(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/115 20230101AFI20240912BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240912BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240912BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240912BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20240912BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240912BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H10K50/115
H10K59/35 351
H10K59/35 553
H10K59/38
H05B33/14 Z
H05B33/12 E
G09F9/30 365
G09F9/302 C
G09F9/30 349B
G09F9/30 349Z
(21)【出願番号】P 2019139472
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-05-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】高杉 親和
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜一
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0000811(KR,A)
【文献】特開2016-122606(JP,A)
【文献】特開2017-004639(JP,A)
【文献】特開2010-282916(JP,A)
【文献】特開2012-256612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0058013(US,A1)
【文献】特開2014-063764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00 - 101/20
H05B 33/00 - 33/28
G02B 5/20
G09F 9/30
G09F 9/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色の第1の副画素と、第2の色の第2の副画素と、第3の色の第3の副画素と、第4の色の第4の副画素とを有する画素を有し、
前記第1の副画素、前記第2の副画素、前記第3の副画素及び前記第4の副画素の各々は、前記第3の色の光を発する発光素子を有し、
前記第1の副画素、前記第2の副画素及び前記第4の副画素の各々は、前記発光素子から発せられた前記第3の色の光の波長を変換する量子ドット層を有し、
前記第1の副画素は、前記第1の色の第1のカラーフィルタを有し、
前記第2の副画素は、前記第2の色の第2のカラーフィルタを有し、
前記第4の副画素は、カラーフィルタを介さずに前記第4の色の光を発し、
前記第1の副画素は、前記量子ドット層として前記第3の色の光を前記第1の色の光に変換する第1の量子ドット層を有し、
前記第2の副画素は、前記量子ドット層として前記第3の色を前記第2の色の光に変換する第2の量子ドット層を有し、
前記第4の副画素は、前記量子ドット層として第3の量子ドット層を有し、
前記第3の量子ドット層は、前記第1のカラーフィルタ及び前記第2のカラーフィルタ
の各々よりも薄く形成され
、
前記第3の量子ドット層は、前記第2のカラーフィルタ及び前記第3の量子ドット層が第2の基板の表面に接触するように前記第2のカラーフィルタの側に配置され、
前記第1の色は赤色であり、前記第2の色は緑色であり、前記第3の色は青色であり、前記第4の色は、シアン色又はマゼンタ色であり、および
前記第4の副画素の前記量子ドット層は前記第3の色を緑色に変換し、前記第4の色はシアン色であり、
前記第4の副画素の前記量子ドット層は前記第3の色を赤色に変換し、前記第4の色はマゼンタ色であり、または
前記第4の副画素の前記量子ドット層は前記第3の色をシアン色に変換し、前記第4の色はシアン色である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第3の副画素は、カラーフィルタを介さずに前記第3の色の光を発する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3の量子ドット層は、前記第3の色の光を前記第1の色又は前記第2の色の光に変換する
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3の量子ドット層は、前記第3の色の光を前記第1の色の光に変換する一の層と、前記第3の色の光を前記第2の色の光に変換する他の層とを含み、
前記一の層及び前記他の層は、平面視において重ならない、
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3の量子ドット層は、前記第3の色の光を前記第4の色の光に変換する
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3の量子ドット層は、前記第1の量子ドット層及び前記第2の量子ドット層よりも薄く形成されている
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の副画素、前記第2の副画素、前記第3の副画素及び前記第4の副画素は、一の方向に並ぶように配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第4の副画素は、前記一の方向に並ぶように配置された前記第1の副画素、前記第2の副画素、前記第3の副画素及び前記第4の副画素の並びの2番目又は3番目の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1の副画素、前記第2の副画素、前記第3の副画素及び前記第4の副画素は、格子状に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記発光素子は、有機発光ダイオードである
請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第3の副画素は、量子ドット層を有しない
ことを特徴とする請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記発光素子が形成された第1の基板
をさらに有し、
前記第2の基板は、前記第1の基板に対向するように配置され、前記量子ドット層、前記第1のカラーフィルタ及び前記第2のカラーフィルタ
は、前記第2の基板上に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記発光素子、前記量子ドット層、前記第1のカラーフィルタ及び前記第2のカラーフィルタ
は、前記第2の基板の前記表面に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2の基板の前記表面とは反対の
表面から光が発せられる、
ことを特徴とする請求項
13に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)を発光素子とする表示装置が知られている(特許文献1~3)。かかる表示装置として、青色のOLEDを発光素子として用い、量子ドット層をOLEDから発せられた光の波長を変換する光変換層として用いた表示装置が開発されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5124051号公報
【文献】特開2006-308768号公報
【文献】韓国公開特許第10-2017-0096583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光変換層として量子ドット層を用いた場合、量子ドット層による変換率が100%ではないため、各色の副画素では、量子ドット層からの光がカラーフィルタを介して取り出される。特許文献3に記載の構成において、赤色の副画素では、青色のOLED上に、青色光を赤色光に変換する量子ドット層及び赤色のカラーフィルタが順次配置される。緑色の副画素では、青色のOLED上に、青色光を緑色光に変換する量子ドット層及び緑色のカラーフィルタが順次配置される。青色の副画素では、青色のOLED上に、量子ドット層を介さずに青色のカラーフィルタが配置される。
