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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自動制御環境のための多機能デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240912BHJP
   H04L 69/18 20220101ALI20240912BHJP
【FI】
H04L12/28 500C
H04L69/18
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021547167
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020018222
(87)【国際公開番号】W WO2020168154
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】62/805,456
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520268997
【氏名又は名称】サバント システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Savant Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】マドンナ,ロバート,ピー
(72)【発明者】
【氏名】ロカッシオ,ティモシー,アール
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブソン,アーサー,エイ
(72)【発明者】
【氏名】レンディーナ,ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】タッツェル,デイビッド・ダブリュー
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0070775(US,A1)
【文献】特開2002-152280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動制御装置であって、
多機能自動制御ホストを含み、前記多機能自動制御ホストは、少なくとも1つのユーザーデバイスと通信するための接続機能を有し、前記少なくとも1つのユーザーデバイスは、デバイス制御メッセージを有しており、前記多機能自動制御ホストは前記デバイス制御メッセージに応答し
記多機能自動制御ホストは、1つ以上のプロファイルドデバイスを前記多機能自動制御ホストが直接制御する第1の機能で動作し、前記1つ以上のプロファイルドデバイスの各々は、前記多機能自動制御ホストによってアクセス可能な関連プロファイルを有しており、前記関連プロファイルの各々は、関連する前記プロファイルドデバイスが応答するプロファイルドデバイスコマンドを記述する情報を含み、
記多機能自動制御ホストは、所定の制御プロトコルに準拠することが認定されている第1の認定デバイスを前記多機能自動制御ホストが直接制御し、前記所定の制御プロトコルに準拠することが認定されている第2の認定デバイスを第1の自動制御ハブを介して前記多機能自動制御ホストが間接的に制御する第2の機能で動作する、自動制御装置。
【請求項2】
前記多機能自動制御ホストは、前記所定の制御プロトコルに基づいて第1の形式のメッセージを使用して前記第1の自動制御ハブと通信し、前記多機能自動制御ホストによる処理のために前記第1の形式を第2の形式に変換する自動制御ブリッジを含み、前記1つ以上のプロファイルドデバイスが、前記第1の自動制御ハブに対して可視化され、前記第1の自動制御ハブによって制御可能になる、請求項1に記載の自動制御装置。
【請求項3】
自動制御環境においてデバイスを制御する方法であって、
ユーザーデバイスを使用して、自動制御ハブにネットワーク接続された多機能自動制御ホストを探索するステップと、
前記多機能自動制御ホストに関連する構成情報が、前記自動制御ハブによって制御される適当なタイプの1つ以上のプロファイルドデバイスを含むか否かを判定するステップと、
前記自動制御ハブによって制御される少なくとも1つのプロファイルドデバイスを識別するメッセージを、前記多機能自動制御ホストから前記自動制御ハブへ送信するステップと
前記自動制御ハブを前記多機能自動制御ホストとともに使用して、前記少なくとも1つのプロファイルドデバイスを制御するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年2月14日にマドンナ他によって出願された「MULTI-ROLE DEVICES FOR AUTOMATION ENVIRONMENTS」と題する米国仮特許出願第62/805,456の利益を主張している。この米国仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[組み込まれる特許と出願]
