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特許7554582均一な光学場で細長い繊維体の特性を測定するための光学センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】均一な光学場で細長い繊維体の特性を測定するための光学センサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/08 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01B11/08 Z
【請求項の数】 30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020098252
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2020201261
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】19178679.7
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】595137491
【氏名又は名称】ゲブリューダー レプフェ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン シュトラッター
(72)【発明者】
【氏名】マルクス グリスハンマー
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04716942(US,A)
【文献】実開昭55-009432(JP,U)
【文献】特開2000-101300(JP,A)
【文献】特表2001-504902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長体の少なくとも1つの特性を測定するように構成されたセンサであって、
測定領域(12)と、
主放射方向(23)を有する発散する異方性光源(22)と、
前記光源(22)と前記測定領域(12)との間の光路に配置されたコリメータ(36)であって、前記光源(22)の中心(22a)と交差する入力光軸(38)および出力光軸(40)を有し、前記入力光軸(38)上の前記光源(22)からの光を前記出力光軸(40)に投射し、前記コリメータ(36)は、コリメーションミラー(34)を含む、コリメータ(36)と、
前記コリメータ(36)によって放射され、前記測定領域(12)を透過した光を受け取る光検出器(24)と、
入力側(28a)、出力側(28b)、およびコリメーションミラー(34)を形成する鏡面(30)を有する第1の透明要素(14a)であって、前記センサが、前記光源(22)からの光は、前記入力側(28a)の入力面(31a)を通って前記第1の透明要素(14a)に入り、前記鏡面(30)で反射され、前記出力側(28b)の出力面(31b)を通って、前記第1の透明要素(14a)を出て、前記測定領域(12)に入り、前記入力側(28a)および前記出力側(28b)は、互いに横向きである、ように適合された、第1の透明要素と、
を含み、
前記入力光軸(38)および前記出力光軸(40)は非平行であり、前記主放射方向(23)は前記入力光軸(38)に対して非平行であり、
前記入力面(31a)は、前記入力側(28a)における前記第1の透明要素(14a)の湾曲凹状窪み(32)内に位置することを特徴とする、
センサ。
【請求項2】
前記特性が、直径である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記細長体が、細長い繊維体である、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
少なくとも前記入力光軸および出力光軸(38、40)の平面内で、
前記主放射方向(23)に対して角度φを有する前記光源(22)の前記中心(22a)から放射された光ビームは、座標x、yで前記測定領域(12)を横切り、
前記測定領域(12)内のx、yにおける放射照度I(x、y)は、
I(x、y)~T(x、y)i(φ(x、y)、θ(x、y))
で与えられ、
xは前記入力光軸および前記出力光軸(38、40)に垂直な座標であって、前記光軸の位置ではx=x0であり、
yは前記出力光軸(40)に垂直で、かつ前記入力光軸および前記出力光軸(38、40)の前記平面に平行な座標であって、前記光軸の位置ではy=y0であり、
T(x、y)は前記コリメータ(36)の伝達関数であり、
i(φ、θ)は前記光源(22)の放射強度であり、
x=x0かつy=y0では、
dT(x、y)/dy>0およびdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy<0または
dT(x、y)/dy<0およびdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy>0
である、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
x=x0かつy=y0では、
