IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京極智嘉科技有限公司の特許一覧

特許7554848貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法
<>
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図1a
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図1b
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図2
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図3
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図4a
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図4b
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図5
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図6
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図7
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図8
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図9a
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図9b
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図10
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図11
  • 特許-貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2022566699
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2021097977
(87)【国際公開番号】W WO2022017010
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】202010722774.0
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518227142
【氏名又は名称】北京極智嘉科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING GEEKPLUS TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 洪波
(72)【発明者】
【氏名】王 健
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-036128(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107472787(CN,A)
【文献】特許第5988984(JP,B2)
【文献】欧州特許出願公開第02923971(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239801(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の制御センターと、1つ以上の第1搬送機器と、1つ以上の第2搬送機器と、少なくとも1つの立体倉庫と、少なくとも1つの昇降機器と、を含み、1つの前記立体倉庫には、複数の層が設けられるとともに、前記立体倉庫の各層が前記少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記制御センターは、前記第1搬送機器と前記第2搬送機器の各々と通信する、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムであって、
前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットのうちの少なくとも1つが配置されており、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、前記第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、
前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、前記第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、かつ前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、
前記制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定するとともに、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して前記搬送タスクを実行するための搬送指令をそれぞれ送信するためのものであり、
前記第1搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記高層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記高層貨物位置と前記高層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、前記第1搬送機器は、レール上を走行している搬送機器であり、
前記第2搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記底層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記昇降機器と前記底層貨物位置の間、前記底層貨物位置と前記底層転送ステーションの間、又は、前記昇降機器と前記底層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、前記第2搬送機器は、平面上を走行している搬送機器であり、
前記昇降機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、指定層まで昇降するとともに、少なくとも前記搬送指令で指示されるキャリア、前記第1搬送機器、および、前記第2搬送機器のうちの1つ又は複数の組合せを各層間に搬送するためのものであり、
前記高層転送ステーションは、前記昇降機器内に位置するように設けられており、
前記第1搬送機器は、さらに、前記昇降機器内の高層転送ステーションに走行して、前記キャリアを前記高層転送ステーションに置き、又は、前記キャリアを前記高層転送ステーションから取り出すためのものである、立体倉庫の搬送スケジューリングシステム。
【請求項2】
1つ以上の制御センターと、1つ以上の第1搬送機器と、1つ以上の第2搬送機器と、少なくとも1つの立体倉庫と、少なくとも1つの昇降機器と、を含み、1つの前記立体倉庫には、複数の層が設けられるとともに、前記立体倉庫の各層が前記少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記制御センターは、前記第1搬送機器と前記第2搬送機器の各々と通信する、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムであって、
前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットのうちの少なくとも1つが配置されており、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、前記第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、
前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、前記第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、かつ前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、
前記制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定するとともに、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して前記搬送タスクを実行するための搬送指令をそれぞれ送信するためのものであり、
前記第1搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記高層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記高層貨物位置と前記高層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、前記第1搬送機器は、レール上を走行している搬送機器であり、
前記第2搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記底層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記昇降機器と前記底層貨物位置の間、前記底層貨物位置と前記底層転送ステーションの間、又は、前記昇降機器と前記底層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、前記第2搬送機器は、平面上を走行している搬送機器であり、
前記昇降機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、指定層まで昇降するとともに、少なくとも前記搬送指令で指示されるキャリア、前記第1搬送機器、および、前記第2搬送機器のうちの1つ又は複数の組合せを各層間に搬送するためのものであり、
前記昇降機器内には、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、
前記高層転送ステーションは、少なくとも、前記昇降機器内に位置する前記移載機器を含み、
前記第1搬送機器は、さらに、前記移載機器のところに走行して、前記キャリアを前記移載機器に置き、又は、前記キャリアを前記移載機器から取り出すためのものである、立体倉庫の搬送スケジューリングシステム。
【請求項3】
前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、前記キャリアを載置するためのキャリアブラケットがさらに配置され、
前記キャリアブラケットと前記レールの間の距離は、前記キャリアを載置していないときの前記第1搬送機器の高さよりも大きく、
前記第1搬送機器は、さらに、前記高層貨物位置の下方へ走行して、前記キャリアを前記高層貨物位置の下方からピギーバック方式で搬送して、高層貨物位置から離れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1搬送機器は、さらに、前記高層貨物位置と隣り合うレールの位置で、前記キャリアを前記高層貨物位置の側方から前記第1搬送機器に取り出し、又は、前記第1搬送機器における前記キャリアを前記高層貨物位置の側方から前記高層貨物位置に入れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1搬送機器は、さらに、前記キャリアを前記高層貨物位置の上方から前記第1搬送機器に取り出し、又は、前記第1搬送機器における前記キャリアを前記高層貨物位置の上方から前記高層貨物位置に入れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項6】
前記立体倉庫には、複数の昇降機器が含まれる場合、前記複数の昇降機器が到達できる指定層同士の間には、少なくとも重畳しているところがある、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項7】
前記昇降機器内には、前記高層に設けられたレールと接続されたことで、前記第1搬送機器が前記昇降機器内に走行するためのレールが設けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御センターは、さらに、各高層で実行すべき搬送タスクに少なくとも部分的に応じて、各高層に必要な第1搬送機器の数を特定し、各高層に必要な第1搬送機器の数と現在の各高層における第1搬送機器の数に基づき、各高層でスケジューリングされる必要がある第1搬送機器を特定するとともに、スケジューリング指令をスケジューリングされる必要がある第1搬送機器に送信するためのものであり、
前記第1搬送機器は、さらに、受信したスケジューリング指令に応じて、前記昇降機器内に走行し、前記昇降機器によって前記スケジューリング指令で指定された高層に到達するためのものである、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記立体倉庫の高層には、全領域をレールによって連通できない高層があり、
全領域をレールによって連通できない高層について、当該高層の異なる領域間に第1搬送機器をスケジューリングする必要がある場合、
前記制御センターは、
第1搬送機器が出る領域を出発エリアとし、第1搬送機器が入る領域を目的エリアとするとともに、当該高層との距離が最も近く全領域がレールによって連通された他の高層を中間層として特定し、
前記出発エリアにおける第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、前記中間層と前記出発エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信し、前記中間層と前記目的エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、2つの前記昇降機器と前記中間層によって、前記出発エリアから前記目的エリアに到達するようにさせるためのものである、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
底面が互いに連通された少なくとも2つの立体倉庫を含み、
異なる立体倉庫間に第1搬送機器をスケジューリングする必要がある場合、
前記制御センターは、第1搬送機器が出る立体倉庫を出発倉庫とし、第1搬送機器が入る立体倉庫を目的倉庫とするとともに、前記出発倉庫における第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、第2搬送機器、前記出発倉庫における昇降機器、および、前記目的倉庫における昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、2つの前記昇降機器と前記第2搬送機器によって前記出発倉庫から前記目的倉庫にスケジューリングされるようにさせるためのものであり、
前記第2搬送機器は、前記スケジューリング指令に応じて、前記第1搬送機器を前記出発倉庫の底層から前記目的倉庫の底層に搬送するためのものである、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記昇降機器外には、さらに、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、
