(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】カートンおよびカートンにおける物品ヒール受容機構とカートン用のブランク
(51)【国際特許分類】
B65D 71/20 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B65D71/20
(21)【出願番号】P 2021510109
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019046824
(87)【国際公開番号】W WO2020041131
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-12
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515301030
【氏名又は名称】ウエストロック・パッケージング・システムズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】松葉 よう子
【審査官】武井 健浩
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-505791(JP,A)
【文献】特開2013-043653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0257945(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第01491526(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00 - 79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁を有するカートン内の物品ヒール受容機構であって、
カートンの前記側壁における少なくとも一部に画定された開口部
であって、切り抜きを備える開口部と、
前記切り抜きに形成された第1の窪みの形態の前記開口部の少なくとも1つの拡張部分と、
を含んでなる、物品ヒール受容機構であって、
前記第1の窪みが、前記開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記開口部は、概して円形で、中心を含み、前記第1の窪みは、前記開口部の中心を通過し、前記第1の窪みの遠位端を通過する第1の概念線が、前記カートンの隣接する端部エッジと交差するように、前記開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、物品ヒール受容機構。
【請求項2】
前記開口部の少なくとも1つの前記拡張部分が第2の窪みを含み、前記第2の窪みが、前記開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、第2の概念線が、前記開口部の中心を通過し、前記側壁を前記カートンの底壁にヒンジ接続する第1の折り目線から垂直に延び、前記第1の窪みは、第2の概念線の第1の側の前記開口部の周囲に沿った位置に配置され、前記第2の窪みが、前記第2の概念線に対して前記第1の側の反対側で、前記開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の物品ヒール受容機構。
【請求項3】
1つまたは複数の物品をパッケージするためのカートンであって、トップ壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、第1の折り目線によって前記第1の側壁にヒンジ接続された第1の底壁とを含む、複数の壁を含んでなるカートンにおいて、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を備え、前記ヒール開口部は、少なくとも前記第1の側壁から打ち抜かれ、
前記ヒール開口部は、切り抜きと、前記切り抜きに形成された窪みの形態である少なくとも1つの拡張部分
とを含み、第1の窪みが、前記ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記ヒール開口部は、概して円形で、中心を含み、前記窪みは、前記ヒール開口部の中心を通過し、前記第1の窪みの遠位端を通過する第1の概念線が、当該カートンの隣接する端部エッジと交差するように、前記ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、カートン。
【請求項4】
前記ヒール開口部の少なくとも1つの前記拡張部分が第2の窪みを含み、前記第2の窪みが、前記ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、第2の概念線が、前記ヒール開口部の中心を通過し、前記第1の折り目線から垂直に延び、前記第1の窪みが、第2の概念線の第1の側の前記ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され、前記第2の窪みが、前記第2の概念線に対して前記第1の側の反対側で、前記ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のカートン。
【請求項5】
前記ヒール開口部と当該カートンの隣接する前記端部エッジとの間で前記第1の側壁に画定された変形可能構造を含むことを特徴とする、請求項3に記載のカートン。
【請求項6】
前記変形可能構造が、第1の窪みから当該カートンの隣接する前記端部エッジまで延びる第2の折り目線を含むことを特徴とする、請求項5に記載のカートン。
【請求項7】
第2の折り目線が前記第1の概念線に沿って延びていることを特徴とする、請求項5に記載のカートン。
【請求項8】
第3の窪みが、前記第1の概念線と当該カートンの隣接する前記端部エッジとの交点に画定されていることを特徴とする、請求項5に記載のカートン。
【請求項9】
前記変形可能構造が、前記第1の折り目線に対してほぼ垂直に配置された切断線をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のカートン。
【請求項10】
前記変形可能構造が、切断線と当該カートンの隣接する前記端部エッジとの間に配置された少なくとも1つの第3の折り目線を含むレリーフ構造をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のカートン。
【請求項11】
第1のヒンジ接続によってヒンジ接続された第1のパネルおよび第2のパネルを有するカートン内の物品ヒール受容機構であって、
カートンの側壁における少なくとも一部に画定された開口部
であって、切り抜きを備える開口部と、
前記切り抜きに形成された第1の窪みの形態の前記開口部の少なくとも1つの拡張部分と、
を含んでなる、物品ヒール受容機構であって、
前記第1の窪みが、前記開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、
前記開口部が中心を含み、第1の概念線が、前記第1のヒンジ接続から前記開口部の中心を通って垂直に延び、前記第1の窪みは、前記開口部の中心を通過し、前記第1の窪みの遠位端を通過する第2の概念線が、前記第1の概念線との間に鋭角を画定するように、前記開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、物品ヒール受容機構。
【請求項12】
前記開口部の少なくとも1つの前記拡張部分が第2の窪みを含み、前記第2の窪みが、前記開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記第1の窪みが、前記第1の概念線の第1の側の前記開口部の周囲に沿った位置に配置され、前記第2の窪みが、前記第1の概念線に対して前記第1の側の反対側で、前記開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の物品ヒール受容機構。
【請求項13】
前記開口部の少なくとも1つの前記拡張部分が第2の窪みを含み、前記第2の窪みが、前記開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記第2の窪みは、前記開口部の中心を通過し、前記第2の窪みの遠位端を通過する第3の概念線N5が、前記第1の概念線との間に鋭角θ
3を画定するように、前記開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の物品ヒール受容機構。
【請求項14】
1つまたは複数の物品をパッケージするためのカートンであって、トップ壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、第1の折り目線によって前記第1の側壁にヒンジ接続された第1の底壁とを含む、複数の壁を含んでなるカートンにおいて、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を備え、前記ヒール開口部は、少なくとも前記第1の側壁から打ち抜かれ、
前記ヒール開口部は、切り抜きと、前記切り抜きに形成された窪みの形態である少なくとも1つの拡張部分
とを含み、前記窪みが、前記ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記ヒール開口部が中心を含み、第1の概念線が、前記第1の側壁と隣接する壁との間のヒンジ接続から前記ヒール開口部の中心を通って垂直に延び、前記窪みは、前記ヒール開口部の中心を通過し、前記窪みの遠位端を通過する第2の概念線が、前記第1の概念線との間に鋭角を画定するように、前記ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、カートン。
