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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】振れ止め部材及び装着体
(51)【国際特許分類】
   E05F 7/04 20060101AFI20240912BHJP
   E05D 13/00 20060101ALI20240912BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
E05F7/04
E05D13/00 A
E06B7/22 B
E06B7/22 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020208397
(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公開番号】P2022095208
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-157733(JP,U)
【文献】実開昭53-94474(JP,U)
【文献】実開昭62-7585(JP,U)
【文献】特開2007-255079(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1480482(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 7/04
E05D 13/00
E06B 7/16-7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を構成する枠体の内側に、レールに沿って左右方向に移動可能に納められる障子に設けられる振れ止め部材であって、
前記レールを室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝を有する振れ止め部材本体と、
複数の切れ込み部を有するとともに前記レールと前記ガイド溝との間の隙間を塞ぐように設けられるヒレ部材と、
前記ヒレ部材の前記複数の切れ込み部を遮蔽する少なくとも1つの遮蔽部材と、を備え
前記遮蔽部材は、複数の切れ込み部を有するヒレ状遮蔽部材を含み、
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記複数の切れ込み部は、前記レールの高さ方向に沿って延びて前記レールを挿入可能な縦切れ込み部と、前記縦切れ込み部に対して交差する方向に延びる横切れ込み部と、をそれぞれ有し、
前記ヒレ部材と前記ヒレ状遮蔽部材とは、前記縦切れ込み部の少なくとも一部が互いに重なり合う位置に配置され、前記横切れ込み部の位置が互いに異なる位置に配置される、振れ止め部材。
【請求項2】
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記縦切れ込み部は、それぞれ上部縦切れ込み部と下部縦切れ込み部とによって構成され、
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記上部縦切れ込み部同士は、互いに重なり合う位置に配置され、
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記下部縦切れ込み部同士は、互いに異なる位置に配置される、請求項に記載の振れ止め部材。
【請求項3】
前記遮蔽部材は、モヘアを含む、請求項1に記載の振れ止め部材。
【請求項4】
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材は、密接して重ね合わされている、請求項1~のいずれか1項に記載の振れ止め部材。
【請求項5】
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材は、互いに係合することによって位置決めする位置決め部をそれぞれ有する、請求項1~のいずれか1項に記載の振れ止め部材。
【請求項6】
障子の移動を案内するレールを室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝を備える振れ止め部材本体に後付け可能に構成され、前記ガイド溝に対応する切り欠き溝を有する収容ケースと、
前記切り欠き溝を塞ぐように前記収容ケースに装着されるとともに複数の切れ込み部を有するヒレ部材と、
前記ヒレ部材の前記複数の切れ込み部を遮蔽するように前記収容ケースに装着される少なくとも1つの遮蔽部材と、を備え
前記遮蔽部材は、複数の切れ込み部を有するヒレ状遮蔽部材を含み、
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記複数の切れ込み部は、前記レールの高さ方向に沿って延びて前記レールを挿入可能な縦切れ込み部と、前記縦切れ込み部に対して交差する方向に延びる横切れ込み部と、をそれぞれ有し、
前記ヒレ部材と前記ヒレ状遮蔽部材とは、前記縦切れ込み部の少なくとも一部が互いに重なり合う位置に配置され、前記横切れ込み部の位置が互いに異なる位置に配置される、装着体。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、モヘアを含む、請求項に記載の装着体。
【請求項8】
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材は、密接して重ね合わされている、請求項6又は7に記載の装着体。
【請求項9】
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材は、互いに係合することによって位置決めする位置決め部をそれぞれ有する、請求項のいずれか1項に記載の装着体。
【請求項10】
