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特許7554772工作物を管理する方法、管理設備及び処理設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】工作物を管理する方法、管理設備及び処理設備
(51)【国際特許分類】
   B05D 3/00 20060101AFI20240912BHJP
   B05D 7/14 20060101ALI20240912BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240912BHJP
   B05B 13/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05D7/14 L
B05B12/00 Z
B05B13/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021565988
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 DE2020100355
(87)【国際公開番号】W WO2020224713
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】102019206846.4
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019112099.3
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504389784
【氏名又は名称】デュール システムズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Durr Systems AG
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ディートマル ビーラント
(72)【発明者】
【氏名】オリバー イグラウアー-アングリク
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ボール
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ギーンガー
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ザボドニー
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0326591(US,A1)
【文献】特開2006-218426(JP,A)
【文献】特開平04-223826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D1/00-7/26
B05B1/00-17/08
B05C5/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物(102)、特に車両ボディ(104)を管理する方法であって、該方法が以下のステップ:
-管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータ、及び/又は管理すべき工作物(102)を処理するための処理設備(100)の1つ又は複数の設備パラメータを求めるステップ;
-1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータを処理及び/又は編成するステップであって、各工作物(102)のために工作物固有のデータセットが形成される、ステップ、を含み、
工作物(102)が、1つ又は複数の処理ステーション(106)内で1つ又は複数の処理ステップの実施後に、それぞれの工作物固有のデータセットの内容にしたがって、1つ又は複数の後処理ステーション(180)へ供給され、
工作物(102)の工作物固有のデータセットが、後処理の間及び/又はその後に、特に、後処理の実施に関する工作物パラメータだけ、かつ/又は1つ又は複数の後処理ステーション(180)に関する設備パラメータだけ、かつ/又は後処理に基づいて処理固有及び/又は工作物固有に生じる、処理結果パラメータだけ、修正され、かつ/又は補足され、
工作物(102)が、1つ又は複数の後処理ステップの実施後に、それぞれの工作物固有のデータセットの修正及び/又は補足された内容にしたがって、1つ又は複数の他の後処理ステーション(180)へ供給される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記データセットを用いて、各工作物(102)のために個別に、あるいは複数の工作物(102)のために共通に、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理が、あらかじめ定められた品質判断基準内にある処理結果をもたらしたか、あるいはもたらすか、を定める、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記定めることが、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理前、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理の間かつ/又はそれぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理後に、実施される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工作物パラメータとして、以下のパラメータ:
-点で測定された工作物温度;
-面で測定され、かつ/又は平均された工作物温度又は工作物温度分布;
-特に、アネモメータとして形成されたセンサを用いて測定された、工作物上、及び/又は工作物の回りの、点における速度、特に空気の流速;
-測定された工作物表面の反射特性;
-測定された工作物表面の吸収特性;
-測定された工作物表面の放出特性;
-シミュレーションに基づいて求められた点の工作物温度;
-シミュレーションに基づいて求められた工作物(102)における温度分布;
-それぞれの工作物(102)の種類及び/又はタイプに関する情報;
-物理的及び/又は製造技術的工作物指標に関する情報;
-個別の工作物識別ナンバー;
-それぞれの工作物(102)の処理に先立つ形成及び/又は加工に関する情報;
-それぞれの工作物(102)の処理に続く後処理及び/又はさらなる加工に関する情報;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
設備パラメータとして、以下のパラメータ:
-1つ又は複数の処理ステーション(106)内のグローバルな測定された温度及び/又は測定された時間的かつ/又は空間的温度分布;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の空気案内装置(124)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の移送装置(112)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の処理ユニット(116)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-空気流から及び/又は工作物を処理するための処理媒体から汚れを除去するための、1つ又は複数のフィルタ設備(126)及び/又は清掃設備の、1つ又は複数の駆動パラメータ;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工作物固有のデータセットを形成するために、a)1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータと、b)1つ又は複数の処理結果パラメータと、の間の相関を形成する、相関データが利用される、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
相関データとして、あるいは相関データを求めるために、シミュレーションデータ及び/又はシミュレーション機能が使用され、それを用いて1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて1つ又は複数の処理パラメータ及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータが計算される、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つ又は複数のセンサ(154)を用いて、処理を実施する間及び/又はその後に1つ又は複数のセンサ技術的な処理結果パラメータが求められ、かつ
1つ又は複数のセンサ技術的な処理結果パラメータが、1つ又は複数のあらかじめ定められた、かつ/又はシミュレートされた処理結果パラメータと比較され、特に、それぞれの工作物(102)の処理が1つ又は複数の品質判断基準を満たすか、を再現する、品質パラメータが得られる、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
処理結果パラメータとして、以下のパラメータ:
-コーティングの厚み;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特に、各層又は個別の層の、コーティングの平坦性及び/又は粗さ;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-コーティングの汚れ度;
-処理を実施する間及び/又はその後の工作物(102)の温度の空間的分布及び/又は時間的推移;
-処理によって工作物(102)に発生した局所的な温度最大及び/又は温度最小の位置;
-それぞれの工作物(102)において測定され、シミュレートされ、かつ/又は予測される欠陥箇所又はその他の品質欠陥に関する情報、特にコーティングエラーの位置と寸法;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工作物固有のデータセットが:
-1つ又は複数の工作物固有のセンサ的な処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のあらかじめ定められた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のシミュレートされた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の品質パラメータ;
の分だけ補足される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
複数の工作物(102)のデータセットが互いに、比較され、関連づけられ、かつ/又はまとめられ、プロセスデータセットが得られ、該プロセスデータセットが、特に、1つ又は複数の設備パラメータ、1つ又は複数の工作物パラメータ、及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータの展開を再現する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工作物(102)において求められ、かつ/又は予測される品質欠陥の可能な源及び/又は原因を帰納的に推定するために、前記プロセスデータセットが、特にデータマイニング方法及び/又はディープラーニング方法を用いて、評価される、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから得られたプロセスデータセットにしたがって、工作物(102)を処理するための処理設備(100)、特に処理設備(100)の1つ又は複数の処理ステーション(106)が、1つ又は複数の設備パラメータに関して制御される、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから入手可能なプロセスデータセットにしたがって、移送装置(112)が、特に、それぞれの工作物(102)が処理のために移送される、移送区間を変更し、かつ/又は選択するために、制御される、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
後処理ステーション(180)が自動的な処理ステーション(106)であって、かつ
その中で工作物(102)が特に自動的に、それぞれの工作物固有のデータセット内でそれとして格納されているエラー箇所あるいはその他の品質欠陥を有する領域において後加工される、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工作物(102)、特に車両ボディ(104)を管理するための管理設備であって、該管理設備が以下のもの:
-管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は管理すべき工作物(102)を処理するための処理設備(100)の1つ又は複数の設備パラメータを求めるためのコントロールステーション(146);
-制御装置であって、この制御装置を用いて1つ又は複数の工作物パラメータに基づいて、かつ/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて、求項1から15のいずれか1項に記載の方法にしたがって、工作物固有のデータセットが各工作物(102)のために、形成可能であるように、整えられ、かつ形成されている、制御装置;
を備える、管理設備。
【請求項17】
工作物(102)を処理するため、特に車両ボディ(104)を処理するための処理設備(100)であって、該処理設備(100)が以下のもの:
-工作物(102)を処理するための1つ又は複数の処理ステーション(106);
-工作物(102)を管理するための、請求項16に記載の管理設備;
-移送装置(112)であって、該移送装置を用いて工作物(102)が前記管理設備の1つ又は複数のコントロールステーション(146)へ、1つ又は複数のコントロールステーション(146)を通って、かつ/又は1つ又は複数のコントロールステーション(146)から離れるように、移送可能であり、かつ/又は、該移送装置を用いて工作物(102)が1つ又は複数の処理ステーション(106)へ、1つ又は複数の処理ステーション(106)を通って、かつ/又は1つ又は複数の処理ステーション(106)から離れるように、移送可能である、移送装置(112);