【0005】
しかしながら、カラーフィルタが配置されている構成では、カラーフィルタでの光の吸収のためにその副画素の発光効率が低下し、高い輝度を実現することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、輝度の高い表示を実現することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、第1の色の第1の副画素と、第2の色の第2の副画素と、第3の色の第3の副画素と、第4の色の第4の副画素とを有する画素を有し、前記第1の副画素、前記第2の副画素、前記第3の副画素及び前記第4の副画素の各々は、前記第3の色の光を発する発光素子を有し、前記第1の副画素、前記第2の副画素及び前記第4の副画素の各々は、前記発光素子から発せられた前記第3の色の光の波長を変換する量子ドット層を有し、前記第1の副画素は、前記第1の色の第1のカラーフィルタを有し、前記第2の副画素は、前記第2の色の第2のカラーフィルタを有し、前記第4の副画素は、カラーフィルタを介さずに前記第4の色の光を発することを特徴とする表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、輝度の高い表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態による表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態による表示装置のパネルにおける画素及び副画素の配列の例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態による表示装置の副画素の概略構成を示す回路図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態による表示装置の画素の概略構成及びその発光を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態による表示装置のシアン色の副画素の色座標を示すxy色度図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態による表示装置の画素の概略構成及びその発光を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態による表示装置のマゼンタ色の副画素の色座標を示すxy色度図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3実施形態による表示装置の画素の概略構成及びその発光を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態による表示装置の黄色又は白色の副画素の色座標を示すxy色度図である。
【
図10】
図10は、本発明の第4実施形態による表示装置の画素の概略構成及びその発光を示す概略図である。
【
図11】
図11は、本発明の第4実施形態による表示装置のシアン色の副画素の色座標を示すxy色度図である。
【
図12】
図12は、本発明の第5実施形態による表示装置の画素の概略構成及びその発光を示す概略図である。
【
図13】
図13は、本発明の第5実施形態による表示装置の黄色又は白色の副画素の色座標を示すxy色度図である。
【
図14】
図14は、本発明の第6実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。
【
図15】
図15は、本発明の第7実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による表示装置について
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0011】
まず、本実施形態による表示装置の概略構成について
図1乃至
図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態による表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態による表示装置のパネルにおける画素及び副画素の配列の例を示す図である。
図3は、本実施形態による表示装置の副画素の概略構成を示す回路図である。
【0012】
本実施形態による表示装置は、OLEDを画素における発光素子として用い、入力されたRGBデータに基づいて画像を表示する装置である。本実施形態による表示装置の用途は、例えば、コンピュータの画像出力装置、テレビジョン受像機、スマートフォン、ゲーム機等であり得るが、特に限定されるものではない。
【0013】
図1に示すように、表示装置は、タイミングコントローラ(TCON)1、パネル2、複数のソースドライブIC(SDIC)3及び複数のゲートドライブIC(GDIC)4を備える。パネル2は行列状に配列された複数の画素を備えており、画像を表示する表示部として機能する。
【0014】
タイミングコントローラ1は、複数のソースドライブIC3及び複数のゲートドライブIC4と通信可能に接続されている。タイミングコントローラ1は、外部システムから入力されるタイミング信号(垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号等)に基づいて、複数のソースドライブIC3及び複数のゲートドライブIC4の動作タイミングを制御する。
【0015】
後述するように、パネル2における画素は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色の副画素に加えて、シアン色(C)の副画素を第4の副画素として有している。タイミングコントローラ1は、外部システムから入力される入力信号であるRGBデータに基づいて、パネル2の各副画素の輝度を示すRGBCデータを生成し、RGBCデータを複数のソースドライブIC3に出力信号として出力する。なお、ソースドライブIC3及びゲートドライブIC4の個数は、図示したものに限定されるものではない。
【0016】
複数のソースドライブIC3の各々は、タイミングコントローラ1の制御に応じて、複数のデータラインを介してパネル2内の複数の画素を駆動するための電圧(映像信号)を供給する。複数のゲートドライブIC4の各々は、タイミングコントローラ1の制御に応じて、複数のゲートラインを介してパネル2内の複数の画素にスキャン信号を供給する。このように、タイミングコントローラ1は、表示装置全体の動作を制御する表示制御装置として機能する。
【0017】
図2(a)及び
図2(b)は、それぞれパネル2における画素(Pixel)20及び副画素(Subpixel)21R、21G、21B、21Cの配列図である。パネル2は、複数の行及び複数の列をなすように配された複数の画素20を備える。複数の画素20の各々は、赤色の光を発する副画素21R、緑色の光を発する副画素21G、青色の光を発する副画素21B及びシアン色の光を発する副画素21Cを含む。なお、以下では、副画素21R、21G、21B、21Cについて特に色を区別する必要がない場合には単に「副画素21」と記載する。
【0018】
副画素21R、21G、21B、21Cは、例えば、
図2(a)に示すように、画素20において一定の方向に並んで配置されている。この場合、後述するように、画素20において、副画素21R、副画素21G、副画素21C及び副画素21Bの順、又は副画素21R、副画素21C、副画素21G及び副画素21Bの順で並ぶように配置されていることが好ましい。
【0019】
また、副画素21R、21G、21B、21Cは、例えば、
図2(b)に示すように、画素20において格子状に配置されていてもよい。この場合、副画素21R、21G、21B、21Cは、任意の位置関係で格子状に配置することができる。
【0020】
副画素21R、21G、21B、21Cの輝度は、ソースドライブIC3から出力される電圧に応じて制御される。副画素21R、21G、21B、21Cが所定の輝度比で発光することにより、画素20は加法混色によって種々の色を表示することができる。
