(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】金属フィルムを切断するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B26F 3/02 20060101AFI20240912BHJP
B26D 7/14 20060101ALI20240912BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240912BHJP
B26D 7/20 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B26F3/02
B26D7/14
B26D7/06 E
B26D7/20
(21)【出願番号】P 2022513316
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CA2020051174
(87)【国際公開番号】W WO2021035357
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-03
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518203836
【氏名又は名称】ブルー・ソリューションズ・カナダ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ボーシャン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・フュゼ
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-245934(JP,A)
【文献】特公昭51-004314(JP,B1)
【文献】特開昭53-102741(JP,A)
【文献】特開2004-201703(JP,A)
【文献】特開平02-024093(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205961(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 3/02
B26D 7/14
B26D 7/06
B26D 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属フィルムを切断するためのシステムであって、
筋付けブレードと、
前記筋付けブレードを作動するために前記筋付けブレードに動作可能に接続された筋付けブレードアクチュエータと、
前記筋付けブレードに位置合わせされたアンビルと、
前記筋付けブレードおよび前記アンビルの上流に配置された第1のコンベヤーと、
前記筋付けブレードおよび前記アンビルの下流に配置された第2のコンベヤーであって、前記第1および第2のコンベヤーは、第1の速度で動作する、第2のコンベヤーと、
前記金属フィルムを前記第1のコンベヤーに供給するための金属フィルムフィーダーであって、前記第1のコンベヤーは、前記金属フィルムを前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間に供給し、前記第2のコンベヤーは、前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間から前記金属フィルムを引っ張る、金属フィルムフィーダーと、
前記金属フィルムおよび前記筋付けブレードの間に第1の保護フィルムを供給するための第1の保護フィルムフィーダーと、
前記金属フィルムおよび前記アンビルの間に第2の保護フィルムを供給するための第2の保護フィルムフィーダーと、
を備え、
前記保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間に配置された前記第1の保護フィルム、前記金属フィルム、および前記第2の保護フィルムに圧力を加えるように、前記筋付けブレードアクチュエータは、前記アンビルに向かって前記筋付けブレードを移動するよう作動可能であり、
前記システムは、前記第2のコンベヤーの下流に配置された第3のコンベヤーを備え、前記第2のコンベヤーは、前記金属フィルムを前記第3のコンベヤーに供給し、前記第3のコンベヤーは、第2の速度で動作し、前記第2の速度は、前記第1の速度より速く、前記第1および第2の速度の差により前記金属フィルムが筋で切断される、システム。
【請求項2】
前記第1のコンベヤーおよび前記アンビルの間に第1のエアブリッジをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アンビルおよび前記第2のコンベヤーの間に第2のエアブリッジをさらに備える、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2および第3のコンベヤーの間に第3のエアブリッジをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記アンビルが円筒形のアンビルであり、前記円筒形のアンビルが回転可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記筋付けブレードアクチュエータは、前記アンビルに向かって前記筋付けブレードを並進させるように作動可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の保護フィルムは、前記第2の保護フィルムより薄い、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