を備える、処理設備(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物を形成する分野、特に車両ボディの形成に関する。工作物を形成する間、あるいはその後に、たとえば製造エラーについてその管理を手動又は自動で実施することができる。しかし、この種の従来の管理は、大体において、システマチックな製品エラーを説得力をもって、かつ/又は100%確実に、帰納的に推定することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって本発明の課題は、工作物品質を最適化し、かつ/又は製造シーケンスを最適化するために効率的な工作物管理を可能にする、工作物を管理する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の方法によって解決される。
【0004】
本発明は、さらに、工作物を管理するための管理設備及び工作物を処理するための処理設備に関する。これに関する本発明の課題は、同様に、工作物管理をより効率的に構成し、かつ工作物と製造プロセスの品質を最適化することにある。
【0005】
この課題は、独立した装置請求項によって解決される。
【0006】
以下、方法及び装置の種々の視点について詳細に説明する。挙げられたすべての特徴及び/又は利点は、本発明を最適化するために互いに任意に組み合わせて利用することができる。特に方法特徴とそれから生じる装置特徴は、装置の展開に利用することができる。さらに、装置特徴とそれから生じる方法特徴は、方法の展開に利用することができる。
【0007】
好ましくは工作物管理は次のように、すなわち人工知能(AI)が、プロセス最適化、工作物最適化及び/又は製造最適化するための措置を提案し、かつ/又は、特に制御によって設備制御へ、自動的に実装するように、構成されている。
【0008】
工作物を管理する方法は、特に車両ボディと取付け部品を管理するために使用することができる。
【0009】
その場合に工作物は、特に車両ボディであって、その車両ボディは、たとえば乗用車、トラックなどのような自動車の構成要素として使用される。
【0010】
工作物を管理する方法は、好ましくは以下の物を有する:
管理すべき工作物の1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は管理すべき工作物を処理するための処理設備の1つ又は複数の設備パラメータを求める。
【0011】
工作物の処理は、たとえば機械的な(表面の)加工とすることができる。
【0012】
しかし好ましくは、工作物の処理は、工作物の材料の表面の処理である。たとえば処理は、1つ又は複数の、特に保護する、塗料層又はその他のコーティングを設けることによる、工作物の材料の表面の改良とすることができる。
【0013】
好ましくは本方法は、以下のものを有する:
1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータを処理及び/又は編成し、その場合に各工作物について工作物固有のデータセットが形成される。
【0014】
工作物パラメータ及び/又は設備パラメータを上述したように処理及び/又は編成することにより、好ましくは、工作物を管理するための最適化されたデータベースを形成することができ、それが最終的に工作物品質の検査可能性の改良を可能にし、さらに最適化すべき設備パラメータ及び/又は工作物特性の帰納的推定を許す。
【0015】
工作物固有のデータセットは、特に唯一の工作物に対応づけられたデータセットである。
【0016】
各データセットは、好ましくは、工作物の品質を求めるために評価することができる。
【0017】
データセットは、さらに、好ましくは、通知から取り出すことができる、具体的に形成された製品におけるすべての設定と要請が少なくともあらかじめ定められた限界値及び/又は許容誤差内に維持されたことの、品質カード又は品質記録とすることができ、
【0018】
さらに、工作物固有のデータセットは、選択的に、たとえば比較のために、初期化プロセス及び/又は較正プロセスからのデータを有することができる。たとえば、それぞれ個々の工作物に対応づけられたデータ、特にパラメータを、参照データと容易に比較できるようにするために、パターン工作物のデータを工作物固有のデータセット内に収容することができる。その場合に参照データは、特に限界値又は値領域とすることができ、あるいはそれを有することができる。さらに、参照データはシミュレートされたデータからなることができ、あるいはあらかじめ定められた許容誤差帯域内にその種のものを有することができる。
【0019】
データセットを用いて各工作物について個別に、あるいは複数の工作物について共通に、それぞれの工作物又は複数の工作物の処理があらかじめ定められた品質判断基準内にある処理結果をもたらしたか、あるいはもたらすか、が定められると、効果的であり得る。したがって工作物固有のデータセットは、特にまだ工作物処理の間に、あるいは工作物処理後に、特に遅くとも工作物処理の直後に、評価することができる。さらにその代わりに、あるいはそれに加えて、工作物処理の最後に評価、特に統計的な評価を設けることができる。
【0020】
それぞれの工作物又は複数の工作物の処理の前、それぞれの工作物又は複数の工作物の処理の間、かつ/又はそれぞれの工作物又は複数の工作物の処理の後に、それぞれの工作物又は複数の工作物の処理があらかじめ定められた品質判断基準の内部にある処理結果をもたらしたか、あるいはもたらすか、を定めることが実施されると、効果的であり得る。
【0021】
1つ又は複数の処理ステップが実施される前に、このように定めるために、工作物の前処理、前加工又は先行する形成に関する工作物パラメータ及び/又は設備パラメータが利用される場合に、好ましくは少なくとも、工作物における可能な欠陥が工作物表面の前処理、前加工、形態又は工作物の形成から生じる限りにおいて、その可能な欠陥を推定することができる。
【0022】
たとえば、車両ボディとして形成された工作物の粗構造内の欠陥の場合、及び/又は一般的に、工作物の形成及び/又は加工及び/又は処理に使用される材料の欠陥の場合には、工作物処理の前にすでに、工作物が最終的に欠陥なしで完成できないと、推定することができる。
【0023】
工作物パラメータとして、特に以下のパラメータの1つ又は複数を設けることができる:
-工作物において点で測定された工作物パラメータ;
-面で測定され、かつ/又は平均された工作物パラメータ又は工作物パラメータ分布;
-特にアネモメータ(風速計)として形成されたセンサを用いて測定された点の速度、特に工作物における、かつ/又は工作物を取り巻く空気の流れ速度;
-工作物表面の反射特性、特に測定された反射特性;特にその場合に測定は、紫外線、可視光及び/又は赤外線領域内の光を用いて行われる;
-工作物表面の吸収特性、特に測定された吸収特性;その場合に特に吸収特性は、紫外線領域、可視光領域及び/又は赤外線領域内、たとえば熱放射の領域内の光について測定される;
-工作物表面の放出特性、特に測定された放出特性;放出は、特に赤外線領域内で、たとえば工作物の熱放射に基づいて、測定される。
-シミュレーションに基づいて求められた点の工作物温度;シミュレーションを用いて求められたこの点の工作物温度は、たとえば設備パラメータを使用して各工作物のために個別に定めることができる;
-シミュレーションに基づいて求められた、工作物における温度分布;そのために特に、測定され、あるいは平均された設備パラメータ及び/又は点で測定された工作物パラメータを利用することができる;たとえば点の温度測定によって、シミュレーションを用いて工作物における温度分布をシミュレートして、工作物パラメータとして使用することができる。
-それぞれの工作物の種類及び/又はタイプに関する情報;
-物理的及び/又は製造技術的な工作物指数に関する情報;
-個別の工作物識別ナンバー;
-処理に先立つ前処理、前加工及び/又はそれぞれの工作物の形成、特に粗構造基層の品質に関する情報;
-それぞれの工作物の処理に続く後処理及び/又はさらなる加工に関する情報。
【0024】
好ましくは、工作物パラメータ及び/又は設備パラメータ及び/又は設備パラメータは、それらが提供可能になるとすぐに、特に工作物の形成及び製造の方法全体の間連続的に、あるいはまたはそれぞれ1つ又は複数の処理ステップ、加工ステップ及び/又は形成ステップの後に歩進的に、工作物固有のデータセット内に収容される。
【0025】
測定されたすべの工作物パラメータ及びすべての設備パラメータ、あるいは後述する処理結果パラメータは、たとえば非接触又は接触して測定可能である。
【0026】
たとえば、温度を定めるために、サーモ接触部材を、温度を定めるべき工作物又は他の対象と接触させることができる。しかし、好ましくは、温度を定めることは、非接触で行われる。
【0027】
そのために特に、温度を検出する1つ又は複数のパイロメータが使用され、それは特に点、ライン形状、すなわち1次元で解像され、あるいは面で、すなわち2次元で解像される。
【0028】
1つ又は複数のパイロメータ、あるいは一般的にこの種のセンサも、特に自動的に工作物に対して、特に連続的及び/又は周期的及び/又は動力的及び/又は工作物を移送するための移送装置を利用し、あるいはそれの駆動によって、移動可能である。
【0029】
たとえば回転ディスクを設けることができ、その回転ディスクに1つ又は複数のパイロメータ又は一般的にその他のセンサも配置することができ、かつその回転ディスクは工作物に対して様々に位置決めするために、移動可能であり、特に回転可能である。
【0030】
その代わりに、あるいはそれに加えて、たとえば均一に、特にマトリクス状に配置された、複数のパイロメータ、あるいはその他のセンサを設けることができる。たとえば、1つ又は複数の工作物パラメータを求めるために、4、9又は16のパイロメータ又はその他のセンサからなる2x2又は3x3又は4x4のマトリクスを設けることができる。
【0031】
測定は、特に、全工作物のために同一に加工され、かつ/又は処理される、表面において行われる。この表面は、特に車両の下側に設けられており、その下側は種々の車両のために異なる色のカバー塗料が設けられない。それによって測定結果の最適な比較可能性を得ることができる。
【0032】
下側は、特に、KTL表面(カソード浸漬塗装によってコーティングされた表面)及び/又はプライマー表面(下塗りによってコーティングされた表面)しか見えない領域である。
【0033】
しかしその代わりに、あるいはそれに加えて、測定は、様々な工作物のためにたとえば他のカラーの有機ポリマー化合物により色の異なる表面の領域内でも、設けることができる。
【0034】
温度測定するための上述したすべての形態は、工作部表面の反射特性、工作物表面の吸収特性及び/又は工作物表面のその他の放出特性の測定にも、当てはまる。
【0035】
特に光沢の測定及び/又はDOI測定(Distinctness of Image-測定)のために、反射測定を設けることができる。
【0036】
特にカラーマッチ測定のために、反射測定及び/又は吸収測定を設けることができる。
【0037】
特に、表面の構造スキャンのために反射測定及び/又は吸収測定を設けることができる。
【0038】
設備パラメータとして、好ましくは以下のパラメータの1つ又は複数が設けられている:
-1つ又は複数の処理ステーション内で測定されたグローバルな温度及び/又は測定された時間的及び/又は空間的な温度分布;その場合に特に、それぞれの工作物がそれぞれの箇所に配置されていた場合、あるいはそれぞれの工作物がそれぞれの箇所に配置されている、あるいは配置することができる場合に、工作物の移動路に沿った箇所における、支配的であった、支配的である、かつ/又は支配的となるローカルな温度が、利用される;それによって特に、それぞれの処理ステーション内でそれぞれの工作物に固有の温度を検出することができる;
-1つ又は複数の処理ステーションの1つ又は複数の空気案内装置の1つ又は複数の駆動パラメータ;たとえばこの種の空気案内装置は、塗装ステーション及び/又は乾燥ゾーンに設けることができる;駆動パラメータとして、たとえば以下のパラメータが設けられる:ベンチレータの電流強さ、電圧及び/又は周波数;空気案内装置内で案内される空気の体積流及び/又は質量流;処理室へ供給する際の空気の空気温度、空気湿度、供給温度;処理室から導出する際の空気の導出温度;処理室内の圧力;加熱装置、冷却装置、除湿装置及び/又は湿潤装置の出力データ;
-1つ又は複数の処理ステーションの1つ又は複数の移送装置の1つ又は複数の駆動パラメータ;その場合に特に移送装置の1つ又は複数の移送ユニットの、特にそれぞれの工作物を移送することになる、移送している、あるいは移送した1つ又は複数の移送ユニットの、速度、保持時間、休止及び/又は走行路が考慮される;
-1つ又は複数の処理ステーションの1つ又は複数の処理ユニットの1つ又は複数の駆動パラメータ;たとえばスプレイコーティング(スプレイ塗装)を使用して工作物をコーティングする場合に、駆動パラメータとして、コーティング種類、コーティング期間、流量、コーティング液の温度及び/又は汚れ度及び/又は1つ又は複数の処理ユニットの保守状態が、使用される;たとえば浸漬処理する場合に、駆動パラメータとして、浸漬液の組成、温度、全利用長さ及び/又は汚れ度が駆動パラメータとして使用される;たとえば1つ又は複数の工作物の処理が乾燥である場合に、好ましくは上で通気装置の駆動パラメータとして挙げられた駆動パラメータが、1つ又は複数の処理ユニットの駆動パラメータとして使用される;
-空気流及び/又は工作物を処理するための処理媒体から汚れを除去するための1つ又は複数のフィルタ設備及び/又は清掃設備の1つ又は複数の駆動パラメータ;特にこの種の駆動パラメータとして、フィルタ設備及び/又は清掃設備の保守状態についてのデータが設けられる。
【0039】
具体的な例として、以下のものを挙げることができる:
空気案内装置、特に1つ又は複数のベンチレータのための駆動パラメータとして、たとえば電流監視及び/又は差圧測定を使用することができ、その差圧測定が、ベンチレータの吸い込み側と圧力側との間の圧力飛躍を検出する。その代わりに、そのために設けられたセンサによって、ノズルを介しての、かつ/又は特に循環空気回路内の他の箇所における、圧力損失が検出される場合に、そこから(特に補正係数を用いて)好ましくはノズル流出速度を定めることができる。ベンチレータを監視する機能は、センサ位置が変化した後も、さらに満たすことができる。ノズル流出速度を測定するために、好ましくは他のセンサ技術は必要とされない。
【0040】
さらに、ベンチレータ周波数からノズル流出速度を推定することができる。そのために、好ましくはフィルタ設備のフィルタの老化、特にフィルタを介しての圧力損失が考慮される。
【0041】
工作物パラメータ及び/又は設備パラメータは、特に直接工作物の品質の判断に利用することができる。
【0042】
しかし好ましくは、評価が行われる。
【0043】