前記高層転送ステーションは、さらに、少なくとも前記昇降機器外に位置する前記移載機器を含み、
前記昇降機器は、高層に位置するとき、前記昇降機器外に位置する前記移載機器が前記昇降機器内に位置する移載機器とドッキングするとともに、前記キャリアを前記昇降機器内の移載機器から前記昇降機器外の移載機器に搬送し、又は、前記キャリアを前記昇降機器外の移載機器から前記昇降機器内の移載機器に搬送する、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記無動力式移載機器は、少なくとも、キャリアを載置するためのキャリアブラケットを含み、
前記動力式移載機器は、少なくとも、搬送ライン及び/又は双方向伸縮フォークを含む、請求項2または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記立体倉庫の底層における少なくとも一部の底層貨物位置のキャリアブラケットの高さは、前記キャリアを載置していないときの前記第2搬送機器の高さよりも高く、
前記第2搬送機器は、さらに、前記キャリアを載置していないときに、前記少なくとも一部の底層貨物位置の下方を選択可能に走行し、又は、前記キャリアを前記少なくとも一部の底層貨物位置の下方からピギーバック方式で搬送して、底層貨物位置から離れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項14】
前記立体倉庫の底層における少なくとも一部の底層貨物位置間の立柱の間隔は、前記第2搬送機器の幅よりも大きく、かつ
前記立体倉庫の底層における少なくとも一部の隣り合う2立柱間の接続部材の最低点での高さは、前記キャリアを載置していないときの前記第2搬送機器の高さよりも高く、
前記第2搬送機器は、さらに、前記キャリアを載置していないときに、前記底層における少なくとも一部の隣り合う2立柱間を選択可能に走行するためのものである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2搬送機器は、前記底層貨物位置と隣り合う通路の位置で、前記キャリアを前記底層貨物位置の側方から前記第2搬送機器に取り出し、又は、前記第2搬送機器における前記キャリアを前記底層貨物位置の側方から前記底層貨物位置に入れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2搬送機器は、前記底層貨物位置と隣り合う通路の位置で、前記底層貨物位置の下方へ入り、前記キャリアを前記底層貨物位置の下方から前記第2搬送機器に取り出し、又は、前記搬送指令で指示されるキャリアを前記第2搬送機器から前記底層貨物位置に入れるためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項17】
前記立体倉庫の底層における指定領域には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられており、
前記第2搬送機器は、前記キャリアを前記底層貨物位置又は前記昇降機器から取り出すとともに、前記キャリアを前記底層転送ステーションに搬送し、前記キャリアを前記指定領域に置き、または、前記キャリアを前記指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、前記キャリアを前記底層貨物位置または前記昇降機器に搬送するためのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記昇降機器内には、さらに、動力式移載機器が設けられ、
前記立体倉庫の底層には、動力式移載機器が設けられ、
前記昇降機器が底層に位置するとき、前記底層の移載機器が前記昇降機器内に位置する移載機器とドッキングすることによって、前記キャリアを前記昇降機器内の移載機器から前記底層の移載機器に搬送し、又は、前記キャリアを前記底層の移載機器から前記昇降機器内の移載機器に搬送し、
前記第2搬送機器は、さらに、前記キャリアを前記底層の移載機器から取り出すとともに、前記キャリアを前記底層転送ステーションに搬送し、前記キャリアを前記指定領域に置き、または、前記キャリアを前記指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、前記キャリアを前記底層の移載機器に搬送するためのものである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
形態が立体保管および平面保管のうちの少なくとも1つである1つ以上の外部バッファエリアをさらに含み、
前記外部バッファエリアは、少なくとも一部の第2搬送機器を前記少なくとも1つの立体倉庫と共有し、又は、前記第2搬送機器は、前記外部バッファエリアと前記少なくとも1つの立体倉庫の間に、前記キャリアに対する搬送及び/又は転送を行い、
前記制御センターは、さらに、前記外部バッファエリアと前記少なくとも1つの立体倉庫における貨物在庫情報を記憶するためのものである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項20】
立体倉庫は、少なくとも1つ以上あり、前記立体倉庫の各層が少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットが配置されており、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、前記第1搬送機器は、レール上を走行している搬送機器であり、前記第2搬送機器は、平面上を走行している搬送機器である、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリング方法であって、
実行すべき搬送タスクを特定することと、
前記搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定することと、
特定した前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して搬送指令をそれぞれ送信することにより、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器を協働させて、キャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置から底層転送ステーションに搬送し、又は、底層転送ステーションにおけるキャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置に搬送することを含み、
前記高層転送ステーションは、前記昇降機器内に位置するように設けられており、
特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する前記昇降機器内の高層転送ステーションを特定することと、
前記昇降機器内の高層転送ステーションの位置に基づき、特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、前記昇降機器内の高層転送ステーションに走行して、キャリアを前記高層転送ステーションに置き、又は、キャリアを前記高層転送ステーションの位置から取り出すようにさせることを含む、立体倉庫の搬送スケジューリング方法。
【請求項21】
立体倉庫は、少なくとも1つ以上あり、前記立体倉庫の各層が少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットが配置されており、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、前記第1搬送機器は、レール上を走行している搬送機器であり、前記第2搬送機器は、平面上を走行している搬送機器である、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリング方法であって、
実行すべき搬送タスクを特定することと、
前記搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定することと、
特定した前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して搬送指令をそれぞれ送信することにより、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器を協働させて、キャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置から底層転送ステーションに搬送し、又は、底層転送ステーションにおけるキャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置に搬送することを含み、
前記昇降機器内には、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、前記高層転送ステーションは、少なくとも、前記昇降機器内に位置する前記移載機器を含み、
特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する前記昇降機器内の高層転送ステーションを特定することと、
前記昇降機器内の高層転送ステーションの位置に基づき、特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、前記昇降機器内の高層転送ステーションとしての移載機器のところに走行して、キャリアを前記移載機器に置き、又は、キャリアを前記高層転送ステーションとしての移載機器から取り出すようにさせることを含む、立体倉庫の搬送スケジューリング方法。
【請求項22】
特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定することと、
前記高層貨物位置および前記高層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、前記搬送指令に応じて、前記通路の位置で前記搬送指令で指示されるキャリアを前記高層貨物位置の側方から前記第1搬送機器に取り出し、又は、前記第1搬送機器における前記搬送指令で指示されるキャリアを側方から前記高層貨物位置に入れるようにさせることを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定することと、
前記高層貨物位置と前記高層貨物位置の上方にある他の貨物位置に基づき、特定した前記第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、前記搬送指令に応じて、前記高層貨物位置の上方にある他の貨物位置で前記搬送指令で指示されるキャリアを前記高層貨物位置の上方から前記第1搬送機器に取り出し、又は、前記第1搬送機器における前記搬送指令で指示されるキャリアを前記高層貨物位置に降ろすようにさせることを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項24】
前記昇降機器内には、前記高層に設けられたレールと接続されたことで、前記第1搬送機器が前記昇降機器内に走行するためのレールが設けられる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
各高層で実行すべき搬送タスクに少なくとも部分的に応じて、各高層に必要な第1搬送機器の数を特定することと、
各高層に必要な第1搬送機器の数と現在の各高層における第1搬送機器の数に基づき、各高層でスケジューリングされる必要がある第1搬送機器を特定することと、
特定したスケジューリングされる必要がある第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、さらに、受信したスケジューリング指令に応じて、前記昇降機器内に走行し、前記昇降機器によって前記スケジューリング指令で指定された高層に到達するようにさせることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記立体倉庫の高層には、全領域をレールによって連通できない高層があり、
全領域をレールによって連通できない高層について、当該高層の異なる領域間に第1搬送機器をスケジューリングすることを特定すること、
第1搬送機器が出る領域を出発エリアとし、第1搬送機器が入る領域を目的エリアとするとともに、当該高層との距離が最も近くて全領域がレールによって連通された他の高層を中間層として特定することと、
前記出発エリアにおける第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、前記中間層と前記出発エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信し、前記中間層と前記目的エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、2つの前記昇降機器と前記中間層によって、前記出発エリアから前記目的エリアに到達するようにさせることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記立体倉庫は、少なくとも2つあり、各立体倉庫の底面が互いに連通されており、
異なる立体倉庫間に第1搬送機器をスケジューリングすることを特定すること、
第1搬送機器が出る立体倉庫を出発倉庫とし、第1搬送機器が入る立体倉庫を目的倉庫とすることと、
前記出発倉庫における第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、第2搬送機器、前記出発倉庫における昇降機器、および、前記目的倉庫における昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、2つの前記昇降機器と前記第2搬送機器によって前記出発倉庫から前記目的倉庫にスケジューリングされるようにさせることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記昇降機器外には、さらに、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、
前記高層転送ステーションは、さらに、少なくとも、前記昇降機器外に位置する前記移載機器を含み、
特定した前記昇降機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する高層転送ステーションを特定することと、
前記高層転送ステーションの所在層に応じて、前記昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記昇降機器は、前記高層転送ステーションの所在層において、前記昇降機器外に位置する移載機器が前記昇降機器内に位置する移載機器とドッキングすることによって、キャリアを前記昇降機器内の移載機器から前記昇降機器外の高層転送ステーションとしての移載機器に搬送し、又は、前記昇降機器外に位置する高層転送ステーションとしての移載機器におけるキャリアを前記昇降機器内の移載機器に搬送するようにさせることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
特定した前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定することと、
前記底層貨物位置および前記底層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第2搬送機器は、前記底層貨物位置と隣り合う通路の位置で前記搬送指令で指示されるキャリアを前記底層貨物位置の側方から前記第2搬送機器に取り出し、又は、前記第2搬送機器における前記搬送指令で指示されるキャリアを側方から前記底層貨物位置に入れるようにさせることを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項30】
