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特許7554526陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCO2ハイブリッドシステム
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  • 特許-陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCO2ハイブリッドシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCO2ハイブリッドシステム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240912BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/04111 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20240912BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04014
H01M8/04111
H01M8/0606
H01M8/12 101
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024001271
(22)【出願日】2024-01-09
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】202310907527.1
(32)【優先日】2023-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154254
【氏名又は名称】江蘇科技大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.2 Mengxi Road,Zhenjiang,Jiangsu 212003,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】姚 寿广
(72)【発明者】
【氏名】夏 民杰
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115763883(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0030209(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114744264(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115566237(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0313207(US,A1)
【文献】特開2001-052727(JP,A)
【文献】特開平07-201349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/04 - 8/0668
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ポンプ、第1コンプレッサ、第2コンプレッサ、改質室、SOFC、後燃焼室、第2ターボ、第5熱交換器、第8熱交換器及び超臨界CO循環サブシステムを含み、前記水ポンプは水を加圧し、前記第1コンプレッサは天然ガスを加圧し、前記加圧後の水と加圧後の天然ガスが加熱された後に改質室に入って改質反応が行われ、前記改質室の出口が前記SOFCの陽極に接続されて、SOFCに陽極ガスを提供し、空気が前記第2コンプレッサにより加圧された後に加熱されて、前記SOFCの陰極に入ってSOFCに陰極ガスを提供し、前記SOFCの陽極の出口の第1部分のガスの流れが前記後燃焼室に入り、前記SOFCの陽極の出口の第2部分のガスの流れが前記改質室に戻り、前記SOFCの陰極の出口の第1部分のガスの流れが前記後燃焼室に入り、前記SOFCの陰極の出口の第2部分のガスの流れが前記第8熱交換器を通って前記SOFCの陰極に戻り、前記後燃焼室から排出されたガスは、前記第2ターボによる仕事の後、前記第5熱交換器に入って、改質反応に必要な熱量を前記改質室に供給し、
前記超臨界CO循環サブシステムは、第1ターボと第3コンプレッサを含み、前記第3コンプレッサにより加圧された二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後、また前記第8熱交換器に入り、前記SOFCの陰極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱された後に、前記第1ターボにさらに入って膨張仕事が行われ
第7熱交換器を含み、前記第3コンプレッサにより加圧された後の二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後の第1部分のガスの流れは、前記第8熱交換器に入って、前記SOFCの陰極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱され、前記第3コンプレッサにより加熱された二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後の第2部分のガスの流れは、前記第7熱交換器に入って、前記SOFCの陽極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱され、前記第7熱交換器と前記第8熱交換器により加熱された二酸化炭素は
