(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20240912BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65D77/20 T
B65D43/08 210
B65D77/20 C
(21)【出願番号】P 2021030939
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平山 学
(72)【発明者】
【氏名】藤本 智也
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-145285(JP,A)
【文献】特開2014-213921(JP,A)
【文献】登録実用新案第3199845(JP,U)
【文献】特開2016-216089(JP,A)
【文献】特開2005-119684(JP,A)
【文献】特開2021-017277(JP,A)
【文献】米国特許第05266763(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に外側から外嵌合される蓋体と、前記容器本体と前記蓋体との間に配置される中皿と、を備えた包装用容器であって、
前記中皿は、
当該中皿の外周を形成する外側周壁部と、
前記外側周壁部よりも内側に配置される内側周壁部と、
前記外側周壁部の下端の一部から外側に突出する受け片と、を有し、
前記蓋体は、
天面部の周縁から下側に延びる蓋体周壁部と、
前記蓋体周壁部の下端の一部から外側に突出する摘み部と、を有し、
前記受け片と前記摘み部とを有する開蓋部を複数備え、
前記内側周壁部の内面は、傾斜面を含んでおり、
前記傾斜面は、平面視で隣り合う2つの前記受け片の間に配置され
、
前記傾斜面には、前記中皿に収容された被収容物を前記傾斜面から前記容器本体に移動させるように促すための指標が形成されている包装用容器。
【請求項2】
前記包装用容器は、前記開蓋部を2つ備えており、
前記中皿は、当該中皿に収容された被収容物が載置される載置面を中皿底面部に有しているとともに、前記内側周壁部の前記内面が前記傾斜面を2つ含んでおり、
2つの前記開蓋部は、平面視において、前記載置面を平面視した場合における当該載置面の中心線を基準として対称となる位置に配置されており、
2つの前記傾斜面の平面視における外形を成す各図形の中心を結んだ仮想的な第1直線は、2つの前記開蓋部の平面視における外形を成す各図形の中心を結んだ仮想的な第2直線と直交し、
前記第1直線と前記第2直線との交点と前記載置面の中心点とは、平面視における配置位置が一致する請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記指標は、複数の指標部分で構成されており、
前記複数の指標部分は、少なくとも1つの前記指標部分が他の前記指標部分よりも上側に配置されている請求項
1または2に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を収容することができる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品のテイクアウト販売を行っている各種店舗等において、弁当、総菜等の各種食料品が、包装用容器に収容された状態で販売されている。包装用容器の形状および構造等は多種多様であるが、一例として、容器本体および蓋体に加えて中皿を備えた包装用容器が挙げられる。中皿は、例えば、異なる食材等を容器本体と分離して収容するために用いられる。
【0003】
このような中皿を備えた包装用容器として、例えば特許文献1には、容器本体に中皿を載置した状態で、蓋体が中皿および容器本体を覆うように被せられる容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の容器は、中皿内の具材を容器本体に移し変えるときに中皿壁側面部を摘んで中皿を傾ける必要がある。ここで、中皿壁側面部には摘むための部位が設けられておらず、中皿壁側面部のどの部位を摘んでもよい形状になっている。また、中皿の側壁の内面には具材を容器本体に移動させるための面が形成されておらず、内面のどの部分からでも具材を移動できるようになっている。そのため、摘む部位によっては具材を容器本体に移し変え難くなっていた。また、摘む部位および中皿の傾け方によっては、具材を容器本体に移し変えるときに内面を通過した具材が指に触れてしまい、具材に菌等が付着、混入する虞があった。
【0006】
本発明の一態様は、中皿に収容された具材等の被収容物を容器本体に容易に移し変えることができ、かつ衛生面および感染予防の面で優れた包装用容器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る包装用容器は、
容器本体と、前記容器本体に外側から外嵌合される蓋体と、前記容器本体と前記蓋体との間に配置される中皿と、を備えた包装用容器であって、
前記中皿は、
当該中皿の外周を形成する外側周壁部と、
前記外側周壁部よりも内側に配置される内側周壁部と、
前記外側周壁部の下端の一部から外側に突出する受け片と、を有し、
前記蓋体は、
天面部の周縁から下側に延びる蓋体周壁部と、
前記蓋体周壁部の下端の一部から外側に突出する摘み部と、を有し、
前記受け片と前記摘み部とを有する開蓋部を複数備え、
前記内側周壁部の内面は、傾斜面を含んでおり、
前記傾斜面は、平面視で隣り合う2つの前記受け片の間に配置される。
【0008】
前記構成によれば、中皿に収容された被収容物を傾斜面から容器本体に円滑に移動させることができる。また、被収容物を容器本体に移動させるために中皿を傾けるときに2つの受け片を両手で持って傾けることができる。これらにより、中皿に収容された被収容物を容器本体に容易に移し変えることができる。
【0009】
さらに、受け片を持って中皿を傾けたときに、傾斜面を通過する被収容物が受け片を持つ指と接触し難い。これにより、被収容物を中皿から容器本体に移し変えるときに被収容物に菌等が付着、混入するのを低減でき、衛生面および感染予防の面で優れた包装用容器を実現できる。
【0010】
本発明の一態様として、
前記包装用容器は、前記開蓋部を2つ備えており、
前記中皿は、当該中皿に収容された被収容物が載置される載置面を中皿底面部に有しているとともに、前記内側周壁部の前記内面が前記傾斜面を2つ含んでおり、
2つの前記開蓋部は、平面視において、前記載置面を平面視した場合における当該載置面の中心線を基準として対称となる位置に配置されており、
2つの前記傾斜面の平面視における外形を成す各図形の中心を結んだ仮想的な第1直線は、2つの前記開蓋部の平面視における外形を成す各図形の中心を結んだ仮想的な第2直線と直交し、
前記第1直線と前記第2直線との交点と前記載置面の中心点とは、平面視における配置位置が一致してもよい。
【0011】
前記構成によれば、2つの傾斜面ともに、2つの受け片のいずれか一方に近接して配置されることが無い。したがって、2つの受け片を持って中皿を傾けたときに、傾斜面を通過する被収容物が受け片を持つ指と接触することをさらに低減できる。これにより、衛生面および感染予防の面でさらに優れた包装用容器を実現できる。
【0012】
また、2つの受け片が載置面に対してバランス良く配置されており、かつ2つの傾斜面も2つの受け片に対してバランス良く配置されている。したがって、2つの受け片を持って中皿を傾けたときに被収容物を傾斜面に移動させることが容易になる。これにより、中皿に収容された被収容物を容器本体に移し変えることがさらに簡単になる。
