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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】動作補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/70 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61F2/70
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020078280
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021171360
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】石井 千春
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-085132(JP,A)
【文献】特開2009-284942(JP,A)
【文献】特開2017-148488(JP,A)
【文献】特開2005-000339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0224849(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状であり、第1端と第2端とを含む1個の人工筋肉部と、
前記第1端が頭部側に位置し、前記第2端が腰部側に位置するように利用者の背部に前記人工筋肉部を保持する保持部と
前記人工筋肉部に気体を供給する供給動作と、前記人工筋肉部から気体を排出する排出動作とを実行する制御機構と、
前記利用者の上半身の傾斜角度を検出する傾斜センサとを具備し、
前記人工筋肉部は、気体が供給されると軸方向に収縮し、気体が排出されると軸方向に伸展し、
前記保持部は、ベルト状であって、前記人工筋肉部における前記第1端側に接続される第1装着部と、前記人工筋肉部における前記第2端側に接続される第2装着部とを含み、
前記制御機構は、前記傾斜センサが検出する傾斜角度が所定の第1閾値を上回った場合に、前記供給動作を実行する
動作補助装置。
【請求項2】
前記第1装着部は、前記利用者の肩部に装着され、
前記第2装着部は、前記利用者の大腿部に装着される
請求項1の動作補助装置。
【請求項3】
前記人工筋肉部に供給する気体が貯留された貯留部を具備し、
前記供給動作では、前記貯留部に貯留された気体を前記人工筋肉部に供給する
請求項1の動作補助装置。
【請求項4】
前記第1閾値は、前記利用者により可変に設定される
請求項1の動作補助装置。
【請求項5】
前記制御機構は、前記傾斜センサが検出する傾斜角度が前記第1閾値を上回ってから第1期間を経過した時に、前記供給動作を実行する
請求項の動作補助装置。
【請求項6】
前記制御機構は、前記傾斜センサが検出する傾斜角度が前記第1閾値を上回る状態が第1期間にわたり継続された場合に、前記供給動作を実行する
請求項の動作補助装置。
【請求項7】
前記第1期間は、前記利用者により可変に設定される
請求項または請求項の動作補助装置。
【請求項8】
前記傾斜センサが検出する傾斜角度が前記第1閾値を上回った場合に、前記利用者に報知する報知装置を具備する
請求項1の動作補助装置。
【請求項9】
前記制御機構は、前記供給動作を実行した後に、前記傾斜センサが検出する傾斜角度が所定の第2閾値を下回った場合に、前記排出動作を実行する
請求項の動作補助装置。
【請求項10】
前記第2閾値は、前記利用者により可変に設定される
請求項の動作補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の動作を補助する動作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療、介護、建設、運送、運搬、農業および漁業等の各種の分野で作業時の負担を軽減することが望まれている。そこで、身体への負担が大きい各種の動作を補助するための動作補助装置が従来から提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-148488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、利用者の腰部の負担を軽減するための動作補助装置が開示されている。具体的には、利用者の背面側に上下方向に沿って配置される2個の人工筋肉部を搭載する動作補助装置が開示されている。エアタンクから各人工筋肉部に圧縮空気が注入されることで、利用者の動作が補助される。しかし、特許文献1の技術では、2個の人工筋肉部が搭載されるため、小型化の観点からは改善の余地があった。一方で、小型化がされても、身体への負担を軽減する効果は維持したいという要望もある。
