(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】通知システム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20240912BHJP
【FI】
G16H40/20
(21)【出願番号】P 2019237183
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-08-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨井 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】竹島 秀則
(72)【発明者】
【氏名】市之瀬 伸保
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健輔
(72)【発明者】
【氏名】田村 昂広
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-113082(JP,A)
【文献】特開平07-253963(JP,A)
【文献】特開2014-061109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体に関する情報と、前記患者の検査に係る検査時間の情報とを取得する取得部と、
前記患者の身体に関する情報に基づいて、前記検査が終了する際に必要な呼び出し人数を導出する第1の導出部と、
前記呼び出し人数に対応する台数の情報端末に対し、前記検査時間の情報から導出される前記検査の終了時刻又は検査終了までの時間を含む情報を送信する送信部と、
を有する、通知システム。
【請求項2】
前記検査時間の情報に基づいて、前記検査の終了時刻又は検査終了までの時間を導出する第2の導出部を更に有し、
前記送信部は、前記第2の導出部で導出された前記検査の終了時刻又は検査終了までの時間を含む情報を前記情報端末に送信する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記第1の導出部は、前記患者の身体に関する情報に含まれた前記患者の体格を示す情報に基づいて、前記呼び出し人数を導出する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項4】
前記第1の導出部は、前記患者の身体に関する情報に含まれた前記患者の身体に関する注意事項を示す情報に基づいて、前記呼び出し人数を導出する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項5】
前記送信部は、前記情報端末を使用する医療従事者の属性に基づいて、前記情報の送信先となる前記情報端末を決定する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項6】
前記送信部は、前記情報端末を使用する医療従事者の勤務スケジュールに基づいて、前記情報の送信先となる前記情報端末を決定する、請求項1に記載の通知システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記検査が行われている位置を示す検査位置の情報を更に取得し、
前記送信部は、前記検査位置の情報を含めて前記情報端末に送信する、請求項1~6の何れか一項に記載の通知システム。
【請求項8】
前記取得部は、前記患者の検査が行われている間、前記検査時間の情報の取得を継続して実行し、
前記送信部は、新たに取得された前記検査時間の情報から導出される前記検査の終了時刻又は検査終了までの時間を含む情報を送信する請求項1~7の何れか一項に記載の通知システム。
【請求項9】
前記情報を送信した前記情報端末から受信の確認を受け付ける受信確認部を更に有し、
前記送信部は、前記受信の確認が未実施の前記情報端末に対し前記情報の再送信を行う、請求項1~8の何れか一項に記載の通知システム。
【請求項10】
前記情報を送信した前記情報端末から他の情報端末の選定を要求する代理要求を受け付ける受付部を更に有し、
前記送信部は、前記代理要求に応じて、前記情報を送信した前記情報端末以外の新たな情報端末を選定し、当該選定した前記情報端末に対し前記情報の送信を行う、請求項1~9の何れか一項に記載の通知システム。
【請求項11】
前記送信部は、前記情報を送信した前記情報端末からの要求に応じ、前記患者の情報を送信する請求項1~10の何れか一項に記載の通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書等に開示の実施形態は、通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療施設では、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置を用いて患者等の被検体の検査が行われている。
【0003】
医用画像診断装置を用いた検査では、検査の終了後に被検体を移動させる等の処置が発生する場合があるため、検査の終了時に医療従事者を招集することが行われている。例えば、従来、画像診断装置において、操作者により検査終了のトリガとなる情報が入力されると、医療従事者や被検体の関係者に対し通知を行う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、検査終了時における医療従事者の招集を効率的に行うことである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本願明細書に開示の実施形態が解決する他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る通知システムは、取得部と、第1の導出部と、送信部とを有する。取得部は、患者の身体に関する情報と、前記患者の検査に係る検査時間の情報とを取得する。第1の導出部は、前記患者の身体に関する情報に基づいて、前記検査が終了する際に必要な呼び出し人数を導出する。送信部は、前記呼び出し人数に対応する台数の情報端末に対し、前記検査時間の情報から導出される前記検査の終了時刻又は検査終了までの時間を含む情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る通知システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る中継機器の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る設定情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る従事者管理情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報端末の構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態の情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態の中継機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例1に係る中継機器の構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例1の情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、変形例1の中継