【0021】
このように、本実施形態の表示装置は、第4の副画素としてシアン色の副画素21Cを含んでおり、RGBCの4色表示に対応した画素構成を有している。
【0022】
なお、本明細書において、赤色は第1の色、緑色は第2の色、青色は第3の色、シアン色、マゼンタ色、黄色又は白色は第4の色と呼ばれることがある。また、本明細書において、赤色の副画素は第1の副画素、緑色の副画素は第2の副画素、青色の副画素は第3の副画素、シアン色、マゼンタ色、黄色又は白色の副画素は第4の副画素と呼ばれることがある。また、本明細書において、赤色のカラーフィルタは第1のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタは第2のカラーフィルタと呼ばれることがある。
【0023】
また、本実施形態では、光変換層としての各色の量子ドット層が副画素に適宜形成されている。各色の量子ドット層は、OLEDから発せられて入射した光の波長を変換して各色の光を発する波長変換層として機能する。具体的には、例えば、赤色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換して赤色光を発する。緑色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換して緑色光を発する。シアン色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換してシアン色光を発する。黄色の量子ドット層は、青色のOLEDから発せられた青色光を変換して黄色光を発する。量子ドット層は、例えば、出力波長に対応した粒径、材質等を有する半導体材料等からなる量子ドットが分散された樹脂等の層により構成されている。
【0024】
図3は、副画素21の概略構成を示している。
図3には複数の画素20のうちのある1つの画素20に含まれる副画素21と、その副画素21に接続される1つのソースドライブIC3と、その副画素21に接続される1つのゲートドライブIC4とが図示されている。
【0025】
副画素21は、スキャントランジスタM1、駆動トランジスタM2及びダイオードDを備える。ダイオードDは、表示装置の発光素子であり、OLEDである。スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)である。本実施形態では、スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、nチャネル型であるものとする。しかしながら、スキャントランジスタM1及び駆動トランジスタM2は、pチャネル型であってもよい。なお、駆動トランジスタM2がpチャネル型である場合には、副画素21の回路構成は、
図3に示したものとは異なるものであり得る。
【0026】
ダイオードDのカソードは電位VSSを供給する電位線に接続されている。ダイオードDのアノードは、駆動トランジスタM2のソースに接続されている。駆動トランジスタM2のドレインは、電位VDDを供給する電位線に接続されている。駆動トランジスタM2のゲートは、スキャントランジスタM1のソースに接続されている。
【0027】
スキャントランジスタM1のドレインには、データラインDLが接続されている。ソースドライブIC3は、データラインDLを介してスキャントランジスタM1のドレインに映像信号を供給する。スキャントランジスタM1のゲートには、ゲートラインGLが接続されている。ゲートドライブIC4は、ゲートラインGLを介してスキャントランジスタM1のゲートに制御信号を供給する。スキャントランジスタM1は、ゲートに入力される制御信号のレベルに応じてオン又はオフに制御される。
【0028】
駆動トランジスタM2のドレインソース間を流れる電流は、データラインDL及びスキャントランジスタM1を介してソースドライブIC3から駆動トランジスタM2のゲートに入力される電圧(映像信号)に基づいて制御される。ダイオードDには、駆動トランジスタM2のドレインソース間を流れる電流が供給され、ダイオードDはその電流に応じた輝度で発光する。このようにして、ダイオードDは、副画素21に入力される映像信号に応じた輝度で発光する。
【0029】
次に、本実施形態による表示装置の画素20についてさらに
図4及び
図5を用いて説明する。
図4(a)は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。
図4(b)は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
図5は、シアン色の副画素21Cの色座標を示すxy色度図である。
【0030】
図4(a)に示すように、パネル2における各画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、シアン色の副画素21Cをも有している。
【0031】
パネル2は、素子基板100と、カラーフィルタ基板200とを有している。カラーフィルタ基板200は、素子基板100の素子形成面に対向するように配置されている。本実施形態による表示装置は、素子基板100におけるガラス基板30の素子形成面側から光が発せられるトップエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、素子基板100におけるガラス基板30の素子形成面側が表示面の側である。
【0032】
素子基板100は、透明基板であるガラス基板30と、青色の光を発する発光素子である青色のOLED32とを有している。なお、以下では、パネル2の基板としてガラス基板30及び後述のガラス基板40、50、60を用いる場合を例に説明するが、これらのガラス基板に代えて、柔軟性を有する透明樹脂基板等の種々の透明基板を用いることができる。
【0033】
各画素20において、ガラス基板30の素子形成面上には、副画素21R、21G、21B、21Cに対応するように金属電極からなる4つのアノード電極34が形成されている。各アノード電極34上には、青色の光を発する有機発光材料からなる青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、透明電極からなる共通のカソード電極38が形成されている。
【0034】
こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21B、21Cごとに、アノード電極34と、青色有機発光層36と、カソード電極38とを有するOLED32が形成されている。カソード電極38が形成されたガラス基板30の全面には、図示しない封止膜等が形成されている。
【0035】
一方、カラーフィルタ基板200は、透明基板であるガラス基板40と、カラーフィルタ42R、42Gと、量子ドット層44R、44G、46Gとを有している。
【0036】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、赤色の副画素21RのOLED32に対向するように、赤色のカラーフィルタ42Rが形成されている。カラーフィルタ42Rの素子基板100に対向する面には、赤色の量子ドット層44Rが形成されている。赤色の量子ドット層44Rは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して赤色光を発する。量子ドット層44Rから発せられる光は、赤色光とともに未変換の青色光が含まれる。
【0037】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。
【0038】
また、ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、緑色の副画素21GのOLED32に対向するように、緑色のカラーフィルタ42Gが形成されている。カラーフィルタ42Gの素子基板100に対向する面には、緑色の量子ドット層44Gが形成されている。緑色の量子ドット層44Gは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して緑色光を発する。量子ドット層44Gから発せられる光は、緑色光とともに未変換の青色光が含まれる。
【0039】
こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。
【0040】
