(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-11
(45)【発行日】2024-09-20
(54)【発明の名称】高減速ベルト駆動リニアアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 19/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
F16H19/02 H
F16H19/02 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023016722
(22)【出願日】2023-02-07
(62)【分割の表示】P 2020513759の分割
【原出願日】2018-09-10
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520009699
【氏名又は名称】リフトウェーブ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIFTWAVE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セッションズ,ブレイク
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03044312(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02643963(FR,A1)
【文献】特表2008-506546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主駆動軸を有するアクチュエータシャーシと、
前記アクチュエータシャーシに結合された第1シャフトに結合された第1の複数のシーブであって、前記第1の複数のシーブが、前記第1シャフトと一致する回転軸を有するシーブを備え、前記第1の複数のシーブ内の前記シーブが、互いに異なるシーブ直径を有する、第1の複数のシーブと、
前記アクチュエータシャーシに結合された第2シャフトにそれぞれ結合された第2の複数のシーブであって、前記第2の複数のシーブが、前記第2シャフトと一致する回転軸を有するシーブを備え、前記第2の複数のシーブ内の前記シーブが、互いに異なるシーブ直径を有する、第2の複数のシーブと、
を備えるリニアアクチュエータシステムであって、
前記第1シャフトおよび前記第2シャフトのうちの少なくとも1つが前記主駆動軸に沿って並進するように構成されており、前記第1シャフトおよび前記第2シャフトが、前記主駆動軸に直交する方向に向いており、前記主駆動軸の周りの回転角の分、互いに対してオフセットさ
れ、
前記第1の複数のシーブが前記第1の複数のシーブの両端の1対の第1の端シーブと前記第1の端シーブの間の第1の中間シーブとを備え、前記第1の中間シーブは前記第1の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第1の端シーブおよび前記第1の中間シーブはそれぞれ前記第1シャフトを中心に自由に回転し、
前記第2の複数のシーブが前記第2の複数のシーブの両端の1対の第2の端シーブと前記第2の端シーブの間の第2の中間シーブとを備え、前記第2の中間シーブは前記第2の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第2の端シーブおよび前記第2の中間シーブはそれぞれ前記第2シャフトを中心に自由に回転する、リニアアクチュエータシステム。
【請求項2】
第1終端点から前記第1の複数のシーブまで、およびその周り、前記第2の複数のシーブまで、およびその周り、そして第2終端点まで延びるフラットベルトをさらに備える、請求項1に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項3】
前記第2終端点は、巻き取りリール内にある、請求項2に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項4】
前記フラットベルトに係合するように構成された駆動機構をさらに備える、請求項2に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項5】
前記駆動機構が電気モータを備える、請求項4に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項6】
前記駆動機構がキャプスタンを備
える、請求項4に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項7】
前記主駆動軸に沿って並進するように前記アクチュエータシャーシに可動に結合された少なくとも1つの作動シャフトをさらに備える、請求項1に記載のリニアアクチュエータシステム。
【請求項8】
回転アクチュエータを作動させ
、方向転換シーブがアクチュエータシャーシに結合されていることを含むベルト駆動リニアアクチュエータシステムの駆動方法であって、前記アクチュエータシャーシは、
前記アクチュエータシャーシに結合された第1シャフトに結合された第1の複数のシーブであって、前記第1の複数のシーブが、前記第1シャフトと一致する回転軸を有するシーブを備え、前記第1の複数のシーブ内の前記シーブが、互いに異なるシーブ直径を有する、第1の複数のシーブと、
前記アクチュエータシャーシに結合された第2シャフトにそれぞれ結合された第2の複数のシーブであって、前記第2の複数のシーブが、前記第2シャフトと一致する回転軸を有するシーブを備え、前記第2の複数のシーブ内の前記シーブが、互いに異なるシーブ直径を有する、第2の複数のシーブと、を備え
前記第1シャフトおよび前記第2シャフトのうちの少なくとも1つ
が主駆動軸に沿って並進するように構成されており、前記第1シャフトおよび前記第2シャフトが、前記主駆動軸に直交する方向に向いており、前記主駆動軸の周りの回転角の分、互いに対してオフセットさ
れ、
前記第1の複数のシーブが前記第1の複数のシーブの両端の1対の第1の端シーブと前記第1の端シーブの間の第1の中間シーブとを備え、前記第1の中間シーブは前記第1の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第1の端シーブおよび前記第1の中間シーブはそれぞれ前記第1シャフトを中心に自由に回転し、
