(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】狭小トレンチを形成する方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/40 20060101AFI20240912BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G03F7/40 511
G03F7/20 501
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022516287
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 US2020051175
(87)【国際公開番号】W WO2021055542
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-15
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グルゼスコウィアク,ジョディ
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ファレル,リチャード エー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-035672(JP,A)
【文献】特開2001-033984(JP,A)
【文献】特開2016-048373(JP,A)
【文献】特開2009-272623(JP,A)
【文献】特開2002-006512(JP,A)
【文献】特開2010-060693(JP,A)
【文献】国際公開第2008/117693(WO,A1)
【文献】特開2017-161900(JP,A)
【文献】特開2014-142634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0130612(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0377982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にパターンを形成する方法であって、
前記基板の下地層上に第1の層を形成するステップであって、前記第1の層は、第1の構造を有するようにパターン化される、ステップと、
前記第1の構造の側面にグラフト材料を成膜するステップであって、前記グラフト材料は、溶解度シフト材料を有する、ステップと、
前記溶解度シフト材料に隣接する隣接構造に、所定の距離だけ、前記溶解度シフト材料を拡散させるステップであって、前記溶解度シフト材料は、現像剤における前記隣接構造の溶解度を変化させる、ステップと、
前記現像剤を用いて前記隣接構造の可溶部分を除去し、第2の構造を形成するステップと、
を有し、
前記第1の構造は、前記第1の層の第1の開口を有し、
前記隣接構造は、前記第1の層の一部であり、
前記第1の層は、フォトレジスト材料を有し、
前記第2の構造は、前記第1の層の第2の開口を有し、
前記溶解度シフト材料を拡散させるステップの前に、化学線に対する前記第1の層のパターン化露光により、前記第2の開口の潜在パターンが形成され
、
前記溶解度シフト材料は、前記隣接構造を前記現像剤に対して不溶性にし、
前記第1の開口は、少なくとも前記所定の距離だけ前記第2の開口から離間される、方法。
【請求項2】
前記溶解度シフト材料は、酸を中和する塩基を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2019年9月19日に出願された米国仮出願第62/902,434号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は、全体が参照により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、集積回路の微細加工および半導体基板をパターン化する際のプロセスを含む微細加工に関する。
【背景技術】
【0003】
材料処理方法(例えば、フォトリソグラフィ)において、パターン化層を形成するステップは、通常、フォトレジストのような放射線感光性材料の薄層を、基板の上部表面に設置するステップを有する。この放射線感光性材料は、パターン化されたマスクに転写され、これは、基板の下地層にパターンをエッチングしまたは転写するために使用される。通常、放射線感光性材料のパターン化ステップは、例えば、フォトリソグラフィシステムを用いて、レチクル(および関連する光学系)を介して放射線源により放射線感光性材料を露光することを含む。この露光により、放射線感光性材料内に潜在パターンが形成され、その後これが現像される。現像と言う用語は、放射線感光性材料の一部を溶解および除去し、幾何的パターンまたはレリーフパターンを形成することを意味する。例えば、現像ステップは、現像溶媒を用いて、放射線感光性材料の照射領域(ポジ型フォトレジストの場合)、または非照射領域(ネガ型レジストの場合)を除去することを有し得る。その後、レリーフパターンは、マスク層として機能することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板上にパターンを形成することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様は、基板上にパターンを形成する方法である。当該方法は、前記基板の下地層上に第1の層を形成するステップであって、前記第1の層は、第1の構造を有するようにパターン化される、ステップを有する。前記第1の構造の側面には、グラフト材料が成膜され、前記グラフト材料は、溶解度シフト材料を有する。前記グラフト材料は、前記溶解度シフト材料に隣接する隣接構造に、所定の距離だけ拡散し、前記溶解度シフト材料は、現像剤における前記隣接構造の溶解度を変化させる。前記現像剤を用いて前記隣接構造の可溶部分が除去され、第二の構造が形成される。
【0006】
ある実施形態では、前記第1の構造は、前記第1の層の第1の開口を有する。前記隣接構造は、前記第1層の一部であり、前記第1の層は、フォトレジスト材料を有し得る。前記第2の構造は、前記第1の層の第2の開口を有し、前記溶解度シフト材料を拡散するステップの前に、化学線に対する前記第1の層のパターン化露光により、前記第2の開口の潜在パターンが形成される。ある例では、前記溶解度シフト材料は、前記隣接構造を前記現像剤に対して不溶性にし、前記第1の開口は、少なくとも前記所定の距離だけ前記第2の開口から離間される。別の例では、前記溶解度シフト材料は、前記隣接構造を前記現像剤に対して可溶性にし、前記第1の開口は、前記第2の開口と接合される。
【0007】
ある実施形態では、前記第1の構造は、マンドレルまたはラインを有する。前記隣接構造は、前記第1の層の一部であり得る。前記グラフト材料を成膜するステップは、前記グラフト材料を含む溶液で、前記基板をコーティングすることにより達成され、前記グラフト材料は、前記基板の全ての未被覆表面に成膜される。当該方法は、前記溶解度シフト材料を拡散させるステップの後、さらに、前記基板から前記グラフト材料を除去するステップと、前記基板の上にフォトレジスト材料を成膜し、前記第2の構造の潜在パターンを形成するステップであって、前記フォトレジスト材料は、前記第1の構造に当接する、ステップと、を有する。例えば、前記溶解度シフト材料は、前記充填材料の当接部分を前記現像液に対して可溶性にし、前記第1の構造は、少なくとも前記所定の距離だけ前記第2の構造から離間される。
【0008】