【0013】
本発明の一態様として、
前記傾斜面には、前記中皿に収容された被収容物を前記傾斜面から前記容器本体に移動させるように促すための指標が形成されていてもよい。
【0014】
前記構成によれば、指標を視認することによって傾斜面の機能を簡単に把握できる。これにより、被収容物の容器本体への移し変えが、高い確率で傾斜面から行われるようにすることができる。
【0015】
本発明の一態様として、
前記指標は、複数の指標部分で構成されており、
前記複数の指標部分は、少なくとも1つの前記指標部分が他の前記指標部分よりも上側に配置されていてもよい。
【0016】
前記構成によれば、複数の指標部分は、少なくとも1つの前記指標部分(以下、「上側指標部分」)が他の前記指標部分(以下、「下側指標部分」)よりも上側に配置されている。したがって、下側指標部分が被収容物によって視認できなくなったとしても、上側指標部分を視認できる。これにより、被収容物の大きさが大きくなったり量が多くなったりしたときでも傾斜面の機能を把握できることから、傾斜面を有する中皿に収容できる被収容物のバリエーションを増やすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、中皿に収容された被収容物を容器本体に容易に移し変えることができ、かつ衛生面および感染予防の面で優れた包装用容器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す包装用容器の外観を示す側面図である。
【
図3】
図2に示す包装用容器とは異なる方向からの外観を示す側面図である。
【
図4】
図1に示す包装用容器のIV-IV線矢視断面図である。
【
図5】
図1に示す包装用容器の上部に容器本体を積み重ねた状態を示す、IV-IV線矢視断面図である。
【
図6】符号601は、
図1に示す容器本体の平面図である。符号602は、
図1に示す容器本体のIV-IV線矢視断面図である。
【
図7】
図4に示す包装用容器の本体フランジ部周りを示す拡大断面図である。
【
図8】符号801は、
図1に示す包装用容器の変形例におけるIV-IV線矢視断面図である。符号802は、
図1に示す包装用容器の変形例における本体フランジ部周りを示す拡大断面図である。
【
図9】符号901は、
図1に示す中皿の平面図である。符号902は、前記平面図のIX-IX線矢視断面図である。
【
図10】符号1001は、
図1に示す蓋体の平面図である。符号1002は、前記平面図のX-X線矢視断面図である。
【
図11】符号1101は、
図1に示す包装用容器の平面図である。符号1102は、前記平面図の開蓋部周りを示す拡大図である。
【
図12】符号1201は、
図11に示す開蓋部を構成する摘み部における、外側摘み部および収容部を示す模式図である。符号1202は、
図11に示す開蓋部を構成する受け片における、外側受け片および隆起部を示す模式図である。符号1203は、開蓋部が正規態様の開蓋部における、外側受け片と外側摘み部との重なり合いおよび位置設定部の態様を示す模式図である。
【
図13】符号1301は、隆起部が収容部に収容されていない場合における、外側受け片および外側摘み部の各態様を示す模式図である。符号1302は、外側受け片と外側摘み部とが略重なり合った状態における、隆起部および収容部の各態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について、
図1~
図13を参照して説明する。本実施形態では、本発明の一態様に係る包装用容器として、弁当、惣菜等の食料品を被収容物として収容する食品包装用容器を例に挙げて説明する。但し、本発明の一態様に係る包装用容器が収容する被収容物は、食料品に限定されない。
【0020】
〔包装用容器の概要〕
図1~
図5を用いて、本発明の一実施形態に係る包装用容器1の概要について説明する。
図1~
図5に示すように、包装用容器1は、容器本体2と、中皿3と、蓋体4(第2蓋体)とを備える。
【0021】
本実施形態では、容器本体2、中皿3および蓋体4はそれぞれ、シート厚が0.1mm~4mm、好ましくは0.15mm~2.5mmの樹脂シートを熱成形することによって形成されている。熱成形の方法としては、例えば真空成形、厚空成形、真空圧空成形、熱板成形を挙げることができる。なお、容器本体2、中皿3および蓋体4のシート厚は、それぞれ0.1mm~4mmの範囲内で異なっていてもよい。
【0022】
樹脂シートとしては、例えばポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。これらの樹脂シートは、発砲シートであってもよいし、非発泡シートであってもよい。また、樹脂シートとして積層シートを用いることもできる。積層シートとしては、例えば、発泡シートにフィルムをラミネートしたフィルムラミネート発泡シート、共押出ラミネートシート、押出ラミネートシートを用いることができる。本実施形態において、容器本体2は発泡シートにより形成されており、中皿3および蓋体4は非発泡シートにより形成されている。
【0023】
本実施形態では、容器本体2は白色単色、中皿3は黒色単色、蓋体4は無色透明である。ただし、容器本体2、中皿3および蓋体4の色は、これに限られず、いかなる色であってもよい。例えば、容器本体2は、黒色をベースカラーとして、少なくとも一部に金色または赤色等の模様が付されていてもよい。
【0024】
(容器本体)
容器本体2は、被収容物を収容可能な包装用容器1の構成部品である。容器本体2は、平面視での外形が正円形状である。ここで、「正円形状」とは、容器本体2を全体として見たときに正円形状と見做すことができる形状、つまり略正円形状を意味する。したがって、例えば、容器本体2の周縁の一部に、突出部分が形成されていてもよいし、直線状の辺を成す部分が含まれていてもよい。このことは、正円形状以外の形状(例えば方形状)についても当てはまり、また、包装用容器1を構成する各部位(後述)を、あらゆる方向から見た場合の形状についても当てはまる。
【0025】
容器本体2は、
図4に示すように、本体底面部21(底面部)と、本体周壁部22と、本体フランジ部23と、を有する。本体底面部21は、容器本体2の底部を構成する。本体周壁部22は、本体底面部21から上側に延びる、容器本体2の周壁を成す枠状の部位である。本体フランジ部23は、本体周壁部22の周縁から外側に延びて形成されている部位である。
【0026】
(中皿)
中皿3は、容器本体2が収容する被収容物と異なる被収容物を収容可能な包装用容器1の構成部品である。勿論、中皿3は、容器本体2が収容する被収容物と同じ被収容物を収容してもよい。中皿3は、容器本体2と蓋体4との間に配置され、平面視での外形が正円形状である。中皿3は、
図4に示すように、中皿底面部31と、内側周壁部33と、中皿フランジ部35(中皿凸部)と、外側周壁部36(中皿周壁部)と、中皿端縁部37と、を有する。
【0027】
中皿底面部31は、中皿3の底部を構成する。中皿3が収容する被収容物は、中皿底面部31の載置面31aに載置される。中皿底面部31には、中皿脚部32が形成されている。中皿脚部32は、平面視における中皿底面部31の周縁に、包装用容器1の下側に向かって突出して形成されている。
【0028】