特に工作物固有のデータセットを形成するために、好ましくは相関データが利用され、その相関データが、a)1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータと、b)1つ又は複数の処理結果パラメータとの間の相関を形成する。
【0044】
たとえば測定され、あるいはシミュレートされた温度及び/又は温度分布を利用して、コーティングの硬化度とそれに伴って得るべき処理結果の重要なパラメータを推定することができる。
【0045】
相関データとして、あるいは相関データを求めるために、好ましくはシミュレーションデータ及び/又はシミュレーション機能が使用される。シミュレーションデータ及び/又はシミュレーション機能として、好ましくは1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて、1つ又は複数の処理パラメータ及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータが計算される。
【0046】
相関データとして、あるいは相関データを形成するために利用されるシミュレーションモデルは、好ましくはセンサを有し、かつ/又はセンサによって監視される工作物の1つ又は複数のテスト走行によって較正される。特にこの種の較正は、特に相関データの信頼性を連続的に保証するために、規則的に、たとえば1週間毎、2週間毎あるいは4週間毎に実施される。
【0047】
上述した方法によれば、工作物パラメータ及び/又は設備パラメータは、測定された値として、工作物固有のデータセットに入れることができ、あるいはまた、1つ又は複数のシミュレーションあるいはその他の相関データを使用して、処理され、あるいはその他の方法で利用することができ、その場合に生じたパラメータ、特に工作物パラメータ及び/又は設備パラメータは、好ましくは工作物固有のデータセットに入れられる。すべての工作物パラメータ及び/又は設備パラメータは、好ましくは工作物の品質の説明あるいは帰納的推定を可能にする。
【0048】
しかし、まず、処理結果パラメータが、好ましくは正確に、直接処理結果を反映し、かつ特にそれ以上の解釈又は帰納的推定を必要としない値を、再現する。
【0049】
1つ又は複数の処理結果パラメータは、好ましくは、特に処理プロセス、たとえば表面改良プロセスの間及び/又はその直後に、直接的な測定によって管理し、特に検証することができる。
【0050】
特に1つ又は複数の処理結果パラメータを求めるために、工作物の改良された工作物表面の表面構造及び/又は推移及び/又は光沢度の非接触の測定を行うことができる。
【0051】
相関データの使用は、特にシミュレーションデータ及び/又はシミュレーション機能を利用して、好ましくは、測定技術の著しい削減を可能にし、その測定技術は同一のデータ量、特に同一の処理結果パラメータを各個々の工作物において直接測定することによって得るために、必要となるものである。特に、個々の測定された値を使用するだけで、工作物の高解像の3次元の監視及び/又は検査を可能にすることができる。
【0052】
特に相関データを検証し、そしてまた管理品質をさらに高めるために、好ましくは1つ又は複数のセンサを用いて、処理の実施の間及び/又はその後に、センサによる1つ又は複数の処理結果パラメータが求められる。
【0053】
センサによる1つ又は複数の処理結果パラメータは、好ましくは1つ又は複数のあらかじめ定められた、かつ/又はシミュレートされた処理結果パラメータと比較され、その場合に特に品質パラメータが得られ、その品質パラメータが好ましくは、それぞれの工作物の処理が1つ又は複数の品質判断基準を満たしているか、を再現する。
【0054】
代替的又は付加的に、品質パラメータはシミュレーションの品質に関する情報を提供することができる。たとえば品質パラメータは、シミュレーション、特にシミュレーションのシミュレーションパラメータの確認及び/又は検証及び/又は微調整に使用される。
【0055】
センサによる処理結果パラメータは、好ましくは該当する工作物において直接非接触又は接触の測定によって得られる。
【0056】
あらかじめ定められた処理パラメータは、特に、工作物の望ましい特性として定められた処理パラメータである。
【0057】
シミュレートされた処理結果パラメータは、好ましくは、1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて、特に相関データを使用して得られる、処理結果パラメータである。
【0058】
さらに、あらかじめ定められた処理結果パラメータは、好ましくは参照工作物において測定されたパラメータである。
【0059】
処理結果パラメータとして、好ましくは、以下のパラメータの1つ又は複数が設けられている:
-コーティングの厚み、特に1つ又は複数のコーティング、たとえば下塗り、カバー塗料及び/又はクリア塗料のそれぞれの厚み;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特にコーティングの、特に各層又は個々の層の、平坦性及び/又は粗さ;
-コーティングの厚みの均一性、特に各層又は個々の層の均一性;
-特にクリア塗料の塗布前及び/又は後の、コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」及び/又は推移及び/又は光沢度;
-個々の層の、あるいは最終的なクリア塗料層について、表面構造及び/又は推移及び/又は光沢度;
-特にカバー塗料及び/又はクリア塗料の硬化後の、コーティングの硬さ;
-コーティングの化学的組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-コーティングの汚れ度;
-処理の実施の間及び/又はその後、特に乾燥プロセス後の、工作物の温度の空間的分布及び/又は時間的推移;
-処理によって工作物に生じた局所的な温度最大及び/又は温度最小の位置;
-それぞれの工作物における、測定され、シミュレートされ、かつ/又は予測されるエラー箇所又はその他の品質欠陥に関する情報、特にコーティングエラーの位置及び/又は寸法。
【0060】
工作物固有のデータセットが、以下のものだけ補足されると、効果的であり得る:
-センサによる1つ又は複数の処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のあらかじめ定められた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のシミュレートされた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の品質パラメータ。
【0061】
品質パラメータは、特に、他の目標値比較又はその他の評価なしで、工作物の品質判断基準に関する説明を可能にする、値である。
【0062】
たとえば品質パラメータは、値1又は0をとることができるパラメータであり、それは最終的に「正常」又は「欠陥なし」か、あるいは「正常でない」/「欠陥がある」を意味することができる。品質パラメータは、たとえば「正しい層厚」、「正しい色調」、「温度限界値維持」などとすることができる。
【0063】
複数の工作物のデータセットが互いに比較され、関連づけられ、かつ/又はまとめられ、その場合に好ましくはプロセスデータセットが得られ、それが特に、1つ又は複数の設備パラメータ、1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータの時間的展開を再現すると、好ましい場合がある。
【0064】
プロセスデータセットは、好ましくは、特にデータマイニング方法を用いて、かつ/又はディープラーニング方法を用いて、評価される。好ましくはそれによって、工作物において求められ、かつ/又は予測される品質欠陥の源及び/又は原因を帰納的に推定することができる。
【0065】
1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから得られたプロセスデータセットにしたがって、好ましくは工作物を処理するための処理設備、特に処理設備の1つ又は複数の処理ステーションが、1つ又は複数の設備パラメータに関して制御される。
【0066】
たとえば、1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから得られたプロセスデータセットにしたがって、移送装置は、特にそれぞれの工作物が特に処理のために移送される移送区間を変更し、かつ/又は選択するために、制御することができる。
【0067】
工作物が1つ又は複数の処理ステーション内で、1つ又は複数の処理ステップ、特に1つ又は複数の塗装プロセスの実施後に、それぞれの工作物固有のデータセットの内容にしたがって、1つ又は複数の後処理ステーションへ供給されると、効果的であり得る。
【0068】
後処理ステーションは、好ましくは自動的な処理ステーションである。その中で工作物は、特に自動的に、それぞれの工作物固有のデータセット内にその種のものとして格納されている、エラー箇所又はその他の品質欠陥を有する領域において、後加工可能である。
【0069】
自動的な処理ステーション及び/又は自動的な後加工は、特に作業者による手動の介入を省く。
【0070】
しかしその代わりに、1つ又は複数の後処理ステーションを手動の後処理ステーションとして形成することもでき、かつ後処理を1人又は複数人の作業者によって手動で行うこともできる。自動と手動の処理、特に後処理の組合せを設けることもできる。
【0071】
工作物の工作物固有のデータセットが、後処理の間及び/又はその後に、特に後処理の実施に関する工作物パラメータだけ、かつ/又は1つ複数の後処理ステーションに関する設備パラメータだけ、かつ/又は後処理に基づいて処理固有及び/又は工作物固有に生じる処理結果パラメータだけ、変更され、かつ/又は補足されると、効果的であり得る。
【0072】
本発明の形態において、工作物は1つ又は複数の後処理ステップの実施後に、変更され、かつ/又は補足されたそれぞれの工作物固有のデータセットの内容にしたがって、1つ又は複数の他の後処理ステーションへ、特に新たに後処理するために、供給することができる。
【0073】
その代わりに、あるいはそれに加えて、工作物は1つ又は複数の後処理ステップの実施後に、変更され、かつ/又は補足されたそれぞれの工作物固有のデータセットの内容にしたがって、欠陥品として特徴づけて、廃棄することができる。
【0074】
記載の方法は、特に工作物を管理するための管理設備を用いて実施可能である。
【0075】
したがって本発明は、工作物、特に車両ボディと取付け部品を管理するための管理設備にも関する。
【0076】
その場合に管理設備は、好ましくは以下のものを有する:
-管理すべき工作物の1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は管理すべき工作物を処理する処理設備の1つ又は複数の設備パラメータを求めるための、1つ又は複数のコントロールステーション;
-制御装置;制御装置は、その制御装置を用いて1つ又は複数の工作物パラメータに基づいて、かつ/又は各工作物のための1つ又は複数の設備パラメータに基づいて、特に本発明に係る方法にしたがって、工作物固有のデータセットが形成可能であるように、整えられ、かつ形成されている。
【0077】
この管理設備は、好ましくは、方法に関連して記述された1つ又は複数の特徴及び/又は利点を有している。
【0078】
この管理設備は、特に、工作物、特に車両ボディを処理するための処理設備の構成要素として使用するのに適している。
【0079】
したがって本発明は、工作物を処理するための処理設備にも関するものであり、その処理設備は、好ましくは以下のものを有している:
-工作物を処理するための1つ又は複数の処理ステーション;
-工作物を管理するための管理設備、特に本発明に係る管理設備;
-移送装置;この移送装置を用いて工作物が管理設備の1つ又は複数のコントロールステーションへ、1つ又は複数のコントロールステーションを通して、かつ/又は1つ又は複数のコントロールステーションから離れるように、移送可能であり、かつ/又はこの移送装置を用いて工作物が1つ又は複数の処理ステーション104へ、1つ又は複数の処理ステーションを通して、かつ/又は1つ又は複数の処理ステーションから離れるように、移送可能である。
【0080】
本発明に係る処理設備は、好ましくは本発明に係る方法及び/又は本発明に係る管理設備に関連して説明した特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0081】
管理設備の制御装置は、好ましくは、記述したすべての方法ステップが実施可能であるように、整えられている。好ましくは管理設備及び/又は処理設備のすべての構成要素は、上述した方法ステップの1つ又は複数を実施するために、それらが制御装置によって駆動可能であるように、整えられ、かつ形成されている。
【0082】
さらに方法、管理設備及び/又は処理設備は、以下の特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有することができる:
【0083】
管理設備の1つ又は複数のコントロールステーションは、たとえばそれぞれ1つ又は複数の固定的に設置されたコントロールユニットを有することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、1つ又は複数の可動及び/又は可搬のコントロールユニットを設けることができ、それらは選択的に管理設備の様々なコントロールステーションに配置可能である。
【0084】
その場合に1つ又は複数のコントロールステーションは、特に1つ又は複数のコントロールユニットのための収容装置であって、そのコントロールユニットは必要な場合に、かつ/又は整える目的及び/又は最適化目的のためにそれぞれのコントロールステーションに配置可能である。
【0085】
1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又複数の設備パラメータは、好ましくはソフトウェアツールのパラメータセッティングのための基礎として用いられ、そのソフトウェアツールは特に物理ベースの、アルゴリズム支援されるシミュレーションモデルを形成し、あるいは有している。
【0086】
特にシミュレーションモデルのパラメータセッティング及び/又は較正のために記録されたデータは、測定方法によって、好ましくは自動的にシミュレーションパラメータを抽出するために、利用される。これらのデータは、たとえば、工作物に設けられたセンサを用いて、かつ/又は工作物へ向けられたセンサを用いて、モバイルで検出される。
【0087】
1つ又は複数の測定方法が実施され、その場合に設備パラメータ及び/又は工作物パラメータがあらかじめ定められた、欠陥のない工作物をもたらす値領域内にあると、効果的であり得る。
