(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】障害者の労働力マッチングシステム、障害者の労働力マッチング方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023134052
(22)【出願日】2023-08-21
(62)【分割の表示】P 2020175573の分割
【原出願日】2020-10-19
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】514150413
【氏名又は名称】株式会社リハス
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】岩下 琢也
(72)【発明者】
【氏名】前川 渉
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-123507(JP,A)
【文献】特開2002-150111(JP,A)
【文献】特許第6762641(JP,B1)
【文献】特開2003-271790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムであって、
前記企業に関する情報であ
って前記企業が支払うことが可能な料金の情報を少なくとも含む企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する取得手段と、
前記障害者施設に属する複数の労働者
であって、前記障害者施設に属する1以上の障害者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定するユニット料金設定手段と、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業
が支払うことが可能な料金が当該ユニット料金と同一又は近似する前記企業を抽出し、抽出された前記企業を前記障害者施設にレコメンド、又は、抽出された前記企業に前記障害者施設をレコメンドすることでマッチングするマッチング手段と、を備える障害者の労働力マッチングシステム。
【請求項2】
前記ユニット料金設定手段は、前記ユニットの人数に応じた前記ユニット料金を設定する請求項1に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【請求項3】
前記ユニット料金設定手段は、
所定期間毎の前記ユニット料金を設定し、
前記所定期間を細分した細分期間において、実際に労働する日数である実労働日数に応じた前記ユニット料金を設定する請求項1又は2に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【請求項4】
前記取得手段は、
前記企業が、労働者に要望する作業内容を示す作業内容情報を含む前記企業情報を取得し、
前記障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態情報及び/又は前記障害者施設における前記ユニットを補助する情報であるサポート情報を含む前記障害者施設情報を取得し、
前記マッチング手段は、前記作業内容情報と、前記障害状態情報と、を参照して、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングする請求項1から3のいずれかに記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記企業が、社会貢献に対する姿勢を示す社会貢献情報を含む前記企業情報を取得し、
前記マッチング手段は、前記社会貢献情報と、前記障害状態情報と、を参照して、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングする請求項4に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【請求項6】
労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムが実行する方法であって、
前記企業に関する情報であ
って前記企業が支払うことが可能な料金の情報を少なくとも含む企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する
取得ステップと、
前記障害者施設に属する複数の労働者
であって、前記障害者施設に属する1以上の障害者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定する
料金設定ステップと、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業
が支払うことが可能な料金が当該ユニット料金と同一又は近似する前記企業を抽出し、抽出された前記企業を前記障害者施設にレコメンド、又は、抽出された前記企業に前記障害者施設をレコメンドすることでマッチングする
マッチングステップと、を含む障害者の労働力マッチング方法。
【請求項7】
労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムを、
前記企業に関する情報であ
って前記企業が支払うことが可能な料金の情報を少なくとも含む企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する取得手段、
前記障害者施設に属する複数の労働者
であって、前記障害者施設に属する1以上の障害者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定するユニット料金設定手段、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業