第2の態様は、基板上にパターンを形成する方法である。当該方法は、前記基板の下地層の上にパターン化された第1の層を形成するステップであって、前記パターン化された第1の層は、第1の材料を有し、前記下地層は、前記第1の材料とは化学的に異なる第2の材料を有する、ステップを有する。前記パターン化された第1の層は、第1の構造を有する。前記基板上にグラフト材料が成膜され、前記グラフト材料は、前記第1の構造の未被覆表面に選択的に接着する。前記グラフト材料は、溶解度シフト材料を有する。前記基板上に充填材料が成膜され、前記充填材料は、前記グラフト材料に当接する。前記溶解度シフト材料は、前記充填材料の当接部分に所定の距離だけ拡散し、前記溶解度シフト材料は、現像剤における前記充填材料の前記当接部分の溶解度を変化させる。前記充填材料の可溶性部分は、前記現像剤を用いて除され、前記充填材料の残留部分は、第2の構造を形成する。
【0009】
ある実施形態では、前記溶解度シフト材料は、前記充填材料の前記当接部分を前記現像液に対して可溶性にし、前記第1の構造は、少なくとも前記所定の距離だけ前記第2の構造から離間される。別の実施形態では、前記溶解度シフト材料は、前記充填材料の前記当接部分を前記現像剤に対して不溶性にし、前記第1の構造は、前記第2の構造と接触状態になる。
【0010】
ある実施形態では、前記溶解度シフト材料は、熱酸発生剤を有し、当該方法は、さらに、前記溶解度シフト材料を前記充填材料に拡散させるステップの前に、加熱により、前記熱酸発生剤を活性化させるステップを有する。ある実施形態では、前記溶解度シフト材料は、光酸発生剤を有し、当該方法は、さらに、前記溶解度シフト材料を前記充填材料に拡散させるステップの前に、化学線により前記光酸発生剤を活性化させるステップを有する。例えば、前記化学線は、フォトマスクを用いて実施され、前記溶解度シフト材料は、化学線のパターン化露光により活性化される。ある実施形態では、前記溶解度シフト材料は、酸を中和する塩基を有する。
【0011】
ある実施形態では、前記充填材料は、フォトレジスト材料を有する。当該方法は、さらに、前記溶解度シフト材料を前記充填材料に拡散させるステップの前に、さらに、化学線のパターン化露光を介して、前記フォトレジスト材料に前記第2の構造の潜在パターンを形成するステップを有する。ある例では、前記潜在パターンは、前記フォトレジスト材料の前記当接部分と重なり合う。
【0012】
ある実施形態では、前記第1の構造は、マンドレルまたはラインを有する。前記マンドレルまたは前記ラインは、前記基板上に前記グラフト材料が成膜される前に、硬化されてもよい。
【0013】
第3の態様は、基板上にパターンを形成する方法である。当該方法は、前記基板の下地層の上に、パターン化された第1の層を形成するステップであって、前記パターン化された第1の層は、第1の構造を有する、ステップを有する。前記基板上にグラフト材料が成膜され、前記グラフト材料は、前記第1の構造の未被覆表面に選択的に接着し、前記第1の構造の側壁に前記グラフト材料の所定の厚さが得られる。フォトレジストから、前記基板上に第2の構造が形成され、前記第2の構造は、前記グラフト材料と当接する。前記グラフト材料は、除去され、前記第1の構造は、前記所定の厚さに対応する距離だけ前記第2の構造から離間される。
【0014】
本開示の態様は、添付図面を参照した、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行では、各種特徴部は、スケールに合わせて示されていないことが留意される。実際、各種特徴部の寸法は、記載の明確化のため、拡大されまたは縮小され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示のある実施形態による、基板上にパターンを形成する方法のフローチャートである。
【
図2】本開示のある実施形態による、基板上にパターンを形成する方法のフローチャートである。
【
図3A】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図3A1】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図3B1】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図3C】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図3C1】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図3D】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図3D1】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図3E】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図3E1】本開示の実施形態による、熱酸発生剤(TAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4A1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4B1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4C】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4C1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4D】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4D1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4E】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4E1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図4F】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な断面図を示した図である。
【
図4F1】本開示の実施形態による、光酸発生剤(PAG)を用いたパターン形成の各種中間段階における、基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5C】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5D】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5E】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5F】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5M】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5N】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5P】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図5Q】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6A】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6B】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6C】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