前記第2の複数のシーブが前記第2の複数のシーブの両端の1対の第2の端シーブと前記第2の端シーブの間の第2の中間シーブとを備え、前記第2の中間シーブは前記第2の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第2の端シーブおよび前記第2の中間シーブはそれぞれ前記第2シャフトを中心に自由に回転する、方法。
【請求項9】
第1終端点から前記第1の複数のシーブまで、およびその周り、前記第2の複数のシーブまで、およびその周り、そして第2終端点まで延びるフラットベルトをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2終端点は、巻き取りリール内にある、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フラットベルトに係合するように構成された駆動機構をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記駆動機構が電気モータを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記駆動機構がキャプスタンを備
える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記主駆動軸に沿って並進するように前記アクチュエータシャーシに可動に結合された少なくとも1つの作動シャフトをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
ベルト駆動リニアアクチュエータシステムの駆動方法であって、前記方法は、
作動シャフト
をアクチュエータシャーシに可動に結合することであって、前記作動シャフトは、主駆動軸に沿って並進するように、前記アクチュエータシャーシに可動に結合されることと、
第1の複数のシーブを前記アクチュエータシャーシに結合することであって、前記第1の複数のシーブは第1シャフトを介して前記アクチュエータシャーシに結合され、前記第1の複数のシーブは前記第1シャフトの周りを自由に回転するように構成され、前記第1シャフトは前記アクチュエータシャーシに回転可能に結合されるとともに前記アクチュエータシャーシに対して所定の位置で固定され、前記第1の複数のシーブは互いに異なる直径を有することと、
第2の複数のシーブを前記アクチュエータシャーシに結合することであって、前記第2の複数のシーブは第2シャフトを介して前記アクチュエータシャーシに結合され、前記第2の複数のシーブは前記第2シャフトの周りを自由に回転するように構成され、前記第2シャフトは前記作動シャフトを駆動するために前記アクチュエータシャーシにおいて前記主駆動軸に沿って並進するように構成され、前記第2の複数のシーブにおける前記シーブは互いに異なる直径を有することと、を含み、
前記第1シャフトおよび前記第2シャフトが、前記主駆動軸に直交する方向に向いており、前記主駆動軸の周りの回転角の分、互いに対してオフセットさ
れ、
前記第1の複数のシーブが前記第1の複数のシーブの両端の1対の第1の端シーブと前記第1の端シーブの間の第1の中間シーブとを備え、前記第1の中間シーブは前記第1の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第1の端シーブおよび前記第1の中間シーブはそれぞれ前記第1シャフトを中心に自由に回転し、
前記第2の複数のシーブが前記第2の複数のシーブの両端の1対の第2の端シーブと前記第2の端シーブの間の第2の中間シーブとを備え、前記第2の中間シーブは前記第2の端シーブよりも大きい直径を有し、前記第2の端シーブおよび前記第2の中間シーブはそれぞれ前記第2シャフトを中心に自由に回転する、方法。
【請求項16】
第1終端点から前記第1の複数のシーブまで、およびその周り、前記第2の複数のシーブまで、およびその周り、そして第2終端点まで延びるフラットベルトをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2終端点は、巻き取りリール内にある、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フラットベルトに係合するように構成された駆動機構をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記駆動機構が電気モータを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記駆動機構がキャプスタンを備
える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「フラットベルト用の滑車装置」と題する、2017年9月8日に出願された米国仮出願第62/555,944号に対する優先権を主張し、その出願全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、回転モータを動力とし、最新のスチール強化ポリウレタンフラットベルトによって駆動されるリニアアクチュエータシステムの設計に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
フラットベルトは、潤滑の要件、比較的低い牽引力、および低い耐用年数など、ワイヤロープがワイヤロープ式エレベータシステムにもたらす問題を解決するために発明された。材料科学の進歩により、平行に配置された複数のワイヤロープを囲む頑丈で耐久性のあるポリウレタンジャケットが製造され、より小さな牽引ドラムの使用が可能になると同時に、耐用年数予測が3倍以上長くなった。スチール強化ポリウレタンベルトは、高性能で耐久性があり、メンテナンスが不要である。これらの特性の組み合わせにより、エレベータ業界全体で急速に採用されてきた。これは長期間メンテナンスなしで効率的に動力を伝達できるため、これらは現在、シザーリフト、フォークトラック、ジム用機器など、他の振動リニア用途へ進出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラットベルトに依存するシステムを設計する場合は、他の強化ベルト構造と同様にフリートアングルのずれに影響を受けるため、注意が必要である。ワイヤロープシステムにおいては完全に許容されるわずかなフリートアングルは、ベルトベースのシステムに著しく有害である。ロープベースの滑車装置の設計では、機械的減速の利点が提供されるが、特に4:1を超える減速比が必要な場合、フリートアングルをリービングシステムに導入する。ロープは、フリートアングルに対する寛容性で知られているため、このような状況では常に良好に機能している。一方で、ベルトは、わずかなフリートアングルでもシステムの予想耐用年数が実質的に短縮されてしまうため、滑車装置のトポロジーに簡単に適用することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
