(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】複合電極
(51)【国際特許分類】
H01G 11/36 20130101AFI20240912BHJP
H01G 11/28 20130101ALI20240912BHJP
H01G 11/42 20130101ALI20240912BHJP
H01G 11/70 20130101ALI20240912BHJP
H01G 11/86 20130101ALI20240912BHJP
【FI】
H01G11/36
H01G11/28
H01G11/42
H01G11/70
H01G11/86
(21)【出願番号】P 2019529612
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 US2017064152
(87)【国際公開番号】W WO2018102652
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-09
(32)【優先日】2016-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513295777
【氏名又は名称】ファーストキャップ・システムズ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】FastCAP SYSTEMS Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ニコロ・ミケーレ・ブランビッラ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ・マルティーニ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・リッチ
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】松永 稔
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0013344(US,A1)
【文献】国際公開第2016/057983(WO,A1)
【文献】特開2014-229886(JP,A)
【文献】特開2007-81384(JP,A)
【文献】特開2003-234254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G11/28, H01G11/36, H01G11/42, H01G11/70, H01G11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を画定するカーボンナノチューブのネットワークと、
前記空間に配置され、前記カーボンナノチューブのネットワークによって固定された炭素質材料と、を備える活性層を備え、
前記活性層は、エネルギ貯蔵を提供するように構成され、
前記活性層は、前記カーボンナノチューブと前記炭素質材料の間を静電力で結合され、
前記カーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブが並んだブラシ状のバンドルとして存在し、
前記カーボンナノチューブのネットワークは、前記活性層の重さに基づいて0.5重量%から4重量%の範囲の量で前記活性層中に存在する装置。
【請求項2】
前記活性層は、実質的に結合材がない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記活性層は、本質的に炭素質材料からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記炭素質材料は、活性炭を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記炭素質材料は、前記カーボンナノチューブの以外のナノ形態の炭素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブのネットワークは、前記活性層の重さの1重量%未満を構成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
さらに、前記活性層と導電層の間に配置された本質的にカーボンナノチューブからなる接着層を備える請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記接着層に面する前記導電層の表面は、粗いまたは滑らかでない部分を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記接着層に面する前記導電層の表面は、ナノ構造部分を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ナノ構造部分は、炭化物ナノウィスカを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記活性層は、不純物の存在を減らすためにアニールされている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記活性層は、前記カーボンナノチューブのネットワーク及び炭素質材料の少なくとも一部を変形するために圧縮されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
電極を備える装置であって、
前記電極は、
空間を画定するカーボンナノチューブのネットワークと、
前記空間に配置され、前記カーボンナノチューブのネットワークによって固定された炭素質材料と、を備える活性層を備え、
前記活性層は、エネルギ貯蔵を提供するように構成され、
前記活性層は、前記カーボンナノチューブと前記炭素質材料の間を静電力で結合され、
前記カーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブが並んだブラシ状のバンドルとして存在し、
前記カーボンナノチューブのネットワークは、前記活性層の重さに基づいて0.5重量%から4重量%の範囲の量で前記活性層中に存在する、
装置。
【請求項14】
前記電極は、第2の活性層を備える両面電極である、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ウルトラキャパシタを備える装置であって、
前記ウルトラキャパシタは電極を備え、
前記電極は、
空間を画定するカーボンナノチューブのネットワークと、
前記空間に配置され、前記カーボンナノチューブのネットワークによって固定された炭素質材料と、を備える活性層を備え、
前記活性層は、エネルギ貯蔵を提供するように構成され、
前記活性層は、前記カーボンナノチューブと前記炭素質材料の間を静電力で結合され、
前記カーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブが並んだブラシ状のバンドルとして存在し、
前記カーボンナノチューブのネットワークは、前記活性層の重さに基づいて0.5重量%から4重量%の範囲の量で前記活性層中に存在する、
装置。
【請求項16】
前記ウルトラキャパシタは、3.0Vより大きい動作電圧を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ウルトラキャパシタは、3.2Vより大きい動作電圧を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ウルトラキャパシタは、3.5Vより大きい動作電圧を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記ウルトラキャパシタは、4.0Vより大きい動作電圧を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも1.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも2.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも3.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも4.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも1.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも2.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも3.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項27】