第2の保護フィルムは、第1および第2のプラスチックフィルムである、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1および第2のプラスチックフィルムは、異なるプラスチックフィルムである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記金属フィルムは、アルカリ金属またはアルカリ金属合金のフィルムである、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1、第2および第3のコンベヤーは、真空ベルトコンベヤーである、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間に配置された前記第1の保護フィルム、前記金属フィルム、および前記第2の保護フィルムに加えられる圧力は、前記第1および第2の保護フィルムを切断しない、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記金属フィルムが前記筋の部分で1ミクロン~30ミクロンの厚さを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
金属フィルムを切断する方法であって、
筋付けブレードおよびアンビルの間に第1の速度で前記金属フィルムを供給するステップと、
前記金属フィルムおよび前記筋付けブレードの間に第1の保護フィルムを供給するステップと、
前記金属フィルムおよび前記アンビルの間に第2の保護フィルムを供給するステップと、
前記保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間に配置された前記第1の保護フィルム、前記金属フィルム、および前記第2の保護フィルムに圧力を加えるように前記アンビルに向かって前記筋付けブレードを移動するステップと、
前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間を通過した前記金属フィルムを第2の速度で引っ張るステップであって、前記第2の速度は、前記第1の速度より速く、前記第1および第2の速度の差により、前記金属フィルムが前記筋で切断される、ステップと、
を備える方法。
【請求項15】
前記切断ブレードの下流および前記金属フィルムが前記筋で切断される場所の上流において前記第1および第2の保護フィルムを前記金属フィルムから除去するステップさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アンビルが円筒形のアンビルであり、かつ
前記方法は、前記アンビルを回転させるステップをさらに備える、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記アンビルに向かって前記筋付けブレードを移動するステップが、前記アンビルに向かって前記筋付けブレードを並進させるステップを備える、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の保護フィルムは、前記第2の保護フィルムより薄い、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の保護フィルムは、第1および第2のプラスチックフィルムである、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1および第2のプラスチックフィルムは、異なるプラスチックフィルムである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記金属フィルムは、アルカリ金属またはアルカリ金属合金のフィルムである、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、前記筋付けブレードおよび前記アンビルの間に配置された前記第1の保護フィルム、前記金属フィルム、および前記第2の保護フィルムに加えられる圧力は、前記第1および第2の保護フィルムを切断しない、請求項14~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記金属フィルムが前記筋の部分で1ミクロン~30ミクロンの厚さを有する、請求項14~22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年8月27日に出願された米国仮特許出願第62/892,461号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものである
【0002】
技術分野
本技術は、金属フィルムを切断するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリーセルで使用されるアノードを作製するために使用されるような金属フィルムは、非常に壊れやすいものである。このように、切断部位に裂け目、バリ、または大きな変形を引き起こすことなく、これらのフィルムを所望の長さに切断することは困難である。一部の切削工程では、金属フィルムが切削工具に付着する場合がある。
