(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット、設備及び方法
(51)【国際特許分類】
B24B 5/313 20060101AFI20240912BHJP
B24B 37/02 20120101ALI20240912BHJP
B24B 37/11 20120101ALI20240912BHJP
B24B 19/00 20060101ALI20240912BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240912BHJP
【FI】
B24B5/313 Z
B24B37/02
B24B37/11
B24B19/00 Z
B24B41/06 A
(21)【出願番号】P 2023507900
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2021110194
(87)【国際公開番号】W WO2022028388
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】202010783389.7
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010783379.3
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010783401.4
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505245449
【氏名又は名称】天津大学
【氏名又は名称原語表記】Tian Jin University
【住所又は居所原語表記】92, Weijin Road, Nankai District Tianjin 300072 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】任成祖
(72)【発明者】
【氏名】何春雷
(72)【発明者】
【氏名】陳光
(72)【発明者】
【氏名】▲やん▼伝濱
(72)【発明者】
【氏名】▲ちん▼新民
(72)【発明者】
【氏名】耿昆
(72)【発明者】
【氏名】蘇湧翔
(72)【発明者】
【氏名】張▲じん▼
(72)【発明者】
【氏名】劉偉峰
(72)【発明者】
【氏名】梁磊
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-203262(JP,A)
【文献】特開2010-179427(JP,A)
【文献】特開2002-263994(JP,A)
【文献】米国特許第03739530(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/00 - 5/22
B24B 37/02
B24B 37/11
B24B 37/34
B24B 11/00
B24B 19/00
B24B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キットであって、研磨スリーブ(21)と、研磨ストリップユニットと、を含み
、
研磨加工において、前記研磨スリーブ(21)と前記研磨ストリップユニットは同軸であり、前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブ(21)を貫通しており、前記研磨スリーブ(21)の内面に1本又は複数本の第1螺旋溝(211)が設けられ
、前記第1螺旋溝(211)は円柱状螺旋溝であり、
前記研磨ストリップユニットは、少なくとも3つの研磨ストリップ(22)を含み
、前記少なくとも3つの研磨ストリップ(22)が、同一の仮想な円柱体の周面に分布して配置され、
各研磨ストリップ(22)は
、前記研磨スリーブ(21)の内面に対向する面を前記研磨ストリップ(22)の正面とし、各研磨ストリップ(22)の正面には、前記研磨ストリップ(22)の長さ方向に沿って前記研磨ストリップ(22)を貫通する1本の研磨ストリップグルーブが設けられ、前記研磨ストリップグルーブは
、直線グルーブ(221)又は
円柱状螺旋溝の第2螺旋溝であり、
前記第1螺旋溝(211)の表面
は、研磨加工時に加工対象のベアリングローラと接触する第1螺旋溝作動面(2111)を含み、
前記研磨ストリップグルーブの表面
は、研磨加工時に前記ベアリングローラと接触する研磨ストリップグルーブ作動面を含み、
研磨加工において、前記第1螺旋溝(211)と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとに1つのベアリングローラが配置され、各交点に対応して、前記第1螺旋溝作動面(2111)と前記研磨ストリップグルーブ作動面とにより囲まれた領域が研磨加工領域となり、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)は前記研磨ストリップユニットの軸線(223)周りに相対的に回動しながら、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)に沿って相対往復
運動を行うこと、又は相対往復運動
を行わないことのうちいずれか1つを行い、前記研磨ストリップ(22)
は、前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記第1螺旋溝(211)内に配置されているベアリングローラに作動圧力を印加し、
前記研磨加工領域において、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面にそれぞれ接触し、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面(2111)又は前記研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動しながら、前記研磨ストリップグルーブ作動面と第1螺旋溝作動面(2111)とによる押合いの作用により前記第1螺旋溝(211)及び研磨ストリップグルーブのそれぞれに沿って移動し、前記ベアリングローラの転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こすことで
、前記転動面(32)が研磨加工
され、
前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ(221)である場合、前記相対往復運動は、直線運動であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は直線グルーブ作動面(2211)であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は直線グルーブ走査面であり、前記ベアリングローラが前記直線グルーブ走査面を走査する走査経路B1は、前記研磨ストリップユニットのアレイ軸に平行な直線であり、前記走査経路B1を直線B(2221)とし、前記直線B(2221)から前記アレイ軸までの距離をアレイ半径、前記アレイ軸を前記研磨ストリップユニットの軸線とし、
前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝である場合、前記相対往復運動は、相対往復螺旋運動であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は、第2螺旋溝作動面であり、前記第1螺旋溝作動面(2111)は、第1螺旋溝走査面(2112)であり、前記第1螺旋溝走査面(2112)は一定断面走査面であり、前記第1螺旋溝作動面(2111)は連続的又は断続的なものであり、前記ベアリングローラが前記第1螺旋溝走査面(2112)を走査する走査経路Aは、円柱状螺旋線であり、前記ベアリングローラの軸線(32)上の1つの幾何学的基準点を通る走査経路Aを円柱状螺旋線A(2121)とし、全ての円柱状螺旋線A(2121)は同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線A(2121)の軸線は前記研磨スリーブ(21)の軸線であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は研磨ストリップグルーブ走査面であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は一定断面走査面であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は連続的又は断続的なものであり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は第2螺旋溝走査面であり、前記ベアリングローラが前記第2螺旋溝走査面
を走査する
走査経路B2
は、円柱状等距離螺旋線
であり、走査経路B2を円柱状螺旋線B(2222)とし、全ての円柱状螺旋線B(2222)は同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線B(2222)の軸線は前記研磨ストリップユニットのアレイ軸であり、前記円柱状螺旋線B(2222)の半径は前記研磨ストリップユニットのアレイ半径であり、前記アレイ軸は前記研磨ストリップユニットの軸線であり、前記直線グルーブ(221)の軸直角断面は前記直線B(2221)に垂直な平面であり、前記第2螺旋溝の軸直角断面は前記円柱状螺旋線B(2222)の接線に垂直であって前記接線の接点を通る平面であり、研磨加工において、前記アレイ半径は前記円柱状螺旋線A(2121)の半径に等しいことを特徴とする研磨工具キット。
【請求項2】
前記ベアリングローラは円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラのうちの1つであり、前記ベアリングローラのタイプによって、前記幾何学的基準点、前記第1螺旋溝走査面(2112)の
走査経路Aであるベアリングローラと前記研磨スリーブ(21)との相対位置関係、前記研磨ストリップグルーブ走査面の
走査経路Bであるベアリングローラと前記研磨ストリップユニットとの相対位置関係はそれぞれ、以下のとおりであり、
1)前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円筒ローラの重心(O1)であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブ(221)であり、前記
走査経路B1である円筒ローラの軸線(31)は前記直線B(2221)と重なり、前記
走査経路B
1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面(2212)であり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線又は円柱状非等距離螺旋線であり、前記
走査経路Aである円筒ローラの軸線(31)は前記研磨スリーブの軸線(213)に平行であり、前記
走査経路Aを前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aである円筒ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり
、
2)前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円錐ローラの重心(O2)であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブ(221)であり、前記
走査経路B1である円錐ローラの軸線(31)は前記研磨ストリップユニットの軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線(31)と前記直線B(2221)との夾角をγ、前記円錐ローラの半円錐角をφとすると、γ+φ<45°であり、前記
走査経路B1を前記
走査経路B1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1である円錐ローラの転動面(32)が包絡して形成するV字形の両側面は前記直線グルーブ走査面(2212)であり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記
走査経路Aである円錐ローラの軸線(31)は前記研磨スリーブ(21)の軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線(31)と前記研磨スリーブの軸線(213)との夾角をδとすると、δ=γであり、前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aである円錐ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり、前記大径端の表面は前記円錐ローラの球面基準面(33)を含むか、又はこれに加えて大径端の端面丸面取り(34)を含み
、
3)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記球面ローラの転動面(32)の直径が最も大きい横断面切断円を最大径切断円(35)とし、前記幾何学的基準点は前記最大径切断円(35)の円心(O3)であり、前記第1螺旋溝(211)は連続的又は断続的なものであり、前記第1螺旋溝(211)が連続的なものである場合、前記研磨スリーブ(21)は一体構造であり、前記第1螺旋溝(211)が断続的なものである場合、前記研磨スリーブ(21)は別体構造であり、前記別体構造の研磨スリーブ(21)は円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨スリーブユニットバー(210)で構成され、各第1螺旋溝(211)は各研磨スリーブユニットバー(210)の正面で構成される前記研磨スリーブ(21)の内面に断続的に分布しており、各研磨スリーブユニットバー(210)が前記研磨スリーブ(21)の径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面(2111)の研磨加工中の摩損を補償するように、隣接する研磨スリーブユニットバー(210)の間には前記研磨スリーブ(21)の周方向に隙間が存在し、前記
走査経路Aである球面ローラは球面基準面無しの対称型球面ローラ、球面基準面付きの対称型球面ローラ及び非対称型球面ローラのうちの1つであり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記円柱状螺旋線A(2121)のリード角をλとし、前記球面ローラの軸線(31)と前記研磨スリーブの軸線(213)との夾角をαとすると、α+λ=90°であり、前記円心(O3)から前記研磨スリーブの軸線(213)までの垂線A(214)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記球面ローラの転動面(32)の軸断面プロフィル(320)の曲率半径をRc、前記円柱状螺旋線A(2121)の半径をR0、前記最大径切断円(35)の半径をrとすると、Rc=R0(1+tan2λ)+rであり、前記
走査経路Aを前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aが包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり、前記
走査経路B1である球面ローラと前記
走査経路Aである球面ローラとが同じである場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ(221)であれば、前記球面ローラの軸線(31)と前記直線B(2221)との夾角をβとすると、β=αであり、前記円心(O3)から前記研磨ストリップユニットの軸線(223)までの垂線B(224)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記
走査経路B1を前記
走査経路B1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)又は前記
走査経路B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)、又は前記
走査経路B1である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面(32)と基準端の表面、又は前記
走査経路B1である非対称型球面ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面であり、前記基準端の表面は前記球面基準面付きの対称型球面ローラの球面基準面(33)を含むか、又はこれに加えて前記球面基準面(33)とは同一端の端面丸面取り(34)を含み、前記大径端の表面は前記非対称型球面ローラの球面基準面(33)を含むが、又はこれに加えて大径端の端面丸面取り(34)を含み、前記
走査経路B2である球面ローラと前記
走査経路Aである球面ローラとが同じであり、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記球面ローラの軸線(31)と前記研磨ストリップユニットの軸線(223)との夾角をξとすると、ξ=αであり、前記円心(O3)から前記研磨ストリップユニットの軸線(223)までの垂線B(224)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記円柱状螺旋線B(2222)と示される円柱状螺旋線A(2121)との回し方向が反対しており、前記
走査経路B2を前記
走査経路B2に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)又は前記
走査経路B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)、又は前記
走査経路B2である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面(32)と基準端の表面、又は前記
走査経路B2である非対称型球面ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第2螺旋溝走査面であることを特徴とする請求項1に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット。
【請求項3】
前記ベアリングローラは円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラのうちの1つであり、前記ベアリングローラのタイプによって、前記幾何学的基準点、前記第1螺旋溝走査面(2112)の
走査経路Aであるベアリングローラと前記研磨スリーブ(21)との相対位置関係、前記研磨ストリップグルーブ走査面の
走査経路Bであるベアリングローラと前記研磨ストリップユニットとの相対位置関係はそれぞれ、以下のとおりであり
、
1)前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円筒ローラの重心(O1)であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブ(221)であり、前記
走査経路B1である円筒ローラの軸線(31)は前記直線B(2221)と重なり、前記
走査経路B1を前記
走査経路B1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面(2212)であり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線又は円柱状非等距離螺旋線であり、前記
走査経路Aである円筒ローラの軸線(31)は前記研磨スリーブの軸線(213)に平行であり、前記
走査経路Aを前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aである円筒ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり
、
2)前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円錐ローラの重心(O2)であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブ(221)であり、前記
走査経路B1である円錐ローラの軸線(31)は前記研磨ストリップユニットの軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線(31)と前記直線B(2221)との夾角をγとし、前記円錐ローラの半円錐角φとすると、γ+φ<45°であり、前記
走査経路B1を前記
走査経路B1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1である円錐ローラの転動面(32)が包絡して形成するV字形の両側面は前記直線グルーブ走査面(2212)であり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記
走査経路Aである円錐ローラの軸線(31)は前記研磨スリーブ(21)の軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線(31)と前記研磨スリーブの軸線(213)との夾角をδとすると、δ=γであり、前記
走査経路Aを前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aである円錐ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり、前記大径端の表面は前記円錐ローラの球面基準面(33)を含む、前記円錐ローラの大径端の端面丸面取り(34)を含むか、又は前記球面基準面(33)と大径端の端面丸面取り(34)を含み
、
3)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記球面ローラの転動面(32)の直径が最も大きい横断面切断円を最大径切断円(35)とし、前記幾何学的基準点は前記最大径切断円(35)の円心(O3)であり、前記第1螺旋溝(211)は連続的又は断続的なものであり、前記第1螺旋溝(211)が連続的なものである場合、前記研磨スリーブ(21)は一体構造であり、前記第1螺旋溝(211)が断続的なものである場合、前記研磨スリーブ(21)は別体構造であり、前記別体構造の研磨スリーブ(21)は円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨スリーブユニットバー(210)で構成され、各第1螺旋溝(211)は各研磨スリーブユニットバー(210)の正面で構成される前記研磨スリーブ(21)の内面に断続的に分布しており、各研磨スリーブユニットバー(210)が前記研磨スリーブ(21)の径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面(2111)の研磨加工中の摩損を補償するように、隣接する研磨スリーブユニットバー(210)の間には前記研磨スリーブ(21)の周方向に隙間が存在し、前記
走査経路Aである球面ローラは球面基準面無しの対称型球面ローラ、球面基準面付きの対称型球面ローラ及び非対称型球面ローラのうちの1つであり、前記
走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記円柱状螺旋線A(2121)はリード角をλとし、前記球面ローラの軸線(31)と前記研磨スリーブの軸線(213)との夾角をαとすると、α+λ=90°であり、前記円心(O3)から前記研磨スリーブの軸線(213)までの垂線A(214)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記球面ローラの転動面(32)の軸断面プロフィル(320)の曲率半径をRc、前記円柱状螺旋線A(2121)の半径をR0、前記最大径切断円(35)の半径をrとすると、Rc=R0(1+tan2λ)+rであり、前記
走査経路Aを前記
走査経路Aに沿って
走査する場合、前記研磨スリーブ(21)の内面において前記
走査経路Aが包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面(2112)であり、前記
走査経路B1である球面ローラと前記
走査経路Aである球面ローラとが同じであり、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ(221)であれば、前記球面ローラの軸線(31)と前記直線B(2221)との夾角をβとすると、β=αであり、前記円心(O3)から前記研磨ストリップユニットの軸線(223)までの垂線B(224)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記
走査経路B1を前記
走査経路B1に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)又は前記
走査経路B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)、又は前記
走査経路B1である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面(32)と基準端の表面、又は前記
走査経路B1である非対称型球面ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面であり、前記基準端の表面は前記球面基準面付きの対称型球面ローラの球面基準面(33)を含む、前記球面基準面とは同一端の端面丸面取り(34)を含むか、又は前記球面基準面(33)と前記球面基準面とは同一端の端面丸面取り(34)を含み、前記大径端の表面は前記非対称型球面ローラの球面基準面(33)を含む、前記非対称型球面ローラの大径端の端面丸面取り(34)を含むか、又は前記球面基準面(33)と大径端の端面丸面取り(34)を含み、前記
走査経路B2である球面ローラと前記
走査経路Aである球面ローラとが同じであり、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記球面ローラの軸線(31)と前記研磨ストリップユニットの軸線(223)との夾角をξとすると、ξ=αであり、前記円心(O3)から前記研磨ストリップユニットの軸線(223)までの垂線B(224)は前記球面ローラの軸線(31)に垂直であり、前記円柱状螺旋線B(2222)と示される円柱状螺旋線A(2121)との回し方向が反対しており、前記
走査経路B2を前記
走査経路B2に沿って
走査する場合、前記研磨ストリップ(22)の正面において前記
走査経路B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)又は前記
走査経路B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面(32)と一端の端面丸面取り(34)、又は前記
走査経路B2である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面(32)と基準端の表面、又は前記
走査経路B2である非対称型球面ローラの転動面(32)と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第2螺旋溝走査面であることを特徴とする請求項1に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット。
【請求項4】
強磁性材質のベアリングローラの転動面の仕上げ加工に用いられ、前記ベアリングローラのタイプによって、円筒状磁性構造(217)又は短冊状磁性構造(227)が設けられており、具体的には、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、研磨加工時に前記転動面(32)と接触する前記第1螺旋溝(211)の表面は第1螺旋溝作動面1(21111)とし、前記研磨スリーブ(21)は透磁材料で製造され、前記研磨スリーブ(21)の実体内部には前記円筒状磁性構造(217)が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ(21)の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場が形成され、前記第1螺旋溝作動面1(21111)は前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料(218)が嵌め込まれているか、又は研磨スリーブ(21)の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線(2171)が前記第1螺旋溝作動面1(21111)における前記研磨スリーブ(21)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、2)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨加工時に前記転動面(32)と接触する前記研磨ストリップグルーブの表面は研磨ストリップグルーブ作動面1とし、前記研磨ストリップ(22)は透磁材料で製造され、前記研磨ストリップ(22)の実体の内部において前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造(227)が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場が形成され、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料(228)が嵌め込まれているか、又は研磨ストリップ(22)の実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア(2281)が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線(2271)が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ(22)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット。
【請求項5】
ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備であって、本体と、外部循環システムと、研磨スリーブ治具と、研磨ストリップユニット治具と、請求項2又は3に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キットと、を含み、前記研磨スリーブ治具は前記研磨スリーブ(21)をクランプするものであり、前記研磨スリーブ(21)が前記別体構造である場合、前記研磨スリーブ治具は、円形アレイに分布している柱状の、前記研磨スリーブユニットバー(210)を固定して接続するための1組の研磨スリーブユニットバー受け部(11)と、前記研磨スリーブユニットバー受け部(11)の外周に位置する径方向収縮機構と、を含み、前記径方向収縮機構は径方向収縮部材と、前記研磨スリーブと同軸のベースブッシュと、を含み、前記研磨スリーブの軸線(213)は前記研磨スリーブ治具の軸線であり、前記ベースブッシュは前記本体に接続され、前記径方向収縮部材は前記研磨スリーブユニットバー受け部(11)及びベースブッシュにそれぞれ接続されて、全ての研磨スリーブユニットバー受け部(11)及びそれにおける研磨スリーブユニットバー(210)を駆動して前記研磨スリーブ治具の径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面(2111)の摩損を補償し、前記ベースブッシュと前記研磨スリーブユニットバー受け部(11)との間でトルクを伝達し、前記研磨ストリップユニット治具は前記研磨ストリップユニットをクランプするものであり、前記研磨ストリップユニット治具は、円形アレイに分布している柱状の、前記研磨ストリップ(22)を固定して接続するための1組の研磨ストリップ受け部(12)と、前記研磨ストリップユニット治具の中心に位置する径方向拡張機構と、を含み、前記研磨ストリップ(22)の背面は、前記研磨ストリップ受け部(12)のうち前記研磨ストリップユニット治具の外周に位置する面に固定して接続され、前記径方向拡張機構は径方向拡張部材と、前記研磨ストリップユニットと同軸のベース芯軸と、を含み、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)は前記研磨ストリップユニット治具の軸線であり、前記ベース芯軸は前記本体に接続され、前記径方向拡張部材は前記研磨ストリップ受け部(12)及びベース芯軸にそれぞれ接続されて、全ての研磨ストリップ受け部(12)及びそれにおける研磨ストリップ(22)を駆動して、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張して負荷をかけ、前記ベース芯軸と前記研磨ストリップ受け部(12)との間でトルクを伝達し、前記研磨工具キットの相対回動方式によって、前記本体の構成は研磨ストリップユニット回動型又は研磨スリーブ回動型であり、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記本体は研磨ストリップユニット回動駆動部材と、研磨スリーブ治具クランプ部材と、を含み、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持して、前記研磨ストリップユニットを回動駆動するものであり、前記研磨スリーブ治具クランプ部材は前記研磨スリーブ治具をクランプするものであり、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記本体は、研磨スリーブ回動駆動部材と、研磨ストリップユニット治具挟持部材と、を含み、前記研磨スリーブ回動駆動部材は前記研磨スリーブ治具をクランプして、前記研磨スリーブ(21)を回動駆動するものであり、前記研磨ストリップユニット治具挟持部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持するものであり、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記本体は往復運動システムをさらに含み、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ(221)であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線(223)周りに相対往復螺旋運動を行い、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ(221)であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線(223)に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線(223)周りに相対往復螺旋運動を行い、前記外部循環システムは、収集手段(41)と、整理手段(42)と、搬送手段(43)と、移送サブシステムと、を含み、前記収集手段(41)は前記第1螺旋溝(211)の出口に設けられ、各第1螺旋溝(211)の出口を介して前記研磨加工領域から離れたベアリングローラを収集するものであり、前記ベアリングローラのタイプによって、前記整理手段(42)の作用はそれぞれ、以下のとおりであり、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ、球面基準面無しの対称型球面ローラ又は球面基準面付きの対称型球面ローラである場合、前記整理手段(42)は前記ベアリングローラを整理して前記搬送手段(43)によって求められる列にし、2)前記ベアリングローラが円錐ローラ又は非対称型球面ローラである場合、前記整理手段(42)は前記ベアリングローラを整理して前記搬送手段(43)によって求められる列にし、前記ベアリングローラの小径端の向きを一致させ、前記本体の構成によって、前記設備において前記搬送手段(43)の配置位置及び作動方式はそれぞれ、以下のとおりであり、1)研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記搬送手段(43)は前記第1螺旋溝(211)の入口に設けられ、前記搬送手段(43)のフレームと前記研磨スリーブ(21)との相対位置が一定に保持され、前記搬送手段(43)には搬送通路(431)が設けられており、前記搬送通路(431)は前記入口で前記第1螺旋溝(211)と交差し、前記搬送手段(43)は前記搬送通路(431)を介して前記ベアリングローラを前記研磨ストリップグルーブに送り、2)研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段(43)は前記研磨スリーブ(21)のうち前記第1螺旋溝(211)の入口に位置する一端に設けられ、前記搬送手段(43)のフレームと前記研磨スリーブ(21)は前記研磨スリーブの軸線(213)の方向において相対位置を一定に保持し、前記搬送手段(43)のフレームと前記研磨ストリップグルーブは前記研磨ストリップユニットの周方向において相対位置を一定に保持し、各研磨ストリップグルーブは、前記研磨スリーブ(21)の端面以外に位置し、前記端面に近い領域が搬送待機領域(225)であり、前記端面は前記第1螺旋溝(211)の入口端に位置し、前記搬送手段(43)は前記搬送待機領域(225)を介して前記ベアリングローラを前記第1螺旋溝(211)の入口に送り、前記移送サブシステムは前記外部循環システムの各手段の間で前記ベアリングローラを移送するものであり、研磨加工過程では、前記ベアリングローラの前記外部循環システムにおける外部循環移動経路は、前記第1螺旋溝(211)の出口から収集手段(41)、整理手段(42)、搬送手段(43)を順次通過して、前記第1螺旋溝(211)の入口まで至るものであり、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ(21)との間での前記第1螺旋溝(211)に沿う螺旋移動経路と前記外部循環システムにおける外部循環移動経路とが組み合わせられて閉循環となり、前記径方向収縮機構は円錐面径方向収縮機構、連通型流体圧力径方向収縮機構、及び微小変位ユニット径方向収縮機構のうちの1つであり、前記径方向拡張機構は円錐面径方向拡張機構、連通型流体圧力径方向拡張機構、及び微小変位ユニット径方向拡張機構のうちの1つであることを特徴とする設備。
【請求項6】
強磁性材質のベアリングローラの転動面用の仕上げ加工に用いられ、前記ベアリングローラのタイプによって、円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造が設けられており、具体的には、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、研磨加工時に前記転動面(32)と接触する前記第1螺旋溝(211)の表面は第1螺旋溝作動面1(21111)とし、前記研磨スリーブ(21)は透磁材料で製造され、以下の2つの位置のいずれかに前記円筒状磁性構造が設けられ、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ(21)の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場を形成し、a)前記研磨スリーブ(21)の実体内部には前記円筒状磁性構造が嵌設されており、前記第1螺旋溝作動面1(21111)は前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料(218)が嵌め込まれているか、又は研磨スリーブ(21)の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線(2171)が前記第1螺旋溝作動面1(21111)における前記研磨スリーブ(21)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、b)前記研磨スリーブ治具は透磁材料で製造される磁性カラー(219)をさらに含み、前記研磨スリーブ治具は前記磁性カラー(219)によって前記研磨スリーブ(21)をクランプし、前記磁性カラー(219)の内壁の中央部に前記円筒状磁性構造が嵌設され、前記磁性カラー(219)は前記研磨スリーブ(21)の外周に嵌着され、前記磁性カラー(219)と前記研磨スリーブ(21)は前記円筒状磁性構造の両端で連結されて前記研磨スリーブ磁場を導通し、前記第1螺旋溝作動面1(21111)は前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料(218)が嵌め込まれているか、又は前記第1螺旋溝作動面1と反対する研磨スリーブ(21)の外壁において前記
走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア(2181)が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線(2171)が前記第1螺旋溝作動面1(21111)における前記研磨スリーブ(21)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、2)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨加工時に前記転動面(32)と接触する前記研磨ストリップグルーブの表面は研磨ストリップグルーブ作動面1とし、前記研磨ストリップ(22)は透磁材料で製造され、以下の2つの位置のいずれかに前記短冊状磁性構造が設けられており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場を形成し、a)前記研磨ストリップ(22)の実体内部には前
記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造が嵌設されており、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料(228)が嵌め込まれているか、又は研磨ストリップ(22)の実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア(2281)が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線(2271)が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ(22)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、b)前記研磨ストリップ受け部(12)は透磁材料で製造され、前記研磨ストリップ受け部(12)のうち前記研磨ストリップ(22)の背面に対向する表面層の中央部には前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造が嵌設され、前記研磨ストリップ受け部(12)と前記研磨ストリップ(22)は前記短冊状磁性構造の両側で連結されて前記研磨ストリップ磁場を導通し、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料(228)が含まれているか、又は前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する研磨ストリップ(22)の背面において前記
走査経路B1又は
走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア(2281)が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線(2271)が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ(22)の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、前記外部循環システムは、前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場により磁化された強磁性材質のベアリングローラを消磁するか、又は前記短冊状磁性構造の研磨ストリップ磁場により磁化された強磁性材質のベアリングローラを消磁するための脱磁手段(44)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備。
【請求項7】
ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法であって
、
請求項5に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備を用いて、ベアリングローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することを可能とし、前記径方向拡張機構を起動させて、前記第1螺旋溝(211)と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとの研磨加工領域の空間にベアリングローラが1つしか収納できなくなるまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ(21)の内面に接近させるステップ1と
、
前記研磨ストリップユニット回動駆動部材又は研磨スリーブ回動駆動部材を起動させて、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)を0~10rpmの初期速度で相対回動させ、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記往復運動システムも起動させるステップ2と
、
前記移送サブシステム、整理手段(42)及び搬送手段(43)を起動させ、前記搬送手段(43)、移送サブシステム及び整理手段(42)の運転速度を調整することにより、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ(21)との間での前記第1螺旋溝(211)に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確立するステップ3と
、
前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)との相対回動速度を5~60rpmの作動回動速度に調整し、さらに前記搬送手段(43)、移送サブシステム及び整理手段(42)の運転速度を調整し、前記外部循環システムの収集手段(41)、整理手段(42)、搬送手段(43)及び移送サブシステムのそれぞれにおけるベアリングローラの存在量をマッチングさせ、外部循環を円滑で整然とするものとするステップ4と
、
前記研磨加工領域に研磨液を注入するステップ5と
、
ステップ6であって、
1)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内のベアリングローラが前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面のそれぞれと接触するまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ(21)の内面にさらに接近させることと
、
2)前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加すると、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面(2111)又は研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動を行いながら、前記第1螺旋溝作動面(2111)と研磨ストリップグルーブ作動面とによる押合いの作用により、前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝(211)のそれぞれに沿って移動し、前記転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面(32)が前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け始めることとを含む、ステップ6と
、
研磨加工が安定的に進むに伴い、前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均2~50Nの作動圧力を印加すると、前記ベアリングローラはステップ6に記載の前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係、自体の軸線周りの回転運動及び前記研磨ストリップグルーブと第1螺旋溝(211)に沿う運動関係を維持し、前記転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け続けるステップ7と
、
前記研磨スリーブ(21)が前記別体構造である場合、前記径方向収縮機構を調整することによって前記第1螺旋溝作動面(2111)の摩損をリアルタイムで補償し、研磨加工を所定時間行った後、前記ベアリングローラに対して抜き取り検査を行い、前記転動面(32)の表面品質、形状精度及び寸法
が所要な表面品質、形状精度及び寸法と一致しない場合、本ステップの研磨加工を持続し、前記転動面(32)の表面品質、形状精度及び寸法
が所要な表面品質、形状精度及び寸法と一致する場合、ステップ9に移行するステップ8と
、
前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで減少して、前記整理手段(42)、搬送手段(43)及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)との相対回動速度をゼロまで調整し、ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止し、前記研磨加工領域への研磨液注入を停止し、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させるステップ9と
、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法であって、請求項6に記載のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備を用いて、強磁性材質のベアリングローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することを可能とし、前記径方向拡張機構を起動させて、前記第1螺旋溝(211)と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとの研磨加工領域の空間にベアリングローラが1つしか収納できなくなるまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ(21)の内面に接近させるステップ1と、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材又は研磨スリーブ回動駆動部材を起動させて、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)を0~10rpmの初期速度で相対回動させ、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記往復運動システムも起動させるステップ2と、前記移送サブシステム、整理手段(42)、搬送手段(43)及び脱磁手段(44)を起動させ、前記搬送手段(43)、移送サブシステム及び整理手段(42)の運転速度を調整することにより、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ(21)との間での前記第1螺旋溝(211)に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確立するステップ3と、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)との相対回動速度を5~60rpmの作動回動速度に調整し、さらに前記搬送手段(43)、移送サブシステム及び整理手段(42)の運転速度を調整し、前記外部循環システムの収集手段(41)、整理手段(42)、搬送手段(43)及び移送サブシステムのそれぞれにおけるベアリングローラの存在量をマッチングさせ、外部循環を円滑で整然とするものとするステップ4と、前記研磨加工領域に研磨液を注入するステップ5と、1)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内のベアリングローラが前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面のそれぞれと接触するまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ(21)の内面にさらに接近させることと、2)前記径向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加すると、前記円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造は作動状態になり、前記研磨スリーブ磁場又は研磨ストリップ磁場の磁場強度を調整し、前記ベアリングローラを駆動してその自体の軸線周りに回転運動を行いながら、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面(2111)と研磨ストリップグルーブ作動面との押合いによる作用により前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝(211)のそれぞれに沿って移動し、前記転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、前記転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け始めることとを含む、ステップ6と、研磨加工が安定的に進むに伴い、前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均2~50Nの作動圧力を印加すると、前記ベアリングローラはステップ6に記載の前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係、自体の軸線周りの回転運動及び前記研磨ストリップグルーブと第1螺旋溝(211)に沿う運動関係を維持し、前記転動面(32)は前記第1螺旋溝作動面(2111)及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け続けるステップ7と、前記研磨スリーブ(21)が前記別体構造である場合、前記径方向収縮機構を調整することによって前記第1螺旋溝作動面(2111)の摩損をリアルタイムで補償し、研磨加工を所定時間行った後、前記ベアリングローラに対して抜き取り検査を行い、前記転動面(32)の表面品質、形状精度及び寸法
が所要な表面品質、形状精度及び寸法と一致しない場合、本ステップの研磨加工を持続し、前記転動面(32)の表面品質、形状精度及び寸法
が所要な表面品質、形状精度及び寸法と一致する場合、ステップ9に移行するステップ8と、前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで減少して、前記整理手段(42)、搬送手段(43)及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ(21)との相対回動速度をゼロまで調整し、ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止し、前記円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造を非作動状態に切り替えて、前記脱磁手段(44)の運転を停止し、前記研磨加工領域への研磨液注入を停止し、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させるステップ9と、を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット、設備及び方法に関し、ベアリングローラの精密加工の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ローラベアリングは様々な回転機械に広く利用されている。ローラベアリングの重要な部品の1つとしてのベアリングローラは、転動面の形状精度や寸法一貫性が転がりベアリングの性能に大きな影響を与える。現在、知られているベアリングローラ(円筒ローラ、円錐ローラ又は球面ローラ)の転動面の加工プロセスの流れは、ブランク成形(旋削、冷間圧造又は圧延)、荒加工(転動面の焼入れ無し研磨)、熱処理、中仕上げ加工(転動面の熱処理後研磨)及び仕上げ加工であり、これらのうち、知られている転動面の仕上げ加工における主なプレセスは超仕上げ加工である。
【0003】
超仕上げ加工とは、細目油砥石を研磨ツールとして、工作物の加工表面に低い圧力を印加し、工作物の加工表面に沿って高速微小振幅往復振動及び低速送り運動を行うことにより、微量で切削する仕上げ加工方法である。
【0004】
現在、ベアリングローラ(円筒ローラ、円錐ローラ又は球面ローラ)の転動面の仕上げ加工には、センタレス通し送り式又はセンタレスプランジ式の超仕上げ加工方法を利用するのが一般的である。超仕上げ加工では、同一ロットのベアリングローラが加工領域に順次入って油砥石による超仕上げ加工を受け始める。同一時刻には単一(又は少数)のベアリングローラしか加工できず、ベアリングローラの転動面の材料除去量がほぼ同一ロットのベアリングローラの転動面の直径の違いによる影響を受けず、このため、超仕上げ加工設備を用いてベアリングローラの転動面を加工する場合、ベアリングローラの転動面の直径の分散性を効果的に改善するのが難しい。
【0005】
現在、円筒ローラの転動面の仕上げ加工に係る装置(設備)及び方法には、以下のものも含まれている。
【0006】
公開番号がCN108908094Aの特許文献は円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨設備及び研磨盤キットを開示しており、研磨盤キットは、正面が対向して配置される1対の同軸の第1研磨盤と第2研磨盤を含む。第1研磨盤の正面は第1研磨盤の基面(正円錐面)に放射状に分布している1組の直線グルーブを含み、第2研磨盤の正面は第2研磨盤基面(正円錐面)に分布している1本又は複数本の螺旋溝を含む。
【0007】
上記加工方法は、複数のサンプルを直接に比較して加工するものであり、大径の円筒ローラの転動面では材料を多く除去し、小径の円筒ローラの転動面では材料を少なく除去する能力がある。しかし、上記設備及び方法を利用して円筒ローラの転動面を研磨する際には、直線グルーブが正円錐面に分布していることにより、研磨盤基面である正円錐面の大端と小端の円周の周長が異なり、直線グルーブの数が正円錐面の小端の円周の周長により制限され、また、研磨に付する円筒ローラの数に影響を及ぼし、比較式加工のメリットを十分に発揮させるのに不利である一方、研磨加工において、正円錐面における螺旋溝の位置が異なると、研磨盤の軸線までの距離が異なるため、螺旋溝の位置によって研磨盤の軸線周りに直線グルーブに対して回動する線速度が異なり、円筒ローラは螺旋溝の各位置での自転速度が異なり、円筒ローラの転動面の材料除去速度及び研磨盤作動面の摩損速度は円筒ローラの螺旋溝での位置に応じて変化し、その結果として、円筒ローラの転動面の寸法一貫性の向上が悪影響を受け始める。
【0008】
現在、円錐ローラの転動面の仕上げ加工に係る装置(設備)及び方法には、以下のものも含まれる。
【0009】
公開番号がCN108723979Aの特許文献は円錐ローラ転動面の仕上げ加工用の研磨設備及び研磨盤キットを開示しており、研磨盤キットは、正面が対向して配置される1対の同軸の第1研磨盤と第2研磨盤を含む。第1研磨盤の正面は第1研磨盤基面(正円錐面)に放射状に分布している1組の直線グルーブを含み、第2研磨盤の正面は第2研磨盤基面(正円錐面)に分布している1本又は複数本の螺旋溝を含む。
【0010】
上記加工方法は、複数のサンプルを直接に比較して加工するものであり、大径の円錐ローラの転動面では材料を多く除去し、小径の円錐ローラの転動面では材料を少なく除去する能力がある。しかし、上記設備及び方法を利用して円錐ローラの転動面を研磨する際には、直線グルーブが正円錐面に分布していることにより、研磨盤基面である正円錐面の大端と小端の円周の周長が異なり、直線グルーブの数が正円錐面の小端の円周の周長により制限され、また、研磨に付する円錐ローラの数に影響を及ぼし、比較式加工のメリットを十分に発揮させるのに不利である一方、研磨加工において、正円錐面における螺旋溝の位置が異なると、研磨盤の軸線までの距離が異なるため、螺旋溝の位置によって研磨盤の軸線周りに直線グルーブに対して回動線する速度が異なり、円錐ローラは螺旋溝の各位置での自転速度が異なり、円錐ローラの転動面の材料除去速度及び研磨盤作動面の摩損速度は円錐ローラの螺旋溝での位置に応じて変化し、その結果として、円錐ローラの転動面の寸法一貫性の向上が悪影響を受け始める。
【0011】
現在、球面ローラの転動面の仕上げ加工に係る設備及び方法には、以下のものも含まれる。
【0012】
公開番号がCN108890516Aの特許文献は凸面円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨設備及び研磨盤キットを開示しており、研磨盤キットは、正面が対向して配置される1対の同軸の第1研磨盤と第2研磨盤を含む。第1研磨盤の正面は、第1研磨盤基面(凹円弧状回動面)に放射状に分布している1組の凹弧線状グルーブを含み、第2研磨盤の正面は第2研磨盤基面(凸円弧状回動面)に分布している1本又は複数本の螺旋溝を含む。
【0013】