前記ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも4.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項28】
溶媒にカーボンナノチューブを分散し、分散液を形成するステップと、
炭素質材料と前記分散液を混合し、スラリを形成するステップと、
層に前記スラリを塗布するステップと、
前記スラリを乾燥して実質的に前記溶媒を除去し、空間を画定する前記カーボンナノチューブのネットワークと、前記空間に配置され、前記カーボンナノチューブのネットワークによって結合された炭素質材料と、を備える活性層を形成するステップと、を備え、
前記溶媒に前記カーボンナノチューブを分散し、前記分散液を形成するステップにおいて、前記カーボンナノチューブが並んだブラシ状のバンドルが前記溶媒に分散され、
前記カーボンナノチューブのネットワークは、前記活性層の重さに基づいて0.5重量%から4重量%の範囲の量で前記活性層中に存在する方法。
【請求項29】
さらカーボンナノチューブの層を形成または塗布し、導電層上に接着層を提供するステップを備える、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記塗布するステップは、前記接着層上に前記スラリを塗布するステップを備える、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年12月2日に出願された、「複合電極」と題する米国仮特許出願62/429,727の利益を主張し、そのすべての本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(以後、CNTともいう)は、様々な特性を示す炭素構造である。特性の多くは、様々な技術領域で改善の機会を示唆する。これらの技術領域は、電子装置材料、光学材料及び導電及び他の材料を含む。例えば、CNTは、キャパシタのエネルギ貯蔵に役立つことを示している。
【0003】
しかしながら、CNTは、通常生産することが高価で、電極製造において特別な課題が存在する。したがって、CNTの有利な特性を示す一方で、材料に含まれるCNTの量を軽減する電極材料の必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
出願人は、有利な特性を示す複合電極構造を開発した。いくつかの実施形態において、電極は、CNTの有利な特性を示す一方で、例えば重量で10%未満など、材料に含まれるCNTの量を軽減する。
【0005】
本明細書に記載されたタイプの電極は、高性能(例えば高動作電圧、高動作温度、高エネルギ密度、高電力密度、低等価直列抵抗など)を提供するためのウルトラキャパシタで用いられることができる。
【0006】
1つの態様において、空間を画定するカーボンナノチューブのネットワークと、空間に配置され、カーボンナノチューブのネットワークによって結合された炭素質材料とを含む活性貯蔵層を含み、活性層は、エネルギ貯蔵を提供するように構成される装置が開示さる。
【0007】
いくつかの実施形態において、活性層は、実質的に結合材がない。いくつかの実施形態において、活性層は、本質的にまたはそうでなく炭素質材料からなる。いくつかの実施形態において、活性層は、カーボンナノチューブと炭素質材料の間を静電力で結合される。いくつかの実施形態において、炭素質材料は、活性炭を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、炭素質材料は、カーボンナノチューブ以外のナノ形態の炭素を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブのネットワークは、活性層の重さの50%未満、活性層の重さの10%未満、活性層の重さの5%未満、活性層の重さの1%未満を構成する。
【0010】
いくつかの実施形態は、例えば、本質的にまたはそうでなくカーボンナノチューブからなる層などの、接着層を含む。いくつかの実施形態において、接着層は、活性層と導電層の間に配置される。
【0011】
いくつかの実施形態において、接着層に面する導電層の表面は、粗いまたは組織化された部分を含む。いくつかの実施形態において、接着層に面する導電層の表面は、ナノ構造部分を含む。いくつかの実施形態において、ナノ構造部分は、炭化物ナノウィスカを含む。これらのナノウィスカは、導電層102の表面から一般に延在する、薄い細長い構造(例えばナノロッド)である。ナノウィスカは、100nm、50nm、25nm、10nmまたはそれ未満、例えば1nmから100nmの範囲またはその任意の部分的な範囲の半径厚さを有する。ナノウィスカは、その半径厚さの数倍の長手方向の長さ、例えば20nm、50nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、1μm、5μm、10μmまたはそれより大きく、例えば20nmから100μmの範囲またはその任意の部分的な範囲の長手方向の長さを有する。
【0012】
いくつかの実施形態において、活性層は、不純物の存在を減らすためにアニールされている。
【0013】
いくつかの実施形態において、活性層は、カーボンナノチューブのネットワーク及び炭素質材料の少なくとも一部を変形するために圧縮されている。
【0014】
いくつかの実施形態は、活性層を含む電極を含む。いくつかの実施形態は、電極を含むウルトラキャパシタを含む。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、1.0V、2.0V、2.5V、3.0V、3.1V、3.2V、3.5V、4.0Vまたはそれより大きい動作電圧を有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも1.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも2.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも3.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも250℃の最大動作温度、少なくとも4.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも1.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも2.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも3.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。いくつかの実施形態において、ウルトラキャパシタは、少なくとも300℃の最大動作温度、少なくとも4.0Vの動作電圧で、少なくとも1000時間の寿命を有する。
【0016】
