(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画像処理装置及び制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240912BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F3/12 331
B41J29/38 401
G06F3/12 303
G06F3/12 387
(21)【出願番号】P 2020128508
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐光 律人
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-040301(JP,A)
【文献】特開2020-055126(JP,A)
【文献】特開2019-036299(JP,A)
【文献】特開2017-016422(JP,A)
【文献】特開2017-56720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロキシサーバを経由して外部のネットワーク上の外部装置と通信する画像処理装置であって、
前記外部のネットワーク
上のクラウドプリントサービスと通信する
クラウドプリント機能
の接続先に関して、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する設定が有効に設定されている場合に前記
クラウドプリント機能に対応する接続先を、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する例外アドレスとして登録する登録手段と、
外部の接続先との通信を行う場合、前記例外アドレスに登録されているか否かに基づき、前記プロキシサーバを経由して、または、経由することなく前記接続先との通信を行うよう制御する通信制御手段と
、
シートに画像を印刷する印刷手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記クラウドプリントサービスに対して前記画像処理装置を登録する操作を受け付けた場合であって、前記クラウドプリント機能に関して前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する設定が有効に設定されている場合に、登録の対象の前記クラウドプリントサービスとの通信に用いる複数の接続先を、前記例外アドレスとして登録することを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記クラウドプリント機能に関して前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容するか否かを設定する設定画面を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項
1又は
2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記設定画面は前記クラウドプリントサービスの設定画面であり、前記設定画面は、前記クラウドプリント機能に関して前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容するか否かを設定する第1のオブジェクトと、前記クラウドプリントサービスに登録するプリンタ名を設定する第2のオブジェクトを少なくとも含むことを特徴とする請求項
3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記設定画面は、プロキシサーバに関する設定を行う設定画面であり、前記設定画面は、前記クラウドプリント機能に関して前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容するか否かを設定する第1のオブジェクトと、例外アドレスをユーザ操作に基づき入力するための第2のオブジェクトを少なくとも含むことを特徴とする請求項
3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記クラウドプリントサービスに対応する前記接続先には、前記クラウドプリントサービスへの前記画像処理装置の登録に使用する接続先と、印刷データの取得に使用する接続先が少なくとも含まれていることを特徴とする請求項
1乃至
5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
原稿を読み取って画像を得る読取手段を更に有し、
前記登録手段は、前記外部のネットワーク上のクラウドプリントサービスと通信するクラウドスキャン機能の接続先に関して、前記プロキシサーバを経由して通信する設定が有効に設定されている場合に前記クラウドスキャン機能に対応する接続先を、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容するアドレスとして登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の画像処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
プロキシサーバを経由して外部のネットワーク上の外部装置と通信する
、シートに画像を印刷する印刷手段を有する画像処理装置を制御する制御方法であって、
前記画像処理装置の登録手段が、前記外部のネットワーク
上のクラウドプリントサービスと通信する
クラウドプリント機能
の接続先に関して、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する設定が有効に設定されている場合に前記
クラウドプリント機能に対応する接続先を、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する例外アドレスとして登録する登録工程と、
前記画像処理装置の通信制御手段が、外部の接続先との通信を行う場合、当該接続先が前記例外アドレスに登録されているか否かに基づき、前記プロキシサーバを経由して、または、経由することなく前記接続先との通信を行うよう制御する通信制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロキシサーバを経由して通信する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの印刷サービスでは、ユーザがPC等のクライアント端末から印刷装置に直接印刷ジョブを送信することによって印刷を実現していた。一方、近年、インターネット上で提供されるクラウドサービスを利用したクラウドプリントサービスが提案されている。
【0003】
クラウドプリントを利用する際には、ユーザは印刷装置をクラウドプリント登録サービスにあらかじめ登録しておく。そしてクラウドプリントを行う際には、ユーザはクライアント端末からクラウドプリントサービスにログインし、登録した印刷装置のクラウドデバイスIDと印刷データとをクラウドプリントサービスに送信する。印刷の際には、印刷装置がクラウドデバイスIDを含む印刷ジョブ要求をクラウドプリントサービスに送信する。クラウドプリントサービスは、クラウドデバイスIDから管理している印刷装置を特定し、その印刷装置あてに送信されていた印刷データを含む印刷ジョブを印刷装置に送信する。印刷装置は受信した印刷ジョブを実行する。