上記加工方法は、複数のサンプルを直接に比較して加工するものであり、大径の球面ローラの転動面では材料を多く除去し、小径の球面ローラの転動面では材料を少なく除去する能力がある。しかし、上記設備及び方法を利用して球面ローラの転動面を研磨する際には、凹弧線状グルーブが凹円弧状回動面に分布していることにより、研磨盤基面である凹円弧状回動面の内縁及び外縁の円周の周長が異なり、凹弧線状グルーブの数が凹円弧状回動面の内縁の円周の周長により制限され、特に球面ローラの転動面の軸断面プロィルの曲率半径が小さい場合、凹弧線状グルーブの基線の曲率半径も減少し、また、凹弧線状グルーブの数が凹円弧状回動面の内縁の円周の周長により制限され、その結果として、凹弧線状グルーブの全長さが大幅に小さくなり、また、研磨に付する球面ローラの数も大幅に減少し、比較式加工のメリットを十分に発揮させるのに不利である一方、凸円弧状回動面における螺旋溝の位置が異なると、研磨盤の軸線までの距離が異なるため、螺旋溝の位置によって研磨盤の軸線周りに凹弧線状グルーブに対して回動する線速度が異なり、球面ローラは螺旋溝の各位置での自転速度が異なり、球面ローラの転動面の材料除去速度及び研磨盤作動面の摩損速度は球面ローラの螺旋溝での位置に応じて変化し、その結果として、球面ローラの転動面の寸法一貫性の向上が影響を受け始める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来技術に存在する問題に対して、本発明は、ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット、設備及び方法を提案しており、本発明の研磨工具キットが装備された設備にはベアリングローラの転動面を大量で仕上げ加工する能力がある。円筒ローラ、円錐ローラ又は球面ローラの場合、本発明では、加工が同時に施されるベアリングローラの数が従来技術と比べて大幅に向増加し、複数のサンプルを直接に比較して加工する場合のメリットをうまく発揮させることができ、しかも、ベアリングローラの転動面の材料除去速度及び研磨工具作動面の摩損速度がベアリングローラの研磨工具キット内での位置の変化に応じて変化しないため、ベアリングローラの転動面の寸法一貫性も向上する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キットであって、研磨スリーブと、研磨ストリップユニットと、を含み、研磨加工において、前記研磨スリーブと前記研磨ストリップユニットは同軸であり、前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブを貫通しており、前記研磨スリーブの内面に1本又は複数本の第1螺旋溝が設けられ、前記研磨ストリップユニットは円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨ストリップを含み、各研磨ストリップは前記研磨スリーブの内面に対向する面を前記研磨ストリップの正面とし、各研磨ストリップの正面には、前記研磨ストリップの長さ方向に沿って前記研磨ストリップを貫通する1本の研磨ストリップグルーブが設けられ、前記研磨ストリップグルーブは直線グルーブ又は第2螺旋溝であり、前記第1螺旋溝及び第2螺旋溝はいずれも円柱状螺旋溝であり、前記第1螺旋溝の表面は研磨加工時に加工対象のベアリングローラと接触する第1螺旋溝作動面を含み、前記研磨ストリップグルーブの表面は研磨加工時に前記ベアリングローラと接触する研磨ストリップグルーブ作動面を含み、研磨加工において、前記第1螺旋溝と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとに1つのベアリングローラが配置され、各交点に対応して、前記第1螺旋溝作動面と前記研磨ストリップグルーブ作動面とにより囲まれた領域が研磨加工領域となり、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブは前記研磨ストリップユニットの軸線周りに相対的に回動しながら、前記研磨ストリップユニットの軸線に沿って相対往復直線運動を行う、前記研磨ストリップユニットの軸線周りに相対往復螺旋運動を行うか、又は相対往復運動がなく、前記研磨ストリップは前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記第1螺旋溝内に配置されているベアリングローラに作動圧力を
印加し、前記研磨加工領域において、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面にそれぞれ接触し、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面又は研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動しながら、前記研磨ストリップグルーブ作動面と第1螺旋溝作動面とによる押合いの作用により前記第1螺旋溝及び研磨ストリップグルーブのそれぞれに沿って移動し、前記ベアリングローラの転動面は前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面が研磨加工を受け、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は直線グルーブ作動面であり、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝である場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は第2螺旋溝作動面であり、前記第1螺旋溝作動面は第1螺旋溝走査面にあり、前記第1螺旋溝走査面は一定断面走査面であり、前記第1螺旋溝作動面は連続的又は断続的なものであり、前記ベアリングローラを前記第1螺旋溝走査面の実体走査による走査輪郭A、前記第1螺旋溝走査面の走査経路Aを円柱状螺旋線、前記ベアリングローラの軸線上の1つの幾何学的基準点を通る走査経路Aを円柱状螺旋線Aとし、全ての円柱状螺旋線Aは同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線Aの軸線は前記研磨スリーブの軸線であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は研磨ストリップグルーブ走査面にあり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は一定断面走査面であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面は連続的又は断続的なものであり、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである場合、前記研磨ストリップグルーブ走査面は直線グルーブ走査面であり、前記ベアリングローラを前記直線グルーブ走査面の実体走査による走査輪郭B1、前記直線グルーブ走査面の走査経路B1を前記研磨ストリップユニットのアレイ軸に平行な直線、前記幾何学的基準点を通る走査経路B1を直線Bとし、前記直線Bから前記アレイ軸までの距離をアレイ半径、前記アレイ軸を前記研磨ストリップユニットの軸線とし、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝である場合、前記研磨ストリップグルーブ走査面は第2螺旋溝走査面であり、前記ベアリングローラを前記第2螺旋溝走査面の実体走査による走査輪郭B2、前記第2螺旋溝走査面の走査経路B2を円柱状等距離螺旋線、前記幾何学的基準点を通る走査経路B2を円柱状螺旋線Bとし、全ての円柱状螺旋線Bは同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線Bの軸線は前記研磨ストリップユニットのアレイ軸であり、前記円柱状螺旋線Bの半径は前記研磨ストリップユニットのアレイ半径であり、前記アレイ軸は前記研磨ストリップユニットの軸線であり、前記直線グルーブの軸直角断面は前記直線Bに垂直な平面であり、前記第2螺旋溝の軸直角断面は前記円柱状螺旋線Bの接線に垂直であって前記接線の接点を通る平面であり、研磨加工において、前記アレイ半径は前記円柱状螺旋線Aの半径に等しい。
【0016】
さらに、本発明の前記研磨工具キットにおいては、前記ベアリングローラは円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラのうちの1つであり、前記ベアリングローラのタイプによって、前記幾何学的基準点、前記第1螺旋溝走査面の走査輪郭Aであるベアリングローラと前記研磨スリーブとの相対位置関係、前記研磨ストリップグルーブ走査面の走査輪郭Bであるベアリングローラと前記研磨ストリップユニットとの相対位置関係はそれぞれ、以下のとおりであり、1)前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円筒ローラの重心であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブであり、前記走査輪郭B1である円筒ローラの軸線は前記直線Bと重なり、前記走査輪郭B1を前記走査経路B1に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップの正面において前記走査輪郭B1が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面であり、前記走査経路Aは円柱状等距離螺旋線又は円柱状非等距離螺旋線であり、前記走査輪郭Aである円筒ローラの軸線は前記研磨スリーブの軸線に平行であり、前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブの内面において前記走査輪郭Aである円筒ローラの転動面と一端の端面丸面取りが包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面であり、2)前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記幾何学的基準点は前記円錐ローラの重心であり、前記研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブであり、前記走査輪郭B1である円錐ローラの軸線は前記研磨ストリップユニットの軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線と前記直線Bとの夾角をγ、前記円錐ローラの半円錐角をφとすると、γ+φ<45°であり、前記走査輪郭B1を前記走査経路B1に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップの正面において前記走査輪郭B1である円錐ローラの転動面が包絡して形成するV字形の両側面は前記直線グルーブ走査面であり、前記走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記走査輪郭Aである円錐ローラの軸線は前記研磨スリーブの軸断面内にあり、前記円錐ローラの軸線と前記研磨スリーブの軸線との夾角をδとすると、δ=γであり、前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブの内面において前記走査輪郭Aである円錐ローラの転動面と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面であり、前記大径端の表面は前記円錐ローラの球面基準面を含む、前記円錐ローラの大径端の端面丸面取りを含むか、又は前記球面基準面と大径端の端面丸面取りを含み、3)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記球面ローラの転動面の直径が最も大きい横断面切断円を最大径切断円とし、前記幾何学的基準点は前記最大径切断円の円心であり、前記第1螺旋溝は連続的又は断続的なものであり、前記第1螺旋溝が連続的なものである場合、前記研磨スリーブは一体構造であり、前記第1螺旋溝が断続的なものである場合、前記研磨スリーブは別体構造であり、前記別体構造の研磨スリーブは円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨スリーブユニットバーで構成され、各第1螺旋溝は各研磨スリーブユニットバーの正面で構成される前記研磨スリーブの内面に断続的に分布しており、各研磨スリーブユニットバーが前記研磨スリーブの径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面の研磨加工中の摩損を補償するように、隣接する研磨スリーブユニットバーの間には前記研磨スリーブの周方向に隙間が存在し、前記走査輪郭Aである球面ローラは球面基準面無しの対称型球面ローラ、球面基準面付きの対称型球面ローラ及び非対称型球面ローラのうちの1つであり、前記走査経路Aは円柱状等距離螺旋線であり、前記円柱状螺旋線Aのリード角をλとし、前記球面ローラの軸線と前記研磨スリーブの軸線との夾角をαとすると、α+λ=90°であり、前記円心から前記研磨スリーブの軸線までの垂線Aは前記球面ローラの軸線に垂直であり、前記球面ローラの転動面の軸断面プロフィルの曲率半径をRc、前記円柱状螺旋線Aの半径をR0、前記最大径切断円の半径をrとすると、Rc=R0(1+tan2λ)+rであり、前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブの内面において前記走査輪郭Aが包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面であり、前記走査輪郭B1である球面ローラと前記走査輪郭Aである球面ローラとが同じである場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブであれば、前記球面ローラの軸線と前記直線Bとの夾角をβとすると、β=αであり、前記円心から前記研磨ストリップユニットの軸線までの垂線Bは前記球面ローラの軸線に垂直であり、前記走査輪郭B1を前記走査経路B1に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップの正面において前記走査輪郭B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面又は前記走査輪郭B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面と一端の端面丸面取り、又は前記走査輪郭B1である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面と基準端の表面、又は前記走査輪郭B1である非対称型球面ローラの転動面と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面であり、前記基準端の表面は前記球面基準面付きの対称型球面ローラの球面基準面を含む、前記球面基準面とは同一端の端面丸面取りを含むか、又は前記球面基準面と前記球面基準面とは同一端の端面丸面取りを含み、前記大径端の表面は前記非対称型球面ローラの球面基準面を含む、前記非対称型球面ローラの大径端の端面丸面取りを含むか、前記球面基準面と大径端の端面丸面取りを含み、前記走査輪郭B2である球面ローラと前記走査輪郭Aである球面ローラとが同じであり、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記球面ローラの軸線と前記研磨ストリップユニットの軸線との夾角をξとすると、ξ=αであり、前記円心から前記研磨ストリップユニットの軸線までの垂線Bは前記球面ローラの軸線に垂直であり、前記円柱状螺旋線Bと示される円柱状螺旋線Aとの回し方向が反対しており、前記走査輪郭B2を前記走査経路B2に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップの正面において前記走査輪郭B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面又は前記走査輪郭B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面と一端の端面丸面取り、又は前記走査輪郭B2である球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面と基準端の表面、又は前記走査輪郭B2である非対称型球面ローラの転動面と大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第2螺旋溝走査面である。
【0017】
本発明の前記研磨工具キットは強磁性材質のベアリングローラの転動面の仕上げ加工に用いられ、前記ベアリングローラのタイプによって、円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造が設けられており、具体的には、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、研磨加工時に前記転動面と接触する前記第1螺旋溝の表面は第1螺旋溝作動面1とし、前記研磨スリーブは透磁材料で製造され、前記研磨スリーブの実体内部には前記円筒状磁性構造が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブの軸断面に分布している研磨スリーブ磁場が形成され、前記第1螺旋溝作動面1は前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれているか、又は研磨スリーブの実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリアが設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線が前記第1螺旋溝作動面1における前記研磨スリーブの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、2)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨加工時に前記転動面と接触する前記研磨ストリップグルーブの表面は研磨ストリップグルーブ作動面1とし、前記研磨ストリップは透磁材料で製造され、前記研磨ストリップの実体の内部において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場が形成され、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料が嵌め込まれているか、又は研磨ストリップの実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリアが設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0018】
本発明はま
た、ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備であって、本体と、外部循環システムと、研磨スリーブ治具と、研磨ストリップユニット治具と、本発明の前記ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キットと、を含み、前記研磨スリーブ治具は前記研磨スリーブをクランプするものであり、前記研磨スリーブが前記別体構造である場合、前記研磨スリーブ治具は、円形アレイに分布している柱状の、前記研磨スリーブユニットバーを固定して接続するための1組の研磨スリーブユニットバー受け部と、前記研磨スリーブユニットバー受け部の外周に位置する径方向収縮機構と、を含み、前記径方向収縮機構は径方向収縮部材と、前記研磨スリーブと同軸のベースブッシュと、を含み、前記研磨スリーブの軸線は前記研磨スリーブ治具の軸線であり、前記ベースブッシュは前記本体に接続され、前記径方向収縮部材は前記研磨スリーブユニットバー受け部及びベースブッシュにそれぞれ接続されて、全ての研磨スリーブユニットバー受け部及びそれにおける研磨スリーブユニットバーを駆動して前記研磨スリーブ治具の径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面の摩損を補償し、前記ベースブッシュと前記研磨スリーブユニットバー受け部との間でトルクを伝達し、前記研磨ストリップユニット治具は前記研磨ストリップユニットをクランプするものであり、前記研磨ストリップユニット治具は、円形アレイに分布している柱状の、前記研磨ストリップを固定して接続するための1組の研磨ストリップ受け部と、前記研磨ストリップユニット治具の中心に位置する径方向拡張機構と、を含み、前記研磨ストリップの背面は、前記研磨ストリップ受け部のうち前記研磨ストリップユニット治具の外周に位置する面に固定して接続され、前記径方向拡張機構は径方向拡張部材と、前記研磨ストリップユニットと同軸のベース芯軸と、を含み、前記研磨ストリップユニットの軸線は前記研磨ストリップユニット治具の軸線であり、前記ベース芯軸は前記本体に接続され、前記径方向拡張部材は前記研磨ストリップ受け部及びベース芯軸にそれぞれ接続されて、全ての研磨ストリップ受け部及びそれにおける研磨ストリップを駆動して、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張して負荷をかけ、前記ベース芯軸と前記研磨ストリップ受け部との間でトルクを伝達し、前記研磨工具キットの相対回動方式によって、前記本体の構成は研磨ストリップユニット回動型又は研磨スリーブ回動型であり、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記本体は研磨ストリップユニット回動駆動部材と、研磨スリーブ治具クランプ部材と、を含み、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持して、前記研磨ストリップユニットを回動駆動するものであり、前記研磨スリーブ治具クランプ部材は前記研磨スリーブ治具をクランプするものであり、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記本体は、研磨スリーブ回動駆動部材と、研磨ストリップユニット治具挟持部材と、を含み、前記研磨スリーブ回動駆動部材は前記研磨スリーブ治具をクランプして、前記研磨スリーブを回動駆動するものであり、前記研磨ストリップユニット治具挟持部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持するものであり、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記本体は往復運動システムをさらに含み、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブであれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線周りに相対往復螺旋運動を行い、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブであれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線周りに相対往復螺旋運動を行い、前記外部循環システムは、収集手段と、整理手段と、搬送手段と、移送サブシステムと、を含み、前記収集手段は前記第1螺旋溝の出口に設けられ、各第1螺旋溝の出口を介して前記研磨加工領域から離れたベアリングローラを収集するものであり、前記ベアリングローラのタイプによって、前記整理手段の作用はそれぞれ、以下のとおりであり、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ、球面基準面無しの対称型球面ローラ又は球面基準面付きの対称型球面ローラである場合、前記整理手段は前記ベアリングローラを整理して前記搬送手段によって求められる列にし、2)前記ベアリングローラが円錐ローラ又は非対称型球面ローラである場合、前記整理手段は前記ベアリングローラを整理して前記搬送手段によって求められる列にし、前記ベアリングローラの小径端の向きを一致させ、前記本体の構成によって、前記設備において前記搬送手段の配置位置及び作動方式はそれぞれ、以下のとおりであり、1)研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記搬送手段は前記第1螺旋溝の入口に設けられ、前記搬送手段のフレームと前記研磨スリーブとの相対位置が一定に保持され、前記搬送手段には搬送通路が設けられており、前記搬送通路は前記入口で前記第1螺旋溝と交差し、前記搬送手段は前記搬送通路を介して前記ベアリングローラを前記研磨ストリップグルーブに送り、2)研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段は前記研磨スリーブのうち前記第1螺旋溝の入口に位置する一端に設けられ、前記搬送手段のフレームと前記研磨スリーブは前記研磨スリーブの軸線の方向において相対位置を一定に保持し、前記搬送手段のフレームと前記研磨ストリップグルーブは前記研磨ストリップユニットの周方向において相対位置を一定に保持し、各研磨ストリップグルーブは、前記研磨スリーブの端面以外に位置し、前記端面に近い領域が搬送待機領域であり、前記端面は前記第1螺旋溝の入口端に位置し、前記搬送手段は前記搬送待機領域を介して前記ベアリングローラを前記第1螺旋溝の入口に送り、前記移送サブシステムは前記外部循環システムの各手段の間で前記ベアリングローラを移送するものであり、研磨加工過程では、前記ベアリングローラの前記外部循環システムにおける外部循環移動経路は、前記第1螺旋溝の出口から収集手段、整理手段、搬送手段を順次通過して、前記第1螺旋溝の入口まで至るものであり、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブとの間での前記第1螺旋溝に沿う螺旋移動経路と前記外部循環システムにおける外部循環移動経路とが組み合わせられて閉循環となり、前記径方向収縮機構は円錐面径方向収縮機構、連通型流体圧力径方向収縮機構、及び微小変位ユニット径方向収縮機構のうちの1つであり、前記径方向拡張機構は円錐面径方向拡張機構、連通型流体圧力径方向拡張機構、及び微小変位ユニット径方向拡張機構のうちの1つであるベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備をさらに提案する。
【0019】
本発明の前記設備は強磁性材質のベアリングローラの転動面用の仕上げ加工に用いられ、前記ベアリングローラのタイプによって、円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造が設けられており、具体的には、1)前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、研磨加工時に前記転動面と接触する前記第1螺旋溝の表面は第1螺旋溝作動面1とし、前記研磨スリーブは透磁材料で製造され、以下の2つの位置のいずれかに前記円筒状磁性構造が設けられ、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブの軸断面に分布している研磨スリーブ磁場を形成し、a)前記研磨スリーブの実体内部には前記円筒状磁性構造が嵌設されており、前記第1螺旋溝作動面1は前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれているか、又は研磨スリーブの実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリアが設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線が前記第1螺旋溝作動面1における前記研磨スリーブの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、b)前記研磨スリーブ治具は透磁材料で製造される磁性カラーをさらに含み、前記研磨スリーブ治具は前記磁性カラーによって前記研磨スリーブをクランプし、前記磁性カラーの内壁の中央部に前記円筒状磁性構造が嵌設され、前記磁性カラーは前記研磨スリーブの外周に嵌着され、前記磁性カラーと前記研磨スリーブは前記円筒状磁性構造の両端で連結されて前記研磨スリーブ磁場を導通し、前記第1螺旋溝作動面1は前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれているか、又は前記第1螺旋溝作動面1と反対する研磨スリーブの外壁において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリアが設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線が前記第1螺旋溝作動面1における前記研磨スリーブの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、2)前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨加工時に前記転動面と接触する前記研磨ストリップグルーブの表面は研磨ストリップグルーブ作動面1とし、前記研磨ストリップは透磁材料で製造され、以下の2つの位置のいずれかに前記短冊状磁性構造が設けられており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場を形成し、a)前記研磨ストリップの実体内部には前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造が嵌設されており、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料が嵌め込まれているか、又は研磨ストリップの実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリアが設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、b)前記研磨ストリップ受け部は透磁材料で製造され、前記研磨ストリップ受け部のうち前記研磨ストリップの背面に対向する表面層の中央部には前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造が嵌設され、前記研磨ストリップ受け部と前記研磨ストリップは前記短冊状磁性構造の両側で連結されて前記研磨ストリップ磁場を導通し、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料が含まれているか、又は前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する研磨ストリップの背面において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリアが設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップの実体を通過するときの磁気抵抗を大きくし、前記外部循環システムは、前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場により磁化された強磁性材質のベアリングローラを消磁するか、又は前記短冊状磁性構造の研磨ストリップ磁場により磁化された強磁性材質のベアリングローラを消磁するための脱磁
手段をさらに含む。
【0020】