機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、変形例1の中継機器が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、変形例2に係る中継機器の構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、変形例2の情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、変形例2の中継機器が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、変形例3の情報端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例3の情報端末に表示される画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、通知システムの実施形態について説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る通知システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、通知システム1は、医用画像診断装置10と、中継機器20と、情報端末30とを有する。例えば、医用画像診断装置10、中継機器20、及び情報端末30は、病院等の医療施設内に設けられた院内LAN(Local Area Network)等のネットワークN1に接続される。
【0010】
なお、ネットワークN1に接続される医用画像診断装置10及び情報端末30の台数は
図1の例に限定されないものとする。また、ネットワークN1には、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)等の他システムが接続されてもよい。また、上述した装置の一部又は全ては、他システムに含まれてもよい。
【0011】
医用画像診断装置10は、被検体である患者を撮像(又は撮影)等することで検査を実施する装置である。例えば、医用画像診断装置10は、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置やCT装置(Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、PET-MRI装置、PET-CT装置等のモダリティである。
【0012】
中継機器20は、医用画像診断装置10と情報端末30とを中継する中継機器である。例えば、中継機器20は、ネットワークサーバやProxyサーバ等のサーバ装置により実現される。
【0013】
中継機器20は、医用画像診断装置10で実施される患者の検査に係る情報から、検査が終了する時間に関連する情報を取得又は導出する。また、中継機器20は、取得又は導出した情報を患者の検査に係る情報端末30に送信することで、当該情報端末30を使用する医療従事者に対し検査の終了時の招集を通知する。
【0014】
情報端末30は、医療従事者が使用する通信機器である。情報端末30は、有線又は無線によりネットワークN1に接続される。例えば、情報端末30は、医療用PHS(Personal Handy-Phone System)やスマートフォン、タブレット端末等の携帯型の通信端末、PC(Personal Computer)等の据置型の通信端末である。
【0015】
情報端末30の各々には、情報端末30を識別することが可能な端末IDが予め割り当てられており、端末IDに基づき、情報端末30を使用する医療従事者等を特定することが可能となっている。端末IDは、例えば、情報端末30のIPアドレスやMACアドレス、電話番号等の識別子である。なお、情報端末30の使用者は、医療従事者に限らず、患者の付添人や関係者(例えば親族等)であってもよい。
【0016】
次に、中継機器20の構成について説明する。
図2は、中継機器20の構成の一例を示す図である。
図2に示すように。中継機器20は、通信インタフェース210と、記憶回路220と、処理回路230とを有する。
【0017】
通信インタフェース210は、処理回路230に接続されており、中継機器20と外部装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インタフェース210は、ネットワークN1に接続された外部装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インタフェース210は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0018】
記憶回路220は、処理回路230に接続されており、各種のデータやプログラムを記憶する。また、記憶回路220は、後述する設定情報D1、従事者管理情報D2等を記憶する。例えば、記憶回路220は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0019】
処理回路230は、中継機器20の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路230は、プロセッサによって実現される。
【0020】
また、
図2に示すように、処理回路230は、取得機能231、導出機能232、及び送信機能233を実行する。ここで、取得機能231は、取得部の一例である。導出機能232は、第1の導出部、第2の導出部、及び導出部の一例である。送信機能233は、送信部の一例である。
【0021】
具体的には、処理回路230は、取得機能231、導出機能232、及び送信機能233の各々に対応するプログラムを記憶回路220から読み出して実行することにより、取得機能231、導出機能232、及び送信機能233を実現させる。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路230は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0022】
なお、
図2では単一の処理回路230にて、取得機能231、導出機能232、及び送信機能233を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路230を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路230が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0023】
取得機能231は、医用画像診断装置10で実施される、患者の検査に関する検査情報を取得する。ここで、検査情報は、少なくとも患者情報と検査時間情報とを含む。
【0024】
患者情報は、医用画像診断装置10で検査対象となる患者の情報である。患者情報は、例えば、患者の氏名、性別、年齢、体重、注意事項、及び備考等、患者に関する情報を含む。注意事項は、患者の身体に関する注意事項を示す情報である。例えば、注意事項には、歩行困難であること、四肢が不自由であること、車椅子や歩行補助具が必要であること、意識を失っていることを示す情報等が設定される。また、備考には、医用画像診断装置10等で入力された申し送り情報や、別の検査が次に控えている等の連絡事項が設定される。
【0025】
検査時間情報は、医用画像診断装置10で実施される検査の終了時刻や検査終了までの残り時間等を導出することが可能な検査時間の情報である。
【0026】
