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特許7554575ロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台
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  • 特許-ロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台 図1
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  • 特許-ロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/06 20060101AFI20240912BHJP
   B65H 49/28 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B66B7/06 F
B65H49/28
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020075901
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021172471
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】久住 博志
(72)【発明者】
【氏名】平田 義之
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-131322(JP,A)
【文献】特開2003-020164(JP,A)
【文献】特開2020-026320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/06
B65H 49/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に回転可能な回転台と、該回転台上に設置されたフレームと、該フレームに、垂直方向に回転可能に支持された一対のローラーと、前記フレームの側面に設けられ、ロープが巻回されたロープドラムを前記フレーム上に搬送するための乗り込み台プレートとを備え
前記回転台はリング状に形成され、リング状の前記回転台上に設置された前記フレームは内部に空間を有する四角形の枠体から成り、四角形の前記枠体から成る前記フレームの前記空間に、一対の前記ローラーが回転可能に配置されていることを特徴とするロープドラム台。
【請求項2】
請求項に記載のロープドラム台において、
四角形の前記枠体から成る前記フレームの四隅にボルトを設け、該ボルトは、その先端が床面に当たるまで締め込まれていることを特徴とするロープドラム台。
【請求項3】
請求項に記載のロープドラム台において、
四角形の前記枠体から成る前記フレームの前記ローラーと平行な前記枠体に、前記ローラーに形成された穴部に篏合するピン部と、該ピン部の前記ローラーの穴部と篏合する側とは反対側に設けられたレバー部と、前記ピン部を支持する支持部材とから成るローラーストッパー機構が設置され、
前記ローラーストッパー機構の前記レバー部を回転させて前記ピン部を前記ローラー側に押し出し、前記ローラーの穴部に前記ピン部を篏合させることで前記ローラーを固定することを特徴とするロープドラム台。
【請求項4】
請求項に記載のロープドラム台において、
四角形の前記枠体から成る前記フレームの前記ローラーと平行な前記枠体に、前記乗り込み台プレートを傾斜させて設置し、前記乗り込み台プレートを介して前記ロープドラムを前記ローラー上に搬送して載置することを特徴とするロープドラム台。
【請求項5】
ロープドラムから繰り出されたロープを、2つの頂部プーリ間にU字状に降ろした際に発生する前記ロープの捻じりを、請求項1乃至のいずれか1項に記載のロープドラム台に載置された前記ロープドラムを水平方向に回転させながら前記ロープを繰り出し、前記ロープを軸方向に回転させることで解消することを特徴とするロープ捻じれ解消方法。
【請求項6】
請求項に記載のロープ捻じれ解消方法において、
前記ロープ捻じれ解消方法は、
建屋の最上階にリング状の回転台を設置し、リング状の前記回転台上に、内部に空間を有する四角形の枠体から成り、一対のローラーが回転可能に前記空間に配置されているフレームを設置し、四角形の前記枠体から成る前記フレームの四隅に位置するようにボルトを配置する第1の工程と、
前記フレームの四隅に配置された前記ボルトの先端が床面に当たるまで締め込む第2の工程と、
前記フレームの前記ローラーと平行な前記枠体に設置され、前記ローラーに形成された穴部に篏合するピン部と、該ピン部の前記ローラーの穴部と篏合する側とは反対側に設けられたレバー部と、前記ピン部を支持する支持部材とから成るローラーストッパー機構の前記レバー部を回転させて前記ピン部を前記ローラー側に押し出し、前記ローラーの穴部に前記ピン部を篏合させることで前記ローラーを固定する第3の工程と、
前記フレームの前記ローラーと平行な前記枠体側に配置された前記ボルトを取外し、前記ボルトが取外された前記枠体に乗り込み台プレートを傾斜させて設置する第4の工程と、
