(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】リパッカー包装システム、当該システムの制御方法、および、当該システムによる製品製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 23/02 20060101AFI20240912BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65B23/02
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2022516928
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2021014197
(87)【国際公開番号】W WO2021215219
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2020077240
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-109821(JP,A)
【文献】特開2016-097989(JP,A)
【文献】特開平05-193629(JP,A)
【文献】特開平09-301327(JP,A)
【文献】実開昭55-036112(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 23/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵を容器に収納するリパッカー装置と、
前記容器に収納された卵製品を梱包出荷するために前記リパッカー装置の下流側に配置された複数の装置と、
受注情報に基づき前記卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、前記リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信する送信制御部と、
前記各装置に設けられて、前記送信制御部からの設定を受信して、該受信した設定に前記各装置の設定を変更する受信制御部とを備え
、
前記送信制御部は、前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信し、
容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させるリパッカー包装システム。
【請求項2】
前記送信制御部は、
受注情報に基づき前記卵製品の生産計画を決定する立案部と、
前記立案部で決定された生産計画に基づく前記各装置の設定を送信する設定情報送信部とを有し、
前記受信制御部は、
前記設定情報送信部からの設定を受信する設定受付部と、
前記設定受付部で受け付けた設定に当該装置の設定を変更する設定変更制御部とを有する請求項1に記載のリパッカー包装システム。
【請求項3】
前記立案部は、
受注情報を受け付けるオーダー受付部と、
前記オーダー受付部で受け付けたオーダーを記憶するオーダー記憶部と、
前記各装置の設定情報を記憶した設定情報記憶部と、
前記オーダー記憶部に記憶されている受注情報に基づいて、前記設定情報記憶部から設定情報を検索する処理部とを有する請求項2に記載のリパッカー包装システム。
【請求項4】
前記立案部は、受注情報と、前記各装置の設定情報との検索結果を入力する一括設定受付部を有する請求項2記載のリパッカー包装システム。
【請求項5】
前記リパッカー装置の下流側に配置された複数の装置は、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機、ケースデスタッカー、ケースパッカー、または、ケースパレタイザーの少なくとも一つである請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のリパッカー包装システム。
【請求項6】
卵を容器に収納するリパッカー装置と、前記容器に収納された卵製品を梱包出荷するために前記リパッカー装置の下流側に配置された複数の装置とを備えたリパッカー包装システムの制御方法であって、
受注情報に基づき前記卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、前記リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信することと、
前記各装置の設定を受信して、該受信した設定に前記各装置の設定を変更することと
、
前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信することと、
