袋体1の底から開口に向かう方向)であり、非貼合部7の袋体1の一方面1a側における位置は、非貼合部7も、袋体1の一方面1a側において、非透明領域5や貼合部6と同様に2つであり、上述した1つの透明領域4の両端部側で且つ透明領域4と貼合部6に挟まれている。
一方、非貼合部7は、正面視で略矩形状等の袋体1の他方面1b側においては、存在しない。
尚、非貼合部7は、正面視で略矩形状等の袋体1の一対の横マチ1dにおいても存在しない。
【0108】
その他の袋体1の構成、作用効果や使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
【0109】
<袋体の製造方法>
図9~11に示したように、袋体の製造方法は、ここまで述べたシート状物2の端部を固着して袋状に形成された袋体1を製造する方法である。
袋体の製造方法は、後述する形成工程Sを有する。
【0110】
<形成工程(ラミネート工程)Sの概要>
図9~11に示したように、形成工程Sは、後述する長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する工程である。
形成工程Sでは、後述する長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合し、且つ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さない。
【0111】
このような形成工程Sは、少なくとも長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は(換言すれば、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの大部分を)貼り合すことから、「ラミネート(laminate)工程S」であるとも言える。
以下ではまずは、形成工程Sに関わる長尺状のシート状物12、複数の長尺状のフィルム13、長尺状の透明性フィルム13a、長尺状の非透明性フィルム13bについてや、長尺状の透明領域14、長尺状の非透明領域15、長尺状の貼合部16、長尺状の非貼合部17について述べる。
【0112】
<長尺状のシート状物12、複数のフィルム13、透明性フィルム13a、非透明性フィルム13b>
図10、11に示したように、長尺状のシート状物12は、上述した形成部60にて形成され、且つ、上述した袋体1のシート状物2を構成する長尺状の物である。
長尺状のシート状物12は、上述した形成部60で形成された後、袋体1における一方面1a側及び/又は他方面1b側を構成するシート状物2となるよう、切断される。
【0113】
尚、上述した第1、2実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りに、袋体1の一方面1a側を構成する部分が2つ存在し、長尺状のシート状物12の幅方向における他方の端部寄りに、袋体1の他方面1b側を構成する部分が2つ存在しても良い。
又、上述した第3実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部から他方の端部までで、袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d全てを構成する部分が1つ存在しても良い。
その他、長尺状のシート状物12は、長尺状である点以外は、上述したシート状物2と同様である。
【0114】
図10、11に示したように、複数の長尺状のフィルム13は、上述した長尺状のシート状物12を形成するものである。
複数の長尺状のフィルム13は、後述する長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bを含んでいる。
その他、複数の長尺状のフィルム13は、長尺状である点以外は、上述した複数のフィルム3と同様である。
【0115】
図10、11に示したように、長尺状の透明性フィルム13aは、透明性を有した長尺状のフィルムである。
その他、長尺状の透明性フィルム13aは、長尺状である点以外は、上述した透明性フィルム3aや、別の透明性フィルム3a’と同様である。
【0116】
図10、11に示したように、長尺状の非透明性フィルム13bは、透明性を有さない長尺状のフィルムである。
その他、長尺状の非透明性フィルム13bは、長尺状である点以外は、上述した非透明性フィルム3bと同様である。
【0117】
<長尺状の透明領域14、非透明領域15>
図10、11に示したように、長尺状の透明領域14は、上述した長尺状の透明性フィルム13aのみで形成された領域である。
長尺状の透明領域14は、長尺状のシート状物12(複数の長尺状のフィルム13)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、製造する袋体1が正面視で略矩形状等であれば、長尺状の透明領域14は、後述する長尺状の非透明領域15との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行(長尺状のシート状物12の幅方向と略直交)であっても良く、長尺状の透明領域14の長尺状のシート状物12における位置は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りであったり、他方の端部寄りであったり、長尺状のシート状物12の幅方向における略中央位置であっても構わない。