【請求項15】
前記カートンは、前記第1の側壁に少なくとも部分的に画定され、前記ヒール開口部と当該カートンの自由端部エッジとの間に配置された変形可能構造を含み、前記変形可能構造が、前記第1の折り目線と第2の折り目線とで画定されたフラップを備え、前記第2の折り目線が前記第2の概念線の上にあることを特徴とする、請求項14に記載のカートン。
【請求項16】
前記変形可能構造は、第3の折り目線と、前記第3の折り目線の端部から発散して延在する切断線とを含むレリーフ構造を含むことを特徴とする、請求項15に記載のカートン。
【請求項17】
切断線が、前記第1の折り目線に対して垂直に延在していることを特徴とする、請求項15に記載のカートン。
【請求項18】
前記第1の側壁が、コーナーパネルを画定するように前記第1の側壁を横切って長手方向に延びる第4の折り目線を含むことを特徴とする、請求項14に記載のカートン。
【請求項19】
前記ヒール開口部が前記コーナーパネルから部分的に打ち抜かれ、前記ヒール開口部を前記第4の折り目線から離すように、分離線が前記第4の折り目線と交差していることを特徴とする、請求項18に記載のカートン。
【請求項20】
カートンを形成するためのブランクであって、トップパネルと、第1のサイドパネルと、第2のサイドパネルと、第1の折り目線によって前記第1のサイドパネルにヒンジ接続された第1のベースパネルとを含む、複数のパネルを含んでなるブランクにおいて、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を備え、前記ヒール開口部は、少なくとも前記第1のサイドパネルから打ち抜かれ、
前記ヒール開口部は、切り抜きと、前記切り抜きに形成された窪みの形態である少なくとも1つの拡張部分
とを含み、前記窪みが、前記ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含み、前記ヒール開口部は、概して円形で、中心を含み、前記窪みは、前記ヒール開口部の中心を通過し、前記窪みの遠位端を通過する概念線が、カートンの隣接する端部エッジと交差するように、前記ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置されていることを特徴とする、ブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンおよびそれを形成するためのブランクに関する。より具体的には、限定的ではないが、本発明は、折り畳み可能なコーナー構造を有するラップアラウンド(wraparound)キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージの分野では、複数の物品を運ぶためのカートンを設けることが知られている。カートンは当技術分野でよく知られており、消費者が消費する物品群を、輸送、保管、および取り扱いできるようにするのに役立つ。コストと環境への配慮のために、そのようなカートンまたはキャリアは、可能な限り少ない材料から形成され、それらが形成される材料の無駄をできるだけ少なくする必要がある。さらに考慮すべきことは、カートンの強度と、大量の物品を保持および輸送するためのカートンの適合性である。カートンの中身がカートン内で固定されていることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
入れ子状にできるブランクからカートンを製造することが望ましく、これは環境的および経済的利益をもたらし、標準または固定幅を有する板紙または他のシート材料から取り出すことができるカートンブランクの数を増加する或いは最大化するのに有益であり得る。
【0004】
カートンをバッグまたはサックに入れて輸送できることも望ましく、そうしないと、バッグの完全性が損なわれたり、バッグ内の他のアイテムが損傷したりする。
【0005】
本発明は、典型的には板紙などから形成されるカートンの分野における改良を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、側壁を有するカートン内の物品ヒール受容機構を提供する。物品ヒール受容機構は、カートンの側壁に少なくとも部分的に画定された開口部と、第1の窪みの形態の開口部の少なくとも1つの拡張部分とを含む。第1の窪みは、開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。開口部は、概して円形であり得る。開口部は中心を備えている。開口部の中心を通り、第1の窪みの遠位端を通る第1の概念線がカートンの隣接する端部エッジと交差するように、第1の窪みは、開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0007】
オプションで、開口部の少なくとも1つの拡張部分は、第2の窪みを含み、第2の窪みは、開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。第1の窪みは、第2の概念線の第1の側の開口部の周囲に沿った位置に位置し、第2の概念線は、ヒール開口部の中心を通り、第1の折り目線から垂直に延び、第2の窪みおよび第2の窪みは、第2の概念線の第2の反対側の開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0008】
本発明の第2の態様は、1つまたは複数の物品をパッケージするためのカートンを提供する。カートンは、トップ壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、第1の折り目線によって第1の側壁にヒンジ接続されている第1の底壁とを含む複数の壁を備えている。カートンは、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を含み得る。ヒール開口部は、少なくとも第1の側壁から打ち抜かれ得る。ヒール開口部は、窪みの形で少なくとも1つの拡張部分を含み得る。窪みは、ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。ヒール開口部は、概して円形の形状であり得る。ヒール開口部は中心を備えている。窪みは、ヒール開口部の中心を通り、窪みの遠位端を通る第1の概念線がカートンの隣接する端部エッジと交差するように、ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0009】
オプションで、ヒール開口部の少なくとも1つの拡張部分は、第2の窪みを含み、第2の窪みは、ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を備える。第1の窪みは、ヒール開口部の中心を通り、第1の折り目線から垂直に延びる第2の概念線の第1の側のヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され、第2の窪みおよび第2の窪みは、第2の概念線の第2の反対側のヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0010】
オプションで、カートンは、ヒール開口部とカートンの隣接する端部エッジとの間の第1の側壁内に画定された変形可能構造を含む。
【0011】
オプションで、変形可能構造は、第1の窪みからカートンの隣接する端部エッジまで延びる第2の折り目線を含む。
【0012】
オプションで、第2の折り目線は概念線に沿って延在する。
【0013】
オプションで、第3の窪みは、概念線とカートンの隣接する端部エッジとの交点で画定される。
【0014】
オプションで、変形可能構造は、第1の折り目線に対してほぼ垂直に配置された切断線をさらに含む。
【0015】
オプションで、変形構造は、切断線とカートンの隣接する端部エッジとの間に配置された少なくとも1つの第3の折り目線を含むレリーフ構造をさらに含む。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1のヒンジ接続によってヒンジ接続された第1のパネルおよび第2のパネルを有するカートン内の物品ヒール受容機構を提供する。物品ヒール受容機構は、カートンの第1のパネルに少なくとも部分的に画定された開口部と、第1の窪みの形態の開口部の少なくとも1つの拡張部分とを含む。第1の窪みは、開口部の周囲に向かって開く近位端を備える。開口部は中心を備えている。第1の概念線N1は、第1のヒンジ接続から開口部の中心を通って垂直に延びる。第1の窪みは、開口部の中心を通り、第1の窪みの遠位端を通る第2の概念線N2が、第1の概念線N1と鋭角θ1を画定するように、開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0017】
オプションで、開口部の少なくとも1つの拡張部分は、第2の窪みを含み、第2の窪みは、開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。第1の窪みは、第1の概念線の第1の側の開口部の周囲に沿った位置に配置され、第2の窪みは、第1の概念線の第2の反対側の開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0018】
