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特許7554814揮発性シリコーンオイルを含む自己発泡性洗浄組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】揮発性シリコーンオイルを含む自己発泡性洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/891 20060101AFI20240912BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/39
A61K8/81
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022506037
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020043084
(87)【国際公開番号】W WO2021021519
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】16/526,563
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス デイヴィッド ステビンズ
(72)【発明者】
【氏名】原 竜二
(72)【発明者】
【氏名】スーザン ハルパーン
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-014721(JP,A)
【文献】特表2004-503570(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0269604(US,A1)
【文献】国際公開第1995/020641(WO,A1)
【文献】Double Bubble PurifyingMask (ID: 4928537),Mintel GNPD [online],2017年07月,[検索日;2022年11月16日], https://www.gnpd.com
【文献】Blackhead Clearing FizzMask (ID: 5928627),Mintel GNPD [online],2018年08月,[検索日;2022年11月16日], https://www.gnpd.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/891
A61Q 19/10
A61K 8/44
A61K 8/46
A61K 8/39
A61K 8/81
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ヘキサメチルジシロキサンである、0.5質量%~10質量%の揮発性シリコーン油と、
b)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と少なくとも1つの両性界面活性剤の組み合わせから選択される、0.5質量%~25質量%の界面活性剤と、
c)アクリレートコポリマーである、0.5質量%~7質量%の懸濁特性を有するポリマーと、
d)アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマーである、0.5質量%~7質量%の疎水的に改質されたポリマー増粘剤と、を含む自己発泡性洗浄組成物であって、
前記自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まず、
前記質量は、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量に基づく、自己発泡性洗浄組成物。
【請求項2】
発泡は、前記組成物を皮膚に塗布した直後に開始する、請求項1に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項3】
泡は、少なくとも3分間続く、請求項1に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項4】
前記自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まない、請求項1に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項5】
前記揮発性シリコーン油は、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量の1質量%~8質量%の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項6】
前記揮発性シリコーン油は、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量の1.5質量%~6質量%の量で存在する、請求項5に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は、発泡性界面活性剤である、請求項1に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤は、ココベタイン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート及びナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、PEG-7グリセリルココエート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項9】
懸濁特性を有する前記ポリマーは、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量の1質量%~4質量%の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項10】
懸濁特性を有する前記ポリマーは、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量の1.5質量%~3質量%の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の自己発泡性洗浄組成物。
【請求項11】
a)0.5質量%~10質量%のヘキサメチルジシロキサンと、
b)ココベタイン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、PEG-7グリセリルココエート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート及びナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、及びこれらの混合物から選択される2質量%~20質量%の界面活性剤と、
c)アクリレートコポリマーである、0.5質量%~7質量%の懸濁特性を有するポリマーと、
d)アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマーである、0.5質量%~7質量%の疎水的に改質されたポリマー増粘剤と、を含む自己発泡性洗浄組成物であって、
前記自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まず、
前記質量は、前記自己発泡性洗浄組成物の総質量に基づく、自己発泡性洗浄組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に塗布し、前記組成物の少なくとも一部を前記皮膚から除去することを含む、前記皮膚を洗浄するための方法。
【請求項13】
