(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】予め潤滑された女性用尿道カテーテルパッケージ
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61M1/00 160
(21)【出願番号】P 2022556679
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021023578
(87)【国際公開番号】W WO2021195018
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-16
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522370470
【氏名又は名称】キュア メディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】パルマー ティム
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0161539(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0280659(US,A1)
【文献】特表2001-500414(JP,A)
【文献】特表2006-522624(JP,A)
【文献】特開平11-253548(JP,A)
【文献】特開2003-334480(JP,A)
【文献】特表2017-506957(JP,A)
【文献】特表2017-517299(JP,A)
【文献】特表平11-500043(JP,A)
【文献】特開2015-054245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 25/00
A61F 2/04
B05C 1/06
B05C 17/10
B65D 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿道カテーテルパッケージであって、
閉鎖された遠位先端を規定する細長いカテーテルチューブであって、隣接する側壁面に設けられた1つ以上の流路の開口部を有するカテーテルチューブと、前記カテーテルチューブの近位端に取り付けられた近位出口と、を有する尿道カテーテルであって、前記カテーテルチューブの内部通路と整列する貫通路を有する、尿道カテーテルと、
剛性を有する略管状の本体であって、近位開放口と反対の遠位閉鎖先端であって、長手方向の軸に沿って閉鎖され、その内部の中空部を規定する遠位閉鎖先端を有する、本体と、
対になっており空間的に離れている内部障壁であり、前記本体の内部に規定される遠位障壁と近位障壁を含み、前記中空部の内部を横切るように延びて、前記遠位障壁と前記中空部の遠位端との間に規定される遠位空洞、及び、潤滑ゲルを受け取るために前記遠位障壁と前記近位障壁との間で中間ゲル空洞を規定し、それぞれの障壁は、前記尿道カテーテルの前記カテーテルチューブの貫通を許容するサイズを有する中央の貫通孔を有し、少なくとも前記近位障壁は、前記本体とは別個のインサートによって形成され、前記近位障壁の貫通孔はカテーテルチューブより大きい一方で、前記遠位障壁の前記貫通孔のサイズはほぼ前記カテーテルチューブと同じであり、実質的にゲルが遠位に前記遠位障壁を前記遠位空洞へと通過するのを妨げ、一旦組み立てられると、前記カテーテルチューブは、前記本体の前記近位開放口を貫通して、前記中空部の中に双方の障壁を貫通して延在し、前記遠位先端は、前記遠位空洞内に存在し、少なくとも前記近位出口の一部が前記本体の外部に残るように設置され、前記尿道カテーテルは前記本体から引き抜かれてもよく、潤滑ゲルは前記中間ゲル空洞から前記カテーテルチューブの上に残るようにする、内部障壁と、
剛性を有するキャップであって、滅菌状態で前記中空部の内部で前記尿道カテーテルを封止するように強固に前記本体の前記近位開放口を閉じる、キャップと、
を備え、
前記遠位障壁は、
前記本体から径方向内向きに突出する薄い
円形突起によって形成され、
前記長手方向の軸及び前記円形突起を含む断面視において、前記円形突起は、その先端に向けて先細であり、前記円形突起の前記先端は、近位方向に湾曲しており、前記円形突起は、全体として、前記近位方向に湾曲した形状に形成されており、
前記中間ゲル空洞を取り囲む領域と対比して、前記本体の厚さは、前記遠位障壁よりも遠位方向にある遠位空洞を取り囲む遠位領域において増加される、尿道カテーテルパッケージ。
【請求項2】
前記遠位障壁及び前記近位障壁の両方は前記本体とは別個のインサートによって形成される、請求項1に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項3】
前記インサートは、管状部材からなる、請求項2に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項4】
前記遠位障壁は、管状の前記本体の材料に比べてより軟質のデュロメータ材料で成形されている、請求項2に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項5】
前記遠位障壁は、前記本体内の成形特徴によって形成され、前記近位障壁は、前記本体とは別個のインサートによって形成される、請求項1に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項6】
前記近位障壁を形成する前記インサートの外部構造的特徴および/または前記本体の内壁の内部構造的特徴は、前記インサートが前記遠位障壁から離間した前記中空部の内部内の所定の深さまで挿入され得るように構成される、請求項
5に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項7】
前記本体の前記内壁の少なくとも一部は、遠位方向に内向きにテーパ状になっており、前記近位障壁を形成する前記インサートは、前記近位障壁を形成する前記インサートと前記内壁との間の干渉によって前記近位障壁が所定の位置に保持されるまで、前記インサートが前記所定の深さまで押し込まれ得るように、内部構造的特徴を提供する、請求項
6に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項8】
近位障壁は、その中の貫通孔へのテーパ状の導入部を有する、請求項1~
7のいずれかに記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項9】
遠位障壁は、その中の貫通孔に対してテーパ状の導入部を有する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項10】
前記本体は、単一の成形部品として形成される、請求項1~
9のいずれか一項に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項11】
前記本体は、2つの長手方向の半体によって形成され、前記2つの長手方向の半体は、互いに接合され、それらの接触縁部の周りに封止され、各半体は、各障壁の一部を形成する、請求項1~
9のいずれか一項に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項12】
前記本体は、遠位構成要素に直列に連結された近位構成要素によって形成され、近位障壁は、前記近位構成要素の中間部内の横断壁によって形成され、遠位障壁は、前記遠位構成要素の中空空洞につながる前記遠位構成要素の近位端における進入開口によって形成される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項13】
尿道カテーテルパッケージであって、
閉鎖された遠位先端を規定する細長いカテーテルチューブであって、内部通路に通じる、隣接する側壁面に設けられた1つ以上の流路の開口部を有するカテーテルチューブと、前記カテーテルチューブの近位端に取り付けられた近位出口と、を有する尿道カテーテルであって、前記カテーテルチューブの前記内部通路と整列する貫通路を有する、尿道カテーテルと、
互いに接合された2つの部分から形成される、剛性を有する略管状の本体であって、近位開放口と反対の遠位閉鎖先端であって、長手方向の軸に沿って閉鎖され、その内部の中空部を規定する遠位閉鎖先端を有する、本体と、
対になっており空間的に離れている内部障壁であって、前記本体の内部に規定され、遠位障壁と近位障壁の両方を含み、前記中空部の内部を横切るように延びて、前記内部障壁は、前記本体の内部の成形壁によって形成され、遠位空洞は、前記遠位障壁と前記中空部の遠位端との間に規定され、前記遠位障壁と前記近位障壁との間に、潤滑ゲルを受け取るための中間ゲル空洞を規定し、それぞれの障壁は、前記尿道カテーテルの前記カテーテルチューブの貫通を許容するサイズを有する中央の貫通孔を有し、前記遠位障壁の前記貫通孔のサイズはほぼカテーテルチューブと同じであり、実質的にゲルが遠位に前記遠位障壁から前記遠位空洞へ通過するのを妨げ、一方、前記近位障壁の前記貫通孔は前記カテーテルチューブよりも大きく、一旦組み立てられると、前記尿道カテーテルの前記カテーテルチューブは、前記本体の前記近位開放口を通過して前記中空部へと両方の障壁を通過して延在し、前記中空部の中に双方の障壁を貫通して、前記遠位先端が遠位空洞内に存在し、少なくとも前記近位出口の一部が前記本体の外部に残るように設置され、前記尿道カテーテルは前記本体から引き抜かれてもよく、潤滑ゲルは前記中間ゲル空洞から前記カテーテルチューブの上に残る、内部障壁と、
剛性を有するキャップであって、滅菌状態で前記中空部の内部で前記尿道カテーテルを封止するように強固に前記本体の前記近位開放口を閉じる、キャップと、
を備え、
前記遠位障壁は、
前記本体から径方向内向きに突出する薄い
円形突起によって形成され、
前記長手方向の軸及び前記円形突起を含む断面視において、前記円形突起は、その先端に向けて先細であり、前記円形突起の前記先端は、近位方向に湾曲しており、前記円形突起は、全体として、前記近位方向に湾曲した形状に形成されており、
前記中間ゲル空洞を取り囲む領域と対比して、前記本体の厚さは、前記遠位障壁よりも遠位方向にある遠位空洞を取り囲む遠位領域において増加される、尿道カテーテルパッケージ。
【請求項14】
前記本体の前記2つの部分は、一緒に合わせられた2つの長手方向の半分であり、それらの接触縁部の周りに封止され、各半体は、各障壁の一部を形成する、請求項
13に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項15】
2つの前記半体は、その間にリビングヒンジを有する単一片として成形される、請求項
14に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項16】
前記本体の前記2つの部分は、遠位構成要素に直列に連結された近位構成要素によって形成され、前記近位障壁は、前記近位構成要素の中間部内の横断壁によって形成され、前記遠位障壁は、前記遠位構成要素内の中空空洞に通じる前記遠位構成要素の近位端における進入開口によって形成される、請求項
13に記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項17】
尿道カテーテルは、約10~15cmの長さを有し、前記尿道カテーテルパッケージは、前記尿道カテーテルよりも1~2cm以下長い長さを有する、請求項1~
16のいずれかに記載の尿道カテーテルパッケージ。
【請求項18】
近位障壁は、貫通孔内に内向きに突出する複数の軸方向リブであって、前記尿道カテーテルの前記カテーテルチューブに接触して中心に位置し、前記近位障壁を越えて引き抜かれたときにゲルの均一な層が前記カテーテルチューブに適用されることを確実にする軸方向リブを有する、請求項1~
17のいずれかに記載の尿道カテーテルパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権およびトレードドレスについて
