(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20240912BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240912BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 622E
G09G3/20 623H
G09G3/20 623V
G09G3/20 670A
G11C19/28 230
(21)【出願番号】P 2021572042
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 CN2019121249
(87)【国際公開番号】W WO2021102734
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 蛟
(72)【発明者】
【氏名】肖 ▲麗▼
(72)【発明者】
【氏名】玄 明花
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 皓▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 冬▲ニ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 静
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ ▲チ▼
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/035785(WO,A1)
【文献】特開2009-008891(JP,A)
【文献】特開2010-217344(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0247586(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107750377(CN,A)
【文献】特開2011-008278(JP,A)
【文献】国際公開第2010/035792(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G11C 19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
ベースと、
ベースに設けられた、複数のアレイ配列された画素ユニットと、複数の信号線と、信号供給モジュールと、
データ電圧引き込み線と、第1の静電リング構造と、第2の静電リング構造と、
を含み、
前記画素ユニットが発光素子を含み、前記発光素子がマイクロ無機発光ダイオードを含み、
前記信号供給モジュールが、信号供給回路と冗長信号供給回路を含み、
前記信号供給回路が第1のデータセレクタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のデータセレクタを含み、
前記データ電圧引き込み線が、前記第1の静電リング構造を介して前記第1のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第1の静電リング構造との間に第1の保護抵抗が接続されており、前記第1の静電リング構造と前記第1のデータセレクタとの間に第2の保護抵抗が接続されており、
前記データ電圧引き込み線が、前記第2の静電リング構造を介して前記第2のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第2の静電リング構造との間に第3の保護抵抗が接続されており、前記第2の静電リング構造と前記第2のデータセレクタとの間に第4の保護抵抗が接続されており、
各前記信号供給モジュールが、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して複数の
前記画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続され、
前記信号供給回路と前記冗長信号供給回路の一方のみが、前記画素ユニットに電気的接続され、前記信号供給回路と前記冗長信号供給回路の他方が、レーザ切断プロセスによって、
前記複数の信号線における前記少なくとも一本との電気的接続を切断されて、前記画素ユニットとの電気的接続を切断され
た、表示基板。
【請求項2】
各前記画素ユニットが複数のサブ画素を含み、前記信号線がデータ線グループを含み、かつ各データ線グループが複数のデータ線を含み、同一の列に位置する前記画素ユニットが同一の前記データ線グループに接続され、かつ同一の列に位置する前記サブ画素が同一の前記データ線に接続され、異なる列の前記サブ画素が異なる前記データ線に接続され、
前記信号供給モジュールと前記データ線グループが一対一で設けられ
、
各前記信号供給モジュールの前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタが、それに対応する前記データ線グループを介して前記画素ユニットに電気的接続される、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1の静電リング構造と第2の静電リング構造がともに第1の静電トランジスタと、第2の静電トランジスタと、第3の静電トランジスタと、第4の静電トランジスタとを含み、
前記第1の静電トランジスタの第1極が、その制御極と前記データ電圧引き込み線に接続され、第2極が第2の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第2の静電トランジスタの第2極が作動レベル信号端に接続され、
第3の静電トランジスタの第1極がその制御極とデータ電圧引き込み線に接続され、第2極が第4の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第4の静電トランジスタの第2極が非作動レベル信号端に接続される、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1の保護抵抗と、前記第2の保護抵抗と、前記第3の保護抵抗と、前記第4の保護抵抗との抵抗値がみな400Ω~500Ωの間にある、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項5】
前記画素ユニットが三つのサブ画素を含み、前記データ線グループが三本のデータ線を含む、請求項
2に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタが、前記ベースの、前記データ線の信号入力端がある側に位置する、請求項
2に記載の表示基板。
【請求項7】
前記信号線がゲート線を含み、同一の行に位置する前記画素ユニットが同一のゲート線に接続され、各前記信号供給モジュールの前記信号供給回路が第1のシフトレジスタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のシフトレジスタを含み、前記第1のシフトレジスタと前記第2のシフトレジスタが対で設けられ、かつ同一のゲート線に接続され、