請求項1に記載の洗浄組成物を顔に塗布し、前記顔を洗浄することを含む、前記顔を洗浄するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2019年7月30日に出願された「PERFLUORO-FREE SELF-FOAMING FACIAL CLEANSER COMPOSITION」と題された米国特許出願第16/526,563号の優先権の利益を主張し、完全に書き直されたかのように本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、自己発泡性洗顔剤を得るために、揮発性シリコーン油、界面活性剤のブレンド、及び懸濁特性を有するポリマーの組み合わせを含む自己発泡性洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡性洗浄製品は、例えば、メイクアップ製品の脂肪残留物及び顔料を懸濁する界面活性剤により洗浄作用を有する。化粧品の発泡性洗浄製品では、良好な発泡性、すすぎ性、及び、例えば、肌へのやさしさ及び保湿感などの、すすぎ洗い後の肌における良好な感覚を残すスキンケア特性が非常に重要である。
【0004】
消費者の観点から、泡の量は、組成物の知覚される洗浄効率に直接関係する。一般的に言えば、生成される泡の量が多く、泡がより安定しているほど、組成物の知覚される洗浄作用はより効率的である。これらの製品のほとんどは、パーフルオロ化合物を含む。パーフルオロ化合物は、環境に有害であることが知られており、業界ではそれらを使用しないようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の見解を考慮して、皮膚と接触したときに発泡する皮膚を洗浄するためのパーフルオロ化合物を含まない自己発泡性洗浄組成物を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
a)約0.5質量%~約10質量%の1つ以上の揮発性シリコーン油と、
b)約0.5質量%~約25質量%の1つ以上の界面活性剤と、
c)約0.5質量%~約7質量%の懸濁特性を有する1つ以上のポリマーと、
d)約0.5質量%~約7質量%の1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤と、
を含む自己発泡性洗浄組成物に関し、
この場合、質量パーセントは、自己発泡性洗浄組成物の総質量に基づく。
【0007】
本場合の自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まない。パーフルオロ化合物がないにもかかわらず、本場合の自己発泡性洗浄組成物は、組成物を皮膚に塗布した直後に自己発泡を開始することができる。次いで、泡は少なくとも約3分以上持続する。
【0008】
1つ以上の実施形態では、発泡は、組成物を皮膚に塗布した直後に開始する。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は、自己発泡性組成物である。
【0010】
1つ以上の実施形態では、自己発泡性組成物は、洗浄組成物を皮膚に塗布してから10秒以内に自己発泡する。
【0011】
気泡又は泡は、例えば、洗浄組成物を皮膚に塗布してから、約10秒未満以内、約9秒未満以内、約8秒未満以内、約7秒未満以内、約6秒未満以内、約5秒未満以内、約4秒未満以内、約3秒未満以内、約2秒未満以内、約1秒未満以内で迅速に形成することができ得る。
【0012】
本開示による気泡又は泡は、長続きすることができる。例えば、組成物が皮膚に塗布され、泡が形成されると、泡は、少なくとも約3分間、少なくとも約3.5分間、少なくとも約4分間、少なくとも約5分間、少なくとも約8分間、少なくとも約10分間、皮膚上で実質的に完全な形のままであり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、自己発泡性組成物は、パーフルオロ化合物を含まない。
【0014】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の揮発性シリコーン油は、ヘキサメチルジシロキサンである。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つ以上の揮発性シリコーン油は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約1質量%~約8質量%の量で存在する。1つ以上の実施形態では、1つ以上の揮発性シリコーン油は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約1.5質量%~約6質量%の量で存在する。
【0016】
いくつかの実施形態では、自己発泡性洗浄組成物は、マイクロエマルジョンである。
【0017】
いくつかの実施形態では、自己発泡性洗浄組成物は、ゲル洗浄剤である。
【0018】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、発泡性界面活性剤である。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、ココベタイン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート(及び)ナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、PEG-7グリセリルココエート、及びこれらの混合物から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態では、懸濁特性を有する1つ以上のポリマーは、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約1質量%~約4質量%の量で存在する。一実施形態では、懸濁特性を有する1つ以上のポリマーは、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約1.5質量%~約3質量%の量で存在する。
【0021】
いくつかの実施形態では、懸濁特性を有する1つ以上のポリマーは、アクリレートコポリマー、アクリレートクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-1、ポリアクリレートクロスポリマー-6、及びこれらの混合物から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上の揮発性シリコーン油は、皮膚への塗布の約10秒後に揮発する。1つ以上の実施形態では、自己発泡性洗浄組成物は、皮膚に塗布した直後に自己発泡を開始する。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤は、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/C12~22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス(又はセテス)-20イタコネートコポリマー、アクリレート/ステアレス-50アクリレートコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/ビニルアセテートクロスポリマー、グリセリルポリメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、及びこれらの混合物から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態では、自己発泡性洗浄組成物は、
a)約0.5質量%~約10質量%のヘキサメチルジシロキサンと、