一般に、本開示は、フラットベルトシステムで展開するように構成されたリニア作動システムに関する。
【0006】
本開示の一態様では、リニアアクチュエータシステムは、主駆動軸を有するアクチュエータシャーシを含む。このシステムは、アクチュエータシャーシに結合された第1シャフトにそれぞれ結合された第1の複数のシーブを含む。第1の複数のシーブは、第1シャフトと一致する回転軸を有するシーブを含む。第1の複数のシーブのシーブは、一定ではない間隔で互いに離間している。第1の複数のシーブのシーブは、互いに異なるシーブ中心線直径を有する。このシステムは、アクチュエータシャーシに結合された第2シャフトにそれぞれ結合された第2の複数のシーブを含む。第2の複数のシーブは、第2シャフトと一致する回転軸を有するシーブを含む。第2の複数のシーブのシーブは、一定ではない間
隔で互いに離間しており、第2の複数のシーブのシーブは、互いに異なるシーブ中心線直径を有している。第1シャフトおよび第2シャフトの少なくとも一方は、主駆動軸に沿って並進するように構成される。第1シャフトおよび第2シャフトは、主駆動軸に沿って配置され、主駆動軸の周りの静的回転角の分、互いに対してオフセットされる。第1の複数のシーブおよび第2の複数のシーブの各シーブの幾何学的中心線に沿って延びる線分のそれぞれの端の点は、主駆動軸に直交する共通の円形の形状に沿ってある。
【0007】
特定の実装形態では、リニアアクチュエータシステムは、次の追加機能の1つまたは複数を含む。リニアアクチュエータシステムは、第1の終端点から、第1の複数のシーブまで、およびその周り、第2の複数のシーブまで、およびその周り、そして第2の終端点まで延びるフラットベルトを含み得る。リニアアクチュエータシステムは、フラットベルトに係合するように構成された駆動機構を含んでもよい。駆動機構は、電気モータおよび/または1つまたは複数のアイドラプーリを含んでもよい。リニアアクチュエータシステムは、主駆動軸に沿って並進するためにアクチュエータシャーシに可動に結合された少なくとも1つの作動シャフトを含み得る。いくつかの実装形態では、設計された少なくとも6つのシーブの幾何学的中心線が、主駆動軸に直交する特定のサイズの共通の円形形状を貫通する。各シーブは、その嵌合シャフトと一致する回転軸を備え得る。
【0008】
本開示の一態様では、ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、アクチュエータシャーシと、アクチュエータシャーシに可動に結合されて軸に沿って並進する作動シャフトとを含む。このシステムは、第1外側シャフトおよび第2外側シャフトにそれぞれ結合された第1の複数の外側シーブと、第2の複数の外側シーブとを含む。第1の複数の外側シーブおよび第2の複数の外側シーブは、それぞれ第1外側シャフトおよび第2外側シャフトの周りを自由に回転するように構成される。第1外側シャフトおよび第2外側シャフトは、アクチュエータシャーシに回転可能に結合され、アクチュエータシャーシに対して横方向に固定される。このシステムは、第1内側シャフトおよび第2内側シャフトにそれぞれ結合された第1の複数の内側シーブと、第2の複数の内側シーブとを含む。第1の複数の内側シーブおよび第2の複数の内側シーブは、それぞれ第1内側シャフトおよび第2内側シャフトの周りを自由に回転するように構成される。第1内側シャフトおよび第2内側シャフトは、アクチュエータシャーシ内の軸に沿って並進して作動シャフトを駆動するように構成される。このシステムは、第1終端点から、第1の複数の内側シーブ、第1の複数の外側シーブ、第2の複数の内側シーブ、第2の複数の内側シーブまで、およびそれらの周り、そして第2終端点まで延びるフラットベルトを含む。フリートアングルを排除するために、第1外側シャフトおよび第1内側シャフトは、軸の周りの静的回転角度の分、互いに対して傾斜し、第2外側シャフトおよび第2内側シャフトは、軸の周りの静的回転角度の分、互いに対して傾斜している。
【0009】
特定の実装形態では、ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、次の追加機能の1つまたは複数を含む。ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、アクチュエータシャーシに結合され、回転アクチュエータに結合されるように構成された方向転換シーブを含んでもよい。フラットベルトは、第1終端点から、第1の複数の外側シーブまで、およびその周り、次に方向転換シーブまで、およびその周り、次に第2の複数の内側シーブまで、およびその周り、次に第2の複数の外側シーブまで、およびその周り、そして第2終端点まで延び得る。ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、回転アクチュエータを含んでもよい。回転アクチュエータは、前後に回転するように構成されてもよい。アクチュエータシャーシは、アクチュエータシャーシの周りに配置されたハウジングカバーを含んでもよく、作動シャフトの少なくとも一部は、ハウジングカバーに出入りするように並進し得る。第1内側シャフトおよび第2内側シャフトは、軸に沿って同じ方向に並進するように構成されてもよく、その際、第1の複数の外側シーブと第1の複数の内側シーブとの間の距離は、第2の複数の外側シーブと第2の複数の内側シーブとの間の距離が減少する