【0005】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、身体への負担を軽減する効果を維持しつつ小型化が可能な動作補助装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の動作補助装置は、長尺状であり、第1端と第2端とを含む1個の人工筋肉部と、前記第1端が頭部側に位置し、前記第2端が腰部側に位置するように利用者の背部に前記人工筋肉部を保持する保持部とを具備し、前記人工筋肉部は、気体が供給されると軸方向に収縮し、気体が排出されると軸方向に伸展し、前記保持部は、前記人工筋肉部における前記第1端側に接続される第1装着部と、前記人工筋肉部における前記第2端側に接続される第2装着部とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の動作補助装置によれば、身体への負担を軽減する効果を維持しつつ小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る動作補助装置の構成図である。
図2】第1実施形態に係る動作補助装置を装着した利用者の背面図である。
図3】実験1における被験者の動作を説明する写真である。
図4】実験1における実験結果(第1実施形態)を表すグラフである。
図5】実験1における実験結果(比較例)を表すグラフである。
図6】第2実施形態に係る利用者が重量物を持ち上げる動作の説明図である。
図7】第2実施形態に係る動作補助装置の構成図である。
図8】第2実施形態に係る制御装置の機能を表すブロック図である。
図9】第2実施形態に係る制御装置が実行する処理のフローチャートである。
図10】実験2における実験結果を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
動作補助装置100は、利用者の動作を補助するための装置である。本発明の動作補助装置100は、医療、介護、建設、運送、運搬、農業および漁業等の各種の分野において利用される。第1実施形態の動作補助装置100は、利用者が特定の姿勢を維持することを補助する。特定の姿勢とは、典型的には上半身を前屈させた姿勢(いわゆる中腰の姿勢)である。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る動作補助装置100の構成図である。図2は、動作補助装置100を装着した利用者の背面図である。図1および図2に例示される通り、第1実施形態の動作補助装置100は、1個の人工筋肉部Mと保持部20と第1連結部30と第2連結部40とを具備する。
【0011】
人工筋肉部Mは、気体(典型的には空気)の供給および排出により変形する部材である。具体的には、人工筋肉部Mは、長尺状であり、第1端E1と第2端E2とを含む。人工筋肉部Mの断面形状は、例えば略円形である。人工筋肉部Mは、例えば、気体が供給されるチューブと、当該チューブを覆うカバーとを含む。チューブに気体が供給されると、人工筋肉部Mは、径方向に膨張し、かつ、軸方向に収縮する。一方で、チューブから気体が排出されると、人工筋肉部Mは、径方向に収縮し、かつ、軸方向に膨張する。以上の説明から理解される通り、人工筋肉部Mは、気体が供給されると軸方向に収縮し、気体が排出されると軸方向に伸展する要素として機能する。
【0012】
なお、人工筋肉部Mのサイズ(長さおよび径)は、利用者の体格や動作補助装置100の用途等の各種の条件に応じて適宜に変更し得る。第1実施形態では、例えば、約0.1MPaの圧縮空気が人工筋肉部Mに供給される。
【0013】
図1に例示される通り、人工筋肉部Mの第2端E2には、管状の接続路Rが接続される。人工筋肉部Mへの気体の供給と、人工筋肉部M内の気体の排出とが接続路Rを介して行われる。人工筋肉部Mには、任意の方法で気体が供給される。例えば空気ポンプを利用して人工筋肉部Mに圧縮空気が注入される。なお、接続路Rの端部には、当該接続路Rを塞ぐようにカップリング(図示略)が挿入される。第1実施形態では、カップリングを接続路Rから取り外すことで、人工筋肉部Mから気体が排出される。
【0014】
第1連結部30および第2連結部40は、人工筋肉部Mを保持部20に取り付けるための器具である。例えば、第1連結部30および第2連結部40は、任意の素材(例えば樹脂、カーボンまたは金属)により形成される器具である。図1に例示される通り、人工筋肉部Mの第1端E1が第1連結部30に固着される。例えば、ねじ、六角ナットおよびボルト等の固着具を利用して第1端E1が第1連結部30に固着される。人工筋肉部Mの第2端E2が第2連結部40に固着される。例えば、ねじ、六角ナットおよびボルト等の固着具を利用して第2端E2が第2連結部40に固着される。
【0015】
保持部20は、人工筋肉部Mを利用者の背部に保持するための部材である。図2に例示される通り、第1端E1が頭部側に位置し、第2端E2が腰部側に位置するように人工筋肉部Mが保持部20により保持される。図1に例示される通り、保持部20は、第1装着部21と第2装着部22とを含む。