例えば、検査の終了時刻や検査終了までの残り時間が医用画像診断装置10で導出される場合、取得機能231は、医用画像診断装置10で導出された終了時刻又は残り時間を検査時間情報として取得する。
【0027】
また例えば、取得機能231は、医用画像診断装置10で実施される検査の検査スケジュールやプロトコル(例えばパルスシーケンス)等の検査内容を検査時間情報として取得する。この場合、導出機能232において、取得機能231が取得した検査時間情報から、検査の終了時刻や検査終了までの残り時間が導出される。
【0028】
なお、取得機能231は、医用画像診断装置10で検査が実施されている間、検査時間情報の取得を継続して行うことが好ましい。より具体的には、取得機能231は、医用画像診断装置10で検査が実施されている間、当該検査に係る検査時間情報を所定の時間間隔で取得することが好ましい。
【0029】
医用画像診断装置10では、患者の状況によって検査の終了時刻や検査内容が変化する場合がある。例えば、医用画像診断装置10での撮像中に患者が動いた場合には撮像が一時中断するため、当初予定されていた終了時刻よりも遅くなる可能性がある。また、心拍に同期して撮像を行うような場合には、患者の心拍状況によって当初予定されていた検査内容が変更となる可能性がある。このような場合、取得機能231は、医用画像診断装置10で検査が実施されている間、検査時間情報を定期的に取得することで、実施中の検査状況に即した終了時刻や残り時間を導出できる。これにより、導出される検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間の精度向上を図ることができる。
【0030】
なお、取得機能231が検査情報として取得する情報は、上述した患者情報及び検査時間情報に限らない。例えば、取得機能231は、患者の検査を行っている医用画像診断装置10が設置された医療施設内での位置を示す検査位置情報を、検査情報として取得してもよい。
【0031】
また、検査情報の取得元(ソース)は、医用画像診断装置10に限らず、ネットワークN1に接続された装置であれば特に問わないものとする。例えば、取得機能231は、病院情報システムや放射線科情報システム等の他システムから検査情報を取得してもよい。また、検査情報を構成する各情報の取得元は同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、取得機能231は、病院情報システムから患者情報を取得し、医用画像診断装置10から検査時間情報及び検査位置情報を取得する等してもよい。
【0032】
上述した患者情報、検査時間情報、及び検査位置情報には、患者を識別するための患者IDや、検査を識別するための検査ID等が関連付けられているものとする。取得機能231は、患者ID及び検査IDに基づき、同一の患者及び検査に係る患者情報、検査時間情報、及び検査位置情報等を検査情報として取得する。
【0033】
導出機能232は、取得機能231で取得された検査情報に基づいて、情報端末30に通知する通知内容に係る各種の情報を導出する。
【0034】
具体的には、導出機能232は、検査情報に含まれた患者情報に基づき、当該患者情報に対応する患者の処置に必要な医療従事者の人数(以下、呼び出し人数ともいう)を導出する。
【0035】
一例として、導出機能232は、患者情報に含まれる体重に基づき呼び出し人数を導出する。この場合、導出機能232は、例えば所定の基準に基づき区分した体重の各範囲と、呼び出し人数とを関連付けた設定情報(
図3参照)を用いて、患者情報に含まれた体重に対応する呼び出し人数を導出する。
【0036】
ここで、
図3は、呼び出し人数の導出に係る設定情報のデータ構成の一例を示す図である。
図3に示すように、設定情報D1は、体重の各範囲と、呼び出し人数とを関連付けて記憶する。ここでは、体重の範囲を20Kg以下、21Kg~40Kg、41Kg~70Kg、71Kg以上の4つに区分した例を示している。なお、体重の範囲と呼び出し人数との関係は、
図3の例に限らず任意に変更することが可能である。
【0037】
設定情報D1において、例えば患者情報に含まれる体重が21Kg~40Kgの範囲に属する場合、導出機能232は、この範囲に関連付けられた呼び出し人数「2人」を導出する。また、患者情報に含まれる体重が41Kg~70Kgの範囲に属する場合、導出機能232は、この範囲に関連付けられた呼び出し人数「3人」を導出する。
【0038】
なお、呼び出し人数の導出方法は、上述した体重に基づくものに限らず、患者の体格を定義付ける他の情報に基づいて導出する形態としてもよい。例えば、患者の身長に基づいて呼び出し人数を導出してもよい。また、例えば、患者の身長及び体重等から算出されるBMI(Body Mass Index)値の指標値に基づいて呼び出し人数を導出してもよい。また、性別や年代毎に上述した設定情報D1を用意し、対象となる患者の性別、年齢に応じた設定情報D1を用いて呼び出し人数を導出してもよい。
【0039】
また、呼び出し人数の導出は、患者情報の注意事項に所定の事項が記述されている場合にのみ行う形態としてもよい。例えば、患者が歩行困難である場合や、意識を失っている状態等、自分で体を動かすことができない患者の検査では、検査の終了後に医療従事者が患者を医用画像診断装置10の寝台からストレッチャーに移動させる処置が発生することになる。そのため、導出機能232は、注意事項に自分で体を動かすことができないことを示す情報が設定されていることを条件に、呼び出し人数の導出を行う形態としてもよい。またこの場合、条件に該当しない患者については、固定の呼び出し人数(例えば「1」等)を導出する形態としてもよい。
【0040】
また、導出機能232は、取得機能231が取得した検査時間情報が検査内容を示す場合、その検査内容に基づいて検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を導出する。
【0041】
例えば、医用画像診断装置10がMRI装置の場合、導出機能232は、検査内容として取得されたプロトコルに基づき、患者の撮像に要する所要時間を算出する。導出機能232は、算出した所要時間を用いて、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を導出する。ここで、検査内容から検査の終了時期を導出する方法は特に問わず、公知の方法を用いることが可能である。例えば、取得機能231は、検査内容とその検査内容に要する標準的な所要時間とを関連付けた設定情報等を用いて、取得された検査内容に対応する所要時間を特定してもよい。
【0042】
なお、導出機能232は、取得機能231が検査内容を取得する毎に検査の終了時刻や残り時間を導出してもよいし、検査内容が変化した際に検査の終了時刻や残り時間を導出する形態としてもよい。後者の場合、導出機能232は、上述したように、医用画像診断装置10で実施中の検査状況に即した終了時刻や残り時間を導出することができるため、終了時期の精度向上を図ることができる。
【0043】
送信機能233は、取得機能231で取得された検査情報に基づいて、情報端末30に送信する情報の通知内容を決定する。また、送信機能233は、導出機能232の導出結果に基づいて、送信先となる情報端末30を決定する。そして、送信機能233は、決定した通知内容を含む通知情報を、送信先に決定した情報端末30に送信する。
【0044】
まず、送信機能233が行う通知内容の決定方法について説明する。
【0045】