前記ゲート線が少なくとも一つの前記信号供給モジュールにおける一対の前記第1のシフトレジスタと前記第2のシフトレジスタに接続される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記ゲート線が二つの前記信号供給モジュールに接続され、かつ二つの前記信号供給モジュールが前記ゲート線の二つの対向端にそれぞれ接続される、請求項
7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記信号供給モジュールのうちの複数の前記第1のシフトレジスタがカスケード接続され、複数の前記第2のシフトレジスタがカスケード接続され、各段の前記第1のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ接続され、各段の前記第2のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ接続され、
第N段目の第1のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端がN-1段目の前記第1のシフトレジスタの信号入力端に接続され、
第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端がN+1段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端に接続され、Nは1より大きい整数である、請求項
7または
8に記載の表示基板。
【請求項10】
各前記信号供給モジュールの信号供給回路と冗長信号供給回路のうちの一方のみが、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して複数の
前記画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の表示基板を含む表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術分野に属し、具体的に表示基板および表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロ無機発光ダイオードは新世代の表示技術であって、従来のOLED技術よりも輝度がより高く、発光効率がより好ましく、エネルギー消費がより少ない。しかし、マイクロ無機発光ダイオード表示基板の製造プロセスは複雑であり、また、マイクロ無機発光ダイオードは転写という方式を用いて表示基板上に形成されるものであることから、マイクロ無機発光ダイオード表示基板の製造プロセスにおいて比較的大きな静電気放電(ESD)が生じるため、ESDを如何に低減するかということが解決の待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における技術課題の一つを少なくとも解決することを目的とし、表示基板および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本発明の実施例は、
ベースと、
ベースに設けられた、複数のアレイ配列された画素ユニットと、複数の信号線と、信号供給モジュールとを含み、
前記信号供給モジュールが、信号供給回路と冗長信号供給回路を含み、
各前記信号供給モジュールが、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して前記複数の画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続される表示基板を提供する。
【0005】
ここで、各前記信号供給モジュールの信号供給回路と冗長信号供給回路が、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して前記複数の画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続される。
【0006】
ここで、各前記画素ユニットが複数のサブ画素を含み、前記信号線がデータ線グループを含み、かつ各データ線グループが複数のデータ線を含み、同一の列に位置する前記画素ユニットが同一の前記データ線グループに接続され、かつ同一の列に位置する前記サブ画素が同一の前記データ線に接続され、異なる列の前記サブ画素が異なる前記データ線に接続され、
前記信号供給モジュールと前記データ線グループが一対一で設けられ、
前記信号供給回路が第1のデータセレクタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のデータセレクタを含み、
各前記信号供給モジュールの前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタが、それに対応する前記データ線グループを介して前記画素ユニットに電気的接続される。
【0007】
ここで、前記表示基板はデータ電圧引き込み線と、第1の静電リング構造と、第2の静電リング構造とをさらに含み、
前記データ電圧引き込み線が、前記第1の静電リング構造を介して前記第1のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第1の静電リング構造との間に第1の保護抵抗が接続されており、前記第1の静電リングと前記第1のデータセレクタとの間に第2の保護抵抗が接続されており、
前記データ電圧引き込み線が、前記第2の静電リング構造を介して前記第2のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第2の静電リング構造との間に第3の保護抵抗が接続されており、前記第2の静電リングと前記第2のデータセレクタとの間に第4の保護抵抗が接続されている。
【0008】
ここで、前記第1の静電リング構造と第2の静電リング構造がともに第1の静電トランジスタと、第2の静電トランジスタと、第3の静電トランジスタと、第4の静電トランジスタとを含み、
前記第1の静電トランジスタの第1極が、その制御極と前記データ電圧引き込み線に接続され、第2極が第2の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第2の静電トランジスタの第2極が作動レベル信号端に接続され、
第3の静電トランジスタの第1極がその制御極とデータ電圧引き込み線に接続され、第2極が第4の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第4の静電トランジスタの第2極が非作動レベル信号端に接続される。
【0009】
ここで、前記第1の保護抵抗と、前記第2の保護抵抗と、前記第3の保護抵抗と、前記第4の保護抵抗との抵抗値がみな400Ω~500Ωの間にある。
【0010】