【0016】
図2に例示される通り、第1装着部21は、利用者の肩部に装着される装着部材である。第1装着部21は、例えば、第1部材21Aと第2部材21Bとを含む。第1部材21Aと第2部材21Bとはアジャスター23を介して接続される。例えば、ベルト状の部材により第1装着部21が構成される。例えば、右腕と左腕とがそれぞれ挿通される環状の部分を含むショルダーハーネスが第1装着部21として好適である。なお、第1装着部21の長さは適宜に調整可能である。
【0017】
図1に例示される通り、第1装着部21は、第1連結部30に接続される。第1装着部21を第1連結部30に連結する方法は任意である。例えば、第1装着部21に接続された接続ベルト211を、第1連結部30に形成された貫通孔(図1では逆三角形状の貫通孔)に挿入することで、第1連結部30と第1装着部21とが接続される。なお、図1では、第1装着部21のうち右肩に対応する部分と、第1装着部21のうち左肩に対応する部分とにそれぞれ接続ベルト211を設ける構成を例示した。以上の説明から、理解される通り、第1装着部21は、人工筋肉部Mにおける第1端E1側に第1連結部30を介して接続される。ただし、第1連結部30は必須ではない。第1装着部21に人工筋肉部Mを直接的に接続してもよい。
【0018】
また、第1装着部21は、第2連結部40にも接続される。第1装着部21を第2連結部40に連結する方法は任意である。例えば、第1装着部21の端部を、第2連結部40に形成された貫通孔(図示略)に挿入することで、第2連結部40と第1装着部21とが接続される。なお、図1では、第2連結部40の左右方向の両側のそれぞれにおいて、第1装着部21の端部と接続する構成を例示した。
【0019】
図2に例示される通り、第2装着部22は、利用者の大腿部に装着される装着部材である。例えば、第2装着部22は、右大腿部に巻回されて装着される第1部材22Aと、左大腿部に巻回されて装着される第2部材22Bとを含む。第1部材22Aと第2部材22Bとは、例えば伸縮可能な素材により形成される。なお、本発明において大腿部には膝部も含まれる。
【0020】
第2装着部22は、第2連結部40に接続される。第2装着部22を第2連結部40に連結する方法は任意である。図1に例示される通り、例えば、第2装着部22と第2連結部40とは連結部材50を介して連結される。連結部材50は、例えば、第1ベルト51と第2ベルト52とを含む。第1ベルト51は、一端が第2連結部40に接続され、他端には環状部材53が設けられる。第2ベルト52は、第1部材22Aおよび第2部材22Bに接続される。そして、第2ベルト52が第1ベルト51の環状部材53に挿入される。なお、第1ベルト51および第2ベルト52の長さは適宜に調整可能である。以上の説明から理解される通り、第2装着部22は、人工筋肉部Mにおける第2端E2側に第2連結部40を介して接続される。ただし、第2連結部40は必須ではない。第2装着部22に人工筋肉部Mを直接的に接続してもよい。
【0021】
なお、第1連結部30および第2連結部40の形状は、図1の例示に限定されない。人工筋肉部Mが取り付けられた状態で保持部20に接続することが可能であれば、第1連結部30および第2連結部40の形状は任意である。同様に、保持部20の形状は、図1の例示に限定されない。利用者の肩に装着することが可能であれば第1装着部21の形状は任意である。また、利用者の大腿部に装着することが可能であれば第2装着部22の形状は任意である。
【0022】
以下の説明では、第1実施形態に係る動作補助装置100の使用方法および効果について詳述する。
【0023】
第1実施形態の動作補助装置100は、人工筋肉部Mに気体が供給された状態(すなわち人工筋肉部Mが軸方向に収縮した状態)で利用者に装着される。そして、動作補助装置100を装着した利用者は、図2に例示されるように、前屈姿勢(中腰姿勢)をする。軸方向に収縮した人工筋肉部Mは、第1装着部21と第2装着部22とを介して、その張力により、前屈姿勢を維持するように作用する。この際、前屈姿勢を維持するためにかかる腰部への負担が、動作補助装置100を装着することにより、肩部と大腿部とにも分散される。その結果、利用者は、腰部への負担を軽減しながら、前屈姿勢を維持することが可能になる。
【0024】
本発明の発明者は、第1実施形態に係る動作補助装置100により身体への負担が軽減されることを立証するために以下の実験1を行った。
【0025】
<実験1>