2011年4月19日に発行された「PROGRAMMING ENVIRONMENT AND METADATA MANAGEMENT FOR PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER」と題する米国特許第7,930,644号は、本出願と共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2012年7月3日に発行された「LOCATION-BASED SHARING OF MULTIMEDIA CONTROL RESOURCES」と題する米国特許第8,213,463号は、本出願の共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2012年10月23日に発行された「VIRTUAL ROOM-BASED LIGHT FIXTURE AND DEVICE CONTROL」と題する米国特許第8,296,669号は、本出願の共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2014年2月25日に発行された「APPARATUS AND METHOD FOR MIXING GRAPHICS WITH VIDEO IMAGES」と題する米国特許第8,659,704号は、本出願の共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2015年10月6日に発行された「PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER WITH PROGRAMMABLE SERVICES」と題する米国特許第9,153,125号は、本出願と共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2018年9月6日に出願された「SMALL SCREEN VIRTUAL ROOM-BASED USER INTERFACE」と題する同時係属出願第16/123,731号は、本出願と共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。2019年1月22日に出願された「DEVICE MOUNTING SYSTEM」と題する同時係属出願第16/254,245号は、本出願と共通の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[発明の分野]
本発明は、概して自動制御の分野に関連し、より具体的には、様々なデバイスの機能を拡張して、それらが自動制御環境において複数の機能を実施できるようにすることに関する。
【背景技術】
【0004】
[背景情報]
居住環境や商業環境の自動制御に対する需要により、「スマート」ドアベル、サーモスタット、照明、セキュリティシステム、オーディオ、ビデオ、及びその他の多数のデバイスの市場は、劇的に拡大した。これらのデバイスは、相当な数の製造業者によって提供されており、製造業者は、競争上の理由若しくは性能上の理由から、一般に相互に互換性のない異なる制御プロトコルを採用している。そのため、ある製造業者が提供する「スマート」サーモスタットは、広く採用されている規格に従って動作せず、別の製造業者が提供する「スマート」照明と一緒に使えないことがよくある。数ある欠点の中でも特に、この相互運用性の欠如は、特定の自動制御環境のためのデバイスを選択する際のエンドユーザーの選択肢を制限する。もう1つの欠点は、エンドユーザーが、環境内のすべてのデバイスを単一の制御装置(リモートコントローラ、スマートフォン、タブレットなど)で有効に制御できないことである。
【0005】
その結果、エンドユーザーは、多くの場合、ある製造業者が関心のあるすべての「スマート」デバイスをエンドユーザーに提供していなくてもその製造業者を選択することや、相互運用性を欠く複数の製造業者を高い費用で選択することを余儀なくされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の概要]