送信機能233は、通知内容の決定に際し、取得機能231で取得される検査情報等から、検査が何時終わるのか(When)、検査がどこで行われているのか(Where)、検査が誰に対して行われているのか(Who)等を示す情報を抽出する。
【0046】
具体的には、送信機能233は、検査情報に含まれた検査時間情報から検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を示す情報を抽出し、抽出した情報を通知内容に決定する。また、導出機能232により検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間が導出される場合には、送信機能233は、導出機能232で導出された結果を通知内容に決定する。なお、送信機能233は、検査の終了時刻や残り時間等の定量的な情報の代わりに、「検査がもうすぐ終わります」等の定性的な情報を通知内容として決定してもよい。
【0047】
また、送信機能233は、検査情報に検査位置情報が含まれる場合、当該検査位置情報から検査が行われている位置を示す情報を抽出し、抽出した情報を通知内容に決定する。
【0048】
また、送信機能233は、検査情報に含まれる患者情報から検査対象の患者を特定可能な情報を抽出し、抽出した情報を通知内容に決定する。例えば、送信機能233は、患者情報から氏名を抽出し、当該氏名を通知内容に決定する。
【0049】
さらに、送信機能233は、患者情報に注意事項を示す情報が含まれる場合、当該注意事項の内容に応じて通知内容を決定する。例えば、注意事項に患者が歩行困難であることが示されている場合、送信機能233は、当該注意事項の内容に応じて、車椅子や歩行補助具の用意を促すメッセージを通知内容に決定する。また、例えば、注意事項に患者が意識を失っている又は四肢が不自由であることが示されている場合、送信機能233は、当該注意事項の内容に応じて、ストレッチャーの用意を促すメッセージを通知内容に決定する。
【0050】
ここで、注意事項に応じたメッセージは予め用意されているものとする。例えば、送信機能233は、注意事項の各種内容と当該内容に対応するメッセージとを関連付けた設定情報を用いて、患者情報に含まれた注意事項に対応するメッセージを選定する。
【0051】
さらに、送信機能233は、患者情報に備考を示す情報が含まれている場合、送信機能233は、備考として設定された申し送り事項等の連絡内容を通知内容に決定する。
【0052】
なお、上述した通知内容のうち、何れの通知内容を採用するかは設定により変更可能としてもよい。例えば、検査が何時終わるのか(When)を示す情報のみを通知内容としてもよい。
【0053】
次に、送信機能233が行う送信先の決定方法について説明する。
【0054】
まず、送信機能233は、送信先となる情報端末30の端末IDが予め定められているような場合、その端末IDに対応する情報端末30を送信先に決定する。例えば、取得機能231が取得した検査情報に、送信先となる情報端末30の端末IDが含まれている場合には、送信機能233は、その端末IDに対応する情報端末30を送信先に決定する。また、例えば、患者名や医用画像診断装置10、検査室等の単位で、送信先となる情報端末30の端末IDが定められている場合には、送信機能233は、患者情報の患者名や検査位置情報が示す検査位置に基づいて、該当する情報端末30を送信先に決定する。
【0055】
また、送信機能233は、導出機能232で呼び出し人数が導出された場合、その呼び出し人数に応じた台数の情報端末30を送信先に決定する。例えば、導出機能232で呼び出し人数「3人」が導出された場合、送信機能233は、ネットワークN1に接続された情報端末30の中から3台分の情報端末30を選択し、選択した情報端末30を送信先に決定する。
【0056】
ここで、情報端末30の選択方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、送信機能233は、ネットワークN1に接続された情報端末30の中から、呼び出し人数分の情報端末30をランダムに選定してもよい。
【0057】
また、例えば、送信機能233は、情報端末30を使用する医療従事者の属性等に基づいて読み出し人数分の情報端末30を選択してもよい。この場合、送信機能233は、例えば各医療従事者の属性や勤務スケジュール、医療従事者が使用する情報端末30の端末ID等を記憶した従事者管理情報(
図4参照)を用いて、情報端末30を選択してもよい。
【0058】
図4は、情報端末30の選択に係る従事者管理情報D2のデータ構成の一例を示す図である。ここで、従事者IDは、医療従事者の氏名や、医療従事者の各々に予め割り当てた固有の識別情報である。属性には、例えば、性別、年齢、体重、身長、経験年数等を示す情報が格納される。勤務スケジュールには、医療従事者の勤怠予定や勤務状況、シフト勤務(例えば4直3交代制)の予定等、勤務時間帯を特定することが可能な情報が格納される。また、端末IDには、従事者IDの医療従事者が使用する情報端末30の端末IDが格納される。なお、従事者IDと端末IDとの対応関係は固定であってもよいし、都度更新されてもよい。
【0059】
例えば、検査情報に含まれる患者情報の性別が「女」である場合、送信機能233は、性別が「女」の医療従事者の中から、読み出し人数分の情報端末30を選択してもよい。また、送信機能233は、検査情報に含まれる患者情報の体重や身長に応じて、医療従事者の体重や身長等の条件を絞り込むことで、患者の体格に応じた属性の医療従事者の中から、読み出し人数分の情報端末30を選択してもよい。
【0060】
なお、送信機能233は、医療従事者の属性に応じて、選定する情報端末30の台数を増減させてもよい。例えば、送信機能233は、性別が「男」の医療従事者が使用する情報端末30を選択する場合には、1台当たり1.5人として見積もることで、3人分の呼び出し人数に対し2台の情報端末30を選択する形態としてもよい。また、例えば、送信機能233は、経験年数が所定年数以上の医療従事者が使用する情報端末30を選択する場合に、1台当たり1.5人として見積もることで、3人分の呼び出し人数に対し2台の情報端末30を選択する形態としてもよい。
【0061】
さらに、送信機能233は、例えば各医療従事者の勤務スケジュールに基づいて、送信先の情報端末30を選択してもよい。この場合、送信機能233は、現在勤務中の医療従事者が使用する情報端末30の中から送信先の情報端末30を選択してもよい。また、送信機能233は、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間の間に勤務中の医療従事者が使用する情報端末30の中から送信先の情報端末30を選択してもよい。
【0062】
なお、本実施形態では、医療従事者の属性や勤務スケジュールを従事者管理情報D2で管理する形態としたが、これに限らず、他のシステム(例えば、病院情報システム)が管理する形態としてもよい。この場合、取得機能231は、他のシステムが管理する医療従事者の属性や勤務スケジュールを参照することで、上記と同様の選択処理を行うことができる。
【0063】
送信機能233は、通知内容及び送信先を決定すると、その通知内容を含む通知情報を所定の送信タイミングで送信先の情報端末30に送信する。送信タイミングは、検査の終了前であれば特に問わず、例えば検査が終了する時刻の10分前又は5分前としてもよい。また、送信タイミングは、1回に限らず複数回であってもよい。例えば、検査が終了する時刻の10分前と5分前との2回に亘って送信を行ってもよい。
【0064】