合流して前記第1ターボに入って膨張仕事を行うことを特徴とする陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項2】
前記超臨界CO循環サブシステムは、第6熱交換器を含み、前記第3コンプレッサにより加圧された二酸化炭素と、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素とが前記第6熱交換器で熱交換を行うことを特徴とする請求項1に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項3】
前記超臨界CO循環サブシステムは冷却器を含み、前記冷却器は前記第6熱交換器と前記第3コンプレッサとの間に接続され、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素は、前記第6熱交換器により熱交換冷却が行われた後、前記冷却器により冷却されて前記第3コンプレッサに入ることを特徴とする請求項に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項4】
前記第3コンプレッサは、多段圧縮段間冷却プロセスを採用することを特徴とする請求項1に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項5】
第1ミキサと第4熱交換器を含み、前記加圧後の水と加圧後の天然ガスは前記第1ミキサにより混合され、前記第1ミキサの出口が前記第4熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第4熱交換器の冷媒の出口が前記改質室に接続され、前記第5熱交換器の出口が前記第4熱交換器の熱媒の入口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項6】
第3熱交換器を含み、前記第2コンプレッサの出口が前記第3熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第4熱交換器の熱媒の出口が前記第3熱交換器の熱媒の入口に接続されることを特徴とする請求項に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項7】
第2熱交換器を含み、前記第1コンプレッサの出口が前記第2熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第2熱交換器の冷媒の出口が前記第1ミキサに接続され、前記第3熱交換器の熱媒の出口が前記第2熱交換器の熱媒の入口に接続されることを特徴とする請求項に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項8】
第1熱交換器を含み、前記水ポンプの出口が前記第1熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第1熱交換器の冷媒の出口が前記第1ミキサに接続され、前記第2熱交換器の熱媒の出口が前記第1熱交換器の熱媒の入口に接続されることを特徴とする請求項に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【請求項9】
第2分流器と、第3分流器と、第3ミキサとを含み、前記第2分流器は、前記SOFCの陽極の出口におけるガスの流れを第1部分と第2部分に分けることに用いられ、前記第3分流器は、前記SOFCの陰極の出口のガスの流れを第1部分と第2部分に分けることに用いられ、前記第3ミキサは、加圧加熱後の空気と、前記第8熱交換器を通った前記SOFCの陰極の出口におけるガスの流れの第2部分とを混合して前記SOFCの陰極に送ることに用いられることを特徴とする請求項1に記載の陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池及び動力装置の技術分野に関し、特に陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
SOFC(固体酸化物燃料電池)は、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換でき、カルノーサイクルに制限されず、エネルギー変換効率が高い。現在では、ほとんどのSOFCは600~1000°Cの範囲で動作し、SOFCによって化学エネルギーを電気エネルギーに変換するプロセスは発熱プロセスであるため、システムを安全に動作させることを確保するように、どのようにSOFCを一定の温度範囲内で動作させるのがよいかを検討する必要があり、現在の一般的な解決手段は、SOFC陰極の空気の流れを増やすことにより、SOFC動作から余分な熱を取り除くことであるが、このプロセスは、エアコンプレッサのエネルギー消費量を増やして、システムの効率を低下させる。
【0003】
