(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】パイプ断熱体
(51)【国際特許分類】
F16L 59/14 20060101AFI20240912BHJP
F16L 59/02 20060101ALI20240912BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20240912BHJP
B32B 17/02 20060101ALI20240912BHJP
B32B 37/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F16L59/14
F16L59/02
B32B1/08 Z
B32B17/02
B32B37/14 Z
(21)【出願番号】P 2023006675
(22)【出願日】2023-01-19
(62)【分割の表示】P 2020536035の分割
【原出願日】2018-12-28
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507220187
【氏名又は名称】オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ガウリラ マシュー ディー
(72)【発明者】
【氏名】クレメンツ クリストファー ジェイ
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-070493(JP,A)
【文献】特開平04-306199(JP,A)
【文献】特開平07-094258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/14
F16L 59/02
B32B 1/08
B32B 17/02
B32B 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ断熱体であって、
厚みtを有する断熱材の細長中空円筒であって、前記厚みが前記円筒の内面から前記円筒の外面まで延びる前記細長中空円筒を含み、
複数の領域が、前記厚みtを通して定められ、前記領域の各々が、前記細長中空円筒の中心軸に関して同心であり、
前記円筒の第1の領域でのパイプ断熱体の特性が、前記円筒の第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なり、
前記第1の領域及び前記第2の領域の少なくとも1つは、断熱材の隣接する複数の層を含み、隣接する層の各々が同じ特性を有
し、
前記隣接する層の各々は、12.7mm未満の厚さ及び0.391kg/m
2
未満の面積重量を有する不織繊維ガラスマットである
ことを特徴とするパイプ断熱体。
【請求項2】
前記円筒の前記第1の領域は、前記円筒の前記第2の領域に隣接している、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項3】
前記第1の領域と前記第2の領域の間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、色である、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項4】
前記第1の領域と前記第2の領域の間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、R値である、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項5】
前記第1の領域と前記第2の領域の間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、密度である、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項6】
前記第1の領域と前記第2の領域の間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、空隙率、弾性率、引張強度、耐熱性、及び耐湿性の少なくとも1つである、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項7】
前記断熱材は、複数の繊維を含み、
前記第1の領域と前記第2の領域の間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、繊維タイプ及び繊維直径の少なくとも1つである、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項8】
前記第1の領域は、ガラス繊維を含み、前記第2の領域は、ミネラルウール繊維を含む、請求項7に記載のパイプ断熱体。
【請求項9】
前記断熱材は、硬化結合剤によって互いに保持された複数の繊維を含み、
前記第1の領域と第2の領域との間で異なる前記パイプ断熱体の特性は、結合剤組成及び結合剤含有量の少なくとも1つである、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項10】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
t
1<t、及び、t
2<tである、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項11】
t
1+t
2<tである、請求項10に記載のパイプ断熱体。
【請求項12】
t
1=t
2である、請求項10に記載のパイプ断熱体。
【請求項13】
t
1<t
2である、請求項10に記載のパイプ断熱体。
【請求項14】
前記円筒の第3の領域は、前記円筒の前記第2の領域に接しているが前記円筒の前記第1の領域に接しておらず、
前記円筒の前記第3の領域での特性が、前記円筒の前記第1の領域及び前記円筒の前記第2の領域のうちの少なくとも1つの特性とは異なっている、請求項1に記載のパイプ断熱体。
【請求項15】
前記円筒の前記第3の領域での特性は、前記円筒の前記第1の領域及び前記円筒の前記第2の領域の両方の特性とは異なっている、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項16】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3=t
1である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項17】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3=t
2である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項18】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3<t
1である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項19】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3<t
2である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項20】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3
>t
1である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【請求項21】
前記第1の領域は、厚みt
1を有し、
前記第2の領域は、厚みt
2を有し、
前記第3の領域は、厚みt
3を有し、
t
1<t、t
2<t、t
3<t、及び、t
3
>t
2である、請求項14に記載のパイプ断熱体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその内容が全体的に組み込まれている2017年12月29日出願の米国仮特許出願第62/611,578号に対する優先権及びそのあらゆる利益を主張するものである。
【0002】
一般的な本発明の概念は、繊維性パイプ断熱体に関し、より具体的には、不均一特性を有するパイプ断熱体を形成する方法及びそのためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、パイプ断熱体100は、通常は、壁厚104と内側キャビティ106とを有する細長中空円筒として単一断熱材102(例えば、繊維ガラス)から形成される。内側キャビティ106は、パイプ断熱体100の内径108を定める。パイプ断熱体100の内径108は、断熱されるパイプ又はパイプ状部材の外径に適合するように選択される。任意的な外側ジャケット110が、断熱材102の周りに巻き付けられ、かつ取りわけパイプ断熱体100に対する蒸気障壁として作用する。外側ジャケット110はまた、断熱材102に対する美的被膜として作用することができる。パイプの周りのパイプ断熱体100の配置を容易にするために、スリット112が、断熱材102及び外側ジャケット110を通して形成される。パイプ断熱体100の設置を更に容易にするために、部分スリット114も、通常はスリット112から断熱材102の反対側に形成することができる。部分スリット114は、典型的には、断熱材102の厚み104全体を通して延びない(かつ外側ジャケット110に侵入しない)。パイプ断熱体100がパイプの周りに装着された後に、外側ジャケット110の一部分は、スリット112の上を延びる(かつそれを密封する)カバー116を形成する。
【0004】
パイプ断熱体100は、典型的には、マンドレル巻き付け(MW)工程又は連続成形パイプ(CMP)工程のいずれかに従って製造される。
【0005】
マンドレル巻き付け(MW)工程では、繊維ガラス「ペルト」が、マンドレルに連続的に供給されてその周りに巻き付けられ、パイプ断熱体の所望の厚みを構築する。このパイプ断熱体は、マンドレルと共に、次に、それが硬化されてパイプ断熱体を形成するオーブンに移動される。その合間に、MW工程を擬似連続様式で続行することができるように、別の異なるマンドレルが使用される。
【0006】
連続成形パイプ(CMP)工程では、未硬化繊維ガラス「ペルト」の連続流れがコンベヤ上に移送される。未硬化ペルトは、製造中のパイプ断熱体の円周にほぼ対応する幅を有する。ペルトは、次に、ペルトと一直線にあるマンドレルの周りでそれを引っ張るスクリムに移送され、次に、モールドの中に続いて入る。モールドは、パイプ断熱体の外周に対応する外周を有し、マンドレルサイズは、パイプ断熱体の内周に対応する。結合剤を硬化させるために、熱風が断熱体を通してそれがモールドにある間に吹き付けられる。硬化したパイプ断熱体の連続片がモールドの後部から現れる。硬化したパイプ断熱体の連続片は、次に、その長さに沿って切り込まれ(これは、上述のように、エンドユーザがパイプ断熱体をパイプにわたって装着することを可能にする)、その後にパイプ断熱体を3フィート長セクションに切断して完成パイプ断熱体を形成する。完全に形成されたパイプ断熱体片は、次に、ジャケット材料を付加して最終製品を生成する第2の機械までコンベヤによって移送される。CMP工程では、生成速度は、モールド内で結合剤を硬化させる機能によって決定される(より厚い断熱体は、稼働がより遅い)。
【0007】
MW及びCMP工程の両方では、ペルトは、未硬化結合剤をその上に有するベルト上に収集されたガラス繊維から構成される。ガラス繊維は、多くの場合に回転繊維紡糸工程によって現場で生成される。ペルトは、典型的には、1インチよりも厚い厚みと0.04lb/ft2よりも重い面積重量とを有することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
パイプ断熱体の特性をパイプ断熱体の厚みを通して調節する又は他に変えることができるパイプ断熱体を形成するための工程に対する未充足の必要性が存在する。本提案の工程は、好ましくは連続又は擬似連続工程である。更に、本提案の工程は、予め形成された繊維ガラスマットをその入力として使用することができるので、それは、現場にガラス製造デバイス(例えば、溶融機)を有する必要性のような従来の生成方法に関連付けられた様々な問題を回避する。併設溶融機の必要性を排除することにより、本提案の工程は、繊維ガラスを製造するための原材料を供給して保存する必要性を低減し、溶融機によって発生されると考えられるエミッションを低減し、かつ一般的に効率のためにノンストップ(すなわち、24/7)で稼働する溶融機から工程を切り離すことによって工程の始動-停止作動を容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
パイプ断熱体を形成するのにより効率的及び/又は汎用的な工程を提供することを本明細書に提案する。
【0010】
従って、一般的な本発明の概念は、パイプ断熱体の特性がパイプ断熱体の厚みを通して調節される又は他に変更することができるパイプ断熱体を生成する方法及びそのためのシステムに関連し、かつそれらを熟考するものである。
【0011】
一部の例示的実施形態では、一般的な本発明の概念は、予め形成された繊維性断熱材(例えば、マット、フェルト、織物、織布、不織布)からパイプ断熱体を形成する方法及びそのためのシステムに関連する。このようにして、投入繊維生成とのパイプ製造工程の併設が不要であり、これは多くの利点を提供する。
【0012】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成された繊維性断熱材である。ガラス繊維、ミネラルウール繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維、金属繊維などのようなあらゆる適切な断熱繊維を予め形成された繊維性断熱材に使用することができる。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0013】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成された繊維ガラスマットである。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0014】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成されたフェルトマットである。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0015】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成された複合繊維マットである。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0016】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成された織布である。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0017】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成された不織布である。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0018】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の供給を準備する段階と、断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層にエネルギを加える段階とを含み、断熱材は、予め形成されたミネラルウールウェブである。一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0019】