と同時に増加するように構成され、第1の複数の外側シーブと第1の複数の内側シーブとの間の距離が、第2の複数の外側シーブと第2の複数の内側シーブとの間の距離が増加すると同時に減少するように構成される。第1内側シャフトおよび第2内側シャフトは、軸に沿って振動するように構成されてもよい。ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、方向転換シーブに結合された回転アクチュエータを含んでもよい。第1の複数の外側シーブ、第2の複数の外側シーブ、第1の複数の内側シーブ、および第2の複数の内側シーブの各々は、異なる直径を有するシーブを含む。異なる直径を有するシーブは、互いに平行であってもよい。平行シーブ間の間隔は一定ではなくてもよい。シーブの直径が小さくなると、平行シーブ間の間隔が小さくなる場合がある。ベルト駆動リニアアクチュエータシステムは、平行シーブ間に間隔を設けるため、シーブ間に配置されたスラストワッシャを含み得る。シーブは、軸方向外側に向かって直径が小さくなり得る。
【0010】
特定の態様は、ベルト駆動リニアアクチュエータシステムを駆動する方法を提供する。本方法は、本明細書に記載の1つまたは複数のリニアアクチュエータシステムに従った、フラットベルトに直接または間接的に結合された回転アクチュエータを作動させることを含む。
【0011】
特定の態様は、本明細書で説明される1つまたは複数のリニアアクチュエータシステムに従ったリニアアクチュエータシステムの製造方法を提供する。
【0012】
本明細書で開示されるのは、理論的にフリートアングルのないフラットベルトベースの滑車装置の設計のための方法、システム、および構成部品である。マッピング技法は、複数のシーブ形状を設けるフリースパンの中心線の平面位置のセットを形成し、これらは共通軸上にあり、シーブ係合接触面でフリートアングルのないスパンである。本発明は、耐用年数の延長、高動力伝達効率、より効果的な牽引力伝達およびコンパクトな機械設計という主な利点を備えた、高減速(6:1以上)の滑車装置トポロジーにおける高性能フラットベルトの使用を可能にする。
【0013】
特定の実装形態では、1つまたは2つのベルトベースの滑車装置トポロジーをキャプスタン駆動と組み合わせて、電気モータで駆動される電気リニアアクチュエータを形成する。電動リニアアクチュエータは、油圧式交換用途、建設機器、材料処理機器、および製造機械で使用し得る。これらの用途には、フォークリフト、スタッカ、ドリー、人用リフト、トラック用リフト、シザーリフト、モーションシミュレーションシステム、石油抽出装置などが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
図面の簡単な説明
当業者は、図面が主に例示を目的とするものであり、本明細書に記載される本発明の主題の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、場合によっては、本明細書で開示される本発明の主題の様々な態様は、各特徴の理解を容易にするために、図面で誇張または拡大して示される場合がある。図面において、同様の参照符号は一般に、同様の特徴(例えば、機能的に類似および/または構造的に類似の要素)を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】フリートアングルを含むリールシステムによって駆動される従来技術の滑車装置式の減速機を示す。
【
図2】リニアアクチュエータ全体の等角図を示している。
【
図3】ベルト駆動リニアアクチュエータの主駆動要素の等角図を示している。
【
図4】アクチュエータの出力ロッド接続の例示的な図である。
【
図5】アクチュエータの主要な構造要素の詳細な等角図を示している。
【
図6】分離されたベルトのトポロジーの等角図を示している。
【
図7A】滑車装置のフリースパンにおけるフリートアングルを回避するために使用される幾何学的技法の例示的な図である。視点は、駆動機構の主軸に沿っているものとする。
【
図7B】滑車装置のフリースパンにおけるフリートアングルを回避するために使用される幾何学的技法の例示的な図である。視点は、駆動機構の主軸に沿っているものとする。
【
図7C】滑車装置のフリースパンにおけるフリートアングルを回避するために使用される幾何学的技法の例示的な図である。視点は、駆動機構の主軸に沿っているものとする。
【
図7D】従来技術の方法によりフリートアングルを回避する機械設計を示している。
【
図7E】従来技術の方法によりフリートアングルを回避する機械設計を示している。
【
図8】ベルトのトポロジーの軸方向図を示している。
【
図9】分離されたベルトベースの滑車装置の等角図を示す。
【
図10】分離されたベルトベースの滑車装置の断面の等角図を示す。
【
図11】右側のシーブセットの軸に対して垂直の、ベルトベースの滑車装置の側面図を示す。
【
図12】左側のシーブセットの軸に対して垂直の、ベルトベースの滑車装置の側面図を示す。
【
図13】ベルトを支持するシーブセットの断面を示している。視点は、駆動機構の主軸に沿っているものとする。
【
図14】駆動機構のモータ端部付近のベルトのトポロジーの側面図を示している。
【
図16】ベルト端部の終端手段およびベルト張力維持機構の例示的な図である。
【
図18】張力下でのみ作用する本発明の別個の種類を示す。
【
図19】別個の種類のフレーム構造の拡大図を提供する。
【
図20】ベルトのトポロジーを示す、本発明の張力のみの種類の背面側を示す。
【
図21】本発明の張力のみの実装形態の完全な等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明を実施するための形態
以下は、フラットベルトと共に使用するための滑車装置の配置に関連する様々な概念の例示的な実施形態のより詳細な説明である。
【0017】