が支払うことが可能な料金が当該ユニット料金と同一又は近似する前記企業を抽出し、抽出された前記企業を前記障害者施設にレコメンド、又は、抽出された前記企業に前記障害者施設をレコメンドすることでマッチングするマッチング手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステム、障害者の労働力マッチング方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、事務作業や、農業等を行う企業は、労働力を求め、労働者を募集する場合がある。また、障害者が所属する障害者施設は、障害者が労働者として活躍できる場を探している。
【0003】
例えば、特許文献1には、就労候補者となり得る障害者等の評価対象者について、評価時点が異なる評価情報を就労マッチングサーバに蓄積し、就労移行支援事業所等に設置された端末から求人条件を送信すると、評価情報を検索して求人条件に合致する就労候補者に関する情報が出力され、評価時点が異なる評価情報を対象に求人条件に合致するかの検索を行い、求人条件に合致する就労候補者については評価時点が異なる評価情報各々に対応する情報を出力することによって、評価対象者から選択された就労候補者の経時的な変化や時期的な傾向を把握することを可能にする就労マッチング装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、障害者は、同じ障害者施設に所属する複数人を含むユニットとなることで、より大きな力を発揮することがある。
しかしながら、特許文献1の就労マッチング装置は、個々の障害者を評価し、就労マッチングできたとしても、同じ障害者施設に所属する複数人を含むユニット全体に対して、就労マッチングすることはできない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、所属する複数人を含むユニットの労働力を提供する障害者施設と、労働者を求める企業と、をマッチングすることが可能な障害者の労働力マッチングシステム、障害者の労働力マッチング方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムであって、
前記企業に関する情報である企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する取得手段と、
複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定するユニット料金設定手段と、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングするマッチング手段と、を備える障害者の労働力マッチングシステム。
【0008】
(1)の発明では、障害者の労働力マッチングシステムは、労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングし、取得手段と、ユニット料金設定手段と、マッチング手段と、を備える。
取得手段は、企業に関する情報である企業情報と、障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する。
ユニット料金設定手段は、複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定する。
マッチング手段は、企業情報及び障害者施設情報を参照して、ユニット料金に基づき、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
【0009】
(1)の発明によれば、企業に関する情報である企業情報及び障害者施設に関する情報である障害者施設情報を参照して、複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金に基づき、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
これにより、例えば、所定の予算で労働力を求める企業と、複数人を含むユニットによる労働力を所定の対価で提供可能な障害者施設と、を設定されたユニット料金に基づき、マッチングすることが可能となる。
したがって、所属する複数人を含むユニットの労働力を提供する障害者施設と、労働者を求める企業と、をマッチングすることが可能な障害者の労働力マッチングシステムを提供できる。
【0010】
(2) 前記ユニット料金設定手段は、前記ユニットの人数に応じた前記ユニット料金を設定する(1)に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【0011】
(2)の発明によれば、例えば、3人ユニットの料金と、5人ユニットとの料金を設定することが可能となるので、企業と障害者施設とのより多様な要望や条件に対応したマッチングが可能となる。
【0012】
(3) 前記ユニット料金設定手段は、
所定期間毎の前記ユニット料金を設定し、
前記所定期間を細分した細分期間において、実際に労働する日数である実労働日数に応じた前記ユニット料金を設定する(1)又は(2)に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【0013】
(3)の発明によれば、例えば、1ヶ月分のユニット料金を、1週間に実労働数が3日の場合と、1週間に実労働数が5日の場合と、でそれぞれ設定できるので、企業と障害者施設とのより多様な要望や条件に対応したマッチングが可能となる。