【0004】
ところで、企業等では社内のイントラネットからインターネットへの通信はプロキシサーバを経由して通信する構成が一般的である。クラウドプリントサービスにおいても、通常、印刷装置はイントラネットに配置され、クラウドプリントサービスはインターネット上のサービスである。
【0005】
また、プロキシサーバを経由して通信を行う情報処理装置が知られている(特許文献1)。特許文献1には、プロキシアクセスのための設定として、プロキシサーバのIPアドレスやポート番号、プロキシ例外リスト等を設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、クラウドプリントサービスは印刷データをクラウドサーバとやり取りするために通信負荷が大きい。従って、印刷装置などの画像処理装置とクラウドプリントサービス間の通信を、プロキシサーバを経由するよう構成すると、通信プロキシサーバへの負荷が増大して印刷に時間がかかったり、失敗したりすることがある。これに対しては、クラウドプリントサービスへのアクセスをプロキシサーバ経由で行わないようにすることが対策になる。そのためには、管理者等のユーザが、印刷装置の通信設定であるプロキシ例外設定に対して、クラウドプリントサービスへアクセスするためのエンドポイント(接続先であり、例えばURL)を追加するといった装置運用を行うことが考えられる。
【0008】
しかしながら、クラウドプリントサービスのエンドポイント例えばURLは、印刷装置などの画像処理装置をクラウドプリントサービスへ登録する際に、クラウドプリント登録サービスから初めて通知される。つまり、プロキシ例外設定に追加するURLが事前に決まっていないため、ユーザがどのようなURLをプロキシ例外設定に追加すれば良いか事前に分からなかった。このためネットワーク設定に関する専門的な知識を持たないユーザにとっては、クラウドプリントを、プロキシサーバを経由せずに行うよう設定することは困難であった。さらに、クラウドプリント登録サービスから通知されたURLは画像処理装置において内部的に使用される接続先である。従って、エンドユーザが当該接続先を示すURLを確認することも困難であった。
【0009】
本発明は上述の問題点の少なくとも1つを鑑みて成されたものである。本発明の1つの側面としては、原則的にはプロキシサーバ経由した通信を維持しつつ、所定の機能に対応する接続先については例外的にプロキシサーバを経由させないような設定を簡易に行える仕組みを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の一側面によれば、プロキシサーバを経由して外部のネットワーク上の外部装置と通信する画像処理装置であって、
前記外部のネットワーク上のクラウドプリントサービスと通信するクラウドプリント機能の接続先に関して、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する設定が有効に設定されている場合に前記クラウドプリント機能に対応する接続先を、前記プロキシサーバを経由せず通信することを許容する例外アドレスとして登録する登録手段と、
外部の接続先との通信を行う場合、前記例外アドレスに登録されているか否かに基づき、前記プロキシサーバを経由して、または、経由することなく前記接続先との通信を行うよう制御する通信制御手段と、
シートに画像を印刷する印刷手段と
を有することを特徴とする画像処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1つの側面によれば、原則的にはプロキシサーバ経由した通信を維持しつつ、所定の機能に対応する接続先については例外的にプロキシサーバを経由させないような設定を簡易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態におけるクラウドプリントシステムの構成図
【
図2】実施形態における印刷装置のハードウェア構成図
【
図3】実施形態における印刷装置のソフトウェア構成図
【
図4】実施形態における印刷装置の操作パネル説明図
【
図6】クラウドプリンタ登録を行うための印刷装置の操作フロー図
【
図7】実施形態1における印刷装置のクラウドプリンタ設定を行うUI図
【
図8】クラウドプリンタ登録を行うためのクラウドプリント登録サービス操作フロー図
【
図9】実施形態1における印刷装置にてクラウドプリンタ設定の例外設定を変更したときのフローチャート
【
図10】実施形態1における印刷装置にてクラウドプリントサービスのプリンタ登録を行うときの処理を示すフローチャート
【
図11】実施形態1における印刷装置にてクラウドプリントサービスの印刷を行うときの処理を示すフローチャート
【
図12】実施形態2における印刷装置にて印刷装置のプロキシ設定を行うUI図
【
図13】実施形態2における印刷装置にて印刷装置のプロキシ設定の例外設定を変更したときのフローチャート
【
図14】実施形態1、実施形態2における印刷装置が使用するエンドポイント情報の一覧を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
●システム構成
図1はクラウドプリントシステムの構成を示すブロック図である。ローカルネットワーク(クライアントネットワークとも呼ぶ)1はルータ106によりインターネット108に接続され、インターネット108にはクラウドプリントサーバ109が接続されている。ローカルネットワーク1の外部のネットワーク上の装置を外部装置とも呼ぶ。クラウドプリントサーバ109にはクラウドプリント登録サービス102とクラウドプリントサービス103が含まれ、それぞれのサービスが提供される。なお、クラウドプリント登録サービス102とクラウドプリントサービス103とは別々のサーバにより提供されてもよい。
【0015】
ローカルネットワーク1はローカルエリアネットワークで構成されている。ルータ106には、ファイアウォール105を介して印刷装置101とクライアント端末100とが接続されている。またファイアウォール105にはプロキシサーバ104も接続されている。ローカルネットワーク1においては、原則的には、外部(すなわちインターネット108)との通信はプロキシサーバ104を介して行われるよう設定される。本実施形態では、画像処理装置の一例として印刷装置101を例示している。なお印刷装置101は複写機能やスキャン機能などを有する複合機であっても印刷機能のみを提供する単機能の印刷装置であってもよい。印刷装置は、プリンタあるいは画像形成装置などとも呼ばれる。あるいは情報処理機能に着目して情報処理装置と呼ぶこともある。また本実施形態及び実施形態2で印刷装置101の機能として説明する機能は汎用コンピュータなどの情報処理装置により提供され、情報処理装置と配下の印刷装置が協働することで情報処理装置により取得された印刷データの印刷を行う構成としてもよい。即ち、クラウドプリントサーバと、実際の印刷リソースを有する印刷装置との間で印刷データを中継するプリントサーバ等の印刷制御装置に本実施形態を適用することもできる。
【0016】