であって、tは0.2以下のしきい値であり、そしてΔyはyに沿った測定領域(12)の延長の半分である、請求項に記載のセンサ。
【請求項6】
tは0.1以下のしきい値である、請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記測定領域内の前記放射照度は、20%以下だけ変化する、請求項1~のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記測定領域内の前記放射照度が、10%以下だけ変化する、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記コリメーションミラー(34)は前記入力光軸(38)と一致する前記光源(22)の前記中心(22a)の前記光が前記コリメーションミラー(34)に当たる位置(P2)において湾曲凹状である、請求項1~のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記入力光軸(38)が前記コリメーションミラー(34)と交差する領域において、前記コリメーションミラー(34)は放物線または放物面形状を有し、前記光源(22)の前記中心(22a)は、前記放物線または放物面形状の焦線または焦点に配置される、請求項1~のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項11】
比Rは
R=r0/f
で与えられ、
r0は前記光源(22)の前記中心(22a)と前記出力光軸(40)との間の距離であり、fは前記放物線または放物面形状の焦点距離であり、前記比Rは、0.5~1.4である、請求項10に記載のセンサ。
【請求項12】
前記比Rは、0.7~1.1である、請求項11に記載のセンサ。
【請求項13】
前記比Rは、0.8~1.0である、請求項11に記載のセンサ。
【請求項14】
前記主放射方向(23)と前記放物線または放物面形状との間の交点(P1)は、前記位置(P2)よりも前記光源(22)の前記中心(22a)からさらに離れている、請求項10~13のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項15】
前記入力光軸(38)から前記出力光軸(40)までの偏向角(β)は、90°未満である、請求項1~14のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項16】
前記入力光軸(38)から前記出力光軸(40)までの偏向角(β)は、80°未満および/または30°より大きい、請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記入力側(28a)に配置されたキャリアプレート(16)を含み、前記光源(22)は前記キャリアプレート(16)に取り付けられ、前記キャリアプレート(16)は、前記出力面(31b)に対して横方向に配置されている、請求項1~16のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項18】
前記キャリアプレート(16)と前記出力面(31b)との間の角度は、70°~110°である、請求項17に記載のセンサ。
【請求項19】
前記光源(22)の前記主放射方向(23)は、前記キャリアプレート(16)に対して垂直に延在する、請求項17または18に記載のセンサ。
【請求項20】
少なくとも前記光源(22)の前記中心(22a)と交差し、かつ前記入力光軸および前記出力光軸(38、40)に平行な平面内において、前記湾曲凹状窪み(32)は円形断面を有し、前記光源(22)の前記中心(22a)は前記円形断面の中心にある、請求項1~19のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項21】
前記光源(22)の表面から前記入力側(28a)に延在する固体の透明な充填材料を含む、請求項1720のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項22】
前記測定領域(12)から前記光を受け取り、前記光を前記検出器(24)に向けて偏向させる検出器ミラー(44)を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項23】
前記検出器ミラーは、前記出力光軸(40)と一致する光を90°で偏向させる、請求項22に記載のセンサ。
【請求項24】
前記検出器ミラーは、前記出力光軸(40)と一致する光を90°+/-5°以内で偏向させる、請求項22に記載のセンサ。
【請求項25】
入力側(41a)、鏡面(42)、および出力側(41b)を有する第2の透明要素(14b)をさらに含み、前記鏡面(42)は前記検出器ミラー(44)を形成する、請求項22~24のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項26】
前記第1および前記第2の透明要素(14a、14b)は、互いに一体的に接続されて透明本体(14)を形成し、および/または
前記測定領域(12)は、前記第1の透明要素(14a)の前記出力側(28b)と前記第2の透明要素(14b)の前記入力側(41a)との間に位置し、および/または