前記乗り込み台プレートを介して搬送された前記ロープドラムを、前記ローラー上に搬送して載置する第5の工程と、
前記乗り込み台プレートを前記フレームの前記枠体から取り外し、前記ローラーストッパー機構の前記レバー部を引きながら回転させて前記ピン部と前記ローラーの穴部との篏合を解く第6の工程と、
前記ロープドラムから繰り出された前記ロープを2つの頂部プーリ間にU字状に送り出す第7の工程と、
前記ローラーストッパー機構の前記レバー部を回転させて前記ピン部を前記ローラー側に押し出し、前記ピン部が前記ローラーに嵌め合ったのかを確認する第8の工程と、
前記ロープドラムから繰り出された前記ロープを上方向に保持して前記ロープドラムを水平回転させ、前記ロープの捻じれ方向を確認し前記ロープの捻じれ方向に応じた方向に前記ロープドラムを回転させ、保持していた前記ロープ部分が、2つの前記頂部プーリの手前側の前記頂部プーリを超えるまで前記ロープを送り出し、前記ロープの捻じりが解放方向に回れば次工程に進み、前記ロープの捻じりが増加すれば前記ロープドラムを反対方向に回し、保持していた前記ロープ部分が、2つのうちの手前側の前記頂部プーリを超えるまで前記ロープを送り出して前記ロープの捻じりが解放方向に回転することを確認する第9の工程と、
前記第9の工程で確認した方向に前記ロープドラムを回し、保持していた前記ロープ部が、2つの前記頂部プーリの手前側の前記頂部プーリを超えるまで前記ロープの送り出しを繰り返し、この作業を前記ロープのU字状部分の捻じれが解放するまで繰り返す第10の工程とを含むことを特徴とするロープ捻じれ解消方法。
【請求項7】
請求項に記載のロープ捻じれ解消方法において、
前記第10の工程の後に、前記ロープドラムから前記ロープを2つの前記頂部プーリ間にU字状に送り出し、その途中で前記ロープの送り出しを止めて前記ロープに捻じりが発生していた際には、前記第8の工程から前記第10の工程を施工し前記ロープの捻じりを解消する第11の工程を行うことを特徴とするロープ捻じれ解消方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台に係り、特に、エレベーターのロープ掛け作業時において、ロープをU字状に降ろした際に発生するロープ捻じれを解消するものに好適なロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターを昇降路内に据え付ける際の作業の一つに、エレベーターのロープ掛け作業がある。
【0003】
このエレベーターのロープ掛け作業は、建屋の最上階の床面に設置されたロープドラムから繰り出されたロープを、昇降路の頂部に設置されている2つの頂部プーリ間にU字状に降ろして行なわれ、2つの頂部プーリ間にロープをU字状に降ろすと、そのU字状部分のロープが捻じれてしまう。
【0004】
なお、エレベーターのケーブルの捻じれを防止する先行技術文献としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-66554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した如く、ロープドラムから繰り出されたロープを、昇降路内の頂部に設置されている2つの頂部プーリ間にU字状に降ろすと、そのU字状部分のロープが捻じれてしまい、このロープの捻じれを、マシンシーブ等に掛ける間際に人間が強制的に直すと、ロープキンク(よれ、捻じり等)や屈曲の発生に繋がり、早期ストランド切れの一要因となる恐れがあった。
【0007】
しかし、上記した特許文献1には、上述した課題に対処することに関しての記載は、一切見当たらない。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところ、ロープを2つの頂部プーリ間にU字状に降ろした際にU字状部分のロープに捻じれが発生したとしても、ロープドラム台にてロープ捻じれを解消することで、ロープ掛け作業時の捻じれが起因となるロープキンクや屈曲が発生することはなく、ストランド切れに至ることのないロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のロープドラム台は、上記目的を達成するために、水平方向に回転可能な回転台と、該回転台上に設置されたフレームと、該フレームに、垂直方向に回転可能に支持された一対のローラーと、前記フレームの側面に設けられ、ロープが巻回されたロープドラムを前記フレーム上に搬送するための乗り込み台プレートとを備え、前記回転台はリング状に形成され、リング状の前記回転台上に設置された前記フレームは内部に空間を有する四角形の枠体から成り、四角形の前記枠体から成る前記フレームの前記空間に、一対の前記ローラーが回転可能に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のロープ捻じれ解消方法は、上記目的を達成するために、ロープドラムから繰り出されたロープを、2つの頂部プーリ間にU字状に降ろした際に発生する前記ロープの捻じりを、上記構成のロープドラム台に載置された前記ロープドラムを水平方向に回転させながら前記ロープを繰り出し、前記ロープを軸方向に回転させることで解消することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ロープを2つの頂部プーリ間にU字状に降ろした際にU字状部分のロープに捻じれが発生したとしても、ロープドラム台にてロープ捻じれを解消することで、ロープ掛け作業時の捻じれが起因となるロープキンクや屈曲が発生することはなく、ストランド切れに至ることはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のロープドラム台を用いたロープ捻じれ解消方法の手順を説明するための図である。