本発明はまた、ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法であって、本発明の前記ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備を用いて、ベアリングローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することを可能とし、前記径方向拡張機構を起動させて、前記第1螺旋溝と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとの研磨加工領域の空間にベアリングローラが1つしか収納できなくなるまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブの内面に接近させるステップ1と、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材又は研磨スリーブ回動駆動部材を起動させて、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブを0~10rpmの初期速度で相対回動させ、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記往復運動システムも起動させるステップ2と、前記移送サブシステム、整理手段及び搬送手段を起動させ、前記搬送手段、移送サブシステム及び整理手段の運転速度を調整することにより、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブとの間での前記第1螺旋溝に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確立するステップ3と、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブとの相対回動速度を5~60rpmの作動回動速度に調整し、さらに前記搬送手段、移送サブシステム及び整理手段の運転速度を調整し、前記外部循環システムの収集手段、整理手段、搬送手段及び移送サブシステムのそれぞれにおけるベアリングローラの存在量をマッチングさせ、外部循環を円滑で整然とするものとするステップ4と、前記研磨加工領域に研磨液を注入するステップ5と、1)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内のベアリングローラが前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面のそれぞれと接触するまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブの内面にさらに接近させることと、2)前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加すると、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面又は研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動を行いながら、前記第1螺旋溝作動面と研磨ストリップグルーブ作動面とによる押合いの作用により、前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝のそれぞれに沿って移動し、前記転動面は前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面が前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け始めることとを含む、ステップ6と、研磨加工が安定的に進むに伴い、前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均2~50Nの作動圧力を印加すると、前記ベアリングローラはステップ6に記載の前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係、自体の軸線周りの回転運動及び前記研磨ストリップグルーブと第1螺旋溝に沿う運動関係を維持し、前記転動面は前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け続けるステップ7と、前記研磨スリーブが前記別体構造である場合、前記径方向収縮機構を調整することによって前記第1螺旋溝作動面の摩損をリアルタイムで補償し、研磨加工を所定時間行った後、前記ベアリングローラに対して抜き取り検査を行い、前記転動面の表面品質、形状精度及び寸法一貫性が技術的要件を満たさない場合、本ステップの研磨加工を持続し、前記転動面の表面品質、形状精度及び寸法一貫性が技術的要件を満たす場合、ステップ9に移行するステップ8と、前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで減少して、前記整理手段、搬送手段及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブとの相対回動速度をゼロまで調整し、ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止し、前記研磨加工領域への研磨液注入を停止し、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させるステップ9と、を含む方法を提案する。
【0021】
本発明はまた、強磁性材質のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法を提案しており、前述方法と比べて、以下の点は相違する。前述強磁性材質のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の設備を用いて、強磁性材質のベアリングローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することを可能とし、本発明の前記方法の具体的なステップは、前述方法の具体的なステップと比べて、以下の点が異なり、ステップ3では、前記移送サブシステム、整理手段、搬送手段及び脱磁手段を起動させ、前記搬送手段、移送サブシステム及び整理手段の運転速度を調整することにより、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブとの間での前記第1螺旋溝に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確率し、ステップ6では、2)前記径向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加すると、前記円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造は作動状態になり、前記研磨スリーブ磁場又は研磨ストリップ磁場の磁場強度を調整し、前記ベアリングローラを駆動してその自体の軸線周りに回転運動を行いながら、前記第1螺旋溝作動面と研磨ストリップグルーブ作動面との押合いによる作用により前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝のそれぞれに沿って移動し、記転動面は前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、前記転動面は前記第1螺旋溝作動面及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け、ステップ9では、前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで減少して、前記整理手段、搬送手段及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブとの相対回動速度をゼロまで調整し、ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止し、前記円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造を非作動状態に切り替えて、前記脱磁手段の運転を停止し、前記研磨加工領域への研磨液注入を停止し、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させる。
【発明の効果】
【0022】
従来技術と比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0023】
円筒ローラ又は円錐ローラの転動面を仕上げ加工する場合、本発明では、前記第1螺旋溝は研磨スリーブの内面に設けられ、各直線グルーブは径方向に拡張可能であって円形アレイに分布している柱状の研磨ストリップユニットの研磨ストリップに設けられる。本発明の前記研磨ストリップユニットのアレイ半径が固定値であるため、従来技術のように研磨盤基面である正円錐面の大端と小端の円周の周長が異なることにより直線グルーブの数が正円錐面の小端の円周の周長により制限されることはなく、また、研磨に付する円筒ローラ又は円錐ローラの数が従来技術よりも大幅に増加し、複数のサンプルを直接に比較して加工する方法のメリットを十分に発揮させることができ、一方、前記第1螺旋溝の位置によって前記研磨ストリップユニットの軸線周りに前記直線グルーブに対して回動する線速度が同じであり、円筒ローラ又は円錐ローラは前記第1螺旋溝の各位置での自転速度が同じであり、円筒ローラ又は円錐ローラの転動面の材料除去速度及び研磨工具作動面の摩損速度は円筒ローラ又は円錐ローラの前記第1螺旋溝での位置に応じて変化することはなく、これは円筒ローラ又は円錐ローラの転動面の寸法一貫性の向上に有利である。
【0024】
球面ローラの転動面を仕上げ加工する場合、本発明では、従来技術における凹弧線状グルーブを延伸して拡張させて第1螺旋溝に変形し、研磨スリーブの内面に設け、従来技術における単一の螺旋溝を伸展して直線グルーブ又は第2螺旋溝に変形し、複数本の直線グルーブ又は第2螺旋溝を径方向に拡張可能であって円形アレイに分布している柱状の研磨ストリップユニットの研磨ストリップに設け、前記研磨スリーブと前記研磨ストリップユニットを同軸にし、また、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブとの相対往復直線運動又は往復螺旋運動を付加して球面ローラを駆動してその自体の軸線周りに回転させる。一方面、従来技術における凹弧線状グルーブを延伸して拡張させて変形した第1螺旋溝の螺旋ごとに従来技術における凹円弧状回動面の少なくとも2つの凹弧線状グルーブに相当し、特に幾何学原理及び成形原理の点では前記研磨スリーブ及び研磨ストリップユニットの軸方向の長さが制限されず、このため、実際の生産においては前記第1螺旋溝及び直線グルーブ又は第2螺旋溝の長さを適宜増大してもよく、また、研磨に付する球面ローラの数が従来技術よりも大幅に増加し、このように、複数のサンプルを直接に比較して加工する方法のメリットを十分に発揮させることができ、一方、同一の時刻には前記直線グルーブ又は第2螺旋溝が前記第1螺旋溝の各位置に対する往復直線運動又は往復螺旋運動の線速度が同じであるため、前記第1螺旋溝の各位置での球面ローラの自転速度が同じであり、球面ローラの転動面の材料除去速度及び研磨工具作動面の摩損速度は球面ローラの前記第1螺旋溝での位置の変化に応じて変化することはなく、これは球面ローラの転動面の寸法一貫性の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1-1】円筒ローラを仕上げ加工する研磨工具キットの概略図である。
【
図1-3】研磨加工状態での円筒ローラの直線グルーブ及び第1螺旋溝内における分布の概略図である。
【
図1-4】直線グルーブ走査面と円筒ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図1-5】円筒ローラを仕上げ加工する直線グルーブ走査面の軸直角断面の輪郭概略図である。
【
図1-6】第1螺旋溝走査面と円筒ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図1-7(a)】円筒ローラと第1螺旋溝作動面との接触関係の一例の概略図である。
【
図1-7(b)】円筒ローラと第1螺旋溝作動面との別の接触関係の概略図である。
【
図1-8(a)】円錐面径方向拡張機構の概略図である。
【
図1-8(b)】
図1-8(a)に示す切断位置での断面図である。
【
図1-8(c)】連通型流体径方向拡張機構の概略図である。
【
図1-8(d)】
図1-8(c)に示す切断位置での断面図である。
【
図1-8(e)】微小変位ユニット径方向拡張機構の概略図である。
【
図1-8(f)】
図1-8(e)に示す切断位置での断面図である。
【
図1-9】円筒ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動及び外部循環システムの概略図である。
【
図1-10】研磨ストリップユニット回動型本体において円筒ローラが搬送通路を介して直線グルーブに入る様子の概略図である。
【
図1-11】縦型研磨スリーブ回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動、及び円筒ローラが直線グルーブを介して第1螺旋溝の入口に入る様子の概略図である。
【
図2-1(a)】円筒ローラを仕上げ加工する円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の一例の概略図である。
【
図2-1(b)】
図2-1(a)におけるA部の拡大図であって、研磨加工領域の磁力線が好ましくは強磁性材質の円筒ローラを通過する様子の概略図である。
【
図2-2(a)】円筒ローラを仕上げ加工する別の円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図2-2(b)】
図2-2(a)におけるB部の拡大図であって、研磨加工領域の磁力線が好ましくは強磁性材質の円筒ローラを通過する様子の概略図である。
【
図2-3】円筒ローラを仕上げ加工する、さらに別の円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図2-4】円筒ローラを仕上げ加工する、さらなる円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図2-5】脱磁手段を含む、円筒ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図である。
【
図3-1】円錐ローラを仕上げ加工する研磨工具キットの概略図である。
【
図3-2(a)】円錐ローラの3次元構造概略図である。
【
図3-2(b)】円錐ローラの2次元構造概略図である。
【
図3-3】研磨加工状態での円錐ローラの直線グルーブ及び第1螺旋溝内における分布の概略図である。
【
図3-4】直線グルーブ走査面と円錐ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図3-5(a)】円錐ローラを仕上げ加工する直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭の概略図である。
【
図3-5(b)】円錐ローラを仕上げ加工する直線グルーブ作動面の軸直角断面輪郭の概略図である。
【
図3-6】円錐ローラと直線グルーブ作動面との接触関係の概略図である。
【
図3-7】第1螺旋溝走査面と円錐ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図3-8】円錐ローラと第1螺旋溝作動面との接触関係の概略図である。
【
図3-9】円錐ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動、及び外部循環システムの概略図である。
【
図3-10】横型研磨ストリップユニット回動型本体において円錐ローラが搬送通路を介して直線グルーブに入る様子の概略図である。
【
図3-11】縦型研磨スリーブ回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動、及び円錐ローラが直線グルーブを介して第1螺旋溝の入口に入る様子の概略図である。
【
図4-1(a)】円錐ローラを仕上げ加工する円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の一例の概略図である。
【
図4-1(b)】
図4-1(a)におけるC部の拡大図であって、研磨加工領域の磁力線が好ましくは強磁性材質の円錐ローラを通過する様子の概略図である。
【
図4-2(a)】円錐ローラを仕上げ加工する別の円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図4-2(b)】
図4-2(a)におけるD部の拡大図であって、研磨加工領域の磁力線が好ましくは強磁性材質の円錐ローラを通過する様子の概略図である。
【
図4-3】円錐ローラを仕上げ加工する、さらに別の円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図4-4】円錐ローラを仕上げ加工する、さらなる円筒状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図4-5】脱磁手段を含む、円錐ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図である。
【
図5-1(a)】球面ローラを仕上げ加工する研磨工具キットの概略図である。
【
図5-1(b)】前記研磨ストリップの研磨ストリップグルーブが第2螺旋溝であるときの構造概略図である。
【
図5-2(a)】球面基準面無しの対称型球面ローラの3次元構造概略図である。
【
図5-2(b)】球面基準面無しの対称型球面ローラの2次元構造概略図である。
【
図5-2(c)】球面基準面付きの対称型球面ローラの3次元構造概略図である。
【
図5-2(d)】球面基準面付きの対称型球面ローラの2次元構造概略図である。
【
図5-2(e)】非対称型球面ローラの3次元構造概略図である。
【
図5-2(f)】非対称型球面ローラの2次元構造概略図である。
【
図5-3】研磨加工状態での球面ローラの直線グルーブ及び第1螺旋溝内における分布概略図である。
【
図5-4(a)】第1螺旋溝走査面と球面ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図5-4(b)】
図5-4(a)におけるE部の拡大図である。
【
図5-5】球面ローラを仕上げ加工する第1螺旋溝走査面の軸直角断面輪郭の概略図である。
【
図5-6】球面ローラと第1螺旋溝作動面との接触関係の概略図である。
【
図5-7(a)】直線グルーブ走査面と球面基準面付きの対称型球面ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図5-7(b)】第2螺旋溝走査面と球面基準面付きの対称型球面ローラとの実体走査関係の概略図である。
【
図5-8】球面基準面付きの対称型球面ローラと直線グルーブ作動面との接触関係の概略図である。
【
図5-9(a)】円錐面径方向収縮機構の概略図である。
【
図5-9(b)】
図5-9(a)に示す切断位置での断面図である。
【
図5-9(c)】連通型流体径方向収縮機構の概略図である。
【
図5-9(d)】
図5-9(c)に示す切断位置での断面図である。
【
図5-9(e)】微小変位ユニット径方向収縮機構の概略図である。
【
図5-9(f)】
図5-9(e)に示す切断位置での断面図である。
【
図5-10】球面ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動及び外部循環システムの概略図である。
【
図5-11】横型研磨ストリップユニット回動型本体において球面ローラが搬送通路を介して直線グルーブに入る様子の概略図である。
【
図5-12】縦型研磨スリーブ回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動、及び球面ローラが直線グルーブを介して第1螺旋溝の入口に入る様子の概略図である。
【
図6-1】球面ローラを仕上げ加工する短冊状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の一例の概略図である。
【
図6-2】球面ローラを仕上げ加工する短冊状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図6-3】球面ローラを仕上げ加工する、さらなる短冊状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図6-4】球面ローラを仕上げ加工する、さらなる短冊状磁性構造、及び研磨加工領域の磁場分布の概略図である。
【
図6-5】脱磁手段を含む、球面ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面及び実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものとして理解すべきではない。また、以下の実施形態に記載の構成要素の寸法、材質、形状及びこれらの相対配置などは、特に断らない限り、本発明の範囲を制限するものではない。研磨工具キット実施例1円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0027】
図1-1に示すように、前記研磨工具キットは研磨スリーブ21と、研磨ストリップユニットと、を含む。研磨加工において、前記研磨スリーブ21と前記研磨ストリップユニットは同軸であり、図においては、符号213は前記研磨スリーブ21の軸線であり、符号223は前記研磨ストリップユニットの軸線であり、前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブ21を貫通する。前記研磨スリーブ21の内面には1本又は複数本の第1螺旋溝211が設けられ、前記第1螺旋溝211は円柱状螺旋溝である。前記研磨ストリップユニットは、円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨ストリップ22を含み、各研磨ストリップ22は前記研磨スリーブ21の内面に対向する面を前記研磨ストリップ22の正面とし、各研磨ストリップ22の正面には、前記研磨ストリップ22の長さ方向に沿って前記研磨ストリップ22を貫通する1本の直線グルーブ221が設けられる。
図1-1に示す研磨スリーブ21の内面には第1螺旋溝211は1本しかなく、
図1-4に示すように、符号2221は直線Bである。
【0028】
図1-2は加工対象の円筒ローラの3次元構造であり、前記円筒ローラの表面は、転動面32と、一端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、他端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、を含む。
【0029】
図1-1及び
図1-3(
図1-3は研磨加工状態での前記円筒ローラの前記第1螺旋溝211及び直線グルーブ221内における分布の概略図であり、図の左側では、研磨ストリップが切断されて、前記円筒ローラの前記第1螺旋溝211内における分布が示されている)に示すように、前記第1螺旋溝211の表面は、研磨加工時に前記円筒ローラと接触する第1螺旋溝作動面2111と、前記円筒ローラと接触しない非作動面(図示せず)と、を含む。前記直線グルーブ221の表面は研磨加工時に前記円筒ローラと接触する直線グルーブ作動面2211と、前記円筒ローラと接触しない非作動面(図示せず)と、を含む。
【0030】
図1-1、
図1-3、
図1-9及び
図1-11に示すように、研磨加工において、前記第1螺旋溝211と前記直線グルーブ221との交点ごとに1つの円筒ローラが配置される。各交点に対応して、前記第1螺旋溝作動面2111と前記直線グルーブ作動面2211とにより囲まれた領域が研磨加工領域となる。
図1-8(a)、
図1-8(b)、
図1-8(c)、
図1-8(d)、
図1-8(e)及び
図1-8(f)に示すように、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対的に回動しながら、前記研磨ストリップ22は前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記第1螺旋溝211内に配置されている円筒ローラに作動圧力を印加する。前記研磨加工領域において、前記円筒ローラは前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211にそれぞれ接触する。前記円筒ローラは前記第1螺旋溝作動面2111の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動しながら、前記直線グルーブ作動面2211と第1螺旋溝作動面2111とによる押合いの作用により前記第1螺旋溝211及び直線グルーブ221のそれぞれに沿って移動し、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面32が研磨加工を受け始める。
【0031】
前記直線グルーブ作動面2211は直線グルーブ走査面2212にあり、前記直線グルーブ走査面2212は一定断面走査面である。
図1-1、
図1-3及び
図1-4に示すように、前記円筒ローラを前記直線グルーブ走査面2212の実体走査による走査輪郭B、前記直線グルーブ走査面2212の走査経路Bを前記研磨ストリップユニットのアレイ軸に平行な直線、前記円筒ローラの重心O
1(前記円筒ローラの軸線上にある)を通る走査経路Bを直線B2221、前記直線B2221から前記アレイ軸までの距離をアレイ半径、前記アレイ軸を前記研磨ストリップユニットの軸線とする。前記走査輪郭Bである円筒ローラの軸線31は前記直線B2221と重なる。前記走査輪郭Bを前記走査経路Bに沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップ22の正面において前記走査輪郭Bが包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面2212である。
【0032】
前記直線グルーブ221の軸直角断面は前記直線B2221に垂直な平面である。
図1-4及び
図1-5に示すように、直線グルーブの軸直角断面2213内では、前記直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭A22131は円弧Aであり、前記円弧Aの曲率半径が前記転動面32の曲率半径に等しい。前記直線グルーブの軸直角断面2213内では、前記直線グルーブ作動面2211の初期輪郭は前記円弧A、断続的な円弧A、前記円弧Aに外接するV字形、又は前記円弧Aに外接する多角形である。
【0033】
研磨加工において、
図1-3に示すように、前記転動面32は前記直線グルーブ作動面2211と面接触を起こす。
【0034】
前記直線グルーブ走査面2212が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記直線グルーブ221の各位置での直線グルーブの軸直角断面2213内で、前記直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭A22131が一定に保持されることを意味する。
【0035】
理解できるものとして、本発明では、前記直線グルーブ走査面2212と前記直線グルーブ作動面2211との関係は以下のとおりである。前記直線グルーブ走査面2212は連続的な面であり、前記直線グルーブ作動面2211と前記直線グルーブ走査面2212は形状、位置
及び境界が同じであり、前記円筒ローラと前記直線グルーブ作動面2211との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に影響を与えない限り、前記直線グルーブ作動面2211は断続的なものであってもよい。
【0036】
本発明では、全ての直線グルーブ221は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに均等に分布しているのが好ましい。
【0037】
前記第1螺旋溝作動面2111は第1螺旋溝走査面2112にあり、前記第1螺旋溝走査面2112は一定断面走査面である。前記第1螺旋溝作動面2111は、研磨加工時に前記転動面32と接触する第1螺旋溝作動面121111と、前記円筒ローラの一端の端面丸面取り34と接触する第1螺旋溝作動面221112と、を含む。前記第1螺旋溝作動面121111及び第1螺旋溝作動面221112はそれぞれ第1螺旋溝走査面121121及び第1螺旋溝走査面221122にある。
図1-1、
図1-3及び
図1-6に示すように、前記円筒ローラを前記第1螺旋溝走査面2112の実体走査による走査輪郭A、前記第1螺旋溝走査面2112の走査経路Aを円柱状螺旋線、前記円柱状螺旋線を円柱状等距離螺旋線又は円柱状非等距離螺旋線、前記円筒ローラの重心O
1を通る走査経路Aを円柱状螺旋線A2121とし、全ての円柱状螺旋線A2121は同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線A2121の軸線は前記研磨スリーブ21の軸線である。前記走査輪郭Aである円筒ローラの軸線31は前記研磨スリーブの軸線213に平行である。前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブ21の内面において前記走査輪郭Aである円筒ローラの転動面32と一端の端面丸面取り34が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面2112である。ここでは、前記転動面32が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面121121であり、前記端面丸面取り34が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面221122である。
【0038】
研磨加工において、前記アレイ半径は前記円柱状螺旋線A2121の半径に等しい。
【0039】
前記直線グルーブ作動面2211の拘束により、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面121111と線接触を起こし、前記円筒ローラの一端の端面丸面取り34は前記第1螺旋溝作動面221112と接触を起こす。
【0040】
図1-7(a)及び
図1-7(b)に示すように、符号322は前記転動面32と前記第1螺旋溝作動面121111との接触線2である。
図1-7(a)に示すように、前記走査経路Aが円柱状等距離螺旋線である場合、前記円柱状等距離螺旋線のリード角が固定角であるため、前記円筒ローラの一端の端面丸面取り34は前記第1螺旋溝作動面221112と線接触を起こし、符号341は前記端面丸面取り34と前記第1螺旋溝作動面221112との接触線4である。
図1-7(b)に示すように、前記走査経路Aが円柱状非等距離螺旋線である場合、前記円柱状非等距離螺旋線のリード角が固定角ではないため、前記円筒ローラの一端の端面丸面取り34は前記第1螺旋溝作動面221112と点接触を起こし、接触点Nの前記端面丸面取り34での位置が前記円筒ローラの前記第1螺旋溝211での位置の変化に応じて変化する。
【0041】
前記第1螺旋溝走査面2112が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記第1螺旋溝211の各位置での研磨スリーブの軸断面内で、前記第1螺旋溝走査面2112の軸断面輪郭が一定に保持されることを意味する。
【0042】
理解できるものとして、本発明では、前記第1螺旋溝走査面2112と前記第1螺旋溝作動面2111との関係は以下のとおりである。前記第1螺旋溝走査面2112は連続的な面であり、前記第1螺旋溝作動面2111と前記第1螺旋溝走査面2112は形状、位置及び境界が同じであり、前記円筒ローラと前記第1螺旋溝作動面2111との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に影響を与えない限り、前記第1螺旋溝作動面2111は断続的なものであってもよい。
【0043】