別の態様において、溶媒にカーボンナノチューブを分散し、分散を形成するステップと、炭素質材料に分散を混合し、スラリを形成するステップと、層にスラリを塗布するステップと、スラリを乾燥して実質的に溶媒を除去し、空間を画定するカーボンナノチューブのネットワークと、空間に配置され、カーボンナノチューブのネットワークによって結合された炭素質材料と、を備える活性層を形成するステップと、を含む方法である。いくつかの実施形態は、カーボンナノチューブの層を形成または塗布し、導電層上に接着層を提供するステップを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、塗布するステップは、接着層上にスラリを塗布するステップを含む。
【0018】
様々な実施形態は、前記要素または特徴のいずれか、または単独または任意に適切に組み合わせられた本明細書に記載された任意の要素または特徴を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】電極の活性層を作る方法を描くフローチャートである。
【
図5】電極に接着層を作る方法を描くフローチャートである。
【
図7A】スロットダイを特徴付ける被覆装置の概略図である。
【
図7B】ドクターブレードを特徴付ける被覆装置の概略図である。
【
図8B】セパレータのないウルトラキャパシタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照しながら、電極100の典型的な実施形態は、例えばウルトラキャパシタまたはバッテリなどのエネルギ貯蔵装置の使用のために開示される。電極は、導電層102(本明細書では集電体ともいう)、接着層104、及び活性層106を含む。本明細書で記載されたタイプのウルトラキャパシタで用いられるとき、活性層106は、例えば、電気二重層(よくヘルムホルツ層と当該技術分野でいわれる)の形態で電解質(図示せず)に表面界面を提供することによって、エネルギ貯蔵媒体として機能する。いくつかの実施形態において、接着層104は、例えば活性層106が導電層102に良好な接着を示す場合に、除かれることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、活性層106は、接着層104よりも厚く、例えば接着層104の厚さの1.5、2.0、5.0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1000倍さらにそれより大きい。例えば、いくつかの実施形態において、活性層106の厚さは、接着層104の厚さの1.5から1000倍の範囲(または例えば5から100倍などの、その任意の部分的な範囲)である。例えば、いくつかの実施形態において、活性層106は、0.5から2500μmの範囲または例えば5μmから150μmなどのその任意の部分的な範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態において、接着層104は、0.5μmから50μmの範囲または例えば1μmから5μmなどのその任意の部分的な範囲を有する。
【0022】
図2を参照しながら、いくつかの実施形態において、活性層106は、CNT112のマトリクス110(例えば、CNTで形成されたウェブまたはネットワーク)によって結合された炭素質材料108(例えば、活性炭)からなる。いくつかの実施形態において、例えばCNTの長さが活性層106の厚さより長いとき、マトリクス110を形成するCNT112は、活性層106の主表面に平行に主に横たわる。示されるように、CNT112がまっすぐなセグメントを形成しているが、いくつかの実施形態において、長いCNTが用いられたとき、CNTの一部またはすべては、代わりに曲がった、へびのような形状を有する。例えば、炭素質材料108が活性炭の塊を含む場合において、CNT112は、塊の間を曲がり、巻きつくことができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、活性層は、例えばポリマ材料、接着剤などのその他の結合材料が実質的にない。言い換えると、そのような実施形態において、活性層は、実質的に炭素以外の任意の材料がない。例えば、いくつかの実施形態において、活性層は、質量で、少なくとも約90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%、99.99重量%、99.999重量%またはそれより多い元素状炭素である。これにも関わらず、マトリクス110は、例えば、剥がれ落ちる、層間はく離、粉末化などすることなく、活性層106の構造完全性を維持するために、炭素質材料108と結合して動作される。
【0024】
実質的にいかなる炭素不純物がない活性層を使用すると、高電圧差、高温またはその両方が存在するように活性層の性能を上げることがわかった。理論に拘束されたくないが、不純物がないと、他の高温または高電圧条件で促進される、望まれない化学副反応の発生を防ぐと信じられる。
【0025】
上記されるように、いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブのマトリクス110は、マトリクス110のCNT112の間の空間を満たす炭素質材料108を備える、活性層106のための構造骨格を提供する。いくつかの実施形態において、マトリクス110内のCNT112の間及びマトリクス112と他の炭素質材料108の間の静電力(例えばファンデルワールス力)は、実質的に、層の構造完全性を維持する結合力のすべてを提供する。
【0026】
いくつかの実施形態において、CNT112は、単層ナノチューブ(SWNT)、2重層ナノチューブ(DWNT)、または多層ナノチューブ(MWNT)、またはそれらの混合物を含むことができる。個々のCNT112のマトリクス110が示されるが、いくつかの実施形態において、マトリクスは、CNTの相互接続されたバンドル、クラスタ、または集合体を含む。例えば、CNTが最初に垂直に並んで形成されるいくつかの実施形態において、マトリクスは、一列に並んだCNTのブラシ状バンドルの少なくとも一部で構成される。
【0027】
本明細書で教示のためのいくつかの背景を提供するために、「並んだカーボンナノチューブ集合体を製造する装置と方法」と題する、米国特許第7,897,209を最初に参照する。前述の特許(「209特許」)は、一列に並んだカーボンナノチューブ集合体を製造するプロセスを教示する。したがって、一列に並んだカーボンナノチューブ集合体の形態で、CNTを製造する技術の1つの実施例である、209特許の教示は、本明細書で言われるCNTを収集するために用いられることができる。有利なことに、209特許の教示は、高純度を有する長いCNTを得るために用いられることができる。他の実施形態において、CNTを製造する当該技術分野で知られたその他の適切な方法は、用いられることができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、活性層106は、次に形成されることができる。第1の溶液(本明細書でスラリとも言う)は、溶媒と例えば垂直に一列に並んだカーボンナノチューブなどの、カーボンナノチューブの分散を含んで提供される。第2の溶液(本明細書でスラリとも言う)は、溶媒に分散された炭素を含む溶媒を含んで提供される。この炭素の追加物は、実質的に炭素からなる材料の少なくとも1つの形態を含む。炭素追加物の典型的な形態は、例えば、活性炭、炭素粉末、炭素繊維、レーヨン、グラフェン、エアロゲル、ナノホーン、カーボンナノチューブなどの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、炭素追加物は、実質的に炭素で形成される一方、代わりの実施形態において、炭素の追加物は、例えば設計によって含められる添加物など、少なくともいくらかの不純物を含むかもしれないと認識される。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1及び/または第2の溶液を形成するステップは、例えば超音波破砕機(ときにはソニフィアと言われる)または他の適切な混合装置(例えば高せん断ミキサ)を使って、溶媒と炭素材料を混合するのに機械エネルギを導入するステップを含む。いくつかの実施形態において、混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、少なくとも0.4kWh/kg、0.5kWh/kg、0.6kWh/kg、0.7kWh/kg、0.8kWh/kg、0.9kWh/kg、1.0kWh/kgであるかまたはそれより大きい。例えば混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、0.4kWh/kgから1.0kWh/kgの範囲または例えば0.4kWh/kgから0.6kWh/kgなどのその任意の部分的な範囲である。