この特許文献の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。この特許文献は、所有者のトレードドレスであるか、またはそれになり得る事項を示し、かつ/または説明し得る。著作権およびトレードドレスの所有者は、特許商標庁の特許ファイルまたは記録に現れるような特許開示の誰かによる複製に対して異議を唱えないが、そうでなければ、すべての著作権およびトレードドレスの権利を保有する。
【0002】
本出願は、患者による(間欠的な。intermittent)自己導尿のために使用され得る女性用の予め潤滑された尿道カテーテルを収容する滅菌剛性パッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
間欠的導尿は、典型的には、尿失禁に罹患している患者によって、または随意(自発的な)排尿ができない個人によって使用される。私たちの高度な移動性の文化において、1日またはそれ以上にわたって自宅から離れる自由を有する能力は、生活の重要な部分の1つである。この必要性に対応するために、患者が自己導尿を行うことを可能にする単回使用カテーテルが開発されている。
【0004】
ゲル容器は、パッケージからカテーテルを引き抜く際に尿道カテーテルにゲルを適用(apply)する手段として使用される。典型的には、ゲル容器は、成形シリコーンのような可撓性材料で作られる。容器が剛性パッケージに組み立てられる場合、カテーテルの遠位端(先端)の充分なゲル被覆を確実にするために使用者が容器を操作する方法はない。
【0005】
尿道カテーテルは、ユーザに応じて異なる長さで提供される。従来、3つの長さがある。女性用(12~26cm)、男性標準(40~45cm)および小児標準(30~31cm)である。
【0006】
カリフォルニア州ニューポートビーチのキュアメディカル社から入手可能なキュアツイスト(Cure Twist)は、コンパクトな女性用の長さのカテーテルであり、シリコーンゴムで成形された可撓性のゲルホルダ(gel holder)を内蔵する剛性のチューブパッケージに封入されている。カテーテルを使用しなければならない嫌悪感を弱めるために、ツイストパッケージ(Twist package)は比較的短く、アイライナーなどの化粧品用のチューブに似ているのが便利である。ゲルホルダは潤滑用ゲルの保管のための空洞(キャビティ、cavity)を提供し、パッケージからカテーテルが引き出される際にカテーテルチューブにゲルを適用(apply)する。米国特許8,181,778号は、先端と、カテーテル出口またはコネクタが設けられた近位端とを有する短縮チューブを有するカテーテル用のそのような剛性容器を開示している。米国特許9,687,629号は、ゲルがカテーテルの最遠位先端を被覆することを確実にするように成形される、代替ゲルホルダを開示する。ユーザは、コネクタを収集バッグまたは他の収集デバイスに接合することによって、またはトイレ上に着座している間に単にカテーテルを使用することによってのいずれかで、使用のためにカテーテルを除去する。カテーテルは潤滑され、パッケージから直接使用する準備ができている。
【0007】
Cure Twistパッケージカテーテルは、便利かつ簡潔であるが、その価格を上昇させるいくつかの構成要素を含み、したがって、より単純であり、したがって、作製するのに費用がかからない類似製品の必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、患者による毎日の使用に適した、尿道カテーテルのための改良されたパッケージを提供しようとするものである。
【0009】
一実施形態では、包装(package)または容器(container)は、本質的に、剛性を有する略管状(generally tubular)の本体と、尿道カテーテルと、剛性を有するキャップとから成る。本体は、遠位閉鎖先端(distal closed end)および近位開放口(proximal open mouth)を有し、内部の中空部(hollow interior)を規定する。尿道カテーテルは、その隣接する側壁に形成された1つ以上の流路の開口部を有する閉鎖遠位先端を規定する細長い可撓性チューブと、チューブの近位端に取り付けられ、チューブの内腔(ルーメン、lumen)と連通する貫通孔(through bore)を有する近位出口(proximal outlet)とを有する。尿道カテーテルのチューブは、出口の少なくとも一部が本体の外側にとどまるように、本体の開放口を通って中空内部(中空部の内部。hollow interior)に挿入される。チューブの外径は、中空内部の内径より小さく、そのため、チューブが本体内から後退させられるときに潤滑ゲルがカテーテルのチューブ上に残るように、本体の遠位閉鎖端まで潤滑ゲルで少なくとも部分的に充填される同心円状の空間(concentric space)が、その間に形成される。剛性キャップは、本体の開放口に固定され、剛性キャップは、滅菌状態で中空内部内に尿道カテーテルを密閉するように、開口部を伴わない中実(solid)である。
【0010】
剛性キャップは、好ましくは、嵌合ねじ山(mating thread)によって本体の開放口に固定される。略管状の本体は、中間部分において狭くなる浅い砂時計形状(hourglass shape)を有してもよく、潤滑ゲルは、本体の中空内部の遠位端のみに堆積され、本体内から後退されるときにカテーテルチューブ上に残るゲルの量を制限する。
【0011】
尿道カテーテルパッケージはさらに、本体内に固定され、カテーテルチューブよりわずかに大きいサイズの中央開口を有する、バルクヘッド(bulkhead、隔壁)または仕切り壁(divider wall)を含んでもよい。仕切り壁は、本体の中空内部を近位の第1のセクションと遠位の第2のセクションとに分離し、潤滑ゲルは遠位の第2のセクションにのみ堆積される。カテーテルチューブの直径Dは、好ましくは、約2.7~5.3mmの範囲であり、中央開口(central aperture)の直径Aは、直径Dよりも約1~2mm大きい。仕切り壁は、本体内の成形されたバルクヘッドによって形成されてもよく、または接着剤によって本体の内側内に保持されるか、またはリング形状の受容空洞(receiving cavity)の中へのスナップ嵌合(snap fit)によって定位置に保持される、取り外し可能な環状ディスク(removable annular disk)であってもよい。
【0012】
尿パッケージまたは容器の第2の実施形態は、本質的に、剛性の略管状本体と、ゲルホルダ(gel holder)と、尿道カテーテルと、剛性キャップとから成る。本体は、遠位閉鎖端および近位開放口を有し、中空内部を規定する。ゲルホルダは、潤滑ゲルで少なくとも部分的に充填された内部空洞(inner cavity)を規定する遠位セクションと、近位セクションとを有する。遠位セクションは、遠位開口部と、近位セクションに通じる近位開口部とを有し、近位セクションは、開放近位端を有する。ゲルホルダは、本体の開放口を通って中空内部に挿入され、ゲルホルダは、近位部が本体の中空内部の外側にとどまるように開放口と干渉するようにサイズ決めされた近位部の一端に外周リブを有する。尿道カテーテルは、その隣接する側壁に形成された1つ以上の流路の開口部を有する閉鎖遠位先端を規定する細長い可撓性チューブと、チューブの近位端に取り付けられ、チューブの内腔と連通する貫通孔を有する近位出口とを有する。尿道カテーテルのチューブは、最初に近位部分の開放近位端に挿入され、ゲルホルダ全体を通って延在し、遠位先端が遠位部分の遠位開口部を越えて延在し、本体の中空内部内にあり、出口の少なくとも一部分が本体の外側に残るようにする。同心円状の空間(concentric space)が、ゲルホルダの遠位セクション内のチューブの周囲に形成され、それにより、潤滑ゲルは、チューブがゲルホルダ内から後退されるときにカテーテルチューブ上に残る。剛性キャップは、ゲルホルダの近位セクションに固定され、剛性キャップは、無菌様式で中空内部内に尿道カテーテルを密閉するように、開口部を伴わない中実(solid)である。
【0013】
第2の実施形態のパッケージは、カテーテルチューブの遠位先端上に適合するゲルで充填されたゲルキャップをさらに含んでもよく、ゲルキャップは、遠位セクションの遠位開口部よりも大きく、それにより、チューブがゲルホルダ内から後退するときにチューブの端部から落下する。ゲルキャップは、半球状のカップ形状の本体と、遠位セクションの遠位開口部よりも大きい外側フランジとを有し得る。ゲルホルダの遠位セクションの遠位開口部は、長手方向スロットによって分離された複数の片持ち指状部(cantilevered finger)によって規定されてもよく、ゲルホルダは、カテーテルチューブと外向きに屈曲する片持ち指状部との間にシリンジまたは他の類似器具を挿入することによって、内部空洞(inner cavity)の中への潤滑剤ゲルの導入を可能にする、可撓性ポリマーで成形される。長手方向スロットは、好ましくは、遠位セクションに沿って始まり、片持ち指状部の遠位端に向かって徐々に広がる。一例では、片持ち指状部は、遠位セクションの遠位端を収縮させ、次いで、片持ち指状部の遠位端まで外向きに広がる前に、その中で遠位開口部が規定される短い直線距離だけ延在するように成形される。
【0014】
ゲルホルダの近位セクションは、剛性キャップが締まり嵌めによって近位セクションに固定されるように、剛性キャップの内腔直径とほぼ同じ直径を有し得る。近位セクションは、剛性キャップの内腔直径に干渉して、それを近位セクション上に保持および封止する、一対の軸方向に離間した外部リブを有してもよい。一実施形態では、近位セクションは、近位開口部に向かってわずかに狭くなるテーパを伴って成形され、近位リブは、ほぼ同じ直径を有するように、遠位リブより大きいサイズにされる。リブは、三角形であり、断面が非対称であり、近位面が遠位面よりも急勾配であってもよい。
【0015】
内部障壁を有する尿道カテーテルパッケージの一実施形態は、長手方向軸に沿った近位開放口の反対側に遠位閉鎖先端(distal closed end)を有し、内部の中空部(中空内部)を規定する、剛性の略管状本体を備える。遠位障壁および近位障壁を含む一対の離間した内部障壁が、両方とも本体内に配置される。内部障壁は、中空内部を横断して延在し、潤滑ゲルを受容するためのゲル空洞をそれらの間に規定する。各障壁は、カテーテルのチューブの通過を可能にするようにサイズが決定される中央貫通孔を有し、遠位障壁の貫通孔は、ゲルが遠位障壁を通過して遠位に通過することを実質的に阻止するようにチューブとほぼ同じサイズである。尿道カテーテルのチューブは、近位出口の少なくとも一部分が本体の外側に残るように、かつ尿道カテーテルが本体から引き抜かれ得、ゲル空洞からの潤滑ゲルがチューブ上にとどまるように、本体の開放口を通して、両方の障壁を通して中空内部に挿入され得る。剛性キャップが本体の開放口に固定され、それにより、尿道カテーテルを中空内部内に滅菌状態で封止する。
【0016】
内部障壁は両方とも、本体内の成形壁(molded wall)によって形成され得る。1つの例では、本体は、2つの長手方向半体によって形成され、2つの長手方向半体は、合わせられ、それらの接触縁部の周りに封止され、各半体は、各障壁の一部を形成する。2つの半体は、その間にリビングヒンジ(living hinge)を有する単一部品として成形されてもよい。代替として、本体は、遠位構成要素に直列に連結される近位構成要素によって形成され、近位障壁は、近位構成要素の中間部内の横断壁によって形成され、遠位障壁は、遠位構成要素内の中空空洞につながる遠位構成要素の近位端における進入口(entry aperture)によって形成される。
【0017】
別の例では、内部障壁は両方とも、本体とは別個のインサート(insert)によって形成される。例えば、インサートは、略管状(generally tubular)部材を備えてもよく、管状部材の外部構造的特徴および/または本体の内壁の内部構造的特徴は、管状部材が中空内部内で所定の離間した深さまで挿入され得るように構成される。