内側周壁部33は、中皿底面部31とで中皿3の収容凹部を成す枠状の部位であり、外側周壁部36よりも内側に配置される。内側周壁部33は、中皿底面部31の側端、具体的には中皿脚部32の外端部の上端から上側に延びて形成されている。中皿フランジ部35は、内側周壁部33の上端の周縁に沿って当該上端よりも上側に形成された、天面が上側に向けて凸となる突起状の部位である。中皿フランジ部35は、側面視で段差形状の中皿段差部34を介して、内側周壁部33と連結している。中皿段差部34は、中皿フランジ部35の方が内側周壁部33よりも外側に配置されるような段差形状になっている。
【0029】
外側周壁部36は、中皿3の外周を形成する部位である。外側周壁部36は、中皿フランジ部35の外端から下側に延びて形成されている。中皿端縁部37は、外側周壁部36の下端から当該下端の周縁に沿って外側に延びる枠状の部位であり、容器本体2の本体フランジ部23の上面に載置される。なお、外側周壁部36の下端の一部、具体的には中皿端縁部37の先端の一部には、受け片38が外側に延びて形成されている(
図9、
図11参照)。受け片38の詳細は後述する。
【0030】
(蓋体)
蓋体4は、容器本体2および中皿3を上面から覆う包装用容器1の構成部品である。蓋体4は、平面視での外形が正円形状であり、容器本体2に外嵌合する。「外嵌合」とは、容器本体2の一部が蓋体4に嵌まり込み、容器本体2の外面側の部分と蓋体4の内面側の部分とが当接して嵌合する嵌合態様を示す。
【0031】
蓋体4は、
図4に示すように、天面部41と、蓋体周壁部44と、外嵌合部45とを有する。天面部41は、蓋体4の天面を構成する部位である。天面部41は、中央部を含む内側部分41-1が他の部分よりも上側に突出している。天面部41の内側部分41-1は、
図5に示すように、容器本体2における本体載置部21aと本体脚部21bとで囲まれた空間の形状および大きさに対応している。これにより、容器本体2を天面部41に載置すると天面部41の内側部分41-1が前述の空間に嵌り込むことから、蓋体4上に容器本体2を安定的に積み重ねることができる。
【0032】
また、天面部41には、
図4および
図5に示すような孔41aが形成されている。孔41aは、中皿3内の被収容物から生じる蒸気を外部に逃がすための孔である。ここで、天面部41には、当該天面部41の内側部分41-1とその周囲の部分41-2(以下、「周囲部分41-2」)とで段差が形成されている。また、容器本体2を天面部41に載置すると、本体脚部21bの接地面21b1と天面部41の周囲部分41-2との間に、
図5に示すような隙間が形成される。これにより、容器本体2を天面部41に載置した場合でも、中皿3内の蒸気を孔41aから前述の隙間を通じて外部に逃がすことができる。
【0033】
本実施形態では、孔41aは、平面視で天面部41の中心線(不図示)上に、かつ内側部分の両端に1つずつ形成されている。なお、孔41aの個数および形成箇所に特段の限定はないが、容器本体2を天面部41に載置した場合でも中皿3内の蒸気を孔41aから逃がし易くする観点から、本実施形態のような形成箇所が好ましい。
【0034】
図4に示すように、天面部41の周縁には、全周に亘って蓋体凹部43が形成されている。蓋体凹部43は、上側に凹むように形成されており、中皿3の中皿フランジ部35を収容して当該中皿フランジ部35を係止する。蓋体凹部43の内側には、当該蓋体凹部43の内周に沿って窪み部42が形成されている。窪み部42は、下側に向けて凹となるように窪んでいる。
【0035】
蓋体周壁部44は、天面部41の周縁、具体的には蓋体凹部43の外端部の下端から下側に延び、蓋体4の周壁を成す枠状の部位である。外嵌合部45は、蓋体周壁部44の下端から下側に延びる枠状の部位である。外嵌合部45は、容器本体2の本体フランジ部23を外側から覆うことで、本体フランジ部23と外嵌合する。なお、蓋体周壁部44の下端の一部には、摘み部46が外側に突出して形成されている(
図10、
図11参照)。摘み部38の詳細は後述する。
【0036】
〔本体フランジ部の周辺構造〕
図6~
図8を用いて、容器本体2が有する本体フランジ部23について詳細に説明する。容器本体2は、本体フランジ部23を有することにより、容器本体2の内側から内嵌合する蓋体4-2(第1蓋体)と、容器本体2の外側から外嵌合する蓋体4と、のそれぞれと嵌合可能である。「内嵌合」とは、蓋体4-2の一部が容器本体2に嵌まり込み、蓋体4-2の外面側の部分と容器本体2の内面側の部分とが当接して嵌合する嵌合態様を示す。すなわち、容器本体2は、容器本体2に外嵌合可能な形状の蓋体4および内嵌合可能な形状の蓋体4-2について、いずれも嵌合可能に構成されている。
【0037】
(底面部および本体周壁部)
図6および
図7に示すように、容器本体2において、本体底面部21は、本体載置部21aと、本体脚部21bとにより構成されている。本体載置部21aは、本体底面部21における平板状に形成される部位であり、被収容物が載置される。本体脚部21bは、平面視において本体載置部21aを囲んで、下側に向かって突出して形成されている。
【0038】
本体脚部21bは、容器本体2の接地面21b1を含む。本体底面部21が本体脚部21bを有することで、容器本体2の接地面21b1の面積を小さくできる。したがって、容器本体2が収容する被収容物が、接地面21b1が接する部分の温度よりも暖かいものまたは冷たいものである場合、被収容物は、接地面21b1が接する部分の温度の影響を受けにくい。接地面21b1が接する部分とは、例えば、包装用容器1を載置するテーブルの天面部分が挙げられる。
【0039】
また、2つの包装用容器1を積み重ねる場合、上側の包装用容器1における接地面21b1が接する部分は、下側の包装用容器1における蓋体4の天面部41で有り得る。このとき、例えば下側の包装用容器1が温かい丼物を収容し、上側の包装用容器1が冷たいサラダを収容する場合、接地面21b1の面積が小さければ、被収容物への温度の影響を互いに最小限にできる。
【0040】
また、本体脚部21bが本体底面部21の下側に向かって突出している。そのため、容器本体2の保管時等に複数の容器本体2を積み重ねる場合、それぞれの容器本体2の位置が定まり易い。したがって、複数の容器本体2を安定して積み重ねることができる。
【0041】
容器本体2において、本体周壁部22は、第1周壁部22aと、第2周壁部22bとにより構成されている。第1周壁部22aは、本体底面部21の外端から上側に延び、本体周壁部22の主な部分を構成する。第2周壁部22bは、第1周壁部22aの上側に、外側への段差を介して延びる部位である。このように、本体周壁部22は、第1周壁部22aと第2周壁部22bとの間に段差が形成されている。当該段差は、例えば、容器本体2に被収容物を収容する量の目印とすることができる。
【0042】
また、平面視において第2周壁部22bに囲まれる領域は、第1周壁部22aに囲まれる領域よりも面積が大きい。これにより、容器本体2の内部の収容空間に、第2周壁部22bに囲まれる空間を形成することで、当該収容空間の容積を大きく確保できる。したがって、例えば中皿3が収容する被収容物を容器本体2に移したとき、当該被収容物が容器本体2からあふれ出ることを防止できる。
【0043】
(本体フランジ部)
容器本体2において、本体フランジ部23は、内周フランジ部23aと、外周フランジ部23bと、内側側壁23cと、外側側壁23dと、外縁端部23eと、により構成されている。
【0044】
