IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図1a
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図1b
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図2a
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図2b
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図3
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図4a
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図4b
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図5a
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図5b
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図6
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図7
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図8
  • 特許-膨張弁コイルアセンブリ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】膨張弁コイルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20240912BHJP
   F25B 41/35 20210101ALI20240912BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20240912BHJP
   H01F 5/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F16K31/06 305B
F16K31/06 305A
F25B41/35
H01F5/00 V
H01F5/04 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021556300
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020084661
(87)【国際公開番号】W WO2020211744
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】201920507947.X
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】鄭 利峰
(72)【発明者】
【氏名】魏 斌
(72)【発明者】
【氏名】曾 慶軍
(72)【発明者】
【氏名】張 積友
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203480975(CN,U)
【文献】特開2009-159650(JP,A)
【文献】特開2016-123218(JP,A)
【文献】特開2002-198221(JP,A)
【文献】実開平06-034205(JP,U)
【文献】特開2014-087085(JP,A)
【文献】特開2002-345195(JP,A)
【文献】特表2021-528939(JP,A)
【文献】特表2018-523078(JP,A)
【文献】中国実用新案第208281585(CN,U)
【文献】実開昭56-079772(JP,U)
【文献】特開2015-056587(JP,A)
【文献】国際公開第2021/120650(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00 - 31/11
F25B 41/35
H01F 5/00 - 5/06
H01F 7/06 - 7/17
H02K 3/30 - 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルユニット及びハウジングを含み、
前記コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、
前記取付プラットフォームには接続部が前記取付プラットフォームから部分的に突出するように設けられ、
前記ハウジングは、前記接続部の前記突出した部分を覆うように、前記取付プラットフォームに固定接続され、
前記ハウジングの内側と前記接続部の側壁との間には密封材料が充填されており、
前記接続部の側壁は、前記密封材料との接触面積が大きくなるように凹凸構造を有し、
前記接続部は、第1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁を含み、
前記第1側壁は前記第3側壁に対向して設けられ、
前記第2側壁は前記第4側壁に対向して設けられており、
前記接続部の側壁の表面に前記凹凸構造が形成されるように、前記接続部の前記第1側壁、前記第2側壁、及び前記第4側壁には突起が設けられている、
膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項2】
前記接続部の側壁の表面に前記凹凸構造が形成されるように、前記接続部の少なくとも1つの側壁には、更に溝が開設されている、請求項1に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項3】
前記溝の横断面の形状は開口された多角形である、請求項に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁、及び前記第4側壁にはいずれも前記溝が少なくとも1本穿設されている、請求項2又は3に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項5】