図3は、実験1における被験者の動作(以下「実験動作」という)を説明する写真である。実験1では、重量物(30Kgのバーベル)を持ち上げる際に外腹斜筋にかかる負担を計測した。具体的には、重量物を持ち上げる際に外腹斜筋にかかる負荷を、第1実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態と、何も装着しない状態とでそれぞれ計測した。被験者が装着する動作補助装置100の人工筋肉部Mには、0.1MPaの圧縮空気を充填させた。被験者の左右の外腹斜筋に対応する位置に積分筋電図(IEMG:integrated electromyogram)を計測可能な電極をそれぞれ貼付した。積分筋電図の値は筋肉の活動量に比例する。すなわち、積分筋電図の値が小さいほど筋負担が少ないといえる。
【0026】
図3に例示される通り、実験動作は、動作A、動作B、動作Cおよび動作Dを含む。動作A→動作B→動作C→動作Dがこの順番で被験者により連続して順次に行われた。動作Aは、重量物を持つために前屈姿勢になる動作である。動作Bは、重量物を持ち上げる動作である。動作Cは、重量物を持ち上げた状態で被験者から見て左側に旋回する動作である。動作Dは、重量物を降ろす動作である。動作Aの状態を起点(0秒)として、動作Bは0秒から2秒まで行われた。次に、2秒から5秒にわたり動作Cが行われた。そして、5秒から8秒にわたり動作Dが行われた。
【0027】
図4には、実験動作における右腹斜筋の積分筋電図の継時的な変化を示したグラフである。第1実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態における右腹斜筋の積分筋電図を実線で示し、何も装着していない状態における右腹斜筋の積分筋電図を破線で示した。図4から把握される通り、第1実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態における右腹斜筋の積分筋電図は、何も装着していない状態における右腹斜筋の積分筋電図と比較して、実験動作の全体にわたり、値が低いことがわかる。特に、重量物を降ろす動作Dにおいて、第1実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態における右腹斜筋の負担が、何も装着していない状態における右腹斜筋の負担よりも格段に低減することが実験1によりわかった。具体的には、第1実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態では、何も装着していない状態よりも動作Dにおいて最大で30%ほど右腹斜筋の負担が低減した。すなわち、第1実施形態に係る動作補助装置100を装着することで、重量物を降ろす側とは反対側にある外腹斜筋の負荷が特に軽減されるという結果が得られた。
【0028】
発明者は、2個の人工筋肉部Mが搭載された動作補助装置(以下「比較例」という)においても実験1と同様の実験を行った。なお、比較例の各人工筋肉部Mは、本発明に係る人工筋肉部Mと同様である。図5には、比較例に係る動作補助装置を装着した状態における右腹斜筋の積分筋電図を実線で示し、何も装着していない状態における右腹斜筋の積分筋電図を破線で示した。図4および図5およびから把握される通り、実験動作における右腹斜筋の負担が軽減するという効果は、比較例の動作補助装置と第1実施形態の動作補助装置100とで同じであるという知見が得られた。具体的には、動作Dにおいて最大で30%ほど右腹斜筋の負担が低減するという効果は、第1実施形態の動作補助装置100でも比較例の動作補助装置でも同様に観測される。
【0029】
本発明では、以上の知見を踏まえて、人工筋肉部Mを1個にする構成を採用した。第1実施形態の動作補助装置100によれば、比較例の動作補助装置と比較して、利用者の身体にかかる負担を軽減する効果を維持しつつ、小型化が可能である。また、第1実施形態の動作補助装置100では、人工筋肉部Mが長尺状であるから、重量物を持ち上げる動作Bや旋回する動作Cが阻害されないという知見も得られた。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の動作補助装置100によれば、利用者の動作を制限することなく、多様な動作において身体への負担を軽減することが可能である。
【0030】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0031】
第2実施形態の動作補助装置100は、利用者が重量物を持ち上げる動作を補助する。図6は、利用者が重量物を持ち上げる動作の説明図である。まず、利用者は、重量物をつかむために前屈姿勢になる。そして、利用者は、重量物を持ち上げるために上半身を起こす。第2実施形態の動作補助装置100は、前屈姿勢の状態から上半身を起こす動作を、人工筋肉部Mの収縮力を利用して補助する。なお、図6では、動作補助装置100の要素を適宜に省略して図示した。
【0032】
図7は、第2実施形態に係る動作補助装置100の構成図である。第2実施形態に係る動作補助装置100は、第1実施形態に係る動作補助装置100に、アシストユニット90と傾斜センサS(検出部の例示)とを追加した構成である。
【0033】