したがって、上記の問題に少なくとも部分的に対処する金属フィルムを切断するためのシステムおよび方法が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術に存在する不便の少なくともいくつかを改善することは、本技術の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の一態様によれば、金属フィルムを切断するためのシステムが提供される。システムは、筋付けブレードと、筋付けブレードを作動させるために筋付けブレードに動作可能に接続された筋付けブレードアクチュエータと、筋付けブレードと位置合わせされたアンビルと、筋付けブレードおよびアンビルの上流に配置された第1のコンベヤーと、筋付けブレードおよびアンビルの下流に配置された第2のコンベヤーであって、第1および第2のコンベヤーは第1の速度で作動する、第2のコンベヤーと、第1のコンベヤーに金属フィルムを供給するための金属フィルムフィーダーであって、第1のコンベヤーは、筋付けブレードとアンビルとの間に金属フィルムを供給し、第2のコンベヤーは、筋付けブレードとアンビルとの間から金属フィルムを引っ張る、属フィルムフィーダーと、金属フィルムおよび筋付けブレードとの間に第1の保護フィルムを供給するための第1の保護フィルムフィーダーと、金属フィルムおよびアンビルとの間に第2の保護フィルムを供給するための第2の保護フィルムフィーダーであって、筋付けブレードアクチュエータは、筋付けブレードをアンビルに向かって動かして、筋付けブレードとアンビルの間に配置された第1の保護フィルム、金属フィルム、および第2の保護フィルムに圧力を加え、保護フィルムの幅に沿って筋を作成するように動作可能であり、第2の保護フィルムフィーダーと、第2のコンベヤーの下流に配置された第3のコンベヤーであって、第2のコンベヤーは金属フィルムを第3のコンベヤーに供給し、第3のコンベヤーは第2の速度で作動し、第2の速度は第1の速度より速く、第1と第2の速度の差により金属フィルムを筋でカットさせる、第3のコンベヤーと、を有する。
【0006】
本技術のいくつかの実施形態では、第1のエアブリッジが第1のコンベヤーとアンビルとの間に設けられる。
【0007】
本技術のいくつかの実施形態では、第2のエアブリッジがアンビルと第2のコンベヤーとの間に設けられる。
【0008】
本技術のいくつかの実施形態では、第3のエアブリッジが第2のコンベヤーと第3のコンベヤーとの間に設けられる。
【0009】
本技術のいくつかの実施形態では、アンビルは円筒形アンビルである。円筒形のアンビルは、回転可能である。
【0010】
本技術のいくつかの実施形態では、筋付けブレードアクチュエータは、筋付けブレードをアンビルに向かって並進させるように動作可能である。
【0011】
本技術のいくつかの実施形態では、第1の保護フィルムは、第2の保護フィルムよりも薄い。
【0012】
本技術のいくつかの実施形態では、第1および第2の保護フィルムは、第1および第2のプラスチックフィルムである。
【0013】
本技術のいくつかの実施形態では、第1および第2のプラスチックフィルムは異なるプラスチックフィルムである。
【0014】
本技術のいくつかの実施形態では、金属フィルムは、アルカリ金属またはその合金フィルムである。
【0015】
本技術のいくつかの実施形態では、第1、第2、および第3のコンベヤーは、真空ベルトコンベヤーである。
【0016】
本技術のいくつかの実施形態では、保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために筋付けブレードとアンビルとの間に配置された第1の保護フィルム、金属フィルム、および第2の保護フィルムに加えられる圧力は、第1および第2の保護フィルムを切断しない。
【0017】
本技術のいくつかの実施形態では、金属フィルムは、筋の場所で1ミクロンから30ミクロンの間の厚さを有する。
【0018】
本技術の別の態様によれば、金属フィルムを切断するための方法が提供される。方法は、筋付けブレードおよびアンビルの間に金属フィルムを第1の速度で供給するステップと、金属フィルムおよび筋付けブレードの間に第1の保護フィルムを供給するステップと、金属フィルムおよびアンビルの間に第2の保護フィルムを供給するステップと、保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、筋付けブレードとアンビルとの間に配置された第1の保護フィルム、金属フィルム、および第2の保護フィルムに圧力を加えるように筋付けブレードをアンビルに向かって動かすステップと、筋付けブレードとアンビルの間を通過した金属フィルムを第2の速度で引っ張るステップと、を備える。第2の速度は、第1の速度より速い。第1の速度と第2の速度の違いにより、金属フィルムが筋の部分で切断される。
【0019】
本技術のいくつかの実施形態では、この方法は、切断ブレードの下流および金属フィルムが筋で切断される位置の上流において、金属フィルムから第1および第2の保護フィルムを除去するステップをさらに含む。
【0020】
本技術のいくつかの実施形態では、アンビルは円筒形アンビルである。この方法は、アンビルを回転させるステップをさらに含む。
【0021】
本技術のいくつかの実施形態では、筋付けブレードをアンビルに向かって動かすステップは、筋付けブレードをアンビルに向かって並進させるステップを含む。
【0022】
本技術のいくつかの実施形態では、第1の保護フィルムは、第2の保護フィルムよりも薄い。
【0023】
本技術のいくつかの実施形態では、第1および第2の保護フィルムは、第1および第2のプラスチックフィルムである。
【0024】
本技術のいくつかの実施形態では、第1および第2のプラスチックフィルムは異なるプラスチックフィルムである。
【0025】
本技術のいくつかの実施形態では、金属フィルムは、アルカリ金属またはその合金フィルムである。
【0026】