本発明の一態様によれば、ホストやハブのような自動制御装置に拡張機能が提供され、自動制御装置は、多機能自動制御装置になる。多機能自動制御装置は、拡張された様々な「スマート」デバイスや、一般的に互換性がない固有の制御プロトコルを有する他のデバイスを制御することができる。多機能自動制御装置は、ホスト、ハブ、サウンドバー、「スマート」サーモスタット、「スマート」アンプ(増幅器)、オーディオスピーカー、又は他のデバイスを含む様々な基礎デバイスを使用して実施することができる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、自動制御ハブに拡張機能が提供され、自動制御ハブは、多機能自動制御ハブになる。自動制御ハブで利用可能な高性能グラフィックス処理を活用して、多機能自動制御ハブに、拡張オンスクリーンディスプレイ(OSD)が提供される。拡張オンスクリーンディスプレイは、自動制御ハブが本来の機能で制御できるよりも、拡張された様々なデバイスを自動制御するためのユーザーインターフェイスを提供する。拡張オンスクリーンディスプレイは、とりわけ、ウィンドウ処理、タイリング、ピクチャー・イン・ピクチャーのような高度なビデオディスプレイ管理も提供する。拡張オンスクリーンディスプレイは、自動制御環境の実質的にあらゆる局面の構成情報、ならびに、リアルタイム制御、及びステータスもサポートすることができる。より具体的には、拡張オンスクリーンディスプレイは、種々のサービス、お気に入り、シーン、自動制御、及びスケジュールへのアクセス、ならびにそれらの制御を提供することができる。
【0008】
さらに、拡張オンスクリーンディスプレイを備えた複数の自動制御ハブを共有リソースとして一緒にプールしておき、そこからそのようなオンスクリーンディスプレイを多数のテレビ又はビデオモニターに配信することができる。このような配信は、テレビのHDMI(登録商標)に専用のIPを介した送信又はストリーミングによって実現することができる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、有線ネットワーク接続機能を有する天井や壁に取り付け可能なスピーカーに、無線ネットワーク接続機能を含む追加機能が提供される。その結果、各スピーカーは、オーディオ出力装置としても無線ネットワークアクセスポイントとしても機能する多機能スピーカーになる。さらに、多機能スピーカーは、上で述べたように、第3の機能である自動制御装置を実施することができる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、自動制御ハブにAVBネットワーク接続機能が提供され、自動制御ハブは、多機能自動制御ハブになる。多機能自動制御ハブは、AVBネットワークを介して、ネットワーク接続されたスピーカー、サウンドバー、又は他の装置に音楽を配信する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の発明の説明では、添付の図面が参照される。
図1】本発明の一態様による、多機能自動制御ホストを含む自動制御環境を示すブロック図である。
図2図1に示した多機能自動制御ホストの基礎として使用できるサウンドバーを示すブロック図である。
図3図1に示した多機能自動制御ホスト及び他の装置によって実施される比較的高レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。
図4図1に示した多機能自動制御ホスト及び他の装置によって実施される比較的低レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。
図5】本発明の一態様による、拡張オンスクリーンディスプレイを備えた多機能自動制御ハブを含む自動制御環境を示すブロック図である。
図6A図5に示した多機能自動制御ハブにより生成された拡張オンスクリーンディスプレイの例示的スクリーンショットを示す図である。
図6B図5に示した多機能自動制御ハブにより生成された拡張オンスクリーンディスプレイの例示的スクリーンショットを示す図である。
図6C図5に示した多機能自動制御ハブにより生成された拡張オンスクリーンディスプレイの例示的スクリーンショットを示す図である。
図6D図5に示した多機能自動制御ハブにより生成された拡張オンスクリーンディスプレイの例示的スクリーンショットを示す図である。
図7図5に示した拡張オンスクリーンディスプレイを備えた多機能自動制御ハブによって実施される比較的高レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。
図7A】複数がプールされて共有リソースになる自動制御環境を示すブロック図である。
図7B図7Aの様々なデバイス間における通信を示すメッセージフロー図である。
図8】本発明の一態様による、多機能スピーカーを示すブロック図である。
図9】本発明の一態様による、多機能アンプを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[例示的実施形態の詳細な説明]