また、ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、シアン色の副画素21CのOLED32に対向するように、緑色の量子ドット層46Gが形成されている。緑色の量子ドット層46Gは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して緑色光を発する。量子ドット層46Gから発せられる光は、緑色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Gは、緑色光と青色光との混色光であるシアン色光を発する変換率となるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Gは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。
【0041】
こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層46Gとを有するシアン色の副画素21Cが構成されている。なお、副画素21Cは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。すなわち、副画素21Cは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずにシアン色光を発する。なお、本明細書にいう副画素がカラーフィルタを有しない場合には、副画素が物理的にカラーフィルタを有しない場合のほか、透明のカラーフィルタを有する場合も含まれる。
【0042】
一方、ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。すなわち、副画素21Bは、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに青色光を発する。
【0043】
なお、カラーフィルタ42R、42G及び量子ドット層44R、44G、46Gが形成されたガラス基板40の全面には、図示しない封止膜等が形成されている。
【0044】
こうして、副画素21R、21G、21B、21Cを有する画素20が構成されている。
【0045】
図4(b)には、各副画素21R、21G、21B、21Cの発光を模式的に示している。
図4(b)中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、
図4(b)中に示す各構成要素の配置は、便宜上、
図4(a)に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0046】
赤色の副画素21Rでは、
図4(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、赤色の量子ドット層44Rにより赤色光Lrに変換されて量子ドット層44Rから発せられる。この際、量子ドット層44Rの変換率が100%でないため、量子ドット層44Rからは、赤色光Lrとともに、未変換の青色光Lbが発せられる。また、量子ドット層44Rでは、青色光Lbの一部が失活し又は吸収される。次いで、量子ドット層44Rから発せられた赤色光Lrは、赤色のカラーフィルタ42Rを透過してパネル2の表示面から発せられる。この際、量子ドット層44Rから発せられた青色光Lbは、カラーフィルタ42Rにより吸収される。
【0047】
緑色の副画素21Gでは、
図4(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、緑色の量子ドット層44Gにより緑色光Lgに変換されて量子ドット層44Gから発せられる。この際、量子ドット層44Gの変換率が100%でないため、量子ドット層44Gからは、緑色光Lgとともに、未変換の青色光Lbが発せられる。また、量子ドット層44Gでは、青色光Lbの一部が失活し又は吸収される。次いで、量子ドット層44Gから発せられた緑色光Lgは、緑色のカラーフィルタ42Gを透過してパネル2の表示面から発せられる。この際、量子ドット層44Gから発せられた青色光Lbは、カラーフィルタ42Gにより吸収される。
【0048】
シアン色の副画素21Cでは、
図4(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、緑色の量子ドット層46Gにより緑色光Lgに変換されて量子ドット層46Gから発せられる。この際、量子ドット層46Gは上述のように厚さが調整されて形成されているため、量子ドット層46Gからは、緑色光Lgと未変換の青色光Lbとを含むシアン色光が発せられる。
図5にシアン色の副画素21Cの色座標を示す。また、量子ドット層46Gは、例えば、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されているため、量子ドット層44Gと比較して青色光Lbの失活も吸収も少ない。次いで、量子ドット層46Gから発せられた緑色光Lgと青色光Lbとを含むシアン色光は、カラーフィルタを介さずにパネル2の表示面から発せられる。
【0049】
青色の副画素21Bでは、
図4(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、量子ドット層もカラーフィルタも介さずにそのままパネル2の表示面から発せられる。
【0050】
このように、本実施形態によれば、画素20は、副画素21R、21G、21Bに加えて、カラーフィルタを有しない副画素21Cをも有している。副画素21Cは、カラーフィルタを有しないため、副画素21R、21Gと比較して発光効率を高い。このように、本実施形態によれば、発光効率の高い副画素21Cをも用いて表示を行うことができるため、輝度の高い表示を実現することができる。
【0051】
例えば、本実施形態では、赤色の副画素21R及びシアン色の副画素21Cの発光、又は赤色の副画素21R、青色の副画素21B及びシアン色の副画素21Cの発光により、白表示を実現することができる。いずれの場合もカラーフィルタを有しない副画素21Cを用いて白表示を実現するため、高い輝度の白表示を実現することができる。
【0052】
第4の副画素としての副画素21Cは、発光効率が高く、また、白表示のために頻繁に使用されうる副画素である。このため、画素20において端側よりも中央側に配置されていることが好ましい。例えば、画素20において副画素21R、21G、21B、21Cが一方向に並んで配置されている場合、副画素21Cは、副画素21R、21G、21B、21Cの並びの一方の端から2番目又は3番目の位置に配置されていることが好ましい。
【0053】
このように、本実施形態によれば、OLED及び量子ドット層を用いた表示装置において輝度の高い表示を実現することができる。
【0054】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による表示装置について
図6及び
図7を用いて説明する。なお、上記第1実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0055】
本実施形態による表示装置の基本的構成は、上記第1実施形態による表示装置の構成と同様である。本実施形態による表示装置は、シアン色の副画素21Cに代えて、マゼンタ色の副画素21Mを画素20が有する点で第1実施形態による表示装置とは異なっている。
【0056】
以下、本実施形態による表示装置における画素20について
図6及び
図7を用いて説明する。
図6(a)は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。
図6(b)は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
図7は、マゼンタ色の副画素21Mの色座標を示すxy色度図である。
【0057】
図6(a)に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、マゼンタ色の副画素21Mをも有している。
【0058】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、マゼンタ色の副画素21MのOLED32に対向するように、赤色の量子ドット層46Rが形成されている。赤色の量子ドット層46Rは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して赤色光を発する。量子ドット層46Rから発せられる光は、赤色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Rは、赤色光と青色光との混色光であるマゼンタ色光を発する変換率となるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Rは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。