【0014】
(4) 前記取得手段は、
前記企業が、労働者に要望する作業内容を示す作業内容情報を含む前記企業情報を取得し、
前記障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態情報及び/又は前記障害者施設における前記ユニットを補助する情報であるサポート情報を含む前記障害者施設情報を取得し、
前記マッチング手段は、前記作業内容情報と、前記障害状態情報と、を参照して、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングする(1)から(3)のいずれかに記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【0015】
(4)の発明では、取得手段は、企業が、労働者に要望する作業内容を示す作業内容情報を含む企業情報を取得し、障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態情報及び/又は障害者施設におけるユニットを補助する情報であるサポート情報を含む障害者施設情報を取得する。
そして、マッチング手段は、作業内容情報と、障害状態情報と、を参照して、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
【0016】
(4)の発明によれば、企業が労働者に要望する作業内容と、障害者施設から提供される労働者の障害の状態や、障害者施設におけるユニットの補助と、を参照して、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
これにより、例えば、企業が要望する作業内容が農作業であった場合、比較的年齢が若く、身体的な障害がない者のユニットを提供する障害者施設をマッチングすることが可能となる。また、例えば、企業が要望する作業内容が所定の場所で行う事である場合、ユニットを送迎することが可能な障害者施設をマッチングすることが可能となる。
よって、企業の作業内容と障害者施設の強みとを適切に合わせることができるので、企業と障害者施設との双方の満足度が高いマッチングが可能となる。
【0017】
(5) 前記取得手段は、前記企業が、社会貢献に対する姿勢を示す社会貢献情報を含む前記企業情報を取得し、
前記マッチング手段は、前記社会貢献情報と、前記障害状態情報と、を参照して、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングする(4)に記載の障害者の労働力マッチングシステム。
【0018】
ここで、障害者の障害の状態によっては、継続的に勤務するのが困難な場合もある。このような場合であっても、企業が、このような障害者の事情を考慮し、労働者として労働する場を提供するといった社会貢献に対する姿勢を有する場合、企業と障害者施設との間にトラブルが生ずる可能性が低減する。
【0019】
(5)の発明によれば、企業の社会貢献に対する姿勢と、労働者の障害の状態とを適切に合わせることができるので、トラブルの可能性を抑え、企業と障害者施設との双方の満足度が高いマッチングが可能となる。
【0020】
(6) 労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムが実行する方法であって、
前記企業に関する情報である企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得するステップと、
複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定するステップと、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングするステップと、を含む障害者の労働力マッチング方法。
【0021】
(7) 労働者を求める企業と、労働者を提供する障害者施設と、をマッチングする障害者の労働力マッチングシステムを、
前記企業に関する情報である企業情報と、前記障害者施設に関する情報である障害者施設情報と、を取得する取得手段、
複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定するユニット料金設定手段、
前記企業情報及び前記障害者施設情報を参照して、前記ユニット料金に基づき、前記企業と、前記障害者施設と、をマッチングするマッチング手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【0022】
(6)及び(7)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、所属する複数人を含むユニットの労働力を提供する障害者施設と、労働者を求める企業と、をマッチングすることが可能な障害者の労働力マッチングシステム、障害者の労働力マッチング方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムの概要を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムの機能構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける企業側質問テーブルの一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける企業側質問テーブルの一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける障害者施設側質問テーブルの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおけるユニット料金設定テーブルの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムが実行する障害者の労働力マッチング処理フローを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける障害者施設側ヒアリング画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0026】