一部の例示的実施形態では、本方法は、断熱材の層にこれらの層の螺旋状巻き付けの前に結合剤を付加する段階を更に含む。
【0020】
一部の例示的実施形態では、本方法は、断熱材の層内の結合剤をこれらの層の螺旋状巻き付けの前に活性化する段階を更に含む。
【0021】
一部の例示的実施形態では、断熱材の所望の厚みは、0.25インチから6インチの範囲内である。
【0022】
一部の例示的実施形態では、エネルギは、熱エネルギである。一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で断熱材の層に加えられる。
【0023】
一部の例示的実施形態では、結合剤は、断熱材の層にこれらの層の螺旋状巻き付けの前に付加されない。代わりに、層の螺旋状巻き付けの前に断熱材を形成するために機械的エネルギ(例えば、穿刺)が使用される。
【0024】
一部の例示的実施形態では、エネルギは、断熱材の層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられている間に断熱材の層に加えられる。
【0025】
本方法は、マンドレルの上に螺旋状に巻き付けられた断熱材をマンドレルから除去する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、断熱材がマンドレルから除去された後に断熱材の層に加えられる。
【0026】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である。
【0027】
一部の例示的実施形態では、断熱材の供給は、予め形成された繊維性断熱材(例えば、繊維ガラスマット)の複数のロールを含み、ロールの各々は、マンドレルの上に螺旋状に巻き付けられる断熱材の層のうちの1つに対応する。
【0028】
一部の例示的実施形態では、本方法は、断熱材の層のうちの少なくとも1つをこの層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられる前にこの層の特性を変更するために処理する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、特性は、処理される層の色である。一部の例示的実施形態では、特性は、マンドレルに対する処理される層のアプローチ角である。
【0029】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、0.5インチよりも薄い厚みを有する繊維ガラスマットである。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.25インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.04lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。
【0030】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通してスリットを切り抜く段階を更に含む。
【0031】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に関連する情報を外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む。
【0032】
一部の例示的実施形態では、断熱材の少なくとも1つの特性は、パイプ断熱体の厚みを通して変化する。
【0033】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成するためのシステムを提供する。システムは、予め形成された繊維性断熱材の複数のロールを供給するためのロール給送機と、断熱材のロールのうちの1つに層の各々が対応する断熱材の複数の層をマンドレルの周りに螺旋状に巻き付けるための巻き付け機と、断熱材の層を互いに固定するために断熱材の層に熱エネルギを加えるための加熱機とを含む。ガラス繊維、ミネラルウール繊維、ポリマー繊維、セラミック繊維、金属繊維などのようなあらゆる適切な断熱繊維は、予め形成された繊維性断熱材に使用することができる。一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、繊維性断熱材がマンドレル上にある間に層に加えられる。
【0034】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、繊維ガラスマットである。
【0035】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、フェルトマットである。
【0036】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、複合繊維マットである。
【0037】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、織布である。
【0038】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、不織布である。
【0039】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、ミネラルウールウェブである。
【0040】
一部の例示的実施形態では、システムは、断熱材の層にこれらの層の螺旋状巻き付けの前に結合剤を付加する層処理ステーションを更に含む。
【0041】
一部の例示的実施形態では、システムは、断熱材の層内の結合剤をこれらの層の螺旋状巻き付けの前に活性化する層処理ステーションを更に含む。
【0042】
一部の例示的実施形態では、システムは、層のうちの1又は2以上のマンドレルに対するアプローチ角(巻き付け角)を変化させる層処理ステーションを更に含む。
【0043】
一部の例示的実施形態では、システムは、断熱材の層のうちの少なくとも1つをこの層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられる前に層の特性を変更するために処理する層処理ステーションを更に含む。一部の例示的実施形態では、特性は、処理される層の色である。
【0044】
一部の例示的実施形態では、断熱材の層は、0.25インチから6インチの範囲内の厚みまで螺旋状に巻き付けられる。
【0045】
一部の例示的実施形態では、加熱機は、パイプ断熱体が通過するオーブンである。
【0046】
一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で断熱材の層に加えられる。
【0047】
一部の例示的実施形態では、加熱機は、断熱材の層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられている間に熱エネルギを断熱材の層に加える。
【0048】
一部の例示的実施形態では、加熱機は、断熱材の層がマンドレルから除去された後に熱エネルギを断熱材の層に加える。
【0049】
一部の例示的実施形態では、システムは、パイプ断熱体を所望の長さに切断するための手段を更に含む。一部の例示的実施形態では、長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である。
【0050】
一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維性断熱材は、0.5インチよりも薄い厚みを有する繊維ガラスマットである。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.25インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.04lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。
【0051】
一部の例示的実施形態では、システムは、パイプ断熱体の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通してスリットを切り抜くための手段を更に含む。
【0052】
一部の例示的実施形態では、システムは、パイプ断熱体に外側ジャケットを付加するための手段を更に含む。
【0053】
一部の例示的実施形態では、断熱材の少なくとも1つの特性は、パイプ断熱体の厚みを通して変化する。
【0054】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、第1の断熱材と第2の断熱材を準備する段階と、第1の断熱材をマンドレルの周りに所望の厚みt1が達成されるまで少なくとも1回巻き付ける段階と、第2の断熱材をマンドレル上に巻き付けられた第1の断熱材の周りに所望の厚みt2が達成されるまで少なくとも1回巻き付ける段階と、t1+t2の厚みを有するパイプ断熱体を形成するために第1の断熱材と第2の断熱材にエネルギを加える段階とを含み、厚みt1によって定められる第1の領域でのパイプ断熱体の特性は、厚みt2によって定められる第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なっている。
【0055】
一部の例示的実施形態では、第1の断熱材及び第2の断熱材のうちの少なくとも一方は、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層から構成される。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.25インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。一部の例示的実施形態では、繊維ガラスマットは、0.04lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。
【0056】
一部の例示的実施形態では、本方法は、第1の断熱材及び第2の断熱材のうちの少なくとも一方に結合剤を付加する段階を更に含む。
【0057】
一部の例示的実施形態では、本方法は、第2の断熱材の巻き付けの前に第1の断熱材及び第2の断熱材のうちの少なくとも一方における結合剤を活性化する段階を更に含む。
【0058】
一部の例示的実施形態では、厚みt1は、0.125インチから5.75インチの範囲内である。一部の例示的実施形態では、厚みt2は、0.125インチから5.75インチの範囲内である。
【0059】
一部の例示的実施形態では、エネルギは熱エネルギである。一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で第1の断熱材及び第2の断熱材に加えられる。
【0060】
一部の例示的実施形態では、結合剤は、第1の断熱材又は第2の断熱材にその螺旋状巻き付けの前に付加されない。代わりに、巻き付けの前に第1の断熱材内の繊維及び/又は第2の断熱材内の繊維を機械的に交絡させるために機械的エネルギ(例えば、穿刺)が使用される。
【0061】
一部の例示的実施形態では、エネルギは、第2の断熱材が第1の断熱材上に巻き付けられている間に第1の断熱材及び第2の断熱材に加えられる。
【0062】
本方法は、パイプ断熱体をマンドレルから除去する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、エネルギは、パイプ断熱体がマンドレルから除去された後に第1の断熱材及び第2の断熱材のうちの少なくとも一方に加えられる。一部の例示的実施形態では、エネルギは、パイプ断熱体がマンドレルから除去された後に第1の断熱材及び第2の断熱材に加えられる。
【0063】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である。
【0064】
一部の例示的実施形態では、第1の断熱材は、第1のロールから供給され、第2の断熱材は、第2のロールから供給される。
【0065】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その色である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、そのR値である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その密度である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤組成である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤含有量(LOI)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その機械的特性(例えば、弾性率、引張強度)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐熱性である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐湿性である。
【0066】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通してスリットを切り抜く段階を更に含む。
【0067】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に関連する情報を外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む。
【0068】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を形成する方法を提供する。本方法は、断熱材の第1の層と断熱材の第2の層とを含む断熱材を準備する段階と、断熱材をマンドレルの周りに所望の厚みtが達成されるまで少なくとも1回巻き付ける段階と、パイプ断熱体を形成するために断熱材にエネルギを加える段階とを含み、厚みtを通して断熱材の第1の層によって定められる1又は2以上の領域でのパイプ断熱体の特性は、厚みtを通して断熱材の第2の層によって定められる1又は2以上の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なっている。
【0069】
一部の例示的実施形態では、断熱材の第1の層及び断熱材の第2の層のうちの少なくとも一方は、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層から構成される。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.25インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.04lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。
【0070】
一部の例示的実施形態では、本方法は、断熱材に結合剤を付加する段階を更に含む。
【0071】