【0118】
長尺状の透明領域14は、長尺状のシート状物12において、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
尚、上述した第1実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の透明領域14は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りで、且つ、後述する長尺状の非透明領域15を2つの長尺状の透明領域14で挟みつつ、その挟まれる長尺状の非透明領域15との2つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になるように2つ存在させても良い。
【0119】
又、上述した第2実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の透明領域14は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りで、且つ、長尺状のシート状物12の幅方向の略半分を占めるように2つ存在させても良い。
更に、上述した第3実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の透明領域14は、長尺状のシート状物12の幅方向における略中央位置で、且つ、2つの長尺状の非透明領域15で挟まれつつ、それらの挟む2つの長尺状の非透明領域15との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行と略平行になるように1つ存在させても良い。
その他、長尺状の透明領域14は、長尺状である点以外は、上述した透明領域4と同様である。
【0120】
図10、11に示したように、長尺状の非透明領域15は、上述した長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bを重ねて形成された領域である。
長尺状の非透明領域15は、長尺状のシート状物12(複数の長尺状のフィルム13)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、製造する袋体1が正面視で略矩形状等であれば、長尺状の非透明領域15は、上述した長尺状の透明領域14との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行(長尺状のシート状物12の幅方向と略直交)であっても良く、長尺状の非透明領域15の長尺状のシート状物12における位置は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りであったり、他方の端部寄りであったり、長尺状のシート状物12の幅方向における略中央位置であっても構わない。
【0121】
長尺状の非透明領域15は、長尺状のシート状物12において、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
尚、上述した第1実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非透明領域15は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りに1つと他方の端部寄りに1つで、且つ、一方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15が2つの長尺状の透明領域14に挟まれつつ、それらの挟む長尺状の透明領域14との2つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になると同時に、他方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15で長尺状のシート状物12の幅方向の略半分を占めるように2つ存在させても良い。
【0122】
又、上述した第2実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非透明領域15は、長尺状のシート状物12の幅方向における他方の端部寄りで、且つ、長尺状のシート状物12の幅方向の略半分を占めるように1つ存在させても良い。
更に、上述した第3実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非透明領域15は、長尺状のシート状物12の幅方向における略両端位置で、且つ、1つの長尺状の透明領域14を2つの長尺状の非透明領域15で挟みつつ、その挟まれた1つの長尺状の透明領域14との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になるように1つ存在させても良い。
その他、長尺状の非透明領域15は、長尺状である点以外は、上述した非透明領域5と同様である。
【0123】
<長尺状の貼合部16、非貼合部17>