(基本概念/基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムの概要を説明する図である。
障害者の労働力マッチングシステム1(以下、「労働力マッチングシステム1」ともいう。)は、労働者を求める企業と、障害者を労働者として提供する障害者施設と、をマッチングする。なお、本実施形態における企業は、法人に限らず、個人事業主が営む事業や、農業を営む農家等も含まれる。
【0027】
労働力マッチングシステム1は、複数の企業(
図1に示す例では、企業A、企業B、企業C)の従業員がそれぞれ操作する複数の企業端末と、複数の障害者施設(
図1に示す例では、障害者施設a、障害者施設b、障害者施設c)の従業員がそれぞれ操作する複数の障害者施設端末と、ネットワークを介して接続されている。
【0028】
労働力マッチングシステム1は、複数の企業から、それぞれ、各企業に関する情報である企業情報(例えば、社名、労働者に求める仕事内容、労働者に支払うことが可能な料金等)を取得する。
また、労働力マッチングシステム1は、複数の障害者施設から、それぞれ、各障害者施設に関する情報である障害者施設情報(例えば、施設名、労働者として提供可能な人数、複数の労働者を含むユニットに対して要求する料金等)を取得する。
【0029】
また、労働力マッチングシステム1は、複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を、複数種類設定する。例えば、労働力マッチングシステム1は、2~4名のユニットに対するユニット料金を23万円/月(以下、「ライトプラン」ともいう。)、5~7名のユニットに対するユニット料金を34.5万円/月(以下、「ベーシックプラン」ともいう。)等、複数種類のプランを設定する。
なお、本実施形態において、「ユニット」は、複数の障害者で構成されていてもよいし、障害者と障害者を支援する支援員とで構成されていてもよい。
【0030】
そして、労働力マッチングシステム1は、取得した複数の企業の企業情報及び複数の障害者施設の障害者施設情報を参照して、ユニット料金に基づき、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
【0031】
例えば、労働力マッチングシステム1は、複数の企業に対し、企業情報に含まれる労働者に支払うことが可能な料金を参照し、複数種類のプランのうち、各企業が採用可能なプランを決定する。
【0032】
また、労働力マッチングシステム1は、複数の障害者施設に対し、障害者施設情報に含まれる労働者として提供可能な人数や、複数の労働者を含むユニットに対して要求する料金を参照し、複数種類のプランのうち、各障害者施設が提供可能なプランを決定する。
【0033】
そして、労働力マッチングシステム1は、決定したプランが共通する企業と障害者施設をマッチングする。例えば、ライトプランを採用可能な企業と、ライトプランを提供可能な障害者施設と、をマッチングする。
【0034】
なお、詳細は、後述するが、労働力マッチングシステム1は、プランに基づくマッチングに加え、例えば、プランに基づくマッチングで、1つの企業に複数の障害者施設がマッチングされた場合、企業が労働者に求める仕事内容と、障害者施設の労働者の障害の状態と、に基づき、より適した障害者施設に絞りこんでもよい。
【0035】
このような障害者の労働力マッチングシステム1によれば、例えば、所定の予算で労働力を求める企業と、複数人を含むユニットによる労働力を所定の対価で提供可能な障害者施設と、を設定されたユニット料金に基づき、マッチングすることが可能となる。
したがって、所属する複数人を含むユニットの労働力を提供する障害者施設と、労働者を求める企業と、をマッチングすることが可能な障害者の労働力マッチングシステムを提供できる。
【0036】
(機能構成)
図2は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムの機能構成を示す図である。
障害者の労働力マッチングシステム1は、複数の企業端末20と、複数の障害者施設端末30と、ネットワークを介して接続され、企業情報取得手段11と、障害者施設情報取得手段12と、記憶手段13と、ユニット料金設定手段14と、マッチング手段15と、を備える。
【0037】
企業端末20及び障害者施設端末30は、ネットワークを介して、労働力マッチングシステム1と情報の送受信が可能であり、操作者の操作を受け付けることができれば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の任意の構成とすることができる。
【0038】
企業情報取得手段11は、各企業の企業情報を取得する。
企業情報には、企業名、経営状況、事業内容、経営理念(例えば、社会貢献に対する姿勢を示す社会貢献情報等)、障害者の雇用実績を含む雇用状況等の企業の一般的な情報に加え、募集している(求めている)労働者に対しての情報として、仕事内容、支払うことが可能な料金、仕事環境(例えば、車椅子で移動可能なスペースがあるか、バリアフリーであるか等)等の情報である。