図1は、多機能自動制御ホスト104を含む自動制御環境100を示している。第1のネットワーククラウド102は、多機能自動制御ホスト104によってアクセス可能である。多機能自動制御ホスト104は、システム構成情報(図示せず)を含み、システム構成情報(図示せず)は、多機能自動制御ホスト104によって制御されるコンポーネント、又は、各プロファイルドデバイス108a~108bに関連するデバイスプロファイル(図示せず)を含む。一般に、デバイスプロファイルは、関連するデバイスについての入出力、及び使用可能な一組のコマンドを記述するファイル又は他のデータ構造である。多機能自動制御ホスト104は、所与のデバイスを制御するために、内部ストレージ、ネットワーククラウド102、又は別の外部ソースの何れかを介して、関連するデバイスプロファイルにアクセスできなければならない。
【0013】
多機能自動制御ホスト104に適したシステム構成情報、コンポーネントプロファイル、ならびにハードウェア及びソフトウェアの例は、上で参照により組み込まれた米国特許第9,153,125号の中に見られる。
【0014】
ユーザーは、多機能自動制御ホスト104と互換性のあるホスト制御アプリケーション120を実行しているユーザーデバイス116aを操作することで、多機能自動制御ホスト104との間で情報をやりとりし、多機能自動制御ホスト104を有効に制御することができる。ユーザーデバイス116aは、ホスト制御アプリケーション120を実行する機能を備えた、多機能自動制御ホスト104と通信するための適当なネットワーク接続機能を有する、スマートフォン、タブレット、又は他のデバイスを用いて実施することができる。あるいは、ユーザーは、多機能自動制御ホスト104と互換性のあるユーザーリモコン118aを使用して、多機能自動制御ホスト104と情報をやりとりし、多機能自動制御ホスト104を有効に制御することができる。多機能自動制御ホスト104は、例えば、マサチューセッツ州ハヤニスにあるSavant Systems、LLCによって提供されるスマートホストモデルSHC-S2-00、サラウンドサウンドサウンドバー、「スマート」マルチスタットサーモスタット、「スマート」オーディオスピーカー(図8に関連して以下で説明される)、「スマート」アンプ(図9に関連して以下で説明される)、又は他のデバイスに基づくことができる。
【0015】
第2のネットワーククラウド110は、自動制御ハブ112によってアクセス可能である。任意のプロファイルドデバイスを制御することができる多機能自動制御ホスト104とは違って、自動制御ハブ112は、従来、制御プロトコルに準拠していると認定されたデバイス114a~114c(すなわち、自動制御ハブ112の製造業者により指定された制御プロトコルに準拠していると認定されたデバイス)しか制御することができない。
【0016】
ユーザーは、自動制御ハブ112との間に互換性を有するハブ制御アプリケーション122を実行しているユーザーデバイス116bを操作することで、自動制御ハブ112との間で情報をやりとりし、自動制御ハブ112を有効に制御することができる。ユーザーデバイス116bは、ハブ制御アプリケーション122を実行する機能を備えた、自動制御ハブ112と通信するための適当なネットワーク接続機能を有する、スマートフォン、タブレット、又は他のデバイスを用いて実施することができる。あるいは、ユーザーは、自動制御ハブ112との間に互換性を有するユーザーリモコン118bを使用して、自動制御ハブ112との間で情報をやりとりし、自動制御ハブ112を有効に制御することができる。自動制御ハブ112は、例えば、HomeKit(登録商標)を実行するApple TV(登録商標)、HomePod(登録商標)、又はiPad(登録商標)に基づくことができ、これらはすべて、カリフォルニア州クパチーノにあるアップル社によって提供されている。
【0017】
多機能自動制御ホスト104は、自動制御ブリッジ106を含む。一実施形態では、アップル社から入手可能なSDKを使用して自動制御ブリッジ106を作成し、それを多機能自動制御ホスト104に埋め込むことができる。以下でより詳細に説明されるように、自動制御ブリッジ106は、制御プロトコルに準拠すると認定されたデバイス114a~114cが使用するものと同じ製造業者指定の制御プロトコルを使用して、自動制御ハブ112と(双方向に)通信する機能を一部に有している。自動制御ブリッジ106はさらに、自動制御ハブ112から受信した制御プロトコルメッセージを、多機能自動制御ホスト104による処理のために適当な形に変換する機能(又はその逆の機能)も有している。有利なことに、そのような通信及びプロトコル変換によれば、デバイスのタイプによっては、ユーザーリモコン118aだけでなくプロファイルドデバイス108a・・・108bも、自動制御ハブ112に公開される。すなわち、プロファイルドデバイス108a~108b及びユーザーリモコン118aは、自動制御ハブ112が使用する制御プロトコルに準拠するものであると認定されていなくても、多機能自動制御ホスト104のおかげで、自動制御ハブ112に対して可視化され、自動制御ハブ112から制御可能になる。