傾斜センサSは、利用者の上半身の傾斜角度を検出するセンサである。利用者の上半身の任意の場所に傾斜センサSが設置される。図7では、例えば第1装着部21において第1端E1の付近に傾斜センサSを設置する場合を例示した。傾斜センサSが検出する傾斜角度(以下「検出角度」という)は、利用者が直立の状態(典型的には上半身が鉛直方向に平行に近い状態)では0度になり、利用者が前屈の姿勢になると0度よりも大きい角度になる。なお、検出角度は非常に短い周期で連続的に検出される。以上の説明から理解される通り、検出角度は、利用者の姿勢に応じた指標であるとも換言できる。なお、傾斜センサSは、アシストユニット90と有線または無線により接続される。
【0034】
図7に例示される通り、アシストユニット90は、貯留部91と制御機構92と傾斜センサSを具備する。アシストユニット90は、任意の態様で保持部20とともに利用者に装着される。図6では、利用者の腰部にアシストユニット90を装着する場合を例示した。例えばアシストユニット90が取り付けられたベルトやアシストユニット90が収容された収容具が利用者により装着される。
【0035】
貯留部91は、人工筋肉部Mに供給する気体を貯留する容器である。例えば、二酸化炭素が貯留されたガスボンベが貯留部91として例示される。ただし、エアタンクを貯留部91として利用してもよい。
【0036】
制御機構92は、人工筋肉部Mに気体を供給する動作(以下「供給動作」という)と、人工筋肉部Mから気体を排出する動作(「排出動作」という)とを実行する。供給動作では貯留部91に貯留された気体が人工筋肉部Mに供給される。第2実施形態の供給動作および排出動作は、検出角度に応じて実行される。
【0037】
例えば、制御機構92は、制御装置921とレギュレータ923とバルブ925と放音装置927(報知装置の一例)を具備する。なお、制御機構92には、電源(図示略)が接続される。制御装置921は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路で構成され、制御機構92の各要素を統括的に制御する。なお、制御装置921の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。
【0038】
放音装置927は、周囲に音を放音する機器(例えばスピーカ)である。第2実施形態の放音装置927は、例えば供給動作が実行されることを表す音(以下「開始音」という)を放音する。開始音は、例えばメロディやブザー音である。これにより、供給動作が実行されることを利用者が把握することができる。したがって、利用者の利便性が上がると同時に、利用者の動作を適切に補助することが可能になる。なお、放音装置927が放音する音は以上の例示に限定されない。例えば、放音装置927は、排出動作が開始されることを表す音を放音してもよい。また、利用者への報知の態様は、以上の例示に限定されない。例えば、発光装置(例えばLED)による発光や、表示装置(例えば液晶ディスプレイ)による表示により、利用者に報知してもよい。
【0039】
レギュレータ923は、貯留部91内の気体を任意の圧力に調整するためのガス圧調整機構である。なお、レギュレータ923が調整する気体の圧力は、利用者により可変に設定可能である。例えば、貯留部91における供給口の付近にレギュレータ923が設けられる。
【0040】
レギュレータ923と人工筋肉部M(具体的には接続路R)とを接続する供給路Pの途中にはバルブ925が設けられる。バルブ925は、制御装置921の制御に応じて開閉する電磁弁である。例えば、バルブ925には、第1ポートと第2ポートとが設けられる。第1ポートは、人工筋肉部Mに気体を供給するためのポートである。具体的には、第1ポートは、人工筋肉部Mとレギュレータ923とを連通可能にする。第2ポートは、人工筋肉部Mから気体を排出するためのポートである。具体的には、第2ポートは、人工筋肉部Mと外部とを連通可能にする。
【0041】
供給動作では、第1ポートが開状態になり、第2ポートが閉状態になる。一方で、排出動作では、第1ポートが閉状態になり、第2ポートが開状態になる。なお、第1ポートおよび第2ポートの他にポートを設けてもよい。例えば、人工筋肉部Mに気体を供給する速度を変更可能なポート等を設けてもよい。
【0042】
図8は、第2実施形態に係る制御装置921の機能を表すブロック図である。制御装置921は、記憶装置(図示略)に記憶されたプログラムを実行することで、供給動作および排出動作を実行するための要素(判定部211、第1処理部213、第2処理部215および指示部217)として機能する。
【0043】
第1に、判定部211は、検出角度が所定の閾値(以下「第1閾値」という)を上回るか否かを判定する。すなわち、利用者が前屈姿勢になったか否かが判定される。第1閾値は、利用者が直立の姿勢から前屈の姿勢になったことを検出するための閾値であるとも換言できる。第2実施形態では、第1閾値(例えば50度)は、利用者により可変に設定される。