図2は印刷装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)202を含む制御部201は、印刷装置101全体の動作を制御する。CPU202は、ROM204やHDD214に記憶された制御プログラムをRAM203上に展開し、当該展開されたプログラムを読み出して実行して通信制御などの各種制御を行う。CPU202はプロセッサや処理装置或いは処理部などとも呼ばれる。ROM(Read Only Memory)204はデータを追加的に書き込み可能なプログラマブルROMであってよい。
【0017】
RAM(Random Access Memory)203は、CPU202の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD(Hard Disk Drive)214は、データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する不揮発性の記憶領域である。このように、CPU201、ROM204、RAM203、ストレージ114等のハードウェアは、いわゆるコンピュータを構成している。
【0018】
なお、本実施形態の印刷装置101では、1つのCPU202が1つのメモリ(RAM203)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のプロセッサ、メモリ、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ハードウェア回路を用いて一部の処理(例えば印刷画像の変換処理)を実行するようにしてもよい。
【0019】
プリンタインターフェース(I/F)206は、プリンタ207(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインターフェースを担う。プリンタ207は制御部201から受信した画像信号と印刷制御信号に基づき、図示省略の給紙カセットから搬送された紙などのシートに画像を形成する。画像が形成されたシートは図示省略の排紙トレイに排紙される。印刷の方式はトナーを紙に転写して定着させる電子写真方式であってもよいし、紙にインクを吐出して印刷するインクジェット方式であってもよい。
【0020】
また、スキャナI/F208は、スキャナ209(スキャナエンジン)からの読取画像信号を入力するインターフェースを担う。スキャナ208は、図示省略の原稿載置台に載置された原稿を読み取って画像信号を生成するスキャナデバイスである。印刷装置101でコピー処理を行う指示がなされた場合、CPU202は、スキャナI/F208より入力された画像信号を処理し、記録画像信号と印刷制御信号を生成する。続けて、生成した記録画像信号と印刷制御信号をプリンタI/F206を介してプリンタに出力する。プリンタは当該記録画像信号と印刷制御信号に基づき前述した印刷処理を行う。また、例えば、印刷装置101でスキャンデータを外部装置に送信する送信指示がなされた場合、CPU202は画像信号に基づき生成したファイルを外部装置に送信する。送信するファイルは画像ファイルを想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、PDFに対応するフォーマットのファイルや、画像に基づき生成されたドキュメントファイル(例えば、Word(登録商標)のフォーマットのファイルであってもよい。
【0021】
操作パネルI/F210は、操作パネル211と制御部201とを接続する。操作パネル211には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0022】
ネットワークI/F212はクライアント端末100やクラウドプリントサービス102などの外部端末に情報を送信したり、あるいはそれら外部装置から各種情報を受信したりする。本例ではローカルエリアネットワーク(LAN)I/Fであってよい。制御部201内の各ブロックはシステムバス205にて接続されている。
【0023】
クライアント端末100は汎用コンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどであってよい。例えばタブレット端末やスマートフォンであれば
図2の構成からプリンタI/F206及びプリンタ207、スキャナI/F208及びスキャナ209を省いた構成を持つ。またパーソナルコンピュータであれば、さらに操作パネルに代えてキーボードなどの操作部とディスプレイとを有する構成であってよい。
【0024】
図3は印刷装置101のソフトウェア構成を説明するための図である。
図3に示す各機能部は、印刷装置101が有しているCPU202が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0025】
操作制御部300は操作パネル211を制御する。操作パネル211に操作メニューを表示してユーザからの指示入力を待ち受け、受け付けた指示内容を他の機能部に通知し、指示結果を操作パネル211に表示する。
【0026】
クラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録処理を制御する。クラウドプリント制御部302はクラウドプリントサービス103から受信した印刷データ134を画像処理部306に印刷指示と共に転送する処理を制御する。
【0027】
WebUI制御部303はPC等からユーザがHTTPを用いてデバイスの設定操作を行うWebUIの制御を行う。プロキシ通信制御部304はプロキシ通信の制御を行う。
【0028】
記憶部305は、他の機能部からの指示により、指定されたデータをROM204やHDD214に記憶する。あるいは記憶しているデータを読み出す。記憶部305が管理するデータの例として、登録されているクラウドプリンタ情報がある。
【0029】
画像処理部306は、印刷ジョブを印刷用の画像データにレンダリングする処理を行う。印刷処理部307は、画像処理部306によってレンダリングされた画像データをプリンタI/F205を介してプリンタ307に画像信号として送信し印刷する処理を行う。
【0030】
クライアント端末100のソフトウェアは、オペレーティングシステムとデバイスドライバ、アプリケーションを含む。アプリケーションには、コンピュータを、後述する
図5のクライアント端末100として機能させるためのプログラムを含む。
【0031】
図4は印刷装置101の操作パネル211を説明するための図である。表示パネル405はLCD等を利用したタッチパネルである。ボタン401は印刷装置100を用いてコピーを行う際に押下するボタンであり、ボタン401を押下することにより表示パネル405にコピー操作画面が表示される。ボタン402は印刷装置101を用いてFAXを行う際に押下するボタンであり、ボタン402を押下することにより表示パネル405にFAX操作画面が表示される。ボタン403は印刷装置101を用いてスキャンを行う際に押下するボタンであり、ボタン403を押下することにより表示パネル405にスキャン操作画面が表示される。テンキー408は数字等を入力するために使用される。OKキー407は、表示パネル405の表示内容を決定する時などに使用される。方向キー406は、表示パネル405に表示されたメニューなどを選択する時などに使用される。ボタン409、410は、それぞれ白黒コピー、カラーコピーを実行する際に使用される。停止ボタン411は処理を停止する時に使用される。メニューボタン412は印刷装置101の設定を行うためのメニュー画面を表示する時に使用される。状況確認ボタン413は、印刷装置101が受信している印刷ジョブの一覧等、印刷装置101の状況を確認する時に使用される。