b)ココベタイン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート(及び)ナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、PEG-7グリセリルココエート、及びこれらの混合物から選択される、約2質量%~約20質量%の1つ以上の界面活性剤と、
c)アクリレートクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-1、ポリアクリレートクロスポリマー-6、及びこれらの混合物から選択される、約0.5質量%~約7質量%の懸濁特性を有する1つ以上のポリマーと、
d)アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/C12~22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス(又はセテス)-20イタコネートコポリマー、アクリレート/ステアレス-50アクリレートコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/ビニルアセテートクロスポリマー、グリセリルポリメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、及びこれらの混合物から選択される、約0.5質量%~約7質量%の1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤と、を含み得、
この場合、自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まず、
質量パーセントは、自己発泡性洗浄組成物の総質量に基づく。
【0025】
自己発泡性洗浄組成物は、皮膚、特に顔の皮膚を治療するのに有用である。その製品は特に皮膚の洗浄に効果的であるため、この組成物は、洗顔及び/又はメイク落としとして使用することができる。
【0026】
本開示のいくつかの態様は、組成物を皮膚に塗布し、組成物の少なくとも一部を皮膚から除去することを含む、皮膚を洗浄するための方法を含むことができる。
【0027】
この方法は、一般に、自己発泡性洗浄組成物を皮膚に適用することを含む。
【0028】
本開示の自己発泡性洗浄組成物は、本開示に記載された組成物のおかげで、皮膚と接触すると予期しない発泡性、並びに泡の予期しない持続性を提供する。
【0029】
理論又はメカニズムに縛られることなく、皮膚の接触から始まる発泡は、特定の揮発性油、界面活性剤、及び懸濁特性を有する1つのポリマーの組み合わせによるものであることが示唆されている。
【0030】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的且つ説明的なものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施例1と実施例と3の間の、深い毛穴の洗浄の%での比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
様々な態様は、図に示されている配置及び手段に限定されないことを理解されたい。
【0033】
本開示の自己発泡性洗浄組成物は、それらの最も広い意味で、典型的には、以下:
a)約0.5質量%~約10質量%の1つ以上の揮発性シリコーン油と、
b)約0.5質量%~約25質量%の1つ以上の界面活性剤と、
c)約0.5質量%~約7質量%の懸濁特性を有する1つ以上のポリマーと、
d)約0.5質量%~約7質量%の1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤と、を含み、
この場合、質量パーセントは、自己発泡性洗浄組成物の総質量に基づき、
自己発泡性洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含まない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「懸濁特性」という用語は、粒子又は水不溶性液滴の重力又は浮力の影響を克服するのに十分であり、従ってそれらの粒子又は液滴を効果的に懸濁することができる特定の降伏値を与えることを意味する。
【0035】
本明細書に記載の洗浄組成物は、パーフルオロ化合物を含み得ないか、又は本質的に含み得ない。
【0036】
本明細書で使用される場合、「パーフルオロ化合物を含まない」という用語は、本発明の組成物中にパーフルオロが存在しないことが好ましくある一方、組成物中に非常に少量のパーフルオロを有することが可能であるが、但し、これらの量が組成物の有利な特性に実質的に影響を及ぼさないという条件においてである。最も好ましくは、組成物はパーフルオロを含まない。任意のパーフルオロが組成物中に存在する範囲で、それは、組成物の総質量に基づいて、約2.0質量%未満、典型的には約1.5質量%未満、典型的には約1.0質量%未満、典型的には約0.5質量%未満、より典型的には約0.1質量%未満の量で存在する。存在する範囲で、このような組成物中のパーフルオロは、典型的には、パーフルオロ化合物以外の成分によってもたらされる。
【0037】
本明細書に開示される自己発泡性洗浄組成物は、組成物を皮膚に塗布した直後に発泡する。いくつかの実施形態では、発泡性組成物は、洗浄組成物を皮膚に塗布してから10秒以内に自己発泡する。次いで、発泡は、少なくとも約3分、少なくとも約3.5分以上続く。
【0038】
本明細書で使用される場合、「自己泡立ち性」又は「自己発泡性」という用語は、任意の他の外部刺激を加えることなく、皮膚に薄い層で塗布された場合にのみ気泡及び/又は泡を示す組成物であることを意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「泡」という用語は、泡を生成する組成物の能力を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「泡」及び「気泡」という用語は、本開示全体を通して交換可能に使用される。
【0041】
揮発性シリコーン
本明細書に記載の洗浄組成物は、1つ以上の揮発性シリコーン油を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の揮発性シリコーン油は、例えば、ヘキサメチルジシロキサンであり得る。揮発性シリコーンの例は、例えば、揮発性の直鎖又は環状シリコーン油、特に粘度が8センチストークス(cSt)以下(8×10-6m2/秒、25℃で、特に、2~10のシリコーン原子、特に2~7のシリコーン原子を含むものであり得、これらのシリコーンは、任意に1~10の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含む。本発明で使用できる揮発性シリコーン油としては、特に、粘度が5及び6cStのジメチコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0042】
揮発性シリコーンオイルの総量は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.95、1質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.4質量%、1.5質量%、1.6質量%、1.8質量%、2質量%、2.4質量%、2.6質量%、2.8質量%、3質量%、3.2質量%、3.4質量%、3.6質量%、3.8質量%から、約3.8質量%、4質量%、4.1質量%、4.2質量%、4.3質量%、4.4質量%、4.5質量%、4.6質量%、4.7質量%、4.8質量%、4.9質量%、5質量%、5.2質量%、5.4質量%、5.6質量%、5.8質量%、6質量%、6.2質量%、6.4質量%、6.8質量%、7質量%、7.2質量%、7.4質量%、7.6質量%、7.8質量%、8質量%、8.2質量%、8.4質量%、8.6質量%、8.8質量%、9質量%、9.2質量%、9.4質量%、9.6質量%、9.8質量%、又は10質量%の量で存在し得る。