本発明では、全ての第1螺旋溝211は前記研磨スリーブの軸線213周りに均等に分布しているのが好ましい。研磨工具キット実施例2強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0044】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例1の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0045】
前記研磨スリーブ21は透磁材料で製造され、
図2-1(a)及び
図2-1(b)に示すように、
図2-1(b)は
図2-1(a)のA部を拡大したものであり、前記研磨スリーブ21の実体内部には円筒状磁性構造217が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ21の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場が形成され、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図2-1(a)及び
図2-1(b)では、前記第1螺旋溝作動面121111には1本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれている。
【0046】
前記螺旋帯状非透磁材料218の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の螺旋帯状非透磁材料の間隔に関しは、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円筒ローラを通過することを確保することが求められる。
【0047】
前記円筒状磁性構造217は永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記螺旋帯状非透磁材料218は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。研磨工具キット実施例3強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0048】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例2の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0049】
図2-2(a)及び
図2-2(b)に示すように、
図2-2(b)は
図2-2(a)のB部を拡大したものであり、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、研磨スリーブ21の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0050】
前記研磨スリーブフラックスバリア2181の幅t`、深さd`及び隣接する研磨スリーブフラックスバリアの間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円筒ローラを通過することを確保することが求められる。研磨工具キット実施例4円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0051】
図3-1に示すように、前記研磨工具キットは研磨スリーブ21と研磨ストリップユニットと、を含む。研磨加工において、前記研磨スリーブ21と前記研磨ストリップユニットは同軸であり、図においては、符号213は前記研磨スリーブ21の軸線であり、符号223は前記研磨ストリップユニットの軸線であり、前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブ21を貫通している。前記研磨スリーブ21の内面に1本又は複数本の第1螺旋溝211が設けられ、前記第1螺旋溝211は円柱状の第1螺旋溝である。前記研磨ストリップユニットは円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨ストリップ22を含み、各研磨ストリップ22は前記研磨スリーブ21の内面に対向する面を前記研磨ストリップ22の正面とし、各研磨ストリップ22の正面には、前記研磨ストリップ22の長さ方向に沿って前記研磨ストリップ22を貫通する1本の直線グルーブ221が設けられる。
図3-1に示す研磨スリーブ21の内面には第1螺旋溝211が1本しかなく、
図3-4に示すように、符号2221は直線Bである。
【0052】
図3-2(a)及び
図3-2(b)は、それぞれ加工対象の円錐ローラの3次元構造及び2次元構造を示し、前記円錐ローラの表面は転動面32と、大径端に位置する端面丸面取り34及び球面基準面33と、小径端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、を含む。
【0053】
図3-1及び
図3-3(
図3-3は研磨加工状態での前記円錐ローラの前記第1螺旋溝211及び直線グルーブ221内における分布の概略図であり、図の左側では、研磨ストリップが切断されて、前記円錐ローラの前記第1螺旋溝211内における分布が示されている)に示すように、前記第1螺旋溝211の表面は、研磨加工時に前記円錐ローラと接触する第1螺旋溝作動面2111と、前記円錐ローラと接触しない非作動面(図示せず)と、を含む。前記直線グルーブ211の表面は研磨加工時に前記円錐ローラと接触する直線グルーブ作動面2211と、前記円錐ローラと接触しない非作動面(図示せず)と、を含む。
【0054】
図3-1、
図3-3、
図3-9及び
図3-11に示すように、研磨加工において、前記第1螺旋溝211と前記直線グルーブ221との交点ごとに1つの円錐ローラが配置される。各交点に対応して、前記第1螺旋溝作動面2111と前記直線グルーブ作動面2211とにより囲まれた領域が研磨加工領域となる。
図1-8(a)、
図1-8(b)、
図1-8(c)、
図1-8(d)、
図1-8(e)及び
図1-8(f)に示すように、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対的に回動し、前記研磨ストリップ22は前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記第1螺旋溝211内に配置されている円錐ローラに作動圧力を印加する。前記研磨加工領域において、前記円錐ローラは前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211にそれぞれ接触する。前記円錐ローラは前記第1螺旋溝作動面2111の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動しながら、前記直線グルーブ作動面2211と第1螺旋溝作動面2111とによる押合いの作用により前記第1螺旋溝211及び直線グルーブ221のそれぞれに沿って移動し、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面32が研磨加工を受け始める。
【0055】
前記直線グルーブ作動面2211は直線グルーブ走査面2212にあり、前記直線グルーブ走査面2212は一定断面走査面である。
図3-1、
図3-3及び
図3-4に示すように、前記円錐ローラを前記直線グルーブ走査面2212の実体走査による走査輪郭B、前記直線グルーブ走査面2212の走査経路Bを前記研磨ストリップユニットのアレイ軸に平行な直線、前記円錐ローラの重心O
2(前記円錐ローラの軸線上にある)を通る走査経路Bを直線B2221、前記直線B2221から前記アレイ軸までの距離をアレイ半径、前記アレイ軸を前記研磨ストリップユニットの軸線とする。前記走査輪郭Bである円錐ローラの軸線31は前記研
磨ストリップユニットの軸断面内にあり、符号2231は前記研磨ストリップユニットの軸断面であり、前記円錐ローラの小径端は大径端よりも前記研磨ストリップユニットの軸線223に近く、前記円錐ローラの軸線31と前記直線B2221との夾角をγ、前記円錐ローラの半円錐角をφとすると、γ+φ<45°である。前記走査輪郭Bを前記走査経路Bに沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップ22の正面において前記走査輪郭Bである円錐ローラの転動面32が包絡して形成するV字形の両側面は前記直線グルーブ走査面2212である。
図3-5(a)及び
図3-5(b)に示すように、
図3-4においては、直線グルーブ221の底部に位置する円弧面は前記円錐ローラの小径端の端面丸面取り34が包絡して形成する走査面である。
【0056】
前記直線グルーブ221の軸直角断面は前記直線B2221に垂直な平面である。前記転動面32に凸度が設計されていない場合、
図3-4及び
図3-5(a)に示すように、直線グルーブの軸直角断面2213内で、前記直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭A22131は2本の直線分であり、2本の直線分は前記研磨ストリップユニットの軸断面2231との夾角が等しく、θとし、前記転動面32に凸度が設計された場合、前記軸直角断面輪郭A22131に対して、前記直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭は前記研磨ストリップ22の実体内へ僅かに窪んだ2本の曲線分である。
図3-5(b)に示すように、研磨加工において前記円錐ローラの小径端の端面丸面取り34と上記直線グルーブ221の底部の円弧面とが干渉しないように、
図3-6に示すように、前記円弧面から所定の深さまでの材料を除去して、前記直線グルーブ221の非作動面、例えば図に示す円弧破線よりも下の矩形溝表面を形成する。
【0057】
研磨加工において、
図3-6に示すように、前記転動面32は前記直線グルーブ作動面2211のV字形の両側面とそれぞれ線接触を起こし、符号321は前記転動面32と前記V字形の両側面との接触線1である。
【0058】
前記直線グルーブ走査面2212が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記直線グルーブ221の各位置での直線グルーブの軸直角断面2213内で、前記直線グルーブ走査面2212の軸直角断面輪郭A22131が一定に保持されることを意味する。
【0059】
理解できるものとして、本発明では、前記直線グルーブ走査面2212と前記直線グルーブ作動面2211との関係は以下のとおりである。前記直線グルーブ走査面2212は連続的な面であり、前記直線グルーブ作動面2211と前記直線グルーブ走査面2212は形状、位置及び境界が同じであり、前記円錐ローラと前記直線グルーブ作動面2211との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に与えない限り、前記直線グルーブ作動面2211は断続的なものであってもよい。
【0060】
本発明では、全ての直線グルーブ221は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに均等に分布しているのが好ましい。
【0061】
前記第1螺旋溝作動面2111は第1螺旋溝走査面2112にあり、前記第1螺旋溝走査面2112は一定断面走査面である。前記第1螺旋溝作動面2111は、研磨加工時に前記転動面32と接触する第1螺旋溝作動面121111と、円錐ローラの大径端の表面と接触する第1螺旋溝作動面221112と、を含む。前記大径端の表面は前記円錐ローラの球面基準面33を含むか、又はこれに加えて大径端の端面丸面取り34を含む。前記第1螺旋溝作動面121111及び第1螺旋溝作動面221112はそれぞれ第1螺旋溝走査面121121及び第1螺旋溝走査面221122にある。
図3-1、
図3-3及び
図3-7に示すように、前記円錐ローラを前記第1螺旋溝走査面2112の実体走査による走査輪郭A、前記第1螺旋溝走査面2112の走査経路Aを円柱状等距離螺旋線、前記円錐ローラの重心O
2を通る走査経路Aを円柱状螺旋線A2121とし、全ての円柱状螺旋線A2121は同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線A2121の軸線は前記研磨スリーブ21の軸線である。前記走査輪郭Aである円錐ローラの軸線31は前記研磨スリーブ21の軸断面内にあり、符号2131は前記研磨スリーブの軸断面であり、前記円錐ローラの軸線31と前記研磨スリーブの軸線213との夾角をδとすると、δ=γである。前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブ21の内面において、前記走査輪郭Aである円錐ローラの転動面32が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面121121であり、前記走査輪郭Aである円錐ローラの大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面221122である。
【0062】
研磨加工において、前記アレイ半径は前記円柱状螺旋線A2121の半径に等しい。
【0063】
前記直線グルーブ作動面2211の拘束により、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面121111と線接触を起こし、前記大径端の表面は前記第1螺旋溝作動面221112と線接触を起こす。
【0064】
図3-8に示すように、符号322は前記転動面32と前記第1螺旋溝作動面121111との接触線2であり、符号331は前記大径端の表面と前記第1螺旋溝作動面221112との接触線3である。
【0065】
前記第1螺旋溝走査面2112が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記第1螺旋溝211の各位置での研磨スリーブの軸断面2131内で、前記第1螺旋溝走査面2112の軸断面輪郭が一定に保持されることを意味する。
【0066】
理解できるものとして、本発明では、前記第1螺旋溝走査面2112と前記第1螺旋溝作動面2111との関係は以下のとおりである。前記第1螺旋溝走査面2112は連続的な面であり、前記第1螺旋溝作動面2111と前記第1螺旋溝走査面2112は形状、位置及び境界が同じであり、前記円錐ローラと前記第1螺旋溝作動面2111との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に影響を与えない限り、前記第1螺旋溝作動面2111は断続的なものであってもよい。
【0067】
全ての第1螺旋溝211は前記研磨スリーブの軸線213周りに均等に分布しているのが好ましい。研磨工具キット実施例5円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0068】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例4の研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0069】
前記大径端の表面は、前記円錐ローラの球面基準面33、前記円錐ローラの大径端の端面丸面取り34、又は前記球面基準面33と大径端の端面丸面取り34を含む。研磨工具キット実施例6強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0070】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例4又は研磨工具キット実施例5の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0071】
前記研磨スリーブ21は透磁材料で製造され、
図4-1(a)及び
図4-1(b)に示すように、
図4-1(b)は
図4-1(a)のC部を拡大したものであり、前記研磨スリーブ21の実体内部には円筒状磁性構造217が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ21の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場が形成され、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図4-1(a)及び
図4-1(b)では、前記第1螺旋溝作動面121111は1本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれている。
【0072】
前記螺旋帯状非透磁材料218の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の螺旋帯状非透磁材料の間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円錐ローラを通過することを確保することが求められる。
【0073】
前記円筒状磁性構造217は、永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記螺旋帯状非透磁材料218は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。研磨工具キット実施例7強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0074】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例6の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0075】
図4-2(a)及び
図4-2(b)に示すように、
図4-2(b)は
図4-2(a)のD部を拡大したものであり、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、研磨スリーブ21の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0076】
前記研磨スリーブフラックスバリア218の幅t`、深さd`及び隣接する研磨スリーブフラックスバリアの間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円錐ローラを通過することを確保することが求められる。研磨工具キット実施例8球面ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0077】
図5-1(a)に示すように、前記研磨工具キットは研磨スリーブ21と、研磨ストリップユニットと、を含む。研磨加工において、前記研磨スリーブ21と前記研磨ストリップユニットは同軸であり、図においては、符号213は前記研磨スリーブ21の軸線であり、符号223は前記研磨ストリップユニットの軸線であり、前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブ21を貫通している。前記研磨スリーブ21の内面に1本又は複数本の第1螺旋溝211が設けられる。前記研磨ストリップユニットは、円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨ストリップ22を含み、各研磨ストリップ22は前記研磨スリーブ21の内面に対向する面を前記研磨ストリップ22の正面とし、各研磨ストリップ22の正面には、前記研磨ストリップ22の長さ方向に沿って前記研磨ストリップ22を貫通する1本の研磨ストリップグルーブが設けられ、前記研磨ストリップグルーブは直線グルーブ221又は第2螺旋溝である。前記第1螺旋溝211及び第2螺旋溝はすべて円柱状螺旋溝である。
図5-1(a)に示す研磨スリーブ21の内面に第1螺旋溝211が1本しか設けられておらず、各研磨ストリップ22の正面に設けられる研磨ストリップグルーブは前記直線グルーブ221であり、図においては、右側の2つの研磨ストリップが切断されて、前記第1螺旋溝211が示されており、
図5-7(a)に示すように、符号2221は直線Bである。
図5-1(b)には、研磨ストリップグルーブが第2螺旋溝の研磨ストリップ22である様子が模式的に示されている。
【0078】
加工対象の球面ローラのタイプは、球面基準面無しの対称型球面ローラ、球面基準面付きの対称型球面ローラ
及び非対称型球面ローラを含む。
図5-2(a)及び
図5-2(b)はそれぞれ球面基準面無しの対称型球面ローラの3次元構造及び2次元構造である。
図5-2(c)及び
図5-2(d)はそれぞれ球面基準面付きの対称型球面ローラの3次元構造及び2次元構造である。
図5-2(e)及び
図5-2(f)はそれぞれ非対称型球面ローラの3次元構造及び2次元構造である。
図5-2(a)、
図5-2(c)及び
図5-2(e)に示すように、前記球面ローラの軸線31に沿って、一端から他端に向かうに従って、前記転動面32の横断面切断円の直径が最大まで増大してから、最大から減少し、直径が最大となる横断面切断円は最大径切断円35とする。球面基準面無しの対称型球面ローラ及び球面基準面付きの対称型球面ローラでは、前記最大径切断円35は前記球面ローラの実体内にある。非対称型球面ローラでは、前記最大径切断円35は前記球面ローラの実体内にあるか、又は前記球面ローラの実体内にいない。
図5-2(a)及び
図5-2(b)に示すように、前記球面基準面無しの対称型球面ローラの表面は、転動面32と、一端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、他端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、を含み、前記転動面32は前記最大径切断円35に対して対称なものである。
図5-2(c)及び
図5-2(d)に示すように、前記球面基準面付きの対称型球面ローラの表面は転動面32と、一端に位置する端面丸面取り34及び球面基準面33と、他端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、を含み、前記転動面32は前記最大径切断円35に対して対称的なものである。
図5-2(e)及び
図5-2(f)に示すように、前記非対称型球面ローラの表面は、転動面32と、大径端に位置する端面丸面取り34及び球面基準面33と、小径端に位置する端面丸面取り34及び端部平面と、を含み、前記転動面32は前記最大径切断円35に対して非対称なものである。
【0079】
図5-1(a)及び
図5-3(
図5-3は研磨加工状態での前記球面ローラの前記第1螺旋溝211及び直線グルーブ221内における分布の概略図であり、図の右側部分では、記球面ローラの前記第1螺旋溝211内における分布を示すように、1つの研磨ストリップが切断され、1つの研磨ストリップが非表示にされている。)に示すように、前記第1螺旋溝211の表面は、研磨加工時に前記球面ローラと接触する第1螺旋溝作動面2111と、前記球面ローラと接触しない非作動面(未図示)と、を含む。前記研磨ストリップグルーブの表面は、研磨加工時に前記球面ローラと接触する研磨ストリップグルーブ作動面(
図5-3に示す直線グルーブ作動面2211)と、前記球面ローラと接触しない非作動面(未図示)と、を含む。
【0080】
図5-1(a)、
図5-1(b)、
図5-3、
図5-10及び
図5-12に示すように、研磨加工において、前記第1螺旋溝211と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとに1つの球面ローラが配置される。各交点に対応して、前記第1螺旋溝作動面2111と前記研磨ストリップグルーブ作動面とにより囲まれた領域が研磨加工領域となる。
図1-8(a)、
図1-8(b)、
図1-8(c)、
図1-8(d)、
図1-8(e)及び
図1-8(f)に示すように、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対的に回動しながら、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復螺旋運動を行い、前記研磨ストリップ22は前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記第1螺旋溝211内に配置されている球面ローラに作動圧力を印加する。前記研磨加工領域において、前記球面ローラは前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面にそれぞれ接触する。前記球面ローラは前記研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動しながら、前記研磨ストリップグルーブ作動面と第1螺旋溝作動面2111とによる押合いの作用により前記第1螺旋溝211及び研磨ストリップグルーブのそれぞれに沿って移動し、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、これにより、前記転動面32が研磨加工を受け始める。前記研磨ストリップグルーブが直線グルーブ221である場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は直線グルーブ作動面2211であり、前記研磨ストリップグルーブが第2螺旋溝である場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は第2螺旋溝作動面である。
【0081】
前記第1螺旋溝211は連続的又は断続的なものである。前記第1螺旋溝211が連続的なものである場合、前記研磨スリーブ21は一体構造である。当前記第1螺旋溝211が断続的なものである場合、前記研磨スリーブ21は別体構造であり、前記別体構造の研磨スリーブ21は円形アレイに分布している少なくとも3つの柱状の研磨スリーブユニットバー210で構成され、
図5-9(a)、
図5-9(b)、1-8(c)、
図5-9(d)、1-8(e)及び
図5-9(f)に示すように、各第1螺旋溝211は、各研磨スリーブユニットバー210の正面で構成される前記研磨スリーブ21の内面に断続的に分布している。各研磨スリーブユニットバー210が前記研磨スリーブ21の径方向に沿って向へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面2111の研磨加工中の摩損を補償するように、隣接する研磨スリーブユニットバー210の間には前記研磨スリーブ21の周方向に隙間が存在する。
【0082】
前記第1螺旋溝作動面2111は第1螺旋溝走査面2112にあり、前記第1螺旋溝走査面2112は一定断面走査面である。
図5-1(a)、
図5-3、
図5-4(a)及び
図5-4(b)に示すように、
図5-4(b)は
図5-4(a)のE部を拡大したものであり、前記球面ローラを前記第1螺旋溝走査面2112の実体走査による走査輪郭A、前記第1螺旋溝走査面2112の走査経路Aを円柱状等距離螺旋線、前記球面ローラの転動面32の最大径切断円35の円心O
3(前記球面ローラの軸線上にある)を通る走査経路Aを円柱状螺旋線A2121とし、全ての円柱状螺旋線A2121は同一の円柱面にあり、前記円柱状螺旋線A2121の軸線は前記研磨スリーブ21の軸線である。前記円柱状螺旋線A2121は前記走査輪郭Aである球面ローラの軸線31と前記円心O
3で相接し、前記円柱状螺旋線A2121のリード角をλとする。前記球面ローラの軸線31と前記研磨スリーブの軸線213との夾角をαとし、
図5-4(b)に示すように、符号2130は前記研磨スリーブの軸線213に平行であって前記円心O
3を通る補助直線Aであり、α+λ=90°である。前記円心O
3から前記研磨スリーブの軸線213までの垂線A214は前記球面ローラの軸線31に垂直である。前記転動面32の軸断面プロフィル320の曲率半径をR
c(例えば
図5-2(b)、
図5-2(d)及び
図5-2(f)に示す)、前記円柱状螺旋線A2121の半径をR
0、前記最大径切断円35の半径をr(例えば
図5-2(a)、
図5-2(c)及び
図5-2(e)に示す)をとすると、R
c=R
0(1+tan
2λ)+rである。前記走査輪郭Aを前記走査経路Aに沿って実体走査を行う場合、前記研磨スリーブ21の内面において前記走査輪郭Aが包絡して形成するグルーブの表面は前記第1螺旋溝走査面2112である。
【0083】
前記第1螺旋溝211の軸直角断面は前記円柱状螺旋線A2121の接線に垂直であって前記接線の接点を通る平面である。
図5-5に示すように、第1螺旋溝の軸直角断面2113内で、前記第1螺旋溝走査面の軸直角断面輪郭A21131は円弧Bであり、前記円弧Bの曲率半径は前記最大径切断円35の半径に等しい。前記第1螺旋溝の軸直角断面2113内で、前記第1螺旋溝作動面2111の初期輪郭は前記円弧B、断続的な円弧B、前記円弧Bに外接するV字形、又は前記円弧Bに外接する多角形である。
【0084】
研磨加工において、
図5-6に示すように、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111と十字交差して線接触を起こし、十字交差接触線13211は前記第1螺旋溝作動面2111の底部に縦方向に分布しており、十字交差接触線23212は前記第1螺旋溝作動面2111の横方向に分布している。
【0085】
前記第1螺旋溝走査面2112が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記第1螺旋溝211の各位置での第1螺旋溝の軸直角断面2113内で、前記軸直角断面輪郭A21131が一定に保持されることを意味する。
【0086】
理解できるものとして、本発明では、前記第1螺旋溝走査面2112と前記第1螺旋溝作動面2111との関係は以下のとおりである。前記第1螺旋溝走査面2112は連続的な面であり、前記第1螺旋溝作動面2111と前記第1螺旋溝走査面2112は形状、位置及び境界が同じであり、前記球面ローラと前記第1螺旋溝作動面2111との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に影響を与えない限り、前記第1螺旋溝作動面2111は断続的なものであってもよい。
【0087】
本発明では、全ての第1螺旋溝211は前記研磨スリーブの軸線213周りに均等に分布しているのが好ましい。
【0088】
前記研磨ストリップグルーブ作動面は研磨ストリップグルーブ走査面にあり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は一定断面走査面である。前記球面ローラが球面基準面無しの対称型球面ローラである場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は、研磨加工時に前記球面基準面無しの対称型球面ローラの転動面32と接触する研磨ストリップグルーブ作動面1を含むか、又はこれに加えて前記球面基準面無しの対称型球面ローラの端面丸面取り34と接触する研磨ストリップグルーブ作動面2を含み、前記球面ローラが球面基準面付きの対称型球面ローラである場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は、研磨加工時に前記球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面32と接触する研磨ストリップグルーブ作動面1と、前記球面基準面付きの対称型球面ローラの基準端の表面と接触する研磨ストリップグルーブ作動面2と、を含み、前記球面ローラが非対称型球面ローラである場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面は、研磨加工時に前記非対称型球面ローラの転動面32と接触する研磨ストリップグルーブ作動面1と、前記非対称型球面ローラの大径端の表面と接触する研磨ストリップグルーブ作動面2と、を含む。前記基準端の表面は、前記球面基準面付きの対称型球面ローラの球面基準面33を含むか、又はこれに加えて前記球面基準面33とは同一端の端面丸面取り34を含み、前記大径端の表面は、前記非対称型球面ローラの球面基準面33を含むか、又はこれに加えて前記非対称型球面ローラの大径端の端面丸面取り34を含む。前記研磨ストリップグルーブ作動面1は研磨ストリップグルーブ走査面1にあり、前記研磨ストリップグルーブ作動面2は研磨ストリップグルーブ走査面2にある。