図1は、米国特許第8,714,524B2号に記載されている従来の滑車装置のトポロジーで使用されるフラットベルトを示している。2つの平行シャフト76および106は複数のシーブを含み、この上にフラットベルト120が通る。ベルトの一端は終端122で固定され、フラットベルトの他端はリール121によって駆動される。モータ114によって駆動されるリールを除き、すべてのシーブはそれぞれのシャフトを中心に自由に回転する。このようなシステムのリールで見られる機械的減速は非常に大きく、システムのフリースパンの数(この例では10)に相当する。滑車装置手法では通常、フラットベルトよりむしろワイヤロープが採用されるが、それはフリースパン128が水平ではないために生じる各シーブ接触面におけるベルトのフリートアングル(「ねじれ」)のためである。この理想的ではない幾何学的状況は、強化ストランド内の非対称な張力分布、および/またはベルトとシーブとの間の摺動動作のいずれかをもたらす。側壁の摩耗とストランドの疲労により、ベルトの早期破損が発生してしまう。最も多くの曲げサイクルにさらされるベルトの部分を処理するリールシステムは、ベルト破損が発生する可能性が最も高
い領域である。この設計にはフリートアングルが存在するだけでなく、主駆動シャフト76と106との間の距離が機械の移動範囲によって変化するため、フリートアングルも変化する。このシステムは限られた状況では機能するが、全体の張力、シーブの圧力、および耐用年数で測定されるベルトの性能は、同じトポロジーのワイヤロープに比べて低くなる。
【0018】
図2は、本発明の全体的な形態を示している。アクチュエータ201は、ハウジング本体の形態で構成され得る外側シャーシ202と、外側シャーシ202に対して少なくとも部分的に伸縮する外側シャーシに対して収縮する駆動シャフト203とからなる。取り付け金具204および205は、それぞれ外側シャーシおよび駆動シャフト203に配置され、これらの地点に動力を供給することができる。アクチュエータは、モータ206(例えば電気モータ)によって駆動される。
【0019】
図3は、アクチュエータ201の主要な作動要素を示している。4つの主駆動シャフト302、303、304、および305に回転可能に結合された4つの主要な複数のシーブ308、309、310、および311の周りに、単一のフラットベルト301が掛けられている。外側駆動シャフト304および305は、シャーシ202に対して固定されており、内側駆動シャフト302および303は、シャーシ202および駆動シャフト203によって生成される柱状の結合によって主軸307に沿って自由に移動する。
【0020】
図4は、取り付け金具205から内側駆動シャフト302および303への軸方向荷重の伝達に関与する構造を示している。出力シャフト203は、中空シャフトとして構成することができる。出力シャフト203は、剛性インサート402によって取り付け金具205を内側駆動シャフト302および303に接続し、パワーフレームを構成する構成部品の固定アセンブリを提供する。
【0021】
図5は、固定フレームに関連する構造を示している。半円形部材501、502は、外側駆動シャフト304をシャーシベースの残りの部分に接続する外側シャーシ202の構成部品である。したがって、固定シャフト304および305とパワーフレームシャフト302および303との間で両方向に張力を発生させることができ、これらは固定シャフト304および305に対して、および外側シャーシ202に対しておよびその内部で移動する。
【0022】
図6は、ベルトのトポロジー全体を示している。単一の平坦なベルト本体301は、外側シャーシ202に対してほぼ固定されているウェッジ終端形状601で始まる。ベルト301は、シャフト302に回転可能に結合された複数のシーブ308に巻き付けられ、シャフト305に回転可能に結合された複数のシーブ311に巻き付けられ、円弧状のベルト形状602a~eおよび604a~dを生じさせる。フリースパン603a~jは、滑車装置の配置を完全に構成するために、ベルトの円弧状の部分に結合する。次に、ベルトは方向転換シーブに巻き付けられ、駆動ユニットにつながる円弧605が形成される。駆動ユニットは摩擦駆動部品であり、摩擦ドラムと、それに対向するアイドラで構成されている。複数のベルト区分606a~cは牽引ドラム1501上にあり、追加の円弧状区分607a、bは自由に回転するアイドラ1503上にある。駆動ユニットを出ると、ベルトの円弧608は、スパン614に沿って反対側の滑車装置へ向きを変え、それぞれシャフト303および304の周りを自由に回転可能な2つの複数のシーブ309および310の周りに巻き付けられる。これらは、フリースパン610a~jによって接続された円弧部分609a~fおよび611a~eを形成する。第2の滑車装置を出ると、ベルトはフリースパン612に沿って、ウェッジ終端点613につながる。
【0023】
作動状態では、1つの滑車装置が伸長し、他は収縮する。2つのセット間の張力差は、
システムにかかる外部負荷に相当し、高張力側から低張力側へのベルト張力の差は、後述する摩擦駆動によってもたらされる。本発明のこの例示的な実施形態では、2つの滑車装置が双方向の負荷能力のために互いに対向することに留意されたい。単動機能を必要とする本発明の他の実施形態では、1つの滑車装置のみが必要となり(
図18を参照)、キャプスタン駆動機構から解放された余分なベルトが低張力巻き取りリールへ移動される。
【0024】
図7A~7Bは、滑車装置の配置におけるフリートアングルを回避するために使用される幾何学的技法の例示的な図である。この図では、3つの異なる滑車装置の種類の主要運動軸を見下ろし、それぞれについてベルトまたはロープの中心線を示している。
図7Aは、従来の滑車装置の配置を表している。
図7Bは、単純な傾斜法によりフリートアングルを排除する、修正された滑車装置の設計を示している。
図7Cは、本明細書で説明する幾何学的マッピング技法を表し、これはフリートアングルも排除しながら、両方のシーブのセットの共通軸を可能にする。
図7D~7Eは、
図7Bに示された技法に基づく機械設計を示している。
【0025】
図1と類似の従来の滑車装置は、左端の図と同様であり、平行である軸705上にある等しい直径のシーブの2つのセットで構成され、前述の投影角度からは一致しているように見える。シーブの第1セットは、上述の軸の投影角から見たときに垂直線701a、b、cとして現れる柔軟な引張部材の円弧状部分を成す。ここでは、簡単にするために6つのフリースパンのみが示されていることに留意されたい。シーブの第2セットは、前述の投影角度から見たときに垂直線702a、b、cとして現れる、柔軟な引張部材の中心線の円弧状部分を成す。フリースパン703a、b、cは、シーブの第1セットからシーブの第2セットまで延伸し、フリースパン704a、bは、シーブの第2セットからシーブの第1セットまで延伸する。