【0030】
いくつかの実施形態において、用いられる溶媒は、無水溶媒を含む。例えば、溶媒は、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリルなどの少なくとも1つを含む。
【0031】
上記のように、2つの溶液は、「超音波による分解」(超音波場で実現される物理効果)を受ける。第1の溶液に関して、超音波による分解は、一般にカーボンナノチューブをほぐし、けば立たせ、さもなければ解析するのに適した期間実施される。第2の溶液に関して、超音波による分解は、一般に溶媒内の炭素追加物の良好な分散または混合を確実にするために適した期間実施される。いくつかの実施形態において、混合物に機械エネルギを分け与える他の技術は、例えば攪拌または羽根車を用いた物理的な混合など、超音波による分解に追加してまたはその代わりに用いられる。
【0032】
第1の溶液及び第2の溶液の1つまたは両方が適切に超音波による分解がされるとすぐに、それらはその後混合され、混ぜ合わされた溶液を提供し、再び超音波による分解がされる。一般に、混ぜ合わされた混合物は、炭素追加物を備えるカーボンナノチューブの良好な混合を確実にするのに適した期間超音波による分解がされる。この第2の混合(その後以下に記載されるような適切な塗布と乾燥ステップが続く)は、マトリクス110の空間を満たす炭素質材料108を提供する炭素追加物を備える、CNT112のマトリクス110を含む活性層106の形態をもたらす。
【0033】
いくつかの実施形態において、機械エネルギは、超音波破砕機(ときにはソニフィアと言う)または他の適切な混合装置(例えば高せん断ミキサ)を使って、混ぜ合わされた混合物に導入される。いくつかの実施形態において、混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、少なくとも0.4kWh/kg、0.5kWh/kg、0.6kWh/kg、0.7kWh/kg、0.8kWh/kg、0.9kWh/kg、1.0kWh/kgであるかまたはそれより大きい。例えば混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、0.4kWh/kgから1.0kWh/kgの範囲または例えば0.4kWh/kgから0.6kWh/kgなどのその任意の部分的な範囲である。
【0034】
いくつかの実施形態において、混ぜ合わされたスラリは、接着層104または導電層102上に直接ウェット成形され、実質的に溶媒及びその他の液体のすべてが取り除かれるまで乾燥され(例えば加熱または真空または両方を適用することによって)、それにより活性層106を形成する。いくつかのそのような実施形態において、例えば、ある領域をマスクするまたは溶媒を案内する排出路を提供することによって、溶媒から下層(例えば、集電体が2側面動作を対象とするとき導電層102の下側)の様々な部分を保護することが望ましい。
【0035】
他の実施形態において、混ぜ合わされたスラリは、他の場所で乾燥され、その後その他の適切な技術を用いて(例えばロールツーロール層塗布)、活性層106を形成するために、接着層104または導電層102上に移される。いくつかの実施形態において、乾いていない混ぜ合わされたスラリは、適切な表面上に置かれ、活性層106を形成するために乾燥される。適切と見なされる任意の材料が、表面で用いられるが、表面からの次の除去がその特性によって容易になされるので、典型的な材料は、PTFEを含む。いくつかの実施形態において、活性層106は、所望の厚さ、領域、密度を示す、層を提供するためにプレスで形成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、マトリクス110を形成するCNT112の平均長さは、少なくとも0.1μm、0.5μm、1μm、5μm、10μm、50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、7000μm、800μm、900μm、1000μmまたはそれより大きい。例えば、いくつかの実施形態において、マトリクス110を形成するCNT112の平均長さは、1μmから1000μmの範囲、または例えば1μmから600μmなど、その任意の部分的な範囲である。いくつかの実施形態において、CNT112の50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上は、マトリクス110を構成するCNT112の平均長さの10%内の長さである。
【0037】
様々な実施形態において、他の炭素質材料108は、活性炭、カーボンブラック、グラファイトなどを含む、様々な形態の炭素を含むことができる。炭素質材料は、例えば、ナノチューブ、ナノロッド、シート状のグラフェン、フレーク、または曲がったフレーク形態、及び/または円錐形、ロッド、球状(C60構造分子)などの形態のナノ粒子を含む炭素粒子を含むことができる。
【0038】
出願人は、本明細書のタイプの活性層が、層のCNTの質量の割合がかなり低いときでさえ、典型的な性能(例えば高導電、低抵抗、高電圧性能、及び高エネルギ及び電力密度)を提供することができるという予期せぬ結果を見つけ出した。例えば、いくつかの実施形態において、活性層は、CNT以外の形態(例えば活性炭)で少なくとも約50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%またはさらに多い元素状炭素である。特に、高性能ウルトラキャパシタを含むある用途において、95重量%から99重量%の範囲の活性炭(残りCNT112を備える)である活性層106は、優秀な性能を示すことが示された。
【0039】
いくつかの実施形態において、CNT112のマトリクス110は、活性層106を通る電流(例えばイオン伝導)のための高導電性パスの相互接続ネットワークを形成する。例えば、いくつかの実施形態において、高導電接点は、マトリクス110のCNT112がお互いに交差する点、またはそれらが、1つのCNTから次のCNTに電荷キャリア(例えばイオン)の量子トンネル現象が可能であるのに十分に近い点で起きる。活性層が比較的質量が低い割合のCNT112で、構成される(例えば、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%またはそれ未満、例えば0.5重量%から10重量%の範囲で、または例えば1重量%から5.0重量%などのその任意の部分的な範囲)一方で、マトリクス110で形成される高導電性パスの相互接続ネットワークは、活性層106内及びそれを通って電流を促進する長い導電パス(例えば活性層106の厚さのオーダの導電パス)を提供することができる。
【0040】
例えば、いくつかの実施形態において、マトリクス110は、相互接続されたCNTの1以上の構造を含み、構造は、構造を構成する構成要素CNTの平均長さの2、3、4、5、10、20、50、100、500、1000、10000またはそれより大きい倍率より長い一次元以上に沿った全長を有する。例えば、いくつかの実施形態において、マトリクス110は、相互接続されたCNTの1以上の構造を含み、構造は、構造を構成する構成要素CNTの平均長さの2から10000倍(またはその任意の部分的な範囲)の全長を有する。例えば、いくつかの実施形態において、マトリクス110は、100μm、500μm、1000μm、10000μmまたはそれより大きい、例えば100μm-10000μmの範囲、及びその任意の部分的な範囲の長さを有する高導電性パスを含むことができる。