【0043】
界面活性剤
いくつかの実施形態では、1つ以上の界面活性剤は、ココベタイン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート(及び)ナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、PEG-7グリセリルココエート、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0044】
組成物中の界面活性剤は、単一の界面活性剤又は界面活性剤の混合物(多くの場合、界面活性剤粉末、又は他の容易に使用される形態(液体)で)を含む。一実施形態では、組成物は、アニオン性又は両性界面活性剤を含む1つ以上のイオン性界面活性剤を含む。
【0045】
両性界面活性剤
非限定的な両性界面活性剤は、例えば、ココベタイン、ラウリルベタイン、オキシエチレン化(10EO)ラウリルベタイン、オキシエチレン化(10EO)ステアリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン及びこれらの混合物を含む。
【0046】
本開示による組成物中の界面活性剤は、ベタイン、(C8~C20)アルキルベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C1~C6)アルキルベタイン、及びこれらの混合物から選択される1つの両性界面活性剤であり得る。2つ以上の両性界面活性剤を組み合わせて使用することができる。従って、単一のタイプの両性界面活性剤、又は異なるタイプの両性界面活性剤の組み合わせを使用することができる。
【0047】
両性界面活性剤の例は、これらの部類の界面活性剤:アンホカルボキシレート、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アンホホスフェート、ホスホベタイン、ピロホスホベタイン、カルボキシアルキルポリアミン、及びアミドアルキルスルテンから選択される界面活性剤を含む。選択された実施形態では、好ましい界面活性剤は、それらの脂肪アシル部分にC10~C16を有するものである。
【0048】
特に、ベタインとして、(C8~C20)アルキルベタイン、例えば、Cognis社によりDehyton AB-30(登録商標)の名称で販売されている製品などのココベタイン、Clariant社によりGenagen KB(登録商標)の名称で販売されている製品などのラウリルベタイン、Shin Nihon Rica社によりラウリルエーテル(10EO)ベタイン(登録商標)の名称で販売されている製品などのオキシエチレン化(10EO)ラウリルベタイン、又はShin Nihon Rica社によりステアリルエーテル(10EO)ベタイン(登録商標)の名称で販売されている製品などのオキシエチレン化(10EO)ステアリルベタインを挙げることができる。
【0049】
(C8~C20)アルキルアミド(C1~C6)アルキルベタイン及びその誘導体の中で、例えば、Sanyo社によりLebon 2000HG(登録商標)の名称で販売されている、又はAlbright&Wilson社によりEmpigen BB(登録商標)の名称で販売されているコカミドプロピルベタイン、又はWitco社によりRewoteric AMB12P(登録商標)の名称で販売されているラウラミドプロピルベタインを挙げることができる。
【0050】
好ましくは、両性界面活性剤は、(C8~C20)アルキルベタイン、(C8~C20)アルキルアミド(C1~C6)アルキルベタイン、及びこれらの混合物から、好ましくはココベタイン、ラウリルベタイン、オキシエチレン化(10EO)ラウリルベタイン、オキシエチレン化(10EO)ステアリルベタイン、コカミドプロピルベタイン及びこれらの混合物から選択され、より好ましくはラウリルベタイン、ココベタイン及びこれらの混合物から選択され、更により好ましくはココベタインである。
【0051】
アニオン性界面活性剤
いくつかの実施形態では、1つの界面活性剤は、例えば、ナトリウムラウロイルグルタメート、ナトリウムラウリルスルフェート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネート、ジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネート、ナトリウムココイルグリシネート、カリウムココイルグリシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、発泡性界面活性剤の1つは、二ナトリウムラウリルスルホスクシネートである。
【0053】
アニオン性界面活性剤の例は、これらの部類の界面活性剤:アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルモノグリセリドスルフェート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルアリールスルフェート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキル スルホスクシンアメート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアイドエーテルカルボキシレート、アルキルスクシネート、脂肪アシルタウレート、脂肪アシルイセチオネート、脂肪アシルサルコシネート、脂肪アシルグルタメート、及びアルキルホスフェートから選択される界面活性剤を含む。代替の界面活性剤は、発泡性皮膚洗浄剤、又は水と混合されたときの皮膚洗浄繊維性パッドでの使用に適した発泡性界面活性剤又は発泡剤を含むことができる、又はそれらと組み合わされることができる。発泡作用により、更なる洗浄効果が得られ、使用者による洗い流し後のすっきりとした清潔感が得られる。
【0054】
選択された実施形態では、界面活性剤は、ナトリウムラウロイルグルタメート及びジエチルヘキシルナトリウムスルホスクシネートなどの無水系で使用できるものである。
【0055】
代替の実施形態では、界面活性剤は、C10~C16のアルキル基を有するアルキルポリグルコシドを含む適切な非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0056】
その他の界面活性剤
本開示によれば、これらの界面活性剤は、塩、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩及びアルカリ土類金属塩などのアルカリ金属塩から選択することができる。
【0057】
アルカリ土類金属塩の例は、以下のタイプの化合物:アシルイセチオネート、アシルグリシアネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート、スルホネート、及びスルホアセテートのマグネシウム塩を含み、これら全ての化合物のアルキル及びアシル基は、6~24の炭素原子(飽和又は不飽和、直鎖又は分岐)を含む。
【0058】
本発明の組成物に有用なアシルアミノ酸の非限定的な例は、以下の式(I):
【化1】

を有するものを含む(式中、
Rは、直鎖又は分岐、飽和又は不飽和C-C16であり、より優先的にはC12-C18アルキル鎖であり、
Xは、有機カチオン、例えば、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、又は無機カチオン、例えば、ナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属、或いはアンモニアである)。
【0059】
好ましいラジカルRの中で、ステアリル、ミリスチル、オレイル、ラウリル及びココイルを挙げることができる。