6D】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6E】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6F】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6M】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6N】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6P】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図6Q】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7A】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7B】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7C】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7D】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7M】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7N】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7P】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図7Q】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8A】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8B】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8C】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8D】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8M】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図8N】本開示の実施形態による、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの際でも、機能的グラフト材料を使用して、構造同士または開口同士の間にギャップまたは接続を形成する実施例を示した図である。
【
図9A】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9A1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図9B】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9B1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図9C】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9C1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図9D】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9D1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図9E】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9E1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図9F】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3次元(3D)図を示した図である。
【
図9F1】本開示の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な上面図を示した図である。
【
図10A】
図9の例示的なプロセスによる、基板上のパターン形成を示した図である。
【
図10B】
図9の例示的なプロセスによる、基板上のパターン形成を示した図である。
【
図10C】
図9の例示的なプロセスによる、基板上のパターン形成を示した図である。
【
図11】本開示の一実施形態による、基板上にパターンを形成する方法のフローチャートである。
【
図12A】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【
図12B】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【
図12C】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【
図12D】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【
図12E】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【
図12F】本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板の概略的な3D図および上面図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の開示では、提供される主題の異なる特徴を実施する、多くの異なる実施形態または実施例が提供される。以下、本開示の簡略化のため、部材および配置の特定の例について説明する。当然のことながら、これらは単なる一例であり、限定を意図するものではない。例えば、以下の説明において、第2の特徴部の上方または上部に第1の特徴部を形成することは、第1および第2の特徴部が直接接触して形成される実施形態を有してもよく、また第1および第2の特徴部の間に追加の特徴部が形成され、第1および第2の特徴部が直接接触しないような実施形態を有してもよい。また、本開示では、各種実施例において、参照符号および/または用語が繰り返されてもよい。この繰り返しは、単純化および明確化のためであり、それ自体は、記載された各種実施形態および/または構成の間の関係を表すものではない。さらに、「上」、「底部」、「下側」、「下方」、「下部」、「上部」、「上側」のような空間的な相対用語は、説明を容易にするために使用され、図面に示されるような、ある素子または特徴部の別の素子または特徴部に対する関係が説明される。空間的な相対用語は、図に示されている配向に加えて、使用中または操作中の装置の異なる配向を網羅することが意図される。機器は、他の配向(90度回転、または他の配向)であってもよく、本願で使用される空間的な相対用語は、様に解釈され得る。
【0017】
本願に記載の異なるステップの議論の順序は、明確化のため示されている。通常、これらのステップは、任意の好適な順序で実施することができる。また、本願における異なる特徴、技術、構成などの各々は、本開示の異なる箇所に記載されてもよいが、各概念は、互いに独立して、または互いに組み合わされて、実施され得ることが意図される。従って、本発明は、多くの異なる方法で実施され、検討することができる。
【0018】