【0088】
その代わりに、あるいはそれに加えて、1つ又は複数の測定方法を、障害のある設備駆動を示す設備パラメータを用いて実施することができる。それに基づいて特に、後の製造駆動において発生する潜在的なエラー源を推定することができる。
【0089】
シミュレーションモデルは、特に相関データあるいはその構成要素を形成する。
【0090】
相関データは、好ましくは、種々の工作物タイプのための種々の工作物測定点、特に種々のボディタイプのための種々のボディ測定点における加熱カーブを、好ましくはさらに種々の設備状態とそれに伴って様々な設備パラメータにしたがって、計算することを許す。その場合に得られる工作物パラメータ及び/又は設備パラメータは、好ましくは、特に1つ又は複数の工作物固有のデータセット及び/又はプロセスデータセット内に、記憶可能である。
【0091】
好ましくは、各工作物の固有の点における表面温度の参照測定によって、特にパイロメータとして形成された固定又は可動のセンサを用いての固定的又は可動の測定によって、シミュレーション及び/又は相関データの品質の判定と安全確保が可能である。
【0092】
好ましくはそのために、各工作物について処理の間に特に問題となる箇所において説得力のある参照測定値を得るために、1つ又は複数の処理ステーションに、あるいはその中に、1つ又は複数の測定箇所が設けられている。この参照測定値は、その後、特に1つ又は複数の処理結果パラメータを求めるための工作物パラメータとして利用することができる。
【0093】
たとえば、工作物パラメータ、特に参照パラメータの測定は、加熱カーブ内に高い勾配が予測される場合に、工作物の表面において、たとえば乾燥器として形成されている処理ステーション内で、1つの時点及び/又は1つの箇所で実施することができる。その場合に、あらかじめ定められ、かつ/又はシミュレートされた加熱挙動からの場合によっては生じる偏差は、好ましくは確実に検出し、かつ/又は求めることができる。
【0094】
たとえば温度を求めること、特に温度分布を求めることから、工作物の非対称の加熱が生じた場合に、たとえば以下の措置の1つ又は複数を補償のために自動的にとることができ、特に制御装置を用いて自動的に行わせることができる:
-入口ノズルの調節;特に過熱された領域には少なく、かつ/又は過令された領域には強く、流入する加熱された空気が供給されるように、放出幅及び/又は方向づけの適合;
-先行する加熱においてプロセスに基づく不均一性(たとえばプレ乾燥器からメイン乾燥器への移行部、保持から冷却への移行部における、など)によってもたらされる、非対称性を補償するために、様々な入口ノズルのための様々な体積流を、特に付属の弁及び/又は絞り弁を調節することによって、調節する;
-サイクル内の工作物の非対称の配置及び/又は方向づけ、すなわち工作物が1つ又は複数の入口ノズルに対して少し早めに、あるいは少し遅れて停止され、それによって片側により強く供給が行われる。
【0095】
温度推移の予想可能性の他に、本発明に基づいて好ましくは、たとえば品質的に重要な温度を達成し、あるいは設備障害の場合に非常戦略を遂行することができるようにするために、各工作物の加熱プロセスの品質を判定し、かつ、必要な場合には、補正し、したがってプロセスの閉ループ制御へアクティブに介入する、可能性も生じる。
【0096】
本発明によって、たとえば、プロセスの実施後の自動的なエラー管理の結果と、工作物が経験した加熱カーブとの間の関係を形成することが可能になる。エラー管理の枠内で検査された各ボディについて、好ましくは一義的に対応づけて計算された加熱カーブが得られ、それが特に、工作物固有のデータセットの構成要素を形成する。
【0097】
設備パラメータは、好ましくは相関データ、特に評価ロジックを使用して、エラー管理において最適な結果を供給したプロセスパラメータ又は設備パラメータへ最適化することができる。すなわち好ましくは、品質結果への駆動者の種々の設備調節の作用が確認され、かつシステムが最適な調節へ最適化され、たとえば以下のように行われる:
-明るい塗料、特に明るいUNI塗料及び/又はクリア塗料の焼け変色へ与える、焼き付け時間の影響;
-クリア塗料の推移と架橋化及びそれに伴ってカバー塗料状態、クリア塗料の形成(たとえば、外見に関して、その外見はたとえばロングウェーブとショートウェーブ測定により、又はそれから数学的に導き出すことによって判定される)へ与える、工作物の加熱勾配/温度勾配の影響
【0098】
好ましくは各工作物タイプのために、シミュレーションモデルの初期化が行われ、そのシミュレーションモデルは、特に相関データの構成要素であり、あるいは、乾燥器の駆動開始の間、たとえば加熱カーブの測定によって、それを形成する。その場合に設備パラメータによって初期化走行を行うことができ、それはノーマル駆動も、可能な妨げられた駆動も模擬する。
【0099】
初期化走行は、特に、温度飛躍機能の形式のテスト信号をシステムへ与え、かつ測定された飛躍応答を用いて、様々なプロセスパラメータのために、ゾーン内の温度ダイナミクスとそれに伴ってシステム挙動を記述することができるようにするために、用いることができる。
【0100】
比較可能な初期化を、温度とは異なる設備パラメータのために設けることができる。
【0101】
処理プロセスの安全確保するための後の測定走行の結果は、好ましくは全自動的に、相関データの反復較正をもたらす。
【0102】
この測定走行において値の伝達が、ワイヤレスのやり方で、たとえばテレメトリーによって、特に自動的に行われ、かつ好ましくは手動のデータ伝達が必要でないと、効果的であり得る。このようにして、好ましくは、場合によっては生じる操作エラーが回避され、さらに好ましくは、測定データと目標値との正しい時間的同期を保証することができる。
【0103】
操作者のためのインターフェイス、特にプロセス視覚化及び/又は操作パネルが設けられており、それがたとえば初期化走行及び/又は測定走行及び/又は較正走行の始動と監視を可能にすると、効果的であり得る。
【0104】
本発明の他の選択的な形態において、工作物パラメータとしての加熱カーブの代わりに、あるいはそれに加えて、特に各個々の工作物の種々の点における、溢流速度を求めることができる。これは、参照工作物における溢流速度を直接測定技術的に定めて、モデルを形成することによって、あるいは間接的に、他の工作物パラメータ及び/又は設備パラメータから、たとえば加熱挙動から、計算することによって、行うことができる。
【0105】
溢流速度を求めることは、プロセス技術的に好ましくは、すでに説明した温度推移を求めることと同様に行われる。測定工作物において、種々の測定点において、速度を求めるセンサ、好ましくはアネモメータが使用される。速度の時間的推移は、モバイルのデータロガーを用いて記録される。検出された測定データを設備パラメータ(温度、ベンチレータ周波数、体積流及び圧力)に対応づけることから、モデルを獲得することができ、そのモデルが、センサ技術を搭載していない、製造工作物の個々の点における速度の実時間推移の計算を可能にする。外見、すなわち塗装された表面の品質の間に、因果関係が存在し得る。これに関して、低い溢流速度が効果的であり得る。
【0106】
速度センサを有する測定工作物を使用する代わりに、あるいはそれに加えて、個々の測定点における速度は、温度カーブ、すなわち加熱運動学と既知の、あるいは測定された工作物特性(たとえば厚み、熱容量など)からも、たとえば熱伝達のためのモデルを用いて、計算することができる。そのために、好ましくは、工作物の前側又は後ろ側及び/又は内部空間内の様々な流着状況が考慮される。熱投入を前側と後ろ側にわたって、かつ/又は内部空間内で分割することは、たとえばシミュレーション結果と特徴的な乾燥器特徴に基づいて行うことができる。
【0107】
溢流速度は、乾燥プロセス後に自動的なコントロールステーション及び/又は品質検査ステーションにおいて得られる結果に、本質的な影響を有することができる。したがってコントロールステーション及び/又は品質検査ステーション内で求められた品質に基づく設備パラメータの最適化は、効果的であり得る。
【0108】
設備パラメータがあらかじめ定められた変動領域内であらかじめ定められた目標値だけ変化されて、自動的に、最良の品質結果を提供する値に最適化されると、効果的であり得る。
【0109】
本発明は、好ましくは、品質的に重要な測定変量が定められる製造方法内のすべての通過プロセスのために、もしくはそれに、利用可能かつ転用可能である。
【0110】
その例は、前処理とカソード浸漬塗装であって、それらにおいて処理パラメータ又は電流強さが、ボディコーティング又は層厚分布の品質に影響を有している。
【0111】
特に相関データの利用により、かつ/又は工作物パラメータ及び/又は設備パラメータを使用して得られる、処理結果パラメータは、好ましくは以下のものに関する帰納的推定又は情報を提供する:
-工作物を形成する材料、特に粗造りシートの基層品質;
-各個々の工作物のための乾燥条件;
-処理結果、特に1つ又は複数の塗装結果の品質;
-1つ及び/又は複数の工作物、特に鋼及び/又はアルミニウムの、硬化;
-それぞれの処理ステーション内、特に乾燥器内の全滞在時間;
-所定の焼き付け温度の上方の合計されたプロセス時間;
-乾燥プロセスの経過において個々の乾燥セクション(たとえばプレ乾燥器、メイン乾燥器及び冷却ゾーン)内の個々の測定点の間に生じる、最大の温度差;
-個々の乾燥セクション(たとえばプレ乾燥器、メイン乾燥器及び冷却ゾーン)内の個々の測定点において生じる、最大の温度勾配(K/min)。
【0112】
本発明の基礎となる課題は、さらに、工作物を管理する方法によって解決され、その場合に方法は、記述される残りの方法特徴の1つ又は複数の代わりに、あるいはそれに加えて、以下のものを有している:
【0113】
管理すべき工作物の1つ又は複数の工作物パラメータを求めること;
コントロールステーションを用いて求められた少なくとも1つの工作物パラメータにしたがって、工作物をカテゴライズする。
【0114】
自動的なコントロールステーションの代わりに、あるいはそれに加えて、手動のコントロールステーションを設けることができる。
【0115】
自動的なコントロールステーションは、特に、工作物の管理が好ましくは機械的にのみ実施される、コントロールステーションである。
【0116】
手動のコントロールステーションは、特に、工作物の管理が1人又は複数人の人によって、場合によっては機械の助けを借りて、実施される、コントロールステーションである。
【0117】
さらに、方法において、複数のコントロールステーション、特に複数の自動のコントロールステーション及び/又は複数の手動のコントロールステーションを設けることができる。
【0118】
複数のコントロールステーションは、特に機能的に同一とすることができるので、特にこれらのコントロールステーションを用いて同一の工作物パラメータを求めることができる。
【0119】
その代わりに、あるいはそれに加えて、機能的に互いに異なる複数のコントロールステーションを設けることができるので、様々なコントロールステーションが様々な工作物パラメータを求めるために用いられる。
【0120】
コントロールステーションを用いて、欠陥ありと分類され、あるいは工作物に欠陥をもたらした、1つ又は複数の工作物パラメータが求められた、工作物が後処理されると、効果的であり得る。
【0121】
たとえば、低すぎる工作物パラメータを示す、コーティングの層厚が求められることがあり得る。これは、工作物の欠陥として分類することができる。特に、この欠陥が局所的にだけ発生する場合には、この欠陥は、後処理によって効果的に除去することができる。
【0122】
この種の工作物は、特に後処理することができ、それによって最終的に欠陥のない工作物とすることができる。
【0123】
さらに、コントロールステーションを用いて求められたすべての工作物パラメータが欠陥なしと分類され、かつ工作物に欠陥をもたらさなかった、工作物は、後処理されないことが可能である。
【0124】
したがってこの方法において、工作物は特に自動的に複数のカテゴリーにカテゴライズすることができる。特にカテゴリー「欠陥なし」とカテゴリー「修正可能な欠陥」を設けることができる。カテゴリー「欠陥なし」の工作物は、好ましくは後処理されない。カテゴリー「修正可能な欠陥」の工作物は、好ましくはさらにカテゴライズすることができ、その場合に特にカテゴリー「自動修正可能な欠陥」とカテゴリー「手動修正可能な欠陥」に区別される。このカテゴライズにしたがって、しかるべくカテゴライズされた工作物が好ましくは自動の後処理ステーション又は手動の後加工ステーションへ供給されて、その中で自動的に後処理され、あるいは手動で後処理される。
【0125】
さらに1つ又は複数の求められた工作物パラメータにしたがって、工作物を「修復できない欠陥」に分類することができる。このカテゴリーには、特に、後処理によって欠陥のない状態にできない工作物が設けられている。この種の工作物は、特に欠陥品として廃棄される。
【0126】
工作物は、好ましくはカテゴライズの結果にしたがって様々なステーションへ供給される。たとえば、カテゴリー「欠陥なし」の工作物は、品質検査ステーションかつ/又は最終的に保管ステーション、たとえばハイベイ倉庫へ供給される。
【0127】
カテゴリー「自動的に修正可能な欠陥」の工作物は、移送装置によって自動的にコントロールステーションから自動的な後処理ステーションへ供給される。自動的な後処理の後に、工作物は特に新たにコントロールステーションへ供給され、あるいは手動の後処理ステーション内でさらに後処理される。カテゴリー「手動修正可能な欠陥」の工作物は、コントロールステーションの後に移送装置によって自動的に手動の後処理ステーションへ供給される。次に、この工作物は新たにコントロールステーションへ供給される。
【0128】
カテゴリー「修復できない欠陥」の工作物は、特に廃棄ステーションへ供給される。
【0129】
1つ又は複数の工作物は、好ましくはコントロールステーションに続いて、品質検査ステーションへ供給される。
【0130】
品質検査ステーション内で、特に工作物の品質検査が実施される。
【0131】
特に工作物は、品質検査において処理プロセスの結果について検査される。
【0132】
好ましくは、コントロールステーションによって欠陥なしと分類されている工作物のみが、品質検査を受ける。
【0133】
品質検査ステーションへ供給された工作物は、好ましくは、形成され、かつ/又は処理されたすべての工作物から選択されたものである。好ましくは、これらの工作物のみが、品質検査を受ける。
【0134】
その場合に特に、統計的に分配された個々の工作物、たとえば各2番目又は各3番目の工作物が、品質ステーションへ供給するために選択され、そこで品質検査を受けることができる。