図10、11に示したように、長尺状の貼合部16は、上述した長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bが重なって貼り合わされた部分である。
尚、長尺状の貼合部16は、長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bが重なって貼り合わされているため、当然、透明性を有さないことから、長尺状の非透明貼合部16であるとも言える。
【0124】
長尺状の貼合部16は、上述した長尺状の非透明領域15内に存在していると言える。
長尺状の貼合部16は、長尺状のシート状物12(複数の長尺状のフィルム13)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、製造する袋体1(や非透明領域5)が正面視で略矩形状等であれば、長尺状の貼合部16は、後述する長尺状の非貼合部17との境界が袋体1の長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行(長尺状のシート状物12の幅方向と略直交)であっても良く、長尺状の貼合部16の長尺状のシート状物12における位置は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りであったり、他方の端部寄りであったり、長尺状のシート状物12の幅方向における略中央位置であっても構わない。
【0125】
長尺状の貼合部16は、長尺状の非透明領域15の数等に応じて、長尺状のシート状物12において、1つだけでも良いが、例えば、2つ以上存在しても良い。
尚、上述した第1実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の貼合部16は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りに1つと他方の端部寄りに1つで、且つ、一方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15内に存在して当該長尺状の非透明領域15の幅方向の両端部における長尺状の非貼合部17との2つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になると同時に、他方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15内に存在して当該長尺状の非透明領域15の幅方向の一方の端部における長尺状の非貼合部17との1つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になりつつ、長尺状の貼合部16で長尺状のシート状物12の幅方向の略半分を占めるように2つ存在させても良い。
【0126】
又、上述した第2実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の貼合部16は、長尺状のシート状物12の幅方向における他方の端部寄りの長尺状の非透明領域15内に存在して当該長尺状の非透明領域15の幅方向の一方の端部における長尺状の非貼合部17との1つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行で、且つ、長尺状のシート状物12の幅方向の略半分を占めるように1つ存在させても良い。
更に、上述した第3実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の貼合部16は、長尺状のシート状物12の幅方向における略両端位置の長尺状の非透明領域15内に存在して当該長尺状の非透明領域15の幅方向の両端部における長尺状の非貼合部17との2つの境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になるように1つ存在させても良い。
その他、長尺状の貼合部16は、長尺状である点以外は、上述した貼合部6と同様である。
【0127】
図10、11に示したように、長尺状の非貼合部17は、上述した長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bが重なっているが貼り合わされていない部分である。
尚、長尺状の非貼合部17は、長尺状の透明性フィルム13aと、長尺状の非透明性フィルム13bが重なっているが貼り合わされていないため、当然、透明性を有さないことから、長尺状の非透明非貼合部17であるとも言える。
【0128】
又、長尺状の非貼合部17も、上述した長尺状の貼合部16の端に沿って設けられているため、長尺状の非透明領域15内に存在し且つ当該長尺状の非透明領域15の端部に位置すると言える。
長尺状の非貼合部17は、長尺状のシート状物12(複数の長尺状のフィルム13)における形状等についても、特に限定はないが、例えば、製造する袋体1(や非透明領域5)の正面視における形状によらず、長尺状の非貼合部17は、上述した長尺状の貼合部16との境界や、上述した長尺状の透明領域14との境界に沿っており、長尺状の非貼合部17の長尺状のシート状物12における位置は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りであったり、他方の端部寄りであったり、長尺状のシート状物12の幅方向における略中央位置であっても構わない。