【0032】
ここで、上述した構成を有するクラウドプリントシステムにおいて、クラウドプリント登録時の印刷装置101の動作について2つの実施形態を用いて説明する。
【0033】
(実施形態1)
実施形態1は印刷装置101のクラウドプリント設定にプロキシ例外設定を持ち、設定を有効にすることで、クラウドプリントサービスで使用する通信先を自動的にプロキシ例外として追加できるようにした通信の設定方法に関するものである。
図5にクラウドプリントシステムにおける印刷装置の登録から印刷に至る処理シーケンスを示す。
【0034】
●クラウドプリント処理シーケンス
図5はクラウドプリントの処理シーケンスを説明した図である。印刷装置101はクラウドプリント機能と、印刷装置101を操作するためのWebUI機能をサポートしているものとする。クライアント端末100はクラウドプリントクライアント機能と、WebUIを操作するためのWebUIクライアントをサポートしているものとする。なお
図5はすべてのメッセージを表しているとは限らず、説明の煩雑さを避けるために省略したメッセージもある。またWebUI機能を利用できない場合には、WebUIクライアントを利用しているところを、印刷装置101の操作パネル211を用いてもよい。さらに、
図5には示していないが、クライアント端末100および印刷装置101と、クラウドプリント登録サービス102およびクラウドプリントサービス103との間には、プロキシサーバ104が介在することがある。
【0035】
ユーザはまずクライアント端末100のWebUIクライアントを利用して、印刷装置101にWebUI経由でクラウドプリント登録要求111を送信する。
図6の画面601に登録要求送信時のクライアント端末101に表示される画面例を示す。画面601で登録ボタン606をタッチすることで、クラウドプリント登録要求111が送信される。以降、本実施形態では、画面上に表示されるボタンや情報を提示するラベル等をオブジェクト又は表示オブジェクトとも呼ぶものとする。印刷装置101は、クラウドプリント登録要求111を受信すると、クラウドプリント登録サービス102にクラウドプリント登録要求112を送信する。クラウドプリント登録要求112にはクラウドプリント登録サービス102が印刷装置101を特定するためのデバイスID135が含まれている。デバイスID135は印刷装置101が生成したものである。クラウドプリント登録サービス102はクラウドプリント登録要求112を受信すると、クラウドプリント登録用の確認URL130とユーザコード136を含むクラウドプリント登録応答113を印刷装置101に送信する。印刷装置101はクラウドプリント登録応答113を受信すると、クライアント端末100にWebUI機能経由でクラウドプリントサービスURLを含む登録確認URL表示画面情報114を送信する。
【0036】
クライアント端末100は登録確認URL表示画面情報114を受信すると、WebUIクライアントにて、確認URL130とユーザコード136とを含む確認URL表示画面を表示する。
図6の画面611にその例を示す。画面には、登録確認URL612(130)とユーザコード613とが表示されている。このうち登録確認URL612はリンク付きで表示されている。ユーザはクライアント端末100のWebUIクライアントを操作し、登録確認URL612にタッチすることでクラウドプリント登録サービス102の登録確認URL130にアクセスする。それに応じてクライアント端末101はユーザコード入力画面を受信して表示する。
図8の画面801にその例を示す。ユーザコードが入力されてOKボタン803がタッチされると、クライアント端末100はクラウドプリント登録サービス102に、クラウドアカウント131とユーザコード136とを含むクラウドプリント登録承認要求115を送信する。
【0037】
クラウドプリント登録サービス102は、ユーザがログインして入なければ、ログインのための画面情報をクライアント端末100に送信する。クライアント端末100では、ユーザが、受信した画面情報に基づいて表示された画面で当該ユーザのクラウドアカウント131のユーザIDとパスワードとを入力し、ログイン140を行う。
図8の画面811にその例を示す。該当するアカウントがあればそのユーザはクラウドプリント登録サービス102により認証され、登録承認要求は受理されることとなる。
【0038】
クラウドプリント登録サービス102は、認証されたユーザからのクラウドプリント登録承認要求115を受信すると、あるいは送信元のユーザが認証されると、クラウドプリント登録承認応答116をクライアント端末100に送信する。クラウドプリント登録承認応答116を受信したクライアント端末100が表示する画面の例を
図8の画面821に示す。またそのときにOKボタン822をタッチした際の画面を
図8の画面831に示す。
【0039】
印刷装置101は、クラウドプリント登録サービス102にクラウドプリント登録確認要求117を送信する。この送信は、たとえばクライアント端末100でクラウドプリント登録を行ったユーザによる印刷装置100の操作に応じて行われてよい。あるいはクライアント端末100からのメッセージに応じて行われてもよい。あるいは、クラウドプリントサービス登録応答113受信後に、クラウドプリントサービス登録確認応答118があるまで定期的に送信していてもよい。クラウドプリント登録サービス102はクラウドプリント登録確認要求117を受信すると、送信元の印刷装置101が登録済みであれば、クラウドプリント登録確認応答118を送信する。クラウドプリント登録確認応答118は印刷装置101にクラウドデバイスID132とクラウドプリントサービスURL137とを含む。ここでクラウドプリントサービスURL137は予め用意されたURLではなく、登録要求に応じてクラウドプリント登録サービス102により生成されたURLであってよい。
【0040】
この段階で印刷装置101はクラウドプリントサービス103に登録された状態となりクラウドプリントを利用可能な状態となる。
【0041】
クラウドプリントを行おうとするユーザは、クライアント端末100を用いてクラウドプリントサービス103にクラウドアカウント131でログイン(141)する。そして、クラウドデバイスID132と印刷データ134とを含む印刷要求119をクラウドプリントサービス103に送信する。これにより印刷装置101によるクラウドプリントの対象となる印刷データがクラウドプリントサービス103により保存される。
【0042】
印刷装置101はクラウドプリントサービス103にクラウドデバイスID132を含む印刷ジョブ要求120を送信する。この送信は、たとえば印刷装置101により印刷するための印刷データをクラウドプリントサービス103に登録したユーザ、または登録を知らされたユーザによる印刷装置100の操作に応じて行われてよい。印刷ジョブ要求120を受信したクラウドプリントサービス103は、印刷ジョブ要求120にて送信されたクラウドデバイスID132からクラウド上で管理されている印刷装置100を特定する。そして、その印刷装置100あてに送信されている印刷データ134とその印刷データ134を送信したクラウドアカウント131とを含む印刷ジョブ応答121を印刷装置101に送信する。