【0039】
企業情報取得手段11は、企業情報を、企業端末20から受信し、企業毎に記憶手段13に記憶してもよいし、入力手段(例えば、キーボードやタッチパネル等)により入力された情報を、記憶手段13に記憶してもよい。
【0040】
図3及び
図4は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける企業側質問テーブルの一例を示す図である。
【0041】
企業側質問テーブルは、労働力マッチングシステム1の管理者等により、予め設定された企業への質問事項が規定され、記憶手段13に記憶されている。
【0042】
企業情報取得手段11は、例えば、記憶手段13に記憶された企業側質問テーブルを参照して、企業端末20で表示可能な企業側ヒアリング画面を生成する。企業側ヒアリング画面は、例えば、チャット形式の画面であり、企業情報取得手段11は、企業側質問テーブルを参照して、例えば、AI(Artificial Intelligence)により最適と判断された質問事項を、一項目ずつ、企業側ヒアリング画面に表示し、企業端末20において、一項目の回答が入力されたら、次の項目を表示する。
【0043】
企業情報取得手段11は、企業端末20において入力された回答を直接、企業毎に、項目(例えば、経営状況、事業内容、経営理念、障害者の雇用実績を含む雇用状況、仕事内容、支払うことが可能な料金、仕事環境等)に分類して、記憶手段13に記憶してもよいし、回答をAIにより分析した分析結果を、項目に割り振って、記憶手段13に記憶してもよい。
また、企業情報取得手段11は、入力手段からの入力に基づき、企業毎に、項目に分類して、記憶手段13に記憶してもよい。
【0044】
図3は、障害者就労支援賛同企業用の企業側質問テーブルの一例である。本実施形態において、障害者就労支援賛同企業とは、労働者として、障害者を受け入れることに同意している企業や、障害者を受け入れた実績のある企業である。
【0045】
図3に示すように、障害者就労支援賛同企業用の企業側質問テーブルには、企業の上記一般的な情報に加え、企業が、労働者として、障害者を受け入れる可能性が高いことを前提とした質問事項(障害者の雇用実績を含む雇用状況、仕事内容、仕事環境等)が含まれている。
【0046】
図4は、一般企業用の企業側質問テーブルの一例である。本実施形態において、一般企業とは、労働者として、障害者を受け入れることが不明な企業や、障害者を受け入れた実績が無い企業である。
【0047】
図4に示すように、一般企業用の企業側質問テーブルには、企業の上記一般的な情報に加え、企業が、労働者として、障害者を受け入れることが可能か否かの回答を求める質問事項(
図4に示す例では、「障害者雇用についてご関心がございますか?」、「障害者雇用についてどのようなイメージを持たれてますか?」等)が含まれている。また、一般企業用の企業側質問テーブルには、労働者として、障害者を受け入れることのメリットを示す質問事項(
図4に示す例では、「正社員1名分の人件費(25万くらい)で1ユニット派遣しますが料金は合いますか?」、「社会性を掛け合わせることにより、貴社の商品の価値は高まりますか?」等)が含まれている。
【0048】
企業情報取得手段11は、例えば、企業側ヒアリング画面において、まず、障害者就労支援賛同企業か一般企業かを判別する質問事項(例えば、「障害者を雇用する可能性はありますか?」等)を表示し、その回答によって、回答している企業(労働力マッチングシステム1にアクセスしている企業端末20を操作する者の企業)が、障害者就労支援賛同企業か一般企業かを判別し、判別結果に応じて、
図3に示す一般企業用の企業側質問テーブルを参照した質問事項又は
図4に示す一般企業用の企業側質問テーブルを表示してもよい。
【0049】
図2に戻って、障害者施設情報取得手段12は、各障害者施設の障害者施設情報を取得する。
障害者施設情報には、施設名、求めている就労形態(例えば、障害者施設内での就労(内職)か、障害者施設外での就労か等)、労働者として提供可能な人数、複数の労働者を含むユニットに対して要求する料金、障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態、就労実績、障害者施設における労働者のユニットを補助する情報である労働者のサポート情報(送迎の有無、目標工賃達成指導員等の障害者を支援する支援員の有無)等の情報である。
【0050】
障害者施設情報取得手段12は、障害者施設情報を、障害者施設端末30から受信し、障害者施設毎に記憶手段13に記憶してもよいし、入力手段(例えば、キーボードやタッチパネル等)により入力された情報を、記憶手段13に記憶してもよい。
【0051】
図5は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける障害者施設側質問テーブルの一例を示す図である。
【0052】
障害者施設側質問テーブルは、労働力マッチングシステム1の管理者等により、予め設定された障害者施設への質問事項が規定され、記憶手段13に記憶されている。
【0053】
障害者施設側質問テーブルには、求めている就労形態(「現在求めている仕事は、施設内就労ですか?施設外就労ですか?」、「ご希望のエリアを教えてください。」等)、労働者として提供可能な人数(「現在のご利用者さまの層について伺わせてください。」等)、複数の労働者を含むユニットに対して要求する料金(「現在の平均工賃を教えてください。」等)、障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態(「施設外就労にトライできそうな利用者さんらの日常生活は安定していますか?」等)、就労実績(「今まで取り組んできた仕事を簡単に教えてください。」等)、労働者のサポート体制(「目標工賃達成指導員、又はそれに準じる方は配置されていますか?」、「日中に自由に移動できる送迎車などはありますか?」等)等に対する回答を求める質問事項が含まれている。