また、送信タイミングは、固定値であってもよいし、任意に設定可能な構成としてもよい。後者の場合、例えば、送信タイミングは検査毎に指定されてもよい。この場合、送信タイミングは、患者情報や検査時間情報等を介して、医用画像診断装置10のオペレータ等から指定されてもよい。
【0065】
次に、情報端末30の構成について説明する。
図5は、情報端末30の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、情報端末30は、通信インタフェース310と、入力インタフェース320と、ディスプレイ330と、記憶回路340と、処理回路350とを有する。
【0066】
通信インタフェース310は、処理回路350に接続されており、情報端末30と外部装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インタフェース310は、ネットワークN1に接続された外部装置との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インタフェース310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
【0067】
入力インタフェース320は、ユーザから各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。例えば、入力インタフェース320は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行なうタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。入力インタフェース320は、処理回路350に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し処理回路350へと出力する。なお、入力インタフェース320は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、情報端末30とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路350へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース320の例に含まれる。
【0068】
ディスプレイ330は、処理回路350に接続されており、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ330は、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUIを表示する。また、ディスプレイ330は、中継機器20から送信される各種情報を表示する。例えば、ディスプレイ330は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイである。なお、入力インタフェース320とディスプレイ330とは統合してもよい。例えば、入力インタフェース320及びディスプレイ330は、単一のタッチパネルによって実現されてもよい。
【0069】
記憶回路340は、処理回路350に接続されており、各種のデータやプログラムを記憶する。例えば、記憶回路340は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
【0070】
処理回路350は、情報端末30の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路350は、プロセッサによって実現される。
【0071】
また、
図5に示すように、処理回路350は、受信機能351、送信機能352、及び表示制御機能353を実行する。
【0072】
具体的には、処理回路350は、受信機能351、送信機能352、及び表示制御機能353の各々に対応するプログラムを処理回路350から読み出して実行することにより、受信機能351、送信機能352、及び表示制御機能353を実現させる。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路350は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0073】
なお、
図5では単一の処理回路350にて、受信機能351、送信機能352、及び表示制御機能353を実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路350を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路350が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0074】
受信機能351は、通信インタフェース310と協働することで、外部装置(例えば中継機器20)から自装置宛に送信される各種情報を受信する。例えば、受信機能351は、情報端末30から送信される通知情報等の各種情報を受信する。なお、情報端末30が
スピーカ等の音声出力回路やバイブレータ等の振動発生回路を備える場合には、受信機能351は、これらの回路を鳴動又は駆動することで、通知情報等の受信を報知する形態としてもよい。
【0075】
送信機能352は、通信インタフェース310と協働することで、外部装置(例えば中継機器20)に対し各種情報を送信する。
【0076】
表示制御機能353は、ディスプレイ330に表示する画面を制御する。例えば、表示制御機能353は、
図6に示すように、受信機能351が受信した通知情報に基づく画面をディスプレイ330に表示させる。
【0077】
ここで、
図6は、情報端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図6に示すように、画面G1には、通知情報に含まれた通知内容、つまり中継機器20の送信機能233で決定された通知内容が表示される。
【0078】
例えば、画面G1では、検査が何時終わるのか(When)、検査が誰に対して行われているのか(Who)を示す通知内容が、メッセージM11として表示されている。また、検査がどこで行われているのか(Where)を示す通知内容が、メッセージM12として表示されている。
【0079】
これにより、情報端末30を使用する医療従事者は、画面G1に表示されたメッセージM11やM12を見ることで、検査の終了時刻や検査終了までの残り時間、検査対象の患者、検査が行われている場所等を容易に確認することができる。また、情報端末30を使用する医療従事者は、通知された検査の終了時刻や検査終了までの残り時間に基づき、指定された場所に移動することで、検査終了後の処置に速やかに移行することができる。
【0080】
なお、通知情報に基づき表示される画面は、
図5の画面例に限らないものとする。例えば、注意事項又備考に対応するメッセージが通知情報に含まれる場合には、そのメッセージの内容が画面G1に表示される。
【0081】
以下、
図7を参照して、上述した中継機器20の動作例について説明する。ここで、
図7は、中継機器20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、取得機能231は、ネットワークN1に接続された医用画像診断装置10及び他システム等から、検査情報(患者情報、検査時間情報等)を取得する(ステップS11)。次いで、導出機能232は、ステップS11で取得された患者情報に基づいて、呼び出し人数を導出する(ステップS12)。ここで、導出機能232は、検査情報に含まれる検査時間情報に基づき、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を導出してもよい。