【0043】
印刷装置101は受信した印刷データ134をクラウドアカウント131の印刷ジョブとして印刷する。
【0044】
以上の手順で印刷装置をクラウドプリントサービスに登録し、クラウドプリント機能を提供することができる。ここで、クライアント端末100および印刷装置101と、クラウドプリント登録サービス102およびクウドプリントサービス103との間には、プロキシサーバ104が介在することがあるのは前述したとおりである。本実施形態では、クラウドプリントサービスへの印刷装置の登録時あるいは登録後に、プロキシ設定の変更を簡単に行うことができる。以下、設定方法あるいは設定変更方法について説明する。
【0045】
●クラウドプリント登録時の操作画面例
図6はクラウドプリントの登録処理を行うための印刷装置101の操作画面を示す図である。
図1においても表示されるタイミングについては言及したがここでその内容についてより詳しく説明する。
図6の操作画面は表示パネル211上に表示されるUIであっても、印刷装置101内部で動作するWebサーバにPC等からアクセスすることで操作を行うWebUIであっても良い。なお、以降の説明においてUIはWebUIを前提として説明する。
【0046】
画面601は、クラウドプリントの設定、登録を行うための画面である。クライアント端末100のウエブブラウザから印刷装置101が提供するWebUIのURL(ユニバーサルリソースロケータ)にアクセスすることで、印刷装置101が有するウェブサーバ機能により提供される。クラウドプリント設定602はクラウドプリント機能の有効無効設定を示す。プリンタ名603はクラウドプリントサービスに登録されるプリンタ名を示す。エンドポイント604はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントを示す。編集ボタン605を押下すると、クラウドプリントの使用602、プリンタ名603、クラウドプリント登録サービスのエンドポイント604の設定を変更する画面に遷移する。登録状態607はクラウドプリントの登録状態を示す。未登録状態であれば「未登録」と表示され、登録済み状態であれば「登録済み」と表示される。プロキシ設定608は、クラウドプリントの通信を、プロキシを介さずに行う例外設定とすることか否かを示す。例外設定であればオン、デフォルト設定であればオフとなる。
【0047】
画面601において登録ボタン606を押下すると、印刷装置はクラウドプリント登録要求112をクラウドプリント登録サービス102に送信し、その応答であるクラウドプリント登録応答113を受信する。クラウドプリント登録応答113を受信すると、操作画面は画面611に遷移する。
【0048】
画面611はクラウドプリントの登録を行うための確認URL130とユーザコード136を表示する画面である。Verification URL612は確認URL130を示す。User Code613はユーザコード136を示す。
【0049】
ここで、ユーザが表示された確認URL130にアクセスし、ユーザのクラウドアカウント131でログインを行った後、ユーザコード136を入力すると登録が完了する。この後、操作画面は
図7の画面701に遷移する。また、登録解除ボタン614を押下すると、印刷装置101は登録処理の中断を行う。
【0050】
図7の画面701は、実施形態1における印刷装置101のクラウドプリントサービスへの登録がされた状態で、クラウドプリントの設定および/または登録を行うための画面である。画面601は、いまだに登録された印刷装置がない状態で表示される画面であるのに対して、
図7の画面701ではすでに登録済みの印刷装置がある状態で表示される画面である点で、画面601と画面701とは相違している。クラウドプリント設定702はクラウドプリント機能の有効無効設定を示す。プリンタ名703はクラウドプリントとして登録される印刷装置の名称や型番などを示す。エンドポイント704はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントを示す。プロキシ設定708はクラウドプリントサービスの通信先をプロキシ例外対象にするか否かを示す。例外であればオン、例外でなければオフが設定される。登録状況807は印刷装置の登録状況を示し、画面701では登録済みとなっている。
【0051】
画面701において編集ボタン705を押下(あるいはタッチ)すると、クラウドプリントの設定変更画面711に遷移する。登録解除ボタン706を押下するとクラウドプリント登録の解除を開始する。画面711は、実施形態1における印刷装置101のクラウドプリントの設定を変更するための画面である。
【0052】
クラウドプリント設定712ではクラウドプリントの有効無効状態を、オンまたはオフのいずれかをチェックすることで変更することができる。クラウドプリント設定712のOn/Offを切り替えることにより、クラウドプリントの有効無効状態が切り替わる。
【0053】
プリンタ名713ではクラウドプリントとして登録されるプリンタ名を変更することができる。エンドポイント714ではクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントを変更することができる。
【0054】
プロキシ設定718では、クラウドプリントサービスの通信先をプロキシ例外対象にするか否かの設定を、オンまたはオフのいずれかをチェックすることで変更することができる。たとえば
図5のクラウドプリント登録要求111を送信する前に、画面601で編集ボタン605をタッチし、デフォルトでオフにセットされたプロキシ設定618をオンにすることができる。また登録が終わった後であっても、印刷装置101が提供する登録用のURLにアクセスして画面701を表示させ、画面701から同様に設定を変更できる。
【0055】
このようにしてプロキシ設定を変更することで、これから所定の機能、ここではクラウドプリントサービスに対応する接続先すなわちエンドポイントを、プロキシ例外設定として登録できる。これにより、クラウドプリントサービスに登録する印刷装置あるいは登録済みの印刷装置とエンドポイントとの間の通信を、プロキシサーバを経由せずに行うことができるようになる。
【0056】
図8はクライアント端末100がクラウドプリント登録を完了するためにクラウドプリント登録サービス102を操作する画面である。なおウェブUIを用いず操作パネル211を用いる場合には、
図8の画面は操作パネル211に表示されてもよい。
【0057】
画面801はクライアント端末100のWebブラウザ等で確認URL130にアクセスしたときに表示される画面を示した図である。画面801はクラウドプリント登録確認のための画面情報114の受信に応じて表示される。フィールド802はユーザがユーザコード136を入力するための入力フィールドである。ユーザがフィールド802にユーザコード136を入力しOKボタン803を押下すると、クラウドプリント登録承認要求115が送信され、それに対するユーザの確認要求を受信すると画面811に遷移する。