【0018】
図2は、多機能自動制御ホスト104(図1)を実施するために使用可能な電源付きサラウンドサウンドサウンドバー200を示すブロック図である。マイクロプロセッサ202は、オーディオデジタル信号プロセッサ(DSP)204と双方向通信するように結合されている。オーディオDSP204はさらに、TosLink(登録商標)214にも結合されている。オーディオDSP204は、デジタル-アナログ変換器(図示せず)に結合され、デジタル-アナログ変換器(図示せず)の出力は、アンプ206に結合されている。アンプ206の出力は、様々なオーディオスピーカー208に結合されている。
【0019】
マイクロプロセッサ202はさらに、WISAモジュール210及びWiFiデュアルバンドモジュール212と双方向通信するように結合されている。さらに、マイクロプロセッサ202は、LAN/AVBポート216、マイクロフォン218、制御ポート220(これは、RS232制御ポート赤外線(IR)制御ポートを含む場合がある)、又は他の制御ポートに結合されている。AC/DC電源224は、サウンドバー200に電力を供給する。
【0020】
図3は、プロファイルドデバイス108a~108b及びユーザーリモコン118a(図1)を自動制御ハブ112に対して可視化し、それらを自動制御ハブ112から制御可能にするために必要な高レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。ユーザーデバイス116a上で実行されているホスト制御アプリケーション120は、多機能自動制御ホスト104の探索プロトコル300を開始する。次に、ホスト制御アプリケーション120は、ホスト準備メッセージ302を送信する。これに応答して、多機能自動制御ホスト104は、自分の構成情報の照会304を開始し、自動制御ハブ112によってサポートされ/制御される適当なタイプの(プロファイルド)デバイス(複数可)があれば識別する。適当なタイプの少なくとも1つのプロファイルドデバイスが識別された場合、多機能自動制御ホスト104は、ブリッジに接続されたデバイスをハブに追加するメッセージ306を、ブリッジ106を介して自動制御ハブ112に送信する。
【0021】
次に、ホスト制御アプリケーション120が、デバイス制御メッセージ308を多機能自動制御ホスト104に対して発行すると、多機能自動制御ホスト104は、これに応答して、メッセージ308の宛先であるプロファイルドデバイスに対して制御310を実施する。対照的に、ハブ制御アプリケーション122が、プロファイルドデバイスを宛先とするデバイス制御メッセージ312を発行した場合、自動制御ハブ112は、制御要求メッセージ314を多機能自動制御ホスト104に転送することによって、これに応答する。そして、多機能自動制御ホスト104が、これに応答して、メッセージ312の宛先であるプロファイルドデバイスに対して制御316を実施する。
【0022】
図4は、ハブ制御アプリケーション122及び自動制御ハブ112が、上記のように多機能自動制御ホスト104を通して可視化されたプロファイルドデバイス108aに対して制御を実施する際に発生する低レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。この例では、自動制御ハブ112は、HomeKit(登録商標)を実行する、Apple TV(登録商標)、HomePod(登録商標)、又はiPad(登録商標)を表している。ハブ制御アプリケーション122がHMアクションセット実行メッセージ400を自動制御ハブ112に対して発行すると、自動制御ハブ112は、デバイス特性書き込みメッセージ402を多機能自動制御ホスト104に対して発行する。デバイス特性書き込みメッセージ402は、例えば、ランプを暗くする働きをする場合がある。
【0023】
これに応答して、多機能自動制御ホスト104は、メッセージ402の宛先であるデバイスに対応するプロファイルを見つけ(404)、次に、プロファイルドコマンド406をデバイス108aに送信する。プロファイルドコマンド406は、実質的にメッセージ402と同等であるが、デバイス108aによって要求され、理解される形になるように、多機能自動制御ホスト104によって作成される。プロファイルドコマンド406の受信及び実行に続いて、デバイス108aは、コマンド応答408を多機能自動制御ホスト104に送信する。すると、多機能自動制御ホスト104は、特性更新メッセージ410を自動制御ハブ112に送信する。
【0024】