障子の移動を案内するレールを室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝と、複数の切れ込み部を有するとともに前記レールと前記ガイド溝との間の隙間を塞ぐように設けられるヒレ部材と、を備える振れ止め部材本体に後付け可能に構成され、前記ガイド溝に対応する切り欠き溝を有する収容ケースと、
前記切り欠き溝を塞ぐように前記収容ケースに装着される少なくとも1つの遮蔽部材と、を備え、
前記ヒレ部材は、複数の切れ込み部を有し、
前記遮蔽部材は、複数の切れ込み部を有するヒレ状遮蔽部材を含み、
前記ヒレ部材及び前記ヒレ状遮蔽部材の前記複数の切れ込み部は、前記レールの高さ方向に沿って延びて前記レールを挿入可能な縦切れ込み部と、前記縦切れ込み部に対して交差する方向に延びる横切れ込み部と、をそれぞれ有し、
前記ヒレ状遮蔽部材の前記横切れ込み部は、前記収容ケースが前記振れ止め部材本体に後付けされた際に、前記ヒレ部材の前記切れ込み部を遮蔽するように配置される、装着体。
【請求項11】
前記遮蔽部材は、モヘアを含む、請求項10に記載の装着体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、振れ止め部材及び装着体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枠体の内側に左右方向に移動可能に納められる2枚の障子を有し、それぞれの障子の召し合わせ框の上端部及び下端部に、枠体のレールを室内外方向から挟持するガイド溝を有する振れ止め部材を取り付けた引違い窓が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-152442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、振れ止め部材のガイド溝とレールとの間には、隙間が存在する、そのため、振れ止め部材には、この隙間を遮蔽するための軟質樹脂からなる板状のヒレ部材が設けられている。ヒレ部材には、障子をレールに建込む際の作業性等を考慮して、複数の切れ込み部が設けられている。そのため、この切れ込み部によって気密性が損なわれ、室内側に外気が流入するおそれがある。
【0005】
よって、発明者は、ヒレ部材の切れ込み部からの外気の流入を容易に低減できるようにする、という課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の振れ止め部材は、窓を構成する枠体の内側に、レールに沿って左右方向に移動可能に納められる障子に設けられる振れ止め部材であって、前記レールを室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝を有する振れ止め部材本体と、複数の切れ込み部を有するとともに前記レールと前記ガイド溝との間の隙間を塞ぐように設けられるヒレ部材と、前記ヒレ部材の前記複数の切れ込み部を遮蔽する少なくとも1つの遮蔽部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】引違い窓の正面図である。
図2図1に示す引違い窓における障子の上側の召し合わせ部を拡大して示す斜視図である。
図3図1中のA-A線に沿う縦断面図である。
図4】振れ止め部材の斜視図である。
図5】振れ止め部材を分解して示す斜視図である。
図6】振れ止め部材の側面図である。
図7図6中のB-B線に沿う横断面図である。
図8A】振れ止め部材のヒレ部材の正面図である。
図8B】振れ止め部材のヒレ部材の背面図である。
図9】他の実施形態に係る振れ止め部材を分解して示す斜視図である。
図10】他の実施形態に係る振れ止め部材のヒレ部材の正面図である。
図11】ヒレ部材を有する装着体を備える振れ止め部材の斜視図である。
図12】図11に示す装着体を分解して示す平面図である。
図13】図11に示す装着体の収容ケースを裏面側から見た斜視図である。
図14】図11に示す装着体に装着されるヒレ部材の正面図である。
図15】モヘアを有する装着体を備える振れ止め部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、室外側から見た引違い窓1を示す。引違い窓1は、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みした枠体2の内側に、室外側に配置される外障子3Aと、室内側に配置される内障子3Bとの2枚の障子を左右方向に移動可能に納めることによって構成される。
【0009】
外障子3Aは、上框31A、下框32A、戸先側に配置される縦框33A及び戸尻側に配置される外召し合わせ框34Aを矩形に框組した框体30Aの内側に、ガラス35が納められることによって構成される。内障子3Bは、上框31B、下框32B、戸先側に配置される縦框33B及び戸尻側に配置される内召し合わせ框34Bを矩形に框組した框体30Bの内側に、ガラス35が納められることによって構成される。外障子3A、内障子3Bは、いずれも縦框33Aと外召し合わせ框34Aとの間、及び縦框33Bと内召し合わせ框34Bとの間に、上框31A,31B及び下框32A,32Bを取り付けた縦勝ち構造を有する。
【0010】
外障子3A及び内障子3Bの上端部及び下端部は、枠体2の上枠21及び下枠22にそれぞれ設けられる室外側レール及び室内側レールに係合している。これによって、外障子3A及び内障子3Bは、これらのレールに案内されて左右方向に移動可能に納められる。図3では、上枠21に設けられる室外側レール211及び室内側レール212を示す。下枠22の室外側レール及び室内側レールは、上枠21の室外側レール211及び室内側レール212に対向するように設けられる。図中のX1は室外側を示し、X2は室内側を示す。
【0011】