公開番号CN105226314Aの中国特許は、スターリングエンジンを利用して、水中交通道具向けのSOFCの熱回収と温度制御を行うシステムを開示する。該システムは、SOFCと、SOFCを中心とする断熱容器と、冷却回路と、スターリングエンジンとにより構成され、SOFCシステムの温度制御とSOFC廃熱の発電を実現するように、スターリングエンジンの一端を断熱容器内にカップリングし、他端を冷却回路にカップリングする。ところが、現在、スターリングエンジンの出力電力と電力の密度は低く、また、熱源はエンジンの外部から来て、熱の伝達に時間がかかるため、エンジンの出力電力は、熱源の電力の変化によって素早く変化することはできない。
【発明の概要】
【0004】
上記技術的欠陥について、本発明は、陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムを提供することをタスクとし、SOFCの動作温度を制御して、システムの効率を高めることを目的とする。
【0005】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムであって、水ポンプ、第1コンプレッサ、第2コンプレッサ、改質室、SOFC、後燃焼室、第2ターボ、第5熱交換器、第8熱交換器及び超臨界CO循環サブシステムを含み、前記水ポンプは水を加圧し、前記第1コンプレッサは天然ガスを加圧し、前記加圧後の水と加圧後の天然ガスが加熱された後に改質室に入って改質反応が行われ、前記改質室の出口が前記SOFCの陽極に接続されて、SOFCに陽極ガスを提供し、空気が前記第2コンプレッサにより加圧された後に加熱されて、前記SOFCの陰極に入ってSOFCに陰極ガスを提供し、前記SOFCの陽極の出口の第1部分のガスの流れが前記後燃焼室に入り、前記SOFCの陽極の出口の第2部分のガスの流れが前記改質室に戻り、前記SOFCの陰極の出口の第1部分のガスの流れが前記後燃焼室に入り、前記SOFCの陰極の出口の第2部分のガスの流れが前記第8熱交換器を通って前記SOFCの陰極に戻り、前記後燃焼室から排出されたガスは、前記第2ターボによる仕事の後、前記第5熱交換器に入って、改質反応に必要な熱量を前記改質室に供給する。
【0006】
前記超臨界CO循環サブシステムは、第1ターボと第3コンプレッサを含み、前記第3コンプレッサにより加圧された二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後、また前記第8熱交換器に入り、前記SOFCの陰極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱された後に、前記第1ターボにさらに入って膨張仕事が行われる。
【0007】
さらに、第7熱交換器を含み、前記第3コンプレッサにより加圧された後の二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後の第1部分のガスの流れは、前記第8熱交換器に入って、前記SOFCの陰極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱され、前記第3コンプレッサにより加熱された二酸化炭素は、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素により加熱された後の第2部分のガスの流れは、前記第7熱交換器に入って、前記SOFCの陽極の出口における第2部分のガスの流れにより加熱され、前記第7熱交換器と前記第8熱交換器により加熱された二酸化炭素は合流して前記第1ターボに入って膨張仕事を行う。
【0008】
さらに、前記超臨界CO循環サブシステムは、第6熱交換器を含み、前記第3コンプレッサにより加圧された二酸化炭素と、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素とが前記第6熱交換器で熱交換を行う。
【0009】
さらに、前記超臨界CO循環サブシステムは冷却器を含み、前記冷却器は前記第6熱交換器と前記第3コンプレッサとの間に接続され、前記第1ターボによる膨張仕事が行われた二酸化炭素は、前記第6熱交換器により熱交換冷却が行われた後、前記冷却器により冷却されて前記第3コンプレッサに入る。
【0010】
さらに、前記第3コンプレッサは、多段圧縮段間冷却プロセスを採用する。
【0011】
さらに、第1ミキサと第4熱交換器を含み、前記加圧後の水と加圧後の天然ガスは前記第1ミキサにより混合され、前記第1ミキサの出口が前記第4熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第4熱交換器の冷媒の出口が前記改質室に接続され、前記第5熱交換器の出口が前記第4熱交換器の熱媒の入口に接続される。
【0012】
さらに、第3熱交換器を含み、前記第2コンプレッサの出口が前記第3熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第4熱交換器の熱媒の出口が前記第3熱交換器の熱媒の入口に接続される。
【0013】
さらに、第2熱交換器を含み、前記第1コンプレッサの出口が前記第2熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第2熱交換器の冷媒の出口が前記第1ミキサに接続され、前記第3熱交換器の熱媒の出口が前記第2熱交換器の熱媒の入口に接続される。
【0014】
さらに、第1熱交換器を含み、前記水ポンプの出口が前記第1熱交換器の冷媒の入口に接続され、前記第1熱交換器の冷媒の出口が前記第1ミキサに接続され、前記第2熱交換器の熱媒の出口が前記第1熱交換器の熱媒の入口に接続される。第1熱交換器、第2熱交換器、第3熱交換器、第4熱交換器、第5熱交換器によって、第2ターボから排出されたガスの熱エネルギーが段階的に利用され、システム全体の効率を高める。
