(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】可撓性ガイドを備えた時計用リンク機構
(51)【国際特許分類】
G04B 19/00 20060101AFI20240912BHJP
G04B 19/26 20060101ALI20240912BHJP
G04B 19/253 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G04B19/00 L
G04B19/26 A
G04B19/253 A
(21)【出願番号】P 2022570137
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2021064900
(87)【国際公開番号】W WO2021245187
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-11-16
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504341564
【氏名又は名称】モントレー ブレゲ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ストランツル,マルク
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-502525(JP,A)
【文献】特表2013-524173(JP,A)
【文献】特開2019-20373(JP,A)
【文献】特表2013-531257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0363376(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0252785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0081434(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を
有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
前記リンク機構(100)は、前記構造体(10)と第1のアーム(1)との間の第1のメイン関節接合部(11)、及び前記構造体(10)と第2のアーム(2)との間の第2のメイン関節接合部(21)を含むこと、並びに
前記第1のアーム(1)は、前記第1のメイン関節接合部(11)から離間した位置に、可撓性接続を備えた並進ガイド、又は前記キャリア(9)を形成する前記第2のアーム(2)を前記第2のメイン関節接合部(21)から離間した位置に含む相補的な摺動要素(28)と、摺動及び関節接合によって協働するよう配設された、摺動要素(18)を含むか;あるいは前記リンク機構(100)は、前記第1のメイン関節接合部(11)から離間した位置に、前記第1のアーム(1)と前記キャリア(9)との間の第1の2次関節接合部(110)を含み、また前記第2のメイン関節接合部(21)及び前記第1の2次関節接合部(110)から離間した位置に、前記第2のアーム(2)と前記キャリア(9)との間、又は前記第2のアーム(2)と、前記キャリア(9)と関節接合された操作バー(4)との間の、第2の2次関節接合部(210)を含むことを特徴とする、リンク機構(100)。
【請求項2】
前記キャリア(9)は、枢動以外の単一の自由度に従って可動であるため、前記キャリア(9)の各点は円以外の軌道をたどることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記可撓性ガイド(50)は平面状であり、隣接する要素よりも小さな断面を有する可撓性ネック(51)、及び/又は隣接する要素よりも小さな断面を有する、関節接合部を形成する可撓性ブレード(5、6、52)を含み、
前記リンク機構(100)は、2つの異なる点において前記構造体(10)に関節接合された少なくとも2つのアーム(1、2)を含み、前記アーム(1、2)は、互いに、又は3次バー(12)若しくは3次構造体(120)と、運動学的に協働するように配設されている
ことを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項4】
前記リンク機構(100)は、前記第1のメイン関節接合部(11)から離間した位置に、前記第1のアーム(1)と前記キャリア(9)との間の第1の2次関節接合部(110)を含み、また前記第2のメイン関節接合部(21)及び前記第1の2次関節接合部(110)から離間した位置に、前記第2のアーム(2)と前記キャリア(9)との間、又は前記第2のアーム(2)と、前記キャリア(9)と関節接合された操作バー(4)との間の、第2の2次関節接合部(210)を含むこと;並びに
前記第2の2次関節接合部(210)は、前記第2のアーム(2)と、前記キャリア(9)と関節接合された1つの前記操作バー(4)との間に配設され、前記操作バー(4)は、第1の操作用関節接合部(24)において前記第2のアーム(2)と、そして第2の操作用関節接合部(49)において前記キャリア(9)と、それぞれ関節接合されることを特徴とする、請求項
1に記載のリンク機構(100)。
【請求項5】
前記構造体(10)はピボット(30)を含み、前記ピボット(30)は、前記ピボット(30)から離間した第3の2次関節接合部(31)において前記操作バー(4)と関節接合された、第3のバー(3)の回転をガイドするために配設されることを特徴とする、請求項
4に記載のリンク機構(100)。
【請求項6】
アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
少なくとも1つの前記可撓性ガイド(50)は、少なくとも2つの平行かつ平面状のレベルを含み、各前記レベルに、隣接する要素より小さな断面を有する可撓性ブレード(5、6、52)を含み、前記可撓性ブレード(5、6、52)の方向は交差しており、またこれらの方向の交点の、前記レベルに対して平行な平面上での投影図は、仮想枢軸及び関節接合部を画定することを特徴とする、リンク機構(100)。
【請求項7】
前記キャリア(9)、前記構造体(10)、及び前記少なくとも1つの可撓性ガイド(50)は、同一平面上であることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項8】
アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
前記キャリア(9)は第3のバー(3)であることを特徴とする、
リンク機構(100)。
【請求項9】
前記キャリア(9)は多角形状の剛性構造体であることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項10】
前記リンク機構(100)は、前記構造体(10)と第1のアーム(1)との間の第1のメイン関節接合部(11)、及び前記構造体(10)と第2のアーム(2)との間の第2のメイン関節接合部(21)を含み、
前記第1のアーム(1)又は前記第2のアーム(2)は、1つの前記アクチュエータによって駆動されるように配設されることを特徴とする、
請求項1~
9のいずれか1項に記載のリンク機構(100)。
【請求項11】
前記第3のバー(3)は、1つの前記アクチュエータによって駆動されるように配設されることを特徴とする、請求項
8に記載のリンク機構(100)。
【請求項12】
前記キャリア(9)は、複数の前記可撓性ガイド(50)によって、固定された前記構造体(10)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項13】
前記キャリア(9)は、1つの前記可撓性ガイド(50)のみによって、又は複数の前記可撓性ガイド(50)によって、固定された前記構造体(10)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項14】