特定した前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定することと、
前記底層貨物位置に基づき、前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第2搬送機器は、前記底層貨物位置と隣り合う通路の位置で、前記底層貨物位置の下方に入り、前記搬送指令で指示されるキャリアを前記底層貨物位置の下方から前記第2搬送機器に取り出し、又は、前記第2搬送機器における前記搬送指令で指示されるキャリアを前記底層貨物位置に入れるようにさせることを含む、請求項20または21に記載の方法。
【請求項31】
前記立体倉庫の底層における指定領域には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられており、
特定した前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する指定領域に設けられた底層転送ステーションを特定することと、
前記指定領域に設けられた底層転送ステーションに基づき、前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第2搬送機器は、前記搬送指令で指示されるキャリアを前記底層貨物位置又は前記昇降機器から取り出すとともに、前記キャリアを前記底層転送ステーションに搬送し、前記キャリアを前記指定領域に置き、または、前記搬送指令で指示されるキャリアを前記指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、前記キャリアを前記底層貨物位置または前記昇降機器に搬送するようにさせることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記昇降機器内には、さらに、動力式移載機器が設けられ、前記立体倉庫の底層地面には、動力式移載機器が設けられており、
特定した前記昇降機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する底層転送ステーションを特定することと、
前記昇降機器に対して底層に搬送する旨の搬送指令を送信することにより、前記昇降機器は、底層に移動して、前記底層地面の移載機器が前記昇降機器内に位置する移載機器とドッキングすることによって、キャリアを前記昇降機器内の移載機器から前記底層地面の移載機器に搬送し、又は、前記底層地面の移載機器におけるキャリアを前記昇降機器内の移載機器に搬送するようにさせることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
特定した前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することは、具体的に、
前記搬送タスクに応じて、前記搬送タスクに対応する指定領域に設けられた底層転送ステーションを特定することと、
前記指定領域に設けられた底層転送ステーションに基づき、前記第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第2搬送機器は、前記キャリアを前記底層地面の移載機器から取り出すとともに、前記キャリアを前記底層転送ステーションに搬送し、前記キャリアを前記指定領域に置き、または、前記搬送指令で指示されるキャリアを前記指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、前記キャリアを前記底層地面の移載機器に搬送するようにさせることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
形態が立体保管および平面保管のうちの少なくとも1つである1つ以上の外部バッファエリアを立体倉庫外に設置することであって、前記外部バッファエリアは、少なくとも一部の第2搬送機器を前記立体倉庫と共有し、又は、前記第2搬送機器は、前記外部バッファエリアと前記少なくとも1つの立体倉庫の間に、前記キャリアに対する搬送及び/又は転送を行うことをさらに含み、
実行すべき搬送タスクを特定することは、具体的に、
記憶された、前記外部バッファエリアと前記立体倉庫における貨物在庫情報及び注文情報に基づき、実行すべき搬送タスクを特定することを含む、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年7月24日に中国特許局に出願した、出願番号が202010722774.0であり、発明名称が「貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法」である中国特許の優先権を主張し、その全内容を参照により本開示に援用する。
【0002】
本開示は、倉庫貯蔵物流の技術分野に関し、特に、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、物流業界の急速な発展に伴い、倉庫の稼働率の向上を図るために、通常、無人搬送車(Automated Guided Vehicle、AGV)などのような自動化搬送機器が用いられて、貨物に対する輸送の自動化が実現されている。それと同時に、倉庫は、一般的に敷地面積が限られたので、土地の取得コストや利用コストが高い。そして、空間の利用率をできる限り高めて、稼働コストを低減させるために、既存の倉庫では、貨物が密集して保管されている場合もある。
【0004】
従来の技術では、輸送の自動化による効率向上と密集保管によるコスト低減との2つの課題を同時に実現するために、図1a~1bに示すように、密集保管型倉庫で用いられる4方向シャトルカー(以下は、4方向カーと略称する)及び4方向カーの走行向けの倉庫が設計されている。図1aは、倉庫の断面図を示し、倉庫の層ごとに、貨物を保管する隣り合う貨物位置が複数含まれ、その中に4方向カーによる貨物の搬送ための通路がいくつかレイアウトされるとともに、各層の棚には、4方向カーの走行用のレールが含まれ、各貨物位置には、キャリアを載置するブラケットが設けられ、貨物位置間は共通の立柱によって支持されている。図1bは、倉庫の平面図を示し、貨物が密集して積み重ねることで、大量の空間が節約されることが可能であり、小型の4方向カーが各貨物位置間を柔軟に通過することで、キャリア上の貨物を貨物位置まで載置して搬送し、又は、貨物を倉庫の転送ステーションまで搬送して出荷させる。
【0005】
しかし、4方向カーは、高コストの搬送機器に該当し、レール上を走行しなければならないので、4方向カーを用いて貨物の出入庫を行う倉庫では、レールが設置されたことで、倉庫のレイアウトを柔軟に変化させることができず、倉庫の建築や利用コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書における実施例では、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステム、方法、及び装置を提供することにより、4方向シャトルカーが用いられた密集保管型倉庫では、底層にはレールの配置が必要となるため、搬送タスクを4方向シャトルカーに行わせるしかできず、倉庫の稼働コストが高く、且つ、倉庫のレイアウトを柔軟に変化させることができないという従来技術に存在する問題を解決することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、実施例として、以下の技術案が用いられる。
【0008】
本明細書が提供する立体倉庫の搬送スケジューリングシステムは、1つ以上の制御センターと、1つ以上の第1搬送機器と、1つ以上の第2搬送機器と、少なくとも1つの立体倉庫と、少なくとも1つの昇降機器と、を含み、1つの前記立体倉庫には、複数の層が設けられるとともに、前記立体倉庫の各層が前記少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記制御センターは、前記第1搬送機器と前記第2搬送機器の各々と通信している立体倉庫の搬送スケジューリングシステムであって、
前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットのうちの少なくとも1つが配置され、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、前記第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、
前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、前記第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、
前記制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定するとともに、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して前記搬送タスクを実行するための搬送指令をそれぞれ送信するためのものであり、
前記第1搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記高層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記高層貨物位置と前記高層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、
前記第2搬送機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、前記底層貨物位置に前記搬送指令で指示されるキャリアの出し入れを行うとともに、前記昇降機器と前記底層貨物位置の間、前記底層貨物位置と前記底層転送ステーションの間、又は、前記昇降機器と前記底層転送ステーションの間に前記搬送指令で指示されるキャリアを搬送するためのものであり、
前記昇降機器は、前記制御センターから送信された搬送指令に応じて、指定層まで昇降するとともに、少なくとも前記搬送指令で指示されるキャリア、前記第1搬送機器、および、前記第2搬送機器のうちの1つ又は複数の組合せを各層間に搬送するためのものである。
【0009】
本明細書が提供する立体倉庫の搬送スケジューリング方法であって、前記立体倉庫は、少なくとも1つ以上あり、前記立体倉庫の各層が少なくとも1つの昇降機器によって連通され、前記立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、前記底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットが配置されており、前記底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、前記第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、前記立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、前記高層の各々には、前記第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、前記高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されている立体倉庫の搬送スケジューリング方法であって、
実行すべき搬送タスクを特定することと、
前記搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定することと、
特定した前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して搬送指令をそれぞれ送信することにより、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器を協働させて、キャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置から底層転送ステーションに搬送し、又は、底層転送ステーションにおけるキャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置に搬送することを含むことを特徴としている。
【0010】
本明細書における実施例で用いられる上記少なくとも1つの技術案では、以下のような有益な効果が得られる。
【0011】
立体倉庫において第1搬送機器と第2搬送機器を混合して使用するとともに、第1搬送機器と第2搬送機器が協働して密集保管型倉庫内に貨物を搬送できるように立体倉庫における昇降機器の搬送機能を発揮させることにより、倉庫の底層にレールを敷設することを回避し、倉庫のレイアウトを柔軟に変化させることができるとともに、第1搬送機器の所要数量を減少することができ、倉庫の稼働コストが低減され、搬送効率の向上につながる。
【0012】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、実施例に用いられる添付図面を簡単に紹介する。ここでの添付図面は明細書に盛り込まれて本明細書の一部として構成される。これらの添付図面は、本開示に相応しい実施例を示すとともに、明細書とともに本開示の技術案の説明に用いられる。理解すべきなのは、以下の添付図面は、本開示の幾つかの実施例を示すものに過ぎず、範囲を限定するものとして見なされてはならない。当業者にとって、創造的な労力を払わないという前提で、これらの添付図面から、他の関連する添付図面が得られることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a図1aは、従来の倉庫の断面構造模式図である。
図1b図1bは、従来の倉庫の平面構造模式図である。
図2図2は、本明細書における実施例が提供する貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムの模式図である。
図3図3は、本明細書における実施例が提供する立体倉庫の平面模式図である。
図4a図4aは、本明細書における実施例が提供する倉庫レイアウトの模式図である。
図4b図4bは、本明細書における実施例が提供する倉庫レイアウトの模式図である。
図5図5は、本明細書における実施例が提供する第1搬送機器がキャリアを側方から出し入れすることを模式的に示す図である。
図6図6は、本明細書における実施例が提供する昇降機器の分布模式図である。
図7図7は、本明細書における実施例が提供する立体倉庫の昇降機器内にレールが設けられたことを模式的に示す図である。
図8図8は、本明細書における実施例が提供する立体倉庫における連通されていない領域の模式図である。
図9a図9aは、本明細書における実施例が提供する2つの立体倉庫の地面が互いに連通されたことを模式的に示す図である。
図9b図9bは、本明細書における実施例が提供する2つの立体倉庫の地面が互いに連通されたことを模式的に示す図である。
図10図10は、本明細書における実施例が提供するシステムにおける移載機器の模式図である。
図11図11は、本明細書における実施例が提供するシステムにおける指定領域が底層上の転送ステーションであることを模式的に示す図である。
図12図12は、本明細書における実施例が提供する貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングの流れの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書の目的、技術案、及び、利点をより明瞭にさせるために、以下は、本明細書における具体的な実施例及び対応する添付図面を組み合わせながら、本開示の技術案を明瞭かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本明細書における実施例を基にして、当業者が創造的な労力を払わないという前提で取得した全ての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に入っている。