ここで、前記画素ユニットが三つのサブ画素を含み、前記データ線グループが三本のデータ線を含む。
【0011】
ここで、前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタが、前記ベースの、前記データ線の信号入力端がある側に位置する。
【0012】
ここで、前記信号線がゲート線を含み、同一の行に位置する前記画素ユニットが同一のゲート線に接続され、各前記信号供給モジュールの前記信号供給回路が第1のシフトレジスタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のシフトレジスタを含み、前記第1のシフトレジスタと前記第2のシフトレジスタが対で設けられ、かつ同一のゲート線に接続され、
前記ゲート線が少なくとも一つの前記信号モジュールにおける一対の前記第1のシフトレジスタと前記第2のシフトレジスタに接続される。
【0013】
ここで、前記ゲート線が二つの前記信号供給モジュールに接続され、かつ二つの前記信号供給モジュールが前記ゲート線の二つの対向端にそれぞれ接続される。
【0014】
ここで、前記信号供給モジュールのうちの複数の前記第1のシフトレジスタがカスケード接続され、複数の前記第2のシフトレジスタがカスケード接続され、各段の前記第1のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ接続され、各段の前記第2のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ接続され、
第N段目の第1のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端がN-1段目の前記第1のシフトレジスタの信号入力端に接続され、
第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端がN+1段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端に接続され、Nは1より大きい整数である。
【0015】
ここで、
各前記信号供給モジュールの信号供給回路と冗長信号供給回路のうちの一方のみが、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して前記複数の画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続される。
【0016】
ここで、各前記画素ユニットが複数のサブ画素を含み、前記信号線がデータ線グループを含み、かつ各データ線グループが複数のデータ線を含み、同一の列に位置する前記画素ユニットが同一の前記データ線グループに接続され、かつ同一の列に位置する前記サブ画素が同一の前記データ線に接続され、異なる列の前記サブ画素が異なる前記データ線に接続され、
前記信号供給モジュールと前記データ線グループが一対一で設けられ、
前記信号供給回路が第1のデータセレクタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のデータセレクタを含み、
各前記信号供給モジュールの前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタのうちの一方のみが、それに対応する前記データ線グループを介して前記画素ユニットに電気的接続される。
【0017】
ここで、前記表示基板はデータ電圧引き込み線と、第1の静電リング構造と、第2の静電リング構造とをさらに含み、
前記データ電圧引き込み線が、前記第1の静電リング構造を介して前記第1のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第1の静電リング構造との間に第1の保護抵抗が接続されており、前記第1の静電リングと前記第1のデータセレクタとの間に第2の保護抵抗が接続されており、
前記データ電圧引き込み線が、前記第2の静電リング構造を介して前記第2のデータセレクタに接続され、前記データ電圧引き込み線と第2の静電リング構造との間に第3の保護抵抗が接続されており、前記第2の静電リングと前記第2のデータセレクタとの間に第4の保護抵抗が接続されている。
【0018】
ここで、前記第1の静電リング構造と第2の静電リング構造がともに第1の静電トランジスタと、第2の静電トランジスタと、第3の静電トランジスタと、第4の静電トランジスタとを含み、
前記第1の静電トランジスタの第1極が、その制御極と前記データ電圧引き込み線に接続され、第2極が第2の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第2の静電トランジスタの第2極が作動レベル信号端に接続され、
第3の静電トランジスタの第1極がその制御極とデータ電圧引き込み線に接続され、第2極が第4の静電トランジスタの第1極と制御極に接続され、第4の静電トランジスタの第2極が非作動レベル信号端に接続される。
【0019】
ここで、前記第1のデータセレクタと前記第2のデータセレクタが、前記ベースの、前記データ線の信号入力端がある側に位置する。
【0020】
ここで、前記信号線がゲート線を含み、同一の行に位置する前記画素ユニットが同一のゲート線に接続され、各前記信号供給モジュールの前記信号供給回路が第1のシフトレジスタを含み、前記冗長信号供給回路が第2のシフトレジスタを含み、前記第1のシフトレジスタと前記第2のシフトレジスタが対で設けられ、かつ同一のゲート線に対応し、
前記ゲート線が少なくとも一つの前記信号モジュールにおける一対の前記第1のシフトレジスタと前記第2シフトレジスタのうちの一方にのみ接続される。
【0021】
ここで、前記ゲート線が二つの前記信号供給モジュールに接続され、かつ二つの前記信号供給モジュールが前記ゲート線の二つの対向端にそれぞれ接続される。
【0022】
ここで、前記信号供給モジュールのうちの複数の前記第1のシフトレジスタがカスケード接続され、前記第2のシフトレジスタがカスケード接続され、各段の前記第1のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ対応し、各段の前記第2のシフトレジスタが異なるゲート線にそれぞれ対応し、
第N段目の前記第1のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第1のシフトレジスタの信号出力端がN+1段目の前記第1のシフトレジスタの信号入力端に接続され、
第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端がN-1段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端に接続され、第N段目の前記第2のシフトレジスタの信号出力端がN+1段目の前記第2のシフトレジスタの信号入力端に接続される。
【0023】
ここで、前記画素ユニットが発光素子を含み、前記発光素子がマイクロ無機発光ダイオードを含む。