本体フランジ部23において、内側側壁23cは、本体周壁部22の上端から外側に延びて形成される段差の外端から、上側に延びて形成されている。内周フランジ部23aは、内側側壁23cの上端から外側に延びる枠状の部位である。言い換えれば、内側側壁23cは、内周フランジ部23aの上面から本体周壁部22に向かって下側に延びる部位である。内周フランジ部23aの上面は、容器本体2の上端である。
【0045】
外側側壁23dは、内周フランジ部23aの外端から外周フランジ部23bに向かって下側に延びている。そして、外周フランジ部23bは、外側側壁23dの外端から外側に延びて形成されている。すなわち、本体フランジ部23には、内周側に内周フランジ部23aが形成されており、外周側に外周フランジ部23bが形成されている。内周フランジ部23aの上面と、外周フランジ部23bの上面とは、互いに略平行な面となっている。
【0046】
内周フランジ部23aは、外周フランジ部23bよりも高い位置に形成されている。具体的には、容器本体2の接地面21b1から内周フランジ部23aの上面までの高さを高さh1とし、接地面21b1から外周フランジ部23bの上面までの高さを高さh2とすると、高さh1は高さh2よりも高い。そのため、外周フランジ部23bの上面と内周フランジ部23aの上面との間には、内周フランジ部23aの外端から外周フランジ部23bに向かって延びる、外側側壁23dが形成される。
【0047】
中皿3は、中皿端縁部37が外周フランジ部23bの上面に載置されることで、包装用容器1の一部を構成する。このように、包装用容器1が、外周フランジ部23bの上面に載置する中皿3等の構成部品を備える場合、中皿3に外力が作用しても、中皿3は外側側壁23dよりも内側には移動できない。具体的には、中皿端縁部37は、
図7に示す仮想的な線S1よりも内側に位置がずれることがない。仮想的な線S1は、上下方向に、外側側壁23dの外側の壁面に沿って延びる仮想的な直線である。したがって、中皿3が外周フランジ部23bよりも内側に移動することを防止できるため、中皿3を外周フランジ部23bの上面に安定して載置可能となる。
【0048】
外縁端部23eは、外周フランジ部23bの下端から外側に延びて形成されている。外縁端部23eは、蓋体4の外嵌合部45に外側から覆われて、外嵌合部45の内面に当接することで、外嵌合部45と外嵌合する。すなわち、外縁端部23eは、蓋体4と外嵌合可能に構成されている。
【0049】
外嵌合部45には、内面が外側に向けて凹んだ嵌合凹部45aが形成されている。嵌合凹部45aは、外縁端部23eと係合することで、外縁端部23eと外嵌合できる。このように、容器本体2は、外縁端部23eを有していることにより、蓋体4と外嵌合可能に形成されている。
【0050】
蓋体4が容器本体2と外嵌合すると、外周フランジ部23bの上面が載置する中皿端縁部37は、外周フランジ部23bと外嵌合部45とにより挟まれて固定される。また、中皿3の外側周壁部36は、容器本体2の外側側壁23dと蓋体4の蓋体周壁部44とにより挟まれて固定される。したがって、蓋体4が容器本体2と外嵌合することにより、蓋体4と容器本体2とを安定して固定すると共に、包装用容器1が備える中皿3の位置についても、安定して固定できる。したがって、包装用容器1に外力が掛かっても、容器本体2、中皿3および蓋体4の互いの位置がずれることなく安定する。
【0051】
(中皿凸部および蓋体凹部)
蓋体4が有する蓋体凹部43は、中皿3が有する中皿フランジ部35の少なくとも一部を収容して当該中皿フランジ部35を係止する。中皿フランジ部35は、内壁部35aと、天面部35bと、外壁部35cとにより構成されている。また、蓋体凹部43についても、内壁部43aと、天面部43bと、外壁部43cとにより構成されている。
【0052】
蓋体凹部43が中皿フランジ部35を完全に収容した状態では、内壁部35aの外面と内壁部43aの内面とが当接し、天面部35bの外面と天面部43b内面とが当接し、外壁部35cの外面と外壁部43cの内面とが当接する。これにより、蓋体凹部43と中皿フランジ部35とが3方向において強固に係止されるため、中皿3と蓋体4との位置がずれることを防止できる。
【0053】
なお、
図8では、中皿フランジ部35が蓋体凹部43の奥まで、天面部35bと天面部43bとが当接するように収容されている例を、「完全に収容した状態」として示している。しかしながら、中皿フランジ部35は、その少なくとも一部が蓋体凹部43に収容されていればよい。すなわち、中皿フランジ部35は、内壁部35aと、天面部35bと、外壁部35cとの、少なくともいずれかが、蓋体凹部43の内面に当接していればよい。
【0054】
例えば、中皿フランジ部35の上下方向の長さは、蓋体凹部43の上下方向の長さよりも短く形成されていてもよい。この場合、蓋体凹部43が中皿フランジ部35を完全に収容しても、天面部35bと天面部43bとは当接しない。この場合でも、少なくとも中皿フランジ部35と蓋体凹部43とで互いに当接している部分があれば、中皿3および蓋体4の位置ずれを防止できる。
【0055】
また、中皿フランジ部35および蓋体凹部43はいずれも、内周フランジ部23aの上面よりも高い位置に形成されている。このとき、蓋体4は、容器本体2の外縁端部23eに外嵌合すると共に、中皿3の中皿フランジ部35に係止する。中皿3は、外周フランジ部23bの上面に安定して載置すると共に、蓋体4の蓋体凹部43に係止する。このように、蓋体4および中皿3はいずれも、位置が異なる2点でその位置ずれが制限される。したがって、包装用容器1の各部位の位置がずれることを防止でき、包装用容器1が安定して被収容物を収容できる。また、被収容物を収容した包装用容器1を、安定して持ち運ぶことができる。
【0056】
なお、中皿フランジ部35は、複数の中皿3を積み重ねる場合に、中皿3同士の位置ずれを防止する効果も奏する。同様に、蓋体凹部43は、複数の蓋体4を積み重ねる場合に、蓋体4同士の位置ずれを防止する効果も奏する。
【0057】
(内嵌合する形状の蓋体)
図8に示すように、容器本体2は、蓋体4と外嵌合可能であると共に、蓋体4とは異なる形状の蓋体4-2と内嵌合可能に構成されている。蓋体4-2は、蓋体4が有する外嵌合部45に代えて、内嵌合部145を有している。
【0058】
内嵌合部145は、蓋体周壁部44から外側に延びる、容器本体2の内側側壁23cの内面と内嵌合する部位である。すなわち、内側側壁23cは、蓋体4-2と内嵌合可能に構成されている。内嵌合部145は、内嵌合壁145aと、内周側端部145bと、外周側端部145cとにより構成されている。
【0059】
内嵌合壁145aは、内側側壁23cの内面に面状に当接する。このとき、内嵌合壁145aと内側側壁23cとの間には摩擦力が生じるため、内側側壁23cと内嵌合壁145aとが係合する。このように、内嵌合壁145aが、蓋体4-2の全周に亘って内側側壁23cの内面と係合することによって、内嵌合部145は、内側側壁23cに内嵌合する。
【0060】
また、内嵌合壁145aには、外面が内側に向かって凹んだ嵌合凹部145a1が、全周に亘って形成されている。そして、内側側壁23cには、内面における嵌合凹部145a1が当接する部分に、内側に突出する突出部23c1が形成されている。すなわち、突出部23c1は、嵌合凹部145a1に対応して、内側側壁23cの全周に亘って形成されている。内側側壁23cは、突出部23c1と嵌合凹部145a1とが係合することで、内嵌合部145を強固に固定できる。このように、嵌合凹部145a1および突出部23c1によれば、内嵌合部145と内側側壁23cとの内嵌合をより強固にできる。