【0060】
本発明に従って使用することができるN-アシルサルコシネートの中で、Ciba社によりSarkosyl NL97(登録商標)の名称で販売されている、又は、SEPPIC社によりOramix L30(登録商標)の名称で販売されている、又はGuangzhou Tinci Materials社によりAmin LS30Lの名称で販売されているナトリウムラウロイルサルコシネート(INCI名:Sodium lauroyl sarcosinate)、Nikkol社によりNikkol Sarcosinate MN(登録商標)の名称で販売されるナトリウムミリストイルサルコシネート(INCI名:Sodium myristoyl sarcosinate)、Nikkol社によりNikkol Sarcosinate PN(登録商標)の名称で販売されているナトリウムパルミトイルサルコシネート(INCI名:Sodium palmitoyl sarcosinate)を挙げることができる。
【0061】
より具体的には、ナトリウムN-ラウロイルサルコシネート(INCI名:Sodium lauroyl sarcosinate)が使用される。
【0062】
本発明の組成物に有用なタウレートの非限定的な例は、以下の式(II):
【化2】

を有するものを含む(式中、Rは、H、又は1~24の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、前述の鎖は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐である)。
【0063】
本組成物で使用することができる特定のタウレートは、ナトリウムメチルココイルタウレートである。
【0064】
本発明の組成物に有用なイセチオネートの非限定的な例は、以下の式(III)又は(IV):
【化3】

及び
【化4】

を有するものを含む(式中、Rは、H、又は1~24の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、前述の鎖は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐である)。
【0065】
本組成物で使用することができる特定のイセチオネートは、例えば、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムラウロイルメチルイセチオネート、及びこれらの混合物を含む。
【0066】
本発明の組成物に有用なスルホスクシネートの非限定的な例は、以下の式(V):
【化5】

を有するものを含む(式中、Rは、H、又は1~24の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、前述の鎖は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐である)。
【0067】
本組成物で使用できる特定のスルホスクシネートは、二ナトリウムラウレススルホスクシネートである。
【0068】
本発明の組成物に有用なスルホネートの非限定的な例は、以下の式(VI):
【化6】

を有するものを含む(式中、Rは、H又は1~24の炭素原子を有するアルキル鎖から選択され、前述の鎖は、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐である)。
【0069】
本組成物で使用できる特定のスルホネートは、ナトリウムC14~16オレフィンスルホネートである。
【0070】
本発明の組成物に有用なスルホアセテートの非限定的な例は、以下の式(VII):
【化7】

を有するものを含む(式中、Rは、スルホネートについて上記で定義したとおりである)。
【0071】
本組成物で使用することができる特定のスルホアセテートは、ナトリウムラウリルスルホアセテートである。
【0072】
一実施形態によれば、本開示において最も好ましいアニオン性界面活性剤は、本発明の組成物に有用なアシルアミノ酸であり、上記のような以下の式(I)を有するもの、より好ましくはN-アシルサルコシネート、更により好ましくはナトリウムラウロイルサルコシネート(INCI名:Sodium lauroyl sarcosinate)を含む。
【0073】
非スルフェートアニオン性界面活性剤
有用な非スルフェートアニオン性界面活性剤は、アシルイセチオネート、アシルアミノ酸(アシルタウレート、アシルグリシネート、アシルグルタメート、及びアシルサルコシネートなど)、アルキルスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アルコキシル化一酸、これらの塩、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0074】
1つ以上の界面活性剤の総量は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.9質量%、1質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.3質量%、1.4質量%、1.5質量%、1.6質量%、1.7質量%、1.8質量%、1.9質量%、2質量%、2.1質量%、2.2質量%、2.5質量%、3質量%、3.4質量%、3.6質量%、3.8質量%、4質量%、4.2質量%、4.4質量%、4.6質量%、4.8質量%、5質量%、5.2質量%、5.4質量%、5.6質量%、5.8質量%、6質量%、6.2質量%、6.4質量%、6.6質量%、6.8質量%、7質量%、7.2質量%、7.4質量%、7.6質量%、7.8質量%、8質量%、8.2質量%、8.4質量%、8.6質量%、8.8質量%、9質量%、9.2質量%、9.4質量%、9.6質量%、9.8質量%、10質量%から、約10質量%、10.2質量%、10.4質量%、10.6質量%、10.8質量%、11質量%、11.2質量%、11.4質量%、11.6質量%、11.8質量%、12質量%、12.2質量%、12.4質量%、12.6質量%、12.8質量%、13質量%、13.2質量%、13.4質量%、13.6質量%、13.8質量%、14質量%、14.2質量%、14.4質量%、14.6質量%、14.8質量%、15質量%、15.2質量%、15.4質量%、15.6質量%、15.8質量%、16質量%、16.2質量%、16.4質量%、16.6質量%、16.8質量%、17質量%、17.2質量%、17.4質量%、17.6質量%、17.8質量%、18質量%、18.2質量%、18.4質量%、18.6質量%、18.8質量%、19質量%、19.2質量%、19.4質量%、19.6質量%、19.8質量%、20質量%、20.2質量%、20.4質量%、20.6質量%、20.8質量%、21質量%、21.2質量%、21.4質量%、21.6質量%、21.8質量%、22質量%、22.2質量%、22.4質量%、22.6質量%、22.8質量%、23質量%、23.2質量%、23.4質量%、23.6質量%、23.8質量%、24質量%、24.2質量%、24.4質量%、24.6質量%、24.8質量%、又は25質量%で存在し得る。
【0075】
レオロジー改質剤
懸濁特性を有するポリマー
本開示の懸濁特性を有する1つ以上のポリマーは、全固形分の約30質量%を含む水性分散液に含まれるわずかにアルカリ膨潤性の架橋アクリレートポリマー、全固形分の約32質量%を含む水性分散液に含まれる架橋アニオン性アクリレートポリマー、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0076】
全固形分の約30質量%を含む水性分散液に含まれるわずかにアルカリ膨潤性の架橋アクリレートポリマーは、Carbopol(登録商標)Aqua SF-1の商標名及びacrylates copolymerのINCI名で、供給業者Lubrizolから市販されている。