容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させることとを有するリパッカー包装システムの制御方法。
【請求項7】
卵を容器に収納するリパッカー装置と、前記容器に収納された卵製品を梱包出荷するために前記リパッカー装置の下流側に配置された複数の装置とを備えたリパッカー包装システムを用いた出荷製品の製造方法であって、
受注情報に基づき前記卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、前記リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信することと、
前記各装置の設定を受信して、該受信した設定に前記各装置の設定を変更することと
、
前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信することと、
容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させることとを有して出荷製品を生産する製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵のリパッカー包装システム、当該システムの制御方法、および、当該システムによる製品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2016-97989号公報)には、鶏卵を集荷および梱包出荷するGPセンター(グレーディング・アンド・パッキングセンター)の選別包装システムが開示されている。この選別包装システムは、生産アイテム(製品)の切り替えにあたって人手による作業者間の連携を改善し、作業者に依存する作業効率の改善を図る。
【0003】
しかし、この従来技術は、選別装置(グレーディング)と包装装置(パッキング)とが一体である。したがって、生産アイテムが多種多様で、その切り替えが1日当たり数十回以上になる場合には、作業効率改善を図っても、依然、機械の停止によるロスを完全に排除することができなかった。
【0004】
特許文献2(特開2000-335515号公報)および特許文献3(特開2017-109821号公報)には、機械の停止によるロスを最小限に抑えるためのリパッカー包装システムが開示されている。このリパッカー包装システムは、選別装置と包装装置とを一時保管装置(自動倉庫等)で分離している。
【0005】
図7は、従来のリパッカー包装システムの具体的な構成を示す図である。保管装置Aの下流側にリパッカー装置Bが配置される。リパッカー装置Bの下流側に、検査装置C、ラベルシューターD、豆シール機E、テープシーラーF、振り分け機G、ケースデスタッカーH、ケースパッカーI、及び、ケースパレタイザーJ等の多くの装置がコンベヤ等の搬送部Kを介して配置されている。そして、ケースパレタイザーJから製品が出荷されていく。
【0006】
保管装置Aでは、選別装置で選別された卵が、S、M、L等のサイズ別、白色、赤色等のカラー別等に分けられてトレイに収納されて保管されている。例えば、出荷製品の「E1たまご」の設定は、品種がたまごAのサイズL、カラー(卵殻色)が白の10個詰めパックで、ラベルを投入し、豆シールを添付し、卵分配カートに詰め込まれる。「E2たまご」の設定は、品種がたまごAのサイズMで、カラーが白の10個詰めパックで、ラベルを投入し、コンテナに詰め込まれる。出荷製品の切り替えにあたり、リパッカー包装システムの各種装置の設定変更は、人手により行われており、その設定変更作業は多くの人出と時間を要するため、作業効率の改善が望まれていた。
【0007】
なお、これら装置の設定変更を一括して自動的に行おうとした場合、特許文献1記載の技術を適用することはできない。
【0008】
理由を説明すると、選別装置で選別された卵は、一時保管装置で一時的に保存され、その後リパッカー装置で包装されて梱包出荷されるから、選別装置で選別される卵の順番と一時保管装置から出てくる卵の順番が異なり、また、一時保管装置での保管は日をまたぐこともある。したがって、選別装置(グレーダー)と包装装置(リパッカー)で指示する内容は異なり、選別装置と包装装置が一体の特許文献1記載の制御技術を、選別装置と包装装置が分断されたリパッカー包装システムに適用することは出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2016-97989号公報
【文献】特開2000-335515号公報