オプションで、開口部の少なくとも1つの拡張部分は、第2の窪みを含み、第2の窪みは、開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。第2の窪みは、開口部の中心を通り、第2の窪みの遠位端を通る第3の概念線N5が、第1の概念線N1と鋭角θ3を画定するように、開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0019】
本発明の第4の態様は、1つまたは複数の物品をパッケージするためのカートンを提供する。カートンは、トップ壁と、第1の側壁と、第2の側壁と、第1の折り目線によって第1の側壁にヒンジ接続されている第1の底壁とを含む複数の壁を備える。カートンは、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を含み得る。ヒール開口部は、少なくとも第1の側壁から打ち抜かれ得る。ヒール開口部は、窪みの形態で少なくとも1つの拡張部分を含み得る。窪みは、ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。ヒール開口部は中心を備えている。第1の概念線N1は、第1の側壁と隣接する壁との間のヒンジ接続から開口部の中心を通って垂直に延びる。窪みは、ヒール開口部の中心を通り、窪みの遠位端を通る第2の概念線N2が、第1の概念線N1と鋭角θ1を画定するように、ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0020】
オプションで、カートンは、少なくとも部分的に第1の側壁で画定され、ヒール開口部とカートンの自由端部エッジとの間に配置された変形可能構造を含む。変形可能構造は、第1の折り目線および第2の折り目線によって部分的に画定されるフラップを含み、第2の折り目線は、第2の概念線N2上に重なり得る。
【0021】
オプションで、変形可能構造は、第3の折り目線と、第3の折り目線の端部から発散して延びる切断線とを含むレリーフ構造を含む。
【0022】
オプションで、切断線は、第1の折り目線に対して実質的に垂直に延びる。
【0023】
オプションで、第1の側壁は、ベベル(bevel)パネルを画定するように、第1の側壁を横切って長手方向に延びる第4の折り目線を含む。
【0024】
オプションで、ヒール開口部はベベルパネルから部分的に打ち抜かれ、切断線が第4の折り目線を中断して、ヒール開口部を第4の折り目線から離す。
【0025】
本発明の第5の態様は、カートンを形成するためのブランクを提供する。ブランクは、トップパネルと、第1のサイドパネルと、第2のサイドパネルと、第1の折り目線によって第1のサイドパネルにヒンジ接続された第1のベースパネルとを含む複数のパネルを備えている。ブランクは、物品のヒール部分を受容するためのヒール開口部を含み得る。ヒール開口部は、少なくとも第1のサイドパネルから打ち抜かれ得る。ヒール開口部は、窪みの形態で少なくとも1つの拡張部分を含み得る。窪みは、ヒール開口部の周囲に向かって開く近位端を含む。ヒール開口部は、概して円形の形状であり得る。ヒール開口部は中心を備えている。窪みは、ヒール開口部の中心を通り、窪みの遠位端を通る概念線がカートンの隣接する端部エッジと交差するように、ヒール開口部の周囲に沿った位置に配置され得る。
【0026】
本出願の範囲内で、前述の段落、特許請求の範囲、および/または以下の説明および図面に記載された様々な態様、実施形態、実施例、特徴および代替案は、独立して、或いは、それらの任意の組み合わせについても考慮され得る。
【0027】
一実施形態に関連して、または一実施形態に関連して説明される特徴または要素は、特徴の非互換性がない限り、すべての実施形態に適用可能である。一実施形態からの1つまたは複数の特徴または要素は、本明細書に開示される他の実施形態のいずれかに組み込まれるか、または組み合わされてもよく、一実施形態から抽出された特徴またはその要素は、他の実施形態の1つまたは複数の特徴またはその要素に加えて、またはその代わりに組み込まれるか、または組み合わされてもよい。
【0028】
本明細書に開示される実施形態の特徴、または、その特徴の組み合わせは、その実施形態の他の特徴から分離して抽出され得る。或いは、一実施形態の特徴、またはその特徴の組み合わせは、その実施形態から省略され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【0030】
【
図1】第1の実施形態による、カートンを形成するためのブランクを上から見た平面図である。
【
図2】
図1に示されたブランクの一部の拡大図である。
【
図3】
図1に示されたブランクから形成されたカートンの斜視図である。
【
図4A】
図3に示されたカートンの下端部の側面図であり、展開された状態の第1の変形可能コーナー領域を示す。
【
図4B】
図3に示されたカートンの下端部の側面図であり、第1の折り畳まれた状態または変形された状態の第1の変形可能コーナー領域を示す。
【
図4C】
図3に示されたカートンの下端部の側面図であり、第2の折り畳まれた状態または変形された状態の第1の変形可能コーナー領域を示す。
【
図5】第2の実施形態による、カートンを形成するためのブランクを上から見た平面図であり、その中に変形可能コーナー領域の拡大画像がはめ込まれている。
【発明を実施するための形態】
【0031】
パッケージ、ブランク、およびカートンの特定の実施形態の詳細な説明が本明細書に開示されている。開示された実施形態は、本発明の特定の態様を実施することができる方法の単なる例であり、本発明を実施することができるすべての方法の網羅的なリストを表すものではないことが理解されよう。本明細書で使用される場合、「例示的」という用語は、例示、標本、モデル、またはパターンとして機能する実施形態を指すために広範に使用される。実際、本明細書に記載のパッケージ、ブランク、およびカートンは、様々な代替の形態で具体化され得ることが理解されるであろう。図は必ずしも縮尺どおりではなく、特定のコンポーネントの詳細を示すために、一部の機能が誇張または最小化されている場合がある。周知の構成要素、材料または方法は、本開示を曖昧にすることを回避するために、必ずしも詳細に説明されているわけではない。本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、並びに、本発明を様々に使用することを当業者に教示するための代表的なベースとして解釈されるべきである。
【0032】
図1を参照すると、
図3に示されるように、飲料缶などの一次製品のグループ(以下、
図3に示すように、「物品B」と呼ぶ)を収容および運搬するためのカートンまたはキャリア90を形成することができるブランク10の平面図が示されている。ブランク10は、少なくとも1つの一次製品容器またはパッケージを包装するための二次パッケージを形成するように組み立てることができる。
【0033】
図5は、飲料缶などの一次製品のグループ(以下、「物品B」と呼ぶ)を収容および運搬するためのカートンまたはキャリア(図示せず)を形成することができるブランク110の平面図を示す。ブランク110は、少なくとも1つの一次製品容器またはパッケージを包装するための二次パッケージを形成するように組み立てることができる。
【0034】
本明細書に詳述される実施形態では、「カートン」および「キャリア」という用語は、本発明の様々な特徴を説明する非限定的な目的のために、一次製品容器Bなどの物品Bを係合および運搬するための容器90を意味する。本発明の教示は、テーパー状および/または円筒状であってもなくてもよい様々な製品容器Bに適用できることが企図される。他の例示的な容器には、ボトル(例えば、金属、ガラスまたはプラスチックのボトル)、缶(例えば、アルミ缶)、tins缶、カップ、ポット、ポーチ、パケットなどが含まれる。
【0035】
ブランク10;110は適切な基板のシートから形成される。本明細書で使用される場合、「適切な基板」という用語は、板紙、段ボール、カードボード(cardboard)、プラスチック、それらの組み合わせ等のあらゆる種類の折り畳み可能なシート材料を含むことが理解されるべきである。1つまたは他の個数のブランクを使用することができ、適切な場合、例えば、以下でより詳細に説明するキャリア構造が提供され得ることを認識されたい。
【0036】
本明細書に記載のパッケージ構造またはカートン90を、板紙などのシート材料から形成することができ、これらは、その強度を高めるための材料で作られるか、またはその材料でコーティングされ得る。そのようなシート材料の例は、WestRockCompany製の耐引裂性NATRALOCK(登録商標)ペーパーボード(板紙)である。パッケージの引裂き抵抗を改善するのを助けるために、引裂き抵抗材料が複数の層によって提供され得ることに留意されたい。典型的には、シート材料の一方の表面が、もう一方の表面とは異なる特性を有し得る。例えば、完成したパッケージから外向きに面するシート材料の表面は、特に滑らかであり、良好な印刷適性をもたらすために、クレイコーティングまたは他の表面処理などのコーティングが施され得る。その一方、内側に面するシート材料の表面は、コーティング、層、処理を施すか、または他の方法で、1つまたは複数の引裂き抵抗、良好な接着性、熱シール性、或いは、他の望ましい機能特性などの特性をもたらすように準備され得る。
【0037】