前記リンク機構(100)は、前記キャリア(9)と前記構造体(10)との間に直列に配置された複数の前記可撓性ガイド(50)を含み、前記可撓性ガイド(50)のうちの少なくとも2つの連続する前記可撓性ガイド(50)は、中間慣性質量体(51)によって隔てられ、前記可撓性ガイド(50)は両方とも前記中間慣性質量体(51)に固定されるか、又は前記可撓性ガイド(50)は前記中間慣性質量体(51)と共にモノリシックな組立体を形成することを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項15】
少なくとも1つの前記可撓性ガイド(50)は、2つの別個の交差したブレードを備えたピボット、又は2つの一体型の交差したブレードを備えたピボット、又は2つの直交するブレードを備えたRCCピボット、又は4つのネックを備えたRCCピボット、又は少なくとも局所的に平行な少なくとも2つのブレード、又はカラーによる可撓性接続を備えた並進ガイドを含むことを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項16】
アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
前記リンク機構(100)は、ピン留め及び/又はねじ留め及び/又は接着及び/又は挟み込みによる接続によって前記キャリア(9)及び前記構造体(10)に機械的に固定された、ケイ素及び/又は酸化ケイ素製の少なくとも1つの前記可撓性ガイド(50)を含む、複合機構であることを特徴とする、リンク機構(100)。
【請求項17】
前記リンク機構(100)はモノリシック機構であることを特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項18】
前記キャリア(9)は遠位端(90)に、1つの前記レシーバを駆動するためのフック又はフィンガ又は歯を含むこと、及び
前記遠位端(90)の軌道は、少なくとも1つの直線状又は略直線状のセクションを含むこと
を特徴とする、請求項1に記載のリンク機構(100)。
【請求項19】
前記遠位端(90)の前記軌道は直線状又は略直線状であることを特徴とする、請求項
18に記載のリンク機構(100)。
【請求項20】
アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
前記キャリア(9)は遠位端(90)に、1つの前記レシーバを駆動するためのフック又はフィンガ又は歯を含むこと、及び
前記遠位端(90)の軌道は、少なくとも1つの直線状又は略直線状のセクションを含み、
前記遠位端(90)の前記軌道は、第1の方向における前記遠位端(90)の第1のストロークT1に対応する直線状又は略直線状のセクションと、前記セクションの端部をつなぐ、前記第1の方向の反対の第2の方向における前記遠位端(90)の第2のストロークT2に対応する凹状の曲線とを含むことを特徴とする、
リンク機構(100)。
【請求項21】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、請求項1に記載の少なくとも1つのリンク機構(100)とを含む、時計機構(500)。
【請求項22】
前記キャリア(9)は、直接接触によって、又はプッシュピース若しくはレバーを介して、1つの前記レシーバを駆動するように配設されることを特徴とする、請求項
21に記載の時計機構(500)。
【請求項23】
前記アクチュエータは、前記レシーバの適切なストロークのために、制御ストローク全体にわたって前記リンク機構(100)に連続的な力を付与するように配設されることを特徴とする、請求項
21に記載の時計機構(500)。
【請求項24】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、少なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、 前記アクチュエータは、適切なインパルスを前記レシーバに伝達するために、前記リンク機構(100)にインパルスを付与するように配設されることを特徴とする、
時計機構(500)。
【請求項25】
前記アクチュエータは前記可撓性ガイド(50)の要素のうちの1つに固定されるか、又は前記可撓性ガイド(50)の要素のうちの1つと関節接合されることを特徴とする、請求項
21に記載の時計機構(500)。
【請求項26】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、少なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、 前記リンク機構(100)は、前記アクチュエータによって付与された回転を前記レシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、ヘッケン機構であることを特徴とする、
時計機構(500)。
【請求項27】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、 前記リンク機構(100)は、前記アクチュエータによって付与された回転を前記レシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、ロバーツ機構であり、前記キャリア(9)は三角形の頂点であり、前記三角形の他の頂点は、前記リンク機構(100)が含む関節接合されたバー(1;2)に、関節接合されることを特徴とする、
時計機構(500)。
【請求項28】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、少なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、
前記リンク機構(100)は、前記アクチュエータによって付与された連続的な回転を、前記レシーバが含む歯又は支承面に対する周期的な駆動押圧に変換するよう配設された、クラン機構であることを特徴とする、時計機構(500)。
【請求項29】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、少なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、 前記リンク機構(100)は、前記アクチュエータによって付与された連続的な回転を、前記レシーバが含む歯又は支承面に対する周期的な駆動押圧に変換するよう配設された、チェビシェフラムダ機構であることを特徴とする、
時計機構(500)。
【請求項30】
アクチュエータ及びレシーバと、前記アクチュエータと前記レシーバとの間での運動伝達のために配設される、少なくとも1つのリンク機構(100)とを含み、
前記リンク機構(100)は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構(100)であって、前記リンク機構(100)は構造体(10)を含み、前記構造体(10)に対してキャリア(9)が1つの前記アクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、前記キャリア(9)は、少なくとも1つの可撓性ガイド(50)によって前記構造体(10)に接続され、前記キャリア(9)及び前記構造体(10)はそれぞれ、各前記可撓性ガイド(50)よりも高い剛性を有し、前記キャリア(9)は、前記可撓性ガイド(50)のみによって上記自由度に従ってガイドされ、 前記リンク機構(100)は、前記構造体(10)と第1のアーム(1)との間の第1のメイン関節接合部(11)、及び前記構造体(10)と第2のアーム(2)との間の第2のメイン関節接合部(21)を含むこと、並びに
前記第1のアーム(1)は、前記第1のメイン関節接合部(11)から離間した位置に、可撓性カラー接続を備えた並進ガイド、又は前記キャリア(9)を形成する前記第2のアーム(2)を前記第2のメイン関節接合部(21)から離間した位置に含む相補的な摺動要素(28)と、摺動及び関節接合によって協働するよう配設された、摺動要素(18)を含むこと、あるいは前記リンク機構(100)は、前記第1のメイン関節接合部(11)から離間した位置に、前記第1のアーム(1)と前記キャリア(9)との間の第1の2次関節接合部(110)を含み、また前記第2のメイン関節接合部(21)及び前記第1の2次関節接合部(110)から離間した位置に、前記第2のアーム(2)と前記キャリア(9)との間、又は前記第2のアーム(2)と、前記キャリア(9)と関節接合された操作バー(4)との間の、第2の2次関節接合部(210)を含むこと、