【0089】
前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ221である場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は直線グルーブ作動面122111であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面2は直線グルーブ作動面222112であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は直線グルーブ走査面であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面1は直線グルーブ走査面122121であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面2は直線グルーブ走査面222122である。
図5-1(a)、
図5-3及び
図5-7(a)に示すように、前記第1螺旋溝走査面2112の実体走査による走査輪郭Aである球面ローラを前記直線グルーブ走査面の実体走査による走査輪郭B1、前記直線グルーブ走査面の走査経路B1を前記研磨ストリップユニットのアレイ軸に平行な直線、前記円心O
3を通る走査経路B1を直線B2221、前記直線B2221から前記アレイ軸までの距離を
アレイ半径、前記アレイ軸を前記研磨ストリップユニットの軸線とする。前記走査輪郭B1である球面ローラの軸線31と前記直線B2221との夾角をβとすると、β=αである。前記円心O
3から前記研磨ストリップユニットの軸線223までの垂線B224は前記球面ローラの軸線31に垂直である。前記走査輪郭B1を前記走査経路B1に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップ22の正面において前記走査輪郭B1である球面ローラの転動面32が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面122121であり、前記走査輪郭B1である球面基準面無しの対称型球面ローラの一端の端面丸面取り34、前記走査輪郭B1である球面基準面付きの対称型球面ローラの基準端の表面又は前記走査輪郭B1である非対称型球面ローラの大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記直線グルーブ走査面222122である。
【0090】
前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝である場合、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は第2螺旋溝作動面1であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面2は第2螺旋溝作動面2であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面は第2螺旋溝走査面であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面1は第2螺旋溝走査面1であり、前記研磨ストリップグルーブ走査面2は第2螺旋溝走査面2である。
図5-1(a)、
図5-1(b)、
図5-3及び
図5-7(b)に示すように、前記第1螺旋溝走査面2112の実体走査による走査輪郭Aである球面ローラを前記研磨ストリップグルーブ走査面の実体走査による走査輪郭B2、前記第2螺旋溝走査面の走査経路B2を円柱状等距離螺旋線、前記円心O
3を通る走査経路B2を円柱状螺旋線B2222とし、全ての円柱状螺旋線B2222は同一の円柱面にある。前記円柱状螺旋線B2222の軸線は前記研磨ストリップユニットのアレイ軸であり、前記円柱状螺旋線B2222の半径は前記研磨ストリップユニットのアレイ半径であり、前記アレイ軸は前記研磨ストリップユニットの軸線である。前記走査輪郭B2である球面ローラの軸線31と前記研磨ストリップユニットの軸線との夾角をξとすると、ξ=αである。前記円心O
3から前記研磨ストリップユニットの軸線223までの垂線B224は前記球面ローラの軸線31に垂直である。前記円柱状螺旋線B2222と示される円柱状螺旋線A2121との回し方向が反対している。前記走査輪郭B2を前記走査経路B2に沿って実体走査を行う場合、前記研磨ストリップ22の正面において、前記走査輪郭B2である球面ローラの転動面32が包絡して形成するグルーブの表面は前記第2螺旋溝走査面1であり、前記走査輪郭B2である球面基準面無しの対称型球面ローラの一端の端面丸面取り34、前記走査輪郭B1である球面基準面付きの対称型球面ローラの基準端の表面又は前記走査輪郭B1である非対称型球面ローラの大径端の表面が包絡して形成するグルーブの表面は前記第2螺旋溝走査面2である。本発明では、前記円柱状螺旋線B2222のリード角をζとし、
図5-7(b)に示すように、符号2230は前記研磨ストリップユニットの軸線223に平行であって前記円心O
3を通る補助直線Bであり、好ましくはζ+λ=90°である。
【0091】
研磨加工において、前記アレイ半径は前記円柱状螺旋線A2121の半径に等しい。
【0092】
前記第1螺旋溝作動面2111の拘束により、前記転動面32は前記研磨ストリップグルーブ作動面1と線接触を起こす。球面基準面無しの対称型球面ローラでは、前記研磨ストリップグルーブに研磨ストリップ作動面2が設計されている場合、前記球面基準面無しの対称型球面ローラの一端の端面丸面取り34は前記研磨ストリップグルーブ作動面2と線接触を起こす。球面基準面付きの対称型球面ローラ又は非対称球面ローラでは、前記球面基準面付きの対称型球面ローラの基準端の表面又は非対称球面ローラの大径端の表面は前記研磨ストリップグルーブ作動面2と線接触を起こす。
【0093】
図5-8に示すように、符号322は前記球面基準面付きの対称型球面ローラの転動面32と前記直線グルーブ作動面122111との接触線2であり、符号331は前記球面基準面付きの対称型球面ローラの基準端の表面と前記直線グルーブ作動面222112との接触線3である。
【0094】
前記直線グルーブ221の軸直角断面は前記直線B2221に垂直な平面である。前記第2螺旋溝の軸直角断面は前記円柱状螺旋線B2222の接線に垂直であって前記接線の接点を通る平面である。前記研磨ストリップグルーブ走査面が一定断面走査面であるとは、具体的には、前記研磨ストリップグルーブの各位置での研磨ストリップグルーブの軸直角断面内で、前記研磨ストリップグルーブ走査面の軸直角断面輪郭が一定に保持されることを意味する。
【0095】
理解できるものとして、本発明では、前記研磨ストリップグルーブ走査面と前記研磨ストリップグルーブ作動面との関係は以下のとおりである。前記研磨ストリップグルーブ走査面は連続的な面であり、前記研磨ストリップグルーブ作動面と前記研磨ストリップグルーブ走査面は形状、位置及び境界が同じであり、前記球面ローラと前記研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係や、前記転動面32の研磨の均一性に影響を与えない限り、前記研磨ストリップグルーブ作動面は断続的なものであってもよい。
【0096】
本発明では、全ての研磨ストリップグルーブは前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに均等に分布しているのが好ましい。研磨工具キット実施例9球面ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0097】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例8の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0098】
前記基準端の表面は、前記球面基準面付きの対称型球面ローラの球面基準面33、前記球面基準面とは同一端の端面丸面取り34、又は前記球面基準面33と前記球面基準面とは同一端の端面丸面取り34の両方を含み、前記大径端の表面は、前記非対称型球面ローラの球面基準面33、前記非対称型球面ローラの大径端の端面丸面取り34、又は前記球面基準面33と大径端の端面丸面取り34を含む。研磨工具キット実施例10強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の球面ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0099】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例8又は研磨工具キット実施例9の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0100】
前記研磨ストリップ22は透磁材料で製造され、
図6-1に示すように、前記研磨ストリップ22の実体内部には、前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って短冊状磁性構造227が嵌設されており、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場が形成され、符号2271は前記研磨ストリップ磁場の磁力線である。前記研磨ストリップグルーブ作動面1は、前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状非透磁材料228が嵌め込まれており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線2271が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ22の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図6-1は前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである例を示し、ここでは、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は1本の短冊状非透磁材料228が嵌め込まれている。
【0101】
前記短冊状非透磁材料228の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の短冊状非透磁材料の間隔に関しては、前記研磨ストリップグルーブ作動面1が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨ストリップ磁場の磁力線2271が優先的に前記研磨ストリップグルーブ作動面1と接触する球面ローラを通過することを確保することが求められる。
【0102】
前記短冊状磁性構造227は、永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記短冊状非透磁材料228は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。研磨工具キット実施例11強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の球面ローラの転動面の仕上げ加工用の研磨工具キット
【0103】
前記研磨工具キットでは、研磨工具キット実施例10の前記研磨工具キットと比べて、主に以下の点は相違する。
【0104】
図6-2に示すように、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は、前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って短冊状非透磁材料が嵌め込まれていないが、研磨ストリップ22の実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア2281が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線2271が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ22の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図6-2は前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである例を示す。
【0105】
前記研磨ストリップフラックスバリア228の幅t`、深さd`及び隣接する研磨ストリップフラックスバリアの間隔に関しては、前記研磨ストリップグルーブ作動面1が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨ストリップ磁場の磁力線2271が優先的に前記研磨ストリップグルーブ作動面1と接触する球面ローラを通過することが求められる。設備実施例1円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0106】
前記設備は、本体と、外部循環システムと、研磨スリーブ治具と、研磨ストリップユニット治具と、研磨工具キット実施例1の前記研磨工具キットと、を含む。
【0107】
前記研磨スリーブ治具は前記研磨スリーブ21をクランプするものである。
【0108】
前記研磨ストリップユニット治具は前記研磨ストリップユニットをクランプするものである。前記研磨ストリップユニット治具は円形アレイに分布している柱状の、前記研磨ストリップ22を固定して接続するための1組の研磨ストリップ受け部12と、前記研磨ストリップユニット治具の中心に位置する径方向拡張機構と、を含む。前記研磨ストリップ22の背面(前記研磨ストリップ22の正面と反対する面)は前記研磨ストリップ受け部12のうち前記研磨ストリップユニット治具の外周に位置する面に固定して接続される。
図1-8(a)、
図1-8(b)、
図1-8(c)、
図1-8(d)、
図1-8(e)及び
図1-8(f)に示すように、前記径方向拡張機構は径方向拡張部材と、前記研磨ストリップユニットと同軸のベース芯軸と、を含む。前記研磨ストリップユニットの軸線223は前記研磨ストリップユニット治具の軸線である。前記ベース芯軸は前記本体に接続される。前記径方向拡張部材は前記研磨ストリップ受け部12及びベース芯軸にそれぞれ接続され、全ての研磨ストリップ受け部12及びそれにおける研磨ストリップ22を駆動して、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張して負荷をかけ、前記ベース芯軸と前記研磨ストリップ受け部12との間でトルクを伝達する。
【0109】
前記径方向拡張機構は円錐面径方向拡張機構、連通型流体圧力径方向拡張機構及び微小変位ユニット径方向拡張機構のうちの1つである。
【0110】
図1-8(a)及び
図1-8(b)に示すように、前記円錐面径方向拡張機構のベース芯軸はガイドブッシュB141とテーパ芯軸142を含み、前記ガイドブッシュB141の内面は内円柱面であり、前記ガイドブッシュB141の円周にはガイド孔B1411が設けられており、全てのガイド孔B1411は前
記研磨ストリップユニット治具の径方向に配置されている。前記テーパ芯軸142には同軸の外円柱面と複数の外円錐面1421が設けられており、前記テーパ芯軸142の外円柱面と前記ガイドブッシュB141の内円柱面は滑り嵌めする。前記円錐面径方向拡張機構の径方向拡張部材はガイドカラムB152であり、前記ガイドカラムB152の一端は前記研磨ストリップ受け部12に固定して接続され、前記ガイドカラムB152の他端の端表面は前記外円錐面1421と相接し、前記ガイドカラムB152の柱面と前記ガイド孔B1411は滑り嵌めする。前記テーパ芯軸142がガイドブッシュB141に対して前記外円錐面1421の小端へ移動するときに、前記外円錐面1421の作用により前記ガイドカラムB152は前記研磨ストリップ受け部12及びそれにおける研磨ストリップ22を押して、前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って外へ同期して拡張させる。前記ガイドカラムB152は前記ガイドブッシュB141と前記研磨ストリップ受け部12との間でトルクを伝達する。
【0111】
図1-8(c)及び
図1-8(d)に示すように、前記連通型流体圧力径方向拡張機構のベース芯軸は、マスタキャビティ163と複数のシリンダライナ164を有する軸型シリンダ161であり、前記シリンダライナ164は前記軸型シリンダ161の外周であって、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に配置されており、前記マスタキャビティ163はシリンダライナ164と連通しており、作動油や圧縮空気で満たされる。前記連通型流体圧力径方向拡張機構の径方向拡張部材は各シリンダライナ164に設けられるピストンロッド165であり、前記ピストンロッド165のピストン端は前記シリンダライナ164内を摺動し、前記ピストンロッド165の他端は前記研磨ストリップ受け部12に固定して接続される。前記マスタキャビティ163内の作動油や圧縮空気の圧力が増えると、前記ピストンロッド165は前記研磨ストリップ受け部12及びそれにおける研磨ストリップ22を押して、前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って外へ同期して拡張させる。前記ピストンロッド165は前記軸型シリンダ161と前記研磨ストリップ受け部12との間でトルクを伝達する。
【0112】
図1-8(e)及び
図1-8(f)に示すように、前記微小変位ユニット径方向拡張機構の径方向拡張部材は微小変位ユニット17であり、前記微小変位ユニット17は電歪ユニット、磁歪ユニット、伸縮モータユニット、超音波モータユニット、空圧ユニットや油圧ユニットなど、1次元微小変位を発生させ得る伸縮ユニットの1つである。前記微小変位ユニット17は前記ベース芯軸14の外周に取り付けられ、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に配置されている。前記微小変位ユニットには押し棒171が設けられ、前記押し棒171は前記研磨ストリップ受け部12に固定して接続される。全ての押し棒171は、コントローラの制御の下で、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って同じ微小変位を発生させ、前記研磨ストリップ受け部12及びそれにおける研磨ストリップ22を押して、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張させる。前記微小変位ユニット17は前記ベース芯軸14と前記研磨ストリップ受け部12との間でトルクを伝達する。
【0113】
前記研磨スリーブの軸線213の位置によって、前記本体構成は横型構成と縦型構成を含む。
図1-9に示すように、前記研磨スリーブの軸線213が水平面にある場合、前記本体構成は横型構成である。
図1-11に示すように、前記研磨スリーブの軸線213が水平面に垂直である場合、前記本体構成は縦型構成である。
【0114】
前記研磨工具キットの相対回動方式によって、前記本体構成は研磨ストリップユニット回動型又は研磨スリーブ回動型であり、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記本体は研磨ストリップユニット回動駆動部材と、研磨スリーブ治具クランプ部材と、を含み、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持して、前記研磨ストリップユニットを回動駆動するものであり、前記研磨スリーブ治具クランプ部材は前記研磨スリーブ治具をクランプするものであり、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記本体は研磨スリーブ回動駆動部材と、研磨ストリップユニット治具挟持部材と、を含み、前記研磨スリーブ回動駆動部材は前記研磨スリーブ治具をクランプして、前記研磨スリーブ21を回動駆動するものであり、前記研磨ストリップユニット治具挟持部材は前記研磨ストリップユニット治具のベース芯軸を挟持するものである。
【0115】
図1-9(
図1-9は横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動及び外部循環システムの概略図であり、図の左側部分では、前記円筒ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる様子を示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示にされている)に示すように、前記外部循環システムは、収集手段41と、整理手段42と、搬送手段43と、移送サブシステムと、を含む。
【0116】
前記収集手段41は、前記第1螺旋溝211の出口に設けられ、各第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れた円筒ローラを収集するものである。
【0117】
前記整理手段42は、前記円筒ローラを整理して前記搬送手段43によって求められる列にするものであり、前記列は、隣接する円筒ローラ同士の転動面が転動面に面する又は隣接する円筒ローラ同士の端面が端面に面するような円筒ローラが1つずつ繋がる直列された列である。
【0118】
図1-9及び
図1-10に示すように、対于研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記第1螺旋溝211の入口に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21との相対位置が一定に保持される。前記搬送手段43には搬送通路431が設けられており、前記搬送通路431は前記入口で前記第1螺旋溝211と交差する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、直線グルーブ221のいずれが前記搬送通路431に合わせると、前記搬送手段43は前記搬送通路431を介して前記円筒ローラを前記直線グルーブ221に送る。
図1-10は、横型研磨ストリップユニット回動型本体において円筒ローラが前記搬送通路431を介して前記直線グルーブ221に入る例を示す。
【0119】
図1-11に示すように、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記研磨スリーブ21のうち前記第1螺旋溝211の入口に位置する一端に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21は前記研磨スリーブの軸線213の方向において相対位置を一定に保持し、前記搬送手段43のフレームと前記直線グルーブ221は前記研磨ストリップユニットの周方向において相対位置を一定に保持する。各直線グルーブ221は、前記研磨スリーブ21の端面以外に位置し、前記端面に近い領域が搬送待機領域225であり、前記端面は前記第1螺旋溝211の入口端に位置する。前記研磨スリーブが回動する過程において、第1螺旋溝211のいずれかの入口が前記直線グルーブ221に合わせると、前記搬送手段43は前記搬送待機領域225を介して前記円筒ローラを前記第1螺旋溝211の入口に送る。
図1-11は、縦型研磨スリーブ回動型本体において円筒ローラが前記直線グルーブ221の搬送待機領域225を介して前記第1螺旋溝211の入口に入る例を示す。
【0120】
前記移送サブシステムは前記外部循環システムの各手段の間で前記円筒ローラを移送するものである。
【0121】
研磨加工過程では、前記円筒ローラの前記外部循環システムにおける外部循環移動経路は、前記第1螺旋溝211の出口から収集手段41、整理手段42、搬送手段43を順次通過して前記第1螺旋溝211の入口まで至るものである。前記円筒ローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ21との間での前記第1螺旋溝211に沿う螺旋移動経路と前記外部循環システムにおける外部循環移動経路とが組み合わせられて閉循環となる。
【0122】
図1-10に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップユニット治具は拡張可能な支持部材226をさらに含み、前記拡張可能な支持部材226は隣接する2つの研磨ストリップ22の間に設けられ、前記研磨ストリップ22又は前記研磨ストリップ22を固定して接続する研磨ストリップ受け部12に接続され、前記拡張可能な支持部材226は、前記研磨スリーブ21の内面に対向する面が隣接する研磨ストリップ22の正面と滑らかに移行する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、前記拡張可能な支持部材226は前記第1螺旋溝211の入口で、前記搬送通路431に合わせる直線グルーブ221に入ろうとする円筒ローラを支持するものである。前記拡張可能な支持部材226は、拡張可能な構造又は低弾性率材料で製造されるブロック構造であり、前記研磨ストリップユニットが前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張するときに、前記拡張可能な支持部材226は前記研磨ストリップユニット治具の周方向に沿って同期して拡張する。設備実施例2強磁性材質(例えばGCr
15、G
20CrNi
2MoA、Cr
4Mo
4V
30など)の円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の設備。
【0123】
前記設備では、設備実施例1の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0124】
以下の2つの位置のいずれかに円筒状磁性構造が設けられ、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ21の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場を形成する。
【0125】
1)
図2-1(a)、
図2-1(b)、
図2-2(a)及び
図2-2(b)に示すように、
図2-1(b)は
図2-1(a)のA部を拡大したものであり、
図2-2(b)は
図2-2(a)のB部を拡大したものであり、前記研磨スリーブ21の実体内部には前記円筒状磁性構造217が嵌設されており、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。
【0126】
2)前記研磨スリーブ治具は透磁材料で製造される磁性カラー219をさらに含み、前記研磨スリーブ治具は前記磁性カラー219によって前記研磨スリーブ21をクランプする。
図2-3に示すように、前記磁性カラー219の内壁の中央部に前記円筒状磁性構造217`が嵌設され、前記磁性カラー219は前記研磨スリーブ21の外周に嵌着され、前記磁性カラー219と前記研磨スリーブ21は前記円筒状磁性構造217`の両端で連結されて前記研磨スリーブ磁場を導通し、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。両端の接続状況が同じであるため、
図2-3には、前記磁性カラー219と前記研磨スリーブ21が前記円筒状磁性構造217`の一端で連結される場合のみが示されている。
【0127】
前記研磨スリーブ21は透磁材料で製造され、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図2-1(a)、
図2-1(b)及び
図2-3においては、前記第1螺旋溝作動面121111は1本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれている。
【0128】
前記螺旋帯状非透磁材料218の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の螺旋帯状非透磁材料の間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円筒ローラを通過することを確保することが求められる。
【0129】
前記円筒状磁性構造は、永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低
炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記螺旋帯状非透磁材料218は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。
【0130】
前記設備の外部循環システムは脱磁手段44をさらに含み、
図2-1(a)、
図2-1(b)、
図2-3及び
図2-5(
図2-5は脱磁手段を含む、円筒ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図であり、図の左側部分では、前記円筒ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる様子を示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示にされている)に示すように、前記脱磁手段44は前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場により磁化された強磁性材質の円筒ローラを消磁するものである。設備実施例3強磁性材質(例えばGCr
15、G
20CrNi
2MoA、Cr
4Mo
4V
30など)の円筒ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0131】
前記設備では、設備実施例2の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0132】
前記円筒状磁性構造217が前記研磨スリーブ21の実体内部に嵌設されている場合、
図2-2(a)及び
図2-2(b)に示すように、
図2-2(b)は
図2-2(a)のB部を拡大したものであり、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、研磨スリーブ21の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0133】
前記円筒状磁性構造217`が前記磁性カラー219の内壁の中央部に嵌設されている場合、
図2-4に示すように、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、前記第1螺旋溝作動面1と反対する研磨スリーブ21の外壁において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0134】