図示された実施形態では、ブランク10;110は、例示的な物品Bの例示的な配置をパッケージ化するためのカートンまたはキャリア90を形成するように構成される。図示された実施形態では、配置は、2行(m=2)および3列(n=3)を有するmxnマトリックスまたはアレイである。図示された実施形態では、3つの物品Bの2列が提供され、物品Bは500mlの飲料缶である。あるいは、ブランク10;110は、他のタイプ、他の数、他のサイズの物品Bをパッケージするための、および/または異なる配置もしくは異なる構成で物品Bをパッケージするためのキャリアを形成するように構成することができ、例えば、完全に封入されたカートンまたはバスケットキャリアであるが、これに限定されず、物品Bはボトルや缶であり得る。
【0038】
図1に目を向けると、第1の実施形態によるカートン90(
図3を参照)を形成するためのブランク10が示されている。ブランク10は、チューブ状構造を形成するための複数のメインパネル12、14、16、18、20、22、24を含む。複数のメインパネル12、14、16、18、20、22、24は、第1のベースパネル12、第1のコーナーパネル14、第1のサイドパネル16、トップパネル18、第2のサイドパネル20、第2のコーナーパネル22、および第2のベースパネル24を含む。複数のパネル12、14、16、18、20、22、24は、対応する折り目線13、15、17、19、21、23によって互いにヒンジ固定された線形シリーズに配置され得る。
【0039】
代替の実施形態では、第1および第2のコーナーパネル14、22は省略されてもよく、折り目線15、21も省略され得る。
【0040】
図示された実施形態では、折り目線15は、第1の部分15aおよび第2の部分15bから形成され、以下でより詳細に説明される。同様に、折り目線21は、第1の部分21aおよび第2の部分21bから形成される。
【0041】
オプションで、ブランク10は、衝撃吸収構成を含む。第1の衝撃吸収または減衰装置G1は、カートン90内を伝播する可能性がある衝撃力などであるがこれに限定されない力を減衰または吸収するために設けられる。
【0042】
第1の減衰装置G1は、切断線または分離線17a、17bの形態をとることができる一対の分離要素を備える。分離要素は、それらの間にニックまたは接続ブリッジ部分を画定するように、互いに間隔を置いて配置されている。切断線17a、17bはそれぞれ線形状である。第1の切断線17aは、第2の切断線17bと同一直線上に配置されるように構成されている。第1および第2の切断線17a、17bは、第1のサイドパネル16をトップパネル18に結合する折り目線17に対して同一直線上に配置されている。
【0043】
ブランク10は、カートン90内を伝播する可能性があるインパルス力などであるがこれらに限定されない力を減衰または吸収するための第2の減衰装置G2を備えている。
【0044】
第2の減衰装置G2は、それらの間にニックまたは接続ブリッジ部分を画定するように、互いに間隔を置いて配置された一対の切断線または分離線19a、19bを備える。切断線19a、19bはそれぞれ線形状である。第3の切断線19aは、第4の切断線19bと同一直線上に配置される。第3および第4の切断線19a、19bは、第2のサイドパネル20をトップパネル18に結合する折り目線19に対して同一直線上に配置される。
【0045】
分離要素(切断線17a、17b、19a、19b)は、トップパネル18と第1および第2のサイドパネル16、20のそれぞれとの間のそれぞれのヒンジ接続(折り目線17、19)からオフセットされ得る。このようにして、切断線17a、17b、19a、19bは、トップパネル18またはサイドパネル16、20に設けられ得る。他の実施形態では、切断線17a、17b、19a、19bは、トップパネル18およびサイドパネル16、20に設けられ得る。切断線17a、17b、19a、19bは、それぞれのヒンジ接続17、19に平行であり、および/またはそれぞれのヒンジ接続17、19の近位に配置され得る。
【0046】
折り目線13および折り目線23は、オプションで、前記折り目線13、23を中断するように、折り目線13および折り目線23のそれぞれと同一直線上にある、切断線または分離線13a、13b、23a、23bを含む。分離線13a、13b、23a、23bは、カートン90のベースに近接するさらなる衝撃吸収デバイスまたは減衰デバイスを提供し得る。
【0047】
第1および第2のコーナーパネル14、22は、それらがヒンジ接続されている、第1または第2のサイドパネル16、20のそれぞれ、あるいは第1または第2のベースパネル12、24のそれぞれの下部を形成すると見なすことができる。
【0048】
ブランク10は、
図3に示すように、折り畳み可能でパッケージ90を形成する。第1および第2のベースパネル12、24は、重なり合う関係で互いに係合可能であり、カートン90の複合ベース壁12/24を形成する。
図10は、第2のベースパネル24を第1のベースパネル12に固定するための相補的なロック機構を含み得る。第2のベースパネル24は、相補的なロック機構の少なくとも1つの第1の部分Fを含み得る。第1のベースパネル12は、相補的ロック機構の少なくとも1つの第2の部分Mを含み得る。図示された実施形態では、第2のベースパネル24は、第2のベースパネル24の開口部を画定する複数のメスタブFを備える。第1のベースパネル12は、複数のオスタブMを備える、そして、第2のベースパネル24の開口部は、オスタブMのそれぞれの1つを受容するように構成される。メスタブFは、開口部を形成し、オスタブMを受容した時に、オスタブMを支えるために、第2のベースパネル24から変位するように構成される。いくつかの実施形態では、相補的ロック機構M/Fは省略され、そして、第1および第2のベースパネル12、24は、接着剤またはステープル等であるがこれらに限定されない他の手段によって互いに固定され得る。
【0049】
オプションで、第1および第2のベースパネル12、24は、少なくとも1つの第1の開口A1を含み得る。図示された実施形態では、第1および第2のベースパネル12、24のそれぞれは、2つの第1のアパーチャA1を備える。オプションで、第1および第2のベースパネル12、24は、少なくとも1つの第2のアパーチャA2を含み得る。図示された実施形態では、第1および第2のベースパネル12、24のそれぞれは、1つの第2のアパーチャA2を備える。第1および第2のアパーチャA1、A2は、カートン90の構築を容易にするために使用され得る。パッケージ機の構成要素は、第1および第2のアパーチャA1、A2と係合して、複数のパネル12、14、16、18、20が物品B群の周りを締めることを可能にする。第1および第2のアパーチャA1、A2はまた、第1および第2のベースパネル12、24の互いに対する位置合わせを容易にするため、或いは、相補的ロック機構の第1の部分Fを相補的ロック機構の第2の部分Mと位置合わせするために使用され得る。
【0050】
図示および説明されている補完的なロック機構は完全にオプションである。
【0051】
ブランク10は、ヒールまたは物品Bの下部と係合するための少なくとも1つのヒール係合構造Nを含み得る。
図1に示されるブランク10は、それぞれがそれぞれの物品Bと係合するための6つのヒール係合構造Nを含む。係合構造Nは、構造が実質的に類似しており、
図2に示されるように、第2のサイドパネル20に設けられるヒール係合構造Nを参照することによってのみ説明される。
【0052】
ヒール係合構造Nは、開口部を含み得る。開口部は、一部がヒールアパーチャA3によって、一部がヒールタブ42によって画定される。ヒールタブ42は、折り目線43によって第1のベースパネルにヒンジ接続される。ヒールタブ42は、第1のコーナーパネル14から打ち抜かれる。
【0053】
折り目線43は、第1のベースパネル12を第1のコーナーパネル14にヒンジ接続する折り目線13を遮断する。折り目線43は、非線形であり、図示された実施形態では、折り目線43は、湾曲または弧状であり、他の実施形態では、互いに対して発散するように配置され、互いに隣接している少なくとも2つの線形折り目線から形成され得る。
【0054】
ヒールタブ42は、ヒールタブ42の折り畳み可能なコーナー部分を画定し得る、発散するように配置された一対の折り目線45a、45bを含み得る。
【0055】
物品Bの組み立ておよびパッケージ中に、ブランク10は、各ヒール開口A3がそれぞれの物品Bの底部を受容して、前記物品Bをカートン90内に保持するように操作される。ヒールタブ42はまた、物品Bを保持するのを助けるために折りたたまれている。これは、ヒールタブ42が内側に延在するように第1および第2のベースパネル12、24を外側に折り曲げることによって達成することができ、ヒールタブ42は、内側に延在し、第1および第2のサイドパネル16、20が物品群の周りに折りたたまれているときに、それぞれの物品Bの下に配置される。次に、第1および第2のベースパネル12、24は、物品群のベースの周りに折り畳まれ、そうすることで、ヒールタブ42は、前記それぞれの物品Bと係合し、折り目線43によってヒンジ接続されている、第1および第2のベースパネル12、24のそれぞれに対して折り畳まれる。
【0056】
ヒールタブ42は、物品Bのヒールまたはベースを所定の位置に固定またはロックすることを容易にする。
【0057】