一部の例示的実施形態では、本方法は、断熱材の巻き付けの前に断熱材内の結合剤を活性化する段階を更に含む。
【0072】
一部の例示的実施形態では、結合剤は、断熱材の層にこれらの層の螺旋状巻き付けの前に付加されない。代わりに、層の螺旋状巻き付けの前に断熱材を形成するために機械的エネルギ(例えば、穿刺)が使用される。
【0073】
一部の例示的実施形態では、厚みtは、0.125インチから6インチの範囲内である。
【0074】
一部の例示的実施形態では、エネルギは熱エネルギである。一部の例示的実施形態では、熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で断熱材に加えられる。
【0075】
一部の例示的実施形態では、本方法は、マンドレルからパイプ断熱体を除去する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、エネルギは、パイプ断熱体がマンドレルから除去された後に断熱材に加えられる。
【0076】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である。
【0077】
一部の例示的実施形態では、断熱材は、単一ロールから供給される。
【0078】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その色である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、そのR値である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その密度である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤組成である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤含有量(LOI)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その機械的特性(例えば、弾性率、引張強度)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐熱性である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐湿性である。
【0079】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通してスリットを切り抜く段階を更に含む。
【0080】
一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む。一部の例示的実施形態では、本方法は、パイプ断熱体に関連する情報を外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む。
【0081】
一部の例示的実施形態では、断熱材は、断熱材の第1の層及び断熱材の第2の層とは異なる断熱材の第3の層を含む。
【0082】
一部の例示的実施形態では、断熱材は、断熱材の第3の層を含み、断熱材の第3の層は、断熱材の第1の層及び断熱材の第2の層のうちの一方と同じであり、断熱材の第3の層は、断熱材の第1の層及び断熱材の第2の層のうちの一方と異なっている。
【0083】
一部の例示的実施形態では、断熱材は、異なる断熱材の4又は5以上の層を含む。一部の例示的実施形態では、断熱材は、異なる断熱材の複数の層と同一断熱材の複数の層とを含み、断熱材の2つの隣接する層は同じではない。
【0084】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を提供する。パイプ断熱体は、tインチの厚みを有する断熱材の細長中空円筒を含み、厚みは、円筒の内面から円筒の外面まで延び、円筒の第1の領域でのパイプ断熱体の特性は、円筒の第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なり、円筒の第1の領域は、(t-x)インチの厚みを有し、円筒の第2の領域は、(t-y)インチの厚みを有し、x+y=tである。一部の例示的実施形態では、x≠yである。
【0085】
一部の例示的実施形態では、円筒の第1の領域及び円筒の第2の領域のうちの少なくとも一方は、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層を含む。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.25インチよりも薄い厚みを有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。一部の例示的実施形態では、予め形成された繊維ガラスマットは、0.04lb/ft2よりも軽い面積重量を有する。
【0086】
一部の例示的実施形態では、細長中空円筒は、0.5インチから18インチの範囲の直径を有する内側キャビティを有する。一部の例示的実施形態では、厚みtは、0.125インチから6インチの範囲内である。
【0087】
一部の例示的実施形態では、細長中空円筒の長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である。
【0088】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その色である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、そのR値である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その密度である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤組成である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤含有量(LOI)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その機械的特性(例えば、弾性率、引張強度)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐熱性である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐湿性である。
【0089】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体は、細長中空円筒の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通って延びるスリットを更に含む。
【0090】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体は、細長中空円筒の外面に固定されたジャケットを更に含む。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体に関連する情報が、ジャケット上に印刷される。
【0091】
例示的実施形態により、パイプ断熱体を提供する。パイプ断熱体は、厚みtを有する断熱材の細長中空円筒を含み、厚みは、円筒の内面から円筒の外面まで延び、複数の領域が、厚みtを通して定められ、領域の各々は、細長中空円筒の中心軸に関して同心であり、円筒の第1の領域は、円筒の第2の領域に隣接し、円筒の第1の領域でのパイプ断熱体の特性は、円筒の第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なっている。
【0092】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その色である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、そのR値である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その密度である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その空隙率である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤組成である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その結合剤含有量(LOI)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その機械的特性(例えば、弾性率、引張強度)である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐熱性である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の特性は、その耐湿性である。
【0093】
一部の例示的実施形態では、第1の領域の厚みt1は、第2の領域の厚みt2に等しい。一部の例示的実施形態では、第1の領域の厚みt1は、第2の領域の厚みt2よりも薄い。
【0094】
一部の例示的実施形態では、円筒の第3の領域は、円筒の第2の領域に隣接し、円筒の第3の領域での特性は、円筒の第1の領域及び円筒の第2の領域のうちの少なくとも一方での特性とは異なる。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1よりも薄い。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2よりも薄い。
【0095】
一部の例示的実施形態では、円筒の第3の領域は、円筒の第2の領域に隣接し、円筒の第3の領域での特性は、円筒の第1の領域及び円筒の第2の領域の両方での特性とは異なる。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1よりも薄い。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2よりも薄い。
【0096】
一部の例示的実施形態では、円筒の第3の領域は、円筒の第2の領域に隣接し、円筒の第3の領域での特性は、円筒の第2の領域での特性とは異なり、円筒の第3の領域での特性は、円筒の第1の領域での特性と同じである。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2に等しい。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第1の領域の厚みt1よりも薄い。一部の例示的実施形態では、第3の領域の厚みt3は、第2の領域の厚みt2よりも薄い。
【0097】
一般的な本発明の概念の多くの他の態様、利点、及び/又は特徴は、例示的実施形態の以下の詳細説明から、特許請求の範囲から、及び本明細書と共に提出する添付図面からより容易に明らかになるであろう。
【0098】
図面を参照して一般的な本発明の概念、並びにその実施形態及び利点を一例としてより詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた従来のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図2】例示的実施形態による予め形成された繊維ガラスマットを用いてパイプ断熱体を形成する方法の流れ図である。
【
図3】例示的実施形態による予め形成された繊維ガラスマットを用いてパイプ断熱体を形成するためのシステムの模式図である。
【
図4】例示的実施形態により繊維ガラスマットの層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられているのを示す模式図である。
【
図5】例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の側面斜視図である。
【
図6】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図7】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた別の例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図8】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた更に別の例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図9】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた更に別の例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図10】パイプ断熱体の長手軸に位置合わせされた更に別の例示的実施形態による本発明のパイプ断熱体の前面立面図である。
【
図11A】例示的実施形態により異なる断熱材からパイプ断熱体を形成するための順次積層工程を示す図である。
【
図11B】例示的実施形態により異なる断熱材からパイプ断熱体を形成するための順次積層工程を示す図である。
【
図11C】例示的実施形態により異なる断熱材からパイプ断熱体を形成するための順次積層工程を示す図である。
【
図12A】例示的実施形態により異なる断熱材からパイプ断熱体を形成するための並列積層工程を示す図である。
【
図12B】例示的実施形態により異なる断熱材からパイプ断熱体を形成するための並列積層工程を示す図である。
【
図13】例示的実施形態によりパイプ断熱体を形成するための重畳巻き付け工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
一般的な本発明の概念は、多くの異なる形態の実施形態を受け入れるが、本発明の開示は、一般的な本発明の概念の原理の例証と見なさなければならないという理解の下に本発明の特定の実施形態を図面に示し、本明細書で詳細に以下に説明する。従って、一般的な本発明の概念は、本明細書に例示する特定の実施形態に限定されるように意図したものではない。
【0101】
一般的な本発明の概念は、パイプ断熱体の厚みを通して特性を調節又は他に変化させることができるパイプ断熱体を生成する方法及びそのためのシステムを包含する。好ましいが必要というわけではなく、工程は連続工程である。
【0102】
図2に示すように、例示的実施形態によるパイプ断熱体を形成する方法200を開示する。方法200は、予め形成された不織繊維ガラスマットをその投入材料として使用する。このマットは、従来のパイプ断熱体形成工程において多くの場合に使用される繊維ガラスペルトとは異なる。例えば、マットは、それを形成する結合剤が完全に又は少なくとも部分的に硬化されていることで予め形成されており、それに対してペルトは、その結合剤が依然として硬化されていないことで未形成状態にある。更に、一般的に、マットは、0.5インチよりも薄い厚みと0.08lb/ft
2よりも軽い面積重量とを有することになる。一部の例示的実施形態では、一般的に、マットは、0.25インチよりも薄い厚みと0.04lb/ft
2よりも軽い面積重量とを有することになる。繊維ガラスマットは、通常はロール上に保存される。このようにして、段階202において1又は2以上のロールを用いてマットを巻き付け機に送出することができる。
【0103】