【0083】
続いて、送信機能233は、ステップS11で取得された患者情報及び検査時間情報に基づいて、通知内容を決定する(ステップS13)。また、送信機能233は、ステップS12で導出された呼び出し人数に基づいて、送信先の情報端末30を決定する(ステップS14)。なお、ステップS13及びS14の処理順序は入れ替わってもよい。
【0084】
そして、送信機能233は、所定のタイミングで、ステップS13で決定した通知内容を含む通知情報を、ステップS14で決定した送信先の情報端末30に送信する(ステップS15)。
【0085】
一方、通知情報を受信する情報端末30では、通知情報に基づき、医用画像診断装置10で実施中の検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間が、検査対象の患者を示す患者名等とともにディスプレイ330に表示される。
【0086】
このように、通知システム1では、医用画像診断装置10で検査される患者の患者情報と、当該患者の検査時間情報とを検査情報として取得し、取得した患者情報に基づいて、検査が終了する際に必要な呼び出し人数を導出する。そして、通知システム1では、呼び出し人数に対応する台数の情報端末30に対し、検査時間情報から導出された検査の終了時刻又は検査終了までの時間を含む通知情報を送信する。
【0087】
このように、通知システム1では、患者の検査に関わる医療従事者に対し、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を、検査の終了に先駆けて通知する。これにより、招集対象となった医療従事者は、検査が終了する前に検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を把握することができるため、他の業務を実施しているような場合であっても、指示された時間までに効率的に駆けつけることができる。したがって、通知システム1では、検査終了時における医療従事者の招集を効率的に行うことができる。また、通知システム1では、呼び出し人数に対応する台数の情報端末30に対し検査の終了時刻又は検査終了までの時間を通知することができるため、検査対象の患者の体格や身体状態に応じた人数分の医療従事者を効率的に招集することができる。
【0088】
また、通知システム1では、医用画像診断装置10において、操作者により検査終了のトリガとなる情報が入力されなくとも、患者及び当該患者の検査に関係する医療従事者や関係者に対し招集を促す通知を行うことができる。これにより、検査終了時における操作者のトリガ操作を不要とすることができるため、検査終了時における医療従事者の招集を効率的に行うことができる。
【0089】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0090】
(変形例1)
上述の実施形態では、中継機器20が、情報端末30に対し通知情報を送信する形態を説明した。本変形例では、情報端末30に送信した通知情報の受信状態を中継機器20で確認することが可能な形態について説明する。
【0091】
図8は、本変形例に係る中継機器20の構成の一例を示す図である。
図8に示すように。中継機器20は、通信インタフェース210と、記憶回路220と、処理回路230とを有する。また、処理回路230は、
図8に示すように、取得機能231、導出機能232、送信機能233、及び受信確認機能234を実行する。ここで、受信確認機能234は、受信確認部の一例である。
【0092】
まず、本変形例の送信機能233は、上述した通知内容とともに、受信確認用の操作子を表示させることが可能な情報を含んだ通知情報を送信する。このような通知情報を受信した情報端末30では、例えば
図9に示す画面G2がディスプレイ330に表示される。
【0093】
図9は、本変形例の情報端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図9に示すように、画面G2には、上述したメッセージM11、M12とともに、受信確認用の操作子であるボタンB21が表示される。ボタンB21には、例えば中継機器20のアドレス等がリンクされる。
【0094】
情報端末30の送信機能352は、入力インタフェース320を介してボタンB21の操作を受け付けると、自己の情報端末30の端末IDを含んだ、受信確認のための確認情報を中継機器20に送信する。
【0095】
一方、中継機器20の受信確認機能234は、情報端末30から送信される確認情報を受信する。受信確認機能234は、確認情報に含まれた端末IDに基づいて、送信機能233が送信した通知情報の情報端末30での受信状態を確認する。
【0096】
例えば、受信確認機能234は、情報端末30から確認情報を受信すると、確認情報に含まれる端末IDを記憶回路220等に保存する。また、受信確認機能234は、保存した端末IDと、送信機能233が送信先に決定した情報端末30の端末IDとを比較することで、受信の確認が未実施の情報端末30、つまり確認情報が未受信の情報端末30を特定する。そして、受信確認機能234は、送信機能233と協働することで、確認情報が未受信の情報端末30に対し、所定の送信タイミングで通知情報を再送信させる。
【0097】
ここで、送信タイミングは、検査の終了までの期間であれば任意に設定することが可能である。例えば、送信タイミングは、通知情報を最初に送信した時刻から5分後又は10分後等であってもよい。また、送信タイミングは、1回に限らず、複数回であってもよい。例えば、通知情報を最初に送信した時刻から5分後と10分後との2回に亘って送信を行ってもよい。
【0098】
なお、受信確認機能234は、取得機能231及び導出機能232と協働することで、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を取得・導出させ、新たに得られた終了時刻又は残り時間を通知情報に含めて再送信させるものとする。
【0099】
これにより、本変形例の通知システム1では、通知情報が送信されたにも関わらず、受信確認を行わない医療従事者に対し、通知情報の確認を催促することができる。したがって、情報端末30を使用する医療従事者に対し、通知情報の確認をより確実に行わせることができる。
【0100】
次に、
図10を参照して、上述した受信確認機能234の動作例について説明する。
【0101】
ここで、
図10は、本変形例の中継機器20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、
図7で説明した処理の後又は
図7で説明した処理のバックグラウンドで実行されるものである。また、本処理の前提として、中継機器20から送信される通知情報には、ボタンB21の操作子を表示させるための情報が含まれるものとする。
【0102】
まず、受信確認機能234は、上述した
図7のステップS15で通知情報の送信先となった情報端末30の各々から、確認情報を受信したか否かを判定する(ステップS21)。確認情報を受信しない場合には(ステップS21;No)、ステップS23に移行する。
【0103】