サブ解像度ピッチで特徴部を印刷する1つのアプローチは、緩和されたピッチで2つのマスクの間でパターンを分割し、連続的なリソグラフィおよびエッチングステップにおいて再結合させることである。しかしながら、このアプローチでは、オーバーレイエラーおよびエッジ配置誤差(EPE)が生じ得る。このアプローチのある問題は、パターンを2つの露光およびエッチングに分割した場合、スループットが低下することである。第2の問題は、マルチパターニングによる位置ずれである。アンチスペーサは、解像度の制限を受けない自己整列プロセスであり、これらの課題の両方に同時に対処できる。また、本願に記載のアンチスペーサ形成に関する同様の技術は、「スナップツー(snap to)」および「スナップアウェイ(snap away)」技術に使用できる。また、スナップ技術では、エッジセットに反応性化学種を使用することにより、オーバレイの影響が緩和される。
【0019】
アンチスペーサ技術では、反応性化学種の拡散長を用いて臨界寸法(CD)が規定され、例えば、狭小トレンチまたはスロットコンタクトのいずれかが形成される。このCDは、反応性化学種の分子量改質、反応性化学種の分子構造、および熱処理温度/時間を介して、調整することができる。マスクまたは選択成膜を介した露光により、反応性化学種が空間的に制御できる場合、狭小のトレンチの代わりに、狭小のスロットコンタクトを形成することができる。狭小のスロットコンタクトを形成する別のアプローチは、狭小トレンチの形成後にキープ/カットマスクを使用することである。しかしながら、この技術では、別のリソグラフィ露光およびフィルムスタックが導入される。説明を容易にするため、本開示では、一例として、反応性化学種として酸を使用することが注目される。
【0020】
本願に記載の技術は、溶解度シフト材料の拡散長を用いて、基板をパターン化するプロセスフローを有し、隣接する構造もしくは開口の間に、狭小トレンチが形成され、またはバッファ(すなわちスロットコンタクト)が提供される。記載の技術は、第1の構造を有するパターン化された第1の層を形成するステップと、第1の構造の側表面に溶解度シフト材料を含むグラフト材料を成膜するステップと、溶解度シフト材料を隣接構造に拡散させるステップと、隣接構造の可溶性部分を除去するステップと、を有する。拡散条件および時間を制御することにより、サブ解像度CDが定められ、「スナップツー」および「スナップアウェイ」技術に活用することができる。
【0021】
図1は、本開示のある実施形態による、基板上にパターンを形成する方法100のフローチャートである。方法100は、ステップS101で開始され、ここでは、基板の下地層上に第1の層が形成され、第1の構造を有するようにパターン化される。第1の構造は、例えば、第1の層のマンドレル/ライン(例えば、
図3~6および9~10)、または開口(例えば、
図7~8)を含むことができる。
【0022】
ステップS102では、第1の構造の側表面に、溶解度シフト材料を含むグラフト材料が成膜される。ある実施態様では、グラフト材料は、第1の構造ラインの未被覆表面に選択的に接着する(例えば、
図3~6)。他の実施形態では、グラフト材料は、基板の未被覆表面の全てに非選択的に成膜される(例えば、
図7~10)。例えば、グラフト材料は、開口の側表面および底面、ならびにパターン化された第1の層の上部表面に成膜されてもよい(例えば、
図7~8)。別の例では、グラフト材料は、マンドレルの側表面および上部表面、ならびに下地層の上部表面に成膜されてもよい(例えば、
図9~10)。
【0023】
ステップS103およびS104では、溶解度シフト材料は、溶解度シフト材料に隣接する隣接構造に、所定の距離だけ拡散され、その後、隣接構造の可溶性部分が現像剤を用いて除去され、第2の構造が形成される。溶解度シフト材料は、特定の現像剤において、隣接構造の溶解度が変化するように設計される。ある実施形態では、溶解度シフト材料は、隣接構造を特定の現像剤に対して可溶性にし、第1の構造は、少なくとも所定の距離で、第2の構造から離間される(例えば、
図3~6および9~10)。ある実施形態では、溶解度シフト材料は、隣接構造を特定の現像剤に対して不溶性にし、第1の構造は、第2の構造と接触するようになる(例えば、
図5~6)。ある実施形態では、溶解度シフト材料は、隣接構造を特定の現像剤に対して可溶性にし、第1の構造は、第2の構造と接触する(例えば、
図7~8)。ある実施形態では、溶解度シフト材料は、隣接構造を特定の現像剤に対して不溶性にし、第1の構造は、少なくとも所定の距離で、第2の構造から離間される(例えば、
図7~8)。また、ある実施形態では、溶解度シフト材料は、ステップS103の前に活性化されてもよい。
【0024】
再度ステップS103およびS104を参照すると、隣接構造は、第1の層の一部であり、一例では、第1の構造は、第1の層の開口である(例えば、
図7~8)。その結果、第2の構造は、第2の開口となり、これは、第1の開口から離間され、または第1の開口と接触し得る。第1の構造がマンドレルまたはラインである別の例では、隣接構造は、第1の層の一部であり(例えば、
図9~10)、またはグラフト材料の成膜後に基板に成膜された、フォトレジスト材料層(例えば、
図3~6)であってもよい。実際、方法100は、各種プロセスフローを表す少なくとも11の実施形態(例えば、
図3~10)を有するが、その各々ついては後に詳しく説明する。
【0025】
図2は、本開示のある実施形態による、基板上にパターンを形成する方法200のフローチャートである。方法200は、
図1における方法100の少なくとも6つの実施形態(例えば、
図3~6)を有する。ステップS201では、基板の下地層の上にパターン化された第1の層が形成される。パターン化された第1の層は、第1の材料を有し、下地層は、第2の材料を有し、第2の材料は、第1の材料と化学的に異なる。また、パターン化された第1の層は、マンドレルまたはラインのような第1の構造を有し得る。例えば、マンドレルは、第1のフォトレジスト材料で構成できる。方法200に関する記載は、第1のフォトレジスト材料およびマンドレルに焦点が当てられているが第1の材料は、ハードマスク材料であってもよく、第1の構造は、他の構造を有してもよいことが留意される。
【0026】
ステップS202では、基板上に、溶解度シフト材料を含むグラフト材料が成膜され、グラフト材料は、第1の構造の未被覆表面に選択的に接着する。グラフト材料(ブラシとも称される)は、付着基を有するポリマーまたは短鎖ポリマーである。選択された特定のヘッド基に基づいて、グラフト材料は、他の材料の表面に付着せずに、特定の材料の表面に付着できる。グラフト材料は、自己組織化単分子膜(SAM)であってもよい。ある態様では、グラフト材料は、好ましくは、炭化水素鎖で形成されるよりも多くの重合体である。グラフト材料は、スピンオン成膜、物理気相成膜、またはその他の方法により、設置され得る。ある実施形態では、特定のグラフト材料の成膜後に、ベーク処理が実施される。ベークにより、グラフト材料は、下地層に結合されずに、第1のフォトレジスト材料に結合される。次に、溶媒ストリッププロセスを用いて、未結合材料(床材など)が除去され得る。グラフト材料の他方の側は、熱酸発生剤(TAG)、光酸発生剤(PAG)、塩基、または他の溶解度シフト材料のような、官能基を有し得る。
【0027】
ステップS203では、基板上に充填材料が成膜される。該充填材は、グラフト材料に当接する。例えば、充填材料のオーバーコートが、パターン化された第1の層の上に成膜され得る。充填材料は、第2のフォトレジスト材料、または溶解度シフト材料に応答する別の充填剤材料であってもよい。ある実施形態では、この充填材料は、本質的に、酸と反応して現像剤に可溶性となるように選択される。本開示において主として使用される充填材料の一例は、酸と反応して所与の現像剤に溶解する保護基を有するポリマーである。
【0028】