前記第3側壁には突起が設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁、及び前記第4側壁にはいずれも前記突起が少なくとも1つ設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項7】
前記突起の横断面の形状は多角形である、請求項1~のいずれか一項に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項8】
コイルユニット及びハウジングを含み、
前記コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、
前記取付プラットフォームには接続部が前記取付プラットフォームから部分的に突出するように設けられ、
前記ハウジングは、前記接続部の前記突出した部分を覆うように、前記取付プラットフォームに固定接続され、
前記ハウジングの内側と前記接続部の側壁との間には密封材料が充填されており、
前記接続部の側壁は、前記密封材料との接触面積が大きくなるように凹凸構造を有し、
前記接続部は、第1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁を含み、
前記第1側壁は前記第3側壁に対向して設けられ、
前記第2側壁は前記第4側壁に対向して設けられており、
前記接続部の側壁の表面に前記凹凸構造が形成されるように、前記接続部の前記第1側壁、前記第2側壁、前記第3側壁、及び前記第4側壁にはいずれも溝が少なくとも1本穿設されている、
膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングと前記取付プラットフォームとは一体に溶接されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項10】
コイルユニット及びハウジングを含み、
前記コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、
前記取付プラットフォームには、接続部が前記取付プラットフォームから部分的に突出するように設けられ、
前記ハウジングは、前記接続部の前記突出した部分を覆うように、前記取付プラットフォームに固定接続され、
前記接続部の側壁及び/又は前記ハウジングの内側は凹凸構造を有し、
前記ハウジングの内側と前記接続部の側壁との間には密封材料が充填されており、
前記接続部は、第1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁を含み、
前記第1側壁は前記第3側壁に対向して設けられ、
前記第2側壁は前記第4側壁に対向して設けられており、
前記接続部の側壁の表面及び/又は前記ハウジングの内側に前記凹凸構造が形成されるように、前記接続部の少なくとも1つの側壁及び/又は前記ハウジングの内側には突起が設けられており、
前記ハウジングは、底面、第1立面、第2立面、及び第3立面を含み、
前記ハウジングは半囲み構造をなし、
前記第1立面は前記第1側壁に当接し、
前記第2立面は前記第2側壁に当接し、
前記第3立面は前記第4側壁に当接する、
膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項11】
前記第1立面、前記第2立面、及び前記第3立面のうちの少なくとも1つには溝及び/又は突起が設けられている、請求項10に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【請求項12】
前記凹凸構造は、段差構造又は波紋構造を含む、請求項10または11に記載の膨張弁コイルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願は、2019年4月15日に出願された、出願番号が201920507947.Xであり、発明の名称が「膨張弁コイルアセンブリ」である中国特許出願の優先権を請求しており、その全ての内容は参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は冷却技術分野に関し、特に、膨張弁コイルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 現在、冷却システムでは、自動制御要素として様々な電磁弁が広く使われており、膨張弁コイルと弁体とが連動して、冷却システムにおける冷媒のオン/オフを制御する。
【0004】
[004] 従来、膨張弁コイルは、液体に長時間浸かると液体が膨張弁コイル内の回路基板に浸透することによって、膨張弁コイルの性能が影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[005] 本出願の様々な実施例によれば、コイルユニット及びハウジングを含み、
[006] コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、取付プラットフォームには接続部が部分的に突出して設けられ、ハウジングは、接続部に嵌合され、且つ取付プラットフォームに固定接続され、接続部の側壁は凹凸構造に設けられ、ハウジングの内側と接続部の側壁との間には密封材料が充填されている、膨張弁コイルアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[007] 上記の永久磁石材料の安定化処理方法は、以下の利点を有する。コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、取付プラットフォームには接続部が部分的に突出して設けられ、ハウジングは、接続部に嵌合され、且つ接続部の側壁に接続され、接続部の側壁は凹凸構造に設けられ、ハウジングの内側と接続部との間には密封材料が充填されている。接続部の側壁を凹凸構造に設けることによって、密封材料の密封面積を大きくすることができ、液体がコイルユニット内に浸透してくる距離を延ばし、更には、液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を高める。
【0007】
[008] 実施例の1つにおいて、接続部の少なくとも1つの側壁には溝が開設されて、接続部の側壁の表面に凹凸構造が形成されるようにする。