【0058】
画面811はプリンタを登録するユーザ情報を入力する画面である。ユーザは予め登録しているクラウドアカウント131をユーザ名入力欄812に、パスワードをパスワード入力欄813に入力する。そしてloginボタン814を押下すればログイン140が送信される。ログインに成功し、プリンタの登録に成功すると、クラウドプリント登録承認応答116を受信して画面821に遷移する。
【0059】
画面821はクラウドプリントサービスにログインしたときの画面である。すなわちクラウドプリント登録承認応答116受信後に表示される画面である。ログイン名823にログイン名が、テナント名824にそのログインユーザが所属するテナント名がそれぞれ表示される。ここで、クラウドプリントの登録が完了されたことを示すメッセージが表示され、OKボタン822を押下すると、画面831に遷移する。
【0060】
画面831はログインユーザの情報に関するクラウドサービスが一覧できる画面である。一覧832には、ユーザが使用できるクラウドプリンタの一覧が表示される。画面831では例として、MFP101とSFP102という2つのクラウドプリンタが使用できることが分かる。また、それぞれのクラウドプリンタのステータスもidle、processingというように参照することができる。
【0061】
●プロキシ設定変更処理
図9は実施形態1における印刷装置101にて、クラウドプリンタ設定のプロキシ設定を変更したときのフローチャートである。
図9のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、CPU202がROM204またはHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。なお、また、処理の主体を明確にしたいケースにおいては、
図3で説明下CPU202により実行されるソフトウェアモジュールを主語として説明する。以降、後述する
図10、11、13のフローチャートについても同様にCP202がROM203またはストレージ214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものとする。
【0062】
また
図9のフローチャートは、例えば
図7に示したクラウドプリント設定画面711において、プロキシ設定718がオフからオンに変更するユーザ操作を受け付けた場合に実行されるものとする。
【0063】
設定変更の操作に応じて、S901にて記憶部305はHDD214に保存されているクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントとクラウドプリントサービス103のエンドポイントを読み出す。設定変更の操作はクライアント端末100または操作パネル211のユーザインターフェースからおこなわれる。S902にて、読み出した2つのエンドポイント情報をプロキシ設定の例外アドレスとしてHDD214に保存(登録)する。このとき変更されたプロキシ設定の値も、オフを示す値からオンを示す値に変更されて保存されてよい。具体的には、記憶部305は、HDD215に格納された例外アドレスのリストに例外アドレスを追加登録する。本実施形態では、例外アドレスとは、プロキシサーバを経由せず通信することを許容するアドレス(URL)を示すものとする。当該例外アドレスが登録されたリストは後述のフローチャートなどで適宜参照される。以降、HDD214の例外アドレスのリストに追加登録することを、単に例外アドレスをHDD214に保存するとも呼ぶ。
【0064】
なお逆にプロキシ設定がオンからオフに変更された場合には、プロキシ設定の値を変更後の値に代えて保存するとともに、例外アドレスのリストからプロキシ設定の例外アドレスとして保存された、設定対象のエンドポイント情報を消去すればよい。
【0065】
このようにして、クライアント端末100や操作パネル211から、プロキシ設定を変更することができる。プロキシ例外設定がオンに設定されたクラウドプリントサービスについては、それ以降、クラウドプリントサービスに対する印刷ジョブ要求の送信やクラウドプリントサービスからの印刷ジョブの受信はプロキシサーバ104を介することなく行われる。他方、プロキシ例外設定がオフに設定されたクラウドプリントサービスについては、それ以降、クラウドプリントサービスに対する印刷ジョブ要求の送信やクラウドプリントサービスからの印刷ジョブの受信はプロキシサーバ104を介して行われる。
【0066】
なお上記例ではクラウドプリントサービスのエンドポイントが登録されてから、プロキシ例外設定を選択することで、クラウドプリントサービスのエンドポイントがプロキシ例外設定として登録される手順を説明した。しかしながら、この順序は逆であってもよい。すなわち、クラウドプリントサービスのエンドポイントが登録されたときにもプロキシ例外設定が選択されているか判定し、選択されていればクラウドプリントサービスのエンドポイントをプロキシ例外設定として登録してもよい。
【0067】
●プリンタ登録処理
図10は実施形態1における印刷装置101にてクラウドプリントサービスのプリンタ登録を行うときの処理を示すフローチャートである。
図10は、
図5のクラウドプリント要求112の送信からクラウドプリント登録確認応答118の受信までの印刷装置101による処理手順に相当する。
【0068】
ユーザによる操作に応じて、S1000にて記憶部305はHDD214に保存されているデバイスID、クラウドプリント登録サービス102のエンドポイント、プロキシ例外設定を読み出す。ユーザによる操作は操作パネル211またはクライアント端末100で行われるが、印刷装置101における処理における設定処理については変わることがないので、この説明ではユーザインターフェースについては特に言及しない。
【0069】
S1001にてクラウドプリント登録制御部301は読み出したデバイスIDを使用しクラウドプリント登録要求112を生成する。
【0070】
S1002にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントがプロキシ例外設定に含まれるか判断する。
【0071】
判断の結果が
YESである場合、S1003にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録要求112をクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントに直接送信する。そしてS1004にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録応答113をクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントから直接受信する。なお
図10においては、説明の簡潔のために「エンドポイント」は省略している。他のステップにおいても同様の場合がある。
【0072】
判断の結果がNOである場合、S1005にてプロキシ通信制御304はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイント宛のクラウドプリント登録要求112をプロキシサーバ104に送信する。そしてS1006にてプロキシ通信制御部304はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントが送信したクラウドプリント登録応答113をプロキシサーバ104から受信する。