【0054】
障害者施設情報取得手段12は、例えば、記憶手段13に記憶された障害者施設側質問テーブルを参照して、障害者施設端末30で表示可能な障害者施設側ヒアリング画面を生成する。障害者施設側ヒアリング画面は、例えば、チャット形式の画面であり、障害者施設情報取得手段12は、障害者施設側質問テーブルを参照して、例えば、AIにより最適と判断された質問事項を、一項目ずつ、障害者施設側ヒアリング画面に表示し、障害者施設端末30において、一項目の回答が入力されたら、次の項目を表示する。
【0055】
障害者施設情報取得手段12は、障害者施設端末30において入力された回答を直接、障害者施設毎に、項目(例えば、求めている就労形態、労働者として提供可能な人数、複数の労働者を含むユニットに対して要求する料金、障害者施設から提供される労働者の障害の状態を示す障害状態、就労実績、労働者のサポート体制等)に分類して、記憶手段13に記憶してもよいし、回答をAIにより分析した分析結果を、項目に割り振って、記憶手段13に記憶してもよい。
また、障害者施設情報取得手段12は、入力手段からの入力に基づき、障害者施設毎に、項目に分類して、記憶手段13に記憶してもよい。
【0056】
図2に戻って、ユニット料金設定手段14は、ユニット料金設定テーブルを参照して、複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定する。また、ユニット料金設定手段14は、ユニット料金設定テーブルを参照して、ユニットの人数に応じたユニット料金を設定する。また、ユニット料金設定手段14は、ユニット料金設定テーブルを参照して、所定期間毎のユニット料金を設定し、この所定期間を細分した細分期間において、実際に労働する日数である実労働日数に応じたユニット料金を設定する。
【0057】
図6は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおけるユニット料金設定テーブルの一例を示す図である。
【0058】
ユニット料金設定テーブルは、例えば、労働力マッチングシステム1の管理者等により、予め設定されたプランが規定され、記憶手段13に記憶されている。
【0059】
ユニット料金設定テーブルは、利用者請負人数(ユニットの人数)、月額料金(所定期間毎のユニット料金)、想定派遣日数(実労働日数)、想定労働時間(1日の実労働時間)、支援員同行人数、その他の事項(相談窓口の有無等)が規定されている。また、ユニット料金設定テーブルは、利用者請負人数、月額料金、想定派遣日数、想定労働時間、支援員同行人数、その他の事項の少なくとも一部が、段階的に異なる複数のプラン(「ライトプラン」、「ベーシックプラン」、「プレミアムプラン」、「VIPプラン」)が規定されている。
【0060】
図2に戻って、マッチング手段15は、記憶手段13に記憶された企業情報取得手段11が取得した企業情報及び障害者施設情報取得手段12が取得した障害者施設情報を参照して、ユニット料金設定手段14が設定したユニット料金に基づき、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
【0061】
具体的には、マッチング手段15は、ユニット料金設定手段14が設定したプランを採用可能な企業と障害者施設を抽出する。詳細には、マッチング手段15は、記憶手段13を参照して、企業情報の支払うことが可能な料金が、ユニット料金設定手段14が設定したプランの月額料金(所定期間毎のユニット料金)と同一又は近似(例えば、月額料金±1万円)する企業を抽出する。また、マッチング手段15は、記憶手段13を参照して、障害者施設情報のユニットに対して要求する料金が、ユニット料金設定手段14が設定したプランの月額料金(所定期間毎のユニット料金)と同一又は近似(例えば、月額料金±1万円)する障害者施設を抽出する。そして、マッチング手段15は、抽出した企業に、抽出した障害者施設をレコメンド(企業端末20に当該障害者施設を示す情報を送信)したり、抽出した障害者施設に、抽出した企業をレコメンド(障害者施設端末30に当該企業を示す情報を送信)する。
【0062】
また、マッチング手段15は、抽出した企業のうち、記憶手段13を参照して、企業情報に、社会貢献に対する姿勢を示す社会貢献情報が含まれる企業を優先的に、抽出した障害者施設にレコメンドする。
【0063】
また、マッチング手段15は、抽出した障害者施設のうち、記憶手段13を参照して、障害者施設情報に、労働者のサポート情報が含まれる障害者施設を優先的に、抽出した企業にレコメンドする。
【0064】
ここで、農作業全般は、肉体的負荷が高い労働であり、同一の動作(例えば、鍬を振り下ろす等)を連続的に行うことが多い作業である。また、農作業は、動作がダイナミックであり、身体が自由に動く障害者(例えば、精神障害、知的障害等)にとっては療養的にも作用する。また、農作業は、屋外であり、周囲に住宅等がない田畑での作業であるので、障害者が、大きい声や奇声を発したり、奇抜な行動をとったりしても、周囲の迷惑になる可能性が低い。また、障害者は、目の前のことに一生懸命とり組む者が多いため、除草~収穫まですべて行い、農業を営む企業(例えば、農家等)を支援できる。
【0065】