【0059】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層46Rとを有するマゼンタ色の副画素21Mが構成されている。なお、副画素21Mは、マゼンタ色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。すなわち、副画素21Mは、マゼンタ色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずにマゼンタ色光を発する。
【0060】
図6(b)には、各副画素21R、21G、21B、21Mの発光を模式的に示している。
図6(b)中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、
図6(b)中に示す各構成要素の配置は、便宜上、
図6(a)に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0061】
マゼンタ色の副画素21Mでは、
図6(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、赤色の量子ドット層46Rにより赤色光Lrに変換されて量子ドット層46Rから発せられる。この際、量子ドット層46Rは上述のように厚さが調整されて形成されているため、量子ドット層46Rからは、赤色光Lrと未変換の青色光Lbとを含むマゼンタ色光が発せられる。
図7にマゼンタ色の副画素21Mの色座標を示す。また、量子ドット層46Rは、例えば、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されているため、量子ドット層44R、44Gと比較して青色光Lbの失活も吸収も少ない。次いで、量子ドット層46Rから発せられた赤色光Lrと青色光Lbとを含むマゼンタ色光は、カラーフィルタを介さずにパネル2の表示面から発せられる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、画素20は、副画素21R、21G、21Bに加えて、カラーフィルタを有しない副画素21Mをも有している。副画素21Mは、カラーフィルタを有しないため、副画素21R、21Gと比較して発光効率を高い。このように、本実施形態によれば、発光効率の高い副画素21Mをも用いて表示を行うことができるため、輝度の高い表示を実現することができる。
【0063】
例えば、本実施形態では、緑色の副画素21G及びマゼンタ色の副画素21Mの発光、又は緑色の副画素21G、青色の副画素21B及びマゼンタ色の副画素21Mの発光により、白表示を実現することができる。いずれの場合もカラーフィルタを有しない副画素21Mを用いて白表示を実現するため、高い輝度の白表示を実現することができる。
【0064】
第4の副画素としての副画素21Mは、発光効率が高く、また、白表示のために頻繁に使用されうる副画素である。このため、画素20において端部側よりも中央側に配置されていることが好ましい。例えば、画素20において副画素21R、21G、21B、21Mが一方向に並んで配置されている場合、副画素21Mは、副画素21R、21G、21B、21Mの並びの一方の端から2番目又は3番目の位置に配置されていることが好ましい。
【0065】
このように、本実施形態によれば、OLED及び量子ドット層を用いた表示装置において輝度の高い表示を実現することができる。
【0066】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による表示装置について
図8及び
図9を用いて説明する。なお、上記第1及び第2実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0067】
本実施形態による表示装置の基本的構成は、上記第1実施形態による表示装置の構成と同様である。本実施形態による表示装置は、シアン色の副画素21Cに代えて、黄色又は白色の副画素21YWの画素20が有する点で第1実施形態による表示装置とは異なっている。
【0068】
以下、本実施形態による表示装置における画素20について
図8及び
図9を用いて説明する。
図8(a)は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。
図8(b)は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
図9は、黄色又は白色の副画素21YWの色座標を示すxy色度図である。
【0069】
図8(a)に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、黄色又は白色の副画素21YWをも有している。
【0070】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、黄色又は白色の副画素21YWのOLED32に対向するように、赤色の量子ドット層46R及び緑色の量子ドット層46Gが形成されている。赤色の量子ドット層46Rは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して赤色光を発する。量子ドット層46Rから発せられる光は、赤色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Rは、青色光の透過量が所定の透過量になるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Rは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。また、緑色の量子ドット層46Gは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して緑色光を発する。量子ドット層46Gから発せられる光は、緑色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Gは、青色光の透過量が所定の透過量になるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Gは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。
【0071】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層46Rと、緑色の量子ドット層46Gとを有する黄色又は白色の副画素21YWが構成されている。なお、副画素21YWは、黄色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。すなわち、副画素21YWは、黄色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに黄色光又は白色光を発する。
【0072】
副画素21YWは、赤色の量子ドット層46Rの青色光の透過量及び緑色の量子ドット層46Gの青色光の透過量のうちの一方又は両方を適宜調整することにより、黄色の副画素として構成することもできるし、白色の副画素として構成することもできる。なお、以下では、副画素21YWを黄色の副画素として構成した場合に副画素21Yと表記し、副画素21YWを白色の副画素として構成した場合に副画素21Wと表記する。
【0073】
図8(b)には、各副画素21R、21G、21B、21YWの発光を模式的に示している。
図8(b)中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、
図8(b)中に示す各構成要素の配置は、便宜上、
図8(a)に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0074】
黄色又は白色の副画素21YWでは、