【0018】
遠位障壁は、本体内の成形特徴によって形成されてもよく、近位障壁は、本体とは別個のインサートによって形成される。近位障壁を形成するインサートの外部構造的特徴および/または本体の内壁の内部構造的特徴は、望ましくは、インサートが遠位障壁から離間した中空内部の所定の深さまで挿入され得るように構成される。例えば、本体の内壁は、インサートと内壁との間の干渉がさらなる前進を停止する前に、インサートが所定の深さまで中空内部に押し込まれ得るように、近位開放口から遠位方向に内向きに先細(taper)になる。
【0019】
主要本体は、接合部において遠位構成要素に直列に連結される近位構成要素によって形成されてもよく、遠位障壁は、遠位構成要素内の中空空洞につながる接合部における狭小化によって形成される。インサートは、略管状部材であってもよく、管状部材の外部構造的特徴および/または本体の内壁の内部構造的特徴は、管状部材が、遠位障壁を形成する成形特徴から離間した中空内部内に所定の深さまで挿入され得るように構成される。
【0020】
近位および遠位障壁は、好ましくは、その中の貫通孔へのテーパ状導入を有する。近位障壁は、カテーテルのチューブに接触し、中心に置かれ、近位障壁を越えて引き抜くと、ゲルの均一な層がチューブに適用されることを確実にする、複数の内向きに突出する軸方向リブをその中の貫通孔内に有してもよい。
【0021】
いずれかの実施形態のカテーテルは、約10~15cmの長さを有してもよく、カテーテルパッケージは、カテーテルよりも1~2cm以下長い長さを有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】先行技術による間欠尿道カテーテル用の滅菌された容器の縦断面図である。
【
図2】先行技術による間欠尿道カテーテル用の滅菌された容器の構成要素の分解図である。
【
図3】本出願の間欠尿道カテーテル用の滅菌された容器の縦断面図である。
【
図4】本出願の間欠尿道カテーテル用の滅菌された容器の構成要素の分解図である。
【
図5A】
図3の滅菌された容器に使用されるゲルホルダの斜視図である。
【
図5B】
図3の滅菌された容器に使用されるゲルホルダの断面図および内部図である。
【
図5C】
図3の滅菌された容器に使用されるゲルホルダの断面図および内部図である。
【
図5D】
図3の滅菌された容器に使用されるゲルホルダの断面図および内部図である。
【
図5E】
図3の滅菌された容器に使用されるゲルホルダの断面図および内部図である。
【
図6】
図3に示すものと同様の間欠尿道カテーテル用の滅菌された容器を通る縦断面図であり、カテーテルチューブ用のゲルキャップが追加された図である。
【
図7A】
図6に示す剛性容器内からのカテーテルチューブの除去におけるいくつかのステップを示す図であり、最終的な結果は潤滑剤ゲルによるカテーテルチューブの完全な被覆である。
【
図7B】
図6に示す剛性容器内からのカテーテルチューブの除去におけるいくつかのステップを示す図であり、最終的な結果は潤滑剤ゲルによるカテーテルチューブの完全な被覆である。
【
図7C】
図6に示す剛性容器内からのカテーテルチューブの除去におけるいくつかのステップを示す図であり、最終的な結果は潤滑剤ゲルによるカテーテルチューブの完全な被覆である。
【
図7D】
図6に示す剛性容器内からのカテーテルチューブの除去におけるいくつかのステップを示す図であり、最終的な結果は潤滑剤ゲルによるカテーテルチューブの完全な被覆である。
【
図8】ゲルホルダが挿入される、間欠的尿道カテーテル用の代替的な滅菌された容器を通る分解縦断面図である。
【
図9】
図8に示す尿道カテーテル用のゲルホルダの斜視図である。
【
図10】ゲルホルダが挿入される、間欠的尿道カテーテル用のさらなる代替的な滅菌された容器を通る分解縦断面図である。
【
図11】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの管状構成要素の斜視図である。
【
図11A】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの管状構成要素の直交図である。
【
図11B】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの管状構成要素の直交図である。
【
図12】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの滅菌末端キャップの斜視図である。
【
図12A】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの滅菌末端キャップの直交図である。
【
図12B】
図10に示す尿道カテーテルのためのゲルホルダの滅菌末端キャップの直交図である。
【
図13A】
図14A~14Cに示す折り畳み可能なゲルホルダを有する尿道カテーテルの事前組み立て部分(pre-assembly)を示す側面図である。
【
図13B】滅菌容器の剛性本体に挿入されているゲルホルダを有する尿道カテーテルのアセンブリの側面図である。
【
図13C】尿道カテーテルの周囲に折り畳まれたゲルホルダを通る断面図である。
【
図15A】代替的な折り畳み可能なゲルホルダを有する尿道カテーテルのプレアセンブリを示す側面図である。
【
図15B】滅菌容器の剛性本体に挿入されているゲルホルダを有する尿道カテーテルのアセンブリの側面図である。
【
図17A】折り畳み動作を示すゲルホルダの中間部を通る断面図である。
【
図17B】折り畳まれたゲルホルダの端面図である。
【
図18】内側ゲル空洞を規定する内部離間バルクヘッドを有する尿道カテーテル用の滅菌容器の長手方向断面図である。
【
図18A】内部に成形された遠位バルクヘッドを示す滅菌容器の剛性本体の側面の拡大図である。
【
図19】
図18の滅菌容器の長手方向断面図であり、その中に尿道カテーテルが格納され、バルクヘッド間の内部空洞にゲルが配置されている縦断面図である。
【
図20】あらかじめ組み立てられた構成(pre-assembled configuration)の尿道カテーテルに沿う、またさらなる滅菌容器の分解側面図である。
【
図21】組み立てられた滅菌容器および尿道カテーテルの縦断面図である。
【
図22】2つの成形半体(molded halves)および滅菌エンドキャップを含むさらなる滅菌容器の構成要素の上面図である。
【
図23】組み立てられたときの滅菌容器および尿道カテーテルを通る長手方向断面図である。
【
図24A】クラムシェル型(clamshell-type)の滅菌容器の上面図であり、事前に組み立てられた構成でその中に配置された尿道カテーテルおよびゲルを示す。
【
図24B】クラムシェル型の滅菌容器の端面図であり、事前に組み立てられた構成でその中に配置された尿道カテーテルおよびゲルを示す。
【
図25A】
図24Aの組み立てられたクラムシェル型滅菌容器および尿道カテーテルの上面図である。
【
図25B】
図24Aの組み立てられたクラムシェル型滅菌容器および尿道カテーテルの端面図である。
【
図26A】尿道カテーテル滅菌容器の剛性本体の2つの構成要素の分解縦断面図である。
【
図26B】尿道カテーテル滅菌容器の剛性本体の2つの近位構成要素の端面図である。
【
図27A】尿道カテーテルおよび潤滑ゲルで事前に組み立てられた
図26Aの剛性本体の近位構成要素の長手方向断面図である。
【
図27B】は、遠位構成要素および滅菌端部キャップの追加を示す図である。
【
図28】内部バルクヘッドを有する尿道カテーテル用のまたさらなる滅菌容器の分解図であり、1部品の剛性本体とともに示されている図である。
【
図29】内部バルクヘッドを有する尿道カテーテル用のまたさらなる滅菌容器の分解図であり、2部品の剛性本体とともに示されている図である。
【
図30】
図29の滅菌容器の2部分の剛性本体の長手方向断面図である。
【
図30A】
図29の滅菌容器の2部分の剛性本体の遠位バルクヘッドの拡大図である。
【
図31】尿道カテーテル、近位バルクヘッド、および滅菌エンドキャップと組み立てられて示される
図29の滅菌容器の側面図である。
【
図32A】間欠的尿道カテーテル用の2つの異なる滅菌容器の側面図の1つである。
【
図32B】間欠的尿道カテーテル用の2つの異なる滅菌容器の側面図の1つである。
【
図33A】間欠的尿道カテーテルのためのさらなる滅菌容器の側面図である。
【
図33B】間欠的尿道カテーテルのためのさらなる滅菌容器の側面図である。
【
図34】間欠的尿道カテーテルのための代替的な滅菌容器の側面図である。
【
図35】
図34の滅菌容器で使用するためのカテーテルチューブを受容するゲルホルダを通る断面図である。
【
図35A】
図34の滅菌容器で使用するためのカテーテルチューブを受容するゲルホルダを通る断面図におけるゲルホルダおよびカテーテルの開放端の拡大図である。
【
図36】潤滑剤ゲルによるカテーテルチューブの完全な被覆を示す、
図36のゲルホルダから取り外されたカテーテルチューブの分解図である。
【
図37】間欠的尿道カテーテルのための代替的な滅菌容器の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願は、カテーテルの形態の医療装置を提供するための、使用が容易で運搬が容易な解決策を提供する。
【0024】
図1は、米国特許第8,181,778号に示されるような先行技術の間欠カテーテル容器20の断面図であり、全ての要素が組み立てられている。カテーテル容器20は、その遠位端23で閉鎖され、キャップ24を用いて近位の開放端で閉鎖できるペン状の硬質で概して中空の管状本体22を含む。
【0025】
本体22の断面図は、近位の第1の部分26aと、中間の第2の部分26bと、遠位の第3の部分26cとを示し、これらは、米国特許8,181,778に記載されるそれぞれの直径を有する。なお、「近位」とは、尿道カテーテル30を本体22から引き抜く方向であることに留意されたい。好ましくは、第1の部分26aは、第2の部分26bの第2の内径よりも小さい第1の内径を有し、第3の部分26cは、第2の部分26bの第2の内径よりも小さい第3の内径を有する。言い換えれば、中間の第2の部分26bは、近位部分または遠位部分のいずれよりも大きな直径を有する。
【0026】
本体22は、望ましくは、成形を容易にするために、(第3の部分26aを形成する)より短い管状コネクタが接合された長い遠位部分のアセンブリである(
図2参照)。剛性キャップ24は、ねじ山、バヨネット閉鎖、または締め付け(clamping)構成等の種々の取付/係止方法を使用して、本体22のコネクタ26aに取り付けることができる。キャップ24は、望ましくは、カテーテルパッケージ内への滅菌ガスの導入を可能にする複数の開口部(図示せず)を有する。
【0027】
図示のように、尿道カテーテル30は、キャップ24が付いた状態で本体22内に滅菌状態で保管される。その近位端において、カテーテル30は、出口漏斗として、またはカテーテル30を収集バッグもしくは他の収集デバイスに取り付けるためのコネクタとして使用され得る貫通孔を有するカテーテル出口32を備える。カテーテル30は、遠位端に丸い先端35と、先端に近接する1つ以上の流路の開口部36とを備える可撓性カテーテルチューブ34を含む。カテーテルチューブ34は、出口32の貫通孔と流体連通する内腔を有する。開口部36は、患者の尿道管内への尿道カテーテルチューブ34の進入が患者にとってできるだけ快適であるように、丸みを帯びたおよび/または磨かれた(polished)縁部38を備える。本体の第1の部分26aはキャップ24を受け入れ、第2の部分26bはゲルホルダ40を保持し、第3の部分26cはカテーテル30の細長いカテーテルチューブ34を保持する。
【0028】
容器20の剛性およびその中のカテーテル30の短い長さは、アセンブリによって形成される滅菌パッケージを高度に可搬性にし、ハンドバッグまたはさらにはポケットにさえ便利に保管されるようになる。
【0029】