並びに
前記リンク機構(100)は、前記アクチュエータによって付与された連続的な回転を、前記レシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、チェビシェフリンク機構と呼ばれる機構であること
を特徴とする、
時計機構(500)。
【請求項31】
請求項
21に記載の少なくとも1つの時計機構(500)、及び/又は請求項1に記載の少なくとも1つのリンク機構(100)を含む、時計ムーブメント(1000)。
【請求項32】
請求項
31に記載の少なくとも1つの時計ムーブメント(1000)、及び/又は請求項
21に記載の少なくとも1つの時計機構(500)、及び/又は請求項1に記載の少なくとも1つのリンク機構(100)を含む、腕時計(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータとレシーバとの間での運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構に関する。
【0002】
本発明はまた、アクチュエータ及びレシーバと、上記アクチュエータと上記レシーバとの間での運動伝達のために配設される少なくとも1つの上述のリンク機構とを含む、時計機構にも関する。
【0003】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計機構、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構を含む、時計ムーブメントにも関する。
【0004】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計ムーブメント、及び/又は少なくとも1つの上述の時計機構、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構を含む、腕時計にも関する。
【0005】
本発明は、時計機構、特にディスプレイ機構及びコンプリケーション機構の分野に関する。
【背景技術】
【0006】
時計機構内での運動の変換には、コンプリケーションのハウジングに割り当てることができない大きな容積が必要であり、また、特に腕時計である時計のパワーリザーブに影響を及ぼすエネルギ効率の低下をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、駆動装置の接触を厳密に必要なものだけに制限しつつ、全体の効率に常に悪影響を及ぼす摩擦部品を最小限しか含めないことによって、運動変換機構を、それが2つ又は3つの平行なレベルを含まなければならない場合であっても、可能な限り平坦にすること、及び摩擦を低減するための解決策を発見することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために本発明は、重量機械又は一般機械において公知のリンク機構のいくつかの原理を、時計機構に適合させる。しかしながら、抑制される摩擦よりも多くの摩擦を、ピボット、関節接合部、ガイド、及び他の摺動部品において生成しないことが課題である。
【0009】
よって本発明は、制御機構、例えばディスプレイ又は巻き上げ制御に、時計における応用がこれまで主に振動子に関連していた可撓性ガイドを導入する。
【0010】
従って本発明は、以下で説明されるヘッケン(Hoecken)のリンク機構、チェビシェフ(Chebyshev)のリンク機構、ロバーツ(Roberts)のリンク機構、クラン(Klann)のリンク機構等の原理に従った運動の変換が可能な、可撓性ガイドの使用を目的とする。
【0011】
重要なことには、これらの機構の運動は一般に平面内で2方向(x及びy)に実施されるが、これらの関節接合部は1つの自由度しか有しない。機構のある特定の点、例えば
図9の点Mは、図示されている軌道に必ず従う必要があり、その軌道は限定されたものであり、この点はこの軌道に沿った1つの実自由度のみを有する。同様に、
図12の点Pは直線状の軌道をたどる。
【0012】
関節接合されたバーの形態の既知の機構の変換は、可撓性ガイドの形態のガイド及び関節接合部によって可能であり、これは損失を排除する。
【0013】
従って本発明は、請求項1に記載の、アクチュエータとレシーバとの間での運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構に関する。
【0014】
本発明はまた、アクチュエータ及びレシーバと、上記アクチュエータと上記レシーバとの間での運動伝達のために配設される少なくとも1つの上述のリンク機構とを含む、時計機構にも関する。
【0015】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計機構、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構を含む、時計ムーブメントにも関する。
【0016】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計ムーブメント、及び/又は少なくとも1つの上述の時計機構、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構を含む、腕時計にも関する。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の「発明を実施するための形態」を読めば、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、関節接合された略平面状の四辺形の形態の制御機構の概略平面図を示し、上記四辺形の辺のうちの1つは固定構造体であり;この固定構造体に関節接合された2つのアームが同一の長さである特定の場合においては、これら2つのアームに関節接合された第4の辺の中点は、略8の字状の軌道をたどる。
【
図2】
図2は、アームを固定構造体に関節接合する点が、常に略8の字状の軌道をたどる第4の辺の旋回運動エリアの各側に位置する変形例を、
図1と同様の様式で示す。
【
図3】
図3は、回転運動を略直線運動に変換するよう構成された、ワットの平行四辺形と呼ばれる別のリンク機構を、
図1と同様の様式で示す。
【
図4】
図4は、第4の辺の中点の軌道がそのストロークの一部分にわたって略直線状である同様の機構を、
図3と同様の様式で示す。
【
図5】
図5は、チェビシェフリンク機構と呼ばれる別のリンク機構を、
図1と同様の様式で示し、この機構は(固定構造体を含む)3つのバーのみを含み、固定構造体に関節接合された2つのバーがスライド接続によって互いに協働することによって、スライドを支持するアームの特定の点は、そのストロークの一部分にわたって略直線状の軌道をたどり、またその直線状の軌道の始点に戻る際のそのストロークの残りの部分にわたって、係合解除された状態で湾曲した軌道をたどる。
【
図6】
図6は、上述のチェビシェフリンク機構のパッド‐スライド接続の詳細図である。
【
図7】
図7は、このチェビシェフリンク機構の2つの極限位置を示す。
【
図8】
図8は、チェビシェフリンク機構の発展形態である、チェビシェフラムダ機構と呼ばれる別のリンク機構を、
図5と同様の様式で示し、この機構は4つの関節接合されたバーを含み、あるバーは固定構造体に関節接合され、かつクランクとして作用するスライドを支持するアームの一方の端部に関節接合され、上記アームの他方の端部は、略直線状の部分を有する同様の軌跡を描くスライドを支持する。
【
図10】
図10は、(固定構造体を含む)別の3本バー式リンク機構、いわゆるヘッケン機構を、