【0061】
なお、本実施形態では、内側側壁23cの全周に亘って突出部23c1が形成されている例を示している。しかしながら、突出部は、内側側壁23cの一部にのみ形成されていてもよい。例えば、内側側壁23cは四方に、等間隔で4つの突出部を有していてもよいし、対向する位置に2つの突出部を有していてもよい。このように、突出部が複数形成されている場合でも、内側側壁23cと内嵌合部145との嵌合は、突出部が形成されない場合よりも強固にできる。また、突出部が内側側壁23cの一部のみに形成される態様によれば、蓋体4-2を容器本体2に内嵌合するために蓋体4-2を押し込む力を、突出部の数を変更することで容易に調整できる。
【0062】
内周側端部145bは、内周フランジ部23aの上面に、上側から覆うように当接する。また、外周側端部145cは、本体フランジ部23の外側側壁23dから外周フランジ部23bの上面までの形状に対応する形状として形成されている。このように、内嵌合部145が本体フランジ部23の形状に対応する形状として形成されていれば、内嵌合部145と本体フランジ部23との内嵌合をスムーズに行うことができる。また、包装用容器1-2の外観がまとまり易い。
【0063】
ここで、前述したように、本体底面部21の接地面21b1からの、内周フランジ部23aの上面までの高さh1は、外周フランジ部23bの上面までの高さh2よりも高い。これにより、外側側壁23dの上下方向の長さL1について、内側側壁23cの上下方向の長さL2よりも短く形成し易い。長さL1が長さL2よりも短い場合、外側側壁23dの外面の面積は、内側側壁23cの内面の面積よりも小さくなる。そのため、相対的に内側側壁23cの面積が大きくなり、内側側壁23cと内嵌合壁145aとが当接する部分の面積を広く確保しやすくなる。したがって、内嵌合部145と内側側壁23cとの内嵌合を、容易に強固にできる。
【0064】
また、相対的に外側側壁23dの面積を小さくすることで、内嵌合する蓋体4-2のみならず、外嵌合する蓋体4にも有利な効果が生じる。すなわち、外側側壁23dの面積が小さいと、容器本体2に蓋体4を外嵌合する場合に、外嵌合部45の面積を小さくし易い。蓋体周壁部44の下端から、外縁端部23eまでの長さが短くなるためである。したがって、容器本体2に外嵌合可能な蓋体4の製造コストを低減できると共に、このような蓋体4を備える包装用容器1の外観を向上させることができる。
【0065】
〔中皿の特徴的構造〕
(受け片)
中皿端縁部37の先端の一部には、
図9に示すように、平板状の受け片38が外側に延びて形成されている。本実施形態では、
図9の符号901に示すように、2つの受け片38が中皿3に設けられており、平面視において、中皿底面部31の載置面31aの中心線S2を基準として対称となる位置に配置されている。中心線S2は、具体的には、載置面31aを平面視した場合に、載置面31aの外形を表す図形の図心(以下、「載置面31aの図心」)と重なる直線を指す。
【0066】
なお、中心線S2は、前述した載置面31aの図心と重なる直線であってもよいが、これに限定されない。例えば、載置面31aの図心が当該載置面31aに含まれない位置に存在する場合、中心線S2は、載置面31aを平面視した場合における仮想的な円の中心と重なる直線であってもよい。「仮想的な円」は、載置面31aの外形を示す図形が内包し得る、面積が最大となる円である。
【0067】
受け片38は、先端における略半分の部分38-1が当該先端の他の部分よりも外側に突出している。以下、受け片38の先端における、他の部分よりも外側に突出している略半分の部分38-1を、「外側受け片38-1」と称する。2つの受け片38ともに、同じ箇所に同じ大きさの外側受け片38-1が形成されている。また、2つの受け片38は、前述のように中心線S2を基準として対称となる位置に配置されていることから、中皿3における一方の外側受け片38-1と他方の外側受け片38-1との配置関係は対角の関係になる。
【0068】
(隆起部)
受け片38は、
図9に示すような隆起部39を有している。隆起部39は、受け片38の上面から上側に凸となるように隆起しており、蓋体4が中皿3を上面から覆った状態において後述の収容部47に収容される。隆起部39は、
図9の符号901に示すように、受け片38の上面の中央領域38-xに形成されている。
【0069】
「受け片38の上面の中央領域38-x」は、受け片38の上面における当該上面の中心を含む領域であり、かつ、受け片38の上面の端部領域38-y以外の領域である。「受け片38の上面の中心」は、受け片38の上面を平面視した場合における、当該上面の外形を表す図形の図心であってもよいし、仮想的な円の中心であってもよい。「仮想的な円」は、受け片38の上面の外形を示す図形が内包し得る、面積が最大となる円である。「受け片38の上面の中心」における「中心」の定義は、後述の「摘み部46の上面の中央領域46-x」および「開蓋部50の中央領域50c」についても同様である。
【0070】
本実施形態では、隆起部39は略四角錐台の形状になっている。つまり、隆起部39の各側壁が、上側に向かうにつれて隆起部39の内側に傾斜している。そのため、隆起部39を収容部47に挿入し易く、かつ、収容部47に収容された隆起部39を当該収容部47からスムーズに取り出すことができる。これにより、包装用容器1の閉蓋および開蓋を容易に行うことができる。本実施形態における「閉蓋」は、中皿3を容器本体2の外周フランジ部23bの上面に載置した状態において、蓋体4を容器本体2に外嵌合させることを指す。本実施形態における「開蓋」は、閉蓋された包装用容器1の蓋体4を取り外すことを指す。
【0071】
なお、隆起部39の個数、配置、形状、大きさ等は任意に設計変更できる。例えば、本実施形態の隆起部39よりも小さな複数の隆起部をマトリックス状に配置してもよい。さらには、受け片38に隆起部39自体を設けなくてもよい。この場合、隆起部39の替わりとして、例えば受け片38の上面に文字、図、数字等の目印を設けてもよい。また例えば、受け片38に収容部を設けてもよい。この収容部は、受け片38の上面から下側に凹となるように形成される。
【0072】
複数の隆起部をマトリックス状に配置する場合は、この複数の隆起部を収容可能は複数の収容部を、後述の摘み部46にマトリックス状に設ける。受け片38に目印を設ける場合は、受け片38の目印と同じまたは関連する目印を摘み部46に設ける。受け片38に収容部を設ける場合は、この収容部に収容可能な隆起部を摘み部46に設ける。
【0073】
(内側周壁部の内面および傾斜面)
内側周壁部33の内面33aは、
図9の符号901に示すような2つの傾斜面33bを含んでいる。傾斜面33bは、先端の外形が曲線になった略三角形状の面であり、中皿3内の被収容物を容器本体2に移し変えるときに被収容物が通過する面である。また、傾斜面33bは、
図9に示すように上側に向かうにつれて外側に傾斜しており(
図1も参照)、平面視で2つの受け片38の間に1つずつ配置されている。
【0074】
なお、「上側に向かうにつれて外側に傾斜」とは、内面33a(