【0129】
尚、上述した第1実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非貼合部17は、長尺状のシート状物12の幅方向における一方の端部寄りに1つと他方の端部寄りに2つで、且つ、一方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15内に存在し且つ当該長尺状の非透明領域15の両端部に位置して当該長尺状の非透明領域15内における長尺状の貼合部16との各境界と、当該長尺状の非透明領域15を挟む2つの長尺状の透明領域14との各境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になると同時に、他方の端部寄りにおける長尺状の非透明領域15内に存在し且つ当該長尺状の非透明領域15の一方の端部に位置して当該長尺状の非透明領域15内における長尺状の貼合部16との境界と、当該長尺状の非透明領域15に隣接する長尺状の透明領域14との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行となるように3つ存在させても良い。
又、上述した第2実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側及び他方面1b側)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非貼合部17は、長尺状のシート状物12の幅方向における他方の端部寄りの長尺状の非透明領域15内に存在し且つ当該長尺状の非透明領域15の一方の端部に位置して当該長尺状の非透明領域15内における長尺状の貼合部16との境界と、当該長尺状の非透明領域15に隣接する長尺状の透明領域14との境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行となるように1つ存在させても良い。
【0130】
更に、上述した第3実施形態に係る袋体1(特に、当該袋体1の一方面1a側、他方面1b側及び横マチ1d)のシート状物2を構成する長尺状のシート状物12においては、長尺状の非貼合部17は、長尺状のシート状物12の幅方向における略両端位置の長尺状の各非透明領域15内に存在し且つ当該長尺状の非透明領域15の幅方向中央寄りの各端部に位置して当該長尺状の非透明領域15内における長尺状の貼合部16との各境界と、当該長尺状の非透明領域15に挟まれる1つの長尺状の透明領域14との各境界が長尺状のシート状物12の長さ方向と略平行になるように2つ存在させても良い。
その他、長尺状の非貼合部17は、長尺状である点以外は、上述した非貼合部7と同様である。
【0131】
<形成工程(ラミネート工程)Sの詳細>
図9~11に示したように、形成工程Sは、上述した長尺状のシート状物12を、上述した長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム13bを含む複数の長尺状のフィルム13で形成する工程である。
形成工程Sでは、上述した長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合し、且つ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さない。
【0132】
換言すれば、形成工程Sでは、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13b同士の幅方向における両端部を浮かせる(両端部までは接着剤等は付けない)ことで、長尺状の非貼合部17が出来、形成工程Sにおいては、接着剤等のグラビアコーティング方式を用いているとも言える。
尚、長尺状の非貼合部17(又は、非貼合部7)の幅は、特に限定はないが、例えば、0mmより大きく20mm以下、好ましくは0mmより大きく15mm以下、更に好ましくは1mm以上10mm以下(1mmや5mm、9mmなど)であっても良い。
【0133】
又、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13b同士で浮かせる幅方向における両端部は、それぞれが同じ幅(それぞれ5mmなど)であっても良いが、例えば、一方の端部が1mmで、他方の端部が9mmなど、それぞれの幅が異なっていても構わない。
一方、長尺状の貼合部16の幅も、特に限定はないが、例えば、10mm以上2000mm以下、好ましくは50mm以上1500mm以下、更に好ましくは100mm以上1000mm以下(490mmなど)であっても良い。
【0134】
このような形成工程Sにより、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における位置が多少ずれても、長尺状の非貼合部17を有するため、接着剤等が露出することがないことから、長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム13bを何枚貼り合わせても、これらの長尺状のフィルム13a、13bの幅を、略同じにすることが出来る。