【文献】特開2017-109821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、卵のリパッカー包装システムにおいて、人手による作業効率の改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示のある局面に従うと、リパッカー包装システムは、卵を容器に収納するリパッカー装置と、容器に収納された卵製品を梱包出荷するためにリパッカー装置の下流側に配置された複数の装置と、受注情報に基づき卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信する送信制御部と、各装置に設けられて、送信制御部からの設定を受信して、該受信した設定に各装置の設定を変更する受信制御部とを備え、前記送信制御部は、前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信し、容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させる。
【0012】
本開示の別の局面に従うと、卵を容器に収納するリパッカー装置と、容器に収納された卵製品を梱包出荷するためにリパッカー装置の下流側に配置された複数の装置とを備えたリパッカー包装システムの制御方法であって、受注情報に基づき卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信することと、各装置の設定を受信して、該受信した設定に各装置の設定を変更することと、前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信することと、容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させることとを有する。
【0013】
本開示の別の局面に従うと、卵を容器に収納するリパッカー装置と、容器に収納された卵製品を梱包出荷するためにリパッカー装置の下流側に配置された複数の装置とを備えたリパッカー包装システムを用いた出荷製品の製造方法であって、受注情報に基づき卵製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、リパッカー装置の下流側の各装置の設定を送信することと、各装置の設定を受信して、該受信した設定に各装置の設定を変更することと、前記各装置のうち、検査装置、ラベルシューター、豆シール機、上貼りシール機の少なくとも一つの装置の機能をOFFにする設定を送信することと、容器に収容された卵を、各装置が配置された搬送部で、前記機能をOFFにした装置の前を通過させることとを有して出荷製品を生産する。
【発明の効果】
【0014】
本件発明によれば、生産アイテム(製品)の切り替えに際し、人手の作業が省かれるので、作業効率の改善が図られる。
【0015】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のリパッカー包装システムの実施の形態を示す構成図である。
【
図2】
図1の構成図中の各種装置の設定内容を示す表である。
【
図3】
図1の構成図の送信制御部と受信制御部の詳細図である。
【
図4】
図3の構成図に基づく制御のフローチャートである。
【
図5】送信制御部の他の実施の形態を示す構成図である。
【
図6】
図5の構成図に基づく制御のフローチャートである。
【
図7】従来のリパッカー包装システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1において、リパッカー包装システムは、卵を容器(パック)に収納するリパッカー装置1と、容器に収納された卵製品を梱包出荷するためにリパッカー装置1の下流側に配置された複数の装置を有する。リパッカー装置1の下流側に配置された複数の装置は、検査装置2、ラベルシューター3、豆シール機4、ケースパッカー5、ケースデスタッカー6、ケースパレタイザー7である。なお、本実施の形態では、リパッカー装置1の上流側に保管装置8が設けられて、リパッカー包装システムを構成している。これら各装置は、
図7に示すような搬送部Kを介して接続されている。
【0018】
保管装置8は、選別装置で選別された卵が、S、M、L等のサイズ別、白色、赤色等のカラー別等分けられてトレイ等に収納されて保管されている。保管装置8は、例えば、特許文献3(特開2017-109821号公報)に記載の「自動倉庫」等が例示される。
【0019】
リパッカー装置1は、例えば、特許文献3に記載の「包装装置」等が例示される。リパッカー装置1は、トレイなどの卵を一時的に保管するための仮容器から、パックなどの流通用の容器に移し換える。容器に移し換えられた後の卵入りパックは、搬送部Kにより下流側の各装置に運ばれる。
【0020】
