(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】改良された骨適合形状を有する大腿骨釘
(51)【国際特許分類】
A61B 17/72 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61B17/72
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019076248
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2022-04-08
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514318275
【氏名又は名称】ストライカー・ユーロピアン・ホールディングス・I,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ペータージク
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク・クルーヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ・リッチャルディ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0099379(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0282347(US,A1)
【文献】特表2012-531995(JP,A)
【文献】国際公開第2011/002903(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大腿骨釘を大腿骨内に押し込む駆動工具に係合するように構成された近位部分と、
前記近位部分から遠く隔たった遠位部分と、
前記近位部分及び前記遠位部分の間に配置された中間部分であって、中間部分が、第3の面内における非ゼロ曲率半径の第3の曲がりによって定められる1つの曲がり部を含む第1の曲がり区分を有し、前記第1の曲がり区分の曲がり部は、大腿骨の前-後方向の面と同一平面であるROC面に対して垂直な方向からみたときに第1の曲がりを示し、かつ、前記近位部分の貫通孔の貫通孔軸が面内に延びているレコン面に対して垂直な方向からみたときに第2の曲がりを示し、前記ROC面及び前記レコン面が互いに対して斜角で交差している、中間部分と、
を備え、
前記ROC面に対して垂直な基準面が、前記レコン面と前記第3の面との間に延在し、実質的に内-外方向に延びて前記前-後方向の面に対して垂直となる内-外方向の面であり、
前記第1の曲がり区分の曲がり部が大腿骨骨幹部と近位大腿骨との間の遷移曲がり部における前記大腿骨の前方皮質から離れる方に傾斜している、
大腿骨釘。
【請求項2】
前記遠位部分が、直線状であり、かつ遠位端軸を横切る方向にて前記遠位部分を貫通する複数の貫通孔を有している、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項3】
前記ROC面が、前記レコン面に対して80°よりも大きくかつ120°よりも小さくなっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項4】
前記ROC面が、前記レコン面に対して100°になっている、請求項3に記載の大腿骨釘。
【請求項5】
前記第1の曲がりが、前記ROC面及び前記レコン面間の交差によって画定される長軸に対して3°であり、
前記第2の曲がりが、前記長軸に対して4°になっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項6】
前記第3の曲がりが、前記長軸に対して4°よりも大きくなっている、請求項5に記載の大腿骨釘。
【請求項7】
前記大腿骨釘の近位部分が、前記近位部分を貫通する複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔における少なくとも第1及び第2の貫通孔には、前記レコン面内にある第1及び第2の貫通孔軸がそれぞれ設けられる、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項8】
前記近位部分が、大腿骨に対する前記大腿骨釘の回転位置合せを示すための少なくとも1つの回転位置合せ特徴部を有し、
前記回転位置合せ特徴部が、前記第3の面から鋭角だけ回転方向にて位置ズレしている、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項9】
前記鋭角が50°未満になっている、請求項8に記載の大腿骨釘。
【請求項10】
前記回転位置合せ特徴部が、前記駆動工具に係合するように構成された係合ノッチになっている、請求項8に記載の大腿骨釘。