【0015】
以下は、添付図面を組み合わせながら、本開示の各実施例が提供する技術案を詳しく説明する。
【0016】
図2は、本明細書における実施例が提供する貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムの模式図である。当該システムは、1つ以上の制御センター100と、1つ以上の第1搬送機器102と、1つ以上の第2搬送機器104と、少なくとも1つの立体倉庫106と、少なくとも1つの昇降機器108と、を含み、立体倉庫106には、複数の層が設けられるとともに、当該立体倉庫106の各層が少なくとも1つの昇降機器108によって連通され、制御センター100は、第1搬送機器102と第2搬送機器104の各々と通信している。ここで、立体倉庫106は、底層と若干の高層に分けられてもよい。底層に設けられた貨物位置は底層貨物位置とし、各高層に設けられた貨物位置は高層貨物位置とする。理解されやすくするために、図2では、1つの制御センター100および1つの立体倉庫106しか含まれないように示される。
【0017】
貨物を倉庫に保管する目的は、複数種類の貨物を大量に集中して保管することによって、例えば、注文の要求に応じて所要の貨物をピッキングしやすいことにある。本明細書が提供するシステムでは、立体倉庫における貨物がキャリアによって載置されており、そのキャリアが第1搬送機器102、第2搬送機器104及び昇降機器108によって搬送される必要があるため、本明細書における搬送タスクは、同様に貨物のピッキングを実現させるためであり、制御センター100によって注文に応じて特定されてもよい。
【0018】
具体的には、立体倉庫で貨物の仕分けを行うとき、まず、仕分けされる必要がある貨物に応じて、貨物の保管位置を特定しなければならず、その後、各機器による搬送タスクの実行により、貨物を出庫して仕分けエリアに到達させるとともに、仕分けを行い、その仕分けの終了後、残りの貨物をさらに入庫して保管させることによって、貨物の仕分けが実現される。それで、本明細書における搬送タスクは、貨物の仕分けを実現するために実行された、貨物を載置しているキャリアを搬送するものである。
【0019】
貨物の仕分け時、当該制御センター100は、受け付けた注文に応じて、注文に含まれる各貨物の所在位置を特定した後、貨物位置から底層転送ステーション100までの経路を特定し、さらに、経路に応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器102、第2搬送機器104及び昇降機器108を特定し、前記第1搬送機器102、前記第2搬送機器104及び前記昇降機器108に対して当該搬送タスクを実行するための搬送指令をそれぞれ送信するために用いられる。仕分けエリアにおける貨物の仕分けの終了後、制御センター100は、さらに、キャリアが位置する底層転送ステーション100と貨物が保管される貨物位置に基づき、底層転送ステーション110から貨物位置までの経路を特定し、経路に応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器102、第2搬送機器104及び昇降機器108を特定し、前記第1搬送機器102、前記第2搬送機器104及び前記昇降機器108に対して当該搬送タスクを実行するための搬送指令をそれぞれ送信してもよい。上記過程により、立体倉庫における貨物の仕分けが完成した。
【0020】
なお、説明すべきなのは、本明細書における貨物のピッキングを実現する立体倉庫及び関連する方法は、倉庫保管シーンにおける商品貨物のピッキングに適用できるだけではなく、工場生産シーンにおける製品・半製品又は半加工品などの貨物のピッキングにも適用でき、ピッキングされた貨物は生産の一環の実現又は生産上のあるノードのために用いられる。本明細書では、貨物のピッキングの応用シーンについて、具体的に限定されていない。それで、本明細書では、立体倉庫106の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーション110が設けられ、底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリア114とキャリアブラケット116のうちの少なくとも1つが配置され、底層貨物位置におけるキャリアブラケット116は、第2搬送機器104によって搬送されるキャリア114を載置するためのものである。ここで、キャリアブラケット116は、必要に応じて、底層貨物位置に取り付けられてもよいし、又は、底層貨物位置から除去されてもよいが、キャリアブラケット116が異なる底層貨物位置に取り付けられるように選択すると、底層には、キャリア114が置かれる異なる領域が形成されてもよく、キャリア114が置かれる領域の間の空きを、第2搬送機器104がキャリア114を載置しながら走行するための通路としてもよい。キャリアブラケット116は、第2搬送機器104によってキャリア114を置くためのものであり、第2搬送機器104は、貨物が載せられたキャリア114を、底層貨物位置におけるキャリアブラケット116に置き、つまり、当該貨物を入庫して保管させる。
【0021】
また、当該立体倉庫106の底層転送ステーション110は、立体倉庫106の外部にドッキングする転送ステーションである。例えば、フォークリフト又は他の搬送機器は、出庫される必要があるキャリア114を底層転送ステーション110から取出し、又は、入庫される必要があるキャリア114を底層転送ステーション110に搬送し、その後、第1搬送機器102、第2搬送機器104、および、昇降機器108のうちの少なくとも1つは、制御センター110から送信された搬送指令に応じて、キャリア114を底層転送ステーション110から底層貨物位置または高層貨物位置に搬送してもよい。
【0022】
本明細書において、当該キャリア114は、貨物が載せられるためのものであるが、キャリア114の具体的な形式について、本明細書で限定されていない。例えば、当該キャリア114は、パレットやコンテナなどであってもよく、貨物を収納し、又は、乗せることができるものであればよい。
【0023】
また、立体倉庫106では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーション112が設けられ、高層の各々には、第1搬送機器102が走行するためのレール118が設けられ、高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリア114が配置されている。各高層の高層貨物位置ごとに、キャリア114が置かれるための構造が設けられており、例えば、支持ロッド、受け板などが挙げられる。
【0024】
さらに、本明細書において、立体倉庫106の各層に配置されたキャリア114には、倉庫で保管されている貨物が載せられてもよいし、又は、他の空きキャリア114が載せられてもよい。各層の貨物位置の占用率であるキャリア114が配置された貨物位置と貨物位置総数との比は、必要に応じて設定されてもよい。そうすると、高層における高層貨物位置の占用率は0~100%範囲内に設定されてもよく、底層における底層貨物位置の占用率は0~100%範囲内に設定されてもよい。
【0025】
さらに、立体倉庫106における補強リブや横ビームなどの構造、および、貨物位置に保管されているキャリア114の存在により、第1搬送機器102又は第2搬送機器104は、キャリア114を搬送しているとき、1つの貨物位置から隣り合うもう1つの貨物位置へと直接に走行することができなくなり、そのため、立体倉庫106の各層のいずれにも、第1搬送機器102又は第2搬送機器104がキャリア114を搬送しているときに走行するための通路が設けられている。
【0026】
本明細書が提供する図3は、立体倉庫の平面模式図であり、ここで、左側が高層の模式図であって、当該高層には、第1搬送機器102が走行できるためのレール118が含まれることが明らかになり、右側が底層の模式図であって、底層には、レール118が含まれないことが明らかになる。また、平面図では、当該立体倉庫106の各層のいずれにも、第1搬送機器102又は第2搬送機器104が走行するための通路が設けられていることが明らかになる。
【0027】
なお、説明すべきなのは、本明細書において、異なる層における通路のレイアウトは、必ずしも完全に同様なものとは限らず、具体的な必要に応じて設置されてもよい。ここで、密集保管型倉庫では、通路と隣り合わない貨物位置における貨物を搬送する必要がある場合、まず、通路と隣り合う貨物位置における貨物を搬出して、通路と隣り合う貨物位置を一時的通路にしてから、さらに、搬送機器によって、通路と隣り合わない貨物位置における貨物を搬出しなければならない。そのため、搬送効率を考慮して、通常、通路と隣り合わない貨物位置と、それと隣り合う通路の傍の貨物位置には、保管されている貨物のストック・キーピング・ユニット(Stock keeping Unit、SKU)が同一である。その場合、倉庫における貨物位置と通路の配列手順は、1通路、4貨物位置、1通路となり、図4aに示すように、貨物保管の密度を大きくするほか、倉庫の稼働効率に対しても影響を与えない。
【0028】
しかし、単一のSUKでは、貨物の数が2つ以上の貨物位置による保管を必要とするほど多くない場合、図4aに示すレイアウトが用いられると、倉庫の稼働効率に対して影響を与える可能性があるため、一般的に、図4bに示すレイアウト、即ち、倉庫における貨物位置と通路の配列手順が1通路、2貨物位置、1通路であるものが用いられてもよい。
本明細書において、立体倉庫の各層のいずれにも、図4aまたは図4bに示すレイアウトが用いられてもよく、又は、その2つのレイアウトが混合して用いられてもよいが、本明細書では、それについて限定されていない。しかも、貨物の保管要求に応じて、各層には、完全に同様なレイアウトでないものが用いられてもよい。例えば、A層には、大きな商品が保管されており、占用空間が広い。単一のSUKでは、貨物の数が2つ以上の貨物位置による保管を必要とするほど多い場合、A層には、全部、図4aに示すレイアウトが用いられてもよい。A+1層には、小さな商品が保管されている場合、A+1層には、全部、図4bに示すレイアウトが用いられてもよい。
【0029】
本明細書において、当該第1搬送機器102は、具体的に、レール上を走行している搬送機器、例えば、4方向シャトルカーであってもよく、当該第2搬送機器104は、具体的に、平面上を走行している搬送機器、例えば、AGVであってもよい。勿論、本開示は、第1搬送機器102と第2搬送機器104の具体的な形式について制限されていない。具体的には、必要に応じて設置してもよく、第1搬送機器102がレールに沿って走行するとともに、高層貨物位置におけるキャリア114を搬送でき、第2搬送機器104が底層に走行するとともに、底層貨物位置におけるキャリア114を搬送できるものであればよい。
【0030】
制御センター110が注文に応じて、実行すべき搬送タスクを特定するとき、当該制御センター100は、実行すべき搬送タスクをまず特定し、当該搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器102を特定するとともに、第1搬送機器102に対して搬送指令を送信してもよい。
【0031】
第1搬送機器102は、制御センター110から送信された搬送指令に応じて、高層貨物位置に搬送指令で指示されるキャリア114の出し入れを行うとともに、高層貨物位置と高層転送ステーション1102の間に搬送指令で指示されるキャリアを搬送してもよい。
【0032】
第2搬送機器104は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、底層貨物位置に搬送指令で指示されるキャリア114の出し入れを行うとともに、昇降機器108と底層貨物位置の間、底層貨物位置と底層転送ステーション110の間、又は、昇降機器108と底層転送ステーション110の間に搬送指令で指示されるキャリア114を搬送してもよい。立体倉庫106の底面は、第2搬送機器104が走行する平面であり、当該底面は、具体的に、立体倉庫106が位置する地面であってもよいし、又は、立体倉庫106の底層に設けられた、第2搬送機器104が走行するためのプラットフォームであってもよい。例えば、立体倉庫106の底層に設けられた、第2搬送機器104が走行するための鋼製のプラットフォームであってもよい。
【0033】
昇降機器108は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、指定層まで昇降するとともに、少なくとも搬送指令で指示されるキャリア、第1搬送機器、および、第2搬送機器のうちの1つ又は複数の組合せを各層間に搬送するためのものである。
【0034】
ここで、指定層は、搬送タスクを実行するとき、昇降機器108が到達する必要がある層である。例えば、キャリア114を3層目から底層に搬送する場合、制御センター100は、2つの搬送指令をそれぞれ、昇降機器108に送信してもよい。搬送機器108は、1回目で受信した搬送指令に応じて3層目(即ち、1回目で受信した搬送指令で指示される指定層)に到達し、キャリア114が当該昇降機器108内に搬送されると、搬送機器108は、2回目で受信した搬送指令に応じて底層(即ち、2回目で受信した搬送指令で指示される指定層)に到達してもよい。勿論、以上は1つの例示に過ぎない。上記例の場合、当該制御センター100は、1つの搬送指令のみを送信してもよい。そうすると、3層目と底層が順次に指定層とされ、昇降機器108は、搬送指令に応じて、3層目と底層に前後に到達し、3層目におけるキャリア114を底層に搬送してもよい。
【0035】
また、本明細書において、高層における少なくとも少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアを載置するためのキャリアブラケット114がさらに配置され、当該キャリアブラケット114は、上述した底層貨物位置に配置されたキャリアブラケット114と同一である。具体的な配置形態は以上に説明されていたので、ここでは説明を省略されたい。
【0036】
また、本明細書において、高層貨物位置に設けられたキャリアブラケット116又は高層貨物位置に設けられたキャリア114を載置するための構造とレール118の間の距離は、キャリア114を載置していないときの第1搬送機器102の高さより大きいので、第1搬送機器102は、高層貨物位置の下方に走行するとともに、高層貨物位置の下方からピギーバック方式でキャリア114を搬送して、高層貨物位置から離れることができる。
【0037】
本明細書が提供する一実施例では、キャリア114をいずれかの高層貨物位置から底層転送ステーション110へ搬送する貨物の出庫の流れを例にして、立体倉庫の搬送スケジューリングシステムによる搬送タスクの実行の流れを説明する。
【0038】
当該立体倉庫の搬送スケジューリングシステムにおける制御センター100は、実行すべき搬送タスクに応じて、高層貨物位置に位置する貨物を底層転送ステーション110に搬送して出庫する必要があると特定した場合、まず、当該高層貨物位置の所在層における各第1搬送機器102を特定してもよい。
【0039】
その後、特定された各第1搬送機器102から、当該搬送タスクを実行する第1搬送機器102を特定するとともに、搬送指令を送信する。ここで、当該制御センター100は、各第1搬送機器102が空いたか否か、又は、実行すべき搬送指令の数に応じて、各第1搬送機器102から、当該搬送タスクを実行する第1搬送機器102を特定してもよい。