【0015】
さらに、第2の分流器と、第3の分流器と、第3のミキサとを含み、前記第2分流器は、前記SOFCの陽極の出口におけるガスの流れを第1部分と第2部分に分けることに用いられ、前記第3分流器は、前記SOFCの陰極の出口のガスの流れを第1部分と第2部分に分けることに用いられ、前記第3ミキサは、加圧加熱後の空気と、前記第8熱交換器を通った前記SOFCの陰極の出口におけるガスの流れの第2部分とを混合して前記SOFCの陰極に送ることに用いられる。
【0016】
本発明は従来技術に比べて以下のメリットがある。
【0017】
(1)陽極と陰極の循環を利用して、SOFCの動作中に熱を引き出し、SCO循環を駆動して発電し、SOFCの温度を制御するために陰極ガスを大量に使用することを回避し、エアコンプレッサの消費電力や投資コストを増やす必要はなく、エアコンプレッサの吸気流量が変わらないことを前提に、SOFC恒温運転を実現する。
【0018】
(2)陽極の循環を利用して、陽極の出口の排ガスによって運ばれた大量の水蒸気を改質室に再循環させ、水とメタンを改質して水素を製造し、改質反応が正常に行われることを確認し、システムに必要な水の流量を減らすことができる。
【0019】
(3)SCO循環により、SOFCの廃熱を集めて発電し、熱エネルギーの浪費を回避し、システムの効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施例による陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、実施例を合わせて本発明をさらに説明し、これらの実施例は、本発明を説明するためのものだけであり、本発明の範囲を限定するものではなく、この説明を読んだ後、当業者による種々の同等の形態での本説明への修正は、すべて本出願に添付された特許請求の範囲によって制限される範囲内に収まることが理解されるべきである。
【0022】
図1に示されるように、本発明の実施例は、陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムに関し、ここで、GTはガスターボ(ターボ)であり、SCOは超臨界二酸化炭素の循環であり、該システムは、水ポンプ1、第1コンプレッサ2、第2コンプレッサ3、第1熱交換器4、第2熱交換器5、第3熱交換器6、第1ミキサ7、第4熱交換器8、第5熱交換器9、第2ミキサ10、改質室11、第3ミキサ12、第1分離器13、第6熱交換器14、冷却器15、第3コンプレッサ16、第7熱交換器17、SOFC18、第8熱交換器19、第4ミキサ20、第1ターボ21、第2分離器22、第3分離器23、後燃焼室24、第2ターボ25という部材を含む。
【0023】
陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムの具体的な構造は、燃料改質サブシステム、SOFC/GTハイブリッドシステムとSCO循環サブシステムを含む。
【0024】
燃料改質サブシステムは、主に水ポンプ1、第1コンプレッサ2、第1熱交換器4、第2熱交換器5、第1ミキサ7、第4熱交換器8、第5熱交換器9、第2ミキサ10と改質室11を含む。水ポンプ1の出口が第1熱交換器4の冷媒の入口に接続され、第1コンプレッサ2の出口が第2熱交換器5の冷媒の入口に接続され、第1熱交換器4の冷媒の出口及び第2熱交換器5の冷媒の出口がいずれも第1ミキサ7の入口に接続される。第1ミキサ7の出口が第4熱交換器8の冷媒の入口に接続され、第4熱交換器8の冷媒の出口が第2ミキサ10の入口に接続され、第2ミキサ10の出口が改質室11に接続される。後燃焼室24の出口が第2ターボ25の入口に接続され、第2ターボ25の出口が第5熱交換器9の熱媒の入口に接続され、第5熱交換器9の熱媒の出口が第4熱交換器8の熱媒の入口に接続される。第5熱交換器9によって改質室11の作動に必要な熱量を提供する。第4熱交換器8の熱媒の出口が第3熱交換器6の熱媒の入口に接続され、第3熱交換器6の熱媒の出口が第2熱交換器5の熱媒の入口に接続され、第2熱交換器5の熱媒の出口が第1熱交換器4の熱媒の入口に接続され、第1熱交換器4の熱媒の出口が空気中に排出する。
【0025】
SOFC/GFハイブリッドサブシステムは、主に第2コンプレッサ3、第3熱交換器6、第3ミキサ12、SOFC18、第2分離器22、第3分離器23、後燃焼室24と第2ターボ25を含む。第2コンプレッサ3の出口が第3熱交換器6の冷媒の入口に接続され、第3熱交換器6の冷媒の出口が第3ミキサ12の入口に接続される。SOFC18の陰極の入口が第3ミキサ12の出口に接続され、SOFC18の陽極の入口が改質室11の出口に接続される。SOFC18の陰極の出口が第3分離器23を介してそれぞれ後燃焼室24と第8熱交換器19の熱媒の入口に接続され、第8熱交換器19の熱媒の出口が第3ミキサ12の入口に接続される。SOFC18の陽極の出口が第2分離器22を介してそれぞれ後燃焼室24と第7熱交換器17の熱媒の入口に接続され、第7熱交換器17の熱媒の出口が第2ミキサ10の入口に接続される。SOFC18の陽極の出口及び陰極の出口の一部の熱量が第7熱交換器17と第8熱交換器19によって利用される。
【0026】