【0041】
本明細書で用いられるように、用語「高導電性パス」は、CNT112のそのマトリクス110を囲う、他の炭素質材料108(例えば活性炭)の導電性より高い導電性を有する相互接続されたCNTによって形成されたパスとして理解されるべきである。
【0042】
理論に拘束されたくないが、いくつかの実施形態において、マトリクス110は、パーコレーションしきい値より高い接続性を示すCNTの導電相互接続ネットワークとして特徴付けることができる。パーコレーションしきい値は、ランダムな組織における長距離接続性の形態である、パーコレーション理論に関する数学的概念である。しきい値未満でシステムサイズのオーダのいわゆる「巨大な」接続構成要素は、存在しない一方で、それより大きいとシステムサイズのオーダの巨大な構成要素が存在する。
【0043】
いくつかの実施形態において、パーコレーションしきい値は、活性層106のCNT112の質量の割合を増やしながら、層の導電性を測定し、層の定数のその他のすべての特性を保持することによって決定される。いくつかのそのような場合、しきい値は、層の導電性が鋭い増加を示す質量の割合及び/または層の導電性がCNTの更なる追加で増加とともにただゆっくりと増加するより大きい質量の割合で識別される。そのようなふるまいは、活性層106の大きさのオーダの長さで導電性パスを提供する相互接続されたCNT構造の形態で要求されるしきい値と交差することを示す。
【0044】
図1に戻って、いくつかの実施形態において、活性層106及び接着層104の一方または両方は、不純物(例えば、CNTの官能基、及び例えば水分、酸化物、ハロゲン化物など)を取り除くために加熱を与えられることによって、処理される。例えば、いくつかの実施形態において、層の一方または両方は、少なくとも100℃、150℃、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃またはそれより高く、少なくとも1分、5分、10分、30分、1時間、2時間、3時間、12時間、24時間、またはそれより長く加熱されることができる。例えば、いくつかの実施形態において、層は、1000ppm、500ppm、100ppm、10ppm、1ppm、0.1ppm未満またはそれより少なく層の水分を減らすために処理される。
【0045】
図1に戻って、いくつかの実施形態において、接着層104は、カーボンナノチューブを有して形成される。例えば、いくつかの実施形態において、接着層104は、少なくとも約50重量%、75重量%、80重量%、90重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.9重量%、99.99重量%、99.999重量%のCNTである。いくつかの実施形態において、CNTは、例えば、2015年7月30日に公開された、「カーボンナノチューブのインライン製造」と題する米国特許公開公報第20150210548号に記載されたそれらの、化学気相成長法技術を用いて、導電層102上に直接成長される。いくつかの実施形態において、CNTは、例えば、2015年10月1日に公開された、「カーボンナノチューブを用いた高電力及び高エネルギ電極」と題する、米国特許公開公報第20150279578号に記載されたタイプのウェットまたはドライ転移プロセスを用いて、導電層102上に転移される。いくつかの実施形態において、接着層104は、接着層104のCNTと、炭素材料と活性層106のCNTの間の実質的に静電力(例えばファンデルワールス引力)のみを用いて、上部の活性層106に接着する。
【0046】
いくつかの実施形態において、接着層104のCNTは、単層ナノチューブ(SWNT)、2重層ナノチューブ(DWNT)、または多層ナノチューブ(MWNT)、またはそれらの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態において、CNTは垂直に一列に並ぶ。1つの特定の実施形態において、接着層104のCNTは、主にまたはすべてSWNT及び/またはDWNTである一方で、活性層106のCNTは主にまたはすべてMWNTである。例えば、いくつかの実施形態において、接着層104のCNTは、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはそれより多いSWNTまたは少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはさらにそれより多いDWNTである。いくつかの実施形態において、活性層106のCNTは、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%またはそれより多いMWNTである。
【0047】
いくつかの実施形態において、接着層104は、炭素質材料の層に圧力を与えることによって形成される。いくつかの実施形態において、この圧縮プロセスは、活性層106への接着を促進するような方法で、接着層104の構造を変える。例えば、いくつかの実施形態において、圧力は、CNTが垂直に一列に並んだアレイまたは垂直に一列に並んだCNTの集合体を備える層に与えられ、それによりCNTを変形し、または壊す。
【0048】
いくつかの実施形態において、接着層は、導電層102上に溶媒に混合されたCNT(追加の炭素を含むまたはなしで)のウェットスラリを成形することによって形成される。様々な実施形態において、ウェットスラリから活性層106の形態において、上記されたそれらへ同様の技術が用いられる。
【0049】
いくつかの実施形態において、機械エネルギは、超音波破砕機(ときにはソニフィアと言う)または他の適切な混合装置(例えば高せん断ミキサ)を使って、ウェットスラリに導入される。いくつかの実施形態において、混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、少なくとも0.4kWh/kg、0.5kWh/kg、0.6kWh/kg、0.7kWh/kg、0.8kWh/kg、0.9kWh/kg、1.0kWh/kgであるかまたはそれより大きい。例えば混合物に混合物のキログラムあたりに導入される機械エネルギは、0.4kWh/kgから1.0kWh/kgの範囲または例えば0.4kWh/kgから0.6kWh/kgなどのその任意の部分的な範囲である。
【0050】
いくつかの実施形態において、ウェットスラリの固体炭素の割合は、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%未満またはそれより少ない、例えば0.1重量%から10重量%の範囲または例えば0.1重量%から2重量%などの任意の部分的な範囲である。
【0051】
様々な実施形態において、導電層102は、例えば金属ホイル(例えばアルミニウムホイル)などの適切な導電性材料で作られる。いくつかの実施形態において、導電層102の表面は、例えば接着層104への接着を促進し、活性層106から良好な導電性を促進するために、粗くされ、パターン化され、さもなければ組織化される。例えば、いくつかの実施形態において、導電層は、例えば(機械的または化学的に)エッチングされる。いくつかの実施形態において、導電層102は、1μmから1000μmの範囲、または例えば5μmから50μmのその任意の部分的な範囲の厚さを有する。
【0052】
いくつかの実施形態において、導電層102は、ナノ構造表面を含む。例えば、2016年4月14日に公開された「エネルギ貯蔵装置におけるナノ構造電極」と題する国際特許公開第2016/057983号に記載されるように、導電層は、接着層104への接着を促進し、活性層106から良好な導電性を促進する、例えばウィスカ(例えば炭化物ウィスカ)などのナノスケールの特徴を含む上面を有する。典型的な集電体は、商標名TOYAL-CARBOとされる東洋アルミニウム株式会社から市販されている集電体である。