図1と同様の様式で示し、ここでは、固定構造体への第1の関節接合部は、円運動で駆動される接続ロッドを支持し、これは、固定構造体の第2の点において関節接合されたスライド内で摺動する長いバーと関節接合される。
【
図11】
図11は、5本のバーを有する、ロバーツ機構と呼ばれる別のリンク機構を、
図1と同様の様式で示し、上記バーのうち3本は変形不可能な二等辺三角形を形成し、3次バーはこの二等辺三角形の底辺であり、その2辺は固定構造体に関節接合されたアームと同一の長さを有し、この二等辺三角形の底辺に対向する頂点は、2次アームのうちの1つ又は底辺が交互の回転運動によって推進されるときに、メイン関節接合部のラインにわたって直線運動する。
【
図12】
図12は、2つの異なる位置における上述のロバーツ機構を、
図11と同様の様式で示す。
【
図13】
図13は、直線に極めて近い軌跡に達することが知られている、ポースリエ‐リプキン(Peaucellier‐Lipkin)機構と呼ばれる別のリンク機構を、
図1と同様の様式で示し、これは8本のバーを含み、固定構造体は、第1の複数関節接合部において同一の長さの2本の第1のアームを支持し、これらの反対側の端部は、規則的に変形可能なひし形の2つの対向する頂点に関節接合され、上記ひし形の別の頂点は、第2の関節接合部において固定構造体に関節接合された第2のアームに関節接合される。
【
図16】
図16は、人間の歩行運動等の複雑な軌道を複製できるという利点を有する、クラン機構と呼ばれる別のリンク機構の概略斜視図であり、この機構は6本のバーを含み、これらは3つの平行なレベルにわたって延在し、7つの関節接合部によって互いに関節接合され、これによってこの機構は軌道上の障害物を回避できる。
【
図19】
図19は、ネックによる可撓性接続を備えた並進ガイド機構を、
図1と同様の様式で示し、2つのアームはそれぞれ、ネックによって、一方では固定構造体に、もう一方ではL字型3次バーに接続される。
【
図20】
図20は、可撓性ブレードによる可撓性接続を備えた並進ガイド機構を、
図1と同様の様式で示し、U字型の固定構造体は、ここでは直線状で互いに対して平行な4つの可撓性ブレードによって、質量体を支持する。
【
図21】
図21は、2つの可撓性ブレードを備えたいわゆるRCC(リモートセンサーコンプライアンス(remote centre compliance)の略)ガイド機構を、
図1と同様の様式で示し、2つのブレードの方向の交点は、L字型の質量体のオフセット軸とも呼ばれる仮想枢軸を画定し、上記L字型の質量体は、これら2つのブレードによって、ここではこれもまたL字型である固定構造体から懸架されている。
【
図22】
図22は、4つのネックを備えたいわゆるRCCガイド機構を、
図11と同様の様式で示し、これはここではL字型である固定構造体を含み、上記固定構造体は、2つの交差する方向に従って、ネックを介してアームを支持し、これらのアームは、他のネックによって、ここではこれもまたL字型である懸架された質量体に接続され、1対ずつ整列された上記2組のネックの方向の交点は、上記懸架された質量体のオフセット軸とも呼ばれる仮想枢軸を画定する。
【
図23】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図24】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図25】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図26】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図27】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図28】
図23~28は、
図8~9にその原理が示されているチェビシェフラムダ機構の、ムーンフェイズのレトログラードディスプレイへの応用例を、概略部分平面図で示し、3次アームは、ここでは腕時計の10時の位置にある回転制御の作用下で、明るい月の表示を漸進的かつ直線的な方法で隠すことができる暗色のディスクを、遠位端において支持するキャリアであり、上記キャリアは第1の回転アームから第1の可撓性ブレードによって、及び第2のアームから第2の可撓性ブレードによって懸架され、上記第2のアームはそれ自体が、第2の可撓性ブレードと略整列された第3の可撓性ブレードによって、腕時計の構造体から懸架されている。
【
図29】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図30】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図31】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図32】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図33】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図34】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図35】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
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図36】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
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図37】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図38】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図39】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図40】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図41】
図29~41は、北半球における別の同様のレトログラードムーンフェイズディスプレイ機構のためのロバーツ機構の別の応用例を、
図23~28と同様の様式で示し、この場合はキャリアは、両方のアームによって、略整列された2つの可撓性ブレードの間に懸架される。
図29は、この機構が搭載された腕時計の平面図であり、
図30、31は、静止位置での満月の表示を示し、
図32、33は下弦の月の表示を示し、
図34、35は新月の表示を示し、
図36、37は上弦の月の表示を示し、
図38、39は満月の表示を示し、
図40、41は、これ以前に示した全ての位置を重ね合わせたものを示している。
【
図42】
図42は、チェビシェフラムダ機構の応用例を示し、直線状の軌跡T1を得ることができる比率を示し、固定構造体の2つの関節接合部の間の距離は、クランクの関節接合部の間の長さの2倍であり、キャリアの中央の関節接合部は、クランクとの関節接合部から、クランクの関節接合部の間の長さの2.5倍だけ離れており、上記直線軌道を描くキャリアの遠位端は、キャリアの中央の関節接合部から、クランクの関節接合部の間の長さの2.5倍だけ離れており、この遠位端はキャリアの2つの関節接合部と整列されている。
【
図43】
図43~54は、チェビシェフラムダ機構の、日付のディスプレイへの別の応用例を、概略部分平面図で示し、キャリアはその遠位端に、図示されていないチェーンによって所定の位置に保持されている従来の内歯を備えた日付リングを駆動するために配設された、フィンガを含む。
図43、44は、この機構を部分的に示し、クランクは図示されておらず、点線の円は、キャリアとのクランクの関節接合部の軌道を示し、キャリアの中央部分を腕時計の固定構造体に接続する、関節接合されたアームは、ここでは、一方では固定構造体から、他方ではキャリアから、2つの可撓性ガイドによって懸架された中間質量体を含み、この例では、各可撓性ガイドは2つのブレードを含み、これらは、少なくともキャリアの平面に対して平行な平面上での投影図において、交差しており、これらの交差によって画定される仮想枢軸は、これらの可撓性ガイドの、一方では固定構造体上への、他方ではキャリア上への固定具と、略整列されている。