図2及び図3に示すように、外障子3Aの外召し合わせ框34Aの上端部34A1には、室外側レール211を収容する振れ止め部材4が設けられる。振れ止め部材4は、外召し合わせ框34Aの上端部34A1に、図示しない取付けねじによって固定されている。
【0012】
振れ止め部材4の具体的な構造について、図4図8を用いて説明する。振れ止め部材4は、室外側レール211を室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝412を有する振れ止め部材本体41と、振れ止め部材本体41の内部に収容され、室外側レール211とガイド溝412との間の隙間を塞ぐ気密部材であるヒレ部材44と、ヒレ部材44に重ねられ、ヒレ部材44の気密性を補助的に高める遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材45と、を有して構成される。
【0013】
振れ止め部材本体41は、樹脂製のブロック体からなる。図4及び図5に示すように、振れ止め部材本体41の前端側には、前板部411が設けられる。前板部411は、図2及び図3に示すように、振れ止め部材4が外召し合わせ框34Aの上端部34A1に取り付けられた際に、外召し合わせ框34Aの外側見込み面34A2に露出するように配置される。
【0014】
前板部411の下部には、ねじ挿通穴411aが開口している。ねじ挿通穴411aは、振れ止め部材本体41を外召し合わせ框34Aの上端部34A1にねじ止めするための図示しない取付けねじを挿通させる穴である。ねじ挿通穴411aは、図2及び図3に示すように、振れ止め部材4が外召し合わせ框34Aに取り付けられた後に、キャップ413によって目隠しされる。
【0015】
ガイド溝412は、振れ止め部材本体41の上端面41aから凹設され、室外側レール211の延び方向に沿って振れ止め部材本体41を貫通している。図4及び図5に示すように、ガイド溝412の室内外方向に沿う溝幅は、振れ止め部材本体41の上端面41aに配置される開口部412aにおいて最も狭い。ガイド溝412は、開口部412aから深さ方向に沿って徐々に拡幅した後、溝底部412bに向けて一定幅で形成されている。
【0016】
振れ止め部材本体41は、図4図7に示すように、縦長スリット状のヒレ部材収容溝414を有する。ヒレ部材収容溝414は、ガイド溝412に対して略直交するように、振れ止め部材本体41を室内外方向に貫通している。ヒレ部材収容溝414は、振れ止め部材本体41の上端面41aには開口していない。
【0017】
ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、それぞれ樹脂及びゴム等の軟質材料によって矩形の薄板状に形成されることによって、いずれも柔軟性を有する。ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、図5に示すように、互いに重ね合わされた状態で、振れ止め部材本体41の側方からヒレ部材収容溝414に挿入される。これによって、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、振れ止め部材本体41の内部に着脱可能に収容される。
【0018】
ヒレ部材44は、1つの縦切れ込み部441と、この縦切れ込み部441に対して略直交する3本の横切れ込み部442a,442b,442cと、を有する。縦切れ込み部441は、ヒレ部材44の中央を縦方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部442a,442b,442cは、ヒレ部材44の幅方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部442a,442b,442cは、ヒレ部材44の縦方向に間隔をおいて略平行に設けられている。
【0019】
図8Aに示すように、縦切り込み部441は、ヒレ部材44の上端部44aから下端部44bに向けて縦方向に延び、3本の横切り込み部442a,442b,442cを縦断している。詳しくは、縦切り込み部441は、ヒレ部材44の上端部44aから最も下に位置する横切れ込み部442cに亘って縦方向に延びる上部縦切れ込み部441aと、横切れ込み部442cから下端部44bに向けて延びる下部縦切り込み部441bと、によって構成される。上部縦切り込み部441aと、下部縦切り込み部441bとは、ヒレ部材44の幅方向に僅かにずれており、横切れ込み部442cにおいて連通している。
【0020】
図7及び図8Aに示すように、ヒレ部材44の一方の表面44cには、縦切り込み部441と略平行に縦方向に延びる一対の係止リブ443a,443bが突出して設けられている。係止リブ443a,443bは、横切れ込み部442b,442cの延び方向の両端部にそれぞれ配置されている。図7に示すように、係止リブ443bは、係止リブ443aよりも突出高さが高い。
【0021】
ヒレ部材44の他方の表面44dには、複数の位置決め凸部444がそれぞれ突出して設けられている。本実施形態のヒレ部材44には、係止リブ443a,443bの両外側にそれぞれ3つずつの位置決め凸部444が、縦方向に並んで配置されている。さらに、ヒレ部材44の室外側の側端部44eと下端部44bは、それぞれ表面44cから係止リブ443a,443bの突出方向と同一方向に向けて突出することによって肉厚に形成されている。係止リブ443a,443bのうち、突出高さの高い係止リブ443bは、側端部44e側に配置されている。
【0022】