検査装置2は、搬送部Kにより搬送されている卵入りパックの検査を行う。検査装置2は、卵の状態(例えば、卵の割れ、卵の汚れ、中身抜け、中身漏れ、卵の有無)を検査する。検査装置2は、撮影された画像を用いて検査する。検査装置2は、搬送部Kで搬送される卵入りパックに対して検査を行う。検査装置2は、卵入りパックの下方から、側方から、上方から、またはそれらの組み合わせによって検査する。なお、検査装置2の配置場所によっては、ラベルの状態(例えば、ラベルの有無、ラベルの正誤、ラベルのパック内での配置場所、ラベルへの印字の正誤)を検査してもよい。検査装置2は、複数箇所に分散させて配置されていてもよい。
【0021】
ラベルシューター3は、搬送部Kにより搬送されているパックにラベルを投入する。ラベルシューター3は、卵の間に向けてラベルを投入してもよいし、蓋にラベルを投入してもよい。ラベルシューター3は、ラベルへの印字を行う機能を備えていてもよいし、予め印字されたラベルを送り出してもよい。印字内容としては、例えば、賞味期限や生産日がある。
【0022】
豆シール機4は、卵の上面にシール状の小型ラベル(豆シール)を貼り付ける。豆シール機4は、豆シールへの印字を行う機能を備えている。印字内容としては、例えば、賞味期限や生産日がある。
【0023】
ケースパッカー5は、蓋が閉じられた卵入りパックを所定個数ずつケースに詰める。ケースパッカー5は、例えば、ヘッド部が任意に作動する慣用の多関節ロボットを用いて構成される。ヘッド部は、卵入りパックを一時的に保持して移載するための保持部を備える。ケースは、卵パックが搬送されるコンベヤとは異なるケース用のコンベヤなどで運ばれる。ケースは、箱状(例えば、段ボール箱やコンテナ等)であってもよく、台車(例えば、卵分配カートなど)であってもよい。
【0024】
ケースデスタッカー6は、ケースパッカー5のケース供給部の一例であり、段積みされたコンテナを1個ずつケース用のコンベヤに移載する。ケースデスタッカー6は、例えば、ヘッド部が任意に作動する慣用の多関節ロボットを用いて構成される。ヘッド部は、コンテナを一時的に保持して移載するための保持部を備える。
【0025】
ケースパレタイザー7は、ケース集合部の一例であり、卵入りパックが詰められたコンテナを集合させる。ケースパレタイザー7は、パレットや台車に複数個のコンテナを積載する。ケースパレタイザー7は、例えば、ヘッド部が任意に作動する慣用の多関節ロボットを用いて構成される。ヘッド部は、コンテナを一時的に保持して移載するための保持部を備える。
【0026】
各装置は、機械装置としては
図7に示す従来と同じであるが、その制御装置が従来とは異なる。即ち、本実施の形態のリパッカー包装システムは、送信制御部9と受信制御部10とを有する点において従来と異なる。
【0027】
送信制御部9は、受注情報(オーダーデータ)に基づき製品の生産計画を決定し、決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、各装置の設定(パターン)を送信する。送信制御部9は、CPU(Central Processing Unit)、内部メモリー、入出力装置、モニター等を備えたコンピュータの情報処理装置で構成されている。送信制御部9は、立案部11と設定情報送信部12を有する。
【0028】
立案部11は、受注情報(オーダーデータ)に基づき製品の生産計画を決定する。設定情報送信部12は、立案部11で決定された生産計画に基づく各装置の設定(パターン)を、各装置の受信制御部10に送信する。
【0029】
受信制御部10は、各装置に設けられて、送信制御部9からの送信を受信して各装置の設定を変更する。受信制御部10は、CPU、内部メモリー、入出力装置、モニター等を備えたコンピュータの情報処理装置で構成されている。受信制御部10は、設定受付部13と設定変更制御部14を有する。
【0030】
設定受付部13は、設定情報送信部12からの信号を受信する。設定変更制御部14は、設定受付部13で受け付けた設定に当該装置の設定を変更する。
【0031】
図2は、各装置の設定内容を示す表であり、設定情報送信部から送信される設定内容の一覧表である。なお、以下に示す設定項目は一例であり、これ以外の設定項目があってもよいし、いずれかの設定項目を備えていなくてもよい。
【0032】
保管装置8の設定は、品種、サイズ、カラーと数量である。リパッカー装置1の設定は、容器(パック)の種類と生産数である。検査装置2の設定は、検査機能ONまたはOFFと判定レベルである。ラベルシューター3の設定は、ラベル投入ONまたはOFF、印字機能ONまたはOFF、印字内容パターン、印字照合機能ONまたはOFFとラベル枚数である。豆シール機4の設定は、シール貼付ONまたはOFF、印字機能ONまたはOFF、印字内容パターン、印字照合機能ONまたはOFFと豆シール枚数である。
【0033】