【
図44】
図43、44は、この機構を部分的に示し、クランクは図示されておらず、点線の円は、キャリアとのクランクの関節接合部の軌道を示し、キャリアの中央部分を腕時計の固定構造体に接続する、関節接合されたアームは、ここでは、一方では固定構造体から、他方ではキャリアから、2つの可撓性ガイドによって懸架された中間質量体を含み、この例では、各可撓性ガイドは2つのブレードを含み、これらは、少なくともキャリアの平面に対して平行な平面上での投影図において、交差しており、これらの交差によって画定される仮想枢軸は、これらの可撓性ガイドの、一方では固定構造体上への、他方ではキャリア上への固定具と、略整列されている。
【
図45】
図45は静止位置を示し、ここではリンク機構は、モノリシックな実施形態のケースとして好ましく作製されている。この静止位置から、システムは
図45から
図51へと徐々にたわみ、可撓性ガイドは
図51から
図45へと自然に戻る。
【
図46】
図46~48は、クランクの回転中のフィンガの直線状の軌道を示す。
【
図47】
図46~48は、クランクの回転中のフィンガの直線状の軌道を示す。
【
図48】
図46~48は、クランクの回転中のフィンガの直線状の軌道を示す。
【
図49】
図49は、ここでは略円筒状であるキャリアのフィンガと日付リングの歯の先端との協働の開始の詳細を示し、詳細図を伴っている。
【
図50】
図50は、リングの駆動を促す位置における、直線軌道を離れて戻りの湾曲した軌道に近づいているキャリアのフィンガと、日付リングの歯の先端との、歯の側壁における協働の続きの詳細を示し、詳細図を伴っている。
【
図51】
図51~52は、リングを駆動するクランクの回転の継続中の、フィンガの湾曲した軌道を示し、当然のことながら、リング上の日付の表示は個別のものであり、日付は数字の順に示されてはおらず、戻り軌道中のフィンガの湾曲したストロークに対応する角度ピッチに従って分布している。
【
図52】
図51~52は、リングを駆動するクランクの回転の継続中の、フィンガの湾曲した軌道を示し、当然のことながら、リング上の日付の表示は個別のものであり、日付は数字の順に示されてはおらず、戻り軌道中のフィンガの湾曲したストロークに対応する角度ピッチに従って分布している。
【
図53】
図53は、日付リングの歯の側壁に沿って摺動するキャリアのフィンガの協働の終点の詳細を示し、詳細図を伴っている。
【
図54】
図54はキャリアのフィンガの離脱を示し、詳細図を伴っている。上記フィンガは湾曲した軌道を離れて直線軌道に近づいた後、
図46以降に示されているそのサイクルを再開する。
【
図55】
図55は、キャリアの遠位端による、例えばディスプレイの歯車又は自動巻き用歯車の外歯の駆動への、
図16に示されているようなクラン機構の応用例の概略部分平面図であり、上記キャリアは、2つの歯の間に略半径方向に侵入し、次に直線軌道中に歯の側壁を駆動し、次に歯を大きく迂回する湾曲した軌道に従って歯を逃し、その後駆動位置に戻るように配設される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の駆動機構に関して4本のバーを備えたリンク機構が公知であり、そのメインのバーは固定されており、互いに異なる2つのメイン関節接合部を含み、これらのメイン関節接合部はそれぞれ、第1の端部において2次バーを支持し、各2次バーはその第2の端部において、2次関節接合部によって3次バーへと関節接合される。よって、これらの2次関節接合部はそれぞれ、単一の自由度に相当する強制された閉じた軌道を描き、この自由度が仮に直線状でも円形でもない場合でもこのようになる。
【0020】
慣例に従い、メインのバーをこれ以降「固定構造体(fixed structure)」と呼ぶ。これは特に地板若しくは受け、又は時計ムーブメント若しくは腕時計ケースの別の構造要素であってよい。メイン関節接合部によってこの固定構造体に関節接合される2次バーは「アーム」と呼ばれ、他のバーは、固定構造体からの運動学的距離に応じて、例えば3次バー、4次バーと呼ばれ、これらはそれぞれ、この運動学的連鎖の中の更に上流のバー(又はアーム)へと、この更に上流のバー(又はこのアーム)の名称が付けられた関節接合部を介して、関節接合され、例えば3次バーは、2次関節接合部によって2次バー又はアームに関節接合され、4次バーは、3次関節接合部によって3次バーに関節接合される。従って、N本のバーを有する機構に言及する際、これらのN本のバーのうちの1つは固定構造体からなる。
【0021】
よって、4バー機構は一般に、メインバー又は固定構造体を含み、また2つのメイン関節接合部を含み、これらのメイン関節接合部はそれぞれ、第1の端部において2次バーを支持し、各2次バーはその第2の端部において、2次関節接合部によって3次バーへと関節接合されるか、又は他のものへと関節接合される。よって、これらの2次関節接合部はそれぞれ、単一の自由度に相当する強制された閉じた軌道を描き、この自由度が仮に直線状でも円形でもない場合でもこのようになる。
【0022】
このような4バー機構は例えば、映画映写機で穴あきフィルムを送るために使用されている。同様に、バスの窓用ワイパーはそれぞれ、変形可能な平行四辺形の3次バー上に設置される。
【0023】
より一般には、4バー機構は4つの剛性体を含み、これらはボールジョイント接続又はピボット等の回転接続によって一体に関節接合される。これらの回転接続は、腕時計製作で使用されるようなモノリシックな構造体では、同一平面内における、あるバーの別のバーに対する十分な角度自由度を提供するネックによって、又は可撓性ブレード若しくは可撓性ブレード組立体によって、置き換えることができる。
【0024】
これらの関節接合ガイドシステムにより、複雑になる場合もある運動を実施できる。
【0025】
最もよく知られた例は、特にバスの窓用ワイパーに使用される、変形可能な平行四辺形、及びパンタグラフである。
【0026】
長さが異なるメインバーの使用により、運転席の窓用ワイパーと客席の窓用ワイパーとで運動及びストロークが異なる乗用車におけるように、区別された複数の運動が可能となる。
【0027】
四辺形平面機構は、変形可能な四辺形からなり、その辺を形成するバーは、投影図において交差する可撓性ブレードを伴う可撓性のピボット等のような、実際の又は仮想的なピボット接続によって、一体に接続される。
【0028】
木馬又はメリーゴーラウンドの昇降機構は、変形可能な平行四辺形によってガイドされる。変形可能な平行四辺形により、円形の並進運動の実行が可能となり、これは、特に水平面に対する、操作対象のオブジェクトの空間内での配向の保持を可能とする。
【0029】
クランク‐接続ロッド‐発振子機構により、交互運動を連続回転運動に、又はその逆に変換できる。これは足踏みミシンの駆動に関してよく知られている:ペダルに対するユーザの動作は、ペダルの振動運動を生成し、これが回転クランクを駆動して、ミシンを駆動する。
【0030】
パンタグラフ機構により、運動に対する相似変換の実行、及び運動の振幅の増幅又は低減が可能となる。
【0031】
ワットの平行四辺形は交差した平行四辺形であり、これは、ある与えられた曲線に沿った特定のガイドを可能にし、疑似直線状ガイドと呼ばれる。従って、ワゴンのサスペンションでは、車軸支持体が2つの関節接合バーによってワゴンの構造体から懸架され、上記バーは互いに対して平行であり、またレールに対して異なる距離にあり、またそれぞれ、1次関節接合部によってワゴンに、2次関節接合部によって軸箱に接続され、従ってワゴンに対する車輪の中心の軌跡は、中央部分が略直線状であるS字型のカーブをたどる。
【0032】