【0077】
全固形分の約32質量%を含む水性分散液に含まれる架橋アニオン性アクリレートポリマーは、Carbopol(登録商標)Aqua SF-2の商標名及びacrylates crosspolymer-4のINCI名で、供給業者Lubrizolから市販されている。
【0078】
いくつかの実施形態では、懸濁特性を有する1つ以上のポリマーは、アクリレートクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-1、ポリアクリレートクロスポリマー-6、及びこれらの混合物から選択される。
【0079】
本開示の懸濁特性を有する1つ以上のポリマーの総量は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.9質量%、1質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.3質量%、1.4質量%、1.5質量%、1.6質量%、1.7質量%、1.8質量%、1.9質量%、2質量%、2.1質量%、2.2質量%、2.5質量%から、約3質量%、3.4質量%、3.6質量%、3.8質量%、4質量%、4.2質量%、4.4質量%、4.6質量%、4.8質量%、5質量%、5.2質量%、5.4質量%、5.6質量%、5.8質量%、6質量%、6.2質量%、6.5質量%、又は7質量%の量で使用され得る。
【0080】
疎水的に改質されたポリ(メタ)アクリレートポリマー増粘剤
本発明の組成物に有用な疎水的に改質されたアクリル酸系コポリマー増粘剤は、少なくとも懸濁剤がより大きな降伏応力を有し、これにより、このような懸濁剤における不溶性粒子の安定な捕捉を可能にするという点で「懸濁剤」とは異なる。対照的に、単独で使用される場合、本明細書で使用されるものなどの増粘剤は、典型的には、安定な懸濁液を生成するような不溶性粒子を捕捉/懸濁することができない。例えば、Technical Data Sheet TDS-244(Lubrizol Advanced Materials;2002;https://www.lubrizol.com/home-care/documents/technical-data-sheets/tds-244-measurement-understanding-yield-value-personal-care-formulations.pdf)を参照されたい。
【0081】
いくつかの実施形態では、1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤は、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/C12~22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス(又はセテス)-20イタコネートコポリマー、アクリレート/ステアレス-50アクリレートコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/ビニルアセテートクロスポリマー、グリセリルポリメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、及びこれらの混合物から選択される。
【0082】
疎水的に改質されたポリ(メタ)アクリレートの非限定的な例は、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/C12~22アルキルメタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス(又はセテス)-20イタコネートコポリマー、アクリレート/ステアレス-50アクリレートコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/ビニルアセテートクロスポリマー、グリセリルポリメタクリレート、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、及びこれらの混合物を含む。場合によっては、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマーが特に好ましい。アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマーは、LubrizolからNOVETHIX-L10ポリマーの商標名で、又はRohm and Haas(Dow Chemical)からACULYN28の商標名で市販されている。
【0083】
特定の例示的且つ非限定的な実施形態では、増粘コポリマーは、式(II):
CH2=CH(R1)COOH (II)
の少なくとも1つのモノマー(式中、Rは、H又はCH又はCから選択され、アクリル酸、メタクリル酸、又はメタクリル酸モノマーを提供する)と、
式(III):
CH2=CH(R2)COOR3 (III)
のモノマーに対応する不飽和カルボン酸タイプの(C10~C30)アルキルエステルの少なくとも1つのモノマー(式中、Rは、H又はCH又はCから選択され、アクリレート、メタクリレート、又はエタクリレート単位を提供し、Rは、C12~C22アルキルラジカルなどの、C10~C30アルキルラジカルを示す)との重合から得られるコポリマーから選択される。
【0084】
不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステルの非限定的な例は、例えば、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、及び対応するメタクリレート、例えば、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート及びドデシルメタクリレート、並びにこれらの混合物から選択される。
【0085】
更に、架橋増粘ポリマーは、更なる例示的な実施形態に従って選択することができる。例えば、このようなポリマーは、以下を含むモノマーの混合物の重合から得られるポリマーから選択することができる:
アクリル酸、
上記の式(III)のエステルであって、Rは、H又はCHから選択され、Rは、12~22の炭素原子を有するアルキルラジカルを示すエステル、及び
ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート及びメチレンビスアクリルアミドなどのよく知られた共重合性ポリエチレン不飽和モノマーである架橋剤。
【0086】
例として、架橋増粘ポリマーは、約60質量%~約95質量%のアクリル酸(親水性単位)と、約4質量%~約40質量%のC10~C30アクリル酸アルキル(疎水性単位)と、約0質量%~約6質量%の架橋重合性モノマーと、を含む。更に別の実施形態では、架橋増粘ポリマーは、上記のものなど、約96質量%~約98質量%のアクリル酸(親水性単位)と、約1質量%~約4質量%のC10~C30アルキルアクリレート(疎水性単位)と、約0.1質量%~0.6質量%の架橋重合性モノマーと、を含み得る。
【0087】
このようなコポリマーは、例えば、PEMULEN(商標)TR1、PEMULEN(商標)TR2、CARBOPOL(登録商標)1382及びCARBOPOL(登録商標)EDT2020の商標名でLubrizolにより販売されている製品などの、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートコポリマー(INCI名:Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)から選択することができる。
【0088】