受信確認機能234は、確認情報を受信すると(ステップS21;Yes)、その確認情報に含まれた端末IDを保存する。次いで、受信確認機能234は、保存した全ての端末IDと、通知情報の送信先となった情報端末30の端末IDとを比較することで、全ての情報端末30から確認情報を受信したか否かを判定する(ステップS22)。ここで、情報端末30の全てから確認情報を受信していないと判定した場合(ステップS22;No)、ステップS23に移行する。
【0104】
ステップS23において、受信確認機能234は、送信タイミングの計時に係るタイマーが計時中か否かを判定する(ステップS23)。計時中と判定した場合には(ステップS23;No)、ステップS25に移行する。また、計時中でないと判定した場合には(ステップS23;Yes)、受信確認機能234は、計時を開始し(ステップS24)、ステップS25に移行する。
【0105】
続くステップS25では、受信確認機能234は、送信タイミングに達した否かを判定する(ステップS25)。送信タイミングに達していない場合には(ステップS25;No)、受信確認機能234は、ステップS21に処理を戻す。また、送信タイミングに達した場合(ステップS25;Yes)、受信確認機能234は、送信機能233と協働することで、確認情報が未受信の情報端末30に通知情報を再送信させ(ステップS26)、ステップS21に処理を戻す。
【0106】
また、ステップS22において、情報端末30の全てから確認情報を受信したと判定した場合には(ステップS22;Yes)、本処理を終了する。
【0107】
このように、本変形例の通知システム1では、通知情報の送信先となった全ての情報端末30で受信の確認操作が行われるまで通知情報の再送信を行う。これにより、通知システム1は、招集の対象となった医療従事者の確認漏れを防ぐことができるため、検査終了時における医療従事者の招集を効率的且つ確実に行うことができる。
【0108】
なお、受信確認機能234は、所定の条件を満たしたような場合、確認情報が未受信の情報端末30に対し通知情報の取り消しを行う形態としてもよい。ここで、所定の条件は、例えば、確認情報を送信した情報端末30の台数が、送信機能233で送信先に決定された情報端末30の台数未満の、所定の規定台数に達したことを条件としてもよい。
【0109】
例えば、送信機能233で決定された情報端末30の台数がn台(nは、2以上の整数)であるとすると、規定台数をm台(mは、n-1等のn未満の整数)として規定しておく。ここで、mの値は、例えば患者の処置に必要な医療従事者の最小人数等に対応する。例えば、導出機能232による呼び出し人数の導出や、送信機能233による情報端末30の決定の際に、余剰分を含めて人数や情報端末30の台数を見積もることで、nとmとの関係を予め定義することができる。
【0110】
この場合、受信確認機能234は、m台の情報端末30から確認情報を受信すると、送信機能233と協働することで、確認情報が未受信のn-m台の情報端末30に対し、確認情報の取り消しを指示する情報を送信させる。なお、取り消し情報を受信した情報端末30では、該当する確認情報が削除や非表示とされることで、確認情報の取り消しが行われるものとする。
【0111】
以下、
図11を参照して、上述した受信確認機能234の動作例について説明する。ここで、
図11は、本変形例の中継機器20が実行する処理の他の例を示すフローチャートである。なお本処理は、
図7で説明した処理の後に実行されるものである。また、本処理の前提として、送信される通知情報には、ボタンB21の操作子を表示させるための情報が含まれるものとする。また、中継機器20からn台の情報端末30に対し通知情報が送信されているとする(ステップS31)。
【0112】
まず、受信確認機能234は、上述した
図7のステップS15で通知情報の送信先となった情報端末30の各々から、確認情報を受信したか否かを判定する(ステップS32)。確認情報を受信しない場合には(ステップS32;No)、ステップS34に移行する。
【0113】
受信確認機能234は、確認情報を受信すると(ステップS32;Yes)、その確認情報に含まれた端末IDを保存する。次いで、受信確認機能234は、保存した全ての端末IDと、通知情報を送信した情報端末30の端末IDとを比較することで、規定台数となるm台の情報端末30から確認情報を受信したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、確認情報を受信した情報端末30の台数がm台に達していない場合には(ステップS33;No)、ステップS34に移行する。なお、ステップS34~S37の処理は、上述したステップS23~S26と同様であるため説明を省略する。
【0114】
ステップS33において、m台の情報端末30から確認情報を受信したと判定した場合(ステップS33;Yes)、受信確認機能234は、送信機能233等と協働することで、確認情報が未受信の情報端末30に対し、通知情報の取り消しを指示する取り消し情報を送信させ(ステップS38)、本処理を終了する。
【0115】
このような形態とすることで、通知システム1では、受信確認を行った医療従事者から患者の処置に必要な人数を優先的に募ることができるため、医療従事者の招集を効率的に行うことができる。
【0116】
(変形例2)
上述の実施形態では、中継機器20は情報端末30に通知情報を送信する形態を説明した。しかしながら、医療従事者の状況によっては、通知情報で指示された時刻に対応することができない場合がある。そこで、本変形例では、医療従事者が対応することができない場合に、代理の医療従事者の選定を中継機器20に依頼することが可能な形態について説明する。
【0117】
図12は、本変形例に係る中継機器20の構成の一例を示す図である。
図12に示すように。中継機器20は、通信インタフェース210と、記憶回路220と、処理回路230とを有する。また、処理回路230は、
図12に示すように、取得機能231、導出機能232、送信機能233、及び受付機能235を実行する。ここで、受付機能235は、受付部の一例である。
【0118】
まず、本変形例の送信機能233は、情報端末30に対し、上述した通知内容とともに、依頼用の操作子を表示させることが可能な情報を含んだ通知情報を送信する。このような通知情報を受信した情報端末30では、例えば
図13に示す画面G3がディスプレイ330に表示される。
【0119】
図13は、本変形例の情報端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図13に示すように、画面G3には、上述したメッセージM11、M12とともに、代理の医療従事者の選定を依頼するための操作子であるボタンB31が表示される。ボタンB31には、例えば中継機器20のアドレス等がリンクされる。
【0120】
情報端末30の送信機能352は、入力インタフェース320を介してボタンB31の操作を受け付けると、自己の情報端末30の端末IDを含んだ、代理の医療従事者の選定を依頼するための代理依頼情報を中継機器20に送信する。なお、代理依頼情報は代理要求の一例である。
【0121】
一方、中継機器20の受付機能235は、情報端末30から送信される代理依頼情報を受信する。受付機能235は、代理依頼情報の受信に応じて、代わりとなる情報端末30の選定を送信機能233に実行させる。
【0122】
具体的には、受付機能235は、送信機能233と協働することで、代理依頼情報に含まれた端末IDを通知情報の送信先から除外させる。また、受付機能235は、送信機能233と協働することで、通知情報を送信した情報端末30以外の他の情報端末30の中から、除外した台数分の情報端末30を送信先として決定させる。そして、受付機能235は、送信機能233と協働することで、新たに決定した情報端末30に対し通知情報を送信させる。