【0073】
S1007にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録要求応答を解析し、登録要求が成功したかどうかを判断する。判断の結果がNOである場合、処理を終了する。
【0074】
S1007での判断の結果がYESである場合、S1008にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録応答113に含まれる確認URL130とユーザコード136とをRAM203に保存する。この後クライアント端末100とクラウドプリント登録サービス102との間では、クラウドプリント登録承認要求/応答の手順が行われてプリンタの登録が完了する。
【0075】
印刷装置101ではこれに引き続いてクラウドプリント登録確認の手順を実行する。S1009からS1015は登録確認が完了するまで登録確認を行う繰り返し処理である。
【0076】
S1010にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントがプロキシ例外設定に含まれるか判断する。判断の結果がYESである場合、S1011にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録確認要求117をクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントに直接送信する。そしてS1012にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録確認要求応答118をクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントから直接受信する。
【0077】
一方S1010での判断の結果がNOである場合、S1013にてプロキシ通信制御部304はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイント宛のクラウドプリント登録確認要求117をプロキシサーバ104に送信する。そしてS1014にてプロキシ通信制御部304はクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントが送信したクラウドプリント登録確認応答118をプロキシサーバ104から受信する。
【0078】
S1015にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録確認応答118を解析し登録確認が成功したがどうか判断する。成功していない場合、S1009から処理を繰り返す。成功している場合、S1016にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリント登録確認応答118に含まれるクラウドデバイスID132とクラウド印刷サービスURL137をHDD214に保存する。
【0079】
S1017にてクラウドプリント登録制御部301はクラウドプリントのプロキシ例外設定がONかどうか判断する。ONである場合、S1017にて記憶部305はクラウド印刷サービスURL137をプロキシ設定の例外アドレスとしてHDD214に保存する。
【0080】
上記手順によって、プロキシ例外設定として登録されたエンドポイントとの通信については、プロキシサーバ104を介することなく通信する。
【0081】
●クラウドプリントの実行
図11は実施例1における印刷装置にてクラウドプリントサービスの印刷を行うときの処理を示すフローチャートである。この処理は
図5の印刷ジョブ要求120の送信から印刷ジョブ応答121の受信および印刷実行までに印刷装置101により実行される処理に相当する。
【0082】
S1100にて記憶部305はHDD214に保存されているクラウドデバイスID、クラウドプリントサービスのエンドポイント、プロキシ例外設定のリストを読み出す。
S1101にてクラウドプリント制御部302は印刷ジョブ要求120を生成する。
【0083】
S1102にてクラウドプリント制御部302はクラウドプリントサービスのエンドポイントがプロキシ例外設定のリストに含まれるか判断する。判断の結果がYESである場合、S1103にてクラウドプリント制御部302は印刷ジョブ要求120をクラウドプリントサービスのエンドポイントに直接送信する。そしてS1104にてクラウドプリント制御部302は印刷ジョブ応答121をクラウドプリントサービスのエンドポイントから直接受信する。
【0084】
S1102での判断の結果がNOである場合、S1105にてプロキシ通信制御部304はクラウドプリントサービスのエンドポイント宛の印刷ジョブ要求120をプロキシサーバに送信する。そしてS1106にてプロキシ通信制御部304はクラウドプリントサービスのエンドポイントが送信した印刷ジョブ応答121をプロキシサーバから受信する。
【0085】
S1107にてクラウドプリント制御部302は印刷ジョブ応答121から印刷データ134を抽出する。S1108にて印刷処理部307は受信した印刷データ134を印刷する。
【0086】
上記手順によって、プロキシ例外設定に登録されたエンドポイントとの通信、特に印刷ジョブを含む通信について、プロキシサーバ104を介することなく行える。このため、プロキシサーバ104における通信の負荷を軽減し、通信の遅延や障害を防止できる。またプロキシ例外設定は、例えば
図7で説明したように設定画面のチェックボックスを操作するだけであり、その操作性や利便性は非常に高い。このため、操作を行うユーザがネットワーク設定に関する特別な知識やプロキシ例外設定の対象とするエンドポイントに関する知識を持たなくとも、容易かつ誤りなく設定を行うことができる。
【0087】
(実施形態2)
実施形態2では、印刷装置101のプロキシ設定に機能単位あるいはアプリケーション単位でプロキシ例外設定の対象にするか否かを制御する設定を持つ。プロキシ例外設定を有効にすることで、当該アプリケーションの通信先を自動的にプロキシ例外として追加できるようにしたものである。
図12は実施形態2における印刷装置101にて印刷装置101のプロキシ設定を行うUI図である。
【0088】
ホーム画面1200でユーザが設定/登録ボタン1201を押下すると、操作制御部300は設定/登録画面1210を表示する。設定/登録画面1210では印刷装置101の各種設定を行うことが可能である。本実施形態ではIPv4設定、IPv6設定、RAW印刷設定、LPD印刷設定、HTTPプロキシ設定等を行うことが可能である。ユーザは設定/登録画面1210にて、HTTPプロキシ設定ボタン1211を押下する。
【0089】
HTTPプロキシ設定ボタン1211が押下されると、操作制御部300はHTTPプロキシ設定画面1220を表示する。操作制御部300は、HTTPプロキシ設定画面1220にて、プロキシを使用するか否かの選択ボタン1221、プロキシサーバアドレス1222、プロキシサーバポート番号1223、プロキシ認証を使用するか否かの選択ボタン1224を表示する。さらに操作制御部300は、HTTPプロキシ設定画面1220に、プロキシ例外設定を設定するためのボタン1225を表示する。