マットは、巻き付け機に到達する前に、段階204において層処理を受ける。層処理段階は、例えば、パイプ断熱体を形成するためにマットの異なる層を互いに接着することができるように(結合剤が硬化した時に)、マットへの層結合剤の付加及び/又はその活性化を含むことができる。あらゆる適切な結合剤を使用することができる。例えば、結合剤は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とすることができる。層結合剤は、圧延コーティング、吹き付けコーティング、又は浸漬コーティングのようなあらゆる適切な方式でマットに付加することができる。
【0104】
別の例として、層処理段階は、マットが巻き付け機に送出される時のマットの位置合わせ(すなわち、そのアプローチ角を変化させる段階)を含む可能性がある。更に別の例として、層処理段階は、巻き付け機に到達する前のマットの変更(例えば、化学的、物理的な)を伴う可能性がある。一例示的実施形態では、マットの変更は、特定の色を有する層をもたらすことができる。層処理段階でのこれらの加工例は包括的ではなく、この段階は、投入された繊維ガラスマット材料が段階206において巻き付け機に導入される前のこの材料に対するあらゆる加工を包含することができる。
【0105】
層処理の後に、マットは、巻き付け機の上に続き、そこで、静止又は軸の周りに回転している場合があるマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられる。螺旋状巻き付け技術は当業技術で公知であり、これまで例えば紙コア/チューブを製造するのに使用されている。パイプ断熱体の厚みは、マットの厚みとマンドレル上に巻き付けられるマット層数とに基づいて制御される。一般的に、パイプ断熱体を形成するのに多くのマット層が使用されることになる。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに2層から24層までのマット層が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに4層から16層までのマット層が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに4層から8層までのマット層が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.125インチから6インチの範囲内である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.25インチから4インチの範囲内である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.5インチから2インチの範囲内である。
【0106】
パイプ断熱体に対する所望の厚みが達成された状態で(例えば、予め決められた数のマット層がマンドレルの上に螺旋状に巻き付けられる)、パイプ断熱体は、段階208において熱処理を受ける。熱処理は、層結合剤を硬化させて様々なマット層を互いに固定させ、それによってパイプ断熱体材料を形成する。当業者は、層結合剤を硬化させる際に一般的な本発明の概念の精神及び範囲から逸脱することなく放射線(例えば、UV、IR、マイクロ波)のような他の形態のエネルギを使用することができることを認めるであろう。
【0107】
一部の例示的実施形態では、マットは、最終製品内で様々なマット層を互いに融合するために後に再加熱又は他に活性化することができる結合剤を用いて製造することができる。一部の例示的実施形態では、マット自体は、内部に埋め込まれたバインダー繊維を含むことができ、熱処理は、これらのバインダー繊維を溶融させて様々なマット層を互いに固定させる。熱処理は、あらゆる適切な方式でマットに適用することができる。
【0108】
一部の例示的実施形態では、熱処理は、マット層がマンドレル上に巻き付けられる時に、例えば、マンドレルを加熱することにより、及び/又はマンドレルの近くに置かれた外部加熱手段(例えば、1又は2以上の加熱機)によってマット層に適用される。一部の例示的実施形態では、熱処理は、マット層がマンドレルから搬送される時に、例えば、オーブン又は他の加熱機配置を通して搬送することによってマット層に適用される。
【0109】
一般的に、熱処理は、様々なマット層を互いに固定させるか又は少なくともマット層間が互いに接着する傾向を強めるほど十分な温度で(例えば、75°Fから700°Fまで)十分な時間(例えば、2秒から10分まで)にわたって適用される。
【0110】
層結合剤を硬化させた後に、得られた断熱材は、段階210においてある長さに切断され、所望の長さを有する細長中空円筒が形成される。円筒は、繊維ガラスマット層から形成される。一部の例示的実施形態では、断熱材は、0.5フィートから12フィートの長さに切断される。
【0111】
断熱材は、あらゆる適切な方式で切断することができる。一部の例示的実施形態では、断熱材は、それがマンドレルから搬送される時に切断される(すなわち、インラインで)。この場合に、一般的に、切断機は、切断が発生する時に断熱材と同じ方向に同じ速度で移動することになる。同様に、断熱材は依然としてz軸の周りに回転していることになるので、切断を完了するのに切断機又はブレードを断熱材に対して固定された位置で適用することができる。一部の例示的実施形態では、断熱材は、連続工程の一部として(すなわち、インラインで)又は後の時間及び/又は別の場所のいずれかで(すなわち、オフラインで)切断される。
【0112】
断熱材は、所望の長さに切断されると、次に、段階212においてパイプ断熱体製品の製造に必要である又は他に関連するいずれかの仕上げ処理を受ける。仕上げ段階は、例えば、断熱されるパイプ又は類似の部材の周りへの断熱材の配置を容易にする断熱材を通る長手スリットの形成を含むことができる。別の例として、仕上げ段階は、断熱材の外周の周りへのジャケット又は他のカバー部材の付加を含むことができる。一般的に、外側ジャケットは、断熱材内に長手スリットが形成された後に付加される場合はスリットを覆うことにはならない(少なくともパイプ断熱体の設置後までは)。外側ジャケットは、取りわけ、パイプ断熱体に対する蒸気障壁として作用する。更に別の例では、仕上げ段階は、断熱材、外側ジャケット、及び/又はいずれかの関連のパッケージングの上へのしるしの印刷を含むことができる。しるしは、断熱材に関するいずれかの情報、例えば、そのR値、厚み、長さ、SKU、設置説明書などとすることができる。印刷は、インクジェットなどによるあらゆる適切な方式で行うことができる。更に別の例として、仕上げ段階は、パイプ断熱体を箱詰めする段階又はプラスチック包装紙の中に封入する段階のようなパイプ断熱体をパッケージングする段階を含むことができる。仕上げ段階でのこれらの加工例は包括的ではなく、この段階は、段階210においてある長さに切断された後の断熱材に対するあらゆる加工を包含することができる。更に、仕上げ段階での加工の一部又は全ては、連続工程の一部(すなわち、インライン)とするか又は後の時間及び/又は別の場所で(すなわち、オフラインで)行うことができる。
【0113】
図3に示すように、例示的実施形態によるパイプ断熱体を形成するためのシステム300を開示する。システム300は、一般的な本発明の概念によって包含されるパイプ断熱体を形成する方法200のような方法を実施するために使用することができる。
【0114】
システム300は、予め形成された不織繊維ガラスマット330を投入材料として使用する。このマット330は、従来のパイプ断熱体形成工程において多くの場合に使用される繊維ガラスペルトとは異なる。例えば、マット330は、それを形成する結合剤が完全又は少なくとも部分的に硬化されていることで予め形成されており、それに対してペルトは、その結合剤が依然として硬化されていないことで未形成状態にある。従って、マット330は、必要になるまで容易に保存することができる(例えば、ロール上に)。一般的に、マット330は、0.5インチよりも薄い厚みと0.08lb/ft
2よりも軽い面積重量とを有することになる。一部の例示的実施形態では、マット330は、0.25インチよりも薄い厚みと0.04lb/ft
2よりも軽い面積重量とを有することになる。上述のように、繊維ガラスマット330は、通常はロール上に保存される。従って、システム300は、マット330の複数の層332を巻き付け機306に向けて供給するために(
図4を参照されたい)1又は2以上の繊維ガラスマットロールと接続するロール給送機302を含む。
【0115】
巻き付け機306に到達する前に、マット330は、層処理装置304又は層処理サブシステムなど又は層処理ステーションによって加工される。層処理装置304による加工は、典型的には、層332の特定の1つを形成するマット330の物理的及び/又は化学的な変更をもたらすことになる。一部の例示的実施形態では、システム300は、巻き付け機306への送出の前にマット層332を加工するための複数の層処理装置304を含む。層処理加工は、例えば、パイプ断熱体を形成するためにマット330の異なる層332を互いに接着することができるように(結合剤が硬化した時に)マット330への層結合剤の付加及び/又はその活性化を含むことができる。あらゆる適切な結合剤を使用することができる。例えば、結合剤は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とすることができる。層結合剤は、圧延コーティング、吹き付けコーティング、又は浸漬コーティングのようなあらゆる適切な方式でマット330に付加することができる。別の例として、層処理加工は、マット330が巻き付け器306に送出される時のマット330の位置合わせ(すなわち、そのアプローチ角θを変化させる段階)を含むことができる。更に別の例として、層処理加工は、マット330に色を付加する又は他にその色を変更する段階を含む。層処理装置304によるこれらの加工例は包括的ではなく、一般的な本発明の概念は、巻き付け機306に導入される前の投入された繊維ガラスマット材料に対するあらゆる他の加工を包含する。
【0116】
層処理工程の後に、マット330は、巻き付け機306の上に続き、そこで静止している又は軸の周りに回転している場合があるマンドレル334の上に螺旋状に巻き付けられる(
図4を参照されたい)。回転マンドレルの場合に、モータ336及び関連の回路がマンドレル334の回転を駆動する。マンドレル334は、0.5rpmから500rpmまでの速度で回転する。螺旋状巻き付け技術は当業技術で公知であり、これまで例えば紙コア/チューブを製造するのに使用されている。パイプ断熱体の厚み338は、マット330の厚みとマンドレル334上に巻き付けられるマット330の層332の数とに基づいて制御される。一般的に、パイプ断熱体を形成するのにマット330の多くの層332が使用されることになる。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに2層から24層までのマット330が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに4層から16層までのマット330が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体を形成するのに4層から8層までのマット330が使用される。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.125インチから6インチの範囲内である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.25インチから4インチの範囲内である。一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の厚みは、0.5インチから2インチの範囲内である。
【0117】
一部の例示的実施形態では、パイプ断熱体の所望の厚みが達成された状態で、パイプ断熱体上にジャケット(例えば、ジャケット610)又は他のカバー部材が巻き付け機306によって螺旋状に巻き付けられる。そのようなインライン工程では、マンドレル334上に巻き付けられる最後の少数の(例えば、2つの)層は、接着剤裏当て式ジャケット材料である。
【0118】
マット330の予め決められた数の層332がマンドレル334の上に螺旋状に巻き付けられた状態で(すなわち、パイプ断熱体に対する所望の厚み338が達成される)、パイプ断熱体は、熱処理を受ける。熱処理は、層結合剤を硬化させてマットの異なる層を互いに固定させ、それによってパイプ断熱体材料が形成される。熱処理は、あらゆる適切な方式でマットに適用することができる。
【0119】
一部の例示的実施形態では、熱処理は、マット層がマンドレル上に巻き付けられる時に、例えば、マンドレルを加熱することにより、及び/又はマンドレルの近くに置かれた外部加熱手段(例えば、1又は2以上の加熱機)によってマット層に適用される。一部の例示的実施形態では、熱処理は、マット層がマンドレルから搬送される時に、例えば、オーブン308又は他の加熱機配置を通して搬送することによってマット層に適用される。
【0120】
一般的に、熱処理は、マット330の異なる層332を互いに固定させるか又は少なくともマット層332間が互いに接着する傾向を強めるほど十分な温度で(例えば、75°Fから700°Fまで)十分な時間(例えば、2秒から10分まで)にわたって適用される。
【0121】
層結合剤を硬化させた後に、得られた断熱材を切断機310が切断し、
図5に示すように所望の長さ502を有する細長中空円筒500が形成される。言い換えれば、切断機310は、マンドレル334上に連続形成されている断熱材の一部分を分離し、分離部分は長さ502を有する。円筒500は、繊維ガラスマット330の層332から形成される。一部の例示的実施形態では、断熱材は、0.5フィートから12フィートの長さに切断される。
【0122】
断熱材は、回転ナイフ、固定ブレードなどのようなあらゆる適切な方式で切断することができる。一部の例示的実施形態では、断熱材は、マンドレルから搬送される時に切断される(すなわち、インラインで)。この場合に、一般的に、切断機310は、切断が発生する間に断熱材と同じ方向に同じ速度で移動することになる。同様に、断熱材は依然としてz軸の周りに回転していることになるので、切断を完了するのに切断機310を断熱材に対して固定された位置で適用することができる。一部の例示的実施形態では、断熱材は、マンドレルの更に下流で連続工程の一部として(すなわち、インラインで)及び/又は別の場所で(すなわち、オフラインで)のいずれかで切断される。
【0123】