ブランク10は、少なくとも1つの変形可能または折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4を含む。図示されたブランク10は、複数の折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4を含み、オプションで4つの折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4が設けられる。それぞれの折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、カートン90の変形可能なコーナー領域、オプションで下部または底部コーナー領域を形成する。折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、折り畳み線および窪みの構成を含み、カートン90のコーナーまたはエッジの鋭利部および/または剛性を排除または低減するのに適している。これは、カートン90がキャリーバッグ、特に、プラスチック、紙、または同様のシート材料から形成されたキャリーバッグで輸送または運ばれる場合に有利であり得る。折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、カートン90が、キャリーバッグが形成される材料を穿孔、引き裂き、または他の方法で突き刺し、或いは、損傷する可能性を防止または低減する。キャリーバッグに穴を開けると、キャリーバッグの耐荷重能力が損なわれる可能性があることが理解され、一度妥協すると、破損が広がる可能性がある。これは、キャリーバッグの故障、およびキャリーバッグに配置されたカートン90または他のアイテムの望ましくない状況、およびその結果としての損傷の可能性につながり得る。
【0058】
それぞれの折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、構造が実質的に類似しており、第2のサイドパネル20に設けられ、
図2に示される折り畳み構造FS3を参照して説明される。
【0059】
折り畳み構造FS3は、第2のサイドパネル20から打ち抜かれた第1の部分82および第2のコーナーパネル22から打ち抜かれた第2の部分84から形成されたレリーフタブ82/84を備える。第1または第2のコーナーパネル14が省略された実施形態では、レリーフタブ82/84は、一部が第2のサイドパネル20から、一部が第2のベースパネル24から、あるいは完全に第2のサイドパネル20から形成され得る。
【0060】
レリーフタブ82/84は、部分的には第2のサイドパネル20に設けられた第1の折り目線83によって、部分的には第2のコーナーパネル22に設けられた第2の折り目線87によって画定される。
【0061】
第1の折り目線83は、第2の折り目線87に対して発散するように配置されている。第1および第2の折り目線83、87は、ブランク10の長手方向または自由サイドエッジに向かって発散している。第1および第2の折り目線83、87は、互いに近位に配置された第1の端部と、互いに遠位に配置された第2の端部とを含む。
【0062】
第1の折り目線83は第3の概念線N3を規定し、第2の折り目線87は第4の概念線N4を規定する。第3および第4の概念線N3、N4は、それらの間に第2の角度θ2を画定する。オプションで、第2の角度θ2は鋭角である。オプションで、第2の角度θ2は70度未満である。第2の角度θ2は、0度から70度(0°<θ2≦70°)の範囲にあり、いくつかの実施形態では、第2の角度θ2は、30度から45度(30°≦θ2≦45°)の範囲にある。
【0063】
レリーフタブ82/84は、切断線または分離線93によって部分的に画定される。切断線93は、第1の折り目線83の第1の端部から第2の折り目線87の第1の端部に向かって延在し得る。切断線93は、第1の折り目線83の第1の近位端と第2の折り目線87の第1の近位端との間を実質的に延在する。切断線93は、第1の折り目線83の第1の端部を第2の折り目線87の第1の端部と隣接するように接続し得る。切断線93は、ブランク10の長手方向または自由サイドエッジの隣接部分に実質的に平行になるように配置され得る。したがって、レリーフタブ82/84は、実質的に台形の形状であり得る。
【0064】
切断線93は、第2のサイドパネル20(または存在する場合は第2のコーナーパネル22)とカートン90の底部パネル24との間の折り目線23に対してほぼ垂直に配置される。
【0065】
第3の折り目線85は、レリーフタブ82/84を実質的に二等分し、第1の部分82を第2の部分84にヒンジ接続する。第3の折り目線85は、第2のサイドパネル20を第2のコーナーパネル22にヒンジ係合する折り目線21(21a/21b)と実質的に同一直線上にあり得る。他の実施形態では、第3の折り目線85は、レリーフタブ82/84が第3の折り目線85に対して非対称であるように、中心からずれていてもよい。
【0066】
切断線93は、第3の折り目線85が隣接して配置されたヒールアパーチャA3から離間するように、第3の折り目線85の第1の終端を規定する。
【0067】
切断線93は、第1および第2の折り目線83、87が隣接して配置されたヒールアパーチャA3から離間するように、第1および第2の折り目線83、87の終端を規定する。
【0068】
折り目線21の第1および第2の部分21a、21bは、それぞれが第1および第2の部分21a、21bのそれぞれの終端を規定する切断線95を含み得る。このようにして、折り目線21の第1および第2の部分21a、21bのそれぞれは、それが配置される一対のヒールアパーチャA3から離間されている。
【0069】
この間隔は、ヒールアパーチャA3から伝播する損傷を防止または軽減し得る。
【0070】
切断線93、95は、カートン90の基板における力または負荷応力をヒールアパーチャA3から離れるように方向転換、再分配、或いは、拡散させることができる。
【0071】
リリーフタブ82/84は、ブランク10の長手方向または自由サイドエッジと、隣接する最も端のヒールアパーチャA3との間に配置されている。
【0072】
折り畳み構造FS3は、コーナーフラップ80/86を部分的に画定する折り畳み線81を含み得る。コーナーフラップ80/86は、一部が第2のサイドパネル20から、一部が第2のコーナーパネル22から形成される。コーナーフラップ80/86はまた、一部が折り目線23の一部によって画定される。コーナーフラップ80/86は、第2のコーナーパネル22によって設けられ、コーナーフラップ80/86の上部80は、第2のサイドパネル20によって設けられる。リリーフタブ82/84は、コーナーフラップ80/86から打ち抜かれる。
【0073】
ブランク10は、その長手方向または自由サイドエッジから打ち抜かれた第1の切り欠きまたは窪みR1を含み得る。第1の窪みR1は、コーナーフラップ80/86から部分的に打ち抜かれている。
図1の実施形態では、第1の窪みR1は、「V」字形の自由縁を画定するように実質的に三角形である。第1の窪みR1は、折り目線81を中断するか、またはその終端を画定する。折り目線81は、「V」形状の頂点に向かって延在するように実質的に整列されている。折り目線81は、「V」形状の頂点で、またはその頂点に近接して終端し得る。第1の窪みR1は、第2のサイドパネル20の自由縁に近接する折り目線81の突出を低減するように、折り目線81にまたがる材料を除去する。第1の窪みR1は、第3の折り目線81のクリップされた縁を設ける。
【0074】
折り目線81は、折り目線23に対して発散するように配置されている。折り目線81はまた、折り目線83、85、87のうちの少なくとも1つに対して発散するように配置され得る。
【0075】
折り畳み構造FS3は、第2のサイドパネル20(および提供される場合はオプションの第2のコーナーパネル22)の一部を、最も端に隣接する物品Bの端部の周りで折り畳むかまたは変形させることを可能にし、その部分の自由縁を前記最も端の物品Bにより近づける。それは、それが容易に変形するように、前記部分の外側または端部領域の剛性を低下させる。このようにして、キャリーバッグの装填中または運搬中のいずれかにおいて、カートン90の下部コーナー部分が内部に配置されたときに、キャリーバッグの壁に穴を開けるか、さもなければ損傷させる可能性が低減される。これにより、「二重バッグ」、すなわち、より強力な2層壁のキャリアバッグを作成するために、第1のキャリアバッグを第2のキャリアバッグの中に配置する、「二重バッグ」の慣行を減少させ得る。
【0076】
折り畳み構造FS3は、ブランク10の長手方向または自由サイドエッジから打ち抜かれた第2の切り欠きまたは窪みR2を含み得る。
図2の実施形態では、第2の窪みR2は、「V」字形の自由エッジ部を画定するように実質的に三角形である。第2の窪みR2は、第2のベースパネル24を第2のコーナーパネル22に結合する折り目線23の終端を遮断または画定する。折り目線23は、「V」形状の頂点に向かって延在するように実質的に整列されている。折り目線23は、「V」形状の頂点で、またはその頂点の近くで終端し得る。第2の窪みR2は、折り目線23にまたがる材料を除去して、ブランク10の自由縁に近接する折り目線23の突出を低減する。第2の窪みR2は、折り目線23のクリップされた縁を設ける。
【0077】
ヒールアパーチャA3は、第3の切り欠きまたは窪みR3を備える。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3と一体であるか、またはその延長であると見なされ得る。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の実質的に「U」字型の自由エッジ部を画定する。折り目線81は、「U」字形のベースに向かって延在するように実質的に整列されている。折り目線81は、「U」字形のベースで、またはその近くで終端し得る。第3の窪みR3は、折り目線81にまたがる材料を除去する。