キャップ24は、カテーテル30の近位出口32を含み、透明材料で作られてもよく、これにより、出口32(これは、例えば、サイズまたは他の指標、マーキングなどを示すことができる。)の検査が可能になる。キャップ24が取り付けられた本体22内の構成要素のガス滅菌を容易にするために、キャップ24は、例えば紙または他の多孔性要素の形態のフィルタ要素25で封鎖される1つまたは複数の開口23を備えている。例えば、シールを提供するためにキャップ24に熱溶接することができるスパンボンドポリオレフィン材料(商品名Tyvekで販売されている)を使用してもよい。本体22(コネクタ26aの結合を含む)、ゲル容器40、カテーテル30、およびキャップ24を組み立てた後、キャップ24の1つまたは複数の開口23を通してエチレンオキシドなどのガスを導入することによって、パッケージの内部要素を滅菌する。
【0030】
容器20の寸法(より具体的には、本体22およびキャップ24の内部寸法)は、カテーテル30(様々な寸法を有することができる)の全体を保管できるように適合される。容器20の長さは望ましくはカテーテル30の長さに密接に対応し、そしてパッケージがカテーテル30の全体を密接に覆うように、カテーテル30の長さよりもわずかに大きいことが好ましい。実施形態によれば、カテーテル30は約10~15cmの間の範囲の長さを有することができ、これにより、カテーテル30は特に女性の患者への使用に適する。
【0031】
ゲルホルダ40は、本体22の第2の部分26bに設けられて位置決めされる。ゲルホルダ40は、ある量のゲル状潤滑剤Gが貯蔵される空洞42を備えた単一の略管状要素として示されている。
図2に見られるように、ゲルホルダ40は、その遠位端に遠位開口部44を含み、その近位端に近位開口部46を含む。遠位開口部44は、概して、カテーテルチューブ34の外径に対応する直径を有し、近位開口部46は、カテーテルチューブ34の外径よりわずかに大きい直径を有する。遠位開口部44および近位開口部46は、ゲルホルダ40の遠位端と近位端との間に延在する長手方向中心線50に沿って互いに位置合わせされる。カテーテル30をパッケージから近位方向に(
図1の右に)取り出すかまたは取り出すとき、ゲル様潤滑剤の層は、近位開口部46を通って押し出され、使用のためにカテーテルの外面上に堆積される。
【0032】
ゲル容器インサート
図3は、本出願の間欠尿道カテーテル用の滅菌容器50を通る縦断面図であり、
図4は、その構成要素の分解図であり、
図5A~
図5Eは、滅菌容器内で使用されるゲルホルダの斜視図および他の図である。滅菌容器50は、上述の容器20とほぼ同じ方法で利用されるが、より簡単で低コストの方法で構築され組み立てられる。
【0033】
滅菌カテーテル容器50は、遠位端で閉鎖され、キャップ54を使用して近位の開放端で閉鎖され得る、ペン状の剛性かつ概して中空の管状本体52を含む。剛性キャップ54は、ねじ山、バヨネット閉鎖、または締め付け構成等の種々の取付/係止方法を使用して、主要本体52に取り付けることができる。キャップ54の端部53は中実(solid)であり、カテーテルパッケージの中空内部への空気または他の汚染物質の導入を防止するために、本体52の近位開放端を閉鎖する。出荷前の滅菌は、ガンマ線または電子ビームを使用して達成される。好ましくは、本体52およびキャップ54は、リサイクル目的でポリプロピレンなどの剛性材料で形成される。
【0034】
本体52の断面図は、近位の第1のセクション56aおよび遠位の第2のセクション56bを示す。好ましくは、近位セクション56aは、遠位セクション56bの第2の内径よりも大きい第1の内径を有する。両方のセクション56a、56bは、円筒形の中空内部を規定するように略管状である。
【0035】
図示のように、キャップ54が装着された状態で、尿道カテーテル60は、本体52内に滅菌状態で格納される。その近位端において、カテーテル60は、出口漏斗として、またはカテーテル60を収集バッグまたは他の収集デバイスに取り付けるためのコネクタとして使用され得る、カテーテル出口62を備える。カテーテル60は、遠位端に丸い先端65と、先端に近接する1つ以上の流路の開口部66とを備える可撓性カテーテルチューブ64を含む。開口部66は、患者の尿道管内への尿路カテーテルチューブ64の進入が患者にとってできるだけ快適であるように、丸みを帯びたおよび/または研磨された縁部を備える。
【0036】
容器50の剛性性質およびその中のカテーテル60の短い寸法により、アセンブリによって形成される滅菌パッケージは、アイライナーなどの化粧品の標準品に似ているので、高度に携帯可能であり、財布またはポケットにさえも便利に収納される。尿道カテーテルは、ユーザに応じて異なる長さで提供される:従来、3つの長さがある:女性用(10~26cm)、男性用標準(40~45cm)および小児用(30~31cm)である。本明細書に開示される容器および短いカテーテルは、望ましくは女性用であり、長さが10~26cmであるが、小型のハンドバッグサイズのパッケージに収容され得るコンパクトなものは、長さが約10~15cmである。
【0037】
細長いゲルホルダ70が、本体52内に設けられ、位置決めされる。尿道カテーテル60のチューブ64は、遠位先端65が本体52の中空内部にあるように、ゲルホルダ70全体を通って延在する。
【0038】
ゲルホルダ70は、ある量のゲル様潤滑剤が貯蔵される遠位内部空洞72を備える単一の略管状成形ポリマー要素として図示される。
図4に見られるように、ゲルホルダ70は、その遠位端に遠位開口部74を含み、その近位端に近位開口部76を含む。遠位開口部74は、概して、カテーテルチューブ64の外径に対応する直径を有し、近位開口部76は、カテーテルチューブ64の外径よりわずかに大きい直径を有する。遠位開口部74および近位開口部76は、ゲルホルダ70の遠位端と近位端との間に延在する長手方向中心線50に沿って互いに整列される。キャップ54が取り外されると、近位出口62は、把持可能であるようにゲルホルダ70から突出する。カテーテル60をパッケージから近位方向に(
図3の右に)取り出すとき、ゲル様潤滑剤の層は、近位開口部76を通って押し出され、使用のためにカテーテルチューブ64の外面上に堆積される。
【0039】
図5A~5Eに最もよく見られるように、ゲルホルダ70は、3つの略管状のセクションとして、近位セクション80a、中間セクション80b、および遠位セクション80cを含む。内部空洞72は、遠位セクション80c内に排他的に形成される。近位セクション80aおよび中間セクション80bは、概して同じ広がりを有し、同じ直径であり、外周リブ82によって規定される。遠位セクション80cは、近位セクション80aおよび中間セクション80bよりも小さい直径であり、テーパ状肩部83によってそこから分離される。
【0040】
図3に見られるように、ゲルホルダ70は、より小さい直径の遠位セクション80cが本体52の遠位セクション56bの中へ短い距離に到達するように、剛性本体52の開放近位端の中に挿入される。中間セクション80bは、本体52の近位セクション56aの内径と同様の外径を有し、外周リブ82は、ゲルホルダ70が容器本体52内にさらに前進するのを防止する止め具を提供するように近位セクション56aと同じサイズである。近位セクション80aは、本体52の外に延在し、説明されるように、キャップ54のための管状レシーバ(tubular receiver)を提供する。組み立て中、ゲルホルダ70は、例えば、中間セクション80bの外部と本体52の近位セクション56aの内部との間に接着剤を使用して、この部分的に挿入された位置に固定され得る。
【0041】
すなわち、近位セクション80aは、
図5A~5Dに見られるように、2つの円周方向リブ90、92を特徴とする。近位セクション80aの公称(nominal)の外径は、キャップ54の管状部分の内腔直径とほぼ同じであるが、リブ90、92は、より大きく、キャップを近位セクション上に保持および封止するようにキャップと干渉する。
図5Cおよび5Dの拡大図に見られるように、リブ90、92はわずかに異なり、近位リブ90はより大きく、遠位リブ92はわずかに小さいが、両方とも断面が非対称である。特に、リブ90、92は、遠位面よりも急な近位面を有し、これは、所望されるときにキャップ54の取り外しを容易にするのに役立つ。あまり急勾配ではない遠位面は、リブが転がるのを防止するために、キャップ組立て中に近位面により多くの支持を与える。リブ90、92は、キャップと本体との間に気密シールを形成するために頂点で「剪断」する必要がある。近位リブは、近位セクション80aを成形するために必要とされる近位開口部86に向かって狭くなるドラフト(テーパ)により、より大きいサイズにされる。寸法差は、リブの頂部を同じ平面に維持して、ドラフト(円筒形)なしに成形された内腔(ルーメン、lumen)を有するキャップと交わる。
【0042】
キャップ54は、カテーテル60の近位出口62を取り囲み、出口62(それは、例えば、サイズまたは他の印、マーキングなどを示すことができる。)の検査を可能にする透明材料から作製され得る。キャップ54が取り付けられた本体52の内側の構成要素の汚染を防止するために、キャップ54は、多孔質キャップを有するツイストカテーテルとは対照的に、開口部を有さない中実(solid)である。本体52、ゲル容器70、カテーテル60およびキャップ54を組み立て、ゲルをゲル容器70に添加した後、ガンマ線または電子ビームへの曝露によってパッケージの内部要素を滅菌する。
【0043】
容器50の寸法(またはより具体的には、本体52およびキャップ54の内部寸法である)は、カテーテル60(様々な寸法を有し得る)全体の保管を可能にするように適合される。容器50の長さは、望ましくは、カテーテル60の長さに密接に対応し、好ましくは、パッケージがカテーテル60全体を密接に囲むように、カテーテル60の長さよりもわずかに大きい。実施形態によれば、カテーテル60は、約10~15cmの範囲の長さを有することができ、これは、カテーテル60を女性患者での使用に特に適したものにする。容器50全体は、好ましくは、カテーテル60よりも1~2cm以下長い長さを有する。したがって、長さ10cmのカテーテルは、11~12cmの容器50にパッケージングされ、長さ15cmのカテーテルは、16~17cmの容器50にパッケージングされる。
【0044】
上述のように、ゲルホルダ70の内部空洞72は、その遠位端に遠位開口部74を含み、その近位端に近位開口部76を含む。これらの開口部は、その中に内部空洞72が規定される遠位セクション80cの端部にあることを理解されたい。
【0045】
全体的なゲルホルダ70は、遠位端84および近位端86を有する。
図5Aに見られるように、遠位端84は、長手方向スロット96によって分離された複数の片持ち指状部94によって規定される。スロット96は、遠位セクション80cに沿って始まり、指状部94の遠位端に向かって徐々に広がる。
図5Bの断面図を参照すると、指状部94によって形成される遠位端84は、遠位セクション80cの遠位端を収縮させ、次いで、指状部94の遠位端まで外向きに広がる前に、その中に遠位開口部74が規定される短い直線距離だけ延在するように成形される。上述のように、遠位開口部74は、カテーテルチューブ64の外径とほぼ同じ直径を有し、したがって、内部空洞72内にゲルを保持するためにそれと周囲で接触する。片持ち指状部94は、カテーテルチューブ64と外向きに屈曲する指状部94との間にシリンジまたは他のそのような器具を挿入することによって、空洞72の中への潤滑剤ゲルの導入を可能にする、可撓性ポリマーから成形される。
【0046】
図1および
図3の断面と、
図2および