ここで図5に目を向けると、自動制御環境500が示されている。一般に、図5に示した各コンポーネント又は装置は、1つの例外を除いて、図1に示され、上で説明された対応するコンポーネント又は装置と同等の構造及び機能を有することができる。多機能自動制御ハブ512は、ハブの機能としては、上記の自動制御ハブ112(図1)と実質的に同様の形で動作する。ただし、多機能自動制御ハブ512は、追加機能として、テレビ524に対して拡張オンスクリーンディスプレイ(EOSD)を生成する。
【0025】
上記のように、好ましい実施形態では、自動制御ハブ112は、HomeKit(登録商標)を実行するApple TV(登録商標)に基づくことができる。Apple TV(登録商標)は、ユーザーが再生するオーディオ/ビデオを選択したり、接続されたテレビの電源をオン/オフしたりできる制限付きオンスクリーンディスプレイを含んでいるが、この制限付きオンスクリーンディスプレイは、他のデバイスを制御することができない。ただし、Apple TV(登録商標)は、高性能のグラフィックス処理機能を有している。
【0026】
本発明の一態様によれば、アップル社のtvOS(登録商標)上で動作し、Apple TV(登録商標)に組み込まれた高性能グラフィックス処理機能を利用して図6A図6Dに示されるようなEOSD600を生成する、アプリケーションが提供される。Apple TV(登録商標)をロックダウンモードにすると、Apple TV(登録商標)は、EOSD600を生成するアプリケーションを自動的に起動するようになる。
【0027】
図6Aに示されるように、EOSD600は、回転するアイコン、グラフィックス、画像、ビデオ又は他のコンテンツの3つの水平方向の帯として構成される場合がある。例えば、帯602には、家の中の様々な部屋又は領域に対応する一連の「シーン」が表示されている。ユーザーが特定の「シーン」を選択し(ユーザーデバイス516a若しくは516b、又はユーザーリモコン518a若しくは518b(図5)を使用してEOSD600と情報をやりとりすることにより)、対応する画像を中央にもってきて選択すると、多機能自動制御ホスト504又は多機能自動制御ハブ512の制御下にある照明、デバイス、ブラインド、媒体、又は他のリソースの所定の状態すなわちステータスが、選択された部屋又は領域に設定される。
【0028】
EOSD600の帯604には、様々なシステムやサービスに対応するアイコンが表示されている。ユーザーが中央に配置された「セキュリティ」アイコンを選択すると、EOSD600は、図6Bに示される画面に変わる。図6Bでは、帯608に、いくつかの閉回路セキュリティカメラからの生のフィードバックが表示されている。同様に、図6Cに示されるようにユーザーが中央に配置された「照明」アイコンを選択すると、EOSD600は、図6Dに示される画面に変わる。図6Dでは、帯610に、個々の部屋又はランプの現在の照明状態の忠実な画像が、垂直スライドバー制御手段と一緒に表示されている。現在の照明状態のそのような忠実な画像を生成し、表示するための例示的技術は、米国特許第8,296,669号、及び同時係属の米国特許出願第16/123,731号に記載されており、これらは両方とも上記参照により組み込まれる。
【0029】
また、EOSD600は、ウィンドウ処理、タイリング、ピクチャー・イン・ピクチャーのような高度なビデオディスプレイ管理も提供する。EOSD600を生成するためのハードウェア及びソフトウェアに関する詳細は、上記参照により組み込まれた特許及び係属中の特許出願に記載されている。
【0030】
図7は、EOSD600を備えた多機能自動制御ハブ512が多機能自動制御ホスト504と情報をやりとりするときに行われる低レベルのメッセージのやりとりの例を示すメッセージフロー図である。ホスト制御アプリケーション520は、プロファイルドデバイス制御メッセージ700を多機能自動制御ホスト504に発行する。メッセージ700はプロファイルドデバイスを宛先としているので、多機能自動制御ホスト504は、プロファイルドデバイス実行コマンド702を開始する。
【0031】
次に、ホスト制御アプリケーション520は、認定デバイス制御メッセージ704を発行する。メッセージ704はプロファイルドデバイスを宛先としていないので、多機能自動制御ホスト504は、ブリッジ506を介して、転送要求メッセージ706を多機能自動制御ハブ512に発行する。すると、多機能自動制御ハブ512は、制御要求メッセージ708を自動制御ハブ112に発行し、自動制御ハブ112が、認定デバイス実行コマンド710を開始する。
【0032】