【0024】
第3の態様において、本発明の実施例は上記の表示基板を含む表示パネルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図3】
図3は第1のシフトレジスタの回路図である。
【
図4】
図4は第1のデータセレクタの回路図である。
【
図5】
図5は本発明の実施例の表示基板の模式図である。
【
図6】
図6は第1の静電リング構造の位置模式図である。
【
図7】
図7は第2の静電リング構造の位置模式図である。
【
図8】
図8は第1の静電リング構造の構造模式図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例における別の表示基板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
当業者が本発明の技術案をより良く理解できるよう、以下に図面と具体的な実施の形態を組み合わせて本発明についてさらに詳細に説明する。
【0027】
別途定義しない限り、本願にて使用する技術用語または科学技術用語は、本願が属する分野において一般的な技能を有する者が理解する通常の意味である。本願にて使用する「第1の」、「第2の」および類似の語句は如何なる順序、数量、重要性も表さず、異なる組成部分を区別するためだけに用いられるものである。同じく「一つ」、「一」、「当該」などの類似の語句も数の限定を表すものではなく、少なくとも一つ存在するということを表す。「含む」、「含有する」などの類似の語句は、当該語句の前にある部品または物品が当該語句の後ろに列挙された部品または物品およびその均等物を含むことを意味するが、その他の部品または物品を排除しない。「接続する」、「繋ぐ」などの類似の語句は物理的な、または機械的な接続に限定されず、直接、または間接的なものに関わらず、電気的な接続を含んでよい。「上」、「下」「左」、「右」、などは相対的な位置関係を表すものにすぎず、描写される対象の絶対的な位置が変われば、当該相対的な位置関係も相応に変化し得る。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施例の表示基板において、各画素ユニットはアレイ状に配列されてよく、ここで、各画素ユニットは三種類の異なる色のサブ画素を含んでよく、例えば赤色サブ画素R、緑色サブ画素G、青色サブ画素Bを含む。なお、本発明の実施例におけるサブ画素の色は各サブ画素における発光素子の色によって決まるものであってよく、例えば、サブ画素における発光素子の発する光が赤色光である時は、当該サブ画素を赤色サブ画素Rという。もちろん、表示基板における各発光素子の発光色がみな同一である場合、例えば、各発光素子の発する光がみな白色光である時は、当該表示基板の表示パネルにおいて適用される、当該表示基板と対向して設けられるカラーフィルム基板におけるカラーフィルムの色によって決まり、例えば、あるサブ画素が対応するカラーフィルム基板のカラーフィルムの色が赤色であれば、当該サブ画素を赤色サブ画素Rという。
【0029】
ここで、
図1に示すように、例示的な表示基板の具体的な構造を提示する。当該表示基板は複数列のデータ線Dataと、複数行のゲート線Gateを含み、ゲート線Gateとデータ線Dataは交差して設けられて、交差箇所においてサブ画素を規定する。ここで、同一の列に位置するサブ画素の色は同一であり、行方向に隣接する三つのサブ画素毎に一つの画素ユニットを構成し、各画素ユニットにおける三つのサブ画素はそれぞれ赤色サブ画素R、緑色サブ画素G、青色サブ画素Bである。同一の行に位置する各サブ画素は同一のゲート線Gateに接続され、同一の列に位置する各サブ画素は同一のデータ線に接続される(同一の列に位置する赤色サブ画素Rに接続されるデータ線はData11、同一の列に位置する緑色サブ画素Gに接続されるデータ線はData12、同一の列に位置する青色サブ画素Bに接続されるデータ線はData13である)。任意の行のゲート線Gateのゲート走査信号は一段の第1のシフトレジスタ(例えば、
図1において示す六段の第1のシフトレジスタ、つまりGOA1-1~GOA1-6であり、GOA1-1は第1行目のゲート線Gataにゲート走査信号を提供する)により提供される。
【0030】
図5に示すように、双方向駆動を例とすると、各ゲート線Gateが二つの第1のシフトレジスタに接続される。具体的には、各ゲート線Gateに接続される二つの第1のシフトレジスタは当該ゲート線Gateの両端にそれぞれ接続されてよい(例えば、第1行目のゲート線Gateの左右両端にGOA1-1がそれぞれ一つ接続される)。もちろん、第1のシフトレジスタは当該ゲート線Gateの中間位置、あるいはその他の任意の位置に接続されてもよい。本発明の実施例においては、双方向駆動を用いているため、単一方向駆動、つまり、一本のゲート線Gateが一つの第1のシフトレジスタにのみ接続されるという実施例よりも、受信信号の信号線全体における各箇所の電圧により良い均一性を持たせることができ、信号線そのものの線抵抗により、シフトレジスタに近い一端で受信された信号と、シフトレジスタから離れ一端で受信された信号に電圧差があるという状況が生じるのを緩和できる。各列の画素ユニットが一つのデータ線グループDATAに対応して接続され、各データ線グループDATAには三本のデータ線(Data11、Data12、Data12)が含まれ、かつ各データ線グループDATAが一つの第1のデータセレクタに接続され、異なるデータ線グループDATAが異なる第1のデータセレクタに接続され(つまり、
図1に示すMUX1-1~MUX1-4であり、第一列目の画素ユニットにおける三列のサブ画素に接続される三本のデータ線がMUX1-1に接続され、第二列目の画素ユニットにおける三列のサブ画素に接続される三本のデータ線がMUX1-2に接続される)、このとき、第1のデータセレクタを介して、これに接続されたデータ線Dataにデータ電圧信号を提供することができる。ここで、各第1のシフトレジスタにカスケードという方式を用いて一緒に接続する。具体的には、第一段目と最終段の第1のシフトレジスタを除き、第N段目の第1のシフトレジスタの信号出力端OutputがN+1段目の第1のシフトレジスタの信号入力端Inputに接続され、Nは1より大きい整数である。例えば、
図1に示す第一段目の第1のシフトレジスタGOA1-1の信号出力端Outputが第二段目の第1のシフトレジスタGOA1-2の信号入力端Inputに接続される。
【0031】
以下に、それぞれサブ画素、第1のシフトレジスタ、第1のデータセレクタの構造について説明する。
【0032】