前記研磨スリーブフラックスバリア218の幅t`、深さd`及び隣接する研磨スリーブフラックスバリアの間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円筒ローラを通過することを確保することが求められる。設備実施例4円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0135】
前記設備は外部循環システムと、設備実施例1に記載の本体と、設備実施例1に記載の研磨スリーブ治具と、設備実施例1に記載の研磨ストリップユニット治具と、研磨工具キット実施例4に記載の研磨工具キットと、を含む。
【0136】
図3-9(
図3-9は横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動及び外部循環システムの概略図であり、図の左側部分では、前記円錐ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れることを示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示にされている)に示すように、前記外部循環システムは収集手段41と、整理手段42と、搬送手段43と、移送サブシステムと、を含む。
【0137】
前記収集手段41は前記第1螺旋溝211の出口に設けられ、各第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れた円錐ローラを収集するものである。
【0138】
前記整理手段42は前記円錐ローラを整理して前記搬送手段43によって求められる列にし、前記円錐ローラの小径端の向きを一致させるものであり、前記列は隣接する円錐ローラ同士の転動面が転動面に面するか、又は隣接する円錐ローラ同士の端面が端面に面するような円錐ローラが1つずつ繋がる直列された列である。
【0139】
図3-9及び
図3-10に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記第1螺旋溝211の入口に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21との相対位置が一定に保持される。前記搬送手段43には搬送通路431が設けられており、前記搬送通路431は前記入口で前記第1螺旋溝211と交差する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、直線グルーブ221のいずれが前記搬送通路431に合わせると、前記搬送手段43は前記搬送通路431を介して前記円錐ローラを前記直線グルーブ221に送り、
図3-10は横型研磨ストリップユニット回動型本体において円錐ローラが前記搬送通路431を介して前記直線グルーブ221に入る例を示す。
【0140】
図3-11に示すように、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記研磨スリーブ21のうち前記第1螺旋溝211の入口に位置する一端に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21は前記研磨スリーブの軸線213の方向において相対位置を一定に保持し、前記搬送手段43のフレームと前記直線グルーブ221は前記研磨ストリップユニットの周方向において相対位置を一定に保持する。各直線グルーブ221は前記研磨スリーブ21の端面以外に位置し、前記端面に近い領域が搬送待機領域225であり、前記端面は前記第1螺旋溝211の入口端に位置する。前記研磨スリーブが回動する過程において、第1螺旋溝211のいずれかの入口が前記直線グルーブ221に合わせると、前記搬送手段43は前記搬送待機領域225を介して前記円錐ローラを前記第1螺旋溝211の入口に送る。
図3-11は縦型研磨スリーブ回動型本体において円錐ローラが前記直線グルーブ221の搬送待機領域225を介して前記第1螺旋溝211の入口に入る例を示す。
【0141】
前記移送サブシステムは前記外部循環システムの各手段の間で前記円錐ローラを移送するものである。
【0142】
研磨加工過程では、前記円錐ローラの前記外部循環システムにおける外部循環移動経路は、前記第1螺旋溝211の出口から収集手段41、整理手段42、搬送手段43を順次通過して、前記第1螺旋溝211の入口まで至るものである。前記円錐ローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ21との間での前記第1螺旋溝211に沿う螺旋移動経路と前記外部循環システムにおける外部循環移動経路とが組み合わせられて閉循環となる。
【0143】
図3-10に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップユニット治具は拡張可能な支持部材226をさらに含み、前記拡張可能な支持部材226は隣接する2つの研磨ストリップ22の間に設けられ、前記研磨ストリップ22又は前記研磨ストリップ22を固定して接続する研磨ストリップ受け部12に接続され、前記拡張可能な支持部材226は前記研磨スリーブ21の内面に対向する面が隣接する研磨ストリップ22の正面と滑らかに移行する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、前記拡張可能な支持部材226は前記第1螺旋溝211の入口で、前記搬送通路431に合わせる直線グルーブ221に入ろうとする円錐ローラを支持するものである。前記拡張可能な支持部材226は、拡張可能な構造又は低弾性率材料で製造されるブロック構造であり、前記研磨ストリップユニットが前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張するときに、前記拡張可能な支持部材226は前記研磨ストリップユニット治具の周方向に沿って同期して拡張する。設備実施例5円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0144】
前記設備では、設備実施例4の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。前記設備の研磨工具キットは研磨工具キット実施例5の前記研磨工具キットを用いる設備実施例6強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の円錐ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0145】
前記設備では、設備実施例4又は設備実施例5の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0146】
以下の2つの位置のいずれかに円筒状磁性構造が設けられ、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨スリーブ21の軸断面に分布している研磨スリーブ磁場が形成される。
【0147】
1)
図4-1(a)及び
図4-1(b)に示すように、
図4-1(b)は
図4-1(a)のC部を拡大したものであり、前記研磨スリーブ21の実体内部には前記円筒状磁性構造217が嵌設されており、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。
【0148】
2)前記研磨スリーブ治具は透磁材料で製造される磁性カラー219をさらに含み、前記研磨スリーブ治具は前記磁性カラー219によって前記研磨スリーブ21をクランプする。
図4-3に示すように、前記磁性カラー219の内壁の中央部に前記円筒状磁性構造217`が嵌設され、前記磁性カラー219は前記研磨スリーブ21の外周に嵌着され、前記磁性カラー219と前記研磨スリーブ21は前記円筒状磁性構造217`の両端で連結されて前記研磨スリーブ磁場を導通し、符号2171は前記研磨スリーブ磁場の磁力線である。両端の接続状況が同じであるため、
図4-3には、前記磁性カラー219と前記研磨スリーブ21が前記円筒状磁性構造217`の一端で連結される場合のみが示されている。
【0149】
前記研磨スリーブ21は透磁材料で製造され、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図4-1(a)、
図4-1(b)及び
図4-3においては、前記第1螺旋溝作動面121111は1本螺旋帯状非透磁材料218が嵌め込まれている。
【0150】
前記螺旋帯状非透磁材料218の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の螺旋帯状非透磁材料の間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円錐ローラを通過することを確保することが求められる。
【0151】
前記円筒状磁性構造は、永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記螺旋帯状非透磁材料218は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。
【0152】
前記設備の外部循環システムは脱磁手段44をさらに含み、
図4-1(a)、
図4-1(b)、
図4-3及び
図4-5(
図4-5は脱磁手段を含む、円錐ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図であり、図の左側部分では、前記円錐ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる様子を示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示にされている)に示すように、前記脱磁手段44は前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場により磁化された強磁性材質の円錐ローラを消磁するものである。設備実施例7強磁性材質(例えばGCr
15、G
20CrNi
2MoA、Cr
4Mo
4V
30など)の円錐ローラの転動面の仕上
げ加工用の設備
【0153】
前記設備では、設備実施例6の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0154】
当前記円筒状磁性構造217が前記研磨スリーブ21の実体内部に嵌設されている場合、
図4-2(a)及び
図4-2(b)に示すように、
図4-2(b)は
図4-2(a)のD部を拡大したものであり、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、研磨スリーブ21の実体のキャビティのうち前記第1螺旋溝作動面1と反対する側において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0155】
前記円筒状磁性構造217`が前記磁性カラー219の内壁の中央部に嵌設されている場合、
図4-4に示すように、前記第1螺旋溝作動面121111は、前記走査経路Aに沿って螺旋帯状非透磁材料が嵌め込まれていないが、前記第1螺旋溝作動面1と反対する研磨スリーブ21の外壁において前記走査経路Aに沿って1本又は複数本の螺旋帯状研磨スリーブフラックスバリア2181又は複数本の円環帯状研磨スリーブフラックスバリア2181が設けられており、前記研磨スリーブ磁場の磁力線2171が前記第1螺旋溝作動面121111における前記研磨スリーブ21の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0156】
前記研磨スリーブフラックスバリア218の幅t`、深さd`及び隣接する研磨スリーブフラックスバリアの間隔に関しては、前記第1螺旋溝作動面121111が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨スリーブ磁場の磁力線2171が優先的に前記第1螺旋溝作動面121111と接触する円錐ローラを通過することを確保することが求められる。設備実施例8球面ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0157】
前記設備は研磨スリーブ治具と、本体と、外部循環システムと、設備実施例1に記載の研磨ストリップユニット治具と、研磨工具キット実施例8に記載の研磨工具キットと、を含む。
【0158】
前記研磨スリーブ治具では、設備実施例1の前記研磨スリーブ治具と比べて、以下の点は相違する。
【0159】
前記研磨スリーブ21が前記別体構造である場合、
図5-9(a)、
図5-9(b)、1-8(c)、
図5-9(d)、
図5-9(e)及び
図5-9(f)に示すように、前記研磨スリーブ治具は、円形アレイに分布している柱状の、前記研磨スリーブユニットバー210を固定して接続するための1組の研磨スリーブユニットバー受け部11と、前記研磨スリーブユニットバー受け部11の外周に位置する径方向収縮機構と、を含む。前記径方向収縮機構は径方向収縮部材と、前記研磨スリーブと同軸のベースブッシュと、を含む。前記研磨スリーブの軸線213は前記研磨スリーブ治具の軸線である。前記ベースブッシュは前記本体に接続される。前記径方向収縮部材は前記研磨スリーブユニットバー受け部11及びベースブッシュにそれぞれ接続されて、全ての研磨スリーブユニットバー受け部11及びそれにおける研磨スリーブユニットバー210を駆動して、前記研磨スリーブ治具の径方向に沿って内へ同期して収縮して前記第1螺旋溝作動面2111の摩損を補償し、前記ベースブッシュと前記研磨スリーブユニットバー受け部11との間でトルクを伝達する。
【0160】
前記径方向収縮機構は円錐面径方向収縮機構、連通型流体圧力径方向収縮機構及び微小変位ユニット径方向収縮機構のうちの1つである。
【0161】
図5-9(a)及び
図5-9(b)に示すように、前記円錐面径方向収縮機構のベースブッシュはガイドブッシュA131とテーパブッシュ132を含み、前記ガイドブッシュA131の外面は外円柱面であり、前記ガイドブッシュA131の円周にはガイド孔A1311が設けられており、全てのガイド孔A1311は前記研磨スリーブ治具の径方向に配置されている。前記テーパブッシュ132には同軸の内円柱面と複数の内円錐面1321が設けられており、前記テーパブッシュ132の内円柱面と前記ガイドブッシュA131の外円柱面は滑り嵌めする。前記円錐面径方向収縮機構の径方向収縮部材はガイドカラムA151であり、前記ガイドカラムA151の一端は前記研磨スリーブユニットバー受け部11に固定して接続され、前記ガイドカラムA151の他端の端表面は前記内円錐面1321と相接し、前記ガイドカラムA151の柱面と前記ガイド孔A1311は滑り嵌めする。前記テーパブッシュ132がガイドブッシュA131に対して前記内円錐面1321の大端へ移動するときに、前記内円錐面1321の作用により前記ガイドカラムA151は前記研磨スリーブユニットバー受け部11及びそれにおける研磨スリーブユニットバー210を押して、前記研磨スリーブ21の径方向に沿って内へ同期して収縮させる。前記ガイドカラムA151は前記ガイドブッシュA131と前記研磨スリーブユニットバー受け部11との間でトルクを伝達する。
【0162】
図5-9(c)及び
図5-9(d)に示すように、前記連通型流体圧力径方向収縮機構のベースブッシュは、マスタキャビティ163と複数のシリンダライナ164を有するブッシュ型シリンダ161であり、前記シリンダライナ164は前記ブッシュ型シリンダ161の内周であって、前記研磨スリーブ治具の径方向に配置されており、前記マスタキャビティ163はシリンダライナ164と連通しており、作動油や圧縮空気で満たされる。前記連通型流体圧力径方向収縮機構の径方向収縮部材は各シリンダライナ164に設けられるピストンロッド165であり、前記ピストンロッド165のピストン端は前記シリンダライナ164内を摺動し、前記ピストンロッド165の他端は前記研磨スリーブユニットバー受け部11に固定して接続される。前記マスタキャビティ163内の作動油や圧縮空気の圧力が増えると、前記ピストンロッド165は前記研磨スリーブユニットバー受け部11及びそれにおける研磨スリーブユニットバー210を押して、前記研磨スリーブ21の径方向に沿って内へ同期して収縮させる。前記ピストンロッド165は前記ブッシュ型シリンダ161と前記研磨スリーブユニットバー受け部11との間でトルクを伝達する。
【0163】
図5-9(e)及び
図5-9(f)に示すように、前記微小変位ユニット径方向収縮機構の径方向収縮部材は微小変位ユニット17であり、前記微小変位ユニット17は電歪ユニット、磁歪ユニット、伸縮モータユニット、超音波モータユニット、空圧ユニットや油圧ユニットなど、1次元微小変位を発生させ得る伸縮ユニットの1つである。前記微小変位ユニット17は前記ベースブッシュ13の内周に取り付けられ、前記研磨スリーブ治具の径方向に配置されている。前記微小変位ユニットには押し棒171が設けられ、前記押し棒171は前記研磨スリーブユニットバー受け部11に固定して接続される。全ての押し棒171は、コントローラの制御の下で、前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って同じ微小変位を発生させ、前記研磨スリーブユニットバー受け部11及びそれにおける研磨スリーブユニットバー210を押して、前記研磨スリーブ治具の径方向に沿って内へ同期して収縮させる。前記微小変位ユニット17は前記ベースブッシュ13と前記研磨スリーブユニットバー受け部11との間でトルクを伝達する。
【0164】
前記本体では、設備実施例1の前記本体と比べて、以下の点は相違する。
【0165】
前記本体は往復運動システムをさらに含む。研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ221であれば、
図5-10(b)に示すうように、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、
図5-12(b)に示すように、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材及び前記研磨スリーブ治具クランプ部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復螺旋運動を行う。研磨スリーブ回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ221であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復螺旋運動を行う。
【0166】
本発明では、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット治具挟持部材及び前記研磨スリーブ回動駆動部材を駆動して、前記円柱状螺旋線B2222に沿って相対往復螺旋運動を行うのが好ましい。
【0167】
図5-10(
図5-10は横型研磨ストリップユニット回動型本体を有する研磨工具キットの相対運動及び外部循環システムの概略図であり、図の右側部分では、前記球面ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる様子を示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示に示されており、図における研磨ストリップグルーブは直線グルーブ221である)に示すように、前記外部循環システムは、収集手段41と、整理手段42と、搬送手段43と、移送サブシステムと、を含む。
【0168】
前記収集手段41は前記第1螺旋溝211の出口に設けられ、各第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れた球面ローラを収集するものである。
【0169】
前記整理手段42は前記球面ローラを整理して前記搬送手段43によって求められる列にするものであり、前記列は隣接する球面ローラ同士の転動面が転動面に面する又は隣接する球面ローラ同士の端面が端面に面するような球面ローラが1つずつつながる直列された列である。前記球面ローラが非対称型球面ローラである場合、前記整理手段42はまた、前記球面ローラの小径端の向きを一致させるものである。
【0170】
図5-10及び
図5-11に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記第1螺旋溝211の入口に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21との相対位置が一定に保持される。前記搬送手段43には搬送通路431が設けられており、前記搬送通路431は前記入口で前記第1螺旋溝211と交差する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、研磨ストリップグルーブのいずれが前記搬送通路431に合わせると、前記搬送手段43は前記搬送通路431を介して前記球面ローラを前記研磨ストリップグルーブに送る。
図5-11は、横型研磨ストリップユニット回動型本体において球面ローラが前記搬送通路431を介して前記直線グルーブ221に入る例を示す。
【0171】
図5-12に示すように、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段43は前記研磨スリーブ21のうち前記第1螺旋溝211の入口に位置する一端に設けられ、前記搬送手段43のフレームと前記研磨スリーブ21は前記研磨スリーブの軸線213の方向において相対位置を一定に保持し、前記搬送手段43のフレームと前記研磨ストリップグルーブは前記研磨ストリップユニットの周方向において相対位置を一定に保持する。各研磨ストリップグルーブは、前記研磨スリーブ21の端面以外に位置し、前記端面に近い領域が搬送待機領
域225であり、前記端面は前記第1螺旋溝211の入口端に位置する。前記研磨スリーブが回動する過程において、第1螺旋溝211のいずれかの入口が前記研磨ストリップグルーブに合わせると、前記搬送手段43は前記搬送待機領域225を介して前記球面ローラを前記第1螺旋溝211の入口に送る。
図5-12は、縦型研磨スリーブ回動型本体において球面ローラが前記直線グルーブ221の搬送待機領域225を介して前記第1螺旋溝211の入口に入る例を示す。
【0172】
前記移送サブシステムは前記外部循環システムの各手段の間で前記球面ローラを移送するものである。
【0173】
研磨加工過程では、前記球面ローラの前記外部循環システムにおける外部循環移動経路は、前記第1螺旋溝211の出口から収集手段41、整理手段42、搬送手段43を順次通過して、前記第1螺旋溝211の入口まで至るものである。前記球面ローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ21との間での前記第1螺旋溝211に沿う螺旋移動経路と前記外部循環システムにおける外部循環移動経路とが組み合わせられて閉循環となる。
【0174】
図5-11に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップユニット治具は拡張可能な支持部材226をさらに含み、前記拡張可能な支持部材226は隣接する2つの研磨ストリップ22の間に設けられ、前記研磨ストリップ22又は前記研磨ストリップ22を固定して接続するための研磨ストリップ受け部12に接続され、前記拡張可能な支持部材226は、前記研磨スリーブ21の内面に対向する面が隣接する研磨ストリップ22の正面と滑らかに移行する。前記研磨ストリップユニットが回動する過程において、前記拡張可能な支持部材226は前記第1螺旋溝211の入口で、前記搬送通路431に合わせる研磨ストリップグルーブに入ろうとする球面ローラを支持するものである。前記拡張可能な支持部材226は、拡張可能な構造又は低弾性率材料で製造されるブロック構造であり、前記研磨ストリップユニットが前記研磨ストリップユニット治具の径方向に沿って外へ同期して拡張するときに、前記拡張可能な支持部材226は前記研磨ストリップユニット治具の周方向に沿って同期して拡張する。
図5-11は前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである例を示す。設備実施例9球面ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0175】
前記設備では、設備実施例8の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。前記設備の研磨工具キットは研磨工具キット実施例9の前記研磨工具キットを用いる。設備実施例10強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4V30など)の球面ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0176】
前記設備では、設備実施例8又は設備実施例9の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0177】
以下の位置のいずれかに短冊状磁性構造が設けられ、前記研磨加工領域において磁力線が前記研磨ストリップグルーブの軸直角断面に分布している研磨ストリップ磁場が形成される。
【0178】
1)
図6-1に示すように、前記研磨ストリップ22の実体内部には前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造227が嵌設されており、符号2271は前記研磨ストリップ磁場の磁力線である。
【0179】
2)前記研磨ストリップ受け部12は透磁材料で製造され、
図6-3に示すように、前記研磨ストリップ受け部12のうち前記研磨ストリップ22の背面に対向する表面層の中央部には前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記短冊状磁性構造227`が嵌設され、前記研磨ストリップ受け部12と前記研磨ストリップ22は前記短冊状磁性構造227`の両側で連結されて前記研磨ストリップ磁場を導通し、符号2271は前記研磨ストリップ磁場の磁力線である。
【0180】
前記研磨ストリップ22は透磁材料で製造される。前記研磨ストリップグルーブ作動面1は、前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って、1本又は複数本の短冊状非透磁材料228が嵌め込まれており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線2271が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ22の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図6-1は、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである例を示す。
図6-1及び
図6-3においては、前記研磨ストリップグルーブ作動面1は、1本短冊状非透磁材料228が嵌め込まれている。
【0181】
前記短冊状非透磁材料228の幅t、嵌め込み深さd及び隣接する2本の短冊状非透磁材料の間隔に関しては、前記研磨ストリップグルーブ作動面1が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨ストリップ磁場の磁力線2271が優先的に前記研磨ストリップグルーブ作動面1と接触する球面ローラを通過することを確保することが認められる。
【0182】
前記短冊状磁性構造は、永久磁石構造、電磁構造又は電気永久磁石構造としてもよい。前記透磁材料は、軟鉄、低炭素鋼、中炭素鋼及び軟磁性合金など、透磁率の高い軟磁性構造材料を使用し、前記短冊状非透磁材料228は、非鉄金属、オーステナイト系ステンレス鋼など、非強磁性構造材料を使用する。
【0183】
前記設備の外部循環システムは脱磁手段44をさらに含み、
図6-1、
図6-3及び
図6-5(
図6-5は脱磁手段を含む、球面ローラを仕上げ加工する横型研磨ストリップユニット回動型本体の外部循環システムの概略図であり、図の右側部分では、前記球面ローラが前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる様子を示すように、研磨ストリップ及び拡張可能な支持部材が非表示にされている)に示すように、前記脱磁手段44は前記短冊状磁性構造の研磨ストリップ磁場により磁化された強磁性材質の球面ローラを消磁するものである。設備実施例11強磁性材質(例えばGCr
15、G
20CrNi
2MoA、Cr
4Mo
4V
30など)の球面ローラの転動面の仕上げ加工用の設備
【0184】
前記設備では、設備実施例10の前記設備と比べて、主に以下の点は相違する。
【0185】
前記短冊状磁性構造227が前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記研磨ストリップ22の実体内部に嵌設されている場合、
図6-2に示すように、研磨ストリップ22の実体のキャビティのうち前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する側において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア2281が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線2271が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ22の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
図6-2は前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブである例を示す。
【0186】
前記短冊状磁性構造227`が前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って前記研磨ストリップ受け部12のうち前記研磨ストリップ22の背面に対向する表面層の中央部に嵌設されている場合、
図6-4に示すように、前記研磨ストリップグルーブ作動面1と反対する研磨ストリップ22の背面において前記走査経路B1又は走査経路B2に沿って1本又は複数本の短冊状研磨ストリップフラックスバリア2281が設けられており、前記研磨ストリップ磁場の磁力線2271が前記研磨ストリップグルーブ作動面1における前記研磨ストリップ22の実体を通過するときの磁気抵抗を大きくする。
【0187】
前記研磨ストリップフラックスバリア2281の幅t`、深さd`及び隣接する研磨ストリップフラックスバリアの間隔に関しては、前記研磨ストリップグルーブ作動面1が要求する構造強度や剛度を満たす一方、研磨加工時に前記研磨加工領域における研磨ストリップ磁場の磁力線2271が優先的に前記研磨ストリップグルーブ作動面1と接触する球面ローラを通過することを確保することが求められる。方法実施例1ベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法
【0188】
前記ベアリングローラは円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラのうちの1つである。
【0189】