本発明の一態様によれば、アップル社のtvOS(登録商標)上で実行され、Apple TV(登録商標)を多機能自動制御ホストに変換するために必要な機能を提供するアプリケーションが提供される。専用のリモコンで制御可能な他のデバイスも、多機能自動制御ホストとして動作させるのに適している場合がある。概して、このアプリケーションは、プロファイルドデバイスを認識して制御する機能のような、あらゆる必要な自動制御ホスト機能を実現する。このタイプの多機能自動制御ホストは、Apple TV(登録商標)の本来の機能により、追加のハブや他の中間デバイスを必要とすることなく、混在するプロファイルドデバイス及び認定デバイスを有効に制御することができる。さらに、このタイプの多機能自動制御ホストの機能は、AVBネットワーク接続機能を追加することにより、さらに拡張することができる。Apple TV(登録商標)による多機能自動制御ホストの場合、そのような接続機能により、デジタル形式の音楽をAVB対応のスピーカー、サウンドバー、又はその他のデバイスに直接配信することができる。
【0033】
本発明の別の態様によれば、複数のApple TV(登録商標)を一緒にプールして、複数のテレビのための共有リソースにすることができる。図7Aに示されるように、自動制御環境700は、一群のテレビ712a~712cを含み、各テレビは、ビデオスイッチ714に結合されている。多機能自動制御ホスト716は、複数のApple TV(登録商標)718a、718b、及び、拡張OSDを備えた複数のハブ726a、726b(これらは、上で説明した拡張OSD512を備えたハブ(図5)と実質的に同様である)と同様に、ビデオスイッチ714に結合されている。
【0034】
概して、ビデオスイッチ714は、多機能自動制御ホスト716からのコマンドに応答して、テレビ712a~712cのうちの様々なものと、Apple TV(登録商標)718a~718b又は拡張OSDを備えたハブ726a~726bのうちの様々なものとの間に、ビデオ信号接続すなわちパスを確立したり、撤去したりする働きをする。多機能自動制御ホスト716は、単一のApple TV(登録商標)718a~718bと、複数のテレビ712a~712cとの間に、ビデオ信号接続を確立することをビデオスイッチ714に命令してもよい。同様に、多機能自動制御ホスト716は、拡張OSDを備えた単一のハブ726a~726bと、複数のテレビ712a~712cとの間に、ビデオ信号接続を確立することをビデオスイッチ714に命令してもよい。
【0035】
図7Bは、テレビ712a~712cのうちの1つに拡張OSDを表示するために必要となる図7Aの様々なデバイス間における通信を示すメッセージフロー図である。通信は、ユーザー(図示せず)がユーザーリモコン724上のボタンを押すことで開始され、これにより、ゾーンXについてのOSD要求メッセージ728が、多機能自動制御ホスト716に送信される。多機能自動制御ホスト716はまず、メニュートークンYのデキューによってこれに応答する。これにより、事実上、(そのトークンに関連する)特定のApple TV(登録商標)718a~718bが、要求されたOSDセッションに専用になる。次に、多機能自動制御ホスト716は、OSD有効化メッセージ732をメニューリソースY762(すなわち、トークンYに関連する特定のApple TV(登録商標))に送信する。その後、ストリーム1開始メッセージ734が、多機能自動制御ホスト716からメニューリソースYのビデオ送信器758へ送信される。すると、リサイズされた映像でのストリーム1開始メッセージ736が、ゾーンXによって使用されている現在の送信器764に送信される。
【0036】
次に、多機能自動制御ホスト716が、メッセージ738をゾーンXのビデオ受信器760に送信すると、ゾーンXのビデオ受信器760は、ピクチャー・イン・ピクチャーをセットアップし、適当な送信器を割り当てる。この時点で、拡張OSDが、ピクチャー・イン・ピクチャーで表示される(740)。次に、ユーザーOSDナビゲーションメッセージ742が、ユーザーリモコン724からメニューリソースY762へ送信される。これに続いて、ユーザーリモコン724から、キャンセルメッセージ又は選択メッセージ744が送信される。キャンセルメッセージ744が送信された場合、OSD無効化メッセージ746が、メニューリソースYから多機能自動制御ホスト716へ送信される。その後、OSDセッションが終了したため、メニュートークンYが、キューに戻される(748)。
【0037】
その後、元の送信器のフルスクリーンビデオを復元するために、多機能ホスト716からメッセージ750が送信される。その後、ストリーム1の停止メッセージ752が現在の送信器764に送信され、ストリーム1の停止メッセージがメニューリソースYのビデオ送信器758に送信され、フルスクリーンビデオが復元される(756)。
【0038】
さらに、上記の拡張OSDの例と同様に、Apple TV(登録商標)718a~718bで利用可能な他のサービスが、複数のテレビ712a~712cと共有されてもよい。したがって、Apple TV(登録商標)をロックダウンモードにし、選択されたビデオをIP経由で送信し、ビデオスイッチ714を利用して適当なビデオ接続を設定することにより、Netflix(登録商標)、Weather(登録商標)、又は他の多くのサービスが、複数のTV712a~712cと共有される場合がある。