これに対し、もし貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13b同士の幅方向における両端部まで接着剤等を付けた(つまり、長尺状の非貼合部17を有さない)場合には、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における位置が多少ずれると、すぐに接着剤等が露出するため、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム13bのうち、何れか一方の幅を、他方の幅より広くする必要が出てくる。
【0135】
従って、形成工程Sにおいて、最初に貼り合わせる長尺状のフィルム13a、13bのうち、一方の幅が500mmであれば、他方の幅は520mmとなり、これらを貼り合わせた幅520mmの長尺状のフィルム13a、13bは、幅が540mmの長尺状のフィルム13aに貼り合すこととなり、以下同様に、貼り合わす枚数が増えるほど、貼り合わされる長尺状のフィルム13a、13bをより幅広にする必要が出てくるため、製造装置の大型化などを招く。
このように、貼り合せる長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13b同士の幅方向における両端部まで接着剤等を付ける場合、形成工程Sにおいては、接着剤等のリバースコーティング方式を用いているとも言える。
【0136】
<その他の工程>
図9に示したように、袋体の製造方法は、形成工程S以外のその他の工程を有していても良く、例えば、形成工程S前に、後述する印刷工程S1を有していても構わない。
この場合、形成工程Sは、謂わば、形成工程S2であるとも言える。
一方、袋体の製造方法は、形成工程S2後に、乾燥工程S3や、切分工程S4や、製袋工程S5(
図9(a)参照)を有していたり、切分・製袋工程S4’等を有していても良い(
図9(b)参照)。
【0137】
印刷工程S1では、上述したように、長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム13bに、インキを印刷する。
又、印刷工程S1では、これらの長尺状のフィルム13a、13bに対するインキの印刷位置を制御するため、長尺状のフィルム13a、13bに付けられたカラコンマークなどをセンサが読み取ったり、人が微調整する等によって、長尺状のフィルム13a、13bの長さ方向や幅方向の位置決めなどを随時されていても良い。
【0138】
乾燥工程S3では、形成工程S(S2)で貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bにおける接着剤等を、所定の時間(例えば、24時間)、所定温度(例えば、40℃以上80℃以下など)の保管庫などで載置(エイジング)したり、乾燥機によって、乾燥させる。
乾燥工程S3で接着剤等を乾燥させる際には、貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bは巻き取られてロール状となった状態であっても良い。
尚、乾燥工程S3は、上述したエイジングを行う場合には、エイジング工程S3であるとも言える。
【0139】
切分工程S4では、上述した乾燥工程S3で接着剤等を乾燥させた1枚の長尺状のフィルム13a、13b(長尺状のシート状物12、複数の長尺状のフィルム13)において、その幅方向に2組の袋体1の一方面1a側と他方面1b側が設けられている場合には、各袋体1の一方面1a側と他方面1b側に、その長さ方向に沿って4つ切り分けたり、その幅方向に1組の袋体1の一方面1a側と他方面1b側が設けられている場合には、各袋体1の一方面1a側と他方面1b側に、その長さ方向に沿って2つ切り分ける等をしても良い。
切分工程S4でも、上述した印刷工程S1のように、カラコンマーク等をセンサが読み取ったり、人が微調整する等によって、長尺状のフィルム13a、13bの長さ方向や幅方向の位置決めなどを随時されていても良い。
尚、切分工程S4は、スリット(slit)工程S4であるとも言える。
【0140】
製袋工程S5では、切分工程S4で切り分られた長尺状のフィルム13a、13b(謂わば、長尺状のままの一方面1aや他方面1b等を構成する長尺状のシート状物12)を、1つ1つの一方面1aや他方面1b等を幅方向に沿って切断したり、切断された一方面1aや他方面1b等を構成するシート状物2それぞれの端部をヒートシール等で固着して袋状に形成することで、袋体1を製造しても良い。
製袋工程S5では、上述した第1、2実施形態に係る袋体1のように、一方面1aや他方面1b等を構成するシート状物2それぞれの端部をヒートシール等で固着する際に、合わせて底マチ1c等を構成する別のシート状物2’(別の長尺状のシート状物)も一緒にヒートシール等で固着して底マチ1c等を有した袋状に形成しても良い。
【0141】
製袋工程S5では、その他、切欠(ノッチ)1eや、吊下孔1f、チャック等を形成したり、口栓及びその蓋等を取り付けたりしても良い。