このため、マッチング手段15は、抽出した企業のうち、記憶手段13を参照して、企業情報の事業内容に農業が含まれる企業を優先的に、抽出した障害者施設にレコメンドする。なお、この場合、マッチング手段15は、抽出した障害者施設のうち、記憶手段13を参照して、障害者施設情報の障害状態が、日常生活が送れる程度の精神障害や知的障害であり、労働者のサポート情報(例えば、労働者を作業場所まで送迎可能である)が含まれる障害者施設に対して、事業内容に農業が含まれる企業を優先的に、レコメンドしてもよい。
【0066】
また、食品加工等の製造ライン作業は、同一の動作(例えば、袋詰め等)を連続的に行うことが多い作業であるが、障害者は健常者より集中力が高い場合が多く、障害者の労働力が大いに役立つ。
【0067】
このため、マッチング手段15は、抽出した企業のうち、記憶手段13を参照して、企業情報の事業内容に製造ライン作業が含まれる企業を優先的に、抽出した障害者施設にレコメンドする。
【0068】
また、精神障害がある場合、対人関係の構築が困難であっても、対人関係を構築せずに行えるコンピュータの操作が向いている場合がある。
【0069】
このため、マッチング手段15は、抽出した企業のうち、記憶手段13を参照して、企業情報の事業内容にコンピュータの操作(データ入力、記事制作、画像制作等)が含まれる企業を優先的に、障害者施設情報の障害状態が、精神障害である障害者施設にレコメンドする。
【0070】
また、複雑で非連続的な作業であっても、指導や支援があれば行えるケースが多い。このため、マッチング手段15は、抽出した企業のうち、記憶手段13を参照して、企業情報の事業内容に複雑で非連続的な作業(記事制作、画像制作等)が含まれる企業を優先的に、障害者施設情報に労働者のサポート情報(例えば、支援員有り)が含まれる障害者施設にレコメンドしてもよい。
【0071】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0072】
(処理フロー)
図7は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムが実行する障害者の労働力マッチング処理フローを示す図である。労働力マッチングシステム1は、例えば、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合や、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合に、マッチング処理を開始する。
【0073】
ステップS1において、企業情報取得手段11は、企業情報を、企業端末20から受信し、記憶手段13に記憶する。労働力マッチングシステム1は、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合、企業側ヒアリング画面を表示可能なデータを、企業端末20に送信する。本ステップにおいて、企業情報取得手段11は、記憶手段13に記憶された企業側質問テーブル(
図3及び
図4参照)を参照して、企業側ヒアリング画面において、企業側への質問事項を順次表示し、この質問事項の回答を、企業情報として取得する。また、労働力マッチングシステム1は、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合、記憶手段13に記憶された企業情報を取得する(読み出す)。
【0074】
ステップS2において、障害者施設情報取得手段12は、障害者施設情報を、障害者施設端末30から受信し、記憶手段13に記憶する。労働力マッチングシステム1は、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合、障害者施設側ヒアリング画面を表示可能なデータを、障害者施設端末30に送信する。本ステップにおいて、障害者施設情報取得手段12は、記憶手段13に記憶された障害者施設側質問テーブル(
図5参照)を参照して、障害者施設側ヒアリング画面において、障害者施設側への質問事項を順次表示し、この質問事項の回答を、障害者施設情報として取得する。また、労働力マッチングシステム1は、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされた場合、記憶手段13に記憶された障害者施設情報を取得する(読み出す)。
【0075】
ステップS3において、ユニット料金設定手段14は、ユニット料金設定テーブル(
図6参照)を参照して、複数の労働者を含むユニットに対しての料金であるユニット料金を設定する。例えば、ユニット料金設定手段14は、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、企業情報の支払うことが可能な料金と同一又は近似する月額料金(所定期間毎のユニット料金)のプランを設定する。また、ユニット料金設定手段14は、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、障害者施設情報のユニットに対して要求する料金と同一又は近似する月額料金(所定期間毎のユニット料金)のプランを設定する。
【0076】
ステップS4及びステップS5において、マッチング手段15は、ステップS1で企業情報取得手段11が取得した企業情報及びステップS2で障害者施設情報取得手段12が取得した障害者施設情報を参照して、ステップS3でユニット料金設定手段14が設定したユニット料金に基づき、企業と、障害者施設と、をマッチングする。
【0077】
詳細には、ステップS4において、マッチング手段15は、ステップS1で企業情報取得手段11が取得した企業情報及びステップS2で障害者施設情報取得手段12が取得した障害者施設情報を参照して、ステップS3でユニット料金設定手段14が設定したユニット料金を採用可能な企業と障害者施設を抽出する。