SCO循環サブシステムは、主に第1分離器13、第6熱交換器14、冷却器15、第1ターボ21、第8熱交換器19、第4ミキサ20及び第3コンプレッサ16を含む。第3コンプレッサ16の出口が第6熱交換器14の冷媒の入口に接続され、第6熱交換器14の冷媒の出口が第1分離器13を介してそれぞれ第7熱交換器17の冷媒の入口と第8熱交換器19の冷媒の入口に接続され、第7熱交換器17の冷媒の出口と第8熱交換器19の冷媒の出口が組み合わされて第4ミキサ20を介して第1ターボ21の入口に接続され、第1ターボ21の出口が第6熱交換器14の熱媒の入口に接続され、第6熱交換器14の熱媒の出口が冷却器15を介して第3コンプレッサ16の入口に接続される。
【0027】
本実施例において、第3コンプレッサ16は、多段圧縮段間冷却プロセスを採用し、圧縮段は5段である。第1分離器13の分離比(第7熱交換器17の冷媒の入口の流量と第8熱交換器19の冷媒の入口の流量との比)は2:3であり、第2分離器22の分離比(SOFC18の陽極の出口の陽極再循環ガスの流量とSOFC18の陽極の出口から後燃焼室24に入るガスとの比)は3:2であり、第3分離器23の分離比(SOFC18の陰極の出口の陰極再循環ガスの流量とSOFC18の陰極の出口から後燃焼室24に入るガスとの比)は3:2である。システムはメタンを燃焼とし、吸入された空気は酸素と窒素で構成されており、両者のモル比は0.21:0.79である。
【0028】
以下は、本願の実施例で提供される陰極と陽極の再循環に基づくSOFC/GT/SCOハイブリッドシステムの動作原理を具体的に説明する。
【0029】
(一)燃料改質サブシステム
水が水ポンプ1により加圧され、かつ第1熱交換器4により加熱されて水蒸気になり、それは、第1コンプレッサ2により加圧され、かつ第2熱交換器5により加熱された天然ガス(メタン)とともに第1ミキサ7で混合され、混合後のガスは、第4熱交換器8によりさらに加熱され、かつ第7熱交換器17により冷却されたSOFC18の陽極循環ガスとともに第2ミキサ10で合流し、また改質室11に入って反応して水素リッチガスを生成する。
【0030】
(二)SOFC/GTハイブリッドサブシステム
空気は第2コンプレッサ3により圧縮され、かつ第3熱交換器6により加熱され、第8熱交換器19により冷却されたSOFC18の陰極循環ガスとともに第3ミキサ12で混合される。混合後のガスはSOFC18の陰極に入り、改質室11の出口から入ったSOFC18の陽極の燃料ガスと電気化学反応を行い、電気エネルギーを生成する。SOFC18の陽極の出口のガスは、第2分離器22により2つの流路に分けられ、一方は後燃焼室24に入って反応し、他方は陽極循環ガスとして第7熱交換器17で冷却されて第2ミキサ10に戻る。SOFC18の陰極の出口のガスは、第3分離器23により2つの流路に分けられ、一方は後燃焼室24に入って反応し、他方は陰極循環ガスとして第8熱交換器19で冷却されて、第3ミキサ12に戻る。後燃焼室24に入って燃焼する高温高圧ガスは、第2ターボ25で膨張仕事を十分行い、次に第5熱交換器9に入って、改質室11に熱を供給する。その後、さらに第4熱交換器8、第3熱交換器6、第2熱交換器5と第1熱交換器4を通してそれぞれ第1ミキサ7の混合ガス、圧縮された空気、加圧された天然ガス(メタン)及び加圧された水を加熱し、最後に空気中に排出する。
【0031】
(三)SCO循環サブシステム
第3コンプレッサ16により圧縮された後の二酸化炭素は、第6熱交換器14で膨張仕事を行った後の二酸化炭素により加熱されて温度が上昇し、次に第1分離器13に入って2つの流路に分けられ、一方は第7熱交換器17で陽極循環ガスにより加熱されて温度が上昇した後に第4ミキサ20に入り、他方は第8熱交換器19で陰極循環ガスにより加熱されて温度が上昇した後に第4ミキサ20で前述のガスと合流する。混合後の高温高圧ガスは、第1ターボ21で膨張仕事を行い、かつ第6熱交換器14に入って圧縮された後の二酸化炭素により冷却され、冷却後の二酸化炭素は冷却器15に入ってさらに冷却され、その後、第3コンプレッサ16に入って圧縮され、1つの循環を完成する。第1ターボ21と第2ターボ25は、発電機を駆動して発電することができる。
【0032】
以下は、本発明の実現可能性をさらに説明するための具体例をあげる。表1にシステムの初期要件が示され、表2にシステムのシミュレーション結果が示される。
【表1】
【表2】
【0033】
該ハイブリッドシステムは、626.53kWの総発電量、555.06kWの正味発電効率と69.18%の発電効率を実現でき、SOFC/GT/SCOハイブリッドシステムの安全で効率的な動作を実現することに良い指導価値を持っている。
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、SOFCの恒温運転の実現を前提に、SOFC運転の廃熱を十分利用して発電し、システムの安全で効率的な運転を実現する。
【解決手段】SOFCの陽極の出口におけるガスの流れの一部が改質室に入って改質反応を行い、SOFCの陰極の出口におけるガスの流れの一部が超臨界SCO循環に熱量を提供した後にSOFCの陰極に戻り、SOFCの陽極の出口と陰極の出口におけるほかのガスの流れが後燃焼室に入り、排出されたガスは仕事を行って改質反応に必要な熱量を提供し、超臨界SCO循環サブシステムは、SOFCの陰極の出口におけるガスの流れの一部の熱量を利用して循環を形成して仕事を行う。
【選択図】図1
図1