製袋工程S5では、上述した第3実施形態の袋体1のように、切分工程S4で切り分られた長尺状の一方面1aや他方面1b、横マチ1dを構成する長尺状のシート状物12を、1つ1つの一方面1aや他方面1b、横マチ1dを幅方向に沿って切断し、切断された一方面1aや他方面1b、横マチ1dを構成するシート状物2を背貼りする(ピロー形状(合掌式)とする、又は、製袋後の袋体1において他方面1b側の左右方向略中央となる部分を固着する)等であっても良い。
又、切分・製袋工程S4’では、上述した切分工程S4や製袋工程S5を一緒に行うこととなる。
【0142】
切分工程S4や、切分・製袋工程S4’等では、長尺状の非貼合部17を切り落としても良い。
このように、長尺状の非貼合部17を切り落とすことで、非貼合部7を有さない第2実施形態の袋体1が製造されると言える。
ここまで述べた袋体の製造方法を行う装置の1つとして、以下に述べる製造装置50がある。
【0143】
<製造装置50>
図10、11に示したように、製造装置50は、ここまで述べたシート状物2の端部を固着して袋状に形成された袋体1における前記シート状物2を構成する長尺状のシート状物12を少なくとも製造する装置である。
製造装置50は、後述する形成部60を有する。
【0144】
<形成部(ラミネート部)60>
図10、11に示したように、形成部60は、後述する長尺状のシート状物12を、複数の長尺状のフィルム13で形成する部分である。
形成部60では、後述する長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを重ねつつ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合し、且つ、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部は貼り合さない。
【0145】
このような形成部60は、少なくとも長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は(換言すれば、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの大部分を)貼り合すことから、「ラミネート(laminate)部60」であるとも言える。
形成部60は、少なくとも長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合すのであれば、何れの構成でも良いが、例えば、第1送出部分60aや塗布部分60b、乾燥部分60c、第2送出部分60d、貼合部分60e、巻取部分60fを有していても良く、その他、これらの部分60a~60fの間を、長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム等を移動させる移動ロールなどを有していても構わない。
【0146】
第1送出部分60aは、上述した長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bのうち一方の長尺状のフィルムを送り出す部分である。
第1送出部分60aでは、ロール状に巻かれた一方の長尺状のフィルムを、当該ロール状の中心軸を回転させて送り出されたり、後述する巻取部分60fで巻き取られてロール状となった貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bにおける当該ロール状の中心軸を回転させて引っ張られることで送りだされる等であっても良い。
尚、第1送出部分60aにおける一方の長尺状のフィルムのロール軸剤は、左右から挟む方式などであっても良い。
【0147】
塗布部分60bは、上述した第1送出部分60aから送り出された一方の長尺状のフィルムに接着剤を塗布(コーティング)する部分である。
塗布部分60bは、液槽60b1、グラビアロール60b2、ドクターブレード60b3、インプレッションロール60b4を少なくとも有している。
液槽60b1は、一方の長尺状のフィルムに塗布する接着剤を入れた容器である。液槽60b1内の接着剤は、有機溶剤等の溶媒で希釈されている。
グラビアロール60b2は、周面に凹部が形成されており、下方の一部が液槽60b1内の接着剤に浸かり且つ上端部が一方の長尺状のフィルムに略接した状態で回転することで、その周面の凹部やその他の表面に付着した接着剤を、液槽60b1の上方へ移動させる。尚、グラビアロール60b2の回転方向は、略接した部分において、一方の長尺状のフィルムの送出方向と同じである。
ドクターブレード60b3は、その先端が湾曲可能に上述したグラビアロール60b2の周面に接触していることで、グラビアロール60b2の周面における凹部内の接着剤は残し且つ凹部以外の表面に付着した余分な接着剤を書き落とす部材である。
インプレッションロール60b4は、その下端部が一方の長尺状のフィルムに略接した状態で回転しながら、グラビアロール60b2との間にある一方の長尺状のフィルムに対して所定の圧力をかけることで、グラビアロール60b2の周面の凹部内の接着剤を、一方の長尺状のフィルムに塗布する(転移させる、又は、コーティングする)。尚、インプレッションロール60b4の回転方向も、略接した部分において、一方の長尺状のフィルムの送出方向と同じである。