疑似直線状の運動を実行するために構成された別の機構は、チェビシェフリンク機構と呼ばれる3バー機構であり、これはクランク‐接続ロッド‐ピストンシステムを形成する。2次関節接合部のうちの1つはスライド機構に置き換えられ、ある2次バーの端部は、例えば楕円形のスロット内を移動するトラニオン、又はスライド内のパッド等の形態の、荷重を支承するバーである他方のバーの上を摺動し、3次バーはもはや不要となる。荷重を支承する2次バーのある点は、反復する閉じた曲線を描く。長さのある特定の調整によって、この閉じた曲線の一部分を直線にすることができる。
【0033】
チェビシェフのいわゆるラムダ機構(その形状から)は、回転運動を、終点からの軌道上の一部分にわたって略等速の略直線運動に変換する、4バー機構である。3次バーは2つの2次関節接合部の外側に延在し、これら2つの2次関節接合部から離間したある点は、そのストロークの一部分にわたって、直線状の軌道をたどり、湾曲した軌道を介して始点に戻る。従ってこれは、いずれのレトログラードタイプの時計ディスプレイに有利である。この機構は、クランクタイプの1次関節接合部のうちの1つにおいて連続的な回転が可能であることを必要とするが、これは完全に平面状ではないため、特定の場合への使用が制限される。
【0034】
3本のバーを備えるヘッケン機構はチェビシェフリンク機構に近いものであり、これもまた、回転運動を、そのストロークの大部分にわたって略直線状である運動に変換できる。固定構造体への第1の関節接合部は、円運動で駆動される接続ロッドを支持し、これは長いバーと関節接合され、この長いバーは、固定構造体の第2の点に関節接合されたスライド内で摺動する。
【0035】
この機構は、以前のもののような医療用ロボットで使用され、その応用例は、ストラスブール大学のMathieu Joinie‐Maurinによる2012年9月2日付けの博士論文の69ページ以降で読むことができる。
【0036】
ポースリエ‐リプキンデバイスのような、より精度が高いもののより複雑なデバイスが存在する。ポースリエ‐リプキンデバイスは、直線運動を円運動に又はその逆に変換できる関節接合されたシステムであり、円の反転の幾何学的原理に基づくものであり、7本の剛性のロッドを含む。実際には直線運動の問題をより少数のロッドで解決でき、最小数はハートのインバーサー(Hart’s inversors)の場合と同様に5本のロッドである。ハートのインバーサーは類似したものであるが、実質的に同等の結果を達成するために5本のロッドしか必要としない。
【0037】
ロバーツ機構もまた、回転運動を略直線運動に変換する。3次バーは二等辺三角形の底辺であり、同一の長さを有するその2辺は2次バーと同一の長さを有し、この二等辺三角形の底辺に対向する頂点は、2次バーのうちの1つ又は底辺が交互の回転運動によって推進されるときに、メイン関節接合部のライン上で又はこのラインに対して平行に直線運動する。
【0038】
クラン機構は、例えば脚のある動物のペースをシミュレートして車輪を置換するために、軌道上の障害物を回避するよう設計された、平面状の機構である。上記機構は、地面と接触する脚、クランク、2つのレバーアーム、及び2つの接続ロッドで構成され、これらは全てピボット接続によって接続されている。機構内の各接続の比率は、クランクが半回転する間の足の直線運動を最適化するように定義される。クランクの回転の残りの部分によって、足を所定の高さまで持ち上げることができ、その後、開始位置に戻ってサイクルを繰り返す。2つの機構を、半サイクルだけ位相をずらしてクランクに連結することにより、車両のシャーシを地面に対して平行に移動させることができる。クラン機構の運動学は、各バーに相対運動を付与する機械的接続に基づく。これは、回転運動を直線運動に変換する。米国特許第6260862号はこのような機構を説明する。3本又は4本のバーを備える機構よりも複雑な運動学を有するにもかかわらず、また3つのレベルを必要とするにもかかわらず、クラン機構は、障害物との衝突がないことを保証する複雑な軌道を、完璧に反復可能なものとして生成できるという利点を有する。
【0039】
これらの機構は全て、少なくとも1つの特定の点が常に同一の閉じた軌道をたどるため、この軌道に沿った単一の自由度に従うという、共通した特徴を有することを理解されたい。より詳細には、これらのうちの一部について、この軌道の少なくとも一部分は略直線状又は直線状である。多くの場合、軌道の残りの部分は円弧又は放物線等に近いものである。
【0040】
本発明は、いくつかの時計の機能、特にディスプレイ機能の制御のために、これらの機構のうちの一部の特性を使用することを提案する。実際に、最新のマイクロマシニング技法、及び「LIGA」、「MEMS」等のタイプのプロセスの実装により、複数の複雑な機能を特に発振子内でグループ化したモノリシックな部品を得ることができる。ボールジョイント接続又はピボットといった、従来の機構の回転接続は、腕時計製作で使用されるようなモノリシックな構造体では、同一平面内における、あるバーの別のバーに対する十分な角度自由度を提供するネックによって、置き換えることができる。
【0041】
上述の機構の多くは、平面での実装に好適であり、これは腕時計製作技法において有利である。連続的に回転駆動されるかどうかにかかわらず、他の機構は、クランクの関節接合部を除く全ての関節接合部が配置されるメインの平面に対して平行な2次平面内にクランクを必要とする。他の機構は、
図16に図示されているクラン機構のように、より多くのレベルを必要とする。それにもかかわらず、全体のかさは制限されたままであり、また時計のコンプリケーションの作製に適合したままである。
【0042】
従って本発明は、アクチュエータとレシーバとの間の運動伝達のために配設される、時計機構用のリンク機構100に関する。
【0043】
本発明によると、このリンク機構100は固定構造体10を含み、これに対してキャリア9がこのようなアクチュエータの作用下で単一の自由度に従って移動可能であり、このキャリア9は、少なくとも1つの可撓性ガイド50によって固定構造体10に接続され、上記キャリア9及び上記固定構造体10はそれぞれ、各可撓性ガイド50よりも高い剛性を有する。
【0044】
より詳細には、このキャリア9は、枢動以外の単一の自由度に従って可動であるため、このキャリア9の各点は円以外の軌道をたどる。
【0045】
キャリア9はアクチュエータの作用下で移動し、可撓性ガイド50のみによって上記自由度に従ってガイドされる。特に上記キャリアがレシーバにいかなる運動も伝達しない場合、可撓性ガイド50のみが、キャリア9を上記自由度に従わせることができる。換言すれば、リンク機構100の又は時計機構の他のいかなる部分も、キャリア9に作用してキャリア9を上記自由度に従わせることはない。アクチュエータはキャリア9に作動力のみを提供し、可撓性ガイド50がキャリア9を上記自由度に沿って配向する。
【0046】
キャリア9がレシーバに接触してレシーバに運動を伝達するとき、レシーバは、可撓性ガイド50によって画定される自由度に影響を及ぼさない。従ってレシーバは、上記単一の自由度に作用しない。
【0047】
可撓性ガイド50はその可撓性によって、キャリア9がたどる軌道を画定し、この軌は上記単一の自由度に対応する。例えば上記単一の自由度は、好ましくは部分的に曲線である、表面又は体積の周りの閉じた軌道である。より詳細には、キャリア9は複数の可撓性ガイド50によって固定構造体10に接続される。
【0048】
より詳細には、キャリア9と固定構造体10との間の唯一の接続は、可撓性ガイドタイプのものであり、キャリア9は、1つの可撓性ガイド50又は複数の可撓性ガイド50のみによって、固定構造体10に接続される。
【0049】
より詳細には、少なくとも1つの可撓性ガイド50は平面状であり、またこれは、隣接する要素よりも小さな断面を有する、関節接合部を形成する可撓性ネック51を含み、及び/又は隣接する要素よりも小さな断面を有する、関節接合部を形成する可撓性ブレード5、6、52を含む。図面は、限定するものではないが、直線状の可撓性ブレードを示しており、これらの可撓性ブレードは湾曲したり、曲がったり、又は例えばジグザグ形状等の複雑な形状を取ったりすることができることは明らかである。
【0050】