【0123】
なお、受付機能235は、取得機能231及び導出機能232と協働することで、検査の終了時刻又は検査終了までの残り時間を取得・導出させ、新たに得られた終了時刻又は残り時間を通知情報に含めて送信させるものとする。
【0124】
これにより、本変形例の通知システム1では、医療従事者が中継機器20からの要請に対応することができない場合に、代わりの医療従事者を選定し、当該医療従事者が使用する情報端末30に対し通知情報を送信することができる。したがって、本変形例の通知システム1は、医療従事者からの要求に応じて通知情報の送信先、つまり招集対象の医療従事者を切り替えることができるため、医療従事者の状況に柔軟に対応することができる。
【0125】
次に、
図14を参照して、上述した受付機能235の動作例について説明する。ここで、
図14は、本変形例の中継機器20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、
図7で説明した処理の後又は
図7で説明した処理のバックグラウンドで実行されるものである。また、本処理の前提として、中継機器20から送信される通知情報には、ボタンB31の操作子を表示させるための情報が含まれるものとする。
【0126】
まず、受付機能235は、上述したステップS15で通知情報の送信先となった情報端末30から、代理依頼情報を受信したか否かを判定する(ステップS41)。代理依頼情報を受信しない場合には(ステップS41;No)、ステップS43に移行する。
【0127】
受付機能235は、代理依頼情報を受信すると(ステップS41;Yes)、送信機能233と協働し、受信した代理依頼情報に含まれる端末IDの情報端末30を、通知情報の送信先から除外する(ステップS42)。次いで、受付機能235は、送信機能233と協働し、
図7のステップS15で送信した情報端末30以外の他の情報端末30の中から代理となる情報端末30の送信先を決定させる(ステップS43)。
【0128】
続いて、受信確認機能234は、送信機能233と協働することで、ステップS43で決定した情報端末30に通知情報を送信させ(ステップS44)、ステップS41に処理を戻す。
【0129】
このように、本変形例の通知システム1では、医療従事者からの要求に応じて送信先となる情報端末30を変更することができるため、医療従事者の招集に係る処理を柔軟に行うことができる。また、本変形例の通知システム1では、招集対象とした医療従事者が、他の作業で手が離せないような場合に、代わりの医療従事者へ代理を依頼することができるため、呼び出し人数に対応した人数分の医療従事者を検査の終了時に招集させることができる。
【0130】
(変形例3)
上述の実施形態では、中継機器20は、通知情報に含めて患者情報の一部を情報端末30に送信する形態を説明した。しかしながら、医療従事者によっては、より詳細な患者情報を確認したいという要求が挙げられる可能性がある。そこで、本変形例では、患者情報を情報端末30に提供することが可能な形態について説明する。
【0131】
まず、本変形例の送信機能233は、情報端末30に対し、上述した通知内容とともに、患者情報要求用の操作子を表示させることが可能な情報を含んだ通知情報を送信する。このような通知情報を受信した情報端末30では、例えば
図15に示す画面G4がディスプレイ330に表示される。
【0132】
図15は、本変形例の情報端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図15に示すように、画面G4には、上述したメッセージM11、M12とともに、患者情報の表示を要求するための操作子であるボタンB41が表示される。ボタンB41には、例えば中継機器20のアドレス等がリンクされる。
【0133】
情報端末30の送信機能352は、入力インタフェース320を介してボタンB41の操作を受け付けると、自己の情報端末30の端末IDを含んだ、患者情報の表示を要求するための表示要求情報を中継機器20に送信する。
【0134】
一方、中継機器20の送信機能233は、情報端末30から送信される表示要求情報を受信すると、取得機能231で取得された患者情報を読み出し、要求元の情報端末30に送信する。これにより、要求元の情報端末30では、表示制御機能353の制御により、中継機器20から送信された患者情報がディスプレイ330に表示される。なお、送信機能233は、所定の操作子(例えば、後述する戻るボタンB51)を表示させるための情報を含めて患者情報を送信する形態としてもよい。
【0135】
図16は、本変形例の情報端末30に表示される画面の他の例を示す図である。
図16に示すように、画面G5には、情報端末30から送信された患者情報を表すメッセージM51が表示される。なお、メッセージM51の「備考」欄は、患者情報に含まれた備考に対応するものであり、備考として設定された内容が表示される。
【0136】
また、画面G5には、従前の画面に戻ることを指示するための戻るボタンB51が表示される。情報端末30の表示制御機能353は、戻るボタンB51の操作を受け付けると、
図15に示した画面G5に戻す。これにより、情報端末30を操作する医療従事者は、画面G5と画面G6とを自由に遷移させることできる。なお、本変形例では、患者情報を通知情報とは異なる画面で表示させる形態を説明したが、通知情報と患者情報とを同一の画面に表示させる形態としてもよい。
【0137】
このように、本変形例の通知システム1では、医療従事者からの要求に応じて患者情報を提供することができるため、患者の処置に係る医療従事者の利便性を向上させることができる。
【0138】
(変形例4)
上述の実施形態では、中継機器20が取得機能231、導出機能232及び送信機能233の各機能を備える形態としたが、これに限定されるものではない。例えば、取得機能231、導出機能232及び送信機能233の一部を、医用画像診断装置10又は情報端末30が備える形態としてもよい。
【0139】
また、通知システム1から中継機器20を取り除き、医用画像診断装置10又は情報端末30が、取得機能231、導出機能232及び送信機能233の一部又は全ての機能を備える形態としてもよい。
【0140】
なお、上述した実施形態では、中継機器20及び情報端末30が備える機能構成を、処理回路230及び処理回路350の各々によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における機能構成は、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0141】
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0142】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0143】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、検査終了時における医療従事者の招集を効率的に行うことができる。
【0144】
いくつかの実施形態(変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0145】
1 通知システム
10 医用画像診断装置
20 中継機器
30 情報端末
231 取得機能
232 導出機能
233 送信機能
234 受信確認機能
235 受付機能
351 受信機能
352 送信機能
353 表示制御機能