【0040】
勿論、本開示では、どのような方策によって第1搬送機器102を選択するかについて制限されておらず、具体的な必要に応じて設置されてもよい。例えば、当該制御センター100は、空いた各第1搬送機器102のうちのいずれか1つの第1搬送機器102を、当該搬送タスクを実行する第1搬送機器102として簡単に選択してもよい。またさらに、空いた各第1搬送機器102の中から、当該搬送タスクに係る貨物が位置する高層貨物位置との距離が最も近い第1搬送機器102を、当該搬送タスクを実行する第1搬送機器102として特定する。
【0041】
また、制御センター100は、第1搬機器102に対して搬送指令を送信するとき、昇降機器108が当該高層貨物位置の所在層(即ち、指定層)、即ち、当該搬送タスクに係るキャリア114の所在層に昇降するように、昇降機器108に対しても搬送指令を非同期的に送信してもよい。そうすると、昇降機器108は、当該搬送指令に応じて、当該層まで移動することができ、第1搬送機器102によってキャリア114を高層転送ステーション112に搬送されると、高層転送ステーション112からキャリア114を受け取ることができる。なお、本明細書において、当該制御センター100から異なる搬送機器へ送信される搬送指令は、完全に同一のものではない。
【0042】
そして、第1搬送機器102は、受信した搬送指令に応じて、所在層の通路を介して当該搬送タスクに係るキャリア114が位置する高層貨物位置の下方に走行し、高層貨物位置からピギーバック方式でキャリア114を搬出するとともに、再度、所在層の通路を介して所在層の高層転送ステーション112に走行し、高層転送ステーション112によってキャリア114を昇降機器108に載置させる。また、第1搬送機器102は、載置作業の終了後、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に送信する。
【0043】
なお、第1搬送機器102に送信される当該搬送指令は、搬送タスクが実行すべき高層貨物位置の識別子と、高層転送ステーション112の識別子と、高層貨物位置から高層転送ステーション112までの経路を含み、当該立体倉庫106には、複数の高層転送ステーション112が含まれる場合、制御センター100は、経路を最適化することにより、高層転送ステーション112の識別子及び経路を、第1搬送指令に含まれる情報として特定して、第1搬送機器102に送信してもよい。それにより、第1搬送機器102は、最適化された経路に沿って、キャリア114を高層転送ステーション112に搬送するようになる。
【0044】
制御センター100は、当該第1搬送機器102から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報に基づき、当該昇降機器108が高層転送ステーション112によってキャリア114を取得したことを確定することができ、現在搬送されているキャリア114に対応する搬送タスクに応じて、当該昇降機器108に対して、当該昇降機器108が次に到達する必要がある指定層を含む搬送指令を送信し、当該例の場合、指定層を底層とする。
【0045】
そうすると、昇降機器108は、制御センター100から再送信された搬送指令に応じて、現在搬送されているキャリア114を立体倉庫106の底層に搬送することを特定するとともに、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に対して送信してもよい。
【0046】
制御センター100は、昇降機器108から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報に基づき、キャリア114が底層に搬送されたことを確定することができる。その後、各第2搬送機器104から、搬送タスクを実行する第2搬送機器104を特定するとともに、特定した第2搬送機器104に対して搬送指令を送信してもよい。ここで、各第2搬送機器104から、搬送タスクを実行する第2搬送機器104を特定する論理は、各第1搬送機器102から、当該搬送タスクを実行する第1搬送機器102を特定する論理と同じであってもよいが、本明細書においてその説明を省略されたい。
【0047】
第2搬送機器104は、制御センター110から送信された搬送指令に応じて、底層の通路を介して昇降機器108のところに走行するとともに、当該昇降機器108によって搬送されたキャリア114を搬送する。その後、第2搬送機器104は、再び底層の通路を介して底層転送ステーション110に走行し、キャリアを底層転送ステーション110に置き、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に送信する。
【0048】
最後に、制御センター100は、第2搬送機器104から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報に基づき、当該搬送タスクの実行が完成したことを確定することができる。
【0049】
ここで、底層転送ステーション110には、キャリアブラケット116が含まれてもよい。当該キャリアブラケット116は、コンベアの形式のものであってもよく、輸送ラインに接続されて、第2搬送機器104から転送ステーション110に搬送された貨物が輸送ラインに沿って指定領域(例えば、ピッキング領域、又は、梱包領域など)に搬送されることを可能にするものであってもよい。
【0050】
最後に、制御センター100は、3つ目の搬送指令の実行が完成した旨の情報を受信した後、貨物が転送ステーション110に的確に搬送されて、搬送タスクの実行が完成したことを確定する。
【0051】
本明細書における別の実施例では、出庫される必要がある貨物が底層貨物位置に位置する場合、当該制御センター100は、各第2搬送機器104から、搬送タスクを実行する第2搬送機器104を特定するとともに、特定した第2搬送機器104に対して搬送指令を送信してもよい。
【0052】
第2搬送機器104は、受信した搬送指令に応じて、底層の通路を介して底層貨物位置に走行するとともに、底層貨物位置に保管されたキャリア114を搬送する。
【0053】
その後、第2搬送機器104は、再び底層の通路を介して底層転送ステーション110に走行し、キャリアを底層転送ステーション110に置き、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に送信する。
【0054】
最後に、制御センター100は、第2搬送機器104から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報を受信した後、キャリア114が底層転送ステーション110に的確に搬送されて、搬送タスクの実行が完成したことを確定する。
【0055】
本明細書が提供する一実施例では、キャリア114を底層転送ステーション110からいずれかの高層貨物位置へ搬送して入庫する流れを例にして、貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムによる搬送タスクの実行の流れを説明する。
【0056】
まず、当該システムにおける制御センター100は、実行すべき搬送タスクに応じて、底層転送ステーション110に既に搬送されたキャリア114を高層貨物位置に搬送して入庫する必要があると特定した場合、最初に、各第2搬送機器104から、搬送タスクを実行する第2搬送機器104を特定するとともに、特定した第2搬送機器104に対して搬送指令を送信してもよい。勿論、搬送タスクを実行する第2搬送機器104を特定する論理について、本明細書で説明を省略されたい。
【0057】
その後、第2搬送機器104は、受信した搬送指令に応じて、底層の通路を介して底層転送ステーション110に走行してキャリア114を搬送するとともに、再び底層の通路を介して昇降機器108に走行して、キャリアを昇降機器108に載置する。また、第2搬送機器104は、載置作業の終了後、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に送信する。
【0058】
また、制御センター100は、第2搬機器104に対して搬送指令を送信するとき、昇降機器108が底層(即ち、指定層)、即ち、底層転送ステーション110の所在層に移動するように、昇降機器108に対しても搬送指令を非同期的に送信してもよい。そうすると、昇降機器108は、当該搬送指令に応じて、底層まで移動することができ、第2搬送機器104によってキャリア114を昇降機器108に搬送されるまで待機している。
【0059】
制御センター100は、第2搬送機器104から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報を受信した後、搬送指令の実行が完成した旨の情報と搬送タスクに含まれる貨物が保管される高層貨物位置の所在層に基づき、昇降機器108に対して搬送指令を引き続き送信してもよい。当該搬送指令に対応する指定層は、貨物が保管される高層貨物位置の所在層である。
【0060】
昇降機器108は、再受信した制御センター100から送信された搬送指令に応じて、キャリア114を高層貨物位置の所在層に搬送するとともに、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に対して送信する。また、当該昇降機器108が指定層に到達したとき、キャリア114を高層転送ステーション112によって当該搬送機器108から搬出してもよい。
【0061】
制御センター100は、昇降機器108から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報に基づき、当該高層貨物位置の所在層における各第1搬送機器102から、搬送タスクを実行する第1搬送機器102を特定するとともに、特定した第1搬送機器102に対して搬送指令を送信する。
【0062】
第1搬送機器102は、受信した搬送指令に応じて、所在層の通路を介して高層転送ステーション112に走行して、昇降機器108によって底層から引き上げられたキャリア114を搬送するとともに、再び所在層の通路を介して高層貨物位置の下方に走行して、キャリア114を高層貨物位置に載置する。
【0063】
最後に、第1搬送機器102は、キャリア114の載置作業が終了した後、搬送指令の実行が完成した旨の情報を制御センター100に送信してもよい。制御センター100は、当該第1搬送機器102から送信された搬送指令の実行が完成した旨の情報を受信した後、キャリア114が高層貨物位置に的確に搬送されて、搬送タスクの実行が完成したことを確定する。
【0064】
さらに、本明細書において、第1搬送機器102は、高層貨物位置におけるキャリア114の搬出又は保管を複数の方式によって実現することができる。
【0065】
具体的に、制御センター100は、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定する。例えば、キャリア114が入庫される高層貨物位置を、搬送タスクに対応する高層貨物位置として見なしてもよいし、又は、キャリア114を入庫して保管することを特定したときの高層貨物位置も、搬送タスクに対応した高層貨物位置として見なしてもよい。
【0066】
その後、制御センター100は、高層貨物位置および高層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、搬送指令を特定された第1搬送機器102に対して送信してもよい。
【0067】
そうすると、図5に示すように、第1搬送機器102は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、高層貨物位置と隣り合うレールの位置で、キャリア114を高層貨物位置の側方から当該第1搬送機器102に取出し、又は、第1搬送機器102の上に搬送されているキャリア114を高層貨物位置の側方から高層貨物位置内に入れてもよい。図5は、本明細書が提供する第1搬送機器がキャリアを側方から出し入れすることを模式的に示す図であり、第1搬送機器102は、高層貨物位置と隣り合う通路の位置にあり、高層貨物位置の側方から貨物の出し入れを行う。
【0068】
又は、制御センター100は、搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定した後、高層貨物位置と高層貨物位置の上方にある他の貨物位置に基づき、特定した第1搬送機器102に対して搬送指令を送信する。
【0069】
そうすると、第1搬送機器102は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、キャリア114を高層貨物位置の上方から第1搬送機器102に取出し、又は、第1搬送機器102におけるキャリア114を高層貨物位置の上方から高層貨物位置内に入れてもよい。
【0070】
さらに、本明細書において、第2搬送機器104は、同様に、底層貨物位置におけるキャリア114の搬出又は保管を複数の方式によって実現することができる。
【0071】
具体的に、制御センター100は、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定する。例えば、キャリア114が入庫される底層貨物位置を、搬送タスクに対応する底層貨物位置として見なしてもよいし、又は、キャリア114を入庫して保管することを特定したときの底層貨物位置も、搬送タスクに対応した高層貨物位置として見なしてもよい。
【0072】
その後、制御センター100は、底層貨物位置および底層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、搬送指令を特定された第2搬送機器104に対して送信してもよい。
【0073】
そうすると、第2搬送機器104は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、底層貨物位置と隣り合うレールの位置で、キャリア114を底層貨物位置の側方から当該第2搬送機器104に取出し、又は、第2搬送機器104の上に搬送されているキャリア114を底層貨物位置の側方から底層貨物位置内に入れてもよい。
【0074】
又は、制御センター100は、搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定した後、底層貨物位置に基づき、特定した第2搬送機器104に対して搬送指令を送信する。
【0075】
そうすると、第2搬送機器104は、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、底層貨物位置と隣り合うレールの位置で、底層貨物位置の下方に入り、キャリア114を底層貨物位置の下方から第2搬送機器104に取出し、又は、第2搬送機器104における搬送指令で指示されるキャリア114を底層貨物位置内に入れてもよい。
【0076】
また、本明細書において、各立体倉庫106について、当該立体倉庫106には、少なくとも1つの昇降機器108が設けられてもよいので、キャリア114を当該立体倉庫106におけるいずれかの層に載置可能にさせるために、当該立体倉庫106には、複数の昇降機器108が含まれた場合、複数の昇降機器108が到達できる指定層同士の間には、少なくとも重畳しているところがある。
【0077】
つまり、重畳している層によって、各昇降機器108は、当該立体倉庫106における各層の連通を実現できる。図6に示すように、当該立体倉庫106には、合計4層あり、底層と1層目、1層目と2層目、2層目と3層目が、それぞれ、3つの昇降機器108によって連通される。勿論、各昇降機器108は、立体倉庫106における異なる位置に配置されてもよい。
【0078】