前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記方法は設備実施例1の前記設備を用い、前記円筒ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられ、前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記方法は設備実施例4又は設備実施例5の前記設備を用い、前記円錐ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられ、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記方法は設備実施例8又は設備実施例9の前記設備を用い、前記球面ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられる。
【0190】
遊離砥粒研磨方式又は固定砥粒研磨方式が使用される。
【0191】
前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、研磨加工の作業条件で前記第1螺旋溝作動面2111の材料と前記ベアリングローラの材料からなる摩擦対偶対による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記直線グルーブ作動面2211の材料と前記ベアリングローラの材料からなる摩擦対偶による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きくなるように、前記直線グルーブ作動面2211の材料及び前記第1螺旋溝作動面2111の材料をそれぞれ選択し、これによって、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに連続的に回転駆動される。ここでは、固定砥粒を用いて研磨する場合、前記直線グルーブ作動面2211は固定砥粒材料で製造される。遊離砥粒を用いて研磨し、かつ前記直線グルーブ作動面2211の材料としてポリテトラフルオロエチレンを選択し、前記第1螺旋溝作動面2111の材料としてポリメタクリル酸メチル又は鋳鉄を選択することにより、GCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4Vなどの材質のベアリングローラが自体の軸線周りに連続的に回転することが可能になる。
【0192】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨加工の作業条件で前記研磨ストリップグルーブ作動面の材料と前記球面ローラの材料からなる摩擦対偶による、前記球面ローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記第1螺旋溝作動面2111の材料と前記球面ローラの材料からなる摩擦対偶による、前記球面ローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きいように、前記研磨ストリップグルーブ作動面の材料及び前記第1螺旋溝作動面2111の材料をそれぞれ選択し、これによって、前記球面ローラが自体の軸線周りに連続的に回転駆動される。ここでは、固定砥粒を用いて研磨する場合、前記第1螺旋溝作動面2111は固定砥粒材料で製造される。遊離砥粒を用いて研磨し、かつ前記第1螺旋溝作動面2111の材料としてポリテトラフルオロエチレンを選択し、前記研磨ストリップグルーブ作動面の材料としてポリメタクリル酸メチル又は鋳鉄を選択する場合、GCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4Vなどの材質の球面ローラが自体の軸線周りに連続的に回転することが可能になる。
【0193】
図1-9、
図1-10、
図1-11、
図3-9、
図3-10、
図3-11、
図5-10、
図5-11及び
図5-12に示すように、研磨加工において、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップユニットは前記研磨ストリップユニット回動駆動部材により駆動されて、研磨ストリップユニットの軸線223周りに前記研磨スリーブ21に対して回動運動し、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記研磨スリーブ21は前記研磨スリーブ回動駆動部材により駆動されて、研磨スリーブの軸線213周りに前記研磨ストリップユニットに対して回動運動する。
【0194】
図1-8(a)、
図1-8(b)、
図1-8(c)、
図1-8(d)、
図1-8(e)、
図1-8(f)、
図1-9、
図1-11、
図3-9、
図3-11、
図5-10及び
図5-12に示すように、前記研磨ストリップユニットは、前記径方向拡張機構により駆動されて、前記研磨ストリップユニットの径方向に沿って前記研磨スリーブ21の内面に接近して拡張して負荷をかけ、前記第1螺旋溝211内に分布しているベアリングローラに作動圧力を印加する。
【0195】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ221であれば、
図5-10に示すように、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット及び前記研磨スリーブ21を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット及び前記研磨スリーブ21を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復螺旋運動を行い、前記ベアリングローラを駆動して自体の軸線周りに往復回転させる。研磨スリーブ回動型本体の場合、前記研磨ストリップグルーブが前記直線グルーブ221であれば、
図5-12に示すように、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット及び前記研磨スリーブ21を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行い、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット及び前記研磨スリーブ21を駆動して、前記研磨ストリップユニットの軸線223に沿って相対往復直線運動を行うか、又は前記研磨ストリップユニットの軸線223周りに相対往復螺旋運動を行い、前記ベアリングローラを駆動して自体の軸線周りに往復回転させる。本発明では、前記ベアリングローラが球面ローラであって、前記研磨ストリップグルーブが前記第2螺旋溝であれば、前記往復運動システムは前記研磨ストリップユニット及び前記研磨スリーブ21を駆動して、前記円柱状螺旋線B2222に沿って相対往復螺旋運動を行うのが好ましい。
【0196】
図1-10、
図3-10及び
図5-11に示すように、研磨ストリップユニット回動型本体の場合、1列のベアリングローラは、前記研磨ストリップユニットに対して離れるように、前記第1螺旋溝211の入口に設けられる搬送手段の搬送通路431内に配置されており、前記列は転動面が転動面に面するように、隣接するベアリングローラ同士が繋がる直列された列であり、これらのうち前記研磨ストリップユニットに最も近く、前記研磨ストリップユニットの回動過程において前記搬送通路431に合わせる研磨ストリップグルーブに入ろうとするベアリングローラは隣接する2つの研磨ストリップ22の間にある拡張可能な支持部材226によって支えられる。前記研磨ストリップユニットが前記研磨スリーブ21に対して回動するに伴い、前記研磨ストリップユニットの研磨ストリップグルーブのいずれかが前記搬送通路431に合わせると、前記拡張可能な支持部材226により支えられるベアリングローラは重力作用及び/又は搬送手段43により押されて前記研磨ストリップグルーブに入る。前記研磨ストリップユニットは前記研磨スリーブ21に対して回動を持続し、前記ベアリングローラは前記研磨ストリップグルーブ作動面による押合いの作用により前記第1螺旋溝211の入口を経て前記第1螺旋溝211に入り、これにより、前記第1螺旋溝作動面2111と前記研磨ストリップグルーブ作動面とにより囲まれた研磨加工領域に入る。
図1-10、
図3-10及び
図5-11は、それぞれ、横型研磨ストリップユニット回動型本体において円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラが研磨加工領域に入る例を示す。
【0197】
図1-11、
図3-11及び
図5-12に示すように、研磨スリーブ回動型本体の場合、前記搬送手段43の作用によって、研磨ストリップグルーブのいずれかの搬送待機領域225において前記研磨ストリップグルーブに沿って1つのベアリングローラが配置され、前記ベアリングローラは、前記搬送待機領域225における前記研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係が研磨加工領域における前記研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係と同じである。前記第1螺旋溝211の入口端では、前記第1螺旋溝211が前記研磨スリーブ21の端面により遮断されて前記端面に露出した第1螺旋溝作動面2111は案内面215とする。前記研磨スリーブ21が前記研磨ストリップユニットに対して回動するに伴い、第1螺旋溝211のいずれかの案内面215が前記研磨ストリップグルーブの搬送待機領域225に合わせると、前記搬送待機領域225に位置するベアリングローラは重力作用及び/又は搬送手段43により押されて、前記研磨ストリップグルーブ作動面及び案内面215に沿って前記第1螺旋溝211の入口に入る。前記研磨スリーブ21は前記研磨ストリップユニットに対して回動を持続し、前記ベアリングローラは前記研磨ストリップグルーブ作動面による押合いの作用により前記入口を経て前記第1螺旋溝211に入り、前記第1螺旋溝作動面2111と研磨ストリップグルーブ作動面とにより囲まれた研磨加工領域に入る一方、前記搬送手段43の作用により、次のベアリングローラは前記搬送待機領域225に入り、前記案内面215又は次の第1螺旋溝211の案内面215が前記研磨ストリップグルーブに合わせると、前記第1螺旋溝211の入口を経て前記第1螺旋溝211に入る。
図1-11、
図3-11及び
図5-12は、それぞれ、縦型研磨スリーブ回動型本体において円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラが研磨加工領域に入る例を示す。
【0198】
前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、
図1-3、
図1-7(a)及び
図1-7(b)に示すように、前記研磨加工領域内の円筒ローラの転動面32は前記直線グルーブ作動面2211と面接触を起こすとともに、前記第1螺旋溝作動面121111と接触する。前記円筒ローラは、前記第1螺旋溝作動面2111による摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動する。これと同時に、前記第1螺旋溝作動面2111と直線グルーブ作動面2211とによる押合いの作用により、前記円筒ローラは前記直線グルーブ221及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記円筒ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、これによって、前記円筒ローラの転動面32が研磨加工を受け始める。また、前記円筒ローラは前記第1螺旋溝211を貫通して、前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる。
【0199】
前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、
図3-6及び
図3-8に示すように、前記研磨加工領域内の円錐ローラの転動面32は前記直線グルーブ作動面2211のV字形の両側面と線接触を起こすとともに、前記第1螺旋溝作動面121111と線接触を起こす。前記円錐ローラは前記第1螺旋溝作動面2111の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動する。これと同時に、前記第1螺旋溝作動面2111と直線グルーブ作動面2211とによる押合いの作用により、前記円錐ローラは前記直線グルーブ221及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記円錐ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、これによって、前記円錐ローラの転動面32が研磨加工を受け始める。また、前記円錐ローラは前記第1螺旋溝211を貫通して、前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる。
【0200】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、
図5-6及び
図5-8に示すように、前記研磨加工領域内の球面ローラの転動面32は、前記第1螺旋溝作動面2111と十字交差して線接触を行うとともに、前記研磨ストリップグルーブ作動面1と線接触を起こす。前記球面ローラは前記研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて、自体の軸線周りに回転運動する。これと同時に、前記第1螺旋溝作動面2111と研磨ストリップグルーブ作動面とによる押合いの作用により、前記球面ローラは前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記球面ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、これによって、前記球面ローラの転動面32が研磨加工を受け始める。また、前記球面ローラは前記第1螺旋溝211を貫通して、前記第1螺旋溝211の出口を介して前記研磨加工領域から離れる。
【0201】
前記方法の具体的なステップは、以下のとおりである。
【0202】
ステップ1、前記径方向拡張機構を起動させて、前記第1螺旋溝211と前記研磨ストリップグルーブとの交点ごとの研磨加工領域の空間にベアリングローラが1つしか収納できなくなるまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ21の内面に接近させる。
【0203】
ステップ2、前記研磨ストリップユニット回動駆動部材又は研磨スリーブ回動駆動部材を起動させて、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21を0~10rpmの初期速度で相対回動させる。前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記往復運動システムも起動させる。
【0204】
ステップ3、前記移送サブシステム、整理手段42及び搬送手段43を起動させる。前記搬送手段43の搬送速度を調整することによって、当該搬送速度を、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との相対回動の初期速度をマッチングさせる。前記移送サブシステムの移送速度及び前記整理手段42の整理速度を調整することによって、これらの速度を前記搬送手段43の搬送速度とマッチングさせる。これによって、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ21との間での前記第1螺旋溝211に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確立する。
【0205】
ステップ4、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との相対回動速度を5~60rpmの作動回動速度に調整し、前記搬送手段43の搬送速度を作動搬送速度に調整し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との作動回動速度とマッチングさせ、前記移送サブシステムの移送速度及び前記整理手段42の整理速度を調整し、前記外部循環システムの収集手段41、整理手段42、搬送手段43及び移送サブシステムのそれぞれにおけるベアリングローラの存在量をマッチングさせ、外部循環を円滑で整然とするものとする。
【0206】
ステップ5、前記研磨加工領域に研磨液を注入する。
【0207】
ステップ6であって、以下の1)と2)を含む。1)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内のベアリングローラの転動面32が前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面のそれぞれと接触するまで、前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って前記研磨スリーブ21の内面にさらに接近させる。前記ベアリングローラのタイプによって、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面のそれぞれと、異なる接触関係を確立する。
【0208】
前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記研磨加工領域内の円筒ローラの転動面32は、前記第1螺旋溝作動面121111と線接触を起こすとともに、前記直線グルーブ作動面2211と面接触を起こす。
【0209】
前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記研磨加工領域内の円錐ローラの転動面32は、前記第1螺旋溝作動面121111及び直線グルーブ作動面2211のV字形の両側面のそれぞれと線接触を起こす。
【0210】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記研磨加工領域内の球面ローラの転
動面32は、前記第1螺旋溝作動面2111と十字交差して線接触を行うとともに、前記研磨ストリップグルーブ作動面1と線接触を起こす。
【0211】
2)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加する。
【0212】
前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、前記ベアリングローラは前記第1螺旋溝作動面2111の摩擦により駆動されて自体の軸線周りに回転運動しながら、前記第1螺旋溝作動面2111と直線グルーブ作動面2211との押合いの作用により前記直線グルーブ221及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211による研磨加工を受け始める。
【0213】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記球面ローラは前記研磨ストリップグルーブ作動面の摩擦により駆動されて自体の軸線周りに回転運動しながら、前記第1螺旋溝作動面2111と研磨ストリップグルーブ作動面とによる押合いの作用により、前記研磨ストリップグルーブ221及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記球面ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、前記球面ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け始める。
【0214】
ステップ7、研磨加工が安定的に進むに伴い、前記径方向拡張機構をさらに調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均2~50Nの作動圧力を印加する。前記ベアリングローラは、ステップ6に記載の前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面との接触関係、自体の軸線周りの回転運動及び前記研磨ストリップグルーブと第1螺旋溝211に沿う運動関係を維持し、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け続ける。
【0215】
ステップ8、前記研磨スリーブ21が前記別体構造である場合、前記径方向収縮機構を調整することによって前記第1螺旋溝作動面2111の摩損をリアルタイムで補償する。研磨加工を所定時間行った後、前記ベアリングローラに対して抜き取り検査を行い、前記転動面32の表面品質、形状精度及び寸法一貫性が技術的要件を満たさない場合、本ステップの研磨加工を持続する。前記転動面32の表面品質、形状精度及び寸法一貫性が技術的要件を満たす場合、ステップ9に移行する。
【0216】
ステップ9、前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで徐々に減少していく。前記整理手段42、搬送手段43及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との相対回動速度をゼロまで調整する。ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止する。前記研磨加工領域への研磨液注入を停止する。前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させる。方法実施例2強磁性材質(例えばGCr15、G20CrNi2MoA、Cr4Mo4Vなど)のベアリングローラの転動面の仕上げ加工用の方法。
【0217】
前記ベアリングローラは円筒ローラ、円錐ローラ及び球面ローラのうちの1つである。
【0218】
前記方法では、方法実施例1の前記方法と比べて、主に以下の点は相違する。
【0219】
前記ベアリングローラが円筒ローラである場合、前記方法は設備実施例2又は設備実施例3の前記設備を用い、強磁性材質の円筒ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられ、前記ベアリングローラが円錐ローラである場合、前記方法は設備実施例6又は設備実施例7の前記設備を用い、強磁性材質の円錐ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられ、前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記方法は設備実施例10又は設備実施例11の前記設備を用い、強磁性材質の球面ローラの転動面を大量で連続的に仕上げ加工することに用いられる。
【0220】
前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、
図2-1(a)、
図2-1(b)、
図2-2(a)、
図2-2(b)、
図2-3、
図2-4、
図2-5、
図4-1(a)、
図4-1(b)、
図4-2(a)、
図4-2(b)、
図4-3、
図4-4及び
図4-5に示すように、前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場の磁場強度を調整することによって、前記第1螺旋溝作動面2111は前記ベアリングローラに対して十分な磁気吸引力を発生させ、これにより、前記第1螺旋溝作動面2111による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記研磨ストリップグルーブ作動面による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きく、これによって、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに連続的に回転駆動される。
【0221】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、
図6-1、
図6-2、
図6-3、
図6-4及び
図6-5に示すように、前記短冊状磁性構造の研磨ストリップ磁場の磁場強度を調整することによって、前記研磨ストリップグルーブ作動面は前記ベアリングローラに対して十分な磁気吸引力を発生させ、これにより、前記研磨ストリップグルーブ作動面による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記第1螺旋溝作動面2111による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きく、これによって、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに連続的に回転駆動される。
【0222】
前記方法の具体的なステップでは、方法実施例1の前記方法の具体的なステップと比べて、以下の点は相違する。
【0223】
ステップ3、前記移送サブシステム、整理手段42、搬送手段43及び脱磁手段44を起動させる。前記搬送手段43の搬送速度を調整することによって、この搬送速度を、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との相対回動の初期速度とマッチングさせる。前記移送サブシステムの移送速度及び前記整理手段42の整理速度を調整することによって、これらの速度を前記搬送手段43の搬送速度とマッチングさせる。これによって、前記ベアリングローラの前記研磨ストリップユニットと研磨スリーブ21との間での前記第1螺旋溝211に沿う螺旋移動と前記外部循環システムによる収集、整理及び搬送との閉循環を確立する。
【0224】
ステップ6、2)前記径方向拡張機構を調整して、前記研磨加工領域内に分布している各ベアリングローラに平均0.5~2Nの初期圧力を印加する。
【0225】
前記ベアリングローラが円筒ローラ又は円錐ローラである場合、前記円筒状磁性構造は作動状態に入り、前記円筒状磁性構造の研磨スリーブ磁場の磁場強度を調整することによって、前記第1螺旋溝作動面2111による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記直線グルーブ作動面2211による、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きく、これによって、前記ベアリングローラが自体の軸線周りに回転運動するように駆動される。これと同時に、前記第1螺旋溝作動面2111と直線グルーブ作動面2211とによる押合いの作用により、前記ベアリングローラは前記直線グルーブ221及び第1螺旋溝211のそれぞれに沿って移動する。前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211と相対摺動を起こし、前記転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び直線グルーブ作動面2211による研磨加工を受け始める。
【0226】
前記ベアリングローラが球面ローラである場合、前記短冊状磁性構造は作動状態に入り、前記短冊状磁性構造の研磨ストリップ磁場の磁場強度を調整することによって、使得 前記研磨ストリップグルーブ作動面による、前記球面ローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する駆動モーメントが、前記第1螺旋溝作動面2111による、前記球面ローラが自体の軸線周りに回転して生じる滑り摩擦に対する抵抗モーメントよりも大きく、これによって、前記球面ローラは自体の軸線周りに回転運動するように駆動される。これと同時に、前記第1螺旋溝作動面2111と研磨ストリップグルーブ作動面とによる押合いの作用により、前記球面ローラは前記研磨ストリップグルーブ及び第1螺旋溝のそれぞれに沿って移動する。前記球面ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面と相対摺動を起こし、前記球面ローラの転動面32は前記第1螺旋溝作動面2111及び研磨ストリップグルーブ作動面による研磨加工を受け始める。
【0227】
ステップ9、前記ベアリングローラに印加される圧力をゼロまで徐々に減少していく。前記整理手段42、搬送手段43及び移送サブシステムの運転を停止し、前記研磨ストリップユニットと前記研磨スリーブ21との相対回動速度をゼロまで調整する。ステップ2において前記往復運動システムを起動させた場合、前記往復運動システムの運転を停止する。前記円筒状磁性構造又は短冊状磁性構造を非作動状態に切り替える。脱磁手段44の運転を停止する。前記研磨加工領域への研磨液注入を停止する。前記研磨ストリップユニットをその径方向に沿って非作動位置に復位させる。
【符号の説明】
【0228】
11-研磨スリーブユニットバー受け部;12-研磨ストリップ受け部;13-ベースブッシュ;131-ガイドブッシュA;1311-ガイド孔A;132-テーパブッシュ;1321-内円錐面;14-ベース芯軸;141-ガイドブッシュB;1411-ガイド孔B;142-テーパ芯軸;1421-外円錐面;151-ガイドカラムA;152-ガイドカラムB;161-ブッシュ型シリンダ;162-軸型シリンダ;163-マスタキャビティ;164-シリンダライナ;165-ピストンロッド;17-微小変位ユニット;171-押し棒;21-研磨スリーブ;210-研磨スリーブユニットバー;211-第1螺旋溝;2111-第1螺旋溝作動面;21111-第1螺旋溝作動面1;21112-第1螺旋溝作動面2;2112-第1螺旋溝走査面;21121-第1螺旋溝走査面1;21122-第1螺旋溝走査面2;2113-第1螺旋溝の軸直角断面;21131-軸直角断面輪郭A;2121-円柱状螺旋線A;213-研磨スリーブの軸線;2130-補助直線A;2131-研磨スリーブの軸断面;214-垂線A;215-案内面;217-円筒状磁性構造;2171-研磨スリーブ磁場の磁力線;218-螺旋帯状非透磁材料;2181-研磨スリーブフラックスバリア;219-磁性カラー;22-研磨ストリップ;221-直線グルーブ;2211-直線グルーブ作動面;22111-直線グルーブ作動面1;22112-直線グルーブ作動面2;22121-直線グルーブ走査面1;22122-直線グルーブ走査面2;2213-直線グルーブの軸直角断面;22131-軸直角断面輪郭B;2221-直線B;2222-円柱状螺旋線B;223-研磨ストリップユニットの軸線;2230-補助直線B;2231-研磨ストリップユニットの軸断面;224-垂線B;225-搬送待機領域;226-拡張可能な支持部材;227-短冊状磁性構造;2271-研磨ストリップ磁場の磁力線;228-短冊状非透磁材料;2281-研磨ストリップフラックスバリア;31-ベアリングローラの軸線;32-転動面;320-軸断面プロフィル;321-接触線1;3211-十字交差接触線1;3212-十字交差接触線2;322-接触線2;33-球面基準面;331-接触線3;34-端面丸面取り;34
1-接触線4;35-最大径切断円;41-収集手段;42-整理手段;43-搬送手段;431-搬送通路;44-脱磁手段;N-円筒ローラの端面丸面取りと第1螺旋溝作動面2との接触点;O1-円筒ローラの重心;O2-円錐ローラの重心;O3-球面ローラの最大径切断円の円心;α-球面ローラの軸線と研磨スリーブの軸線との夾角;β-球面ローラの軸線と直線Bとの夾角;ξ-球面ローラの軸線と研磨ストリップユニットの軸線との夾角;γ-円錐ローラの軸線と直線Bとの夾角;δ-円錐ローラの軸線と研磨スリーブの軸線との夾角;θ-直線グルーブ走査面の軸直角断面輪郭の2本の直線分の夾角の半角;φ-円錐ローラの半円錐角;d-嵌め込み深さ;d`-フラックスバリア深さ;r-球面ローラの最大径切断円の半径;Rc-転動面の軸断面プロフィルの曲率半径;t-非透磁材料の幅;t`-フラックスバリア幅