断熱材が所望の長さに切断されると、それは、仕上げ処理装置又はサブシステムなどにより、又は仕上げステーション312で加工される。仕上げステーション312は、パイプ断熱体製品の生成に必要である又は他に関連するあらゆる加工に対処する。仕上げ加工は、例えば、断熱されるパイプ又は類似の部材の周りへの断熱材の配置を容易にする断熱材を通る長手スリット(例えば、スリット612)の形成を含むことができる。別の例として、仕上げ加工は、断熱材の外周の周りへのジャケット(例えば、ジャケット610)又は他のカバー部材の付加を含むことができる。一般的に、外側ジャケットは、断熱材内に長手スリットが形成された後に付加される場合はスリットを覆うことにはならない(少なくともパイプ断熱体の設置後までは)。外側ジャケットは、取りわけ、パイプ断熱体に対する蒸気障壁として作用する。更に別の例では、仕上げ加工は、断熱材、外側ジャケット、及び/又はいずれかの関連パッケージングの上へのしるしの印刷を含むことができる。しるしは、断熱材に関するいずれかの情報、例えば、そのR値、厚み、長さ、SKU、設置説明書などとすることができる。印刷は、インクジェットプリンタなどによるあらゆる適切な方式で行うことができる。更に別の例として、仕上げ加工は、パイプ断熱体を箱詰めする段階又はプラスチック包装紙の中に封入する段階のようなパイプ断熱体をパッケージングする段階を含むことができる。これらの仕上げ加工例は包括的ではなく、代わりに断熱材がある長さに切断された後の断熱材に対するあらゆる加工を包含することができる。更に、仕上げ加工の一部又は全ては、連続システム作動の一部(すなわち、インライン)であるか又は後の時間に及び/又は別の場所で(すなわち、オフラインで)行うことができる。
【0124】
一般的な本発明の概念(例えば、方法200及びシステム300)により、繊維ガラスマット330の巻き付け層332の数は、パイプ断熱体の壁厚338を左右する。その結果、様々な厚みのパイプ断熱体を容易に生成することができる。更に、繊維ガラスマット300は予め形成されるので、方法200及びシステム300は、あらゆる併設ガラス製造の必要性を回避する。その結果、生産時間、必要なインフラストラクチャ、及び原材料、並びに現場ガラス生成に伴って起こる場合がある問題を回避することができる。更に、予め製造された繊維ガラスマット330は、パイプ断熱体内のほぼ均一な繊維分布を可能にする。更に、螺旋状巻き付け技術は、従来のCMP工程のスループット率を近似する連続加工を可能にする。
【0125】
これに加えて、一般的な本発明の概念(例えば、方法200及びシステム300)は、得られるパイプ断熱体の特性をパイプ断熱体の厚みを通して「調整」することを可能にする。言い換えれば、パイプ断熱体は、繊維ガラスマットの多くの個別層から構成されるので、異なる層において(すなわち、パイプ断熱体の厚みを通して)異なる物理特性を有するパイプ断熱体を構成することができる。
【0126】
例えば、
図6に示すように、例示的方法(例えば、方法200)及び/又は例示的システム(例えば、システム300)に従って形成されるパイプ断熱体600は、予め形成された不織繊維ガラスマット330の複数の層332からなる断熱材602から形成される。パイプ断熱体600は、壁厚604と内側キャビティ606とを有する細長中空円筒として形成される。一般的な本発明の概念により、壁厚604は、特定の厚みを有するマット330を使用すること及び/又はパイプ断熱体600を形成するのに使用されるマット330の層332の数を変更することによって容易に変化させることができる。内側キャビティ606は、パイプ断熱体600の内径608を定める。一般的な本発明の概念により、内径608は、対応する外径を有するマンドレル334を使用することによって容易に変化させることができる。パイプ断熱体600の内径608は、断熱されるパイプ又はパイプ状部材の外径に適合するように選択される。
【0127】
断熱材602の周りには外側ジャケット610が巻き付けられ、取りわけ、パイプ断熱体600に対する蒸気障壁として作用する。パイプの周りへのパイプ断熱体600の配置を容易にするために、断熱材602及び外側ジャケット610を通してスリット612が形成される。パイプ断熱体600の設置を更に容易にするために、通常は断熱材602のスリット612から反対側に部分スリット614を更に形成することができる。一般的に、部分スリット614は、断熱材602の厚み604全体を通しては延びない(かつ外側ジャケット610に侵入しない)。パイプ断熱体600がパイプの周りに装着された後に、外側ジャケット610の一部分は、スリット612の上を延びる(かつ密封する)カバー616を形成する。一部の例示的実施形態では、カバー616に加えて又はその代わりに、スリット612は、テープ(図示せず)などによって密封される。
【0128】
この例示的実施形態では、断熱材602の特性は、パイプ断熱体600の壁厚604を通して実質的に均一である。
【0129】
上記とは逆に、
図7に示すように、例示的方法(例えば、方法200)及び/又は例示的システム(例えば、システム300)に従って形成されるパイプ断熱体700は、予め形成された不織繊維ガラスマット330の複数の層332で少なくとも部分的に構成された断熱材702から形成される。パイプ断熱体700は、壁厚704と内側キャビティ706とを有する細長中空円筒として形成される。一般的な本発明の概念により、壁厚704は、特定の厚みを有するマット330を使用すること及び/又はパイプ断熱体700を形成するのに使用されるマット330の層332の数を変更することによって容易に変化させることができる。内側キャビティ706は、パイプ断熱体700の内径708を定める。一般的な本発明の概念により、内径708は、対応する外径を有するマンドレル334を使用することによって容易に変化させることができる。パイプ断熱体700の内径708は、断熱されるパイプ又はパイプ状部材の外径に適合するように選択される。
【0130】
断熱材702の周りには外側ジャケット710が巻き付けられ、取りわけ、パイプ断熱体700に対する蒸気障壁として作用する。パイプの周りへのパイプ断熱体700の配置を容易にするために、断熱材702及び外側ジャケット710を通してスリット712が形成される。パイプ断熱体700の設置を更に容易にするために、通常は断熱材702のスリット712から反対側に部分スリット714を更に形成することができる。一般的に、部分スリット714は、断熱材702の厚み704全体を通しては延びない(かつ外側ジャケット710に侵入しない)。パイプ断熱体700がパイプの周りに装着された後に、外側ジャケット710の一部分は、スリット712の上を延びる(かつ密封する)カバー716を形成する。一部の例示的実施形態では、カバー716に加えて又はその代わりに、スリット712は、テープ(図示せず)などによって密封される。
【0131】
この例示的実施形態では、断熱材702の特性は、パイプ断熱体700の壁厚704を通して均一というわけではない。代わりに、予め形成された不織繊維ガラスマット330の複数の層332を含む断熱材702のような同じ断熱材を使用することによってパイプ断熱体700の壁厚704(壁厚704の何らかの部分集合)を通して異なる物理特性を導入することができ、この場合に、マット330の異なる層は、異なる特性を有するように形成されており、又は他に以前に変更されている(例えば、層処理段階204において)。その結果、壁厚704の第1(すなわち、内側)の領域730は、壁厚704の第2(すなわち、外側)の領域740とは異なる1又は2以上の特性を有する。
【0132】
あらゆる個数の特性は、第1の領域730と第2の領域740の間で異なることが可能である。例えば、限定ではなく、そのような特性は、マット330を形成するのに使用されるガラスタイプ、マット330を形成するのに使用されるガラスに適用されるサイズ、マット330を形成するのに使用される結合剤、マット330を形成するのに使用される繊維直径、マット330を形成するのに使用される繊維形態(例えば、刻まれた繊維、連続繊維)、マット内での繊維の向き、マット330の個々の層の厚み、マット330の密度、マット330のR値などのうちの1又は2以上を含むことができる。別の例として、そのような特性は、マット330が形成された後にマット330の層(又は連続する層)に色を付加することのように変更することができると考えられる。
【0133】
これに加えて、形成方法/システムへの入力として異なる断熱材を使用することによってパイプ断熱体700の壁厚704(又は壁厚704の何らかの部分集合)を通して異なる物理特性を導入することができ、この場合に、断熱材のうちの少なくとも1つは、壁厚(又はその部分集合)を構成するために複数の層で螺旋状に巻き付けられた予め形成された不織マット(例えば、マット330)である。この場合に、壁厚704の第1(例えば、内側)の領域730は、第1の断熱材から形成され、それに対して壁厚704の第2(例えば、外側)の領域740は、第2の断熱材(例えば、マット330)から形成される。そのような実施形態を
図8に例示している。
【0134】
図8に示すように、例示的方法(例えば、方法200)及び/又は例示的システム(例えば、システム300)に従って形成されるパイプ断熱体800は、2つの異なるタイプの断熱材802、すなわち、第1の断熱材830と第2の断熱材840で形成される。
【0135】
パイプ断熱体800は、壁厚804と内側キャビティ806とを有する細長中空円筒として形成される。内側キャビティ806は、パイプ断熱体800の内径808を定める。一般的な本発明の概念により、内径808は、対応する外径を有するマンドレル334を使用することによって容易に変化させることができる。パイプ断熱体800の内径808は、断熱されるパイプ又はパイプ状部材の外径に適合するように選択される。
【0136】
断熱材802の周りには外側ジャケット810が巻き付けられ、取りわけ、パイプ断熱体800に対する蒸気障壁として作用する。パイプの周りへのパイプ断熱体800の配置を容易にするために、断熱材802及び外側ジャケット810を通してスリット812が形成される。パイプ断熱体800の設置を更に容易にするために、通常は断熱材802のスリット812から反対側に部分スリット814を更に形成することができる。一般的に、部分スリット814は、断熱材802の厚み804全体を通しては延びない(かつ外側ジャケット810に侵入しない)。パイプ断熱体800がパイプの周りに装着された後に、外側ジャケット810の一部分は、スリット812の上を延びる(かつ密封する)カバー816を形成する。一部の例示的実施形態では、カバー816に加えて又はその代わりに、スリット812は、テープ(図示せず)などによって密封される。
【0137】
この例示的実施形態では、断熱材802の特性は、パイプ断熱体800の壁厚804を通して均一というわけではない。代わりに、上述のように、異なるタイプの断熱材802が使用される。例えば、第1の断熱材830は、予め製造された断熱シート(例えば、繊維ガラスバット)である。第1の断熱材830は、螺旋巻きなどによってマンドレル334の周りに巻き付けることができる。これに代えて、第1の断熱材830は、一般的に、所望の厚みに製造されることになるので、マンドレル334の周りに簡単に配置することができる。このようにして、第1の断熱材830は、パイプ断熱体800の第1の壁厚832を定める。
【0138】
第2の断熱材840は、予め形成された不織繊維ガラスマット330であり、この場合に、マット330の複数の層332は、第1の断熱材830の上に螺旋状に巻き付けられてパイプ断熱体800が形成される。第2の断熱材840は、パイプ断熱体の第2の壁厚842を定める。
【0139】
第1の壁厚832と第2の壁厚842の合計は、壁厚804に等しい。一部の例示的実施形態では、第1の壁厚832は、第2の壁厚842よりも厚い。一部の例示的実施形態では、第1の壁厚832は、第2の壁厚842よりも薄い。一部の例示的実施形態では、第1の壁厚832は、第2の壁厚842に等しい。
【0140】
一部の例示的実施形態では、第1の断熱材830と第2の断熱材840が異なる特性を有することに加えて、第2の断熱材840内でマット330の異なる層332は、異なる特性を有することができる。
【0141】
更に、そのような混成パイプ断熱体製品は、パイプ断熱体800のように、螺旋巻きだけによって形成される必要はない。例えば、一部の例示的実施形態では、第2の断熱材840は、内径808と第1の壁厚832との合計に等しい直径を有するマンドレルの上に螺旋状に巻き付けることができると考えられる。その後に、第2の断熱材840がマンドレルから除去された状態で、予め製造された第1の断熱材830を第2の断熱材840内に配置し、あらゆる適切な方式(例えば、熱結合、穿刺を通じて)そこに接続することができる。次に、接続された断熱材830、840の更に別の加工、例えば、スリット812の形成、外側ジャケット810の付加などを行うことができる。
【0142】
従って、パイプ断熱体800は、異なる特性を有する2又は3以上の領域を有するように製造することができる。例えば、第1の断熱材830で形成された内側領域は、第2の断熱材840で形成された外側領域よりもかなり軟質とすることができる。これは、パイプ断熱体800がその上に設置されているパイプの円周を超えて延びる構造体(例えば、カプリング、取り付け具、バルブ)にわたって/周りにパイプ断熱体800が適合することを可能にする。従って、設置者が上述の構造体を考慮するためにパイプ断熱体800の内側部分を手動で除去する(例えば、通常、フィレッティングと呼ばれている工程で切り抜く)必要性を回避する。これは、パイプ断熱体800のより迅速、容易、及び安全な設置に役立つ。
【0143】
一般的な本発明の概念を更に例示するために、別の例示的実施形態によるパイプ断熱体900を
図9に示している。簡略化の目的で、
図9には断熱材の配置のみを示し、対応するあらゆる構造体(例えば、スリット、部分スリット、外側ジャケットのような)を省略している。
【0144】
パイプ断熱体900は、断熱材902の第1の領域と、断熱材904の第2の領域と、断熱材906の第3の領域とで構成される。断熱材902、904、906の領域のうちの少なくとも1つは、予め形成された不織繊維ガラスマット330の複数の層332を含む。パイプ断熱体900は壁厚908を有する。例えば、壁厚908は4インチとすることができる。断熱材902の第1の領域は、全壁厚908の1/2又は2インチである。断熱材904の第2の領域は、全壁厚908の1/4又は1インチである。断熱材906の第3の領域は、全壁厚908の1/4又は1インチである。
【0145】
断熱材の領域の各々は、壁厚908内の当該領域の深さを反映する特定の色を有するように製造される(又は後に変更される)。従って、断熱材902の第1の領域は、第1の色を有するように変更され、断熱材904の第2の領域は、第2の色を有するように変更され、断熱材906の第3の領域は、第3の色を有するように変更される。一部の例示的実施形態では、領域902、904、906のうちの少なくとも1つは、未変更/無着色状態に留まることができる。一部の例示的実施形態では、最内側領域(すなわち、断熱材902の第1の領域)のみが着色され、すなわち、断熱材902の厚みを通して色変化を有する。
【0146】
色は、パイプ断熱体900がその上に設置されているパイプの円周を超えて延びる構造体(例えば、カプリング、取り付け具、バルブ)にわたって/周りにパイプ断熱体900が適合することができるようにパイプ断熱体900の内側部分を手動で除去する(例えば、通常、フィレッティングと呼ばれている工程で切り抜く)必要がある時にパイプ断熱体900の設置者に深さ変化を通知するために使用される。付加された色は、フィレッティングの深さを計量することを支援するための設置者への視覚インジケータとして機能する。この視覚インジケータは、過量のパイプ断熱体900の除去及び対応するパイプ断熱体900のR値の低減を回避するのに役立たせることができる。
【0147】