図8(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、赤色の量子ドット層46Rにより赤色光Lrに変換されて量子ドット層46Rから発せられ、緑色の量子ドット層46Gにより緑色光Lgに変換されて量子ドット層46Gから発せられる。この際、量子ドット層46R、46Gは上述のように厚さが調整されて形成されているため、量子ドット層46R、46Gからは、赤色光Lrと緑色光Lgと未変換の青色光Lbとを含む黄色光又は白色光が発せられる。
図9に黄色又は白色の副画素21YWの色座標を示す。また、量子ドット層46R、46Gは、例えば、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されているため、量子ドット層44R、44Gと比較して青色光Lbの失活も吸収も少ない。次いで、量子ドット層46R、46Gから発せられた赤色光Lrと緑色光Lgと青色光Lbとを含む黄色光又は白色光は、カラーフィルタを介さずにパネル2の表示面から発せられる。
【0075】
このように、本実施形態によれば、画素20は、副画素21R、21G、21Bに加えて、カラーフィルタを有しない副画素21YWをも有している。副画素21YWは、カラーフィルタを有しないため、副画素21R、21Gと比較して発光効率を高い。このように、本実施形態によれば、発光効率の高い副画素21YWをも用いて表示を行うことができるため、輝度の高い表示を実現することができる。
【0076】
例えば、本実施形態では、白色の副画素21Wの発光、青色の副画素21B及び白色の副画素21Wの発光、又は青色の副画素21B及び黄色の副画素21Yの発光により、白表示を実現することができる。いずれの場合もカラーフィルタを有しない副画素21Y又は副画素21Wを用いて白表示を実現するため、高い輝度の白表示を実現することができる。
【0077】
第4の副画素としての副画素21YWは、発光効率が高く、また、白表示のために頻繁に使用されうる副画素である。このため、画素20において端部側よりも中央側に配置されていることが好ましい。例えば、画素20において副画素21R、21G、21B、21YWが一方向に並んで配置されている場合、副画素21YWは、副画素21R、21G、21B、21YWの並びの一方の端から2番目又は3番目の位置に配置されていることが好ましい。
【0078】
このように、本実施形態によれば、OLED及び量子ドット層を用いた表示装置において輝度の高い表示を実現することができる。
【0079】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による表示装置について
図10及び
図11を用いて説明する。なお、上記第1乃至第3実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0080】
本実施形態による表示装置の基本的構成は、上記第1実施形態による表示装置の構成と同様である。本実施形態による表示装置は、第1実施形態によるシアン色の副画素21Cとは構成の異なるシアン色の副画素21Ccを画素20が有する点で第1実施形態による表示装置とは異なっている。
【0081】
以下、本実施形態による表示装置における画素20について
図10及び
図11を用いて説明する。
図10(a)は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。
図10(b)は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
図11は、シアン色の副画素21Ccの色座標を示すxy色度図である。
【0082】
図10(a)に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、シアン色の副画素21Ccをも有している。
【0083】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、シアン色の副画素21CcのOLED32に対向するように、シアン色の量子ドット層46Cが形成されている。シアン色の量子ドット層46Cは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換してシアン色光を発する。量子ドット層46Cから発せられる光は、シアン色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Cは、シアン色光を発する変換率となるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Rは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。
【0084】
こうして、青色のOLED32と、シアン色の量子ドット層46Cとを有するシアン色の副画素21Ccが構成されている。なお、副画素21Ccは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。すなわち、副画素21Ccは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずにシアン色光を発する。
【0085】
図10(b)には、各副画素21R、21G、21B、21Ccの発光を模式的に示している。
図10(b)中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光、矢印Lcはシアン色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、
図10(b)中に示す各構成要素の配置は、便宜上、
図10(a)に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0086】
シアン色の副画素21Ccでは、
図10(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、シアン色の量子ドット層46Cによりシアン色光Lcに変換されて量子ドット層46Cから発せられる。この際、量子ドット層46Cは上述のように厚さが調整されて形成されているため、量子ドット層46Cからは、シアン色光Lcと未変換の青色光Lbとを含むシアン色光が発せられる。
図11にシアン色の副画素21Ccの色座標を示す。シアン色の量子ドット層46Cを用いると、青色と緑色との混色によるシアン色よりもxy色度図において外側のシアン色を表示することができる。また、量子ドット層46Cは、例えば、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されているため、量子ドット層44R、44Gと比較して青色光Lbの失活も吸収も少ない。次いで、量子ドット層46Cから発せられたシアン色光Lcと青色光Lbとを含むシアン色光は、カラーフィルタを介さずにパネル2の表示面から発せられる。
【0087】
このように、本実施形態によれば、画素20は、副画素21R、21G、21Bに加えて、カラーフィルタを有しない副画素21Ccをも有している。副画素21Ccは、カラーフィルタを有しないため、副画素21R、21Gと比較して発光効率を高い。このように、本実施形態によれば、発光効率の高い副画素21Ccをも用いて表示を行うことができるため、輝度の高い表示を実現することができる。
【0088】
例えば、本実施形態では、赤色の副画素21R及びシアン色の副画素21Ccの発光、又は赤色の副画素21R、青色の副画素21B及びシアン色の副画素21Cの発光により、白表示を実現することができる。いずれの場合もカラーフィルタを有しない副画素21Ccを用いて白表示を実現するため、高い輝度の白表示を実現することができる。
【0089】
第4の副画素としての副画素21Ccは、発光効率が高く、また、白表示のために頻繁に使用されうる副画素である。このため、画素20において端部側よりも中央側に配置されていることが好ましい。例えば、画素20において副画素21R、21G、21B、21Ccが一方向に並んで配置されている場合、副画素21Ccは、副画素21R、21G、21B、21Ccの並びの一方の端から2番目又は3番目の位置に配置されていることが好ましい。
【0090】
このように、本実施形態によれば、OLED及び量子ドット層を用いた表示装置において輝度の高い表示を実現することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による表示装置について
図12及び