【0135】
さらに、設備パラメータの変更後、たとえば塗装においてカラーを変更した後に処理されて、好ましくはコントロールステーションによって欠陥なしと分類されている工作物を、品質検査ステーションへ供給して、品質検査を受けさせることができる。
【0136】
さらに形成され、かつ/又は処理されたすべての工作物を品質検査ステーションへ供給して、品質検査を受けさせることができる。
【0137】
好ましくは、形成され、かつ/又は処理された各工作物が品質検査へ供給されるのではない。むしろ好ましくはこれらの工作物から特別な選択が行われる。
【0138】
品質検査ステーションへ供給される工作物の選択は、好ましくは測定され、かつ/又は計算され、かつ/又はシミュレートされた工作物パラメータに基づき、かつ/又は測定され、かつ/又は計算され、かつ/又はシミュレートされた処理結果パラメータに基づき、それらは特に以下のパラメータの1つ又は複数を有し、あるいはそれに基づいている:
-色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」及び/又はコーティングの推移及び/又は光沢度;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特にコーティングの、特に各層又は個々の層の、平坦性と粗さ;
-個々の層の、あるいは最終的なクリア塗料層について、表面構造及び/又は推移及び/又は光沢度;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの厚み;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学的組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-それぞれの工作物の種類及び/又はタイプに関する情報;
-物理的及び/又は製造技術的な工作物指数に関する情報;
-個別の工作物識別ナンバー;
-それぞれの工作物の処理に先行する形成及び/又は加工に関する情報、特に粗造り基層の品質;
-それぞれの工作物の処理に続く後処理及び/又はさらなる処理に関する情報;
-それぞれの工作物において測定され、シミュレートされ、かつ/又は予測されるエラー箇所、あるいはその他の品質欠陥、特にコーティングエラーの位置及び/又は寸法に関する情報。
【0139】
品質検査において、好ましくは以下のパラメータの1つ又は複数が、特に自動的及び/又は手動で測定される:
-コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」及び/又は推移及び/又は光沢度;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特にコーティングの、特に各層又は個々の層の、平坦性及び/又は粗さ;
-個々の層の、あるいは最終的なクリア塗料層のための、表面構造及び/又は推移及び/又は光沢度;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの厚み;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学的組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-コーティングの汚れ度;
-工作物表面の反射特性;
-工作物表面の吸収特性;
-工作物表面の放出特性。
【0140】
品質検査において、工作物の、コントロールステーション内の検査の結果に基づいて欠陥のない箇所においてのみ品質測定が実施されると、効果的であり得る。
【0141】
品質検査の結果は、好ましくは、特に工作物を処理するための1つ又は複数の処理ステーション内で、特に品質測定が欠陥を1つの工作物において求めたか、複数の工作物において求めたかに関係なく、1つ又は複数の設備パラメータを調整するために使用される。
【0142】
たとえば、品質検査、特に品質測定の枠内で、局所的な過熱からもたらされるカラー偏差が求められた場合に、乾燥器として形成されている処理ステーション内の温度推移を調整することができる。求められたカラー偏差があらかじめ定められた許容誤差内にある場合でも、特に潜在的に問題となるエラー箇所の数を最小限に抑えるために、温度推移の調整が効果的であり得る。
【0143】
したがって品質検査の結果に基づいて、1つ又は複数の設備パラメータがあらかじめ定められた限界値内にある場合でも、特に工作物を処理するための1つ又は複数の処理ステーション内で、1つ又は複数の設備パラメータの調整が実施されると、効果的な場合があり、その場合に特に1つ又は複数の設備パラメータの時間的展開内ですでに傾向が緩和され、あるいは補償される。
【0144】
好ましくは、1つ又は複数の設備パラメータの調整は、自動的に、特に利用者介入なしで、行われる。しかし、1つ又は複数の設備パラメータの調整が、制御装置を用いて設備の利用者又は操作者へ提案され、彼が提案を許可した場合に初めて実施されることも、可能である。
【0145】
本発明に係る方法は、特に管理設備内で実施するのに適している。
【0146】
その場合に管理設備は、好ましくはすでに説明した管理設備の代わりに、あるいはそれに加えて、以下のものを有している:
管理すべき工作物の1つ又は複数の工作物パラメータを自動的に求めるための、1つ又は複数のコントロールステーション;
制御装置;この制御装置は、制御装置を用いて工作物が、1つ又は複数のコントロールステーションを用いて求められた少なくとも1つの工作物パラメータにしたがって、カテゴライズ可能であるように、整えられ、かつ形成されている。
【0147】
この制御装置によって管理設備は、特に、記述された方法が実施可能であるように、制御可能である。
【0148】
管理設備は、好ましくは、方法に関連して記述された特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0149】
1つ又は複数のコントロールステーションは、好ましくはそれぞれ1つ又は複数のコントロールユニットを有している。
【0150】
1つ又は複数のコントロールユニットは、たとえばロボットとして形成することができ、あるいはロボットを有することができる。
【0151】
1つ又は複数のコントロールユニットは、さらに、同時に1つ又は複数の処理ユニットを形成し、あるいはその構成要素となることができる。
【0152】
特にロボットが、処理ユニットも、コントロールユニットも形成し、かつ同時にあるいは代替的に工作物の処理と管理に用いられることも可能である。
【0153】
コントロールユニットは、たとえば1つ又は複数のセンサを有することができ、そのセンサがここではコントロールステーションとも称される。
【0154】
コントロールセンサは、たとえばカメラ、面センサ、ラインセンサ及び/又は点センサであって、その場合にそれぞれ可視光、UV放射及び/又は赤外放射、たとえば熱放射の検出が設けられている。
【0155】
コントロールセンサ、そして他の各センサも、たとえば加熱及び/又は損傷及び/又は汚れに対して保護することができる。そのためにたとえば、コントロールセンサのハウジング内あるいはまたその周囲に空気洗浄あるいは他の洗浄を設けることができる。特に圧縮空気洗浄の場合には、たとえば圧縮空気導管が、それぞれのコントロールセンサに供給するためのデータ導線及び/又は電流導線と共に、共通のメディア通路又はケーブル通路内で案内することができる。
【0156】
好ましくはこの種の複数のコントロールセンサが設けられている。
【0157】
本発明の形態において、1つ又は複数のコントロールステーションをポータルとして形成することができ、工作物が管理のためにそれを通して移送可能である。
【0158】
特に1つ又は複数の工作物が、移送装置を用いて、ポータルとして形成された1つ又は複数のコントロールステーションを通して移送可能である。
【0159】
その代わりに、1つ又は複数のコントロールステーションをポータルとして形成することができ、そのポータルが工作物を管理するために工作物を越えて走行可能である。
【0160】
管理設備は、特に処理設備内で使用するのに適している。
【0161】
したがって本発明は、処理設備にも関するものであって、その処理設備はたとえば、処理設備の上述した特徴及び/又は利点の1つ又は複数を有している。
【0162】
処理設備は、好ましくはさらに以下の物を有している:
工作物を処理するための1つ又は複数の処理ステーション;
工作物を管理するための管理設備、特に本発明に係る管理設備;
移送装置;これを用いて工作物を管理設備の1つ又は複数のコントロールステーションへ、1つ又は複数のコントロールステーションを通して、かつ/又は1つ又は複数のコントロールステーションから離れるように、移送可能であり、かつ/又は移送装置を用いて工作物を1つ又は複数の処理ステーションへ、1つ又は複数の処理ステーションを通して、かつ/又は1つ又は複数の処理ステーションから離れるように、移送可能である。
【0163】
1つ又は複数のコントロールステーションが、処理設備の処理ステーション内及び/又は後処理ステーション内に統合されていると、効果的であり得る。好ましくはそれぞれ1つ又は複数のコントロールユニットを有する、処理ステーション及び/又は後処理ステーションの1つ又は複数の処理ユニットを用いて、好ましくはそれぞれの工作物の管理が実施可能である。
【0164】
たとえば塗装材料によって改良された工作物表面の品質を、特に処理設備内で工作物ができあがった後に、かつ/又はコントロールゾーン又はコントロールステーション内で工作物の管理後に、できる限り迅速に判定し、それによってできる限り少ない時間的及び/又は経済的な損失及び/又は損害しか生じないようにするために、自動的なコントロールステーションを用いて処理(特に表面改良)後の質的工作物パラメータを測定し、除去し、かつ設備パラメータ及び/又は工作物パラメータからの結果を製造チェーン全体の内部で工作物のための固有のライフ記録として記憶することが、提案される。
【0165】
本発明の他の好ましい特徴及び/又は利点が、実施例についての以下の説明及び図面表示の対象である。
【0166】
図面において:
【図面の簡単な説明】
【0167】
図1図1は、工作物を処理するための処理設備の、塗装設備として形成された処理ステーションを図式的に示す垂直の縦断面図である。
図2図2は、処理設備の乾燥器として形成されている処理ステーションを図式的に示す斜視断面図である。
図3図3は、図2に示す乾燥器の乾燥器モジュールを図式的に示す斜視断面図である。
図4図4は、処理設備の処理ステーションの出口ロックを図式的に示す垂直の縦断面図である。
図5図5は、パイロメータとして形成されたセンサを示す図式的な断面図である。
図6図6は、後処理設備の後処理ステーションを図式的に示す斜視図である。
図7図7は、工作物を移送する車両の図式的な側面図である。
図8図8は、図7に示す車両を図式的に示す斜視図である。
図9図9は、工作物を管理し、かつ後処理するための方法シーケンスを示すダイアグラムである。
図10図10は、簡単な表示において方法シーケンスを示す他のダイアグラムである。
図11図11は、代替的な方法シーケンスを示す他のダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0168】
同一又は機能的に等価の部材は、すべての図において同一の参照符号を有している。
【0169】
図1から8に示す、全体を符号100で示す処理設備の実施形態は、たとえば工作物102、特に車両ボディ104を処理するために用いられる。
【0170】
処理設備100は、特に工作物102をコーティングするために用いられ、かつそのものとして、たとえば複数の処理ステーション106を有している。
【0171】
特に塗装設備108として形成された1つ又は複数の処理ステーション106が設けられており、それらに、特に乾燥器110として形成された1つ又は複数の処理ステーション106が連続している(図1と2を参照)。
【0172】
処理設備100は、特に移送装置112を有しており、それを用いて工作物102が処理設備100を通して移送可能である。特に工作物102は、移送装置112を用いて1つの処理ステーション106から次の処理ステーション106へ移送可能である。
【0173】
塗装設備108として形成されている処理ステーション106は、特に塗装室114を有しており、その中に1つ又は複数の処理ユニット116、たとえば塗装ロボット118が配置されている。
【0174】
工作物102は、特に移送方向120において塗装室114を通して移送可能である。
【0175】
塗装室114の上方には、特に、塗装室114へ空気を供給するための空気案内装置124のプレナム122が配置されている。
【0176】
塗装室114の下方には、好ましくは、塗装室114から排出された空気を浄化するためのフィルタ設備126が配置されている。
【0177】
特に図2と3から明らかなように、乾燥器110として形成されている処理ステーション106は、特に複数の空気案内装置124を有しており、それらはたとえば循環空気モジュール128として形成されており、かつそれぞれ乾燥室セクション130と共に乾燥器110の複数の乾燥器モジュール132を形成している。
【0178】
乾燥室セクション130は、まとまって乾燥器110の乾燥室134を形成している。
【0179】
工作物102は、移送装置112を用いて移送方向120において乾燥室134を通り抜けて移送可能である。
【0180】
乾燥器110の各循環空気モジュール128は、好ましくは乾燥器110の空気案内装置124の分配室136を介してそれぞれ付属の乾燥室セクション130と接続されている。
【0181】
分配室136を介して循環空気モジュール128内で調整された空気は分配され、特に均一に分配され、かつ1つ又は複数の供給装置138、たとえば入口ノズルへ供給することができる。
【0182】
供給装置138を介して供給空気が乾燥室セクション130内へ導入される。
【0183】
1つ又は複数の導出開口部140を介して、排気がそれぞれの乾燥室セクション130から導出されて、たとえば導出通路142を介して集められ、かつ/又は新たに調整するために循環空気モジュール128へ戻される。
【0184】
特に図4から読みとれるように、処理ステーション106の端部に好ましくは出口ロック144が配置されている。この種の出口ロック144を用いて、特に処理ステーション106内を支配する雰囲気は、工作物102がそれぞれの処理室から遠ざかることにより生じる乱れが最小限に抑えられることにより、最適化することができる。
【0185】