制御センター100は、1つ以上の昇降機器108によって、キャリアを当該立体倉庫106におけるいずれかの層に搬送してもよい。例えば、上記図6では、3層目における貨物を底層まで搬送するには、制御センターは、1~3層目における第1搬送機器102及び対応する昇降機器108をそれぞれ、スケジューリングして、各昇降機器108と各層における第1搬送機器102は、貨物を3層目から底層までリレーして搬送してもよい。
【0079】
本明細書における昇降機器108には、レール118が設けられてもよい。それにより、昇降機器108内のレール118が立体倉庫106における高層に設けられたレール118と接続されることが可能となり、そうすると、図7に示すように、第1搬送機器102は、高層においてレールに沿って移動するとき、昇降機器108内に走行するとともに、キャリア114を昇降機器108内に直接に置き、又は、昇降機器108によって当該第1搬送機器102を他の層に搬送してもよい。
【0080】
さらに、本明細書において、昇降機器108内にもレール118が設けられた場合、当該制御センター100は、さらに、昇降機器108によって第1搬送機器102を異なる層の間にスケジューリングしてもよい。
【0081】
具体的に、本明細書において、制御センター100は、一部の高層または全ての高層に対応する実行すべき搬送タスクに応じて、各高層に必要な第1搬送機器102の数を特定してもよい。ここで、制御センター100は、搬送タスクに係る高層貨物位置の所在層を、搬送タスクに対応する高層としてもよい。例えば、搬送タスクAでは、キャリア114を3層目から搬出することが求められると、3層目は、当該搬送タスクAに対応する高層となり、又は、搬送タスクBでは、キャリア114を3層目における或る高層貨物位置に搬送することが求められると、3層目は、当該搬送タスクBに対応する高層となる。また、当該制御センター100は、各高層に対応する実行すべき搬送タスクの数に応じて、各高層に必要な第1搬送機器102の数を特定してもよい。高層に対応する実行すべき搬送タスクが多いほど、当該高層に必要な第1搬送機器102の数が多くなる。勿論、倉庫における各層の空間が限られたので、第1搬送機器102の数が多すぎると、機器の走行可能な経路の本数が減り、又は、経路に渋滞が発生する可能性があるため、本明細書において、当該制御センター100は、さらに、予め設定された各高層における第1搬送機器102の最大数に応じて、各高層に必要な第1搬送機器102の数を特定してもよい。ここで、当該第1搬送機器102の最大数は、各層のレイアウトの違いによって異なってもよい。高層に配置されたキャリア114の数が少なくなる場合、第1搬送機器102が走行可能な領域の数が多くなることが示される。
【0082】
その後、制御センター100は、各高層に必要な第1搬送機器102の数と現在の各高層における第1搬送機器102の数に基づき、各高層でスケジューリングされる必要がある第1搬送機器102を特定するとともに、スケジューリング指令をスケジューリングされる必要がある第1搬送機器102に送信してもよい。
【0083】
そうすると、第1搬送機器102は、さらに、受信した制御センター100から送信されたスケジューリング指令に応じて、レール118に沿って昇降機器108内に走行し、昇降機器108によってスケジューリング指令で指定された高層に到達するためのものとなる。
【0084】
また、本明細書における立体倉庫106の構造に対する上記記載では、各高層のそれぞれに設けられた高層転送ステーション112は、いずれも、昇降機器108外に個別的に設けられたものである。それは、第1搬送機器102が昇降機器108内に到達できない場合、高層転送ステーション112によってキャリア114を昇降機器108内に搬送してから、昇降機器108によってキャリア114を指定層に搬送する必要があるからである。
【0085】
ただし、昇降機器108内にもレール118が設けられるとともに、第1搬送機器102が昇降機器108内に走行することができる場合、本明細書における高層転送ステーション112は、昇降機器108内に位置するように設けられてもよい。
【0086】
そうすると、第1搬送機器102は、さらに、制御センター100から送信された搬送指令に応じて、昇降機器108内における高層転送ステーション112に走行し、キャリア114を高層転送ステーション112に置き、又は、キャリア114を高層転送ステーション112から取り出すためのものとなる。
【0087】
さらに、本明細書において、倉庫は、建築時、各方面からの影響を受ける可能性があるので、各層のレイアウトが異なるものである。立体倉庫106における高層には、全領域をレールによって連通できない高層がある場合、図8に示すように、第1搬送機器102を2つの領域間でスケジューリングする必要があるとき、当該制御センター100は以下のように制御できる。
【0088】
制御センター100は、全領域をレール118によって連通できない高層について、当該高層の異なる領域間に第1搬送機器102をスケジューリングする必要がある場合、第1搬送機器102が出る領域を出発エリアとし、第1搬送機器102が入る領域を目的エリアとするとともに、当該高層との距離が最も近く全領域がレールによって連通された他の高層を中間層として特定してもよい。
【0089】
制御センター100は、出発エリアにおける第1搬送機器102に対してスケジューリング指令を送信し、中間層と出発エリアを連通する昇降機器108に対して搬送指令を送信し、中間層と目的エリアを連通する昇降機器108に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器102は、2つの昇降機器108と中間層のレール116によって、出発エリアから目的エリアに到達するようにさせる。
【0090】
さらに、本明細書が提供するシステムでは、図9aと図9bに示すように、2つ以上の立体倉庫106がある場合、各立体倉庫106の底面が互いに連通されている。ここで、図9aは、図8に対応する2つの立体倉庫の地面が互いに連通されたことを簡単に模式的に示す図であり、2つの立体倉庫は底層のみが連通されたので、全体として見なされてもよいことを示し、図9bは、詳細な模式図であり、2つの立体倉庫がそれぞれ、個別的に底面に設けられたことを明らかにする。
【0091】
しかも、制御センター100は、少なくとも一部の立体倉庫106に対応する実行すべき搬送タスクに応じて、各立体倉庫106に必要な第1搬送機器102の数を特定してもよい。
【0092】
制御センター100は、各立体倉庫106に必要な第1搬送機器102の数と現在の各立体倉庫106における第1搬送機器102の数に基づき、各立体倉庫106でスケジューリングされる必要がある第1搬送機器102を特定してもよい。
【0093】
制御センター100は、第1搬送機器102が出る立体倉庫106を出発倉庫とし、第1搬送機器102が入る立体倉庫106を目的倉庫とするとともに、出発倉庫における第1搬送機器102に対してスケジューリング指令を送信し、第2搬送機器104、出発倉庫における昇降機器108、および、目的倉庫における昇降機器108に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器102は、2つの昇降機器108と第2搬送機器104によって出発倉庫から目的倉庫にスケジューリングされるようにさせてもよい。
【0094】
ここで、第2搬送機器104は、さらに、スケジューリング指令に応じて、第1搬送機器102を出発倉庫の底層から目的倉庫の底層に搬送するためのものである。
【0095】
説明すべきなのは、第1搬送機器102は、レールによって昇降機器108内に走行することができるため、第2搬送機器104は、昇降機器108内にある第1搬送機器102を、昇降機器108内のキャリア114として見なして、キャリア114の搬送と同様な方式によって、第1搬送機器102を昇降機器108から搬出することができる。しかも、各立体倉庫106の底層が連通されているので、第2搬送機器104は、底層を介して1つの立体倉庫106から別の立体倉庫106へ到達して、第1搬送機器102を異なる立体倉庫106間にスケジューリングしてもよい。
【0096】
また、本明細書において、昇降機器108内には、無動力式移載機器120又は動力式移載機器120が設けられ、高層転送ステーション112は、少なくとも、昇降機器内に位置する移載機器120を含む。ここで、例えば、ローラライン、搬送ライン、双方向伸縮フォークなどの動力式移載機器120は、移載機器120に置かれたキャリア114を能動的に移載することができ、具体的な形式について、限定されていない。そして、無動力式移載機器120は、少なくとも、キャリア114を載置するためのキャリアブラケット116を含んでもよい。
【0097】
第1搬送機器102は、さらに、前記昇降機器108内の高層転送ステーション112としての移載機器120のところに走行して、キャリア114を前記移載機器120に置き、又は、キャリア114を高層転送ステーション112としての移載機器120から取り出すためのものである。
【0098】
さらに、本明細書において、図10に示すように、立体倉庫106における各高層では、昇降機器108と高層とがドッキングされる位置の外に、少なくとも一部的に、無動力式移載機器120又は動力式移載機器120が設けられる。そうすると、本明細書における高層転送ステーションは、さらに、少なくとも、昇降機器外に位置する移載機器を含む。
【0099】
昇降機器108が高層にある場合、昇降機器108外に位置する移載機器120が昇降機器108内に位置する移載機器120とドッキングするとともに、キャリア114を昇降機器108内の移載機器120から昇降機器108外の移載機器120に搬送し、又は、キャリア114を昇降機器108外に位置する移載機器120から昇降機器108内の移載機器120に搬送する。
【0100】
説明すべきなのは、本明細書において、昇降機器108の内外に位置する移載機器120がいずれも無動力式移載機器120である場合、当該第1搬送機器102は、キャリア114を側方から取出し又は入れる方式によって、キャリア114を移載機器120に押してもよい。昇降機器108の内外に位置する移載機器120のいずれかが動力式移載機器120である場合、当該動力式移載機器120によってキャリア114を押し付けることができる。
【0101】
また、本明細書において、立体倉庫106の底層における指定領域には、少なくとも1つの底層転送ステーション110が設けられており、即ち、底層転送ステーション110は、底層における指定された一つの領域を指してもよい。
【0102】
そうすると、第2搬送機器104は、キャリア114を底層貨物位置または昇降機器108から取り出すとともに、キャリア114を底層転送ステーション110に搬送し指定領域内に置くためのものとなる。または、第2搬送機器104は、キャリア114を指定領域における底層転送ステーション110から取り出すとともに、キャリア114を底層貨物位置又は昇降機器108に搬送するためのものとなる。
【0103】
底層貨物位置には、キャリア114を載置するためのキャリアブラケット116が設けられてもよく、また、キャリアブラケット116と底層の間の最小距離が第2搬送機器104の高さよりも大きくなってもよいので、底層貨物位置におけるキャリアブラケット116と底層の間には、一般的に高度の差がある。同じ理由により、昇降機器108は、貨物を高層転送ステーション112から取得する必要があるが、高層転送ステーション112の高さが第1搬送機器102に適合するため、昇降機器108と底層の間にも、一般的に高度の差がある。
【0104】
そうすると、底層転送ステーション110が底層における指定された一つの領域である場合、第2搬送機器104には、例えば持ち上げたり下げたりすることができるフォークなどの、キャリア114を持ち上げるための装置及びキャリア114を置くための装置が設けられる必要がある。それにより、第2搬送機器104は、キャリア114を、底層における指定領域から、高さが異なる底層貨物位置または昇降機器108に搬送するようになる。
【0105】
さらに、本明細書において、昇降機器108には移載機器120が内蔵されている場合、当該立体倉庫106における底層にも動力式移載機器120が設けられてもよい。それにより、昇降機器108が底層にある場合、底層の移載機器120が昇降機器108内に位置する移載機器120とドッキングすることによって、キャリア114を昇降機器108内の移載機器120から底層の移載機器120に搬送し、第2搬送機器104がキャリア114を底層の移載機器120から取り出すことができるようになり、又は、第2搬送機器104によってキャリア114が底層の移載機器120に置かれた場合、当該底層の移載機器120は、キャリア114を底層の移載機器120から、昇降機器108内の移載機器120に搬送することができるようになる。
【0106】
そうすると、本明細書における第2搬送機器104は、さらに、キャリア114を底層の移載機器120から取り出すとともに、キャリアを底層転送ステーション112に搬送し、キャリア114を指定領域内に置くためのものとなる。または、第2搬送機器104は、キャリア114を指定領域における底層転送ステーション112から取り出すとともに、キャリア114を底層の移載機器120に搬送してもよい。図11に示すように、点線はキャリア114の移動経路を示す。
【0107】
さらに、本明細書における別の実施形態では、制御センター100は、必要に応じて、当該立体倉庫106の外における指定領域に搬送する旨の搬送指令を第2搬送機器104に送信してもよい。そうすると、当該第2搬送機器104は、搬送指令に応じて、キャリア114を指定領域に搬送してもよい。つまり、本明細書において、第2搬送機器104が立体倉庫106内しか走行できないことに限定されない。第2搬送機器104は、底層のプラットフォーム上を走行しているため、レールによって制限されておらず、システム外又は立体倉庫106外における機器と柔軟にドッキングすることによって、キャリア114の搬出入を行うことができる。ここで、外部の機器は、作業者によって制御されるフォークリフト、キャリア114を搬送するローラライン、生産ライン、作業者が貨物の仕分けを行う領域などであってもよいが、本明細書では、制限されていない。
【0108】
さらに、当該システムは、形態が立体保管および平面保管のうちの少なくとも1つである1つ以上の外部バッファエリアをさらに含んでもよいが、本明細書では、それについて限定されていない。当該外部バッファエリアが立体保管の形態である場合、当該外部バッファエリアには、外部バッファエリアにおける各層を連通するための昇降機器108が設けられてもよい。勿論、当該外部バッファエリアには、昇降機器108が設けられない場合、フォークリフトなどの立体搬送機器によって、外部バッファエリアにおける高層のキャリア114を搬送してもよい。しかも、当該外部バッファエリアのレイアウト構造は、上記図2~4bに示す形態であってもよい。
【0109】
本明細書において、外部バッファエリアは、各第2搬送機器104を立体倉庫106と共有してもよい。当該第2搬送機器104は、外部バッファエリアと少なくとも1つの立体倉庫106の間に、キャリア114に対する搬送及び/又は転送を行う。例えば、立体倉庫106における貨物を外部バッファエリアに搬送する必要がある場合、制御センター100は、搬送指令を第2搬送機器に送信してもよい。そうすると、当該第2搬送機器104は、キャリア114を外部バッファエリアに搬送してバッファしてもよい。
【0110】