図1のフリースパン128に類似するこれらのフリースパンは、主軸に平行ではなく、したがって、この角度から見ることができる横方向構成要素を有する。この横方向構成要素の存在は、シーブへの進入点で明らかなフリートアングルを示している。
【0026】
フラットベルトで使用するために滑車装置を適合させるには、フリートアングルを排除する必要がある。これは、フリースパンの水平方向の面がゼロに縮小するように、
図7Bおよび
図7Dおよび7Eのように各シーブおよびそれらに対応するベルト弧707a~cを単に傾斜することにより容易に達成される。
【0027】
この種類では、すべてのシーブが同じ角度で並べられ、フリートアングルが消える。シーブの反対側のセットでは、中心線投影708a~cが作られる。これにより、フリートアングルがゼロの状態が達成されるが、シーブの回転軸706a~cはもはや一致しないようになる。したがって、支持シャフトには、シーブを支持する複数の一致しないシャフト区分が必要である。
【0028】
図7Dおよび7Eは、このフリートアングル除去の原理に基づく機械設計を示している。見て分かるように、支持軸(中心線706a~cを含む)は、滑車装置のいずれの端でも互いに一致していない。Roland VerreetおよびJean-Marc Teissierによって設計されたこの装置は、ワイヤロープサンプルの曲げ疲労を試験する。ストロークの量を巧みに制御することにより、ロープの特定の区分は、最大数の曲げサイクルの一連の数にさらされる。したがって、装置を1回だけ作動させることで、オペレータは最大回数の曲げ試験サイクルの20%、40%、60%、80%、および100%のロープの摩耗状態を確認できる。この装置の場合、フリートアングル除去の方法によって生成される追加の装置幅は許容範囲であり、シーブは必然的に比較可能なテスト情報の目的のために同じ大きさである。
【0029】
本発明は、シーブが全く同じサイズであることを必要とせず、機械全体のコンパクトさと支持シャフトの連続性が維持されることが最重要である。これは、
図7Cの図解において達成される。この形状はマッピング技法で見出すことができ、滑車装置の両端にあるシーブ軸709および710から始まる。最初のシーブ寸法711aとその軸方向スパン位置が最初にその軸710に描かれ、後続の各中心線円弧(712a、続いて711b、712b、711c、712cなど)は、その前のものとその垂直性および中心性によって、各自のシャフト上において定義される。シーブ軸のセット709、710、初期中心線円弧形状711a、およびシーブの数が前提としてある場合、シーブセットの幾何学的解は1つのみである。この視点から見られる、結果として生じるフリースパン中心線の平面位置は、言及された追加の制約で、円形形状713に沿って存在する。平行なシーブ間の間隔は必然的に一定ではなく、シーブの直径が周辺に向かって小さくなるにつれて減少する。
【0030】
図8は、ベルトのトポロジーの軸方向の図を示し、外側シャフト305の回転軸801および自由に回転するシーブ311のそれぞれのセットを強調している。ベルト区分604a~dは、
図7に示される位置に従って、複数のシーブ311上に存在する。
【0031】
複数のシーブ308は、軸802でシャフト302を中心に自由に回転する。ベルト区分602a~eは、
図7に示される位置に従って、複数のシーブ308上に存在する。
【0032】
図9は、滑車装置の全体のトポロジーの等角図を示す。円弧状の形状609a~fおよび611a~eは、フリースパン610a~jによって結合されている。
【0033】
図10は、それぞれウェッジ終端613および方向転換湾曲部608につながるフリースパン612および614を含む滑車装置のトポロジーの断面を示す。断面の各ベルト区分の中心点と交差する円形形状713が描画される。
【0034】
図11および
図12は、明確にするために、滑車装置のトポロジーの側面図を示している。
【0035】
図13は、すべてが異なる速度で回転し、シャフト303の周りを自由に回転している5つの個々のシーブ1301a~eからなる複数のシーブ308の断面を示している。シーブは、シーブスタックの圧縮軸方向荷重を許容する分離スラストワッシャ1302a~fを備えている。シール1303a~dは、グリースを塗ったベアリングの体積を維持し、入り得る汚染物質を排除する。ベルト区分611a~eは、複数のシーブ308上にある。出力ロッドインサート402aおよび402bは、パワーフレームシャフト302、303と出力ロッド203との間の機械的接続を提供する。
【0036】
図14は、明確にするために、駆動モータの付近のベルトのトポロジーの側面図を示している。
【0037】
図15は、多数の構成部品の支持構造を断面で示している。モータ206およびそのギアボックス1502は、ベルト区分606a~cを駆動する牽引ドラム1501に固定されている。ベルト区分607a、bはアイドラドラム1503上にあり、これはその支持シャフト1505の周りを自由に回転可能である。ベースフレーム1504は、これらの構成部品を所定の位置に固定する。
【0038】
図16は、ベルトの終端用の張力付与機構の断面図を示している。ベルトのウェッジ形状613は、ウェッジ1601と支持壁1602a、bとの間で圧縮される。支持壁1602a、bは、終端ハウジング1604に対して圧縮バネ1605を圧縮している終端体
1603の一部である。アイドラプーリは、終端点からシーブに向かってベルトの方向を変えるために使用される。終端ハウジング1604は、ベースフレーム1504に固定されている。通常の動作では、ベルトに高張力が発生すると、終端体1603がベースフレーム1504に対して押圧する。動作中に低いベルト張力が発生すると、圧縮バネ1605は終端体1603を外側に押し出し、常にベルト張力を維持し、これにより牽引ドラム1501が機能することを可能にする。
【0039】
図17は、明確にするために、多数の基本構成部品の完全な側面図を示している。