前記測定領域(12)において、前記第1の透明要素(14a)の前記出力側(28b)は、前記第2の透明要素(14b)の前記入力側(41a)に対して、平行であり、および/または
前記センサはキャリアプレート(16)を含み、前記光源(22)および前記光検出器(24)は前記キャリアプレート(16)に取り付けられ、前記第1の透明要素(14a)の前記入力側(28a)および前記第2の透明要素(14b)の前記出力側(41b)は、両方とも前記キャリアプレート(16)に当接する、請求項25に記載のセンサ。
【請求項27】
前記第1および前記第2の透明要素(14a、14b)は、互いに一体的に接続されて透明本体(14)を形成し、および/または
前記測定領域(12)は、前記第1の透明要素(14a)の前記出力側(28b)と前記第2の透明要素(14b)の前記入力側(41a)との間に位置し、および/または
前記測定領域(12)において、前記第1の透明要素(14a)の前記出力側(28b)は、前記第2の透明要素(14b)の前記入力側(41a)に対して、+/-10°以内で平行であり、および/または
前記センサはキャリアプレート(16)を含み、前記光源(22)および前記光検出器(24)は前記キャリアプレート(16)に取り付けられ、前記第1の透明要素(14a)の前記入力側(28a)および前記第2の透明要素(14b)の前記出力側(41b)は、両方とも前記キャリアプレート(16)に当接する、請求項25に記載のセンサ。
【請求項28】
前記検出器(24)は、前記出力光軸(40)から距離(r0)に配置される、請求項1~27のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項29】
前記検出器(24)および前記光源(22)は、両方とも共通のキャリアプレート(16)に取り付けられる、請求項28に記載のセンサ。
【請求項30】
前記出力光軸(40)は前記測定領域(12)の中心と交差する、請求項1~29のいずれか一項に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長体、特に糸などの細長い繊維体の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのセンサは、例えば、糸、ワイヤ、または繊維の直径を測定するために使用される。細長体は、測定領域を通って導かれ、そこで透過して見られる。
【0003】
センサは、光源、コリメータ、測定スロット、および検出器を含む。コリメータは、測定領域を通って延伸する出力光軸を有する。コリメータは、光源からの通常発散する光を、前記光軸に沿って実質的に平行な光に変換する。そのようなセンサの例は、欧州特許第2827127号明細書に記載されている。光源、レンズ、および光センサは、1つの共通の光軸に沿って配置されている。
【発明の概要】
【0004】
従来技術に示すような構成要素の厳格な同軸配置は、センサの設計、位置合わせ、およびアセンブリを困難かつ高価にすることを認識しているので、本発明によって解決される問題は、より柔軟な設計を有するセンサを提供することである。
【0005】
この問題は、請求項1に記載のセンサによって解決される。したがって、センサは少なくとも以下の構成要素を含む。
-測定領域:これは、細長体を受け入れるために設計されたセンサの領域である。
-主放射方向に異方性遠方場強度を有する発散光源:この光源は、例えばLEDとすることができる。この文脈において、「主放射方向」という用語は、光源のすべての放射方向の加重平均であり、各放射方向は、その放射強度によって重み付けされる。
-光源と測定領域との間の光路に配置されたコリメータ:コリメータは、光源の中心と交差する入力光軸を有する。コリメータは、出力光軸をさらに有する。コリメータは、入力光軸上の前記光源からの光を出力光軸上に投射する。コリメータの機能は、測定領域においてコリメートされた光、すなわち、以下に規定されるように実質的に平行な光を生成することである。出力光軸は、測定領域の中心と交差してもよい。
-光検出器:この検出器は、コリメータによって放射されて、測定領域を透過した光を受け取る。
【0006】
本発明によれば、コリメータの入力光軸と出力光軸は非平行であり、光源の主放射方向は入力光軸と非平行である。
【0007】
入力光軸と出力光軸を非平行に配置すると、装置の光軸を「折り畳む」ことができる。
【0008】
しかしながら、そのような折り畳みは、通常、測定領域における放射照度の不均一な分布をもたらす。以下でさらに詳しく説明するように、このような幾何学的形状は、コリメータの伝達関数をシステムの折り畳み平面内で非対称にする。したがって、本発明は、光源の主放射方向をコリメータの入力光軸に沿わせずに配置することを提案する。これにより、測定領域の中心での放射照度が低下するが、主放射方向から離れた方向の光源の放射強度の非対称性を利用して、少なくとも部分的に、コリメータの伝達関数の非対称性を補償することができる。
【0009】
有利な実施形態では、少なくとも入力光軸および出力光軸の平面内において、以下の条件が満たされるべきである。
【0010】