図13を用いて説明する。なお、上記第1乃至第4実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0091】
本実施形態による表示装置の基本的構成は、上記第1実施形態による表示装置の構成と同様である。本実施形態による表示装置は、第1実施形態によるシアン色の副画素21Cに代えて、第3実施形態による黄色又は白色の副画素21YWとは構成の異なる黄色又は白色の副画素21YWyを画素20が有する点で第1実施形態による表示装置とは異なっている。
【0092】
以下、本実施形態による表示装置における画素20について
図12及び
図13を用いて説明する。
図12(a)は、本実施形態による表示装置の画素20の概略構成を示す断面図である。
図12(b)は、本実施形態による表示装置の画素20の発光を示す概略図である。
図13は、黄色又は白色の副画素21YWyの色座標を示すxy色度図である。
【0093】
図12(a)に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、黄色又は白色の副画素21YWyをも有している。
【0094】
ガラス基板40の素子基板100に対向する面には、黄色又は白色の副画素21YWyのOLED32に対向するように、黄色の量子ドット層46Yが形成されている。黄色の量子ドット層46Yは、光の波長を変換する光変換層として機能し、OLED32から発せられて入射した青色光の波長を変換して黄色光を発する。量子ドット層46Yから発せられる光は、黄色光とともに未変換の青色光が含まれる。量子ドット層46Yは、青色光の透過量が所定の透過量となるように厚さが調整されて形成されている。このため、例えば、量子ドット層46Yは、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されていることが好ましい。
【0095】
こうして、青色のOLED32と、黄色の量子ドット層46Yとを有する黄色又は白色の副画素21YWyが構成されている。なお、副画素21YWyは、黄色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。すなわち、副画素21YWyは、黄色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを介さずに黄色光又は白色光を発する。
【0096】
副画素21YWyは、黄色の量子ドット層46Yの青色光の透過量を適宜調整することにより、黄色の副画素として構成することもできるし、白色の副画素として構成することもできる。なお、以下では、副画素21YWyを黄色の副画素として構成した場合に副画素21Yyと表記し、副画素21YWyを白色の副画素として構成した場合に副画素21Wyと表記する。
【0097】
図12(b)には、各副画素21R、21G、21B、21YWyの発光を模式的に示している。
図12(b)中、矢印Lrは赤色光、矢印Lgは緑色光、矢印Lbは青色光、矢印Lyは黄色光を示し、各矢印の数で光量を示している。また、
図12(b)中に示す各構成要素の配置は、便宜上、
図12(a)に示す各構成要素の配置とは一致していない。
【0098】
黄色又は白色の副画素21YWyでは、
図12(b)に示すように、まず、OLED32から青色光Lbが発せられる。次いで、青色光Lbは、黄色の量子ドット層46Yにより黄色光Lyに変換されて量子ドット層46Yから発せられる。この際、量子ドット層46Yは上述のように厚さが調整されて形成されているため、量子ドット層46Yからは、黄色光Lyと未変換の青色光Lbとを含む黄色光又は白色光が発せられる。
図13に黄色又は白色の副画素21YWyの色座標を示す。また、量子ドット層46Yは、例えば、量子ドット層44R、44Gよりも薄く形成されているため、量子ドット層44R、44Gと比較して青色光Lbの失活も吸収も少ない。次いで、量子ドット層46Yから発せられた黄色光Lyと青色光Lbとを含む黄色光又は白色光は、カラーフィルタを介さずにパネル2の表示面から発せられる。
【0099】
このように、本実施形態によれば、画素20は、副画素21R、21G、21Bに加えて、カラーフィルタを有しない副画素21YWyをも有している。副画素21YWyは、カラーフィルタを有しないため、副画素21R、21Gと比較して発光効率を高い。このように、本実施形態によれば、発光効率の高い副画素21YWyをも用いて表示を行うことができるため、輝度の高い表示を実現することができる。
【0100】
例えば、本実施形態では、白色の副画素21Wyの発光、青色の副画素21B及び白色の副画素21Wyの発光、又は青色の副画素21B及び黄色の副画素21Yyの発光により、白表示を実現することができる。いずれの場合もカラーフィルタを有しない副画素21Yy又は副画素21Wyを用いて白表示を実現するため、高い輝度の白表示を実現することができる。
【0101】
第4の副画素としての副画素21YWyは、発光効率が高く、また、白表示のために頻繁に使用されうる副画素である。このため、画素20において端部側よりも中央側に配置されていることが好ましい。例えば、画素20において副画素21R、21G、21B、21YWyが一方向に並んで配置されている場合、副画素21YWyは、副画素21R、21G、21B、21YWyの並びの一方の端から2番目又は3番目の位置に配置されていることが好ましい。
【0102】
このように、本実施形態によれば、OLED及び量子ドット層を用いた表示装置において輝度の高い表示を実現することができる。
【0103】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による表示装置について
図14を用いて説明する。
図14は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第5実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0104】
上記第1乃至第5実施形態では、OLEDが素子基板100に形成され、カラーフィルタ及び量子ドット層がカラーフィルタ基板200に形成された構成について説明したが、これに限定されるものではない。OLED、量子ドット層及びカラーフィルタは、単一のガラス基板上に形成されていてもよい。
【0105】
本実施形態では、第1実施形態と同様の4つの副画素を含む画素が単一のガラス基板上に形成されている場合について説明する。なお、第2乃至第5実施形態と同様の4つの副画素を含む画素についても本実施形態と同様に単一のガラス基板上に形成することができる。
【0106】
図14に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、シアン色の副画素21Cをも有している。
【0107】
パネル2は、ガラス基板50を有するが、ガラス基板50に対向するカラーフィルタ基板を有していない。本実施形態による表示装置は、ガラス基板50の素子形成面側から光が発せられるトップエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、ガラス基板50の素子形成面側が表示面の側である。
【0108】
透明基板であるガラス基板50の素子形成面上には、副画素21R、21G、21B、21Cに対応するように4つのアノード電極34が形成されている。各アノード電極34上には、青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、共通のカソード電極38が形成されている。こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21B、21Cごとに、第1実施形態と同様にOLED32が形成されている。カソード電極38上には、OLED32を封止する封止膜52が形成されている。
【0109】
封止膜52上には、赤色の副画素21RのOLED32に対向するように、赤色の量子ドット層44Rが形成されている。量子ドット層44R上には、赤色のカラーフィルタ42Rが形成されている。こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。
【0110】
また、封止膜52上には、緑色の副画素21GのOLED32に対向するように、緑色の量子ドット層44Gが形成されている。量子ドット層44G上には、緑色のカラーフィルタ42Gが形成されている。こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。