【0008】
[009] 接続部の少なくとも1つの側壁に溝が開設されることによって、液体をより良く遮蔽することができ、膨張弁コイルアセンブリの防水性能を高める。
【0009】
[010] 実施例の1つにおいて、第1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁にはいずれも溝が少なくとも1本開設される。
【0010】
[011] 接続部の4つの側壁にいずれも溝が開設されることによって、接続部の4つの側壁の表面にいずれも凹凸構造を形成することができ、これにより、密封材料の密封面積を大きくすることができ、膨張弁コイルアセンブリの異なる方向から液体が浸透する難易度を高めることができ、膨張弁コイルアセンブリの防水性能を効率的に高める。
【0011】
[012] 実施例の1つにおいて、コイルユニットには取付プラットフォームが設けられ、取付プラットフォームには接続部が部分的に突出して設けられ、ハウジングは、接続部に嵌合され、且つ取付プラットフォームに固定接続され、接続部の側壁及び/又はハウジングの内側は凹凸構造に設けられ、ハウジングの内側と接続部の側壁との間には密封材料が充填されている。
【0012】
[013] 接続部の側壁及びハウジングの内側の少なくとも1つを凹凸構造に設けることによって、液体がコイルユニット内に浸透してくる距離を更に延ばすことができ、液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を高める。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[014] ここで開示されたこれらの発明の実施例及び/又は例をより良く記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するための追加の詳細又は例は、開示された発明、現在説明する実施例及び/又は例、並びに現在理解されているこれらの発明の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとして考えるべきではない。
【0014】
図1a】[015] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの正面図である。
図1b】[016] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの側面図である。
図2a】[017] 図1aにおける一実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図2b】[018] 図1bにおける一実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図3】[019] 一実施例によって提供されるハウジングの模式図である。
図4a】[020] 図1aにおける別の実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図4b】[021] 図1bにおける別の実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図5a】[022] 図1aにおける更に別の実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図5b】[023] 図1bにおける更に別の実施例によって提供される接続部の拡大図である。
図6】[024] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの組み立て図である。
図7】[025] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの使用状態の正面図である。
図8】[026] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの使用状態の側面図である。
図9】[027] 一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの使用状態の断面図である。
【0015】
[028] 図面において、10 コイルユニット、100 接続部、110 取付プラットフォーム、120 端子、101 第1側壁、102 第2側壁、103 第3側壁、104 第4側壁、1011 第1溝、1012 第1カム、1021 第2溝、1022 第2カム、1031 第3溝、1032 第3カム、1041 第4溝、1042 第4カム、1013 第5カム、1023 第6カム、1043 第7カム、20 ハウジング、201 底面、202 第1立面、203 第2立面、204 第3立面、2021 立面カム、2022 密封リブである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[028] 図面において、10 コイルユニット、100 接続部、110 取付プラットフォーム、120 端子、101 第1側壁、102 第2側壁、103 第3側壁、104 第4側壁、1011 第1溝、1012 第1カム、1021 第2溝、1022 第2カム、1031 第3溝、1032 第3カム、1041 第4溝、1042 第4カム、1013 第5カム、1023 第6カム、1043 第7突起、20 ハウジング、201 底面、202 第1立面、203 第2立面、204 第3立面、2021 立面突起、2022 密封リブである。
【0017】
[030] 更に、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す又は暗示するもの、或いは示された技術特徴の数を暗黙的に指定するものとして理解されてはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、その特徴を少なくとも1つ明示するか、又は暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」とは、明確且つ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つ等を意味する。本出願の説明において、「いくつか」とは、明確且つ具体的な限定がない限り、少なくとも1つ、例えば、1つ、2つ等を意味する。
