(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】塗装金属帯の製造方法
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20240912BHJP
B05C 1/08 20060101ALI20240912BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20240912BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B05D3/00 C
B05D3/00 D
B05C1/08
B05D7/00 A
B05D7/14 G
B05D7/14 Z
(21)【出願番号】P 2018198655
(22)【出願日】2018-10-22
【審査請求日】2021-06-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岩弘 尚典
(72)【発明者】
【氏名】恒川 研吾
【合議体】
【審判長】植前 充司
【審判官】加藤 友也
【審判官】天野 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-30021(JP,A)
【文献】特開平10-60700(JP,A)
【文献】特開2005-238033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D3/00
B05D5/00
B05D7/00-7/14
B05C1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続塗装ラインを搬送されるスレ材の尾端に製品材の先端をウェルダーにより溶接して溶接点を作成する工程と、
前記溶接点を作成した後に、前記溶接点を前記ウェルダーよりも下流に搬送した状態で、前記溶接点の搬送を休止する工程と
を含む、塗装金属帯の製造方法。
【請求項2】
前記連続塗装ラインには、前記ウェルダーよりも下流に配置された塗装前処理設備と、前記塗装前処理設備よりも下流に配置された塗装設備とが含まれており、
前記溶接点が前記塗装前処理設備よりも上流に位置する状態で、前記溶接点の搬送が休止される、
請求項1記載の塗装金属帯の製造方法。
【請求項3】
前記連続塗装ラインには、前記ウェルダーよりも下流に配置されたルーパーが含まれており、
前記溶接点を作成した後であって前記溶接点の搬送を再開する前に、前記ルーパー内に前記製品材を貯める工程
をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の塗装金属帯の製造方法。
【請求項4】
前記連続塗装ラインには、前記ウェルダーよりも下流に配置された塗装前処理設備と、前記塗装前処理設備よりも下流に配置された塗装設備とが含まれており、
前記塗装設備には、前記製品材に塗装を施すコータと、前記コータの下流に配置されたオーブンとが含まれており、
前記溶接点の搬送を再開した時から前記溶接点が前記オーブンに到達するまでの時間が所定時間以上となるように、前記溶接点の搬送を再開した後の前記溶接点の搬送速度に応じて前記溶接点の搬送を休止する際の前記溶接点の位置が変更される、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の塗装金属帯の製造方法。
【請求項5】
前記溶接点の搬送の休止は、塗料変更時及び試験塗装時に行われる、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の塗装金属帯の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装金属帯を製造する塗装金属帯の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の塗装金属帯の製造方法及び設備としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。すなわち、従来構成では、塗装金属帯の製造設備が休止されるときに製造設備内にスレ材(ダミー材)が通されるとともに、ウェルダーによりスレ材の尾端に製品材の先端が溶接される。ウェルダーによりスレ材の尾端に製品材の先端が溶接された後、スレ材と製品材との溶接点がウェルダーの位置で停止される。これは、休止中に生産予定が変更されて製品材を差し替えなければならない場合に、すぐさま対応できるようにするためである。塗装金属帯の製造設備が再稼働されるとき、スレ材が流されることで、製造設備内に製品材が導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来構成では、スレ材及び製品材の溶接点がウェルダーの位置で停止されるので、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間が長くなり、塗装金属帯の製造効率が悪化している。塗装金属帯の製造設備の場合、塗料の変更等により、一か月に100を超える回数も休止することがある。待機時間が僅かに長くなるだけで製造効率が大きく悪化する。