図2】本発明のロープドラム台の実施例1であり、乗り込み台プレートが設置されていない状態を示す斜視図である。
図3】本発明のロープドラム台の実施例1が備えているローラーストパー機構を示す斜視図である。
図4】本発明のロープドラム台の実施例1であり、乗り込み台プレートが設置されている状態を示す斜視図である。
図5】本発明のロープ捻じれ解消方法の実施例1を示す工程図である。
図6】本発明のロープ捻じれ解消方法の実施例1を適用した具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示した実施例に基づいて本発明のロープ捻じれ解消方法及びそれに用いられるロープドラム台について説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例1】
【0014】
先ず、本実施例のロープドラム台を用いたロープ捻じれ解消方法の手順を、図1を用いて説明する。
【0015】
図1の(a)に示すように、建屋1の最上階1aには、本実施例のロープドラム台(詳細は後述する)2が設置されており、このロープドラム台2に載置されたロープドラム3から繰り出された主ロープ4を、昇降路6内の上方に設置された2つの頂部プーリ5aと5b間にU字状に降ろし、エレベーターのロープ掛け作業が行なわれる。この作業は、ゴンドラ作業床7に乗った作業員が行う。
【0016】
ところが、図1の(b)に示すように、ロープドラム3から繰り出された主ロープ4を、昇降路6内の上方に設置されている2つの頂部プーリ5aと5b間にU字状に降ろすと、そのU字状部分の主ロープ4が捻じれてしまう。
【0017】
そこで、本実施例では、図1の(c)に示すように、ロープドラム台2に載置されたロープドラム3を水平方向に回転させながら主ロープ4を繰り出し、主ロープ4を軸方向に回転させることで、U字状部分の主ロープ4の捻じれを解消するものである。
【0018】
以下、本実施例のロープドラム台2及びこのロープドラム台2を用いたロープ捻じれ解消方法について説明する。
【0019】
図2図3及び図4に、本実施例のロープドラム台2を示す。図2は、本実施例のロープドラム台2の後述する乗り込み台プレート11が設置されていない状態、図4は、ロープドラム台2の乗り込み台プレート11が設置されている状態を示す図であり、図3は、本実施例のロープドラム台2が備えている後述するローラーストッパー機構13を示す図である。
【0020】
該図に示す本実施例のロープドラム台2は、水平方向に回転可能な回転台8と、この回転台8上に設置されたフレーム9と、フレーム9に、垂直方向に回転可能に支持された一対のローラー10a及び10bと、フレーム9の側面に設けられ、主ロープ4が巻回されたロープドラム3をフレーム9上に搬送するための乗り込み台プレート11とを備えて概略構成されている。
【0021】
上記した回転台8はリング状に形成され、リング状の回転台8上に設置されたフレーム9は、内部に空間9aを有する四角形の枠体9b1、9b2、9b3及び9b4から成り、この四角形の枠体9b1、9b2、9b3及び9b4から成るフレーム9の空間9aに、一対のローラー10a及び10bが回転可能に配置されている。
【0022】
更に、四角形の枠体9b1、9b2、9b3及び9b4から成るフレーム9の四隅に、リング状の回転台8の外径の外側に位置するように蝶ボルト12a、12b、12c及び12dを設け、この蝶ボルト12a、12b、12c及び12dは、その先端が床面に当たるまで締め込まれている。
【0023】
また、図3に示すように、四角形の枠体9b1、9b2、9b3及び9b4から成るフレーム9のローラー10aと平行な枠体9b1に、ローラー10aに形成された穴部10a1に篏合するピン部14aと、このピン部14aのローラー10aの穴部10a1と篏合する側とは反対側に設けられたレバー部14bと、ピン部14aを支持する支持部材14cとから成るローラーストッパー機構14が設置されている。
【0024】
そして、ローラーストッパー機構14のレバー部14bを90度回転させるとばね機構によりピン部14aがローラー10a側に押し出され、ローラー10aの穴部10a1にピン部14aが篏合することでローラー10aが固定される。
【0025】
また、四角形の枠体から成るフレーム9のローラー10aと平行な枠体9b1に、乗り込み台プレート11を傾斜させて設置するが、この乗り込み台プレート11の枠体9b1への設置は、フレーム9の乗り込み台プレート11を枠体9b1に引っ掛ける形で行う。
【0026】
乗り込み台プレート11が枠体9b1に傾斜して設置されたら、この傾斜した乗り込み台プレート11を介してロープドラム3を2本のローラー10a及び10b上に搬送して載置し、ロープドラム3に巻回されている主ロープ4のロープ掛け作業が行なわれる。
【0027】