【0078】
折り目線81は、実質的に第1の窪みR1と第3の窪みR3との間に延在する。
【0079】
第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の拡張を形成すると考えられ得る。
【0080】
ヒールアパーチャA3およびヒールタブ42は、物品と係合するための底部受容機構の開口部を形成する。開口部は、第3の窪みR3の形態の少なくとも1つの拡張部分を含む。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の周囲に向かって開いている。
【0081】
開口部は概して円形であり、他の実施形態では、開口部は、正方形、切頭円形または丸みを帯びた正方形として形作られ得る。さらに他の実施形態では、他の形状を使用することができ、開口部は、例えば、これらに限定されないが、実質的に楕円形、長円、台形、または長方形として形作られ得る。
【0082】
第3の窪みR3は、開口部の中央を通って延びる第1の概念線N1に対してオフセットされるように配置されている。第1の概念線N1は、折り目線23に実質的に垂直である。第3の窪みR3は、第1の概念線N1よりも第2のサイドパネル20の自由端部エッジに近くなるように配置されている。つまり、第3の窪みR3は、第2のサイドパネル20の自由端部エッジと第1の概念線N1との間に配置されている。
【0083】
第3の窪みR3は、開口部の中心Cおよび第2のサイドパネル20の端部エッジを通過する第2の概念線N2上にあるように配置される。第2の概念線N2は、第1の概念線N1に対して発散するように配置され、第1および第2の概念線N1、N2は、トップパネル18に向かって発散する(第1および第2の概念線N1、N2は、それらがベースパネル24に近づくにつれて収束する)。第1および第2の概念線N1、N2は、それらの間に第1の角度θ1を画定する。オプションで、第1の角度θ1は鋭角である。オプションで、第1の角度θ1は65度未満である。第1の角度θ1は、0度から65度(0°<θ1≦65°)の範囲にあり、いくつかの実施形態では、第1の角度θ1は、20度から45度(20°≦θ1≦45°)の範囲にある。第2の概念線N2は、第3の窪みR3を通って、「U」形状のベースを通って、第3の窪みR3の最も深い端部または縁を通って、これは、開口部の中心Cから最も遠い点である、延在する。
【0084】
折り目線81は、実質的に、第3の窪みR3から、カートン90の端部エッジを形成する第2のサイドパネル20の隣接する端部エッジまで延びる。
【0085】
折り目線81は、第2の概念線N2に沿って延びる。
【0086】
第1の窪みR1は、第2の概念上の折り目線N2とカートン90の隣接する端部エッジとの交点で画定される。
【0087】
トップパネル18は、オプションのハンドル構造Hを含み得る。ハンドル構造Hは、一対の折り畳み可能なフィンガータブ52を含む。フィンガータブ52は、互いに離間されている。フィンガータブ52は、折り目線53によってトップパネル18にヒンジ接続され、切断線または分離線51によって部分的に画定される。フィンガータブ52の最初の一つは、フィンガータブの2番目のタブ52とは反対のトップパネル18にヒンジ接続される。
【0088】
トップパネル18は、引裂きストリップの形態の取り外し可能な部分Dを含み得る。取り外し可能な部分Dは、第1の引裂きまたは分離線62aによって、および第2の引き裂きまたは分離線62bによって画定される。第1および第2の分離線62a、62bは、概して、トップパネル18を横切って長手方向に延在する。第2の分離線62bは、第1の分離線62aから横方向に離間している。プルタブ60a、60bの形態の引裂き開始装置を引裂きストリップの一端に設けることができる。プルタブ60aは、折り目線61aによって引裂きストリップにヒンジ接続されており、第1および第2の分離線62a、62bよりも容易に引裂かれる脆弱線によって部分的に画定され得る。つまり、脆弱線は、第1および第2の分離線62a、62bよりも引裂き抵抗が少ない。
【0089】
取り外し可能な部分Dは、カートン90の内容物、物品Bへのアクセスを、その取り外し時に容易にし得る。
【0090】
ブランク10の各端部は、前記ブランク10がカートン90に組み立てられたときに、カートン90の内容物がカートン90から外れるのを防ぐための端部保持構造を備える。
【0091】
それぞれの端部保持構造は、折り目線25a、25b、39a、39bに沿って隣接するサイドパネル16、20にヒンジ接続された固定部分26a、26b、32a、32bを備える。それぞれの端部保持構造は、折り目線27a、27b、35a、35bに沿って固定部分26a、26b、32a、32bにヒンジ接続されたウェブ部分28a、28b、30a、30bを備える。それぞれのウェブ部分30a、30b、32a、32bは、折り目線31a、31b、33a、33bによってトップパネル18にヒンジ接続されている。
【0092】
オプションのアパーチャA4は、一部がトップパネル18から、一部が第1または第2のサイドパネル16、20から、そして一部が端部保持構造の一部から打ち抜かれ得る。アパーチャA4は、折り目線17、25a、27a、31a;17、25b、27b、31b;19、33a、35a、39a;19、33b、35b、39bのそれぞれの終端を画定し、前述した折り目線の頂点に配置されている。
【0093】
オプションで、折り目線27a、27b、35a、35bは、それぞれ、分離線29a、29b、37a、37bによって中断され得る。分離線29a、29b、37a、37bは、ウェブ部分28a、28b、30a、30bのそれぞれの1つから打ち抜かれたタブを画定するように、実質的にU字形であり、タブは、それぞれのウェブ部分28a、28b、30a、30bと一体であり得る。
【0094】
端部保持構造の折り畳みは、カートン90の組み立て中に達成される。各端部保持構造からトップ係合構造を形成するために、固定部分26a、26b、32a、32bは、隣接するサイドパネル16、20の内面との面接触関係をもたらすために約180度折り畳まれる。固定部分26a、26b、32a、32bは、パッケージされた物品Bの1つによって隣接するサイドパネル16、20に押し付けられることによって折り畳み位置に保持される。固定部分26a、26b、32a、32bの折り畳みにより、ウェブ部分28a、28b、30a、30bが折り目線27a、27b、35a、35bの周りで外側に折り畳まれ、ウェブ部分28a、28b、30a、30bは、折り目線27a、27b、35a、35bから1つのパッケージされた物品Bの側壁に沿って外向きに延在し、1つのパッケージされた物品Bの周りに折り畳まれて、折り目線27a、27b、35a、35bから、それぞれの折り目線31a、31b、33a、33bのうちの1つによってヒンジで固定されているトップパネル18に延在する。このようにして完成したトップ係合構造が
図3に示され、各構造が、最も端の物品Bのトップにしっかりと係合していることが示されている。
【0095】
図3に示されるようなカートン90の構造に目を向けると、カートン90は、その構造を完成するためにカートン90を回転または反転させる必要がないように、直線機械における一連の連続的な折り畳み操作によって形成され得る。折り畳みプロセスは、以下に説明するものに限定されず、特定の製造要件に従って変更することができる。
【0096】
物品B群が組み立てられ、
図3に示される実施形態では、6つの物品Bが2×3のアレイ配置にされている。ブランク10のトップパネル18は、物品B群の上に配置されて、カートン90のトップ壁18を提供する。
【0097】
第1および第2のサイドパネル16、20は、トップパネル18に対して、それぞれ、物品群Bの反対側の周りに、折り目線17、19の周りに折り畳まれ、カートン90の第1および第2の側壁16、20を形成するために、物品B群の反対側の周りに配置される。
【0098】
アンカー部分26a、26b、32a、32bは、上述したようにトップ係合構造を形成するために、トップパネル18に対して第1および第2のサイドパネル16、20を折り畳むのと実質的に同時に、第1および第2のサイドパネル16、20のそれぞれの1つと面接触関係に折り畳むことができる。
【0099】
あるいは、トップ係合構造は、カートン90をチューブ状形態に組み立てた後に形成され得る。アンカー部分26a、26b、32a、32bは、それらがヒンジ接続されている第1および第2のサイドパネル16、20のそれぞれの1つと隣接して配置された物品Bとの間に押し込まれ得る。
【0100】
第1および第2のコーナーパネル14、22は、第1および第2のサイドパネル16、20のそれぞれの1つに対して、それぞれ、隣接して配置された物品Bのヒールまたは下部の折り目線15、21の周りに折り畳まれている。
【0101】
ヒールタブ42は、第1および第2のコーナーパネル14、22のそれぞれの第1および第2のサイドパネル16、20を折り畳む前に、第1および第2のコーナーパネル14、22の平面から折り目線43の周りに折り畳むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、これは、ヒールタブ42が物品群の下で内側に延在して物品Bの1つと係合するように第1および第2のベースパネル12、24を外側に折り畳むことによって達成され、次に、第1および第2のベースパネル12、24が、物品群のベースの下の反対方向に折り畳まれる。