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間を短くでき、塗装金属帯の製造効率を向上できる塗装金属帯の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る塗装金属帯の製造方法は、連続塗装ラインを搬送されるスレ材の尾端に製品材の先端をウェルダーにより溶接して溶接点を作成する工程と、溶接点を作成した後に、溶接点をウェルダーよりも下流に搬送した状態で、溶接点の搬送を休止する工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の塗装金属帯の製造方法によれば、スレ材の尾端に金属帯の先端を溶接して溶接点を作成した後に、溶接点をウェルダーよりも下流に搬送した状態で、溶接点の搬送を休止するので、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間を短くでき、塗装金属帯の製造効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態による塗装金属帯の製造方法が実施される塗装金属帯の製造設備を示す構成図である。
【
図2】
図1の制御装置による休止制御動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態による塗装金属帯の製造方法が実施される塗装金属帯の製造設備を示す構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の塗装金属帯の製造設備には、入側セクション1、中央セクション2、出側セクション3及び制御装置4が設けられている。
【0012】
入側セクション1は、ペイオフリール100,101から金属帯5を払い出すセクションである。中央セクション2は、入側セクション1の後段に設けられており、金属帯5に化成処理を施した上で塗装及び焼き付けを行うセクションである。出側セクション3は、中央セクション2の後段に設けられており、塗装が施された金属帯5をテンションリール302に巻き取るセクションである。これら入側セクション1、中央セクション2及び出側セクション3は、金属帯5が搬送される連続塗装ラインを構成する。以下、入側セクション1、中央セクション2及び出側セクション3について、より具体的に説明する。
【0013】
<入側セクション>
入側セクション1には、第1及び第2ペイオフリール100,101、ウェルダー102及び入側ルーパー103が設けられている。
【0014】
第1及び第2ペイオフリール100,101には、金属帯5が巻き取られた金属帯コイルがそれぞれ挿入されている。第1及び第2ペイオフリール100,101への金属帯コイルの挿入は、図示しないコイルカーによって行われる。コイルカーは、金属帯コイルの水平搬送及び昇降を行うものである。また図示はしないが、第1及び第2ペイオフリール100,101の近傍には、第1及び第2ペイオフリール100,101に挿入された金属帯コイルの先端をすくい取る口出し装置が設けられている。
【0015】
金属帯5には、製品材とスレ材とが含まれている。製品材は、製品として塗装等が行われる金属帯である。スレ材は、塗装金属帯の製造設備が休止される際に連続塗装ラインに通しておく金属帯である。スレ材は、ダミー材と呼ばれることもある。
【0016】
ウェルダー102は、先行する金属帯の尾端に後続の金属帯の先端を溶接する溶接機である。ウェルダー102による溶接には、製品材同士の溶接、スレ材同士の溶接、製品材の尾端へのスレ材の先端の溶接、及びスレ材の尾端への製品材の先端の溶接が含まれる。このような溶接が行われることで、連続塗装ライン内を金属帯5が連続的に搬送される。金属帯間の溶接個所は、溶接点と呼ばれる。ウェルダー102による金属帯5の溶接が行われるとき、ウェルダー102において金属帯5の搬送が止められる。
【0017】
入側ルーパー103は、金属帯5の搬送長を調節する装置である。入側ルーパー103には、複数の固定ロール103aと、これらの固定ロール103aの上方に配置された複数の可動ロール103bとが含まれている。固定ロール103a及び可動ロール103bには、金属帯5が交互に巻きかけられている。
【0018】
各可動ロール103bは、上下方向に変位可能に設けられている。各可動ロール103bが固定ロール103aに近づくように降下されることで金属帯5の搬送長が短くされ、各可動ロール103bが固定ロール103aから遠ざかるように上昇されることで金属帯5の搬送長が長くされる。入側ルーパー103による搬送長調節が行われることで、ウェルダー102による金属帯5の溶接が行われている時でも、入側ルーパー103の後段への金属帯5の供給を維持することが可能とされる。すなわち、ウェルダー102による金属帯5の溶接が行われる前に、各可動ロール103bを上昇させて、入側ルーパー103内に金属帯5を貯めておき、ウェルダー102による金属帯5の溶接が行われる時に、各可動ロール103bを降下させて、入側ルーパー103から金属帯5を送り出すことで、ウェルダー102による金属帯5の溶接が行われている時でも、入側ルーパー103の後段への金属帯5の供給を維持することが可能とされる。
【0019】
<中央セクション>
中央セクション2には、塗装前処理設備200、ケミコータ201、乾燥炉202、第1コータ203、第1オーブン204、第1ウォータクエンチ205、第2コータ206、第2オーブン207、第2ウォータクエンチ208及びテンションレベラー209が含まれている。