本発明において使用するトランジスタは、薄膜トランジスタまたは電界効果トランジスタまたは特性が同一のその他の素子であってよく、使用するトランジスタのソースとドレインは対称であるため、そのソースとドレインには区別がない。本発明の実施例では、トランジスタのソースとドレインを区別するために、そのうちの一方の極を第1極、他方の極を第2極といい、ゲートを制御極という。このほか、特性区分に応じて、トランジスタをN型とP型に分けることができ、P型トランジスタを使用した場合、第1極はP型トランジスタのソースで、第2極はP型トランジスタのドレインであり、ゲートが低レベルを入力したときにソースとドレインが導通する。N型トランジスタを使用した場合、第1極はN型トランジスタのソースで、第2極はN型トランジスタのドレインであり、ゲートが高レベルを入力したときにソースとドレインが導通する。ここで、以下に述べる画素回路と第1のデータセレクタにおけるトランジスタがともにN型トランジスタである場合を例として説明するが、P型トランジスタを使用して実現することは当業者が創造力を働かせずに想到できることであると予想できるため、これもまた本発明の実施例の請求範囲内である。以下に述べる第1極とシフトレジスタにおけるトランジスタがともにP型トランジスタである場合を例として説明するが、N型トランジスタを使用して実現することは当業者が創造力を働かせずに想到できることであると予想できるため、これもまた本発明の実施例の請求範囲内である。
【0033】
ここで、各トランジスタにN型トランジスタを選択して使用するとき、作動レベル信号端は高レベル信号端VGH、非作動レベル信号端は低レベル信号端VGLであり、各トランジスタにP型トランジスタを選択して使用するとき、作動レベル信号端は低レベル信号端VGL、非作動レベル信号端は高レベル信号端VGHである。
【0034】
各サブ画素にはいずれも画素回路を少なくとも含む。
図2に示すように、例示的な画素回路を提示する。当該画素回路は第1のトランジスタT1と、第2のトランジスタT2と、第3のトランジスタT3と、第4のトランジスタT4と、第5のトランジスタT5と、第6のトランジスタT6と、第7のトランジスタT7と、第1の蓄積容量C1と、発光素子Dとを含み、第1のトランジスタT1の第1極が初期電圧信号端Vintに接続され、第1のトランジスタT1の第2極が第1の蓄積容量C1の第2端と、第2のトランジスタT2の第1極と、第3のトランジスタT3の制御極に接続され、第1のトランジスタT1の制御極がリセット信号端Resetに接続される。第2のトランジスタT2の第2極が第3のトランジスタT3の第2極と、第6のトランジスタT6の第1極に接続され、第2のトランジスタT2の制御極がゲート線Gateに接続される。第3のトランジスタT3の第1極が第1の電源電圧端VDDに接続される。第4のトランジスタT4の第1極がデータ線Dataに接続され、第4のトランジスタT4の第2極が第5のトランジスタT5の第2極と、第7のトランジスタT7の第2極と、第1の蓄積容量C1の第1極に接続される。第4のトランジスタT4の制御極がゲート線に接続される。第5のトランジスタT5の第1極が基準電圧信号端Vrefに接続され、第5のトランジスタT5の制御極が発光制御線EMに接続される。第6のトランジスタT6の第2極が発光素子Dの第1極に接続され、第6のトランジスタT6の制御極が発光制御線EMに接続される。第7のトランジスタT7の第1極が基準電圧信号端Vrefに接続され、第7のトランジスタT7の制御極がリセット信号端Resetに接続され、発光素子の第2極が第2の電源電圧端VSSに接続される。
【0035】
ここで、発光素子Dは電流型の発光ダイオードであってよく、さらには、マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode,Micro LED)もしくはミニ発光ダイオード(Mini Light Emitting Diode,Mini LED)のような電流型の無機発光ダイオードであってよく、もちろん、発明の実施例における発光素子Dは有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)であってもよい。発光素子Dの第1極および第2極のうちの一方はアノード、他方はカソードである。
【0036】
なお、発光素子Dにマイクロ無機発光ダイオードを使用するときは、マイクロ無機発光ダイオードの駆動要求を満たすために、発光素子に有機発光ダイオードを使用するときよりも、第3のトランジスタのチャネル幅を広くする必要がある。
【0037】
図3に示すように、例示的な第1のシフトレジスタを提示する。当該シフトレジスタは第8のトランジスタT8と、第9のトランジスタT9と、第10のトランジスタT10と、第11のトランジスタT11と、第12のトランジスタT12と、第13のトランジスタT13と、第14のトランジスタT14と、第2の蓄積容量C2と、第3の蓄積容量C3とを含み、第8のトランジスタT8の第1極が信号入力端Inputに接続され、第8のトランジスタT8の第2極がN1ノードに接続され、第8のトランジスタT8の制御極が第1のクロック信号端に接続される。第9のトランジスタT9の第1極が第1のクロック信号端CLKに接続され、第9のトランジスタT9の第2極がN2ノードに接続され、第9のトランジスタT9の制御極がN1ノードに接続される。第10のトランジスタT10の第1極が低レベル信号端VGLに接続され、第10のトランジスタT10の第2極がN2ノードに接続され、第10のトランジスタT10の制御極が第1のクロック信号端CLKに接続される。第11のトランジスタT11の第1極が高レベル信号端VGHと第3の蓄積容量C3の第2端に接続され、第11のトランジスタT11の第2極が信号出力端Outputに接続され、第11のトランジスタT11の制御極がN2ノードに接続される。第3の蓄積容量C3の第1端がN2ノードに接続される。第12のトランジスタT12の第1極が第2のクロック信号端CLKBに接続され、第12のトランジスタT12の第2極が第2の蓄積容量C2の第2端と信号出力端Outputに接続され、第12のトランジスタT12の制御極が第2の蓄積容量C2の第1端に接続される。第13のトランジスタT13の第1極が高レベル信号端VGHに接続され、第13のトランジスタT13の第2極が第14のトランジスタT14の第1極に接続され、第13のトランジスタT13の制御極がN2ノードに接続される。第14のトランジスタT14の第2極がN1ノードに接続され、第14のトランジスタT14の制御極が第2のクロック信号端に接続される。第15のトランジスタT15の第1極がN1ノードに接続され、第15のトランジスタT15の第2極が第2の蓄積容量C2の第1端に接続され、第15のトランジスタT15の制御極が低レベル信号端VGLに接続される。
【0038】