ステップS204では、溶解度シフト材料が所定の距離だけ充填材料の当接部分に拡散され、溶解度シフト材料により、特定の現像剤における充填材料の当接部分の溶解度が変化する。ステップS205では、現像剤を用いて、フィラー材料の可溶性部分が除去され、その結果、フィラー材料の残りの部分により、第2の構造が形成される。ある実施形態では、溶解度シフト材料は、充填材料の当接部分を現像剤に対して可溶性にする。その結果、第1の構造は、少なくとも所定の距離だけ、第2の構造から離間される。他の実施形態では、溶解度シフト材料は、充填材料の当接部分を現像剤に対して不溶性にし、第1の構造は、第2の構造と接触した状態となる。また、ある実施形態では、溶解度シフト材料を活性化する活性化ステップをが、ステップS204の前に実施されてもよい。
【0029】
図3には、本開示の実施形態による、TAGによるパターン形成の各種中間段階における基板300の概略的な断面図および上面図を示す。特に、
図3には、官能基を有するグラフト材料を用いて、狭小トレンチおよびスロットコンタクトを形成する方法が示されている。官能基は、TAGであり、この方法は、
図2における方法200の一実施形態であってもよい。従って、一部の記載は、既に示されており、簡略化のため、ここでは省略する。
【0030】
図3A1~3E1は、基板300の上面図であり、
図3A~3Eは、z方向の切断線Aa-Eeに沿った対応する断面図である。
図3Aに示すように、基板300の下地層320上にパターン化された第1の層310が形成される。パターン化された第1の層310は、マンドレル311のような第1の構造を有する。例えば、
図3Aおよび3A1には、第1のフォトレジスト層の露光および現像後の取得形状パターンを示す。ここでは、主要な例としてフォトレジストが使用されているが、初期パターンは、フォトレジストであっても、ハードマスク材料のような他の材料であってもよいことが留意される。
【0031】
図3Bおよび3B1では、マンドレル311の未被覆表面上に、グラフト材料321が選択的に成膜される。その結果、グラフト材料321は、マンドレル311の上部表面311’および側表面311’’に接着するが、下地層301の未被覆の上部表面301’には接着しない。
図2におけるステップS202でのグラフト材料に対応して、グラフト材料321は、溶解度シフト材料の一例としてTAGを有する。
【0032】
図3Cおよび3C1では、基板上に充填材料331が成膜され、マンドレル311を覆うようにオーバーコートが形成される。同様に、充填材料331は、ポリマーであり、酸と反応して、所与の現像剤に溶解しやすくなる保護基を有してもよい。スピンコーティングは、そのようなオーバーコートを成膜する一般的な方法であり、得られるオーバーコートは、通常、空間を充填するだけでなく、第1のパターン化された第1の層を完全に被覆する。オーバーコートは、平坦化されても(図のような平面)、平坦化されなくてもよい(図示されていない)。さらに、充填材料は、事実上、溶解度シフト材料を含まず、これは、充填材材料が溶解度シフト材料を含まないこと、または溶解度シフト材料の量が不十分であり、溶解度の変化が小さいことを意味する。
【0033】
図3Dおよび3D1では、グラフト材料321に含まれるTAGは、充填材料341の当接部分に所定の距離だけ拡散され、TAGにより、現像剤中での充填材料の当接部の溶解度が変化する。ある実施形態では、ベークステップが実施され、これにより、酸が充填材料331内に拡散し、この拡散された部分341が可溶性となる。選択された距離まで酸が充填材料331と反応した後、基板300がより高温でベークされ、マンドレル311内の架橋剤が分解し、マンドレル311の溶解度がさらに低下する。例えば、特定のレジストに対するポスト露光ベーク(PEB)は、約90℃であり、一方TAGは、120~130℃の間で活性化および拡散され得る。所与の架橋剤は、150~160℃のベークで活性化され得る。ある実施形態では、初期のパターン形成(すなわち、パターン化された第1の層310)のPEBの間、分解しないようなTAGが選択される必要がある。ある実施形態では、PEBおよびTAGベークの両方の後まで、架橋剤は、分解されない。
【0034】
この実施例では、TAGは、充填材料341の当接部分を現像剤に対して可溶性にする。その結果、
図3Eおよび3E1において、充填材料341の当接部が除去される。特に、現像ステップが実施され、充填材料341の可溶性部分(すなわち、当接部分)が除去される。これにより、マンドレル311の側壁311’’に狭小トレンチ351が残留し、第1の構造(すなわち、マンドレル311)は、少なくとも所定の距離だけ、第2の構造(すなわち、残留充填材料331)から離間される。次に、任意の後続のパターン化処理が継続され、例えば、狭小トレンチの一部がマスキングされ、下地層に選択的に転写される。
【0035】
図4には、本開示の実施形態による、PAGによるパターン形成の各種中間段階における基板400の概略断面図および上面図を示す。
図3と同様、
図4には、官能基を有するグラフト材料を用いて、狭小トレンチおよびスロットコンタクトを形成する方法が示されている。官能基は、PAGであり、この方法は、
図2の方法200の一実施形態であり得る。TAGと比べて、PAGは、熱的により安定であり、化学線の制御された曝露光を介して、空間的制御を提供することができる。
【0036】
同様に、
図4A1~4F1は、基板400の上面図であり、
図4A~4Fは、z方向の切断線A1a’-E’e’に沿った対応する断面図である。
図4Aおよび4A1には、下地層401の上にマンドレル411を有するパターン化された第1の層410を示す。
図4Bおよび4B1には、PAGを含むグラフト材料421のマンドレル411に対する取り付けを示す。
図4Cおよび4C1には、充填材料431のオーバーコートを示す。
図4Dおよび4D1では、パターン化フォトリソグラフィ露光が実施され、ここでは、フォトマスク441が基板400上に配置される。矢印は、紫外線のような入射光を表す。
図4Eおよび4E1では、ベークステップにより、露光から生じた酸が、所定の距離だけ充填材料451内に拡散する。この所定の距離は、生成した酸の量、ベーク時間、およびベーク温度(例えば)の関数であり、従って、距離を正確に制御することができる。
図4Fおよび4F1には、現像ステップの後の狭小スロット(例えば、狭小トレンチ)の形成461を示す。
【0037】
図5~8には、オーバーレイエラーまたはフォトリソグラフィの位置ずれの場合でも、機能性グラフト材料(例えば、TAG、PAG、または塩基)を用いて、構造または開口の間に、ギャップ(例えば、狭小トレンチ)または接続(例えば、スロットコンタクト)が形成される実施形態を示す。従って、一部の記載は、既に提供されており、プロセスの単純化のため、ここでは省略される。
【0038】
図5には、本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板500の概略的な3D図および上面図を示す。
図5Aには、基板500の下地層501の上の、入射パターン化ライン(構造)511を示す。これは、方法200における第1の構造に対応する。この例では、ライン511は、第1のフォトレジスト材料で構成され、フォトリソグラフィにより形成される。このライン511は、ポジトーン現像剤(PTD)を用いて現像することができる。形成後、直流重畳(DCS)のプロセスステップが実施され、フォトレジストライン511が硬化され、これが可溶性になることが防止される。DCSは、プラズマチャンバ内で、負の直流電力をプラズマチャンバの上部電極に結合して、基板500に衝突する弾道電子のフラックスを生成することにより実施される。その結果、上部表面511’および2つの側表面511を含む、ライン511の露出表面は、物理的特性が変化し、溶媒に対して不溶性となり、ライン511を取り囲む新たな膜513が形成される。DCSプロセスの間に、膜513内で架橋が起こってもよい。また、熱凍結、ガス凍結等の他の処理を利用することも可能である。