【請求項11】
前記第3の面が、50°未満の鋭角で前記レコン面と交差している、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項12】
前記曲がりの各々の湾曲が、共通原点にてそれらのそれぞれの湾曲を開始するようになっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項13】
前記中間部分が、前記遠位部分及び前記第1の曲がり区分の間に配置された第2の曲がり区分を有している、請求項1に記載の大腿骨釘。
【請求項14】
前記中間部分が、前記第1及び第2の曲がり区分間に配置された直線区分を有している、請求項13に記載の大腿骨釘。
【請求項15】
前記第2の曲がり区分が、前記
ROC面内にて非ゼロ曲率半径を有している、請求項13に記載の大腿骨釘。
【請求項16】
前記第2の曲がり区分が500mm~1500mmの曲率半径の曲がり部を有している、請求項14に記載の大腿骨釘。
【請求項17】
前記近位部分及び前記遠位部分が、それらのそれぞれの長さに沿って直線状になっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/657,279号の出願日の利得を主張するものであり、この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
骨格系は、大腿骨を含むいくつかの長骨を含んでいる。大腿骨は、長骨の中で最長であり、概して、3つの領域、すなわち、近位大腿骨、遠位大腿骨、及び大腿骨骨幹部に分割されている。一般的に急性外傷によって生じる大腿骨骨折は、これらの領域のいずれか1つ又はこれらの領域間に生じる。このような骨折は、多くの場合、骨折した骨を緩和し、固定するために、内部装置を必要とする。
【0003】
このような1つの装置が、大腿骨髄内釘である。大腿骨釘は、近位大腿骨又は遠位大腿骨のいずれかを通して髄管内に挿入される細長の構造体である。このような釘は、典型的には、人体の長骨の自然な湾曲(curvature)、例えば、あらゆる人体大腿骨に事実上見られる前弓に追従してその長さに沿って曲がっている。
【0004】
しかしながら、解剖学的構造が患者ごとに異なるので、患者集団の全体に適する適正な大腿骨釘形状を作り出すことは、困難であるとされてきた。この困難さは、人体大腿骨の湾曲が当初考えられていたものよりも大きい場合があることを見出した最近の大腿骨のデータベース解析によって、確認されている。これに関して、最近の大腿骨釘は、概して、大腿骨釘が移植される大腿骨に対して不釣合に湾曲している(curved)。この不釣合な湾曲によって、移植中に大腿骨皮質の衝突が生じ、その結果、折損又は患者にとって不快な大腿骨釘の位置ズレが生じ、望ましい結果が得られないことがある。それ故、さらなる改良が望まれている。
【発明の概要】
【0005】
近位区分、遠位区分、及び中間区分を備える大腿骨釘が開示される。近位区分及び遠位区分は、それら自体の軸に沿って延び、実質的に直線状である。中間区分が、近位区分と遠位区分との間に配置されている。中間区分は、第1の湾曲部分(curved portion)と、直線部分と、第2の湾曲部分とを備えている。直線部分は、第1及び第2の湾曲部分間に配置されている。第2の湾曲部分は、第1の面内において湾曲しており、データベース人口解析に基づいて近似される患者の大腿骨の前弓の半径に実質的に適合する半径を有している。第1の湾曲部分は、第1の面、第2の面、及び第3の面内において湾曲している。第2の面は、第1の面と傾角で交差している。第3の面は、この傾角並びに第1及び第2の面内における釘の曲がり(bend)の大きさの合成である。大腿骨皮質衝突の不都合さを低減させるために、このような多面湾曲は、患者集団の全体に対して最適な適合をもたらすデータベース解析によって決定されている。
【0006】
本開示の一態様によれば、大腿骨釘は、大腿骨釘を大腿骨内に押し込む駆動工具に係合するように構成された近位部分と、近位部分から遠く隔たった遠位部分と、近位端及び遠位端の間に配置された中間部分とを備えている。中間部分は、複数の曲がり部(bends)を備えており、第1の曲がり部は第1の面内にあり、第2の曲がり部は第2の面内にあり、第3の曲がり部は第3の面内にある。第1及び第2の面は、互いに対して傾角で交差している。第3の曲がり部は、第1及び第2の曲がり部の合成であり、第1及び第2の曲がり部を超える大きさを有している。
【0007】
加えて、遠位端は、直線状であってもよく、遠位端軸を横切る方向において遠位端を貫通する複数の貫通孔を備えていてもよい。第1の面は、第2の面に対して80°よりも大きくかつ120°よりも小さくなっていてもよい。一例では、第1の面は、好ましくは、第2の面に対して100°である。第1の面は、前-後方向に延び、第2の面は、実質的に内-外方向に延びていてもよい。