更に詳細には、各可撓性ガイド50は平面状であり、またこれは、隣接する要素よりも小さな断面を有する、関節接合部を形成する可撓性ネック51を含み、及び/又は隣接する要素よりも小さな断面を有する、関節接合部を形成する可撓性ブレード5、6、52を含む。
【0051】
また特に、このリンク機構100は、2つの異なる点において構造体10に関節接合された少なくとも2つのアーム1、2を含み、これらのアーム1、2は、互いに、又は3次バー12若しくは3次構造体120、例えば変形不可能な三角形121若しくは変形可能な四辺形122等と、運動学的に協働するように配設されている。有利には、この3次バー12又はこの3次構造体120が、このキャリア9を形成する。
【0052】
リンク機構100は、構造体10と第1のアーム1との間の第1のメイン関節接合部11、及び構造体10と第2のアーム2との間の第2のメイン関節接合部21を含み:
‐
図5~7に示されているように、第1のアーム1は、第1のメイン関節接合部11から離間した位置に、可撓性接続を備えた並進ガイド、又は摺動要素18を含み、これは、キャリア9を形成する第2のアーム2を第2のメイン関節接合部21から離間した位置に含む相補的な摺動要素28と、摺動及び関節接合によって協働するよう配設され;
‐あるいはリンク機構100は、第1のメイン関節接合部11から離間した位置に、第1のアーム1とキャリア9との間の第1の2次関節接合部110を含み、また第2のメイン関節接合部21及び第1の2次関節接合部110から離間した位置に、第2のアーム2とキャリア9との間、又は第2のアーム2と、キャリア9と関節接合された操作バー4との間の、第2の2次関節接合部210を含む。
【0053】
図6は、2つのアームの間にスライドを有する第1の場合を示し、第1のアーム1は、第1のメイン関節接合部11から離間した位置に摺動要素18を含み、これは、キャリア9を形成する第2のアーム2を第2のメイン関節接合部21から離間した位置に含む相補的な摺動要素28と、摺動及び関節接合によって協働するよう配設される。
【0054】
図8は、リンク機構100が、第1のメイン関節接合部11から離間した位置に、第1のアーム1とキャリア9との間の第1の2次関節接合部110を含み、また第2のメイン関節接合部21及び第1の2次関節接合部110から離間した位置に、第2のアーム2とキャリア9との間、又は第2のアーム2と、キャリア9と関節接合された操作バー4との間の、第2の2次関節接合部210を含む、第2の場合を示す。この図の場合において、第1のメイン関節接合部11及び第2のメイン関節接合部21等の関節接合部のうちの少なくとも1つは、ピボット接続であってよく、これは360°の回転を可能にし、またこれは従来のガイドによる実装を必要とし、可撓性ガイドでは実現できない。
【0055】
ある変形例では、チェビシェフラムダ機構に従った運動学が、従来の関節接合の代替物によって保証される。従って
図43は、キャリア9と構造体10との間に直列に配置された2つの可撓性ガイド50を含むリンク機構100を示し、上記可撓性ガイド50は中間慣性質量体51によって隔てられ、上記可撓性ガイド50は両方とも中間慣性質量体51に固定されるか、又は上記可撓性ガイド50は中間慣性質量体51と共にモノリシックな組立体を形成する。各可撓性ガイド50は、2つの平行な平面内に配置された2つの可撓性ブレード5及び6を含み、これらは、これらの平面のうちの一方への投影図において交差し、第1の方向D1は、これらの交点の整列によって画定され、第2の方向D2は、
図8の第2のアーム2を形成する図示されていないクランクの端部に、軸D9を有するピボットと、キャリア9の遠位端90との間の整列によって画定され:可撓性ブレード5と可撓性ブレード6との、構造体10から遠い方かつキャリア9に近い方の交点は、第1のアーム1とキャリア9との間の第1の2次関節接合部110に等しく、これは方向D1と方向D2との交点に対応する。
【0056】
ある変形例では、
図13~15に示されているように、リンク機構100はポースリエ‐リプキン機構を形成し、同じ1つの関節接合部が複数のアームを支持し、ここでは第1の関節接合部11が2つの第1のアーム1、118を支持する。
【0057】
ある変形例では、
図5~7に示されているように、リンク機構100はチェビシェフリンク機構を形成し、第1のアーム1は摺動要素18を含み、これは、第2のアーム2が支持する相補的な摺動要素28と、摺動によって協働するよう構成される。
【0058】
様々な変形例、特に
図1、2、4、8、9、11~15に示されている変形例では、リンク機構100は、第1のメイン関節接合部11から離間した位置に、第1のアーム1とキャリア9との間の第1の2次関節接合部110を含み、また第2のメイン関節接合部21及び第1の2次関節接合部110から離間した位置に、第2の2次関節接合部210を含む。この第2の2次関節接合部210は、クラン機構を形成する
図16の変形例と同様に、第2のアーム2とキャリア9との間、又は第2のアーム2と、キャリア9と直接又は間接的に関節接合された操作バー4との間に配設される。
【0059】
この
図16の変形例では、操作バー4は、第1の操作用関節接合部24において第2のアーム2と、そして第2の操作用関節接合部49においてキャリア9と、それぞれ関節接合される。また構造体10はピボット30を含み、これは、ピボット30から離間した第3の2次関節接合部31において操作バー4と関節接合された、第3のバー3の回転をガイドするために配設される。
【0060】
ある変形例では、
図43~54に示されているように、少なくとも1つの可撓性ガイド50は、少なくとも2つの平行かつ平面状のレベルを含み、各レベルに、隣接する要素より小さな断面を有する可撓性ブレード5、6、52を含み、上記可撓性ブレード5、6、52の方向は交差しており、またこれらの方向の交点の、上記レベルに対して平行な平面上での投影図は、仮想枢軸及び関節接合部を画定する。
【0061】
より詳細には、キャリア9、構造体10、及び少なくとも1つの可撓性ガイド50は同一平面上である。更に詳細には、キャリア9、構造体10、及び各可撓性ガイド50は同一平面上である。
【0062】
ある変形例では、キャリア9は第3のバーである。
【0063】
ある変形例では、キャリア9は多角形状の剛性構造体であり、これは、リンク機構100が、二等辺三角形121によって形成された変形不可能な構造体120を有するロバーツ機構を形成する、
図11、12の実施形態と同様である。
【0064】
ある有利な変形例では、キャリア9は遠位端90に、レシーバを駆動するためのフック又はフィンガ又は歯を含む。
【0065】
多くの変形例では、第1のアーム1又は第2のアーム2は、アクチュエータによって駆動されるように配設される。しかしながら、アクチュエータによる駆動はリンク機構100の中間バーにおいて実行することもできる。
【0066】
クラン機構のある特定の変形例では、第3のバー3が、アクチュエータによって駆動されるように配設される。
【0067】
より詳細には、
図43に示されているように、リンク機構100は、キャリア9と構造体10との間に直列に配置された少なくとも複数の可撓性ガイド50を含み、これらのうちの少なくとも2つの連続する可撓性ガイド50は、中間慣性質量体51によって隔てられ、上記可撓性ガイド50は両方とも中間慣性質量体51に固定されるか、又は上記可撓性ガイド50は中間慣性質量体51と共にモノリシックな組立体を形成する。
【0068】
より詳細には、少なくとも1つの可撓性ガイド50は、2つの別個の交差したブレードを備えたピボット、又は2つの一体型の交差したブレードを備えたピボット、又は2つの直交するブレードを備えたRCCピボット、又は4つのネックを備えたRCCピボット、又は少なくとも局所的に平行な少なくとも2つのブレード、又はカラーによる可撓性接続を備えた並進ガイドを含む。
図19のタイプの直線状可撓性ガイドにより、摩擦のない摺動を達成できる。
【0069】