【0044】
第2に、判定部211は、検出角度が所定の閾値(以下「第2閾値」という)を下回るか否かを判定する。すなわち、利用者が直立姿勢になったか否かが判定される。第2閾値は、利用者が前屈の姿勢から直立の姿勢になったこと(すなわち上半身を起き上がらせたこと)を検出するための閾値であるとも換言できる。第2実施形態では、第2閾値(例えば5度)は、利用者により可変に設定される。なお、第2閾値は、第1閾値よりも小さい。
【0045】
第1処理部213は、供給動作を制御する。具体的には、第1処理部213は、判定部211により検出角度が第1閾値を上回ると判定された場合に、供給動作の実行をバルブ925に指示する。第2実施形態では、検出角度が第1閾値を上回ってから所定の期間(以下「第1期間」という)を経過した時に、供給動作の実行が指示される。なお、第1期間(例えば数秒)は、利用者により可変に設定される。
【0046】
指示部217は、放音装置927に各種の音を放音することを指示する。第2実施形態の指示部217は、開始音の放音を放音装置927に指示する。具体的には、判定部211により検出角度が第1閾値を上回ると判定された場合に、開始音の放音が指示される。
【0047】
第2処理部215は、排出動作を制御する。具体的には、第2処理部215は、判定部211により検出角度が第2閾値を下回ると判定された場合に、排出動作の実行をバルブ925に指示する。なお、第1閾値と第2閾値と第1期間とは、例えば利用者からの操作子(例えばボタンなど)に対する操作により設定される。
【0048】
図9は、第2実施形態に係る制御装置921が実行する処理のフローチャートである。例えば、利用者からの開始の指示に応じて図9の処理が開始される。図9の処理が開始されると、判定部211は、検出角度が第1閾値を上回るか否かを判定する(SA1)。すなわち、利用者が重量物をつかむために前屈姿勢になったか否かが判定される。
【0049】
検出角度が第1閾値を上回ると判定された場合(SA1:YES)、指示部217は、開始音を放音することを放音装置927に指示する(SA2)。したがって、供給動作が実行されることが利用者に報知される。次に、第1処理部213は、検出角度が第1閾値を上回ると判定されてから(すなわち開始音が放音されてから)第1期間を経過したか否かを判定する(SA3)。
【0050】
第1期間が経過した場合(SA3:YES)、第1処理部213は、供給動作の実行を指示する(SA4)。具体的には、第1処理部213は、バルブ925に第1ポートを開状態にすることを指示する。したがって、人工筋肉部Mに気体が供給される。所望する気圧の気体が人工筋肉部Mに供給されたら、第1ポートは閉状態にされる。気体の供給とともに、人工筋肉部Mは軸方向に収縮する。人工筋肉部Mの収縮力は、利用者の上半身が起こされる方向に作用する。したがって、利用者は、前屈姿勢から重量物を持ち上げる動作を容易に行うことができる。
【0051】
一方で、第1期間が経過していない場合(SA3:NO)、第1期間が経過するまで供給動作の実行は指示されない。以上の説明から理解される通り、検出角度が第1閾値を上回ってから(すなわち利用者が前屈姿勢をとってから)、第1期間を経過した時に、供給動作が実行される。すなわち、第1期間は、供給動作が実行されるまでの(すなわち重量物を持ち上げるまでの)準備期間であるとも換言できる。
【0052】
次に、判定部211は、検出角度が第2閾値を下回るか否かを判定する(SA5)。すなわち、利用者が重量物をつかんで上半身が起こされた姿勢になったか否かが判定される。検出角度が第2閾値を下回ると判定された場合(SA5:YES)、第2処理部215は、排出動作の実行を指示する(SA6)。具体的には、第2処理部215は、バルブ925に第2ポートを開状態にすることを指示する。したがって、人工筋肉部Mから気体が排出される。人工筋肉部Mから気体の排出が完了したら、第2ポートは閉状態にされる。人工筋肉部Mから気体が排出されると、利用者は再び前屈姿勢をとることが可能になる。なお、ステップSA6の処理が終わるとステップSA1の処理に戻る。すなわち、利用者が前屈姿勢になる度に供給動作および排出動作が実行される。
【0053】
一方で、検出角度が第2閾値を下回らない場合(SA5:NO)、検出角度が第2閾値を下回るまで排出動作の実行は指示されない。以上の説明から理解される通り、供給動作が実行された後に検出角度が第2閾値を下回った時(すなわち利用者が重量物をつかんで上半身が起こされた姿勢になった時)に、排出動作が実行される。なお、検出角度が第1閾値を下回る場合(SA1:NO)、検出角度が第1閾値を上回るまでは、ステップSA2からステップSA6の処理は実行されない。
【0054】
以上の説明から理解される通り、第2実施形態では、制御機構92により供給動作と排出動作とが実行されるから、利用者の動作(特に重量物を持ち上げる動作)を効果的に補助することが可能である。