【0020】
塗装前処理設備200は、金属帯5に塗装前処理を施す設備である。本実施の形態の塗装前処理設備200は、金属帯5にアルカリ脱脂を施すとともに、金属帯5を水洗した後、りん酸塩処理を金属帯5に施す。
【0021】
ケミコータ201は、塗装前処理設備200にて塗装前処理が行われた金属帯5に化成処理液を塗布することで、金属帯5に化成処理を施す設備である。
【0022】
乾燥炉202は、ケミコータ201の後段にて金属帯5を乾燥させるための炉である。
【0023】
第1コータ203は、金属帯5に下塗りを行う設備である。第1オーブン204及び第1ウォータクエンチ205は、第1コータ203にて下塗りが行われた金属帯5の塗膜を焼き付け及び冷却する設備である。
【0024】
第2コータ206は、金属帯5に上塗りを行う設備である。第2オーブン207及び第2ウォータクエンチ208は、第2コータ206にて塗装が行われた金属帯5の塗膜を焼き付け及び冷却する設備である。
【0025】
テンションレベラー209は、塗装及び焼き付けが施された後の金属帯5に伸びを与えて形状を矯正する装置である。
【0026】
<出側セクション>
出側セクション3には、出側ルーパー300、エキジットシャー301及びテンションリール302が設けられている。
【0027】
出側ルーパー300は、入側ルーパー103と同様に金属帯5の搬送長を調節する装置である。出側ルーパー300による搬送長調節が行われることで、後述のエキジットシャー301による金属帯5の切断時等において、出側ルーパー300に金属帯5をためることが可能とされる。
【0028】
エキジットシャー301は、出側ルーパー300の後段に配置されており、金属帯5を所定長さに切断する装置である。エキジットシャー301による金属帯5の切断が行われるとき、エキジットシャー301において金属帯5の搬送が止められる。
【0029】
テンションリール302は、エキジットシャー301の後段に配置されており、エキジットシャー301を通過した金属帯5をコイル状に巻き取るリール体である。テンションリール302に一定量の金属帯5が巻き取られたとき、エキジットシャー301による金属帯5の切断が行われる。テンションリール302からの金属帯コイルの抜き取り及び搬送は、図示しないコイルカーによって行われる。
【0030】
制御装置4は、例えばプログラムに基づいて演算処理を行うコンピューター等により構成されるものである。制御装置4は、入側セクション1、中央セクション2及び出側セクション3に含まれる機器の動作を制御する。また、制御装置4は、金属帯5の搬送を制御する。
【0031】
上述のように、塗装金属帯の製造設備が休止される際には、連続塗装ラインにスレ材が通される。スレ材は、塗装金属帯の製造設備が休止される前に連続塗装ラインに通されている製品材の尾端に溶接され、その製品材とともに連続塗装ラインを流されることで、連続塗装ラインに通される。スレ材が尾端に溶接される製品材を第1製品材と呼ぶ。スレ材の尾端には、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時に備えて次の製品材が溶接される。次の製品材は、スレ材とともに連続塗装ラインを流されることで連続塗装ラインに通される。スレ材の尾端に溶接される製品材を第2製品材と呼ぶ。
【0032】
本実施の形態の制御装置4は、以下説明するように、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間を短くするための制御動作を行う。なお、塗装金属帯の製造設備の休止は、例えば第1又は第2コータ203,206で使用される塗料が変更される塗料変更時及び製品材への塗装を試す試験塗装時の少なくとも一方の時に実施される。試験塗装時に用いられる金属帯は、テスト材と呼ばれることもある。本明細書の製品材には、試験塗装時に用いられるテスト材も含まれる。
【0033】
次に、
図2は、
図1の制御装置4による休止制御動作を示すフローチャートである。制御装置4は、外部からの休止指令を受けた際に
図2に示す休止制御動作を行う。休止指令は、例えば作業者により操作される制御盤等の入力部から制御装置4に入力される。
図2に示すように、制御装置4は、休止制御動作を開始すると、ウェルダー102により第1製品材の尾端にスレ材の先端を溶接して第1溶接点を作成する(ステップS1)。その次に、制御装置4は、スレ材を連続塗装ラインに通すとともに(ステップS2)、ウェルダー102によりスレ材の尾端に第2製品材の先端を溶接して第2溶接点を作成する(ステップS3)。
【0034】
制御装置4は、第2溶接点を作成した後、第2溶接点の搬送を行い(ステップS4)、第2溶接点をウェルダー102よりも下流に搬送した状態で溶接点の搬送を休止する(ステップS5)。このように、第2溶接点をウェルダー102よりも下流に搬送した状態で溶接点の搬送を休止することで、第2溶接点をウェルダー102の位置に留める場合と比較して、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間を短くでき、塗装金属帯の製造効率を向上できる。
【0035】