ヒレ状遮蔽部材45は、ヒレ部材44の切れ込み部を遮蔽する遮蔽部材である。ヒレ状遮蔽部材45は、1つの縦切れ込み部451と、この縦切れ込み部451に対して直交する2本の横切れ込み部452a,452bと、を有する。縦切れ込み部451は、ヒレ状遮蔽部材45の中央を縦方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部452a,452bは、ヒレ状遮蔽部材45の幅方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部452a,452bは、ヒレ状遮蔽部材45の縦方向に間隔をおいて略平行に設けられている。
【0023】
図8Bに示すように、縦切り込み部451は、ヒレ状遮蔽部材45の上端部45aから下端部45bに向けて縦方向に延び、2本の横切り込み部452a,452bを縦断している。詳しくは、縦切り込み部451は、ヒレ状遮蔽部材45の上端部45aから最も下に位置する横切れ込み部452bに亘って縦方向に延びる上部縦切れ込み部451aと、横切れ込み部452bから下端部45bに向けて延びる下部縦切り込み部451bと、によって構成される。上部縦切り込み部451aと、下部縦切り込み部451bとは、ヒレ状遮蔽部材45の幅方向に僅かにずれており、横切れ込み部452bにおいて連通している。
【0024】
図7及び図8Bに示すように、ヒレ状遮蔽部材45の一方の表面45cには、縦切り込み部451と略平行に縦方向に延びる一対の係止リブ453,453が突出して設けられている。係止リブ453,453は、横切れ込み部452a,452bの延び方向の両端部にそれぞれ配置されている。図7に示すように、係止リブ453bは、係止リブ453aよりも突出高さが高い。
【0025】
ヒレ状遮蔽部材45には、複数の位置決め凹部454が設けられている。本実施形態の位置決め凹部454は、ヒレ状遮蔽部材45を貫通している。しかし、位置決め凹部454は、ヒレ状遮蔽部材45を貫通していなくてもよい。位置決め凹部454は、ヒレ部材44の位置決め凸部444に1対1に対応して設けられている。したがって、本実施形態のヒレ状遮蔽部材45には、係止リブ453a,453bの両外側にそれぞれ3つずつの位置決め凹部454が、縦方向に並んで配置されている。さらに、ヒレ状遮蔽部材45の室外側の側端部45eと下端部45bは、それぞれ表面45cから係止リブ453a,453bの突出方向と同一方向に向けて突出することによって肉厚に形成されている。係止リブ453a,453bのうち、突出高さの高い係止リブ453bは、側端部45e側に配置されている。
【0026】
ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とは、それぞれの係止リブ443,453が反対方向に配置されるように突き合わされて、互いに重ねられる。このとき、ヒレ部材44の位置決め凸部444は、ヒレ状遮蔽部材45の位置決め凹部454内に嵌り込んで係合する。これによって、ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とは、互いに位置決めされる。したがって、位置決め凸部444及び位置決め凹部454は、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の位置決め部を構成する。ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とが当接する面は、位置決め凸部444及び位置決め凹部454を有する以外は平坦面である。したがって、ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とは、重なり合うことによって密接する。
【0027】
ヒレ部材44の下端部44b及び側端部44eと、ヒレ状遮蔽部材45の下端部45b及び側端部45eとは、互いに重なり合っている。ヒレ部材44の係止リブ443a,443bと、ヒレ状遮蔽部材45の係止リブ453a,453bとは、同じ位置で重なり合い、相反する方向に突出している。
【0028】
図8A及び図8Bに示すように、ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とが互いに重ねられた状態において、ヒレ部材44の上部縦切り込み部441aと、ヒレ状遮蔽部材45の上部縦切れ込み部451aとは、互いに重なり合っている。すなわち、2つの上部縦切り込み部441a,451a同士は、室外側レール211の延び方向に沿う同じ位置に配置されている。この上部縦切り込み部441a,451aの縦方向の長さは、上枠21からの室外側レール211の突出高さにほぼ等しい。しかし、ヒレ部材44の下部縦切り込み部441bと、ヒレ状遮蔽部材45の下部縦切れ込み部451bとは、幅方向にずれた異なる位置に配置され、互いに重なり合っていない。これによって、ヒレ部材44の下部縦切り込み部441bは、ヒレ状遮蔽部材45によって遮蔽される。
【0029】
さらに、ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とが互いに重ねられた状態において、ヒレ部材44の横切れ込み部442a,442b,442cと、ヒレ状遮蔽部材45の横切れ込み部452a,452bとは、縦方向にずれた異なる位置に配置され、互いに重なり合っていない。詳しくは、ヒレ状遮蔽部材45の横切れ込み部452aは、ヒレ部材44の横切れ込み部442aと横切れ込み部442bとの間に配置され、ヒレ状遮蔽部材45の横切れ込み部452bは、ヒレ部材44の横切れ込み部442bと横切れ込み部442cとの間に配置されている。これによって、ヒレ部材44の横切れ込み部442a,442b,442cは、ヒレ状遮蔽部材45によって遮蔽される。
【0030】
ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、図5に示すように互いに重ね合わされた状態で、肉厚の側端部44e,45eが挿入方向Dの後尾側になるように、振れ止め部材本体41の側方からヒレ部材収容溝414に挿入される。これによって、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、ガイド溝412を遮蔽するように振れ止め部材本体41内に収容される。