【0018】
[031] 特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術及び科学用語は、本出願の当業者によって一般に理解される意味と同じである。本文で使用される用語は、具体的な実施態様を説明することのみを目的としており、本出願を制限するためのものではない。本文で使用される「及び/又は」という用語は、関連する項目の任意及び全ての組み合わせを1つ又は複数含む。
【0019】
[032] 以下、本出願によって提供される膨張弁コイルアセンブリについて更に説明する。
【0020】
[033] 図1a及び図1bは、一実施例によって提供される膨張弁コイルアセンブリの構成模式図であり、図1a、図1b、及び図3を参照すると、膨張弁コイルアセンブリは、コイルユニット10及びハウジング20を含む。
【0021】
[034] コイルユニット10には取付プラットフォーム110が設けられ、取付プラットフォームには接続部100が部分的に突出して設けられ、ハウジング20は、接続部100に嵌合され、且つ取付プラットフォーム110に固定接続され、接続部100の側壁は凹凸構造に設けられ、ハウジングの内側と接続部100の側壁との間には密封材料が充填されている。
【0022】
[035] コイルユニット10は、巻線部材及び導線部材を含んでもよく、巻線部材は、ステータ極板、ステータハウジング、骨組み、及び骨組みに巻かれたエナメル線を含み、エナメル線の取り出し端は接続ピンに接続され、且つ射出成形プロセスによって巻線部材の外側に樹脂の層、即ち、封止層が被覆される。コイルユニット10には接続部100が設けられ、導線部材と巻線部材とは接続部100を介して接続される。具体的には、導線部材は、リード線、及びリード線の一端に接続される回路基板を含み、接続ピンの一端は、回路基板に予め開けられた小さな孔を通過して、はんだ付けによって接続部100に接続される。接続部100は、コイルユニット10と一体成形することができ、膨張弁コイルアセンブリが工場製造段階にあるとき、コイルユニット10と接続部100とが一体成形で制造され、膨張弁コイルアセンブリの安定性を高めることができる。
【0023】
[036] ハウジング20は、接続部100に嵌合され、且つ取付プラットフォーム110に固定接続される。具体的には、ハウジング20は、ハウジング20と取付プラットフォーム110とが一体に溶接されるように、回路基板の外側に覆われて、超音波溶接によって取付プラットフォーム110に溶接することができる。ハウジング20は絶縁ハウジング20であり、ハウジング20と取付プラットフォーム110との固定接続はコイル内の導線部材をより良く密封することができる。
【0024】
[037] 接続部100の側壁は凹凸構造に設けられる。その利点は、1つの面にとって、側壁を平坦な表面に設けることに比べて、側壁を凹凸構造に設計することで、より多くの表面を形成することができることにある。ハウジング20と接続部100との間の隙間に密封材料を充填すると、密封材料と側壁との間により多くの接触表面を有することができるため、コイルユニット10内の導線部材と外部とがより良く密封及び絶縁される。密封材料は、エポキシ樹脂又は他の絶縁材料であってよく、具体的な材料は本実施例では制限されない。
【0025】
[038] 接続部100の側壁は、段差構造、波紋構造等の凹凸構造であってよく、凹凸構造の具体的な形態及び凹凸構造の凹凸の度合は、本実施例では制限されず、ハウジングと接続部100の側壁との接合面積を大きくすることができればよい。膨張弁コイルアセンブリが液体中に置かれると、液体は、先ず、ハウジングと接続部100との接続部位を通過して、コイルユニット10の内部に浸透し、ハウジングと接続部100との間の密封材料を経由してコイルユニット10の内部の導線部材に徐々に浸透する。本実施例は、ハウジングと接続部100との間の隙間に密封材料を充填することによって、液体の流れに対して一定の遮断作用を果たして、液体の浸透速度を遅くすることができ、膨張弁コイルの防水性能を高めることができる。なお、本実施例は、接続部100の側壁を凹凸構造に設けることによって、密封材料の密封面積を大きくすることができ、液体が浸透する難易度を高めることによって、膨張弁コイルの防水性能を更に高めることができる。
【0026】
[039] 上記の膨張弁コイルアセンブリは、コイルユニット10及びハウジング20を含み、コイルユニット10には取付プラットフォームが設けられ、取付プラットフォーム110には接続部100が部分的に突出して設けられ、ハウジング20は、接続部100に嵌合され、且つ取付プラットフォームに固定接続され、接続部100の側壁は凹凸構造に設けられ、ハウジングの内側と接続部100との間には密封材料が充填されている。接続部100の側壁を凹凸構造に設けることによって、密封材料の密封面積を大きくすることができ、液体がコイルユニット10内に浸透してくる距離を延ばし、更には、液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルアセンブリの防水性能を高める。
【0027】
[040] 一実施例において、図2a、図2b、及び図3を参照すると、接続部100は、第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104を含み、接続部100の少なくとも1つの側壁の表面は凹凸構造をなす。具体的には、第1側壁101は第3側壁103に対向して設けられ、第2側壁102は第4側壁104に対向して設けられる。図3を参照すると、ハウジング20は半囲み構造であり、即ち、ハウジング20は、底面201、第1立面202、第2立面203、及び第3立面204を含む。ハウジング20の底面201は接続部100に対向して設けられ、ハウジング20の第1立面202は接続部100の第1側壁101に接続され、ハウジング20の第2立面203は接続部100の第2側壁102に接続され、ハウジング20の第3立面204は接続部100の第4側壁104に接続され、接続部100の第3側壁103の対応位置はハウジング20によって覆われておらず、コイル内の導線部材を密封するように、接続部100の第3側壁103の位置に密封材料が注入される。