工作物102が塗装設備108内で塗装されて、乾燥器110内で乾燥された場合に、これらの工作物は、たとえば乾燥器110に続いて(図示されない)手動のコントロールステーションへ供給される。このコントロールステーションにおいて、たとえばしかるべく訓練された人によって、工作物102が必要な品質判断基準を満たしているか、が検査される。たとえば、塗布された塗料があらかじめ定められたカラーを有しており、かつ汚れやいわゆる塗装ミスがないか、が検査される。
【0186】
エラーが認識された場合には、このエラーはたとえば研磨によって手動で除去することができる。
【0187】
しかし、エラー管理及び/又は工作物の後処理が自動で行われると、好ましい場合がある。
【0188】
特に図4から読み取ることができるように、そのために処理設備100はコントロールステーション146を有しており、それが特に自動的なコントロールステーション146である。
【0189】
コントロールステーション146は、たとえばポータル148として形成することができ、工作物102が管理のためにそれを通して案内される。
【0190】
その代わりに、コントロールステーション146は別体の管理室又は管理領域内に配置することができ、工作物102は移送装置112によってそこへ移送可能である。
【0191】
コントロールステーション146は、好ましくは考えられる各実施形態において、1つ又複数のコントロールユニット150を有しており、それが特に1つ又は複数の収容装置152に配置されている。
【0192】
その場合にコントロールユニット150は、それぞれの収容装置152に恒久的に配置することができる。その代わりに、あるいはそれに加えて、1つ又は複数のコントロールユニット150が可動かつ/又はポータブルであって、単に一時的に該当する収容装置152に配置可能とすることができる。
【0193】
コントロールユニット150は、特に1つ又は複数のセンサ154であり、あるいはそれを有している。
【0194】
処理設備100は、コントロールステーション146とは関係のない、かつ/又はコントロールステーション146と同調して作動するセンサ154を有している。
【0195】
すべてのセンサ154は、好ましくは工作物パラメータ及び/又は設備パラメータを検出するために用いられる。
【0196】
その場合に工作物パラメータは、それぞれ処理すべき工作物102に関するパラメータである。
【0197】
たとえば、温度を測定するセンサ154、たとえばパイロメータ156(図5を参照)は、工作物温度を検出し、したがって工作物パラメータを求めることができる。
【0198】
さらに、たとえば設備温度及び/又は空気温度は、温度計として形成された1つ又は複数のセンサ154を用いて検出することができる。特にこの種の温度は、たとえば乾燥器110として形成されている処理ステーション106内で、接触温度センサ158として形成されているセンサ154によって検出される。この種の接触温度センサ158を用いて、特に、接触温度センサ158の回りを流れる空気の温度を簡単に求めることができる。
【0199】
特に塗装設備108及び/又は乾燥器110内で、センサ154は好ましくは固定的に設置されている。
【0200】
その場合にセンサ154は、特にプレナム122内の空気温度、フィルタ設備126内の空気温度及び/又は塗装室114内の空気温度を検出する。
【0201】
さらに、工作物102の工作物温度を非接触で求めるために、塗装室114内にたとえばパイロメータ156を設けることができる。
【0202】
乾燥器110内では、たとえば固定的に設置されるセンサ154を循環空気モジュール128内、分配室136内及び/又は乾燥室134内に配置することができる。さらにセンサ154は、たとえば導出通路142内に設けることができる。
【0203】
特に処理ステーション106の床160内に1つ又は複数のセンサ154が配置されていると、効果的であり得る。
【0204】
その場合に1つ又は複数のセンサ154は、たとえばパイロメータ156として形成することができ、かつ特に工作物102の下側において工作物温度を非接触で検出することができる。
【0205】
特に汚れを回避し、かつ/又はパイロメータ156のパイロメータ測定ユニット162における高すぎる温度を回避するために、たとえば図5の例から読み取ることができるように、パイロメータ測定ユニット162は、たとえばブッシュ166として形成されているハウジング164内に配置し、かつ/又は収容することができる。
【0206】
パイロメータ測定ユニット162は、特にハウジング164の収容部168に支承され、たとえばねじ止めされ、かつ/又はカウンターナット170を用いて固定されている。
【0207】
ハウジング164の、それぞれの処理ステーション106の処理室へ向いた端部に、ハウジングは好ましくは窓部材172を有しており、それを用いてパイロメータ測定ユニット162がそれぞれの処理室内の雰囲気から保護されている。
【0208】
窓部材172は、たとえば硫化亜鉛(ZnS)から形成されており、したがって特に、紫外線、可視光及び赤外線を有する波長領域のための透過を可能にする。
【0209】
窓部材172は、たとえばパイロメータ156の保持部材174を用いてハウジング164の窓載置部176に保持されている。
【0210】
保持部材174は、たとえば窓部材172を固定するための、特に挟持するための保持リング178である。
【0211】
パイロメータ156は、さらに、窓部材172の代わりに、あるいはそれに加えて、(図示されない)カバーを有することができる。その場合にこのカバーは、移動可能に形成されており、かつ好ましくはパイロメータ測定ユニット162を用いて測定を実施しようとする場合にのみ、開放される。また、この種のカバーを用いて、パイロメータ測定ユニット162を好ましくは効率的に保護することができる。
【0212】
さらに、特にパイロメータ測定ユニット162及び/又は窓部材172を加熱及び/又は汚れに対して保護するために、ハウジング164及び/又はパイロメータ156の周囲に(図示されない)(空気)スプレイを設けることができる。
【0213】
上で挙げたセンサ154と説明したその位置とが、広範なデータ収集を可能にし、それが特に、工作物102の処理欠陥の帰納的推定を可能にする。
【0214】
特にコントロールステーション146を用いて、好ましくは、工作物102の処理された表面内あるいは表面の欠陥を認識して、位置特定することができる。これが、工作物102の欠陥を除去するために、工作物の自動的な後処理を可能にする。
【0215】
したがって、特に図6から読み取ることができるように、処理設備100が好ましくは後処理ステーション180を有しており、それが同様に処理設備100の処理ステーション106を形成する。
【0216】
後処理ステーション180は、好ましくは1つ又は複数の処理ユニット116を有している。
【0217】
1つ又は複数の処理ユニット116は、たとえば塗装ロボット118として形成されている。
【0218】
1つ又は複数の処理ユニット116は、たとえば研磨ロボット182として形成されている。
【0219】
1つ又は複数の処理ユニット116は、さらに、たとえばコントロールユニット150として形成されている。
【0220】
特にすべての処理ユニット116は、工作物102の処理、特に研磨及び/又は塗装及び/又は管理を可能にする、ロボットである。
【0221】
その場合にロボットは、特に(詳しく図示されない)交換ヘッドを有することができるので、それを用いてロボットが選択的に工作物102の処理、たとえば塗装プロセス及び/又は研磨プロセス及び/又は管理を行うことができる。
【0222】
後処理ステーション180、特に1つ又は複数の処理ユニット116は、特に処理設備100(図示されない)の制御装置を用いて、特にコントロールステーション146を用いて得られた工作物パラメータを利用して、駆動される。
【0223】
特にコントロールステーション146から、工作物102における欠陥、たとえば包入物の位置及び/又は寸法及び/又は種類が、1つ又は複数の処理ユニット116へ引き渡される。
【0224】
コントロールステーション146によって欠陥があると認識された工作物102が、自動的に後処理ステーション180へ供給される場合には、それによって工作物102は自動的に後処理することもできる。
【0225】
特に好ましくは、工作物102を欠陥のない状態にするために、ユーザー介入が必要とされない。
【0226】
好ましくは各工作物102を後処理する必要はないので、移送装置112は、好ましくは乾燥器110の後方の車両ベースの移送装置112である。
【0227】
移送装置は、この種の移送装置として特に複数の車両184を有しており、それは特に自己走行する移送車両として形成されており、かつ互いに独立して特に自律して走行可能である。
【0228】
その場合に車両184は、特にホール床又はその他の床上で自由に走行可能である。
【0229】
工作物102は、特にアダプタ装置186を用いて車両184の1つ又は複数の収容部材188において、車両に配置されている。
【0230】
車両184を用いて、工作物102は、特に必要に応じて、後処理ステーション180の引き渡しステーション190へ供給して、そこでたとえばステーション移送装置192へ引き渡すことができる。
【0231】
その後車両184は、他の移送課題のために提供され、それぞれの工作物102はステーション移送装置192を用いて後処理ステーション180の処理室内へ投入されて、それを通り抜け、かつ/又はそこから導出される。
【0232】
特に他の引き渡しステーション190において、後処理された工作物102は好ましくは新たにステーション移送装置192によって移送装置112へ、たとえば車両184へ引き渡すことができる。
【0233】
図6から明らかなように、後処理ステーション180は、好ましくはそれ自体1つ又は複数のコントロールステーション146を有し、あるいは1つ又は複数のコントロールステーションに隣接している。
【0234】
それによって、出口ロック144におけるコントロールステーション146は省くことができる。
【0235】
それによってさらに、選択的に、後処理ステーション180内の後処理に直接続いて、コントロールステーション146を用いて新たな管理を行うことができる。
【0236】
処理設備100において多数のセンサ154と1つ又は複数のコントロールステーション146が設けられていることによって、処理設備100は好ましくは高い自動化程度をもって駆動することができ、かつ好ましくはきわめて正確な欠陥検出及び/又は自動的な欠陥除去を得ることができる。
【0237】
図9の例から理解されるように、処理設備100の駆動方法において特に以下の物を設けることができる:
1.処理ステーション106の後方で、すべての工作物102が自動的なエラー管理(コントロールステーション146)へ移動する;
2.次に、所定に選択された(たとえば各2番目の)工作物102が品質測定へ案内される(品質検査ステーション194)。工作物102の選択は、たとえばカラー、工作物タイプ、工作物種類、プロセス及び/又は他の情報に依存している。
a.その場合に測定されるのは、たとえば:層厚、構造および色調及びエラーが示されない箇所においてのみ(コントロールステーション146のデータを用いて判断される)。
b.これらの測定は、必ずしも常に同じ図式にしたがって遂行されず、好ましくは特に必要に応じて、プロセス技術的に制御される。
3.自動的な後処理ステーション180内では、前もって認識されたエラーが除去される。欠陥をもたないか、あるいはすでに先行するステーション(146及び/又は194)内ですでに「欠陥品」又はスポットリペア工作物102として求められている工作物102は、直接手動の後処理ステーション196へ移送される。
4.自動的な後処理ステーション180からの工作物102は、他のコントロールステーション146内で、新たにエラーについて、場合によっては特に前と同じに、管理される。新たに「管理される」というのは、欠陥が除去されているか、あるいは、新しい欠陥が付け加えられているか、を示す。さらに欠陥が存在する場合には、その工作物102は自動的な後処理ステーション180へ戻るように案内される。
5.すべての工作物102が、手動の作業場所(特に手動の後処理ステーション196)へ移送されて、固有に管理され-場合によっては後処理もされる。比較的小さい欠陥は、直接処理され、欠陥が比較的大きい場合には、工作物102はスポットリペアステーション199へさらに案内される。
6.最後に、工作物102が倉庫198(場合によってはハイベイ倉庫)内へ移送される。
【0238】
ステーション146、194、180、196、199は、たとえばそれぞれボックスとして、あるいは個別場所として、形成することができる。工作物102は、特に車両184によって供給移送し、載置し、かつ/又は離れるように移送することができる。
【0239】
図9に見られるように、複数の箇所において、次のプロセスステップについて決定される。そのために好ましくは、決定を見いだすためにデータベース202からのデータ(工作物パラメータ、設備パラメータ、駆動結果パラメータ)が利用される:
・決定I-品質測定へ?:
コントロールステーション146の後方に配置され、工作物102が品質測定へ案内されるか、あるいは決定IIへ案内されるか、が決定される。
品質測定へ、以下の工作物102が案内される;
○Xの抜き取り検査-メーカーによって決定することができる
○工作物固有のデータセット、粗構造、方法技術、プロセス技術又はカラー混合室(図9にインプット206として示唆されている)からの情報に基づく
○プロセス内で障害又は偏差を有していた工作物102
○新しい色調が適用された、工作物102
○新しい工作物
○マークされた工作物102、すなわちプロセス推移において(たとえば粗建造、ペイントショップ)様々な理由からコントロールのためにマークされた、工作物102。それによって工作物は、不必要に念を入れて追跡する必要はない。マーキングする際に、作業者は、工作物のどの部分をより正確に管理すべきか、の可能性を提示する。同様に、工作物102をマークしたプロセスステップが一緒に記録される。
これらの判断基準のいずれも、満たされない場合に、決定IIへ移行する
・決定II-後処理へ?:
品質検査ステーション194の後方かつ決定Iの後方に配置されて、工作物102が自動的な後処理ステーション180へ、特に自動的な研磨及び磨きへ、あるいは決定IIIへ案内されるか、が決定される。
自動的な後処理ステーション180へ、特に自動的な研磨と磨きへ案内されるのは、以下の工作物102である:
○研磨又は磨くことができる欠陥を示す、工作物
この判断基準が満たされない場合には、決定IIIへ移行する
・決定III-工作物は正常か?:
第2のエラーコントロール(コントロールステーション146)の後方に配置されて、それぞれの工作物102が手動の作業場所(手動の後処理ステーション196)へ案内されるか、決定IVへ案内されるか、が決定される。