【0053】
いくつかの実施形態において、活性層106及び接着層104の一方または両方は、不純物(例えばCNTの官能基、水分、酸化物、ハロゲン化物などの不純物など)を取り除くために加熱及び/または真空を与えられることによって処理される。
【0054】
いくつかの実施形態において、活性層106及び接着層104の一方または両方は、例えばそれぞれの層の表面領域を増加するために、構成するCNTまたは他の炭素質材料の一部を壊すために、圧縮される。いくつかの実施形態において、この圧縮処理は、層の間の1以上の接着、層内のイオン輸送率、及び層の表面領域を増加する。様々な実施形態において、圧縮は、それぞれの層が電極100に塗られ、形成される前または後に与えられることができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、接着層104は、活性層106が導電層102に直接配置されるように、除かれてもよい。
【0056】
図3を参照しながら、いくつかの実施形態において、電極100は、導電層102の2つの反対の主要表面のそれぞれに形成される接着層104と活性層106を備えた、両面であってもよい。いくつかの実施形態において、接着層104は、2側面電極100の一方または両方の側面で除かれてもよい。
【0057】
図4を参照すると、電極100の活性層106を作る方法200の典型的な実施形態が記載される。ステップ201において、CNTは、CNTの分散を形成するための溶媒に分散される。いくつかの実施形態において、分散は、攪拌、超音波による分解またはその2つの組み合わせを含む、2015年10月1日に公開された「カーボンナノチューブを用いた高電力及び高エネルギ電極」と題する米国特許公開広報第20150279578号に記載された技術のいずれかを用いて形成されることができる。様々な実施形態において、任意の適切な溶媒は、例えばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリルなどを含んで用いられる。一般に、例えば、加熱及び/または真空乾燥技術を用いて、以下に記載される乾燥ステップ204で、実質的に排除される溶媒を選ぶことが有利である。
【0058】
いくつかの実施形態において、CNT及び溶媒の混合物は、CNTを物理的に分離し、分散を促進することを助けるために、例えばマイクロチャネルの(例えばCNTの半径の大きさのオーダの直径を備えるチャネルを有する)アレイなどのフィルタを通される。
【0059】
いくつかの実施形態において、CNT分散は、例えば方法200の完了においてこれらの界面活性剤に由来する不純物の存在を避けるために、界面活性剤を追加することなく形成されることができる。
【0060】
ステップ202において、CNT分散は、スラリを形成するために炭素質材料(例えば活性炭)と混合される。いくつかの実施形態において、スラリは、攪拌、超音波による分解またはその2つの組み合わせを含む、2015年10月1日に公開された米国特許公開広報第20150279578号に記載された技術のいずれかを用いて形成されることができる。いくつかの実施形態において、スラリは、固体炭素の割合が、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、2重量%、1重量%未満またはさらに少なく、例えば1重量%から20重量%の範囲、または例えば4%から6%のその任意の部分的な範囲である。スラリの他の炭素質材料に対するCNTの質量比は、1:5、1:10、1:15、1:20、1:50、1:100未満またはそれより少なく、1:10から1:20の範囲、またはその任意の部分的な範囲である。
【0061】
ステップ203において、スラリは、接着層104か、接着層104が除かれた場合、電極100の導電層102に塗布される。いくつかの実施形態において、スラリは、シートの中に形成され、電極上を被覆する。例えば、いくつかの実施形態において、スラリは、塗布された層の厚さを制御するために、スロットダイによって塗布される。他の実施形態において、スラリは、導電層102に塗布され、その後例えばドクターブレードを用いて所望の厚さにレベリングされる。
【0062】
いくつかの実施形態において、スラリは、電極100に塗布される前または後に、(例えば、カレンダ装置を用いて)圧縮される。いくつかの実施形態において、スラリは、このステップ203の間に、(例えば、加熱、真空またはその組み合わせを適用することによって)部分的にまたは完全に乾燥される。
【0063】
ステップ204において、スラリが乾燥されていないまたはステップ203の間に部分的にのみ乾燥されたならば、電極に塗布されるスラリは、(例えば、加熱、真空またはその組み合わせを適用することによって)完全に乾燥される。いくつかの実施形態において、実質的に溶媒のすべて(及び例えば分散物質などその他の非炭素質材料)は、活性層106から取り除かれる。いくつかの実施形態において、もし不純物が乾燥ステップの後に残るならば、及び層を加熱する追加のステップ(例えばベークまたはアニール)が実行される。例えば、いくつかの実施形態において、活性層106及び接着層104の一方または両方が不純物(例えばCNTの官能基、及び例えば水分、酸化物、ハロゲン化物などの不純物)を取り除くために熱を与えられることによって処理される。
【0064】
図5を参照しながら、電極100の接着層104を作る方法300の典型的な実施形態が記載される。ステップ301において、CNTは、CNTの分散を形成するための溶媒に分散される。いくつかの実施形態において、分散は攪拌、超音波による分解またはその2つの組み合わせを含む、2015年10月1日に公開された米国特許公開広報第20150279578号に記載された技術のいずれかを用いて形成されることができる。様々な実施形態において、任意の適切な溶媒は、例えばイソプロピルアルコール、アセトニトリル、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒を含んで用いられる。一般に、以下に記載される乾燥ステップ304で、実質的に排除される溶媒を選ぶことが有利である。
【0065】
いくつかの実施形態において、CNT及び溶媒の混合物は、CNTを物理的に分離し、分散を促進することを助けるために、例えばマイクロチャネルの(例えばCNTの半径の大きさのオーダの直径を備えるチャネルを有する)アレイなどのフィルタを通される。
【0066】
いくつかの実施形態において、CNT分散は、例えば方法300の完了においてこれらの界面活性剤に由来する不純物の存在を避けるために、界面活性剤を追加することなく形成されることができる。
【0067】
ステップ302において、CNT分散は、スラリを形成するために、任意に追加の炭素質材料(例えば活性炭)と混合される。いくつかの実施形態において、追加の炭素質材料は、スラリが溶媒に分散されたCNTで構成されるように、除かれる。いくつかの実施形態において、スラリは、固体の割合が、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%未満またはそれより少なく、0.1から5重量%の範囲またはその任意の部分的な範囲である。
【0068】
ステップ303において、スラリは、電極100の導電層102に塗布される。いくつかの実施形態において、スラリは、電極上を被覆する。例えば、いくつかの実施形態において、スラリは、塗布された層の厚さを制御するために、スロットダイによって塗布される。他の実施形態において、スラリは、導電層102に塗布され、その後例えばドクターブレードを用いて所望の厚さにレベリングされる。
【0069】
いくつかの実施形態において、スラリは、電極100に塗布される前または後に、(例えば、カレンダ装置を用いて)圧縮される。いくつかの実施形態において、スラリは、このステップ303の間に、(例えば、加熱、真空またはその組み合わせを適用することによって)部分的にまたは完全に乾燥される。