【0111】
また、封止膜52上には、シアン色の副画素21CのOLED32に対向するように、緑色の量子ドット層46Gが形成されている。こうして、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層46Gとを有するシアン色の副画素21Cが構成されている。なお、副画素21Cは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。
【0112】
一方、封止膜52上には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。
【0113】
副画素21R、21G、21B、21Cが形成されたガラス基板50の全面には、量子ドット層44R、44G、46G及びカラーフィルタ42R、42Gを封止する封止膜54が形成されている。封止膜54上には、透明樹脂膜等からなるカバーフィルム56が形成されている。
【0114】
本実施形態のように、4つの副画素を含む画素が単一のガラス基板上に形成されていてもよい。
【0115】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による表示装置について
図15を用いて説明する。
図15は、本実施形態による表示装置の画素の概略構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第6実施形態による表示装置と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
【0116】
上記第1乃至第6実施形態では、トップエミッション型の構成について説明したが、これに限定されるものではない。表示装置は、ボトムエミッション型のものであってもよい。
【0117】
本実施形態では、第1実施形態と同様の4つの副画素を含む表示装置がボトムエミッション型である場合について説明する。なお、第2乃至第5実施形態と同様の4つの副画素を含む表示装置についても本実施形態と同様にボトムエミッション型のものとして構成することができる。
【0118】
図15に示すように、パネル2における画素20は、赤色の副画素21R、緑色の副画素21G及び青色の副画素21Bに加えて、シアン色の副画素21Cをも有している。
【0119】
パネル2は、ガラス基板60を有するが、ガラス基板60に対向するカラーフィルタ基板を有していない。本実施形態による表示装置は、ガラス基板60の素子形成面とは反対の面側から光が発せられるボトムエミッション型のものである。すなわち、本実施形態による表示装置は、ガラス基板60の素子形成面側とは反対の面の側が表示面の側である。
【0120】
透明基板であるガラス基板60の素子形成面上には、赤色の副画素21Rに対応するように、赤色のカラーフィルタ42Rと、赤色の量子ドット層44Rとが順次積層されている。
【0121】
また、ガラス基板60の素子形成面上には、緑色の副画素21Gに対応するように、緑色のカラーフィルタ42Gと、緑色の量子ドット層44Gが順次積層されている。
【0122】
また、ガラス基板60の素子形成面上には、シアン色の副画素21Cに対応するように、緑色の量子ドット層46Gが形成されている。シアン色の副画素21Cに対応するようにはカラーフィルタは形成されていない。
【0123】
一方、ガラス基板60の素子形成面上には、青色の副画素21Bに対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。
【0124】
カラーフィルタ42R、42G及び量子ドット層44R、44G、46Gが形成されたガラス基板60の素子形成面の全面には、カラーフィルタ42R、42G及び量子ドット層44R、44G、46Gを封止する封止膜62が形成されている。
【0125】
封止膜62上には、副画素21R、21G、21B、21Cに対応するように4つのアノード電極34が形成されている。各アノード電極34上には、青色有機発光層36が形成されている。各青色有機発光層36上には、共通のカソード電極38が形成されている。こうして、各画素20において、副画素21R、21G、21B、21Cごとに、第1実施形態と同様にOLED32が形成されている。なお、本実施形態では、ボトムエミッション型であるため、アノード電極34を透明電極として構成することができる。
【0126】
こうして、青色のOLED32と、赤色の量子ドット層44Rと、赤色のカラーフィルタ42Rとを有する赤色の副画素21Rが構成されている。
【0127】
また、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層44Gと、緑色のカラーフィルタ42Gとを有する緑色の副画素21Gが構成されている。
【0128】
また、青色のOLED32と、緑色の量子ドット層46Gとを有するシアン色の副画素21Cが構成されている。なお、副画素21Cは、シアン色のカラーフィルタその他のカラーフィルタを有していない。
【0129】
一方、ガラス基板60の素子形成面上には、青色の副画素21BのOLED32に対向するようにはカラーフィルタも量子ドット層も形成されていない。このため、青色の副画素21Bは、青色のOLED32を有するが、青色のカラーフィルタその他のカラーフィルタも量子ドット層も有していない。
【0130】
カソード電極38が形成されたガラス基板60の全面には、OLED32を封止する封止膜64が形成されている。
【0131】
本実施形態のように、4つの副画素を含む画素をボトムエミッション型のものとして構成してもよい。
【0132】
[実施例]
次に、本実施形態による表示装置の評価結果について表1を用いて説明する。評価に際しては、実施例1乃至5及び比較例1の表示装置について各副画素及び白表示の発光効率をシミュレーションにより計算した。
【0133】
実施例1乃至5では、それぞれ上記第1乃至第5実施形態による表示装置について発光効率を計算した。一方、比較例1では、上記第1乃至第5実施形態と同様の赤色、緑色及び青色の各副画素を有するが、第4の副画素を有しない画素構成の表示装置について発光効率を計算した。
【0134】
実施例1乃至5及び比較例1の表示装置について各副画素の発光効率を測定した結果を表1に示す。赤色、緑色、および第4の副画素の発光効率は量子ドットの変換効率を含んでいる。また、赤色および緑色の発光効率はカラーフィルタの吸収率を含んでいる。なお、実施例1乃至5の赤色、緑色及び青色の各副画素の発光効率は、各副画素の構成上、それぞれ表1中に矢印で示すように比較例1と同じとなった。
【0135】
【0136】
表1に示す結果からは、実施例1乃至5のいずれにおいても、カラーフィルタを有しない第4の副画素の発光効率が高いことが確認された。また、実施例1乃至5によれば、比較例1と比較して、白表示の発光効率が高く、輝度の高い白表示が実現されることが確認された。これにより、実施例1乃至5では、比較例1と比較して、白表示の消費電力を低減することができる。
【0137】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
【0138】
例えば、上記実施形態では、発光素子としてOLEDを用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。OLEDに代えて、種々の発光素子を用いることができる。
【0139】
また、上記実施形態では、画素20が4つの副画素21R、21G、21B及び第4の副画素を有する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。画素20は、4つ以上の複数の副画素を有していてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…タイミングコントローラ
2…パネル
3…ソースドライブIC
4…ゲートドライブIC
20…画素
21…副画素
21R、21G、21B、21C、21M、21YW、21Cc、21YWy…副画素
30…ガラス基板
34…アノード電極
36…青色有機発光層
38…カソード電極
40…ガラス基板
42R、42G…カラーフィルタ
44R、44G…量子ドット層
46G、46R、46C、46Y…量子ドット層
50…ガラス基板
60…ガラス基板
100…素子基板
200…カラーフィルタ基板
D…ダイオード
DL…データライン
GL…ゲートライン