以下の工作物102が、手動の後処理ステーション196へ案内される:
○第2のエラーコントロール(コントロールステーション146)にしたがって正常と評価された、工作物102。
○すべての欠陥箇所は、成功裏に処理することができた。
この判断基準のいずれも満たされない場合に、決定IVへ移行する。
・決定IV-通過の数>x?:
決定IIIの後方に配置されて、工作物が手動の後処理ステーション196へ案内されるか、自動の後処理ステーション180へ案内されるか、特に自動の研磨と磨きへ案内されるか、が決定される。
以下の判断基準のすべてを満たす、以下の工作物102が手動の後処理ステーション196へ案内される。
○まだ欠陥のある、工作物102;
○個々の欠陥箇所が、少なくともx回処理されている。
これらの判断基準のすべてが満たされていない場合に、工作物102は新たに自動的な後処理ステーション180内で後処理される。
・他の、あるいは代替的な決定III:
第2のエラーコントロール(コントロールステーション146)の後方、かつ決定IIの後方に配置されて、工作物102が手動の作業場所(手動の後処理ステーション196)へ案内されるか、あるいは決定IVへ案内されるか、が決定される。
以下の工作物102が、手動の作業場所へ案内される:
○最初にすべて
○欠陥が完全に探索できなかった、工作物102
○新しいタイプ、新しい色又はテストされた他の特徴を有する、工作物102
○エラーコントロール2の後に欠陥のある工作物102
○Xの抜き取り検査-メーカーによって決定することができる
○欠陥が自動的な研磨又は磨きによって改良できない場合に、エラーコントロール1の後にエラーのある工作物102
○経営者によって選択された、工作物102
○プロセス、粗構造、方法技術又は他のものの異様さを示す、工作物102
これらの判断基準のいずれも満たされない場合に、決定Vへ移行する
・決定V:
手動の作業場所(手動の後処理ステーション196)の後方かつ決定IVの後方に配置されて、工作物102が倉庫198へ案内されるか、決定VIへ案内されるかが、決定される。
以下の工作物102が、倉庫198へ案内される
○正常である、工作物102
・決定VI:
決定Vの後方に配置されて、工作物102がスポットリペアステーション199へ移送されるか、あるいは欠陥品200と見なすべきか、が決定される。後者の場合には、工作物102は、いわゆる第2ランナーであると宣言されて、場合によっては同様に倉庫198へ案内することができる。
以下の工作物がスポットリペアステーション199へ案内される:
○欠陥が自動又は手動で磨ききれない場合に、エラーコントロール1(コントロールステーション146)の後のエラーのある工作物102
○手動の作業場所の後のエラーのある工作物102
○わずかな工作物102のみに存在し、かつまだ調整できる欠陥を有する工作物102。
【0240】
上で説明した決定フィールドを用いて、工作物102のために様々な移動可能性が生じ、それが図10に新たに示されている。コントロールステーション146がまとめられる場合に、図11に示す移動可能性が得られる。
【0241】
好ましい実施形態は、以下のとおり。
【0242】
実施形態1:
工作物(102)、特に車両ボディ(104)を管理する方法であって、該方法が以下のステップ:
-管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータ、及び/又は管理すべき工作物(102)を処理するための処理設備(100)の1つ又は複数の設備パラメータを求めるステップ;
-1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータを処理及び/又は編成するステップであって、各工作物(102)のために工作物固有のデータセットが形成される、ステップ、を含む、方法。
【0243】
実施形態2:
前記データセットを用いて、各工作物(102)のために個別に、あるいは複数の工作物(102)のために共通に、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理が、あらかじめ定められた品質判断基準内にある処理結果をもたらしたか、あるいはもたらすか、を定める、ことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
【0244】
実施形態3:
前記定めることが、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理前、それぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理の間かつ/又はそれぞれの工作物(102)又は複数の工作物(102)の処理後に、実施される、ことを特徴とする実施形態2に記載の方法。
【0245】
実施形態4:
工作物パラメータとして、以下のパラメータ:
-点で測定された工作物温度;
-面で測定され、かつ/又は平均された工作物温度又は工作物温度分布;
-特に、アネモメータとして形成されたセンサを用いて測定された、工作物上、及び/又は工作物の回りの、点における速度、特に空気の流速;
-測定された工作物表面の反射特性;
-測定された工作物表面の吸収特性;
-測定された工作物表面の放出特性;
-シミュレーションに基づいて求められた点の工作物温度;
-シミュレーションに基づいて求められた工作物(102)における温度分布;
-それぞれの工作物(102)の種類及び/又はタイプに関する情報;
-物理的及び/又は製造技術的工作物指標に関する情報;
-個別の工作物識別ナンバー;
-それぞれの工作物(102)の処理に先立つ形成及び/又は加工に関する情報;
-それぞれの工作物(102)の処理に続く後処理及び/又はさらなる加工に関する情報;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0246】
実施形態5:
設備パラメータとして、以下のパラメータ:
-1つ又は複数の処理ステーション(106)内のグローバルな測定された温度及び/又は測定された時間的かつ/又は空間的温度分布;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の空気案内装置(124)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の移送装置(112)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-1つ又は複数の処理ステーション(106)の1つ又は複数の処理ユニット(116)の1つ又は複数の駆動パラメータ;
-空気流から及び/又は工作物を処理するための処理媒体から汚れを除去するための、1つ又は複数のフィルタ設備(126)及び/又は清掃設備の、1つ又は複数の駆動パラメータ;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
実施形態6:
工作物固有のデータセットを形成するために、a)1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータと、b)1つ又は複数の処理結果パラメータと、の間の相関を形成する、相関データが利用される、ことを特徴とする実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0248】
実施形態7:
相関データとして、あるいは相関データを求めるために、シミュレーションデータ及び/又はシミュレーション機能が使用され、それを用いて1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて1つ又は複数の処理パラメータ及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータが計算される、ことを特徴とする実施形態6に記載の方法。
【0249】
実施形態8:
1つ又は複数のセンサ(154)を用いて、処理を実施する間及び/又はその後に1つ又は複数のセンサ技術的な処理結果パラメータが求められ、かつ
1つ又は複数のセンサ技術的な処理結果パラメータが、1つ又は複数のあらかじめ定められた、かつ/又はシミュレートされた処理結果パラメータと比較され、特に、それぞれの工作物(102)の処理が1つ又は複数の品質判断基準を満たすか、を再現する、品質パラメータが得られる、
ことを特徴とする実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態9:
処理結果パラメータとして、以下のパラメータ:
-コーティングの厚み;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特に、各層又は個別の層の、コーティングの平坦性及び/又は粗さ;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-コーティングの汚れ度;
-処理を実施する間及び/又はその後の工作物(102)の温度の空間的分布及び/又は時間的推移;
-処理によって工作物(102)に発生した局所的な温度最大及び/又は温度最小の位置;
-それぞれの工作物(102)において測定され、シミュレートされ、かつ/又は予測される欠陥箇所又はその他の品質欠陥に関する情報、特にコーティングエラーの位置と寸法;
の1つ又は複数が設けられている、ことを特徴とする実施形態6から8のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態10:
工作物固有のデータセットが:
-1つ又は複数の工作物固有のセンサ的な処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のあらかじめ定められた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の工作物固有のシミュレートされた処理結果パラメータ;
-1つ又は複数の品質パラメータ;
の分だけ補足される、ことを特徴とする実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
実施形態11:
複数の工作物(102)のデータセットが互いに比較され、関連づけられ、かつ/又はまとめられ、プロセスデータセットが得られ、そのプロセスデータセットが、特に1つ又は複数の設備パラメータ、1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は1つ又は複数の処理結果パラメータの展開を再現する、ことを特徴とする実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
実施形態12:
工作物(102)において求められ、かつ/又は予測される品質欠陥の可能な源及び/又は原因を帰納的に推定するために、前記プロセスデータが、特にデータマイニング方法及び/又はディープラーニング方法を用いて、評価される、ことを特徴とする実施形態11に記載の方法。
【0254】
実施形態13:
1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから得られたプロセスデータセットにしたがって、工作物(102)を処理するための処理設備(100)、特に処理設備(100)の1つ又は複数の処理ステーション(106)が、1つ又は複数の設備パラメータに関して制御される、ことを特徴とする実施形態1から12のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
実施形態14:
1つ又は複数の工作物固有のデータセットにしたがって、かつ/又は複数の工作物固有のデータセットから得られたプロセスデータセットにしたがって、移送装置(112)が、特に、それぞれの工作物(102)が処理のために移送される、移送区間を変更し、かつ/又は選択するために、制御される、ことを特徴とする実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0256】
実施形態15:
工作物(102)が、1つ又は複数の処理ステーション(106)内で1つ又は複数の処理ステップの実施後に、それぞれの工作物固有のデータセットの内容にしたがって、1つ又は複数の後処理ステーション(180)へ供給される、ことを特徴とする実施形態1から14のいずれか1つに記載の方法。
【0257】
実施形態16:
後処理ステーション(180)が自動的な処理ステーション(106)であって、かつ
その中で工作物(102)が特に自動的に、それぞれの工作物固有のデータセット内でそれとして格納されているエラー箇所あるいはその他の品質欠陥を有する領域において後加工される、
ことを特徴とする実施形態15に記載の方法。
【0258】
実施形態17:
工作物(102)の工作物固有のデータセットが、後処理の間及び/又はその後に、特に、後処理の実施に関する工作物パラメータだけ、かつ/又は1つ又は複数の後処理ステーション(180)に関する設備パラメータだけ、かつ/又は後処理に基づいて処理固有及び/又は工作物固有に生じる、処理結果パラメータだけ、修正され、かつ/又は補足される、ことを特徴とする実施形態15又は16のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
実施形態18:
工作物(102)が、1つ又は複数の後処理ステップの実施後に、それぞれの工作物固有のデータセットの修正及び/又は補足された内容にしたがって、1つ又は複数の他の後処理ステーション(180)へ供給される、ことを特徴とする実施形態15から17のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
実施形態19:
工作物(102)、特に車両ボディ(104)を管理するための管理設備であって、該管理設備が以下のもの:
-管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータ及び/又は管理すべき工作物(102)を処理するための処理設備(100)の1つ又は複数の設備パラメータを求めるためのコントロールステーション(146);
-制御装置であって、この制御装置を用いて1つ又は複数の工作物パラメータに基づいて、かつ/又は1つ又は複数の設備パラメータに基づいて、特に実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法にしたがって、工作物固有のデータセットが各工作物(102)のために、形成可能であるように、整えられ、かつ形成されている、制御装置;
を備える、管理設備。
【0261】
実施形態20:
工作物(102)を処理するため、特に車両ボディ(104)を処理するための処理設備(100)であって、該処理設備(100)が以下のもの:
-工作物(102)を処理するための1つ又は複数の処理ステーション(106);
-工作物(102)を管理するための管理設備、特に実施形態19に記載の管理設備;
-移送装置(112)であって、該移送装置を用いて工作物(102)が前記管理設備の1つ又は複数のコントロールステーション(146)へ、1つ又は複数のコントロールステーション(146)を通って、かつ/又は1つ又は複数のコントロールステーション(146)から離れるように、移送可能であり、かつ/又は、該移送装置を用いて工作物(102)が1つ又は複数の処理ステーション(106)へ、1つ又は複数の処理ステーション(106)を通って、かつ/又は1つ又は複数の処理ステーション(106)から離れるように、移送可能である、移送装置(112);
を備える、処理設備(100)。
【0262】
実施形態21:
工作物(102)を管理する方法、特に実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法であって、該方法が、
-自動的なコントロールステーション(146)を用いて、管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータを求めること;
-コントロールステーション(146)を用いて求められた少なくとも1つの工作物パラメータにしたがって、工作物(102)をカテゴライズすること;
を含む、方法。
【0263】
実施形態22:
コントロールステーション(146)を用いて求められる1つ又は複数の工作物パラメータであって、欠陥があると分類されるか、または、工作物(102)に欠陥をもたらす、1つ又は複数の工作物パラメータを有する、工作物(102)が後処理される、ことを特徴とする実施形態21に記載の方法。
【0264】
実施形態23:
コントロールステーション(146)を用いて求められたすべての工作物パラメータが、欠陥なしと分類され、かつ工作物(102)に欠陥をもたらさない場合に、工作物(102)が後処理されない、ことを特徴とする実施形態21又は22のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
実施形態24:
1つ又は複数の工作物(102)が、コントロールステーション(146)に続いて品質検査ステーション(194)へ供給される、ことを特徴とする実施形態21から23のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
実施形態25:
品質検査ステーション(194)へ供給される工作物(102)が、形成された及び/又は処理されたすべての工作物(102)からの選択であり、かつこれらの工作物(102)のみが品質検査を受ける、ことを特徴とする実施形態24に記載の方法。
【0267】
実施形態26:
品質検査ステーション(194)へ供給すべき工作物(102)の選択が、測定された及び/又は計算された及び/又はシミュレートされた工作物パラメータに基づいて、かつ/又は、測定された及び/又は計算された及び/又はシミュレートされた処理結果パラメータに基づいて、特に、以下のパラメータ:
-コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」及び/又はコーティングの推移及び/又は光沢度;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特にコーティングの、特に各層及び/又は個々の層の、平坦性及び/又は粗さ;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの厚み;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学的組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-それぞれの工作物(102)の種類及び/又はタイプに関する情報;
-物理的及び/又は製造技術的な工作物指数に関する情報;
-個別の工作物識別ナンバー;
-それぞれの工作物(102)の処理に先立つ形成及び/又は加工に関する情報;
-それぞれの工作物(102)の処理に続く後処理及び/又はさらなる加工に関する情報;
-それぞれの工作物(102)において測定され、シミュレートされ、かつ/又は予測されるエラー箇所、特にコーティングエラーの位置と寸法に関する情報;
の1つ又は複数に基づいて、行われる、ことを特徴とする実施形態25に記載の方法。
【0268】
実施形態27:
品質検査において、以下のパラメータ:
-コーティングの色調及び/又は輝度及び/又はカラーメトリック「カラーマッチ」及び/又はコーティングの推移及び/又は光沢度;
-コーティング及び/又は基層表面の品質、特にコーティングの、特に各層及び/又は個々の層の、平坦性及び/又は粗さ;
-コーティングの層厚の均一性;
-コーティングの厚み;
-コーティングの硬さ;
-コーティングの化学的組成、特に架橋化度及び/又は溶剤含有量;
-コーティングの汚れ度;
-工作物表面の反射特性;
-工作物表面の吸収特性;
-工作物表面の放出特性;
の1つ又は複数が測定される、ことを特徴とする実施形態24から26のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態28:
品質検査する場合に、工作物(102)の、コントロールステーション(146)内の管理の結果に基づいて欠陥がない箇所においてのみ、品質測定が実施される、ことを特徴とする実施形態24から27のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態29:
品質検査の結果が、特に工作物(102)を処理するための1つ又は複数の処理ステーション(106)内で、1つ又は複数の設備パラメータを調整するために使用される、ことを特徴とする実施形態24から28のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態30:
品質測定の結果に基づいて、1つ又は複数の設備パラメータがあらかじめ定められた限界値の内部にある場合でも、1つ又は複数の設備パラメータの調整が、特に工作物(102)を処理するための1つ又は複数の処理ステーション(106)内で、実施され、特に1つ又は複数の設備パラメータの時間的展開内ですでに傾向が緩和され、あるいは補償される、ことを特徴とする実施形態24から29のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
実施形態31:
工作物(102)を管理する管理設備、特に実施形態19に記載の管理設備であって、該管理設備が以下のもの:
-管理すべき工作物(102)の1つ又は複数の工作物パラメータを自動的に求めるための1つ又は複数のコントロールステーション(146);
-制御装置であって、該制御装置を用いて工作物(102)が1つ又は複数のコントロールステーション(146)を用いて求められた工作物パラメータにしたがって、特に実施形態21から30のいずれか1つに記載の方法にしたがって、カテゴライズ可能であるように、整えられ、かつ形成されている、制御装置;
を備える、管理設備。
【0273】
実施形態32:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)が、それぞれ1つ又は複数のコントロールユニット(150)を有し、該1つ又は複数のコントロールユニット(150)がロボットとして形成されているか、あるいはロボットを備える、ことを特徴とする実施形態31に記載の管理設備。
【0274】
実施形態33:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)が、ポータル(148)として形成されており、該ポータルを通して工作物(102)が管理を受けるために移送可能である、ことを特徴とする実施形態31又は32のいずれか1つに記載の管理設備。
【0275】
実施形態34:
工作物(102)を処理するための、特に車両ボディ(104)を処理するための処理設備(100)であって、該処理設備(100)が以下のもの:
-工作物(102)を処理するための1つ又は複数の処理ステーション(106);
-工作物(102)を管理するための管理設備、特に実施形態19又は31から33のいずれか1つに記載の管理設備;
-移送装置(112)であって、該移送装置を用いて工作物(102)が管理設備の1つ又は複数のコントロールステーション(146)へ、1つ又は複数のコントロールステーション(146)を通して、かつ/又は1つ又は複数のコントロールステーション(146)から離れるように、移送可能であり、かつ/又は、該移送装置を用いて工作物(102)が1つ又は複数の処理ステーション(106)へ、1つ又は複数の処理ステーション(106)を通して、かつ/又は1つ又は複数の処理ステーション(106)から離れるように、移送可能である、移送装置(112);
を備える、処理設備(100)。
【0276】
実施形態35:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)が処理ステーション(106)内へ、かつ/又は処理設備(100)の後処理ステーション(180)へ統合されており、
かつ、それぞれ1つ又は複数のコントロールユニット(150)を有する、処理ステーション(106)の及び/又は後処理ステーション(180)の、1つ又は複数の処理ユニット(116)を用いて、それぞれの工作物(102)の管理が実施可能である、
ことを特徴とする実施形態34に記載の処理設備(100)。
【0277】
実施形態36:
特に実施形態19と31から33のいずれか1つに記載の、工作物(102)を管理するための管理設備であって、該管理設備が:
-それぞれ1つ又は複数のコントロールユニット(150)を有する、1つ又は複数のコントロールステーション(146)
を備える、管理設備。
【0278】
実施形態37:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)がそれぞれ、ポータブルかつ/又は可動のコントロールユニット(150)を一時的に収容するための1つ又は複数の収容装置(152)を形成し、あるいは有している、ことを特徴とする実施形態36に記載の管理設備。
【0279】
実施形態38:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)が、それぞれ1つ又は複数の固定的に設置されたコントロールユニット(150)を有している、ことを特徴とする実施形態36又は37のいずれか1つに記載の管理設備。
【0280】
実施形態39:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)がポータル(148)として形成されており、該ポータルを通して工作物(102)が管理のために移送可能である、ことを特徴とする実施形態36から38のいずれか1つに記載の管理設備。
【0281】
実施形態40:
1つ又は複数のコントロールステーション(146)がポータル(148)として形成されており、該ポータルが工作物(102)を管理するために該工作物を越えて走行可能である、ことを特徴とする実施形態36から39のいずれか1つに記載の管理設備。
【0282】
実施形態41:
ポータル(148)として形成されている1つ又は複数のコントロールステーション(146)が、ロック、特に処理設備(100)の出口ロック(144)内へ統合されており、あるいはロックを形成し、該ロックにおいてそれぞれのコントロールステーション(146)の管理領域が、特に測定エラーを回避するために、洗浄媒体、特に新鮮空気によって洗浄可能である、ことを特徴とする実施形態39又は40のいずれか1つに記載の管理設備。
【0283】
実施形態42:
1つ又は複数のコントロールユニット(150)が処理ステーション(106)内に、かつ/又は工作物(102)を処理するための処理ユニット(116)に、配置されている、ことを特徴とする実施形態36から41のいずれか1つに記載の管理設備。
【0284】
実施形態43:
1つ又は複数のコントロールユニット(150)が、処理ステーション(106)の床、壁及び/又は天井内に統合されている、ことを特徴とする実施形態36から42のいずれか1つに記載の管理設備。
【0285】
実施形態44:
1つ又は複数のコントロールユニット(150)が、ロボット、たとえば磨きロボット、塗装ロボット(118)及び/又は研磨ロボット(182)に配置されている、ことを特徴とする実施形態36から43のいずれか1つに記載の管理設備。
【0286】
実施形態45:
複数の工作物(102)が同時に1つ又は複数のコントロールユニット(150)を用いて管理可能であり、かつロボットを用いて処理可能、特に研磨可能、塗装可能及び/又は磨き可能である、ことを特徴とする実施形態44に記載の管理設備。
【0287】
実施形態46:
前記ロボットが交換装置及び/又は回転装置を有し、該交換装置及び/又は該回転装置を用いて選択的に研磨ユニット及び/又は磨きユニット及び/又は塗装ユニット及び/又は1つ又は複数のコントロールユニットを、特に工作物(102)を選択的に研磨し、磨き、塗装し、かつ/又は管理するために、工作物(102)と位置合わせすることができる、ことを特徴とする実施形態44に記載の管理設備。
【0288】
実施形態47:
1つ又は複数のコントロールユニット(146)が、パイロメータ(156)として形成されており、あるいは1つ又は複数のパイロメータ(156)を有している、ことを特徴とする実施形態36から46のいずれか1つに記載の管理設備。
【0289】
実施形態48:
1つ又は複数のコントロールユニット(146)がカバーを有し、該カバーを用いてそれぞれのコントロールユニット(146)が、特に工作物(102)を処理する間カバー可能であり、前記カバーが特に自動的に、たとえば動力で、選択的に開放位置と閉鎖位置へ移動可能である、ことを特徴とする実施形態36から47のいずれか1つに記載の管理設備。
【0290】
実施形態49:
前記管理設備が洗浄装置、特に圧縮空気装置を有し、該洗浄装置を用いて、工作物(102)の、コントロールユニットによって検出すべき測定領域に洗浄媒体が供給可能であり、かつ好ましくは汚れが除去可能である、ことを特徴とする実施形態36から48のいずれか1つに記載の管理設備。
【0291】
実施形態50:
前記洗浄装置がロボットに、たとえば磨きロボット、塗装ロボット(118)及び/又は研磨ロボット(182)に配置されており、かつ、前記洗浄装置が前記ロボットを用いて、工作物(102)の検出すべき測定領域と位置合わせすることができる、ことを特徴とする実施形態49に記載の管理設備。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11