【0031】
図7に示すように、ヒレ部材収容溝414は、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の挿入方向Dの始端側に配置される始端側開口部414aと、挿入方向Dの終端側に配置される終端側開口部414bと、を有する。始端側開口部414aの幅は、終端側開口部414bの幅よりも大きい。
【0032】
重ねられたヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45において、係止リブ443a,453aの厚み方向の寸法は、始端側開口部414aの幅とほぼ同一寸法であるが、終端側開口部414bの幅よりも大きい。さらに、係止リブ443b,453b及び側端部44e,45eのそれぞれの厚み方向の寸法は、始端側開口部414aの幅よりも大きい。そのため、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45がヒレ部材収容溝414に挿入されると、重ねられた係止リブ443a,453aは、始端側開口部414aを円滑に挿通し、ガイド溝412の内側から終端側開口部414bに当接する。ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の挿入終了間際において、重ねられた係止リブ443b,453bは、始端側開口部414aを弾性的に乗り越えて、ガイド溝412の内側から始端側開口部414aに係止される。
【0033】
したがって、ヒレ部材収容溝414内に挿入されたヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、係止リブ443a,443b,453a,453bによって、ヒレ部材収容溝414内に位置決めされる。重ねられた側端部44e,45eは、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の挿入終了時に、始端側開口部414aに当接する。これによって、ヒレ部材収容溝414へのヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の過度の挿入が阻止される。
【0034】
このようにして、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45が振れ止め部材本体41内に収容された振れ止め部材4は、外障子3Aの外召し合わせ框34Aの上端部34A1に取り付けられる。振れ止め部材4が取り付けられた外障子3Aは、図2及び図3に示すように、上枠21の室外側レール211を、振れ止め部材4のガイド溝412内に、室内外方向から挟み込むように収容することによって、枠体2の内側に建込まれる。
【0035】
次に、以上の実施形態に示す振れ止め部材4及びこの振れ止め部材4を備える引違い窓1の効果について説明する。振れ止め部材4は、室外側レール211を室内外方向から挟み込むように収容するガイド溝412を有する振れ止め部材本体41と、複数の切れ込み部441,442a,442b,442cを有するとともに室外側レール211とガイド溝412との間の隙間を塞ぐように設けられるヒレ部材44と、ヒレ部材44の複数の切れ込み部441b,442a,442b,442cを遮蔽する少なくとも1つの遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材45と、を備える。これによって、ヒレ部材44の複数の切れ込み部441b,442a,442b,442cは、ヒレ状遮蔽部材45によって遮蔽されるため、ヒレ部材44の気密性が向上する。したがって、この振れ止め部材4によれば、外気の流入をさらに低減することが可能である。
【0036】
ヒレ状遮蔽部材45は、複数の横切れ込み部452a,452bを有し、ヒレ部材44の複数の横切れ込み部442a,442b,442cの位置とヒレ状遮蔽部材45の複数の横切れ込み部452a,452bの位置とが異なっている。これによって、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、それぞれの切れ込み部によって外障子3Aの開閉動作に追従して容易に撓み変形可能である。そのため、この振れ止め部材4によれば、気密性を向上させて外気の流入を低減しながらも、外障子3Aの開閉動作が重くなることはない。
【0037】
ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とは、互いに密接して重なり合っている。これによって、振れ止め部材4の気密性はさらに向上する。
【0038】
ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、互いに係合することによって位置決めする位置決め部である位置決め凸部444及び位置決め凹部454をそれぞれ有する。これによって、外障子3Aの建込み時及び開閉動作時等に、振れ止め部材本体41内でヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とが位置ずれすることが防止される。
【0039】
ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45は、室外側レール211の高さ方向に沿って延びる縦切れ込み部441,451と、縦切れ込み部441,451に対して交差する方向に延びる横切れ込み部442a,442b,442c,452a,452bと、をそれぞれ有する。ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とは、縦切れ込み部441,451と横切れ込み部442a,442b,442c,452a,452bとのうちの少なくとも横切れ込み部442a,442b,442c,452a,452bの位置が異なる。これによって、ヒレ部材44において室外側レール211の室外側及び室内側にそれぞれ配置される横切れ込み部442a,442b,442cが、ヒレ状遮蔽部材45によって遮蔽されるため、振れ止め部材4の気密性はさらに向上する。
【0040】
ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45のそれぞれの縦切れ込み部441,451は、それぞれ上部縦切れ込み部441a,451aと下部縦切れ込み部441b,451bとによって構成される。ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の上部縦切れ込み部441a,451a同士は、互いに重なり合う位置に配置され、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45の下部縦切れ込み部441b,451b同士は、互いに異なる位置に配置される。これによって、外障子3Aの建込み時に、ガイド溝412内の室外側レール211は、互いに重ね合わされた上部縦切れ込み部441a,451aに円滑に挿入可能である。外障子3Aの開閉動作が重くなることもない。さらに、下部縦切れ込み部441b,451b同士は重なり合っていないため、下部縦切れ込み部441b,451bにおけるヒレ部材44の気密性も向上する。
【0041】
以上の実施形態に示す振れ止め部材4は、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45を互いに重ね合わせて、ヒレ部材収容溝414の内部に着脱可能に収容している。これによれば、ヒレ部材収容溝414内に、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45を収容することによって、外気の流入をさらに低減することが可能な気密性の高い振れ止め部材4及び引違い窓1を構築することができる。
【0042】
図9及び図10は、遮蔽部材の他の実施形態を示している。ヒレ部材44については、上記実施形態と同一符号を使用している。この遮蔽部材は、モヘア46によって構成される。
【0043】
モヘア46は、枠部材461に設けられている。枠部材461は、ヒレ部材44と同様の樹脂及びゴム等の軟質材料によって、ヒレ部材44と同一の外形形状を有する薄板状に形成される。枠部材461は、ヒレ部材44の縦切れ込み部441及び横切れ込み部442a,442b,442cに対応する領域が大きく矩形状に切り欠かれている以外は、上記のヒレ状遮蔽部材45と同じ構造を有する。したがって、枠部材461は、ヒレ状遮蔽部材45と同様に、ヒレ部材44の位置決め凸部444に対応する位置に、位置決め凸部444と係合可能な位置決め凹部462を有している。
【0044】
モヘア46は、枠部材461の矩形状に切り欠かれた部位を塞ぐように設けられる。本実施形態に示すモヘア46はブラシ状に形成され、枠部材461の左右の部位からそれぞれ内側に向けて突出するように設けられている。しかし、モヘア46は、ヒレ部材44の変形に追随し得る柔軟性を有するものであれば、ブラシ状に限定されず、スポンジ状、ゴム状等であってもよい。
【0045】
枠部材461に設けられたモヘア46は、上記したヒレ状遮蔽部材45の代わりに、ヒレ部材44に対して位置決めされ、密接して重ね合わされる。ヒレ部材44及びモヘア46は、重ね合わされた状態で、上記と同様にして振れ止め部材本体41のヒレ部材収容溝414に挿入される。これによって、図10に示すように、振れ止め部材本体41内に収容されたヒレ部材44の縦切れ込み部441及び横切れ込み部442a,442b,442cは、モヘア46によって実質的に遮蔽される。そのため、ヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とを互いに重ね合わせた場合と同様に、ヒレ部材44の気密性が向上する効果が得られる。
【0046】
図9において、モヘア46は、ヒレ部材44よりも振れ止め部材本体41の奥側(内側)に配置されるが、ヒレ部材44よりも振れ止め部材本体41の手前側(外側)に配置されてもよい。遮蔽部材としてのモヘア46は、振れ止め部材本体41のガイド溝412を塞ぐように、振れ止め部材本体41に直接設けられてもよい。振れ止め部材4には、ヒレ部材44の気密性をさらに向上させるために、遮蔽部材として以上説明したヒレ状遮蔽部材45とモヘア46とが併用されてもよい。
【0047】
次に、図11図15を用いて、装着体について説明する。図11において、以上の実施形態における振れ止め部材4と同一符号の部位は同一構成の部位を示す。そのため、それらの部位の詳細な説明は、上記実施形態における説明を援用し、以下においては省略する。
【0048】
図11は、振れ止め部材本体41の前板部411に対して装着体5が後付けされる振れ止め部材4Aを示している。本実施形態の装着体5は、収容ケース51と、収容ケース51に収容される気密部材であるヒレ部材53と、ヒレ部材53に重ねられ、ヒレ部材53の気密性を補助的に高める遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材54と、を有して構成される。
【0049】
収容ケース51は、振れ止め部材本体41の前板部411よりも僅かに大きい矩形状の樹脂製又はアルミ等の金属製の板状体からなる。収容ケース51には、上端部51aから下端部51bに向けて縦長の矩形状に切り欠かれた切り欠き溝511とねじ挿通穴512とが設けられている。切り欠き溝511は、振れ止め部材本体41のガイド溝412に対応する位置に配置される。切り欠き溝511の幅及び深さは、ガイド溝412の幅及び深さと略同一である。ねじ挿通穴512は、前板部411のねじ挿通穴411aと略同一の大きさを有し、ねじ挿通穴411aに対応する位置に配置される。