【0039】
本発明の別の態様によれば、上記参照により組み込まれた同時係属出願16/254,245号に開示されているもののような天井や壁に取り付け可能なスピーカー、若しくは本棚、若しくは他のスピーカーに、拡張機能が提供され、それらが、多機能スピーカーになる。上で開示されたスピーカーは、LAN/AVBポートを含み、LAN/AVBポートを介して、デジタルオーディオとパワーオーバーイーサネット(PoE)の両方を受信する。図8に示されるように、多機能スピーカー800は、マイクロプロセッサ804に結合されたLAN/AVBポート802を含む。マイクロフォン806は、デジタル信号プロセッサ(DSP)808と同様に、マイクロプロセッサ804に結合されている。アンプ810は、DSP808及びスピーカー812に結合されている。多機能スピーカー800はさらに、WISAモジュール814及びWiFiデュアルバンドモジュール816を含み、これらは両方とも無線接続機能を提供する。多機能スピーカー800は、WISAモジュール814又はLAN/AVBポート802を介して、16ビット、44.1kHzの形式(AirPlay(登録商標)2で使用される)、又はより忠実度の高い24ビット、96kHzの形式の2つの形式のうちの何れかで、デジタルオーディオを配信することができる。
【0040】
多機能スピーカー800は、WiFiデュアルバンドモジュール816を介して、AirPlay(登録商標)2のサポートを提供するだけでなく、無線アクセスポイントとしても機能する。家全体にオーディオを提供するために、スピーカーは、家のほとんどの部屋又は他の領域に分散されていることが多い。これらのスピーカーに無線ネットワーク接続機能を提供して多機能スピーカーにすることで、個別の無線アクセスポイントを必要とせずに、堅牢な無線ネットワークカバレッジを得ることができる。多機能スピーカー800は、そのWISAモジュール814を介して、WISAスピーカー820とペアを成すことで、ステレオサウンドを提供することができる。ペアになるWISAスピーカー820は、WISAモジュール830及びDSP824に結合されたマイクロコントローラ822を含む。DSP824は、アンプ826に結合され、アンプ826はさらに、スピーカー828に結合されている。一般に、対になるWISAスピーカー820は、WISAモジュール830を介して多機能スピーカー800からデジタルオーディオを受信する。
【0041】
自動制御環境100(図1)内では、多機能スピーカー800は、次の4つの機能を任意の組み合わせで提供することができる。すなわち、オーディオスピーカー;多機能自動制御ホスト104(図1);無線アクセスポイント;及びWISAスピーカー820とのペアリングである。
【0042】
図9は、DSP904に結合されたマイクロプロセッサ902を含む多機能アンプ900を示している。DSP904はさらに、アンプ906に結合されている。マイクロプロセッサ902は、LAN/AVBポート908、アナログ入力910、TosLink(登録商標)入力912、及び制御ポート914にそれぞれ結合されている。制御ポート914は、RS232、IR、又は他の制御ポートを含む場合がある。AC/DC電源916は、多機能アンプ900に電力を供給する。多機能アンプ900は、RCAプリアンプ出力920を提供し、外部パッシブスピーカー918を駆動するために使用される場合がある。
【0043】
自動制御環境100(図1)内では、多機能アンプ900は、オーディオアンプと多機能自動制御ホスト104(図1)の両方の働きをすることができる。
【0044】
上記の説明は、本発明の特定の実施形態に向けられている。しかしながら、それらの利点の一部又は全部を達成しながら、記載された実施形態に対して他の変形及び修正を行うことができることは明らかであろう。例えば、本発明の教示は、コンピュータ、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実行されるプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能媒体を含むソフトウェアとして実施されてもよいことが明確に企図されている。したがって、この説明は、例としてのみ解釈されるべきであり、他の方法で本発明の範囲を限定するものではない。したがって、添付の特許請求の範囲の目的は、そのような変形や修正がすべて本発明の真の思想及び範囲内に収まるようにカバーすることである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図7A
図7B
図8
図9