ケースデスタッカー6の設定は、供給機能ONまたはOFF、ケース種類パターンとケース枚数である。ケースパッカー5の設定は、箱詰め機能ONまたはOFF、並べ方パターンとケース数量である。ケースパレタイザー7の設定は、移載機能ONまたはOFF,並べ方パターンとケース数量である。
【0034】
図3は、
図1の構成図の送信制御部9と受信制御部10の詳細図である。
送信制御部9の立案部11は、オーダー受付部15、オーダー記憶部16、設定情報記憶部17、及び、処理部18を有する。
【0035】
オーダー受付部15は、受注情報を受け付け、品種(パック詰めされた商品の商品名)、賞味期限、目標個数が入力される。
【0036】
オーダー記憶部16は、オーダー受付部15で受け付けたオーダーを記憶する。
設定情報記憶部17は、
図2に示す各装置の設定内容が記憶されている。設定内容は、卵のパック詰めに関連する複数の装置ごとの設定値に関する情報であり、複数種類の卵製品に対応付けられて記憶される。
【0037】
処理部18は、オーダー受付部15が受け付けた卵製品の受注情報に基づいて、設定情報記憶部17の設定値に関する情報を取得して設定情報送信部12に送る。処理部18は、オーダー記憶部16に記憶されている受注情報を、優先度の高い順にソートして、生産計画を立案し、該生産計画に基づく各装置の設定情報を設定情報記憶部17から検索(突き合わせ)する。
【0038】
処理部18で立案された各装置の設定情報は、設定情報送信部12により、各装置に送信される。送信制御部9より送信された設定情報は、各装置に設けられた受信制御部10の設定受付部13により受信され、設定変更制御部14を介して各装置の設定を変更する。
【0039】
図4は、
図3の構成図に基づく制御のフローチャートである。
リパッカー包装システムの制御方法は、送信ステップSAと設定切替ステップSBとを有する。
【0040】
送信ステップSAは、受注情報(オーダーデータ)に基づき製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、各装置の設定(パターン)を送信する。送信ステップSAは、オーダーデータを取得するステップS1と、オーダーデータを記録するステップS2と、生産計画を立てるステップS3と、次に生産する製品名をキーとして設定情報を設定情報記憶部17から検索するステップS4と、モニターに設定情報の確認画面を表示するステップS5と、各装置に設定情報を送信するステップS6とを有する。
【0041】
設定切替ステップSBは、送信ステップSAからの送信を受信して各装置の設定を変更する。設定切替ステップSBは、設定情報を受信するステップS7と、設定情報を変更するステップS8と、生産開始するステップS9と、予定生産数まで達したかを判断するステップS10と、予定生産数に達したら、生産切替するステップS11とを有する。ステップS11において生産切替と判断すると、送信ステップSAのステップS4に至る。
【0042】
図2に示す製品を例にして、リパッカー包装システムを用いた出荷製品の製造方法を、
図4に示すフローチャートで説明する。
【0043】
リパッカー包装システムを用いた出荷製品の製造方法は、送信ステップSAと設定切替ステップSBとを有する。
【0044】
送信ステップSAは、受注情報(オーダーデータ)に基づき製品の生産計画を決定し、該決定された生産計画に基づく製品の切替えに際し、各装置の設定(パターン)を送信する。送信ステップSAは、オーダーデータを取得するステップS1と、オーダーデータを記録するステップS2と、生産計画を立てるステップS3と、次に生産する製品名をキーとして設定情報を設定情報記憶部17から検索するステップS4と、モニターに設定情報の確認画面を表示するステップS5と、各装置に設定情報を送信するステップS6を有する。
【0045】
設定切替ステップSBは、送信ステップSAからの送信を受信して各装置の設定を変更する。設定切替ステップSBは、設定情報を受信するステップS7と、設定情報を変更するステップS8と、生産開始するステップS9と、予定生産数まで達したかを判断するステップS10と、予定生産数に達したら、生産切替するステップS11とを有する。ステップS11において生産切替と判断すると、送信ステップSAのステップS4に至る。
【0046】
次に、製造方法を
図2の設定に基づき説明する。
まず、オーダー受付部15は、本日のオーダーデータを取得する(S1)。このオーダーデータは、
図2によれば、製品名が「E1たまご」、「E2たまご」、「E3たまご」等である。オーダー受付部15は、このデータをオーダー記憶部16に記憶する(S2)。処理部18は、生産計画を立案する(S3)。
【0047】
これにより、処理部18が
図2に示す「〇〇たまご」を製造すると決めた場合、処理部18は、各装置の設定情報を検索する(S4)。