【0028】
[041] 一実施例において、接続部100の少なくとも1つの側壁には溝が開設されて、接続部100の側壁の表面に凹凸構造が形成されるようにする。例えば、接続部100のいずれかの側壁に溝が開設されてもよく、2つ又は3つの側壁を選択して溝を開設してもよく、接続部100の4つの側壁にいずれも溝が開設されてもよい。接続部100の4つの側壁にいずれも溝が開設されると、接続部100の周方向に環状溝が形成されるように、側壁ごとの溝が接続されて、液体をより良く遮蔽することができ、膨張弁コイルアセンブリの防水性能を高める。
【0029】
[042] 一実施例において、溝の横断面の形状は、開口された多角形であり、例えば、三角形又は四角形のうちの少なくとも1種類であってもよく、他の不規則な形状であってもよい。例えば、生産製造を容易にするために、接続部100の側壁ごとの溝の形状はいずれも四角形であるか、又は、接続部100の第1側壁101の溝の形状は三角形であり、第2側壁102の溝の形状は四角形である。接続部100の側壁ごとの溝の形状は、任意の形状であってよく、本実施例に制限されないことが理解され得る。
【0030】
[043] 一実施例において、図2a及び2bを参照すると、第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104にはいずれも溝が少なくとも1本開設される。
【0031】
[044] 接続部100の4つの側壁にはいずれも溝が複数本開設され、且つ異なる側壁の溝の横断面の形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。なお、同一の側壁の複数本の溝も異なっていてもよい。例えば、第1側壁101には溝が3本開設され、3本の溝の横断面の形状は、それぞれ、三角形、四角形、及び円形/類円形であってもよい。
【0032】
[045] 本実施例において、接続部100の4つの側壁にはいずれも溝が開設され、ここで、第1側壁101には第1溝1011が開設され、第2側壁102には第2溝1021が開設され、第3側壁103には第3溝1031が開設され、第4側壁104には第4溝1041が開設される。第1溝1011、第2溝1021、第3溝1031、及び第4溝1041の形状はいずれも四角形であり、接続部100の周方向には環状溝が1本形成される。接続部100の4つの側壁にいずれも溝が開設されることによって、接続部100の4つの側壁の表面にいずれも凹凸構造を形成することができ、これにより、密封材料の密封面積を大きくすることができ、膨張弁コイルアセンブリの異なる方向から液体が浸透する難易度を高めることができ、膨張弁コイルアセンブリの防水性能を効率的に高める。
【0033】
[046] なお、溝の深さ及び幅は、当業者が設計の詳細及び要件に従って適切に変更することができる。例えば、溝の深さは、溝の各箇所で変更することができる。
【0034】
[047] 一実施例において、同一の側壁に開設された複数本の溝の深さが同じであるか、又は、複数本の溝の深さが徐々に減少するか、又は、複数本の溝の深さが徐々に増加することによって、液体がコイルユニット10に集まることをより良く回避して、より良い遮蔽効果を実現することができる。本実施例において、同一の側壁に開設された複数本の溝の深さは同じである。
【0035】
[048] 一実施例において、図2a及び図2bを参照すると、第1側壁101、第2側壁102、及び第4側壁104にはカムが更に設けられる。ここで、第1側壁101には第1カム1012が設けられ、第2側壁102には第2カム1022が設けられ、第4側壁104には第4カム1042が設けられる。
【0036】
[048] 一実施例において、図2a及び図2bを参照すると、第1側壁101、第2側壁102、及び第4側壁104には突起が更に設けられる。ここで、第1側壁101には第1突起1012が設けられ、第2側壁102には第2突起1022が設けられ、第4側壁104には第4突起1042が設けられる。
【0037】
[049] 突起は、接続部100と一体成形されてもよく、単独に設けられ、且つ接続部100の側壁に接続されてもよく、突起が単独に設けられるとき、その材質は、接続部100の材質と同じであってもよく、異なっていてもよい。突起は、溝と離れて設けられて、密封材料の密封面積を更に大きくし、液体がコイルユニット10内に浸透してくる距離を延ばし、更には、液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を高める。
【0038】
[050] 一実施例において、図4a及び図4bを参照すると、接続部100の第3側壁103には第3突起1032が更に設けられることによって、接続部100の4つの側壁にはいずれも溝が開設され、且つ溝と離れて設けられる突起も存在する。本実施例では、接続部100の4つの側壁の表面にはいずれも凹凸構造が形成され、且つ溝と突起とが離れて設けられることによって接続部100の側壁の凹凸の度合を大きくし、これにより、ハウジングと接続部100の各側壁との接合面積を更に大きくすることができ、更には、膨張弁コイルアセンブリの異なる方向から液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を効率的に高める。
【0039】
[051] 一実施例において、接続部100の少なくとも1つの側壁には突起が設けられて、接続部100の側壁の表面に凹凸構造が形成されるようにする。図5a及び図5bに示すように、第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104にはいずれも突起が少なくとも1つ設けられる。ここで、第1側壁101には第1突起1012が設けられ、第2側壁102には第2突起1022が設けられ、第3側壁103には第3突起1032が設けられ、第4側壁104には第4突起1042が設けられる。
【0040】
[052] 接続部100の4つの側壁にはいずれも突起が設けられて、密封材料の密封面積を大幅に大きくすることができ、更には、膨張弁コイルアセンブリの異なる方向から液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を効率的に高める。