図4のそれぞれの分解図とを比較することによって、容器20、50の間の特定の明確な利点が明らかである。第1に、カテーテル60自体とは別に、従来技術の容器20による4つの構成要素と比較して、滅菌容器50内には3つの成形された構成要素しか存在しない。同様に、従来技術のゲル容器40は、カテーテル30が挿入される前に、中間部分26bの空洞に押し込まれ、次いで、本体22の開放端を通してゲルで充填されなければならず、二重の動作工程は、いくらか厳密であり、したがって、時間がかかり、高価である。逆に、本容器20のカテーテル60は、最初にゲル容器70を通して挿入され、次いで、ゲルは、可撓性指状部94を通過して内部空洞72の中に挿入される。次いで、このゲル充填アセンブリ(gel-filled assembly)は、円周リブ82が近位セクション56aの後端に接触するまで剛性本体52内に直接挿入される。最後に、本明細書で説明されるカテーテルパッケージは、キャップ54を追加することによって完成されるが、先行技術のキャップ24は、最初に、フィルタ要素25と組み合わせられなければならず、別の製造ステップを追加することになる。
【0047】
要するに、本容器50の製造上の利点は、有意義であり、利益のマージンが比較的低い製品において有意義な方法でコストを低減する。利益のマージンは、この製品の償還レベルに関する連邦政府の監督により低い。政府が償還レートを設定すると、他の保険業者は速やかに彼らのレートをgovtレートの60~85%に設定する。改良された設計はまた、自動化にも役立ち、従来技術の設計は、主に、ゲルホルダがチューブに組み立てられるとゲルを充填することが困難であるためではない。これは、わずかではあるが利益に不釣り合いな影響を及ぼす製造コストを低減する。
【0048】
図6は、カテーテル60用のゲルキャップ100を追加した間欠的尿道カテーテル用の滅菌容器50の長手方向断面図であり、
図7A~
図7Dは、剛性容器50内からカテーテルチューブを取り出すいくつかのステップを示し、最終的には、潤滑剤ゲルGにより、カテーテルチューブは完全に覆われる。
【0049】
場合によっては、容器50内からのカテーテル60の取り外しにおいて、カテーテルチューブの遠位先端をゲルが完全に覆わないことがあり、その結果、尿道の中への導入を妨害する可能性がある、乾燥先端が生じることがある。このため、ゲルキャップ100が提供される。ゲルキャップ100は、カテーテル60の遠位先端上に嵌合する、ゲルで充填された半球状カップ(hemi-spherical cup)を含む。ゲルキャップ100は、上述のようにカテーテル60がゲル容器70と組み合わせられた後、好ましくは内部空洞72にゲルを充填した後に追加することができる。ゲルキャップ100は、内部のゲルの粘度により、顧客による容器50の出荷および取り扱いの間に、カテーテル60の端部に固着したままである。
【0050】
図7A~7Dは、容器50からのカテーテル60の除去におけるいくつかのステップを示す。カテーテルチューブ64がゲル容器70からスライドして出ると、ゲルGはその外面を被覆する。
図7Bに示す位置では、ゲルキャップ100の近位端の円形フランジ102が、本体52内のゲル容器70の遠位端84に接触する。カテーテル60をさらに引き抜くと、
図7Cに見られるように、ゲルキャップ100はチューブ64の端部から落下する。ゲルGはチューブ64の端部を被覆する。最後に、
図7Dでは、完全に引き抜かれた後、遠位端カテーテルチューブ64は、遠位端およびその長さの大部分がゲルGで完全に被覆される。これにより、尿道への導入が容易になり、時折発生する先端部の乾燥の問題が解消される。
【0051】
図8は、ゲルホルダ124が挿入される間欠的尿道カテーテル122用の代替的な滅菌容器120の分解縦断面図である。以前の例と同様に、滅菌容器120は、細長い閉鎖遠位端128aと、わずかに大きい直径の開放近位端128bとを有する、略管状の剛性本体126を備える。端部キャップ130は、開放近位端128bに係合してこれを封入し、滅菌内部空洞を生成するような大きさを有する。尿道カテーテル122は、尿道に挿入するための遠位チューブ134に取り付けられた近位出口または漏斗(funnel)132を再び有し、このチューブは、尿の浸入のために遠位端付近に少なくとも1つの小穴(eyelet)を有している。説明されるように、組み立て中、カテーテル122のチューブ134は、近位端128b内に配置されたゲルホルダ124を通過し、遠位端128a内の空洞に入るようなサイズを有する。こうして、包装され滅菌された容器120とカテーテル122は、
図3に示すものと非常によく似た組立品を形成し、上記で説明されるような対応する外部寸法を伴う。すなわち、本体126の大きさは、好ましくは、10~15cmの間のような比較的短いものである。
【0052】
図9は、
図8の尿道カテーテル用のゲルホルダ124の斜視図であり、
図9A~9Cは、その直交図である。ゲルホルダ124は、円筒形の外部を有する近位部分138と直列であり、規則的に間隔を置いた螺旋状のフィン(regularly- spaced spiral fins)140によって中断される(interrupted)、円錐形の外部を有する遠位部分136によって規定される、略管状の本体を有する。好ましい実施形態の1つでは、ゲルホルダ124は、シリコーン等のエラストマーから成形され、したがって螺旋状のフィン140は可撓性であるが、ゲルホルダはまた、リサイクル目的のためにポリプロピレンであってもよい。
図9Bおよび9Cの端面図に見られるように、フィン140は、ゲルホルダ124の管状本体の残りの部分から外向き(outward)に放射状に(radially)延在する。
【0053】
円筒形近位部分138の外径は、本体126の近位端128bの内径よりもわずかに小さいサイズであり、フィン140によって規定される回転円(circle of revolution)の外径は、近位端の内径よりも大きい。その結果、可撓性フィン140と近位端128bの内部空洞との間に締まり嵌め(interference fit)が作り出され、この締まり嵌めは、2つの部品を互いに結合するのに有意な力を必要とすることなく、ゲルホルダ124を本体126内に名目上固定(nominally secure)する。
【0054】
図8の断面に見られるように、ゲルホルダ124は、遠位開口部144aに隣接する大きな内側ゲル空洞(gel cavity)142を規定する。近位開口部144bは、円錐形状を有し、ゲル空洞142に開口する内側貫通孔(inner through bore)146に向かって内向きに徐々に先細になる(gradually tapers inward)。テーパ状開口部144bは、最終的な処分(eventual disposal)のために使用後に使用者がカテーテルをパッケージ内に戻すのを容易にする。
図9Bに見られるように、遠位開口部144aは、スカラップ形(scalloped)の内側縁部を規定する内向きフランジ(inwardly-directed flange)148によって形成される。内側貫通孔146は、一連の規則的に間隔をあけた内向きリブ(a series of regularly-spaced inwardly-directed ribs)150を特徴とし、図示の実施形態では3つの三角形リブがある。ゲルホルダ124はさらに、遠位部分136の壁を通って延在し、ゲル空洞142に開口する側部ポート(side port)152を含む。
【0055】
滅菌カテーテル容器120およびカテーテル122の組み立ては、側部ポート152を通るゲルGによるゲル空洞142の充填で開始する。ゲル空洞142をゲルGで充填する前または後に、カテーテル122のチューブ134を近位開口部144bに挿入し、そこからゲルホルダ124を長手方向に貫通する(all the way longitudinally through the gel holder 124)。近位開口部144bのテーパ形状は、カテーテルのチューブ134をゲルホルダ124内に導くのに役立つ。カテーテルのチューブ134は、ゲルホルダ124を越えて遠位に延在し、次いで、アセンブリは、ゲルホルダ124が本体内に完全に入るまで、本体126の開放近位端128bに挿入される。外向きフィン140は、それらの間に名目上の締まり嵌め(nominal interference fit)を提供する。内向きリブ150は、チューブ134の外径とほぼ同じである回転円を規定する。同様に、遠位フランジ148のスカラップ形の内縁の最内点は、チューブ134の直径とほぼ同じである回転円を規定する。その結果、カテーテル122のチューブ134は、ゲルホルダ124によって本体126の長手方向軸に沿って位置合わせされる。近位の漏斗(proximal funnel)132の一部分は、把持を容易にするために本体126から突き出たままであり、次いで、キャップ130は、滅菌パッケージを封入するために近位端128bの周囲に係合される。
【0056】
使用者が尿道カテーテル122を利用しようとする時には、単純にキャップ130を取り外し、近位の漏斗132を把持することによって本体126内からカテーテルを引っ張る。カテーテルのチューブ134がゲルホルダ124を通って引き抜かれると、ゲルGがその外側を被覆するので、チューブは尿道内に容易に挿入され得る。スカラップ形の遠位フランジ148と内側貫通孔146の内向きリブ150との両方は、カテーテルのチューブ134の周囲に中断された環状空間(interrupted annular spaces)を形成し、これは、チューブへのゲルGの薄層の適用を可能にするが、過剰なゲル適用を回避するような種類のワイパーとして作用する。
【0057】
図10は、代替的なゲルホルダ154が挿入される間欠的尿道カテーテル用のさらなる滅菌容器120’の分解縦断面図である。滅菌容器120’は、上述の滅菌容器120と実質的に同じであり、したがって、同様の部品には同様の参照番号が付される。すなわち、滅菌容器120は、細長い閉鎖遠位端128aと、わずかに大きい直径の開放近位端128bとを有する略管状の剛性本体126を備える。端部キャップ130は、開放近位端128bに係合してそれを封入し、滅菌内部空洞を形成するような大きさを有する。尿道カテーテル122は、尿道に挿入するための遠位チューブ134に取り付けられた近位出口または漏斗132を有し、チューブは、尿進入のための遠位端付近に少なくとも1つの小穴を有する。カテーテル122のチューブ134は、組み立て中には近位端128a内に配置されたゲルホルダ154を通過し、遠位端128a内の空洞に入るようなサイズを有する。
【0058】
図11は、
図10の尿道カテーテルのためのゲルホルダ154の管状構成要素の斜視図であり、
図11Aおよび11Bは、その直交図である。この実施形態におけるゲルホルダ154は、管状本体156および遠位端キャップ158という2つの構成要素の組み立て体である。管状本体156は、上述のゲルホルダ124の主要部分とよく似ており、円錐形の外部を有する遠位部分160と、外向きフィン164を有する近位部分162とを有する。再び、本体156は、好ましくは、エラストマーまたはPPで成形され、可撓性フィン164は、剛性本体126の近位端128b内に締まり嵌めを生成するような大きさとされる。
【0059】
遠位端キャップ158は、環状ディスク部分166と、その近位面から長手方向に延在する複数の歯(teeth)168とを有する。
図10に見られるように、エンドキャップ158は、本体156の遠位端に結合し、歯168は、歯の外向きに向けられた突起が本体の遠位端の内向きに向けられたフランジと係合するゲル空洞170の中へ短い距離を(in a short way)突出する。本体156およびエンドキャップ158の両方は、歯168が容易に内向きに屈曲して端部フランジを越えて通過し得るように、エラストマーで成形される。ゲル容器154を2つの構成要素156、158のアセンブリとして形成することは、内側ゲル空洞170の形状を作り出すのに必要な型を単純化する。
【0060】
遠位端キャップ158は、カテーテルチューブ134のための貫通孔を規定する内側開口部172をさらに有する。内側開口部172は、チューブ134の外径とほぼ同じサイズにされ、ゲルを封止し、ゲルがチューブを越えて閉鎖遠位端128aに移動しないようにすることができる。本体156は、ゲル空洞170に開口する内側貫通孔176に向かって内向きに徐々に先細になる円錐形状を有する近位開口部174をさらに含む。この場合も、このテーパは、使用後に使用者がカテーテルをパッケージ内に戻すのを容易にする。