ここまで述べた塗布部分60bでは、一方の長尺状のフィルムの幅方向における端部以外には接着剤が塗布され、且つ、一方の長尺状のフィルムの幅方向における端部には接着剤は塗布されない。そのため、グラビアロール60b2の幅は、一方の長尺状のフィルムの幅より、所定の長さ(例えば、10mmなど)だけ狭い。又、インプレッションロール60b4の幅は、グラビアロール60b2の幅と略同じか、一方の長尺状のフィルムの幅と略同じか、又は、一方の長尺状のフィルムより幅広であっても良い(
図11参照)。
塗布部分60bは、上述したグラビアロール60b2やインプレッションロール60b4以外のロールを有していても良い。
このような塗布部分60bは、コーティング部分60bであるとも言える。
【0148】
乾燥部分60cは、上述した塗布部分60bで接着剤を塗布された一方の長尺状のフィルムを乾燥させる部分である。
乾燥部分60cでは、所定長さで且つ所定温度(例えば、150℃など)の内部に、接着剤を塗布された一方の長尺状のフィルムを、所定速度で通過させ、塗布した接着剤の有機溶剤等を揮発させる構成でも良い。乾燥部分60cは、乾燥炉や乾燥ゾーンとも呼ばれる。
【0149】
第2送出部分60dは、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bのうち他方の長尺状のフィルムを送り出す部分である。
第2送出部分60dでも、ロール状に巻かれた他方の長尺状のフィルムを、当該ロール状の中心軸を回転させて送り出されたり、後述する巻取部分60fで巻き取られてロール状となった貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bにおける当該ロール状の中心軸を回転させて引っ張られることで送りだされる等であっても良い。
尚、第1送出部分60aにおける一方の長尺状のフィルムのロール軸剤は、左右から挟む方式などであっても良い。
【0150】
貼合部分60eは、上述した第2送出部分60dから送り出された他方の長尺状のフィルムと、上述した乾燥部分60cで乾燥された一方の長尺状のフィルムとを貼り合せる(ラミネートする)部分である。
貼合部分60eは、上下等の一対のロールを少なくとも有している。
これら一対のロールの間を、所定の圧力をかけられながら、塗布・乾燥された接着剤を付けた一方の長尺状のフィルムと、他方の長尺状のフィルムの両方が通過することで、長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bの幅方向における端部以外は貼り合わされる。
貼合部分60eは、ラミネート部分60eであるとも言える。
【0151】
巻取部分60fは、上述した貼合部分60eで端部以外が貼り合わされた長尺状の透明性フィルム13aと長尺状の非透明性フィルム13bを、ロール状に巻き取る部分である。
巻取部分60fでは、上述したように、ロール状となった貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bにおける当該ロール状の中心軸を回転させて引っ張ることで、第1、2送出部分60a、60dから一方の長尺状のフィルムや、他方の長尺状のフィルムを送り出させているとも言える。
【0152】
このような製造装置50は、ここまで述べた形成部60のみを有する場合、袋体用の長尺状シート状物の製造装置(ラミネート機)であるとも言える。
【0153】
<その他の部分>
図10、11に示したように、製造装置50において、形成部60以外のその他の部分を有していても良く、例えば、後述する印刷部を有していても構わない。
一方、製造装置50は、乾燥部や、切分部や、製袋部、切分・製袋部等のうち、少なくとも1つを有していても良い。
【0154】
印刷部は、上述したように、長尺状の透明性フィルム13aや長尺状の非透明性フィルム13bに、インキを印刷する部分である。
又、印刷部では、これらの長尺状のフィルム13a、13bに対するインキの印刷位置を制御するため、長尺状のフィルム13a、13bに付けられたカラコンマークなどをセンサが読み取ったり、人が微調整する等によって、長尺状のフィルム13a、13bの長さ方向や幅方向の位置決めなどを随時されていても良い。
【0155】
乾燥部は、形成部60で貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bにおける接着剤等を、所定の時間(例えば、24時間)、所定温度(例えば、40℃以上80℃以下など)で載置(エイジング)したり、乾燥させる部分である。乾燥部は、保管庫であったり、乾燥機であっても良い。
乾燥部で接着剤等を乾燥させる際には、貼り合わせた長尺状のフィルム13a、13bは巻き取られてロール状となった状態であっても良い。
尚、乾燥部は、上述したエイジングを行う場合には、エイジング部であるとも言える。
【0156】
切分部は、上述した乾燥部で接着剤等を乾燥させた1枚の長尺状のフィルム13a、13b(長尺状のシート状物12、複数の長尺状のフィルム13)において、その幅方向に2組の袋体1の一方面1a側と他方面1b側が設けられている場合には、各袋体1の一方面1a側と他方面1b側に、その長さ方向に沿って4つ切り分けたり、その幅方向に1組の袋体1の一方面1a側と他方面1b側が設けられている場合には、各袋体1の一方面1a側と他方面1b側に、その長さ方向に沿って2つ切り分ける等をする部分である。