図4に示すように、例示的な第1のデータセレクタを提示する。当該第1のデータセレクタは、一つの画素ユニットが赤色サブ画素R、緑色サブ画素G、青色サブ画素Bの三つのサブ画素ユニットを含む表示基板に適用される。当該画素ユニットにおける赤色サブ画素はデータ線Data11に、緑色サブ画素はデータ線Data12に、青色サブ画素はデータ線Data13に接続される。対応する本発明の実施例において、第1のデータセレクタは第16のトランジスタT16と、第17のトランジスタT17と、第18のトランジスタT18とを含み、第16のトランジスタT16の第1極と、第17のトランジスタT17の第1極と、第18のトランジスタT18の第1極とが一緒に接続され、かつデータ電圧引き込み線DATA’がソースドライバ(図示しない)に接続される。第16のトランジスタT16の第2極がデータ線Data11に接続され、第16のトランジスタT16の制御極がタイムスケジュール制御器(図示しない)の第1の出力端に接続される。第17のトランジスタT17の第2極がデータ線Data12に接続され、第17のトランジスタT17の制御極がタイムスケジュール制御器の第2の出力端に接続される。第18のトランジスタT18の第2極がデータ線Data13に接続され、第18のトランジスタT18の制御極がタイムスケジュール制御器の第3の出力端に接続される。
【0039】
具体的に、タイムスケジュール制御器(図示しない)が出力するタイムスケジュール信号を介して第16のトランジスタT16と、第17のトランジスタT17と、第18のトランジスタT18のうちの一つをオンにするよう制御し、タイムスケジュール制御器が第16のトランジスタT16をオンに制御したとき、ソースドライバの提供するデータ電圧がデータ電圧引き込み線(
図1に示す四本のデータ引き込み線Data1’、Data2’、Data3’、Data4’)を介して、第16のトランジスタT16に接続されたデータ線Data11に提供される。同様に、タイムスケジュール制御器が第17のトランジスタT17をオンに制御したとき、ソースドライバの提供するデータ電圧がデータ電圧引き込み線Data’を介して、第17のトランジスタT17に接続されたデータ線Data12に供給される。タイムスケジュール制御器が第18のトランジスタT18をオンに制御したとき、ソースドライバの提供するデータ電圧がデータ電圧引き込み線Data’を介して、第18のトランジスタT18に接続されたデータ線Data13に提供される。
【0040】
上記の表示基板の各部分の構造の紹介から、マイクロ無機発光ダイオードを有する表示基板の構造はやや複雑であることが見て取れるため、製造時において、プロセスが従来の方式である液晶表示基板、有機発光ダイオード表示基板の製造プロセスは複雑であり、これにより製造過程において静電気電荷の蓄積が生じ、表示基板におけるトランジスタのチャネルが破壊され、特に、画素回路におけるトランジスタが破壊されると表示パネルの表示にドット落ち、線落ち、表示不全が生じる。
【0041】
なお、本発明の実施例が提供する表示基板において、信号供給回路と冗長信号供給回路の構造は同一であってよく、同一の機能を実現する異なる回路構造であってもよい。こうすることで、信号供給回路に故障が生じたときに、冗長信号供給回路によって表示基板における画素ユニットに同一の信号を提供することができ、かつ信号供給回路と冗長信号供給回路が同一の構造を用いているため、表示基板の製造に便利である。もちろん、信号供給回路と冗長信号供給回路の構造は異なるものであってもよく、このときは冗長信号供給回路と信号供給回路の機能をまったく別のものにする必要がある。理解しやすくするために、以下の実施例では、信号供給回路と冗長信号供給回路に同一の構造を用いて説明する。
【0042】
第1の態様において、本発明の実施例は、ベースと、ベースに設けられた、画素ユニットと、信号線と、信号供給モジュールとを含む表示基板を提供する。特別なのは、本発明の実施例における各信号供給モジュールSは、信号供給回路と冗長信号供給回路を含み、各信号供給モジュールSの信号供給回路と冗長信号供給回路が、複数の信号線における少なくとも一本を介して前記複数の画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続されるという点である。つまり、各信号供給モジュールSはそれに接続される信号線に接続された画素ユニットに信号を提供するためのものである。
【0043】
本発明の実施例における表示基板の信号供給モジュールSには冗長信号供給回路が設けられているため、表示パネルの製造過程において、静電気電荷の蓄積により、信号供給回路とこれに対応する冗長信号供給回路の一方に破損が生じても、他方を介して表示基板における信号線に相応の信号を供することができ、表示基板の正常な作動を確保することができる。
【0044】
なお、各信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路はともに一つであり、もちろん、各信号供給モジュールSは一つの信号供給回路と複数の冗長信号供給回路に対応して設けられてよく、本発明の実施例では、信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路を対で設けており、つまり、一つの信号供給回路と一つの冗長信号供給回路を含むものを例として説明する。上記の表示基板を使用して表示パネルを形成する前に、各信号供給モジュールSにおいて故障が生じた回路構造について、レーザ切断プロセスによって、当該回路構造と、表示基板におけるその他の電気学的構造との電気的接続を切断する必要がある。具体的には、故障が生じた回路構造の出力端と信号線との接続を切断して、故障が生じた回路構造がエラー信号を信号線に出力してしまうことを回避してよい。もちろん、信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路にいずれも故障が生じていなければ、このグループの信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路のいずれか一方の、表示基板におけるその他の電気学的構造との電気的接続を切断し、表示基板の負荷を低減することができる。
【0045】
一部の実施例において、
図5に示すように、信号線はゲート線Gateであってよく、信号供給モジュールSにおける信号供給回路は、第1のシフトレジスタ(
図5に示す六つの第1のシフトレジスタ、つまり、GOA1-1~GOA1-6である)であってよく、冗長信号供給回路は第1のシフトレジスタと構造が同一な第2のシフトレジスタ(
図5に示す六つの第2のシフトレジスタ、つまり、GOA2-1~GOA2-6)を含んでよい。ここで、各信号供給モジュールSにおける第1のシフトレジスタと第2のシフトレジスタは同一のゲート線Gateに接続され、当該ゲート線Gateに接続される画素ユニットにゲート走査信号を提供する。
【0046】
ここで、第1のシフトレジスタと第2のシフトレジスタの構造は上記の第1のシフトレジスタの構造と同一であるため、繰り返し説明しない。なお、第2のシフトレジスタが接続する信号入力端Input、第1のクロック信号端CLK、第2のクロック信号端CLKB、高レベル信号端VGH、低レベル信号端VGLは、それぞれそれに対応する第1のシフトレジスタの信号入力端Input、第1のクロック信号端CLK、第2のクロック信号端CLKB、高レベル信号端VGH、低レベル信号端VGLと共用であると理解すべきである。
【0047】