本技術のいくつかの実施形態では、保護フィルムの幅に沿って筋を付けるために、筋付けブレードとアンビルとの間に配置された第1の保護フィルム、金属フィルム、および第2の保護フィルムに加えられる圧力は、第1および第2の保護フィルムを切断しない。
【0027】
本技術のいくつかの実施形態では、金属フィルムは、筋の場所で1ミクロンから30ミクロンの間の厚さを有する。
【0028】
本技術の実施形態はそれぞれ、上記の目的および/または態様のうちの少なくとも1つを有するが、必ずしもそれらのすべてを有するとは限らない。上記の目的を達成しようとすることから生じた本技術のいくつかの態様は、この目的を満たさない可能性があり、および/または本明細書に具体的に記載されていない他の目的を満足する可能性があることを理解されたい。
【0029】
本技術の実施形態の追加および/または代替の特徴、態様および利点は、以下の説明、添付の図面、および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0030】
本技術、ならびに他の態様およびそのさらなる特徴をよりよく理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】金属フィルムを切断するためのシステムの概略図である。
【
図2】金属フィルムの筋付けが発生する
図1のシステムの一部の拡大図である。
【
図3】
図1のシステムの筋付けブレードによって作製された金属フィルムの筋を概略的に示す、
図2の一部の拡大図である。
【
図4】金属フィルムの切断が行われる
図1のシステムの別の部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
金属フィルム12を切断するためのシステム10を
図1から
図4を参照して以下に説明する。いくつかの実施形態では、金属フィルムは、リチウムなどのアルカリ金属のフィルムまたはその合金である。いくつかの実施形態では、金属フィルムは、所望の長さに切断されると、バッテリーセルで使用されるアノードを作製するために使用される。
【0033】
図1を参照すると、システム10は、筋付けブレードアクチュエータ16に動作可能に接続された筋付けブレード14を有する。本実施形態では、筋付けブレードアクチュエータ16は、筋付けブレード14を上下に並進させるカム作動システムに接続された電気モーターを含む。アンビル18は、筋付けブレード14と位置合わせされ筋付けブレード14の下に配置されている。本実施形態では、アンビル18は円筒形のアンビル18であり、筋付けブレード14がアンビル18の表面の同じ位置に常に圧力を加えるとは限らないように回転させることができる。いくつかの実施形態では、アンビル18はまた、上下に移動するように作動され得ることが企図される。
【0034】
コンベヤー20は、筋付けブレード14およびアンビル18の上流に配置される。
図2に最もよく見られるように、エアブリッジ22がコンベヤー20およびアンビル18との間に配置され、金属フィルム12の下に空気を吹き付けることによって金属フィルム12がコンベヤー20からアンビル18に移行する際に金属フィルム12のたるみを低減または排除することができる。コンベヤー24は、筋付けブレード14およびアンビル18の下流に配置されている。
図2に最もよく見られるように、エアブリッジ26がアンビル18およびコンベヤー24との間に配置され、金属フィルム12の下に空気を吹き付けることによってアンビル18からコンベヤー24に移行する際に金属フィルム12のたるみを低減または排除することができる。コンベヤー28は、コンベヤー24の下流に配置されている。
図4に最もよく見られるように、エアブリッジ30がコンベヤー24およびコンベヤー28との間に配置され、金属フィルム12の下に空気を吹き付けることによって金属フィルム12がコンベヤー24からコンベヤー28に移行する際に金属フィルム12のたるみを低減または排除することができる。
図2および
図4に見られるように、コンベヤー20、24および28およびアンビル18の上部は、金属フィルム12がシステム10を通過するときに実質的に平坦のままであるように、概して垂直方向に整列されている。本実施形態では、コンベヤー20、24、28は、真空ベルトコンベヤーである。コンベヤー20と24は、同じ速度V1で動作し、コンベヤー28は、以下に説明する理由により、コンベヤー20と24の速度V1よりも速い速度V2で動作する。
【0035】
金属フィルムフィーダー32は、コンベヤー20に金属フィルム12を供給する。金属フィルムフィーダー32は、金属フィルム12が巻かれたスプール34と複数のローラー36とを含む。コンベヤー20は、金属フィルム12をエアブリッジ22上に供給し、次に筋付けブレード14およびアンビル18との間に供給する。コンベヤー24は、筋付けブレード14およびアンビル18の間、およびエアブリッジ26上から金属フィルム12を引っ張る。次に、コンベヤー24は、金属フィルム12をエアブリッジ30の上に、およびコンベヤー28に供給する。
【0036】
本実施形態では、スプール34に巻かれた金属フィルム12は、金属フィルムを保護し、粘着を防止するために、その表面にプラスチックフィルム38を有する。スプール42および複数のローラー44を含む保護フィルムワインダー40は、金属フィルム12がコンベヤー20に到達する前にプラスチックフィルム38を金属フィルム12から除去し、プラスチックフィルム38をスプール42に巻き付ける。
【0037】