勿論、当該外部バッファエリアが平面保管の形態である場合、当該外部バッファエリアは、地面に設けられたキャリアブラケット116から構成されたバッファエリアであってもよい。当該外部バッファエリアは、貨物のうち、入出庫頻度が高い貨物を載置するためのものであってもよい。それにより、立体倉庫106におけるキャリア114の入出庫頻度を小さくして、入庫頻度が高い貨物の搬送が占める各搬送機器による搬送時間を低減した。一般的にいうと、当該外部バッファエリアは、当該立体倉庫106に対して、保管量が小さく、構造がより簡単であって、貨物のバッファを実現できるものであればよいので、上述したように、地面に設けられたキャリアブラケット116のみから構成されたものであってもよい。
【0111】
図2に示す貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムと上記搬送タスクの実行過程に関する記載から分かるように、本明細書が提供するシステムは、立体倉庫において第1搬送機器と第2搬送機器を混合して使用するとともに、第1搬送機器と第2搬送機器が協働して密集保管型倉庫内に貨物を搬送できるように立体倉庫における昇降機器の搬送機能を発揮させることにより、倉庫の底層にレールを敷設することを回避し、倉庫のレイアウトを柔軟に変化させることができるとともに、第1搬送機器の所要数量を減少することができ、倉庫の稼働コストが低減され、搬送効率の向上につながる。
【0112】
また、本明細書において、第2搬送機器104のキャリア114を搬送していないときの経路選択の柔軟度を向上するために、立体倉庫106の底層における少なくとも一部の底層貨物位置のキャリアブラケット116の高さがキャリア114を載置していないときの第2搬送機器104の高さよりも高い。
【0113】
第2搬送機器104は、さらに、キャリア114を載置していないときに、少なくとも一部の底層貨物位置の下方を選択可能に走行し、又は、キャリア114を少なくとも一部の底層貨物位置の下方からピギーバック方式で搬送するためのものである。
【0114】
さらに、立体倉庫106の底層における少なくとも一部の底層貨物位置間の立柱の間隔は、第2搬送機器104の幅よりも大きく、かつ立体倉庫106の底層における少なくとも一部の隣り合う2立柱間の接続部材の最低点での高さは、キャリア114を載置していないときの第2搬送機器102の高さよりも高い。第2搬送機器102は、さらに、キャリア114を載置していないときに、底層における少なくとも一部の隣り合う2立柱間を選択可能に走行するためのものである。
【0115】
図2に示すシステムを基にして、本明細書は、図12に示すように、立体倉庫の搬送スケジューリング方法をさらに提供する。
【0116】
図12は、本明細書が提供する立体倉庫の搬送スケジューリングの流れの模式図である。立体倉庫は、少なくとも1つ以上あり、立体倉庫の各層が少なくとも1つの昇降機器によって連通され、立体倉庫の底層には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられ、底層における少なくとも一部の底層貨物位置には、キャリアとキャリアブラケットが配置されており、底層貨物位置におけるキャリアブラケットは、第2搬送機器によって搬送されるキャリアを載置するためのものであり、立体倉庫では、底層以外の他の高層の各々には、少なくとも1つの高層転送ステーションが設けられ、高層の各々には、第1搬送機器が走行するためのレールが設けられ、高層における少なくとも一部の高層貨物位置には、キャリアが配置されており、当該搬送の流れでは、以下のステップが含まれてもよい。
【0117】
ステップS200であって、実行すべき搬送タスクを特定する。
説明すべきなのは、当該搬送タスクは、立体倉庫における貨物の仕分けを実現するために、搬送機器がキャリアを搬送する作業であり、受け付けた注文に応じて特定されてもよい。
【0118】
ステップS202であって、前記搬送タスクに応じて、搬送タスクを実行する第1搬送機器、第2搬送機器及び昇降機器を特定する。
【0119】
ステップS204であって、特定した前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器に対して搬送指令をそれぞれ送信することにより、前記第1搬送機器、前記第2搬送機器及び前記昇降機器を協働させて、キャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置から底層転送ステーションに搬送し、又は、底層転送ステーションにおけるキャリアを前記立体倉庫の高層貨物位置または底層貨物位置に搬送する。
【0120】
本明細書が提供する搬送方法は、具体的に、制御センターによって実行されてもよい。当該制御センターは、1つ以上の機器であってもよい。例えば、複数のサーバからなる分布式サーバであってもよい。本明細書では、それについて限定されていない。勿論、立体倉庫が1つ以上あってもよいので、複数の立体倉庫による搬送タスクを特定するとともに、搬送タスクを実行するために機器をスケジューリングする制御センターを1つ設置してもよいし、複数の制御センターによって、異なる搬送タスクをそれぞれ、特定するとともに、搬送タスクを実行するために機器をスケジューリングしてもよい。しかも、複数の制御センターがある場合、各制御センターは、特定した搬送タスクを共有してもよい。それにより、複数の制御センターは、協働して複数の搬送タスクを完成させることができる。
【0121】
また、当該方法の実行過程の詳細について、上述した貨物のピッキングを実現するための立体倉庫の搬送スケジューリングシステムにおける搬送タスクの実行過程に関する記載を参照されたい。本明細書では、再説明を省略されたい。
【0122】
さらに、本明細書において、制御センターが当該搬送・スケジューリングを実行する流れを例にして説明する。当該第1搬送機器は、キャリアを高層貨物位置の上方または側方から搬送できるので、搬送指令を特定された第1搬送機器に送信して、第1搬送機器に搬送タスクを実行させるとき、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定し、高層貨物位置および高層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、搬送指令を特定された第1搬送機器に対して送信することにより、第1搬送機器は、搬送指令に応じて、通路の位置で搬送指令で指示されるキャリアを高層貨物位置の側方から第1搬送機器に取り出し、又は、第1搬送機器は、搬送指令に応じて、第1搬送機器における搬送指令で指示されるキャリアを側方から高層貨物位置に入れるようにさせてもよい。
【0123】
ここで、高層貨物位置と隣り合う通路の位置は、高層貨物位置との間には、立体倉庫の補強構造(例えば、補強リブ)、又は、仕切り板などの倉庫構造がない通路の位置である。通路は、第1搬送機器がキャリアを搬送しているときに走行するための通路であり、第1搬送機器は、キャリアを高層貨物位置から搬出して、通路に沿って走行する必要があるので、各高層貨物位置とそれに隣り合う通路の間には、ブロックがない通路が必ず1本ある。勿論、上記システムについて記載されているように、前記立体倉庫の平面レイアウトが複数あってもよい。その場合、少なくとも、他のキャリアを搬送することによっても、いずれかの高層貨物位置を通路と連通させることができる。
【0124】
又は、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する高層貨物位置を特定し、高層貨物位置と高層貨物位置の上方にある他の貨物位置に基づき、特定した第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器は、搬送指令に応じて、高層貨物位置の上方にある他の貨物位置で搬送指令で指示されるキャリアを高層貨物位置の上方から第1搬送機器に取り出し、又は、第1搬送機器は、搬送指令に応じて、第1搬送機器における搬送指令で指示されるキャリアを高層貨物位置に降ろすようにさせる。
【0125】
また、本明細書において、当該第2搬送機器は、貨物を底層貨物位置から、異なる方式によって取り出してもよい、例えば、キャリアを底層貨物位置の下方または側方から搬送してもよいので、搬送指令を特定された第2搬送機器に送信して、第2搬送機器に搬送タスクを実行させるとき、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定し、底層貨物位置および底層貨物位置と隣り合う通路の位置に基づき、搬送指令を第2搬送機器に対して送信することにより、第2搬送機器は、底層貨物位置と隣り合う通路の位置で搬送指令で指示されるキャリアを底層貨物位置の側方から第2搬送機器に取り出し、又は、第2搬送機器における搬送指令で指示されるキャリアを側方から底層貨物位置に入れるようにさせてもよい。
【0126】
さらに、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する底層貨物位置を特定し、底層貨物位置に基づき、第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、第2搬送機器は、底層貨物位置と隣り合う通路の位置で、底層貨物位置の下方に入り、搬送指令で指示されるキャリアを底層貨物位置の下方から第2搬送機器に取り出し、又は、第2搬送機器における搬送指令で指示されるキャリアを底層貨物位置に入れるようにさせてもよい。
【0127】
また、昇降機器内には、高層に設けられたレールと接続されたことで、第1搬送機器が昇降機器内に走行するためのレールが設けられる場合、
制御センターは、さらに、各高層で実行すべき搬送タスクに少なくとも部分的に応じて、各高層に必要な第1搬送機器の数を特定してから、各高層に必要な第1搬送機器の数と現在の各高層における第1搬送機器の数に基づき、各高層でスケジューリングされる必要がある第1搬送機器を特定してもよい。その後、特定したスケジューリングされる必要がある第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信することにより、第1搬送機器は、さらに、受信したスケジューリング指令に応じて、昇降機器内に走行し、昇降機器によってスケジューリング指令で指定された高層に到達する。
【0128】
さらに、高層転送ステーションが昇降機器内に位置するように設けられた場合、制御センターは、搬送指令を第1搬送機器に送信するとき、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する昇降機器内の高層転送ステーションを特定するとともに、昇降機器内の高層転送ステーションの位置に基づき、特定した第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器は、昇降機器内の高層転送ステーションに走行して、キャリアを高層転送ステーションに置き、又は、キャリアを高層転送ステーションの位置から取り出す。
【0129】
さらに、昇降機器内には、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、高層転送ステーションは、少なくとも、昇降機器内に位置する移載機器を含む。そうすると、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する昇降機器内の高層転送ステーションを特定してもよい。制御センターは、昇降機器内の高層転送ステーションの位置に基づき、特定した第1搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器は、昇降機器内の高層転送ステーションとしての移載機器のところに走行して、キャリアを移載機器に置き、又は、キャリアを高層転送ステーションとしての移載機器から取り出すようにさせる。
【0130】
しかも、昇降機器外には、さらに、無動力式移載機器又は動力式移載機器が設けられ、高層転送ステーションは、さらに、少なくとも昇降機器外に位置する移載機器を含む場合、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する高層転送ステーションを特定し、高層転送ステーションの所在層に応じて、昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、昇降機器は、高層転送ステーションの所在層において、昇降機器外に位置する移載機器が昇降機器内に位置する移載機器とドッキングすることによって、キャリアを昇降機器内の移載機器から昇降機器外の高層転送ステーションとしての移載機器に搬送し、又は、昇降機器外に位置する高層転送ステーションとしての移載機器におけるキャリアを昇降機器内の移載機器に搬送するようにさせてもよい。
【0131】
また、本明細書において、当該立体倉庫の底層転送ステーションは、立体倉庫と外界との間にキャリアを転送するための領域であり、立体倉庫外には、フォークリフトなど、キャリアを底層から持ち上げる機器であれば、立体倉庫の底層における指定領域には、少なくとも1つの底層転送ステーションが設けられてもよい。制御センターは、搬送指令を特定した第2搬送機器に対して送信するとき、さらに、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する指定領域に設けられた底層転送ステーションを特定し、指定領域に設けられた底層転送ステーションに応じて、第2搬送機器に対して搬送指令を送信することにより、第2搬送機器は、搬送指令で指示されるキャリアを底層貨物位置又は昇降機器から取り出すとともに、キャリアを底層転送ステーションに搬送し、キャリアを指定領域に置き、または、搬送指令で指示されるキャリアを指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、キャリアを底層貨物位置または昇降機器に搬送するようにさせてもよい。
【0132】
さらに、昇降機器内には、動力式移載機器が設けられてもよい。そうすると、立体倉庫の底層の地面には、動力式移載機器が対応的に設けられる。制御センターは、昇降機器がキャリアを搬送するように制御するとき、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する底層転送ステーションを特定するとともに、昇降機器に対して底層に搬送する旨の搬送指令を送信することにより、昇降機器は、底層に移動して、底層地面の移載機器が昇降機器内に位置する移載機器とドッキングすることによって、キャリアを昇降機器内の移載機器から底層地面の移載機器に搬送し、又は、底層地面の移載機器におけるキャリアを昇降機器内の移載機器に搬送するようにさせてもよい。
【0133】
上記場合に、キャリアは底層において、昇降機器内から底層の移載機器に搬出されるようになる。そうすると、制御センターは、搬送タスクに応じて、搬送タスクに対応する指定領域に設けられた底層転送ステーションを特定し、指定領域に設けられた底層転送ステーションに応じて、搬送指令を第2搬送機器に対して送信することにより、第2搬送機器は、キャリアを底層地面の移載機器から取り出すとともに、キャリアを底層転送ステーションに搬送し、キャリアを指定領域に置き、又は、第2搬送機器は、キャリアを昇降機器に搬送して、その昇降機器によって他の層に搬送するとき、第2搬送機器は、受信した搬送指令に応じて、搬送指令で指示されるキャリアを指定領域の底層転送ステーションから取り出すとともに、キャリアを底層地面の移載機器に搬送するようにさせてもよい。
【0134】
また、立体倉庫における高層には、全領域をレールによって連通できない高層がある場合、全領域をレールによって連通できない高層について、制御センターは、当該高層の異なる領域間に第1搬送機器をスケジューリングする必要があると特定したとき、例えば、上記システムについて記載されているように、実行すべき予定の搬送タスクの要求に応じて第1搬送機器をスケジューリングする必要がある場合に、第1搬送機器が出る領域を出発エリアとし、第1搬送機器が入る領域を目的エリアとするとともに、当該高層との距離が最も近く全領域がレールによって連通された他の高層を中間層として特定してもよい。また、制御センターは、出発エリアにおける第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、中間層と出発エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信し、中間層と目的エリアを連通する昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、第1搬送機器は、2つの昇降機器と中間層によって、出発エリアから目的エリアに到達する。