光源の主放射方向に対して角度φを有する光源の中心から放射された光ビームが、位置x、yで測定領域を横切り、x、yは出力光軸に垂直な座標であり、出力光軸の位置において値x0、y0を有すると仮定する。I(x、y)が測定領域の位置x、yでの放射照度である場合には、I(x、y)はコリメータの伝達関数T(x、y)と光源の放射強度i(φ(x,y),θ(x,y))によって以下のように与えられる。
I(x、y)~T(x、y)i(φ(x、y)、θ(x、y))
【0011】
その場合、x=x0およびy=y0(すなわち、測定領域の中心)の場合、以下で説明するように、伝達関数T(x、y)および放射強度i(φ(x、y))は、次の2つの条件のいずれかを満たすべきである。
dT(x、y)/dy>0およびdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy<0または
dT(x、y)/dy<0およびdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy>0
【0012】
言い換えると、小さなΔy=y-y0の場合の光源の放射強度i(φ(x、y))とコリメータの伝達関数T(x、y)の変化は、反対の符号を有するので有利である。これにより、不均一な伝達関数T(x、y)の影響を少なくとも部分的に補償することができる。
【0013】
一実施形態では、コリメータは、光源からの光を偏向させるためのコリメーションミラーを含んでもよい。
【0014】
特に有利な実施形態では、コリメーションミラーは、少なくとも入力光軸がミラーと交差する点の周りで、(以下に規定されるような)放物線または放物面形状を有することができる。
【0015】
1つのクラスの実施形態では、センサは、入力側、出力側、および鏡面を有する第1の透明要素(光源からの光に対して透明であるという意味で)を含んでもよい。光源からの光は、入力側の入力面を通って第1の透明要素に入り、鏡面で反射され、出力側の出力面を通って透明要素を出て、前記測定領域に入る。入力面と出力面は、互いに横方向に配置される。したがって、第1の透明要素はコリメータを形成する。
【0016】
光源は、入力側に配置されたPCBなどのキャリアプレートに取り付けることができる。このキャリアプレートは、出力側に対して横方向に配置されている。有利には、キャリアプレートと出力面との間の角度は、70°~110°である。
【0017】
有利には、光源の主光軸は、キャリアプレートに対して、例えば+/-5°の精度内で、垂直に延在し、これにより構成要素の相互の機械的配置を簡素化する。
【0018】
有利には、検出器はコリメータの出力光軸から距離を置いて配置され、それにより光軸の位置に電子部品を取り付ける必要がなくなり、それにより設計をより柔軟にする。
【0019】
この場合、検出器と光源は、例えば、両方とも、共通のキャリアプレート、特に共通のPCBなどのフラットな共通のキャリアプレートに取り付けることができる。これにより、構成要素の取り付けが簡素化される。
【0020】
有利には、センサは、測定領域から光を受け取り、この光を検出器に向かって偏向させる検出器ミラーをさらに含む。これは、光を出力光軸から検出器に向けて偏向させることを可能にする簡素な実施形態である。
【0021】
センサは、細長体の直径を測定するのに特に適している。1つの有利な用途では、センサはヤーンクリアラーで使用される。
【0022】
他の有利な実施形態は、従属請求項および以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明はよりよく理解され、上記のもの以外の目的は、以下のその詳細な説明から明らかになるであろう。このような説明は、以下の添付の図面を参照している。
【0024】
図1】細長体に対して測定を行うためのセンサの図である。
図2】入力光軸および出力光軸の平面内における図1のセンサの断面図である。
図3図2の平面III-IIIに沿った断面図である。
図4】センサの光偏向の幾何学的配置を示す図である。
図5】焦点に等方性光源を備えた放物面鏡からの反射を示す図である。
図6】ミラーの伝達関数T(r)を示す図である。
図7】ランバート放射特性を有する光源の放射強度を示す図である。
図8】伝達関数T、放射強度i、それらの積T・i、および糸の位置の確率分布pを示す図であり、これらはすべて、位置rを放物面形状のミラーの焦点距離で割った関数として示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
コリメータは、光源の発散光を、測定領域内で実質的に平行な光ビームの場に変換する装置として理解されたい。
【0026】
これは、少なくとも光源の中心と交差し、前記入力光軸および出力光軸に平行な平面において、測定領域内の光ビームが実質的に平行であり、したがって細長体によって引き起こされるシャドウイングが、測定領域の統計的に予想される位置で、所望の測定精度内で、細長体の測定領域の壁からの距離から実質的に独立であると、理解されたい。
【0027】
有利には、測定領域における光の発散が非常に小さいので、領域Aを通って測定領域に入射する光は、測定領域を離れるときに領域A(1+e)以下に拡散され、ここでeは0.2より小さく、特に0.05より小さい。測定領域に高さH、長さL(細長体の伝搬方向に沿った)、および幅W(幅Wは、光場の平均伝搬方向に平行で、かつ細長体の長手方向軸に垂直な方向に沿って測定され、高さHは、幅Wと細長体に垂直な方向に沿って測定される)がある場合には、発散αは、例えば(線形近似で)次式により推定される。