【0008】
さらにこの態様において、第1の曲がり部は、3°であってもよく、第2の曲がり部は、4°であってもよく、第3の曲がり部は、4°を超えてもよい。中間部分は、第1の面内において曲率半径を有していてもよい。また、大腿骨釘の近位端は、この近位端を貫通する複数の貫通孔を備えていてもよい。複数の貫通孔における少なくとも第1及び第2の貫通孔は、それぞれ、第2の面内にある第1及び第2の貫通孔軸を有していてもよい。さらに、近位端は、大腿骨に対する大腿骨釘の回転位置合せを示すための少なくとも1つの回転位置合せ特徴部を備えていてもよい。回転位置合せ特徴部は、第3の面から鋭角だけ回転方向において位置ズレしていてもよい。鋭角は50°未満であってもよい。回転位置合せ特徴部は、駆動工具に係合するように構成された係合ノッチであってもよい。また、第3の面は、50°未満の鋭角で第2の面と交差していてもよい。曲がり部の各々の湾曲は、近位部分の端末から等距離にあってもよい。
【0009】
本開示の他の態様によれば、大腿骨釘は、近位区分の長さに沿って延びる長軸を有する近位区分と、この近位区分から遠く隔たった遠位区分と、近位区分及び遠位区分の間に配置された中間区分とを備えている。中間区分は、直線部分及び第1の曲がり部分(bent portion)を有している。第1の曲がり部分は、直線部分と近位区分との間に配置されている。第1の曲がり部分は、直線部分の長軸が、第1の面、第2の面、及び第3の面内において、それぞれ、近位区分の長軸に対して第1、第2,及び第3の角度で配向されるように、第1の面、第2の面、及び第3の面内において曲がっている(bent)。第1,第2,及び第3の角度は、互いに異なっている。
【0010】
加えて、中間区分は、直線部分と遠位区分との間に配置された第2の曲がり部分を備えていてもよい。第2の曲がり部分は、第1の面内において曲がっていてもよい。第2の曲がり部分は、500mm~1500mmの曲率半径を有していてもよい。近位区分及び遠位区分は、それらのそれぞれの長さに沿って直線状であってもよい。第3の角度の大きさは、第1及び第2の角度のそれぞれの大きさ及び第1及び第2の面の互いに対する方位の合成であってもよい。第1の角度は、3°であってもよく、第2の角度は、4°であってもよく、第3の角度は、4°を超えてもよい。第1の面は、第2の面に対して80°よりも大きくかつ120°よりも小さくなっていてもよい。近位区分は、大腿骨内に移植されるときに、骨ネジを大腿骨頭に向かって導くように構成された第1のネジ孔を備えていてもよい。骨ネジ孔は、第2の面内にあるネジ孔軸を画定していてもよい。遠位区分は、遠位区分を貫通する第2のネジ孔を備えていてもよく、第2のネジ孔は、第2の面内にあるネジ孔軸を画定していてもよい。
【0011】
本開示のさらなる態様によれば、大腿骨釘は、近位区分と、この近位区分から遠く隔たった遠位区分と、近位区分及び遠位区分の間に配置された中間区分とを備えている。中間区分は、第1及び第2の湾曲部分を備えている。第1の湾曲部分は、第2の湾曲部分よりも近位区分の近くに位置している。第2の湾曲部分は、第1の面内において湾曲しており、第1の湾曲部分は、第1の面、第2の面、及び第3の面内において湾曲している。
【0012】
加えて、第2の湾曲部分は、第1の面内においてのみ湾曲していてもよい。遠位区分は、第2の湾曲部分から延び、遠位チップで終端していてもよい。また、第1及び第2の面は、鈍角で互いに対して配向されていてもよい。第3の面は、第1及び第2の面間に配置されていてもよく、鋭角で第1の面に対して配向されていてもよい。
【0013】
本開示のさらに他の態様によれば、大腿骨釘は、その側壁を貫通する第1のネジ孔を有する第1の区分を備えている。第1のネジ孔は、大腿骨釘が大腿骨内に移植されるときに、大腿骨頭に向かって延びるように構成されたネジ孔軸を画定している。ネジ孔軸は、第1の面内にあり、第2の区分は、第1の区分から延び、第1及び第2の湾曲部分を有している。第1の湾曲部分は、第2の湾曲部分よりも第1の区分の近くに位置している。第1の湾曲部分は、第1の面、第2の面、及び第3の面内において湾曲している。第1の湾曲部分は、第1の湾曲部分の近位-遠位長さよりも大きい近位-遠位長さを有している。
【0014】
加えて、第2の湾曲部分は、大腿骨釘の遠位チップで終端していてもよい。釘は、第2の湾曲部分から延びる遠位区分を備えていてもよい。第2の湾曲部分は、第2の面内において湾曲していてもよい。第1及び第2の面は、鈍角で互いに対して配向されていてもよい。第3の面は、第1及び第2の面間に配置され、鋭角で第2の面に対して配向されていてもよい。
【0015】