【0070】
ステップ304において、スラリが乾燥されていないまたはステップ203の間に部分的にのみ乾燥されたならば、電極に塗布されるスラリは、(例えば、加熱、真空またはその組み合わせを適用することによって)完全に乾燥される。いくつかの実施形態において、実質的に溶媒のすべて(及び例えば分散物質などその他の非炭素質材料)は、活性層106から取り除かれる。いくつかの実施形態において、もし不純物が乾燥ステップの後に残るならば、層を加熱する追加のステップ(例えばベークまたはアニール)が実行される。例えば、いくつかの実施形態において、活性層106及び接着層104の一方または両方が不純物(例えばCNTの官能基、及び例えば水分、酸化物、ハロゲン化物などの不純物)を取り除くために熱を与えられることによって処理される。
【0071】
いくつかの実施形態において、接着層104を形成する方法300及び活性層106を形成する方法200は、接着層104の後に上の活性層106が引き続いて形成されるように順番に実行される。いくつかの実施形態において、前述の方法が、例えば本明細書で記載されるタイプの2側面電極を形成するために、繰り返されることができる。
【0072】
有利なことに、いくつかの実施形態において、接着層104を形成する方法300及び/または活性層106を形成する方法200は、例えば数十メートル以上の長さの電極シートの大量生産ができるように、ロールツーロールプロセスとして実施されることができる。
【0073】
図6は、接着層104を形成する方法300及び/または活性層106を形成する方法200を実施するための典型的な混合装置400を示す。簡潔にするために、装置400は、方法200を用いて活性層106を形成する際に使用するとして記載される。しかしながら、当業者にとって明白なように、装置400は、容易に接着層104を形成する方法300を実施するように構成されることができる。
【0074】
装置400は、混合容器401を含む。混合容器は、溶媒、カーボンナノチューブ、及び(任意に)上記されたタイプの追加の炭素質材料から構成されるスラリを受け入れる。いくつかの実施形態において、このスラリ(またはその構成要素)は、最初に混合容器401で形成される。他の実施形態において、スラリは、どこかで形成された後、混合容器401に移される。
【0075】
いくつかの実施形態において、混合容器401は、例えば、羽根車または高せん断ミキサなど、スラリを混合するための1以上の機構を含む。いくつかの実施形態において、混合機構は、例えば1000回転/分(RPM)以上までの、制御率で、スラリを攪拌できるものが提供される。いくつかの実施形態において、混合容器は、例えば超音波破砕機、ミキサ(例えば高せん断ミキサ)、ホモジナイザまたはその他の既知の適切な装置など、スラリへ機械エネルギを与えるための1以上の装置を含むことができる。いくつかの実施形態において、混合容器は、例えば、電気ヒータ、冷却水を循環するためのチューブ、またはその他の当該技術分野で既知のそのような装置など、1以上の加熱及び/または冷却要素を用いて、温度制御される。
【0076】
混合容器401のスラリは、例えばポンプ403を用いてパイプまたはチューブなどの、フローライン402を通って循環される。ポンプ403は、例えばぜん動ポンプなどの、任意の適切な形態である。フローメータ404は、フローライン402を通るスラリの流量を測定するために設けられる。フィルタ405は、例えば所望のしきい値より大きいサイズを有する固体材料の塊を取り除くために、フローライン402を通って流れるスラリをろ過するために設けられる。
【0077】
いくつかの実施形態において、例えば混合容器401が超音波破砕機を含まないとき、インライン超音波破砕機406は、フローライン402を通って流れるスラリを超音波による分解をするために設けられる。例えば、いくつかの実施形態において、米国、ニュージャージー州08085、ハイヒルロードスェデスボロ1654、トーマスサイエンティフィックから市販されているブランソンデジタルSFX-450超音波破砕機などの超音波破砕機を通る流れが用いられる。
【0078】
いくつかの実施形態において、例えばフローライン402の周りに配置されたスリーブで並べられた熱交換器など、温度制御装置407は、フローライン402を通って流れるスラリの温度を制御するために設けられる。
【0079】
いくつかの実施形態において、バルブ408は、混合容器401に戻って再循環されるフローライン402を通って流れるスラリの第1の部分を導くように選択的に制御される一方で、第2の部分は、例えば被覆装置500などに、外部に出力されることができるように設けられる。いくつかの実施形態において、例えば圧力センサまたは流量センサなどのセンサ409は、スラリの出力部の1以上の態様を感知するために設けられる。
【0080】
様々な実施形態において、装置400の要素のいずれかまたはすべては、混合装置400の自動モニタ及び/または制御を提供するために1以上のコンピュータ装置と動作可能なように接続される。例えば、超音波破砕機406は、例えば電力及びデューティサイクルなどその操作パラメータを制御するためにデジタル制御を含む。
【0081】
様々な実施形態において、被覆装置500は、当該技術分野で既知の任意の適切なタイプである。例えば、
図7Aは、例えばローラ504に渡って動く基板503(例えばむき出しまたはすでに接着層104で被覆された導電層102)上の分配チャネル502を通る混合装置400などのソースから、受け入れられたスラリを分配するスロットダイ501を特徴付ける被覆装置500の典型的な実施形態を示す。ローラ504上の基板503の上のスロットダイの高さを設定し、チャネル502のスラリの流量と圧力を制御することによって、塗布されるコーティングの厚さと密度を制御できる。いくつかの実施形態において、チャネル502は、動作の間均一なコーティングを提供するためにスラリの定流を確実にすることを助けるため、1以上のリザーバを含んでもよい。
【0082】
図7Bは、例えばローラ604に渡って動く基板603(例えばむき出しまたはすでに接着層104で被覆された導電層102)上の1以上の塗布器602(1つが示される)によって塗布される混合装置400などのソースから、受け入れられたスラリをレベリングするドクターブレード601を特徴付ける被覆装置500の典型的な実施形態を示す。基板603の移動する方向は、太い黒矢印によって示される。ローラ604上の基板603の上のドクターブレード601の高さを設定し、塗布器602によってスラリの流量と圧力を制御することによって、塗布されるコーティングの厚さと密度を制御できる。単一のドクターブレード601が示されるが、複数のブレード、例えばコーティングの粗い厚さを設定するために第1のブレードを用い、微細に平滑なコーティングを提供するために第1のブレードから下向きに配置された第2のブレードを用いる。
【0083】
さらに、使用者に広い温度範囲で改善した性能を提供する電極を組み込んだキャパシタが本明細書で開示される。そのようなウルトラキャパシタは、エネルギ貯蔵セルと、筐体に気密密閉された電解質システムを備え、セルは、電気的に正接点と負接点に連結され、ウルトラキャパシタは、約-100℃から約300℃以上の温度範囲または例えば、-40℃から200℃、-40℃から250℃、-40℃から300℃、0℃から200℃、0℃から250℃、0℃から300℃などのその任意の部分的な範囲内の温度で動作するように構成される。いくつかの実施形態において、そのようなウルトラキャパシタは、1.0V、2.0V、3.0V、3.2V、3.5V、4.0Vまたはそれ以上の電圧で、1000時間を超える寿命で動作することができる。
【0084】
図8A及び8Bで示されるように、キャパシタの典型的な実施形態が示される。それぞれの場合において、キャパシタは、ウルトラキャパシタ10である。
図8Aと
図8Bの差は、