【0028】
の場合には、例えばα≦2.9°、特にα≦0.7°となる。
【0029】
有利には、測定領域における光の平行性に関する上記の条件は、光源の中心と交差し、かつ前記入力光軸および出力光軸に平行な平面内の光に適用されるだけでなく、それに垂直で、光の平均方向に平行な平面内の光にも適用される。これにより、測定分解能を向上させ、および/またはより大きな測定領域および/またはより小さな検出器構成を使用することができる。
【0030】
ただし、有限サイズの光源からの光を完全にコリメートすることはできない。
【0031】
領域内のミラー上の2点間の線がミラーと交差せず、かつ少なくとも線の一部について、線が端点を除いてミラーに接触せず、ミラーの照らされた側に完全に残っている場合、その領域内でミラーは凹面になる。したがって、ミラーは少なくとも一方向に湾曲している。ミラーはまた、少なくとも2つの方向に湾曲していてもよい。
【0032】
ミラーが放物線形状を有するという表現は、光源の中心と交差し、入力光軸および出力光軸に平行な平面において、光源の中心が3次元の焦線に対応する放物線の焦点にある放物線に沿って、ミラーが延在するように理解されたい。
【0033】
ミラーが放物面形状であるという表現は、光源の中心が放物面の焦点にあり、ミラーが回転対称の放物面に3次元で従うように理解されたい。
【0034】
透明とは、それを通過する光源からの光の20%以下、特に10%以下を吸収または散乱するという意味で、光源の光に対して実質的に透明である本体を指すと理解される。透明な表面とは、それを通過する光源からの光の20%以下、特に10%以下を反射または散乱するという意味で、光源の光に対して実質的に透明である表面を指すと理解される。
【0035】
透明要素は、固体の透明本体である。
【0036】
測定領域は、細長体が配置されている領域を指定する。動作中、本体の位置は静止しておらず変動しているため、測定領域の幅と高さ(本体の長手方向軸に垂直な方向)はゼロではなく、本体の位置の統計的分布によって与えられる。糸の場合、幅と高さは、例えば3~4mmであってもよい。有利には、測定領域は、細長体が動作中に、少なくともその時間の90%、特に少なくともその時間の99%の間存在する領域に対応する。
【0037】
装置の例
図1図3は、長手方向11に沿って位置合わせされ、測定領域12に配置された細長い対象物10の特性を測定するための光学センサの実施形態を示す。この例では、対象物10は糸である。
【0038】
センサは、第1および第2の透明要素14a、14bを形成する透明本体14を含む。図示の実施形態では、2つの要素14a、14bは、互いに一体的に接続され、それにより、安定した、明確な相互整合を確実にする。
【0039】
本体14は、例えば、透明なプラスチック材料から鋳造またはモールドされる。
【0040】
キャリアプレート16は、本体14に隣接して配置されている。キャリアプレート16は例えば、プリント回路基板とすることができる。
【0041】
有利には、本体14は、正確な相互整合を確実にするために、直接的な方法でキャリアプレート16に機械的に接続される。図示の実施形態では、本体14の突起18は、それらの間の機械的隙間(圧入)がないか、または小さな隙間(光源の典型的な拡張および位置決め精度に匹敵する、またはそれよりも小さい、例えば200μm未満、特に100μm未満)で、キャリアプレート16の開口部20を貫通して延在して、2つの部分を相互に位置合わせする。
【0042】
光源22は、第1の要素14aに隣接するキャリアプレート16上に配置され、光検出器24は、第2の要素14bに隣接するキャリアプレート16上に配置される。
【0043】
本体14は、細長体10を受け入れるためのスリット26を形成する。スリット26は、第1の側26aおよび第2の側26bで開いており(図3を参照)、第1および第2の側26a、26bは、長手方向11に対して横方向、特に垂直である。
【0044】
さらに、スリット26は、細長体10を測定領域12に挿入するために、長手方向11に平行な第3の側26c(図2)で開いていてもよい。
【0045】
第1の透明要素14aは、入力側28aおよび出力側28bならびに鏡面30を有する。
【0046】
入力側28aは、有利には、キャリアプレート16に垂直な方向に沿って2つの部分を相互に位置決めするようにキャリアプレート16に当接する。
【0047】
光源22は、発散する異方性光源、特に、平坦な出口面を有することができるLEDである。光源22は、主放射方向23を有し、有利には、これは、容易かつ明確な取り付けのために、キャリアプレート16に対して垂直である。
【0048】
光源22からの光は、入力側28aの入力面31aを通って第1の透明要素14aに入り、鏡面30で反射され、出力側28bの出力面31bを通って第1の透明要素14aを出る。出力側28bは測定領域12に接している。
【0049】
上述のように、入力側28aおよび出力側28bは、互いに横向きである。
【0050】
有利には、キャリアプレート16と出力面31bとの間の角度は、70°~110°、特に90°である。