【0103】
第1のベースパネル12は、物品B群のベースに隣接して配置されるように折り目線13の周りに折り畳まれている。次に、第2のベースパネル24は、第1のベースパネル12と少なくとも部分的に重なり合う関係になるように折り目線23の周りに折り畳まれており、そうすることで、ヒールタブ42のそれぞれを、それぞれの物品Bのベースと係合させることができる。
【0104】
第1および第2のベースパネル12、24は一緒に固定されている。オスタブMのそれぞれは、第2のベースパネル24の平面から内側に変位する。そうすることで、メスタブFのそれぞれは、内側に変位し、第1のベースパネル12に対応する開口部を作成する。オスタブMは、第1および第2のベースパネル12、24を一緒にロックするように、開口部のそれぞれの1つに受容される。このようにして、物品B群の周りにチューブ状構造が形成される。
【0105】
組み立てられたカートン90を
図2に示す。
図4A、4Bおよび4Cは、セットアップカートン90内の折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4のうちの1つの拡大図を示す。
【0106】
図4Aは、折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4が折り畳まれていないまたは変形していない状態にある初期位置または開始位置にある折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4を示している。
【0107】
レリーフタブ82/84は、第2のサイドパネル20およびコーナーフラップ80/86の上部80と実質的に同一平面上にある第1の上部の部分82を備える。
【0108】
レリーフタブ82/84は、第2のコーナーパネル22と実質的に同一平面上にある第2の下部の部分84を備える。折り目線85は、第2のコーナーパネル22を第2のサイドパネル20にヒンジ接続する折り目線23と実質的に同一直線上にある。
【0109】
図4Bおよび4Cは、折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4が折り畳まれた状態または変形した状態にある、第2の展開された位置における折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4を示す。
図4Bでは、方向矢印D1によって示されるように、荷重または力がコーナーフラップ80/86の上部80に加えられる。
図4Cでは、方向矢印D2によって示されるように、荷重または力がリリーフタブ82/84に加えられる。折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、外部の本体または影響によって折り畳まれたり変形したりすることができ、例えば、折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、キャリアバッグの壁と接触し得る。壁はカートン90に作用し、折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4に力を及ぼす。リリーフタブ82/84は、加えられた力によって、適切な方向に内側に変位する。
【0110】
レリーフタブ82/84は、最も端の物品Bの周りに折り畳まれて、それに近接するようになっている。このように、カートン90の下部コーナーは、丸みを帯び、先細りにされ、または面取りされている。これは、カートン90がキャリーバッグに穴を開ける可能性を減らすのに有益であり得る。それは、キャリーバッグの壁がカートン90のより広いエリアまたは領域に接触することを可能にし、それによって、より広い領域に負荷力を分散させることによってバッグにかかる圧力を低減し得る。カートン90の変形の結果として、キャリーバッグの壁は、カートン90内の最も端の物品に接触し得る。
【0111】
ここで
図5を参照すると、本開示の代替の実施形態が示されている。代替の例示された実施形態では、これらの特徴が第2の実施形態に属することを示すために、接頭辞「100」が追加されており、可能な場合、同様の数字が同様の部品を示すために使用されている。代替の実施形態は、
図1から
図4Cの実施形態と多くの共通の特徴を共有し、したがって、
図1から
図4Cに示された実施形態との違いのみが、より詳細に説明される。
【0112】
図5は、第2の実施形態によるブランク110を示している。ブランク110は、チューブ状構造を形成するための複数のメインパネル112、114、116、118、120、122、124を備える。
【0113】
複数のメインパネル112、114、116、118、120、122、124は、第1のベースパネル112、第1のコーナーパネル114、第1のサイドパネル116、トップパネル118、第2のサイドパネル120、 第2のコーナーパネル122、および第2のベースパネル124を含む。複数のパネル112、114、116、118、120、122、124は、対応する折り目線113、115、117、119、121、123によって互いにヒンジ固定された線形シリーズに配置され得る。
【0114】
ブランク110は、複数の折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4を備える。折り畳み構造FS3における1つの拡大図を、
図5の挿入図として示す。折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4は、構造が実質的に類似しており、折り畳み構造FS3の拡大図を参照して説明する。折り畳み構造FS3は、一部が第2のサイドパネル120から、一部がオプションの第2のコーナーパネル122から、そして一部が第2のベースパネル124から画定される。
【0115】
折り畳み構造FS3は、一部が第2のサイドパネル120から、一部が第2のコーナーパネル122から形成されるレリーフ構造を備える。第1または第2のコーナーパネル114、122が省略される実施形態では、レリーフ構造は、 一部は第2のサイドパネル120からのものであり、一部は第2のベースパネル124からのものである。
【0116】
レリーフ構造は、第2のコーナーパネル122に設けられた第1の折り目線187を含む。レリーフ構造は、切断線または分離可能線193を含む。
【0117】
第1の折り目線187は、分離可能線193に対して発散するように配置されている。
【0118】
切断線193は、第1の折り目線187の第1の端部からトップパネル118に向かって延在し得る。切断線193は、ブランク110の長手方向または自由サイドエッジの隣接部分に実質的に平行になるように配置され得る。
【0119】
図5の実施形態では、前述した
図2の実施形態における折り目線83、85は省略されている。他の実施形態では、第1の折り目線187も省略され得る。代替の実施形態では、レリーフ構造は、切断線93の有無にかかわらず、任意の組み合わせで、
図2の実施形態の折り目線83、85、87のうちの1つまたは複数を含み得る。例えば、これらの例に限定されないが、レリーフ構造は、折り目線83と折り目線87および切断線93、または、折り目線83および切断線93のみを含み得る。
【0120】
ブランク110に設けられたヒールアパーチャA3のそれぞれまたはすべては、レリーフまたは拡張デバイスを備える。拡張デバイスは、カートンまたはその物品に作用する物理的衝撃または外力の結果としての引裂き伝播の可能性を低減するための引裂き低減機能を提供する。
【0121】
拡張デバイスは、少なくとも1つの窪みR3、R4の形態を取る。図示された実施形態は、1対の窪みR3、R4を備える。
【0122】
ヒールアパーチャA3はそれぞれ、第3の切り欠きまたは窪みR3を備える。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3と一体であるか、またはその拡張であると見なされ得る。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の実質的に「U」字型の自由エッジ部を画定する。
【0123】
第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の拡張部を形成する。
【0124】
ヒールアパーチャA3はそれぞれ、第4の切り欠きまたは窪みR4を備える。第4の窪みR4は、ヒールアパーチャA3と一体であるか、またはその拡張であると見なされ得る。第4の窪みR4は、ヒールアパーチャA3の実質的に「U」字型の自由エッジ部を画定する。
【0125】
第4の窪みR4は、ヒールアパーチャA3の拡張を形成する。
【0126】
ヒールアパーチャA3およびヒールタブ142は、物品Bと係合するための底部受容機構の開口部を形成する。開口部は、第3および第4の窪みR3、R4の形態の少なくとも1つの拡張部分を含む。第3の窪みR3は、ヒールアパーチャA3の周囲に向かって開いている。第4の窪みR4は、ヒールアパーチャA3の周囲に向かって開いている。
【0127】
開口部は概して円形であり、他の実施形態では、開口部は、正方形、切頭円形または丸みを帯びた正方形として形作られ得る。さらに他の実施形態では、他の形状を使用することができ、例えば、これらに限定されないが、開口部は、実質的に楕円形、長円、台形、または長方形として形作られ得る。
【0128】
第3の窪みR3は、開口部の中央を通って延びる第1の概念線N1に対してオフセットするように配置され、第1の概念線N1は、折り目線123に実質的に垂直である。