【0055】
検出角度に応じて供給動作および排出動作を実行する第2実施形態の構成によれば、例えばスイッチ等の操作子により利用者が供給動作および排出動作の実行を指示することが不要になるから、利用者にとって利便性が上がる。
【0056】
第2実施形態では、検出角度が第1閾値を上回った場合に供給動作が実行されるから、利用者が前屈姿勢になったことを契機として供給動作を実行することが可能になる。また、第1閾値が利用者により可変に設定されるから、各利用者が個別の事情を踏まえて最適な第1閾値を設定することが可能になる。例えば、重量物の種類や動作の内容を踏まえて第1閾値を設定できる。ひいては、利用者の動作を適切に補助することが可能になる。
【0057】
また、第2実施形態では、検出角度が第1閾値を上回ってから第1期間を経過した時に供給動作が実行されるから、検出角度が第1閾値を上回ると同時に供給動作が実行される構成と比較して、供給動作が開始されるまでに利用者が準備をする期間を確保することができるという利点がある。
【0058】
第1期間は利用者により可変に設定されるから、各利用者が個別の事情を踏まえて最適な第1期間を設定することが可能になる。例えば、重量物の種類や動作の内容を踏まえて第1期間を設定できる。ひいては、利用者の動作を適切に補助することが可能になる。
【0059】
検出角度が第1閾値を上回った場合に放音装置927から放音される第2実施形態の構成によれば、供給動作が実行されることを利用者が事前に把握することができる。
【0060】
また、第2実施形態では、供給動作が実行された後に、検出角度が第2閾値を下回ると排出動作が実行されるから、利用者が再び前屈の姿勢になることができる。したがって、収穫物(重量物の一例)の持ち上げ下ろしなどの作業において、効率的に次の収穫物の持ち上げ作業に移行できるから、利用者の利便性が上がる。第2閾値は利用者により可変に設定されるから、各利用者が個別の事情を踏まえて最適な第2期間を設定することが可能になる。例えば、例えば重量物の種類や動作の内容を踏まえて第1期間を設定できる。ひいては、利用者の動作を適切に補助することが可能になる。
【0061】
本発明の発明者は、第2実施形態に係る動作補助装置100により身体への負担が軽減されることを立証するために以下の実験2行った。
【0062】
<実験2>
実験2では、重量物(30Kgのバーベル)を持ち上げる際に脊柱起立筋にかかる負荷を計測した。具体的には、重量物を持ち上げてから下す動作を10秒間にわたりゆっくりと行ったときの被験者の脊柱起立筋に係る負担を計測した。なお、被験者の脊柱起立筋に対応する位置(右側および左側)に、積分筋電図を計測可能な電極を貼付することで、脊柱起立筋に係る負担を計測した。
【0063】
具体的には、実験2は、何も装着していない状態と、第2実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態と、比較例に係る動作補助装置を装着した状態とにおいて脊柱起立筋に係る負担が計測された。第2実施形態に係る動作補助装置100と、比較例に係る動作補助装置を装着した状態では、重量物を持ち上げる際に供給動作が実行された。
【0064】
図10は、第2実施形態に係る動作補助装置100を装着した状態と、比較例に係る動作補助装置を装着した状態とにおいて、脊柱起立筋(右脊柱起立筋および左脊柱起立筋)に係る負担の減少率を表すグラフである。減少率は、何も装着していない状態で計測された脊柱起立筋に係る負担を基準としたときの減少率である。
【0065】
図10から把握される通り、第2実施形態に係る動作補助装置100と、比較例に係る動作補助装置では、脊柱起立筋に係る負担の減少率がほぼ同じであるという結果が得られた。具体的には、比較例の減少率は、第2実施形態の減少率の約1.1倍である。以上の説明から理解される通り、人工筋肉部Mが1個である第2実施形態の動作補助装置100は、人工筋肉部Mが2個である比較例の動作補助装置と、脊柱起立筋に係る負担を軽減する効果はほぼ同じであるという知見が得られた。
【0066】
本発明では、以上の知見を踏まえて、人工筋肉部Mを1個にする構成を採用した。第2実施形態の動作補助装置100によれば、比較例の動作補助装置と比較して、利用者の身体にかかる負担を軽減する効果を維持しつつ、小型化が可能である。また、第2実施形態の動作補助装置100によれば、比較例の動作補助装置と比較して、貯留部91の気体の消費量を低減(具体的には半分に)することができるという利点がある。ひいては、貯留部91にかかる費用を低減することができ、長時間にわたり作業時の負担を軽減することが可能になる。
【0067】
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0068】