図11Bに見られるような軸方向リブ178は、貫通孔176とカテーテルチューブ134との間に、適度な量の潤滑ゲルの適用を調節するのに役立つ小さい環状空間を生成するように提供されてもよい。
【0061】
滅菌カテーテル容器120’およびカテーテル122を組み立てるために、ゲル空洞170は、遠位端キャップ158の中央開口部172を通してゲルGで充填される。ゲル空洞170をゲルGで充填する前または後に、カテーテル122のチューブ134を近位開口部174に挿入し、そこからゲルホルダ154を長手方向に貫通する。カテーテルチューブ134は、ゲルホルダ156のフィン164が近位端128bの内壁に接触するまで、本体126の遠位端128a内の空洞内に延在する。カテーテル122のチューブ134は、再びゲルホルダ156によって本体126の長手方向軸に沿って位置合わせされる。近位漏斗132の一部分は、把持を容易にするために本体126から突き出たままであり、次いで、キャップ130は、滅菌パッケージを封入するために近位端128bの周囲に係合される。
【0062】
折り畳みゲル容器
尿道カテーテルを滅菌容器内に予め組み立て、適切なゲル適用を確実にする別の方法は、折り畳み可能なゲルホルダをカテーテル自体に結合することである。折り畳み式ゲルホルダを提供することによって、ゲルは、カテーテルの外部に容易に適用され得、その後、ゲルホルダは、剛性外側本体の中への挿入のためにコンパクトな構成に折り畳まれる。
図13Aは、
図14A~14Cに示す折り畳み可能なゲルホルダ182を有する尿道カテーテル180の予備組立体を示す側面図であり、
図13Bは、ゲルホルダが滅菌容器の剛性本体184に挿入されている組立体の側面図である。図示されていないが、剛性本体184は、サイズおよび構成が上述のものと同様であってもよく、エンドキャップ(図示せず)によって閉鎖されてもよい。
【0063】
図14A~
図14Cを参照すると、折り畳み可能なゲルホルダ182は、円錐形の外面を有する遠位部分186によって規定され、円筒形の外面を有する近位部分188と直列であり、規則的に離間した螺旋フィン190によって中断される略管状の本体を備える。一対の折り畳みアーム192は、リビングヒンジ(living hinge)などを用いて遠位部分186の遠位端に枢動可能に接続される。アーム192は、ゲルホルダ182の長手方向軸に対して概ね垂直になるように、
図13Aに見られるように枢動して開き、次いで、長手方向軸に沿って
図13Bに見られるように枢動して閉じることができる。アーム192の各々は、その長さの大部分に沿って半円形の断面を有し、半円形の開口部198が内部に形成された端壁196で終端する中空シェル194によって形成される。2つのアーム192が、
図13Cの断面図に見られるように、閉鎖構成に合わせられると、ゲル空洞が、2つの並置された半円形開口部198によって形成される遠位開口部を有するシェル194内に形成される。
【0064】
アーム192のそれぞれはまた、剛性本体184の内壁に係合するように大きさが決定される(sized)、外向きに延在する突起(projection)またはウェッジ(wedge)200を有してもよい。したがって、ウェッジ200は、外向きに突出するフィン190とともに、剛性本体184内でゲルホルダ182の中心を位置決めし(center)、固定(secure)する。
【0065】
ゲルホルダ182を形成する折り畳みアーム182を有することの利点が、
図13Aおよび13Bの組立スナップショットによって見られる。カテーテル180は、まず、アーム192が開いた状態で、ゲルホルダ182の管状本体の中央貫通孔を通して挿入される。ゲルGは、次いで、示されるように、カテーテル180のチューブの短い部分の周りに適用される。
図13Bに見られるように、アーム192が閉鎖位置に枢動されると、アセンブリは、剛性本体184内に挿入されてもよい。可撓性または軟質ウェッジ200およびフィン190は、剛性本体184の内側に係合して、ゲル容器182を中央に整列させ、定位置に保持する。最後に、上述のクロージャまたはキャップが剛性本体184の近位端の周りに固定され、したがってパッケージ内の無菌状態を維持する。これらのステップは、製造の節約のために容易に自動化され得る。
【0066】
キャップが引き抜かれると、カテーテル180は、ゲルGがカテーテルチューブの外側に適用された状態で容器から引き抜かれ得る。
図14Bに見られるような内向きリブ202は、ゲルホルダ182の管状部分の貫通孔内に提供され、カテーテルチューブへのゲルGの均等かつ非過剰な適用を確実にしてもよい。
【0067】
図15Aは、代替的な折り畳み可能なゲルホルダ206を有する尿道カテーテル204の予備組立体を示す側面図であり、
図15Bは、滅菌容器の剛性本体208に挿入されているゲルホルダを有する尿道カテーテルの組立体の側面図である。概して、折り畳み可能なゲルホルダ206は、
図13Aおよび
図13Bに関して上述したゲルホルダ182と同様に機能し、折り畳み構成は異なる。
【0068】
具体的には、
図16Aおよび16Bに見られるように、折り畳み可能なゲルホルダ206は、外側フィン212を有する略管状の近位部分210を備える。遠位部分は、いくつかの、この場合には3つの長手方向にヒンジ連結された部分214を備え、これらは、
図15Aに示され見られるように開き、次いで、略円筒形のゲル空洞をその中に形成するように枢動して閉じられ得る。より具体的には、ヒンジ部分214の各々は、組み立てられたゲルホルダ206の約120°の外側スパン(outer span)を規定し、各々が平坦な端壁セグメント218を有する中空シェル216を備える。
【0069】
図17Aは、折り畳み動作を示すゲルホルダ206の中間部を通る断面図である。ヒンジ部分214を閉じて折り畳むと、
図17Bに見られるように、端壁セグメント218が一緒になって遠位開口部220を規定する。
【0070】
図15Aは、カテーテル204がゲルホルダ206の管状本体210の中央貫通孔を通して挿入され、ヒンジ部分214が枢動して開放される、組立て手順の第1のステップを示す。ゲルGは、次いで、示されるように、カテーテル204のチューブの短い部分の周りに適用される。ヒンジ部分214が、
図15Bに見られるように、閉鎖位置に枢動されると、アセンブリは、剛性本体208内に挿入されてもよい。可撓性または軟質フィン212は、剛性本体208の内側に係合し、ゲル容器206を中央に整列させ、定位置に保持する。最後に、上述のクロージャまたはキャップが剛性本体208の近位端の周りに固定され、したがってパッケージ内の無菌状態を維持する。この場合もやはり、これらのステップは、製造を容易にするために容易に自動化することができる。
【0071】
キャップが引き抜かれると、カテーテル204は、ゲルGがカテーテルチューブの外側に適用された状態で容器から引き抜かれ得る。
図16Bに見られるような内向きリブ222は、ゲルホルダ206の管状本体210の貫通孔内に提供され、引き抜かれる際に、カテーテルチューブへのゲルGの均等かつ非過剰な適用を確実にしてもよい。リブ222はまた、組み立て中にゲルホルダ206をカテーテル204上に保持する働きをする。
【0072】
内部ゲル空洞を形成するバルクヘッド/分割壁/インサート
無菌容器内で尿道カテーテルを事前に組み立て、適切なゲル適用を確実にするためのまたさらなる方法は、ゲルが挿入され得る内部容積を隔離するバルクヘッドまたは仕切り壁を使用して剛性外側本体内に内部空洞を形成することである。様々な解決策が企図され、1つの利点は、成形および/または製造プロセスの単純化であり、したがってコストを低減することである。
【0073】
内部空洞を形成するためにバルクヘッドまたは壁を使用する基本的な考え方は、シリコーンゲルホルダの排除であり、これは、作製するのに費用がかかり、組立てを自動化するのが困難であり得る。ゲルホルダは、装置の本体内の2つの壁またはバルクヘッドによって置き換えられる。本体は、1つの部品または2つ(またはそれ以上)の部品のいずれかであり得る。2部品設計(2-pc design)の利点は、より短いセグメントの製造がより容易であり、内部バルクヘッドの一方または両方を組み込むことができ、したがって部品点数を節約できることである。マルチピース(multi-piece)本体は、スピン溶接、超音波溶接、溶剤接合、接着剤接合などの溶接または接合技術を用いて組み立てられる。スピン溶接は、非常に迅速な作業であり、自動組立ラインの一部として容易に作られる。
【0074】
カテーテルの先端に最も近い遠位バルクヘッドは、チューブにぴったりとフィットし、挿入された構成要素であるか、または本体に成形され得る。遠位バルクヘッドは、カテーテルを封止するために、より軟質のデュロメータ(durometer)材料で成形された締まり嵌め内側リング(tight fitting inner ring)を含むことができる。1つの概念は、全ての部品が、現行の外側ケースよりも柔らかいデュロメータとなるポリプロピレン(PP)材料、(PP)ブレンドまたはポリエチレン(PE)で成形されることである。全ての部品を同じ材料で作ることは、使用後にリサイクル可能であるという利点を有する。近位バルクヘッドは、インサートとカテーテルチューブとの間のわずかな間隙を可能にし、チューブが引き抜かれるときにゲルが薄い層に分布することを可能にするように設計される。わずかな間隙が、カテーテルを主要ID(main ID)から離して保持するために、近位バルクヘッドID内のスタンドオフ(stand-offs)を使用することによって生成される。これらのスタンドオフはまた、組立て中にチューブ上にインサートを保持する組立て補助として機能する。この近位バルクヘッドは、ゲル分配および最終組立ての前にチューブに組み立てられる別個のインサートであるか、または2部品の本体設計で本体の近位部分に成形されるかのいずれかである。バルクヘッド、インサートおよび仕切り壁という用語は、ある内部空洞を別の内部空洞から分離する役割を果たす、剛性本体を横断して横断して延在する内部障壁を提供するという点において、本質的に同義であることを理解されたい。間隔を空けて配置された2つの内部障壁が、ゲル空洞を形成し、それぞれが、尿道カテーテルのチューブの通過のための貫通孔を含む。
【0075】
図18は、内部ゲル空洞を規定する内部離間バルクヘッドを有する尿道カテーテル用の滅菌容器228の長手方向断面図である。滅菌容器は、閉鎖部またはキャップ232を受容する開放近位端の反対側に閉鎖遠位端を有する、PPまたはPEで成形された剛性本体230を含む。本体230のサイズおよび形状は、上述したものと同様であり、好ましくは10~15cmの間と、比較的短いものである。
【0076】
滅菌容器228は、
図19に見られるような、尿道カテーテル234を受け入れるためにその長さに沿って概して中空であり、中空の内部を3つの空洞に分離する2つの内壁またはバルクヘッドを有する。より具体的には、遠位バルクヘッド236は、本体230の内壁に成形され、
図18Aの拡大図に示されている。遠位バルクヘッド236は、望ましくは、本体230の内部に円形に延在し、遠位空洞238aと中間空洞238bとの間の境界を規定する。近位バルクヘッド240は、本体230内の中空空間に挿入され、中間空洞238bと近位空洞238cとの間の境界を規定する、別個の略管状部品を備える。
【0077】
図19は、その中に尿道カテーテル234が格納され、ゲルGがバルクヘッド236、240の間の中間空洞238bに配置された状態の滅菌容器228の長手方向断面図である。中間空洞238bは、そのように前述のゲルホルダの代わりとなる。遠位バルクヘッド236の内径は、カテーテル234のチューブの外径とおよそ同じであり、したがって、ゲルが遠位空洞238aに移動するのを防止する。
【0078】