パイプ断熱体900は、断熱体の一部分の手動の除去を支援する他の特徴を有することができる。例えば、一部の例示的実施形態では、隣接する領域を互いに接着するのに使用される接着剤又は他の材料/手段は、2つの領域の互いからの手動の分離を容易にするように選択することができる。このようにして、フィレッティング工程中の断熱体の一部分の除去が容易になり、これは、パイプ断熱体900のより迅速、容易、正確、及び安全な設置に寄与することができる。
【0148】
一般的な本発明の概念を更に例示するために、更に別の例示的実施形態によるパイプ断熱体1000を
図10に示している。簡略化の目的で、
図10には断熱材の配置のみを示し、対応するあらゆる構造体(例えば、スリット、部分スリット、外側ジャケットのような)を省略している。
【0149】
パイプ断熱体1000は、断熱材1002の第1の領域と、断熱材1004の第2の領域と、断熱材1006の第3の領域と、断熱材1008の第4の領域とで構成される。断熱材1002、1004、1006、1008の領域のうちの少なくとも1つは、予め形成された不織繊維ガラスマット330の複数の層332を含む。パイプ断熱体1000は壁厚1010を有する。例えば、壁厚1010は4インチとすることができる。断熱材1002の第1の領域は、全壁厚1010の1/4又は1インチである。断熱材1004の第2の領域は、全壁厚1010の1/4又は1インチである。断熱材1006の第3の領域は、全壁厚1010の1/4又は1インチである。断熱材1008の第4の領域は、全壁厚1010の1/4又は1インチである。
【0150】
パイプ断熱体1000では、断熱材1002の第1の領域と断熱材1006の第3の領域は、互いに共通する1又は2以上の特性を有する。パイプ断熱体1000では、断熱材1004の第2の領域と断熱材1008の第4の領域は、互いに共通する1又は2以上の特性を有する。このようにして、パイプ断熱体1000は、異なる特性を準備する領域によって分離された類似の特性を準備する交替する領域を有することができる。
【0151】
一例として、パイプ断熱体1000では、断熱材1002の第1の領域と断熱材1006の第3の領域は、実質的に同じR値(すなわち、第1のR値)を有することができる。同じく、パイプ断熱体1000では、断熱材1004の第2の領域と断熱材1008の第4の領域は、実質的に同じR値(すなわち、第2のR値)を有することができる。しかし、パイプ断熱体1000では、第1のR値と第2のR値は有意に異なっている。
【0152】
上述した例示的実施形態及び技術に加えて、一般的な本発明の概念は、パイプ断熱体の厚みを通してパイプ断熱体の特性を調節又は他に変化させることができるパイプ断熱体を形成する他の方法及びそのための他のシステムを包含する。
【0153】
例えば、厚みを通して異なる特性を有するパイプ断熱体を形成するために異なる断熱材の順次積層を使用することができる。一部の例示的実施形態では、断熱材は、予め形成されたマット、バット、シートなどである。一部の例示的実施形態では、断熱材のうちの少なくとも1つは、繊維ガラスマット330の複数の層332(本明細書に説明するような)から構成することができると考えられる。
【0154】
図11A~
図11Cに示すように、パイプ断熱体1100は、第1の断熱材1102と第2の断熱材1104とをマンドレル1106又はチューブなどの周りに順次積層することによって形成される。この順次積層は、連続工程として実施することができると考えられる。
【0155】
第1の断熱材1102は、その所望の厚みt
1が達成されるまでマンドレル1106の周りに巻き付けられる(
図11Aを参照されたい)。次に、第2の断熱材1104は、その所望の厚みt
2が達成されるまでマンドレル1106上の第1の断熱材1102の周りに巻き付けられる(
図11Bを参照されたい)。
【0156】
その後に、第1の断熱材1102と第2の断熱材1104が互いに接続されてパイプ断熱体1100が形成される。第1の断熱材1102と第2の断熱材1104を接続するあらゆる適切な手段、例えば、結合剤、接着剤、縫合、機械的交絡などを使用することができる。機械的交絡は、第1の断熱材1102内の繊維と第2の断熱材1104内の繊維とを穿刺する段階を伴う可能性がある。そのような機械的交絡は、多くの個別層を接続する必要がある時に特に有益とすることができ、結合剤又は接着剤の使用は、欠点(例えば、コスト増、追加の有機材料に起因する高い可燃性)を有すると考えられる。
【0157】
このようにして、パイプ断熱体1100は、厚み1108(t
1+t
2)を有し、それを通して少なくとも1つの特性が異なる(
図11Cを参照されたい)。例えば、パイプ断熱体1100が、その厚み1108を通して別の領域(厚みt
2に対応する)の圧縮性とは異なる圧縮性を有する領域(厚みt
1に対応する)を有するように、第1の断熱材1102の密度は、第2の断熱材1104の密度とは異なることができる。
【0158】
別の例として、厚みを通して異なる特性を有するパイプ断熱体を形成するために異なる断熱材の並列積層を使用することができる。言い換えれば、2又は3以上の層の間の特性が互いに異なる多層断熱材の巻き付けを用いて、厚みを通して異なる特性を有するパイプ断熱体を形成することができる。一部の例示的実施形態では、多層断熱材の少なくとも1つの層は、予め形成されたマット、バット、シートなどである。一部の例示的実施形態では、多層断熱材の少なくとも1つの層は、繊維ガラスマット330の複数の層332(本明細書に説明するような)から構成することができると考えられる。
【0159】
図12A~
図12Bに示すように、パイプ断熱体1200は、多層断熱材1202をマンドレル1204又はチューブなどの周りに巻き付けることによって形成される。この並列積層は、連続工程として実施することができると考えられる。
【0160】
この場合に、多層断熱材1202は、
図12Aでは例示しやすいように互いにオフセットされた状態に示す異なる断熱材の4つの層1206、1208、1210、及び1212を含む。層1206、1208、1210、及び1212は、あらゆる適切な手段、例えば、結合剤、接着剤、縫合、機械的交絡などによって互いに接続することができる。多層断熱材1202は、パイプ断熱体1200に対する所望の厚み1214が達成されるまでマンドレル1204の周りに巻き付けられる(
図12Bを参照されたい)。このようにして、パイプ断熱体1200は、その厚み1214を通して異なる特性を有する断熱材層の1又は2以上の交替するセットを有する。
図12Bに示すように、これらの層は、螺旋構成(かぼちゃロールケーキにいくらか似ている)を形成する。
【0161】
本明細書に説明する巻き付け作動に関して、本発明の概念は、一部の例示的実施形態では、断熱材をその一部分がそれ自体に重なるようにマンドレルの周りに巻き付けることができることを考えており、本明細書ではこれを重畳巻き付けと呼ぶ。
図13に示すように、断熱材1302の幅方向部分1306がそれ自体に重なるように断熱材1302の単一リボンをマンドレル1304の周りに巻き付けることによってパイプ断熱体1300が形成される。その結果、パイプ断熱体1300の壁厚t
1は、断熱材1302の厚みt
2よりも大きい(例えば、約2倍厚い)とすることができる。一般的に、重畳部分1306は、断熱材1302の幅の少なくとも25%である。
【実施例1】
【0162】
第1の実施例では、100%ガラス繊維の螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、結束繊維ガラス材料の四つ(4)の1/8インチ厚の層を3インチ幅のリボンに切断して2インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。ポリオレフィンホットメルトを利用して複数の層を互いに接着し、結果として1/2インチの厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【実施例2】
【0163】
第2の実施例では、100%ポリマー繊維の螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、ポリマー不織(PETベース)材料の四つ(4)の1/8インチ厚の層を3インチ幅のリボンに切断し、1.3インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。ポリオレフィンホットメルトを利用して複数の層を互いに接着し、結果として1/2インチの厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【実施例3】
【0164】
第3の実施例では、様々な組成の螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、ポリマー不織(PETベース)材料の二つ(2)の1/8インチ厚の層と結束繊維ガラス材料の二つ(2)の1/8インチ厚の層とを3インチ幅のリボンに切断し、2インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。ポリオレフィンホットメルトを利用して複数の層を互いに接着し、結果として1/2インチの厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【実施例4】
【0165】
第4の実施例では、様々な色の螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、オレンジ色結束繊維ガラス材料の一つ(1)の1/8インチ厚の層と白色ポリマー不織(PETベース)材料の二つ(2)の1/8インチ厚の層とを3インチ幅のリボンに切断し、2インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。ポリオレフィンホットメルトを利用して複数の層を互いに接着し、結果として3/8インチの厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【実施例5】
【0166】
第5の実施例では、様々な密度の螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、3pcf結束繊維ガラス材料の二つ(2)の1/8インチ厚の層と7pcf結束繊維ガラス材料の二つ(2)の1/8インチ厚の層とを3インチ幅のリボンに切断し、2インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。吹き付け接着剤を利用して複数の層を互いに接着し、結果として1/2インチの厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【実施例6】
【0167】
第6の実施例では、重畳螺旋巻きパイプ断熱体を形成する。この場合に、ポリマー不織(PETベース)材料の四つ(4)の1/8インチ厚の層を3インチ幅のリボンに切断し、リボンがそれ自体の上に30%だけ重なって層を形成するように0.8インチのマンドレルの周りに螺旋巻きした。ポリオレフィンホットメルトを利用して複数の層を互いに接着し、結果として1/2インチから5/8インチまで変化する厚みを有するパイプ断熱体がもたらされた。
【0168】
当業者は、異なる断熱材のより多くの又はより少ない層を一般的な本発明の概念の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができることを認めるであろう。一般的に、多重積層手法では、層間で異なる少なくとも1つの特性を有する少なくとも2つの層が使用されると考えられる。更に、本明細書のいずれかの他の箇所で説明するように、層1206、1208、1210、1212の間であらゆる数の特性が異なることが可能である。例えば、限定としてではなく、そのような特性は、断熱材を形成するのに使用される材料(例えば、ガラス)のタイプ、断熱材を形成するのに使用されるガラスに適用されるサイズ、断熱材を形成するのに使用される結合剤、断熱材を形成するのに使用される繊維直径、断熱材を形成するのに使用される繊維形態(例えば、刻んだ線維、連続繊維)、断熱材内での繊維の向き、断熱材の厚み、断熱材の密度、断熱材のR値などのうちの1又は2以上を含むことができる。これに加えて、そのような特性は、断熱材の性能に直接関連しない例えば断熱材の色である場合がある。
【0169】
一般的な本発明の概念の範囲は、本明細書に図示して説明した特定の例示的実施形態に限定されるように意図していない。当業者は、与えた本発明の開示内容から一般的な本発明の概念及びそれに関連付けられた利点を理解するだけではなく、開示した方法及びシステムに対する様々な変形及び修正も明らかであることを見出すであろう。従って、全てのそのような変更及び修正は、本明細書に説明して主張する一般的な本発明の概念及びそのあらゆる均等物の精神及び範囲内に収まるものとして網羅されることを求めるものである。
本発明のその他の実施態様を以下に記載する。
[実施態様1]
パイプ断熱体を形成する方法であって、
断熱材の供給を準備する段階と、
前記断熱材の複数の層をマンドレルの周りに所望の厚みが達成されるまで螺旋状に巻き付ける段階と、
前記断熱材の前記層を互いに固定するために該断熱材の該層にエネルギを加える段階と、
を含み、
前記断熱材は、予め形成された繊維ガラスマットである、
ことを特徴とする方法。
[実施態様2]
前記断熱材の前記層に該層の螺旋状巻き付けの前に結合剤を付加する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
前記断熱材の前記層内の結合剤を該層の螺旋状巻き付けの前に活性化する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
前記所望の厚みは、0.25インチから6インチの範囲内である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様5]
前記エネルギは、熱エネルギである、実施態様1に記載の方法。
[実施態様6]
前記熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で前記断熱材の前記層に加えられる、実施態様5に記載の方法。
[実施態様7]
前記エネルギは、前記断熱材の前記層が前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられている間に、前記断熱材の前記層に加えられる、実施態様1に記載の方法。
[実施態様8]
前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられた前記断熱材を該マンドレルから除去する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様9]
前記エネルギは、前記断熱材が前記マンドレルから除去された後に、前記断熱材の前記層に加えられる、実施態様8に記載の方法。
[実施態様10]
前記エネルギは、前記断熱材が前記マンドレル上にある間に、前記断熱材の前記層に加えられる、実施態様1に記載の方法。
[実施態様11]
前記パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様12]
前記長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である、実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
断熱材の前記供給は、前記予め形成された繊維ガラスマットの複数のロールを含み、