【0090】
プロキシ例外設定ボタン1225が押下されると、操作制御部300はHTTPプロキシ例外設定画面1230を表示する。プロキシ例外アドレス1231には、プロキシ例外とする対象のアドレスを設定することができる。印刷装置101のプロキシ通信制御部604は、ここで設定されたHTTPプロキシ設定に従い通信を行う。
【0091】
プロキシ例外機能選択ボタン1232では、プロキシ例外設定の対象とする機能を設定することができる。ここではクラウドプリントとuniFLOW onlineという機能についてプロキシ例外設定を行うことができる。プロキシ例外設定をONにすると、その機能の通信はすべてプロキシを経由せず行われる。すなわち、対象となる機能のエンドポイントをプロキシ例外アドレスとして登録した場合と同様に通信が行われる。
【0092】
このようにしてリストから選択した機能についてプロキシ設定を変更することで、選択された機能、たとえばクラウドプリントサービスに対応する接続先すなわちエンドポイントを、プロキシ例外設定として登録できる。これにより、クラウドプリントサービスに登録する印刷装置あるいは登録済みの印刷装置とエンドポイントとの間の通信を、プロキシサーバを経由せずに行うことができるようになる。
【0093】
図13は実施形態2における印刷装置にて印刷装置のプロキシ例外設定画面1230で、プロキシ例外機能ボタン1232にてクラウドプリントをOFFからONへと変更したときのフローチャートである。この処理はCPU202で実行される。S1301にて記憶部305はHDD214に保存されているクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントとクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントを読み出す。S1302にて記憶部305は読み出した2つのエンドポイント情報をプロキシ設定の例外アドレスとしてHDD214に保存する。これにより、プロキシ例外設定を簡易に行うことができる。
【0094】
図13についても
図9と同様、プロキシ例外設定をオンにした状態でクラウドプリントサービスを登録した場合にも、登録されたクラウドプリントサービスにはプロキシ例外設定が適用されてよい。
【0095】
実施形態2における印刷装置101にてクラウドプリントサービスのプリンタ登録を行うときの処理を示すフローチャートは
図10で説明したフローチャートと同じであるため省略する。また実施形態2における印刷装置101にてクラウドプリントサービスの印刷を行うときの処理を示すフローチャートは
図11で説明したフローチャートと同じであるため省略する。
【0096】
図14は実施形態1および実施形態2における印刷装置101が使用するエンドポイント情報の一覧である。
【0097】
クラウドプリント登録サービスのエンドポイントは、
図5で説明したクラウドプリント登録サービス102のエンドポイントである。これは固定的に決まるURLである。
【0098】
クラウドプリントサービスのエンドポイントは、
図5で説明したクラウドプリントサービス103のエンドポイントである。これはクラウドプリント登録時にクラウドプリント登録サービス102から取得されるURLである。
【0099】
クラウドプリントイベント通知サービスのエンドポイントは、印刷装置101がジョブ受信や、ジョブキャンセルのイベントを取得するために使用するエンドポイントである。これはクラウドプリント登録時にクラウドプリント登録サービス102から取得されるURLである。
【0100】
クラウドプリント認証サービスのエンドポイントは、印刷装置101が各種クラウドプリントサービスにアクセスするための認証情報(Oauth2.0のトークン情報など)を取得するために使用するエンドポイントである。これはクラウドプリント登録時にクラウドプリント登録サービス102から取得されるURLである。
【0101】
なお、登録完了時に確定するURLは乱数などに基づき生成された文字列などを含んでいてもよい。本実施形態では、クラウドプリントサービス102とクラウドプリント登録サービス103に加えて、クラウドプリントイベント通知サービスおよびクラウドプリント認証サービスそれぞれのエンドポイントも一括してプロキシ例外設定に加えてもよい。このようにクラウドプリントサービスに関するエンドポイントを一括してプロキシ例外設定として登録することができるので、より利便性を高めることができる。
【0102】
以上説明したように、実施形態1,2によれば、プロキシ例外設定として登録されたエンドポイントとの通信、特に印刷ジョブを含む通信について、プロキシサーバ104を介することなく行える。このため、プロキシサーバ104における通信の輻輳を軽減し、服装に伴う通信の遅延や障害を防止できる。またプロキシ例外設定は、クラウドプリントサービスの登録画面や、ネットワーク設定画面で選択操作を行うだけであり、その操作性は非常に高い。このため、操作を行うユーザがネットワーク設定に関する特別な知識やプロキシ例外設定の対象とするエンドポイントに関する知識を持たなくとも、容易かつ誤りなく設定を行うことができる。
【0103】
[変形例]
印刷装置101のようにスキャナを備える多機能装置の場合、クラウドプリントサービスを提供するクラウドプラットフォームに対して、クラウドスキャナとしても登録される場合がある。本実施形態における、クラウドスキャンサービスとは、クラウドプラットフォームが提供するクラウドストレージに対してスキャナで原稿を読み取って得られたスキャンデータを送信するサービスである。印刷装置101がクラウドスキャナとしてクラウドプラットフォームに登録する場合、上述したクラウドプリントサービスへ印刷装置101を登録する場合と同様の問題が発生する。この問題を踏まえ、印刷装置101がスキャンサービスのクラウドスキャナとしても登録される場合、クラウドスキャンサービスとの通信に必要なエンドポイント(URL)についても一括してプロキシ例外設定に登録するよう構成してもよい。本変形例で登録されるスキャンのために登録されるエンドポイントは、クラウドプラットフォームのクラウドスキャンサービスにアクセスするためのクラウドストレージにアクセスするためのエンドポイントなどを想定している。また、第2の実施形態に適用することもできる。この場合、
図12の画面にクラウドスキャンサービスとの通信に用いるエンドポイント(URL)を例外アドレスに設定するかどうかの項目を設けるよう構成する。例外アドレスとして設定する操作がなされた場合の処理は、
図12、13を用いて説明したクラウドプリントサービスの場合と同様であるため説明を省略する。なお外部のネットワークで提供されるクラウドスキャンサービスと通信するための機能をクラウドスキャン機能と呼ぶ。
【0104】
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0105】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0106】
100 クライアント端末、101 印刷装置、102 クラウドプリント登録サービス、103 クラウドプリントサービス、104 プロキシサーバ