【0050】
図13に示すように、収容ケース51の裏面51cには、ヒレ部材装着溝513が設けられている。ヒレ部材装着溝513の縦方向及び幅方向の寸法は、切り欠き溝511の縦方向及び幅方向の寸法よりも僅かに大きい。ヒレ部材装着溝513は、切り欠き溝511の両外側にそれぞれ配置される縦深溝部513a,513aと、切り欠き溝511の下方に配置される横深溝部513bとによって構成される。横深溝部513bは、縦深溝部513a,513aの下端同士を連通させている。
【0051】
収容ケース51の裏面51cには、収容ケース51の両側部を縦方向に延びる一対の壁板部514,514が突設されている。一対の壁板部514,514の内面間の距離は、前板部411の幅と略同一である。壁板部514,514の下端は、収容ケース51の下端部51bまで延びている。しかし、壁板部514,514の上端は、収容ケース51の上端部51aよりも下方に配置されている。
【0052】
ヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54は、図12に示すように、収容ケース51の裏面51c側から、ヒレ部材装着溝513に装着される。ヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54は、上記のヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材45と同様に、それぞれ樹脂及びゴム等の軟質材料によって矩形の薄板状に形成されることによって、柔軟性を有する。ヒレ状遮蔽部材54は、ヒレ部材53よりも僅かに大きい。
【0053】
図14に示すように、ヒレ部材53は、1つの縦切れ込み部531と、この縦切れ込み部531に対して略直交する3本の横切れ込み部532a,532b,532cと、を有する。縦切れ込み部531は、ヒレ部材53の中央を縦方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部532a,532b,532cは、ヒレ部材53の幅方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部532a,532b,532cは、ヒレ部材53の縦方向に間隔をおいて略平行に設けられている。
【0054】
ヒレ状遮蔽部材54は、1つの縦切れ込み部541と、この縦切れ込み部541に対して略直交する3本の横切れ込み部542a,542b,542cと、を有する。縦切れ込み部541は、ヒレ状遮蔽部材54の中央を縦方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部542a,542b,542cは、ヒレ状遮蔽部材54の幅方向に延びる細幅のスリットからなる。横切れ込み部542a,542b,542cは、ヒレ状遮蔽部材54の縦方向に間隔をおいて略平行に設けられている。
【0055】
ヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とが重なり合った際、縦切れ込み部531,541同士は、同じ位置に重なるように配置されている。しかし、ヒレ部材53の横切れ込み部532a,532b,532cと、ヒレ状遮蔽部材54の横切れ込み部542a,542b,542cとは、互いに異なる位置に配置され、重なり合っていない。これによって、ヒレ部材53の横切れ込み部532a,532b,532cは、ヒレ状遮蔽部材54によって遮蔽される。
【0056】
図12及び図14に示すように、ヒレ部材53の表面53aには、ヒレ部材53の両側縁部及び下縁部に沿って延びる位置決めリブ533が突出している。ヒレ状遮蔽部材54の表面54aには、ヒレ状遮蔽部材54の両側縁部及び下縁部に沿って延びる位置決めリブ543が突出している。ヒレ部材53は、ヒレ状遮蔽部材54の位置決めリブ543の内側に納まるように重ね合わされる。これによって、ヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とは、互いに位置決めされて密接する。ヒレ部材53の位置決めリブ533とヒレ状遮蔽部材54の位置決めリブ543とは、ヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54における位置決め部を構成する。
【0057】
ヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54は、図12に示すように、重ね合わされて収容ケース51の裏面51c側からヒレ部材装着溝513に装着される。ヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とは、ヒレ状遮蔽部材54の位置決めリブ543の内側にヒレ部材53の位置決めリブ533が納められた状態で、ヒレ部材装着溝513の縦深溝部513a及び横深溝部513bに嵌合する。ヒレ部材装着溝513に嵌合したヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54は、図11及び図12に示すように、収容ケース51の切り欠き溝511を塞ぐように配置される。
【0058】
このようにしてヒレ部材53及びヒレ状遮蔽部材54が装着された装着体5は、図11に示すように、収容ケース51の裏面51c側を振れ止め部材本体41側に向けて、両面接着テープ等によって振れ止め部材本体41の前板部411に取り付けられる。収容ケース51の両側部の壁板部514,514は、前板部411を幅方向に挟み付けるように配置される。これによって、装着体5は振れ止め部材本体41に対して位置決めされる。