本発明の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、添付の請求項、及び添付の図面に関連してさらによく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】大腿骨の近位端内に移植される先行技術の大腿骨釘の概略図である。
【
図2】方向Aに沿って延びる面内における大腿骨釘の側面図である。
【
図3】180°回転させた
図2の大腿骨釘の部分側断面図である。
【
図4】方向Bに沿って延びる面内における
図2の大腿骨釘の正面図である。
【
図5】方向Cに沿って延びる面内における
図2の大腿骨釘の後面図である。
【
図8】デカルト座標系内の
図2の大腿骨釘の概略図である。
【
図9】
図1の先行技術による大腿骨釘及び大腿骨に重ねた
図2の大腿骨釘の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
いくつかの移植可能な装置の以下の検討において特定の方向を参照するときに、このような方向は、人体に例示的に適用中の該移植可能な装置の方位及び位置に関して記述されていることを理解されたい。従って、本明細書に用いられる「近位側(proximal)」という用語は、心臓に近い側を意味し、「遠位側(distal)」という用語は、心臓から遠い側を意味している。「下方(inferior)」という用語は、足に近い方を意味し、「上方(superior)」という用語は、頭に向かう方を意味している。「前側(anterior)」という用語は、人体の正面又は顔に向かう側を意味し、「後側(posterior)」という用語は、人体の背中に向かう側を意味している。「内側(medial)」という用語は、人体の中線に向かう側を意味し、「外側(lateral)」という用語は、人体の中線から離れる側を意味している。また、本明細書に用いられる「約(about)」、「略(generally)」、及び「実質的に(substantially)」という用語は、そのように修正される該用語の範囲内に絶対値からのいくらかのズレが含まれることを意味している。
【0018】
図10は、例示的な左脚大腿骨を示している。大腿骨は、近位大腿骨120と、遠位大腿骨121と、近位大腿骨120及び遠位大腿骨121間に延びる大腿骨骨幹部122とを有している。近位大腿骨120は、大転子124及び大腿骨頭126を備えている。
図10から分かるように、大腿骨骨幹部122は、大腿骨が前後方向に延びる面内において前方に湾曲する前弓を有している。しかし、このような湾曲は、近位大腿骨120内に延びず、その結果、大腿骨骨幹部122が近位大腿骨120に結合する箇所に小さい後方湾曲部(posterior curvature)又は遷移曲がり部(transitional bend)128が生じている。
【0019】
図1は、順行性手法によって大腿骨、例えば、
図10に示される大腿骨内に移植された例示的な先行技術による大腿骨釘100を示している。図示されるように、大腿骨釘100は、大腿骨骨幹部122と近位大腿骨120との間の遷移曲がり部128に大腿骨の前方皮質に衝突する部分110を有するように構成されている。このような衝突は、大腿骨の湾曲を過小評価することによって、
図1に示されるように、近位大腿骨120から大腿骨骨幹部122への遷移部又はネック部又はその近傍に位置する遷移曲がり部128に生じることがある。このような衝突の結果、特に釘100が大腿骨の髄管内に打ち込まれるときに、骨の折損をもたらす可能性がある。さらに、仮に折損が生じなくても、釘100が骨の皮質を押圧し、その結果、所望の着座位置への釘の配置が妨げられことによって、髄管内における骨折片及び大腿骨釘10の整合不良が生じることもある。これによって、骨が十分に治癒されたときに非解剖学的な骨形状がもたらされ、その結果、非生理学的な位置整合に起因して、接合領域の関節軟骨の早期摩耗が生じることもある。
【0020】
図2~
図7は、本開示の実施形態による大腿骨釘10を示している。左脚に移植されるように構成された大腿骨釘10は、概して、近位区分20、遠位区分28、及びそれらの間の中間区分を備えている。中間区分は、第1の湾曲部分22,直線部分24,及び第2の湾曲部分26を備えている。
【0021】
図示される特定の実施形態では、近位区分20及び遠位区分28は、各々、それらのそれぞれの長さに沿って実質的に直線状である。遠位区分28は、釘10の遠位端を画定する遠位チップ14で終端している。近位区分20は、略円筒状であり、その長さに沿って延びる長軸LA1を画定している。近位区分20は、釘10の近位端12を画定している。近位端12は、例えば、ネジ接続によって、位置合せ/照準器具に連結されるように構成されている。照準器具の例が、米国特許第6,039,739号に開示されている。この文献の開示内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものととする。また、
図6及び