図9参照)の傾斜態様と異なる態様であることを意味する。例えば、傾斜面33bの傾斜角度を内面33aの傾斜角度と異ならせてもよい。この場合の傾斜角度は、中皿底面部31の載置面31aを基準面(傾斜角度0°)とした場合における、内面33aと基準面との成す角度および傾斜面33bと基準面との成す角度である。また、傾斜面33bの表層態様等が内面33aと比較して異なる態様として、傾斜態様を異ならせてもよい。さらには、傾斜面33bの視認態様を幾何学的な模様で構成してもよく、傾斜面33bの縁を内面33aと識別できる程度の三角状の形態で構成してもよい。
【0075】
このような傾斜面33bを形成することにより、中皿3に収容された被収容物を傾斜面33bから容器本体2に円滑に移動させることができる。また、被収容物を容器本体2に移動させるために中皿3を傾けるときに2つの受け片38を両手で持って傾けることができる。これらにより、中皿3に収容された被収容物を容器本体2に容易に移し変えることができる。
【0076】
さらに、受け片38を持って中皿3を傾けたときに、傾斜面33bを通過する被収容物が受け片38を持つ指と接触し難い。これにより、被収容物を中皿3から容器本体2に移し変えるときに被収容物に菌等が付着、混入するのを低減でき、衛生面および感染予防の面で優れた包装用容器1を実現できる。
【0077】
傾斜面33bは、
図9の符号901に示すように、第1直線S3と第2直線S4との交点Iと、中皿底面部31の載置面31aの中心点C5とが、平面視において配置位置が一致するように形成されている。
【0078】
第1直線S3は、2つの傾斜面33bの平面視における外形を成す各図形の中心C1およびC2を結んだ仮想的な直線である。中心C1およびC2は、前述の各図形の図心であってもよいし、前述の各図形が内包し得る、面積が最大となる仮想的な円の中心であってもよい。第2直線S4は、2つの開蓋部50(
図11参照;詳細は後述)の平面視における外形を成す各図形の中心C3およびC4を結んだ仮想的な直線である。中心C3およびC4の各定義については、中心C1およびC2と同様である。本実施形態では、平面視において中心線S2と第1直線S3とが重なる。
【0079】
第1直線S3と第2直線S4とは平面視において直交する。そして、これら直交する第1直線S3と第2直線S4との交点が交点Iである。ここで、第1直線S3と第2直線S4とが「平面視において直交」とは、第1直線S3および第2直線S4を仮に平面視で視認した場合に視認できるレベルで直交していないことを排除する意味であり、厳密な意味において直交することを要求するものではない。中心点C5の「中心」は、前述した「載置面31aの中心」と同義である。
【0080】
交点Iと中心点C5とが「平面視において配置位置が一致」とは、平面視で視認できるレベルで配置位置が一致していないことを排除する意味であり、厳密な意味において配置位置が一致することを要求するものではない。例えば、包装用容器1の製造過程で生じる寸法誤差に基づいて、交点Iと中心点C5との平面視における配置位置が僅かに一致しない場合も、なお「平面視において配置位置が一致」すると言える。
【0081】
傾斜面33bが前述のような配置になっていることにより、2つの傾斜面33bともに、2つの受け片38のいずれか一方に近接して配置されることが無い。したがって、2つの受け片38を持って中皿3を傾けたときに、傾斜面33bを通過する被収容物が受け片38を持つ指と接触することをさらに低減できる。これにより、衛生面および感染予防の面でさらに優れた包装用容器1を実現できる。
【0082】
また、2つの受け片38が載置面31aに対してバランス良く配置されており、かつ2つの傾斜面33bも2つの受け片38に対してバランス良く配置されている。したがって、2つの受け片38を持って中皿3を傾けたときに被収容物を傾斜面33bに移動させることが容易になる。これにより、中皿3に収容された被収容物を容器本体2に移し変えることがさらに簡単になる。
【0083】
傾斜面33bは、指標33cを有している。指標33cは、中皿3内の被収容物を傾斜面33bから容器本体2に移動させるように促すための部位である。本実施形態では、指標33cは、2つの第1指標部分33c-1および33c-3と1つの第2指標部分33c-2とで構成されている。
【0084】
2つの第1指標部分33c-1および33c-3、第2指標部分33c-2共に、平面視で同じ形状および同じ大きさの矢印形状であり、傾斜面33bから中皿3の内側に向けて凸となるように隆起している。また、2つの第1指標部分33c-1および33c-3、第2指標部分33c-2共に、矢印の先端が上側を向いている。2つの第1指標部分33c-1および33c-3の配置位置は同じであり、第2指標部分33c-2は2つの第1指標部分33c-1および33c-3よりも上側に配置されている。また、第2指標部分33c-2は、水平方向において2つの第1指標部分33c-1および33c-3の間に配置される。さらに、一方の第1指標部分33c-1と第2指標部分33c-2との水平方向の間隔は、他方の第1指標部分33c-3と第2指標部分33c-2との水平方向の間隔と同じである。
【0085】
傾斜面33bが前述のような指標33cを有していることにより、指標33cを視認することによって傾斜面33bの機能を簡単に把握できる。これにより、被収容物の容器本体2への移し変えが、高い確率で傾斜面33bから行われるようにすることができる。
【0086】
また、指標33cが前述のような2つの第1指標部分33c-1および33c-3、ならびに第2指標部分33c-2で構成されていることにより、2つの第1指標部分33c-1および33c-3が被収容物によって視認できなくなったとしても、第2指標部分33c-2を視認できる。これにより、被収容物の大きさが大きくなったり量が多くなったりしたときでも傾斜面33bの機能を把握できることから、傾斜面33bを有する中皿3に収容できる被収容物のバリエーションを増やすことができる。
【0087】
なお、指標33cの個数、配置、形状、大きさ等については、任意に設計変更できる。例えば、指標33cを1つの矢印のみで構成してもよいし、第2指標部分33c-2の個数を増やしてもよい。また例えば、第2指標部分33c-2よりも上側に第3指標部分を配置してもよい。さらには、指標33cを矢印以外の図、文字等に替えてもよい。
【0088】
内側周壁部33の内面33aにおける傾斜面33b以外の領域は、鉛直方向に延伸する複数のリブで構成されるリブ構造となっている。これにより、中皿3の内部を視認したときに、傾斜面33bとそれ以外の領域との区別が容易につく。よって、中皿3内の被収容物を容器本体2に移し変えるときに、誤って被収容物を傾斜面33b以外の領域から容器本体2に移動させることを低減できる。また、被収容物を傾斜面33b以外の領域から容器本体2に移動させようとしても被収容物がリブに引っ掛かるため、被収容物が正しくない箇所から外部に出ることを低減できる。
【0089】
〔蓋体の特徴的構造〕
(摘み部)
図10に示すように、蓋体周壁部44の下端の一部には、摘み部46が外側に突出して形成されている。本実施形態では、
図10の符号1001に示すように、2つの摘み部46が蓋体4に設けられており、中皿3を上面から覆った蓋体4を平面視した場合において、中心線S2を基準として対称となる位置に配置されている(
図9参照)。また、摘み部46は、
図3に示すように外嵌合部45よりも上側に形成されている。
【0090】
摘み部46は、先端における略半分の部分46-1が当該先端の他の部分よりも外側に突出している。以下、摘み部46の先端における、他の部分よりも外側に突出している略半分の部分46-1を、「外側摘み部46-1」と称する。2つの摘み部46ともに、同じ箇所に同じ大きさの外側摘み部46-1が形成されている。また、2つの摘み部46は、前述のように中心線S2を基準として対称となる位置に配置されていることから、蓋体4における一方の外側摘み部46-1と他方の外側摘み部46-1との配置関係は、対角の関係になる。