図示の実施形態では、遠位バルクヘッド236は、ある点まで先細になり、近位方向にわずかに湾曲する薄い内向き円形突起によって形成され、ワイパーとして作用するが、内部成形プロセスも容易にする。本体230は、リサイクル目的でポリプロピレンなどの剛性材料で形成されてもよく、遠位バルクヘッド236は、ある程度可撓性であるほど薄い。本体230の厚さは、遠位空洞238aを取り囲む遠位領域において増加され得ることにも留意されたい。これは、
図18Aにおけるtdからtpへの厚さの変化によって示される。遠位端における厚さは、カテーテル234のチューブの直径に応じて変化し、それによって、より厚い壁は、バルクヘッド236によって規定される細孔(orifice)を低減する。例えば、女性による使用のためのカテーテルチューブは、8~16フレンチ(French)の間、または2.7~5.3mmの間で変動する。したがって、本体230の遠位端の壁の厚さは、より小さいカテーテルに対してより厚くされる。
【0079】
近位バルクヘッド240は、カテーテル234のチューブの外径よりもわずかに大きく、したがって2.7~5.3mmである貫通孔242を有する略管状の中実部材によって形成される。本体230の内壁231は、開放近位端からその長さに沿って約3分の1の点まで直径が先細りになっており、それにより、バルクヘッド240は、図示のように、内壁内に詰まる前に、本体内に短い距離(short distance)挿入され、押し込まれ得る。先細りの入口243は、カテーテル234のチューブを貫通孔242に入れて通過させるのを容易にする。バルクヘッド240の外部構造的特徴または本体230の内壁231の内部構造的特徴を、それらの間に摩擦または干渉を提供し、中空内部内の所定の深さへのバルクヘッド240の挿入を可能にするように成形するためのいくつかの方法がある。
【0080】
滅菌容器228の組立ては、最初に近位バルクヘッド240をカテーテル234のチューブ上に配置することを含む。望ましくは、バルクヘッド240の貫通孔242は、チューブの周囲に締まり嵌め(interference fit)を提供するように大きさが決定される内側軸方向リブ(図示せず)を有する。所定の体積のゲルGが、近位バルクヘッド240の下のカテーテルのシャフトに容易に添加されてもよく、その後、尿道カテーテル234は、
図19に示される位置に挿入され、キャップ232は、滅菌のために近位端上に固定される。したがって、ゲルGは、中間空洞238b内に拘束され、本体230から引き抜かれるときにカテーテル234のチューブの遠位端を覆うために利用可能である。貫通孔242は、ゲルGの均一な比較的薄い層がチューブに沿って遠位先端に適用されるように、チューブよりもわずかに大きい。
図16Bの222で上に示されるような内側軸方向リブもまた、アセンブリを可能にし、カテーテルチューブを中心化し、適用されるゲルGの量を調節するために、貫通孔242内に含まれてもよい。
【0081】
図20は、予め組み立てられた構成の尿道カテーテル246とともに、さらに別の滅菌容器244の分解側面図であり、
図21は、組み立てられた滅菌容器および尿道カテーテルの長手方向断面図である。容器244は、再び、ゲルの挿入のために内部空洞を隔離する内部バルクヘッドを有するが、
図19の実施形態とは対照的に、バルクヘッドは両方とも別個の部品であり、剛性本体248に成形されない。
【0082】
具体的には、まず、遠位バルクヘッド250aを中空本体248内に所定の深さで挿入する。本体248の内壁は、バルクヘッド250aが特定の点で動かなくなるようにテーパ状であってもよく、またはバルクヘッドの前進を停止するために内側リブまたは他のそのような内向きの突起が設けられてもよい。同様に、近位バルクヘッド250bは、2つのバルクヘッドの間に間隔を作り出す深さまで中空本体248に挿入される。一変形形態では、両方のバルクヘッド250a、250bは、本体248の管腔(lumen)内への挿入を容易にするためにわずかに先細になっている。バルクヘッド250a、250bの外部構造的特徴および/または中空本体248の内壁の内部構造的特徴は、バルクヘッドが中空内部内で所定の離間した深さまで挿入され得るように構成されることを理解されたい。
【0083】
この時点で、ゲルGが、2つのバルクヘッド250a、250bの間の空間に添加されてもよく、次いで、カテーテル246が挿入され、その上にキャップが固定されてもよい。しかしながら、別の組立方法は、
図20に見られるように、近位バルクヘッド250bをカテーテル246のチューブの周囲に連結し、次いで、示されるように、単に、ゲルGをチューブの外部に適用することである。カテーテル246のサブアセンブリおよび近位バルクヘッド250bは、主要本体248の中へ、遠位バルクヘッド250aを通して挿入され、
図21のアセンブリをもたらすことができる。
【0084】
図22は、2つの同一の成形半体254a、254bおよび滅菌端部キャップ256を含むさらなる滅菌容器252の構成要素の上面図である。各半分は、近位端258から遠位端260まで延在する外壁を伴う、略半円筒形トラフの形態の単一成形部品である。外壁は、長手方向の部分空洞を規定し、一対のバルクヘッド262a、262bは、長手方向軸に対して垂直に空洞を横切って延在する。バルクヘッド262a、262bのそれぞれは、近位側にテーパ状の入口開口部を有する貫通孔263を規定する。これらのテーパは、最終的な処分のために使用後に使用者がカテーテルをパッケージに戻すのに役立つ。2つの半体254a、254bは両方とも、片側が単一の平面内にある(ページの外側に面する)ので、矢印で示すように、一緒に面一にすることができる。2つの半体254a、254bは、共にシールされて、組み立てられた容器252を形成する。
【0085】
図23は、滅菌容器252および尿道カテーテル264の組み立てられた状態の長手方向断面図である。カテーテル264のチューブは、バルクヘッド262a、262bの両方を通って遠位空洞内に延在する。中間空洞266は、外壁の中空内部で且つバルクヘッド262aと262bの間で規定され、潤滑剤のゲルGを充填することができる。カテーテルの近位端は容器の近位端258の外側に僅かに突出し、滅菌のためにキャップ256が適用される。
【0086】
潤滑剤ゲルGは、両半体254a、254b内の中間空洞266に注入されてもよく、カテーテル264は、半体が一緒になる前に半体の一方に落下する。望ましくは、2つの半体254a、254bは、封止され、次いで、キャップ256を追加する前に圧力試験される。2つの半体254a、254bの間の密閉シールは、圧入、音波溶接、溶剤結合、または接着剤を使用することによって形成されてもよい。この場合もやはり、容器252は、望ましくはポリプロピレンで成形され、その結果、再利用することができる。代替アセンブリでは、容器252を最初に形成し、その後、所定の体積のゲルGを近位バルクヘッド262aを通して中間空洞266に挿入し、次いで、カテーテル264を挿入し、キャップ256を適用する。
【0087】
図24Aおよび24Bは、組み立て前のクラムシェル型の滅菌容器270の上面図および端面図であり、尿道カテーテル272およびその中に予め組み立てられた構成で配置されたゲルGを示す。
図25Aおよび25Bは、組み立てられたクラムシェル型滅菌容器270および尿道カテーテル272の上面図および端面図である。
【0088】
容器270は、リビングヒンジ276で接続された2つの同一の半体274a、274bによって形成された単一の成形部品を含む。半体274a、274bのそれぞれは、長手方向部分空洞を規定する外壁277によって形成される略半円筒形のトラフ(trough)と、チャネルを横切って横方向または横断方向に延びる一対の半体バルクヘッド278a、278bとによって規定される。半バルクヘッド278a、278bのそれぞれは、半円形構成の中央インデント279を規定する。図示されていないが、各インデント279の近位側にテーパ状の入口を追加してもよい。2つの半体274a、274bが、それらをリビングヒンジ276の周りで枢動させることによって、矢印によって示されるように一緒にされるとき、半体バルクヘッド278a、278bは、インデント279がともに円形貫通孔を形成するように、完全バルクヘッドを形成するように整列する。望ましくは、2つの半体274a、274bは、それらの接触点においてともにシールされ、次いで、キャップを追加する前に圧力試験される。
【0089】
図25Aおよび25Bのアセンブリは、遠位端が容器270の空の遠位空洞内に位置する、接合されたバルクヘッド278a、278bを通過するカテーテル272を示す。2つのバルクヘッド278a、278bの間の中間空洞280に提供されるゲルGは、カテーテル272が容器から引き出されるときに被覆されることを可能にする。上記の方法と同様の方法で、ゲルは、容器270の組み立ての前または後に添加することができる。例えば、
図24Aは、容器の下半分274b内に静止しているカテーテル272と、バルクヘッド間の両方の部分空洞内に提供されるゲルGとを示す。次いで、2つの半体274a、274bを合わせて密封し、無菌のためにキャップを追加することができる。代替として、容器270は、カテーテル272を伴わずに組み立てられてもよく、その時点で、所定の体積のゲルGが、近位バルクヘッド278a内の貫通孔を介して中間空洞280の中へ注入されてもよい。
【0090】
図26Aは、尿道カテーテル滅菌容器の剛性本体の2つの構成要素282a、282bの分解縦断面図である。近位構成要素282aは、長手方向に延在する略管状の外壁283を有し、横断バルクヘッド284は、中間部を横断して配置される。バルクヘッド284は、
図26Bに最もよく見られるように、複数の内向きに延在する軸方向リブ286を伴う貫通孔285を有する。遠位構成要素282bは、中空空洞につながるテーパ状の入口開口287を有する略円錐形の外形を有する。組み立てられた滅菌容器288は、
図27Bに見られるように、2つの構成要素282a、282bは、共に連結され、縦軸に沿って整列され、エンドキャップ289は、尿道カテーテル290を収容する。結合されると、ゲルGで充填された中間空洞291が、近位構成要素282aのバルクヘッド284と遠位構成要素282bの入口開口287との間に形成される。先細りの入口開口287の狭い端部は、カテーテル290のチューブの外径とほぼ同じサイズであり、したがって、ゲルGは、遠位構成要素282bの空洞内に延在しない。
【0091】
図27Aは、尿道カテーテル290および潤滑ゲルGと予め組み立てられた近位構成要素282aの長手方向断面図である。次いで、このプレアセンブリを遠位構成要素282bに結合し、エンドキャップ289を追加して容器288を完成させることができる。これにより、中間空洞291内にゲルGを容易に添加することができる。遠位構成要素282bの近位端292は、近位構成要素282aの遠位端と嵌合する。図示される実施形態では、遠位構成要素282bは、近位構成要素282aの中間空洞291の壁内に緊密に嵌合する、階段状近位端292を有するが、他の噛合配列(mating arrangement)も検討される。再度、2つの構成要素は、種々の溶接または接着方法によってともに固定されてもよい。カテーテル290を引き抜くとき、バルクヘッド284の貫通孔285内の軸方向リブ286は、カテーテル290のチューブの外面上の潤滑剤ゲルGの均等な分布を容易にする。
【0092】
図28および29は、内部バルクヘッドを有する尿道カテーテル用のまたさらなる滅菌容器の分解図であり、それぞれ1部品および2部品の剛性本体とともに示されている。
図28は、開放近位口295の反対側に閉鎖遠位端を有する、略砂時計形状の外部を有する単一構成要素中空本体294を図示する。テーパ状のバルクヘッド296は、近位口295を通して本体294の内部に嵌合し、尿道カテーテル(図示せず)の挿入後、エンドキャップ297が滅菌のために追加される。
図29は、ほぼ同一のアセンブリを示すが、本体は、近位構成要素294aおよび遠位構成要素294bの組み合わせによって形成される。
【0093】
ここで
図30を参照すると、