【0048】
その結果の各装置の設定情報は、次のとおりである。
保管装置8の設定は、品種が「たまごA」で、サイズが「L」で、カラーは「白」で、数量は「XXX」である。リパッカー装置1の設定は、容器は10個入りパックの「L-10P」で、生産数量は「XXX」である。検査装置2の設定は検査機能「ON」、判定レベル「Lv4」である。ラベルシューター3の設定は、ラベル投入は「ON」、印字機能は「OFF」、ラベル枚数は「XXX」である。豆シール機4の設定は、シール貼付けは「ON」、印字機能は「OFF」、豆シール枚数は「XXXX」である。ケースデスタッカー6の設定は、供給機能は「OFF」である。ケースパッカー5の設定は、箱詰め機能は「OFF」である。ケースパレタイザー7の設定は、移載機能は「OFF」である。
【0049】
処理部18は、設定情報の確認画面を表示する(S5)。処理部18は、モニターの確認画面として、S4で検索した結果、例えば、各装置とそれに対応する設定内容を一覧にして表示する。そして、設定情報送信部12は、各装置に設定情報を送信する(S6)。
【0050】
設定受付部13が、設定情報を受信する(S7)と、設定変更制御部14は、設定情報を変更し(S8)、各装置は、「E1たまご」の生産を開始する(S9)。設定変更制御部14は、予定生産数まで達したかを判断し(S10)、予定生産数に達したら、処理は、生産切替するステップS11に移行する。
【0051】
なお、生産切替において、設定情報送信部12が新たな製品の設定を送信する(S6)タイミングは、一種類について下流側まで全部作り終えてリパッカー装置が止まっている時に一斉に、または、一種類について上流側の装置から順に作り終えたタイミングで個別に送信することができる。
【0052】
また、処理部18は、オーダーの中の賞味期限情報に基づいて、各装置に送るタイミングになったら、各装置に設定情報(賞味期限情報)を送信することができる。
【0053】
また、処理部18は、オーダーの中の目標個数情報に基づいて、各装置に送るタイミングになったら、各装置に設定情報(目標個数情報)を送信することができる。装置によっては、最終の目標個数と、各装置が処理する個数は異なるので、目標個数を作成するために各装置が処理する個数を処理部18が算出した上で送信してもよい。
【0054】
図5は、本発明の他の実施の形態を示す図である。送信制御部9の立案部11の構成が前記実施の形態と異なり、その他の構成は同じである。
【0055】
この実施の形態における立案部11は、受注情報と、各装置の設定(パターン)情報との検索(突き合わせ)結果を入力する一括設定受付部19を有する。この一括設定受付部19は、受注情報に基づく各装置の設定情報の検索を人間が行って、立案された生産計画に合わせて入力する。
【0056】
図6は、
図5に示す装置の制御のフローである。この制御方法において、送信ステップSAと設定切替ステップSBとを有する点は、実施の形態と同じであるが、送信ステップSAにおいて、生産計画の立案は、人間により行われる点が異なる。
【0057】
すなわち、一括設定受付部19が次に生産する製品に関する設定を受信するステップS14から始まり、それ以降のステップ(S15~S21)は、
図4に示すステップ(S5~S11)と同じであるので、その説明は省略する。
【0058】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。例えば、各装置の他の例として「上貼りシール機」が挙げられる。上貼りシール機は、搬送部Kにより搬送されているパックにラベルを貼り付ける。上貼りシール機の設定は、シール貼付ONまたはOFF、印字機能ONまたはOFF、印字内容パターン、印字照合機能ONまたはOFFとシール貼付枚数である。なお、これ以外の設定項目があってもよいし、いずれかの設定項目を備えていなくてもよい。
【0059】
また、リパッカー装置の上流側の保管装置には、自動倉庫のような受信制御部を有した例に限らず、野積みの保管場所であっても良い。この場合、リパッカー装置への卵の供給は、人力により行われる。本発明は、少なくともリパッカー装置の下流側の各装置の設定を自動設定できる例であれば良い。
【0060】
本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 リパッカー装置
2 検査装置
3 ラベルシューター
4 豆シール機
5 ケースパッカー
6 ケースデスタッカー
7 ケースパレタイザー
8 保管装置
9 送信制御部
10 受信制御部
11 立案部
12 設定情報送信部
13 設定受付部
14 設定変更制御部
15 オーダー受付部
16 オーダー記憶部
17 設定情報記憶部
18 処理部
19 一括設定受付部