次に、上述したロープドラム台2を用いたロープ掛け作業の際に生じる主ロープ4の捻じれ解消方法について、図5及び図6を用いて説明する。
【0028】
本実施例のロープ捻じれ解消方法は、ロープドラム3から繰り出された主ロープ4を、2つの頂部プーリ5a及び5b間にU字状に降ろした際に発生する主ロープ4の捻じり(図6のA部拡大図参照)を、上述した構成のロープドラム台2に載置されたロープドラム3を水平方向に回転させながら主ロープ4を繰り出し、主ロープ4を軸方向に回転(図6の矢印Fに回転)させることで解消することを特徴とする。
【0029】
以下、本実施例のロープ捻じれ解消方法の詳細について、図5を用いて説明する。
【0030】
先ず、建屋1の最上階1aにリング状の回転台8を設置し、この回転台8上に、内部に空間9aを有する四角形の枠体9b1、9b2、9b3及び9b4から成り、一対のローラー10a及び10bが回転可能に空間9aに配置されているフレーム9を設置し、このフレーム9の空間9a内に、リング状の回転台8の外径の外側に位置するようにボルト13a、13b、13c及び13dを配置する第1の工程(S1)と、
フレーム9の四隅に配置された蝶ボルト12a、12b、12c及び12dの先端が床面に当たるまで締め込む第2の工程(S2)と、
フレーム9のローラー10aと平行な枠体9b1に設置され、ローラー10aに形成された穴部10a1に篏合するピン部14aと、このピン部14aのローラー10aの穴部10a1と篏合する側とは反対側に設けられたレバー部14bと、ピン部14aを支持する支持部材14cとから成るローラーストッパー機構14のレバー部14bを回転させてピン部14aをローラー10a側に押し出し、ローラー10aの穴部10a1にピン部14aを篏合させることでローラー10aを固定する第3の工程(S3)と、
フレーム9のローラー10aと平行な枠体9b1側に配置された枠体9b1に乗り込み台プレート11を傾斜させて設置する第4の工程(S4)と、
乗り込み台プレート11を介して搬送されたロープドラム3を、ローラー10a及び10b上に搬送して載置する第5の工程(S5)と、
乗り込み台プレート11をフレーム9の枠体9b1から取り外し、ローラーストッパー機構14のレバー部14bを引きながら回転させてピン部14aとローラー10aの穴部10a1との篏合を解く第6の工程(S6)と、
ロープドラム3から繰り出された主ロープ4を2つの頂部プーリ5a、5b間にU字状に送り出す第7の工程(S7)と、
ローラーストッパー機構14のレバー部14bを回転させてピン部14aをローラー10a側に押し出し、ピン部14aがローラー10a1に嵌め合ったのかを確認する第8の工程(S8)と、
ロープドラム3から繰り出された主ロープ4を上方向に手で保持してロープドラム3を水平回転させ、主ロープ4の捻じれ方向を目視で確認して主ロープ4の捻じれ方向に応じた方向にロープドラム3を回転させ、手で保持していた主ロープ4部分が、2つの頂部プーリ5a、5bのうちの手前側の頂部プーリ5aを超えるまで主ロープ4を送り出し、主ロープ4の捻じりが解放方向に回れば次工程に進み、反対に主ロープ4の捻じりが増加すればロープドラム3を反対方向に4回転程度回し、手で保持していた主ロープ4部分が、2つのうちの手前側の頂部プーリ5aを超えるまで主ロープ4を送り出して、主ロープ4の捻じりが解放方向に回転することを確認する第9の工程(S9)と、
主ロープ4の捻じれ発生都度、第9の工程(S9)で確認した方向にロープドラム3を回し、手で保持していた主ロープ4部分が、2つの頂部プーリ5a、5bのうちの手前側の頂部プーリ5aを超えるまで主ロープ4の送り出しを繰り返し、この作業を主ロープ4のU字状部分の捻じれが解放するまで繰り返す第10の工程(S10)と、
第10の工程(S10)の後に、ロープドラム3から主ロープ4を2つの頂部プーリ5a、5b間にU字状にて更に送り出し、マシン上部より6~7m手前で主ロープ4の送り出しを止めて、主ロープ4に捻じりが発生していた際には、第8の工程(S8)と第9の工程(S9)及び第10の工程(S10)を施工し、主ロープ4の最終段階での捻じりを解消する第11の工程(S11)を行う。
【0031】
このような本実施例によれば、主ロープ4を2つの頂部プーリ5a、5b間にU字状に降ろした際に、U字状部分の主ロープ4に捻じれが発生したとしても、前記ロープドラム台2にてロープ捻じれを解消することで、ロープ掛け作業時の捻じれが起因となるロープキンクや屈曲が発生することはなく、ストランド切れに至ることはない。
【0032】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1…建屋、1a…建屋の最上階、2…ロープドラム台、3…ロープドラム、4…主ロープ、5a、5b…頂部プーリ、6…昇降路、7…ゴンドラ作業床、8…回転台、9…フレーム、9a…フレームの空間、9b1、9b2、9b3、9b4…枠体、10a、10b…ローラー、10a1…ローラーの穴部、11…乗り込み台プレート、12a、12b、12c、12d…蝶ボルト、13a、13b、13c、13d…ボルト、14…ローラーストッパー機構、14a…ピン部、14b…レバー部、14c…支持部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6