図29の滅菌容器の2部分剛性本体の長手方向断面図は、近位構成要素294aと遠位構成要素294bとの間の接合部に形成された遠位バルクヘッド298を示す。近位および遠位空洞は、遠位バルクヘッド298の両側に形成され、それぞれ、容器の砂時計外形を反映するようにテーパ状である。
図30Aは、遠位バルクヘッド298の拡大図であり、
図31は、尿道カテーテル300および近位バルクヘッド296と組み立てられて示される滅菌容器の側面図である。滅菌エンドキャップ297(
図29)はまた、その中に尿道カテーテル299を封入するように追加されるであろう。
【0094】
遠位バルクヘッド298は、尿道カテーテルのチューブの外径とほぼ同じチューブの径を有する貫通孔301を規定する。図示される実施形態では、バルクヘッド298は、近位構成要素294aの狭窄または段付き遠位端によって規定され、これはまた、そこを通る尿道カテーテルの挿入を容易にするためのテーパ状入口302も規定する。当然ながら、バルクヘッド298はまた、遠位構成要素294bの狭窄または段付き近位端によって規定されてもよく、バルクヘッドは、単に、2つの構成要素の間の接合部における狭窄である。近位バルクヘッド296は、例えば
図21のバルクヘッド250などの上述のものと同様であってもよい。図示の実施形態では、近位バルクヘッド296は、外向きに円筒形の近位端304と直列の外向きに円錐形の遠位端303によって形成される略管状の本体を有する。一連の可撓性フィン305は、近位端304から外向きに延在し、近位構成要素294a内に規定されたテーパ状空洞内にバルクヘッド296を保持するのに役立つ。
【0095】
以前の例と同様に、容器構成要素294a、294bは、望ましくはポリプロピレンで成形され、様々な溶接または接着方法を使用して互いに結合される。
図31の完成したアセンブリ(エンドキャップ297を除く)は、近位バルクヘッド296と遠位バルクヘッド298との間に中間空洞306を規定する。空洞306は、上記で説明されるように、尿道カテーテル300の追加前または後に、ゲルGで充填されてもよい。好ましくは、近位バルクヘッド296は、最初に、尿道カテーテル300の周囲に事前に組み立てられ、ゲルGは、バルクヘッドのすぐ遠位のカテーテルのチューブの周囲に適用される。次いで、プレアセンブリは、近位バルクヘッド296がそのテーパ状内部内にくさび留めされるまで、構成要素294a、294bによって形成される中空容器に挿入される。
【0096】
図32A~32Bは、間欠的尿道カテーテル用の2つの異なる滅菌容器310の側面図である。2つの容器310は、異なるキャップ閉鎖部(cap closure)を除いて同一である。容器310は、上側開放端の反対側の下側閉鎖端を有する略管状の本体312を含む。閉鎖キャップ316は、各本体312の上部開放端に係合して、その内部を封止する。
図32Aでは、キャップ316は、上述のように摩擦によってまたは干渉リブによって本体に係合するが、
図32Bでは、キャップ316は、本体の口の雄ねじ(external thread)に係合する一連の雌ねじ(internal thread)を有する。
【0097】
カテーテル314のチューブは、本体312のそれぞれの内部に規定された中空内部へと下方に延在する。前記チューブは、中空内部の内径より小さく、その間に同心円状の空間(concentric space)318を形成する。潤滑ゲル(図示せず)は、カテーテル314の挿入前に空間318内に提供され、その結果、ユーザがカテーテルを取り外すと、ゲルコーティングされ、使用の準備ができている。本体312の内側管腔(inner lumen)は、丸みを帯びたデッドエンド313まで実質的に円筒形であるが、上部口に開口するテーパ状の上部315を有することに留意されたい。カテーテル314は、上部315内に密接に適合するテーパ状の出口または漏斗317を有する。加えて、エラストマーシール(elastomeric seal)またはカラー(collar)319が、漏斗317の底部に提供され(好ましくは、それとともに成形され)、本体管腔の円筒形部分に係合するように大きさが決定される。したがって、カラー319は、同心円状の空間(concentric space)318内のゲルを封止する。
【0098】
図33A~33Bは、間欠的尿道カテーテルのためのさらなる滅菌容器320の側面図である。前述のように、容器320は、上部開放端の反対側の下部閉鎖端および中空内部を有する、略管状であるが内向きにテーパ状である主要本体322を含む。閉鎖キャップ326は、各本体322の上部開放端に係合し、摩擦を通して、干渉リブ(interfering rib)を用いて、または図示されるように噛合ねじ山(mating thread)を用いて、その内部を密閉する。
【0099】
カテーテル324のチューブは、本体322内に規定された中空内部へと下方に延在する。前記チューブは、中空内部の内径よりも小さく、その間に同心空間328を形成する。潤滑ゲル(図示せず)は、カテーテル324の挿入前に空間328内に提供され、その結果、ユーザがカテーテルを取り外すと、ゲルコーティングされ、使用の準備ができている。内向きテーパ状本体322および内側空間328は、中間部分において狭窄し、潤滑ゲルは、本体322の中空内部の遠位端のみに堆積され、これは、カテーテル除去時に除去されるゲルの量を減少させるのに役立ち、したがって、混乱を低減するのに役立つ。本体322の内側管腔(inner lumen)は、丸みを帯びたデッドエンド323まで浅い砂時計形状(hourglass shape)を有するが、上部口まで広がるテーパ状の上部325を有することに留意されたい。カテーテル324は、上部325内に密接に嵌合し、カテーテルの内腔(lumen)と流体連通(fluid communication)する、テーパ状出口または漏斗327を有する。加えて、エラストマーシールまたはカラー329が、漏斗327の底部に提供され(好ましくは、それとともに成形され)、本体管腔の狭窄部分に係合するように大きさが決定される。したがって、カラー329は、同心空間328内のゲルを封止する。本体322は、カテーテル324の遠位先端を見ることができる角度付き遠位端330をさらに含む。角度付き遠位端330はまた、製造上の制約に応じて、正方形にされてもよい。
【0100】
図34は、間欠的尿道カテーテル用のさらに別の滅菌容器340の側面図である。容器340の外側構成要素は、嵌合ねじ山などでキャップ344によって閉鎖され得るテーパ状本体342を含む。
図35は、カテーテルチューブ352の近位端に出口350を有するカテーテルの断面図であり、カテーテルチューブは、閉鎖した遠位端を有する略管状のゲルホルダ354内に挿入される。ゲルホルダ354およびカテーテルのアセンブリは、
図34において容器340の本体342の中空内部内に配置されるように見える。好ましい実施形態では、ゲルホルダ354は、テーパ状本体342内に密接に嵌合するテーパ状構成を有する。テーパ状ゲルホルダ354の頂部における外向きに突出する円形フランジ356は、ゲルホルダを本体内に固定するように、本体342の徐々に狭くなる内壁と締まり嵌め(interference fit)で接触するように大きさが決定される。あるいは、フランジ356は、ゲルホルダ354が本体342内に留まることを確実にするために、ゲルホルダ354内の小さな内向き円形リブ(図示せず)を通過させられてもよい。
【0101】
円形フランジ356は、カテーテルチューブ352がゲルホルダの内部空洞に挿入される中央開口部を規定する。中央開口部より大きいカテーテル出口350の基部の環状シールまたはカラー357は、ゲルホルダ354の空洞内にゲルGを維持するのに役立つ。本明細書で説明されるある他の実施形態と同様に、同心空間が、潤滑剤ゲルGで充填され得る内部空間内のカテーテルチューブ352の周囲に提供される。円形フランジ356の中央開口部は、
図35Aに示すように、カテーテルチューブ352の外径Dよりもわずかに大きい内径Aを有する。ユーザがゲルホルダ354内からカテーテルを引き抜くと、
図36に見られるように、ゲルGがカテーテルチューブ352の外側を被覆する。カテーテルチューブ352と中央開口部との間に形成される間隔は、そうでなければチューブに付着するかもしれないゲルGの大部分を拭き取るが、その上に薄いコーティングを残す。一実施形態では、カテーテルチューブ352の直径Dは、8~16フレンチ、または約2.7~5.3mm(3Fr=1mm)の範囲である。中央開口部の直径Aは、望ましくは、対応するカテーテルチューブ直径よりも約1~2mm大きいか、または3.7~7.3mmである。ゲルリザーバ354の内部空洞の全体がゲルGで満たされているので、カテーテル352の遠位先端もゲルで覆われて現れる。
【0102】
半径方向スコアライン(Radial score lines)358は、ゲルホルダ354の成形を可能にする。フランジ356のアンダーカット(undercut)設計があり、スコアライン358は、部品取り出し中にフランジが屈曲して開くことを可能にすることによって、金型コアの除去を可能にする。
【0103】
図37は、間欠的尿道カテーテルのための代替的な滅菌容器360の長手方向断面図である。この例では、容器360は、一端が閉鎖され、他端が開放された略管状の本体362を含む。カテーテルチューブ364は、出口366が外側に残るように本体362の開放端内に挿入される。キャップ368は、次いで、本明細書で説明される手段のうちのいずれかを使用して、主要本体362の周囲に固定される。キャップ368は、好ましくは、中実端部370を有する。
【0104】
障壁または仕切り壁372は、本体362の内部容積を近位の第1のセクション374と遠位の第2のセクション376とに分離する。仕切り壁372は、カテーテルチューブ364の外径よりもわずかに大きいサイズの中央開口であり、チューブが開口を通過し、遠位部分がゲルGで充填され得る第2のセクション376内に存在するようになっている。したがって、仕切り壁372は、閉じた本体362の遠位端にゲルGを保持するのに役立ち、カテーテルを引き抜く際の混乱を低減する。カテーテルが引き抜かれると、カテーテルは、その遠位長さおよび遠位先端に沿ってゲルGでコーティングされて現れる。仕切り壁372の開口とカテーテルチューブ364の外径との間の直径の差は、
図35のゲルホルダ354について上述したものと同じであってもよい。すなわち、直径AおよびBは、
図37および37A~37Bの実施形態において同じであり得る。
【0105】
図37A~37Bは、
図37の滅菌容器360の構成要素の代替構成の分解図である。
図37Aの第1の実施形態では、仕切り壁372は、本体362内の成形バルクヘッドによって形成される。逆に、
図37Bに示す実施形態では、仕切り壁372は取り外し可能な環状ディスク(annular disk)である。この実施形態は、製造がわずかに容易であるが、ディスク372を本体362内に保持するように収容しなければならない。一実施形態では、環状ディスク372は、接着剤で本体362の内側に保持される。別の実施形態では、ディスクは、リング形状の受容空洞の中へのスナップ嵌合によって、定位置に保持される。
【0106】
図8~37に示す実施形態の各々において、カテーテルは、約10~15cmの範囲の長さを有することができ、これは、カテーテルを女性患者に使用するのに特に適したものにする。容器全体は、好ましくは、カテーテルよりも1~2cm以下長い長さを有する。したがって、長さ10cmのカテーテルは、11~12cmの容器に包装され、長さ15cmのカテーテルは、16~17cmの容器に包装される。
【0107】
本明細書全体を通して、示される実施形態および例は、開示または特許請求される装置および手順に対する限定ではなく、例示と見なされるべきである。本明細書で提示される例の多くは、方法動作またはシステム要素の特定の組み合わせを含むが、それらの動作およびそれらの要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わせられ得ることを理解されたい。一実施形態に関連してのみ論じられる行為、要素、および特徴は、他の実施形態における同様の役割から除外されることを意図しない。