図8Aの典型的なウルトラキャパシタ10でセパレータを含むことである。本明細書で開示されたコンセプトは、一般的に任意の典型的なウルトラキャパシタ10に等しく適用する。ある実施形態のある電解質は、セパレータのない典型的なウルトラキャパシタ10を構成するのに最適である。特に明記しない限り、本明細書の議論は、セパレータがあるかないかにかかわらず任意のウルトラキャパシタ10に等しく適用する。
【0085】
典型的なウルトラキャパシタ10は、電気二重層キャパシタ(EDLC)である。EDLCは、電極3の少なくとも1つの組を含む(電極3が単に本明細書で参照する目的で、負極3及び正極3と言うことができる)。ウルトラキャパシタ10に組み立てられたとき、電極3のそれぞれ(それぞれ上の
図1で示されるタイプの電極100である)は、電解質界面に電荷の二重層が存在する。いくつかの実施形態において、複数の電極3が含まれる(例えばいくつかの実施形態において、電極3の少なくとも2つの組が含まれる。)。しかしながら、議論の目的のために、電極3の1つの組のみが示される。本明細書の慣例として、電極3の少なくとも1つは、炭素ベースのエネルギ貯蔵媒体1(例えば
図1で示される電極100の活性層106)を用い、電極のそれぞれは、炭素ベースのエネルギ貯蔵媒体1を含むと仮定する。金属電極は、表面領域において(少なくとも規模のオーダで)大きく異なるため、電解コンデンサは、ウルトラキャパシタと異なることに留意すべきである。
【0086】
電極3のそれぞれは、
図1で示される電極100の導電層102である、それぞれの集電体2(集電装置ともいう)を含む。いくつかの実施形態において、電極3は、セパレータ5で分離される。一般に、セパレータ5は、正極3から負極3を分離するために用いられる薄い構造材料(通常シート)である。セパレータ5は、また電極3の組を分離する働きをする。組み立てられるとすぐに、電極3とセパレータ5は、貯蔵セル12を提供する。いくつかの実施形態において、炭素ベースのエネルギ貯蔵媒体1は、電極3の1つまたは両方に含まれないことに留意する。すなわち、いくつかの実施形態において、それぞれの電極3は、集電体2のみからなる。集電体2を提供するために用いられる材料は、その表面領域を増加するために、粗面化、陽極酸化などがなされることができる。これらの実施形態において、集電体2は単独で電極3として働く。これを考慮して、しかしながら、本明細書で用いられるように、用語「電極3」は一般にエネルギ貯蔵媒体1と集電体2の組み合わせをいう(これは少なくとも前述の理由から限定ではない)。
【0087】
電解質6の少なくとも1つの形態は、ウルトラキャパシタ10に含まれる。電解質6は、電極3とセパレータ5の間の空間を満たす。一般に、電解質6は、荷電イオンに関係しない物質である。物質を溶かす溶媒は、適切に電解質6のいくつかの実施形態において含まれる。電解質6は、イオン輸送によって電気を通す。
【0088】
いくつかの実施形態において、電解質6は、ゲルまたは固体形態である(例えばイオン液体をしみこませたポリマ層)。そのような電解質の例は、2015年7月9日公開の「高温エネルギ貯蔵装置における進歩した電解質」と題する国際特許公開第2015/102716号に提供される。
【0089】
他の実施形態において、電解質6は、例えば、高温用途に適するタイプの、例えばイオン液体などの非水液体形態である。そのような電解質の例は、2015年7月9日公開の「高温エネルギ貯蔵装置における進歩した電解質」と題する国際特許公開第2015/102716号に提供される。
【0090】
いくつかの実施形態において、貯蔵セル12は、その後円筒形または角柱の筐体7にパッケージされる巻き付く形態または角柱の形態の1つに形成される。電解質6が含まれるとすぐに、筐体7は、気密密閉される。様々な実施例において、パッケージは、レーザ、超音波及び/または溶接技術を使用する技術によって、気密密閉される。貯蔵セル12の頑丈な物理的保護を提供することに加えて、筐体7は、筐体7内のそれぞれの端子8に電気伝送を提供するために外部接触を構成する。端子8のそれぞれは、次に一般にエネルギ貯蔵媒体1に連結される電気リードを通って、エネルギ貯蔵媒体1に貯蔵されるエネルギに電気アクセスを提供する。
【0091】
本明細書で議論されるように、「気密」は、品質(すなわちリークレート)が、大気雰囲気の圧力と温度における、秒あたりの1立方センチメータのガス(例えばヘリウム)を意味する「atm-cc/second」の単位で定義される密閉をいう。これは「standard He-cc/sec」の単位表現と等価である。さらに、1atm-cc/secは、1.01325mbar-liter/secに等しいと認識される。一般に、本明細書で開示されるウルトラキャパシタ10は、約5.0×10-6atm-cc/sec以下のリークレートを有する気密密閉を提供することができ、約5.0×10-10atm-cc/sec以下のリークレートを示すことができる。また、成功した気密密閉の性能は、適切に、使用者、設計者または製造者によって判断されるべきで、「気密」は最終的に使用者、設計者、製造者または他の利害関係者によって定義されるべき標準という意味を含むものと考えられる。
【0092】
リーク検知は、例えばトレーサガスの使用によってなされる。例えばリークテストのためのヘリウムなどのトレーサガスを用いることは、ドライで、早く、正確で、非破壊の方法であるため、有利である。この技術の1つの例において、ウルトラキャパシタ10は、ヘリウムの環境に置かれる。ウルトラキャパシタ10は、加圧されたヘリウムを受ける。ウルトラキャパシタ10は、その後ヘリウムの存在をモニタできる検知器(例えば原子吸収ユニット)に接続された真空チャンバに置かれる。加圧時間、圧力、内部容積の知識によって、ウルトラキャパシタ10のリークレートは、決定される。
【0093】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのリード(本明細書ではタブともいう)は、集電体2のそれぞれの1つと電気的に連結される。(ウルトラキャパシタ10の極性に応じて)複数のリードは、一緒のグループに分けられ、それぞれの端子8に連結される。次に、端子8は、「接点」(例えば筐体7の一方及び外部電極(本明細書で慣例として「フィードスルー」または「ピン」とも言う))と言われる、電気アクセスに連結される。適切な典型的なデザインは、2015年7月9日公開の「高温エネルギ貯蔵装置における進歩した電解質」と題する国際特許公開第2015/102716号に提供される。
【0094】
ウルトラキャパシタ10の様々な形態は、結合される。様々な形態は、例えば、少なくとも1つの機械コネクタの使用によって、接点をお互いに電気的に接触させることによってなど、例えば接点を溶接するなど、既知の技術を用いて結合される。複数のウルトラキャパシタ10は、並列及び直列方法の少なくとも1つで電気的に接続される。
【0095】
本明細書で使用される、記号「重量%」は、重量パーセントを意味する。例えば、溶媒の溶質の重量パーセントをいうとき、「重量%」は、溶質によって構成された溶質及び溶媒の混合物の総質量の割合をいう。
【0096】
上述の公開公報及び特許出願のそれぞれの全内容は、本明細書で援用する。引用された文献のいずれかが本開示と矛盾する場合において、本開示が支配するものとする。
【0097】
本発明が、典型的な実施形態を参照して記載される一方で、様々な変更がなされ、等価物が、本発明の範囲から逸脱しないでその要素に代替されることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、前述の層の1つは、その内に複数の層を含むことができる。さらに、多くの改良は、その本質的な範囲から逸脱しないで、特定の装置、状況または材料を本発明の教示に適応することが理解されるであろう。それゆえ、本発明は、この発明の実行するために期待されたベストモードとして開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付された請求項の範囲内に落とし込まれる全ての実施形態を含むであろうことが意図される。