図7に最もよく示されるように、近位端12は、複数のノッチ16a~16cを備えている。これらのノッチ16a~16cは、近位区分20の長軸LA1の周りに所定の間隔を隔てて配置されている。このようなノッチ16a~16cは、連携して、クロッキング特徴部(clocking feature)を形成している。クロッキング特徴部は、移植中に大腿骨釘10を大腿骨に対して適切に配向させるのを助長し、位置合せ/標的器具と大腿骨釘10との間の接続を支援するものである。
【0022】
大腿骨釘10は、該大腿骨釘を貫通する複数のネジ孔30,32,34,40,42,44も備えている。
図3に最もよく示されるように、釘10は、近位区分20及び中間区分を貫通する第1の組のネジ孔、並びに遠位区分28を貫通する第2の組のネジ孔を備えている。第1の組のネジ孔は、レコンネジ孔30、圧縮ネジ孔32、及び静止ネジ孔34を含んでいる。圧縮ネジ孔32は、軸LA1と直交して延びる軸を画定する細長のネジ孔であり、これらのネジ孔によって、軸LA1に沿ったネジ移動が可能になる。静止ネジ孔34は、近位区分20の近くの中間区分を貫通するネジ孔であり、軸LA1と直交するネジ孔軸を画定する。しかしながら、静止ネジ孔34は、挿入されたネジを軸LA1に沿って移動しないように拘束する。
【0023】
レコンネジ孔30は、釘の一方の側(すなわち、外側)に3つの開口30a,30b,30cを形成し、釘の反対側(すなわち、内側)に2つの開口30b,30a,cを形成している。これに関して、開口30a,30cは、単一開口30a,cに合流するようになっている。従って、開口30a又は30c内に挿入されたネジは、釘の反対側の開口30a,cを貫通し、釘の一方の側の開口30b内に挿入されたネジは、釘10の反対側の開口30bを貫通する。
図4に示されるように、開口30a,30b,30cによって画定されるネジ孔30は、軸LA1に対して斜角で延びる軸を画定し、図において矢印Bによって示される方向Bに延びる面内にある。このような面は、ここでは、第2の面又は再構成面「レコン面(Recon Plane)」と呼ぶ。開口30a,30b,及び30a,cによって画定される軸は、レコンモードの固定によって移植された時、患者の大腿骨の大腿骨頭及び大腿骨頸に向かって延びる。ネジ孔30,32,及び34によって、多重モードの固定、例えば、前述のレコンモードの固定及び本明細書に具体的に記載されないいくつかの他のモードの固定を行うことができる。
【0024】
釘の遠位区分を貫通する第2の組のネジ孔は、静止ネジ孔40、圧縮ネジ孔42、及び横断ネジ孔44を含んでいる。静止ネジ孔40及び圧縮ネジ孔42は、各々、遠位区分28を貫通し、遠位区分28の長軸と直交するネジ孔軸を画定する。これらのネジ孔軸は、
図4に最もよく示されるように、レコン面内にある。横断ネジ孔44は、ネジ孔40a~40b及び44を横切って遠位部分28を貫通し、遠位区分の長軸と直交する軸を有し、
図3に示されるように、方向Aに延びる面内にある。本明細書において、このような面は、ここでは、第1の面又は曲率半径面(ROC面)と呼ばれる。このROC面については、以下にさらに詳細に説明する。また、横断ネジ孔44は、静止ネジ孔40と圧縮ネジ孔42との間に位置している。
【0025】
前述のネジ孔に加えて、孔20が釘10の近位端を貫通し、釘10の長さに沿って延び、遠位チップ14を貫通している。近位区分20の近位端12に隣接する箇所において、雌ネジ山が孔20の長さの一部に沿って形成されている。このような雌ネジ山は、例えば、位置合せ/照準器具及び止めネジ又はキャップと嵌合するように構成されている。
【0026】
前述したように、中間区分は、第1の湾曲部分又は曲がり部分22、第2の湾曲部分又は曲がり部分26、及び直線部分24を備えている。図示されるように、第1の湾曲部分22は、近位区分20から遠位側に延び、第2の湾曲部分26は、遠位区分28から近位側に延び、直線部分24は、第1及び第2の湾曲部分22,26間に位置している。第2の湾曲部分26は、約500mmから1500mmの曲率半径R2を有している。この曲率半径R2は、人骨の幾何学的データを含む中央データベースを用いる多様な人口分析に基づく患者集団の95%の大腿骨前弓と適合するように決められている。第2の湾曲部分26は、(
図2及び
図3において矢印Aによって示される)方向Aに沿って延びる第1の面内において湾曲しているか又は曲がっている。前述したように、第1の面は、ROC面と呼ばれている。図示される特定の実施形態では、第2の湾曲部分26は、ROC面内においてのみ湾曲/曲がっている。しかし、必要に応じて、第2の湾曲部分26を患者の解剖学的構造に適合させるようにROC面を横切る他の面内において湾曲/曲げることも考えられる。
【0027】