制御装置4は、第2溶接点が塗装前処理設備200よりも上流に位置する状態で、第2溶接点の搬送を休止する。第2溶接点が塗装前処理設備200よりも上流に位置されることで、塗装金属帯の製造設備が再稼動された際に、第2製品材の前処理を適切な時間行なうことができる。
【0036】
制御装置4は、塗装金属帯の製造設備が再稼働された際に第2溶接点(第2金属帯)を搬送すべき搬送速度を示す情報を有している。制御装置4は、第2溶接点の搬送を再開した時から第2溶接点が第1オーブン204に到達するまでの時間が所定時間以上となるように、第2溶接点の搬送を再開した後の第2溶接点の搬送速度に応じて第2溶接点の搬送を休止する際の第2溶接点の位置を変更する。このように第2溶接点の搬送を休止する際の第2溶接点の位置が変更されることで、第1オーブン204の炉内状況が整った後に第2製品材を第1オーブン204に進入させることができ、第2製品材の塗装をより適切に行うことができる。
【0037】
本実施の形態の制御装置4は、入側ルーパー103の下流まで第2溶接点を搬送した状態で第2溶接点の搬送を休止する。制御装置4は、第2溶接点の搬送を休止した後に、入側ルーパー103内に第2製品材を貯める(ステップS6)。すなわち、第1又は第2ペイオフリール100,101から第2製品材を送り出しながら、入側ルーパー103の可動ロール103bを上昇させて、入側ルーパー103内に第2製品材を貯める。このとき、第2製品材は、入側ルーパー103内への金属帯の所定の最大貯蔵量の60%以上貯められることが好ましく、80%以上貯められることがより好ましく、100%貯められることが更に好ましい。第2溶接点の搬送を再開する前に、入側ルーパー103内に第2製品材が貯められることで、塗装金属帯の製造設備が再稼働された後に第2製品材の処理をより早く実施することができる。
【0038】
制御装置4は、入側ルーパー103に第2溶接点を貯めた後に、外部からの再開指令を検出したときに第2溶接点の搬送を再開する(ステップS7)。第2溶接点の搬送は、所定の貯蔵量まで入側ルーパー103に第2金属帯が貯められた後に再開されことが好ましいが、塗装金属帯の製造設備が再稼働されるタイミングによっては所定の貯蔵量まで入側ルーパー103に第2製品材が貯められる前に再開されてもよい。
【0039】
本実施の形態の塗装金属帯の製造方法は、連続塗装ラインを搬送されるスレ材の尾端に第2製品材の先端をウェルダー102により溶接して第2溶接点を作成する工程(ステップS3)と、第2溶接点を作成した後に、第2溶接点をウェルダー102よりも下流に搬送した状態で、第2溶接点の搬送を休止する工程(ステップS4)とを含む。
また、本実施の形態の塗装金属帯の製造方法は、第2溶接点を作成した後であって第2溶接点の搬送を再開する前に、入側ルーパー103内に第2製品材を貯める工程(ステップS6)をさらに含む。
さらに、本実施の形態の塗装金属帯の製造方法では、第2溶接点が塗装前処理設備200よりも上流に位置する状態で、第2溶接点の搬送が休止される。
さらにまた、本実施の形態の塗装金属帯の製造方法では、溶接点の搬送を再開した時から溶接点が第1オーブン204に到達するまでの時間が所定時間以上となるように、第2溶接点の搬送を再開した後の第2溶接点の搬送速度に応じて第2溶接点の搬送を休止する際の第2溶接点の位置が変更される。
また、第2溶接点の搬送の休止は、塗料変更時及び試験塗装時に行われる。
【0040】
このような塗装金属帯の製造方法及び設備では、連続塗装ラインを搬送されるスレ材の尾端に第2製品材の先端をウェルダー102により溶接して第2溶接点を作成する工程(ステップS3)と、第2溶接点を作成した後に、第2溶接点をウェルダー102よりも下流に搬送した状態で、第2溶接点の搬送を休止する工程(ステップS5)とを含むので、塗装金属帯の製造設備が再稼働された時から製品材の処理が開始されるまでの待機時間を短くでき、塗装金属帯の製造効率を向上できる。塗装金属帯の製造設備の場合、一か月に100回を超える回数も休止することがある。待機時間を短くすることで、製造効率を大きく向上できる。
【0041】
また、第2溶接点を作成した後であって第2溶接点の搬送を再開する前に、入側ルーパー103内に第2製品材を貯められるので、第2溶接点の搬送を再開した後に第2製品材の処理をより早く実施することができる。
【0042】
さらに、第2溶接点が塗装前処理設備200よりも上流に位置する状態で、第2溶接点の搬送が休止されるので、塗装金属帯の製造設備が再稼動された際に、第2製品材の前処理を適切な時間行なうことができる。
【0043】
さらにまた、溶接点の搬送を再開した時から溶接点が第1オーブン204に到達するまでの時間が所定時間以上となるように、第2溶接点の搬送を再開した後の第2溶接点の搬送速度に応じて第2溶接点の搬送を休止する際の第2溶接点の位置が変更されるので、第1オーブン204の炉内状況が整った後に第2製品材を第1オーブン204に進入させることができ、第2製品材の塗装をより適切に行うことができる。
【0044】
また、第2溶接点の搬送の休止が塗料変更時及び試験塗装時に行われるので、塗料変更時及び試験塗装時の後の待機時間を短くでき、塗装金属帯の製造効率を向上できる。
【符号の説明】
【0045】
4 制御装置
5 金属帯(スレ材、製品材)
102 ウェルダー
103 入側ルーパー(ルーパー)
200 塗装前処理設備
203 第1コータ(塗装設備、コータ)
204 第1オーブン(塗装設備、オーブン)