図18は、滑車装置の1セットのみに依存する本発明の代替となる種類を示している。ベルトは、第1の滑車装置および駆動ユニットを出た後、リールに巻き取られる。複数のシーブ1801は、シーブセット311に類似しており、複数のシーブ1802は、シーブセット310に類似している。駆動シーブ1803は、先の種類の駆動シーブ1501に類似しており、アイドラシーブ1804は、アイドラシーブ1503に類似している。
【0040】
図19は、駆動要素の詳細図を示している。ベルトのトポロジーは、第1の滑車装置、方向転換シーブ、および駆動ユニットを通じて同じままである。ベルト円弧区分1901a~cはベルト円弧区分606a~cに類似しており、ベルト円弧区分1902a、bは607a、bに類似している。ベルトが駆動領域を出ると、ベルトは対向する滑車装置に転向されるのではなく、シーブ1903によって巻き取りリールに転向される。スプール1904は、ばねまたは能動的な機械的手段によって動力を供給されてもよい。
【0041】
図20は、本発明の第2の種類のベルトのトポロジーの詳細図を示している。ベルト円弧区分2001は方向転換シーブ1903上にあり、フリースパン2002はスプールされたベルト2003につながる。
【0042】
図21は、第2の種類の等角図を示す。フリースパン2100a~jは、他の滑車装置ベースの昇降装置と同様に、アクチュエータを介して引張荷重を支持する。ベルトは、駆動シーブ1803とアイドラシーブ1804とで構成されるキャプスタン摩擦式駆動ユニットを介して駆動される。駆動ユニットを出た後、ベルトは、低張力での保存のために、シーブ1903によってリール1904へ転向される。システムを通る動力フローの大部分は、キャプスタン駆動シーブ1803を通り、回転アクチュエータへ流れる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「およそ」、「約」、「実質的に」という用語および類似の用語は、本開示の主題が対象とする当業者による一般的かつ容認された使用法と調和した広い意味を有することを意図する。これらの用語は、これらの特徴の範囲を提供された正確な数値範囲に制限することなく、記載された特定の特徴の説明を可能にすることを意図していることが本開示を検討する当業者によって理解されるべきである。したがって、これらの用語は、説明された主題の実質的ではない、または細かい修正または変更が本開示の範囲内であるとみなされることを示すものとして解釈されるべきである。
【0044】
様々な実施形態を説明するために本明細書で使用される「例示的」という用語は、そのような実施形態が可能な実施形態の可能な例、表現、および/または例示であることを示すことを意図していることに留意すべきである(およびそのような用語は、そのような実施形態が必ずしも並外れたまたは最上級の例であるという意味を含むことを意図していない)。
【0045】
本開示の目的のために、「結合された」という用語は、2つの部材が互いに直接的または間接的に接合されることを意味する。そのような接合は、本質的に静止したものでも可動のものでもよい。このような接合は、2つの部材または2つの部材と任意の追加の中間部材が互いに単一の本体として一体的に形成されるか、2つの部材または2つの部材と任
意の追加の中間部材が互いに取り付けられることで達成され得る。そのような結合は、本質的に永続的であっても、本質的に取り外し可能または解放可能であってもよい。
【0046】
様々な要素の向きは、他の例示的な実施形態によって異なる場合があり、そのような変形形態は本開示に含まれることが意図されることに留意されたい。開示された実施形態の特徴は、他の開示された実施形態に組み込まれることができることが理解される。
【0047】
様々な例示的実施形態に示されているようなばねシステムまたはその構成要素の構造および配置は、例示にすぎないことに留意することが重要である。本開示ではいくつかの実施形態のみを詳細に説明したが、本開示を検討する当業者は、開示された主題の新規の教示および長所から実質的に逸脱することなく、多くの修正が可能であることを容易に理解するであろう(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および割合の変更、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、向きなど)。例えば、一体的に形成されたものとして示される要素は、複数の部品または要素で構成され、要素の位置を逆にするか、あるいは変えることができ、個別の要素の数または性質、または位置を変更または改変してもよい。任意のプロセスまたは方法のステップの順序またはシーケンスは、代替の実施形態によって変更または再度並べ変えられてもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件、および配置において、他の置換、修正、変更、および省略を行ってもよい。
【0048】
特許、特許出願、記事、書籍、論文、およびウェブページを含むがこれらに限定されない、本出願で引用されたすべての文献および類似資料は、そのような文献および類似資料の形式に関係なく、明示的にその参照によってその全体として組み込まれる。定義された用語、用語の使用、技術の説明などを含むがこれらに限定されない、組み込まれた文献および類似の資料の1つまたは複数がこの出願と異なるか矛盾する場合、この出願が優先される。
【0049】
本明細書では様々な発明の実施形態を説明および図示したが、当業者は、機能を実行し、および/または結果を得るための様々な他の手段および/または構造、および/または本明細書で説明した1つまたは複数の長所を容易に想定するであろう。そして、そのような変形および/または修正のそれぞれは、本明細書に記載された発明の実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本発明の教示が使用されている特定の用途しだいであることを容易に理解するであろう。当業者は、日常的な実験のみを使用して本明細書に記載の特定の発明の実施形態に対する多くの同等物を認識または確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、具体的に説明および請求される以外の方法で発明の実施形態を実施できることを理解されたい。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載の個々の各特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、本開示の発明の範囲に含まれる。