【0051】
第1の透明要素14aは、入力側28aに湾曲凹状窪み32を含む。これは、光源22に隣接して配置され、入力面31aを形成する。光源22と第1の透明要素14aの表面との間にエアギャップ(または少なくとも異なる屈折材料)がある場合には、湾曲凹状窪み32は、光源22からの光が第1の透明要素14aに入るときに屈折を低減する。
【0052】
有利には、前記屈折を最小化するために、湾曲凹状窪み32は、少なくとも光源22の中心22aと交差し、かつ以下に規定されるように入力光軸および出力光軸に平行な平面内において、円形の断面を有し、光源22の中心22aは、この円形断面の中心に位置している。
【0053】
鏡面30は、有利には、その光学反射率を高めるために、反射層(例えば、金属)でコーティングされる。鏡面30はコリメーションミラー34を形成する。
【0054】
第1の透明要素14aは、上述のようにコリメータ36を形成する。第1の透明要素14aは、光源22によって放射された発散光場を、測定領域12を通して送られる実質的に平行な光場に変換する。
【0055】
コリメータ36は、入力光軸38および出力光軸40を有し、これらの光軸は、上記の理由のために非平行である。
【0056】
定義により、入力光軸38と一致するコリメータ36に入る光ビームは、出力光軸40と一致するコリメータ36を出る。出力光軸40は、測定領域12の中心と交差する。
【0057】
有利には、光源22の中心22aは、入力光軸38上に位置している。
【0058】
第2の透明要素14bは、測定領域12から出てくる光を収集して、それを光検出器24に送るための光コレクタを形成する。
【0059】
第2の透明要素14bは、ここでも、入力面43aを備えた入力側41a、出力面43bを備えた出力側41b、ならびに鏡面42を有する。
【0060】
鏡面42は、有利には、その光学反射率を高めるために、反射層(例えば、金属)でコーティングされる。鏡面42は、光を測定領域12から検出器24に偏向させるための検出器ミラー44を形成する。
【0061】
測定領域12は、第1の透明要素14aの出力面31bと第2の透明要素14bの入力面43aとの間に位置する。
【0062】
有利には、第1の透明要素14aの出力面31bは、第2の透明要素14bの入力面43aに対して、少なくともそれらが測定領域12と境界を接するところで平行、特に+/-10°以内で平行である。
【0063】
出力面31bと入力面43aとの間のより大きな角度は、それに応じてミラー34、44を調整することによって達成され得る。
【0064】
同じ理由で、出力光軸40は、有利には、第1の透明要素14aの出力側28bに対して垂直である。
【0065】
第1の透明要素14aの入力側28aおよび第2の透明要素14bの出力側41bは、両方とも有利にはキャリアプレート16に当接する。有利には、第1の透明要素14aの入力側28aは、第2の透明要素14bの出力側41bの当接面と、特に±2mmまたはさらに良い精度で、同一平面上に(すなわち、共通平面内に)少なくとも1つの当接面を有する。
【0066】
動作中、細長体10が、長手方向11に沿って測定領域を通過する。細長体10は、光源22からの光によって照明され、測定領域を透過した光は、光検出器24によって測定される。細長い対象物10の厚さの変化により、透過光の量が変化する。厚さの変化は、光検出器24の信号で検出することができる。
【0067】
コリメータの設計
図4は、センサのいくつかの部分の構成とセンサ内の光の経路を示す。
【0068】
コリメータミラー34は、点線34’で示されるように、放物線または放物面形状を有する。光源22の中心22aは、この形状の焦点、すなわち、その頂点から焦点距離fでの形状の対称軸50上に配置される。
【0069】
したがって、中心22aによって放射された光ビームは、出力光軸40が対称軸50に平行である状態で、出力光軸40に沿ってコリメータミラー34から反射される。これは、コリメータミラー34が放物線形状を有する場合には、図4の平面内の光ビームに当てはまる。また、コリメータミラー34が放物面形状を有する場合には、この平面の外側の位置でも同様である。
【0070】
以下では、図1に示すような座標系を使用する。ここで、方向xは、入力光軸および出力光軸38、40の平面に垂直な方向を示し、この方向は(図示した実施形態では)細長体10の長手方向に対応する。方向yは、光軸40に垂直であり、入力光軸および出力光軸38、40の平面に対して平行である。方向zは、xおよびyに対して垂直である。
【0071】
z方向に関して回転対称である放物面ミラーの場合、図1に示すように、平面x、y内の半径rと方位角αを有する極座標系を代わりに使用する。
【0072】
コリメートされた光ビームは、方向zに沿って測定領域12を横切る。
【0073】
測定領域12における細長い対象物10の位置は完全には固定されていない。動作中、その位置は、図4の平面、すなわち、入力光軸38および出力光軸40を含む平面内で変動する可能性がある。そのような動きは、検出器24によって測定される信号に影響を与えるべきではない。この目的のために、センサは、特に図4に示すように、座標rに沿って、測定領域12の放射照度の均一性を改善しようとする。この座標rは、コリメータミラー34の放物面または放物線形状の対称軸50に対して垂直に延在する。対称軸50の位置ではr=0、測定領域12の中心ではr=r0であると仮定する。