前記ロールの各々が、前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられる前記断熱材の前記層のうちの1つに対応する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様14]
前記断熱材の前記層のうちの少なくとも1つを該層が前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられる前に該層の特性を変更するために処理する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様15]
前記特性は、前記処理される層の色である、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
前記特性は、前記マンドレルに対する前記処理される層のアプローチ角である、実施態様14に記載の方法。
[実施態様17]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様18]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様19]
前記パイプ断熱体を通して該パイプ断熱体の長さ全体に沿ってスリットを切り抜く段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様20]
前記パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様21]
前記パイプ断熱体に関連する情報を前記外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む、実施態様20に記載の方法。
[実施態様22]
前記断熱材の少なくとも1つの特性が、前記パイプ断熱体の前記厚みを通して変化する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様23]
パイプ断熱体を形成するためのシステムであって、
断熱材の複数のロールを供給するためのロール給送機と、
前記断熱材の前記ロールのうちの1つに層の各々が対応する該断熱材の複数の層をマンドレルの周りに螺旋状に巻き付けるための巻き付け機と、
前記断熱材の前記層を互いに固定するために該断熱材の該層に熱エネルギを加えるための加熱機と、
を含み、
前記断熱材は、予め形成された繊維ガラスマットである、
ことを特徴とするシステム。
[実施態様24]
前記断熱材の前記層に該層の螺旋状巻き付けの前に結合剤を付加する層処理ステーションを更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様25]
前記断熱材の前記層内の結合剤を該層の螺旋状巻き付けの前に活性化する層処理ステーションを更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様26]
前記断熱材の前記層のうちの少なくとも1つを該層が前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられる前に該層の特性を変更するために処理する層処理ステーションを更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様27]
前記特性は、前記処理される層の色である、実施態様26に記載のシステム。
[実施態様28]
前記特性は、前記マンドレルに対する前記処理される層のアプローチ角である、実施態様26に記載のシステム。
[実施態様29]
前記断熱材の前記層は、0.25インチから6インチの範囲内の厚みまで螺旋状に巻き付けられる、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様30]
前記加熱機は、前記パイプ断熱体が通過するオーブンである、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様31]
前記熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で前記断熱材の前記層に加えられる、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様32]
前記加熱機は、前記断熱材の前記層が前記マンドレル上に螺旋状に巻き付けられている間に、前記熱エネルギを前記断熱材の前記層に加える、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様33]
前記加熱機は、前記断熱材の前記層が前記マンドレルから除去された後に、前記熱エネルギを前記断熱材の前記層に加える、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様34]
前記パイプ断熱体を所望の長さに切断するための手段を更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様35]
前記長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である、実施態様34に記載のシステム。
[実施態様36]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様37]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様38]
前記パイプ断熱体を通して該パイプ断熱体の長さ全体に沿ってスリットを切り抜くための手段を更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様39]
前記パイプ断熱体に外側ジャケットを付加するための手段を更に含む、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様40]
前記断熱材の少なくとも1つの特性が、前記パイプ断熱体の厚みを通して変化する、実施態様23に記載のシステム。
[実施態様41]
パイプ断熱体を形成する方法であって、
第1の断熱材と第2の断熱材とを準備する段階と、
所望の厚みt1が達成されるまで前記第1の断熱材をマンドレルの周りに少なくとも1回巻き付ける段階と、
所望の厚みt2が達成されるまで前記第2の断熱材を前記マンドレル上に巻き付けられた前記第1の断熱材の周りに少なくとも1回巻き付ける段階と、
t1+t2の厚みを有する前記パイプ断熱体を形成するために前記第1の断熱材と前記第2の断熱材にエネルギを加える段階と、
を含み、
前記厚みt1によって定められる第1の領域での前記パイプ断熱体の特性が、前記厚みt2によって定められる第2の領域での該パイプ断熱体の特性とは異なっている、
ことを特徴とする方法。
[実施態様42]
前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材のうちの少なくとも一方が、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層から構成される、実施態様41に記載の方法。
[実施態様43]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する、実施態様42に記載の方法。
[実施態様44]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する、実施態様42に記載の方法。
[実施態様45]
前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材のうちの少なくとも一方に結合剤を付加する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様46]
前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材のうちの少なくとも一方における結合剤を該第2の断熱材の巻き付けの前に活性化する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様47]
前記第1の断熱材内の繊維と前記第2の断熱材内の繊維を機械的に交絡させるために該第1の断熱材と該第2の断熱材を穿刺する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様48]
前記厚みt1は、0.125インチから5.75インチの範囲内である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様49]
前記厚みt2は、0.125インチから5.75インチの範囲内である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様50]
前記エネルギは、熱エネルギである、実施態様41に記載の方法。
[実施態様51]
前記熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で、前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材に加えられる、実施態様50に記載の方法。
[実施態様52]
前記エネルギは、前記第2の断熱材が前記第1の断熱材上に巻き付けられている間に、前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材に加えられる、実施態様41に記載の方法。
[実施態様53]
前記パイプ断熱体を前記マンドレルから除去する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様54]
前記エネルギは、前記パイプ断熱体が前記マンドレルから除去された後に、前記第1の断熱材及び前記第2の断熱材に加えられる、実施態様53に記載の方法。
[実施態様55]
前記パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様56]
前記長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である、実施態様55に記載の方法。
[実施態様57]
前記第1の断熱材は、第1のロールから供給され、
前記第2の断熱材は、第2のロールから供給される、実施態様41に記載の方法。
[実施態様58]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その色である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様59]
前記パイプ断熱体の前記特性は、そのR値である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様60]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その密度である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様61]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その空隙率である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様62]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤組成である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様63]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤含有量である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様64]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その弾性率である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様65]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その引張強度である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様66]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その耐熱性である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様67]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その耐湿性である、実施態様41に記載の方法。
[実施態様68]
前記パイプ断熱体の長さ全体に沿って該パイプ断熱体を通してスリットを切り抜く段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様69]
前記パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む、実施態様41に記載の方法。
[実施態様70]
前記パイプ断熱体に関連する情報を前記外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む、実施態様69に記載の方法。
[実施態様71]
パイプ断熱体を形成する方法であって、
断熱材の第1の層と断熱材の第2の層とを含む断熱材を準備する段階と、
所望の厚みtが達成されるまで前記断熱材をマンドレルの周りに少なくとも1回巻き付ける段階と、
前記パイプ断熱体を形成するために前記断熱材にエネルギを加える段階と、
を含み、
前記厚みtを通して断熱材の前記第1の層によって定められる1又は2以上の領域での前記パイプ断熱体の特性が、該厚みtを通して断熱材の前記第2の層によって定められる1又は2以上の領域での該パイプ断熱体の特性とは異なっている、
ことを特徴とする方法。
[実施態様72]
断熱材の前記第1の層及び断熱材の前記第2の層のうちの少なくとも一方が、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層から構成される、実施態様71に記載の方法。
[実施態様73]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する、実施態様72に記載の方法。
[実施態様74]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する、実施態様72に記載の方法。
[実施態様75]
前記断熱材に結合剤を付加する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様76]
前記断熱材の巻き付けの前に前記断熱材内の結合剤を活性化する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様77]
断熱材の前記第1の層内の繊維と断熱材の前記第2の層内の繊維を機械的に交絡させるために該断熱材を穿刺する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様78]
前記厚みtは、0.25インチから6インチの範囲内である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様79]