【0078】
例えば、マッチング手段15は、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、障害者施設情報のユニットに対して要求する料金が、ステップS3でユニット料金設定手段14が設定したプランの月額料金(所定期間毎のユニット料金)(
図6参照)と、同一又は近似する障害者施設を抽出する。また、マッチング手段15は、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、企業情報の支払うことが可能な料金が、ステップS3でユニット料金設定手段14が設定したプランの月額料金(所定期間毎のユニット料金)(
図6参照)と、同一又は近似する企業を抽出する。
【0079】
そして、ステップS5において、マッチング手段15は、例えば、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、ステップS4で抽出した障害者施設をレコメンドする(例えば、企業端末20に当該障害者施設を示す情報を送信し、企業側ヒアリング画面に表示可能とする。)。また、マッチング手段15は、例えば、障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、ステップS4で抽出した企業をレコメンドする(例えば、障害者施設端末30に当該企業を示す情報を送信し、障害者施設側ヒアリング画面に表示可能とする。)。
【0080】
図8は、本発明の実施形態に係る障害者の労働力マッチングシステムにおける障害者施設側ヒアリング画面の表示例を示す図である。
障害者施設端末30により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合、ステップS2の処理において、障害者施設情報取得手段12は、障害者施設端末30で表示される障害者施設側ヒアリング画面121において、障害者施設側への質問事項121aを順次表示し、質問事項121aに対する回答121bを、障害者施設情報として取得する。
【0081】
そして、ステップS3及びステップS4の処理を経て、ステップS5の処理で、マッチング手段15は、ステップS4で抽出した企業を示す情報121cを障害者施設側ヒアリング画面121に表示可能とする。
【0082】
また、企業端末20により労働力マッチングシステム1にアクセスされていた場合は、ステップS1の処理において、企業情報取得手段11が、
図8に示す障害者施設側ヒアリング画面121と同様の対話形式の入力画面である企業側ヒアリング画面を、企業端末20に表示可能とし、企業側ヒアリング画面における質問事項に対する回答を、企業情報として取得する。
【0083】
そして、ステップS3及びステップS4の処理を経て、ステップS5の処理で、マッチング手段15は、
図8に示す障害者施設側ヒアリング画面121と同様に、企業側ヒアリング画面において、ステップS4で抽出した障害者施設を示す情報を企業側ヒアリング画面に表示可能とする。
【0084】
このような障害者の労働力マッチングシステム1によれば、例えば、所定の予算で労働力を求める企業と、複数人を含むユニットによる労働力を所定の対価で提供可能な障害者施設と、を設定されたユニット料金に基づき、マッチングすることが可能となる。
したがって、所属する複数人を含むユニットの労働力を提供する障害者施設と、労働者を求める企業と、をマッチングすることが可能な障害者の労働力マッチングシステムを提供できる。
【0085】
また、障害者の労働力マッチングシステム1によれば、例えば、3人ユニットの料金と、5人ユニットとの料金を設定することが可能となるので、企業と障害者施設とのより多様な要望や条件に対応したマッチングが可能となる。
【0086】
また、障害者の労働力マッチングシステム1によれば、例えば、1ヶ月分のユニット料金を、1週間に実労働数が3日の場合と、1週間に実労働数が5日の場合と、でそれぞれ設定できるので、企業と障害者施設とのより多様な要望や条件に対応したマッチングが可能となる。
【0087】
また、障害者の労働力マッチングシステム1によれば、例えば、企業が要望する作業内容が農作業であった場合、比較的年齢が若く、身体的な障害がない者のユニットを提供する障害者施設をマッチングすることが可能となる。また、例えば、企業が要望する作業内容が所定の場所で行う事である場合、ユニットを送迎することが可能な障害者施設をマッチングすることが可能となる。
よって、企業の作業内容と障害者施設の強みとを適切に合わせることができるので、企業と障害者施設との双方の満足度が高いマッチングが可能となる。
【0088】
また、障害者の労働力マッチングシステム1によれば、企業の社会貢献に対する姿勢と、労働者の障害の状態とを適切に合わせることができるので、トラブルの可能性を抑え、企業と障害者施設との双方の満足度が高いマッチングが可能となる。
【0089】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、障害者の労働力マッチングシステムについて説明したが、本発明において障害者の労働力マッチングシステムが実行する方法や、障害者の労働力マッチングシステムを各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0090】
1 障害者の労働力マッチングシステム
11 企業情報取得手段
12 障害者施設情報取得手段
13 記憶手段
14 ユニット料金設定手段
15 マッチング手段
20 企業端末
30 障害者施設端末
121 障害者施設側ヒアリング画面