【0059】
この装着体5によれば、ヒレ部材53の横切れ込み部532a,532b,532cがヒレ状遮蔽部材54によって遮蔽されるため、既設の振れ止め部材本体41の前板部411に対して後付けするだけで、外気の流入を低減することが可能な気密性の高い振れ止め部材4Aを容易に構成することができる。
【0060】
この装着体5においても、遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材54は、ヒレ部材53に対して密接して重なり合っている。そのため、ヒレ部材53の気密性はさらに向上する。
【0061】
重なり合ったヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とは、位置決めリブ533,543からなる位置決め部によって位置決めされて重ね合わされている。これによって、外障子3Aの建込み時及び開閉動作時に、装着体5内でヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とが位置ずれすることが防止される。
【0062】
装着体5が後付けされる振れ止め部材本体41には、上記のようにヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とが収容されるものに限定されない。ヒレ部材53とヒレ状遮蔽部材54とを備える装着体5を設けた振れ止め部材4Aは、装着体5に配置されるヒレ部材53の横切れ込み部532a,532b,532cが、遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材54によって遮蔽されるため、振れ止め部材本体41には、ヒレ状遮蔽部材54が設けられなくてもよいし、ヒレ部材44も設けられなくてもよい。
【0063】
振れ止め部材本体41がヒレ部材44のみを有する場合は、装着体5には、遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材54のみが設けられるだけであってもよい。装着体5が振れ止め部材本体41に対して後付けされた際に、振れ止め部材本体41のヒレ部材44の複数の切れ込み部は、装着体5のヒレ状遮蔽部材54によって実質的に遮蔽される。この場合、振れ止め部材本体41のヒレ部材44と装着体5のヒレ状遮蔽部材54とは密接して重なり合わないが、ヒレ部材44及びヒレ状遮蔽部材54のそれぞれの切れ込み部同士が異なる位置に配置されることによってラビリンス構造を形成するため、外気の流入を低減することが可能である。
【0064】
振れ止め部材に後付けされる装着体は、遮蔽部材としてモヘアを有してもよい。図15は、モヘア55を有する装着体5Aが後付けされる振れ止め部材4Bを示している。図11と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、それらの詳細な説明は上記説明を援用し、以下においては省略する。
【0065】
装着体5Aにおいて、モヘア55は、収容ケース51の切り欠き溝511の左右の両縁部511a,511bからそれぞれ対向して突出するように設けられている。この装着体5Aが振れ止め部材本体41に後付けされると、振れ止め部材本体41のガイド溝412がモヘア55によって塞がれ、振れ止め部材本体41に設けられるヒレ部材44の複数の切れ込み部がモヘア55によって実質的に遮蔽される。そのため、振れ止め部材本体41の気密性がさらに向上する。このモヘア55も、ブラシ状に形成されているが、スポンジ状、ゴム状等であってもよい。
【0066】
図15において、振れ止め部材本体41にはヒレ部材44とヒレ状遮蔽部材45とが収容されているが、装着体5Aにモヘア55が設けられる場合、振れ止め部材本体41には、ヒレ部材44のみが設けられるだけでもよい。
【0067】
装着体5Aには、モヘア55に加えて、気密部材としてのヒレ部材が設けられてもよい。この場合、モヘア55は、装着体5Aのヒレ部材に密接して重ねられ、ヒレ部材の複数の切れ込み部を遮蔽することができるため、振れ止め部材本体41には必ずしもヒレ部材は設けられなくてもよい。
【0068】
遮蔽部材であるヒレ状遮蔽部材45,54は、気密部材としてのヒレ部材44,53に対して2枚以上設けられてもよい。
【0069】
以上説明した振れ止め部材4,4Aは、外障子3Aの外召し合わせ框34Aの上端部33A1に設けられている。しかし、振れ止め部材4,4Aは、外召し合わせ框34Aの下端部に設けられてもよいし、内障子3Bの内召し合わせ框34Bの上端部及び下端部の少なくとも一方に設けられてもよい。振れ止め部材4,4Aが取り付けられる窓は、引違い窓に制限されない。振れ止め部材4,4Aは、例えば、片引き窓の可動障子に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 引違い窓、 2 枠体、 211 室外側レール、 3A 外障子、 3B 内障子、 4,4A 振れ止め部材、 41 振れ止め部材本体、 412 ガイド溝、 44,53 ヒレ部材、 45,54 ヒレ状遮蔽部材(遮蔽部材)、441,451,531,541 縦切れ込み部、 441a,451a 上部縦切れ込み部、 441b,451b 下部縦切れ込み部、 442a,442b,442c,452a,452b,532a,532b,532c,542a,542b,542c 横切れ込み部、 444 位置決め凸部(位置決め部)、 454 位置決め凹部(位置決め部)、 46,55 モヘア(遮蔽部材)、 51 収容ケース、 511 切り欠き溝、 553,573 位置決めリブ(位置決め部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15