【0039】
次に、
図5Bでは、ライン511の上(より正確には、膜513の上)に、酸性官能基を有するグラフト材料521がコーティングされる。次に、
図5Cにおいて、第2のフォトレジスト材料531が成膜される。
図5Dでは、基板500は、化学線の第2のパターンに露光される。化学線(矢印で表されている)は、基板500を覆うように配置されたフォトマスク543を介して照射され、その結果、第2のフォトレジスト材料531内に第2の潜在パターン(図示されていない)が形成される。次に、酸性官能基が活性化され、所定の距離だけ第2のフォトレジスト材料531に拡散し、拡散層541が形成される。拡散層541の内部で、十分な酸を受容した第2のフォトレジスト531の溶解度が酸により変化する。ここで、酸は、拡散層541を可溶性にする。酸性官能基がTAGである実施形態では、活性化および拡散の両方のため、ベークステップが実施される。酸官能基がPAGである別の実施形態では、活性化のため、化学線露光(例えば、第2のフォトレジスト材料531が感度を示さないある特定の波長でのフラッド露光またはパターン化露光)が実施され、その後、拡散のためベークされる。
【0040】
図5Eでは、PTDなどを用いて、第2のパターンが現像され、拡散層541を含む第2のフォトレジスト層531の可溶性部分が除去される。その結果、残りの不溶性の第2のフォトレジスト材料531により、第2の構造551が形成される。さらに、第1の構造511と第2の構造551との間にギャップ553が形成される。ある実施形態では、
図5Fに示されるように、グラフト材料521が除去され、ギャップ553がさらに広げられてもよい。
【0041】
図5Mおよび
図5Nは、それぞれ、
図5Dおよび
図5Eの上面図である。
図5Mにおいて、矢印は、拡散プロセスを表し、破線は、
図5Dにおける化学線に露光された領域を表し、潜在パターンは、533によって表され、これは、最終的に、第2の構造551となる。
図5Mには、露光(すなわち、破線領域)が位置ずれし、ライン(すなわち、513および533)が近すぎる場合であっても、グラフト材料521からの拡散(すなわち、541)は、第1のライン513にアプローチする第2のライン533を実質的に短縮し、第1のライン513から「スナップアウェイ」することが示されている。換言すれば、この実施形態では、酸が第2のライン533内に拡散され、
図5Nにおいて、ギャップ553が存在することが確実にされる。これにより、構造間の短絡回路電流経路が防止されるなど、多くのパターン化の利点が提供されてもよい。
【0042】
図5Pおよび5Qは、「スナップツー」構造が形成される別の実施形態による、それぞれ、
図5Dおよび5Eに類似する構造の上面図である。この実施形態は、
図5A~5Fに関して既に説明したものと同様であるが、グラフト材料521が酸発生剤の代わりに塩基を含む点が異なっている。拡散層541は、PTD内の塩基により不溶性にされ、第2のフォトレジスト層531の可溶性部分が除去される。
図5Mでは、第2のライン551(すなわち、潜在パターン533)の露光が、第1のライン513に到達しないにもかかわらず、拡散(すなわち、541)後に、第1のライン513が実質的により広くなり、2つのラインが、それらを分離するギャップを介さずに接触することが留意される。
【0043】
図6には、本開示の他の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板600の概略的な3D図および上面図を示す。
図6は、
図5と似ているため、相違点に重点をおいて説明する。ここでは、逆フォトマスク643が使用され、フォトマスク643とフォトマスク543は、相互に相補的になる。すなわち、本実施形態では、フォトマスク543の露光領域は、フォトマスク643のブロック領域であり、フォトマスク643の露光領域は、フォトマスク543のブロック領域である。さらに、第2のフォトレジスト材料631は、ポジではなくネガである。
【0044】
図6Mおよび
図6Nは、それぞれ、「スナップアウェイ」構造が形成される一実施形態による、
図6Dおよび
図6Eの上面図である。同様に、
図6Mでは、矢印は、拡散プロセスを表し、一方破線領域は、
図6Dにおける化学線に露光された領域を表し、潜在パターンは、633で表され、最終的に第2の構造651となる。この実施形態では、グラフト材料621は、塩基(過剰の酸を中和することができる)を含む。第1のライン611は、PTDを用いて現像され、一方第2のライン651は、NTDを用いて現像される。露光後に、
図6Mでは、潜在パターン633がグラフト材料621まで延在する(その結果、2本のラインが接触する)が、その後、第1のライン613から遠ざかるように塩基が拡散することにより、第2のライン633の潜在パターンにおいて酸が中和され、その結果、この材料(すなわち、拡散層641)は、NTDに対して不溶性のままとなり、その後除去され、
図6Nにおいて、第1のライン613と第2のライン651との間のギャップ653が確実に確保されることが留意される。
【0045】
図6Pおよび6Qは、それぞれ、「スナップツー」構造が形成される別の実施形態による、
図6Dおよび6Eに類似の構造の上面図である。この実施形態では、グラフト材料621は、酸官能基(例えば、TAGまたはPAG)を有する。第1のライン611は、PTDまたはNTDにより現像され、第2のライン651は、NTDにより現像され得る。同様に、オーバーレイエラーの場合でも、構造の結合を確保することができる。基板600の上に成膜された第2のフォトレジスト631内に、潜在パターン633が形成される。次に、第1のライン613からの拡散(すなわち、641)により、2つのラインが確実に結合される。換言すれば、本実施形態では、酸が第1のライン611から拡散され、第1のラインの周囲の領域641は、NTDに対して不溶性にされる。第2のライン651の現像後、第1のライン611および第2のライン651が結合される。拡散ステップがない場合、2つの構造の間にギャップが存在する結果となる。
【0046】
図7および
図8には、
図5および
図6に示すようなラインの代わりに、開口(例えば、トレンチ)を有する「スナップツー」構造および「スナップアウェイ」構造を示す。
図7には、本開示の他の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板700の概略的な3D図および上面図を示す。図に示すように、第1のトレンチ711は、基板700の下地層701の上のパターン化された第1の層710内の2つのライン713の間に像化され、
その後、第1のトレンチ711は、塩基官能基を有するグラフト材料721で被覆される。グラフト材料721は、全ての未覆表面に非選択的に成膜され、これには、側壁711’’、第1のトレンチ711の底部表面711’、およびライン713の上部表面713’が含まれることが留意される。必要な場合、スペーサ開放エッチングが実施され得る。これは、水平表面(すなわち、第1のトレンチ711の底部表面711’およびライン713の上部表面713’)からグラフト材料721を除去する指向性エッチングであり、第1のトレンチ711(図示されていない)において、側壁(すなわち、711’’)の堆積物が残留する。その後の化学線、拡散、および現像プロセスのステップは、
図5および
図6の対応するステップに類似しているが、拡散層は、
図7Cには示されていない。その結果、第2のトレンチ741が形成され、これは、ライン713の領域743により、第1のトレンチ711から離間される。
【0047】
図7Mおよび