より詳細には、リンク機構100は、ケイ素及び/若しくは酸化ケイ素製の、又は「LIGA」若しくは「MEMS」若しくは同様のプロセスによって成形されたマイクロマシニング用材料製の、少なくとも1つの可撓性ガイド50を含む、複合機構であり、この可撓性ガイドは、ピン留め及び/又はねじ留め及び/又は接着及び/又は挟み込みによる接続によって、あるいは腕時計製作者に公知の別の機械的接続によって、キャリア9及び構造体10に機械的に固定される。
【0070】
より詳細には、リンク機構100はモノリシックな機構である。
【0071】
有利には、遠位端90の軌道Tは、少なくとも1つの直線状又は略直線状のセクションT1を含む。より詳細には、遠位端90の軌道Tの全体が、直線状又は略直線状である。より詳細には、遠位端90の軌道Tは8の字状の形状を形成し、上記8の字状の形状は、リンク機構に与えられるレバーアームに応じて非常に平らにすることができ、また上記8の字状の形状のループが交差する部分は直線状のストロークに非常に近い。
【0072】
より詳細には、遠位端90の軌道Tは、第1の方向における遠位端90の第1のストロークT1に対応する直線状又は略直線状のセクションと、このセクションの端部をつなぐ、上記第1の方向の反対の第2の方向における遠位端90の第2のストロークT2に対応する凹状の曲線とを含む。
【0073】
本発明はまた、アクチュエータ及びレシーバと、上記アクチュエータと上記レシーバとの間での運動伝達のために配設される少なくとも1つの上述のリンク機構100とを含む、時計機構500にも関する。
【0074】
ある変形例では、キャリア9は特にその遠位端90により、直接接触によって、又はプッシュピース若しくはレバーを介して、レシーバを駆動するように配設される。
【0075】
ある変形例では、アクチュエータは、レシーバの適切なストロークのために、制御ストローク全体にわたってリンク機構100に連続的な力を付与するように配設される。
【0076】
ある変形例では、アクチュエータは、適切なインパルスをレシーバに伝達するために、リンク機構100にインパルスを付与するように配設される。
【0077】
ある変形例では、アクチュエータは可撓性ガイド50の要素のうちの1つに固定されるか、又は可撓性ガイド50の要素のうちの1つと関節接合される。
【0078】
アクチュエータは様々な形態であってよい:
‐例えば
図43~54のクランクタイプの駆動のための、回転駆動機構、特に(例えば
図23、30の)歯車列の要素;
‐第2のアーム2が含む歯付きセクタ206と協働するホイール602を備えた、
図56に示されているようなレーキ駆動機構;
‐第2のアーム2が含むプローブフィンガ207と協働するカム702を備えた、
図57に示されているようなカム駆動機構。
【0079】
ある特定の実施形態では、リンク機構100は、アクチュエータによって付与された回転をレシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、ヘッケン機構である。
【0080】
ある特定の実施形態では、リンク機構100は、アクチュエータによって付与された回転をレシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、ロバーツ機構であり、キャリア9の遠位端90は三角形121の頂点であり、上記三角形121の他の頂点は、リンク機構100が含む関節接合されたアーム1、2に、関節接合される。
【0081】
ある特定の実施形態では、リンク機構100は、アクチュエータによって付与された連続的な回転を、レシーバが含む歯又は支承面に対する周期的な駆動押圧に変換するよう配設された、クラン機構である。
図55はこのような例を示しており、三角形の固定構造体10は、3つの関節接合部101、102、103を含み、第3のバー3は、第1の端部31において、関節接合部103に関節接合され、またその第2の端部32は円運動で駆動される。特定の運動学により、略垂直な軌道Tが与えられ、これにより遠位端90は、ホイールの歯に触れることなくこれを迂回して、サイクルの終点にこれを押すことができる。
【0082】
ある特定の実施形態では、リンク機構100は、アクチュエータによって付与された連続的な回転を、レシーバが含む歯又は支承面に対する周期的な駆動押圧に変換するよう配設された、チェビシェフラムダ機構である。
【0083】
ある特定の実施形態では、リンク機構100は、アクチュエータによって付与された回転を、レシーバの直線状レトログラード運動に変換するよう配設された、チェビシェフラムダ機構である。
【0084】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計機構500、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構100を含む、時計ムーブメント1000にも関する。
【0085】
これらの機構の好ましい実施形態は、可撓性ガイド50を含み、時計機構500又はリンク機構100は当然のことながら、少なくとも1つの従来の回転又は並進ガイドも含んでよい。
【0086】
本発明はまた、少なくとも1つの上述の時計ムーブメント1000、及び/又は少なくとも1つの上述の時計機構500、及び/又は少なくとも1つの上述のリンク機構100を含む、腕時計2000にも関する。
【0087】
図23~28は、レトログラードディスプレイのための、可撓性ガイドを含むリンク機構を用いた本発明の第1の応用例を示し、ここでは、回転が、明るい月の表示78を漸進的に覆う又は露出させるムーンフェイズシャッター79の直線運動に変換される。
【0088】
図29~41は、同じ用途のための、様々に配設された機構を示す。これら2つの非限定的な例は、本発明が、時計ムーブメント内の幾何学的障害を克服できることを証明している。というのは、限定するものではないがここではモノリシックであるこれらの機構は、腕時計の他の構成要素を迂回でき、最小限の利用可能なスペースを活用できるためである。
【0089】
同様に、
図12によるロバーツ機構も容易に実装できる。
【0090】
図42~54は、第1の方向において直線状であり、第2の方向において湾曲している軌道の経路を確保するための、チェビシェフラムダ機構タイプ等のクランク機構の応用例を示す。
【0091】
図55は、例えばディスプレイ又は自動巻き上げホイールを駆動するために、歯を作動させるクラン作動機構を使用する。キャリアの軌道はより複雑になり、これにより、広いクリアランスと、ホイールの2つの歯の間での略半径方向の後退とが可能になる。
【0092】
要約すると、本発明による機構は、腕時計内で利用可能なスペースを最大限に活用し、摩擦を最小限に抑えることによって全体的な効率を改善する。
【0093】
本発明をディスプレイ機構に適用することの利点は、単一の自由度を有する直線状の表示のために、回転運動を並進運動に変換することである。
【0094】
本発明を作動機構に適用することの利点は、摩擦を最小限に抑えることができる運動学で、歯を作動させることができることである。実際、従来技術の場合には、アクチュエータは歯と接触してこれを迂回する。歯を迂回するには接触が必要となる。一般に、キャリアがフック等である場合、フックの裏側、即ち歯の位置を変更するよう設計された支承面を含む部分とは反対側の部分が歯をこすり、その後支承面が歯を駆動して、大きな摩擦及び摩耗エリアが発生し、これは機構の効率、及びその長期耐久性に悪影響を及ぼす。一方、本発明の場合には、可撓性ガイドがアクチュエータをガイドして、接触なしに歯を迂回させ、リンク機構の運動学は事実上、略半径方向のアプローチを可能にし、そしてアクチュエータは歯を作動させるためだけにこの歯と接触する。従って摩擦エリアが減少し、また摩擦によるエネルギ損失も減少する。
図49、50の詳細図は、この最適な運動学を確保するための、直線状の軌道T1と湾曲した軌道T2との間における、曲率半径が小さいエリアの使用を示す。
【0095】
これらの用途で使用されるような可撓性ガイドは、以下の特性及び利点を有するため、腕時計製作において大きな可能性を有している:
‐摩耗が存在しない点;
‐潤滑が存在しない点;
‐焼付きが発生しない点;
‐塵芥が放出されない点;
‐ヒステリシスが発生しない点;
‐精度及び再現性;
‐反復軌道の制御及び精度;
‐システムにバックラッシュが存在しない点。