切分部でも、上述した印刷部のように、カラコンマーク等をセンサが読み取ったり、人が微調整する等によって、長尺状のフィルム13a、13bの長さ方向や幅方向の位置決めなどを随時されていても良い。
尚、切分部は、スリット(slit)部であるとも言える。
【0157】
製袋部は、切分部で切り分られた長尺状のフィルム13a、13b(謂わば、長尺状のままの一方面1aや他方面1b等を構成する長尺状のシート状物12)を、1つ1つの一方面1aや他方面1b等を幅方向に沿って切断したり、切断された一方面1aや他方面1b等を構成するシート状物2それぞれの端部をヒートシール等で固着して袋状に形成することで、袋体1を製造する部分である。
製袋部では、上述した第1、2実施形態に係る袋体1のように、一方面1aや他方面1b等を構成するシート状物2それぞれの端部をヒートシール等で固着する際に、合わせて底マチ1c等を構成する別のシート状物2’(別の長尺状のシート状物(図示せず))も一緒にヒートシール等で固着して底マチ1c等を有した袋状に形成しても良い。
【0158】
製袋部では、その他、切欠(ノッチ)1eや、吊下孔1f、チャック等を形成したり、口栓及びその蓋等を取り付けたりしても良い。
製袋部では、上述した第3実施形態の袋体1のように、切分工程S4で切り分られた長尺状の一方面1aや他方面1b、横マチ1dを構成する長尺状のシート状物12を、1つ1つの一方面1aや他方面1b、横マチ1dを幅方向に沿って切断し、切断された一方面1aや他方面1b、横マチ1dを構成するシート状物2を背貼りする(ピロー形状(合掌式)とする、又は、製袋後の袋体1において他方面1b側の左右方向略中央となる部分を固着する)等であっても良い。
又、切分・製袋部では、上述した切分部と製袋部が1つの部分となっている。
【0159】
切分部や、切分・製袋部等では、長尺状の非貼合部17を切り落としても良い。
このように、長尺状の非貼合部17を切り落とすことで、非貼合部7を有さない第2実施形態の袋体1が製造されると言える。
【0160】
製袋部や切分・製袋部では、1軸式や2軸式であっても良い。
ここで、1軸式とは、1つの製袋部等において、袋体1の元となる一方面1aや他方面1b等を構成する長尺状のシート状物12をロール状に巻いたもの1本(1軸)から、袋体1を形成するものを言う。
又、2軸式とは、1つの製袋部等において、袋体1の一方面1aや他方面1b等を構成する長尺状のシート状物12をロール状に巻いたもの1本(1軸目)と、袋体1の底マチ1c等を構成する長尺状のシート状物12をロール状に巻いたもの1本(2軸目)の合計2本から、袋体1を形成するものを言う。
尚、製袋部等が、2軸式である場合においては、各軸ごとに(表裏で)、それぞれの長尺状のシート状物12(長尺状のフィルム13a、13bなど)に付けられたカラコンマークなどをセンサが読み取ったり、人が微調整する等によって、それぞれの長尺状のシート状物12の長さ方向や幅方向の位置決めなどを随時されていても良い。
【0161】
尚、製造装置50は、ここまで述べた形成部60だけでなく、印刷部や乾燥部、切分部、製袋部(又は、切分・製袋部)を有して、複数の長尺状のフィルム13から袋体1までを製造できるのであれば、袋体1の製造装置であるとも言える。
【0162】
<その他>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。袋体の製造方法、製造装置50等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
袋体1は、非貼合部7を有さずとも良い。
【0163】
袋体1は、透明性フィルム3aのみが重なって貼り合わされた透明貼合部や、この透明貼合部の端に沿って、透明性フィルム3aのみが重なっているが貼り合わされていない透明非貼合部を有していても良い。
これらの透明貼合部や透明非貼合部は、透明領域4内に存在する(透明領域4は、透明貼合部や透明非貼合部を有している)とも言える。
尚、袋体1がその一方面1a側に透明領域4のみを有している場合には、袋体1の一方面1a側の全面が、透明貼合部であるとも言える。
製造装置50(形成部60)における塗布部分60bは、フィニッシャー60b5を有していても良い(
図11参照)。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明に係る袋体の製造方法や、製造装置により製造された袋体は、当該袋体内に、日焼止めや化粧品、シャンプー、リンス、石鹸、ボディソープ、クリーム、ヘアケア製品の他、飴や煎餅、おこしなどの菓子類、春雨や葛切りなどの食品全般、サプリメント類、薬品類、キャラクターグッズなど、液体状や粒状、固体状であるか等は一切問わず、何れの中身を入れる袋であっても利用可能であり、日焼止め等の内容物が入った容器ごと袋体内に入れたり、液体状等の内容物を直接袋体内に入れるなど何れの中身に対しても利用できる。
【符号の説明】
【0165】
1 袋体
2 シート状物
3 複数のフィルム
3a 透明性フィルム
3b 非透明性フィルム
4 透明領域
5 非透明領域
6 貼合部
7 非貼合部
12 長尺状のシート状物
13 複数の長尺状のフィルム
13a 長尺状の透明性フィルム
13b 長尺状の非透明性フィルム
50 製造装置
60 形成部
S 形成工程