図7Nは、それぞれ、「スナップアウェイ」構造が形成される一実施形態による、
図7Cおよび
図7Dの上面図である。
図7Mでは、矢印は、拡散プロセスを表し、一方破線領域は、
図7Cにおける化学線に対する露光領域を表し、潜在パターンは、733により表され、最終的に第2の構造741となる。この実施形態では、塩基を有するグラフト材料721が使用される。
図7Mおよび7Nには、オーバーレイエラーを呈する光露光が示され、これは、第1および第2のトレンチ(すなわち、711および741)が合体する原因となる。すなわち、フォトマスク731を介した化学線露光により形成された潜在パターン715は、第1のトレンチ711を被覆するグラフト材料721と接触状態となる。しかしながら、グラフト材料721からの拡散(すなわち、743)により、これらのトレンチ間の領域743は、不溶性となり、現像の後、2つのトレンチは分離される。また、第1のトレンチ711および第2のトレンチ741の両方は、PTDを用いて形成され得る。
【0048】
図7Pおよび7Qは、それぞれ、「スナップツー」構造が形成される別の実施形態による、
図7Cおよび7Dの構造に類似する構造の上面図である。同様に、矢印は、拡散プロセスを表し、一方破線領域は、
図7Cにおける化学線に露光された領域を表し、潜在パターンは、733により表され、これは、最終的に、第2の構造741となる。この実施形態では、塩基の代わりに、酸を有するグラフト材料721が使用される。
図7Pには、潜在パターン733が第1のトレンチ711に接触しないことを示す。酸は、グラフト材料721から拡散され、フォトレジストの分離部分743は、可溶性となる。その結果、現像後に両方のトレンチが接触する。すなわち、この実施形態では、潜在パターン715は、フォトマスク731によって定められる破線領域により、第1のトレンチ711から離間される。ただし、グラフト材料721からの酸は、所定の距離だけ拡散され、第1のトレンチ711は、効果的に「広げられ」、第1のトレンチ711と第2のトレンチ741が合体することが確実化される。また、第1のトレンチ711および第2のトレンチ741の両方を、PTDを使用して形成することもできる。
【0049】
図8には、本開示の他の実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板800の概略的な3D図および上面図を示す。
図8には、
図7と同様のプロセスを示すが、反転フォトマスク831で示されているように、反対のフォトパターンが使用される。従って、第1のトレンチ(711)現像には、PTDが使用され、第2のトレンチ(741)の現像には、NTDが使用され得る。その他の説明は、前に提供されており、簡略化のためここでは省略する。
図8には、「スナップツー」構造が形成される実施形態のみが示されているが、この反転フォトパターンを用いても「スナップアウェイ」構造が形成され得ることに留意する必要がある。
【0050】
図9には、酸洗浄を用いて狭小トレンチを形成する追加の実施形態を示す。これは、
図1における方法100の実施形態であり得る。
図9A1~9F1は、一例としての方法の各種中間段階における基板900の上面図であり、
図9A~9Fは、z方向における切断線A’’a’’-F’’f’’に沿って切断された対応する断面図である。酸洗浄のフローは、3つの材料プロセスであり、反応性化学種の溶液中に基板を浸漬することにより、マンドレル内に反応性化学種が駆動され、自己組織化二重パターン(SADP)が形成される。
【0051】
図9Aおよび9A1に示すように、基板900は、下地層901の上にパターン化された第1の層910を有する。この例では、パターン化された第1の層910は、第1のフォトレジスト材料で構成されたライン911を有する。フォトレジストライン911を形成した後、
図9Bおよび9B1において、酸が基板900上に成膜される。
図9Cおよび
図9C1では、ベーキングステップが実施され、ライン911に酸が拡散されることにより、脱保護領域931における脱保護が活性化される。これにより、所定の現像剤において、ラインのある厚さ(すなわち、保護解除領域931)が溶解される。次に、任意の残留した酸を除去するため、溶媒リンスステップが必要となる。次に、
図9Dおよび9D1において、第2のフォトレジスト材料のような充填材料941が成膜される。充填材料941は、例えば、一般的なスピンコーティングプロセスにより充填材料941を成膜した後に、脱保護領域931およびライン911が基板900の上に留まるように、第1のフォトレジスト溶剤系と適合する必要がある。また、
図9Eおよび9E1において、充填材料941は、被覆(overburden)が除去されるように設計される。次に、
図9Fおよび9F1に示すように、可溶性材料931が現像され、ライン911(第1の構造)と残りの充填材料941(第2の構造)との間に狭小トレンチ961が残留する。
【0052】
図10には、
図9の一例のプロセスによる、基板上のパターン形成を示す。
図10には、構造同士の間に十分な距離を維持しながら、基板上に2つのパターンが形成される方法が示されている。
図10には、酸洗浄を用いて、構造同士が合体しないことが確実に行われる、この実施形態が示されているが、グラフト材料を使用して、オーバーレイエラーにより構造が合体しないようにすることも可能である。
【0053】
本アプローチでは、パターンが2つのマスクに分割され、連続的なリソグラフィおよびエッチングステップにおいて再結合され、ラインまたはスペースの幅は、別個のマスクに配置されたエッジにより定められる。本技術の利点は、拡散ベースのバッファリングおよび好適なレジストを介して、誤差の影響が最小限に抑制されることである。多重露光ステップのレイアウトの分解は、自動二重パターン化リソグラフィ(DPL)設計フローにおける課題である。ポリゴン上の最適なカットポイントを特定することに課題がある。従って、本願の技術は、レイアウト分解またはパターンステッチにおいて直面する課題を克服することができる。
【0054】
この方法では、フォトリソグラフィのレイリー基準による解像度限界によるオーバレイの問題と、酸拡散によるサブ解像度トレンチの間のトレードオフに適用され、ポストレイアウトの分解問題が解決される。酸拡散スピンオン材料と二層パターン形成を用いることにより、近接露光によるフィドルパターンのオーバーラップを防止できる。
【0055】
図10Aは、
図9の例示的なプロセスを用いたパターン形成後の基板1000の上面図である。図に示されるように、コンフリクトのないレイアウト(すなわち、構造間に十分な距離が確保されるレイアウト)を形成するため、基板1000上に初期フォトレジストパターンL1が印刷される(L1は、破線で規定される領域により表される)。次に、印刷パターンL1が酸洗浄液でコーティングされる(例えば、
図9B)。初期のフォトレジストパターンL1にわたって酸洗浄液をコーティングし、ベーキングして脱保護領域における脱保護を活性化した後、溶媒リンスステップを用いて、任意の残留する酸が除去される(例えば、
図9C)。その結果、残留フォトレジストパターンL1は、ライン1010を形成する。次に、パターンL1は、レジスト1020の第2の層(層2またはL2とも称される)でコーティングされる(例えば、
図9D)。L2材料は、L1フォトレジスト溶剤系と互換性がある必要がある。L2材料は、L2層に上部コーティング(すなわち、
図9Eに示されるような前述の表層)がないため、L2の現像損失として、オーバーコート領域が除去されるように設計される。L2設計のファクターは、L2の現像中に、L2のオーバーコート領域を除去する能力、およびL2の現像中に、特徴部にどの程度の収縮が生じるかを決める、両方のための溶解速度であることが留意される。この技術は、L2の上部コーティングのないベア損失からの高さプロフィール、およびL1の拡散長さの一貫性(例えば、