【0091】
(収容部)
摘み部46は、
図10に示すような収容部47を有している。収容部47は、摘み部46の下面から上側に凹となる凹部であり、蓋体4が中皿3を上面から覆った状態において中皿3の隆起部39を収容する。収容部47は、
図10の符号1001に示すように、摘み部46の上面の中央領域46-xに形成されている。「摘み部46の上面の中央領域46-x」は、摘み部46の上面における当該上面の中心を含む領域であり、かつ、摘み部46の上面の端部領域46-y以外の領域である。
【0092】
本実施形態では、収容部47は略四角錐台の形状になっており、かつ中皿3の隆起部39の形状に略対応している。そのため、隆起部39を収容部47に挿入し易く、かつ、収容部47に収容された隆起部39をスムーズに取り出すことができる。これにより、包装用容器1の閉蓋および開蓋を容易に行うことができる。
【0093】
なお、収容部47の個数、配置、形状、大きさ等は任意に設計変更できる。例えば、本実施形態の収容部47よりも小さな複数の収容部をマトリックス状に配置してもよい。さらには、摘み部46に収容部47自体を設けなくてもよい。この場合、収容部47の替わりとして、例えば摘み部47の上面に文字、図、数字等の目印を設けてもよい。また例えば、摘み部46に隆起部を設けてもよい。この隆起部は、摘み部46の下面から下側に凸となるように形成される。つまり、本発明の一態様に係る隆起部は、受け片38または摘み部46のいずれか一方から鉛直方向に隆起するものであればよい。前述の各バリエーションに対応する受け片38の態様については、前述の通りである。
【0094】
(垂下壁)
蓋体4は、
図3および
図10の符号1001に示すような垂下壁48を有している。垂下壁48は、摘み部46の両方の側端から下側に延びて外嵌合部45と連結する平板状の部位である。垂下壁48は、摘み部46が位置設定状態の位置から水平方向に移動すると、受け片38の側端面に当接する(
図3参照)。位置設定状態の詳細については後述する。この垂下壁48によって、摘み部46の水平方向の移動が規制される。
【0095】
このように、垂下壁48によって摘み部46の水平方向への意図しない移動を規制できる。これにより、後述の位置設定状態を維持し易くなり、開蓋部50における摘み部46および受け片38の各位置が安定することから、開蓋部50付近の見栄えを向上させることができる。
【0096】
本実施形態では、
図3に示すように、2つの垂下壁48の間隔が下側に向かうにつれて広くなっている。そのため、垂下壁48が受け片38の側端面に当接したときに、垂下壁48が受け片38の側端面に沿って浮き上がり易くなる。これにより、垂下壁48が受け片38の側端面に当接して以降も、蓋体4の全体を一旦浮き上がらせてから摘み部46の水平方向の移動を継続できる。よって、例えば閉蓋された包装用容器1を開蓋したいときに、蓋体4を水平方向に移動させて受け片38と摘み部46とが重ならない領域を意図的に広く作出することで、摘み易くなった前述の領域を摘んで簡単に開蓋することができる。
【0097】
〔開蓋部および位置設定部〕
(開蓋部)
包装用容器1は、
図11の符号1101に示すような開蓋部50を備えている。開蓋部50は、包装用容器1を開蓋する等、蓋体4を中皿3から取り外すときに摘むための部位であり、蓋体4が中皿3を上面から覆った状態において成立する部位である。開蓋部50は、中皿3の受け片38と蓋体4の摘み部46とを有している。また開蓋部50は、摘み部46の受け片38に対する相対位置が、
図12の符号1203および
図13に示すように水平方向に可変である。
【0098】
本実施形態では、包装用容器1は、
図11の符号1101に示すように2つの開蓋部50を備えている。2つの開蓋部50は、平面視において、中心線S2を基準として対称となる位置に配置されている(
図9参照)。
【0099】
図11および
図12の符号1203に示す開蓋部50の態様は、包装用容器1を閉蓋し、被収容物を出荷および販売できるような蓋体4の配置にしたときの態様である。以下、この開蓋部50の態様を「正規態様」と称する。正規態様の開蓋部50は、
図11の符号1101に示すように、平面視において、受け片38における外側受け片38-1以外のすべての部分が摘み部46と重なる。一方、受け片38の外側受け片38-1については、平面視において、その側端が摘み部46の外側摘み部46-1の側端と重なり合う。つまり、正規態様では、外側受け片38-1と外側摘み部46-1とは略重なり合わない。
【0100】
このように、正規態様の開蓋部50は、平面視で受け片38と摘み部46とが全体としては略重なり合っていることから、包装用容器1を平面視した場合にあまり目立たず包装用容器1の外観を損ねない。また、正規態様の開蓋部50は、外側受け片38-1だけを摘み易く、かつ外側摘み部46-1だけを摘み易い。これにより、蓋体4を中皿3から容易に取り外すことができる。
【0101】
前述の通り、開蓋部50は、摘み部46の受け片38に対する相対位置が水平方向に可変であることから、正規態様以外の複数の態様になり得る。例えば、
図13の符号1301に示すような受け片38と摘み部46とが平面視で全く重ならない態様も、開蓋部50の一態様である。また例えば、
図13の符号1302に示すような外側受け片38-1と外側摘み部46-1とが略重なり合う態様も、開蓋部50の一態様である。
【0102】
開蓋部50を受け片38と摘み部46との重なり合いの視点で捉えた場合、開蓋部50は、
図11の符号1102に示すように、重畳部分50aと非重畳部分50bとで構成されている。重畳部分50aは、開蓋部50における、平面視において受け片38と摘み部46とが重なり合っている部分である。非重畳部分50bは、開蓋部50における重畳部分50a以外の部分である。ここで、開蓋部50は、前述の通り受け片38と摘み部46とが重なり合わない状態でも成立する部位である。この状態の場合、開蓋部50は非重畳部分50bのみで構成されていると解釈する。
【0103】
非重畳部分50bは、さらに、受け片側非重畳部分38bと摘み部側非重畳部分46bとで構成される。重畳部分50a、受け片側非重畳部分38bおよび摘み部側非重畳部分46bの平面視における各面積は、摘み部46の受け片38に対する相対位置の水平方向の変化に応じて変化する。
【0104】
(位置設定部)
包装用容器1は、
図11の符号1102に示すような位置設定部60を備えている。位置設定部60は、開蓋部50における摘み部46の受け片38に対する相対位置を所定の位置に設定する部位であり、受け片38の隆起部39と摘み部46の収容部47とを有している。以下の説明では、開蓋部50における摘み部46の受け片38に対する相対位置を「相対位置」と略称する。
【0105】
「所定の位置」は、開蓋部50が正規態様になるような相対位置である。具体的には、開蓋部50を平面視した場合において、当該開蓋部50の表面積が仮定表面積よりも大きくなるような相対位置である。仮定表面積は、開蓋部50が重畳部分50aのみで構成されると仮定した場合における、開蓋部50の平面視の表面積である。以下、相対位置が所定の位置に設定された状態を「位置設定状態」と定義する。位置設定状態は、言い換えれば開蓋部50が正規態様になっているときである。