直線部分24は、第1及び第2の湾曲部分22,26間に位置し、第1の湾曲部分22から第2の湾曲部分26に向かってテーパが付されている。何故なら、釘10のこの部分が近位大腿骨の骨幹端と骨幹部との間の遷移領域内に位置することが意図されているからである。また、直線部分24は、その長さに沿って延びる長軸LA2を画定している。
【0028】
第1の湾曲部分22は、第2の湾曲部分26よりも長さが短く、
図5に示されるように、約30mmから50mmの第1の曲率半径を有している。加えて、第1の湾曲部分22は、3つの個別の互いに交差する面内において湾曲/曲がっている。さらに具体的には、
図2及び
図3に示されるように、第1の湾曲部分22は、第1の面又はROC面内において湾曲/曲がっている。また、第1の湾曲部分22は、
図4に示されるように、方向Bに沿って延びる第2の面又はレコン面内において湾曲/曲がっている。さらに、第1の湾曲部分22は、
図5に最もよく示されるように、方向Cに沿って延びる第3の面内においても湾曲/曲がっている。これらの面の各々における曲げ/湾曲によって、第1の湾曲部分22の曲率半径が画定されている。前述の曲率半径R1は、第3の面内にある。
【0029】
第1、第2、及び第3の面の各々における第1の湾曲部分22の曲げは、それらのそれぞれの面内において、直線部分24の長軸LA2を近位区分20の長軸LA1に対して第1、第2、及び第3の角度θ1,θ2,及びθ3で配向させる效果を有している。換言すれば、第1の湾曲部分22の多面湾曲によって、軸LA2は、
図2、
図4、及び
図5にそれぞれ示されるように、ROC面内おいて軸LA1に対して第1の曲がり角(bend angle)θ1で傾斜し、レコン面内において軸LA1に対して第2の曲がり角θ2で傾斜し、合成曲がり面において軸LA1に対して第3の曲がり角θ3で傾斜している。さらに、図示される実施形態では、曲がり角θ1,θ2,及びθ3は、互いに大きさが異なっている。しかし、3つの面の各々における曲がり角θ1,θ2,及びθ3が互いに等しくてもよいことも考慮されている。これらの曲がり角が互いに異なる場合、第3の曲がり角θ3は、第1及び第2の曲がり角θ1及びθ2の合成である。これに関して、θ3の大きさ及び他の面に対する合成曲がり面(Resultant Bend Plane)の方位は、θ1及びθ2及び(第1及び第2の曲がり部がそれぞれ位置する)ROC面とレコン面との間の角方位の合成である。一例として、図示される実施形態では、ROC面内における第1の曲がり角θ1は、好ましくは、3°であり、レコン面内における第2の曲がり角θ2は、好ましくは、4°であり、ROC面及びレコン面は、
図6に最もよく示されるように、斜角αで配向されており、この斜角αは、好ましくは、100°である。従って、この例では、第3の曲がり角は、約4.5°であり、合成曲がり面は、ROC面に対して約59°で配向され、レコン面に対して41°で配向されている。
【0030】
曲がり角θ1,θ2,及びθ3は、好ましくは、それぞれ、3°,4°,及び5°であり、角度αは、好ましくは、100°であるが、これらの角度は、異なっていてもよいことを理解されたい。例えば、角度αは、80°から120°の間であればよい。また、第1の曲がり角θ1は、1.5°から4.5°の間であればよく、第2の曲がり角θ2は、3°から6°の間であればよく、第3の曲がり角θ3は、3°から8°の間であればよい。このような角度は、多様な人骨のデータベース解析に基づき、患者集団の95%に対して前述の大腿骨皮質衝突を生じることなく適合するように決定されている。
【0031】
図8は、曲がり部を視覚化し、いかにこのような曲がり部が釘10の他の構造的特徴部、例えば、近位ノッチ16a~16cに関連付けられているかを明らかにするのを助長するために、第1の湾曲部分の前述の多面曲がり/湾曲部を概略的に示している。図示されるように、第1の湾曲部分22は、ROC面内において、直線部分24の軸LA2から曲がり角θ1で曲がっている。また、第1の湾曲部分22は、レコン面内において、軸LA2から曲がり角θ2で曲がっている。その結果、近位区分20の軸LA1は、合成曲がり面内において、直線区分の軸LA2に対して角度θ3で傾斜している。また、図から分かるように、デカルト座標系が、以下のように、確立されている。すなわち、この座標系において、z軸は、略前後方向に延び、x軸は、略内外方向に延び、y軸は、略上下方向に延び、原点は、第1の湾曲部分22と直線部分24との交点に位置している。この原点は、釘10の近位端から測定された釘10の長さの約10%から40%のどこかに位置していればよい。y軸は、直線区分24の長軸LA2と一致し、ROC面、レコン面、及び合成曲がり面間の交点を画定している。従って、ここに記載される左脚釘10の場合、多面曲がり部は、近位区分20を直線区分24に対して前方及び内方向に配向させる效果を有している。これに関して、近位区分20は、上から下に向かう方向において後方に傾斜ししているので、