図9F)により、より成功し得る。現像損失は、L2材料の現像前後の厚さの差として測定される。現像損失は、酸洗浄による拡散損失と等しくなるように、設計されることにより、利点が得られる。拡散領域は、サブ解像度トレンチ(例えば、
図9Fのトレンチ961)を有するギャップ領域を定め、解像度は、約7nmの酸拡散長さにより制限される。
【0056】
図10Bは、
図10Aにおける円CirAの拡大図であり、
図10Cは、z方向における切断線Ggに沿った断面図である。
図10Bおよび10Cは、さらに、ライン1010(L1)とライン1020(L2)との間のギャップ領域を示す。特に、ギャップ領域の幅Dは、ベーキング処理中の酸による所定の拡散長さを表す。パターン分解による脱保護層の流れが形成される酸洗浄の導入は、密接な近接相互作用によるオーバーレイエラーを低減するユニークな方法である。従って、この目的は、レイリー基準による解像度限界によるオーバーレイエラーを低減することを支援する。これは、サブ解像度トレンチに使用できる。解像度は、約7nmの酸拡散長さにより制限される。
【0057】
図11は、本開示の一実施形態による、基板上にパターンを形成する方法1100のフローチャートである。方法1100は、ステップS1101で始まり、ここでは、基板の下地層の上に、パターン化された第1の層が形成される。パターン化された第1の層は、第1の構造を有する。ステップS1102では、グラフト材料が基板上に成膜され、グラフト材料は、第1の構造の未被覆表面に選択的に接着され、第1の構造の側壁に、グラフト材料の所定の厚さが得られる。ステップS1103では、基板上にフォトレジストから、グラフト材料に当接する第2の構造が形成される。次に、方法1100は、ステップS110に進み、ここでグラフト材料が除去され、第1の構造は、所定の厚さに対応する距離だけ、第2の構造から離間される。
【0058】
図12には、本開示のある実施形態による、パターン形成の各種中間段階における基板1200の概略的な3D図および上面図を示す。
図12には示されていないが、
図5に示されているように、DCSプロセスを実施してライン1211を硬化させ、これが可溶性となることを防止し、ライン1211を被覆する膜を形成することができる。
図12のプロセスフローの実施例は、
図5のプロセスフローの実施例と類似しているため、ここでは相違点に重点をおいて説明する。ここで、グラフト材料1221は、必ずしも溶解度シフト材料を含まなくてもよい。その結果、
図12Eに示すように、第2の構造1251は、グラフト材料1221と接触して形成され、間にギャップは存在しない。次に、グラフト材料1221が除去され、
図12Fにおける2つのライン(すなわち、1221および1251)の間にギャップ1261が残留する。
図12には、露光パターンがずれ、これがグラフト材料領域1221とオーバーラップした場合であっても、グラフト材料1221は、ラインの間に所望のギャップ1261が残されるよう、除去可能な状態であることが示されている。あるいはグラフト材料1221は、溶解度シフト材料を有するものの、拡散が生じるような拡散プロセスは、実施されない他の例では、グラフト材料1221は、溶解度シフト材料を有するものの、溶解度シフト材料の量は、溶解度を変化させるには不十分であり、またはDCSプロセスの間に形成された膜は、溶解度シフト材料の拡散を防止してもよい。
【0059】
別の実施形態は、選択的コーティングフローである。選択的コーティングフローでは、初期パターン(例えば、マンドレル)は、フォトレジストまたはハードマスク材料であってもよい。この初期のパターンでは、材料は、床材料に対して選択的にマンドレルに取り付けられる。次に、このパターンは、有機または無機ベースの別の材料でオーバーコートされる。次に、RIEエッチングまたは現像のいずれかを介して、材料マトリックスに応じて、選択的コーティング材料を除去され、狭小トレンチ特徴部が形成される。
【0060】
関連するフローは、原子層成膜(ALD)のフローである。ALD材料は、基板上に共形に成膜される。スペーサ開放エッチングにより、垂直面以外の全てのALD材料が除去され、側壁スペーサが残される。このスペーサ材料は、バッファを提供し、構造が異なるマスクから接合されることが抑制される。両方の構造が露光および現像された後、スペーサ材料は、エッチングプロセスなどによって、掘り出され、特定の構造の間に所望のギャップが残される。
【0061】
本願における各種実施形態は、各種最適化技術からの利益を得ることができる。例えば、材料は、異なるが重複しない分解温度を有する成分(例えば、TGAおよび架橋剤)を有するように選択することができる。初期パターン(例えば、第1のフォトレジストおよび第2のフォトレジスト)を剥離することなく、オーバーコートを設置するため、溶媒の適合性がチェックされる必要がある。フォトレジストの初期パターンは、架橋を用いて「凍結」され、または不溶性にされ、後続の現像剤(例えば、DCS)においてマンドレルが溶解することが防止される。
【0062】
本願に記載の各種実施形態は、いくつかの利点を提供する。例えば、狭小トレンチまたはスロットコンタクトは、フォトマスクの位置ずれが生じても、溶解度シフト材料の拡散により、2つの構造間に形成され得る。拡散プロセスは、レイリー基準による解像度限界によるオーバーレイエラーを抑制することができ、従って、サブ解像度の「スナップツー」および「スナップアウェイ」構造が形成される。
【0063】
前述の記載では、処理システムの特定の幾何形状、およびそれに使用される各種部材およびプロセスのような、特定の詳細について説明した。しかしながら、本願の技術は、これらの特定の詳細から逸脱した他の実施形態において実施されてもよく、そのような詳細は、説明の目的用であって、限定するものではないことが理解される必要がある。本願に記載の実施形態は、添付図面を参照して記載されている。同様に、説明の目的のため、特定の数、材料、および構成は、十分な理解のために記載されている。ただし、実施形態は、そのような特定の詳細を有さずに実施されてもよい。実質的に同一の機能的構成を有する部材は、同様の参照符号により表され、従って、任意の冗長な説明は、省略され得る。
【0064】
複数の離散操作として、各種技術が記載され、各種実施形態の理解が支援される。記載の順序は、これらの操作が順序に依存することを意味するものと解してはならない。実際、これらの操作は、記載の順序で実施される必要はない。記載の操作は、記載された実施形態とは異なる順序で実施されてもよい。各種追加の操作が実施されてもよく、および/または記載の操作は、追加の実施形態において省略されてもよい。
【0065】
本願で使用される「基板」または「対象基板」は、通常、本発明により処理される物体を包括的に表す。基板は、デバイス、特に半導体または他の電子デバイスの任意の材料部分または構造を含んでもよく、例えば、半導体ウェハ、レチクル、または薄膜のような、ベース基板構造の上もしくはこれを被覆する層のような、ベース基板構造であってもよい。従って、基板は、任意の特定のベース構造、下地層または上部層、パターン化または非パターン化に限定されるものではなく、むしろ、任意のそのような層またはベース構造、ならびに層および/またはベース構造の任意の組み合わせを含むことが意図される。説明では、特定の種類の基板を参照するが、これは単なる例示目的に過ぎない。
【0066】
また、前述の技術の動作には、本発明と同じ目的を達成する、多くのバリエーションがなされ得ることが当業者には理解される。そのような変形は、本開示の範囲に網羅されることが意図される。従って、本発明の実施形態の前述の記載は、限定的なものではない。むしろ、本発明の実施形態に対する任意の制限は、以下の特許請求の範囲に提示されている。