(1)第2実施形態において、利用者の姿勢に応じて変化する指標(以下「姿勢指標」という)を検出可能な任意の検出機器を傾斜センサSに代えて搭載してもよい。例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、または、カメラ等を検出機器として動作補助装置100に搭載してもよい。なお、第2実施形態における検出角度は姿勢指標の例示である。傾斜センサS、加速度センサ、ジャイロセンサおよびカメラは、姿勢指標を検出可能な検出部として包括的に表現される。
【0069】
なお、姿勢指標に応じて供給動作を制御する構成は、人工筋肉部Mの個数や人工筋肉部Mの形状に関わらず成立し得る。
【0070】
(2)第2実施形態において、制御機構92は、利用者が操作可能な操作子に対する指示に応じて、供給動作および排出動作の何れか一方または双方を実行してもよい。すなわち、検出部を設ける構成は第2実施形態において必須ではない。
【0071】
(3)第2実施形態において、制御機構92は、供給動作が実行されてから所定の第2期間を経過したときに、排出動作を実行してもよい。言い換えれば、第2期間が経過するまでは排出動作が実行されない。以上の構成によれば、人工筋肉部Mの収縮力により重量物を持ち上げた利用者は、第2期間が経過する前に、所望の動作(例えば重量物を運ぶ動作)をすることができる。また、第2期間を利用者により可変に設定してもよい。以上の構成では、各利用者が個別の事情を踏まえて最適な第2期間を設定することが可能になる。例えば、例えば重量物の種類や動作の内容を踏まえて第2期間を設定できる。ひいては、利用者の動作を適切に補助することが可能になる。
【0072】
(4)第2実施形態において、供給動作を実行する際に第1期間を設けることは必須ではない。同様に、排出動作を実行する際に第2期間を設けることは必須ではない。
【0073】
(5)第2実施形態において、検出角度が第1閾値を上回る状態が第1期間にわたり継続された場合に、供給動作が実行される構成を採用してもよい。具体的には、判定部211は、第1期間を経過するまで、検出角度が第1閾値を上回るか否かを継続的に繰り返し判定する。第1期間が経過するまで検出角度が第1閾値を上回る状態が維持された場合(すなわち利用者が第1期間にわたり前屈姿勢を維持した場合)、第1処理部213は、供給動作の実行を指示する。他方、第1期間が経過する前に検出角度が第1閾値を下回った場合(すなわち第1期間が経過する前に利用者が前屈姿勢から上半身を起こした場合)、第1処理部213は、供給動作の実行は指示しない。言い換えれば、第1期間を経過する間に前屈姿勢が解除された場合(上半身が起こされた場合)には、供給動作が実行されない。以上の構成によれば、補助を必要とする動作以外の動作をした場合(例えば重量物を持ち上げようとしたわけではないが一瞬かがんでしまった場合)などに、供給動作が実行されるのを防ぐことができる。また、補助を必要とする動作以外の動作においては、不必要に供給動作が実行されないから、補助を必要とする動作において効率的な供給動作が可能となる。ひいては、長時間にわたり作業時の負担を軽減することが可能になる。
【0074】
(6)第2実施形態において、エアコンプレッサーにより人工筋肉部Mに圧縮空気を供給してもよい。すなわち、貯留部91は必須ではない。エアコンプレッサーを用いる構成では、長時間にわたり作業時の軽減を負担することが可能になる。
【0075】
(7)前述の各形態では、第1装着部21を利用者の肩部に装着し、第2装着部22を利用者の大腿部に装着したが、第1装着部21および第2装着部22を装着する場所は以上の例示に限定されない。利用者の体格や用途に応じて適宜に変更し得る。ただし、腰部への負担を軽減するという観点からは、第1装着部21を利用者の肩部に装着し、第2装着部22を利用者の大腿部に装着する構成が好適である。
【0076】
(8)第2実施形態に係る動作補助装置100の機能は、各形態での例示の通り、CPU等の処理回路とプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。
【0077】
(9)人工筋肉部Mの第2端E2に接続された接続路Rには、カップリングの変わりに開閉可能なバルブを設けてもよい。以上の構成を第1実施形態で採用する場合には、バルブ925を開状態にすることで人工筋肉部Mから気体が排出される。
【符号の説明】
【0078】
100…動作補助装置、20…保持部、21…第1装着部、22…第2装着部、22A…第1部材、22B…第2部材、23…アジャスター、30…第1連結部、40…第2連結部、50…連結部材、51…第1ベルト、52…第2ベルト、53…環状部材、90…アシストユニット、91…貯留部、92…制御機構、211…判定部、213…第1処理部、215…第2処理部、217…指示部、921…制御装置、923…レギュレータ、925…バルブ、927…放音装置、E1…第1端、E2…第2端、M…人工筋肉部、R…接続路、S…傾斜センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10