【0129】
第4の窪みR4は、開口部の中央を通って延びる第1の概念線N1に対してオフセットするように配置されている。
【0130】
第3または第4の窪みR3、R4のうちの1つは、第1の概念線N1よりも第2のサイドパネル120の自由端部エッジに近くなるように配置され、すなわち、前記窪みR3、R4は、第2のサイドパネル120の自由端部エッジと第1の概念線N1との間に配置され得る。
【0131】
第3の窪みR3は、
図5の挿入図に示すように、開口部の中心Cおよび第2のサイドパネル120の端部エッジを通過する第2の概念線N2上にあるように配置される。第2の概念線N2は、第1の概念線N1に対して発散するように配置される。第1および第2の概念線N1、N2は、トップパネル118に向かって発散する(第1および第2の概念線N1、N2は、それらがベースパネル124に近づくにつれて収束する)。第1および第2の概念線N1、N2は、それらの間に第1の角度θ
1を画定する。オプションで、第1の角度θ
1は鋭角である。オプションで、第1の角度θ1は65度未満である。第1の角度θ1は、0度から65度(0°<θ
1≦65°)の範囲にあり、いくつかの実施形態では、第1の角度θ
1は、20度から45度(20°≦θ
1≦45°)の範囲にあり得る。第2の概念線N2は、第3の窪みR3を通って、「U」形状のベースを通って、第3の窪みR3の最も深い端部または縁を通って、これは開口部の中心Cから最も遠い点である、延在する。
【0132】
第3の窪みR3は、開口部の中心Cを通過する第5の概念線N5上にあるように配置される。第5の概念線N5は、第1の概念線N1に対して発散して配置され、第1および第5の概念線N1、N5は、トップパネル118に向かって発散する。第5の概念線N5は、第2の概念線N5に対して発散して配置される。第1および第5の概念線N1、N5は、それらの間に第3の角度θ3を画定する。オプションで、第3の角度θ3は鋭角である。オプションで、第3の角度θ3は65度未満である。第3の角度θ3は、0度から65度(0°<θ3≦65°)の範囲にあり、いくつかの実施形態では、第3の角度θ3は、20度から45度(20°≦θ3≦45°)の範囲にあり得る。
【0133】
第5の概念線N5は、第4の窪みR4を通って、「U」形状のベース、第4の窪みR4の最も深い端部またはエッジを通って、これは開口部の中心Cから最も遠い点である、延在する。
【0134】
第3の角度θ3は、第1の角度θ1に実質的に等しくてもよい。そのような実施形態では、開口部は、第1の概念線N1に関して実質的に対称であり得る。
【0135】
最も端のヒールアパーチャA3、およびそれがそれぞれのヒールタブ142で画定する開口部を参照すると、折り畳み構造FS1、FS2、FS3、FS4のうちの隣接する1つの折り目線181は、第3の窪みR3の「U」形状をしたベースに向かって延びるように実質的に整列している。折り目線181は、第3の窪みR3の「U」形状のベースで、またはそのベースの近くで終端し得る。
【0136】
第3の窪みR3は、折り目線181にまたがる材料を除去する。
【0137】
折り目線181は、実質的に、第1の窪みR1と第3の窪みR3との間に延在する。
【0138】
折り目線181は、実質的に、第3の窪みR3から、カートンの端部エッジを形成する第1または第2のサイドパネル116、120の隣接する端部エッジまで延在する。
【0139】
折り目線181は、第2の概念線N2に沿って延在する。
【0140】
第1の窪みR1は、第2の概念上の折り目線N2とカートン90の隣接する端部エッジとの交点で画定される。
【0141】
本開示は、物品Bをパッケージするためのカートンを提供する。
【0142】
カートンの下部コーナー部分は、カートンの下部コーナー部分の鋭利さを低減するために下部コーナー部分を変形または折り畳むことを可能にする、変形可能な折り畳み構造を含み得る。変形可能な折り畳み構造により、荷重が加えられたときに、下部コーナー部分を容易に折り畳んで丸くし得る。
【0143】
ブランク110から形成されたカートンは、底部受容機構を備える。この機構は、ラップアラウンド(wraparound)カートンの側壁に少なくとも部分的に画定された開口部と、開口部の周囲に開口する窪みの形態の開口部の少なくとも1つの拡張部分とを備える。開口部は概して円形であり、窪みは、開口部の中心および窪みの最深端部を通る概念線がカートンの隣接する端部エッジと交差するように、周囲に沿った位置に配置される。
【0144】
開口部の拡張部分は、カートンが物理的衝撃に耐えることを可能にするための拡張デバイスを形成し得る。
【0145】
開口部の拡張部分は、変形可能な折り畳み構造と相互作用または協働して、構造の折り畳みまたは変形を促進または容易にし得る。
【0146】
本発明の範囲内で様々な変更を行うことができることを理解することができる。例えば、パネルおよびアパーチャのサイズや形状は、異なるサイズまたは形状の物品に対応するように調整され得る。図示された実施形態は、ラップアラウンドスタイルの物品キャリアを形成するためのカートンまたはブランクを示す。他の実施形態では、物品キャリアは、代替のフォーマットまたはスタイルをとることができ、本開示の特徴のうちの1つまたは複数を使用することができる。
【0147】
本明細書で使用される場合、「トップ」、「底部」、「ベース」、「フロント」、「バック」、「端部」、「サイド」、「内側」、「外側」、「上部」および「下部」は、必ずしもそれぞれのパネルをそのような方向に制限するわけではなく、単にこれらのパネルを互いに区別するための場合がある。
【0148】
本明細書で使用される場合、「ヒンジ接続」および「折り目線」という用語は、ブランクのヒンジ機構を画定する、ブランクの互いに対する折り畳み部分を容易にする、或いは、さもなければブランクの最適なパネル折り畳み位置を示すあらゆる種類の線を意味する。「ヒンジ接続」への言及は、必ずしも単一の折り目線のみを指すと解釈するべきではない。実際、ヒンジ接続は、2つ以上の折り目線から形成することができ、2つ以上の折り目線のそれぞれは、形状がまっすぐ/直線または曲線/湾曲のいずれかであり得る。直線状の折り目線がヒンジ接続を形成する場合、それらは互いに平行に配置されるか、または互いに対してわずかに角度が付けられ得る。曲線の折り目線がヒンジ接続を形成する場合、それらは互いに交差して、曲線の折り目線で囲まれた領域内に成形パネルを画定し得る。そのようなヒンジ接続の典型的な例は、それらがそれらの間の楕円形パネルを画定するように、2点で交差する一対のアーチ型または弧状の折り目線を含み得る。ヒンジ接続は、1つまたは複数の直線状の折り目線および1つまたは複数の曲線状の折り目線から形成され得る。そのようなヒンジ接続の典型的な例は、それらがそれらの間に半月形のパネルを画定するように2点で交差する直線折り目線とアーチ型または弧状の折り目線との組み合わせを含み得る。
【0149】
本明細書で使用されるように、「折り目線」という用語は、以下のいずれかを指し得る。すなわち、スコアライン、エンボスライン、デボスライン(debossed line)、ミシン目のライン、短いスリットのライン、ハーフカットのライン、シングル・ハーフカット、中断された切断線、整列されたスリットのライン、スコアのライン、およびそれらのオプションの任意の組み合わせである。
【0150】
ヒンジ接続および折り目線はそれぞれ、ミシン目、ミシン目の線、短いスリットの線、ハーフカットの線、単一のハーフカット、切断線、中断された切断線、スリット、スコア、それらの任意の組み合わせなどを含む、ブランクの基板に形成される要素を含み得ることを理解されたい。要素は、必要な機能を提供するように寸法決めされて配置され得る。例えば、ミシン目の線は、折り目線および/または分離線を画定するために、脆弱の程度で寸法が決定されまたは設計され得る。ミシン目の線は、折り畳みを容易にすると共に破壊に抵抗するように設計され、折り畳みを容易にすると共に多くの努力で破壊を容易にするように設計され、或いは、折り畳みを容易にすると共にわずかな努力で破壊を容易にするように設計され得る。
【0151】
本明細書で使用される「配置された」という表現は、2つの重なり合うパネルの第1に形成されるアパーチャおよび2つの重なり合うパネルの第2に形成される第2のアパーチャなど、組み立てられたカートン内の2つ以上の要素の位置合わせを指す。互いに配置されているこれらの要素は、重なり合うパネルの厚さの方向に互いに整列し得る。例えば、第1のパネルのアパーチャが、第1のパネルと重なり合う配置で設けられた第2のパネルの第2のアパーチャに「配置」されている場合、アパーチャの縁が、第2のアパーチャの、第1および第2のパネルの厚さの方向に、第2の開口部と整列するように、縁の少なくとも一部に沿って延在し得る。
【符号の説明】
【0152】
10、110 ブランク
12 第1のベースパネル
14 第1のコーナーパネル
16 第1のサイドパネル
18 トップパネル
20 第2のサイドパネル
22 第2のコーナーパネル
24 第2のベースパネル
13、15、17、19、21、23 45、83、85、87 折り目線
17a、17b、19a、19b 切断線または分離線
42 ヒールタブ
52 フィンガータブ
60a、60b プルタブ
82/84 リリーフタブ
80/86 コーナーフラップ
90 カートン、キャリア
A1~A4 アパーチャ
B 物品
G1 第1の減衰装置
G2 第2の減衰装置
F メスタブ
FS1、FS2、FS3、FS4 折り畳み構造
M オスタブ
N ヒール係合構造
N1~N4 概念線
R1~R3 窪み