【0106】
なお、「表面積」とは、摘み領域面積を意味する。「摘み領域面積」は、開蓋部50における、摘むことによって包装用容器1を開蓋できる部分の面積である。したがって、「表面積」が大きくなるとは、摘み領域面積が大きくなることを意味する。
【0107】
このように、位置設定部60によって、平面視した場合の開蓋部50の表面積が仮定表面積よりも大きくなるように重畳部分50aと非重畳部分50bとが形成される。つまり、摘むことによって包装用容器1を開蓋できる部分(非重畳部分50b)が開蓋部50に形成される。これにより、非重畳部分50bを摘むことによって包装用容器1の開蓋を容易に行うことができる。
【0108】
位置設定部60は、位置設定状態では、開蓋部50の中央領域50cに形成される。「開蓋部50の中央領域50c」は、開蓋部50を平面視した場合に当該開蓋部50の外形を表す図形の中心を含む領域であり、かつ、前述の図形の端部領域50d以外の領域である。本実施形態では、受け片38の隆起部39が中央領域38-xに、摘み部46の収容部47が中央領域46-xにそれぞれ形成されている。しかしながら、これらのことは、位置設定部60が位置設定状態において中央領域50cに形成されるための前提条件ではない。
【0109】
このように、位置設定部60が前述の中央領域50cに形成されることにより、位置設定部60が端部領域50dに形成されている場合に比べて、開蓋部50に外力が作用しても位置設定部60が撓む等の変形を起こし難い。これにより、一旦位置設定された開蓋部50における摘み部46および受け片38の各位置を、開蓋部50に作用する外力に拘らず安定的に維持できる。
【0110】
位置設定部60は、位置設定状態において、受け片38の隆起部39が摘み部46の収容部47に収容された収容状態になる。本実施形態では、収容状態(つまり位置設定状態)において、隆起部39と収容部47とが接触せず、隆起部39と収容部47との間に空間60aが形成される。
【0111】
前述のことから、位置設定部60を見れば、具体的には隆起部39が収容部47に収容されているか否かを見れば、摘み部46および受け片38のそれぞれが開蓋部50における所定の位置に配置されているか否かを把握できる。これにより、容器本体2と蓋体4とが正しく嵌合しているか否かを容易に判断でき、容器本体2と蓋体4との嵌合状態を正しく把握できる。
【0112】
また、位置設定部60により、開蓋部50における摘み部46および受け片38の各位置を所望の位置に維持できる。これにより、容器本体2と蓋体4との嵌合状態が安定して正しい状態になり、包装用容器1の見栄えを向上させることができる。さらに、収容状態において隆起部39と収容部47との間に空間60aが形成されることから、隆起部39の収容部47への収容および隆起部39の収容部47からの抜き出しが容易になる。これにより、位置設定状態を容易に作出できると共に包装用容器1の開蓋を容易に行うことができる。
【0113】
位置設定部60の個数、配置、形状、大きさ等については、任意に設計変更できる。前述の通り、位置設定部60を構成する隆起部39および収容部47のそれぞれを、文字、図、数字等の目印に替えてもよい。また例えば、受け片38に収容部を設けるとともに摘み部46に隆起部を設けて、この隆起部と収容部とで位置設定部60を構成してもよい。
【0114】
(開蓋部と位置設定部との関係)
図12および
図13を用いて、開蓋部50における受け片38と摘み部46との重なり具合と、位置設定部60の態様と、の関係について説明する。ここで、受け片38の外側受け片38-1と摘み部46の外側摘み部46-1との重なり具合に着目することで前述の関係が最も明確化することから、以下の説明では、外側受け片38-1および外側摘み部46-1のみに着目する。
【0115】
まず、
図12の符号1201に示す外側摘み部46-1と、同図の符号1202に示す外側受け片38-1と、が重なり合って開蓋部50が正規態様になると、外側受け片38-1と外側摘み部46-1との重なり具合は
図12の符号1203に示す態様になる。以下、
図12の符号1201に示す外側摘み部46-1を単に「外側摘み部46-1」と称し、同図の符号1202に示す外側受け片38-1を単に「外側受け片38-1」と称する。
【0116】
ここで、外側受け片38-1と外側摘み部46-1とで構成される開蓋部50の先端のうち、外側摘み部46-1のみで構成される部分を外側摘み部単独部分l1とし、外側受け片38-1のみで構成される部分を外側受け片単独部分l2とする。また、外側受け片38-1と外側摘み部46-1とが重なり合った部分を外側重畳部分l3とする。
【0117】
正規態様の開蓋部50では、外側重畳部分l3が略外側受け片38-1の側端と外側摘み部46-1の側端とで形成されており、外側摘み部単独部分l1の領域および外側受け片単独部分l2の領域が広くなる。つまり、外側摘み部単独部分l1および外側受け片単独部分l2のいずれも摘み易くなっている。また、開蓋部50が正規態様のときには、位置設定部60は収容状態になっている。
【0118】
外側受け片38-1と外側摘み部46-1とが重なり合わない状態では、
図13の符号1301に示すように、外側摘み部単独部分l1および外側受け片単独部分l2だけで開蓋部50の先端が構成される。この状態では、位置設定部60は、隆起部39の全部が収容部47に収容されておらず、隆起部39と収容部47とが離間した状態になっている。
【0119】
開蓋部50において、外側受け片38-1と外側摘み部46-1とが正規態様の重なり合いからさらに重なり合っていくと、外側重畳部分l3の領域が増加する一方で、外側摘み部単独部分l1の領域および外側受け片単独部分l2の領域が減少する。同時に、収容部47に全部が収容されていた隆起部39が、収容部47から外部に徐々にはみ出していく。
【0120】
そして、
図13の符号1302に示すように、外側受け片38-1の略全てと外側摘み部46-1の略全てとが重なり合った状態になると、開蓋部50の先端が略外側重畳部分l3だけで構成される。言い換えれば、開蓋部50の先端から、外側摘み部単独部分l1の領域および外側受け片単独部分l2の領域が略無くなる。この状態では、位置設定部60は、隆起部39における半分弱の部分が収容部47からはみ出した状態になっている。
【0121】
〔付記事項〕
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
1、1-2 包装用容器
2 容器本体
3 中皿
4 蓋体(第2蓋体)
4-2 蓋体(第1蓋体)
21 本体底面部(底面部)
21b1 接地面
22 本体周壁部
23 本体フランジ部
23a 内周フランジ部
23b 外周フランジ部
23c 内側側壁
23c1 突出部
23d 外側側壁
23e 外縁端部
31 中皿底面部
31a 載置面
33 内側周壁部
33a 内面
33b 傾斜面
33c 指標
33c-1 第1指標部分(他の指標部分)
33c-2 第2指標部分(少なくとも1つの指標部分)
35 中皿フランジ部(中皿凸部)
36 外側周壁部(中皿周壁部)
37 中皿端縁部
38 受け片
39 隆起部
43 蓋体凹部
44 蓋体周壁部
45 外嵌合部
46 摘み部
47 収容部
48 垂下壁
50 開蓋部
50a 重畳部分
50b 非重畳部分
50c 中央領域
60 位置設定部
60a 空間
C1~C4 図心
C5 中心点
I 交点
S2 中心線
S3 第1直線
S4 第2直線