【0041】
[053] 一実施例において、突起の横断面の形状は、多角形であり、例えば、三角形又は四角形のうちの少なくとも1種類であってもよく、他の不規則な形状であってもよい。なお、突起の厚さは、当業者が設計の詳細及び要件に従って適切に変更することができる。接続部100の4つの側壁にはいずれも複数の突起が開設されてもよく、且つ異なる側壁の突起の形状は三角形又は四角形のうちの少なくとも1種類であってもよい。なお、同一の側壁の複数本の溝の形状も異なっていてもよい。例えば、第1側壁101には突起が3つ設けられ、3つの突起の形状は、それぞれ、三角形、四角形、及び円筒形であってもよい。
【0042】
[054] 本実施例において、第1側壁101、第2側壁102、及び第4側壁104にはいずれも突起が2つ設けられ、ここで、第1側壁101には第1突起1012及び第5突起1013が設けられ、第2側壁102には第2突起1022及び第6突起1023が設けられ、第4側壁104には第4突起1042及び第7突起1043が設けられ、第3側壁103には1つの第3突起1032が設けられる。第1突起1012、第2突起1022、第4突起1042の形状及び厚さは同じであり、第3突起1032、第5突起1013、第6突起1023、及び第7突起1043の形状及び厚さは同じである。
【0043】
[055] 接続部100の4つの側壁にいずれも突起を設けることによって、接続部100の4つの側壁の表面にいずれも凹凸構造を形成することができ、これにより、密封材料の密封面積を大きくすることができ、更には、膨張弁コイルアセンブリの異なる方向から液体が浸透する難易度を高めて、膨張弁コイルの防水性能を効率的に高めている。
【0044】
[057] 実施例の1つにおいて、接続部100の側壁のみが単独に凹凸構造に設けられてもよく、ハウジング20の内側のみが単独に凹凸構造に設けられてもよく、接続部100の側壁及びハウジング20の内側がいずれも凹凸構造に設けられてもよい。接続部100は、第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104を含み、接続部100の少なくとも1つの側壁の表面は凹凸構造をなす。具体的には、第1側壁101は第3側壁103に対向して設けられ、第2側壁102は第4側壁104に対向して設けられる。ハウジング20は半囲み構造であり、即ち、ハウジング20は、底面201、第1立面202、第2立面203、及び第3立面204を含む。ハウジング20は接続部100に嵌合され、ハウジング20の第1立面202は接続部100の第1側壁101に当接しており、ハウジング20の第2立面203は接続部100の第2側壁102に当接しており、ハウジング20の第3立面204は接続部100の第4側壁104に当接している。第1立面202、第2立面203、及び第3立面204のうちの少なくとも1つには溝及び/又はカムが設けられる。具体的には、ハウジング20が接続部100に当接している第1立面202、第2立面203、及び第3立面204はいずれも凹凸構造に設けられる。凹凸構造は、段差構造又は波紋構造を含む。より具体的には、第1立面202、第2立面203、及び第3立面204には立面カム2021が設けられる。第1立面202、第2立面203、及び第3立面204には密封リブ2022が更に設けられ、密封リブ2022は、ハウジング20が接続部100に嵌合される際に、ハウジング20と接続部100との間の密封性能を強化する、即ち、防水性能を強化するためのものである。接続部100の第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104の表面は、凹凸構造に設けられ、具体的には、溝及び/又はカムが設けられてもよい。
【0045】
[057] 実施例の1つにおいて、接続部100の側壁のみが単独に凹凸構造に設けられてもよく、ハウジング20の内側のみが単独に凹凸構造に設けられてもよく、接続部100の側壁及びハウジング20の内側がいずれも凹凸構造に設けられてもよい。接続部100は、第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104を含み、接続部100の少なくとも1つの側壁の表面は凹凸構造をなす。具体的には、第1側壁101は第3側壁103に対向して設けられ、第2側壁102は第4側壁104に対向して設けられる。ハウジング20は半囲み構造であり、即ち、ハウジング20は、底面201、第1立面202、第2立面203、及び第3立面204を含む。ハウジング20は接続部100に嵌合され、ハウジング20の第1立面202は接続部100の第1側壁101に当接しており、ハウジング20の第2立面203は接続部100の第2側壁102に当接しており、ハウジング20の第3立面204は接続部100の第4側壁104に当接している。第1立面202、第2立面203、及び第3立面204のうちの少なくとも1つには溝及び/又は突起が設けられる。具体的には、ハウジング20が接続部100に当接している第1立面202、第2立面203、及び第3立面204はいずれも凹凸構造に設けられる。凹凸構造は、段差構造又は波紋構造を含む。より具体的には、第1立面202、第2立面203、及び第3立面204には立面突起2021が設けられる。第1立面202、第2立面203、及び第3立面204には密封リブ2022が更に設けられ、密封リブ2022は、ハウジング20が接続部100に嵌合される際に、ハウジング20と接続部100との間の密封性能を強化する、即ち、防水性能を強化するためのものである。接続部100の第1側壁101、第2側壁102、第3側壁103、及び第4側壁104の表面は、凹凸構造に設けられ、具体的には、溝及び/又は突起が設けられてもよい。
【0046】
[059] 上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0047】
[060] 以上に述べた実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行うことは、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9