【0050】
また、本明細書で説明される技術は、少なくとも1つの例が提供された方法として具現化され得る。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な順番で行われてもよい。したがって、実施形態は、例示の実施形態では連続的な動作として示されているが、いくつかの動作を同時に実行することを含む、例示とは異なる順序で動作が実行される実施形態を構築し得る。
【0051】
本明細書で定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書の定義、および/または定義された用語の通常の意味に優先されると理解されるべきである。
【0052】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、これに対して明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0053】
本明細書および特許請求の範囲で本明細書で使用される語句「および/または」は、そのようにつながれた要素、すなわちいくつかの場合に連言的に存在し、他の場合に選言的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」で挙げられた複数の要素も同じように解釈されるべきであり、すなわち、そのようにつながれた要素の「1つまたは複数」である。「および/または」節によって具体的に特定される要素以外に、具体的に特定される要素に関連するかどうかに関係なく、他の要素が任意で存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「備える」などのオープンエンドの表現と組み合わせて使用される場合の「Aおよび/またはB」への言及は、一実施形態では、Aのみ(任意でBではない要素を含む);別の実施形態では、Bのみ(任意でAではない要素を含む);さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意で他の要素を含む)等を示すことが可能である。
【0054】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムを分離する場合、「または」または「および/または」は包括的、つまり要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが複数も含む、また任意でリストにない追加のアイテムを含むと解釈されるものとする。これに対して、「のうちの1つのみ」や「正確に1つ」などの明確に示す語句、または請求項で使用される場合は「からなる」という表現のみが、正確に1つの要素、またはリストの数の要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「どちらか」、「のうちの1つ」、「1つのみ」、または「正確に1つ」「本質的にからなる」のような排他性を示す語句が付く場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち「そのうちの1つまたは他方、しかし両方ではない」)を示すと解釈されるものとし、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を持つものとする。
【0055】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つまたは複数の要素のリストに関して「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、要素のリスト内に具体的に挙げられている各要素およびすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものではない。また、この定義では、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外に、具体的に特定された要素に関連するかどうかに関係なく、任意の要素が存在することができる。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しないで、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つのA(および任意でB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在しないで、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つのB(および任意でA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つのAと、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つのB(および任意に他の要素を含む)等を指すことができる。
【0056】
請求項および上記の明細書では、「備える」、「含む」、「持つ」、「有する」、「含
まれる」、「関与する」、「保持する」、「から構成される」等のすべての移行句などはオープンエンドであると理解されるべきであり、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味する。米国特許庁特許審査手続マニュアル、セクション2111.03に記載されているように、「からなる」および「から本質的になる」という移行句のみがそれぞれクローズドまたはセミクローズドの移行句とされる。
【0057】
請求項は、その旨述べられていない限り、記載された順序または要素に限定されると解釈されるものではない。添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が当業者によって行われ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲およびその等価物の精神および範囲内にあるすべての実施形態が請求される。