【0074】
図5は、放物線鏡または放物面鏡の焦点に配置された等方性光源32’からの光がどのように反射され、座標rに沿って分散されるかを示している。分かるように、放射照度は、対称軸50からの距離が増加するにつれて減少する。
【0075】
したがって、そのようなコリメートミラーによって形成されるコリメータの伝達関数T(r)は、rの値が増加するにつれて減少する。放物面鏡と点光源の場合、コリメータの透過率を座標rの関数として次のように表すことができる。
ここで、fは放物面鏡の焦点距離である。
【0076】
図6は、T(r)をrの関数として示している。見て分かるように、r=r0の位置では、T(r)の勾配はゼロではない。すなわち、r>r0での値はr<r0での値よりも低くなる。
【0077】
LED、蛍光デバイス、量子ドットベースのデバイス、レーザダイオードなどの最新の光源は異方性である。本設計は、光源22の異方性を利用している。
【0078】
そのような光源の多くの一般的なタイプは、主放射方向23に沿って最大放射強度を有するランバート放射特性または類似の特性を有する。図7は、そのような光源22の放射強度i(φ)をプロットし、ここでφは主放射方向23に対する角度である。この図は、例として、光源22がランバート放射特性、すなわち
i(φ)/i(0)=cos(φ) (2)
を有すると仮定している。
【0079】
「プリミティブな」手法では、当業者は、光源22の主放射方向23をコリメータ36の入力光軸38に沿って、または対称軸50に沿って整列させようとするかもしれない。
【0080】
しかし、図6図7を組み合わせることで分かるように、r>r0およびr<r0の場合、測定領域12で放射照度I(r)が強く非対称になる。
【0081】
したがって、本センサでは、光源22の主放射方向23は、コリメータ36の光入力軸38と平行になるようには選択されない。むしろ、それらの間の角度δはゼロでないように選択される。
【0082】
実際、主放射方向23とミラー34の放物線または放物面形状との間の交点P1(図4を参照)が、入力光軸38と前記形状との交点P2よりも光源22の中心22aから離れるように、幾何学的形状が選択される。その場合、角度δの値の増加に伴う光源22の放射強度の減衰は、図6の伝達関数T(r)の勾配を打ち消すことになる。
【0083】
これは、測定領域の放射照度I(r)を定量的に解析するときに、よりよく理解される。
【0084】
まず、放物面での反射の場合では、光源22の中心は焦点にあって、その主放射方向23は対称軸50に垂直であり、図4に示すように、放物面鏡の対称軸と光ビームとの間の角度である角度φは、次のように位置rに依存することに留意されたい。
【0085】
式(1)および(3)を使用すると、測定領域12のyに沿った放射照度I(r)が、図8に示すように、伝達関数T(r/f)
を有することを示すことができる。この図は、α=90°の伝達関数T(r/f)と放射強度i(r/f)(ランベルト光源の場合)、およびそれらの積 T(r/f)・i(r/f)のプロットを示し、横軸はrをfの単位で表す。見て分かるように、放射照度Iに対応する積は、r/f=0.9でほぼフラットである。
【0086】
これは、ランベルト光源に当てはまる。しかし、光源の放射特性が異なる場合でも、光源の主放射方向23が対称軸50に垂直である場合には、i(r/f)は通常、r/f=0の場合は0になり、r/f=2の場合は最大になる。したがって、比R=r0/fが0.5~1.4、特に0.7~1.1、特に0.8~1.0になるように、測定領域の中心r0を選択することが有利である。
【0087】
上述したように、細長体10の位置は完全には固定されていない。むしろ、細長体10の位置は時間とともに変化し、図8は、細長体10がいつでも位置r/fにある確率を示している。見て分かるように、細長体10が存在する領域では、T(r/f)・i(r/f)は実質的に一定である。
【0088】
有利なことに、位置rに対する伝達関数Tおよび放射強度iの導関数が反対の符号を有する位置にあるようにするために、入力光軸38から出力光軸40までの偏向角βは90°より小さい。特に、偏向角αは80°よりも小さい、および/または30°よりも大きい。
【0089】
図4は、入力光軸38および出力光軸40の平面内における状況を示していることに留意されたい。それに直角な方向では、コリメータミラー34は、例えばフラットであってもよい。しかしながら、その場合、均一な放射照度は前記平面(図3の線II-IIで示される)でのみ達成される。
【0090】
照射均一性をさらに改善するために、コリメータミラー34は、有利には、前記平面に垂直な方向にも湾曲している。特に、コリメータミラー34は、有利には、上記で規定された放物面形状を有する。
【0091】
さらに、コリメータミラー34は、厳密な数学的意味で必ずしも正確に放物線または放物面形状を有する必要はないことに留意されたい。例えば、光源22の他の場所から放射された光のコリメーションを最適化するために、光源22の中心22aによって発せられた光ビームの完全なコリメーションからの小さな逸脱が許容される場合には、コリメータミラー34は異なる曲率を有してもよい。また、コリメートをサポートするために湾曲した入射面と出射面など、光コリメータ内で光ビームを成形するための追加の光学部品が導入されている場合は、厳密な放物線または放物面形状からの逸脱が許容され得る。