前記エネルギは、熱エネルギである、実施態様71に記載の方法。
[実施態様80]
前記熱エネルギは、2秒から10分の持続時間にわたって75°Fから700°Fの温度範囲内で、前記断熱材に加えられる、実施態様79に記載の方法。
[実施態様81]
前記マンドレルから前記パイプ断熱体を除去する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様82]
前記エネルギは、前記パイプ断熱体が前記マンドレルから除去された後に、前記断熱材に加えられる、実施態様81に記載の方法。
[実施態様83]
前記パイプ断熱体を所望の長さに切断する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様84]
前記長さは、0.5フィートから12フィートの範囲内である、実施態様83に記載の方法。
[実施態様85]
前記断熱材は、単一ロールから供給される、実施態様71に記載の方法。
[実施態様86]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その色である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様87]
前記パイプ断熱体の前記特性は、そのR値である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様88]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その密度である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様89]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その空隙率である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様90]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤組成である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様91]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤含有量である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様92]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その弾性率である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様93]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その引張強度である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様94]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その耐熱性である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様95]
前記パイプ断熱体の前記特性は、その耐湿性である、実施態様71に記載の方法。
[実施態様96]
前記パイプ断熱体の長さ全体に沿って該パイプ断熱体を通してスリットを切り抜く段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様97]
前記パイプ断熱体に外側ジャケットを付加する段階を更に含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様98]
前記パイプ断熱体に関連する情報を前記外側ジャケット上に印刷する段階を更に含む、実施態様97に記載の方法。
[実施態様99]
前記断熱材は、断熱材の第3の層を含み、
断熱材の前記第3の層は、断熱材の前記第1の層及び断熱材の前記第2の層とは異なっている、実施態様71に記載の方法。
[実施態様100]
前記断熱材は、断熱材の第3の層を含み、
断熱材の前記第3の層は、断熱材の前記第1の層及び断熱材の前記第2の層のうちの一方と同じであり、
断熱材の前記第3の層は、断熱材の前記第1の層及び断熱材の前記第2の層のうちの一方と異なる、実施態様71に記載の方法。
[実施態様101]
前記断熱材は、異なる断熱材の4又は5以上の層を含む、実施態様71に記載の方法。
[実施態様102]
前記断熱材は、異なる断熱材の複数の層と同一断熱材の複数の層とを含み、
断熱材の隣接する2つの層が同じではない、実施態様71に記載の方法。
[実施態様103]
パイプ断熱体であって、
tインチの厚みを有する断熱材の細長中空円筒であって、該厚みが該円筒の内面から該円筒の外面まで延びる前記細長中空円筒を含み、
前記円筒の第1の領域でのパイプ断熱体の特性が、該円筒の第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なり、
前記円筒の前記第1の領域は、(t-x)インチの厚みを有し、
前記円筒の前記第2の領域は、(t-y)インチの厚みを有し、かつ
x+y=tである、
ことを特徴とするパイプ断熱体。
[実施態様104]
前記円筒の前記第1の領域及び該円筒の前記第2の領域のうちの少なくとも一方が、予め形成された繊維ガラスマットの複数の層を含む、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様105]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.5インチよりも薄い厚みを有する、実施態様104に記載のパイプ断熱体。
[実施態様106]
前記予め形成された繊維ガラスマットは、0.08lb/ft2よりも軽い面積重量を有する、実施態様104に記載のパイプ断熱体。
[実施態様107]
前記細長中空円筒は、0.5インチから18インチの範囲の直径を有する内側キャビティを有する、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様108]
前記厚みtは、0.125インチから6インチの範囲内である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様109]
前記細長中空円筒の長さが、0.5フィートから12フィートの範囲内である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様110]
パイプ断熱体の前記特性は、その色である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様111]
パイプ断熱体の前記特性は、そのR値である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様112]
パイプ断熱体の前記特性は、その密度である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様113]
パイプ断熱体の前記特性は、その空隙率である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様114]
パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤組成である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様115]
パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤含有量である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様116]
パイプ断熱体の前記特性は、その弾性率である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様117]
パイプ断熱体の前記特性は、その引張強度である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様118]
パイプ断熱体の前記特性は、その耐熱性である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様119]
パイプ断熱体の前記特性は、その耐湿性である、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様120]
前記細長中空円筒の長さ全体に沿ってパイプ断熱体を通って延びるスリットを更に含む、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様121]
前記細長中空円筒の外面に固定されたジャケットを更に含む、実施態様103に記載のパイプ断熱体。
[実施態様122]
パイプ断熱体に関連する情報が、前記ジャケット上に印刷される、実施態様121に記載のパイプ断熱体。
[実施態様123]
パイプ断熱体であって、
厚みtを有する断熱材の細長中空円筒であって、該厚みが該円筒の内面から該円筒の外面まで延びる前記細長中空円筒を含み、
複数の領域が、前記厚みtを通して定められ、該領域の各々が、前記細長中空円筒の中心軸に関して同心であり、
前記円筒の第1の領域が、該円筒の第2の領域に隣接し、
前記円筒の前記第1の領域でのパイプ断熱体の特性が、該円筒の前記第2の領域でのパイプ断熱体の特性とは異なっている、
ことを特徴とするパイプ断熱体。
[実施態様124]
パイプ断熱体の前記特性は、その色である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様125]
パイプ断熱体の前記特性は、そのR値である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様126]
パイプ断熱体の前記特性は、その密度である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様127]
パイプ断熱体の前記特性は、その空隙率である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様128]
パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤組成である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様129]
パイプ断熱体の前記特性は、その結合剤含有量である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様130]
パイプ断熱体の前記特性は、その弾性率である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様131]
パイプ断熱体の前記特性は、その引張強度である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様132]
パイプ断熱体の前記特性は、その耐熱性である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様133]
パイプ断熱体の前記特性は、その耐湿性である、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様134]
前記第1の領域の厚みt1が、前記第2の領域の厚みt2に等しい、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様135]
前記第1の領域の厚みt1が、前記第2の領域の厚みt2よりも薄い、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様136]
前記円筒の第3の領域が、該円筒の前記第2の領域に隣接し、
前記円筒の前記第3の領域での特性が、該円筒の前記第1の領域及び該円筒の前記第2の領域のうちの少なくとも一方での前記特性とは異なっている、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様137]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1に等しい、実施態様136に記載のパイプ断熱体。
[実施態様138]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2に等しい、実施態様136に記載のパイプ断熱体。
[実施態様139]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1よりも薄い、実施態様136に記載のパイプ断熱体。
[実施態様140]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2よりも薄い、実施態様136に記載のパイプ断熱体。
[実施態様141]
前記円筒の第3の領域が、該円筒の前記第2の領域に隣接し、
前記円筒の前記第3の領域での特性が、該円筒の前記第1の領域及び該円筒の前記第2の領域の両方での前記特性とは異なっている、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様142]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1に等しい、実施態様141に記載のパイプ断熱体。
[実施態様143]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2に等しい、実施態様141に記載のパイプ断熱体。
[実施態様144]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1よりも薄い、実施態様141に記載のパイプ断熱体。
[実施態様145]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2よりも薄い、実施態様141に記載のパイプ断熱体。
[実施態様146]
前記円筒の第3の領域が、該円筒の前記第2の領域に隣接し、
前記円筒の前記第3の領域での特性が、該円筒の前記第2の領域での前記特性とは異なり、
前記円筒の前記第3の領域での前記特性は、該円筒の前記第1の領域での前記特性と同じである、実施態様123に記載のパイプ断熱体。
[実施態様147]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1に等しい、実施態様146に記載のパイプ断熱体。
[実施態様148]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2に等しい、実施態様146に記載のパイプ断熱体。
[実施態様149]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第1の領域の厚みt1よりも薄い、実施態様146に記載のパイプ断熱体。
[実施態様150]
前記第3の領域の厚みt3が、前記第2の領域の厚みt2よりも薄い、実施態様146に記載のパイプ断熱体。
【符号の説明】
【0170】
600 パイプ断熱体
602 断熱材
606 内側キャビティ
610 外側ジャケット
612 スリット