一部の実施例において、表示基板は双方向駆動型の表示基板、つまり、一行の画素ユニットが二つの第1のシフトレジスタにより駆動されるものであり、これに応じて、一行の画素ユニットが二つの第2のシフトレジスタに対応する。具体的に、一行の画素ユニットを例とすると、当該行の画素ユニットは一本のゲート線Gateに接続され、二つの第1のシフトレジスタの信号出力端は当該ゲート線Gateの両端にそれぞれ接続され、二つの第2のシフトレジスタの信号出力端は同様に当該ゲート線Gateの両端に接続され、つまり、第1のシフトレジスタと第2のシフトレジスタは一対一で設けられる。こうすることで、ゲート線Gateの一端に位置する第1のシフトレジスタおよび第2のシフトレジスタのうちの一方が破損した場合、他方を介して当該ゲート線Gateにゲート走査信号を提供することができる。もちろん、本発明の実施例における二つの第1のシフトレジスタは、表示基板の中間領域に位置してよく、例えば、第1のシフトレジスタユニットは二列の画素ユニットの間に位置し、かつ同一の行のゲート線を駆動する二つの第1のシフトレジスタは異なる列の画素ユニットの間に位置する。本発明の実施例においては、第1のシフトレジスタの位置についていかなる限定もしない。
【0048】
具体的に、
図5に示すように、ゲート線Gate左側に接続される各第1のシフトレジスタがカスケード接続され、各第2のシフトレジスタがカスケード接続される。同様に、ゲート線Gate右側に接続される各第1のシフトレジスタがカスケード接続され、各第2のシフトレジスタがカスケードされる。Gate左側に接続される各第1のシフトレジスタの接続方式と各第2のシフトレジスタの接続方式を例として説明する。ここで、GOA1-1の信号出力端がGOA1-2の信号入力端に接続され、GOA1-2の信号出力端がGOA1-3の信号入力端に接続され、GOA1-3の信号出力端がGOA1-4の信号入力端に接続され、GOA1-4の信号出力端がGOA1-5の信号入力端に接続され、GOA1-5の信号出力端がGOA1-6の信号入力端に接続される。同様に、GOA2-1の信号出力端がGOA2-2の信号入力端に接続され、GOA2-2の信号出力端がGOA2-3の信号入力端に接続され、GOA2-3の信号出力端がGOA2-4の信号入力端に接続され、GOA2-4の信号出力端がGOA2-5の信号入力端に接続され、GOA2-5の信号出力端がGOA2-6の信号入力端に接続される。
【0049】
一部の実施例において、
図5に示すように、信号線はデータ線グループDATAであってよく、各データ線グループDATAは複数のデータ線を含み(例えば、
図5において示す各データ線DATAは三本のデータ線Data11、Data12、Data13を含む)、一列の画素ユニットに対応して接続される。各信号供給モジュールSにおける信号供給回路は第1のデータセレクタ(
図5に示す四つの第1のデータセレクタMUX1-1~MUX1-4)であってよく、冗長信号供給回路は第1のデータセレクタと構造が同一な第2のデータセレクタ(
図5に示す四つの第2のデータセレクタMUX2-1~MUX2-4)であってよく、第1のデータセレクタと第2のデータセレクタが対で設けられ、つまり、一つの信号供給モジュールSに第1のデータセレクタが一つと第2のデータセレクタが一つ設けられ、このとき、各信号供給モジュールSは同一の列の画素ユニットにデータ電圧信号を提供するためのものである。
【0050】
説明しやすくするために、各列の画素ユニットが赤、緑、青の三種類の異なる色の三列のサブ画素を含むものを例とすると、同一の列に位置する赤色サブ画素に接続されるデータ線をデータ線Data11といい、同様に、同一の列に位置する緑色サブ画素に接続されるデータ線をデータ線Data12といい、同一の列に位置する青色サブ画素に接続されるデータ線をデータ線Data13という。以下では、第一列目の画素ユニットに位置する三列のサブ画素にそれぞれ接続されるデータ線Data11、データ線Data12、データ線Data13と第1のデータセレクタ、第2のデータセレクタとの接続関係について具体的に説明する。
【0051】
具体的に、
図5に示すように、各列の画素ユニットは三種類の異なる色の三列のサブ画素を含み、それぞれ一列の赤色サブ画素R、一列の緑色サブ画素G、一列の青色サブ画素Bであって、各データ線グループDATAは三本のデータ線を含み、それぞれData11、Data12、Data13である。MUX1-1およびMUX2-1とデータ線グループとの接続関係を例とすると、MUX1-1とMUX2-1の入力端はともにデータ電圧引き込み線Data’に接続され、MUX1-1とMUX2-1の三つの出力端はData11、Data12、Data13にそれぞれ接続されるため、MUX1-1とMUX2-1のうちの一方が破損したとき、破損した方の、Data11、Data12、Data13との接続と、データ電圧引き込み線Data’との接続を切断でき、他方を介して一列の画素ユニットに対応する三本のデータ線Data11、Data12、Data13にデータ電圧信号を提供することができる。
【0052】
ここで、一部の実施例において、第1のデータセレクタと第2のデータセレクタはともに上記の第16のトランジスタT16と、第17のトランジスタT17と、第18のトランジスタT18とを含んでよく、かつ第2のデータセレクタにおける各トランジスタの、ソースドライバ、タイムスケジュール制御器、データ線Data11、データ線Data12、データ線Data13との接続関係は、第1のデータセレクタにおける複数のトランジスタの接続関係と同一である。接続関係については上記の内容において既に説明したので、ここでは繰り返し述べない。
【0053】
一部の実施例において、第1のデータセレクタと第2のデータセレクタが、ベースの、データ線Dataの信号入力端がある側に位置する。
【0054】
一部の実施例において、
図6と
図7に示すように、表示基板には上記の構造を含むだけでなく、データ電圧引き込み線Data’と第1のデータセレクタとの間に接続された第1の静電リング構造、およびデータ電圧引き込み線Data’と第2のデータセレクタとの間に接続された第2の静電リング構造をさらに含み、第1の静電リング構造と第2の静電リング構造は構造が同一な耐静電気構造であってよく、表示基板を製造する過程において生じる静電気により、表示基板内のトランジスタのチャネルが静電気破壊されることを防止するためのものである。
【0055】
一部の実施例において、
図6と
図7に示すように、第1の静電リング構造とデータ電圧引き込み線(
図5において示す四本の信号引き込み線であって、それぞれData1’、Data2’、Data3’、Data4’である)との間に第1の保護抵抗が接続されており、第1の静電リング構造と第1のデータセレクタとの間に第2の保護抵抗が接続されており、第2の静電リング構造とデータ電圧引き込み線との間に第3の保護抵抗が接続されており、第2の静電リング構造と第2のデータセレクタとの間に第4の保護抵抗が接続されている。第1の保護抵抗と、第2の保護抵抗と、第3の保護抵抗と、第4の保護抵抗とを設けるのは、表示基板における画素ユニット内のトランジスタに対して一定の保護機能を奏するためであり、また、第1の静電リング構造と第2の静電リング構造が簡単に静電気破壊されないようにすることができ、多重の静電気保護機能を奏する。