更なる実施形態では、少なくとも1つの増粘剤は、非イオン性ホモポリマー、或いはエステル及び/又はアミドタイプのエチレン性不飽和モノマーを含むコポリマーから選択することができる。このような薬剤の例は、CYTEC社によりCYANAMER P250の名称で販売されている製品(ポリアクリルアミド)を含み、メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートコポリマー(US COSMETICS社によるPMMAMBX-8Cなど)、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレートコポリマー(RHOM HMS社によるACRYLOID B66など)、及びポリメチルメタクリレート(KOBO社によるBPA500)を選択することができる。
【0089】
LUBRIZOLにより販売されている商標名:NOVETHIXL-10 POLYMER(登録商標)(INCI名:ACRYLATES/BEHENETH-25 METHACRYLATE COPOLYMER)で販売されている製品、DOW CHEMICALにより販売されている商標名:Aculyn(登録商標)22(INCI名:ACRYLATES/STEARETH-20 METHACRYLATE COPOLYMER)で販売されている製品、DOW CHEMICALにより販売されている商標名:Aculyn(登録商標)88(INCI名:ACRYLATES/STEARETH-20 METHACRYLATE CROSSPOLYMER)で販売されている製品、AKZO NOBELにより販売している商標名:STRUCTURE(登録商標)2001(INCI名:ACRYLATES/STEARETH-20 ITACONATE COPOLYMER)で販売されている製品、及び AKZO NOBELにより販売されている商標名:STRUCTURE(登録商標)3001(INCI名:ACRYLATES/CETETH-20 ITACONATE COPOLYMER)で販売されている製品の関連するコポリマーを挙げることができる。
【0090】
本開示の1つ以上の疎水的に改質されたポリマー増粘剤は、自己発泡性洗浄組成物の総質量の約0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.9質量%、1質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.3質量%、1.4質量%、1.5質量%、1.6質量%、1.7質量%、1.8質量%、1.9質量%、2質量%、2.1質量%、2.2質量%、2.5質量%から、約3質量%、3.4質量%、3.6質量%、3.8質量%、4質量%、4.2質量%、4.4質量%、4.6質量%、4.8質量%、5質量%、5.2質量%、5.4質量%、5.6質量%、5.8質量%、6質量%、6.2質量%、6.5質量%、又は7質量%の量で使用することができる。
【0091】
増粘剤
自己発泡性洗浄組成物は、任意に、1つ以上の増粘剤(増粘物又は粘度調整剤とも呼ばれる)を含み得る。多くの増粘剤は水溶性であり、水に分散/溶解すると、水の粘度を増加させる、又は水性ゲルを形成する。水溶液は、必要に応じて、ゲルを形成するために、加熱及び冷却、又は中和することができる。増粘剤は、水に溶解する水性溶媒、例えば、水に分散/溶解するときのエチルアルコールに分散/溶解することができる。
【0092】
ガム及び多糖
増粘剤の非限定的な例は、キサンタンガム、グアーガム、バイオサッカライドガム、セルロース、アカシアセネカガム、スクレロチウムガム、アガロース、ペクチン、ジェランガム、ヒアルロン酸を含む。
【0093】
多種多様なガム及び多糖が、本明細書ではゲル化剤として有用であり得る。「多糖」は、糖(即ち、炭水化物)単位を繰り返す骨格を含むゲル化剤を指す。多糖ゲル化剤の非限定的な例は、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、ナトリウムセルローススルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。また、本明細書で有用なのは、アルキル置換セルロースである。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中で好ましいのは、CTFA指定のセチルヒドロキシエチルセルロースが与えられた材料であり、これはセチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースのエーテルである。この材料は、Aqualon CorporationからNatrosol(登録商標)CS Plusの商標名で販売されている。更なる多糖は、デンプン誘導体(例えば、デンプン酸化物、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、ブリティッシュガム、アセチルデンプン、デンプンホスフェート、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン)を含む。
【0094】
他の有用な多糖には、3単位ごとに(1~6)結合グルコースを有する(1~3)結合グルコース単位の直鎖を含むスクレログルカンが含まれ、その市販の例は、Michel Mercier Products Inc.のClearogel(商標)CS11である。
【0095】
本明細書で有用な他の増粘剤及びゲル化剤は、主に天然源に由来する材料を含む。これらのゲル化剤の非限定的な例は、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アンモニウムアルギネート、アミロペクチン、カルシウムアルギネート、カラゲナンカルシウム、カルニチン、カラゲナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、水和シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、イナゴマメガム、ナットーガム、カリウムアルギネート、カラゲナンカリウム、プロピレングリコールアルギネート、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラゲナンナトリウム、トラガカンスガム、キサンタンガム、及びこれらの混合物などのガムである。
【0096】
水溶性合成ポリマーの非限定的な例は、ポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレート、ナトリウムポリメタクリレート、ポリアクリル酸グリセリンエステル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルスルホン、マレイン酸コポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリジアリルアミン、ポリエチレンイミン、水溶性セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルローススルフェートナトリウム塩)、及びデンプン誘導体(例えば、デンプン酸化物、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、ブリティッシュガム、アセチルデンプン、デンプンホスフェート、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン)を含む。
【0097】
任意の成分
いくつかの実施形態では、組成物は、活性物質、香料、防腐剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の成分を含み得る。活性物質は、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、トコフェロール誘導体、トコトリエノール、トコトリエノール誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、アスコルビルパルミテート、ビタミンE、ビタミンC、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0098】