【0092】
しかしながら、有利には、コリメーションミラー34は、点P2の周りの領域、すなわち、入力光軸38と一致する光源22からの光がそれに当たる領域で、湾曲凹状、特に厳密に湾曲凹状(上記で規定)である。
【0093】
さらに、コリメータ36は、全くミラーなしで機能することもでき、例えば光源22がレンズ表面の少なくとも一部から軸外に配置されたレンズ設計に依存してもよいことに留意されたい。
【0094】
一般に、そのようなコリメータについては、依然として次式を得る。
【0095】
I(x、y)~T(x、y)i(φ(x、y)、θ(x、y))(5)
~は比例関係を表し、ここで、(x、y)はコリメータの出力の横座標であり、φ(x、y)およびθ(x、y)は出力で(x、y)に当たる光線の放射角度である。
【0096】
図4の方向rに対応する座標yに沿った状況を確認する。導関数dI(y)/dyは、次式で与えられ、
したがって
一般に、T(x、y)>0およびi(φ、θ)>0である。したがって、式(7)の最初の項は、第2項を少なくとも部分的に補償するには、測定領域12の中心x0、y0で、すなわちx=x0およびy=y0の位置で次式のようになる必要がある。
【0097】
dT(x、y)/dy>0かつdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy<0または(8a)
dT(x、y)/dy<0かつdi(φ(x、y)、θ(x、y))/dy>0(8b)
例えばy0について最適な位置は、式(7)の導関数がゼロとなるところである。すなわち
【0098】
実際には、式(9)で与えられる正確な等式は不要である。Δyをyに沿った測定領域の延長の半分、すなわち上記のようにH/2とすると、有利には、x=x0およびy=y0の位置、すなわち光軸40が測定領域と交差する位置において次式を得る。
ここで、しきい値tは0.2以下、特に0.1未満である。
【0099】
別の手法では、測定領域では、測定領域内のすべての座標x、yにわたる放射照度I(x、y)が20%以下、特に10%以下で変化する。
【0100】
図8に示すような放物面鏡の場合、十分に大きな焦点距離fを選択することにより、測定領域の所与の高さΔyにわたって十分に均一な放射照度を達成することができる。Imaxが測定領域の最大強度を示し、Iminが測定領域の最小の望ましい強度を示す場合(Imin/Imax>0.8、特に>0.9)には、座標r/f=R1およびR2が決定され、それぞれT(r/f)・i(r/f)=0.8または0.9である。これから、R1とR2はfの単位であるため、f=2*Δy/(R2-R1)になる。
【0101】
この文脈では、延長Δyは、例えば、細長い対象物10が測定中の時間の少なくとも90%の間存在する領域として定義される。
【0102】
したがって、一態様では、本発明は、条件(10)が維持されるセンサの動作方法に関する。
【0103】
検出器の設計
有利には、検出器ミラー44も、入射光を検出器24上に集中させるために、放物線または放物面形状を有する。その軸はコリメータミラー34の軸50に平行である。
【0104】
検出器24の中心は、その頂点からの焦点距離f’で、この放物線または放物面形状の焦点に位置する。したがって、出力光軸40に沿って伝搬するビームは、検出器24に集束される。
【0105】
しかしながら、検出器ミラー44は、測定領域12からの光を検出器の活性表面に送ることができる他のタイプの凸面ミラーであってもよい。
【0106】
また、図2および図4に示すように、検出器が角度依存の感度を有さない限り、上記の関係(9)に対応する条件が真になるように検出器ミラー44と検出器24を相互に位置合わせする理由はない。有利には、検出器ミラー44は、コンパクトで効率的な設計を達成するために、出力光軸40と一致する光を90°、特に+/-5°以内で偏向する。
【0107】
あるいは、例えばレンズによって測定領域12から検出器24に光を集束する場合、または、測定領域12からのすべての光を直接受け取るのに十分大きい検出器を使用する場合は、検出器ミラー44を省くことができる。
【0108】
注記
上記の例では、細長い対象物10は糸である。しかし、細長い対象物10はまた、ヤーン前駆体、ワイヤ、プライヤーン、またはファイバなどの別の対象物であってもよいことに留意されたい。
【0109】
細長い対象物10は、有利には、その長手方向軸11に対応する方向に測定領域12を通って移動している。
【0110】
上記の実施形態では、光軸40とキャリアプレート16は平行である。ただし、ミラーがしかるべく調整されている場合には、それらの間の角度がゼロ以外であってもよい。
【0111】
本発明の現時点で好ましい実施形態が示され、説明されているが、本発明はそれに限定されず、別段以下の特許請求の範囲内で様々に具体化および実施され得ることが明確に理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8