【0056】
一部の実施例においては、第1の保護抵抗と、第2の保護抵抗と、第3の保護抵抗と、第4の保護抵抗との抵抗値がみな400Ω~500Ωの間にあることを含むがこれに限定されない。
【0057】
図8に示すように、以下に第1の静電リング構造(第2の静電リング構造)の具体的な回路構造を提示する。当該第1の静電リング構造(第2の静電リング構造)は四つのトランジスタを含み、それぞれ第1の静電トランジスタT19、第2の静電トランジスタT20、第3の静電トランジスタT21、第4の静電トランジスタT22である。ここで、第1の静電トランジスタT19と、第2の静電トランジスタT20と、第3の静電トランジスタT21と、第4の静電トランジスタT22はみなN型もしくはP型のトランジスタであってよい。各トランジスタにN型トランジスタを選択して使用するとき、上記の作動レベル信号端は高レベル信号端VGH、非作動レベル信号端は低レベル信号端VGLであり、各トランジスタにP型トランジスタを選択して用いるとき、上記の作動レベル信号端は低レベル信号端VGL、非作動レベル信号端は高レベル信号端VGHである。以下では、第1の静電リング構造における第1の静電トランジスタT19と、第2の静電トランジスタT20と、第3の静電トランジスタT21と、第4の静電トランジスタT22がみなN型トランジスタである場合を例として第1の静電リング構造の作動原理について説明する。
【0058】
ここで、第1の静電トランジスタT19の第1極が、その制御極とデータ電圧引き込み線Data’に接続され、第1の静電トランジスタT19の第2極が第2の静電トランジスタT20の第1極と制御極に接続され、第2の静電トランジスタT20の第2極が高レベル信号端VGHに接続され、第3の静電トランジスタT21の第2極がその制御極とデータ電圧引き込み線Data1’に接続され、第3の静電トランジスタT21の第2極が第4の静電トランジスタT22の第2極と制御極に接続され、第4の静電トランジスタT22の第2極が低作動レベル信号端VGLに接続される。
【0059】
データ電圧引き込み線Data1’の引き込むデータが正の高電圧であるとき、第1の静電トランジスタT19と第2の静電トランジスタT20が導通し、第1の静電トランジスタT19と第2の静電トランジスタT20が位置する分岐の高レベル信号端VGHにより、静電気を引き出す。なお、このときの正の高電圧の電圧値は、一般的に第2の静電トランジスタT20の第2極に接続される高レベル信号端VGHが受け入れる電圧値より大きいはずである。
【0060】
データ電圧引き込み線Data1’の引き込むデータが負の高電圧であるとき、第3の静電トランジスタT21と第4の静電トランジスタT22が導通し、第3の静電トランジスタT21と第4の静電トランジスタT22が位置する分岐の低レベル信号端VGLにより、静電気を引き出す。
【0061】
第2の静電リング構造の作動原理は第1の静電リング構造の作動原理と同一であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0062】
第2の態様において、
図9に示すように、本発明の実施例は表示基板を提供し、当該表示基板は、上記表示基板が故障検出を経てから、各信号供給モジュールSにおいて故障が生じた構造についてレーザ切断プロセスによって、当該構造と、表示基板におけるその他の構造との電気的接続を切断し(つまり
図9における「X」は切り離される切断位置を示す)、いずれかの信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路にいずれも故障が生じていなければ、このグループの信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路のいずれか一方の、表示基板におけるその他の構造との電気的接続を切断し、表示基板の負荷を低減する。つまり、本発明の実施例における表示基板は、ベースと、ベースに設けられた、複数のアレイ配列された画素ユニットと、複数の信号線と、信号供給モジュールSとを含み、前記信号供給モジュールSが、信号供給回路と冗長信号供給回路を含み、各前記信号供給モジュールSの信号供給回路と冗長信号供給回路のうちの一方のみが、前記複数の信号線における少なくとも一本を介して前記複数の画素ユニットにおける少なくとも一つに電気的接続される。
【0063】
本発明の実施例における当該表示基板は、上記表示基板が故障検出を経てから、各信号供給モジュールSにおいて故障が生じた回路構造についてレーザ切断プロセスによって、当該回路構造の、表示基板におけるその他の構造との電気的接続を切断し、具体的には故障が生じた回路構造の出力端の、信号線間との接続を切断でき、故障が生じた回路構造がエラー信号を信号線に出力しないようにする。もちろん、信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路にいずれも故障が生じていなければ、このグループの信号供給モジュールSにおける信号供給回路と冗長信号供給回路のいずれか一方の、表示基板におけるその他の電気学的構造との電気的接続を切断し、本発明の実施例における表示基板を得られるため、本発明の実施例の表示基板は歩留まりがより高い。
【0064】
ここで、本発明の実施例の信号供給モジュールSにおける信号供給回路は上記の第1のシフトレジスタであってよく、このとき冗長信号供給回路は上記の第2のシフトレジスタであるが、もちろん、本発明の実施例の信号供給モジュールSにおける信号供給回路は上記の第1のデータセレクタであってもよく、このとき冗長信号供給回路は上記の第2のデータセレクタであってよい。第1のシフトレジスタと、第2のシフトレジスタと、第1のデータセレクタと、第2のデータセレクタはみな上記の同一の構造を用いてよいため、ここでは繰り返し説明しない。本発明の実施例の表示基板のその他の構造についても上記の表示基板の構造と同一であってよいため、ここでは繰り返し説明しない。
【0065】
第3の態様において、本発明の実施例は上記の表示基板を含む表示パネルをさらに提供する。表示装置は、液晶パネル、OLEDパネル、MocroLEDパネル、MiniLEDパネルのような液晶表示装置またはエレクトロルミネッセンス表示装置であってよく、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど表示機能を有する任意の製品または部品であってよい。
【0066】
上記の実施の形態は本発明の原理を説明するために用いた例示的な実施の形態にすぎず、本発明はこれに限定されないと理解できる。当業者は本発明の精神と実質から逸脱しなければ各種の変形と改善をなすことができ、これらの変形と改善も本発明の請求範囲と見なされる。