図1に示される一般的な衝突領域において、釘10が大腿骨の前方皮質から離れる方に傾斜することになる。また、これによって、近位区分20及び中間区分が大腿骨の自然の内外湾曲と整合することになる。これらの曲がり部は、右側大腿骨釘の曲がり部と鏡面対象であることを理解されたい。
【0032】
図8にも示されるように、ROC面は、デカルト座標系においてレコン面に対して鈍角αで配向されている。従って、レコン面は、デカルト座標系内のx面に対してα-90°の角度で配向されている。これによって、角度αが100°の場合、レコン面は、x面に対して10°だけ傾斜している。x面に対するレコン面のこの位置ズレによって、合成曲がり面に角度ψ1の曲がりが生じる。ψ1は、
図7に示されるように、ROC面と(ノッチ16a,16cを2分する)長軸LA3との間に形成される角度である。加えて、角度ψ2が、軸LA3と合成曲がり面との間に形成される。従って、ROC面と合成曲がり面との間の角度は、ψ1及びψ2の合計と等しい。それ故、αが100°の前述の例では、ψ1は、10°であり、ψ2は、49°であり、ROC面と合成曲がり面との間の角度は、59°である。
【0033】
図9は、多面曲がり部が及ぼす大腿骨皮質衝突への前述の效果を示している。図示されるように、釘10は、先行技術による釘100に重ねられている。第1の湾曲部分22の曲がりの結果として、釘10は、先行技術の釘100の一般的な衝突区分における大腿骨の前方皮質から離れる方に傾斜し、これによって、大腿骨皮質衝突の可能性が低減されることになる。
【0034】
大腿骨釘10は、本発明の範囲から逸脱することなく前述した構成に対する代替的構成を有していてもよい。例えば、一実施形態では、大腿骨釘10は、直線状遠位端28を備えていなくてもよい。代わって、第2の湾曲部分24が釘10の遠位端14を画定するようになっていてもよい。これに関して、第2の湾曲部分26は、大腿骨釘10の直線部分24から遠位チップ14に至るまで釘10の湾曲中心の周りに湾曲していてもよい。代替的に、遠位区分28は、1つ又は複数の面内において湾曲/曲がっていてもよく、これによって、第2の湾曲部分26の曲率半径と異なる曲率半径を有していてもよい。加えて、近位区分20は、1つ又は複数の面内においてその長さに沿って湾曲/曲がっていてもよい。
【0035】
他の実施形態では、釘10は、中間区分内に直線部分24を備えていなくてもよい。このような実施形態では、第2の湾曲部分26が第1の湾曲部分22に隣接して位置し、そこから遠位側に延びるようになっているとよい。従って、中間区分は、3つの個別の面内に曲がり部を画定する第1の曲率半径R1を有する第1の湾曲部分22と、第1の湾曲部分22から遠位側に延びて少なくとも1つの面内において湾曲中心の周りに湾曲/曲がる第2の湾曲部分26を備えていてもよい。この実施形態では直線部分24が存在しなくてもよいが、その場合であっても、釘10に関する前述の利点は、依然として存在することになる。
【0036】
さらに、第1の湾曲部分22及び第2の湾曲部分26は、各々、ROC面内において湾曲/曲がるように記載されているが、これは、必ずしも全ての実施形態に当てはまるものではないことを理解されたい。第1の湾曲部分22は、3つの個別の面内において湾曲するが、これらの面のいずれもが第2の湾曲部分26の湾曲面と一致しないようになっていてもよい。
【0037】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態が本発明 の原理及び用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。それ故、例示的実施形態に 対して多数の修正がなされてもよいこと、及び添付の請求項に規定される本発明の精神及 び範囲から逸脱することなく他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。
出願当初の特許請求の範囲の各請求項に記載されていた発明は、以下の通りであった。
請求項1:
大腿骨釘を大腿骨内に押し込む駆動工具に係合するように構成された近位部分と、
前記近位部分から遠く隔たった遠位部分と、
前記近位部分及び前記遠位部分の間に配置された中間部分であって、中間部分が、三次元に曲がった第1の曲がり区分を有し、前記第1の曲がり区分における第1の曲がり部が第1の面内にあり、第2の曲がり部が第2の面内にあり、第3の曲がり部が第3の面内にあり、前記第1及び第2の面が互いに対して傾角で交差し、前記第1の曲がり区分における前記第3の曲がり部が、前記第3の面内にて非ゼロ曲率半径を画定している、中間部分と
を備えている大腿骨釘。
請求項2:
前記遠位端が、直線状であり、かつ遠位端軸を横切る方向にて前記遠位端を貫通する複数の貫通孔を有している、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項3:
前記第1の面が、前記第2の面に対して80°よりも大きくかつ120°よりも小さくなっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項4:
前記第1の面が、前記第2の面に対して100°になっている、請求項3に記載の大腿骨釘。
請求項5:
前記第1の面が、前-後方向に延びており、
前記第2の面が、実質的に内-外方向に延びている、請求項3に記載の大腿骨釘。
請求項6:
前記第1の曲がり部が、前記第1及び第2の面間の交差によって画定される長軸に対して3°であり、
前記第2の曲がり部が、前記長軸に対して4°になっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項7:
前記第3の曲がり部が、前記長軸に対して4°よりも大きくなっている、請求項6に記載の大腿骨釘。
請求項8:
前記大腿骨釘の近位端が、前記近位端を貫通する複数の貫通孔を有し、
前記複数の貫通孔における少なくとも第1及び第2の貫通孔には、前記第2の面内にある第1及び第2の貫通孔軸がそれぞれ設けられる、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項9:
前記近位端が、大腿骨に対する前記大腿骨釘の回転位置合せを示すための少なくとも1つの回転位置合せ特徴部を有し、
前記回転位置合せ特徴部が、前記第3の面から鋭角だけ回転方向にて位置ズレしている、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項10:
前記鋭角が50°未満になっている、請求項9に記載の大腿骨釘。
請求項11:
前記回転位置合せ特徴部が、前記駆動工具に係合するように構成された係合ノッチになっている、請求項10に記載の大腿骨釘。
請求項12:
前記第3の面が、50°未満の鋭角で前記第2の面と交差している、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項13:
前記曲がり部の各々の湾曲が、共通原点にてそれらのそれぞれの湾曲を開始するようになっている、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項14:
前記中間部分が、前記遠位部分及び前記第1の曲がり区分の間に配置された第2の曲がり区分を有している、請求項1に記載の大腿骨釘。
請求項15:
前記中間部分が、前記第1及び第2の曲がり区分間に配置された直線区分を有している、請求項14に記載の大腿骨釘。
請求項16:
前記第2の曲がり区分が、前記第1の面内にて非ゼロ曲率半径を有している、請求項14に記載の大腿骨釘。
請求項17:
近位区分の長さに沿って延びる長軸を有する近位区分と、
前記近位区分から遠く隔たった遠位区分と、
前記近位区分及び前記遠位区分の間に配置され、直線部分及び第1の曲がり部分を有する中間区分であって、前記第1の曲がり部分は、前記直線部分及び前記近位区分の間に配置され、前記第1の曲がり部分は、前記直線部分の長軸が、第1の面、第2の面、及び第3の面内にて、それぞれ、前記近位区分の長軸に対して第1、第2、及び第3の角度で配向されるように、前記第1の面、第2の面、及び第3の面内にて曲がっており、前記第1,第2,及び第3の角度が互いに異なっている、中間区分と
を備えている大腿骨釘。
請求項18:
前記中間区分は、前記直線部分及び前記遠位区分の間に配置された第2の曲がり部分をさらに有していて、
前記第2の曲がり部分が前記第1の面内にて曲がっている、請求項17に記載の大腿骨釘。
請求項19:
前記第2の曲がり部分が500mm~1500mmの曲率半径を有している、請求項18に記載の大腿骨釘。
請求項20:
前記近位区分及び前記遠位区分が、それらのそれぞれの長さに沿って直線状になっている、請求項17に記載の大腿骨釘。
請求項21:
前記第3の角度の大きさが、前記第1及び第2の角度のそれぞれの大きさ及び前記第1及び第2の面の互いに対する方位の合成になっている、請求項17に記載の大腿骨釘。
請求項22:
前記第1の角度が3°であり、前記第2の角度が4°であり、かつ前記第3の角度が4°を超えている、請求項21に記載の大腿骨釘。
請求項23:
前記第1の面が、前記第2の面に対して80°よりも大きくかつ120°よりも小さくなっている、請求項21に記載の大腿骨釘。
請求項24:
前記近位区分が、大腿骨内に移植されるときに、骨ネジを大腿骨頭に向かって導くように構成された第1のネジ孔を有し、
前記骨ネジ孔が、前記第2の面内にあるネジ孔軸を画定している、請求項17に記載の大腿骨釘。
請求項25:
前記遠位区分が、前記遠位区分を貫通する第2のネジ孔を有し、
前記第2のネジ孔が、前記第2の面内にあるネジ孔軸を画定している、請求項24に記載の大腿骨釘。