保護フィルムフィーダー46は、保護フィルム48が金属フィルム12および筋付けブレード14の間に供給されるように、筋付けブレード14の上流で金属フィルム12の上面に保護フィルム48を供給する。保護フィルムフィーダー46は、保護フィルム48が巻かれたスプール50と複数のローラー52とを含む。スプール56および複数のローラー58を含む保護フィルムワインダー54は、金属フィルム12がコンベヤー28に到達する前に、切断ブレード14の下流で金属フィルム12から保護フィルム48を除去し、スプール56に保護フィルム48を巻き付ける。
【0038】
保護フィルムフィーダー60は、保護フィルム62が金属フィルム12およびアンビル18の間に供給されるように、保護フィルム62をアンビル18に供給する。保護フィルム62は、金属フィルム12の下面と接触している。保護フィルムフィーダー60は、保護フィルム62が巻かれたスプール64とローラー66とを含む。スプール70を含む保護フィルムワインダー68は、保護フィルム62がアンビル18の上部を通過した後、切断ブレード14の下流で金属フィルム12から保護フィルム62を除去し、保護フィルム62をスプール70に巻き付ける。
【0039】
図2および
図4では、フィルム12、48および62は、互いに間隔を置いて配置された線として示され、金属フィルム12は、コンベヤー20、24、および28から離間し、保護フィルム62は、アンビル18の表面から離間しているように示されていることに留意すべきである。しかし、フィルム12、48、62は実際には互いに接触しており(
図3を参照)、金属フィルム12はコンベヤー20、24、28に接触しており、保護フィルム62は、アンビル18の表面と接触していることを理解しておく必要がある。フィルム12、48、62は、これらの図のフィルム12、48、62を区別するために、このように(つまり他の構成要素から離間している)示されている。
【0040】
図3を参照すると、本実施形態では、保護フィルム48は厚さT1を有し、保護フィルム62は、厚さT1よりも大きい厚さT2を有する。このように、保護フィルム48は、保護フィルム62よりも薄い。いくつかの実施形態では、保護フィルム48および62は、プラスチックフィルムである。いくつかの実施形態では、保護フィルム48および62は、異なるプラスチックフィルムである。
【0041】
金属フィルム12、および保護フィルム48、62が筋付けブレード14およびアンビル18との間を通過するとき、筋付けブレードアクチュエータ16は、筋付けブレード14をアンビル18に向かって動かして、保護フィルム48、金属フィルム12および保護フィルム62に圧力を加える。
図3のように、これにより保護フィルム48の幅に沿って筋72がつけられる。筋付けブレード14の作動のタイミングは、金属フィルム12が切断された後、金属フィルム12の所望の長さを得るために、コンベヤー20、24の速度V1に基づいて決定される。
図3を参照すると、筋72が付けられると、金属フィルム12は、筋72の部位で厚さT3を有する。いくつかの実施形態では、厚さT3は、1ミクロンから30ミクロンの間である。
【0042】
筋72を付けるために保護フィルム48、金属フィルム12、および保護フィルム62に加えられる圧力は、保護フィルム48、62を切断するほどではなく、金属フィルム12から除去され、保護フィルム48、62のスプール56、70に巻きつけることが可能となる。いくつかの実施形態では、筋72を付けるために保護フィルム48、金属フィルム12、および保護フィルム62に加えられる圧力は、保護フィルム48、62を金属フィルム12に付着させるのに十分ではない。
【0043】
コンベヤー28は、コンベヤー24の速度V1よりも速い速度V2で動作するので、速度の差により、
図4に見られるように、金属フィルム12が筋72で切断される。金属フィルム12の筋72がコンベヤー28に近づくと、切断される。いくつかの実施形態では、筋72がエアブリッジ30上にあるときに金属フィルム12が切断される。筋72の部位での金属フィルム12の厚さT3は、切断が起こるのを可能にするのに十分に薄い。
【0044】
コンベヤー20、24、28の動作速度V1、V2、筋付けブレード14の形状および硬度、アンビル18の硬度、保護フィルム48、62のタイプ、および筋付けブレード14によって加えられる圧力の大きさは、金属フィルム12のタイプおよび厚さに基づいて調整される。適切に較正された場合、筋72の部分で行われる切断は「クリーン」カットになる。
【0045】
金属フィルム12が切断されると、それはコンベヤー28に沿って移動し続ける。機械視覚システム74は、品質管理の目的で、コンベヤー28上を移動する切断された金属フィルム12をスキャンする。次に、切断された金属フィルム12は、適切な除去システムによってコンベヤー28から除去される。
【0046】
本技術の上記の実施形態に対する修正および改善は、当業者に明らかになり得るだろう。前述の説明は、限定ではなく例示を目的としている。したがって、本技術の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図している。
【符号の説明】
【0047】
10 システム
12 金属フィルム
14 筋付けブレード
16 筋付けブレードアクチュエータ
18 アンビル
20、24、28 コンベヤー
22、26、30 エアブリッジ
32 金属フィルムフィーダー
34 スプール
36 ローラー
38 プラスチックフィルム
40 保護フィルムワインダー
42、50、56、64、70 スプール
44、52、58、66 ローラー
46、60 保護フィルムフィーダー
48、62 保護フィルム
54、68 保護フィルムワインダー