本開示の実施は、以下の例によって提供される。これらの例は、本質的に制限されることなく技術を例示するのに役立つ。
【0099】
前述の説明は、本開示を例示及び説明する。更に、本開示は、好ましい実施形態のみを示し、説明するが、上記のように、それは、様々な他の組み合わせ、修正、及び環境で使用することができ、本明細書で表されるように、本発明の概念の範囲内で変更又は修正することができ、上記の教示及び/又は関連技術の技能又は知識に見合ったものであることを理解されたい。上記本明細書で記載される実施形態は更に、出願人によって知られている最良の様式を説明し、当業者が、このような又は他の実施形態で、特定の用途又はその使用によって必要とされる様々な修正を用いて本開示を利用できるようにすることを意図する。従って、この説明は、本発明を本明細書に開示される形式に限定することを意図するものではない。また、添付の特許請求の範囲は、代替の実施形態を含むと解釈されることが意図されている。
【0100】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」、「有する(having)」、及び「含む(including)」という用語は、それらのオープンで非限定的な意味で使用される。
【0101】
「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、単数形だけでなく複数形も包含すると理解される。
【0102】
「少なくとも1つ」という表現は、1つ又は複数を意味し、従って、個々の成分並びに混合物/組み合わせを含む。
【0103】
本明細書に開示されている全ての範囲と値は、包括的であり、組み合わせることができる。例えば、本明細書に記載の範囲内にある本明細書に記載の任意の値又は点は、副範囲などを導出するための最小値又は最大値として機能することができる。
【0104】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許出願は、あらゆる目的のために、あたかも個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的且つ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本開示と、参照により本明細書に組み込まれる任意の刊行物又は特許出願との間に矛盾がある場合、本開示が統制する。
【0105】
本開示は好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、同等物をその要素に置き換えることができることが当業者によって理解されるであろう。更に、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の様式として開示される特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
【0106】
実施例1
(自己発泡性洗浄組成物)
以下の例は、説明のみを目的として提供されており、限定することを意図したものではない。
【0107】
【表1】
【0108】
上記の表における配合物を作成する際に、以下の手順を使用した。
【0109】
一般に、溶媒は溶解するまで防腐剤と混合され、次いでポリマーは十分に分散するまで添加された。ポリマーを中和するようにpHを調整した(必要な場合)。次いで、界面活性剤を添加し、バッチを均一になるまで撹拌した。最後に、シリコーン成分を添加すると同時に、バッチを混合及び均質化してシリコーンを適切に分散させた。均質で十分に分散したら、バッチは完了した。
【0110】
実施例2:
(発泡性洗浄剤の評価)
この実施例では、本発明の組成物及び2つのベンチマークの製品が評価された。結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
手順
上記のデータを収集するために、以下の手順を使用した。
【0113】
受験者の前腕の領域に、前後にこすらずに1回の滑らかな動きを用いて、等量の3つの発泡性洗浄組成物を塗布した。残りの試験では、試験領域には触れなかった。3つの発泡性洗浄組成物の最初の発泡を視覚的に評価した。同時に、前腕に泡が塗布された後の泡の持続時間を測定するためのタイマーが開始した。
結果を上記の表2に示す。
【0114】
ベンチマークの製品の場合、両方のベンチマークの場合で、泡は塗布直後に消え始め、泡の約20%が3分後にベンチマークの製品1に残り、ベンチマークの製品2にはほとんど存在しなかった。本発明の組成物は、即座に発泡し塗布後約3分間泡を持続させるその能力において、2つのベンチマークの組成物よりも著しく良好に機能した。
【0115】
実施例3
(洗浄)
この例では、実施例1及び実施例3の洗浄特性を評価した。結果を表2に示す。
【0116】
検討プロトコール
この検討では、24のバイオスキンを使用し、2つのグループに分けた(グループごとに6つの複製)。
【0117】
注釈:バイオスキンは、加工したウレタンエラストマーから作られた市販品である。これは、試験管内での試験に使用される人間の皮膚と同様の特性、感触、及び弾力性を備えた人工皮膚模倣物として機能するように開発された。
・グループ1:実施例3-プラセボの洗浄マスク
・グループ2:実施例1-自己発泡性洗浄マスク
2.各グループについて、1.56μg/cm2のセボリューション(セボリューションは、グリース/油を有する汚染/粒子状物質を模倣した実験室で作られた製剤である)を、バイオスキンの大孔径側の直径2.2cmの円の検討部位に、円を描くように動かすように指での被覆を使用して塗布し、乾燥のため10分間保持した。
3.これらを、前処理洗浄(2μg/cm2、水:製品=2:1)、10サークルで洗浄し、流水(流量固定)で10秒間すすぎ、キムタオルで軽くたたいて乾燥させた(5回)。
4.次いで、Dermascore機器を使用してベースライン(T0)の測定値を取得した。Dermascoreは、強拡大の倍率及びう蝕性の(carious)照明条件を使用して、皮膚表面の様々な側面を観察する画像装置である。
5.ここで、各グループは、それぞれの洗浄剤で処理された:製品を15サークルで乾燥バイオスキンに塗布し、次いで2分間保持し(手順に従って発泡させるため/泡立てるため)、水を15サークル(2μg/cm2、水:製品=2:1)で塗布し、流水(流量固定)で30秒間すすぎ、キムタオルで軽くたたいて乾燥させた(5回)。
6.最後に、Dermascore機器を使用して処理後の測定値を取得した。
7.最後に、全ての画像を、Dermascore Pilot Softwareを使用して分析し、粒子データを使用して、以下の式を使用して%除去率/深い毛穴の洗浄性を計算した。
【数1】
【0118】
データは、本発明の自己発泡性組成物、実施例1が、ヘキサメチルジシロキサンを含まなかった実施例3と比較して、皮膚を著しく深く洗浄したことを示している。データは、本開示の図1に示されている。
【0119】
本開示は好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、同等物をその要素に置き換えることができることが当業者によって理解されるであろう。更に、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の様式として開示される特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
図1