【0135】
さらに、立体倉庫は2つ以上ある場合、本明細書における各立体倉庫の底面が互いに連通されており、制御センターは、第1搬送機器を異なる立体倉庫間にスケジューリングする必要があると特定すると、第1搬送機器が出る立体倉庫を出発倉庫とし、第1搬送機器が入る立体倉庫を目的倉庫とするとともに、
前記出発倉庫における第1搬送機器に対してスケジューリング指令を送信し、第2搬送機器、前記出発倉庫における昇降機器、および、前記目的倉庫における昇降機器に対して搬送指令を送信することにより、前記第1搬送機器は、前記2つの昇降機器と前記第2搬送機器によって前記出発倉庫から前記目的倉庫にスケジューリングされるようにさせてもよい。
【0136】
また、本明細書が提供する別の実施例では、立体倉庫外には、形態が立体保管および平面保管のうちの少なくとも1つである1つ以上の外部バッファエリアが設けられる。外部バッファエリアは、少なくとも一部の第2搬送機器を立体倉庫と共有し、又は、第2搬送機器は、外部バッファエリアと少なくとも1つの立体倉庫の間に、キャリアに対する搬送及び/又は転送を行う。
【0137】
そうすると、制御センターは、実行すべき搬送タスクを特定するとき、記憶された、外部バッファエリアと立体倉庫における貨物在庫情報及び注文情報に基づき、実行すべき搬送タスクを特定してもよい。つまり、外部バッファエリアに保管された貨物、および、外部バッファエリアによる貨物の保管能力を考慮する必要がある。
【0138】
図12に示す方法によれば、立体倉庫において第1搬送機器と第2搬送機器を混合して使用するとともに、第1搬送機器と第2搬送機器が協働して密集保管型倉庫内に貨物を搬送できるように立体倉庫における昇降機器の搬送機能を発揮させることにより、倉庫の底層にレールを敷設することを回避し、倉庫のレイアウトを柔軟に変化させることができるとともに、第1搬送機器の所要数量を減少することができ、倉庫の稼働コストが低減され、搬送効率の向上につながる。
【0139】
20世紀90年代に、一つの技術に対する改良は、ハードウェア上の改良(例えば、ダイオード、トランジスタ、スイッチ等の回路構造に対する改良)であるか、それとも、ソフトウェア上の改良(方法・流れに対する改良)であるかを明らかに区別することができる。しかしながら、技術の発展に伴い、現在、多くの方法・流れに対する改良は、ハードウェア回路構造に対する直接的な改良として見なされてもよいものとなる。設計者らは、改良された方法・流れをハードウェア回路にプログラミングすることによって、対応するハードウェア回路構造を得ることが殆どである。したがって、一つの方法・流れに対する改良は、ハードウェアエンティティモジュールによって実現することができないとは言えない。例えば、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA))は、このような集積回路であり、その論理機能は、ユーザがデバイスをプログラミングすることにより特定される。設計者が自らでプログラミングして一つのデジタルシステムを一枚のPLDに「集積」し、チップメーカーで専用の集積回路チップを設計し製造する必要はない。そして、現在、集積回路チップを手動で製造する代わりに、このようなプログラミングも、「論理コンパイラ(logic compiler)」ソフトウェアで実現されることが多く、プログラム開発作成時に使用されるソフトウェアコンパイラと類似し、コンパイルする前のオリジナルコードも特定のプログラミング言語で作成されなければならず、これはハードウェア記述言語(Hardware Description Language、HDL)と呼ばれ、HDLも一種だけではなく、様々があり、例えば、ABEL(Advanced Boolean Expression Language)、AHDL(Altera Hardware Description Language)、Confluence、CUPL(Cornell University Programming Language)、HDCal、JHDL(Java Hardware Description Language)、Lava、Lola、MyHDL、PALASM、RHDL(Ruby Hardware Description Language)等であり、現在、最も一般的に使用されるのは、VHDL(Very-High-Speed Integrated Circuit Hardware Description Language)とVerilogである。当業者にとって、方法・流れを上記いくつかのハードウェア記述言語で論理プログラミングして集積回路にプログラミングするだけで、該論理方法フローを実現するハードウェア回路を容易に得ることができることは明らかである。
【0140】
コントローラは、任意の適切な方式で実現することができ、例えば、コントローラは、例えば、マイクロプロセッサ又はプロセッサ及び該(マイクロ)プロセッサにより実行可能なコンピュータ読取可能なプログラムコード(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)を記憶するコンピュータ読取可能な媒体、論理ゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ及び組み込みマイクロコントローラの形式を採用することができ、コントローラの例は、ARC 625D、Atmel AT91SAM、Microchip PIC18F26K20及びSilicone Labs C8051F320のようなマイクロコントローラを含むがそれらに限定されず、メモリコントローラは、さらにメモリの制御論理の一部として実現されてもよい。当業者も分かるように、純粋なコンピュータ読取可能なプログラムコードの方式でコントローラを実現する以外、完全に方法ステップを論理プログラミングすることによりコントローラが論理ゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックコントローラ及び組み込みマイクロコントローラ等の形式で同じ機能を実現することができる。したがって、このようなコントローラは、ハードウェア部品として考えられ、その中に含まれる様々な機能を実現するための装置もハードウェア部品内の構造と見なすことができる。又はさらに、様々な機能を実現するための装置を、方法を実現するソフトウェアモジュールとハードウェア部品内の構造の両方と見なすことができる。
【0141】
上記実施例により説明されたシステム、装置、モジュール又はユニットは、具体的には、コンピュータチップ又はエンティティにより実現されてもよく、又は、ある機能を有する製品により実現されてもよい。典型的な実現設備として、コンピュータが挙げられる。具体的には、コンピュータは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、カメラ電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレーヤ、ナビゲーション設備、電子メール設備、ゲームコンソール、タブレットコンピュータ、ウェアラブル設備又はこれらの設備のうちの任意の設備の組み合わせであってもよい。
【0142】
説明の便宜上、以上の装置を説明するとき、機能別で様々なユニットに分けてそれぞれ説明していた。勿論、本明細書を実施するとき、各ユニットの機能を同一又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアで実現することができる。
【0143】
当業者であれば分かるように、本開示の実施例は、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。そのため、本開示は、完全ハードウェアの実施例、完全ソフトウェアの実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形式が用いられてもよい。しかも、本開示は、1つまたは複数の、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それらに限られないもの)に実施されるコンピュータプログラム製品の形式が用いられてもよい。
【0144】
本開示は、本開示の実施例に係る方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明していた。理解すべきなのは、コンピュータプログラムコマンドによって、フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロックや、フローチャート及び/又はブロック図におけるプロセス及び/またはブロックの組み合わせが実現されてもよい。これらのコンピュータプログラムコマンドを、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋込型プロセッサ、または、他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することにより、機器を発生させ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行すべきコマンドによれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するための装置を発生させる。
【0145】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を特定の方式で作動するようにガイドできるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。それにより、当該コンピュータ可読メモリに記憶されたコマンドは、コマンド装置を含む製品を発生させ、当該コマンド装置によれば、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能が実現される。
【0146】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされてもよい。それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置において、一連の操作ステップを実行してコンピュータによって実現される処理を発生させ、さらに、コンピュータ又は他のプログラマブル装置によって実行すべきコマンドは、フローチャートにおける1つのフローまたは複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0147】
典型的な配置では、コンピュータ機器には、1つ以上のプロセッサ(CPU)、入出力インターフェース、ネットワークインターフェース及びメモリが含まれる。
【0148】
メモリは、コンピュータ可読媒体における非永続的メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は不揮発性メモリなどの形式を有するものを含んでもよく、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)又はフラッシュメモリ(flash RAM)が考えられる。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。
【0149】
コンピュータ可読媒体は、永続的・非永続的、移動可能・移動不可能な媒体を含み、任意の方法又は技術によって情報の記憶が実現されてもよい。情報は、コンピュータ可読コマンド、データ構成、プログラムのモジュール又は他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例として、コンピュータ機器によってアクセスされ得る情報を記憶することができるような、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置または任意の他の非伝送媒体を含んでもよいが、それらによって制限されない。本文の定義によると、コンピュータ可読媒体は、変調されるデータ信号やキャリアのような一時的なコンピュータ可読媒体(transitory media)を含まない。
【0150】
さらに説明すべきなのは、「含む」、「包含」という用語又は他の変形は、非排除性の「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、商品または機器はそれらの要素を含むだけではなく、明確に挙げられていない他の要素、又は、そのようなプロセス、方法、商品または機器の固有の要素も含む。あまり多くの制限がない場合、「1つの……を含む」という文章で限定された要素について、前記要素を含むプロセス、方法、商品または機器には、他の同様の要素がさらに存在することが排除できない。
【0151】
当業者であれば分かるように、本明細書における実施例は、方法、システム、または、コンピュータプログラム製品として提供されてもよい。そのため、本明細書は、完全ハードウェアの実施例、完全ソフトウェアの実施例、または、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施例の形式が用いられてもよい。しかも、本明細書は、1つまたは複数の、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それらに限られないもの)に実施されるコンピュータプログラム製品の形式が用いられてもよい。
【0152】
本明細書は、コンピュータにより実行されるコンピュータ実行可能なコマンドの一般的なコンテキスト、例えばプログラムモジュールで説明することができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。分散コンピューティング環境において本明細書を実施することもでき、これらの分散コンピューティング環境において、通信ネットワークを介して接続された遠隔処理設備によりタスクを実行する。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、記憶設備を含むローカル及びリモートのコンピュータ記憶媒体に配置することができる。
【0153】
本明細書における各実施例は、漸進的な方式により記述されており、各実施例間における同一や類似した部分について、相互参照すればよく、各実施例では、他の実施例との相違点に重点を置いて説明されている。特に、システム実施例について、それらが方法実施例と基本的に同じなので、それらに対する記述は簡素化され、関連部分について、方法実施例における一部の説明を参照すればよい。
以上に説明されているのは、本明細書における実施例に過ぎず、本明細書を制限するためのものではない。当業者にとって、本明細書は、種々の変更や変化が行われてもよい。本明細書の精神と原則において行われた如何なる補正、等価代替、改良等は、いずれも、本明細書の特許請求の範囲内に入っている。
【符号の説明】
【0154】
100 制御センター
102 第1搬送機器
104 第2搬送機器
106 立体倉庫
108 昇降機器
110 底層転送ステーション
112 高層転送ステーション
114 キャリア
116 キャリアブラケット
118 レール
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12